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PUMPKIN IS GOD

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #異端神官ウィルオーグ #パラディン #ご年配の方は大事にしましょう #カボチャ突っ込む、ダメ、ぜったい

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#パラディン
#ご年配の方は大事にしましょう
#カボチャ突っ込む、ダメ、ぜったい


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●始祖様、何やってんすか
 異端神官ウィルオーグという猟書家がいる。
 彼の手口はいつも決まってこうだ。
 目を付けた街の住民を洗脳し、オブリビオンを崇めさせ『偽神』と化す。
 信仰心を集めた偽神は強大な力を表し、
 ゆくゆくはアックス&ウィザーズの上空、天上界攻略の要とする計画だ。

 知識の神エギュレ信仰の始祖でもあるウィルオーグは、人心掌握にも長けていた。
 今目の前にある街も程なく、彼の軍門に下る事だろう。

 けだし完璧。
 そう思われたウィルオーグの想定は大きく覆り、
 変更を余儀なくされた彼の計画は駆けつけたパラディンを困惑させる事となる――。

●夢であるように願ってもカボチャはやってくる
 うん。うん、うん、うん!
 ものっそい笑顔で、それはもう怖いくらいの笑顔で首を縦に振り続けるリグ・アシュリーズを見て、察しのいい猟兵は逃げた。
 逃げそびれた(あるいは人が良いので留まった)のであろう貴方へ向け、リグはのっけからこんな事をのたまった。
「カボチャ退治、してきて! ついでに神官もさくっとやっちゃって!」
 外は春の陽気なのに、カボチャ退治とはこれいかに。

 今回向かってもらうのはアックス&ウィザーズのとある街。
 青果市場があり農作物の集まるその街では、ハロウィンでもないのに年中カボチャを見かけるという。
 それはもう、神として崇めているように。
「街に取り入ったウィルオーグがね、カボチャを偽神化したわ! 説明は以上、ぶっ倒してきて!」
 なんかもう説明めんどくなってるリグであったが、言ってる事は悲しいながらも間違っていない。
 知略に長けた猟書家のウィルオーグがあえて、カボチャを偽神に据える。
 その決断に至るまでに住人達とどのような応酬があったのかは不明だが、恐らくは……折れたのだろう。ウィルオーグの側が。

 街に入ってまず襲ってくるのは、不気味に肥え太ったお化けカボチャだ。
 集団敵かと思ったかい? これがなんとカボチャ、一体だけなのです。
「街の住人さんも元々カボチャ大好きだったのね、ありえないくらい信仰心集めて『超』強化されたお化けカボチャは光を放ちながら蔓とか種とか飛ばしてくるわ! こう、ヒーハー! ってカンジに」
 ひーはー。
 その言葉が指すのがどんなテンションか分からないが、とにかくそういうノリである。

 ノリはノリでおいとくとして、信仰を集めるほどパワーアップする偽神のこと。
 ウィルオーグも想定外なほど強くなった(なってしまった)カボチャの攻撃は、まともに食らえば歴戦の猟兵でも吹っ飛ぶという。

 じゃあ、どうすればいいのさ! というアナタ、朗報です。
「エギュレ神のパラディンたちがいるのね」
 あっ、ハイ。まさか心優しき人たちを盾にしろとか言わないですよね?
「彼らもカボチャ大好きなのよね」
 あっ、うん。うーん、そっか!!
 それは喜んで盾になるよね! 無敵城塞とかはっちゃうよね!

 なお、パラディンたちはカボチャ好きな癖に攻撃怖がってだいぶ手前で構えるので、
 そこからカボチャまでの距離はダッシュである。
「が・ん・ば・れ♪」
 なんかもう親指立ててすべてを誤魔化すリグによって、あなたは超絶ラフな格好のまま現地へと送られるのだった――理不尽すぎや、しませんか。


晴海悠
 お世話になっております! 晴海悠です。
 アックス&ウィザーズの猟書家戦シナリオをお送りします。

 今回はサポート様の力も積極的にお借りして『書ける時に書く!!』方式で運営する予定です。
 もちろん、当シナリオ宛てにプレイングを頂けた場合は他シナリオとの兼ね合いを見つつ、可能な限り優先させて頂きます!(キャパオーバーしたら流れるかもしれません)
 なにせ暴投、もとい冒頭からこのノリなので、再送も大歓迎です。『ライト版』感覚でお気軽にどうぞ!

『プレイングの受付』
 オープニング公開と共に受付開始します! 断章もプレイングに影響が出ないものとなりますので、いつ送って頂いても大丈夫です。
 採用数については完結優先で、少なめになると思われます。

『1章 ボス戦』
 カボチャです。蔓とか放ります。
 カボチャ大好きエギュレ神のパラディンたちが無敵城塞で守ってくれます。
 ただしだいぶ手前地点で。そこからはダッシュがんば!

『2章 ボス戦』
 異端神官ウィルオーグです。
 洗脳する街まちがえました。街の人に気圧されて若干ダウナーですがきっちり仕事(侵略)はします。
 なので、仕事させないでください。
 パラディンたちは若干テンション下がりつつ守ってくれます。

 プレイングボーナス(1・2章共通)……パラディンと共闘する

 それではリプレイでお会いしましょう! ノリで。いきて。
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第1章 ボス戦 『お化けカボチャ』

POW   :    蔓の鞭
【蔓の鞭】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を貫いて地面から養分を吸収し超回復しつつ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    種マシンガン
【着弾すると破裂して飛び散る種子】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    不意打ち
【蔓で穴を掘り地面に潜行、不意打ち】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アーデルハイド・ルナアーラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ヒーハー!
 お化けカボチャはただいま絶賛、成長期。
 街の家々の屋根すらも超えて、むくむくと膨れ上がるカボチャは
 猟書家でさえも手が付けられない。

 それもそのはず。
 街の人々のカボチャ好き好き度はウィルオーグの想定を超えていた。
 さらには集ったパラディンたちまで実はカボチャ好きというのだから、
 ツッコミ不在の状況ができあがるのも致し方なしである。

 キミ達の支援をすべく、パラディンたちは盾を構えた。
 無敵城塞、発動! これでどんな蔓が飛んできてもきっと平気だ。
 さあ、行くのだ六番目の猟兵たちよ!

 ……盾からカボチャまでだいぶ距離ありますね??
ミリアリア・アーデルハイム
カボチャは種まで食べられるし、煮てよし、焼いてよし。
それに、レトロウィザードの身としては、なんかちょっと親しみも湧かなくはないです
でも…そうですね
襲われるより、襲いたい?

パラディンの皆さん、ご協力ありがとうございます
あのおっきいカボチャ、やっつけていただいちゃいましょう!
さあ、カボチャ祭りの始まりですっ!

