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銀河帝国攻略戦⑥~農業宇宙船ジェイエイ号の主張

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●ジェイエイ号内、共同農場集会所にて
「何を言っているんだね、君たち。我々農民が、どうして戦いなどに加わらねばならないのだ?」
 農場長であるカブーンは、詰め寄る農作業員たちを鷹揚に見回した。丸顔の中年男性である。
「場長こそ何を言っているんです。猟兵とワープドライブとかいう力を持った娘さんが合流したことで、多くの宇宙船が集まって、帝国軍と戦えるようになったんですよ? 帝国から独立する千載一遇のチャンスなんですよ? それに、ボーッとしてるとこの船だって帝国軍にやられちまうかも」
 若い農民が『ナニコノヒトシンジラレナイ』的な、途方にくれた顔で主張したが、
「若いねえ、君たちは何もわかっていない」
 カブーンは、カブっぽい丸い頭を嘆かわしげに振って。
「我々は平和な農民なんだよ? 帝国軍と戦えるわけがないじゃないか。農機具で戦うというのかい? それに、こんな辺境宙域の農業だけが取り柄の船に、帝国軍が目を付けるわけないだろう」
「そ、そうですかね……?」
「ここは、解放軍なんかに組みせず、極力目立たないよう戦争をやりすごすべきさ。な、そうだろう、みんな」
 集まった農民たちは黙り込んでしまったが、釈然としない顔を見合わせている……。

●グリモアベースにて
 ワープドライブの力を持つミディアを得たことで、スペースシップワールドの人々は、解放軍として一致団結し、横暴な支配者である帝国軍と戦うことができるようになった。
「……とはいっても、数多くのスペースシップの中には、帝国軍の手先が政治家として送り込まれてる船もあってね」
 ヤーリ・ハンナル(学食の母・f10606)は、山のようなおむすびを猟兵たちと、そしてミディアの前に差し出しながら、渋面で話し出した。
「あたしが察知したのは、農業宇宙船ジェイエイ号って船の出来事さ」
 この船は大きな共同農場を持っている。ここに住み働く多くの農民は解放軍に合流して戦いたがっている。だが、場長のカブーンは帝国軍の手先であり、農民達の主張をうやむやに抑え込もうとしているのだ。
「ミディアがワープドライブで連れてってくれるから、集会所で多くの農民とカブーンが話し合っている現場に介入しておくれ。カブーンの主張を看破し、正体を暴いて、この船が解放軍に加われるようにしてあげるんだ」
 カブーンの主張はおおざっぱで脆弱だ。つけ込んで看破する隙はいくらでもあるだろう。
 また、カブーンを集会所に引き付けている間に事務所などを探り、帝国軍との癒着の証拠などを見つけることもできるかもしれない。
「農業宇宙船を味方につけることができれば、将来的に大いに助かるだろう。よろしく頼むよ!」


小鳥遊ちどり
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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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●目的
 帝国軍の手先である農場長カブーンの主張を看破、また彼の正体を暴くなどして、ジェイエイ号を味方につける。

●ミディアがワープドライブ搭載の宇宙船で問題の船まで連れていってくれますので、オープニングの場面にそのまま介入してください。
 船の構造はヤーリが調べ済みですので、調査プレイングをかける方は、すぐに調査にかかれます。

●説得に成功すると、ミディアがジェイエイ号のコアマシンにワープドライブ機能をつけ、解放軍に加われるようにしてくれます。

 食料は大事っすよね! 丸顔オヤジの屁理屈を、容赦なく論破してやってください。
 どうぞよろしくお願いします。
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第1章 冒険 『⑥裏切者を暴け!』

POW   :    多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演説等で『解放軍』参加への機運を盛り上げます。

