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白山に眠る火の宝貝

#封神武侠界 #宝貝

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#宝貝


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●仙界の白山
 仙界にある麓まで白く雪の積もった山。普段なら静寂に包まれたその場所は、闖入者により喧騒に満ちていた。
「貴様! この場所が儂の治める白山と知っての狼藉か!」
 地面に垂れるほどの白く長い髭を持つ老人が、険しい顔で闖入者達に怒鳴りつける。
「ククク……知っているとも白山翁。私が求めているのは貴方に封じられた宝貝ですからねぇ」
 この山の主である白山翁と対峙するのは、一見武とは無縁そうな細身の男。だがその身からはこびりついた血臭がするようで、白山翁は凄腕の凶手であると察していた。
「くっ……賊め! ならば儂が退治してくれよう!」
 油断なく白山翁は仙杖を構える。対して男は腕をだらりと垂れ下げたまま動かない。
「私の目的は宝貝のみ。大人しく差し出せば痛い目を見ずに済みますよ?」
「笑止! 人に扱えぬ危険な宝貝を封印するのが儂の使命ぞ! 知っておるのか? ここに眠る宝貝がかつて幾つもの町を火の海に沈めたことを!」
 忠告する男に一喝し、白山翁は過去の出来事を昨日の事のように思い出す。それは紅蓮の炎に包まれた地獄の情景だった。
「紅火刀――私が扱うに相応しい宝貝です」
 ニタリと口の端をつり上げ、初めて男が感情を見せた。それは人を殺すことに躊躇しない凶人の笑みだった。
「許さん!!」
 ふわりと綿毛のように白山翁が老人とは思えぬ動きで飛び掛かり、杖の先端を男の胸に突き入れる。しかし男もまた見た目通りではない。一歩動いて身を反らすだけでその電光石火の突きを躱してしまう。
「忠告はしましたよ。ここからは実力行使です。私の刀刃拳を披露しましょう」
 男の両手にはいつの間にか何本もの刃が握られ、すれ違いながら一閃すると白山翁の体が鮮血に染まる。その両手両足にはそれぞれ刃が突き立てられていた。
「これほどの武を持ちながら、邪悪に囚われるか……!」
 何とか致命傷は避けながらも、片膝をついた白山翁は敵わぬことを悟っていた。
「武とは元より他者を倒し、命を奪うものでしょう。さて、ではいただくとしましょう」
「ふんっ! 勝手に家探しでもすればよいじゃろう!」
 杖にもたれかかる白山翁に近づくと、男は足を払って白山翁を転がし、その手から杖を奪い獲った。
「何をする!」
「大切なものはどこに隠します? 私なら肌身離さず持っていますよ」
 必死に杖を取り返そうとする白山翁を蹴り飛ばし、杖に刃を走らせる。すると木の杖は砕け、紅の光が溢れると封じられていた幅広の両刃の剣が出現していた。
「クククク……正解でしたね」
 男が紅火刀に触れようとすると、炎が噴き出し辺りのもの全てを燃やそうとする。
「ふむ、躾に少し時間がかかりそうですね」
 手を引いた男が指を鳴らす。するとすうっと潜んでいた漆黒の瘴気を纏う堕した仙人達が姿をみせた。
「これを私の棲み処まで運んでおいてください。そこでしっかりと躾けるとしましょう」
 男の命を受け、邪悪な仙人達は術を用いて触れずに剣を浮かべ、ふわりと飛んで持ち去ってしまう。
「貴様等それでも仙人の端くれか!」
 白山翁が力を振り絞って阻止しようとするが、男がその前に立ち塞がる。
「残念ですが貴方にはここで死んでもらいましょう。後々の禍根になりそうですからねぇ」
 残念と言いながらも、口元に笑みを浮かべた男は凶刃を構えた――。

●グリモアベース
「新しい世界、封神武侠界で事件が起きたよ!」
 急ぎやってきたラフィロワ・ベルシルト(幸せ運ぶ星のうた・f04751)が新しい世界での事件を伝える。
「オブリビオンに封印されていた宝貝(パオペエ)が奪われちゃったんだ! その宝貝は火を出す能力を持っているんだけど、誰にも扱えないほど強い力があって封印されてたんだ」
 紅火刀(コウカトウ)という名の宝貝で、封印される前は暴走した結果幾つもの町を焼き払ったのだという。宝貝の力が強すぎて破壊できずに、封印という処置をされていた。
「そんな危険な宝貝がオブリビオンの手に渡ったら何が起きるかわからないよ! だから取り返してまた封印してほしいんだ!」
 破壊に特化した宝貝だ。オブリビオンが使えばその結果は自明だろう。
「まずは仙人の白山翁さんを助けてあげて! 元凶のオブリビオンをやっつけておけば最悪の事態は防げると思うよ。それに白山翁さんが住んでる山だから、宝貝を運んでる手下のオブリビオンを追いかけるいい方法を知ってるかも!」
 仙人を殺そうとしているオブリビオンを倒せば宝貝の悪用を一先ずは防げる。その後に配下のオブリビオン達を追う作戦となる。仙人を助けることができれば追跡も楽になるだろう。

「宝貝ってすっごい力があるんだね。だけどそれを悪いことに使われちゃったらとんでもない被害が出ちゃうよ!」
 火の海に沈む町を想像したラフィロワは顔を青くして、急いで世界を繋げる光の道を作り出した。
「もし追跡中に被害が出てたら助けてあげて、そして悪い人から宝貝を取り戻してしっかりと封印しちゃってね!」


天木一
 こんにちは天木一です。
 新たな世界、封神武侠界で奪われた宝貝を取り戻すことになります。
 被害が広がる前に探し出し、封印しなくてはなりません。

 宝貝は紅火刀(コウカトウ)という紅の両刃の剣で、大量の火を生み出す能力を持っています。

 第一章は仙人の白山翁(はくさんろう)を助け、オブリビオンのボスと戦うことになります。
 オブリビオンは刃物と拳法を組み合わせた刀刃拳伝承者で、凄腕の暗殺者です。

 第二章では、仙人を助けることができていれば、仙人の力を借りて追う事ができます。
 追っていると、宝貝の影響で山の麓にある森や村々が燃え始めています。火を消したり人や動物を助けながら敵を追い駆けることとなります。

 第三章では宝貝を運ぶオブリビオンの邪悪な仙人達に追いつき交戦することとなります。倒せば宝貝を奪還できます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 強力な火の宝貝が暴走して被害が拡大する前に、オブリビオンの手から奪い返しましょう!
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第1章 ボス戦 『『暗刃』禍凶』

POW   :    刀刃拳伝承者
【敵の攻撃を切り裂き反撃する拳法、刀刃拳】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【狙いを察し、思考パターン】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    飛燕刃・不視
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【透明な柳葉飛刀と景色に溶け込む柳葉飛刀】で包囲攻撃する。
WIZ   :    滑灯籠・幻刃
【足の刃で滑り加速し敵の視界から外れる事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【音で惑わし視覚外から刃】で攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ハロ・シエラ
炎の剣ですか。
似たような物を持っていますし、悪用されれば甚大な被害が出る事は分かります。
敵も刃物の使い手、数ではこちらが劣りますが、やれるだけやってみましょう。

さて、敵の飛刀が見えないのでは仕方ありません。
ユーベルコードと【第六感】に頼って感知しレイピアによる【武器受け】や手袋のバリアによる【盾受け】で対処します。
刀が多いので【早業】勝負になりますね。
少なくとも致命傷は避け【激痛耐性】で動けるくらいでいたいですね。
攻撃を受け切ったら間髪入れずに【物を隠す】技で隠しておいたサーペントベインを【投擲】して攻撃しましょう。
敵に私がレイピアで戦うと思わせられたなら【騙し討ち】にもなるでしょう。


秦・美芳
あいやー…やっぱりおぶりびおんは迷惑ね
違う流派でも悪いことしたらお仕置きね!