「屏氷万里鏡」を展開
自分の姿が複数カボチャから見えるように動きつつ
「箒」で飛び出しカボチャに接近する。
「先制攻撃、不意打ち、フェイント、空中機動、空中戦」 使用

上空から魔法剣の雨を降らせましょう
色んなお料理にできるようにカットしないと。

ちなみに私は煮物がだーい好き(ハート)!


城野・いばら
まぁ立派なカボチャさん
アリス達の好きの大きさなのね
それなら
いばらにもカボチャさんの魅力、教えてほしいな
盾構えるアリスに声かけて
美味しいカボチャの見分け方を聞くの

如何するのって?
ふふふ
魔法の紡錘をくるりと回してUC発動
紡ぐのは
理想を体現した魅惑の南瓜ぬいぐるみ

大きいだけじゃない
左右均等の立派な膨らみ
艶やかで硬い皮
想像すればする程強力に
アナタよりも素敵でしょうと、どやどや

ぬい南瓜に注目している間に近付くの
それにね蔓はアナタだけの特権じゃなくってよ
伸ばした薔薇の挿し木で怪力で
蔓を絡め捕り捕縛して生命力吸収

パラディンの皆の様な屈強さはないけれど
お邪魔虫は得意なの
共に戦う皆の時間稼ぎや盾となれると良いな



 天にそびえるかのようなドデカボチャの姿に、城野・いばら(茨姫・f20406)は目を丸くした。
「まぁ、立派なカボチャさん!」
 表情こそ驚いていたが、彼女の受け止め方には怖れや嫌悪の色は微塵もない。
「アリス達の好きの大きさなのね!」
 名も知らぬアリスこと、街の住人たち。想いの大きさでこうなったのであれば、胸の内は自然と明るい気持ちに満たされた。
「煮てよし、焼いてよし。種まで食べられるし、カボチャっていいですよね!」
 魔女の箒に乗ったミリアリア・アーデルハイム(かけだし神姫・f32606)も、抱く思いは同じくポジティブなもの。
 由緒ある魔法使いとしては、カボチャには親しみが湧かないでもない。
「でも……そうですね。あえて言うなら」
 ヒーハー! しゅるしゅる蔓を伸ばすお化けカボチャは、どこか物語のやられ役のような滑稽さも秘めていて。
「襲われるより、襲いたい?」
 いたずら心をこぼすように、ミリアリアの口元がくすっと笑った。

   ◇    ◇    ◇

 巻き込まれないギリギリの位置で隊列を組むパラディンたちへと、いばらは後ろから声をかける。
「ねえ、アリス。美味しいカボチャさんの見分け方、教えてくださらない?」
「アリス……? まあ、いいや」
 問いかけられたパラディンはいばらの方を振り向き、盾の隙間からカボチャを指差した。
「なるべく艶があって皮の硬いのを選ぶんだ。均等に膨らんでると食べる所も多いだろうな。あと、ヘタが枯れてると食べ頃なんだが……見えねえな、ありゃ」
 パラディンはもう一つ見分け方を教えようとしたが、お化けカボチャは大きすぎて、ヘタの部分は見えそうにない。
「空でも飛ばなきゃ……っておーい、嬢ちゃん無茶すんなー!?」
 慌てて呼びとめる声を振り切り、箒に跨った少女が地を蹴った。
 無敵城塞の力を借り、棕櫚の箒に呪文をかけ終えたミリアリアは勢いよく空へと舞い上がる。
「パラディンの皆さん、ご協力ありがとうございます! さあ、あのおっきいカボチャ、やっつけていただいちゃいましょう!」
 周りに展開するは、屏氷万里鏡。無数の氷の破片があたりの景色を映し、ミリアリアの姿は無数の幻像の中に溶け込んでいく。
「さあ、カボチャ祭りの始まりですっ!」
 地面から伸びたカボチャの蔓が幻のうち一つを破った。フェイクだ。不発に終わった不意打ちの隙をつき、ミリアリアは空飛ぶ箒で敵の頭上へと回り込む。
「あの高さなら、十分おつむも見えるだろーな……しかし、なんでまた見分け方を聞くんだ?」
 振り返った時、いばらはご機嫌に唄を口ずさんでスピンドルを回していた。
 伝え聞いた言葉から想像を膨らませ、風の中に理想の南瓜を紡ぐ。
 イメージが深まるほど空想は形を帯び、でっぷり中身の詰まった南瓜のぬいぐるみが姿を現す。
 緑色濃く張り巡らされた毛糸に、オレンジの刺繍が笑う大口を作る。
「どうかしら、アナタよりも素敵でしょう?」
 どやっ☆ と笑顔でぬい南瓜を浮かべれば、お化けカボチャは嫉妬するような視線を浴びせた。
 すっかりぬいぐるみにご執心のカボチャへと、ミリアリアの魔法剣が乱れ飛ぶ。
 幾何学模様を描くように飛ぶ細剣たちは、ジャックオーランタンを作る時のようにカボチャの実をくり抜いていく。
 じったん、ばったん、抵抗するように身を揺らすカボチャ。危うくミリアリアにぶつかりかけたが、すんでのところでカボチャの動きは止まる。
「ふふふ、お邪魔虫は得意なの。空飛ぶアリスの邪魔はさせないわ」
 蔓を絡めとる、薔薇の挿し木。いばらの魔力で咲き誇る薔薇は、宿木のようにカボチャの活力を奪う。
 自由を得たミリアリアは軽く礼を告げ、空高くヘと舞い上がる。
「おいしいお料理になってね! ちなみに私は煮物がだーい好き!」
 指先でハートマークを描けばそれが合図、魔法剣の雨が再び降り注いだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

早乙女・翼
ハロウィンには綺麗に半年程ズレてるさよね
そもそも、旬でもねぇし
ったく…どうかしてるぜ
(ヒーハーに対し)

さて、頼むさよパラディンの皆さん
これが終わったらカボチャ料理を――
…あ、これ駄目なフラグさね。忘れてくれ

無敵城塞は横並びに立って使ってくれると有り難いかねぇ
飛んできた蔓の鞭を防御してもらい
間髪入れずに彼らの後ろから隙間縫ってUCの炎鎖放つ
蔦が地面に届く前に捉えてやるさよ
捕まえた所で一気に火力上げ、蔦を伝って本体の所まで延焼させてやる

所詮植物だし、草は炎に弱いのは定番だろ
遠距離攻撃が駄目とは言われてねぇし
そもそも俺はあんなナマモノに近づきたくない(きぱ)
いや、切なそうな目で見つめるな南瓜の分際で


ニクロム・チタノ
カボチャ、美味しそうだね?
でもオブリビオンじゃ食べられないよね?
まあ、ボクはトカゲのほうが好物だからいいけど
ボクは足が遅いからこの距離はきついかな?
そういう時は、チタノ私に反抗の祝印を
ボクはパラディンの後ろで指揮するからカボチャは先代反抗者とチタノにお願いするよ
先代反抗者のみんな突撃だよ!
チタノは空から蒼焔のブレスを食らわせて、空と陸から二面作戦だ!
カボチャが割れたらみんなで食べよう



