●
覚醒して最初に飛び込んできたのは、美しい草花が広がる光景だった。
「……ここは?」
いつものようにシャルムーン様に祈りを捧げていたはずなのに。
お祈りの最中に黒い渦がやって来たのは覚えている。けれどそこからの記憶は曖昧だ。
ここが何処だか分からないけれど、兎に角帰らないと。
立ち上がった瞬間――ちくりと胸の奥が痛む。
なんだか、怖い。
もしこのまま私が死んでしまったのなら。家族や仲間がどれだけ悲しむだろうか。
それだけじゃない。あの黒い渦が家族達を殺してしまっていたら。
考えれば考えるほど怖い想像が広がって、足ががたがたと震えて――。
そんな私を取り囲むように、薄桃色の花を纏った女の子達がやってきた。
「見つけた、シャルムーンの信仰者」
「このまま花に埋もれましょう」
「そして最期の言葉を唱えて」
――彼女達の言っていることはよく分からない。
けれどこれだけは理解出来る。このままでいるのは危険だ。
逃げ出したいのに、心の中が恐怖でいっぱいで上手く身体は動かない。
思わず涙が零れ落ちるけれど、その水滴も周囲の花を潤すだけだった。
きっと、このままだと――。
●
「集合お疲れ様ですよ! 群竜大陸で猟書家案件です!」
グリモアベースにて、賑やかに猟兵を迎え入れるのはウィノラ・シュレミール(天蓋花の人形劇・f26014)だ。
彼女の言うように、今回はアックス&ウィザーズの広大な浮遊大陸――群竜大陸にて、猟書家『眠りの森の魔女ターリア』の意思を継ぐオブリビオンの出現が予知されたのだという。
「そのオブリビオンは『言葉の神シャルムーン』を信仰するクレリックを浚い、その方を殺そうとしているようなのです。なんでもシャルムーンを信仰しているクレリックは、死に際に『破邪の言葉』というものを唱えることが出来て、それが群竜大陸で何かを起こせるかもしれない……とのことなのですけど」
つまり大雑把に纏めれば、猟書家の目的は『群竜大陸にて浚ったクレリックを殺すこと』だ。
それを阻止するためにも、今すぐに群竜大陸へと乗り込まなければならないだろう。
「件のクレリックは『セレス』という女の子です。彼女の落下地点は『約束の地』だと予測されているのですが……よりによってあそこですかぁ……」
帝竜戦役に参戦した猟兵ならば、約束の地という地名を覚えているかもしれない。
そこは美しい草花が咲き誇る草原なのだが――群竜大陸で最も危険なエリアのひとつとも言われている場所だ。
ここにある全ての草花は強烈な恐怖を思い起こさせ、それに負けたものに寄生するという恐ろしい性質を持っている。
セレスを襲うオブリビオン達も、恐らくはここの草木に寄生されているはずだ。
「私が見えた限りだと、呼び起こされるのは死への恐怖……特に、それによって生じる喪失への恐れだと思われます」
自分が死んで、大切なものを置いていく恐怖。
或いは大切なものが死んで、自分が置いていかれる恐怖。
約束の地へと踏み入れた者は、これらの恐れと戦わなければならない。
「セレスさんを庇いつつ恐怖とも戦ってオブリビオンと戦う……というのはなかなかハードなお願いではあるのですが、帝竜戦役を制した皆様ならきっと大丈夫でしょう!」
襲い来る敵を蹴散らせば、セレスを浚ったオブリビオンも姿を現すだろう。
それも倒すことが出来たのならば、猟書家の企みを挫く一歩になるはずだ。
「それでは気をつけて行ってらっしゃいませ。良い報告を待っていますよ!」
にかっとした笑みを浮かべつつ、ウィノラは転移ゲートを開いていった。
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
久しぶりの群竜大陸です。
●プレイングボーナス
襲われるクレリックを守る。
●一章「『春告の妖精』スプリングエルフ」
『約束の地』が思い起こさせる恐怖と戦いつつの戦闘です。
今回放たれるのは「死とそれに伴う喪失への恐怖」です。
大切なものを置いて死ぬ恐怖、或いは大切なものに置いていかれる恐怖に打ち勝ちましょう。
同行していない猟兵を思い起こす場合はぼかした感じの描写になります。ご了承下さい。
●二章「???」
猟書家の意志を継ぐオブリビオンです。
セレスを守りつつ戦いましょう。
●セレス
『言葉の神シャルムーン』を信仰するクレリックの少女です。
友達と家族を大切にする穏やかな性格をしています。
ある程度の自衛はしますが、放置しておけばオブリビオンに殺されてしまうでしょう。
物理的に守ってもいいですし、精神的に支えてあげるのも有効です。
●
どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進行状況や募集状況はマスターページに適宜記載していく予定です。
締め切りの告知もそちらで行っているので確認していただけると幸いです。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『『春告の妖精』スプリングエルフ』
