エブリウム大図書館(お持ち帰りできます)
●漿船エブリウム
バトラー・サファイアが転送されてきた場所は倉庫のようだった。閉ざされた部屋でフットライトだけが等間隔に小さな空間を照らす。
「ありがとう、『エブリウム』。私達のことを、忘れないでいてくれて」
漿船(クリスタルシップ)「エブリウム」。その中に眠っていた転送装置は未だに機能を保っており、故にバトラー・サファイアの侵入を許してしまった。
「では、これから異物を排除しに行きましょう。あなたが私達の元へ帰ってくるために、必要なことですからね」
●自炊は死語ですよね
「あーもう疲れたぁ……」
本の山に埋もれながら、クリスタリアンの少女はぐでんと寝転がる。
今、彼女は書籍の電子データ化を行っている。中身をスキャンし情報を抽出、一つのデータとしてサーバーへ格納する。
それを何千という量こなしているのだ。何日も、何日も。
退屈だ、退屈だ、と日々愚痴っていたら大人達から厄介払いのように仕事を与えられ、それから缶詰作業が続く。作業が単調すぎて二日で飽きて、それからだらだらと一週間。無論まだ先は長い。
そして彼女にはもう一つの悩み事。データ化した書籍をどうするか。データとして格納してしまえばもう必要のない代物だ。
「あーあ……誰か借りたいって人いないのかなぁ……どうせだったらそのまま持っていってもらいたいけど」
データ化しても物理的に減らない光景に頭が痛くなる。彼女はそのままぐでぐで時間を浪費するのだった。
●スペースシップワールド・5thラウンド
「スペースシップワールドの本とはどんなものなのでしょう! 私、気になります!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が案内するのは本のお話……ではなく事件である。どういう切り口であろうと、そこは変わらないのだ。
「そういうわけで事件のお話です! 猟書家『バトラー・サファイア』が漿船『エブリウム』に現れるという悪夢を見てしまいました! 彼女は漿船に住むクリスタリアンを全員殺そうとしているようですので、何としても止めなければなりません!」
タイミング的には今からその漿船へ飛び込めば間に合うのだが、如何せん「何処に現れるか」がわからない。転送装置は住民からも忘れ去られるほどに遺物化しているのだ。
「バトラー・サファイアが現れる場所を知るには漿船に聞かなければなりませんが、漿船と意思疎通を図れるのは住民のクリスタリアンだけになります! 私が見た悪夢によると、今その船ではリューンさんという女の子が本の電子化を行っているそうなのですがテンションが絶不調状態ですので、モチベーションを上げる何かをしてあげると喜んでくれる気がします!」
具体的には、データ化された本を検索してその有用性を再確認してもらうだとか、本そのものを探してデータ化に役立てるだとか。色々ありそうなので細かい部分は皆さんで、とロザリアは付け加える。
「リューンさんのテンションが上がればバトラー・サファイアの捜索にも協力してくれるはずですので、転送場所に先回りして叩いてやりましょう! スペースシップワールドはちょっと猟書家の勢いが強くなってますから、なんとかここは耐えられるように頑張りましょう!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
しばらくはスペシ勢になりますので宜しければお付き合いください。
●フラグメント詳細
第1章:日常『星海の大図書館』
リューンという少女がぐだってます。
本を探しながらうまいことテンションを上げてあげましょう。
ちなみに物理書籍は気に入ったものがあれば持ち帰ることが可能ですので、リューンにお伝えください。
第2章:ボス戦『バトラー・サファイア』
リューンの手助け等で先回りできたら、現れたところを倒してしまいましょう。
固定ボスなのでまぁ……それ以外特には。
●MSのキャパシティ
のんびりやります。以上!
第1章 日常
『星海の大図書館』
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POW : 娯楽小説やコミックを探してみる
SPD : 役立ちそうなテクノロジーの本を調べてみる
WIZ : スペースシップワールドの歴史や文化を学んでみる
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
アドリブ連携歓迎デース!
ふむふむ。お疲れのようデスネー、リューン殿。
そういう時は美味しい料理を食べて力をつけマショー!
