5
ウホッ! ウホホッ! ウッホホーイッ!

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #悪魔公爵ア・ヴォート #バーバリアン #闘神ガンダッタ #猟書家 #トンチキシナリオ #どうしてこうなった #ゴリラ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#アックス&ウィザーズ
🔒
#猟書家の侵攻
🔒
#悪魔公爵ア・ヴォート
🔒
#バーバリアン
🔒
#闘神ガンダッタ
🔒
#猟書家
#トンチキシナリオ
#どうしてこうなった
#ゴリラ


0




 アックス&ウィザーズ世界で、恐ろしい事件が猟書家の手で引き起こされた。
「ナンジラノチカラ、ワレノモノトスル!」
 突如としてバーバリアンの集落に出現した魔神の猟書家は、超巨大な黄金のバナナを天へと掲げた。
 すると、バーバリアン達は正気を立ちどころに失い、思考が全て闘争で満たされてしまう。
 更に、バナナ型マジックアイテムの影響からか、バーバリアン達は恐るべき進化を遂げてしまった!
 それが……。
「ウホッ! ウホホッ! ウッホホーイッ!」
「ウホウホホッ!」
「ウッホウッホホ!(ドコドコドコドコ!)」
 バーバリアン達は老若男女問わず、異形のゴリラモドキへと変貌してしまった!
 本能のままに破壊行為を繰り返すゴリラモドキ。
 絵面はカオスだが、確実にアックス&ウィザーズに危機が迫っていた……。

 予知をグリモアから投影し終えた蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)は、真顔のまま今回の任務内容を、グリモアベースに集まってくれた猟兵達へ伝達し始めた。
「えーとねっ? そもそも、なんで猟書家がバーバリアン達の集落を襲ったかのかというと……」
 レモンいわく、バーバリアン達には『闘神ガンダッタの伝説』というものが存在しており、なんでも“強き戦士は死後に戦いの園に迎えられる”という伝承らしい。
 アックス&ウィザーズで大天使ブラキエルの目論む『天上界への到達』を実現すべく行動いていた猟書家の一体が、この伝説と天上界が何らかの関係があるのではと睨み、バーバリアン達を無理矢理に戦わせてから死なせて、戦いの園への道を拓かせて支配を目論んでいるのだ。
「そのために、魔神猟書家『悪魔公爵ア・ヴォート』は、マジックアイテムでバーバリアン達を闘争に駆り立ててるってわけ、なんだけど……よりによってゴリラ化って酷いと思わないっ?」
 ツッコミを抑えきれなかったレモンが思わず本音を漏らしてしまった。
 本人もかねてから『脳筋ゴリラガール』という不名誉な称号を授かってしまっているせいか、今回の件はシンパシってしまうのだろう。
「村の外れに、今回のマジックアイテム『ゴールデンメガバナナ』が安置されてるよっ! 要は巨大なバナナだねっ! それを完食すればバーバリアン達は正気を取り戻して、かつ元の姿にも戻ってゆくよっ!」
 でも、注意すべき点がある。
「ゴリラモドキ化したバーバリアン達は、バナナを守るべく猟兵達に襲いかかってくるよっ! 歴戦の猟兵達なら簡単にあしらえるはずだけど、絶対に殺しちゃ駄目だよっ! 正気を取り返せれば、バーバリアン達は猟書家討伐に力を貸してくれるからねっ!」
 故に、ここは策略が必要だ。
 無論、真っ向勝負を仕掛けて見るもの面白いだろう。
「力比べの他に、みんながゴリラモドキに成り切って、彼らと心を通わせられれば、猟兵のみんなを仲間だと認識して、マジックアイテムのところへ案内してくれるって予知を見たよっ!」

 つまり、猟兵達はゴリラにならなくてはないっ!

「面倒臭いなら怪我させない程度に蹴散らしてもオッケーだけど、せっかくだからゴリラになりきってみてもいいんじゃないかなっ? それじゃ、頑張ってねっ!」
 レモンは何故か猟兵達と視線を合わせなようにしつつ、アックス&ウィザーズへの転送を準備し始めたのだった……。


七転 十五起
 ウホッ! ウホホッ! ウッホホーイッ!
 ウホーッ! ウッホウッホホ!
 ウホホィウホホッ! ウホーォッ!

 ……標準語に戻しますね。
 なぎてんはねおきです。

●どういうことなの……?
 皆さんにはゴリラモドキになってもらいます。
 もう一度言います。
 皆さんにはぁッ! ゴリラモドキにィッ! なってもらいまァーすッ!

 ゴリラモドキ化したバーバリアン達は、猟兵たちへ見境なく襲ってきます。
 普通に蹴散らしても問題ありません。気絶させれば正気を取り戻せます。
 ですが、猟書家との共闘を持ちかけるなら、穏便に済ませたいですよね?
 そこで、ゴリラモドキに皆さんはなりきってもらい、意思疎通を図って下さい。
 うまくいけば仲間だと思われ、スムーズかつ友好的に集落の外れに安置されているマジックアイテム『ゴールデンメガバナナ』のもとへ彼らが直々に案内してくれます。
 そこで一房が人間サイズの巨大バナナを1本食べきれば、バーバリアン達の洗脳が徐々に解除されてゆきます。
 頑張って完食して下さいね。

●プレイングボーナス(全章共通)
 バーバリアン達の正気を取り戻し、協力する。

 第一章は勿論のこと、第二章の猟書家戦は彼らとの共闘で有利に戦えます。
 そのためにも、第一章で全力のゴリラモドキを演じきって下さい。

 それでは皆様の全力ゴリラを期待して、ご参加をお待ちしておりまウホホーッ!
(ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ!)
213




