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変化の泉と過去の猛将、そして蛮死射

#封神武侠界

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#封神武侠界


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●桃源郷『蛮死射(ばんしい)』にて。
「以上の事から此処、蛮死射の管理者は我等の存在を何らかの方法で既に察知し逃亡していた様子です。
 現在、兵を放ち追跡中ですが管理小屋に残っていた痕跡から凡そ一週間前には経っている様子。
 故に仙人の類いが攻めてくる可能性を鑑み簡易な砦を造設、又、地形の関係上、城柵等が造れぬ箇所には兵を配置いたしました」
 豪奢な幕舎の中、兵士が一人、膝をつき首(こうべ)を垂れながら椅子に座る若者へと報告する。
 兵の報告を其の長い髪の先を弄りながら聞いていた若者は楽しくなさそうな表情で兵へ声をかける。
「……ふむ、流石に此方が攻め入る一週間も前に姿を晦ましたとなれば、お前達に責はないしな。
 本当に仙道の類いは厄介な物よ。
 此の手の予想外な事態への対応も迅速であったし寧ろお前を褒めてやるべきか、此れは?」
「いえ、阁下の命を遂行出来ませんでした身。褒めて頂けるような事では……」
 若者の言葉に兵士は困惑した様に言葉を返す。
「まあ、そう言うな。
 流石に青叔父上や光みたいに下の者を病的に気遣う様な真似はせんが俺とて功ある者を褒めてやる位はするのだぞ?」
「は、はぁ……」
 青年は兵士にそう言った後、立ち上がると傍に立てかけていた槍を手に取る。
「……其れにお前達は忌々しき簒奪者が世を奪いし此の世において数少ない同胞よ。
 皇帝を名乗りし大逆人の首を刎ね、陛下の血を引かれし御方を探し出し……再び、高祖の血脈の元、世を統べる……その為のな!」
 其の美しい顔を怒りの色に染めながら青年はそう言い放つ。
「先ずは此の桃源郷にて力を高め、兵を集め、大逆人を討つ為の力を蓄える!
 そして、陛下の御恩に報いる為にも偉大なる武帝陛下の大司馬たる我、霍去病が国を再興するのだ!
 大逆人共よ来るなら来い!我が槍と紫布が貴様等の命を絡めとろうぞ!」
 若者、霍去病は高らかに宣言し何れ来るだろう敵に対し戦意を高めるのであった。

●グリモアベースにて。
「とまあ、こんな感じで敵は此れから赴く地、数ある桃源郷の一つ、『蛮死射』に簡易的な城柵、いや最早城塞と言えるレベルに仕立て、お主等を待ち受けて居る。
 此れが正面から攻め入るのは中々に難儀な状態でな。
 じゃが、攻め入る事が出来る箇所が無い訳ではない」
 そう言ってグリモア猟兵は集まった猟兵達に簡易的な地図を見せると城塞の裏側、険しい山となった箇所を指し示す。
「此処は木々が生い茂っておる上に険しい山でな、更に言えば妙ちくりんな効能を持つ小さな泉がそこかしこに散らばっておる。
 其の所為もあって其れなりの数の兵が見回っておる物の正面に比べれば遥かに攻め入りやすくなっておるんじゃよ」
 妙ちくりんな効果?と猟兵の一人が疑問の声をあげ、グリモア猟兵は苦笑いを浮かべ、説明を始める。
「簡単に言うと動物や妖怪の類いに変化したり若返ったり……酷いのになるとぬいぐるみとかの器物の類いになったりする様な効能を持っておるんじゃよ」
 とはいえ動けなくなる事は絶対にないし、敵の親玉と闘う時点で効能は切れるので依頼に悪影響を与える様な事はない様だし後遺症等も残る事は絶対にないそうだ。
「因みに理由は判らんが性別が変化する類いは全くない様じゃな。
 現地では男性になりたがった女性、或いは女性になりたがった男性が虱潰しに探したが見つからなかった、という話が幾つも残っておるそうじゃぞ?」
 此の泉に関しては敵の目を誤魔化すのに利用したり、逆に敵を叩き込んで無力化するのに利用したりしても良いだろう。
 そして、此の泉が沢山ある山を越えて裏側から城塞を攻め入れば敵の首魁の元へとたどり着けるようになる。
「敵の首魁は霍去病。前漢、封神武侠界で同じ様な歴史を辿ったかは判らんがアース系列の世界じゃと司馬炎の世である今、西晋の前の三国時代。
 其処から更に前の後漢、其の前の新のさらに前の前漢の頃、七代皇帝、武帝の寵愛を受けた匈奴討伐で功を為した武将じゃて」
 元は母の妹が皇后の外戚であり、更に武に優れた事から軍事を司る大司馬に迄引き立てられるも僅か24歳で病死したという人物であったという。
「因みに同じ大司馬になった衛青という叔父と武帝後の政治を取り仕切った、日本の関白の由来となった霍光という異母弟がおるが、予知で言って居ったのは此の二人の事になるな」
 戦い方としては病を齎す瘴気を帯びた槍の宝具による神速の突きとオブリビオンと化した武帝旗下の軍勢の召喚、病の瘴気を放ち切れ味鋭い布の宝具による乱舞を得意としている様だ。
「此の内、軍勢と布の宝具は厄介でな。
 軍勢は漢の国の民、所謂、漢民族以外の異民族や武侠界以外の世界の者に対し特効を持ち、布の宝具が放つ病の瘴気は年若ければ年若い程に体を蝕む力を有する」
 霍去病の死因も仙人から賜ったという此の布の宝具と槍の宝具が原因だそうであり、使い手すら蝕む其の瘴気は厄介極まるというもの。
 また実年齢ではなく肉体年齢で影響の度合いは変わるので神等の実年齢は長生きな者であっても油断は出来るものではない。
「とはいえ、お主等ならば必ず勝利を掴み取る事も出来ようぞ。
 戦いが終われば現地で楽しんでくると良い。
 戦場を片付けるのは事態が解決したのを察知し戻ってきた現地の管理者がどうにかする様じゃしの。
 で、向こうにある娯楽じゃが……娯楽……なんじゃが……」
 其処迄言ってグリモア猟兵は少し言葉に詰まる。
 現地に何かが在るのか、とても言いにくそうな表情を浮かべていたが、意を決して遂に発言する。
「……まぁ、娯楽になりそうなのは此の地の名の由来になった蛮死射という儀式、他所で言うバンジー位しかのうて、ちいとアレなんじゃがな?」
 グリモア猟兵の言葉を聞いた猟兵は巨大バンジー?と困惑の言葉を漏らす。
「う、うむ。桃源郷のはずれに断崖絶壁があっての?
 其処で行われる仙人の度胸試し兼娯楽兼独り立ちの儀として千年以上前から行われとった様でなあ」
 何か妙な歪みでも起きているのか凡そ1000m程の驚異的な高さになっているらしく、宙に浮いている色取り取り形状も多彩な宝玉を恐怖に負けずに掴み取れば成人の証明となるそうだ。
「宝玉の取得に失敗しても谷底に沸いている変化の泉に突っ込むだけ。
 一時的にハダカデバネズミやハナアルキ、帝江みたいな妙ちくりんな生き物に変化した後に開始地点に戻ってくるんで命の危険はないんじゃが……まあ、余程の勇気ある者でもないと厳しい儀式。
 『蛮』勇を以って『死』すら恐れず『射』手の放ちし矢の如く谷底へと突き進む。
 其処から『蛮死射』と名付けられたのも頷ける話よ」
 因みに何で宝玉が浮いてるの?とか凄い高さから泉に突っ込むのに何でグシャグシャにならないのかとか泉に突っ込んだ後、どうして開始地点に戻ってくるのかとかの原理は不明なんだとか。
「ああ、成人の儀として行う以外に練習用の常識的な高さの所もあるんで成人の儀に挑まない御仁はそっちをされるか周辺に桃の花が沢山咲いておる故、桃の花見を楽しまれると良いと思うぞ?」
 まあ、頑張ってきての?そう言ってグリモア猟兵は猟兵達を戦場へと送り出すのであった。