仙人様、降魔拳伝承者のめいふぁんが助太刀するよ!(拱手しつつ)

伝承者同士が出会ったなら拳と拳で勝負……拳が刃物ってどーゆーこと!?
うう、悔しいけど今のめいふぁんの拳だと裂かれちゃう
ここは雷公鞭で迎え撃つよ

降魔拳の構えから
相手の動きに合わせて素早く雷公鞭!
「どんなに速くても雷(いかずち)の速さには勝てないよ!」
ダメージと共に動きを止められたらそれでじゅーぶん!
「はいやー!!」
素早く踏み込んでからの回し蹴りでぶっ飛ばす
「やっぱり最後は拳と拳の勝負じゃないと!」
蹴りなのは秘密にしておいてほしいよ、うん

※アドリブ連携OK



●暗殺術
「あいやー……やっぱりおぶりびおんは迷惑ね。違う流派でも悪いことしたらお仕置きね!」
 秦・美芳(萌葱色の降魔拳伝承者・f32771)は事件の現場に足を踏み入れ、急ぎ助けようと周りを見渡した。
「炎の剣ですか。似たような物を持っていますし、悪用されれば甚大な被害が出る事は分かります」
 隣ではハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が自分が腰に下げるレイピア【リトルフォックス】を見下ろし、その火力は扱い方を間違えただけでも大きな被害を生み出す災いになってしまうことをよく知っていた。
「敵も刃物の使い手、数ではこちらが劣りますが、やれるだけやってみましょう」
 幸いなことに敵の手に宝貝はない。今ならばまだ倒すのは難しくないはずだとハロはレイピアを抜いて敵の前に出る。
「そこまでです! それ以上狼藉を働くというのなら私がお相手いたします!」
「おや? 用心棒でも雇いましたか、それとも通しすがりのお人好しでしょうか」
 白山翁に止めを刺そうとしていた男が振り返り、ハロと美芳の放つ闘気に尋常ならざる使い手だと判断して白山翁から身を離し油断なく向かい合う。
「仙人様、降魔拳伝承者のめいふぁんが助太刀するよ!」
 美芳が白山翁に向けて拱手をして挨拶し、名乗りを上げて降魔拳の構えを取った。
「気をつけなさい! この賊は名のある凶手に違いない!」
 傷を負い膝をついた白山翁が警告の声を発した。
「ふふ、『暗刃』禍凶……そう呼ばれることもありましたねぇ」
「やはり二つ名持ちじゃったか! 名乗ったということは、この場にいる儂らを皆殺しにするつもりじゃな!!」
 堂々と名乗った禍凶に、白山翁は暗殺者が名乗りを上げた意味を読み取った。

「お嬢さんたち。ここで私と出会ったのが不運でしたねぇ」
 禍凶の両手には何本もの柳葉飛刀が握られている。その両腕を鳥が翼を広げるように振るった。持っていた飛刀は左右へと誰もいないところへ飛んでいく。
 飛刀はそのうち景色に溶け込んで消えてしまった。しかしそれは自ら意思を持つ鳥のように飛翔し、弧を描いてハロに向かって軌道を変えていた。
「どちらが不運なのかはこれから分かることです」
 前に出たハロはぞくっと背筋が冷たくなるような殺気を感じる。
「さて、敵の飛刀が見えないのでは仕方ありません」
 見えぬなら感じればいいと、ユーベルコード『ナイト・クローラー』を発動し、ウミヘビの一種が持つ視覚に頼らぬ環境知覚を使い、第六感も働かせて見えぬ刃を感じ取り、レイピアを振るって纏めて弾き飛ばした。からんからんと迷彩が施された刃が転がる。
「ほう、私の飛燕刃を初見で防ぐとは! 驚きましたねぇ」
 禍凶はお見事と拍手をして褒めたたえる。だがそれはハロの集中を乱す為の策。言葉と拍手によって意識を不可視の刃から逸らそうしていた。
「………そこです!」
 しかし意識を飛刀の方へと集中させていたハロは敵の言動に惑わされず、手袋【アンバークラッド】のバリアを展開して時間差で飛んで来た透明の不可視の刃を防いだ。

「見えない刃なんて卑怯な!」
 美芳の方はというと、身軽に動き回って残りの飛刀を何とか躱していた。
「伝承者同士が出会ったなら拳と拳で勝負……拳が刃物ってどーゆーこと!?」
 美芳が堂々と勝負しようと正面に立つと、禍凶は飛燕刃を握って拳法の構えを取っていた。
「刃物と拳法の組み合わせこそ刀刃拳の神髄。文句を言われる筋合いはありませんねぇ」
 禍凶は面白そうに嗤い、じりっと間合いを詰めた。
「うう、悔しいけど今のめいふぁんの拳だと裂かれちゃう……ここは雷公鞭で迎え撃つよ!」
 ならばと美芳は鋼鉄製の多節鞭【雷公鞭】を構えて迎え撃つ。
「それでは、尋常に勝負と参りましょう」
 禍凶がその言葉を言い終わる前に動き出し、靴の底に付いた刃でアイススケートのように地面を滑る。
「全然尋常じゃないよ! だけどどんなに速くても雷(いかずち)の速さには勝てないよ!」
 ほんの僅かな間、不意を突かれた美芳は出遅れるが、ユーベルコード『宝貝「雷公天絶陣」』を発動し雷公鞭が雷光を宿し振り抜くと雷が周囲に降り注いだ。
「なんと!」
 咄嗟に禍凶は急旋回して雷撃の範囲から逃れようとするが、電撃が足の刃から伝わり感電して体が痺れる。
「まさか……その武器は宝貝ですか!」
「その通り! そして宝貝はこうやって悪党をやっつけるために使うんだよ! はいやー!!」
 掛け声と共に美芳は素早く踏み込み、勢いを乗せて回し蹴りを叩き込んだ。
「小癪なっ!!」
 禍凶は億劫になるほど普段よりも鈍い動きで腕を上げ蹴りを受け止める。しかし鈍い音と共に骨が砕け、左腕がだらんと下がり手に持っていた飛刀が地面に落ちる。
「小娘の癖に一端の武侠というわけですか、私としたことが少々油断してましたねぇ」
 苦痛に顔を歪めた禍凶はよろめいて後ろに倒れそうになる。
「やっぱり最後は拳と拳の勝負じゃないと!」
 蹴りの勢いで反転していた美芳は、さらに止めと振り返りながら後ろ回し蹴りを叩き込もうとする。

「危険です!」
 そこへ敵の刃のような殺気を知覚したハロが声を上げる。美芳は反射的に蹴りを止めて地を蹴り後方へ宙返りで飛んだ。すると先ほどまで顔のあった位置に、突き上げるような禍凶の蹴りが通り過ぎていた。あのまま蹴りを放っていれば顔が刃で抉られていただろう。
「あいやー……危なかったね!!」
 美芳はもう少しであの刃を食らっていたと冷や汗を掻く。
「ちっ、片腕を持っていかれた以上、代価を払ってもらうつもりだったんですがねぇ……」
 必殺の不意打ちを躱された禍凶は舌打ちして、ハロへと視線を向けた。

「やはりその勘が厄介ですねぇ、先にお嬢さんから死んでもらいましょう」
 大地を滑って禍凶は加速し、動き回りながら飛刀を投げつける。
「勝負です!」
 ハロは飛刀をレイピアとバリアで防ぎながら、多少身体に掠めても気にせずに前に出る。
「その細剣の間合いには入りませんよ。このまま串刺しにしてあげましょう」
 しかし禍凶は詰められた分だけ下がり、間合いを一定に保って飛刀で一方的に攻撃していた。
「不意打ちが得意なのはあなただけではありません――」
 愚直に突っ込む事を繰り返すハロが、隠し持っていた短剣【サーペントベイン】を投擲する。
「なっ!」
 レイピアだけだと思い込んで攻撃のリズムを作っていた禍凶は回避し損ね、その刃を腹に喰らう。
「この私の得意技を返されるとは……しかも、これは毒ですか……」
 短剣を抜いて捨てた禍凶は、傷口を自ら抉って血と共に毒を流し出す。しかし体調が悪くなったように顔色が青白くなっていた。

「刃物ばかり使うから油断しちゃうんだよ!」
 そこへ全力で駆けた美芳が跳躍し、飛び蹴りを顔面に打ち込んで敵をふっ飛ばした。
「拳の勝負に武器は不要ね! ……蹴りなのは秘密にしておいてほしいよ、うん」
 美芳が言い訳しながら着地すると、禍凶の体は細い木にぶつかってへし折り、跳ね返って地面を転がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
宝貝――まさに神仙の得物ですね。
如何なる武器も使い手次第とはいえ、オブリビオンに渡す事だけはあってはなりますまい。

必ず奪い返さねば。


抜刀からの【斬撃波】を繰り出し、敵の注意を白山翁から此方へ向けさせましょう。

エンパイアの刀法、そちらの刀刃拳、いずれが勝るか試させて頂く。

そのまま構えを取り、敵をよく観察。
挙動を【見切り】、勝機を伺いましょう。

迂闊に斬り込めば敵の思う壺。
されど、それを出し抜く事が出来れば……。

暫く後、焦れた振りをして【早業】の打ち込み。
わざとそれを受けさせ、反撃の届く前に【燕切】の二の太刀を叩き込ませて頂く。

懸待表裏、一隅を守らず。敵の好む所において勝つ――。
如何か、刀刃拳。


霧島・絶奈
◆心情
愉しみましょう、この『逢瀬』を

◆行動
まさに縮地ですね
確かに厄介ですが、其の戦法に縛られるのであれば対処可能です

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
特に私の死角となり易い場所に設置する事で二重の意味で罠となります

更に『涅槃寂静』にて「死」属性の「劫火」を行使し【範囲攻撃】

加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】し追撃

視覚と聴覚を眩惑しようとも、多様な面制圧の前では無意味です
空間諸共蹂躙して差し上げましょう

…世界を焼くのがお好みの様ですし、先ずは御自分が焼かれてみるのも一興でしょう?

