【猟】ジャングルの林檎にご用心
●フェアリーランドの危機
ユーベルコード『フェアリーランド』とは、フェアリー達が作り出した小さな壺に触れた抵抗しない者を壺の中に出来上がった世界へと吸い込む力を持っている。
そして、その世界は使い手のフェアリーによって様々な姿を見せるため、壺を一見するだけではフェアリーランドの中身はわからない。
植物収集家なフェアリー、フィトは大変困っていた。
彼は世界に散らばる珍しい植物を大事に保存するために、フェアリーランドの壺の中の世界に詰め込むのが趣味。
今日もまた、アックス&ウィザーズの世界で見つけた物珍しい林檎の樹を吸い込んだまではよかったのだが、その直後にフェアリーランドの壺を消去することができなくなってしまった。
まだ未熟なフィトはフェアリーランドの効果が持続するだけで大変危険。そのため、早々に壺を消去しなければならないのだが、どうしても消えなくて困っていた。
「このまま壺が残り続けてたら、最悪の場合死ぬのか、僕は……」
大好きな植物収集が出来なくなってしまうのはもちろんだし、まだ見ぬ謎の植物を発見出来ていないのが一番の心残りなフィト。
誰かに助けてほしいと願いながらも、彼は草原で寝転んで……助けが来るのを待った。
フェアリーランドを継続して出している中、胸の苦しみと死への恐怖を感じながらも、フィトはふと思い出したことを口にする。
「……そういや壺の中身最近覗いてないから……予想が正しければ、ジャングルなんだよなぁ……」
……とんでもない台詞が、最後にアックス&ウィザーズの空気の中に溶けた。
●森とジャングルは紙一重
「アックス&ウィザーズにて……猟書家の遺志を継いだやつが現れたらしいぞー……」
大きくあくびをしながら猟兵達の前に現れた土屋・サトル(《怠惰の盾》[スロウス・シルト]・f29993)。今回はアックス&ウィザーズでの事件らしく、予知の詳細を伝えた。
猟書家レプ・ス・カムの意志を継いだオブリビオンがユーベルコード『フェアリーランド』の世界へと潜り込んで天上界到達の鍵を探し始めている。
オブリビオンはその身が植物であることと植物収集家であるフィトの趣味を逆手に取り、巧妙に隠れているという。
しかもフィトの言葉が正しければ壺の世界はジャングルとなっており、更にはオブリビオンの存在が災いして悪夢が現れるかもしれないというのがサトルの考えだ。
「俺の見たものが正しければ、オブリビオンは……多分、林檎だ。だから林檎の樹を探せばいいんだろうけど……行き先は、ジャングルなので……はい」
そこから先は自分達で木々をかき分けて探してくれ、と申し訳無さそうに伝える。
サトルも予想出来ないほどのジャングル地帯のフェアリーランドらしく、予知でもそこまでは確認が取れなかったので現地で調査をしてくれ、とのこと。
「すまん。……が、これも世界のためだ。よろしく頼むぞ……」
両手を合わせて謝りつつも、サトルは猟兵達を戦場へ送り出す。
……小さな壺の中の大きなジャングルというパワーワード溢れる戦場へ……。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
猟書家シナリオです。そろそろ猟書家シナやりたくなりました。
タイトルの小ネタに気づいた人は僕と握手。
こちらのシナリオは2章構成となっております。
プレイングボーナスは「フェアリーに楽しいことを考えてもらう」ことです。
●注意事項
4/5 8:31~ 受付開始となります。
受付日以前のプレイングは全てお返ししますのでご了承ください。
また初めての方はMSページを読んでいただきたく思います。
●フィトについて
ユーベルコード『フェアリーランド』を使った本人です。
植物収集家で、珍しいと思った植物は何でもかんでもフェアリーランドにぶち込んで鑑賞する趣味を持っています。なおランド内ジャングル化は予想外だそうです。
ユーベルコードの使用を止められず、現在は衰弱し続けています。
フェアリーランド内へ連れて行くことは可能ですが、衰弱し続けているのであまり激しい動きは出来ません。
●第一章:冒険シナリオ
ジャングルと化したフェアリーランドを冒険します。
ランド内は悪夢になっており、プレイングに記載がある場合はそれが具現化します。
ボーナスが入るとちょっとだけ楽しい感じのジャングルになります。
●第二章:ボス戦シナリオ
猟書家の意志を継いだオブリビオン「不和の林檎」との戦いです。