第1章 冒険 『ゴリラモドキ』

POW   :    力ずくで止める

SPD   :    罠を仕掛けてみる

WIZ   :    意思の疎通を図る

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

藤原・忠重
【POW】

力強さ、思慮深さ、心優しさ。
全てを兼ね備えた森の賢者こそゴリラ。

「力はいいが、お前らの何処に思慮と優しさがある」

力ばかりの乱暴者などゴリラにあらず、チンパンで充分。

防御力重視でUCを発動、襲い来る猿野郎共の攻撃を
【気合い】で耐えつつ【力を溜め】る。

「そんな為体でゴリラ名乗ろうなんざ、おこがましいと思いなッ」

攻め手が緩めば【カウンター】の、死なない程度に加減した平手で張り飛ばす。

力強さ、思慮深さ、心優しさ。
纏めてゴリレベルの差を思い知らせてやる。

それで大人しくなるならよし。真のゴリラは弱きを助く。

ならないなら仕方なし。時には厳しさもゴリズムだ。
全て叩き伏せて、悠々とバナナを食うまで。



 藤原・忠重(じぶんだいじに・f28871)はかく語りき。
『自分を軽んじるダサい野郎に、一体何ができるんだ?』
 アックス&ウィザーズ、バーバリアンの集落へ転送された藤原は、変わり果てたバーバリアン達を見て嘆き、そして憤った。
「いいか? よく聞け。力強さ、思慮深さ、心優しさ。その全てを兼ね備えた森の賢者こそがゴリラだ」
 だが、バーバリアン達は猟書家のマジックアイテムによってゴリラモドキへ変貌させられてしまった。
 彼らは目の前の敵を破壊するための闘争を最優先に行動を起こす。
 そこに理性も知性も、存在しなかった。
 藤原が叫ぶ。
「力はいいが、お前らの何処に思慮と優しさがある!? 力ばかりの乱暴者などゴリラにあらず! お前らはチンパンジー以下の存在だ、この類人猿気取りが!」
 その言葉を挑発と受け取ったバーバリアン達は、一斉に藤原へ殴り掛かってきた。
 全方位からの拳の弾幕を、藤原は防御を固めて敢えて受け止め始めた。
「くっ……! 昔からこうだった……自分自身を重く思うと、体が本当に重くなる……」
 だが無策で受け止めるつもりはない。
 ユーベルコード『俺は俺にとって何よりも重い(セルフ・グラビテーション)』発動!
 己の自尊心に比例して、その身体の質量が増す先天的異能が数多の殴打に耐えられる頑丈さを藤原に与えた。
 バーバリアン達はまるで鋼鉄を殴っているかの如き感触に、次第に攻撃の手が緩んでいった。
 みな総じて、痺れた拳を擦り、パンパンに腫れ上がった上腕筋を挙げることすら叶わない。
「おい、お前らのゴリラ力(ぢから)はその程度か?」
 ダメージをすべて受け止めた藤原は、溜め込んだパワーを右腕の一極へ集中させる。
「そんな為体でゴリラ名乗ろうなんざ、おこがましいと思いなッ!」
 右腕を大きく振りかぶり、手近なバーバリアンの男の頬を盛大に平手打ちで引っ叩いた!
 破裂音めいたスラップ音と共に、平手打ちを食らったバーバリアンの男はキリモミ回転しながら地面をニ、三度跳ね転がっていった。
 その一撃は、摩擦熱からか藤原の右手から白い煙が上がっている……!
「安心しな、殺しやしねえ。だがな? 力強さ、思慮深さ、心優しさ。この3つ纏めて、俺とお前らのゴリレベルの差を思い知らせてやる」

 ――さあ、歯ァ食いしばれッ!

 その後、幾度となく響くスラップ音と共に響くバーバリアン達の悲鳴。
 それらが収まると、藤原は集落の外れへ案内された。
 案内された先に鎮座してるのは巨大なバナナ――今回に事件を引き起こしたマジックアイテムだ。そのまま悠然と人間の身長程もある巨大なゴールデンメガバナナを食べ始める藤原。
 その場にいたバーバリアン達はみな平伏していた。
「分かればいい。もし反抗するなら相手になってやる。時には厳しさもゴリズムだ。文句がある奴は全て叩きのめして、俺は悠然とバナナを喰らうまでだ」
 その威風堂々たる藤原の姿は、まさにゴリラの王に相応しいものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神代・凶津
ゴリラの真似だろうが俺達なら楽勝だ。行くぜ、相棒ッ!
「うん、いってらっしゃい。」
あれ?相棒?
「いってらっしゃい。」
アッハイ。


と、いう訳で今回は俺一人だぜ。うら若き巫女さんにゴリラになりきれは無茶振りが過ぎたか。
まあ、何とかなるだろッ!

とりあえず浮遊してバーバリアンと接触しゴリラになりきって意志疎通を図るぜ。
唸れ、俺のコミュ力・・・ッ!

ウホッ!ウッホホッ!
ウホ?ウホホッ?
ウホーッ! ウッホウッホホ!
(軽い挨拶から世間話、ウィットに富んだジョーク的ニュアンス)

心を通わせる事に成功したらバーバリアンの顔に被さってバナナに案内してもらい、友情を育みながら仲良く一緒にバナナを食うぜ。


【アドリブ歓迎】



 グリモアベース。
 朱塗りの鬼面ヒーローマスクの神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は、装着者で相棒の神代・桜と共に、今回の任務内容を聞いていた。
「ゴリラの真似だろうが俺達なら楽勝だ。行くぜ、相棒ッ!」
「うん、いってらっしゃい」
 桜は凶津を外して放り投げた。
 空中で浮遊する凶津は、普段とノリが違う桜に今一度告げた。
「行くぜ、相棒ッ! 俺達の見事なゴリラっぷりを見せてやろうぜッ!」
「……いってらっしゃい」
 柔らかく微笑む桜。
 だが纏う雰囲気は鬼気迫る凄まじい圧を放っていた……。
 凶津は状況判断。
「アッハイ。ヨロコンデー」
 こうして、今回は凶津単独で転送されていった。

「さて、今回は俺一人だぜ。うら若き巫女さんにゴリラになりきれは無茶振りが過ぎたか。まあ、何とかなるだろッ!」
 出たとこ勝負でふよふよと集落を浮遊して進んでいると、すぐにゴリラモドキ化したバーバリアン達に取り囲まれてしまう。
「早速お出ましか。手厚い歓迎で照れちまうぜッ? なぁ? って、相棒がいねぇと会話のテンポが狂うな……」
 バーバリアン達は自我を持つ鬼面に警戒しながらウホウホ言っている。
 そこに凶津は着目した。
「こうなりゃ、俺のゴリラぢからでゴリラ語を駆使して、意志疎通を図るぜ。うぉぉっ! 唸れ、俺のコミュ力……!」
 カッと両眼を見開いた凶津は、心の中のゴリラを覚醒させた。
「……ウホッ?」
 凶津の鳴き声にバーバリアン達が互いの顔を見合わせた。
 そのうちのひとりが返事をする。
「ウ、ウホホ?」
「ウッホ!」
 すかさず凶津は相槌(?)を打った。
 途端、バーバリアン達の剥き出しにしていた敵意が弱まってゆく。
「ウホ、ウホホッ、ウホウッホ?」
 凶津のゴリラ的挨拶が決まると、女性バーバリアンのひとりが顔を赤らめて問いかける。
「ウホッ! ウッホホッ?」
「ウホ、ウホホ……ッ。ウッホ?」
「ウホゥ……♪」
 凶津のクールなゴリラ口説き文句が、女性バーバリアンの心を射抜いて気絶させてしまった!
「ウホーッ! ウッホウッホホ!」
 凶津は女性が倒れた事を引き合いに小粋でウィットに富んだジョークを交えれば、バーバリアン達は一斉に大爆笑!
「「ウホホホホホーッ!」」
 完全に凶津はゴリラモドキ化したバーバリアン達の心を鷲掴みに成功した!
 だが、当の本人は……。
(やべぇ……適当にノリで答えてたらウケてやがる……なんだこれ? 怖ッ!)
 凶津自身は全く意思疎通が出来てなかった!
 だが、闘争で頭がいっぱいだった彼らを、凶津のゴリラジョークで正気に近付けさせたのは確かだ。そのままノリで会話を継続するしかない!
「ウッホホホ、ウッホウッホ!(さあ、俺をバナナのところへ案内してくれ!)」
「ウホッホ! ウホホウホッホ!(いいだろう! 新たな兄弟よ!)」
 その後も奇跡的に意思疎通が行われ、凶津はバーバリアンの青年に被ってもらう事になった。
「さあ、一緒にバナナを食って友情を育もうぜ!」
 巨大なゴールデンメガバナナを仲良くバーバリアン達と凶津は分かち合うと、彼らは立ちどころに元の姿と正気を取り戻したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