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POW : 目覚めの春~目覚めを促す鍵~
【対象を眠れる力】に覚醒して【暴走した真の姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 春は恋の季節~心の高鳴りが爆発となって~
【対象二人の意思疎通】が命中した対象を爆破し、更に互いを【互いのレベルの合計の技能「手をつなぐ」】で繋ぐ。
WIZ : 春はお花見~花々の美しさに魅了され~
【お花見】を給仕している間、戦場にいるお花見を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
転移を終えた猟兵達を出迎えたのは、草花の甘い香りだ。
同時に湧き上がる死と喪失への恐怖を堪えつつ、視線を周囲へと巡らせれば――立ち尽くすクレリックの少女と、迫る妖精達の姿も見える。
妖精達が猟兵を目覚めさせたのならば、その力は暴走し命を削るほどになってしまう。
同時に心に巣食う恐怖もより強大なものへと変わるだろう。
どのように暴走を制するか、爆発する力をそのまま振るうか。
どう戦うかは猟兵次第だ。
或いは恐怖の他に、心の高鳴りを抑えきれなくなるかもしれない。
その想いは凶器に変わり、想う者同士を傷つけてしまうかもしれない。
それすら乗り越えて戦うか、気持ちを制御しつつ戦うか。
どの選択肢もきっと間違いではない。
もしくは咲き誇る草木に心を奪われてしまうかもしれない。
花に見惚れれば見惚れるほど、心に巣食う恐怖も大きくなってしまう。
お構いなしに突き進むのも、いっそ恐怖を呑み込むのもいいだろう。
花を美しいと思ってしまうのは自然なことなのだから。
死への恐怖は猟兵達の心を削り、クレリックの最期も刻一刻と迫っている。
まずはこの戦いを乗り越えなければ。
ウィルフレッド・ラグナイト
かつて家族を失い、一人残された
大切な人を失う恐怖
それを簡単に拭うことはできないけど、それ以外の恐怖もある
何も知らずに浚われ、命の危機に晒されているセレスさん
助けるべき命があるのだから、恐怖に屈している暇はない
それは共にあるゼファーも同じ
【勇気】で体を奮い立たせ、セレスさんの元は走る
「大丈夫ですか?助けに来ました。貴方は守ってみせます」
理不尽に晒される誰かを守る、それかま私の誓い
セレスさんを庇いながら敵の攻撃は【武器受け】でいなし、隙をみせたらUC風翔彗竜突や【範囲攻撃】【ランスチャージ】で攻撃する
師の言葉を思い出す
死の恐怖は誰しもある
けど、それを受け止め、克服し、立ち上がる。それが一つの勇気。
●
転移した瞬間鼻腔を擽る、甘い花の香り。
同時にウィルフレッド・ラグナイト(希望の西風と共に・f17025)の胸に巻き起こったのは、嘗て抱いた恐怖だった。
家族を失いたった一人で残されたあの日の記憶。
大切な人を失ってしまうという恐怖がウィルフレッドの胸に渦巻く。
自分のすぐ側では白い小竜、ゼファーも小さく震えていた。
「……ゼファー、大丈夫です。私達には、やるべきことがありますから」
死の恐怖を簡単に拭い去ることは出来ないだろう。けれど、今の自分はあの時とは違う恐怖も知っている。
だから上手く動かない足に力を籠めて、ウィルフレッドは前へと進む。
この草原には何も知らずに浚われ、命の危機に晒されている人がいるのだ。
助けるべき命があるのなら、恐怖に屈する訳にはいかない。
思い浮かべるのは大切な師の姿。あの人もきっと、同じ状況なら絶対に前に進むはず。
決意を胸に進む視線の先には――怯えるクレリックの姿があった。
恐怖を呑み込み、精一杯の柔らかな笑みを浮かべてウィルフレッドはセレスの元へと駆け寄っていく。
「大丈夫ですか?」
「あなたは……?」
「私はウィルフレッド・ラグナイト。助けに来ました。貴方は守ってみせます」
助けに来た、守ってみせる。その言葉に安堵したのか、セレスはぽろぽろと涙を零しつつ何度も頷く。
ああ、やはり。この人は今、何よりも辛い理不尽に苛まされている。
そんな誰かを守ると誓ったのが今の自分だ。嘗てと同じ光景を二度と繰り返してなるものか。
そう思うウィルフレッドの元へは何人もの精霊がにじり寄ってきていた。
「邪魔をしないで下さいね」
「いいえ、セレスさんを傷付けさせはしません。参りましょう、ゼファー!」
ウィルフレッドは『白竜風槍』を構え、セレスを庇うように立ち塞がった。
同時に小竜が一鳴きすれば、槍の穂が風の加護を纏っていく。
そのまま迫る妖精達へ、まずは槍を一閃。彼女達も大きな鍵を構えたが、それよりもウィルフレッド達の方が勢いは強い。
体勢を崩した敵へ向けて放つのは――相棒たる小竜と共に放つ突進だ。
「暗雲を振り払い、希望を――!」
改めて思い出すのは師の言葉。
死の恐怖は誰しもある。けど、それを受け止め、克服し、立ち上がる。それが一つの勇気だと。
