●崩れ去る平穏
アックス&ウィザーズの、とある教会の裏庭で、一人のクレリックの女性が花壇に水やりをしていた。
その女性の名は、サラサという。
「お主、『言葉の神シャルムーン』のクレリックじゃな?」
聞こえた幼い少女の声に、サラサは顔を上げた。そこに立っていたのは、赤いリボンと同色のドレスを身に着けた少女だった。足元には、一匹の黒猫が寄り添っている。
「そうだけれど、何かご用事?」
サラサが問えば、少女はにやりと笑みを浮かべる。
「用事じゃとも! 『天上界』に至るためにも、お主の『破邪の言葉』が必要なのじゃ。命尽きるときに放つことができるそうじゃな。そういうわけなのじゃ、群竜大陸で死んで欲しいのじゃよ」
「……え?」
サラサが表情をこわばらせた、その直後。彼女の横の空間に、黒い渦が生じた。
「ベルちゃん様の命令に口答えは許さぬのじゃ!」
少女――オブリビオン、我侭王女『ベルベット』が叫ぶと、サラサの体は渦の中に吸い込まれていった。
「……う……」
意識を失っていたサラサは、目を覚ます。
そこは、砂漠であった。群竜大陸の、『砂地獄砂漠』である。
「――嘘でしょ?」
呆然とするサラサ。その瞳には、彼女を捕食しようと迫り来るモンスターの群れが映っていた。
●グリモアベース
「アックス&ウィザーズで信仰されている数多の神々のひとつ、『言葉の神シャルムーン』。そのクレリックが、群竜大陸で殺されようとしています。助けに向かってください」
アウグスト・アルトナー(悠久家族・f23918)が告げる。
「サラサさんという名前の、そのクレリックの女性には、戦闘能力はほとんどありません。わずかに痛みを紛らわす程度の回復魔法が使えるのみです。共闘するというよりは、彼女を守って戦うことに重点を置いた方がいいでしょう」
淡々とした口調で、説明は紡がれゆく。
「皆さんが戦う場所は、群竜大陸の『砂地獄砂漠』です。ここに生息するオブリビオンの残党は、砂を自在に操る能力を持っています。砂の渦巻や砂嵐にはユーベルコードを阻害する魔力が含まれているため、至近距離での攻撃を行う必要があるでしょう。最初にサラサさんを襲撃してくるアンコウ型モンスターの群れと戦う際は、その点にご注意ください」
表情を動かすことなく、アウグストは続ける。
「アンコウ型モンスターを倒しきったら、おそらく、しびれを切らした親玉が自らやって来ることでしょう。猟書家『眠りの森の魔女ターリア』の意志を継ぐオブリビオン、我侭王女『ベルベット』です。こちらのオブリビオンも返り討ちにしてください。なお、ベルベットは砂を操る能力を持っていませんので、遠距離攻撃を使っていただいても問題ありませんよ」
説明を終えたアウグストは、羽根型のグリモアを手のひらの上に浮かばせ、猟兵の転送準備に入った。
「では、ご武運を。サラサさんを必ず守り切ってくださいね。信じていますよ」
地斬理々亜
地斬です。
よろしくお願いします。
●プレイングボーナス(全章共通)
『襲われるクレリックを守る』です。
これを行っているプレイングには、プレイングボーナスを差し上げます。
●第1章
『七色鈴蘭のふくれアンコくん』との集団戦です。
遠距離攻撃のユーベルコードは、ふくれアンコくんが操る砂によって阻害されるため、必ず至近距離での攻撃を行う必要があります。
●第2章
我侭王女『ベルベット』とのボス戦です。
遠距離攻撃は解禁になります。
●リプレイでのアドリブについて
アドリブ多め希望の方は、お手数ですが、プレイング冒頭に『◎』の記号をお入れください。
何もなければ、可能な限り、プレイングに忠実なリプレイに仕上げます。
●プレイング受付期間について
オープニング公開と同時に受付開始です。
締め切りは、第1章・第2章ともに、『👑達成してシステム的に送れなくなるまで』を予定しています。
変更がある場合は、ツイッター、自己紹介ページ、シナリオタグでお知らせしますので、ご確認ください。
それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしております。
第1章 集団戦
『七色鈴蘭のふくれアンコくん』
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POW : かみつきっ!