 むくむくと膨れ育ったお化けカボチャを見上げ、早乙女・翼(彼岸の柘榴・f15830)は思わず素のテンションでツッコミを入れた。
「ハロウィンには綺麗に半年程ズレてるさよね」
 そもそも旬でもねぇし、と見上げたのは麗らかな春の空。品種が違うにしても、カボチャの季節というには無理がある。
「ったく……どうかしてるぜ」
 ヒーハー! 奇声をあげてしゅるしゅる蔓を伸ばすご機嫌カボチャに、翼は音楽性の合わない人とつるむ時のように苦い表情を浮かべている。
「カボチャ、美味しそうだね?」
 一方のニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は翼と違い、食べごたえたっぷりのカボチャに興味を惹かれた様子。
「でもオブリビオンじゃ食べられないよね?」
 そこのところはどうなのだろう。世の中には食べてるツワモノもいるようなので、時と場合によるとしか言えないのだが。
「まあ、ボクはトカゲのほうが好物だからいいけど」
「トカゲ食うのか」
 爬虫類食は淡白な味と聞くが、味の程は果たして。
「うまく割れたらみんなで食べよう」
 変わらぬ表情のまま半面をつけたニクロムに続き、翼もまた気を取り直すように前髪をかき上げる。
「さて、頼むさよパラディンの皆さん。できれば横並びに立ってくれると有り難いかねぇ」
 焔封じる包帯の結び目を解きながら、中途半端な位置で守りにつく騎士たちへと支援要請を飛ばす。
「これが終わったらカボチャ料理を――あ、これ駄目なフラグさね。忘れてくれ」
 にょきっ。
 何か視界の端に「サラダもいります?」みたいなノリでパイナップルの木が生えた気がしたが、妖精のみせた幻という事にしておこう。

   ◇    ◇    ◇

 大地に展開された無敵の城壁の向こう側、蔓が地を耕しながら次々と襲い来るのが見えた。
「ボクは足が遅いから、この距離はきついかな?」
 小柄な少女の足では、お化けカボチャの下へたどり着くにも時間がかかろう。
 時折不意を打って地面から突き出る蔓は、避けづらく厄介に映る。
 だが、ニクロムには切り札があった。
「チタノ、私に反抗の祝印を」
 胸の刻印に触れると同時、十三番目の加護が姿を現す。
 地面から蘇るように現れたのは守護竜チタノ、そして彼女の先代である反抗者たち。ニクロム自身は魔力操作に専念するかわり、竜と先代の者達は彼女を守り、敵へと立ち向かっていく。
「チタノは空からお願い! 先代反抗者のみんな、突撃だよ!」
 蔓の這う大地に、竜のブレスが道を拓いた。蒼焔が蔓や葉を燃やし尽くした後を、武器を手にした反抗者たちが駆けていく。
「おー、皆さん頑張ること」
「おや、あんたは行かないのかい」
 隊列の後ろで活躍を眺める翼に、パラディンたちは意外な顔で振り返った。
「いや、何さね。一人一人戦い方は違うし、そもそも俺はあんなナマモノに近づきたくない」
 きっぱり言い放つ答えに、くり抜かれた南瓜の目尻がぐにゅん、とさがった。あれは……ナマモノ呼ばわりに明らかにしょんぼりしてる目だ!
「いや、切なそうな目で見つめるな南瓜の分際で。ってかあれどういう仕組み――」
 言い終える前に伸びる蔓の鞭。騎士たちの守りが辛うじて阻んだが、直撃すればどうなっていたか分からない。
「危ねぇ……っと、今さね!」
 蔓が戻るより早く、翼は袖で隠れた手首の傷から炎の鎖を放つ。体内に宿す地獄の炎、燃え盛る炎血が蔓へと飛び火し、炎は根元の本体めがけて駆けのぼっていく。
 お化けカボチャは蔓を地面に打ちつけ消火を急ぐも、火は鎮まらない。迫る炎に気取られているうちにも、眼下には反抗者たちが押し寄せる。
「そのまま、行けーっ!」
 ニクロムの声に背中を押され、先代たちと守護竜は猛攻を仕掛ける。燃え移った炎に炙られ、カボチャは「ヒー……!」と悲鳴をあげて蔓を空中にさまよわせる。

 ところで、水気を含んだ野菜が熱せられるとどうなるだろう。カボチャは通常爆ぜる事はないが、人智を逸した紅蓮の炎では内部圧力も高まりそうなものである。
 くわえて、外から衝撃を与えたとなれば。
「へぶっ」
 四散したカボチャの皮の破片が直撃し、翼のアゴがかくんと上を向いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

大宝寺・朱毘
出番前の役者やアーティストを落ち着かせる言葉として「観客なんてカボチャと思え」というものがあるわけだが、こんなカボチャだったら嫌すぎる……などと思いつつ。

パラディンと共闘せよ、と。
まず普段使う行進曲などを教えてもらう。それをギターで演奏して【サウンド・オブ・パワー】を発動、パラディンらを強化。
頑丈になってるはずだからもう少し行けると【鼓舞】し、可能な限り盾の列を前進させる。近接させるわけにもいかないのであくまで可能な限り。

・攻撃
盾列から出て射程内までダッシュ、【全力魔法】の【衝撃波】を撃つ。
地面から不意打ちされるのは厳しいが、機を合わせて衝撃波を纏った拳で地面をぶん殴って対応してみる。


カー・ウォーターメロン
ニイヅキちゃん(f31104)と

カボチャは南の瓜なんだっけ。
ボクはウォーターメロンなので西の瓜です。
つまり……おともだちだよね! コミュ力1とか気にしない。
パラディンさんの後ろから顔出して、敵意は無いよって手を振るんだよ。
カボチャさーん、こんにちはぁああ危ない! なんで蔓飛ばすの! ボクたちおともだちじゃなかったの?!

んもー。ボク激おこなんだよ!
南瓜より西瓜の方がずーっと強いんだからね!
カボチャさんよりずーっと大きくて強い『スイカ爆弾』を投げちゃうんだよ。
カボチャさんなんか粉砕なんだよ。
今度からは西瓜を崇めさせるんだよ、ね、ニイヅキちゃ……え? あれ食べちゃうの? 本当に?
ええ……?(困惑)


尾花・ニイヅキ
カー(f01967)と

そっか、そういえば西瓜って西だな。
じゃあお友達だな……。食べちゃ駄目か……。
い、いや!落ち込んでなんかないぞ!
とりあえずカーと一緒に敵意はないよポーズをしてみる。平和に済めばいいし――おい、友達に攻撃するとか何を考えている!