師から受け継いだ勇気を抱き、ウィルフレッドは全力で埒外の力を放つ。
彼の胸に宿る想いは精霊達を骸の海へと押し返し、見事にクレリックの少女を救い出した。
「誰かの希望を守る、それが私の誓いです!」
勇ましく戦う彼の姿は、きっとセレスの心の支えにもなったはずだ。
そしてそれは――約束の地を覆う恐怖すら、しっかりと掻き消していくだろう。
成功
🔵🔵🔴
播州・クロリア
群竜大陸の約束の地、懐かしいですね
私はここで未来への恐怖
踊れなくなる未来の恐怖と出会いました
今もう一度恐怖を認め
乗り越えることで
私のダンスはより一層
輝くことでしょう
いつか訪れるその未来まで
私は最高のダンスをし続ける
この恐怖は私にとって
ダンスホールを照らすライトの一つでしかないことを
オブリビオンの貴女に教えて差し上げます
(肩幅ほどに足を開き、両手で太ももをなぞりながらゆっくりと上体を起こした後{紅焔の旋律}で『ダンス』を始める)
この炎は情熱と欲望のリズムです
じっくりとご堪能ください
(UC【蠱の宴】で敵の動きを封じ込めて炎を纏った『衝撃波』で攻撃する)
●
「懐かしいですね」
広がる光景を見遣り、播州・クロリア(リアを充足せし者・f23522)の口から溢れたのは素直な感想だ。
群竜大陸、約束の地。嘗てこの地を訪れた時に抱いたのは、二度と踊れなくなる恐怖だった。
今湧き上がっている死への恐怖も恐ろしいが、クロリアにとっては絶望的な未来の方がよっぽど厭だ。
「恐怖を認め、乗り越えることが出来れば……私のダンスはより一層輝くことでしょう」
死や未来を恐れるだけでは駄目だ。あらゆるものには終わりがあるけれど、だからこそ――その時まで私は踊るのだから。
静かに瞳を閉じて呼吸を整えるクロリアの元へ、幾つかの影が迫る。
その内ひとつはこの地に浚われたクレリック、セレスだ。彼女は不安げにクロリアの方を見つめているが、味方なのは理解しているのだろう。表情は少し和らいでいる。
「あの、あなたは……?」
「播州クロリアと申します。あの、よければ私の踊りを見ていてくれませんか?」
その言葉にセレスはきょとんとした表情を浮かべているが、こくりと頷いてもくれていた。
「あなたが抱く死の恐怖を塗りつぶす、そんな踊りを披露してみせますから」
「わ、わかりました」
セレスの言葉には笑顔を返すけれど、迫るもうひとつの気配に向けては気迫を返す。
そちらを見れば――何人もの精霊達がこちらの命を狙い、やって来ているようだ。
「あなたも花に呑み込まれに来たのですか?」
「いいえ、違います。いつか訪れるその未来まで、私は最高のダンスをし続ける。この地の恐怖は私にとってダンスホールを照らすライトの一つでしかありません」
踊ると決めたのならば、あとの動作はいつも通りに。
クロリアは肩幅ほどに足を開き、両手で太腿をゆっくりとなぞっていく。
そのまま上体を起こし、イメージするのは草原を覆い天を穿つ真っ赤な炎だ。
「ダンスは楽しいです。リアですよ」
刻む紅焔の旋律を本物の炎に変えつつ、クロリアは更にステップを踏んでいく。
突然舞い上がる炎に驚く精霊達は、すぐに鍵を振り回そうとするが――それよりも、旋律が強まる方が早かった。
「この炎は情熱と欲望のリズムです。じっくりとご堪能ください」
クロリアが踊れば踊るほど、広がる炎は草原と精霊を呑み込んでいく。
これは恐怖すら薪にして燃え上がる命の鼓動そのものだ。胸の高鳴りを感じつつ、気がつけばクロリアの顔には笑みが浮かんでいた。
「あなたも楽しんでいますか?」
「は、はい! 素敵です!」
セレスも楽しげに笑みを浮かべているのを見遣り、クロリアは安堵の息を吐く。
恐れるものがあったとしても、足を止めずに進んでいけば見えるものだってあるはずだ。
クロリアの踊りは、そのことをセレスへと確り伝えてくれていた。
成功
🔵🔵🔴
真宮・響
【真宮家】で参加。
相変わらずシャルムーンのクレリックが狙われるのは続いてるみたいだね。まあ、どんなに狙われても守り抜くだけさ。
敵の攻撃を喰らい、瞳が金になり髪が黒くなる。感情が暴走して回りの者を槍で突き刺したくなる。でも・・・子供達の姿を見て、はっとする。アタシは母だ。まだ未来のある子ども達の為に強い母でなければいけない。
少なくとも、前にいる奴は敵だと分かるさ。感情が昂ってるから繊細な攻撃など出来ない。全力で【怪力】【気合】を込めた炎の拳で力一杯殴ってやる。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
シャルムーンのクレリックの方が狙われるのは続いているようですね。理不尽な理由で襲われるのはあってはなりません。必ず守りましょう。
瞬兄さんが私の隣に来た途端、敵の攻撃で瞬兄さんと手が繋がります。普通の人は不都合ですけど、片手が塞がってもやりようはあります。それに、瞬兄さんが手を繋いでいてくれてパワーが何倍にもなりますので!!ちょっと爆発が痛いですけど、気になりません!!