SPD   :    銀河帝国派の政治家の事務所などを捜索し、汚職や銀河帝国との内通に関する証拠を見つけ出し、公開します。

WIZ   :    反戦集会や公開討論等に乗り込み、銀河帝国の息を受けた反戦派政治家の意見を論破します。

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

バラバ・バルディ
【WIZ】
その話し合い、ちと待たれい!
どうやらお主らは、大きな勘違いをしておるようじゃな。特に丸顔のお主!若人に偉そうに説教を垂れとるが、全くなっとらん。何も正面からぶつかり合うだけ戦いの形ではないぞ。お主らは寧ろこの戦いの要じゃ!腹が減っては戦はできぬ、と言うじゃろう?どんな猛者といえど、食べずに戦い続けることはできんからの。それは帝国側も承知のはず。ゆえに、脅すわけではないが戦が始まれば、この船は真っ先に敵の標的となろう。
何よりわしらにはジェイエイ号の、皆の力が必要じゃ!この世界のため、仲間のため、力を貸してもらえぬか?

(『存在感』『世界知識』『戦闘知識』で反論、『鼓舞』で市民に訴えます)



「――そういうことだ。わかったね?」
 カブーンは、議論はこれでオシマイというようにパーンと高くひとつ手を叩いた。
「さあさあ、作業に戻りなさい。農作物は戦争なんて関係なくどんどん育っちゃうんだからね。待っててはくれな……」
「その話し合い、ちと待たれい!」
 そこへ先頭切ってババーン! と登場したのは、背の高いシャーマンズゴースト。バラバ・バルディ(奇妙で愉快な曲者爺さん・f12139)であった。結構おじいちゃんなのだが、服はもちろん帽子から杖まで徹底的にカラフルで派手。
「どうやらお主らは、大きな勘違いをしておるようじゃな」
 カブーンと農民たちは、彼の唐突な登場にももちろん驚いているようだが、派手な衣装にもクギヅケだ。存在感ハンパない。
 バラバはビシィとカブーンを指し、
「特に丸顔のお主! 若人に偉そうに説教を垂れとるが、全くなっとらん。何も正面からぶつかり合うだけ戦いの形ではないぞ」
「な、何者だお前たち」
 カブーンはやっと我に返ったのか、指された指を押しのけると、バラバたち猟兵を見回して。
「何者だお前たち、この農場は私の許可がなければ部外者は立ち入りきん」
「我等は猟兵じゃ!」
 またバラバはカブーンの台詞を最後まで聞かずに胸を張って答えた。
「りょ、猟兵……? なんでこんな辺境の船に猟兵がいきなり……」
 呆然とするカブーンを放っておき、バラバはくるりと農民たちの方を向いた。
「お主らは寧ろこの戦いの要じゃ! 腹が減っては戦はできぬ、と言うじゃろう?」
 年の功だけではなく、彼の得ている世界知識や戦闘知識を駆使し、熱い眼差しをバラバに向ける若者たちを鼓舞する。
「どんな猛者といえど、食べずに戦い続けることはできんからの。それは帝国側も承知のはず。ゆえに、脅すわけではないが戦が始まれば、この船は真っ先に敵の標的となろう」
「そ、そうかも……」
 農民たちがざわついた。
「何よりわしらにはジェイエイ号の、皆の力が必要じゃ! この世界のため、仲間のため、力を貸してもらえぬか?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルノ・ネッケル
集会所へ向かい、POWで演説やらせてもらうで。
鼓舞の【誘惑】、皆の心に【勇気】の火ぃ付けたる!

農場長のおっさん。あんた、平和な農民が戦える訳ない……そう言うたな?

そいつは違うで、皆!
戦争が得物持ってドンパチかますだけと思ったら大間違いや!
戦で一番大事なもん、それは兵の士気。
それを保ち、さらに高めるもん。それは美味い飯や。宇宙食ばっかじゃ戦えるもんも戦えへん。
そんな美味い食事の為には何が必要か……その一つが、瑞々しい野菜や果物なんや。
ジェイエイの皆は毎日頑張って良い物を作っとるんやろ?
……それこそが、最大の武器になるんや!

だから、迷う事なんてあらへん。
……力を貸してくれ、ジェイエイの皆!!