【潜行からの飛び出し噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : もぐるっ!
【体から30cm以内の地形を対象に砂泥状化】、自身や対象の摩擦抵抗を極限まで減らす。
WIZ : まるのみっ!
小さな【鈴蘭灯から催眠光を放つ。強烈な眠気と光】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【胃袋で出口に返しの歯が並ぶ。暴れること】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから7年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
●モンスターによるモンスターへのお仕置き
「サラサさん、下がって欲しいんですわ!」
転移完了と同時に、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)は、知恵の布越しに叫んだ。
「!? ……ええ!」
驚きつつも、言われたとおりにサラサは下がる。
颯爽と前に出たピンチンは、サラサの盾になるように立った。
小さな体に宿るのは、優しさと勇気。勇者である彼女がサラサを助けるのは、当然のことと言えよう。
敵を見据えたまま、手を後ろに出して、ピンチンはサラサに何かを差し出す。
「これは?」
「飴ちゃんですわ」
何の変哲もない、飴玉である。
「……ありがとう」
サラサは礼を言って飴を受け取り、口に放った。自らの死を前にして張り詰めていた心が、解れていく。
「さあ、お仕置き開始と行きますわ!」
ピンチンは、花とリボンでデコった勇者の剣を掲げる。その刀身は、淡い輝きを帯び始めた。
敵であるモンスター『七色鈴蘭のふくれアンコくん』は、砂嵐を放ち、ユーベルコードを阻害しようとするが、ピンチンに遠距離攻撃をするつもりはない。
そこで、ふくれアンコくんは砂地に潜り、ピンチンに接近。飛び出し噛みつきを仕掛けた。
ピンチンはあえて避けず、左腕で噛みつきを受ける。
「もう、痛いですわ!」
ピンチンにとって、痛みに耐えるのは得意だ。勇者の剣が、輝きを増す。ユーベルコード『ブレイブソード』による光の斬撃が、ふくれアンコくんに向かって振り下ろされ――。
「えいや」
直前でピンチンは刃をひっくり返して叩く。ぽこっと可愛い音がして、ふくれアンコくんは、お腹を上にしてぱったんきゅーとひっくり返った。
「ほな、次ですわ!」
その場に留まったピンチンは、攻撃を仕掛けてきたふくれアンコくんから順に、次々、ぽこぽこと、剣の峰で叩いていく。
中庸が肝心。クレリックの命を狙うような『やりすぎ』の困ったちゃんには、ちょっとしたお仕置きが必要なのだ。
成功
🔵🔵🔴
メルティア・サーゲイト
◎
上空から爆撃機形態でエントリー。
「いくぜ、スーパーヒーロー着地だ」
上空で飛行ユニットをパージ、人型形態で三点着地だ。
「ドーモ、サチュレイターです。乗りな、お嬢さん」
サラサを操縦席に乗せて保護するぜ。護衛対象が居る時はこの手に限る。
索敵は視覚に頼らずソナーを使う。相手からは丸見えだろうからなァ、アクティブソナーは遠慮なく打つぜ。
「来いよ、遊んでやる」
確かに、遠距離の方が得意だが近接戦が出来ない訳じゃないぜ。このガタイだしな。
両手に二挺のショートバレルガトリングショットガン。ガンカタのお時間だぜ。基本の旋回両手撃ち、半身を捻りながらの側転撃ちに、銃口を押し付けて接射。
●砂漠に響く銃声
上空より、一機の爆撃機が飛来した。
それは、ウォーマシンである猟兵、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)の一形態である。
「いくぜ、スーパーヒーロー着地だ」
メルティアは音声を発すると、空中で飛行ユニットをパージする。そのまま人型形態に移行し、両足と片手の三点で着地した。
「ドーモ、サチュレイターです」
空からの来訪者に驚いているサラサに向かって、メルティアは挨拶した。『サチュレイター』は、メルティアのヒーロー名である。
「ド、ドーモ。サラサです」
サラサは同様に返した。
「乗りな、お嬢さん」
メルティアは改めて屈むと、自らの操縦席部分を示す。
「え、だけど……」
「ああ、操縦する必要はないぜ。保護したいだけだ」