ぺかーって光ってます。フィトが光る林檎として収集したようです。
その他事項は二章開始時にて。
皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
第1章 冒険
『ジャングルの迷宮』
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POW : 己の力を信じて前へと突き進む。地道な一歩が確実な成功へと繋がる。
SPD : 木を倒して橋を作ったり、ツルからツルへと移動したり。周囲のものを利用する。
WIZ : 鳥の声や獣の足跡、草木に小川、周囲の情報を集めて効率の良い道を探る。
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
珍しい植物、良いですね。専門家というわけではありませんが、それでもやはり心は踊るものです。
UDCアースから、繁殖力が弱めな花の種をいくつか持ち込みましょう。
「壺が正常に戻ったら、中で育ててみて下さい。きっと綺麗な花が咲きますよ」
林檎の木の特徴を伺い、ついでに植物のサンプルの採集許可を頂きましょう。
ジャングルでは土・木属性の触手を組み合わせ、センサーのように情報収集して林檎の木を探します。傷つけない程度に、道沿いの植物のサンプルも収集しましょう。薬になりそうなものがあると良いですね。寄り道はほどほどにして、足場が悪ければ空中浮遊で浮かびつつ目的の木も探しましょうか。
●興味とは、何者にでもあるもの。
ジャングルと化したフェアリーランドに足を踏み入れる青年の姿。名を水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)―――の多重人格の中の1つ、ロキ。彼は周囲の状況を確認すると、どことなくやってくる興味に心を踊らせていた。
「珍しい植物、いいですね。私は専門家ではないのでそこまで詳しいわけではないのですが……」
周囲と葉と似たような色をした瞳は、珍しさで集まった植物達を見据える。
フィトが壺の中に集めた植物は手入れがされていない故に、無尽蔵に伸び続けてジャングルを生成し続けている。今もなお成長速度の早い植物は、フィトの心の弱さが生み出した悪夢となってロキを取り囲むように伸び続けていた。
「あらら、流石に長居は禁物ですね」
足場が悪く、歩いて探すのは少々時間がかかる。ロキは少しだけ空中浮遊で飛び交いながら辺りを見渡し、フィトに件のオブリビオンを吸い込んだ話を聞いてみることに。
「直近で吸い込んだのは……光ってる林檎だったかな。真っ黒な木に生ってるんだ」
「真っ黒な木に光る林檎ですか……。それは何とも不可思議ですね」
「うん。でも、その直後に壺が消えなくって」
「心中お察しします。……あ、そうだ」
ロキはゴソゴソとポケットを探り、UDCアースから持ち込んだ比較的繁殖力の少ない花の種を差し出した。今回の任務ではフィトに楽しいことを考えてもらうにはどうしたら良いかと考え、植物が好きならば別の世界の花の種を渡してみようと考えついたようだ。
「こちら、この世界ではあまり見かけない花の種です。壺の中が正常に戻ったら、中で育ててみてください」
「えっ、いいのか! うわぁ、どんな花が咲くんだろう……!」
「きっと綺麗な花が咲きますよ。ああ、でもこの辺りの植物が強かったら成長が難しいかもしれませんので、ちょっとサンプル採集してもよろしいですか?」
「いいよ。悪影響があったら困るし、なんなら使えそうな植物があったら持っていっていいよ」
「ありがとうございます。では、有効活用させていただきますね」
フィトから許可をもらい、ユーベルコード『触手式魔導兵器-シンフォニア』を発動させて周囲の調査を行うことにしたロキ。フィトの言う光る林檎、黒い木という情報を元に土属性と木属性の触手をセンサーのように動かし、ついでにいくつかの道沿いの植物のサンプルも採集しておいた。
先程渡した種がどんな花をつけるのかが楽しみなフィトの心情が、少しずつフェアリーランドの情景が明るくし始めた。採集調査をしているロキにもその様子ははっきりと見えており、黒い木を探すにはうってつけの光景へと切り替わっていた。
「よかった。これで、探すことに集中できそうです」
そうして少量ずつ集めたサンプルを懐にしまい込みながら、ロキは様々な植物に興味を惹かれながらも、懸命に探す。