出張、バルタン・クッキングー!(格納型メイド用キッチン展開、食材持参)
好みの料理はありマスカ? リクエストに応じてすぐに用意いたしマース!
肉料理、麺料理など、SSWでは珍しい、書籍の中のモノとかもOKデスヨ!
10秒で100品くらい作れるということは、1品0.1秒で仕上がるということ!
元気と体力(状態異常・負傷)が回復する料理を食べてもらって、テンションアップデース!
アナタが資料整理をしてくれたおかげで、こうして料理が堪能できマース!
(食材の確保は別問題デスガ)グッジョブデース!
鳶沢・成美
物理書籍、紙媒体なんですかね……まあいいや
個人的には物理書籍の方が好きなんですが
電子書籍は電子書籍で利便性むちゃくちゃ高いですよね
スペースは取らないし持ち運びしやすいし
まあ、気分を変える為の話し相手くらいならなれるかな
【神農伝承術】はコミュ力もあがりますからね
この電子化が終わった本、貰っちゃっていいなら貰っていきますよ
僕本好きなんで
個人的にぱーっと見渡して目に飛び込んでくる本は、僕に読まれたがっている本だと思います。
こういう風に選んだ本ってハズレだった事無いんですよね楽しみだな。
『銀河英雄電鉄』どんな物語なんでしょうね
ヘスティア・イクテュス
まぁ、単調なあれこれって飽きるわよね…(クッキーと紅茶を差し入れしつつ)
まぁ、あれよ。古い漿船の本であるなら他の艦よりも古い本は眠ってるかもだしそれ目当てで少し手伝わせてもらおうかしら…バトラーとかエメラルドとか…ワープ系統の技術とか無いかしら?
アベルは既にデータ化された中からお願いね【ハッキング・情報収集】
っと…十二の艦を建造し民を連れ宇宙へ出た十二人の王。過去の解放軍の一員でもあった『十二王星艦』のお話…この船にもあるのね…しかも物理書籍版
これ、貰っていってもいいかしら?うちのより状態も良いし
●星海の大図書館
シュイイ、と静音のスライドドアが開いたことにリューンは気づく。また大人達が作業進捗を確認しに来たと思い居住まいを正していたが、現れたのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)、鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)、ヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)の三人だった。
「ふむふむ。お疲れのようデスネー、リューン殿」
「あ、はい……えっと、猟兵さん達、ですよね? ようこそ、いらっしゃいませ!」
「ハーイ、いらっしゃいマシタヨー」
「どうも、こんにちは。……うわ、本当にたくさんあるね」
「これだけの量を、一人で……テクノロジーがどうにかしてくれるにしても、単調なあれこれって飽きるわよね……」
成美とヘスティアがそれぞれ部屋の右と左に目を向けていたが、どちらも移動棚の下半分には本がぎっしり。上半分はスカスカの状態だが、その分は床に直置きされていた。
縦横が揃えられず、ガタガタしたブックタワーがいくつも建っている。
「ああ、すいません、すいません」
リューンは三人を見るなり低姿勢で挨拶し、慌てて直置き本を部屋の脇まで押し出して出迎えのスペースを作る。
「気にしないで。僕はちょっと本を見せてもらいに来ただけだから」
「そうデース。それにリューン殿はお疲れのようデスカラ、美味しい料理を食べて力をつけマショー! というわけで、出張、バルタン・クッキングー!」
積み上がった本を物色する成美の横ではバルタンがスペースに格納型メイド用キッチン展開。持参した食材を並べていく。
「わ、なんか凄いの出てきた!?」
「今日は大盤振る舞いデスヨー」
と、騒がしい横では成美が目に付いた本を手ずから取り上げて、
「本の電子化をしていると聞きましたけど……電子化が終わっているものは、貰っちゃっていいんですよね?」
「はい! 是非! どうぞどうぞ! その辺、電子化終わってますから!」
積み上がった本が捌けていく。それだけでリューンのテンションも上がる。
「ありがとうございます。個人的には物理書籍の方が好きなんですよね。知識の財産、著者の世界に直接触れられる気がして。でも、電子書籍は電子書籍で利便性むちゃくちゃ高いですよね。スペースは取らないし持ち運びしやすいし」