久渓洞
 初めまして、或いはお久しぶりです久渓洞です。
 今回の依頼は武侠界は桃源郷を占拠したオブリビオン、復活した前漢の武将、霍去病と彼が率いる兵達との闘いとなります。

 流れとしては第一章では変化の泉が所々に沸き立つ森深き山を見回る兵を如何にかしながら抜け、第二章では砦に居を構えた霍去病と決戦を行い、戦いが終わった第三章では現地で成人の儀として行われている巨大バンジーに挑戦、或いは桃の花見等を行うという感じになっております。

 なお変化の泉に関してはPLの方の希望する変化、書かれてない場合は犬や猫等の無難な姿に変化する事になりますし、宝玉も希望の形状の物か書いていなければ宝玉とのみ描写し色合いや形状には言及致しません。
 又、男性が女性に、女性が男性に等の性別の変化、もしくは倫理的に拙い描写になりそうな物等は希望なさっても描写できませんのでご了承下さい。

 其れでは皆様のプレイング楽しみにお待ちしております。
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第1章 冒険 『不思議な泉』

POW   :    邪魔な敵を泉の中に蹴り落とす

SPD   :    泉を迂回したり、飛び越えながら移動する

WIZ   :    いい効果が出ることに期待して、あえて泉の中に入る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

九十九・ゆかな
成程…要は城塞裏から奇襲せよって事っすね…。それなら自分の得意分野っすよ。

行動としては兵士に見つからないようにこっそり移動、邪魔な奴は始末するか泉に叩き落とす。銃器類は…撃つとバレそうだから徒手とナイフだけで何とかするしかないっすね。自慢のリモコン爆弾も炸薬量を減らして点火すれば音で気をそらせそう。…まぁーバレたら強行突破も視野に入れておくか。

それはそれとしてー…泉の効能、割と興味あるんすよね。
いざとなったら飛び込むのもアリかなー…と欺くには最適だとは思うし。
(飛び込むとなった際の変化指定:無機物の類。布とか家具とか。)



●目立つことなく敵を討つ為に。
「成程……要は城塞裏から奇襲せよって事っすね……。
 其れなら得意分野っすよ」
 そう嘯いて城塞裏の山に最初に降り立ったのは九十九・ゆかな(爆破系工兵。・f21098)であった。
 彼女は巡回する兵に見つからない様にゆっくりと移動していく。
「……今の所、異常はなし、か」
「とはいえ油断は禁物だ。猟兵とか言う奴等は仙道よりも能力の幅が広い、と言うしな」
(よし、気付かれてないっすね。しかし、そこそこ見回ってるっすね……)
 基本的には其の身に纏う迷彩服も活用し草むらに紛れ込んで敵の目を誤魔化したり……。
「こっちは問題ない、な。
 交代の時間まで後1時間、油断せずにいかないとな」
(いや、其処は油断とか慢心した方が嬉しいんすけどね)
 樹上に身を潜め敵が居なくなる迄待つ等、荒事は極力避けながら城塞へとゆかなは向かっていく。
 勿論、時には其れでは無理な敵を排除しなければ進めない状況もあったりするが……。
「さて、此処は問題な『ザシュッ』ぐっ……あ……!」
「ふぅ、どうにか大声を立てさせずに処理出来たっすね」
 音を立てない様にナイフで頸動脈を掻き切って手早く始末するか……。
「そーれっと」
「なっ、き……キィキィ』
「お、蝙蝠っすか。はは、幾らぶつかってきても痛くないっすね」
 後ろから忍び寄り手近な泉に叩き込んだ後、無力化するか。
「現状、問題は其処迄は…『ドガアアアアアアアアアアアアアアンン!!』っ!何の音だ、今の音は!」
「あっちだ!行ってみるぞ!」
(陽動成功、っと。
 其れじゃ敵が爆弾の音に気を取られている内に自分は行きますか)
 炸薬量を減らしたリモコン爆弾を爆発させて兵の意識を逸らし、その隙に移動する。
 これらの熟練の兵士の技術が光る対応で敵兵を捌いていくのであった。
 そして、そうこうしている内に敵の簡易城柵付近へと辿り着いたのだが……。
「流石に数が多いっすねえ。此れは強行突破を視野に入れておいた方が良いっすか?」
 流石に拠点の周辺と言う事もあって、敵の兵士の数も先程迄とは段違い。
 今迄目立つ事を恐れて封印していたシュペヒットやラヴィネー等の銃器類も用いて強行突破に移ろうか、とゆかなは一瞬考える。
「ああいや、其の前に試してみるっす。
 泉の効能、割りと興味あるんすよね。
 欺くのには最適だとは思うし」
 いざとなったら飛び込むのもアリかなー……と思っていた事もあり、ゆかなは件の泉を見つけると其処に飛び込んでいく。
(おお、布っすね!此れ、動けるのは中々不思議な感覚っす!)
 ゆかなの変化した布は表が迷彩柄で裏地がゆかなの髪の色の焦茶色と言う代物で山の中では迷彩、城塞付近の地面が露出している所では裏地の焦茶色を表にすれば目立たずにいけるのは先ず間違いない。
「ん?……見間違いか」
「どうしたんだ?」
「ああ、いや……何かが動いた気がしたんだが……どうも勘違いだったようだ」
 そして、其の目立たなさが功を奏し兵士達も気付かれずにゆかなは城塞の中へと到達する。
(ふぅ……ふまれかけた時はどうなるかと思ったっすけど、此れで奇襲に移れるっすね!)
 そして、戦いに備えゆかなはゆっくり準備を始めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーカ・アネモーン
桃源郷か。密かに入り込むなら、アンヘルは目立ちすぎるな……
これを機に、生身での立ち回りも学んでおこうか。
とはいえ、手持ちの武器はフォースセイバーと、フェイズガンか。
頼りないが、贅沢は言えないな。
願わくば、現地でそれらしいものでも手に入ればいいが……
しかし泉か
これだけ沢山あれば、場合によっては霧が立つかもな。
身を隠して、視界が悪くなるまで待つか……
見つかりそうになったらサイコキネシスで小石や枝を泉に投げて気を引いてみよう
あまりに邪魔なようなら連中ごと泉に落とす
武器を使っていないだと?
直接戦闘は、無いに越したことはない



●武器は振るわないに越したことはなく。
「桃源郷か。
 密かに入り込むなら、アンヘルは目立ちすぎるな……。
 これを機に生身での立ち回りも学んでおこうか」
 目立つことを避ける為、普段搭乗して戦っている空戦型キャバリアのアンヘルは今回の潜入時には控える事にしたシーカ・アネモーン(忘れられた刃・f32230)はそう言いながら手持ちの武器を確認する。
「手持ちの武器はフォースセイバーとフェイズガンか。
 頼りないが贅沢は言えないな。
 願わくば現地でそれらしいものでも手に入ればいいが……」
 敵の首魁との決戦になればアンヘルに乗って戦えば良いが、其れまでの間に戦闘になった場合どうすべきか。
 シーカはそんな事を考えつつ、降り立った山を見渡す。
(此れだけ泉が沢山あれば場合によっては霧が立つかもと思ったが……どうやら多少は運に恵まれた様だ)
 そうシーカが思った様に、山は靄に包まれていて視界不良な状態であった。
 理想を言えば霧レベルの視界不良なら尚良かったが其処迄贅沢は言えないだろう。
(身を隠して待つのも手ではあるが、此れ以上視界が悪くなるとも限らないからな)
 寧ろ靄が晴れて視界が改善(まあ、シーカにとっては寧ろ改悪なのだが)される可能性が高いと判断したシーカは潜入作戦を開始する。
「……成程、巡回する兵士は其れなりにいる様だな」
 時には巡回する兵士と遭遇しかける事もあるが、シーカは極力戦闘を避ける為に身を潜め、兵士が其の場を離れるのを待つ等して対応。
 時には彼女が潜む草むらや樹上等に目が向いて見つかりそうになるが……。
(この小石を動かして泉に……)
「此の辺りは『ガサリ』っと、誰だ!待て!」
 シーカは慌てずに冷静に対応。
 サイコキネシスによって周囲にある木の枝や石等を泉に音もなく投げ入れ、泉によって兎や猫等に変化した其れに兵士の注意を引き付けさせ、兵士が追いかけている内に其の場を離れる等して対応。
 時には複数人の兵士による巡回に出くわす事もあったが、此れに関してもシーカは慌てずに兵士が泉の傍を通りがかった時にサイコキネシスで泉に落下させ、犬や猫等に変化させて無力化させていく。
(此れから決戦が在る事を考えれば直接戦闘はないに越したことはない)
 そうしてシーカは武器を振るう事が無いまま対処し続け、城塞へと辿り着くのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