瞬兄さんとタイミングを併せて【オーラ防御】して、瞬兄さんと息を併せて攻撃を。はい、いけますよ。兄さん。彗星の剣で攻撃です!!母さんの負担を減らす為に敵を弱らせますよ!!
神城・瞬
【真宮家】で参加。
死の恐怖ですか。確かにありますが、家族が傍にいれば乗り越えられますとも。一度家族に死の危険から救われた身ですし。
敵の攻撃で奏と手が繋がってしまいますが、これで死への恐怖は薄くなりました。この子と手を携えていれば、これからも進んでいける。爆発の痛みも気になりませんとも。
奏と同時に【オーラ防御】。母さんが大変そうなので、即急に敵の動きを止めましょう。行きますよ、奏。奏と息を併せて風花の舞で攻撃します。
●
美しい草原が広がる景色に、三人の猟兵が姿を現す。
彼ら彼女らは険しい表情を浮かべつつ、浚われたクレリックの姿を探していた。
「相変わらずシャルムーンのクレリックが狙われるのは続いてるみたいだね」
「ええ、そうですね……。罪のない方が、理不尽な理由で襲われるのはあってはならないことです」
真宮・響(赫灼の炎・f00434)が状況を整理していけば、彼女の娘である真宮・奏(絢爛の星・f03210)もこくりと頷く。
猟書家の企みを挫くためにもクレリックを殺される訳にはいかないが――それ以上に彼女達の胸にあったのは、理不尽に対する怒りと使命感だ。
「まあ、どんなに狙われても守り抜くだけさ」
「はい! 必ず守りましょう!」
勇ましい母の言葉にまたしても頷く奏だが、よく見ると彼女の身体は小さく震えていた。
恐らく――約束の地の恐怖が彼女を苛んでいるのだろう。
そんな義理の妹の様子を気にかけつつ、神城・瞬(清光の月・f06558)も二人の側へと歩み寄る。
「奏、大丈夫ですか? この地には死の恐怖が広がっているようですから、落ち着いて下さいね」
「ありがとうございます。瞬兄さんも大丈夫ですか?」
「僕も恐怖は感じていますが、家族が傍にいれば乗り越えられますとも」
緩く笑みを浮かべる瞬を見れば、響が力強く笑みを浮かべる。
響と奏が初めて瞬に出会った時も、彼は命の危機に瀕していた。
けれど家族が一緒になったことで危機を乗り越え――今はこうして、共に戦っている。
「そう言ってくれるとアタシも嬉しいよ。大事な家族がいれば、どんな困難だって乗り越えられるさ!」
「そうですね。母さんと瞬兄さんがいれば、私もきっと頑張れます!」
家族からの励ましを受け、奏もぱっと笑みを浮かべる。
死の恐怖に足を止めてしまっては、救える命だって救えない。
それに自分達は一人きりではないのだから、きっと前に進めるはず。
その事実を再認識し、真宮家の三人は草原を進んでいく。
ちょうどそこには――怯えるクレリック・セレスの姿があった。
猟兵達はすぐさまセレスの元へと駆け寄り、彼女を守るように立ち塞がる。
「アンタがセレスだね。アタシ達は猟兵さ」
「あなたを助けに来ました。もう大丈夫です」
「僕達から離れないで。敵もすぐに倒しますから」
次々に発せられる頼もしい言葉に、セレスも安堵の息と涙を零しているようだ。
彼女を守り切るためにも――こちらへと徐々に迫りくる、花に囚われた精霊達を放ってはおけないだろう。
「邪魔をしないで下さい。彼女には最期の言葉を唱えてもらわないと」
「そうはいかないよ!」
最初に切り込んだのは響だ。敵が大きな鍵を振りかざした瞬間を見遣り、まずは接近からの拳の一撃を。
その衝撃は確かに精霊の身体を吹き飛ばしたが、彼女が持つ鍵の先端が響の身体へと触れてしまった。
次の瞬間、溢れ出すのは埒外の力だ。
「これ、は……う、うぅぅ……!」
「母さん!」
強制的に真の姿を解放された響は、次第に髪が黒く染まり、紫の瞳は金色に輝きだしていく。
それだけならまだしも、響は完全な暴走状態に陥っていた。
懐から『ブレイズランス』を取り出し構える彼女の顔は、明らかに落ち着きを失っている。
奏も心配して駆け出そうとするが、彼女の道行きは精霊によって阻まれてしまった。
「あなたにも目覚めを差し上げましょう」
「……奏!」
精霊が何かの呪文を唱えれば、奏と瞬の間に光が瞬く。
次の瞬間、二人の手は鎖によって繋がれて、同時に煌めく光がその身体を苛んだ。
「瞬兄さん、大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫ですよ。むしろ……こちらの方が好都合だったかもしれません」
「……確かに、そうですね!」
心配する奏へ向け、瞬が返すのは柔らかな笑みだ。
確かに手を繋がれたままというのは不自由かもしれないが、二人は強い絆で結ばれているのだ。
互いの動きは把握しているし、片手が塞がっているくらいでピンチに陥る二人ではない。
そして何より――触れた手の暖かさは死の恐怖を忘れさせ、ずっとずっと力をくれるのだ。
そんな風に笑い合う子供達の姿を見れば、響の様子もまた変わっていく。
「(そうだ……アタシは母だ。まだ未来のある子ども達の為に強い母でなければいけない。あの子達の前で、情けない姿は見せられないよ!)」
湧き上がる殺意を前向きな戦意へと変え、狙うべき敵だけ見定めて。
敢えてランスを仕舞い込み、響は周囲の敵を睨む。