「そうなんですよー! 本をこう、ちゃんと持って読む、っていうのも、なかなか味があって……私も気分転換に、ちょーっと読んだりしましたけど」
「それで、2時間、3時間……」
「うっ、たはは……」
ヘスティアのちくりとしたツッコミが入り、リューンは苦笑い。リューンは根気が続かない典型だった。
そのヘスティアはというと、バルタンが展開したキッチンを間借りして紅茶の準備を始めていた。湯を沸かし、茶葉を整える。やがて漂う柔らかな香りは緊張した心を解してくれる。
「……そうそう、わたしも漿船の本は気になっていたのよね。他の艦よりも古い本が眠っていそうだし。整理も兼ねて、少し手伝わせてもらうわね」
「本当ですか!? ありがとうございますー!」
「いいのよ。一人でここまで頑張っているのだから。だからこれはほんのご褒美」
カップに注いだ紅茶にクッキーを添えて、ヘスティアはリューンの作業台へと乗せた。
「はうぅ、ありがとうございますぅ」
「他にも食べたいものがアレバ、ワタシが作りマスヨー。この世界では珍しい、書籍の中のモノとかもOKデスヨ!」
「えぇっと……じゃあ、このレモンパイ、お願いできますか……?」
リューンは傍らの本を手に取ると、ページをめくって控えめにバルタンへと差し出した。
「問題ないデース。紅茶にも合いマスネー」
「この船にはレモンがなくて……一度食べてみたかったんです」
バルタンは受け取り、内容を眺めた。それはレシピ本ではなく推理小説で、探偵が事件を調査するうちの一幕に描写されていたお菓子だった。
輪切りにスライスされたレモンとふわふわのクリームが乗った、王冠のようなレモンパイ。描写からおおよその形状を想像し、材料を揃える。
「では、料理の時間デース!」
バルタン・クッキングは3分と言わず、10秒で104品もの料理を作る。それは1品作るなら0.1秒もかからないということで、ベイクやデコレーションその他諸々までを目にも留まらぬ速さでこなし、物語の中のレモンパイを再現してみせた。
ピースに切り分けて、紅茶とクッキーの横に並べる。
「食べれば元気も体力も回復しマース。本をササッと出して頂けたのでワタシも作ることができマシタ。つまりー、資料整理をしてくれたアナタのお陰というわけデスネー。グッジョブデース!」
「はぅあぁ……ありがとうございます……」
感激で泣きそうになりながら、リューンはクッキーとレモンパイを食し、紅茶を味わう。温かく優しい味で、心も体も癒されていた。
「さて……アベル、既にデータ化された中から検索をお願い。バトラーとかエメラルドとか……ワープ系統の技術とか、その辺りを」
ヘスティアがサポートAI端末に指示を出すと、AIは漿船のコンピューターへ接続、電子書籍の検索を開始する。ヘスティア自身はまだ電子化されていない書籍を検めていた。
「……っと、十二の艦を建造し民を連れ宇宙へ出た十二人の王。過去の解放軍の一員でもあった『十二王星艦』のお話……この船にもあるのね。しかも物理書籍版」
ヘスティアが手にしたハードカバーの分厚い本。金の刺繍で題が彫られ、保存状態がなかなかに良い一品だった。
「これ、貰っていってもいいかしら? うちのより状態も良いし」
「どうぞどうぞ! あ、電子化だけさせてもらっていいですか? すぐ済みますので!」
紅茶を楽しんでいたリューンが立ち上がり、ヘスティアから本を受け取る。この漿船での電子化は、本を電子レンジのような専用の機械に入れ、縦横上下と3Dスキャンを実行し記載された情報を抽出するのだ。ヘスティアが欲しがった本も10秒程度で終わったが、入れる、待つ、出す、の作業の繰り返しなので延々やっていると飽きが来るのは致し方ないことだった。
ヘスティアが電子化完了後に本を受け取ったところでサポートAIが検索完了の報を告げる。プリンセス・エメラルド及びその従者達の功績を称えるような本はいくつか見つかったが、ワープ技術に関してはノーデータ。
(電子化されていないほうに眠っている可能性はありそうだけど……またの機会にしたほうがよさそうね)
この漿船の危機を救えば、この先いつでも訪れることができる。ヘスティアは一旦、見つけた本を収穫物とした。
電子化が終わった本の山では成美がざっと一瞥し、目に飛び込んできたタイトルをぱっぱっと小脇に取り入れていた。目に飛び込んでくる本とは読まれたがっている本だ、というのが成美の持論。とりあえず抱えられるだけ確保しながら、最後に手にした本のタイトルを眺める。