南瓜と西瓜はどっちも美味しいよなとか思いつつ、粉砕された箇所に『属性攻撃(炎)』の魔弾で追撃。
そうだな、西瓜を崇めるなら南瓜は食べていいな!
本当は南瓜プリン食べたかったけどここで調理するのは難しそう。バーベキューっぽく焼くだけにしとこう……塩は一応持ってきたし。あ、やっぱりカーも南瓜プリンのが良かったか?
え?僕、何かおかしなこと言ったかな……?



 出番前の役者や、アーティスト。
 兎角人前に立つ彼らには、緊張を和らげる言葉が先人達の知恵として伝わる。
 中にはカボチャに関するものもあったと思い至り、大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)はそびえるお化けカボチャを見上げた。
「観客なんてカボチャと思え……なんて言葉もあるわけだが」
 こんなカボチャだったら嫌すぎるな、という本音は辛うじて飲み込む。
 ここまでの戦いで蔓の勢いこそ衰えてはいるが、でっぷり艶のある本体はいまだ健在。本番でこれを思い浮かべようものなら、世界に名を馳せるロックスターでも飲まれそうだと想像がつく。
「さて……パラディンと共闘せよ、って事だが」
 自分にできる事を少なくとも一つ思いつき、朱毘は騎士たちの方へと向かった。
 カボチャは漢字で南の瓜と書く。同じ瓜を関する果物に西の瓜がある事を、多くの方はご存知だろう。
「つまり……おともだちだよね!」
 カー・ウォーターメロン(マンゴーフレイム・f01967)は嬉しそうに赤い三本の指をにぎっては開き、パラディンたちの後ろで敵意がない事を示す。
 偶然(?)にも、カーの体はまごまごしいスイカの色。同じ瓜仲間なら仲良くなれるはずと、自慢のコミュ力(※なお1)でお化けカボチャへ呼びかける。
「そっか、そういえば西瓜って西だな。お友達なら食べちゃ駄目か……」
 尾花・ニイヅキ(新月の標・f31104)は純粋な彼に聞こえないよう顔を背け、残念そうに呟いた。
 実はここへ来たのも煮物やらプリンを思い浮かべて、腹の虫が鳴りやまなくなったからなどと言えるはずもなく。
「い、いや! 落ち込んでなんかないぞ!」
 すっくと顔をあげ、前方を見据えたニイヅキは、カーと一緒に手を振り始める。
「こうして平和に済めば――ほあああ!」
「カボチャさーん、こんにちはぁああ危ない!」
 言葉の途中でズガーン! と、顔面直撃コースで襲い来る蔓。
 あまりの威力にぶるりと、身震いがふたつ。無敵城塞がなければ割られていた。
「おい、友達に攻撃するとか何を考えている!」
「なんで蔓飛ばすの! ボクたちおともだちじゃなかったの!?」
 ぷんすこ、と地団駄を踏み抗議するカー。けれどカボチャは表情を変えず、意地悪な顔のまま「ヒーハー!」と叫ぶ。
(「多分、あれ何も考えてない顔だな」)
 ギターを担いだ姿勢のまま朱毘はふと思ったが、思うだけに留めておいた。

   ◇    ◇    ◇

 朱毘のストロークが弦を鳴らし、二拍のリズムでマーチが響く。
 パラディンのよく聞く行進曲を聞きだした朱毘は、鼻歌を頼りに楽曲を再現、力いっぱいに奏でてみせた。
「もう少し出れるか? あたしが支えてるから、思ってるよか大丈夫なはずだぜ」
「ああ、確かに……これなら俺たちも戦える!」
 耳心地のいい、聞きなれた曲。
 全身にみなぎるパワーを感じ、騎士たちは盾を構えたまま前進した。
 じりじりと距離を詰める隊列。あくまで無理強いはしたくないと、朱毘は彼らを焚きつけすぎないよう慎重に曲のリズムをコントロールする。
 隊列の後ろ、同じリズムでのっしのっしと足踏みするカーは、先に受けた蔓の鞭で憤懣やる方ない様子。
「んもー。ボク激おこなんだよ!」
 ぷしゅー、めらめらと炎を纏い、彼の頭上にはゆらめく湯気で「沸いた」の文字。
「んっ?? それ、合ってる?」
「まちがえた」
 改めて激おこモードに突入し、カーは右手に何か大きなものを掲げた。
「南瓜より西瓜の方が、ずーっと強いんだからね!」
 取り出したのは特大サイズのスイカ爆弾。よく見るカボチャよりもふた回りは大きいそれを、カーは大きく振りかぶって……投げました!
「カボチャさんなんか粉砕なんだよ!」
 勢いよく弧を描いて飛んだスイカ爆弾は、見事カボチャのどてっぱらに着弾した。
 中に覗いた黄色い果肉は、焼けばホクホクと美味しそうで。
 南瓜も西瓜もどっちも美味しいよな、とニイヅキは隣を見、あわてて視線を戻して禁断の考えを振り払った。

   ◇    ◇    ◇

 朱毘のマーチに支えられ、パラディンたちの隊列は次々と蔓を阻む。
「俺らパラディンの心意気見せてやろうぜ!」
「そうだそうだ、不意打ちがなんだってんだ!」
 エギュレ神の加護を借りた彼らの守りは盤石だ。進んで盾となるパラディンたちに、朱毘は静かに礼を告げる。
「ここまで守ってくれたら十分だ。あとはあたしらが引き受けるぜ」
 意を決して隊列から飛び出、ギターをかき鳴らしながら敵へと突撃する。
 スウィートロッカーの名に恥じず、明るいコードの音の波。次々と放たれる衝撃波は、敵の蔓など寄せ付けはしない。
 地面から伸びる蔓にも、タイミングよく拳を打ち込み、見事相殺。駆けてゆく頼もしい味方の後を、カーとニイヅキもまた追いかける。
「今度からは西瓜を崇めさせるんだよ、ね、ニイヅキちゃん!」
「そうだな、西瓜を崇めるなら南瓜は食べていいな!」
 おっと、うっかり本音がまろび出た。噛み合わない会話に気付いて「そうだよ、そうそう……え?」とカーが隣を見ても、ニイヅキの本音トークは止まらない。
「本当は南瓜プリン食べたかったけどここで調理するのは難しそうだな……バーベキューっぽく焼くだけにしとこう」
 制服の懐から塩の小瓶を取り出したニイヅキに、カーはますます困惑を深める。
「ねえ、あれ食べちゃうの? 本当に?」
「……? あ、やっぱりカーも南瓜プリンの方が良かったか?」
 オブラートにも包まぬ心の声。というか塩、持ち歩いてたのか。
「ええー……?」
「……あれ。僕、何かおかしなこと言ったかな……?」
 気遣いなど吹き飛んでしまったニイヅキ。
 カチコーンと固まるカーの後ろで、朱毘に殴られたカボチャが爆散した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『異端神官ウィルオーグ』