自分達の能力で確かに猟兵達の動きは止めた。それに彼ら彼女らは死の恐怖に苛まれているはず。
それなのに確りとこちらへ狙いを定め、戦意を向ける猟兵達を――精霊はどこか驚いたように見つめていた。
「一体どうして……?」
「どうしてあなた達はそんなに強いの?」
怯えたまま鍵を振るおうとする精霊へ向け、まずは響が炎の拳をお見舞いしていく。
溢れ出す感情はそのままに、豪快に振るわれる一撃は次々に敵をなぎ倒していた。
「それはアタシが母親で、アタシ達が家族だからだよ!」
家族のためならば、狂気だろうと恐怖だろうと乗り越えられる。
響の勇ましい母性は、オブリビオンの姑息な企みも真っ直ぐに打ち砕くのだ。
そして奏と瞬の確かな絆も、敵を穿つ力へと変わる。
「これが僕達の力です。共に弱きものを助け、戦い抜くと決めていますから。行きますよ、奏」
「はい、いけますよ。兄さん。瞬兄さんと母さんと一緒に戦えば、怖いものなんてありません!」
義理の兄妹はそれぞれの武器を複製していくと、それを次々に敵へと向けて発射していく。
二人の呼吸が合わさった攻撃は確りと敵の足を止め、身動きを制限出来ているようだ。
その隙を活かすよう、響も縦横無尽に立ち回っていく。
真宮家の絆はそう簡単には砕かれない。三人の後ろでは、セレスが戦いの様子を見守っていた。
「あの人達も……家族が大切なんですね……」
セレスの心の中にも、死の恐怖より家族への慕情が強く湧き上がっているようだ。
一刻も早くここから抜け出し、家族に安心してただいまと聞かせたい。
真宮家の戦いぶりは、セレスにも勇気を与えてくれていた。
「あなたにも大切な家族がいるのですね。それは素晴らしいことだと思いますよ」
「それなら、絶対にここを出て帰りましょう。きっとご家族も待っています!」
「アタシ達に任せておくれ。必ずアンタを家へ帰すよ!」
猟兵達の言葉を受け、セレスは大きく頷きを返す。
彼女は再び涙を流していたが――それは嬉しさからくるものだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
ニクロム・チタノ
こんなに狙われたらシャルムーンのクレリックもたまったもんじゃない
何度だって守るよたとえ死の恐怖に曝されたって
ボクも死ぬのは怖いよ
猟書家戦や羅針盤戦争で何度もやられそうになったし
でもその度に思い出すんだ、ボクは反抗者だってねつまり
反抗の竜チタノの加護と導きを
ボクにはチタノがいる
セレスさん、誰もがみんな恐怖に打ち勝てはしないかもしれない、でも
そんなヒト達を守るためにボクは猟兵になったんだ!アナタもきっと守って見せる!
残敵をかたずけるよ!
セレスさんはボクの後ろに、これより反抗を開始する、チタノ行くよ!
●
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は約束の地に降り立つと、すぐにクレリックの姿を探した。
死の恐怖が胸の内を苛むが、それ以上にニクロムの胸には理不尽に対する怒りが燃えたぎっている。
「こんなに狙われたらシャルムーンのクレリックもたまったもんじゃない。だから……何度だって守るよ」
一歩進むごとに恐怖は更に強くなる。けれど足は決して止めないように。
ニクロムだって死ぬのが怖くない訳はない。
今までの熾烈な戦い――猟書家との戦いや、羅針盤戦争のような大掛かりな作戦。そこでも何度か死の危険は感じてきた。
約束の地が思い起こさせるのはそれと同等の危機感と恐怖。けれど、ニクロムはそれから目を背けない。
「死を感じて、でもその度に思い出すんだ。ボクは反抗者だってね」
だから、つまり――反抗の竜チタノの加護と導きを。
きっと大丈夫。ボクにはチタノがいるだから。
守護竜の存在を強く自分の内に感じつつ、ニクロムは更に草原を駆けていく。
その先にはクレリック・セレスの姿もあった。ならばきっと敵も近くにいるはずだ。
「セレスさん、大丈夫!?」
『反抗の妖刀』で周囲の敵を薙ぎ払いつつ、ニクロムはセレスの元へと駆け寄った。
怯える彼女を宥めるように視線を合わせ、そっと手を取る。最初は怯えていたセレスも、少しずつ落ち着いてきているようだ。
「死の恐怖に苛まされて怖かったよね。ボクも死ぬのは怖い。誰もがみんな恐怖に打ち勝てはしないかもしれない。でも……」
今度はセレスを守るように立ち、ニクロムは周囲の敵を睨む。
彼女の傍らでは、反抗の竜チタノが羽根を広げていた。
「そんなヒト達を守るためにボクは猟兵になったんだ! アナタもきっと守って見せる!」
ニクロムの決意に応えるように、反抗の印が眩い輝きを放ち始めた。
その輝きを敵に立ち向かう力に変え、ニクロムは叫ぶ。
「これより反抗を開始する、チタノ行くよ!」
そのまま竜と共に切り込めば、あとは何も恐れることはない。
精霊達が振るう鍵に貫かれないよう気をつけつつ、ひたすらニクロムは草原を駆けた。
彼女の動きを助けるようにチタノも暴れれば、どれだけの敵に囲まれようと問題はなかった。
二人は次々に敵をなぎ倒し――そして死の恐怖を乗り越えていく。
ここまで来れば、あとは敵の大将を待ち構えるだけだ。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『『死』の冒涜者』
