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うみゃあと猫鳴く猟書家戦

作者：椿油

●蒸気船、間もなく発射を致します
　ここは群島海域。島々を繋ぐライフライン、大型蒸気船のエンジン部には、怪しげな男がいた。そう猟書家である。
『フフフ……この船を暴走させてやろうじゃないか！』
　素早く災魔の卵を埋め込んだこの男は、何事も無かったかのようにデッキへと向かったのだった。

　数分後。

　ポッポォォォォォォォォォーーーーッッッ!!!
　と、けたたましく暴走する蒸気エンジン。さらに蒸気と一緒に海上にばら撒かれる災魔。
『うみゃあ！』
『海みゃあ！』
『魚うまいにゃあ！』
　ばら撒かれたのはウミネコ……もとい水兵さんのケットシーだった。

「な……何だありゃあ！　大変な事態だにゃ……！」
　それに気づいた近くの島のケットシー。彼は、主に海洋専門のビーストマスターであった。
「出てこいシャチっ！　あの船と大量のケットシーを追うのにゃー！」
　呼び出したシャチに乗り、海上を走り始めたケットシー……果たして蒸気船の運命やいかに？

●グリモアベース
「って所までは分かったわ。今分かるのは、蒸気船を何が何でも止めなきゃいけないって事」
　グリモア猟兵のジェルダ・ヒーメィ（銭の亡者・f27900）は大まかな海図を取り出した。
「近くの島から出航した大型蒸気船の、異常に気付いたケットシーがいたみたいね。えーと彼の名前はシーガル、直訳するとカモメね。ウミネコじゃないのね……」
　ちなみにウミネコはブラックテイルド・ガルである。

「まずは海上にばら撒かれた水兵さんのケットシー達を何とか片づけて欲しいんだけど、水上移動が可能なエンジンが付与されてるから……水上戦はまあ出来る方みたいよ」
　水兵を片付けたら、ボスは暴走する大型蒸気船のデッキに居るという。
「優雅に暴走する様子を眺めてるから、お灸据えてやって頂戴！　にしてもケットシー好きなのかしらこの猟書家？」

　それはともかく、群島が壊滅する前に幹部と蒸気船を止めねば──。

第1章 集団戦 『水兵にゃんこ』

POW   :    水兵にゃんこのボクの船～～クラッシュか？ 自身が装備する【七曲りするシップ（船） 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。 SPD   :    ご主人様からもらった前払いのお魚なのにゃ 戦闘中に食べた【前払いの 魚】の量と質に応じて【魚の漢字に隠された言葉の特性を取り込み】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。 WIZ   :    手旗戦闘指令 【 手旗信号】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【対象の近くにいる仲間が指示通りの方法】で攻撃する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

　ティファーナは、《フェアリーランド》の壺の中から風と水と生命の精霊、聖霊、月霊、戦乙女、天使、英霊を呼び出し、七色こんぺいとうを配った。
「ミンナ、今日もよろしくね☆」

　水の精霊の加護もあってか、水上に強くなっているティファーナ。
『うみゃみゃ!?　海上に猟兵の姿アリみゃあ！』
　手旗信号で仲間に指示を運ぶ水兵にゃんこ達。
『あれ、消えたみゃあ……？』
　海上は広い。水兵にゃんこ達が見失っているうちにそっと近づき、属性を乗せた矢を放った。
「えいっ♪」
『うみゃッ！　あそこみゃあ！　至急追撃みゃあ！』
　手旗信号を振るも、また見失った。
『みゃみゃっ？』

「(水の精霊さん、ありがとう☆)」
　水の精霊とくっついた事で、姿が水と同化していたらしい。
『おっかしいみゃあ……海は広いみゃあ、大きいみゃあ……見失っても仕方がなゴフッ!!』
　水の精霊による神聖なる矢の一撃。広がるように放たれたそれは、水兵にゃんこ達のエンジンへも突き刺さり、水兵にゃんこ達は白旗を揚げつつ親指を立てて海中へと沈んで行ったのだった。
「精霊パワー全開だね☆」
「いえいえ、海も私の守護すべき域の一つ。問題はありません」
　生命の精霊は最後に、水兵にゃんこ達を骸の海へと返したという。
「水の精霊、貴方返す場所(海)間違ってますよ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