黒い木に生った光る林檎というオブリビオン。その存在自体もまた、彼の知的好奇心によく響いているのだから……。
成功
🔵🔵🔴
シン・クレスケンス
【SPD】
心情/フィトさんの探究心は僕も何となく分かります。
微力ながら解決に尽力させていただきますよ。
解決の暁には、ランド内を整備したらさぞかし素敵な庭園になることでしょう
闇色の狼の姿のUDC「ツキ」と梟の姿の精霊「ノクス」を伴って、中へ
UDCアース以外では魔術に使う植物の知識くらいしか無いですが、ここの植物はかなり興味深いですね。
傍らのツキが「何だこりゃ」と絡み付いてくる蔦を噛みちぎってますが、近付き過ぎては危険なものもありそうですね。注意を払って観察しましょう
UC【異界の剣】は戦闘に使えるだけでは無いんですよ。
道を切り開くのにも活用出来ます。
収集物を傷付けるのは忍びないので、最小限で捜索を
●最小限に道を切り開く。
オブリビオンの介入によって閉じることが出来なくなったフェアリーランドに、また1人足を踏み入れる。
シン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は辺りを注意深く観察しつつ、闇色狼のUDC『ツキ』と梟の精霊『ノクス』と共に件のオブリビオンを探していた。
「フィトさんの探究心は僕もなんとなくわかりますよ。解決の暁には、ランド内を整備したらさぞかし素敵な庭園になることでしょうね」
「そ、そうかな。終わったら、手入れして綺麗な庭園にするのも、アリかな?」
「ええ、そうですね。そこはフィトさんの好みの問題でもありますけれど、きっと素敵な庭園になると思います」
フィトを褒め、今後のことを話し合ったところでシンは周囲をもう一度見る。
辺りはシンを取り囲むように、様々な植物が蠢いている。しかし好奇心のみで集められた故に植物達の蠢く先については全く何も想定されておらず、植物達は鞄にそのまま突っ込んだイヤホンコードの絡まり具合となってしまっている。
シンはその光景に興味を示していた。植物の伸びる理由は何なのか、成長速度はどのように変化するのか……等といった好奇心が少しだけ湧き上がっている。
……が、一緒に散策していたツキが絡みつく蔦を噛みちぎっているのを見て、普通に危険な植物も一緒に吸い込まれている事に気づいた。なるべく近づきすぎないように、注意深く観察しつつ件のオブリビオンを探していたのだが……。
「……おや」
絡まりに絡まった蔦の壁がシン達の行く手を阻む。どうやらシン達がフェアリーランド内を冒険していることに気づいた植物達が、彼らを危険分子だと判断し始め、その先へと進ませないように簡易的な壁を作り出しているようだ。
流石に先に進めない状態だと件のオブリビオンを討伐することはおろか、フェアリーランドを使い続けているフィトの命だって危険に晒され続けてしまう。どうしたものかと悩み、シンが出した答えは道を切り開くことだった。
「混沌よ、我が命に従い、立ち塞がりしモノを断て!!」
ユーベルコード『異界の剣の召喚』を使い、呼び出した闇色の武器で蔦の壁を取り除いて先へ進む。流石にこれだけ集めた苦労を全て水の泡にするのは忍びないため、出来る限り武器で取り払うのは最小限に抑えた。
ツキとノクスもまた、シンの行動の意味を理解したのだろう。植物を取り払うのは邪魔をされたときだけだと覚え、シンから付かず離れずの距離を調査してくれた。
「……うーん、もう少し歩く必要がありそうですね?」
まだまだ先は長そうだと、シンは肩を竦める。だいぶ歩いてはいるのだが、まだまだ見つかる様子はない。
闇色の武器を軽く芝刈り機のように扱いながら、シンはオブリビオンを探し続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
いやあすげえな、よくここまで集めたな。
探究心云々は俺にはわからねえがあんたの努力はよくわかった。
とりあえずそうだな、弱っちまってるなら移動するのも辛いだろうし、まずは【指定UC】でハムスターを2匹ぐらい呼bあだだだだだ噛むな噛むな頭を噛むな!!
いいかお前ら、頭を噛むのは後!一匹はフィトをおんぶして、もう一匹はその護衛だ!いいな!
俺は『穢れを喰らう黒き竜性』で"フィトが狙われるという不運"を喰って危害を俺に【おびき寄せ】て対処するぜ。
可能な限り【見切り】で避けつつ被弾したら【激痛耐性・継戦能力】で耐える!!