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


愛久山・清綱
待たれよ、盗人ッ!聖地を穢すなど不届き千万。
この清綱が天に代わりて誅を下してくれる……覚悟!

■闘
剣が景色に溶け込むなら、『当たる直前に風をぶつけ、
吹き飛ばせばいい』話だ。
飛翔する剣が発する風を【野生の勘】と【聞き耳】を
駆使して探知、それらしき気配を感じたらすぐさま周囲に
【衝撃波】を放ち、剣を振り払う。

また、万一白山翁様のもとに剣が向かっていると感じられたら
すぐさま【ダッシュ】で向かい、そこにも衝撃波を放つ。

好機が来たら一首詠みつつ【薙鎌・荒】を発動。
瞬時に刀を抜き、飛んでくる飛刀を巻き込む【斬撃波】の
嵐を放ち、其の身をばっさりと斬り伏せる!
不届き者に、情けはかけぬよ……

※アドリブ歓迎・不採用可



●刀刃拳
「ごほっ、私がこれだけの手傷を負うのはどれくらい振りでしょうか……これほどの手練れがこの白山にいるとはねぇ……」
 蹴り飛ばされ雪の積もった大地に転がった禍凶はゆらりと起き上がり、口の端から流れる血を袖で拭う。そして動かぬ左腕を見下ろし、まだ動く右腕を振るうと赤く染まった雪を払った。
「まともに戦うのは悪手ですかねぇ、どうやら白山翁を守ろうとしているようですし……」
 ならばあの仙人を人質にするかと、禍凶は足裏の刃で地面を滑り出す。

「宝貝――まさに神仙の得物ですね。如何なる武器も使い手次第とはいえ、オブリビオンに渡す事だけはあってはなりますまい」
 鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)はオブリビオン、あまつさえ暗殺者などに渡す訳にはいかないとざっと足を踏み出す。
「必ず奪い返さねば」
 そして白山翁の元に向かおうとする敵に向け、【濤景一文字】を抜刀した。抜き打つ刃は荒波の如き威を迸らせ、雪を舞わせ禍凶の元にまで剣圧が届く。
「新手ですか!」
 その斬撃波を禍凶は進路を変えて躱し、刀を構える景正へと視線を向けた。
「相当な手練れですねぇ、ここで背を見せるのも危険ですか……」
 隙の無い景正の構えを見て、ならばと禍凶は景正に向けて一気に間合いを詰める。
「刀刃拳はどのような状況でも相手を確実に仕留める武術です。正面からであろうとそれは変わりません」
 加速した禍凶は右手に何本もの柳葉飛刀を握って襲い掛かる。すれ違いながら脇腹を抉る一撃を、景正は刀で受け流す。禍凶はまるでアイススケートでもしているように軽やかに、旋回して背後に回りまた斬撃を繰り返す。しかし攻撃はどれも軽く、簡単に受け止めることができた。
(こちらの攻撃を誘っているな。迂闊に斬り込めば敵の思う壺。されど、それを出し抜く事が出来れば……)
 カウンター待ちだと悟った景正は、敢えて誘いに乗りそれを上回る手を考える。

「エンパイアの刀法、そちらの刀刃拳、いずれが勝るか試させて頂く」
 焦れた振りをした景正が、素早く剣を横薙ぎに胴へ打ち込む。
「掛かりましたねぇ!」
 その一撃を禍凶は柳葉飛刀で受け止める。そして必殺の足刃で蹴り上げようと左脚が地を離れる。しかしその蹴りよりも速く、景正はユーベルコード『燕切』によって返した刀で二の太刀を袈裟切りに放っていた。
「なっ!?」
 驚愕しながらも、鍛錬の成果か体が勝手に動き禍凶は身を反らす。だが景正の刃は電光石火の如く――左肩からざっくりと胴を裂く。
「がはっ!」
 口から血を吐き、服を血で染めた禍凶は滑って後退する。
「懸待表裏、一隅を守らず。敵の好む所において勝つ――。如何か、刀刃拳」
 確かな手応えがあったと景正が残心しながら、血に染まる敵の様子を窺う。
「見事ですねぇ。正面からの切り合いではこちらの負けです……ですがこれは試合ではなく勝負。最後に立っていればいいのですよ!」
 気付けばその右手から柳葉飛刀が消えていた。咄嗟に景正が身を引くと、風を切った不可視の刃が通り過ぎていた。そして視線を戻すと禍凶の姿が消えていた。


「刀刃拳の間合いは変幻自在。こちらの間合いで一方的になぶらせてもらいましょう」
 血を流しながら禍凶は何本もの柳葉飛刀を持ち、右腕を引いて投擲体勢に入る。
「待たれよ、盗人ッ! 聖地を穢すなど不届き千万。この清綱が天に代わりて誅を下してくれる……覚悟!」
 その攻撃を邪魔するように、翼を広げた愛久山・清綱(鬼獣の巫・f16956)が空より舞い降りた。
「瑞獣ですか、ならその翼を奪って飛べなくしてあげましょう」
 狙いを変えて禍凶が刃を空に投げる。飛刀が景色に溶け込み姿を消すと、弧を描いて飛翔し清綱に襲い掛かる。
「剣が景色に溶け込むなら、『当たる直前に風をぶつけ、吹き飛ばせばいい』話だ」
 清綱は腰に差した心切を居合の構えで抜き、衝撃波を放って見えぬ刃を弾き飛ばした。

「剣で風を起こしたのか! 私の飛刀が全て落とされてしまった!」
 禍凶がショックを受けたようによろけ、清綱に来るなと手を向ける。
「次は其の身をばっさりと斬り伏せ――」
 清綱が敵に視線を向けたところで、背後に風を切る音を聞き取る。
「まだ残っていたか!」
 咄嗟に後方へ剣を振るって衝撃波を飛ばし、透明の刃を弾き飛ばした。
「ちっ、気づかれましたか。ですが仕留められるまで投げればいいだけのことです」
 全て落とされた振りをして油断させる作戦が空振ると、禍凶は新たな刃を手にしてまた刃を空に投げ放った。
「同じ攻撃を繰り返すとは……いや、音が遠ざかって――!」
 清綱はその刃が白山翁の元へ向かっているのに気付いた。
「さて、瑞獣の使命は貴人の守護でしたかねぇ……どうします? このまま私とやり合いますか?」
 気付いて顔色を変える清綱に、禍凶がニタリと厭らしい笑みを見せた。
「白山翁様を狙ったか! させん!」
 不可視の刃を追って飛び、剣を振り抜き衝撃波を起こして刃の軌道を逸らした。
「何とか止められたか、誰を狙っているのか分からぬとは厄介な」
 不可視の攻撃が途切れたのを確認した清綱が、反転して敵の方に向かって飛び戻った。


「もはやまともな打ち合いはしませんよ。幻刃によって仕留めます」
 禍凶は緩急自在に滑って加速し、木々や雪の積もった地形を利用して死角から死角へと回り込み、その姿を見失わせる。
「まさに縮地ですね。確かに厄介ですが、其の戦法に縛られるのであれば対処可能です」
 そこへ姿を現した霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が、その目で追う事も出来ぬ速さを見て厄介だと思いながらも、速いだけならば対処は可能だと衝撃波に乗せて罠をばら撒く。すると敵の動きを感知したサーメートが爆発し、爆炎によって雪を吹き飛ばし敵の身体を煽った。
「ぬあっ! これは……火薬の罠ですか!」
 旋回して爆発から逃れると、そちらでも爆発が起こり禍凶は炎に煽られるように回避行動に専念する。
「これは一旦罠の排除に動いた方がいいですかねぇ」
 禍凶は飛刀を投げて罠を爆発させ、間合いを開けて仕切り直そうとする。しかし、その行く手を不吉な黒が交じる炎の壁によって塞がれていた。
「逃しません。此処は既に封鎖された死地です」
 絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、死を内包した劫火の壁によって周囲を囲んでいた。
「なんだこの炎は?」
 試しに禍凶が飛刀を投げ入れると、金属が腐り溶けるようにして炎の中に沈んでいった。