戸惑うサラサへと、メルティアは補足した。
サラサは頷き、恐る恐る操縦席へと手を伸ばす。その手が触れた瞬間、サラサは中に吸い込まれた。ユーベルコード『CODE RIDING』である。
「……さてと」
メルティアは、背部の万能生成機からアクティブソナーを生成し、惜しみなく打ち出した。敵の能力への対策である。
「来いよ、遊んでやる」
敵の位置をソナーとレーダーによって感知しながら、メルティアは歓喜の宿る音声を発した。
彼女が両手に持ったのは、二挺のショートバレルガトリングショットガンだ。近距離にも対応可能な銃である。
鈴蘭灯からの催眠光は、視覚に頼っていないメルティアには効果を発揮していない。それを見て取った敵は、メルティアへの突撃を敢行する。
「ガンカタのお時間だぜ」
ギリギリまで敵を引きつけたところで、メルティアは旋回しながらの両手撃ちを開始した。
続けて、半身を捻りつつの側転撃ちに移行する。
穴だらけになった敵が、次々と砂地に転がっていった。
至近の一体に銃口を押し付け、接射でとどめを刺す。
「まだ終わりじゃないよな? もっと遊ぼうぜ」
残存している敵に向け、メルティアは上機嫌な音声を発したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
ニコリネ・ユーリカ
◎
営業車Floral Fallalに乗って現地へ
サラサさんと最短距離を結ぶ敵の射線にドリフトで割り入り
彼女に代わって車の荷台に噛み付かせる
私の相棒は固いわよ!
初撃を凌いだら彼女を車内へ避難&保護
鉄の装甲が敵の噛み付きから守ってくれる筈
助手席のダッシュボードにクッキーを隠してあるから
おやつを食べて落ち着いて、車窓を眺めて待ってて
私は車外に出てアンコ退治を
砂地は[環境耐性&地形耐性]で持ち堪え
砂の盛り上がりや渦動をよく観察して敵の動きを予測し
飛び出してきた瞬間に【Awesome!】
この環境にもきっと居る精霊に呼び掛け、シャッター棒でばちーん!
射程30cmの敵に100cmの鉄の棒で競り勝って見せるわ
●砂漠とクレリックとアンコウと花売り娘
一度、別の猟兵の操縦席から離れたサラサ。彼女に向かって、アンコウ型モンスターの牙が迫った。
「あ……!」
目を見開き、サラサは硬直する。
その時。この砂漠には似つかわしくない、花の香りを引き連れて、一台の車がサラサとモンスターとの間にドリフトで割り込んできた。牙は、頑丈な車の荷台に阻まれる。
「私の相棒は固いわよ!」
運転席で声を上げたのは、この営業車『Floral Fallal』の主、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)だ。
「乗って!」
ニコリネは助手席側のドアを開け、サラサに声を掛けた。
「……ありがとう!」
サラサは礼を言い、車に乗り込んだ。堅固な鉄の装甲に囲まれ、サラサは幾分か落ち着きを取り戻す。
「助手席のダッシュボードにクッキーを隠してあるから。おやつを食べて落ち着いて、車窓を眺めて待ってて」
ニコリネは、柔らかな口調で、スマイルを添えてサラサへと伝える。
「ええ。本当にありがとう」
再度礼を述べ、クッキーを探し始めたサラサを車内に残し、外へ。
砂漠の、肌を焼く熱に耐えながら、ニコリネは砂地に目を凝らす。
砂の、盛り上がった部分が動いている。アンコウ型モンスターが潜行しているのだ。
(「来るわね」)
ニコリネはシャッター棒をしっかりと握り締める。長さ100cmの金属棒だ。
モンスターが同時に複数体、砂から飛び出した。ニコリネに噛みつかんと、大きな口を開けて迫る。
「応えて、精霊!」
瞬間、精霊に呼びかけた。砂漠に息づく風や土の精霊がそれに応え、祈りを捧げる。
その祈りが籠もったシャッター棒を、ニコリネは思い切り振り抜いた。
ばばばばちーん、と言う音を立て、モンスターたちは一斉に吹っ飛ぶ。――『Awesome!』と言える、そんな一撃だ。
代償となったのは、花を売って得たお金。
(「商売繁盛の夢、また遠のいちゃったわね」)
ニコリネは苦く笑う。
だが、その表情に後悔の色はなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
◎
いつもクレリックのこと自分勝手に狙って、許さないよ!