カシム・ディーン
獣になるとか…カシムさんは常にクールですよ

「でもご主人サマってエロい依頼だと本能全開だよね♥獣になったご主人サマ素敵だったぞ♥」
ぬがぁぁぁっ!ベルの奴めぇ!(七転八倒

【変装】でゴリラモドキに変装
メルシーもUCで変身

僕達の本気ゴリラを見せてやろう…!
メルシー…ゴリラの生態は判ってるな!
「勿論だよ☆割と誤解受けやすいってのもね」

ナックルウォーキングで歩き

ウホウホ
ウホっ

ドラミングで自己主張
尚、拳ではなくパーで叩きます
音は此方が響きやすく実際はこうしてコミュニケーションをとります

うほうほ

そしてゴリラ的に遊びます
あ、果物とったりして分け合

ウホウホ

ゴリラは本来理知的な動物

今こそゴリラの理知を思い出させます



「いや無いですねー……好きこのんで獣になりきるとか有り得ません」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は任務内容を聞いて乗り気ではなかった。
「このカシムさんは常にクールですよ。そんな野蛮な任務、今回は此方から願い下げで……」
「えー、受けないの、依頼?」
 ひょっこりカシムの背後から顔を出したのは、カシムのキャバリアこと界導神機『メルクリウス』の人間形態の銀髪少女メルシーだ。
「出たなストーカー?」
 カシムは半ば相棒ポジションに収まるメルシーを邪険に扱う。
「いくらお前が駄々をこねてもこれは駄目です。カシムさんのクールなイメージが損なわれますからね」
「でもご主人サマってエロい依頼だと本能全開だよね♥ アルダワ世界の依頼で獣になったご主人サマ素敵だったぞ♥」
 ポッと顔を赤く染めるメルシーの口元が愉悦に歪む。
「既 成 事 実 だ ね ?」
 カシムは先日の依頼内容が頭を掠めて後悔の念に苛まれた。
「ぬがぁぁぁっ! クソがッ!! あの眼鏡グリモア猟兵の奴めぇ! ペッ!!」
 お色気依頼で参加者を釣るグリモア猟兵を思い浮かべて唾を吐くカシム。
 だが、メルシーが冷静にツッコミを入れた。
「でもあの依頼、ご主人サマだって期待して向かったんでしょ? だったら自業自得だよね?」
「だからってお前が僕を襲っていい口実にはならねぇよ!」
 グリモアベースでゴロゴロと左右に転がるカシムを、メルシーはワントラップして浮かせてから金髪グリモア猟兵へ蹴飛ばしシュート!
「そのまま転送よろしくー♪」
「メルシー、てめぇぇぇっ!」
 そのまま空間に発生した光の渦にカシムは呑まれていった。
「それじゃ、メルシーも後を追うねー♪」
 境界渡りの権能を持つメルシーは、そのまま主の転送先へ向かっていった。

 転送直後、げっそりとした表情で憔悴しきったカシムがいた。
「まさか美少女にワントラップされるとか、僕の生涯で起こるとは思ってもいませんでした」
「メルシー、閃いた! さっきの技、ユーベルコードのアイデアに活かせるかも?」
「活かさせるかぁ! 僕がボールになって敵に突っ込むユーベルコードなんてゴメンですよ!」
 当然のように付いてきたメルシーお翻弄っぷりに体力が削れてゆくカシム。
「それより、早くゴリラモドキに変装しますよ。メルシーも早く姿を変えろ」
「はーい♪ ウッホウッホ♪」
 カシムは魔法で、メルシーは体の組織たる賢者の石の権能で完璧なゴリラモドキに変装した。
「こうなったら、僕達の本気ゴリラを見せてやろう……! メルシー……、ゴリラの生態は判ってるな!?」
「勿論だよ☆ 割と誤解受けやすいってのもね?」
 メルシーは今でこそ狂人めいた言動ばかりする謎のキャバリアだが、その実は一国の祖として伝説が残るほど位が高い神なのだ。
 なので、ゴリラの生態くらい、ネット検索感覚で一発でお見通しだ。
 メルシーはナックルウォーキングで歩きだすと、襲いかかってくるバーバリアン達を軽くいなしてゆく。
「ウホッ!」
 腕を円形に回し、旋回の力で直進してくる敵を左右へ掻き分けてみせる。
 一方、カシムはと言うと……?
「ウホウホ、ウホッ!(ドコドコドコドコ!)」
 胸元を左右の掌で交互に叩き、ドラミングを開始!
 拳ではなく、実際は掌で行うのが正しいドラミングのやり方だ。
 本物のゴリラたちは、こっちのほうが音の響きが良いことを本能で知っており、これでコミュニケーションを取っているのだ。
 カシムの見事なドラミングとメルシーの達人めいた防御に、バーバリアン達は怖気づく。
(今だ、メルシー!)
(オッケー、ご主人サマ!)
 バーバリアン達が怯んだと見るやいなや、カシムは懐から真っ赤な林檎を差し出した。
「ウホ……(これ、あちらのお客様からです……)」
 メルシーのゴリラ語に、バーバリアン達は感激してしまう。
 食べ物を差し出されたら、彼らも何かを差し出さねばならない。
 バーバリアン達は2人を集落の外れに安置されているゴールデンメガバナナの場所へ案内すると、2人へ身の丈ほどある巨大なバナナを差し出した。
 当然、2人はこれをありがたくいただき、もしゃもしゃと齧り付き始めた。
「ゴリラは本来理知的な動物……今こそゴリラの理知を思い出させましょう」
 その後、仲良くなった彼らは木登りや木の実探しをして友好を深め、その洗脳と変身を解いてゆくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

テラ・ウィンディア
…確かゴリラって森の強い賢者だったな
ならば挑むのは悪くない!

「いや、戦わずに解決するのも戦術ですよテラ!」

そ、そうなのか?

UC発動
ヘカテ
【化術】でゴリラにテラを変身させます!
私(子猫)は肩にしがみ付きます!

ウホウホ(なんだか不思議な感じ。でも何だろう…とても繊細な気がするぞ!

(拳で前を支えて歩くのか
(凄いな…こんな姿勢なのに全然苦しくない…ゴリラって筋力凄いな!

【見切り・第六感・残像・空中戦】
軽やかにゴリラモドキの攻撃を避けて

ドラミングして距離を保ち

お近づきの印としてリンゴや甘い果実を差し出すぞ

後はやっぱり格闘等武を競うぞ

是は元に戻った後も彼らと武術を示し合ってより交流だ

ゴリラも悪くないな!!