POW   :    第一実験・信仰に反する行動の規制
【論文】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    第二実験・神罰の具現化
【自身や偽神に敵意】を向けた対象に、【天から降る雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    第三実験・反教存在の社会的排除
【名前を奪う呪詛】を籠めた【蝶の形をした黒い精霊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【縁の品や周囲からの記憶など、存在痕跡】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クシナ・イリオムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 アックス&ウィザーズには、知られざる天上界が存在する。
 神々の一柱、知識の神エギュレ。
 崇める者も殆どいない神へ、祈りと信仰を捧げた者達がいた。

 彼らは敢えて清貧な日々に身を置き、世界をさすらうと聞く。
 聖堂も寄進も、名誉や賞賛も得ず、救世のために村々をまわるのだ。

 智慧と慈愛を胸に戦うパラディンたちは、信じ難い目で現れた者を視た。
 なぜならば――そこに立っていたのは彼らの信仰を起こした始祖。
 初代大神官・ウィルオーグだったからである。

   ◇    ◇    ◇

 ……と、話がここまでなら格好はつくのだが。
 実のところ、今回のウィルオーグは嫌気がさしていた。
「ふむ……見事なものよ。あれなる南瓜、もとい偽神を退けるとは」
 やつれた顔のウィルオーグのはるか後方、巻き込まれない位置では、
 村人たちが立て看板を掲げて応援している。
 えーとなになに、「カボチャ最高!」「おらが村のカボチャは世界一」……?

 猟兵も、騎士たちも。
 村人とウィルオーグのテンションの落差に、誰もが起きた出来事を悟る。
 洗脳、失敗してやがる――!

「……ああ、そうとも。人の想いや信仰の力は強い」
 格好いい決め台詞も、押し負けた後では意味合いが変わる。
 若干声に震えと恥ずかしさが滲む神官の姿に、
 始祖様何やってんすか……とパラディンのテンションはだだ下がりだ。
 キミ達のうち勘のいい者は、無敵城塞の力が若干弱まるのを感じるだろう。
 ――具体的には、五回に一回突き抜ける程に。

 ある者は笑いを噛み殺し、ある者は思わず涙した。
 十人十色のリアクションに気付かないフリをし、神官は異端の魔術を強行する。

「左様、強い。だからこそ利用価値がある……違うかね?」
 延べ二十回近くは出張った末に貧乏くじを引き
 涙目のウィルオーグに、哀れみの視線が降り注ぐ。

 今回はそろそろ、休ませてあげませんか――?
ニクロム・チタノ
うん、強い思いを利用しようとするからだよ?
疲れてるようだけど退く気はないんだね?
流石は猟書家、少し感心したよ!
ならボクも隠れてないで正面から挑むよ、策は用いるけどね!
か弱い女の子なんだから仕方ないよね?
相手が行動を起こす前に金剛輪転ゴルディウスを槍変えてぶん投げる
避けて体勢が崩れた所を重力領域で追い討ち
ああ、やっぱりあそこまで走るのはムリ
長年の引きこもり生活で体力が・・・
ボクはトカゲ食べて体力を回復してるからみんな後お願い


大宝寺・朱毘
「ご自慢の偽神も、その人ら本来の心を塗り替えるほどじゃねーってこった」

第三実験……周囲と縁を断ち、生きながら存在しないも同然にするか。陰険な。
【ザ・ライブ】で強化された魔力をこめた演奏を、【全力魔法】【演奏技術】を利して行う。常識の埒外まで高めた【存在感】で『存在痕跡が脅かされる端から新たに存在痕跡を刻む』という算段の、まあ力技。
「誰にも知られてねー中でライブするなんざ、デビューからこっち億万回こなしてらぁ」
回数盛り盛りで啖呵。さらに演奏を続けつつ駆け寄り、ケンカキックでダメージを与える。存在感の濃さが肝要、見た目にわかりやすい攻撃が吉。
「名前を覚えろとは言わねぇ。ただ、あたしのロックを聴け」



 想いや信仰の力は強い。そう告げた猟書家に、ニクロム・チタノはあっさりとした言葉を返す。
「うん、強い思いを利用しようとするからだよ?」
 いかに強力な魔術であろうと、人の精神に強く働きかける必要があるほど難度や失敗のリスクは高まる。
 恐らく元々は、別のオブリビオンを据えようとしたのだろう。偽神の座をあっさり南瓜に挿げ替えられ、老人は悲しげに首を振る。
「ご自慢の偽神も、その人ら本来の心を塗り替えるほどじゃねーってこった」
 相手の失策に対し、大宝寺・朱毘は笑いもせず淡々とした評を突きつける。
「ふん……残念ながらそのようだ。だが、策が尽きた訳でもない」
 こちらを毅然と見据えて魔術を唱えるウィルオーグに、ニクロムは意外そうな顔をした。
「疲れてるようだけど退く気はないんだね? 流石は猟書家、少し感心したよ!」
 好敵手の出現を喜ぶかのように、半分の仮面が再び少女の顔を覆う。
「ならボクも隠れてないで正面から挑むよ、策は用いるけどね!」
 か弱い女の子なんだから仕方ないよね、と。言い訳を終える前に、ニクロムの手には黄金の鋳塊が握られていた。
 金剛輪転ゴルディウス。魔界の金塊から鋳出された球は、あたかも液体であるかのように手の中で形を変える。
「いっけー!」
 敵の魔術が形を得るのを見、ニクロムは攻撃を受ける前にと金塊を投げる。放物線を描いて敵へ向かうゴルディウスは、重力加速を経て槍の形へと変形した。
「ふむ……一手出遅れたか。だが」
 攻撃を喰らうのと引き換えに、ウィルオーグは呪詛に満ちた論文を放つ。
「汝、信仰に生きる者なれば。是より向こう、武器用いる事能わず」
 槍がウィルオーグを貫くのと同時、ニクロムの額に貼りついた紙は効力を発揮し、彼女の行動に枷を課した。
「ああ、やっぱりあそこまで走るのはムリ……それに長年の引きこもり生活で体力が……」
 へばって地面に倒れるニクロムに代わり、朱毘が「あとは任せな」と地を蹴った。
 迫りくる朱毘を迎え撃つべく、蝶の形をした黒い精霊が老魔術師の指先を離れた。予知によれば、彼の邪精には万物より名を奪い、縁を断つ呪詛の力があるという。
「生きながら存在しないも同然にするか……陰険な」
 朱毘は警戒を強めたが、それで歩みを止める彼女ではない。
 邪精が身体に触れると同時、朱毘は力に対抗するようにギターを掲げた。あたりの倒木を木材へと組み替え、即席ライブ会場が姿を現す。
 演奏技巧を駆使し、全力の魔法を乗せたギターの調べをあたり一帯に轟かす。蝶の呪詛が存在痕跡を奪うそばから、新たに存在感を作り出す力技。スウィートロッカーここに在りと、常識の埒外まで高めたアピール力で自身の名と姿を刻み付ける。
「誰にも知られてねー中でライブするなんざ、デビューからこっち億万回こなしてらぁ」
 嘘ハッタリもバレなきゃ問題なしと、回数を盛って啖呵を切る。
「ふん、小娘がやりおるわ。だが、果たしてどこまで持つかな?」
 ギターを取りこぼさせればこちらの勝ち――ほくそ笑み、魔力を強めるウィルオーグ。その手に不意に、重力が襲い掛かる。
「武器じゃなければいいんだよね? ボクはトカゲ食べて休んでるから、後はお願い」
 ニクロムの守護竜は重力をも司る。単体では危害は及ばぬものの、今この機に至っては極めて即効性のある妨害の手だ。
「おのれ……!」
 再度魔術を唱えるも、ウィルオーグの眼前には既に朱毘が駆け迫っていた。
「名前を覚えろとは言わねぇ。ただ、あたしのロックを聴け」
 顔面を踏みつける、ブーツの靴裏。そのまま舞台の上、ヒールを鳴らし着地する朱毘の姿に、いつの間にか見ていた村人たちが沸いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