サラサさん大丈夫、少し下がってて
大丈夫すぐ終わるから
重力波は砂嵐で防がれるかな、重力掛けても潜るだけだし
なら無重力にして浮かべてしまおうかな?
浮かんで動けないところを切り裂いてあげる
これより反抗を開始する
反抗の竜チタノの加護と導きを
●少女の反抗
「猟書家だか、その意志を継ぐオブリビオンだか知らないけど……」
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は呟く。
「……いつもクレリックのこと自分勝手に狙って、許さないよ!」
彼女の表情は、無表情のままだ。だが、その言葉には激しい怒りが宿っている。
「サラサさん大丈夫、少し下がってて」
後方に立つサラサへと振り向き、ニクロムは声を掛けた。それから彼女は、前方に向き直る。
「大丈夫、すぐ終わるから」
「……ええ!」
重ねられた、力強い『大丈夫』の一言に、サラサは力づけられた。言われたとおりに、大人しく下がる。
「これより反抗を開始する。反抗の竜チタノの加護と導きを」
敵を見据えて、ニクロムは言葉を口にした。
それから、『反抗の印』が埋め込まれている自身の胸に、服の上から手で触れる。
「私は明日が欲しい」
それは、ユーベルコード『キミの明日に反抗を』の詠唱である。
ニクロムの願いに応えるように、彼女に宿る守護竜チタノの霊が姿を現した。
「重力波は砂嵐で防がれるかな、重力掛けても潜るだけだし。なら……」
少し考えたニクロムは、アンコウ型モンスターの周辺の砂地を指さした。
「あの辺り一帯を、無重力に」
そのニクロムの言葉に応じたチタノの霊が、敵陣に突撃し、距離を詰めてから重力を操作した。ぷかりぷかりと、ふくれアンコくんたちが空中に浮かび始める。慌ててヒレをばたつかせても、もう動けない。
「うまくいったね。さあ、切り裂いてあげる」
ニクロムは『反抗の妖刀』を抜き放ち、砂地を蹴った。妖しい輝きを持つ刃が閃き、アンコウ型モンスターたちを次々に真っ二つにしてゆく。
妖刀を鞘に収めると同時に、ユーベルコードを解除。バラバラになったアンコウ型モンスターたちの骸が、重力を取り戻した砂地へと落下した。
ニクロムは警戒を解かず、周囲に視線を巡らせる。『七色鈴蘭のふくれアンコくん』は全滅させたが、まだ、このモンスターを差し向けた親玉が残っているのだ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『我侭王女『ベルベット』』
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POW : ベルちゃん様コレクション
いま戦っている対象に有効な【非常に珍しいマジックアイテム】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD : ベルちゃん様は魔法も凄い!