 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)がバーバリアンの集落へ転送されると、すぐに物陰に隠れて辺りを探り始めた。
「……確かゴリラって森の強い賢者だったな。ならば挑むのは悪くない! いくぞ、ヘカテ!」
 物陰から飛び出そうとするテラ。
 だが、それを黒猫が制止した。
「待って下さい、テラ! 戦わずに解決するのも戦術ですよ!」
「そ、そうなのか……?」
 一見、ヘカテは黒猫の姿だが、本来の姿は冥府の女王の名を関するサイキックキャバリアなのだ。
「テラ、良い機会です。知略こそ武器だということを私が教えてあげましょう! 私とパスを繋げて下さい!」
 ヘカテの要求に、テラは言われるがままにユーベルコード“魔術の神『ヘカテイア』(バンブツノマジュツヲオサメシカミ)”を発動させた。
「ヘカテイア、ウィザードモード起動……魔術回路、接続……完了。ヘカテイア、おれの魔力を持っていけ!」
「技能『化術』のレベルを1040まで増幅して、テラをゴリラの姿に変身させます!」
 テラの体がキラキラと煌くと、たちまち少女の姿から逞しいリアルゴリラへ変貌を遂げた。
「……ウホッ!(変身したぞ!)」
「さあ、テラ! ゴリラモドキに本物のゴリラの真髄を見せ付けるのです!」
「ウホホッ!(わかったぞ!)」
 テラゴリラはナックルウォークで集落へ足を踏み入れた。
 ヘカテはテラゴリラの肩に乗っかり、周囲の警戒を続ける。
(拳で前を支えて歩くのか。凄いな……こんな姿勢なのに全然苦しくない……! ゴリラの筋力ヤバいな!)
 ゴリラの本能がナックルウォークを可能にしていた。
 だが、余所者を排除するべくゴリラモドキ達がテラゴリラへ襲い掛かってきた。
「テラ! 右4、左3、後ろ5です!」
「ウホホー!(いくぞー!)」
 テラゴリラは前方へ飛び込んで前転!
 跳躍したヘカテをキャッチして振り返ると、背後でゴリラモドキ達が互いに正面衝突をしていた。
「ウホッ?(大丈夫か?)」
 テラは持参した木の実の盛り合わせをゴリラモドキ達へ差し出す。
 お見舞い品を寄越され、戸惑うゴリラモドキ達。
 だが闘争意欲に支配されたゴリラモドキ達はそう簡単に止まらない。
 再び殴りかかってくるゴリラモドキ達。
 テラゴリラは身を仰け反ってスェイ回避!
「ウホ……!(心を落ち着けるんだ……!)」
 ゴリラの繊細な心で暴力をいなし、テラゴリラは必死に彼らの機嫌を取り続ける。
 リンゴや遊具を差し出し続けると、ゴリラモドキ達は次第に攻撃の手を緩め始めた。
「ウホッ、ウホホッ! ウホホーゥ!」
 テラゴリラのドラミング!
 その姿は勇壮で、ゴリラモドキ達は畏怖と羨望の眼差しをテラゴリラへ向け始めた。
「皆さんをもとに戻すために、ゴールデンメガバナナの場所へ案内してくださいませんか?」
 テラゴリラの肩に乗っかるヘカテの懇願に、とうとうゴリラモドキ達はバナナのもとへ2人を案内した。
 巨大なバナナを2人がかりで食べきると、ゴリラモドキ達は元のバーバリアンの姿に戻っていった。
「ありがとう、勇敢なゴリラよ。あのままゴリラモドキとして周囲を破壊し尽くすところだった」
 バーバリアンの青年が礼を述べると、テラゴリラも少女の姿へ戻っていった。
「おれも変身していたんだ! それにやっぱりおれは拳でお前たちと語り合いたいぞ! いいよな、ヘカテ?」
「まぁ、洗脳は解けましたし、親睦を深めるのにやりすぎなければ……」
 苦笑いするヘカテの言葉に、テラは目を輝かせながら破顔した。
「やったーっ! よし! お前たち! おれと勝負だー!」
「いいでしょう! 力比べをしましょう!」
 こうして、テラは集落の力自慢たちと演習を始めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユーフィ・バウム
私はバーバリアンであることに誇りを持っています
また蛮人であることは認めましょう

それでもゴリラではないですよ!?
故郷への風評被害が懸念されます
なんとかするため【気合い】全開で臨む

ウッホホーイッ
まずは力づくで止めます
あえて撃ち込ませ【オーラ防御】全開で体で受ける
通じませんとも

心が籠らないゴリラ打撃などその程度
【勇気】纏う私のゴリラ力(ぱぁわー)とは、
こういうものですっ!
死なない程度に加減した【暴力】の平手打ちで黙らせます
泣いて分かってくれるまで、平手を止めないッ

無力化し、尻で敷き潰して優劣を示した後は
【動物と話す】【コミュ力】をフル稼働して
心を通わせましょう

案内してくれますよね?
ウホホ(にっこり)



 ユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は密林に住まう部族出身の少女だ。
 日焼けした肌に、空色の大きな瞳を持つ、キラキラ輝く銀髪が目立つ蛮人の娘は、目の前の異様な現状に頭を抱えていた。
「私はバーバリアンであることに誇りを持っています。また蛮人であることは認めましょう。ですが……それでも、蛮人はゴリラではないですよ!?」
 集落の老若男女達は総じてゴリラモドキに変身して暴れまわっていたのだ。
 これでは同じバーバリアンとしての風評被害が広まりかねない。
「それだけは避けなければなりません! ここは私もなりふり構っていられません!」
 ユーフィは露出度の高い戦闘衣装から覗く肉体に力を込める。
 鍛え上げられたしなやかな筋肉が、ゴリラモドキの拳の乱打を物ともせず弾き返す!
「ウッホホーイッ! あなた達のゴリラパゥワーはその程度ですか? この程度の威力、私には通じませんとも!」
 フンッと気合を入れ、殺到するゴリラモドキ達をユーフィはふっ飛ばした!
「理性を失って獣に堕ちてまで凶暴化しても、これでは鍛え方が足りません!」
 右腕に力を溜め、手近なゴリラモドキに詰め寄るユーフィ!
「心が籠らないゴリラ打撃などその程度の威力なのです。本物ゴリラぱぅわーとは勇気のぱぅわー! これが、勇気を纏いし私の魂のゴリラぱぅわーです!」
 上半身を最大限までひねり上げ、その反動でユーフィは右手を最高速度で振り抜いた!
 ゴリラモドキの左頬に、小隕石激突レベルのインパクト誇るビンタがクリーンヒット!
 音を置き去りにしたその威力に、ゴリラモドキの顔が右へ煽られ、体ごとキリモミ回転しながら吹っ飛ばされていった!
 一瞬の出来事に、他のゴリラモドキ達は理解が追いつかずに呆然と立ち尽くしてしまう。
「あなた達がッ! 泣いてッ! 判ってくれるまでッ! ゴリラビンタを止めませんッ!」
 ブンッブンッと素振りするたびに、凄まじい風圧が集落の家屋をバラバラに吹き飛ばしていった。
「アイエェェ……!」
「ビンタで家がすっ飛んでいったよぉ……!」
 既に正気に戻ったバーバリアン達が、ユーフィの覇気にビビりまくっていた。
 そしてその畏怖はゴリラモドキ達にも伝わる。
 だからこそ、ゴリラモドキ達は総力を決して襲い掛かる!
「警告はしました……では覚悟してくださいね?」
 ユーフィはユーベルコードで必殺の一撃を放たんと身構えた。
「鍛えられた肉体を、めいっぱい叩き込みますっ!」
 横薙ぎに振るった災害級のビンタが、ゴリラモドキ達を容赦なくぶっ飛ばしてしまった。

「皆さん、生きてますね? では、そろそろバナナの元へ案内してくれますよね? ウホホッ♪」
「「アイエェェーッ!?」」
 たおやかに微笑むユーフィの笑顔の裏に潜むゴリラキングの幻影に、ゴリラモドキ達は恐怖で失神者が続出してしまうのだった……!