「農場長のおっさん。あんた、平和な農民が戦える訳ない……そう言うたな?」
 カブーンが平常心を取り戻す前に、すかさず演説をつないだのはメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)。
 メルノはカブーンをギロッと睨みつけてから、農民の方に大きく手を広げ、明るい声を張り上げる。
「そいつは違うで、皆! 戦争が得物持ってドンパチかますだけと思ったら大間違いや! 戦で一番大事なもん、それは兵の士気。それを保ち、さらに高めるもん……一体何だと思う?」
 メルノは敢えて問いかけで一旦台詞を切って、農民たちを見回した。力強い光を放つ赤い瞳が魅力的だ。
「それは美味い飯や。宇宙食ばっかじゃ戦えるもんも戦えへん! そんな美味い食事の為には何が必要か……その一つが、瑞々しい野菜や果物なんや。ジェイエイの皆は毎日頑張って良い物を作っとるんやろ?……それこそが、最大の武器になるんや! あんたらはすごい力を持ってるんやで!」
 宇宙食も大分進化して美味しくなってるようではあるが、そもそも質の良い農産物がなければ、それを作ることもできないのだから。
「だから、迷う事なんてあらへん……力を貸してくれ、ジェイエイの皆!!」
 メルノは力強く拳を振り上げ、農民たちもその勢いから勇気を得て、まだ幾分及び腰ながらも幾つもの拳が突き上げられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
あほかぁーーーーーーーーッ!この状況
何もせずにやり過ごせるわけねぇっす!

人は飯を食わなきゃ戦えないどころか
生きていけないんすよッ!

どんな時でもどんな戦いでも飯の確保は
最重要事項じゃろがいッ!!

帝国軍が目をつけるわけない?
真っ先に狙われるわッ!飯の供給源潰せば
その時点で勝利確定やぞッ!!

積極的に戦えとは言わんが
出来る限りの防衛体制ぐらい整えんかいッ!
戦闘力の高い宇宙船の庇護下に入るとか
やれること、やるべきことはあるっすよねッ!

この状況で何もしないっつー
アンタの主張は無理があるっすッ!


それはそれとして宇宙船で育てる作物って
どんなんがあるっすか?
軍犬、フードファイターとして興味ありまっす!!!


メンカル・プルモーサ
……ん、重要なんだけどな……農業……と言うか兵站……
話し合いの場に乗り込んで……反論する……
まず……戦うのは矢面に立つだけじゃ無い…後ろで食料を配るのも戦い…
食料を他の船に供給するのは重要な役割……そう、『重要』……
…それは帝国軍も理解している……だから、食料の取引をしていれば目を付けることは多いにありうる……

…勿論、ここで生産した食料を何処にも流さなければ(一時的に)目を付けれる可能性は減るけど…
それをやると、ここの経済は回らない…具体的にはお金が入ってこない…その状態で戦争が終わるまで…持つ?

と反論しつつ何か口を滑らせないかなー、と期待はしておく……


ヘスティア・イクテュス
あら?別に直接戦うだけが戦争じゃないわよ?
わたしは集会所で話し合ってる場に乗り込んでみるわ

古来より戦で兵糧を潰す策等例を上げ戦における兵糧の大切さを説明
だからこそこ食料を生産し支援することだって戦いであると直接戦わずともいいことを説明よ

逆にいえば、帝国がここを潰せば大きなダメージを与えられるため
逆に狙われやすい、目をつけられやすいと説明


無論、解放軍に組みするメリットも説明
こういう時助けてくれた味方って記憶に残りやすいわ
戦争が終わったあとも多くの船がここの食料を求めてくれるかもね?