「この場で雌雄を決するまで炎は消えません。では愉しみましょう、この『逢瀬』を――」
 絶奈が白槍と黒剣を左右に構え、連続して斬撃を衝撃波として放つ。
「私は殺すのが好きなだけでしてねぇ、戦いを愉しむ戦闘狂とは違うのですよ」
 禍凶は何とか滑って躱し絶奈の死角へと回り込もうとする。しかしそこにも炎が燃え上がり、爆発によって前進を阻まれた。
「視覚と聴覚を眩惑しようとも、多様な面制圧の前では無意味です。空間諸共蹂躙して差し上げましょう」
 背後からの攻撃を予想していた絶奈の仕掛けた罠が起爆したところで、絶奈は振り返りながら槍を薙いで広範囲に衝撃波を放つ。それが回り込んでいた敵に直撃して吹き飛ばした。勢いよく身体が炎の中に突っ込む。
「熱っ!! こんな冬山で焼け死んでたまるものか!!」
「……世界を焼くのがお好みの様ですし、先ずは御自分が焼かれてみるのも一興でしょう?」
 火傷を負いながら炎から飛び出したところに、待ち構えていた絶奈は剣と槍を叩き込む。
 剣を柳葉飛刀で受け止めるが、左手が動かぬ為に槍を防げずに腹を貫いた。


「げほっ……私は効率的に敵を倒す方法として宝貝を使うだけですよ。人を一人殺すだけならこの刃で事足りる……」
 禍凶が飛刀を絶奈の顔目掛けて投げつける。それを絶奈が躱した隙に、槍を抜いて禍凶は反対方向へと疾走する。
「これはいけませんねぇ、なんとかこの場を凌がなくては……」
 炎を避けて禍凶が逃げようとする。しかしその前に刀を上段に構えた景正が立ち塞がった。
「刀刃拳とは敵に背を向けて逃げる拳法の名だったかな……」
 挑発して景正は進路だけでなく敵の心理的逃げ道をも塞ぐ。
「そう言われては逃げられませんねぇ、貴方を殺してから立ち去るとしましょう!」
 禍凶が6本の飛刀を纏めて投げる。心臓に向かって飛来する二つの刃を景正は刀を振り下ろして弾いた。しかし僅かな時間差でさらに二つの刃が飛んでくる。一投でありながら巧みに速度を変えていた。
 それを下から斬り上げる刀で防ぐ。しかし景正の目の前に残り二つの飛刀が迫っていた。
「これぞ飛燕刃なり!」
 獲ったと禍凶は嗤い、さらに追い打ちを仕掛け絶望させるように飛刀を新たに投げていた。

「構太刀、息吹く刃風はいくさ場の……空直斬りし、荒れ薙鎌」
 舞い戻った清綱は一首詠みつつユーベルコード『薙鎌・荒』を発動し、翼を羽ばたかせて飛翔すると、神速の剣閃を放ち真空波が嵐となって巻き起こる。暴風が飛んでいる飛刀をまとめて薙ぎ払った。
「不届き者に、情けはかけぬ!」
 そして急降下しながら清綱は刀を振り下ろし、受け止めようとした右腕を切り落とす。
「腕をっ! ですが手がないなら足を出せばいいだけですねぇ!」
 殺気を衰えさせずに禍凶は蹴りを放ち、靴に付いた刃で清綱に斬撃を叩き込む。清綱は刀で受け止めるが、上へと押し上げられた。
「刀刃拳とはその手足を刃とする拳法、手足の一本でも動けば敵を殺してみせましょう!」
 禍凶は両腕を失おうとも、滑りながら景正に蹴りを放って戦い続ける。
「刀刃拳伝承者というのは伊達ではないようですね。ですがこれは一対一の決闘ではありませんので、割り込ませてもらいましょう」
 そこへ絶奈が槍を投げつけ、敵の軸足を貫いて態勢を崩した。それを見逃さず、踏み込んだ景正は振り上げた刀を真っ直ぐ下ろす。
「刀刃拳、見事な技の冴えだった。その拳術、覚えておこう――」
 景正がすっと刀を引いて背を向けると、禍凶の身体が真っ二つになって倒れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『仙郷大火災』

POW   :    住民や獣たちを救助する

SPD   :    建物や木々を破壊し、延焼を防ぐ

WIZ   :    元凶を捜索する

👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●火の宝貝の災い
「おお! お見事!! お主らのお蔭で命拾いしたわい」
 白山翁が賊を倒した猟兵達に喝采を送り、拱手をして感謝の言葉を述べた。
「しかし宝貝は盗まれてしもうた。あの紅火刀が世に出れば火の災いを呼び寄せてしまう。どうかあれを取り戻してもらいたい。お願いじゃ!」
 頼むと白山翁が深々と頭を下げると、猟兵達は頷いて二つ返事で了承した。
「おお! おお! ありがたい! では宝貝を持って逃げる賊を追う術を施すとしよう。この場所ならばそれが可能じゃ」
 白山翁が大地に宿る仙気溜まりを使って仙術を行使し、雪山を均して麓までの道を造り出す。そして氷を仙気で固めたソリや板のような乗り物を用意した。
「これに乗って山を下りればすぐに下山できる。あの外道仙人どもよりも速いので追いつけるはずじゃ!」
 猟兵達が恐る恐るそれぞれの氷に乗ると、坂道を滑り出し加速して一気に麓まで走り出した。
「頼んだぞーーーー!!」
 白山翁の声を背に受けて、猟兵達は宝貝を持ち出したオブリビオンを追う。
「あっ、止め方を考えておらんかった……まあ仙術を使えばどうとでもなるじゃろ」
 長い白髭を撫でながら白山翁は斜面を急加速して下りていく猟兵を見送った。

 スキーのように滑走して麓に近づくと、風景の白が薄くなり緑が見え始める。だがその森に赤い火の手が上がり、村にも被害が出ているのか、人や獣が逃げ出すのが見えた。
 既に宝貝が暴走し、その火の力を撒き散らしているのだ。このまま延焼すれば森や村が滅んでしまう。
 猟兵は火元である宝貝を運ぶ邪悪な仙人達を追いながら、人々を出来るだけ助けようとスピードを上げた。
ハロ・シエラ
あの仙人の方、とんでもないスピードの乗り物を寄越して下さった物ですね。
確かに追い付く事は出来ますが、最終的に飛び降りるしかなくなるのでは?
まぁ仕方ありません、燃える森や村まで辿り着いたら飛び降りてユーベルコードを発動し、その勢いのまま飛ぶとします。
これだけスピードが付いていれば、鎌で燃える木を【切断】する事も出来るはず。
【怪力】も使って上手く既に燃えている方に倒し、無事な森を守ります。
逃げ遅れた人がいればエッジ・オブ・サンクチュアリをその近くの地面に【投擲】して突き刺します。
展開した聖域が【結界術】として彼らを守ってくれるでしょう。
その間に水属性の【ブレス攻撃】などで消火出来ればいいですね。


鞍馬・景正
老師の御蔭で一気に下山できましたが、何という惨状。
このまま彼奴等の手に渡れば、国中が火に呑まれましょう。

急ぎ止めなくては。


火を防ぎつつ、人々を避難させる――両方一度には出来ません。
故に分担致しましょう。

ある人に教わった手順で印を結び、【霊剣詔刀】にて大蛇麁を召喚。

周囲を飛翔しながら【天候操作】で雨を降らせ、人里近くから優先して鎮火して回るよう指示します。

私は追跡を続けつつ、途中で逃げ遅れた人や獣がいれば保護を。
もし火の中に取り残された者がいるなら、【斬撃波】で焔を払いつつ救助していきましょう。

動けぬようなら大蛇麁を呼び寄せ、安全地帯まで護送させます。

元凶である火盗ども、必ず償わせなくては。



●山火事
「あの仙人の方、とんでもないスピードの乗り物を寄越して下さった物ですね」
 雪山をソリのような氷の彫像に乗ったハロが滑走していた。
「確かに追い付く事は出来ますが、最終的に飛び降りるしかなくなるのでは?」
 あっという間に風景が流れ麓が見えているが、スピードは衰えずどう考えても停止できるような速度ではない。癖の強そうな仙人の顔を思い出し小さく嘆息する。
「まぁ仕方ありません、自力で何とかしましょう」
 雪が薄れ、燃える森が近づいたところでハロはソリを蹴って飛び降り、ユーベルコード『ドラゴノート』を発動する。呪いの力を利用して軽鎧を纏い、鎧から翼を生やすと滑走の勢いのまま飛翔する。
「これだけスピードが付いていれば、鎌で燃える木を切断する事も出来るはず――」
 燃える木々に突っ込み、短剣【サーペントベイン】を大鎌に変形させてすれ違いながら一閃した。そのまま高速で燃える炎の中を通り抜けると、遅れて切断された木が次々と倒れていった。
「上手く倒せたようですね」
 振り返れば木は既に燃えている場所へと倒れ、木のない空白地を作って延焼を防いでいた。
「この調子で火事を防ぎましょう」
 勢いを殺さずに飛び続け、ハロはさらに大鎌を振るった。