「新しい猟書家も、厄介ですよねー。ま、いきましょうか、陰海月」
「ぷきゅー」
　義透は、陰海月によいしょと乗りつつ、ビーストマスターのシーガルにちょっとしたお願い事をする。
「ああ、シーガル殿。あのケットシーを、こちらに集めるようにできます？」
「任せておくにゃ！　それゆけサメっ！」

「しゃーーー!!」
『サメみゃああ！　ざりざりは痛いのみゃあ！』
『みんな至急退避ーーっ！』

「よし、成功にゃ！」
　上手い事、義透の近くまで集まったところで棒手裏剣の漆黒風にUC《連鎖する呪い》を付与した上で、水兵にゃんこ達に投擲する。
『うみゃっ！　しまった追い込み漁だったみゃあ！』
「ただの追い込み漁じゃありませんけどねー？」

　そう、呪い付きの追い込み漁は水兵にゃんこ達に不幸をもたらす。
『旗が全部飛んで行ったみゃああ！』
『エンジン不調！　我エンジン不調みゃあ！』
『漏電みゃあああ！』
『最後のひと踏ん張りみゃあああ!!』
　近づいても、クラゲの陰海月にぷすっと刺されて沈むだけである。
「ぷきゅ」
『シビレビレビレビレみゃああ!!』

　現場は大混乱を極めた。
「おーう、猟兵恐るべしにゃ」
「しゃーく」
　シーガルとサメもびっくりである──。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「はっ、そんな船で大丈夫か？」
　メルティアは水兵にゃんこ達を見て笑う。
「可愛い猫だからと言って加減はしねぇぜ？　海上の戦いってのを教えてやる」

　メルティアはUC《MODE DESTROYER》発動により、駆逐艦モードに変化。連装噴進砲と機銃を装備した対水兵にゃんこ使用の駆逐艦が抜錨する。

「発射ァ!!」
『うみゃあ～！　こっちも対抗みゃあ！　ゆけ七曲りシップ！』
　負けじと船を発進させる水兵にゃんこ。だが、
「ぬるいぜ！」
　全て連装砲と機銃の連射によって大破した七曲りシップ。
『みゃみゃ!?　作戦変更みゃ！』

　ざぶんと水中へと消えた水兵にゃんこ達。
「分かってねぇな。駆逐艦ってのはな、潜水艦キラーなんだぜ!!」
　ソナーで位置を探知した上で、爆雷を投げ込んだメルティア。海中に爆音が響き渡ったあと、ぷくぷくとあぶくが見えたのち、ぷかりと水兵にゃんこ達が浮いて来た。

「(……まあ、穴だらけにしない辺り私としては加減しちまってるか)」
　水兵にゃんこの一部は白旗を挙げていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「シーガルさん、操縦だけは任せてもらってもいいです？」
　丁度いい小型のモーターボートを見つけた美鳥。
「了解にゃ！　海の仲間達の操縦で慣れてるのにゃ」
　スチームエンジンを取り付けつつ、船は発進する。

『みゃっ！　また来たのみゃ！』
『速いみゃ！　逃げろみゃあ！』
　シーガル操縦の船が水兵にゃんこへと近づく。
「乗ってる子は可愛いから船を止めるだけで済ませたげる!!　穿てー!!」

　美鳥はUC《投影・追憶の装具》を発動し、銛を大量に投影する。そして上空へと放たれた銛はそのまま、水兵にゃんこ達のエンジンへとぶつかった。

『うわぁバチバチしてるみゃあ！』
『みゃああエンジンがー！　エンジンがー!!』
「追加！　お願いこれで大人しくしてね！」
　さらに機関部へと銛は放たれる。いよいよ爆発したエンジン。
『このままじゃ焼き猫みゃあ！　皆退散、退散ーーッ!!』
『焼き猫は嫌みゃあ!!』
『美味しく食べてみゃあ……！』
『おいそこ諦めるなみゃああ！　泳げー！』

　エンジンから離れて一目散に逃げて行った水兵にゃんこであった。
「ふぅ……これでよし、かな？」

大成功 🔵​🔵​🔵​

「ここは、海の雲雀こと『スカイラーク・ガル』の出番ですね！」
　キャバリアの絶無に海遊装備を付けて乗る雲雀。バックパックをサーフボードへと変形させ、UC《オトモおーけすとら楽団》で狐火のオトモ達を召喚した。