……すげえ既視感あるぱっくんしてきそうな花があるんだg(頭を噛まれる)
●ぱっくんちょ。
「いやあ、すげえな……よくここまで集めたな……って言っても、俺には探究心云々はよくわかんねぇけど」
ジャングルとなってしまったフェアリーランドに訪れた地籠・凌牙(黒き竜の報讐者・f26317)は、辺りを覆い尽くす植物からフィトを守りつつ、件のオブリビオンを探す。
……とはいえ、フェアリーランドの発動でフィトの心身状態は危険だ。このまま歩かせては、負担も大きいことだろうと凌牙は悩む。
「……とりあえず、そうだな……移動するの辛そうだし、こいつらに頼むか。よし、頼むぜお前rあだだだだだっだっだ!!!」
ユーベルコード『【喰穢】其は噛み砕く小さき者共』を使って己の小さな不幸を犠牲に、2匹のジャンガリアンハムスターを呼び出す。早速飼い主の頭にガリガリと噛み付いているが、まあ、いつものことだ。
「違う!! 噛むな!! 噛むのは後!! 1匹はフィトを運んで、もう1匹で護衛!! わかった!!?」
かみかみしていたジャンガリアンハムスター達はまあ後で噛めるんだったら……と凌牙の命令通りにフィトの運搬と護衛に回った。弱りきっているフィトも、多少は居心地が良さそうだ。
しかしそれだけ大声を出してしまえば、植物達も驚いてしまう。おかげで凌牙とフィトの周囲は意志を持った植物達で埋め尽くされ、異物を排除すると言わんばかりに蔦が振るわれる。
フィトへの蔦攻撃は、一切当たらない。ジャンガリアンハムスターの機動力と合わせ、フィトが狙われる不運を『穢れを喰らう黒き竜性』で吸い取っているため、蔦攻撃は凌牙に全て向けられていた。
「くそっ、地味に痛ぇ。もう1匹呼んで斥候頼めばよかったか……?!」
攻撃は見切ってはいるものの、全ての攻撃が凌牙に向けられている状態なので完全回避は難しい。とはいえ元から持っている激痛耐性が程よく身体へのダメージを軽減してくれているため、倒れるまでには至らなかった。
やがてジャングルの道が少しずつ広がりはじめ、蔦攻撃も弱まってきた。出口が近いのかどうかはわからないが、とりあえずはほっと胸をなでおろす。
「……ん?」
しかし、直後に地面が湿っているということに凌牙は気づく。
―――おかしい。自分達は今、ここに来たばかりで何もしていないし、水をこぼしたような覚えはない。ジャンガリアンハムスター達も粗相をした様子はない。
では、この湿り気はなんなのか? 凌牙が思考を巡らせようと顔を真上に上げた瞬間……。
「え」
ぱっくんちょ、と。凌牙の頭を食虫植物に似た植物が齧り付いた。流石のトラブルには凌牙も驚き、べしべしと植物を思いっきり叩いて脱出した。
その後脱出した凌牙は件のオブリビオンを探すために再び歩くのだが、「あ、もう頭齧っていっすか?」と言わんばかりにジャンガリアンハムスター達が凌牙の頭を目指して登り始めたのは、言うまでもなく……。
成功
🔵🔵🔴
アリス・ラーヴァ
アドリブ・連携歓迎
リンゴ狩りができると聞いてやってきたのー
あの壺の中のリンゴを食べていーのよねー?
早速、妹達を沢山呼んでとつげきー
さて、件の『フェアリーランド』の中は…ごちゃごちゃしてるのー!
お手入れもしていないからこのままだと植物たちが病気になっちゃうわー
みんなに協力して貰って剪定しながらジャングルを進みましょー
このくらいのジャングルなら(技能:悪路走破)でへーきへーき
植物が枯れない程度に余分な枝葉を切り裂いて【捕食】しながら道を切り拓いて『不和の林檎』を探すのよー
フィトさん、地面に最低限度の光と風が当たらないと虫が湧くし地力も弱っちゃうから駄目なのよー
これからは気をつけてねー
●リンゴ狩り!
(壺の中のリンゴ、食べてもいーのよねー?)
ギチギチと足が動き、フィトの脳内に直接話しかけてくるのはアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)。その姿にフィトは一瞬びっくりしていたが、危ないものではないのと、件のオブリビオンをどうにかしてくれる人(??)だと判断したため彼女にフェアリーランドの現状を話した。
(なるほどなるほど。じゃあ、じゃあ、妹達を沢山呼んでーとつげきー!)
わらわらと現れたアリスの妹達は、ぴょんぴょんと楽しそうに飛び跳ねったり、うにょうにょと揺れ動いたりしている。今から楽しいところに行くよ! という姉の言葉に、どうやら妹達は興奮している様子だ。
フェアリーランドの中に入れば、鬱蒼と生い茂る珍しい植物でジャングルが出来上がっていた。アリスでも、これはごちゃごちゃしすぎ! とフィトにツッコミを入れてしまった。
「うう、色んなものを入れたからなぁ……」
(それと、お手入れもしてないでしょ? このままだと植物達が病気になっちゃうわー)
妹達が様々な植物の蔦でブランコをして遊んでいる間に、アリスはどこをどう剪定しようかと悩んでいた。
沢山生い茂る植物はそれぞれが栄養素を奪い合う状態となっており、生命力の強い植物が一気に成長を続けている状態。なので剪定作業をしながら道を切り開くほうがいいだろう、というのがアリスの判断だ。
(うーん、弱ってる植物は切っちゃっても大丈夫?)