尾花・ニイヅキ
カー(f01967)と

南瓜プリンを食べられなかった僕の怒りが理解できるか?知らんって?
理 解 す る ん だ よ。(南瓜の欠片を握りつぶす)

励ますなんてカーは優しいな……ってカーの光り方、あれだ。ゲーミングってやつだ……!
ウィルオーグが正気に戻って攻撃してきたら【異能画像】でお返しだ。
お前も自分が何か分からなくなると良い。
「疲れてるんだろう?今日は早く還って良く休んで。次は美味しい南瓜プリンを作ってくれ!」
流されてくれなかったら怒りの『属性攻撃(雷)』の『槍投げ』だ!
食べ物の恨みは恐ろしいんだぞ……!

大丈夫、その輝きは直に脳に焼き付きそう。
ちょっとビデオ撮って色々な人に見せて回りたいかも……。


カー・ウォーターメロン
ニイヅキちゃん(f31104)と
。oO(ひぇ…… ニイヅキちゃんの握力怖……)

倒さなきゃいけないのはわかってるんだけど、おじいちゃんかわいそう……
お年寄りは大切にしなきゃいけないんだよ。
んっと、えっと……よーし、れっつぱーりぃ☆なんだよー!
全身を虹色に光らせて『まごまご☆パーティー』の始まりだよ!(首をぐりんぐりん)
ニイヅキちゃんがユベコでおじいちゃんの名前を奪ったら【元気】に説得するね。
「おじいちゃん、ほら、元気だして! 今日はもう骸の海に還ろ?!」

ボク呪詛には耐性ないから存在痕跡消されちゃうかな?
この【存在感】を無視出来るならそれはそれで見てみたいような……(ぴかぴか)



 顔面を蹴られ、地に転がる老魔術師。息つく暇すら与えず、彼のもとに次なる刺客が迫る。
「おい。南瓜プリンを食べられなかった僕の怒りが理解できるか?」
 砂利を踏みしめ彼の元へたどり着いた尾花・ニイヅキは、あーら、とってもイイ笑顔。わなわな震える手に「食えるか!!」ってレベルで焼け焦げたカボチャの欠片を握りしめ、たいそうご立腹の様子だ。
「知らんって? 理解、するん、だよ」
 一拍一拍、圧を加えるように言葉を発し、ぐわしっと握った手の中でカボチャが爆発四散。人と握手する時はセーフティがかかっているのだろうが、本来ドールとかロボの握力は半端ないのである。たぶん。
(「ひえ……ニイヅキちゃんの握力怖……」)
 なぜかシュッと内また気味になったカー・ウォーターメロンの表情は、マンゴー通ならわかるであろう『ぴえん』の顔。
「倒さなきゃいけないのはわかってるんだけど、おじいちゃんかわいそう……」
 お年寄りは大切にしなきゃいけないんだよ、と無垢な心で訴えかける。
「何とか励ませないかなぁ……えっと」
「励ますなんて……カーは優しいな」
 ふと優しい目でニイヅキは友を――見ようとして、ぶいん、と鳴り響く謎の起動音に眉をひそめた。
「よーし、こういう時はれっつぱーりぃ☆ なんだよー!」
 隣には。ぐりんぐりんと歌舞伎役者のように首を回し、虹色サイケデリックにめまぐるしく輝く謎のシャーマンズゴーストが爆誕していた。

 説明しよう!
 まごまご☆パーティーとは、神々しく虹色に光り輝くことで見る者の心を震わせ、ずっと見入ってしまうような中毒性のある名状しがたい感情を与えるユーベルコードである!

 どういう事だってばよ。

 虹色マンゴーの輝きは老眼にはキツかったのか、ウィルオーグは両目を塞ぎながら悶え苦しんでいる。
「カーの光り方、あれだ。ゲーミングってやつだ……!」
 知っているのかニイヅキ――と思ったかは定かではないが、老魔術師が驚いた目でニイヅキの方を見た。
「面妖な魔術を……だが、これならどうかね」
 いかに目立っても名を奪えば在らぬも同然と、ウィルオーグは二人へ向け蝶の精霊を解き放つ。
「次は僕の番だ」
 向かってくる蝶をオーラの護りで弾き、飛び去る姿をモバイルデバイスで『●REC』、カメラに収めてみせる。
「よし、仕掛けはわかった。そっくりそのままお返しだ……!」
 蝶の精霊をそのまま借用しようとして――ニイヅキはあれ、と声をあげた。
 画面から出てきたのは蝶の精霊。
 だが、何かがおかしい。
 邪精霊との相性か、はたまた隣にいたピカピカマンゴーの余波を受けバグったのか、出てきた蝶はなんとも名状しがたいうねりを纏っていた。
 たとえて言うなら中毒性のある動画、AとかCの部とか胃が脳に直結したような得体のしれないアニメーション的な動きでウィルオーグに迫っているではないか!
「ひぇっ……何かよく分からないが……お、お前も自分が何か分からなくなると良い!」
 自分が呼び出したものに若干引きつつ、ニイヅキはとりあえず考えていた決め台詞を叫んでみる。
 大きくなったり小さくなったり質量を無視した変化で飛び回る蝶は、恐れおののく魔術師の口に飛び込んだ!
 魔術の蝶とはいえ虫を食べてしまい、絶句するウィルオーグ。何か魂のようなものが抜けていくのが、カーには見えた気がした。
「おじいちゃん、ほら、元気だして! 今日はもう骸の海に還ろ!?」
 孫のように優しいカーの呼びかけに、老魔術師は視点の定まらない目でこちらを見た。
「おお……もうそんな時間じゃったか。儂ゃ、まだ昼飯も食ってないでなぁ」
 敵がショックでボケかけてるのをチャンスと見て、ニイヅキもまた畳みかけるように言葉をかける。
「疲れてるんだろう? 今日は早く還って良く休んで。次は美味しい南瓜プリンを作ってくれ!」
「そうさのぉ、南瓜ぷでぃん……南瓜……お前ら何さらすんじゃああ!!」
 カボチャの一言で正気に戻るあたり、彼の中ではもう地雷ワードになってるのだろう。流されてくれなかったウィルオーグにちっ、と舌打ちをこぼし、ニイヅキは雷を纏う槍を放り投げる。
「流石にこれだけじゃダメか。でもな、食べ物の恨みは恐ろしいんだぞ……!」
 バチン、と雷槍に射抜かれ、魔術師は呻き声をあげながら倒れ伏す。
「さっきの蝶、ボクだと呪いに耐えきれなくて消されちゃってたかな……?」
 なんて言いながらぴかぴか光るカーは、黒いペンキを頭から被っても光が漏れ出ていそうで。
「カーならきっと大丈夫……っていうか、その輝きは直に脳に焼き付きそう」
 間近で見て若干めまいを覚えつつ、ニイヅキは「後で皆に見せよう」とデバイスを再び手に取るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