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『悪魔公爵ア・ヴォート』

POW   :    サラなるチカラヲ!
【一時的に強大な魔力】に覚醒して【悪魔大公爵アーク・ヴォート】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    チカラチカラチカラチカラァッ!
【自身の力を求む渇望心に比例して鋭さ増す爪】で攻撃する。[自身の力を求む渇望心に比例して鋭さ増す爪]に施された【攻撃回数、攻撃速度、力吸収】の封印を解除する毎に威力が増加するが、解除度に応じた寿命を削る。
WIZ   :    テンをもワレのテに!
【天使の如き美しき翼をはやした姿】に変身する。変身の度に自身の【腕と翼】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟書家『悪魔公爵ア・ヴォート』は、バーバリアン達がゴリラモドキ達になった後、殺し合いが終わる頃だと踏んで集落へ舞い戻ってきた。
「……コレハイッタイ、ドウイウコトダ!?」
 悪魔公爵は目を疑った。
 バーバリアン達のゴリラモドキ化は解除され、誰一人として死者が出ていないではないか。それどころか、悪魔公爵の姿を見つけるやいなや、徒党を組んで突っ込んでくる!
「オノレ! シッパイシタノカ! ダガ、ナゼダ!?」
 悪魔公爵は今一度、突っ込んでくる蛮族達の集団を注視する。
 その戦闘を率いているのは、猟兵達だった!
「ソウカ! イェーガーノシワザダッタノカ! ヨクモジャマヲシテクレタナ!」
 怒り狂う悪魔公爵!
「ナラバ、ワレミズカラノテデ ミナゴロシニシテ、ラクヘンヘノミチヲキリヒラクマデダ!」
 悪魔公爵の魔力が急激に増幅する!
 強大な力を前に、バーバリアン達と共闘することを選んだ猟兵達はどのように立ち向かうのだろうか……?
藤原・忠重
【POW】

「お前か、あいつらにあんな無様を押し付けたのは」

「ゴリラの何たるかも分からねえ野郎が、恥を知れ恥を」

暴言で注意を引きつつ蛮族たちに合図を送り、敵からある程度離れて包囲させる。
命を削るほどの強化ならそう長くは持たないだろうし、反動も激しいはず。
【念動力】でオーラを操り【オーラ防御】でバリアを張り、味方を守って耐え忍ぶ。

暫し耐えたら強化が尽きる頃合いを見計らい、蛮族たちと共に【捨て身】の突撃。
敵の攻撃は致命傷になりそうなものをバリアで防御しつつ、
受けても死ななそうなものは【覚悟】や【気合い】で【激痛を耐え】て【継戦】。

反動による隙を突き、蛮族たちの総攻撃で体勢を崩してからUCを打ち込む。


神代・凶津
(猟書家に突撃していくバーバリアンの一団。先陣をきるのは鬼面を装着した一際屈強なバーバリアンの青年)
続け、ブラザー達ィッ!お前らをゴリラモドキにした猟書家に目に物見せてやれェッ!

俺を装着しているブラザーよ、お前さんは俺を被っている影響で一時的に猟兵クラスになったぜ。その力でおもいっきり暴れなッ!

集団戦術の知識を駆使してバーバリアン達に指示をだしながら猟書家に遠距離から炎獄砲を撃ちつつ徐々に距離を詰めてくぜ。
敵の攻撃を見切りフェイント交じりで避けつつ射程圏内に入ったらバーバリアンパンチを弾幕の如くラッシュだッ!オラオラオラオラッ!!


【技能・集団戦術、見切り、フェイント、弾幕】
【アドリブ歓迎】



 猟書家『悪魔公爵ア・ヴォート』は、突っ込んでくるバーバリアン達が正気を取り戻した事を悟った。
 その先頭を率いてるのは、朱色の鬼面を被ったバーバリアン……神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)とその協力者の青年だ!
「続け、ブラザー達ィッ! お前らをゴリラモドキにした猟書家に目に物見せてやれェッ!」
 集団の中で一際屈強な青年は、凶津と共に大地を蹴って爆走!
「俺を装着しているブラザーよ、お前さんは俺を被っている影響で一時的に猟兵クラスになったぜ。その力でおもいっきり暴れなッ!」
「助かる! 俺達をコケにした報いを、あの悪魔に受けさせてやろう、魂の兄弟よッ!」
 憤怒を宿した青年の想いを汲み取り、凶津は青年に力を授けた。
 その横を並走するのは、厳つい風体の藤原・忠重(じぶんだいじに・f28871)だ。
 眼前の猟書家をにらみつけると、両拳を鬱血するほど強く握り込んだ。
「お前か、あいつらにあんな無様を押し付けたのは」
 ぎりっと奥歯を噛みしめる藤原。
「ゴリラの何たるかも分からねえ野郎が、恥を知れ恥を」
「バカメ! グチョクニ ツッコンデクルダケカ!」
 猟書家は売り言葉に買い言葉、挑発に乗って一時的に強大な魔力をその身から解放!
「サラなるチカラヲ! ワレこそハ悪魔大公爵アーク・ヴォート!」
 爆発的にパワーアップした猟書家の拳が空気を割いてバーバリアン達のド正面に叩き付けられた!
「あぶねぇ! お前ら、散れ!」
 藤原の合図で蛮族達は蜘蛛の子を散らすように散り散りに広がってゆく。
 そのまま猟書家を包囲し、逃げ場を封じた!
「ブラザー達ィッ! ここは投石で全方位から潰すぜッ!」
 凶津は蛮族達に指示を飛ばす。
 鍛え抜かれたバーバリアン達の膂力から放たれた石ころは、もはや城壁を破壊させるカタパルト砲の弾丸が如き威力を誇る!
 それが全方位から叩き付けられるのだから、猟書家も堪ったものではない。
「グヌヌ! ウットウシイゾ!」
 猟書家は足元の地面を拳で叩き割ると、その破片を蛮族たちへ向けて投げ付けようとする。
「石ニハ石ダ! ツブレテシマエ!」
「させるかよ」
 投げ付けられた岩石の前に割り込む藤原!
 己の拳に念動力を纏わせると、飛んできた大岩を真っ向からぶん殴る!
「だァらっしャッ!」
 助走をつけて殴りつければ、拳から発せられた衝撃波が岩石を一気に粉砕してみせたではないか!
「ナニィッ!? 生身ノニンゲンが、ココマデノパワーを!?」
 驚愕する猟書家に、藤原は右肩をゴキゴキと鳴らしながら告げた。
「ほら来いよ。直接殴りたいならお望み通りにここを狙ってこい」
 くいくいっと人差し指で猟書家を誘うように、自身の頬を藤原は差し出してみせた。
 これに猟書家は堪忍袋の尾が引きちぎれた。
「コノ悪魔大公爵アーク・ヴォートヲ グロウスルカ!」
 猟書家は大地を蹴り込み、瞬間移動と見紛うほどの速度で藤原へ肉薄する。
「ソノ頭ヲ粉々ニシテヤル!」
「やってみろ、出来るものならな!」
 丸太のような巨腕が藤原の頬を目掛けて放たれる!
 だが、その一撃は空中で、見えない障壁に阻まれて止まってしまった。
「俺の念動力はそこまで強くはない。どちらかと言えば腕力でぶん殴ったほうが手っ取り早いからな」
 藤原は念動力で猟書家の巨腕を空中に固定すると、ガラ空きになったその腹部に狙いを定め、全身全霊の力を己の拳に込め始めた。
「でもな、俺はぶん殴ることしか能がねえから、誰にもこれだけは譲らねえ。お前ら、今ならこいつを殴り放題だ。やれ!」
 藤原の合図で、バーバリアン達が一斉に猟書家へ殺到!
 文字通り踏んだり蹴ったりの蹂躙を喰らう猟書家、その体勢が崩れた。
 そこへ、藤原が大股で一歩踏み込み、戦艦の砲撃めいた渾身の拳を猟書家の腹に突き刺す!
「ぶっ壊れろ――“俺は愚直に真っ直ぐに拳を前に出す(ザ・フィスト)”!」
「ガフッ!?」
 土手っ腹に叩き付けられた爆裂の一撃は、猟書家を高々と天へと吹き飛ばす!
「よっしゃッ! 今だぜ、俺を装着しているブラザーッ!」
「一族を愚弄したお前は、許さないッ!」
 凶津と青年の口元から、チロリと赤い火の粉が漏れたかと思った次の瞬間!
「「燃えろやぁッ!」」
 ゴオゥッという轟音と共に、周囲を真っ赤に染め上げるほどの熱量を持つ地獄の炎を撒き散らし、猟書家を燃やしていった。
「アッ……ガハッ……! ユーベルコードノ 反動ガ……!」
 寿命を削る超強化は、反動も凄まじいようだ。
「まだまだッ! ブラザー達ィッ! 突撃だァッ! オラオラオラオラーッ!」
 凶津はバーバリアン達を先導し、猟書家へ弾幕の如きパンチのラッシュを浴びせ始めた。
 大ダメージを被って超強化が剥がれた猟書家は、しばらくバーバリアン達の攻撃を防御してやり過ごすしか出来ないほど弱っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