後は他の猟兵が汚職や内通の証拠でも突きつけてくれたら終りね
残念ね?カブーンさん、企みが阻止されて



 が、そこに。
「そ、そりゃそうだ、食料は大事ですよ、大事大事」
 カブーンが口を挟んできた。このオッサン結構立ち直り早い。
「だからこそこの船は、戦争などに惑わされず、大人しく、目立たず、地味~に農業生産を続けているべきだと」

「あほかぁーーーーーーーーッ!」
 力一杯ツッコんだのは、秋山・軍犬(悪徳フードファイター・f06631)。
「この状況、何もせずにやり過ごせるわけねぇっす! 何もしないっつー、アンタの主張は無理があるっすッ!」
 ずんずんとカブーンにつめより、胸ぐらをつかまんばかりの勢いである。
「人は飯を食わなきゃ戦えないどころか、生きていけないんすよッ! どんな時でもどんな戦いでも飯の確保は、最重要事項じゃろがいッ!!」
 勢いでカブーンを黙らせておいてから、軍犬は農民に。
「帝国軍が目をつけるわけない? 真っ先に狙われるわッ! 飯の供給源潰せば、その時点で勝利確定やぞッ!!」
「ん……兵站は大事……」
「古来より、戦で兵糧を潰す策は多く記録されているわ。名高い軍師は大きな戦では、必ずといっていいほど兵站を潰す作戦を立てているわよ」
 鼻息荒く演説する軍犬をフォローするように、メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)とヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長(自称)・f04572)が軍学書をめくりながら登場した。
 本来照れ屋のヘスティアであるが、平和のためならば、と一生懸命に冷静さを保ち、
「帝国も、食料供給基地になりえるこの船を潰せば、大きなダメージを与えられると考えるでしょうね。辺境の農業船だから狙われっこないなんて、とんでもない。むしろ目をつけられて、狙われ易いと思うわ」
 無口なメンカルも、必死に言葉を紡ぐ。
「まず……戦うのは矢面に立つだけじゃ無い……後ろで食料を配るのも戦い……食料を他の船に供給するのは重要な役割……そう、『重要』……それは帝国軍も理解している……だから、この船に目を付けることは多いにありうる……」
「そのとーりっ! これが現実っすよ!!」
 軍犬もまた元気に吠える。
「積極的に戦えとは言わんが、防衛体制ぐらい整えないとだろッ! 解放軍の戦闘力の高い宇宙船の庇護下に入るとか、やれること、やるべきことはあるっすよねッ!?」
 解放軍に組みするメリットは他にもある、とヘスティアは笑顔で頷き、
「戦時に助けてくれた味方って記憶に残りやすいわ。戦争が終わったあとも多くの船がここの食料を求めてくれるかもね?」
「ん……ワープドライブで……商売の範囲も広がる……」
 猟兵たちの演説に、農民たちは明らかにざわざわしている。現実に迫っている危険を自覚すると同時に、未来への明るい要素を提示されたのだから当然であろう。
 そこでちらりとメンカルとヘスティアはカブーンの方を見た。丸いオッサンは汗だくでおたおたしていた。顔色も悪い。農民たちが明らかに猟兵たちに惹き付けられ、自分から離れていこうとしている状態に焦っているのがアリアリだ。
「(何か口を滑らせないかしら)」
 と、期待して観察していると、案の定カブーンは。
「そ、それなら何も解放軍じゃなくても、ていこ……むぎゅ」
 残念、何か口走りかけたが、途中で自分で口を塞いでしまった。どうせなら解放軍じゃなくて帝国軍に守ってもらえば、的な事を言いかけたっぽいのに。
「(ん……正体がバレるとこだったのに……残念)」
 ちっ、とメンカルは口の中で小さく舌打ちした。
 一方、軍犬の方は、農民たちと親しくなろうという意図なのか、それとも単にフードファイターとしての興味なのか、
「それはそれとして宇宙船で育てる作物って、どんなんがあるっすか?」
 目をキラキラさせて尋ねている。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

チトセ・シロガネ
【WIZ】
直接乗り込んでちょっと反論してやるね。
【勇気】、【パフォーマンス】、UC【星光加護】の【スポットライト】で演出しつつミンナを奮い立たせてやるヨ!!

平和な農民なんてライアーネ!
そこのトメさんは美味しいお米を何十年も守り続けている。
そこのタナカさんの作る豚肉は脂まで美味しいと評判ネ。
(以下延々と続く)
※【情報収集】で生産者の情報を調べてるヨ。

ここにいる全員、誰よりも美味しいものを生み出す農場という戦場で戦っているネ。
武器を持つだけが戦いじゃないヨ。
今こそユー達の誰よりも美味しいものが前線に立つ人たちを奮い立たせる力になるヨ!