城野・いばら
…何だかしょんぼりさん?
ぁ、立派なカボチャさん壊しちゃったもの
悲しいよね
ぬい南瓜さん見たら元気出るかしら
ぇ、違うの?
如何したのか…パラディンさん達はご存知?
難しいお話は苦手だけど
そう…失敗で落ち込んでるのね
いばらが出来るのは、在るべき所へ帰してあげる事
パラディンさん達は、どうしたい?

いばら、が奪われたらきっと大変
呪詛耐性があるから暫くは抵抗出来るかしら
日傘広げて、動きを幅広くして
なるだけ蝶さんを避けて近付きたい
上手く出来そうなら、視線をお誘いして陽動してみて
挿し木で捕まえたら
生命力吸収や捕縛で戦う皆の力になれれば

でもね、パラディンさんも手伝ってもらえるなら嬉しいわ
皆の盾は、とっても頼もしいもの



 時に災難に見舞われながらも、戦い続けるウィルオーグ。
 彼の戦う様子をしばらく見た後、城野・いばらは首を傾げた。
「……何だかしょんぼりさん?」
 多くを知らぬ白薔薇に仔細な事情は分からねど、無垢な瞳には彼がどことなく元気がないように映っていた。
「ぁ、立派なカボチャさん壊しちゃったもの。悲しいよね」
 ぬい南瓜さん見たら元気出るかしら、と先ほどのぬいぐるみを掲げても、老魔術師は「ふん」と鼻を鳴らして一瞥くれただけ。
「ぇ、違うの?」
 カボチャがなくなった所為でないなら、一体何があったのか。老魔術師の様子が気にかかるものの、考えてみても理由は思い至らず。
「如何したのかしら……ねえ、盾のアリス達はご存知?」
 先ほど助け合ったパラディンたちへ、いばらは疑問をぶつけてみる事にした。

   ◇    ◇    ◇

「そう……失敗で落ち込んでるのね」
「いやまあ、そう単純な話でもないんだが」
 改めて名乗り終えた騎士たちが補足をするも、難しい話はわからないのよ、といばらは首を振る。
 彼らの仕えるエギュレ神の事、創始者が目の前にいる事。複雑な関係は紐解けず、茨のように絡み合うばかりだけれど。
「いばらが出来るのは、在るべき所へ帰してあげる事。パラディンさん達は、どうしたい?」
 たったひとつ、してあげられる事を思い立ち、いばらは騎士たちへ問いかける。
「……出来りゃあ、そうしてやって欲しいさ。始祖様がこんな悪事を働いてたんじゃあ、信じて散った先達にも顔向けできやしねぇ」
 その答えは、いばらにも伝わった。大きく頷き、少女は老魔術師へと向き直る。
 身を起こしたウィルオーグが手に掲げるのは、黒い蝶。呪詛の秘められた魔術の蝶は、触れた者の持つ『名』を奪うと聞く。
(「いばら、が奪われたらきっと大変」)
 多少耐える算段はあるとしても、自身の証たる名を取られるわけにはいかない。ぐ、と拳を握り、いばらは大きく日傘を開いた。
「おひさま浴びれば、元気いっぱい。いばらは何処までも動けるのよ?」
 口元にはお出かけ前の、陽気な笑み。風に舞う淑女のように、いばらは空へと舞い上がった。
 襲い来る蝶をひらりと躱し、吹き寄せる風にふわり舞う。日傘にまばゆい陽光を照らし、白薔薇は空に咲き誇る。
 鮮やかな空中散歩で目を惹くいばらに、蝶の群れが差し向けられる――が。
「嬢ちゃん、危ねぇ!」
 言葉に勇気付けられた騎士達が駆けつけ、彼女の窮地を救ってみせた。
「ありがとう! 皆の盾、とっても頼もしいわ」
 振り返り手を振ったいばらは、そのまま利き手に挿し木を握り、魔術師の体へえいと突き立てた。
 魔力を吸い、大輪の薔薇が咲き誇る。茨に巻かれ、身動きの敵わぬ老魔術師を見て、いばらは静かに後を託すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミリアリア・アーデルハイム
「小父様がパンプキング様の大神官様ですね」
お皿とフォークをさっと懐から出し、コゲたパンプキングの欠片を乗せて
「ああ、御身の何と尊きことでしょうか!
さあ、大神官様からどうぞ?聖体拝領のお時間です」

「箒」で空中機動、フェイントをかけつつ先制攻撃狙い
ウィルオーグの口にフォークで刺したカボチャをずばばっと突っ込む
「始祖様のぉっ、チョットいいトコ見てみたいっ!そーれ、一気っ、一気っ!!」
と、パラディン達と観衆を盛り上げます

振り払われれば残像を引きつつ岩に激突
お祭りで人死にが出るってこういうこと…と流血しながら悟ったように微笑み

UC発動 カボチャ突っ込み攻撃W 神罰乗せで
口が塞がれば詠唱できませんよね!


早乙女・翼
まぁこーなるのは仕方ねえさよね
カボチャ、旨いし
後で自慢のカボチャ料理食わせてくれるー?(村人に手を振って叫び)
パラディンの兄さん達の分も頼むさよ

にしてもテンション下がる気持ちは解る
一応俺も聖職者の端くれなもので
教祖が変なことし出してもそれに立ち向かえる君達すげぇさよ
ああ、あのじーさんに暴言吐くけど怒らないでくれな?

