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夜桜の下には猟兵が転がっている

#キマイラフューチャー #【Q】 #旅団

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「皆様準備はいいですねー?」
 UDCアースとか、その辺にあるてきとーな公園、その一角。寒い地域なのか残雪が月光を照り返す、満開の桜の下でレジャーシートを広げた大神・狼煙(餓狼・f06108)は集まった猟兵達に紙コップを配る。
「本日はお日柄も良く、見事なお花見日和となりました。存分に見て、盛大に食べて、ご近所迷惑にならないよう程々に騒ぎましょう」
 などと、飲み物と団子を並べる狼煙だが……常連客は知っている。こいつの店の珈琲は非常に不安定であり、店主自らそれを意図的にランダム化していると。そんな輩が、果たしてまともに花見の準備をしようか、いやすまい。
「はてさて誰が当たりを引きますかね……」
 ほら見ろ、案の定何かしてやがる!具体的には団子に仕込みがある。
 お花見につきものな三色団子。薄紅、白、緑の組み合わせで知られるこれだが……。
「ゴフゥ!?」
 突如猟兵の一人が倒れた。指先には雪をなぞって遺したらしい「辛いんだけど!?」のダウニングメッセージ(死んでないからダイイングではない)が。
「ふふふ、三色団子はそれぞれ赤、白、緑。この三色に合わせて唐辛子味、辛子味、山葵味のお団子を混ぜてあります……しかも、ランダムに」
 これはあれだ、ピンクの団子が美味しいからって油断してたら山葵で撃沈したとか、そういうのがおこりうるやつだ。
「それでは皆様、お団子は沢山ありますからどんどん召し上がってくださいね?」
 なお、食べないとか逃げるって選択肢はない。だってほら、せっかく綺麗な雪月花。これを見ない、見ても団子を食べない、なんてもったいないでしょう?


久澄零太
つーわけでお花見だ野郎ども!!

現場にはやべー団子の山!

これを食べたらお弁当が出てくるぞ!!

執筆予定は15日だから、14日深夜までにプレを出す事!

なお、店長は呼ばなければ胡散臭い微笑みを浮かべて見守ってるぞ!
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第1章 冒険 『ライブ!ライブ!ライブ!』

POW   :    肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!

SPD   :    器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!

WIZ   :    知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!

👑1
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

濱城・優茂
まーたとんでもないメニュー出してきおった……。
ところでお茶はあるんやろ?無いなら緑茶を急須ごと持参するで?
今回の戦法はな、団子一玉ずつ食べてその度にお茶すするねん。新鮮な茶葉やから中身が辛かろうが甘かろうがお茶とセットで展開的にも「美味しく」頂けるって寸法や。辛くてもお茶でお茶を濁すんや。
辛い時に飲み物飲んだらあかん気もするけどな。
というわけで最低5串は食べておこか。2串目辺りで辛かった場合?お茶飲んでから再チャレンジすればええねん!!(お茶強調)
イケたら20串まで食べてみるか。緑茶頼んだで、マジで。
飲み頃の熱さを保たな……!


ノイン・フィーバー
フ。よい景色ですネ? 極寒ということを除けば!!!(ガクガクしている、と見せかけてただのロボットダンスである)
適当にマジック余興してる

・「当たり」を引いた場合
画面がパリィンと砕けて爆炎を上げ、皆さんに温かさをプレゼント
そして一時的に溶けた雪がきらめきと共に雪月花を彩る
そして空に輝くTV顔
「バーバラサン、田吾作サン、免停院……今行きますヨ……。知らない人ですけド」

その後アフロヘアーになってUCでさりげなく誰かの隣に戻って宴会を楽しむ

・おいしい場合
「うーまーいーぞー!」
と言いながら画面の向こう側でAGI王さんがリアクションをしている
AGI王さんとか私知らないんですけド、この番組どこのでしょネ?


アリス・トゥジュルクラルテ
魔力暴走、する、かも、なので、皆、から、少し、離れて、お花見、する、です

わあ、綺麗…!雪月花、初めて!
ロクローくんも、興味、ない、言わず、来れば、よかった、のに…
そうだ!スマホ、写真、撮る、できる、はず
どうにか、撮る、して、お姉ちゃんに、送る、です

あ、狼煙さん!お団子、です?
…それ、食べる、して、倒れる、人、いた、です、よね?
辛い、聞こえた、ですよ
アリス、辛いの、苦手、です…
…せっかく、作る、して、くれた、から、食べる、です
辛い、ない、だったら、味わう、です
辛い、だったら、涙目で、食べきる、です
お弁当で、口直し、です…!