　狐火のオトモ達はギターやマラカスをシャンシャン奏で、旋律に太鼓を加えさながら南国風音楽にノッて絶無は海上を進む。
「蒸気船一番乗りは、自分がいただきます！」
　絶無が引き起こす嵐で水兵にゃんこを近づけさせないし、そのまま蒸気船へと道が出来ていく。
「絶無、たまには海上を滑るのも悪くないですよね」

　サーフィンするキャバリアをぽかんと見ている水兵にゃんこ達。
『……あのキャバリア、バカンスしてるみゃあ……』

　気分は南国の風。狐火のオトモ達が奏でる南国メロディに乗って進む。
『こ、こらー！　いかせみゃいぞー！』
　勇気ある水兵にゃんこが嵐を超えて飛び出してきたが、ターンで容易くかわした。
『波が大きーい!!』
　その勢いで転倒した水兵にゃんこ。
『ぼくらに目もくれずに……真っ先に上陸するつもりみゃあ……！』

　狙うは猟書家の居る蒸気船であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「さあいくよひかりん！　海のバトルに出港だ！」
「ひかりん言うな！」
　ひかりんこと、陽里はリオンに呼び出されたらしい。
「前はライのホバー機能をお試ししたけど、もう大丈夫だね！　免許皆伝だよおめでとう！　じゃあ今度は、おにーさんのゴーレムさんと共闘だ！」
「ゴーレム……？」

　リオンはUC《フライングメイカー》を発動し、イワシっぽいゴーレムを召喚した。
「見て見てこの船！カッコいいでしょ！」
「カッコいいか？」
「ふふん、名付けてシーサーディン号！　いっつも食べられちゃうイワシがにゃんこを食べちゃうのが見どころさ！」
「(猫は一杯いるし、もう意味わかんねぇ……いつもの事だけど)」

　陽里はホバー機能を試されたという宇宙バイクのライに騎乗し、UC《splash race》でシーサーディン号と水上レースを行うかのように共闘を開始する。さらにシーガルもシャチで並走だ。

「あんたのトコに敵を誘導するから、攻撃はよろしく！」
「了解にゃ！」
　ライの操縦コースを絞って、水兵にゃんこ達を追い詰める陽里。
『逃げるみゃ！』
『ってこっちにでっかいイワシがあるみゃ～!?』
「かつぶし砲、一斉発射！」
　リオンに砲撃される水兵にゃんこ。
「追い込み漁ってやつだね！　さぁさぁ、ド派手にいくよー！」
　水と風の魔法を水兵にゃんこ達に浴びせる。海上は陽里が作った波によってわっちゃこっちゃの大騒ぎだ。
『エンジン破壊みゃあ!!』
　さらにシーガルも攻撃を加える。
「それゆけー！　シャチアタックにゃー！」
『うみゃ～～!!　痛いみゃあああ！』

「いや～、イワシがかつぶし放ってにゃんこに噛み付くのは圧巻だね！　あとナイスカオスだったよ、ひかりん♪」
　サムズアップを見せつけたリオン。
「成程、これが生態系……なわけないか、ってひかりん言うな！」
　現場はイワシとカオスの渦潮に包まれたようだった。
　なお水兵にゃんこはこのカオス攻撃で全滅した模様。目指すは猟書家だ！

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

第2章 ボス戦 『造船者オーレリアン』

POW   :    レンチは技術者の武器 【レンチ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。 SPD   :    あらゆる機械は技術者の相棒 【召喚した魔導蒸気機械】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 WIZ   :    ボイラー室は技術者の戦場 【破損した蒸気機械】を降らせる事で、戦場全体が【高温多湿のボイラー室】と同じ環境に変化する。［高温多湿のボイラー室］に適応した者の行動成功率が上昇する。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

『猫共は全員やられたか』
　猟書家、造船者オーレリアンはデッキで呟く。
『ふっ、まぁいい。私が直々に迎え撃とうじゃないか！』
　レンチを片手に、技術者であるオーレリアンはデッキで猟兵達を待つのであった。


「さてさてー、あれが今回の猟書家ですかー。陰海月、飛びなさいな」
「ぷきゅー」
　ミズクラゲの陰海月は空を浮遊する事もできる。
『ふむ、海月如きなら我が蒸気機械で……』
　オーレリアンが蒸気機械を召喚しようとした所に、義透はUC《四悪霊・『解』》を発動し呪詛がオーレリアンに付与される。
『……！　何をした？』
「さあて何でしょうねー？」