「老師の御蔭で一気に下山できましたが、何という惨状。このまま彼奴等の手に渡れば、国中が火に呑まれましょう」
 続けて氷の板でスノーボードのように山を滑り降りた景正も、森が燃え盛る山火事の惨状を目にする。
「急ぎ止めなくては」
 一刻の猶予も無いと、燃える木々の元へと氷のボードを突っ込ませた。
「火を防ぎつつ、人々を避難させる――両方一度には出来ません。故に分担致しましょう」
 まずは火を防ぐのに集中しようと、景正はある人に教わった手順で印を結び、ユーベルコード『霊剣詔刀』によって式神【大蛇麁】を召喚する。その憑坐である外骨格スーツが景正の身に装着され、ボードを蹴り大蛇麁の力で空へと飛翔した。
「これが火の宝貝の力ですか、封印を解かれただけでこれだけの被害を出すとは――」
 高所から森を見下ろせば、火事の範囲がどんどんと広がっているのがよく見えた。そして山の麓には小さな村落が点在している。
「広範囲の火を消す必要があります。雨を降らせることにしましょう」
 景正は天候を操作し、飛びながら雨を降らせて火を消していった。


「うわぁあああっ! こっちにも火が近づいてるぞ!!」
「村が燃えちまうぞ!! 川に……ダメだっ川へ行く道が燃えちまってる!!」
 白山の麓に村を作って住まう人々は、突然の山火事に慌てて右往左往する。火の回りが早く険しい山道で逃げ切るのは難しい。そもそも地上からでは全体を俯瞰できず安全な場所が分からないのだ。
「逃げ遅れているようですね。急ぎ助けましょう」
 悲鳴を聞きつけ少し飛ぶ針路を変えたハロは、聖なる力を宿す短剣【エッジ・オブ・サンクチュアリ】を投げ、人々に迫る炎の前に突き立てる。すると結界が張られて炎を遮断する聖域を作り出した。
「火の手が止まったぞ!?」
「今のうちになんとか逃げないと! これは……雨?」
 逃げ惑う人々の頭上からぽつりぽつりと雨が降り始め、雨脚が強くなって辺りが湿気を宿し火の勢いが弱まる。
「人里を優先して鎮火するとしましょう」
 村落の上を飛ぶ景正が、木造の建物に燃え移らぬように先んじて濡らしてしまう。
「人の命はもちろんですが、住む場所を失っても大変ですね」
 ハロも【リヴァイアサン】に秘められた魔力を使って水属性のブレスを放ち、放水車のように上から水を降らせて村を火の手から守った。そして二人は足を止めずに、そのまま村を通り越し火の続く山道を飛んでいく。そんな二人に人々はありがとうと拱手して見送った。


「はぁはぁ……この火は」
「くそっ、さっきの仙人たちが通った跡が燃え上がってる!!」
 山仕事をしていた人々が、火事から逃げようと走っていた。しかし火は行く手を遮り、どんどんと追い詰められている。だがそこへ強い風が吹き抜けると、刀を抜いた景正が現れていた。
「こちらへ、村に戻れば安全です」
 景正は刀を振るって斬撃波を飛ばし、焔を払って先ほど消火した村へと通じる最短の道を切り開いた。
「た、助かりました! ありがとうございます!」
 突然の事に驚きながらも、村人は頭を下げて拱手する。
「仙人はこの先に行ったのですね?」
「そうです!」
 念の為に水のブレスで村までの道筋を濡らしたハロの質問に、村人は頷くと仙人達の去った炎の先を指さす。
「宝貝を取り戻さない限り火事は続きます。元を断たなくてはなりません」
 これ以上被害が広がる前に止めようと、ハロは翼を羽ばたかせて火の元を追うように仙人を追跡する。
「元凶である火盗ども、必ず償わせなくては」
 道のように続く炎を見た景正も強い思念を甲冑に伝え、速度を上げて雨を降らせながら炎の中を突っ切った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・絶奈
◆心情
宝貝を押さえない限り被害は拡大しますが…
現地住民への被害も無視出来ません
彼らが生きてこそ復興も叶うのですから

◆行動
さて…困りましたね
こう言った場合の私の定石、暗キ獣や獣ノ爪牙による軍勢召喚による人海戦術は高速移動とは相性が悪い様です

『涅槃寂静』にて「癒」属性の「豪雨」を行使
雨による消火と延焼防止を兼ねるだけでなく、焼け出された人や獣の傷を癒します

更に火勢が強い場所へは【罠使い】として持ち込んでいた「投擲消火弾」を【衝撃波】に乗せて散布

加えて【範囲攻撃】する【衝撃波】の【二回攻撃】で炎を散らし、救助や追撃に活用
場合によっては【火炎耐性】を高めた【オーラ防御】を纏い強引に炎を突破する事も考慮


秦・美芳
【SPD】
ひとまず片付いたね
悪いおぶりびおんは退治で来たよ仙人のお爺ちゃん
…お爺ちゃんじゃない?
親しみこめたのに…
ともあれ後は宝貝を追いかけないといけないね!

氷のソリ
とっても面白そう
めいふぁんこれ乗ってくね!
飛び乗ったらそのままの勢いで急滑走
ところでこれどうやって止まる…?
誰も知らないとか!?
「あいやー?!」(岩に衝突して投げ出された)

あ、あぶなかった…めいふぁんが羽衣人じゃなかったら即死だったよ
(ふよふよゆっくりと降りてくる)

って、もう紅火刀が暴れてる!?

あんまりのんびりしている暇はなさそうね!
【降魔点穴】で建物とか木とかを壊して延焼を防ぐよ
ごめんね、後で直すの手伝うよ!

※アドリブ連携OK


愛久山・清綱
(村人と動物が!このまま放っておくことはできん。
だが、時間を割くと更に火をつけられる可能性がある……)

■行
【SPD】
時間は少ない……素早く延焼を防ごう。
氷に乗りながらキッカーの要領で大きく【ジャンプ】し、
『火が到達していない場所』めがけて【空薙】を広範囲に
放って木々を【切断】、延焼を防ぎつつ避難経路を示す。

そこから付近の人々に『木が倒れた場所』の近くを通って避難
するよう叫ぶ。その直後に同じ言葉を【動物と話す】力を用いて
叫び、動物にもアナウンス。
全員に聞き届けられるよう3度ほど繰り返そう。

■他
万一逃げ遅れた者が目に入った場合はスピードを落とし救出、
安全地帯まで全力で送る!

※アドリブ歓迎・不採用可



●消火活動
「ひとまず片付いたね。悪いおぶりびおんは退治出来たよ仙人のお爺ちゃん……お爺ちゃんじゃない?」
「儂はまだまだピチピチの現役じゃ!」
 ふぅっと額の汗を拭った美芳が白山翁に話しかけると、自分は仙人の中では若手だと白山翁が言い返した。
「親しみこめたのに……ともあれ後は宝貝を追いかけないといけないね!」
 滑り出した仲間を追って、美芳も氷のソリに乗り込む。
「とっても面白そう! めいふぁんこれ乗ってくね!」
 白山翁に手を振るとソリが急滑走を始め雪山を一気に駆け下りる。
「気をつけてなーー!」
 みるみる遠ざかる後姿に白山翁が声援を送った。
「ところでこれどうやって止まる……?」
 ふと疑問に思った美芳が周りを見るが、近くの絶奈と清綱も知らないと首を横に振った。
「誰も知らないとか!?」
 どうしようと美芳があたふたしていると、麓が近づいて雪が薄れ、眼前に大きな剥き出しの岩の塊が迫る。
「あいやー?!」
 慌てて進路を変えようとするが速度が出過ぎて間に合わず、ぎゅっと目を閉じる美芳の乗る氷のソリが岩に衝突して粉々に砕けて投げ出される。そのまま地面に叩きつけれるかと思ったところで目を開けると、羽衣人の軽い身体は羽のようにふわふわと宙に浮かんでいた。
「あ、あぶなかった……めいふぁんが羽衣人じゃなかったら即死だったよ」
 ゆっくりと降りながら前方を見ると、絶奈は空に浮かんで、清綱はスノーボードのキッカーのように氷の板ごと跳んで先んじていた。その方角には火の手が見える。
「って、もう紅火刀が暴れてる!?」
 火事に気付いた美芳は、急げ急げとふわりと着地するや否や駆け出した。