【無詠唱で何もない空間】から【膨大な魔力の込められた魔弾】を放ち、【与えたダメージ】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ : みんなの魔力はベルちゃん様のもの♪
戦闘力のない【ベルベットに囚われた祖国の亡霊達】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【消耗した魔力を亡霊達から吸い上げること】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「ティエル・ティエリエル」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●我侭王女
「なんじゃなんじゃ、お主、まだ死んでおらぬのか」
いつの間にか、砂漠に、赤いリボンと同色のドレスを身に着けた少女が立っていた。オブリビオン、我侭王女『ベルベット』だ。
その視線は、サラサへと向けられている。
「とっくにふくれアンコくんの餌になっておるはずだったのじゃが。そのふくれアンコくんは……」
にゃーん、と、ベルベットの足元で黒猫が鳴いた。
「む?」
ベルベットが黒猫に視線を落とす。黒猫は、尻尾の先で、ちょいちょいとある方向を示した。
ベルベットがそちらを見れば、アンコウ型モンスターがごろごろ転がっていた。
気絶していたり、穴だらけになっていたり、真っ二つになっていたり。殴り飛ばされて死んでいたり。
「あ゛ーーーーー!! ベルちゃん様の可愛いふくれアンコくんがー! おのれ! 猟兵、お主らの仕業じゃな! 許さんのじゃ! クレリックも猟兵も皆殺しなのじゃ!」
完全に逆ギレしたベルベットは、戦闘態勢に入る。
ユーベルコードを阻害する砂を操るモンスターは、もういない。遠距離攻撃をしても問題ないだろう。
サラサの命を狙った我侭王女との戦いが、今、始まる。
メルティア・サーゲイト
「いやぁ、酷い事する奴もいたもンだぜ。私がやったんだがな」
えらく可愛らしいのが出て来たもンだが、加減は出来ないぜ。
遠距離攻撃が解禁されたんなら遠慮なく狙い打たせてもらうぜ。基本遠距離戦仕様なんでな。
砂漠を走るなら無限軌道だろ。重戦車形態で走りながら副砲のガトリングカノンで牽制、主砲のレールキャノンで狙い打つぜ。サービスで巡航ミサイルとマイクロミサイルも付けるぜ。
あ、サラサは操縦席に保護だな。
「試しに一発撃ってみるか?」
ちょっと位ならトリガー預けてもいいかな。戦車の凄さを体験させてやるぜ。そして戦車をアルダワにも普及させるんだぜ!
●戦車
「いやぁ、酷いことする奴もいたもンだぜ。私がやったんだがな」
メルティアはさらりと述べた。
「おーぬーしー!!」
怒り心頭のベルベットは、空中に手を伸ばす。
召喚されたのは、金色の宝珠をあしらった杖である。
「その金属の体に、雷魔法をズドン! なのじゃ!」
「そう上手くいくと思うか? 教えてやるぜ、戦車の恐ろしさをなァ!」
メルティアは、超重戦車形態への変形を開始する。ユーベルコード『MODE MERKABAH』である。サラサの操縦席への保護も忘れない。
「ヒーロー変身中というやつじゃな! でもベルちゃん様は待ってあげないのじゃ!」
ベルベットは杖をメルティアに向け、雷の矢を無数に放つ。
それらは、巡航ミサイルとマイクロミサイルによって迎撃され、メルティアには届かない。
「何っ!?」
ベルベットが驚きに目を見開いた。
その瞳に映るのは、変形を終えたメルティアの、その砲口。
「えらく可愛らしいとはいえ、加減は出来ないぜ」
まず、キャタピラで砂漠を走行しながら、副砲で牽制。ベルベットの手にした杖が、木っ端微塵となった。
「遠慮なく狙い撃たせてもらうぜ」
続けて、主砲の狙いをベルベットに定め、撃つ。
ベルベットは派手に吹っ飛び、ころころと砂漠を転がった。
「うぐぐぐ、死ぬかと思ったのじゃ……」
むくりと顔を起こせば、主砲の砲口はまだベルベットに向いていた。
その頃、メルティアの操縦席では。
「すごい……!」
サラサが、初めて目の当たりにする戦車の能力に、興奮していた。
「試しに一発撃ってみるか?」
「本当に? ぜひ!」
サラサの返事を聞いたメルティアは、自らのモードを切り替える。少しだけ、トリガーをサラサに預けることを選んだのだ。
「ここを……こうかな?」
サラサの手でメルティアの主砲が発射され、再びベルベットが吹っ飛ぶ。
「すっごーい!」
「だろォ?」
感動するサラサと、自慢げな音声を発するメルティア。異世界への戦車の普及という野望に、一歩近づいた……かもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
ごめん、敢えてツッコむよ?
キミのせいでしよ!!
サラサさんにこんなヒドイことしといて自分勝手な、お仕置きだよ!
マジックアイテムなんて使わせてあげないよ
重力掛けてマジックアイテムを重くしてあげる
今度は無重力で浮かべてお尻に蹴りをお見舞いだよ!
怖い思いをしたサラサさんの分まで、おもいっきり行くよ!