アリスは、綺麗な、雪月花を、狼煙さんと、見る、できた、だけで、十分、なのに


ニーグラート・ジズ
うーん満開。
こんな日にはお団子食べるのがセオリーだよねー。ってなわけで、ぜーんぶ食べちゃお。

おかわりがあったらちょーだい!(自分はハズレを引かないとしか思っていないドラゴン)
(パクッ)ホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!


地鉛・要
まーた凄いもんを良いしてきたなぁ……それくらいの辛さかは知らんが、苦手なの山葵だけだし取り合えず感で避けて、適当な人に食わせるか。山葵だけとか唐辛子だけとかで集めて誰かに食わせるのも良いかも……
具体的に言うとこの団子の製作者の口とかに早業で突っ込むとか

しっかし、きれいな桜よなー。そして綺麗な桜の下には死体が埋まってるって言うが……現在進行形で増えてるって言うか……すぐ復活するだろうし養分にはなさそうだが

花見酒と行きたいけど、強い酒飲めないし……この状態で酒入れたら死屍累々がもっと酷くなりそうだから取り合えずソフドリで。



「わあ、綺麗……!雪月花、初めて!」
 兎の耳と長い髪を揺らし、少女は歌うように囀り、踊るようにクルクル回る。視界一杯に広がる薄紅と、それを浮き彫りに輝く月光。瞬く星々の風景画を切り取ろうとスマホを構えれば、少しだけ眉根を寄せて。
「ロクローくんも、興味、ない、言わず、来れば、よかった、のに……」
 画面に表示されるガイドに従い、拙い手つきで写真を残せば、それを姉と繋がる連絡アプリに送り出した。未だ寒さ残る残雪の月下、照らし出される桜花に包まれ、跳ねる兎に月面を思えばテレヴィジョンヘッドが笑う。
「フ。よい景色ですネ?極寒ということを除けば!」
 ガタガタガタガタ……某タンスの妖精の如く振動するノインはマナーモード状態。体がぶれっぶれになって二重に見えるほど凍えて……と思いきや、左右のノインが異なるポーズをとっている辺り、そういうダンスなのだろう。
「うーん満開」
 そんなノイン渾身のマシンダンスを完全スルーしていくのがこちら、食欲の権化ことニーグラートさんです。
「こんな日にはお団子食べるのがセオリーだよねー。ってなわけで、ぜーんぶ食べちゃお」
「えっ」
 店主が止める間もなく、ピンクドラゴンは団子をバクゥ!もっちゃもっちゃ……。
「ホアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!」
 ビィイイイインッム!団子を頬張ったニーグラートは目と口から閃光を噴き出し、地上の花火と散った!!
「まーたとんでもないメニュー出してきおった……」
 爆ぜたニーグラートは爆薬団子の犠牲になったのだろう、と察した優茂は遠い目で店主こと狼煙を見遣るが。
「やだなぁ、三種類の激辛団子が混ざってるだけですよ?」
「結局とんでもないやんけ!?猟兵が吹き飛ぶ辛さって相当やで!?」
 身の危険を感じた優茂であるが、その辺は年の功というのだろうか。
「こんなこともあろうかと、お茶持ってきておいて正解やったわ……」
「飲み物もありますけど……」
「どうせ最近出た爆ぜるコーヒーやろ!?」
 こいつ危機回避能力高いな……。
「今回の戦法はな、団子一玉ずつ食べてその度にお茶すするねん。新鮮な茶葉やから中身が辛かろうが甘かろうがお茶とセットで展開的にも『美味しく』頂けるって寸法や。辛くてもお茶でお茶を濁すんや。辛い時に飲み物飲んだらあかん気もするけどな」
「ナルホド……これが前振りというやつですネ」
 この流れに乗るしかねぇ!と言わんばかりに、ノインは自分の画面の中に手を突っこむと、魔法瓶を取り出して。
「それではワタシ、紅茶で参戦いたしまショウ!」
「あ、狼煙さん!お団子、です?アリス、ほうじ茶持って来て……」
 写真を撮り終えたアリスがレジャーシートに駆け寄りつつ、荷物から水筒を取り出したが、その際に花弁の絨毯と一体化したピンク髪のドラゴンが視界に入る。
「……それ、食べる、して、倒れる、人、いた、です、よね?辛い、聞こえた、ですよ?アリス、辛いの、苦手、です……」
 遠くにいたし、聞き間違いだったらいいなー……そんな少女の希望は桜と共に散ったのである。
「まーた凄いもんを用意してきたなぁ……どれくらいの辛さかは知らんが、苦手なの山葵だけだし、取り合えず勘で避けて適当な人に食わせるか。山葵だけとか唐辛子だけとかで集めて誰かに食わせるのも良いかも……」