「『銀河英雄電鉄』……どんな物語なんでしょうね」
「ああそれ、私も読みました! こう、銀河の平和を巡る英雄達の戦いと……ああいえ、言っちゃうとネタバレになっちゃいますね」
「あはは、楽しみにしてますよ。とりあえずこれだけ頂いていきますので、どこかに置いといてもらえれば」
「じゃあ、この辺りにでも……皆さん、まだ何かやることが?」
成美は作業台の一画を借りて持ち帰る本を積み上げる。そのまま持っていかないのかな、とリューンは不思議そうな顔を向けていた。
リューンとの交流は猟兵にとって第一の目的であり、最終目的はまだ果たされていない。
「ソウデース! この船に、バトラー・サファイアという敵が現れるという情報がありマース」
「わたし達はそいつを倒しに来たのよ……でも、出現場所がわからないの」
「この漿船には転送装置があるらしくてね……その場所がわかればいいんだけど。もしよければ、漿船にこのことを尋ねてみてくれないかな?」
「そんなことであればお安い御用です! ちょっと待ってくださいね、ムムム……」
リューンが漿船へとテレパシーを送り、交信を始めた。目を閉じて言葉を伝えるリューンを三人は黙って見守っている。
「転送装置……ある……あるみたいです。場所は……ウソ、すぐ近くじゃないですか!」
叫び、リューンはパチンと目を開けた。
「わかりました! 今から皆さんをお連れしますので!」
リューンはレモンパイの最後の一欠片を口に放り込むと、三人を引き連れて部屋を出た。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『バトラー・サファイア』
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POW : ナイブスストーム
【サファイアでできた無数の暗器】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : アカンプリッシュメント・オブ・アサシン
レベル分の1秒で【麻酔針】を発射できる。
WIZ : サファイア・フラッシュ
【サファイアの肌】から【蒼く眩い閃光】を放ち、【目を眩ませること】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:白菜ポンズ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠エリル・メアリアル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●後手の従者
バトラー・サファイアは訪れる。秘匿された転送装置を使い、漿船エブリウムに。
「ありがとう、『エブリウム』。私達のことを、忘れないでいてくれて」
フットライトが照らす小道を辿りながら、バトラー・サファイアは漿船に語り掛ける。
「では、これから異物を排除しに行きましょう。あなたが私達の元へ帰ってくるために、必要なことですからね」
と、部屋のドアを確認したその時だ。シュン、と外側からドアが開かれ、パッと部屋の明かりが点く。
「ここです! この部屋です!」
部屋に飛び込んできたのは、クリスタリアンの少女リューンと、彼女に導かれた猟兵達。
「まさか、もうすでに漿船に乗り込んでいたとは……仕方ありません。あなた方から――排除します」
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎!
センキュー、リューン殿! あとはワタシたちに任せて戦闘に巻き込まれないよう下がってくだサーイ!
それと、この戦いが終わったら、良さげなレシピ本をオススメしてくだサーイ。
さて、排除しマショー、オブリビオン。
手数の多さや速さが自慢のようデスネー。ならば後の先を打ちマース!
フルバースト・マキシマム、展開!
ワタシや仲間たちを対象とする暗器攻撃を、ガトリングガンや火炎放射器で撃ち落としマース!
合わせてカウンター!
急接近して、どでかい物理。すなわちチェインハンマーやパイルバンカーのお返しデース!
ワタシの持つ内蔵兵器や換装武装のフルファイア、圧倒的な火力というものをお見せしマース!