「宝貝を押さえない限り被害は拡大しますが……現地住民への被害も無視出来ません」
 空から絶奈は燃える山林を見渡し、このままでは被害者が出てしまうだろうと予測する。
「彼らが生きてこそ復興も叶うのですから」
 敵を追うことも重要だが、人々を見捨てては本来の目的を見失うと、間違わないようにやるべき優先順位を決めて、焼け出された人や獣の方へと向かう。
「火の手が早い!」
「まだ雪がちらほら残ってる時期だっていうのに火事なんて!」
 予想外の災害に、人々や獣が慌てて火元から逃げ出していた。しかし煙がもうもうと立ち込めて視界を塞ぎ、いつ火に巻き込まれてしまうか分からない状況だった。
「さて……困りましたね。こう言った場合の私の定石、暗キ獣や獣ノ爪牙による軍勢召喚による人海戦術は高速移動とは相性が悪い様です」
 そんな避難者を見下ろしながら、屍の軍勢の進軍速度では付いてこれないと考え、燃える森の消火の手立てを考える。
「では此れでいきましょう」
 絶奈はユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、空に雨雲を呼び出して雨を降らせる。その雨は温かで人々を癒す慈雨となって降り注いだ。
「雨? ……怪我が治っていく?」
「火が消えていくぞ!」
 逃げる際に負っていた軽傷が治り、驚いた顔で空を見上げていると、雨はどんどんと強く地面を叩き、豪雨となって火を消していった。


「火がこっちにまで!」
「どうなってるんだよ! どこに逃げればいいんだ!!!」
「ワォオオオオオオンッ!!」
 森に居た人や獣が逃げようとするが火に阻まれる。普通の火事とは違い、宝貝の通った跡が燃え上がっている。その為に広範囲に火が広がり、森が分断されるように道が塞がっていた。
(村人と動物が! このまま放っておくことはできん。だが、時間を割くと更に火をつけられる可能性がある……)
 氷の板に乗って高々と跳躍する清綱は、森から焼け出され逃げる人や獣の姿を見て、守るのも追うのもどちらも成さねばならぬと眉間にしわを寄せ険しい顔で動き出す。
「時間は少ない……素早く延焼を防ごう」
 時間との勝負だと翼を羽ばたかせた清綱は、火の手に近くまだ燃えていない場所に向けて居合の構えから、ユーベルコード『空薙』を使い一閃して空間を断ち、並ぶ木々を根本から切断した。すると木がまとめて倒れ見通しのいい空間ができる。そして木が倒れている為に、炎が燃え広がり難くなっていた。
「此方へ! 木の倒れた場所を目印に避難するでござる!」
 騒ぎに負けぬ力強い声を発し、清綱は人々や獣にも分かるように呼びかけた。それを3度繰り返して辺りの全てのものに声を届ける。
「あっちだ!」
「行こう!!」
「ワォンッワォンッ!」
 その自信に溢れた声を信じて、火から逃れた人々が集まってくる。
「火は向こうから迫ってくる! 反対側に逃げれば安全だ!」
 皆が迷わぬように清綱が逃げる方向を指し示した。それに従い火に背を向けて慌ただしく移動が始まった。


「いかん! 火が村に迫っとる! 逃げるんだ!」
「だが走れん年寄りもいるんだぞ!」
 山から少し離れた場所にある小さな村落に火の手が迫り、人々が全員で逃げようと準備をしていたが、まともに走れない老人や赤ん坊もいて遅れていた。
「村の人がまだ残ってるみたいだね!」
 そこへ燃える木を薙ぎ倒しながら敵を追っていた美芳が、人の声に気付いて駆けつけた。
「火が来るのは向こうからだから……この辺の建物を壊して延焼を防ぐよ」
 美芳は火の迫る側の民家に近づき、中に人が居ないのを確認するとユーベルコード『降魔点穴』を発動し、建物の秘孔を指で突く。その一穴から闘気を流し込むと建物が一瞬にして粉々に砕け落ちた。
「た、建物が一瞬で……!」
「ごめんね、後で直すの手伝うよ!」
 目の前で崩れ去った家を見てぽかんと口を開ける村人に、美芳は謝りながら次の建物に向かう。そうして火の来る方面の家を全て潰し、緩衝地帯を作って火事の広がりを防ぐ。

「ばぁちゃん! 早く逃げないと!」
「ばぁのことはいいから、お前は先に逃げな!」
 火の回りは一時的に遅延したが、それでも黒い煙が村に流れ込み危険を感じさせる。そんな中、杖をついた腰の曲がった老婆を連れ出そうと、まだ小さい孫が手を引いていたが、老婆は自分の足では山道を逃げられないと悟って孫だけでも逃がそうとしていた。
「やだ! ばぁもいっしょに行こう!」
「その通り、二人で一緒に逃げればいい!」
 その場にふわりと着地した清綱が、両脇に子供と老婆を抱え空に舞い上がった。
「わぁっ! 飛んでる!!」
「なんと……たまげたわい」
 清綱は素早く火の手から遠い安全そうな川の傍へと二人を送り届けた。
「此処なら火は届かん。火事が収まったら迎えに来るので大人しく待っていてくれ」
 そう言い残すと、清綱は村の様子を見に戻った。

「ここに村がありましたか。延焼を止めなければなりませんね」
 絶奈は投擲消火弾を衝撃波に乗せて散布し、近づく火勢を弱める。さらに黒剣と白槍を振るい木々を薙ぎ払って炎を散らした。
「これで少しは村への被害を減らせるはずです。今の内に避難を行いましょう」
 一先ずは大丈夫だと見渡し、絶奈は人々へ逃げる方向を指示する。
「東に向かえば火の手はありません。風上に逃げれば安全でしょう」
「東か、みんな準備はできたな? よし! 出発するぞ! はぐれないように気を付けて行くぞ!!」
 村の代表の男が声を上げ、皆が大急ぎで村を逃げ出した。
「さて、避難を最後まで見届けたいところですが、我々にはするべき事があります」
 この火事の元凶である宝貝と悪しき仙人達を探さなくてはと、絶奈は空に上がる。

「村の人々はもう大丈夫のようだな。ならば賊を追うとしよう」
 そこへ戻った清綱は村に人影が無いのを確認し、そのまま炎の元を追って飛び去る。
「そうしましょう。禍根を断たねば火事は広がるばかりです」
 続いて絶奈も同じ方向へと飛び出す。敵の居場所は常に新しく火が起こり、目印がついているようだった。
「こんな火事を起こす悪い仙人は絶対に許さないよ!」
 その二人の姿を追って美芳は大地を全力で駆け出した。

 火を消しながら宝貝を追い、猟兵達はオブリビオンの仙人との距離を詰め、その背中を捉える――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『濁業仙人』

POW   :    業雷衝
自身の【理性】を代償に、【業(カルマ)】を籠めた一撃を放つ。自分にとって理性を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD   :    業濁瘴
【漆黒の瘴気】を解放し、戦場の敵全員の【生命力】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
WIZ   :    呪仙痕
攻撃が命中した対象に【激痛を与える呪詛の刻印】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【刻印の拡大】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悪しき仙人
「まったく、こりゃとんでもないじゃじゃ馬じゃぞ」
「こんな破壊にしか使えん宝貝とはなぁ、まあ報酬さえもらえりゃなんでもええわい」
 悪に染まった仙人である濁業仙人達は、無尽蔵に炎を撒き散らす宝貝【紅火刀】を仙術で浮かべ、火事を起こしながら移動を続けていた。その事で出る被害に一切の良心の呵責がなく、ただ己の欲を満たす事だけを考えていた。
「しかしこの調子では行く先々が焼け野原になるのぅ……なにかこれでできんか?」
「どこかの町を通っていくか? 火事となれば後で儲け話が生まれそうじゃ」
「そりゃいいわい。火事を起こして後始末で稼ぐとするか! まさに道具は使いようじゃな!」
 いいことを思いついたと邪悪な仙人達は業を深め、顔を歪めて呵呵とばかり嗤う。

 このままでは宝貝の火の災いは広がり、多くの犠牲者が出てしまう。
 その悪しき企みを阻止すべく、火を消し止めながら追跡する猟兵がその背に迫っていた――。
ハロ・シエラ
追い付きましたか。
ならばまずは火元をどうにかする方が早そうですね。
このまま突っ込みましょう。

さて、敵の攻撃には呪詛が込められている様です。
こちらも手袋から【破魔】の力を込めた障壁を張り【盾受け】して対抗しましょう。
もし多少食らったとしても、痛みに対しては【激痛耐性】で対応できます。
耐えて動けている内に攻撃を仕掛けましょう。
今回は相手が多いので、剣で相手をしていては火事の被害が広がってしまいます。
ユーベルコードで目一杯【浄化】の炎を出して【瞬間思考力】で全てを個別に操り、目に入った敵を片っ端から【焼却】してやりましょう。
意趣返し、と言う訳ではありませんが、火遊びの危なさを教育して差し上げます。