泉・火華流
…(この間、300文字w)…

もう…覚悟を決めるしかないわね…
…と、何かを考えこんだ後、進んでいく

行動
UCを使用…【ダッシュ・忍び足・迷彩・悪路走破】で『エアシューズ』で周囲の人影を警戒しつつ深き森を物音を立てずに高速移動

…で、城塞の裏側…泉のある山の出口…近くまで到達…が、見回りの兵が多数進行方向、戻るのも難しく身を隠せる場所は一つしかない

…(この間、30文字w)…仕方がないわね…
意を決して泉に身を隠す(短時間…と聞いているので)

やり過ごして泉から出る…とき、尻に重いもの…『蜥蜴の尾』
体のところどころ…手足は完全に鱗まみれの(二足歩行の)蜥蜴少女

…悲鳴を上げそうになったが、必死に堪えた…とか



●変化の結果によっては苦手な物になってしまう事も。
「もう……覚悟を決めるしかないわね……」
 兵士が見回る山々に到着した後も泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は長く考え込んでいたが、何かを決心する様な表情を浮かべた後に進み始める。
「此れより作戦行動を開始します」
 その宣言と共に火華流の履いていた靴の裏に渦巻く大気のホイールが形成。
 更に火華流の姿がどういう原理によってかは不明だが周囲の光景に溶け込んでいく。
 更に歩いても音が出ず、更に足元の大気のホイールによって其の速度は風か光かと称される程に早くなり、如何なる悪路も物ともしない。
 ユーベルコードによって火華流が履くレガリアスシューズは其の性能を大幅に強化された故の状況であった。
「……可笑しいな、気配を感じたような気がしたんだが」
「けど、全然音も何もしなかったぞ?
 勘違いじゃないか?」
 其れ故、山を見回る兵士達は火華流に気付く事もなく、更に兵士の傍を通ったと思った瞬間には彼等の視界に収められない程の遠い場所へと移動している。
 音も捕らえられず、目にも映らず、一瞬後には矢も届かぬ場所へと移動しているとは敵に回せば厄介極まる能力であろう。
 そうして特に障害もなく何度も見回りの兵士たちの傍を通り抜けてきた火華流であったが、城塞の裏側の出口に迄やってくる事となる。
 だが、運悪く交代の時間であったのか其処には数十人程の兵士が集まっていた状態であった。
(近く迄は到達……けど、見回りの兵が多すぎるわね)
 更に悪い事に彼女の潜む場に十人規模の兵士がやってきている始末。
 幾ら迷彩によって目立たないようにしているとはいえ、十人規模の兵の集団相手であれば見つからないとは言い切れない。
「やれやれ、漸く交代か」
「30分程休んだら今度は城塞内の見回りだってよ。
 こういう時、今の身体は少し休むだけで済むのが助かるよな」
(って後ろからも?!
 ……見回りの兵が多数進行方向、戻るのも難しく身を隠せる場所は……一つしかない)
「……仕方がないわね」
 何に変わるか判らない。
 其の事は火華流にとっては葛藤を生んでいた。
 だが、グリモア猟兵の説明によれば変化しても短時間との事。
 此れしか今は方法はないと思った彼女は僅かな躊躇の後、意を決して自身の傍に在った泉へと身を投じる事となる。
「それじゃあ俺は此方の方角に行ってくるぜ」
「ああ、気を付けろよ?猟兵とやらがやってきてる様だしよ」
 そして、泉に身を潜んでいる内に兵士達も其々の目指す方向へと散っていき、漸く兵の気配も少なくなってくる。
「ふぅ……どうにかやりすごせたわね」
 そして、火華流は泉から出たのだが……彼女の下半身に何らかの違和感が生じていたのを感じ取れた。
「え?何なの?……って、きゃ……」
 そして振り返った物を見た時、火華流は思わず悲鳴を挙げそうになるが口を手で押さえて其れを如何にか防ぐ。
 尤も、其れが更に彼女のパニックを助長する事になるのだが。
(何で蜥蜴の尻尾が?!其れに手迄鱗塗れだし?!)
 そう、火華流は尻尾を生やし体の所々が鱗に覆われ、手足は完全に鱗塗れの蜥蜴少女となっていたのだ。
 未だ未だ11歳と年若い彼女にとって此れはかなりきつい物で在った様で、悲鳴を必死にこらえつつ、落ち着く迄暫く経ったのだという……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

変化:ぬいぐるみ(種類おまかせ・武器も込み)

「漫画みたいで面白そう!」
殆ど興味100%とはいえ真面目に戦う。まず妖手裏剣【炎蛇】(属性攻撃(炎),誘導弾)や閃光手裏剣【煌刃】(目潰し)を【投擲】して見張りを一人ずつ確実に潰していく。なんとなくこの泉に落とせば追って来れないだろうって所で落としてみたりもする。(第六感,選択UC)

見張りが集まって手間がかかりそうと判断したタイミングで自分から泉に目立たないように入水。
「(どういう原理で動けてるんだろ?)」
とは思うものの、服も武器も一緒になってるなら不便はなし。
(我、妖刀ぞ? 秘刀ぞ?)by愛刀
なんか聴こえるケド、気のせい!