 その問いかけに、
「ハーイ、ハイハイ、チトセさん知ってるヨ!」
 マイ・スポットライトを浴び、技能をフル活用して注目度満点で飛び出してきたのはチトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)。
「そこのトメさんは美味しいお米を何十年も守り続けている。そこのタナカさんの作る豚肉は脂まで美味しいと評判ネ! ジョンさんのコーンは甘くて柔らか、ソレから……」
 チトセは次々と農民たちを指し示し、彼らが作っている作物を挙げていく。
「お姉さん、よく知ってるねえ」
 小さなお婆さんが嬉しそうにチトセを見上げた。
「まあネ。シップにお邪魔するならソコに住んでる人のコト、事前に調べてくるくらい、トーゼンネ!」
 どや! と胸を張ったが、今さっき【情報収集】で急いで調べてきたところだってことは内緒である。
「チトセさん、調べてワカッタことがあるヨ!」
 チトセはカブーンの方をキッと睨み付けた。カブーンはその眼光の鋭さに、じりっと後退る。
「平和な農民なんてライアーネ! ここにいる全員、誰よりも美味しいものを生み出す農場という戦場で戦っているじゃないノ!」
 そしてまた、農民たちの方を満面の笑顔で振り向いて。
「武器を持つだけが戦いじゃないヨ。今こそユー達の作った、誰よりも美味しいものが前線に立つ人たちを奮い立たせる力になるヨ!」
 農民たちも笑顔になり、そして拍手が沸いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

甲斐・ツカサ
【POW】

ごはんって、大事だよね
特にこの広い星の海の中、美味しいごはんってみんなにどれだけの幸せを与えてくれるんだろう?
そんな、みんなを幸せにできる力を持っているこの船は、帝国との戦いで凄く重要だと思うんだ!
だから、みんなが向かえば他の人達は凄く助かるし、向かわなくても帝国は放っておかないと思うよ

それに、考えてみよう!
ここで合流して、帝国と戦って、星の海が平和になったら。
他の農業船と協力して、すごく広い農園が作れるかもしれない。
もっとおいしいごはんが作れるかもしれない!
例えばそう、こんな風な!
(ホログラムで失われた天然食品をドーン!)

オレは、そんなもっともっとおいしいごはんで幸せになりたいな!



「ごはんって、大事だよね!」
 温かい拍手の中、次に語り始めたのは甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)。
「特にこの広い星の海の中、美味しいごはんってみんなにどれだけの幸せを与えてくれるんだろう? そんな、みんなを幸せにできる力を持っているこの船は、帝国との戦いで凄く重要だと思うんだ!」
 冒険家の少年は、澄んだ瞳で農民達を見つめる。その眼差しには、農民たちへの素直な感謝と尊敬、そして心配する気持ちがストレートに表れている。
「だから、みんなが合流してくれれば解放軍の人達は凄く助かるし、向かわなくても帝国は放っておかないと思うよ」
 そのあたりの理屈は、先に仲間たちが説明してくれているので、ツカサは多くは語らない。
 少年は、未来を語るのだ。
「考えてみようよ! ここで合流して、帝国と戦って、星の海が平和になったら、ってこと」
 大きな瞳がうっとりと未来を見つめる。
「他の農業船と協力して、すごく広い農園が作れるかもしれない。そうすれば研究も進んで、もっとおいしいごはんが作れるかもしれない! 例えばそう、こんな風な!」
そこでドーンとタイミングよく映し出されたのは、今はもうスペースシップワールドでは失われたてしまった伝説の天然食品群であった。いくら科学技術が発達しようとも、宇宙船の中では育てにくい作物や動物がどうしても存在するのだ。
 おおっ、と農民たちから歓声が沸く。
「オレは、みんなにそんな作物をみんなに作ってもらいたいな。そして、もっともっとおいしいごはんで幸せになりたいな!」
 可愛らしい少年にこんなことを言われて、ほだされない農民が居ようか。いや居るわけがない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