「え? あ、ああ。あの変なのを追い払えるんだったら、構わないよ」
(よーし、それじゃあみんなー! どんどん切っていくよー!)
遊んでいた妹達を呼び戻し、どんな植物を切っていいかを説明してから剪定作業を開始。ユーベルコード『斬り刻んじゃえ~』の力により、妹達の爪や牙が弱った植物達を引き裂き道を切り開いてくれた。
かなりの悪路となっているが、アリスや妹達にとっては問題のないただの小道に過ぎない。しかし、だからといってこのまま放置するのはフェアリーランドにとっても悪影響だし、これからやってくるであろう植物達にとっても良い環境とは言えない。道を切り開く傍らで、アリスはフェアリーランドのこれからについてフィトに説明をした。
(フィトさん、なんだか地面もいっぱい植物だらけだね?)
「え? ああ、ここ最近中に入ってないから……」
(だめだよ~。地面には最低限の光と風が当たらないと、虫が湧いちゃうし地力も弱まっちゃうよ~)
「うう、それはわかってるんだけど……」
(今回はアリス達が綺麗にしていくから、これから気をつけてね~)
どんどん道を切り開き、どんどんフェアリーランド内の環境を良くしていくアリス達。
やがて彼女達がジャングルの開拓に成功する頃には、件のオブリビオン―――黒い木が現れていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『不和の林檎』
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POW : 疑似顕現:ラードーン
召喚したレベル×1体の【蛇竜】に【百の頭と無数の口】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
SPD : 堕ちた犠牲者
【弓矢や剣、槍や斧等】で武装した【果実に魅了され死んでいった冒険者達】の幽霊をレベル×5体乗せた【飛竜】を召喚する。
WIZ : 誘惑の光
【その果実】から【催眠光】を放ち、【生じた果実に対する渇望と独占欲】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠水貝・雁之助」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
ジャングルの中に、ぽつんと立つ真っ黒な木。
その先に生っている赤い林檎は、不気味にも淡く光を放つ。
―――邪魔者が来た。邪魔者が来た。邪魔者が来た。
―――排除しなくては。倒さなくては。壊さなければ。
―――この世界を手に入れるために。
猟兵達とフィトを目の前で、林檎は光を瞬かせる。
言葉を発せぬ林檎が、何かを語ろうとするように。
―――邪魔をするな。邪魔をするな。
―――邪魔をするな。邪魔をするな。
―――この世界は、必ず……。
猟兵達を威嚇をするかのように、何度も何度も光が瞬く。
さて、これを倒すには……。
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プレイング受付:4/13 8:31~
プレイングボーナス:フェアリーに楽しいことを考えてもらう
不和の林檎との戦いになります。
戦場は引き続き壺の中のフェアリーランドにて行われます。
未だにジャングル状態ですが、不和の林檎周辺は広くなっています。
周囲には様々な植物がありますが、隠れても根っこ経由でバレてしまいます。
なおフィトは弱っているため戦闘には参加出来ません。
が、楽しいことを考えてもらうことで戦況を少し変えることが出来ます。
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シン・クレスケンス
【WIZ】
瞬く光に好奇心から規則性を見出そうとするものの「来るぞ!」と敵意を剥き出しに唸り声をあげるツキ。
ノクスを守りにつけフィトさんには戦場から少し離れて頂いて、UC【異界の炎の召喚】で攻撃します。
開かれた場所とはいえ、周りの植物達に延焼しないよう注意を払います。
ツキは僕の思考をある程度読めているので、炎を華麗に躱しながらオブリビオンを攻撃しています。
催眠光対策
【狂気】や【呪詛】には多少なりとも【耐性】はありますが、それでも囚われそうになったら、詠唱銃で右手を傷付けて解除します。
右腕はツキに取り憑かれている影響で傷の治りが早いので問題ありません。(無論傷付けた瞬間の痛みはありますが)