●メイドVSバトラー
「センキュー、リューン殿! あとはワタシたちに任せて戦闘に巻き込まれないよう下がってくだサーイ!」
「わかりました!」
「それと、この戦いが終わったら、良さげなレシピ本をオススメしてくだサーイ」
「はいっ!」
リューンが部屋の外へ引っ込んだのを確認してバルタンはバトラー・サファイアと改めて対峙する。メイドとバトラー、似た属性の両者、雰囲気もどこか近いものがある。
「さて、排除しマショー、オブリビオン」
「してみなさい、できるものなら!」
先に動いたのはバトラー・サファイアだった。ジャケットの裏側に仕込んだナイフ状の暗器を両手に三本ずつ指の間に挟んで、右、左とクロス投擲を放つ。研磨されたサファイアの輝きは、当たればサイボークの体でさえ斬り裂くほどに鋭い。
だがバルタンの反応も早かった。バトラー・サファイアが暗器を使った手数で押してくることを見越しての後の先の動き。
「フルバースト・マキシマム、展開!」
まるで秘密のスカートから出てきたかのようにガチャコンと飛び出したのはガトリングガンや火炎放射器、グレネードランチャーといったバルタンの全武装だ。
「発射デース!」
バルタンの声に合わせて全てのトリガーが引かれた。ガトリングガンが振動しながら弾丸を連続射出する横で火炎放射器が紅蓮の炎を直線的に吐き出し、グレネード弾が灰色の噴射煙を突き抜けて飛んでいく。
次の瞬間には宙に走った炎の中から弾丸に撃ち落とされた暗器が弾き出されていた。床でカラカラと乾いた音を立てながら跳ね滑っていく。
「これで全部デスネー!」
バルタンの武装はいつの間にか、折りたたまれるように格納されていた。代わりに出てきたのは換装式パイルバンカー。炎の熱気冷めやらぬ戦場を突っ走り、後の先からの先手を取ったカウンターだ。
「――っ!」
バトラー・サファイアは手に馴染む細かな武器を扱う。故にパイルバンカーといった大型の武器に対し、ぶつけていくものがなかった。
回避するしかないが、バルタンの詰めのスピードに迷いがない。間合いに踏み込んでからの水平方向の大振りに対し体が動かない――。
「――ぅっぐうっ!?」
左腕を強引に畳むように叩きつけられた一撃が脇腹まで食い込み、宙へと押し弾き出した。弓形に曲がったバトラー・サファイアの体が壁にぶち当たり跳ね返る。
「圧倒的火力! 効いたようデスネー」
「ぐっ……」
体に亀裂でも入ったか――バトラー・サファイアの立ち上がる足は少し震えていた。
大成功
🔵🔵🔵
メイリン・コスモロード(サポート)
『一緒に頑張りましょうね。』
人間の竜騎士×黒騎士の女の子です。
普段の口調は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、時々「対人恐怖症(ワタシ、アナタ、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
人と話すのに慣れていなくて
「えっと……」とか「あの……」とか多様します。
戦闘ではドラゴンランスを使う事が多い。
その他、キャラの台詞はアドリブ等も歓迎です。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』
年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?