 じとー、日ごろから無表情の為分かりにくいが、ねっとりした視線の要が狼煙を見つめて。
「具体的に言うとこの団子の製作者の口とかに早業で突っ込むとか」
「やめてくださいよ、あなた勢い余って眼鏡カチ割るでしょう!?」
「はっはっは、やだなぁ。それ確か割るとヤバい眼鏡なんだろう?アイアンクロ―するだけだって」
「もはや団子関係ねぇ!?」
 謎のショートコントを挟み、懐に手を突っこむ要はボトルを取り出し。
「ちなみに俺は豆乳きなこラテ」
 まるでこんなオチを想定していたかのような、辛味回避ドリンクである。
「さて、ほんなら最低五本は食ったろか。速攻で当たってしもても、お茶飲んで再チャレンジすればええねん!!」
 やたらお茶を強調する優茂。彼は自分に言い聞かせているのかもしれない、お茶さえあれば大丈夫なのだと……。
「なーに、こういう時はビビっても全然当たらへんくて、逆に困るやつやったりするもんや」
「ありますネ……途中経過をカットして、油断していた二、三本目で当たったかのように編集するのも大切なお仕事デス」
 死亡フラグを建築する優茂の傍ら、スマイリー画面なノインもHAHAHA。猟兵達が団子を口にした瞬間、ノインが全身から閃光を放つ!
「うーまーいーぞー!」
 詳細を書くと方々から怒られそうなので大雑把に説明すると、着物着た厳格そうなおっさんの幻影を背景にして口(ていうか画面?)から夜空めがけて光学兵器をぶっ放すノイン。どうやら彼ははずれだったらしい。
「もっちりした食感の中にお米たるデンプンが持つほのかな甘みが引き立たされ、わずかに練り込まれた桜の香りが……って、ワタシの背後霊サンが言っているのですが、あのリアクション芸人さんどなたでしょう?」
 深入りするんじゃねぇ、見えざる圧力に消されるぞ……!
「もちもち……甘い、して、美味しい、です!」
「本当、真面目にやれば食えるものが出てくるのになぁ……」
 アリスと要も咀嚼しながらコメントを残す一方、沈黙の猟兵が一名。
「……ッ!」
 持ってきた急須に手を伸ばすも、わずかに届かず力尽きた優茂さんです。
「きゅっ!?」
「ハイ、新鮮なお茶デスヨ」
 新たな犠牲者を前にアリスが身を縮こませる一方、ノインがお茶を差し出せば一気に飲み干す優茂であったものの、辛さでやられた口の中に熱い物なんか入れたら。
「あびゃぁああああああ!?」
 まぁ、そうなるな。
「なんでや……なんで僕だけ一個目から激辛やねん……」
 まさかの初回で当たってしまった優茂、撃沈。
「……おい、これ本当に大丈夫なんだろうな?」
 痙攣しながら白目向いてる優茂を前に、要が確認を取ると狼煙はサムズアップ。
「ちゃんと食品のみで作ってますし、彼の場合はお茶飲んで回復しようとして、自らトドメを刺してしまっただけですからもーまんたい」
「お茶がトドメになる時点で相当危険なお団子じゃないですかネ……?」
 ノインの中の人(真っ白少女)も疑問符を浮かべていたが、細かい事は気にしてはいけない。
「辛い、ありません、ように……!」
 もきゅっ!意を決して二個目を頬張るアリス。口いっぱいに広がったのは……。
「酸っぱい、です!?」
「ほう、レモンピールにゴールドキウイとオレンジを合わせてきたか……」
 噛みしめるたびに広がるフルーティーな甘酸っぱさに、要はふと思う。危険な団子は三種類。優茂は紅の団子でやられた。ということは、残りの白と緑に一個ずつ辛い物が混ざっていてもおかしくはない。
「で、俺とアリスが無事って事は……」
 ちらと視線を滑らせると、画面に爆弾が表示されて導火線が瞬く間に消費されていくノイン。
「バーバラサン、田吾作サン、免停院……今行きますヨ……」
 導火線が尽きた瞬間、チュドーン!!テレビヘッドが大爆発を起こして画面がパリィン!倒れた体は「練りからしは冷やし中華と春巻きに限る」のダウニングメッセージを遺して、夜空にはノイン座を描く星が瞬き。
「知らない人達ですケドネ……」
「いや何故呼んだし」
 などとツッコミを入れた要の傍ら、アリスは遺体を指さし数えて。
「三種類、辛い、あって、倒れてる、人、三人、ですから……」
「もう出し切ったよな」
 残りは緑の団子。純粋に辛いのが苦手なアリスと、山葵が不得意な要。二人が安堵して口に含めば。
「あ、これ失敗したな」