●己が勘と武器を信じ歩みゆく
「漫画みたいで面白そう!」
 UDCアースの住人的に動物やぬいぐるみ等に変化するというのは中々に好奇心を刺激されたのだろう。
 制服に身を包んだ少女、紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)はそう言って楽し気な表情で山の中に降り立った。
 とはいえ、華織は興味100%とはいえ仕事は仕事として動くタイプの様で、手裏剣を手に城塞へと向かっていくのであった。
「よし、此処は問題な『ザシュッ!』……ぐぁ」
「先ずは一人、だね」
 このように邪魔になりそうな見張りが一人でいれば手際よく手裏剣の投擲によって確実に潰していきながら彼女は山中を進んでいくのだ。
 又、彼女の持つ二つの手裏剣が優れものであり、彼女の技量も相まって兵士は抵抗も出来ずに潰されていくのだ。
 例えば妖手裏剣【炎蛇】、此の手裏剣は炎を纏い威力が増すのもあるが、何より優れているのは対象を確実に追跡し当てる誘導弾の性質を持ち、更に回収せずとも手元に戻ってくる事であろう。
 先程の様に敵の急所に確実に当て一撃で仕留める事も巡回の兵士達程度なら簡単に出来る程である。
 そして、もう一つ、閃光手裏剣【煌刃】は、と言うと……。
「っ!目が……!さっきの光で目がやられたか……っ!」
 念じると煌く妖刀を手裏剣に加工した【煌刃】は敵の目を此の様に晦ませる手裏剣である。
 また【炎蛇】の様に回収せずとも手元に戻ってくる性質も有している。
 そして、華織は今回これに地形を利用した追撃を仕掛けたりもした。
「む。此の泉、なんとなく良さそうな感じだね」
「っ!一体、何を……『ドボ――――――ン』……ク、ク~ン……』
「おお、この泉は子犬になっちゃうんだね。
 其の状態なら追ってこれないね」
【煌刃】によって目をくらませた兵士を周辺の何となくこの泉に落とせば追って来れないだろう、と華織が感じた所に突き落としたのだ。
 当然、そんな状態で華織を追いかける事等出来る筈もなく、彼女は城塞へ向かい歩を進めていく。
 そして、其の侭、城塞の近くまでやってこれたのだが……。
「流石にちょっと見張りが集まり過ぎてて手間がかかりそうかな?」
 本拠地の近くと言う事もあるのだろう。
 十人単位でまとまって兵士が行動しているのが見て取れ、今までの様に手際よく無力化するのは流石の華織でも難しい状態であった。
 勿論、強行突破でも行けなくもないが流石に手間がかかり過ぎるというもの。
「この泉、何だか良さそうだね?」
 其の為、華織は天性の閃きが刺激された泉に自ら入水。
「(おー、ぬいぐるみだー。
 どういう原理で動けてるんだろ?)」
 入水した華織は格好は制服其の侭でテディでベアな感じの愛らしくちっちゃな熊のぬいぐるみに変化したのであった。
 勿論、彼女の手にはぬいぐるみ風に変化した彼女の相棒、月華がおり、纏っている服も性能自体は別に変ってないのが感じ取れた。
「うん、服も武器も一緒になってるなら不便はないよね」
 クマのぬいぐるみになっちゃったけど依頼を達成するのに何の問題があろうか、とあっけらかんと華織は歩き出していく。
(我、妖刀ぞ?秘刀ぞ?)
「なんか聴こえるケド、気のせい気のせい!」
 ……手にする愛刀の嘆きの声を聞き流して城塞へと向かっていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『武帝に寵愛されし名将『霍去病』』

POW   :    我が名前は霍去病! 偉大なる武帝陛下の大司馬よ!
【宝貝「四百四病槍」の神速突きと共に病瘴気】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    匈奴を退けし漢王朝の勇士よ! この霍去病に続け!
レベル×1体の【前漢・武帝麾下のオブリビオン化した兵士】を召喚する。[前漢・武帝麾下のオブリビオン化した兵士]は【漢民族以外の異民族・異世界特攻】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
WIZ   :    病が去る? いいや、病は去らずだ!
自身が装備する【宝貝「早逝紫病布」】から【切れ味の鋭い紫布の乱舞と病の瘴気】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【年齢が若いほど身体を蝕む疫病】の状態異常を与える。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エィミー・ロストリンクです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●簡易城塞にて。
「よもや、我が同胞達の包囲網を抜け我が元に訪れる者がこうも早く顕れるとは、な。
 猟兵とやらの戦力、高く見積もっていたつもりであったが……どうやら、其れでも未だ足りなかった様だな」
 そう言って鎧に身を包んだ男は傍らに在る槍を手に取り立ち上がる。
 その傍には幾十人もの兵士達が槍や鉾、弩等、思い思いの武器を手に臨戦態勢。
「我が名は霍去病!偉大なる武帝陛下の大司馬!
 そして伴うは我と共に戦場を駆けし陛下の臣下たちよ!
 司馬何某とか言う簒奪者共に従う者達よ……貴様等を打ち倒し、国を取り戻さんが為、いざ参る!」
 その宣言と共に兵士達は動き出し、戦いは始まるのであった―――。
泉・火華流
機動力で勝負
エアシューズで疾走、基本的に足を止めない【ダッシュ・悪路走破・継戦能力・逃げ足】

相手の神速突きを【野生の勘・第六感】で読み【瞬間思考力・見切り・軽業・早業・功夫】で回避
病瘴気は【オーラ防御・環境耐性・呪詛耐性・破魔】で対抗(本人的にはどれかが何かしら有効に働くだろう…と思ってる)

疾走しながら相手の神速突きをかいくぐり、ミニガンで攻撃【制圧射撃・弾幕】
またこの時、腕や足などを狙い相手の武器の取り落としや機動力を削ぐ事も考える【部位破壊】

相手のUCの切れ間を狙って【カウンター】
今度はこっちの番…と
『アームドフォート』『FBC』を展開し、『ミニガン』も合わせてUCを使用【一斉発射・砲撃】



●銃弾と光の雨は猛将を飲み込んで。
「どうした猟兵よ!
 逃げてるだけでは俺に勝てはせんぞ!」
(あんな事を言ってるけど、目は全然油断してる様な感じじゃない……此方の攻撃を誘ってる感じかな?)
 靴裏に形成させた渦巻く大気のホイールを回転させる事で増した走破性を活かし素早く動いて霍去病の放つ槍を避け続けていた泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は冷静に霍去病の状態を観察していく。
(多分、此処で右側を……次は左側……)
「全く、ちょこまかと……そうも逃げ続けてくるのは面倒極まる……な!」
(此処で頭の方を狙うと同時に……瘴気を周辺に撒き散らす!)
 其の間も霍去病からは神速の突きがまるで豪雨の如き勢いで放たれ続けるも火華流は其れを其の優れた感覚と直感によって如何にか読み取り、時に其の小柄な体躯と素早い動きで回避し、時には破魔の力を付与した障壁を纏わせた手で槍の逆輪の部分を軽く痛打する事で受け流す。
 槍が纏い放たれる病を齎す瘴気に対しては破魔の力を纏わせた気の障壁や己の身体が有する呪詛への耐性で対応していく。
(どれかが何かしら有効に働くだろうって思ったけど……今の所、気の障壁が一番有効そうかな?)
 とはいえ流石は英雄すら病による死に至らしめた瘴気。
 完全に防ぐ事は出来そうになく長期戦は不利だろうと火華流は冷静に判断。
 霍去病の突きを回避しつつ手に持つ小型化された蒸気式ガトリングガンによって銃弾の雨を降らせ始める。
「っ!避けきれん…か!だが、威力は其処迄でないのなら狙いは別だな?!」
(流石に判断が早い。
 けど、其れなら判っていても防ぎきれない様にしてやれば良いだけの事だよ)
 降り注ぐ銃弾の雨を喰らいながらも霍去病は此れ以上の何かを火華流が仕掛けてくると判断したのであろう。
 霍去病の槍はより一層激しさを増していき、その槍を掻い潜りながら銃を放つのも一苦労と言う状態。
 だが其れでも火華流は諦める事なく銃弾の雨を降り注がせ続け、時に腕を時に足を重点的に狙い霍去病の動きを鈍らせていく。
(どれだけ腕に銃弾を喰らっても槍を落とす事はない、か。
 けど其の機動力は確実に削がれてる。
 なら、タイミングを見切って……)
 当たれば命が失われるであろう神速の槍を何十、何百、何千と避け、精神が削られる思いをしながら、其れでも火華流は焦る事なくタイミングを伺っていく。
「っ!此れならば…どうだ……!」
「此のタイミングなら……行くよ!」
 そして、霍去病が火華流に致命の一撃を放たんとした其のタイミングで火華流は反撃へと打ってでる。
 火華流は腰部のバックパック型次元格納庫から瞬時に固定砲台、次元格納式アームドフォートを展開、更に己の周囲を飛行する随伴式のビームキャノンへも力を流し込んでいく。
「くっ!此れは……!」
「其の足の傷、此のタイミングなら……絶対に避けきれないよ!」
「くっ!やって…くれたな……!」
 放たれるのは全てを飲み込みつくす光の帯と銃弾による雨。
 その火華流の全力をつぎ込んだ一斉発射を足に傷を負って動きが鈍った霍去病が避ける事等出来る筈もなく、決して逃れ得ぬ其れは声すら掻き消す轟音と共に彼を飲み込んでいくのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九十九・ゆかな
変化の泉、時間があれば効能を一つずつ試したかったっすねー……なんて言ってる場合じゃないね、気持ち切り替えていくっすよ。

忍び込めたのを生かしてリモコン爆弾で城塞の一角を『破壊工作』で吹き飛ばして強襲と行こう、此処からは仕事モードってヤツだよ。

各銃器の「範囲攻撃」「乱れ撃ち」やグレネードの「爆撃」で敵兵を片っ端から仕留めていく。「罠使い」として城塞の何か所かにリモコン爆弾をセットしておきたいねぇ。
UCの狐火も攻撃から防御、時間稼ぎと幅広く活用していきたい所。
束ねて火力強化、周囲に置いて牽制…出来る事はいっぱいあるからね

…ところで布の宝具と瘴気、あれ炎で防げないっすかね…?