　密かに運気・霊力・生命力を奪っていたのだが、オーレリアン自体は生命力ぐらいしか気づいていないようだ。
『む……故障か？　エンジンが動かぬ……』
　運気が奪われた事で、召喚した蒸気機械のエンジンもストップする。そこに義透が棒手裏剣を投げ込み、いかにも不運な場所に命中した。
『ッ！　急所に当てる術を持っているのか……！』
「(あなたが不運になっただけですけどねー)」
「ぷきゅ」
『ええい、まずはそこの海月から潰す！』
　しかし水しぶきがデッキに来て、濡れた足場に思いっきりずっこけたオーレリアン。

「やっちゃいなさいな、陰海月」
「ぷきゅ～」
　プスプスと陰海月に刺されるオーレリアンであった。
『……ッ!!』
　恐らく、オーレリアンのそれは凄くイライラしている顔だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　ティファーナはUC《フェアリーランド》から、風精霊、聖霊、月霊、戦乙女、天使、英霊を呼び出し金平糖を配る。
「それじゃあ行くよっ☆」
　月霊の力を乗せた矢を放ったティファーナ。月霊の効果で敵の弱体化も図っている。

『小癪な！　我がボイラーの力を喰らうが良い！』
　壊れて暴走した蒸気機械のボイラー。蒸気機械が荒ぶって高温多湿になる前に、とティファーナは素早く月の力を込めて力を放っていく。
「あ、ついでに遊んでおいで♪」
　小妖精を放ったティファーナ。悪戯大好きな彼らにかかれば機械はただのオモチャに過ぎない。
『おい、私のボイラーに何をする気だ！』
「気を緩めちゃ駄目だよ☆　ほら！」

　気づいたらグレムリン達小妖精が、ボイラーに悪戯して滅茶苦茶にしていたのだった。
『熱ッ……！　こっちにボイラーを向けるな！　この、あっち行けっ!!』
「今だっ！」
　神聖なる矢をオーレリアンに放つティファーナ。
『くっ……膝に矢を受けてしまったか……！』

「みんなありがとね♪」
「チョット火傷したけどナ！」
　グレムリンはキヒヒと笑いながら悪戯大成功に喜んでいたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「いいぜ、私の本気を見せてやる」
　オーレリアンに対し言い放ったメルティア。
「コード認証、バインダーの精製上限をオーバーライド……これが特異点って奴だ」
　UC《MODE SINGULARITY》を発動し、技術的特異点(シンギュラリティ)の力を増す。その形姿は駆逐艦から、軽巡洋艦になった。

『……何が始まるというんだ』
　思わず唖然とするオーレリアン。その間にも、姿は軽巡洋艦から重巡洋艦へと変わる。
「もう一度だけ聞いてやるぜ。そんな艦で私に勝つつもりか？」
『なッ……』

　今の艦装備に魚雷・ＶＬＳ・戦艦砲・ＣＩＷＳを持つメルティアの巨大な艦姿を見て、オーレリアンは思わず一言。

『……勝てまい』
「だろォ？」
　戦艦へとさらに姿を変え、より無敵に見える姿へとなっていく。
「これだけの動力を一点集中だ。空間ごと捩じ切ってやるぜ」

　砲身がオーレリアンを捉えた。
「ケリを付けてやるぜ!!」
　瞬間、オーレリアンの絶望の顔は砲撃で一瞬で消えた。蒸気船が壊れかける程の砲撃だったが、もう暫くすれば海のどこかから浮かんでくるだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

「蒸気船、捕捉しました！」
　雲雀は速度を上げて、蒸気船の横腹に。絶無に騎乗した状態でサーフボードごと突き立てて乗り込む。そしてサーフボードの外壁を蹴破って出て来たフィーナ。
「死ぬかー思ったわ！　むちゃくちゃするわね！？」
「さぁ、ボス戦ですよ！」
「行くのにゃー！」
　シーガルも見届け人として、同行だ。

　さてオーレリアンは何とかしてまだ蒸気船占領を諦めていなかった。
『暴走したボイラーを喰らえば、ひとたまりも無いだろう……？』
「シーガル、これ巻いておきなさい」
「にゃにゃ？」
　フィーナの持っていた編み込みのマフラーは、温度調整がしやすくなっている。
「ありがたいにゃあ、これでムシムシに耐えられるのにゃ」