下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も
アドリブ、連携歓迎
●竜と蛇
猟兵達を睨むバトラー・サファイアの目つきは一層険しく、瞋恚の炎を孕んでいる。
「少し認識を改めた方がいいようですね……次は、必ず」
バトラー・サファイアはジャケットの裏から暗器を取り出すと、今度はその場に落としていく。だが暗器は地面まで落下せず、バトラー・サファイアの周囲に円を作ってぐるぐると運動していた。
「相手は飛び道具系ね……メイリンちゃん、大丈夫?」
「あ、はい……」
ウィザードロッドを手にしたバジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)がメイリン・コスモロード(飛竜の鉾・f13235)を気にかけ声を掛けた。人と話すのが慣れていないメイリンは小さく頷き返事する。
メイリンが持つのは竜槍【シリウス】――ドラゴンランスだ。穂を低く構え、間合いを計っているように見えた。
「さぁ……行きなさい」
円運動を続けていた暗器が一斉に拡散し、雷の軌道を描き二人へと襲い掛かってきた。不規則な暗器の嵐。二人を包むように迫ってくる。
バジルは空いた左手を口元へ近づけていた。そして八重歯で人差し指の腹にちくりと傷をつけ、ぷっと湧いた血玉を指先に薄く延ばす。
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
呟くと、指先の血がすっと消えるように蒸発した。血液を代償として解かれる武器の封印。ウィザードロッドは猛毒を与える鈍器となる。
『竜よ、私に力を貸して下さい。一緒に往きましょう!』
メイリンが呼び起こすのは紅い飛竜の力だった。全身に薄く纏った紅のオーラはドラゴンランスに呼応してメイリンに力を与える。
バジルは飛来する暗器の気配を野生の勘で感じ取ると、宙を薙ぎ払い暗器を叩き落としていった。左右の挟撃にも蛇の下半身を滑らせての回転薙ぎで暗器に決め手を与えない。
ウィザードロッドに弾かれた暗器は宙をくるくると回転し、天井にぶつかると真っ二つに折れていく。叩き落とした時点で致命傷だった。
他方、メイリンは高速飛翔で暗器の襲撃に挑んでいた。嵐の中を征く紅き飛竜の娘は蒼き雷を前にしても軽やかに舞い踊る。飛翔軸を上下左右にずらしながら暗器を掻い潜り、いくつかは槍で叩き割ってバトラー・サファイアに接近、穂先を向けた。
バトラー・サファイアはジャケットを引き千切らんとする勢いで暗器を外し宙にばら撒く。速度の無い暗器だがそれは設置罠。メイリンが飛び込んでくるところへ刃を向けるのだ。
「……!」
メイリンは罠を避けようと飛翔方向を変えるが、その動きを読んでいたかのようにバトラー・サファイアは逆方向へ跳んで槍のリーチから逃れていく。メイリンは腕を目一杯伸ばしたが穂先は際どく届かない。
反転してバトラー・サファイアを追撃するメイリン。速度はメイリンに分がある。それに――。
「背中がお留守のようね」
「――あっ」
バトラー・サファイアが意識を強烈にメイリンへと向けていたがために許したバジルの奇襲。振り下ろされた杖が首の根元を打ち据えると、脳が振蕩してバトラー・サファイアの視界はぷつりと電源が切れたように真白になる。
「が――っ!?」
次の瞬間、視界は一変し返り血を浴びたかの如く赤く。それはメイリンが纏う紅のオーラ。
「やっ!」
バトラー・サファイアの脇をすり抜けながらの突きが右胴を穿ち、砕いた。竜の一噛み。半月の欠損がバトラー・サファイアの体に残される。
「……く、うっ……」
両足は他人の物のように力が入らず、バトラー・サファイアはがくりと膝を落としていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ヘスティア・イクテュス
ふぅ…タイミング的に間一髪?
先んじて色々罠でも仕掛けられたらよかったけど…まぁ仕方ないわね
あっちが従者ならこっちも忠実な従者を…アス、お願いするわね
身体をナノマシンで構成された電脳獣、ミシカルクリーチャー:アスを召喚
前は任せて、わたしはリューンのそばでいつでも守れるような状態でミスティルテインの『援護射撃』
アスなら電脳生物、閃光の眩しさも関係ないってね
後は止めにマイクロミサイルの『一斉発射』で
さて、とりあえず片付いたわね…可能なら帰る前にもう少し残って片付けの手伝いをして帰りましょうか
電子化されてない方が気になるってのもあるけど…途中ではい、さようならってのもちょっとあれだしね