木元・祭莉(サポート)
「よっし、おいらに任せといてー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、13歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子ですが、やる気だけは人一倍!

あまり悩まずさっと決断して、臨機応変に切り替えて、いつも楽しそうにテンション高く行動します。
本人マジメでも、結果コミカルになりがちです。

ユーベルコードは、地味に戦闘力底上げに使うことが多いです。
最後は、グラップルの正拳一撃で締めるのが理想形。

多少の怪我は耐性のおかげで気付かず、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!


八重森・晃(サポート)
『滅び<スクイ>がほしいのかい?』
 ダンピールのウィザード×聖者、14歳の女です。
 普段の口調は「母親似(私、君、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)」、怒った時は「父親似(私、お前、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




 戦いの流れは猟兵へと傾いている。
 より勝利へ近付くために、ここでサポーター猟兵が駆け付けてくれた。
「話は聞いたよ! 無理矢理にバーバリアンさん達をゴリラにする悪いやつは、おいらがやっつけるよ!」
 木元・祭莉(まつりんではない別の何か・f16554)は先手必勝とばかりに全身を燃え上がる白炎で覆い始める。
「駆け抜けるよ! どこまででも、きっと!」
 ユーベルコード“風輪の疾走(ホワイトラッシュ・オブ・ウインド)”発動!
 テンションはMAX! つまり最強!
 人狼の俊敏性を遺憾なく発揮し、猟書家の周囲をフェイントを交えつつ踊るように飛び掛かる祭莉。
 その最高速度は音を置き去りにするには十分すぎる速度で、マッハ10に手が届きそうな勢いだ。
 押される猟書家は再び魔力を解放して強化形態へと変身する!
「オノレ! チョコマカト ウルサイ犬ダ!」
「おいらは犬じゃなくて狼だー! とっても強いんだよ!」
「ナラ この拳ヲ ウケトメテミロ!」
 巨木めいた大悪魔のパンチを左手で払い除ける祭莉。
 一瞬、メキッ……と骨が軋む音が聞こえたが、それでも祭莉は平然として、ダメージを受けた方の拳で猟書家の顎をカチ上げてみせた!
「ングッ……!?」
 痛烈なアッパーカットの衝撃で、大悪魔の脳が揺れる!
 無理もない、超音速の一撃は凄まじい衝撃波を発生させるのだから!
 空中へ突き上げられた猟書家は、木の頂上でピンと背筋を立てて待ち構えるもうひとりの猟兵に気が付いた。
「残念だけど、私は少しも強くない。でもここに来たのはきっと“理由<コタエ>”があるからだと、私は思うんだ」
 一族の代名詞たる血色の刀を、予め切り裂いておいた右手の切り傷から具現化させる八重森・晃(逝きし楽園の娘・f10929)。
 ショートカットの黒髪が風に揺れると、晃は木の上から空中を舞う大悪魔へ向けて飛び掛かった。
「弱いから、私はお前に一撃しか放てない。けど、その一撃はお前に“滅び<スクイ>”を与えるだろう」
 血刀を腰元に納め、敵へ向けて背を向けたまま猟書家へ突っ込む!
 猟書家は空中で身を翻し、その反動で晃へ拳を叩き込む!
「ヤラセルカ!」
 拳と刃が交わろうとした直前、晃にある変化が起きた。
「私は知らないよ、何も」
 どくんっと晃の鼓動が一際大きく高鳴ると、彼女の纏う雰囲気がガラリと変わった。
 それは血刀の中に『記憶』されている『技』――呼び起こされた一族の使い手達の身のこなしのせいだ。
 そこにいるのは晃であって晃ではない。
 ユーベルコード“心が先か、血が先か(オートキリングマシン)”の名の如く、彼女は今や標的の“殺害<キュウサイ>”のためだけに存在する殺戮者だ。
 血刀が一瞬で大悪魔の腹を掻っ切り、そのまま晃は空を通り過ぎてゆく。
 神速の居合斬りに、大悪魔の腕は晃を捉えることなく宙を掴むしか出来ない。
「ギギギッ!」
 脇腹を深々と刻まれた猟書家は、どうにか着地に成功させて歯噛みする。
 ダメージが大きすぎる。
 たった一撃、それだけで下手をすれば上半身と下半身を真っ二つにされかねなかった。
 しかし、猟書家は失念していた。
 猟兵は、もうひとり居る!
「おいらを忘れるなー!」
 マッハ10で突っ込んできた祭莉の全身全霊の正拳突きが、猟書家の身体の正中線をしかと捉える。
 破城槌めいたその強烈な一撃を食らった猟書家は、森の木々に激突しても勢いが止まらず、数々の木々をなぎ倒しながら遠方まで吹き飛んでいってしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
…クソが…思い付いちゃったじゃないか新UC
「あ、これキャバリア格闘大会で優勝候補の師弟がやってた技だね☆」

対SPD
【視力・情報収集・戦闘知識】
敵の動きと癖の分析
更に蛮族達の戦闘能力と特性の把握
特に攻撃の動作等回避や防御としての有効手段を蛮族達にも伝
後は此方のUCについても事前に伝え合図も決めておく
【属性攻撃・迷彩】
己達に光学迷彩と
立体映像で蛮族達の姿を増やす

【二回攻撃・スナイパー・切断】
カドゥケゥスでビームで爪を狙って切断を狙

よし…クソ忌々しいがやってみるか…!(蛮族に合図

UC発動(何か背景に文字出てる
悪魔侯爵に突撃!
【念動力・空中戦】で超加速して突撃!