満月・双葉
見当違いも甚だしい糞意見です。トイレに流されてきてください、君。
戦う時最も重要なのは何でしょう?
武器?弾丸?盾?いいえ、そんなものは最悪無くても身一つあれば戦える。
しかし、その身を動かすものは何でしょう。
エネルギーです。
そのエネルギーを生み出すものは何でしょう?
そう、食料です。
つまり、食料の確保こそ最優先されるものであり、であるからしてこの船は最も狙われやすい船になります。
戦う術を持たないのなら御しやすいというものですし、ぼやぼやしているとあっさり殺られますよ。

怪しい奴はとっ捕まえるか、出来そうになければカエルを付けた上で行動を監視しておきましょう。
逃げるなら勘が危険を知らせるまで追跡します。


河原崎・修羅雪姫
POW
多くの市民の集まるイベントに乗り込み、情熱的な演奏で『解放軍』参加への機運を盛り上げる。

「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……。それはMUSIC(ミュージック)!」

ヘビーメタルの重低音ギグで、観衆のハートを最高にHOTにする。
【楽器演奏14】【誘惑14】【鼓舞15】で、
全世界サイボーグ連盟の戦旗をバックに、
熱く、情熱的にシャウトし、演奏し、観衆を魅惑して、カブーンの妄言を喝破する。

UCはヘビーメタル・シャウト。
【エレキギターの旋律】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強させ、
平凡な農民たちを、勇敢なる反逆者へと変貌させる。

「許すな帝国の圧制! つかみ取れ銀河の自由! 銀河皇帝を倒せ!!」


ペパシア・ドロキペ
POW

いいえ!農民だって戦えるわ!
わたくしを見て!「農」の力を感じますでしょう!?
それによく考えてみてくださいな、広い宇宙航海で最も大切なのは「食料」ですわ!あの帝国軍がこの船みたいに重要な食料プラントを見逃すはずがないでしょう?
目を覚ましてくださいませ!
敵は焦ってるからこそこんな内乱を狙ってきているのですわ。皆さん力を合わせて帝国軍に立ち向かえば、きっと勝つことができますわよ!今こそ一揆を起こすときですわ!そーれっ!イッキ!イッキ!



「そ、そうだ、そこの少年の言う通り」
 そこへ無理矢理割り込んできたのはまたしてもカブーン。
「農業はみなを幸せにするためにあるんだ。戦争とは対極にあるものなんだよ。だから我々はここは大人しくだな」
「見当違いも甚だしい糞意見です。トイレに流されてきてください、君」
 ムチのような鋭さでピシリとカブーンの屁理屈を撥ねのけたのは、満月・双葉(星のカケラ・f01681)。
「戦う時最も重要なのは何でしょう? 武器? 弾丸? 盾? いいえ、そんなものは最悪無くても身一つあれば戦える。しかし、その身を動かすものは何でしょう。エネルギーです」
 農民たちは双葉の冷静な語りに聞き入っている。
「戦う術を持たないのなら御しやすいというものですし、ぼやぼやしているとあっさり殺られますよ」
「その通りですわ!」
 ペパシア・ドロキペ(お嬢様はカラスと戯れたい・f00817)も、熱心に訴える。
「広い宇宙航海で最も大切なのは『食料』ですわ!あの帝国軍がこの船みたいに重要な食料プラントを見逃すはずがないでしょう?」
 ペパシアは、まだ口を挟む隙間を窺っているカブーンを、長い棒……いや腕でグイと押しやり、
「皆様、目を覚ましてくださいませ、敵は焦ってるからこそ、こんな内乱を狙ってきているのですわ!」
 内乱……!?
 農民たちはハッと顔を見合わせた。
 風雲急を告げているというのに、妙にのんきで、しかも頑なな上司の態度。
 これが内乱を狙っての策だったとしたら……?
「わたくしを見て! 『農」』の力を感じますでしょう!? こんなヘタレ農場長はうっちゃって、皆さん力を合わせて帝国軍に立ち向かえば、きっと勝つことができますわよ!」
 ペパシアは長い腕を、今度は天高く突き上げた。
「今こそ一揆を起こすときですわ! そーれっ! イッキ! イッキ!」
 イッキ! イッキ!
 ここまで猟兵たちに魅了され鼓舞されてきた農民たちは、ペパシアの音頭に合わせて、元気よく声を揃えはじめた。
 イッキ! イッキ!
 そこに。
 ギュワアアァァーーーーン!!!
「銀河帝国の圧制をひっくり返す音……それはMUSIC(ミュージック)!」
 チョーキングを大胆に効かせた、エレキギターの重低音を鳴らしながら飛び出してきたのは、河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)。
 全世界サイボーグ連盟の戦旗をバックに、長い舌をべろんと突き出し、
「さあ、イッキの時間よぉ、みんな、私と一緒に最高にHOTになりましょ~~!」
 イッキ! イッキ!
 技能をフル活用したヘビーメタルの重低音が、農民たちを熱くしていく。
 更に修羅雪姫は、
「私は半人半機のメタルモンスター! 心臓はビス止めで、クロームの3重構造で出来ているうウゥゥゥ!!」
 情熱的にシャウトした。ユーベルコード【ヘビーメタル・シャウト】だ!
イッキ! イッキ!
 盛り上がる演奏に引っ張られ、農民の熱気と戦意も最高潮!
 ペパシアも少々不器用ながら、ギターに合わせて踊り、叫んでいる。
 イッキ! イッキ! イッキ! イッキ!