●銃と炎と
 ドガァァァッ!ボガァァァッ!
 城塞のあらゆる場所で轟音が鳴り響き、兵士たちは駆けまわる。
「此処は我等が消火に当たる!
 お前達は先ほど音がした場所へと……「残念。いかせないよ」ぐぁぁぁっ!」
「っ!貴様が此の惨状の犯人かっ!貴様は此処で「倒されるのはお前達だよ」……ぐがっ!」
 其れはゆかなが城塞全体に満遍なく仕掛けたリモコン爆弾によって起こされた惨状であった。
 兵達は拠点を守る為に消化や鎮圧にあたり、故に分散して動く事となる。
「そうなれば各個撃破も容易になる訳だよ」
 そして、そんな兵士達をゆかなは短機関銃とセミオート散弾銃を中心とした銃器によって銃弾の雨を降らせ肉塊へと変貌させるかグレネードによる爆撃によって赤い何かへと変化させていく。
 他にも敢えて爆発させてなかったリモコン爆弾を敵が消火の為に訪れるだろうと推測した時間帯に時間差で爆発させる、城塞内の幾つかの道を爆破して通れない様にさせる等し兵が一か所に集まる様に誘導。
 其処を爆弾で一気に仕留める等の罠を仕掛けて確実にゆかなは兵士を仕留めていくのであった。
 勿論、兵士達も只で死ぬ訳もなく、ゆかなを見付け見方が盾になる事で銃弾を凌いだ者もいるにはいたが、そんな兵士はゆかなが狐火で作った盾で凌ぎ、銃弾の雨を喰らわせ仕留めていく。
「っと、此処っすね。
 んー、多分、自分の前に一人来てたっすか?」
 辿り着いたのは城塞の奥、敵の将が居るだろう場所。
 其処には戦闘の跡が見て取れた。
 そして……。
「貴様にも此の病毒を味合わせてやろう、襲撃者!」
「うわっと!」
 部屋から紫の布がゆかなに襲い掛かってくるも、ゆかなは咄嗟に狐火で勢いを消し、自身を襲ったであろう襲撃者から距離を取る。
「ちっ、まあ、此れ位は避けるか」
「全く、とんだ挨拶っすね」
(布の宝具と瘴気、あれ炎で防げないかと思ったっすけど……宝具の方は勢いを殺す程度っすけど、瘴気は防げるっすね)
 襲撃者、霍去病から距離を取り手に持つ短機関銃を彼の足元に放って牽制しながら、ゆかなは冷静に状況を分析。
 未だ年若いと言えるゆかなにとって最も厄介なのは宝具による病毒。
 其れを齎す瘴気を狐火で防げるなら後は宝具に当たる様な事にならなければ毒を喰らう様な事態は起こりえないとゆかなは判断する。
「なら……っ!」
「っ!さっきの猟兵とは別の銃か。
 本当に厄介な武器だな!」
 先ずは此方からとゆかなは短機関銃とセミオート機関銃によって銃弾の雨を降り注がせていく。
 ゆかなが其の戦場での経験を活かし、銃弾の交換も考慮し決して銃弾が途切れない様にしている為に流石の霍去病も宝具の布で銃弾を防ぎ続けるしかない状況だ。
 だが、同時に霍去病は銃弾を宝具で防ぎ続けるので決定打が存在せず膠着状態にならざるを得ない。
 故に……。
「先ずは此れを……!」
「っ!何だ此の轟音と衝撃を放つ物は!
 だが、此の程度ならば未だ防ぎきれるぞ!」
 ゆかなはグレネードの爆撃を霍去病に叩き込むも彼は宝具によって其れを防ぎきる。
 しかし、それもゆかなにとっては予想済み。
「それは判ってるっすよ!」
「……っ!貴様、煙に紛れて背後から……!
 だが……ぐっ?!
 足元で何かが……!」
 霍去病の背後からゆかなは敢えて声をかけ意識を自分に向けさせ……グレネードの爆撃を囮に霍去病の足元へ投擲していたリモコン爆弾を爆発させる。
 ゆかなの方へ意識を向けていた霍去病は此れを防げる筈もなく姿勢を崩し……。
「一つだけならダメージも少ないだろうけど……束ねた物ならどうっすか!」
「ぐ、がああああああああああ!!!」
 己が放つ全ての狐火を束ね、霍去病へと叩き込むのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーカ・アネモーン
なるほどな。帝に寵愛を賜ったか。その顔なら納得もしようというもの
いや、変な意味じゃない
その綺麗な顔と身のこなし……容易に両立するものではない
一手、指南願おう。こちらも生身での戦いを知っておきたい
しかしなかなかの規模の城塞だ。武器にも困らん
こいつは双手剣か。借りるぞ

アンヘルを呼べば楽に戦えるかもしれないが、無粋だな
ここは城塞でかっぱらった武器を使おう
あの武には及ぶまいが、その動きをこの身で受けることで覚えていこう
私一人が倒れる事など問題ではない
サイコキネシスで肉体をブーストし、矢避けにもしよう
拙くとも、軽身功のような真似事はできる筈だ
病が憎いか。その身に帯びた技は、怖れの裏返しに見えるな