●好奇心の行く末
キラリ、と。ジャングルの中を光る何かを見つけたシン。
それはジャングルに生えている木々よりも肌が黒く、そしてぶら下がった林檎が奇妙に輝く。シンが見つけた光はどうやらこの林檎から発せられているようで、近づけば近づくほどに光の瞬きが増える。
「これは……」
光の瞬きに規則性があるのではないかと、好奇心が先に動く。しかしそれを遮るように闇色狼のツキは吠える。来るぞ、と警告するように。
ツキの警告は素早く、的確なもの。光が強くなる瞬間にシンは目を閉じて光を躱そうとしたのだが、僅かな光を目に入れてしまい……黒い木肌から赤い実が1つ、2つと生り始めた。
僅かな光でもシンの脳内がぐるぐるとかき混ぜられる。もとより狂気や呪詛には耐性があるので僅かな光程度ではなんともなかったが、これ以上光を浴びれば耐性だけでは耐えられないだろうと悟る。
光の範囲内に入らないようにとフィトに梟のノクスを守りにつけ、光が見えなくなる程度に戦場から離れてもらう。これから行う攻撃の範囲にも入らないようにと告げた後、ノクスが飛び去るのを見届けた。
「……さて」
周囲を今一度確認。何処までの範囲ならば燃やしても良いか、周りの植物への影響度などを考えながらユーベルコード『異界の炎の召喚』で混沌の深淵から超高熱を持った炎を呼び寄せる。
シンを中心に燃え盛る炎は分裂を重ね、92の小さな炎となって飛び交い林檎に襲いかかる。全ての炎はシンが操作出来るため自由に動かせ、また一緒に戦っているツキもシンの思考を読んで華麗に炎を躱して林檎へ攻撃する。
不和の林檎はどうにか催眠光でシンとツキを操ろうと光を瞬かせては実を増やすが、燃やされ、もぎ取られては全てが地面に落とされる。相手は更に光をその身体に入れないようにタイミングよく目を閉じるため、攻撃のタイミングを計れずにいた。
「―――業火よ」
詠唱の途中に一呼吸置いて、周囲の状況を確認。何処を燃やせばよいか、何処までなら燃えても問題ないかを今一度見て、宙に浮く炎全てに命令を下す。
「……我が命に従い、立ち塞がるモノを焼き尽くせ!」
命令を下された炎は全てが不和の林檎へと命中し、焼き尽くす。だが曲がりなりにもオブリビオンな林檎はしぶとく生き残り、ついには己の木の枝や根っこを刃のように振るってシンへ攻撃し始めた。
シンの右腕を切りつけてなんとか炎の動きを制限しようとするものの……それらは一瞬の痛みだけ。UDCであるツキとリンクしている彼は、些細な傷は全て一瞬のうちに治ってしまって細かな傷をつけられないのだ。
「へぇ、気になりますね。木々もこうして動かせるんですか……」
炎と木の枝、黒狼と光が交差する中。シンは再び好奇心を働かせる。オブリビオンとなった木々がこうして動くという事象へ向けられた好奇心は、どうやら戦いの中であっても潰えないようだ……。
大成功
🔵🔵🔵
地籠・凌牙
【アドリブ連携歓迎】
邪魔をするなじゃねえんだよ人様の部屋に不法侵入するような奴は常識的に考えてぶっ飛ばさねえといけねえんだよ!!
引き続き【指定UC】でハムスター召喚1今度は10匹!
1匹はフィトを背負って回避に備えろ!3匹はその護衛!1
匹は本体を叩く為のルートを割り出す為の斥候役!
俺が『穢れを喰らう竜性』であいつのユーベルコードは全部【おびき寄せ】るから5匹は猟書家へ【ダッシュ】で突撃だ!
噛むのは全部終わってからな!!!(噛まれながら)
全員俺と同じレベルの【怪力】持ちのハムスター共だ、ちまっこいからって舐めんじゃねーぞ!
俺は攻撃を【見切り】で急所だけは維持でも躱して【気合・激痛耐性】で耐える!
●がじがじがじ。
相変わらずハムスターにかじられたままの凌牙は、ようやく件のオブリビオン―――不和の林檎のもとへと到達。黒い木に生っている林檎は、何度も光を瞬かせて威嚇の意志を見せていた。
「邪魔するなじゃねえんだよ!! 人様の部屋に不法侵入しやがって……お前ら! 頼mあだだだっだだっだっだだ!!」
続けてユーベルコード『喰穢】其は噛み砕く小さき者共』を使って追加のジャンガリアンハムスターを呼び出し、とりあえず頭がかじられる。小さな幸運を代償にするはずなのだが、今日に限ってはなんだかよく噛む。
「噛むのは終わってから!! 終わってから!! ほら、1匹はフィト背負って回避に備えろ! 3匹はその護衛!! 1匹は斥候で残る5匹はあの林檎を叩け!!」