鞍馬・景正
漸く追い付きましたか。
私の国では、火付けはその命を以て償う重罪となる。
覚悟召されよ。


愛馬に【騎乗】し、仙人たちの進路を塞ぐように回り込み。

抜刀と共に【曇耀剣】を発動し、稲妻を籠めた【斬撃波】で片端から薙ぎ払っていきます。

仙人達からの反撃や紅火刀からの焔が飛んで来れば、雷の【結界術】で防御。
周囲に味方もいればそちらにも届くよう展開し、【かばう】ようにさせて頂く。

随分と濁った業を感じる一撃ですが、武神の雷霆に届く程か、好きなだけ試されよ。

相手の反撃が途絶え、理性も失われたなら一掃の好機。
馬より飛び降りて地面に刀を突き刺し、雷撃を放射状に広げて殲滅を狙いましょう。

さあ、早く紅火刀を回収せねば――。


霧島・絶奈
◆心情
先程の凶手にも似た様な事を言ったのですが…
世界を焼く前に御自分で経験すると良いでしょう
皮算用した儲け諸共、貴殿方の全てを簒奪するとしましょう
…其れが無秩序に災厄を齎した報いというものです

◆行動
『暗キ獣』を使用
軍勢による【集団戦術】を駆使
軍勢の一部に「音波消火器」を持たせる事で延焼を防ぎ、残る軍勢と屍獣にて包囲殲滅を図ります

私は軍勢に紛れ【目立たない】様に行動
【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置

設置後は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と球状に展開する【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復
刻印が付与される毎に再展開します


愛久山・清綱
見つけたぞ、賊共。貴様等の命運も、最早此れ迄……
潔く在るべき海へ還り去るがいい。

■備
敵の攻撃に備えるため、全身に【破魔】の力を込めた
【オーラ防御】を纏っておくぞ。

■闘
『空薙・剛』を手に取り、オーラを纏いつつ力を込める。
呪仙痕に当たったらオーラの力を高め【激痛耐性】と
【呪詛耐性】で耐えつつ、呪詛を自力で追い出すのだ。

力を溜めきったら敵が密集している場所へ急接近を図り、
その場で大太刀に秘められた力を解放し【祟封】を発動。
仙人たちの身体と邪なる力を石巌に封印するのだ。
範囲内の敵が石に変わったことを確認出来たら刀をすっと
納刀し、【神罰】を下すかの如く粉々にしてやろう。

※アドリブ歓迎・不採用可


秦・美芳
やっと追い付いたね!
というかあっちもこっちも火事だらけー?!
は、はやく火元を倒さないと危険!
めいふぁん、頑張るよ!

めいふぁんの拳だとまだたくさんの敵は無理
だからここは雷公鞭でいくよ!
くんふー(単なる修行です)で実力(レベル)があがった
めいふぁんの雷公鞭をくらえー!
ちょっと敵の数が多すぎるからぶんぶん振り回して
どんどん雷落としていくね
そして感電した濁業仙人から拳の突きとか蹴りとかで倒していくよ

刻印のダメージは回避が難しそうだから我慢する、めいふぁん耐えるよ!

欲を出しちゃだめとは言わないけど
他人に迷惑かける欲はただの迷惑!
めいふぁん、許さないよ!

※アドリブ連携OK



●欲に塗れた仙人
「追い付きましたか」
 龍の翼を広げて飛翔するハロは視界にオブリビオンの濁業仙人達を捉える。その近くには仙術によって浮かぶ炎を散らす剣の宝貝【紅火刀】の姿があった。
「ならばまずは火元をどうにかする方が早そうですね。このまま突っ込みましょう」
 速度を上げて一気に距離を詰め、間合いに入ろうとする。
「後ろから誰か来たぞ!」
「んん? 追手か! ならば追い返してやるわい!」
 濁業仙人が追って来る猟兵に気付き、禍々しい術を練る。
「呪仙痕で呪い殺してくれるわ!」
 指先から呪詛の霞が放たれハロの元に届く。
「呪詛ですか、ならこちらは破魔の力で対抗しましょう」
 ハロは手袋を嵌めた手を広げ、光のバリアを展開して霞を防いだ。
「なんと、呪詛を防ぎおった!」
「なかなかの凄腕武侠を雇ったようじゃの!」
 呪詛が届かずに濁業仙人は驚きの声を上げ、さらに強く術を練る。
「戦いを長引かせると火事の被害が広がってしまいます。早急に方を付ける必要がありますね」
 こうしている間にも、宝貝は炎を撒き散らし辺りに火事を起こしていた。ハロは敵の数を見て剣で仕留めるには時間が掛かると考え、ユーベルコード『クロスファイアー』を使った。浄化の力を帯びた白き炎が辺りに無数に浮かび、逃がすまいと仙人達を包囲する。
「なんじゃこの炎は!」
「これは……嫌な気配を感じるわい!」
 聖なる力を感じた濁業仙人は、己と反する力に当てられ冷や汗を流す。
「意趣返し、と言う訳ではありませんが、火遊びの危なさを教育して差し上げます」
 白き炎が一斉に襲い掛かり、仙人を包み込んで燃え上がらせた。
「ぎゃっ! 炎が! 煩悩が浄化されてしまう!!!」
 身体と共に魂まで焼かれ、欲深な堕ちた仙人は浄化され清々しい顔で昇天する。


「いやじゃいやじゃ! 金も女も欲しい! 欲こそ人の本質よ!! 枯れた仙人として逝くのはいやじゃ!」
 強き欲望を丸出しにし濁業仙人は呪詛の霞で身を守り、白き炎の包囲を突破する。
「漸く追い付きましたか。私の国では、火付けはその命を以て償う重罪となる。覚悟召されよ」
 しかしその前に愛馬【夙夜】に乗った景正が、回り込んで行く手を塞いでいた。
「どけい!」
「邪魔をするならお主から死ね!」
 濁業仙人達が仙術を放ちながら押し通ろうと飛翔する。
「当流が守護神、建御雷に願い奉る――神征の剣、貸し与え給え」
 馬上で景正が【鞍切正宗】を抜いてユーベルコード『曇耀剣』を発動する。自らに課す誓約によって封印を解き、大太刀に眩い雷光が灯る。
 邪心があれば自らが落雷を受ける誓約は、その身に稲妻が落ちぬことで果たせていることが知れる――。
「これ以上の罪を重ねる前に、断罪する」
 大太刀を一閃すると稲妻の籠められた斬撃波が放たれ、飛び掛かった濁業仙人達の胴が一斉に上下に泣き別れた。
「なんという剣の冴えか!」
「おのれ、男前だからと調子に乗りおって! 世の中は金と力だということを教えてくれるわ!」
 業(カルマ)を高めた濁業仙人達が理性を失い、邪悪な欲求のまま蹴散らそうと迫る。
「随分と濁った業を感じる一撃ですが、武神の雷霆に届く程か、好きなだけ試されよ」
 人を狂わせるような邪悪な霞は、先の一閃によって張られた雷の結界によって消し飛ばされた。
「理性も失われたなら一掃の好機――」
 敵の攻撃が途絶えたところで、景正は馬から飛び降り、敵の群れに突っ込んで大太刀を地面に突き立てる。すると閃光が放射状に迸り、近くの仙人達が雷に打たれ痙攣して地面に伏した。


「こりゃいかん!」
「顔もよくて力もあるのは反則じゃ!」
「宝貝を運ぶだけの簡単なお仕事じゃったはず、こんな戦いなんぞやっとれるか!」
 何とか雷撃から距離があり仙術で受け止めた仙人は、口々に罵って逃げ出す。
「見つけたぞ、賊共。貴様等の命運も、最早此れ迄……潔く在るべき海へ還り去るがいい」
「やっと追い付いたね! というかあっちもこっちも火事だらけー?!」
 そこへ飛ぶ清綱と駆けてきた美芳が追いついてくる。見れば仙人達が動くだけで、宝貝から炎が飛び辺りを燃やし続けていた。
「は、はやく火元を倒さないと危険! めいふぁん、頑張るよ!」
 早くこの火事が広がるのを止めなくてはと、美芳は雷公鞭を構える。
「めいふぁんの拳だとまだたくさんの敵は無理、だからここは雷公鞭でいくよ!」
 己が未熟さを認め、今できる精一杯でこの人災を止めようと雷を纏う鞭を振るった。
「小娘が! もっとボインボインになってから出直してこい!」
「そうじゃ! 功夫が足らん!」
 濁業仙人は好き放題に言いながら、仙術で結界を張って逃れようとする。
「逃すと思ったか、貴様等の刑罰は既に決まっている。死刑だ」
 破魔の力を纏う清綱が踏み込み、無慈悲に大太刀【空薙・剛】を振るう。鋭い斬撃は結界を破り仙人の首を刎ねた。