貫通して飛んでポーズ

爆砕!(ちゅどーん


テラ・ウィンディア
前章での演習で蛮族達の能力と戦い方は把握

「テラ、此処は蛮族さん達と力を合わせますよ」
了解だけどおれはあんまり連携得意じゃないぞ?
「大丈夫、私がいます」
【戦闘知識】で敵の動きの癖を把握
蛮族達と情報共有
UC発動
【仙術・集団戦術・結界術】
仙術でテラと蛮族達の気を活性化させ強化
更に結界で覆い防御強化
蛮族達と常時連携

【呪詛・呪殺弾・弾幕】
ガンドライドで呪殺弾を乱射し更に鈍化と渇望低下の呪を仕掛

【読心術・見切り・第六感・残像・空中機動・武器受け】
読心で攻撃の方向を読み飛び回り回避
蛮族達にも伝え必要時は武器受けで堪え

【属性攻撃・全力魔法・二回攻撃・重量攻撃・貫通攻撃】
武器と全身に炎を宿し
剣と太刀による猛攻!


ユーフィ・バウム
無事(重要)に共闘できました
最早悪魔など臆しません!

【勇気】と【覚悟】をもとに――いざ!
バーバリアンの協力者には
悪魔公爵に遠距離攻撃に専念してもらい、
近距離は私が抑えます!

近距離は私の間合い!培った【戦闘知識】、
天性の【野生の勘】を生かし、相手の攻撃を【見切り】
つつ、【カウンター】の【鎧砕き】の攻撃を
入れていきますよっ

どうしても避けられない攻撃がきたら、
自慢の【オーラ防御】を打ち出すようにして
防御とともに相手の体勢を崩すことを試みっ

敵の体勢が崩れたら【グラップル】で掴みかかりながら
【怪力】で敵の動きを抑え、
バーバリアン達の援護攻撃を入れます

トドメは、《轟鬼羅刹掌》!
破鎧の拳を打ち込みますよっ!



 度重なる猟兵達の猛攻に、猟書家はもはや満身創痍。
 猟兵達はこの戦いに終止符を打つべく、最後の攻勢に出た。
 だが、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は浮かない顔で頭を抱えていた。
「……クソが……本当に思い付いちゃったじゃないか、新しいユーベルコード……」
「ピコーン! ユーザー権限で新たなユーベルコードが作成されました。当機、界導神機『メルクリウス』は命令を受諾し、プロセスをインストール、開始……完了、獲得に成功しました」
「お前、そういうとこだけ機械感出すんだな……?」
「え? メルシー、なんか言った?」
「無意識だったのかよ!」
 相棒のメルシーのシークエンス作業にカシムは思わず苦笑い。
 対して、メルシーは急に増えた新しいユーベルコードにびっくりしていた。
「あ、これキャバリア格闘大会で優勝候補の師弟がやってた技だね☆」
「そうですよ。まさか生身でやることになるとは思わなかったけどな!」
 半ギレしつつ、カシムはメルシーと一緒に光学迷彩バリアを纏って姿を消した。