「さーて、とっておきを見せてやるわ！来なさい！　今日のびっくりどっきり魚介類はマグロよ！」
　フィーナのUC《回遊魚ノ怒リ》によって出て来たのはぴちぴちのマグロ。それを雲雀がUC《光の粒子を凝縮した操り糸》で出した糸によって操るコンボプレイだ。
「名付けて《マグロ一本釣り》です！」
『マグロだと……!?』

　新鮮な召喚されたてのマグロの制御を雲雀に手伝ってもらうのがこのマグロ一本釣り作戦。
「マグロの勢いを無駄なく利用して、オーレリアンさんに直接当てます！　御覚悟！」
　荒ぶるマグロは雲雀の糸制御でオーレリアンに思いっきりぶつかる。
『ぐふッ……！　今のは痛かったぞ……！』
「ナイスフィッシングよ雲雀！　その勢いで沈黙するまで叩きまくっちゃって！」
　マグロ自身もオーレリアンを餌として突進しに行く。オーレリアンの脳天と衝突したマグロ。オーレリアンの角に突き刺さったが、雲雀が引き抜いてもう一回振り回す。
「もう少しの辛抱です！」
　軽く脳震盪を起こしているオーレリアンだったが、ついにレンチを取り出す。
『おのれ……マグロごときがァァァ!!　蒸し焼きにしてくれる!!』
　猟兵では無くマグロにヘイトが集まっている時点で、オーレリアンはもう思惑に乗っているようなものである。
『このッ!!』
「(そのマグロ、生じゃなくてUC製だからいずれ消えるわよ)」
「(気づいていないうちがチャンスです！)」

　結局、何回か脳震盪を喰らったオーレリアンだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「(蒸気船に乗船できれば足場があるはずだけどな……)」
　陽里は、とりあえず『おにーさん』ことリオンのUC《フライングメイカー》産のイワシ型ゴーレム、シーサーディン号に乗って上陸を行う事にした。

　そしてシーサーディン号はイワシ型ゴーレムの密集隊形、目だけ赤いゴーレムで出来ている。
「目だけ赤い、名付けて《スイミー計画》！　足場と攻撃確保で一石二鳥万歳三唱だね！」
「……マジで、ゴーレムとは？」
　呆れながらシーサーディン号を見つめる陽里。
「ひかりんが！　ひかりんがゴーレムさんに興味を持ってくれるだなんて！　おにーさんは嬉しいッ！　よよよ……っ!!」
　思わず勘違いしながら泣き始めるリオン。
「(興味じゃねーよ呆れてんだよ！)」

「よっし！　じゃあ説明しよう！　ゴーレムさんとは魔導力で動く……」
「説明始めんな！　あとあんま突飛な事してっとシーガルさんが困っちゃうだろ！」
「ふむふむ成程にゃぁぁ～～☆」
　キラキラした目でリオンの説明を聞くシーガル。
「……あ、意外と困ってないな。スイミーは知らんから後で調べとこ……」
　と、小声で呟きつつ　ようやくボス戦だ。

『コイツらさえ……コイツらさえ倒せば！』
「俺も相棒には自信あんだよ。さ、あんたの相棒も見せてくれ！」
　陽里が質の良いエンジン音を唸らせる。
『行くぞ貴様らァァ……!!』
　蒸気機械のボイラーを暴走させながら、新たに蒸気機械を召喚するオーレリアン。

「いっけぇ黒サーディン！　ゴーレム技術なら負けないんだからね！」
　リオンはシーサーディン号の胴体をイワシ海戦術とばかりに蒸気機械目掛けてぶつけていく。
「本気を見せるぜ！」
　UC《ゴッドスピードライド》で速度を増す陽里。シーサーディン号の群れが全部突撃する前に、足場として使わせてもらう。全速力でふかし、オーレリアンに突撃する。
「いっけぇぇぇぇ!!」
　イワシ型ゴーレムに破壊される蒸気機械。そして、手の内が無くなったオーレリアンは……イワシとバイクに轢かれた。
『ま……負けた……だと……ぐふっ』

「凄いのにゃ～!!　さすがおにーさん達なのにゃあ♪」
　シーガルもぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。　かくして、船が多少壊れたり吹っ飛んだりしつつ、猟書家の脅威は去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2021年05月01日 宿敵 『造船者オーレリアン』 を撃破！