●勝負は決して武技によってのみ決まらず。
「本当にやってくれたものだな猟兵……!」
「なるほどな。
 帝の寵愛を賜ったというが、火傷してなお其の顔なら納得もしようというもの」
「其れはどういう意味で言っている猟兵よ……!陛下への侮辱を赦しはせんぞ!」
 炎に捲かれ傷付いた状態で立ち上がった霍去病に対してのシーカ・アネモーン(忘れられた刃・f32230)の言葉は霍去病の顔を怒りに染めていく。
 それに対しシーカはあくまで冷静に対応。
「いや、変な意味じゃない。
 其の綺麗な顔と身のこなし……容易に両立するものではないと思ったのだ。
 一手、指南願おう。
 こちらも生身での戦いを知っておきたい」
 そう言いながらシーカは瓦礫散らばる部屋に落ちていた双剣を拾って構えだす。
(しかし中々の規模の城塞だ。
 武器にも困らんな)
「アンヘルを呼べば楽に戦えるかもしれないが……無粋だな」
 双剣を構えるシーカの姿を見て霍去病は怒気をおさめつつも槍を構え対応する。
「貴様が何を考えているかは判らんが……本来の武器を用いずに我等に勝てるとは思わぬ事だ!
 偉大なる武帝陛下の大司馬が槍、其の身に受けるが良い」
 その突きは正に神槍と言う以外なき代物。
 余りの速さに衝撃波すら突きは敵の急所、関節を貫き、更に如何にか避けたとしても其れに伴う瘴気は確実に敵の命を蝕んでいく。
(成程。流石と言うしかない武技だな)
「あの武には及ぶまいが、其の動きを此の身で受ける事で覚えていこう。
 私一人が倒れる事等問題ではない」
「関節等を貫けば少なくとも動きは鈍る物なのだが、な……!武技は拙くとも対策は考えている、と言う事か……!」
 其れは在る意味で自らの身体を顧みぬ戦い方であった。
 猟兵故、後遺症等は出ないであろうが深い傷を負い、痛みを伴う行いでもあった。
「その不自然な動き……恐らく仙道の様な業で操り人形の様に自らの身体を動かしているのだろう!
 だが、そのような行い、体への負担も激しかろうに……その度胸だけは認めてやろうか!」
 そう言いながら霍去病は関節等への攻撃をやめ、シーカが持つ武器や急所等を狙い貫いていく。
「……!」
「ふん、本当に無茶をする物だな!
 だが幾ら痛みを耐えようが此の槍の瘴気は貴様の様な若き命を俺の様に蝕むぞ」
「……病が……憎いか?」
 シーカへ向かってそう言い放つ霍去病に対し、シーカは壊れた双剣を捨て、床に転がる矛を手に取りながら、そう言葉を返す。
 そして、其の言葉は霍去病にとって何よりも怒りを誘う言葉であった。
「憎い…だと?憎くない訳がなかろう!
 例え仙人に授けられた物とはいえ、大いなる力を得られるとは言え……我が子の成長を見守る事も出来なんだのだぞ!
 陛下の御為に戦い続ける事も出来なんだのだぞ!
 憎くない訳がなかろうが!!」
 そう言い放つ霍去病の目には憎悪の光が激しく灯り、神速の槍はまるで豪雨どころかスコールの様にシーカの命を断たんと降り注ぐ。
 だが、シーカは此れを焦る事なく対処する。
「成程、ならば其の身に帯びた技は畏れの裏返しか」
「っ!飛んだだと!」
「拙くとも……軽身攻の様な真似事は出来るので、な!」
 霍去病が言う仙道の様な業、サイコキネシスによって己が体を槍が届かぬ高高度へと跳躍させると……其の侭、急降下。
 サイコキネシスによって速度も早められた其れは過つ事無く霍去病へと向かっていく。
「ぐっ……此の俺が……!」
「此の戦い、私の勝ち、だな……」
 シーカが持つ矛に貫かれた霍去病に対し彼女はそう言い放つのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紅葉・華織
※アドリブ・連携歓迎

直感的に、あまり相性の良い相手じゃないカモとは思うけども、だとしても途中で投げ出すようなコトはしたくないもんね。
『それでこそ我が使い手』(by愛刀)
……何か聴こえる気がするんだけど、気のせいダネ。(半分素)

何はともあれ、無理せず回避に専念。(選択UC,第六感,見切り)
攻勢に出るのは相手に隙が見えた一瞬のみ。その一瞬が見えたら、【ダッシュ】で接敵、『月華(鎧無視攻撃)』を振るって一撃離脱(咄嗟の一撃)。
離脱の際には閃光手裏剣【煌刃】を【投擲】して【目潰し】。

「――迷わずに逝けば良いと思うナ」



●刃によって敵を屠りて。
(多分、あまり相性のいい相手じゃないカモとは思うけども、だとしても途中で投げ出す様なコトはしたくないもんね)
『それでこそ我が使い手』
 決意を込めて戦場に降り立った紅葉・華織(奇跡の武術少女/シスコン師範代・f12932)に不思議な声が聞こえてくる。
「……何か聴こえる気がするんだけど、気のせいダネ」
 それに対し華織は半分素の状態で思わず、そう漏らしてしまう。
 とはいえ、此処は戦場。
 声の事は気にしていても仕方ないと彼女は剣を手に敵の元へと向かっていく。
「此れは又凄まじいね」
「……今度は貴様か猟兵……匈奴を退けし漢王朝の勇士よ! この霍去病に続け!」
 戦場となったであろう霍去病のいる部屋、そして霍去病自身のボロボロ具合に思わず華織は言葉を漏らすが、そんな彼女の姿を観止めた霍去病は兵達を召喚。
 その数は百を超え、更に技量も其れなりの物であるのが見て取れる。
(更に言えば情報通りなら私達異世界の人間や異民族に対しては特効と言えるレベルの力を持つ訳だね)
「なら何はともあれ、先ずは無理せず回避に専念か」
 そう嘯きながら華織はユーベルコードによってより強化された其の優れた直感を活かし兵の動きを見切り、避けきれぬ物は刀で往なしていく。
(回避に専念するつもりだったけど、これだけ多いと減らした方が良い感じがするね。
 後、何となくだけど在る程度兵と闘わないとこっちの狙いを看破されてやりにくくなりそうな気がする)
 そして、其の天性の超直感から兵士を減らしておいた方がやりやすくなると感じた華織は其の直感に従う事にする。
「だから減らしておかないとね」
『……っ!?』
 敵の攻撃を避けながら妖手裏剣たる炎蛇を敵兵に胸目掛けて投擲したり月華で首を掻き切る等して適度に兵を減らしていったのだ。
「……我が旗下の兵相手にこうも余裕で凌ぎきるか!
 兵達よ固まって対処しろ、王祟の班は三人に別れ二人が防御に徹し、残る一人が弓で敵を狙え。
 又、郭泰の班は二人一組。一人が盾で防御専念、一人が鉾で責め立てろ」
 其の姿は霍去病を焦らせ、徐々に霍去病は兵の動く様に任せていたのに指揮し始める。
 其れはより積極的に攻めに転じようと動き出したという事であり、霍去病の意識が戦う者ではなく率いる者の方に意識が移行しかけていると言う事であった。
「うん、このタイミングしかないね」
 そして、その隙を天性の超直感で見抜いた華織は即座に駆けだしていく。
『――――!』
「なっ!あの数の兵の隙間を駆け抜けて……!」
 霍去病が兵達をグループ分けした事も助けとなったのであろう。
 華織は敵兵の間をすり抜けて一瞬で霍去病の元へと到達。
「―――迷わずに逝けば良いと思うナ」
 己が手にする刃、月華を抜き放ち霍去病へと一撃を放つ。
「ぐっ……兵達よ俺ごと此の女を……!」
『――――!』
 それに対し霍去病は華織を逃さぬと自分ごと華織を殺そうとするが、此れに対し華織は冷静に対応。
「悪いけど離脱させて貰うヨ」
「ぐっ!何だ、此の光は……っ!」
『――――!』
 己が懐の手裏剣【煌刃】を投擲し其の閃光で霍去病と敵兵の目を潰すと即座に其の場を離れるのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

火土金水・明
「こちらの世界だと中国の英雄との戦闘が可能ですか。」「敬意を払いつつも全力で行かせてもらいます。」
【SPD】で攻撃です。
攻撃は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡め【限界突破】した【シルバータイフーン】で、『武帝に寵愛されし名将『霍去病』』と召喚された者達を纏めて攻撃します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