 ちょうど最前線に追いついたテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、消えてゆくカシム達に気が付くと相棒の黒猫ヘカテに告げた。
「カシムとメルシー達も居るみたいだな! なら、おれ達は敵に突っ込んで2人の攻撃のための隙を作るぞ、ヘカテ!」
「待って下さい、テラ! 此処は蛮族さん達と力を合わせますよ!」
 喋る黒猫がテラの耳をネコパンチして注意を流す。
 連携の重要性を最近思い知ったテラは、やむなく急ブレーキを掛けてバーバリアン達と足並みを揃えることにした。
「う、了解だヘカテ。でも、おれはあんまり連携得意じゃないぞ?」
 不安そうに問うテラに、黒猫ヘカテが即答した。
「大丈夫です、テラ。私があなたの頭脳となり、目となり、耳となりましょう。テラは敵を倒すことに集中して下さい!」
「そういうことなら得意だ!」
 ニカッと笑うテラ。
 だが、それを横で見守っていたユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)が思わず突っ込む。
「いやぁ……猟兵には、私より蛮人らしい人がいるんですね……。いや! 私もゴリラキングの幻影を背負えた女! 負けられません!」
 青く輝く鉱石が眩い巨大武器『ディアボロス』を担ぐユーフィの闘志が燃える。
 誰よりも蛮人としてこの事件に並々ならぬ想いを持って参加してきた彼女は、今やバーバリアンである集落の民達との絆を深めている。
 巨大なハンマーもしくはツルハシのような凶器の柄を掴む指にも一層の力が宿るというもの。
「悪魔公爵、残念ですがあなたの悪巧みは既に破綻しました! あとはあなたを打倒し、この集落の平和を守ってみせます!」
「コザカシイ! 今度コソ、ワガゼッタイノ チカラデ オウサツシテヤルゾ!」
 最期の力を振り絞った猟書家は、超強化による変身だけではなく、指先から鋭利で長い爪を伸ばしてみせたのだ。
「サラなるチカラヲ! チカラチカラチカラチカラァッ!」
 猟書家の力を求む渇望心が、その爪の鋭さを増してゆく!
 勝ち誇った態度で猟書家は猟兵たちへ言い放った。
「コレデオシマイダ! ッテ、ナニィッ!?」
 だが、すぐに猟書家は信じられない光景を目の当たりにした。
 周囲のバーバリアン達の数が、次から次へと増殖してゆくのだ。
(そうです、もっと驚くのです……竜眼の幻影魔法、初見では見破るのは困難ですよ?)
 カシムの仕業だ。
 バーバリアン達の幻影を幾重にも戦場に折り重ねることで、敵対戦力を水増しさせて精神的なプレッシャーを生み出しているのだ。
 猟兵達に追い詰められた猟書家は、まんまとこの作戦にハマってしまっていた。
「皆さんは私が守ります!」
 黒猫ヘカテはオーラ障壁を展開し、バーバリアン達の前に見えない壁を形成した。
 これで殴られても、バーバリアン達に猟書家の攻撃が届くことはない。
 徹底した抑え込み作戦に、ユーフィはテラ達の評価を改めた。
「なるほど、小回りも得意ってことですか。では、私も戦術ってやつをお見せしましょう。皆さん! 石は持ちましたか?」
 ユーフィは、他の猟兵が採った作戦と同じく、投石による遠距離攻撃をバーバリアン達に行わせた。
 彼らの鍛え上げられた筋力によって、投石ひとつひとつが迫撃弾並の破壊力を有する。
 四方八方からそれが投げられるのだから、猟書家は当然、無事では済まない。
「イダァッ! オノレ、バーバリアン共メ! ザコガ群レルナ!」
「じゃあ、猟兵が遠距離攻撃すれば文句言わないよな?」
 テラは浮遊する小型砲台を念力で操作すると、猟書家の死角へ移動させつつ容赦なく弾幕を展開してゆく。
「クッ! ダンマクガアツイ!」
 爪で弾幕をかき消していると、ゼーハーと肩で息を切り始める猟書家。
 爪もこころなしか徐々に短くなっているようだ。
「ア、悪魔ガ、コンナコウゲキニ屈ッスルナド、アッテハナラナイ……!」
「じゃあ、これで屈して下さいね?」
 その声は、猟書家のすぐ真後ろから聞こえてきた。
 透明になっていたカシムの魔砲の一撃と、メルシーのビーム鎌剣の斬撃が、猟書家の背中を吹き飛ばした!
 だが猟書家もただでは転ばない。
 その勢いを加速に変えて、ユーフィへ大地をも割れそうな凄まじい一撃を繰り出してきた!
 ユーフィはタンタンッとその場で軽快なステップを踏んで準備万端!
「甘いです! ふッ――!」
 突き出された拳を、自身のクロスさせた腕で受け流すユーフィ。
 そのまま一気に敵の懐へ潜り込むと、素早く敵の背後へ回り込み、伸ばされた敵の腕を掴んで自身へ引き寄せる。
 更に、ユーフィは反対側の腕を伸ばし、引き寄せた猟書家を勢いよく反転させると、その喉笛へ自分の腕を叩き込んだ!
「これがッ! 勇気とッ! 覚悟のッ! レインメーカーです!」
「ガハッ!?」
 カネの雨を降らせるが如き痛烈な一撃が、悪魔の気道を潰し、その脳を揺らす!
 仰向けに悪魔が叩き付けられると、ユーフィはその場から素早く飛び退いた。
 何故なら、テラが紅龍槍『廣利王』の穂先に炎の精霊力を宿し、燃え盛りながら飛び掛かってきたからだ。
「ヘカテイア……ウィザードモード起動……魔術回路、接続……! ヘカテ!」
「出力フィードバック! ってテラ!? 持ってる装備品に強化該当品がありませんよ!」
「げっ! マジか!」
 テラはここに来て痛恨のミス!
 発動したユーベルコードは『魔・術・霊・呪の何れかの文字の入る技能』を超強化して使用できる効果を持つのだが、今のテラの装備品にはそれらが該当する技能がないのだ。いくら他の装備に該当技能が備わっていても、活性化させなければ無意味である!
「ですから、全力魔法も呪殺弾も、読唇術もありませんよ!」
「でも属性攻撃は発動してる! このまま押し切るぞ!」
 テラはもはやヤケクソで燃え盛る槍を、寝転がる猟書家へ突き出した。
 だが猟書家は真横へ転がり、これを回避!
「ユーベルコードノ 無駄撃チダッタヨウダナ!」
「でも、おれの技能はそれだけじゃないぞ!」
 槍の穂先が地面に突き刺さった瞬間、周囲の地形が爆炎を放って吹っ飛んだ!
「重力属性による慣性エネルギーの強化、武器のリミッター解除による火炎属性の大強化! それで地面ごと抉ってやったぞ!」
「ムチャクチャスギルゾ!」
 ユーベルコードは失敗したが、行動自体は成功だ!
 ここで、動揺する猟書家へ、更に追撃のユーベルコードが放たれる。
「よし……クソ忌々しいがやってみるか……! メルシー! ぶっつけ本番だが、やれるな?」
「任せて、ご主人サマ☆」
 カシムの周囲に念動力で出来た強力なバリアーを覆わせると、カシムは身を屈めてメルシーに委ねた。
「いっくよー☆」
 突如、メルシーは戦場を駆け抜け、バリアーに収まったカシムをボール代わりにしてドリブルダッシュを開始!
「ジグサグイナズマドリブル~か~ら~の~?」
「打てー!メルシぃぃー!」
「了解だよご主人サマ!」
 カシムをワントラップしてから、メルシーは頭上の念動ボールを逆上がりの要領で蹴り飛ばした!
「あれは、オーバーヘッドキックですか!?」
 思わずユーフィが叫んでしまう!
 何故ならメルシーの背後に、暑苦しいテロップが幻視として浮かび上がっているのだ!
「ひっさーっつ! ちょーきゅー!」
「はおー!」
 ぎゃるるるるるっとカシムボールが、メルシーの足の甲の上でジャイロ回転を開始!
「「とーぞくだーーん!!」」
 小爆発と共に打ち出されたカシムボールは、風の抵抗を受けてランダムに上下左右へブレ動き、その軌道を敵に悟らせない!
 ジャイロ回転するカシムが猟書家に激突すると、砲弾如く敵が吹っ飛ばされていった!
「「成敗ッ!」」
 爆発を背に、ユーベルコード“兆級破凰盗賊弾”をぶっつけ本番で炸裂させたコンビは、達成感を顔に浮かべて笑っていた。
「これ強くない? つよつよじゃない? ねえ、ご主人サマ?」
「ええ、そうですね。問題は、今の一撃でも猟書家が倒れてくれていないんですよね……」
 燃え盛る森の中から、しぶとく現れた大悪魔が顔を出す。
「イマノハ キイタゾ! ダガ、タエキッテミセタ!」
 長く伸びた爪は折れ、立っているのも不思議なくらいに傷だらけ。
 なのに猟書家は健在だった。
 猟兵側、打つ手なしか?
 そう思われたその時だった。
「まだ私がいます! 蛮人の意地をお見せしましょう!」
 ユーフィ、大地に立つ!
「皆さん、5秒でいいので敵の動きを止めて下さい!」
 ユーフィの指示に、バーバリアン達が決死の覚悟で猟書家へ飛び掛かる。
 まとわりつく蛮族達を大悪魔は打ち払い余力が残されていない!
 動きが止まった敵を睨みつけるユーフィは、全身全霊を右拳に一点集中!
「我が振るうは鬼の力を借りし破鎧の拳……!」
 じり……と地面を踏み込み、一陣の風となって猟書家へ突っ込んでゆく!
 振りかぶられた右腕の上腕二頭筋に力を溜め、全身のひねりと反動を駆使して、必殺の一撃を猟書家の心臓目掛けて叩き込む!
「受けてみよ! “轟鬼羅刹掌(オニガヒソムゴウワンノショウテイ)”!」
 ぽすっと軽いタッチで猟書家の胸元を触れたかと思えば、後から嵐のような衝撃波が敵の体内へ直に伝播していった!
「ぐわああァァーッ!!」
 大悪魔は自分の骨と筋肉の至るところが粉砕されてゆく音を聞きながら、潰れた心臓を抱いて死んでいった。
 まるで風船が破裂するように、悪魔の身体が粉々に爆裂四散のをユーフィは見届けると、バーバリアン達へ笑顔を向けた。
「お疲れ様でした! これでこの集落の平和は守られました! あと、皆さんの尊厳も守られました……!」
 本音は後者の方なのだろうが、ともかく、猟兵達の活躍でまたひとつ、アックス&ウィザーズでの猟書家の悪事を挫くことに成功した。

 空に浮かぶ骸の月が、どんどんと押し戻されてゆく。
 いよいよ、かの大天使との決戦が現実味を帯びてきたのだと、猟兵達は予感していた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月23日


挿絵イラスト