鳶沢・成美
やあ、かっこいいお姉さん。
悪いけれど倒させてもらいますよ。
”目立たない”様な立ち位置から”先制攻撃”の【火雷神道真】
”誘導弾”の様に敵を”追跡”する400をこえる礫の攻撃です
これだけの数があれば”フェイント”としてわざと外したり
外れたと思ったら急カーブして死角から飛んでくるなんて事もできますね
術は半ば自動的に粛々と作動を続けます
一時的に動きを封じられてもあまり関係ありませんね
さあ”2回攻撃”でおかわりですよ
アドリブ・絡み・可 ””内技能
●迅雷とロバは光を見ない
猟兵達が部屋へと乗り込んだのはバトラー・サファイアの転送直後。ヘスティアは先んじて罠を仕掛けられなかったことを惜しむも、気持ちを切り替え前を向く。
「あっちが従者ならこっちも忠実な従者を……アス、お願いするわね」
虚空に呟くと、現れた光は――無数のナノマシンとなりロバを形作った。アスは構築完了を告げるかのように嘶きの動きを見せる。
「前をお願いね」
ヘスティアは短く指示し、自身は万が一にも流れ弾がリューンに飛ばぬよう入り口付近まで引き下がった。
脇に置かれた積荷の陰には成美が控えている。目立たないよう行動し戦況を見守ってきたが、
「……決め時だね」
「えぇ。相手はかなりの手負い……終わらせるわよ」
ついに動く。バトラー・サファイアが突進するアスに注意を向けている隙に成美は陰から飛び出すと、
『道真さんよろしくー』
火雷神の力、雷の礫を迸らせた。400を超え、宇宙の星々をぎゅっと濃縮したかのような礫の集合体は高密度レーザーとなってアスを追い抜きバトラー・サファイアに襲い掛かっていた。
「な――ぐっ……!」
立ち上がるタイミングを見計らっていたバトラー・サファイアだったが、突然視界の端から現れた雷の礫には目を見開いた。痛む体を押して立ち上がるが、欠損による重心移動に翻弄されぐらりと傾く。
「ああぁっ!!」
礫がバトラー・サファイアの右肩を抉り取る。皮肉にもバランスを崩したことで礫の一部の直撃を免れた格好となったが、成美もまた二の矢にフェイントをかけた礫を用意していた。
時間差で弧を描き飛んでいく礫にヘスティアのビームライフル、ミスティルテインによる援護射撃が加わる。二色の光群はそれぞれ別角度からバトラー・サファイアの体を穿った。全身に無数の穴が開き、砕けた破片が礫の光を反射し煌めいていた。
「……ぅぐ……サファイアの……輝き、を……っ!」
「来るわよっ!」
執事服はボロボロになり、艶めかしく肌を露出しているバトラー・サファイア。だが彼女はそれを逆手に取って肌から蒼く眩い閃光を放った。通常時より光量の増した閃光が部屋から溢れ出るほどに広がり、ヘスティアと成美は咄嗟に目を伏せる。
「アス!」
ナノマシンで構成された電脳生物、アスは閃光の影響を受けない。強烈な光もただ強烈な光と観測するだけだ。バトラー・サファイアが閃光に紛れて転送装置を起動させ脱出を図ろうとするところへ頭部の角を生かした頭突きを食らわせ、掬い上げて跳ね飛ばした。
「あぐっ――く……!」
天井に叩きつけられそのまま落ちてきたバトラー・サファイアはべったりとうつ伏せになったまま動かない。全身から神経が抜き取られたように脳の命令を聞かないのだ。
目眩ましから回復したヘスティアがバトラー・サファイアに向き直る。装備したティターニアの角度を微調整しているところ、成美の二回目の雷の礫も装填されて、
「さて、おかわりですよ。どうぞご堪能あれ」
「マイクロミサイル、一斉発射!」
束ねられた礫のレーザーとジェット機構を備えたマイクロミサイルが、バトラー・サファイアという一点を目指して斉射された。輝きは彼の閃光の如く、轟きは終焉の鐘となって。
「いやああぁぁぁ!!」
超高密度の爆音とエネルギーの中で、バトラー・サファイアは粉になるまですり潰されて、焼き滅ぼされていった。
「大丈夫でしたか!? なんか、凄い音とか光とかありましたけど」
「大丈夫、片付いたわ。さて……わたしは時間があるから、よければ片付けの手伝いをもう少ししておきたいのだけど」
「え!? いいんですか!? あぁぁありがとうございますぅ~!」
ヘスティアの申し出にリューンは目を輝かせ、そして拝み倒すように感謝する。
アフターサービスはヘスティアの人としての責務であると同時に、未だ電子化されていない本の山の「宝探し」でもあった。
大成功
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