さて其処のモーロクジジイ
あんたが信仰してた神様もハンケチ握り締めて泣いてるさね
飛ばしてくる論文はサーベルで勢い良くぶった斬りながら一気に距離詰めて
魔剣喚び出し、断罪の一撃を
宗派は違うが、エギュレ神に代わってお仕置きしてやんよ

パラディンの皆さんに介護させんのも程々にな、クソジジイ



 踏んだり蹴ったり雷に撃たれ、茨に囚われては目論見の欠片さえも叶わない。
 厄日を迎え、あられもない姿で転がる老魔術師に同情混じりの視線が突き刺さる。
「まぁ、こーなるのは仕方ねえさよね」
 カボチャ、旨いし、と語る早乙女・翼は、さっき食べられなかった事が未だ名残惜しい様子だ。
「後で自慢のカボチャ料理食わせてくれるー? パラディンの兄さん達の分も頼むさよ」
 村人たちに向け大きく手を振れば、威勢よく返る気のいい返事。
「ヒーハー!」
「ちょっと待ってなんか伝染ってる」
 翼の目が一瞬たじろいだのを無視する流れで、隣に立っていたミリアリア・アーデルハイムが棕櫚の箒を突きつける。
「小父様がパンプキング様の大神官様ですね」
「ぱんぷきんぐ」
 名前ついてたーー!? 思わずオウム返しをするウィルオーグを置いてけぼりにし、ミリアリアは実にスムーズな流れでお皿とフォークを取り出した。
 皿に乗せたのは、爆発で焦げたパンプキング(仮称)の欠片。どう見ても食う所の残ってないそれを、ミリアリアはうっとり酔いしれる目で見つめ、こう宣った。
「ああ、御身の何と尊きことでしょうか! さあさ、大神官様からどうぞ?」
 聖体拝領のお時間です、とたった今命名したカボチャを差し出すこの娘、恐らく分かっててボケた演技する『できる子』である。
「ええい、たわけがっ! 煮てもない南瓜なぞ老人に食えると思うてか……!」
 さもありなん……と同意する翼をよそに、いつの間にかミリアリアはるんるん箒で飛び立っていた。割と鬼だこの子。

   ◇    ◇    ◇

 押し寄せる論文の波を魔力ではたき、ミリアリアは何とか接近を試みる。箒は意志持つように攻撃を避け、少女を振り落とさないギリギリの動きで旋回を続けた。
 やがてじりじりと狭まった距離に、ミリアリアはしたり顔でフォークを構える。
「そーれ、突撃ぃー!」
「むがっぐっぐ!!」
 隙を突いて勢いよく口に放り込まれる、カボチャの欠片(大)。ちょっと待って、それ誤嚥起こしたら洒落にならないヤツ……!
「始祖様のぉっ、チョットいいトコ見てみたいっ! あそーれ、一気っ、一気っ!!」
 観衆に向けコールを煽るミリアリアだが、注意を疎かにしたのが命取り。
「ふぉふぉすふぃふぁーーっ!!(訳:殺す気か)」
 ぺーん、と頬に論文がクリーンヒット。吹っ飛ぶ軌跡に涙の残像を残し、家出少女は綺麗に水平方向へと吹っ飛んだ。
 大岩に頭をぶつけた少女は穏やかな微笑を浮かべ、悟りを得たように呟く。
「ああ、お祭りで人死にが出るってこういうこと……」
 頭から血を流し、息を引き取るようにかくんと項垂れた少女に、見ていたパラディンが思わず祈りを捧げた。
 何かこう、要らぬ所に必死な攻防を見届けてしまい。困惑が顔に出るのを何とか抑え、翼はあらためて騎士達へとフォローを入れる。
「……まあ、テンション下がる気持ちは解るさよ」
 一応聖職者の端くれだと打ち明ければ、騎士たちは若干意外そうな顔をした。こんなでも仕える神はいるさね、と肩をすくめ、翼は彼らの健闘を静かに称えた。
「教祖が変なことし出しても、それに立ち向かえる君達すげぇさよ」
「そいつはどーも。ま、乗り掛かった舟だ。できる事はするさ」
 パラディンたちもこんな形で天啓を得るとは不本意だったのだろう。止めに来た以上は最後まで戦うと、彼らは翼に誓ってくれた。
「ああ、あのじーさんに暴言吐くけど怒らないでくれる?」
「あたぼうよ」
 思い切りお灸据えちまってくれ、との言質を得て、翼はビッと親指を立てた。

 何とかカボチャを咀嚼し終えた老魔術師に、あらためて翼が立ち向かう。
「さて、其処のモーロクジジイ。こんな様子じゃ、あんたが信仰してた神様もハンケチ握り締めて泣いてるさね」
「ふ……だからどうだと言うのだ」
 飛んでくる論文をサーベルで斬り飛ばし、翼は勢いよく地を蹴った。
 敵の元へと一直線、剣届かせるにはあと数歩で足りる。握っていたサーベルを鞘に納め、かわりにと導きの魔剣を手中に喚ぶ。
「傲り高ぶる愚かな者に、主の怒りが降り注がんことを――宗派は違うが、エギュレ神に代わってお仕置きしてやんよ」
 振り下ろす剣の重みに従い、気高き神雷が撃ち下ろされる。破魔と断罪の力宿す神の雷は、駆け巡るように何度もウィルオーグの身を穿った。
 苦しさに喉を掻き、大口を開ける老魔術師。そこへ追い打ちをかけんとひた走る、何者かの姿が見えた。
 彼らは倒れているミリアリアの傍に召喚されたようで、何か着慣れぬ服を着て無理をしているような印象を与えた。
 ――そう、これはミリアリアすらもあずかり知らぬ事だが。
 術者気絶により発動した魔術は、ミリアリアに縁深き者を呼んだ。突如現れたヴィランとヒーローの男女コンビは何か鬼気迫る表情で……ああっと、お皿に残ってたカボチャをフォークで突き刺して……!?
「おい……待て、何をする気だ……やめ――!」
 恐れおののくウィルオーグの口に、まさかのカボチャ突っ込み攻撃ダブル! 娘の窮地にちょっと怒ってたのか、しれっと神罰も混ざっていた。
「えへへ、口がふさがれば詠唱できませんよね……」
 夢見るように呟くミリアリアは、戦いの終わりを見届ける事は終ぞなく。
「幕引きがこれとか泣けてくるさね……まあ、これに懲りたら迷惑かけんのも程々にな」
 あばよ、クソジジイ……と翼たちの見上げる青空には。

 カボチャの被り物を被せられ、とってもイイ笑顔なウィルオーグの幻影が浮かんでいたとか、いなかったとか(なお本体は地表で音立てて消滅中であった)。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月18日


挿絵イラスト