●銀の台風、猛将降して。
「此方の世界だと中国の英雄との戦闘が可能ですか……」
 火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は歴史上の英雄である霍去病と闘える事に感慨深い表情を浮かべながら戦場に降り立っていく。
 勿論、其処に油断は一切なく、必ず勝利を掴み取るという決意に溢れている。
「ふん……やってきたか……。
 陛下の後継たる方々より此の地を奪いし簒奪者を討ち滅ぼし、再び王朝を再興せんが為……俺は貴様を討ち倒し勝利しようぞ!
 さあ、お前達、行くぞ……!」
 霍去病の身体はボロボロで断ち切られた左腕を始め、幾多の傷が見て取れる。
 そんな、立ち上がるのすら辛いと思われる状態で、其れでも主の為、霍去病は啖呵を切り、そんな彼に付き従う数多の兵達と共に明に戦いを挑んできた。
「其の傷で其の啖呵……流石は漢の武帝に使え、匈奴との戦いに功績をあげ、遂には匈奴の本拠地を撃ち砕いた英傑ですね。
 其の姿に敬意を払うからこそ全力で行かせてもらいます」
 其の言葉と共に明は銀の剣を手に取って構えを取る。
「駆け巡るは銀色の風の如く―――」
『剣が大きくなった……?!』
『何て巨大な……?!』
 明の詠唱と共に明の手の内の銀の剣は巨大化。
 その大きさは100mに到達しようかという程であり、どちらかと言うと細身に見える明が軽々と其れを持つ姿は一種異様であり、兵達は警戒しながら明に畏怖の眼差しを向ける。
『だ、だが、あんな巨大な剣なら取り回しも難しい筈!
 接近戦で……っ!』
「違う!仙道の類いなら大型の武器の欠点もないと考えろ!
 接近戦ではなく距離を取っての弓での戦闘を……!」
「その判断は流石、歴戦の将ですね。ですが、そうさせる時間は与えません……!」
 其の巨大さから接近戦を仕掛ければ自分達の有利だと判断してしまったのだろう。
 明に迫って討ち倒さんとする兵達に対し、霍去病はそうではないのだと距離を取る様に指示するも時すでに遅し。
『ぐっ……が……っ!』
『嘘だろう……我等をまるで草を刈るかの様に……!』
 銀光一閃。
 其の銀の剣は其の巨躯からすれば信じられぬ速さで振るわれ、銀の台風は兵達をまるで草を刈るかの如く斬り倒していく。
 其の刃は兵が纏いし鎧をまるで何も無いかの如く斬り裂き、其の一閃は幾多の戦場を霍去病と共に駆けた熟練の兵達を以ってしても見切れぬ程の物であった。
「……っ!生き延びた者達は先ほどの指示通りに!」
『……はっ!』
 それに対し、刃から離れていた為に如何にか生き延びていた者達が霍去病の指示に従い、明と距離を取って矢の雨を彼女へ向けて降らしていく。
 其の数は正に雨水の如き数で流石の明も避けきることは出来ぬと思われたが……。
「残念、それは残像です」
『……っ!閣下!』
「……すまん!」
 矢を喰らったっと思った瞬間に明の姿は消え、兵達の後ろからかかる声。
 そう、兵達が矢を放ったのは明の遺した残像。
 彼女は剣を振るった次に取る兵の動きを見切っており、兵達の背後へと移動していたのだ。
 そして、そんな彼女に対し兵達は咄嗟に霍去病だけは守ろうと動き出し……。
『グッ……がぁ……!』
『せめて、閣下は……!』
「自ら盾になる其の忠義は見事……ですが!」
 兵達は刃を受け止め霍去病の盾になるが、彼女の刃はまさに銀の台風。
 其処で留まることなく刃は再び一閃され……。
「……っ!武帝陛下の大司馬として……せめて一撃返させて貰う……っ!」
 銀の刃に両断された霍去病はせめてもの足掻きと手に持つ槍を全力で投擲。
「……く…はは……生前の我が身を侵し続けた宝具だ……その痛み…思い知れ……猟兵……!」
 その槍は明の胸に命中。
 其の姿を観た霍去病は満足した笑みを浮かべて消えていくのであった。
 そして、完全に霍去病が消えた後に槍で貫かれた明も消えていき……。
「残念、其れも残像です。
 ……ですが、死に瀕して尚戦い抜く其の姿……本当に見事でした。
 流石は武帝の大司馬、音に聞こえし霍去病と言う事でしょうか」
 残像ではない、本物の明が霍去病が消えた所を一瞥しそう嘯くのであった―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『仙界バンジージャンプ』

POW   :    御託はいらねえ!バイブス上げてバンジーキメるぜWASSHOI!!

SPD   :    僕が仙界で一番、バンジージャンプをテクニカルに跳べるんだッ!

WIZ   :    この傾斜と紐の長さ……これこそがニューバンジーのイノベーション!!

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●戦いが終わって。
「いやはや、我等が来る前に解決して頂いて……猟兵の方々、本当にありがとうございます」
 死者も多く出る事は覚悟していたのですがお陰で助かりました。
 御礼として全力で持て成させて頂きますね?
 管理人からの連絡を聞き兵を率いてやってきたらしい瑞獣・帝江※の一人だと名乗った男は猟兵達にそう言って笑いかける。
 まあ、顔はないので何となく笑ったんでは?と猟兵が感じ取っただけなのだが。
「なあに、此れでも歌と舞は得意としておりますし部下には料理が得意な物も多くおります。
 其れに此処の管理人も百年ほどしていた時期がありますので成人の儀の補佐も任せてくだされ!」
 そう言ってかっかっか!と大笑すると男、帝江は部下と共にお礼の宴の準備を行い始めていった。
 周辺にはとても美味そうな匂いが漂い始め、又、君達へのお礼の歌のリハーサルをしているのか、美しい歌と笛の音色が鳴り響くのであった。

※帝江とは……豊富な鉱脈を持つ天山に棲む霊獣。
 黄色く袋の様な身体で六本脚、四枚翼を持つという。
 歌と舞を得意としている。


◎蛮死射(ばんじい)について。
 この地方の仙道が行う成人の儀。
 非常に深い谷に伸び縮みする紐をつけて落下。
 谷の奥底、宙に浮かぶ様々な宝玉の内のどれかを手にする事が出来れば成人と認められる。
 失敗したとしても死ぬ事はないが谷底にある変化の泉に落下し妙な姿になった上で蛮死射の開始場所に戻ってくる事となる。

 宝玉の形状、色は自由だし失敗して妙な姿になっても良い。
 但し、性別の変化はNG。
泉・火華流
よせば良いのに、わざわざ成人用の蛮死射に臨む元気なお子様

いっくよー!!
…と、谷の上で身構え浮いてる玉を狙って落下していくが、幾多の参加者を失敗へと追い込んだ『恐怖の強風』が火華流へと吹き付ける
成人してないお子様な彼女の身体は完全に風に流され軌道をはずれて泉にドボン

戻ってきた時には

牛の下半身(二足)に耳、頭には曲がりくねった羊のような角、そして…年齢に不似合いな『大きな胸』(ただし火華流的には嬉しい…なお、身体の変化に服は全壊)

饕餮(とうてつ)…の、幼い眷属と、現地人は解釈

なお悪食と有名だが、ここでは『魔をも食らう存在』…と、ありがたられ…再度長々と泉に放り込まれ、なかなか元に戻れなかったとか?