「おのれおのれ! 呪ってやるわ!」
 激高した仙人は呪詛の籠った霞を放ち、清綱を呪い殺そうと仙術を掛ける。
「くんふーならいっぱいしてるよ! 実力(レベル)があがっためいふぁんの雷公鞭をくらえー!」
 そこへ勢いよく美芳が鞭を叩き込み、降り注ぐ雷撃と共に打ち据えられた仙人達がまとめて吹き飛んだ。
「違う……そっちの功夫じゃないんじゃ……やられるならもっとボインちゃんに……」
「はいやーー!!」
 倒れたところへ容赦なく美芳から追い打ちを叩き込まれ、感電してビクビクと痙攣する仙人は口惜しそうに力尽きた。
「地獄で好きなだけ業火に抱かれるがいい」
 敵陣に飛び込んだ清綱が掲げた大太刀に秘められた力を解放し、ユーベルコード『祟封』を発動する。青白い波動が放たれ清浄な空気が呪詛を祓い仙人達を覆う。すると仙人の身体が邪な力と共に石巌に封印されていく。
「な、なんじゃ! 身体が石になる……!」
「封印か! 我等を封じるつもりか!」
 石になる体を見下ろして仙人は愕然と顔を歪ませる。
「安心するがいい、すぐに骸の海に送り返してくれよう」
「いやじゃあ! まだまだやりたいことがいっぱいあるんじゃ!」
「そうじゃ! 金をたんまり稼いで女も買いたいし、美味いもんも食いたい! 酒池肉林を100年は愉しんでから――」
 欲望に染まった顔で喚く仙人の身体が頭まで石となり、醜い顔のまま石像と化した。
 そんな石像に背を向け清綱がすっと刀を納刀すると、神罰が下ったように仙人達の石像が粉々に砕け散った。


●欲望の末路
「ええい! こんな遣い手との戦いなぞ契約外じゃ!」
「そうじゃ宝貝じゃ! 火を使って煙に巻くぞ!」
 いい事を思いついたと仙人達は宝貝を動かし炎を辺りに飛ばして火事を起こし、その隙に逃げ出す。しかし既に周囲は槍を構えた屍者の軍勢によって包囲されていた。
「先程の凶手にも似た様な事を言ったのですが……世界を焼く前に御自分で経験すると良いでしょう」
 ユーベルコード『暗キ獣』によって召喚した屍の軍勢を率いる絶奈が前に出る。
「皮算用した儲け諸共、貴殿方の全てを簒奪するとしましょう……其れが無秩序に災厄を齎した報いというものです」
 そして黒剣と白槍を振るい、衝撃波を起こして仙人を薙ぎ払った。
「ぐぅぅぅぅっ! 年寄りを労わる精神を持っておらんのか!」
「あの言い草では暗刃が負けたのではないか?」
「なんじゃと!? ……確かに、これだけの武侠の徒が揃えば暗刃といえども破れるか……なら逃げの一手じゃ! 逃げて宝貝を他の奴に売りつけようぞ!」
「確かに、これだけの力を持っておる宝貝なら欲しがる阿呆がいくらでもおるわ!」
 傷を負いながらも大金の匂いを感じて濁業仙人は邪に嗤い、逃げながら宝貝を売り飛ばす算段を始めた。
「どうやら頭の中まで腐りきっているようですね。幾ら此処で妄想しようとも、其れは現実にはなりません」
 絶奈が欲に眩んだ目を覚めさせるように、包囲のあちこちに仕掛けておいたサーメートを起爆させる。炎が立ち昇り仙人達が焼け出された。


「こんな莫迦な……わしらは腐っても仙人じゃぞ。それをこうも容易く屠るとは。並みの武侠英傑ではないぞ!」
 濁業仙人は恐れを覚え、疾く逃げようと宝貝を浮かべて盾にして飛翔する。
「この期に及んでまだ宝貝を手放しませんか、強欲もそこまでいくと救いようがありませんね」
 ハロが白き炎で仙人を燃やし、操っていた宝貝を落下させる。
「ああっ?! 宝貝が!! あれがなくなっては無駄働きじゃ!」
 落ちていく紅の剣を見下ろし、仙人は反転して取りに戻ろうとする。
「お金よりも命の心配をしてはどうですか」
 その仙人にハロは背後からレイピアを突き入れ心臓を貫いた。手を宝貝に伸ばしたまま仙人は息絶える。
「ふんっ、人数が減れば取り分が増えるというものじゃ!」
 仲間がやられようとも気にせず、他の仙人が宝貝を術でキャッチして引き寄せる。
「では自らが斬られる覚悟もおありだろうな」
 また馬に乗った景正が猛スピードですれ違いながら大太刀を振るい、仙人の首を斬り飛ばした。
「死んだ奴は間抜け、生き残って富を手にした者が賢者じゃ!」
 死体の陰でこっそりと宝貝を回収した仙人がほくそ笑む。
「ならば貴様も間抜けの仲間ということになろう」
 馬を反転させ駆けた景正が刃を振り抜き、笑い顔のまま仙人の首が落ちた。術が解けた宝貝が地面に突き刺さり、大地を焼くように炎を放つ。

「これは拙いのう。全滅も有り得るぞ」
「しかしこのまま引いたのでは丸損じゃ! 宝貝だけでも回収せねば!」
 損をするのは我慢できぬと、強欲な仙人はまだ戦いを継続する。
「引き際を弁えないとは……其の命は金銭と天秤にかけるほど安いもののようです」
 絶奈が諦めの悪い仙人に槍を突き立て、その身を地面に縫い付ける。そして剣を振るい隣の仙人も斬り捨てた。
「世の中は金じゃ! 金と力があればなんだってできるんじゃ!」
「仙人も堕ちれば此処まで欲深くなるか……貴様等に救いはない」
 あまりにも世俗に塗れた仙人に、眉間にしわを寄せた清綱は大太刀を抜いて近づく。
「はんっ、霞を喰うような仙人の方こそが生物としておかしいのじゃ!」
「そうじゃ! 我等も人と同じ、喰って寝て糞をするんじゃ! それが人よ! 欲を失ったらそこらの草木と変わらぬわ!」
 欲塗れの仙人達は好きに言い放ち、呪詛を放って清綱を遠ざけようとする。
「欲を出しちゃだめとは言わないけど、他人に迷惑かける欲はただの迷惑!」
 至極全うな事を言って美芳が鞭で呪詛を薙ぎ払い、仙人の懐に入った。
「そんなのめいふぁん、許さないよ!」
 そして美芳は拳を腹に打ち込み、前屈みになったところへ顎を蹴り上げて仙人を吹っ飛ばした。
「その通り、過ぎた欲は大禍となる。其の邪な欲望を此処で断ち切る」
 清綱が大太刀を振り下ろし、仙人を一刀両断にした。

「これで敵は全て倒したようです」
 ハロも仙人を切り捨てて辺りを見回すと、もう他に濁業仙人の姿は無く、その死体は霞のように消え去っていた。
「さあ、早く紅火刀を回収せねば――」
 雷光を消した大太刀を納めた景正が急ぎ、地面に突き刺さり大地を黒く焦がす宝貝の回収に向かう。
「火も消さなくてはなりませんね」
 絶奈は軍勢を使い消火活動を行い、これ以上火事が広がらないように鎮火させていく。
「うむ、これ以上火事にならぬように気を付けて運ばねばな」
 清綱は空を飛んで先導し、既に燃えた後を戻るように輸送するルートを選んで白山へと戻った。


●封印
「これは大昔に戦の為に作り出された宝貝なのじゃ。ならば使われぬが世の為……」
 猟兵が苦労して持ち返った宝貝【紅火刀】を受け取り、白山翁が厳重に札を巻いて封印を施し、山の地中深くに仙術を用いて埋め込んだ。
「これで封印完了じゃ! 火事も無事に収まったよう、全てお主達のお蔭じゃ、ありがとう!」
 白山翁が拱手をして深々と頭を下げる。それに猟兵も拱手で応じた。
「しかしこの雪山を往復するのは大変じゃったろう。帰りはまた儂の術で送ってやろうかの!」
 悪戯っ子のような顔で白山翁が髭を撫でながら提案する。
「あいやー!? めいふぁん、あれに乗るのはもうごめんね!」
 ブンブンと音が鳴る勢いで美芳が首を横に振ると、その顔を見て白山翁が愉快そうに笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月23日


挿絵イラスト