●我侭の代償
「ごめん、あえてツッコむよ?」
そう前置きしてから、ニクロムは言い放った。
「キミのせいでしょ!! サラサさんにこんなヒドイことしといて、自分勝手な!」
「ふっふーん。ベルちゃん様は、なーんにも悪くないのじゃー」
ベルベットは、知らん顔をしてニクロムの言葉を受け流す。それから空中に手を伸ばすと、一振りの剣が召喚された。
「竜殺しの魔剣なのじゃ! お主からは竜の気配がするからの、これで叩き切ってやるのじゃ!」
「使わせてあげないよ」
ニクロムが言った途端、その魔剣は、唐突に重さを増した。
ユーベルコード『意思決定はキミの中に』により、守護竜チタノの加護である重力の力を行使したのだ。
「なぬっ!?」
とっさに支えることができず、魔剣はベルベットの手からこぼれ落ちる。
重くなった剣の柄の部分が、ベルベットの足の小指を強打した。
「……~~~!!」
ベルベットは涙目でうずくまる。
重くなった魔剣は扱えそうにないし、足の小指はものすごく痛い。踏んだり蹴ったりである。
そのベルベットの体が、ふわりと宙に浮いた。辺りには、水晶の雨が降っている。
「な、何をする気じゃ!」
ベルベットは空中で手足をじたばたさせるが、思うように動けない。
「お仕置きだよ。怖い思いをしたサラサさんの分まで、思いっきり行くよ!」
ニクロムは答えて、宙に浮いた状態のベルベットへと近づく。
どんなに痛い思いをしても、ベルベットが改心することは決してない。
たとえそうであっても、他者を傷つけて平気でいるような我侭王女には、お仕置きが必要だ、と。ニクロムは、きっとそう考えたのだろう。
「ま、待つのじゃ!」
「待たないよ!」
全力で、ニクロムはベルベットのお尻に蹴りを見舞った。
ベシーン、という激しい音が、砂漠に響き渡る。
「みっぎゃああああ!!」
ベルベットの悲鳴が、その後に続いた。
大成功
🔵🔵🔵
ニコリネ・ユーリカ
◎
ね、ね、サラサさん
強引に連れ去って「まだ死んでないのか」って
あの子ったらおイタが過ぎると思わない?
我侭王女様を懲らしめられる存在……
そう、例えば「王女の教育係」になって仕置いたらどうかしら
どうぞ私に命令して下さいな
彼女の我儘に命を翻弄された貴女だからこそ私に力を与えられる
コワーイ女中頭になれって言って頂戴!
【Fair Lady N】で厳格なメイドにへんしーん!
各種耐性をエキスパートレベルにした私には魔弾も唯のゴム弾
サラサさんの盾となりつつずんずん前に
凄味をもって王女へ接近(コォォオオオ……ッ
捕まえたら可愛いドレスを捲ってお尻ペンペンよ!!
サラサさんの分まで、泣くまで叩いちゃうんだから(くわっ
●こわいおしおき
「ね、ね、サラサさん」
ニコリネは、サラサへと声を掛ける。
「強引に連れ去って『まだ死んでないのか』って。あの子ったらおイタが過ぎると思わない?」
「……ええ、ええ。本当にそう思う!」
はっきりと、サラサは言い切る。
「我侭王女様を懲らしめられる存在……そう、例えば『王女の教育係』になってお仕置きしたらどうかしら」
「うん、すっごく良いと思うよ……!」
サラサの返事を聞いたニコリネは、ふわりと柔らかく微笑んだ。
「どうぞ私に命令してくださいな。彼女の我侭に命を翻弄された貴女だからこそ、私に力を与えられる」
ユーベルコード『Fair Lady N』の発動条件は、他者からの命令を承諾すること。それゆえに、ニコリネはサラサに『命令』を求めた。
「コワーイ女中頭になれって言って頂戴!」
「分かったよ。コワーイ女中頭になって、あの子にお仕置きしちゃって!」
「ええ!」
ニコリネが纏う服が、丈の長いクラシカルなメイド服へと変じる。
「姿が変わったから何なのじゃ! ベルちゃん様の魔法の前にひれ伏すのじゃ!」
無詠唱で、ベルベットは魔弾をニコリネへと撃つ。