●饕餮は美味にて封ず。
「あの年頃だと咄嗟の強風でも凄い影響を受けそうだが、大丈夫かねえ……」
「ま、噂の猟兵なら大丈夫だろ?」
 そう言って見守る大人たちを尻目に泉・火華流(人間のガジェッティア・f11305)は成人の儀式用の蛮死射に元気に挑もうとしていた。
「いっくよー!!」
 そう元気よく声をあげながら火華流は勢いよく宙に浮かぶ玉へと向かって落下していく。
 其れは途中までは順調だったのだが……。
「うわあああああああああああ?!!!」
「っ!このタイミングであの風が来るか……!」
「体格が其処迄大きくない子はあそこで一回失敗しちまうんだよなあ……」
 突然の突風が火華流を襲い、成人していない彼女の身体は軌道を外れて泉の中に一直線。
「うう……あのタイミングで来るなんて……」
 結果、泉の所為で異形の姿に変化した火華流は蛮死射の開始地点に戻ってくる。
 其の姿は正に異形。
 下半身は牛の後ろ脚部分へと変じ、耳も牛の物に。
 頭には曲がりくねった羊の様な角、又、泉の中に成長する要素があったのか年齢に不釣り合いな大きさへと変貌した胸。
 服に関しては体型が大幅に変化した為、かなりの箇所が破損しているのが見て取れる。
(おお、こんな風に肩が凝るんだ……!)
「っと、その恰好は拙いな。この服を着ると良いよ」
「ほら、此の布で濡れた所を拭くと良いよ」
 胸が一時的とはいえ大きくなったことに喜んでいる火華流に対し、見守っていた人達は濡れた場所を拭く布と服を手渡してくる。
「しかし、其の格好は……多分だが饕餮、かね?」
「少し伝承とズレを感じるが、其れは未だ成長しきってない幼い眷属とかなのかもしれないねえ」
 未だに胸が大きくなった事を喜んでいる火華流を着替えられる場所へと案内しながら、現地の人々は火華流の変じた姿について分析。
 なお饕餮は悪食として有名で四凶の一柱として知られているが、同時に其の何でも喰らうという性質から魔も喰らい得る存在であると定義されており……。
 ありがたい存在に変化した事から火華流への歓待は、恩人として丁重に扱われていた猟兵達への其れよりも更に豪勢な物になっていたという。
 其の余りの歓待っぷりに変化の泉の変化が一定だったら長々と泉に放り込まれて元の姿に戻れなかったのでは、と火華流は思わず疑ってしまったりもしたという。
「あ、此のスープ美味しい……此れなんて言うの?」
「ああ、猟兵が持ち込んだ料理で佛跳牆って言うんだよ。
 ほら、富貴鶏も美味いから食べてみな。食べやすい様、土じゃなくて固めた塩で包んで焼いた特別性さ!」
 それはもう、豪勢極まる歓待で火華流も恐らく満足しただろう旨さであった。
「あ、蓮の香りが凄く良い感じだし、味も濃厚で美味しいわね、これ」
 そんな感じで成人の儀は失敗した物の火華流は非常に美味しい想いをして過ごしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

九十九・ゆかな
一応、もう成人ではあるんすけどねぇ…。
まぁ、蛮死射には参加するっすよ。如何なる事柄にも挑むべきっすからね。

まぁー…失敗して面妖な生き物に変えられるのはびみょーに恥ずかしいけどね。いやそれはそれで体験になる…
流石に取れそうな宝玉に狙いをつけて飛び込まさせてもらうよ。

成功しても失敗しても、蛮死射の後は宴でゆっくりお酒でも呑んで舞を見て楽しんで、英気を養おうかな。賑やかに過ごすより、すこーし離れたところでゆったりと、ね。

変化の泉の山にまた来たいなーとか、敵拠点の攻め方の一人反省会とか、今回の事柄をぼやきながら、ね。

(蛮死射の成功失敗はどっちでも問題ないです)



●戦いが終わって。
「一応、もう成人ではあるんすけどねぇ……」
 そう嘯きつつ九十九・ゆかな(爆破系工兵。・f21098)は蛮死射を行う場へと向かっていく。
「まぁでも、参加するっすよ。
 如何なる事柄にも挑むべきっすからね」
 そう言うと彼女は立ち会い人に器具についての説明を受けながら、蛮死射の準備を済ませていく。
(まぁー……失敗して面妖な生き物に代えられるのはびみょーに恥ずかしいけどね。
 いや、それはそれで体験になるかな……?)
 最後の説明を受けながら眼下の谷を見下ろして考えに耽る。
 自分の前にやった猟兵は割りと面妖な姿になっていたが……まあ、長く生きていて初めて見たと仙道である此処の管理人が言ってたのでなる可能性は低いだろうし。
「取れそうなのは……あの辺りかな?」
 高性能の双眼鏡でどの宝玉が良いか大まかな当たりをつけるとゆかなは落としたら勿体ないので其の双眼鏡を管理人に預かって貰い……蛮死射を開始する。
「うわぁ……此れは凄いな」
 普通のバンジーと違って高さも落ちる速度も大違い。
 其れこそ新幹線の外に固定されたらこんな感じかというような状態であり仙道による保護がなければ猟兵じゃなきゃ死んでるよね?という感想がゆかなの脳裏に浮かんでくる。
「でもまぁ、普段の戦闘に比べれば肉体に傷がいかない分、マシ、かな?」
 此れだけのスピード、本来なら目なんて開けてられないだろうし息するのもつらかっただろうしね。
 あくまで此のスピードで落ちていく中でも、しっかり目を見開き目的の物を掴み取れる勇気を示す事が成人の証になるんだろうな等と思いながらゆかなは角度を調整。
 事前に目を付けていた宝玉へ向かって落ちていく。
「此処だね」
 そして、危なげ無くゆかなは宝玉を掴み取ると其の侭上昇。
 其の侭上空へと突き上げられ……!

「いやぁ……落ちていく時よりも上がっていく時の方が余程きつかったすよ」
「ははは、そうでしょうそうでしょう。
 実は宝玉を取る事自体は比較的成功率は高いのですが其の後に宝玉を取り落とさずに済む者は中々少ないんですよ。
 自分も苦労しましたよ」
 そう言いながら帝江は舞い踊る人々を少し離れた場所で見ていたゆかなにお酒や料理の皿を器用に背中に乗せて持ってくる。
 因みに手がないのに六本の足でどうやって宝玉を掴んだんだろうという疑問も浮かんだりしたが、ゆかなは気にしないことにした。
 相手は霊獣であるし一般人の常識で図る様な物でもない。
 其れよりも料理と酒を愉しもう、と。
「あ、此れ美味しい。ソーセージみたいだけど肉は猪っすかね?
 其れにこっちは色々な餃子が在るっすね」
 そして、料理を見てみればこれが実に美味しそう。
 薄手の皮から除く色とりどりの細工が施された美しい水餃子や蒸し餃子、揚げたてで香ばしい匂いが漂う揚げ餃子やじゅわーっと肉汁が溢れ出そうな焼き餃子はゆかなの食欲を否応なく刺激してくる。
「中身も色々と工夫しているんで楽しんでくれると嬉しいよ。
 焼きは慣れてないんだが猟兵さん達はそっちが食べなれてるそうだし多めにしてあるから」
 そう言いつつ帝江は紹興酒の入った酒甕とひしゃくをゆかなの横に設置。
「声をかけてくれれば直ぐにお代わりを用意するからね?
 それじゃごゆっくり」
「うん、ありがとうっす」
 舞を少し離れた場所で見ていたし賑やかに過ごすより、ゆったりと静かに過ごしたいんだろうなと察したのか管理人は其の侭話を切り上げ離れていく。
「あ、美味しい。其れに此の紹興酒と凄く合うし」
 口の中に溢れ出る焼き餃子の肉汁を口にした紹興酒で洗い流し、今度は皮がプリっとした水餃子を楽しみながらゆかなは咲き誇る桃の花を見上げる。
 そして、そうしている内に変化の泉の山にも又来たいし、此の料理も食べに来たいなー等と嘯いてきたり。
「変化した後に踏まれかけたのとかは反省しないとっすよねえ。
 其れにボスとの闘いについては……」
 他にも敵の拠点の攻め方についての反省点等も口からついて出たり。
 そうやって今回の事件に関する事をぼやきながらゆかなはのんびり酒を飲み、飯を喰らい、自分達猟兵への感謝の舞を舞い踊る人々を、桃の花が美しく咲き誇っている姿を見つめていく。
「まあ、でも……この光景を護れたのは本当に良かったっすよね」
 そんな言葉をポロリと漏らしながら―――。

大成功 🔵​🔵​🔵​


●戦いが終わって。
 霍去病による襲撃は無事、猟兵達によって防がれ、人々は再び平和な日々を過ごしていく。
 其れは掛け替えのない、猟兵達が守り抜いた日常である。
 そんな宝物を守ってくれた猟兵達に人々は感謝し、彼等の活躍を京劇や人形劇、口述の伝承など様々な形で語り継いでいく事になるが……まあ、此れは今は関わりのない未来の話である。

最終結果:成功

完成日:2021年05月23日


挿絵イラスト