 ……と。
 双葉は気づいた。
 盛り上がるギグに紛れて、カブーンが集会場からコソコソと逃げだそうとしているのを。
 双葉は素早くユーベルコード【カエルの大捜索】を発動し、
「とっとと探しておいで」
 先に小さく身軽なカエルにカブーンの追跡を命じると、仲間たちにそっと目配せをしながら、彼女もさりげなく集会場を出た。
 ゲコッ。
 カエルに導かれ、辿り着いたのは農場の事務所であった。不用心にも開けっ放しの扉から覗き込むと、無人の室内でカブーンがただひとり、上席の端末に必死の形相で向かっていた。
「(自分の立場が危ういと感じ、帝国軍との関係を示すようなデータを消しているのでしょう)」
 双葉はカエルを見張りに残し、急いで集会場に戻った。そこはまだ修羅雪姫のギグで大盛り上がりだったので、彼女は仲間の猟兵と農民を数名ずつ、そっと連れ出した。
 事務所に戻ると、カブーンはまだ夢中で作業をしており……。
「……何をしているのですか?」
「わわっ、え……え。えっと……」
 屁理屈をこねる隙を与えず、猟兵たちは端末を没収した。
 そこにはカブーンが帝国軍と通じていた証拠が残されていた。どうやら日和見のふりをしながら、徐々にこの船を帝国軍に組み込む作戦だったようだ。その報酬として、カブーンには更に大きな権限を与えると。
「だからだったんですね、戦争だってのに、妙に余裕ぶっこいてたのは!」
 当然農民たちは、上司の裏切りに激しく憤る。
 小さく背をまるめて小カブのようになっているカブーンを見下ろし、ふうっ、と双葉は溜息を吐く。
「こんな約束、帝国軍が守ると思ったのですか? 君は絶対、一度トイレに流されるべきです」

 そこから事はサクサクと進み、カブーンは当然降格の上しばらくの間謹慎。農民たちをはじめ、ジェイエイ号の乗組員たちは全員一致で解放軍に加わると決定した。
 一方、コアマシンルームでは、ミディアがユーベルコードを発動して、ワープドライブの力を付与している――。
「――成功です」
 ミディアは、作業を見守っていた猟兵と農民たちに微笑んだ。
「これでこの船は、私たちの仲間となりました」

 農業宇宙船ジェイエイ号、帝国軍との戦いと、新たな農の未来へ――発進!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月06日


挿絵イラスト