膨大な魔力が籠もったその弾は、ニコリネが腕を一振りするだけで、たちまち霧散した。
「こんなの、唯のゴム弾も同然ね」
「な、なんじゃと……!?」
目を丸く見開いたベルベットに向かって、一歩、また一歩とニコリネは歩み寄る。サラサの盾になりながら、ずんずんと。
――コォォオオオ……ッ。
ニコリネの呼吸音が大きく響く。菫色の瞳を爛々と輝かせる彼女を前に、ベルベットは恐怖で硬直した。
「ひっ……こ、来ないで欲しいのじゃ」
「お断り!」
ベルベットを捕まえたニコリネは、ベルベットのドレスをまくって、お尻ペンペンを開始した。
「みぎゃっ! うぎゃっ! や、やめるのじゃ!」
「だーめ」
くわっと鬼の形相になったニコリネが、こう告げた。
「サラサさんの分まで、泣くまで叩いちゃうんだから」
「か、勘弁して欲しいのじゃー!!」
大成功
🔵🔵🔵
七瀬・夏希
オブリビオンということは、貴方のオリジナルはその若さで亡くなったのかしらね。
そのことには同情もするけど、オブリビオンである今の貴方に同情する余地は欠片もないわね。
敵がアイテムを召喚したならば、早業で撃ち落とす。
続けて両足を撃ち抜き、動きを止めてから、糸で身体を縛る。
他の人達に随分とお仕置きされたみたいね。
だけど、彼女や私達を殺そうとした貴方がお仕置きだけで済むなんて思っていないわよね?
今から貴方の手を、足を、身体を、頭を撃ち抜いてあげる。
身体を化け物に食われるのと同じだけの痛みを味わいながら骸の海に還りなさい。
貴方なりの破邪の言葉、存分にこの地に響かせるといいわ。
UC指定:先制攻撃
●報い
「オブリビオンということは、貴方のオリジナルはその若さで亡くなったのかしらね。そのことには同情もするけど……」
七瀬・夏希(UDC-SWAT・f29827)は、『秘装銃』をベルベットに向けた。拳銃型の神器である。
「オブリビオンである今の貴方に同情する余地は欠片もないわね」
早業でトリガーが引かれる。乾いた銃声が響き、ベルベットの手元に召喚されたオーブが砕け散った。
ユーベルコードで、強化人間としての身体能力を解放した夏希の、先制攻撃だ。
「な――」
文句でも言おうとしたのか、ベルベットが口を開く。その時には、続けて放たれた銃弾が、彼女の両足を撃ち抜いていた。
ベルベットが悲鳴を上げるよりも早く、鋼糸型の神器『秘装糸』を、夏希はベルベットの体に巻き付かせ、捕縛する。
砂地に転がったベルベットを、夏希は見下ろした。
「他の人たちに随分とお仕置きされたみたいね。だけど、彼女や私たちを殺そうとした貴方が、お仕置きだけで済むなんて、思っていないわよね?」
問いかけるように、夏希は言う。
「……お仕置きされるのだっておかしいのじゃ! だって、この世の全ては、みーんな、ベルちゃん様の思い通りになるのが当然なのじゃ!」
「そう」
相手の答えは、夏希にとって重要ではない。これからすることは同じなのだから。
「今から貴方の手を、足を、身体を、頭を撃ち抜いてあげる」
「……え」
「身体を化け物に食われるのと同じだけの痛みを味わいながら、骸の海に還りなさい」
「……い、嫌なのじゃ」
ベルベットは首を横に振るが、先刻の言葉どおり、夏希は一切同情しない。
「貴方なりの破邪の言葉、存分にこの地に響かせるといいわ」
銃口をベルベットに向けた夏希は、繰り返し、引き金を引く。
「ひぐ、うあ、うぐっ……うああーっ!!」
そのたびに小さな身体を跳ねさせたベルベットは、甲高い叫びを上げ、絶命した。
こうして、クレリックであるサラサの命は守られた。
「……本当に、本当にありがとう!」
猟兵たちへと、サラサは頭を下げた。
尽きようとしていた、彼女の命の砂時計。その運命を変えたのは、他ならぬ猟兵たちなのである。
大成功
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