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POW : 生命を貪る蒼炎の衣
全身を【生への妄執たる青き炎】で覆い、自身が敵から受けた【死に体する恐怖】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD : 不死たる十三の蛇
自身の身体部位ひとつを【十三の首を持つ蒼炎のヒュドラ】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : 永遠の楽園
戦闘用の、自身と同じ強さの【何度でも蘇る蒼炎の落し子】と【落し子を生み続ける不死たる母体】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠御手洗・花子」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
迫る精霊達を退けて、猟兵達は少しだけ安堵の息を吐く。
しかし休む暇はない。猟書家の意思を継ぐオブリビオンもそろそろ事態を察知し動くはずだ。
そう考えた猟兵達が身構えた瞬間――ふいに、約束の地を包む死の気配が一層濃くなった。
同時に姿を現すのは、死を体現したかのような存在だ。
執拗に『死』を憎み、『死』を克服しようとしたからこそ、他者をそちらへと誘う邪悪な魔術師。
彼こそが猟書家の思想に基づき、セレスを浚ったオブリビオンだ。
『死』の冒涜者と向き合うならば、より強い死への恐怖が心を苛むだろう。
けれどそれに打ち勝てば――きっと無事に帰ることが出来るはず。
この邪悪な存在を倒し、猟書家の企みを砕かなくては。
播州・クロリア
なるほど
死の恐怖に負けた貴方にとっては
この約束の地はさぞかし居心地が良かったでしょうね
自分と同じく恐怖に負けた存在を眺めて
安心感を得ていたのかもしれませんが
誰もが貴方のような臆病者ではないということを知っておくべきでしたね
(救いを求めるように天を仰ぎ手を伸ばした後{晩秋の旋律}で『ダンス』を始める)
このリズムは貴方の嫌いな死を表現したリズムです
どうぞ心ゆくまでたっぷりとご堪能ください
(UC【蠱の冬】を発動し、敵に向けて{晩秋の旋律}で生み出した枯死の『呪詛』を放つ)
●
濃くなった死の気配と姿を現した魔術師。
その双方を認識しつつ、播州・クロリアが感じたのは納得だった。
「なるほど。死の恐怖に負けた貴方にとっては、この約束の地はさぞかし居心地が良かったでしょうね」
死を恐れた結果外道へ堕ちた存在だからこそ、他の人も同じように苦しんで欲しい。
或いは自分と同じく恐怖に負けた存在を眺めて安心感を得たい。
そのついでに猟書家の意思も継ぎ、より自分達にとって好ましい展開になればいいと、この魔術師は望んでいたのだろう。
けれど現実はそうでない。クロリアがちらりとセレスを見れば、彼女も随分落ち着きを取り戻している。
それは勿論猟兵達もだ。
「誰もが貴方のような臆病者ではないということを知っておくべきでしたね」
クロリアの言葉は真っ直ぐで、だからこそ魔術師にとっては手痛いものなのだろう。
彼が周囲の青い炎を猛らせれば、中から飛び出たのは不気味な落し子とそれを生み出す母体だ。
「っ……猟兵さん、怖い化物が……」
「恐れる必要はありません。あれは乗り越えられるものですから」
怯えるセレスを庇うように立ちながら、クロリアはゆるりと天を仰ぐ。
死という概念に対する考え方はそう簡単には変わらないだろう。
けれど目の前の化物は活動している。だから殺すことも出来るのだ。
「さあ、ぼやっとしてると冬が命を刈り取りに来ますよ?」
救いを求めるように仰いだ天に手を伸ばし、そのままクロリアは一つの旋律を紡いでいく。
その奏では美しいが――何を表現しているのか察したのだろう、魔術師は叫ぶように炎を猛らせ、怪物達をクロリアへと差し向けだした。
「よくお分かりで。このリズムは貴方の嫌いな死を表現したリズムです」
クロリアが生み出していたのは『晩秋の旋律』。晩秋の紅葉が散りゆくさまを表現した、寂しさと死の旋律だ。
そこから生まれるのは他者を死へと導く呪詛だが、けれど魔術師や約束の地が齎す死の恐怖とはまた別物だ。
そこにあるのは自然のサイクル。あらゆるものが生まれて死んで、辿っていく運命だ。
だからこそ、それを見つめ突き進む。それがきっと、今を生きる者としての相応しい在り方だから。
「どうぞ心ゆくまでたっぷりとご堪能ください」
クロリアが生み出す呪詛の波は、まず向かってきた怪物達を呑み込んでいく。
それでも勢いは止まらず魔術師も打ち据えて、枯死の呪いは不死の化物達を自然の円環へと導くのだ。
それを表現するクロリアは、自らの命を燃やしつつ――今を生きる者として、正しく答えを示すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
まるで死神だね、とても恐ろしいよ
猟兵になる前なら逃げ出してたよ・・・
でも今はボクの背に守るべきヒトがいるから
それに他の猟兵のみんなも一緒に居てくれるから
大切な仲間と守るべきヒト、今のボクは勇気全開だ!