 要がぼやく。口に広がるのは青臭い独特の旨味。草団子の生地の中に漉し餡が包まれており、不思議な苦味と草の爽やかな香りの中、刺激的なほどに濃厚な甘みが攻め入ってくる。
「変にラテに逃げず、俺もお茶にするべきだったか」
 などと飲み物をずぞー、していると。
「きゅ……きゅぅ……ッ!?」
 こてん、アリスが力尽きた。
「!?」
 表情は一切変わっていないが、驚愕に飲み込まれた要が狼煙とニーグラートを交互に見る。
「え、まさか激辛団子って三個じゃないのか?」
「三つだけですよ?」
「あー、私がノリで爆発しちゃったから誤解させたかも?」
 むくっ、ニーグラートが起き上がった!
「お前、生きてたのか……」
「うん、ある程度食べたらこうやって爆ぜて、お腹を空かせてまた美味しい物たべるんだー。というわけでおかわりちょーだい!」
 両手を出して「ぷりーずみー!」なニーグラートに重箱ごと団子を渡す狼煙も、まさかの事態に額を拭う。
「いやー、恐ろしいお団子でしたね」
「それお前が言っちゃダメだろ……!」
「きゃ……きゃらひ、れふ……」
 山葵に致命傷を負ったアリスが呂律の回らぬ舌で辛味に必死に耐えつつ、山葵団子をちまちま食べ進めていると狼煙がコーラを取り出して。
「はいこれ」
「きゅ……?」
 何故団子に炭酸ジュースなんだろう、と思うアリスが口にすれば。
「あ、辛い、ない、したです」
「結構キツめに作ってますから、ちゃんと当たった人ように救済措置をですね?」
「それなんで僕にはくれへんかったん!?」
 復帰した優茂から、そっと狼煙が目を逸らし。
「お茶に絶対の信頼を寄せてましたから、言い出しにくくて……フィーバー氏はフィーバー氏で爆ぜちゃったし……」
「まぁ、辛い時は爆発オチが定番でスシお寿司お察しのお弁当デスネ」
「ぅお!?」
 いつの間にか蘇ったノインはアフロヴィジョンヘッド。要の横で本日のお弁当、稲荷寿司をむぐむぐしつつ。
「砂糖醤油が染みて甘い油揚げの中に、ゴマと生姜の混ざったご飯が甘辛に仕上がり、う……」
「二回目は撃たせねぇぞ!?」
 近所迷惑を懸念して、ノインに暗幕を被せる狼煙だったが、シンとしたため取り除いたらアリスになっており。
「きゅ?きゅ!?」
「ててーん、でございマス」
 突如巻き込まれて困惑する彼女の後ろで、ノインが両手を広げてY字アピール……しかし、何故か少しずつ光り始め。
「あ、これ双葉さんと同じパタ……」
 チュドーン!!
「本日二回目かな?」
 爆風で舞い踊る花弁を眺めて、ニーグラートが稲荷寿司をがさー。重箱を傾けて一気に口に頬張りつつ、ハムスターフェイスでもっぐもっぐ。
「きゅ!?きゅっ!?」
 おろおろし始めるアリスだが、要は遠くを見つめて。
「気にするな、いつものことだ」
「いつも、です!?」
 何かの拍子に『巻き込んで』しまうかもしれない、とちょっと距離を取るよう心掛けていたアリス。しかし、あの店に集うメンツは爆発だの魔力暴走だの、その程度で驚くほどヤワなメンツではない。
「いつも……」
 じゃあ気にしなくていいんだなって心が軽くなる反面、みんな危険と隣り合わせなのかな?という不安に挟まれるアリス。悩み始めた彼女を横目に、要は桜の向こうの月を見る。
「しっかし、きれいな桜よなー。そして綺麗な桜の下には死体が埋まってるって言うが……現在進行形で増えてるって言うか……すぐ復活するだろうし養分にはならなそうだが」
「えっ」
 画面に『肥料』の文字を浮かべて、肩まで土に埋まっていたノインがにょきにょき、筍風に帰ってきた。
「芸人なのか奇怪な機械なのか分からん人やなぁ……」
「あなたもこうなるんですよ……」
「嫌やー!?僕は真っ当な人間なんやー!!」
 狼煙が『ネタ枠』って書かれたプラカードを手に手招きすれば、優茂はドン引きするものの。
「お弁当食べちゃうよー?」
「おっと、なくなる前に……もうほとんどないやん!?」
 大半を平らげたニーグラートに全て食われる前に腰を下ろした。
「アリスは、綺麗な、雪月花を、狼煙さんと、見る、できた、だけで、十分、なのに」
 頭上には花が咲き乱れ、目の前には会話の華が咲く。騒々しくて、ちょっぴり怖いけれど。
「……」
 その想いを、少女はそっと抱きしめるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月15日


挿絵イラスト