ちぇっ、と小さく鳴いたハムスター達。それぞれが指示通りに動くために凌牙の頭から降りて、お願い事を遂行する。
フィトを乗せた1匹と護衛の3匹は林檎の光を浴びないように距離を取り、振り下ろされる木の枝をぴょんぴょんと軽く飛びながら避けて、蠢く根っこをすいすいと飛び回って逃げ続けていた。
残る1匹は凌牙が行けそうなルートを探り出すのだが、そこで不和の林檎は大きく体を揺らして百の頭と無数の口を持つ蛇竜を呼び寄せる。ハムスターが移動するルートを塞ぐように蛇竜は立ちはだかり、凌牙を睨みつけていた。
それならばと、凌牙は『穢れを喰らう竜性』を使ってハムスター達の"蛇竜に襲われる不幸"を喰らい、自分の力に還元させる。そのおかげで蛇竜は凌牙に目が向くようになり、無数の頭と口が噛みつきはじめる。
「残念だったな! 俺はただの囮、本懐は―――」
ニヤリと笑う凌牙の視線の先には、不和の林檎へと走るハムスター5匹。それぞれがてちてちと距離を詰め、黒い木肌を登って不和の林檎へと到達し、実と木肌に齧りつきはじめる。
流石の林檎も痛みが響くのだろう。大きく木を揺らし、根をばたつかせて痛みの表現をしている。痛みの現況であるハムスター達を何度も振り下ろそうと大きく揺れているのだが、凌牙と同じ怪力を持ったハムスター達はそうかんたんに離れることはない。
蛇竜が今一度ハムスターを引き剥がしても、行き着く先は全員同じ。凌牙は蛇竜を相手取り、ハムスター達はそれぞれのお願い事を達成するのみだ。
「まだまだ倒れねえみたいだし、もうちょっと本気dあだだだだだだぁ!!??」
―――なお、凌牙の頭に隠れていた1匹のジャンガリアンハムスターがみんなの分まで俺が噛んでやるからな! と意気込んでがじがじしていたのだった……。
大成功
🔵🔵🔵
アリス・ラーヴァ
アドリブ・連携歓迎
わーい、リンゴなのー
光っていてとても美味しそー!
ちょっと行って採ってくるねー
あ、フィトさんはこの後お庭のお手入れしないといけないから、ガーデニングのプランを考えておくのよー
えーと、何か空を飛ぶ【蛇竜】が邪魔してくるみたいねー
アリスは飛べないし攻撃が届かないかもしれないから【トンネル掘り】で地中を掘り進んであの黒い木の根元までいくのよー
木の直下まで掘り進んだら木の根元に噛みついて自慢の【怪力】で引き抜いちゃいましょー
アリスは力持ちだから大木を持ってもへーきへーき
木からリンゴが落ちて来るまであちらこちらに叩きつけて揺さぶるのよー
早く落ちてこないかなー?食べたいなー
●びったんびったん
(わーい、リンゴなのー!)
件のオブリビオン、不和の林檎へ到達したアリス。黒い木肌に1つだけ光り輝く林檎は、確かに植物に興味を持っている者なら惹かれてしまうもの。しかしアリスにとって光っている林檎は、ただの『食物』なわけで……。
(ちょっと行って採ってくるねー!)
「えっ、あ、お気をつけて!」
(あ、フィトさんはこの後お庭のお手入れしないといけないから、ガーデニングのプランを考えておくのよー)
「あ、あ、はい!」
フィトには黒い木に近づかないように周囲に隠れておいてもらい、アリスはそのまま木へと直行。その様子は林檎にも見られているのか、大きく木を揺らして何かを呼び出した。
複数体の蛇竜。それも、複数の頭と口を有した飛行能力を持つ個体で、林檎が特別に呼び寄せたもののようだ。蛇竜は全て林檎を守るように周囲に配置され、とてもではないが正面突破するには1人では難しいほどに配備される。
(うーん、うーん。アリスは飛べないしー……あっ、そうだ!)
―――空を飛べないのであれば、大地を進めばいいんだ。
蛇竜が飛びかかってくる前にアリスはトンネル掘りの要領で地中へ潜り、根と土をかき分けながら不和の林檎を目指した。
しかし地中を潜る事に気づいた不和の林檎は、根を自由自在に動かし、アリスの位置を知らせて蛇竜を呼び寄せてアリスを引きずり出してもらおうと動きだす。
(もー、邪魔ー! かじっちゃうよー!)
うねうねと動く根に噛み付き、土の中の攻防を繰り広げる。持ち前の自慢の怪力で根を逆に引っ張り、地上へと引きずり出して木を揺らす。林檎を無理矢理に落とすために揺らしているが、頑固で落ちる様子はない。
更には蛇竜がアリスを見つけては口で掴み、空を飛んで彼女を引きずり出そうと試みる。それでもアリスはしがみつき、地上へ出れば根をあちらこちらに叩きつけてその振動を木へと伝えて林檎に痛手を負わせた。
(つぶれちゃえ~~!!)