アナタも青い炎を纏うんだね、ボクも反抗の加護で蒼焔を纏うよ!
あらゆる攻撃を焼き尽くすさあ反抗の妖刀を受けてみろ!
これより反抗を開始する
チタノどうかボクに加護と導きを
●
魔術師が纏う気配は限りなく死に近い。それを肌で感じ、ニクロム・チタノの身体にも思わず力が入る。
「まるで死神だね」
とても恐ろしい存在が、自分の前に立っている。
もし猟兵になる前だったなら、この場から狂ったように逃げ出していただろう。
けれど、今は違う。
「今はボクの背に守るべきヒトがいるから、それに他の猟兵のみんなも一緒に居てくれるから」
後ろを振り向けばセレスの姿が見える。周りを見渡せば、共に戦う仲間がいる。
そして自分の中には反抗の竜チタノがついてくれているのだ。だからきっと、大丈夫。
「大切な仲間と守るべきヒト、今のボクは勇気全開だ!」
勇ましい叫びと共に、ニクロムは『反抗の妖刀』を構えた。
ニクロムの姿を臨戦態勢だと判断したのだろう。魔術師も青い炎を猛らせて、ニクロムの元へと迫りくる。
揺らめく炎から見えるのは、完全な妄執と化した生への渇望だ。
「アナタも青い炎を纏うんだね。それならボクも! これより反抗を開始する!」
ニクロムの身体に刻まれた『反抗の印』が青い輝きを発せば、そこから溢れるのは確かな反抗への力だ。
生み出された護りの蒼焔は彼女の身体をしっかりと守り、迫る魔術師の気配を退けていく。
「この炎はあらゆる攻撃を焼き尽くす。それは――ボクとチタノが、反抗するための力だから!」
叫びと共にニクロムは地を蹴って、敵との距離を一直線に詰めていく。
魔術師も対抗するように炎を更に猛らせ、ニクロムの小さな身体を焼き尽くそうとするが――。
「ボクは負けない。今は死だって恐れない。皆が一緒にいるから!」
強い意思と共に妖刀を振るえば、斬撃と共に生み出された重力波が草原を薙いでいく。
この地を覆う死の恐怖を吹き飛ばし、そのまま魔術師が纏う青い炎も蹴散らして、ニクロムの反抗は更に続いた。
「チタノ、どうかボクに加護と導きを」
今度はニクロム自身が魔術師へと肉薄し、鋭く狙いを定める。
魔術師が纏う青い炎はニクロムの身体にも触れていたが、死を恐れない彼女にとって最早この炎は恐れるべきものでなかった。
「ボクが――みんなを守るよ!!」
決意と共に、一閃。
ニクロムの放つ斬撃は魔術師の身体も大きく切り裂き、約束の地から死の気配を薄れさせていく。
間違った死すらも反抗していく、ニクロムとチタノの力が魔術師の妄執を打ち破ったのだ。
大成功
🔵🔵🔵
リズ・ルシーズ(サポート)
生体ベースのサイボーグ、何らかの理由で生命維持モード(Re-A=リア)として活動中、普段の活発さはなくミステリアスな雰囲気。生命維持を最優先、リスクを避けるとともに敵対する存在に対して容赦はしない。白い外部装甲
『私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません』
『『解析・検証・再定義』データの取得に使わせていただきます』
『私はリズ程は甘くはありませんよ?』
21歳 女
口調:おしとやか(私、貴方(貴女)、~さん、ですね、です、ですか、でしょうか?)