襲いかかってくる蛇竜は鋏角で噛みつき、麻痺毒を注入してその身体をぶん回して木へと叩きつけて何としてでも林檎に叩き通そうとするが……しぶとく林檎は残り続けている。
チカチカと何度も怒りを示すかのように、林檎は連続して光が瞬かせていた。それに合わせて蛇竜はアリスに飛びかかり、軽微な傷を与え続ける。
(リンゴー、リンゴー、早く落ちてこないかなー? 早く食べたいなー)
アリスはただひたすらに、びったんびったんと根や蛇竜を木に叩きつける。キラキラと輝く美味しそうな林檎、その味を堪能するべく……。
成功
🔵🔵🔴
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
ふむ、フィトさんには安全な場所で待機して頂きたいですね。
「対応が終わったら区画整理しませんか。希少な薬草が育成できるなら人々の役に立ちますし、庭園のように開放すれば見たいという方もでてくるでしょう」
木のうろの中に隠れて、楽しいことを考えていてもらいましょう
催眠光は光属性の触手で光の壁を作って防ぎます。そんなことしなくても、渇望は感じていますよ。意志を持つ植物、興味深いですからね。
目立たないよう身を隠し、土属性の触手で地中を探索。根でこちらを探るなら、根から攻めれば良いのです。火属性の触手に、根の中を逆に進ませ攻撃しましょう
痛覚はあるのでしょうかね、試してみましょうか
●興味深きは意志を持つ植物
水鏡・怜悧の持つ人格のうちの1人・ロキは先へ進み、光り輝く林檎を見つける。それは黒い木に生り、意志を持つようにチカチカと瞬くことから件のオブリビオンであることを瞬時に理解した。
「ふむ……」
ちらりとフィトへ目を向け、どこか安全な場所はないかと周囲を見る。
黒い木を避けるように生えている木々は戦闘中に巻き込まなければ問題はなさそうだったため、フィトに手頃な木のうろの中に隠れてもらうように声をかけた。
「対応が終わったら、区画整理しませんか?」
「区画整理……?」
「ええ。希少な薬草が育成できるのなら人々の役に立ちますし、庭園のように開放すれば見たいという方も出てくるでしょうから」
ね? と優しく言葉をかけたロキに、軽く頷いたフィト。楽しいことを考えてほしいという言葉も添えて、彼が隠れるのを待つ。
その間にも林檎の瞬きは消えないし、逆に強く輝き始めている。赤い果実から放たれる催眠光はロキの視界に入れば入るほどその木に実をつけ、生じた果実に対する渇望と独占欲を感じることとなり動きを一時的に封じることとなる。
一瞬だけ目に入れてしまって僅かに動きを封じられたが、次に林檎の瞬きが開始するときには光属性の触手達がロキを守る壁となって光を吸収し、防いでいた。
「もう、すごい光ですね。意志を持つ植物……やはり、興味深いですからね」
そっと光の触手達の壁に触れた後、彼は触手の壁を分散させてその後ろに隠れながら移動する。地中から這いずり出てくる根に悟られないように動き回りつつ、更に土属性の触手で索敵と妨害を行いつつ、絡ませた火属性の触手で根を焼き切った。
はたして痛覚はあるのかどうか。植物だから無いのか、それともオブリビオンとなったために反応は見せるのか。その辺りの好奇心が勝っていたロキへの答えは……あった。
ジタバタと蠢く黒い木の根と枝の動きは、まさにロキの創造した通りの痛覚反応。彼の好奇心の勝利だ。
「触手ちゃん達と遊べましたか? 組み合わせ次第では、こういう事もできるんですよ」
小さく笑ったロキに『痛い』と泣きわめくように光を瞬かせる林檎は、やがて光の触手ごと薙ぎ払うように木の枝を振り回し始めた。
その様子はさながら駄々っ子にも見えるだろうか。ロキは少し困った様子で、しかし対処法をいくつか計算した上で触手を更に呼び寄せた。
「そんなことしなくても、渇望は感じてるって私、言いませんでした?」
火の触手達を束ねた後、土属性の触手で動きを封じ、周囲の木々に被害が出ないように別の触手でガードしながら黒い木をしっかりと燃やす。
悲鳴を上げられない黒い木はジタバタと根や枝を振り回すが、徐々に動きが弱まり……やがては、完全に動きが止まったのだった。
●植物園、解放。
不和の林檎は朽ち果て、ジャングルは……そのままになっているが、平和になった。
フィトはフェアリーランドの起動が自由に出来るようになると知ると、猟兵達を外に出してあげた。
これからの彼は、節度を持って植物達と接するそうで、手入れ等も怠らないように頑張ると言う。
もう二度と不和の林檎のような変なものを吸い込まないように、勉強も重ねる、とのこと。
フェアリーランドを巻き込んだ大事件はこれにて解決。
これでまた猟書家の侵略を抑え込むことに成功したのだった。
大成功
🔵🔵🔵