武器:電磁ランスと疑似刻印による光属性攻撃のレーザー
補助装備:ナノワイヤー(トラップ・移動用)、重力制御装置
探索時:R-Seriesでの人海戦術など
●
約束の地を覆う死の気配と青い炎はどこか世界を昏く沈めていた。
その合間を裂くように、白い女が姿を現す。
「生命維持モード起動、敵対存在を認識」
機械音声のように静かに言葉を紡ぎつつ、その女――リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)は死の魔術師を睨んだ。
今のリズを制御しているのは内蔵式生命維持システム、Re-Aだ。
実験体の生命維持を優先する彼女にとって、目の前の魔術師が危険な存在であることはすぐに理解出来た。
魔術師も当然とばかりに青い炎を滾らせて、身体を十三の首を持つヒュドラへと変じさせていく。
「私はリア、この身体に敵対するものに容赦はしません。そしてこの戦闘結果はデータの取得に使わせていただきます」
リアの青い瞳が昏く輝く蒼炎を捉えれば、そこから始まるのは解析の時間だ。
彼女が纏う白い外部装甲は次々に変形し、敵を撃つために最適の姿へと変形しはじめた。
「『アーカイブ接続、解析、最適化』、十三の首を全て撃ち落としましょう」
そうして出来上がるのは――ヒュドラと同じく、多くの砲台を携えた浮遊砲台だ。
砲台がヒュドラの首を一つ一つ捉えていけば、発せられる攻撃は次々にそれを撃ち落とす。
その間にリズはナノワイヤーを周囲の草花へと引っ掛けて、自分が進む道行きを作っていく。
「不死たる怪物であろうと、全ての首を落とされればすぐに動けはしないでしょう。今のうちに……!」
そのままワイヤーを伝って草原の上を飛び回り、怯む敵との距離を詰める。
電磁ランスをしっかり構え、狙うは青い炎の中心だ。
「私もリズの生命維持を優先する者、死という滅びを避けるという貴方の行動自体は理解出来ます」
だけど、歪な不死の先に待つものはきっと幸福ではない。
何より――猟書家のような相手を放っておくのは、リズのためにもならないだろう。
「私はリズ程は甘くはありませんよ?」
静かな言葉と共に放たれるのは、ランスによる鋭い刺突。
同時に疑似刻印を起動し、放つのは至近距離からのレーザー攻撃だ。
その二つによる眩い輝きは魔術師の身体を貫き、彼を正しい死へと導いていく。
この攻撃は間違いなく――リズを守るための一歩にもなっていた。
成功
🔵🔵🔴
グロリア・グルッグ(サポート)
目標を確認。破壊します。
私という騎兵が現れた以上、もう逃げられませんよ。
観念するか抵抗するか、どちらにせよ覚悟を決めなさい。
量産型キャバリア改を操縦して戦闘。
レギオンを召喚してボスを攻撃させます。
電脳魔術によるハッキングで機体性能を底上げしているので、熟練の兵士のように上手くやってくれるでしょう。
レギオンで猛攻しつつ私は後方からミサイルを発射してボスを爆撃します。
ミサイルにも電脳魔術でハッキングをし、超高精度な誘導弾として自由自在に操ってみせましょう。
レギオン諸共爆破するのも普通にやりますよ。
空からはミサイル、地にはレギオン。
逃げ場のない戦場を作り出し敵を蹂躙してやりましょう。
●
戦いの最中でも、約束の地には幻想的な風景が広がっていた。
そこに不意に姿を現したのは――魔改造を施された、無骨な量産型キャバリアだ。
「目標を確認。破壊します」
キャバリアの内部から敵を視認し作戦を開始するのはグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)だ。
電脳ゴーグルとキャバリアのセンサーを通じ、見える敵の姿は揺らめく青い炎にも見える。
けれど相手は炎そのものではない。オブリビオンならどのようにでも対処出来るはずだ。
「私という騎兵が現れた以上、もう逃げられませんよ。観念するか抵抗するか、どちらにせよ覚悟を決めなさい」
グロリアの勧告を受けても魔術師の殺意は衰えない。
彼は更に青い炎を纏い、死の恐怖を以てグロリアと戦うつもりのようだ。
「ここが開けた地形で助かりました。まずはレギオン、頼みましたよ」
敵の動きを止めるべく、まずグロリアが呼び出したのはサイバーレギオン達だ。
機械である彼らには死の恐怖も通じない。青い炎に動じないまま、レギオンは次々に魔術師へと殺到していく。
その隙を狙い、グロリアもまた己のキャバリアを操縦し始めた。
敵との距離を取り、最初に構えるのはプラズマグレネードだ。
「炎で攻撃や防御を固めても……雷の前では無力なんですよ!」
そのままグレネードを投げ込めば、その表面外装には無数の魔術針が生じていく。
針が魔術師の身体に突き刺されば準備も万端だ。
「……今ですね!」
次の瞬間、グレネードが眩い光と共に大きく爆ぜた。
その衝撃でレギオンにも損害があったが、それはお構いなしだ。だってこれから、もっと爆発させるのだから。
死の恐怖に苛まれない機械達と、グレネードによる爆発。
この衝撃で魔術師は完全に怯んでいるようだ。攻め込むなら今だろう。
「もうあなたに逃げ場はありません。徹底的に蹂躙してやりましょう」
そのままキャバリアからミサイルポッドを展開し、狙いを定め――撃ち出すのは無数のマイクロミサイル!
着弾と共に大きく爆ぜるミサイル達は、魔術師が纏う青い炎よりも強烈な爆炎を生み出していく。
それに呑まれる魔術師は、まさに死に溺れているかのようだ。
「どんな相手にもハックしてスラッシュ、やっぱりこれが一番ですね」
巻き起こる真っ赤な炎を眺めつつ、グロリアは安堵の息を零していた。
成功
🔵🔵🔴
真宮・響
【真宮家】で参加
死の恐怖を体現した存在か。確かに死ぬことは怖いが、それを他人に強制することは許せない。人は、自分の生き方を自分の意志で決める権利があるんだ。
噛みつき攻撃は当たらなければ問題ない。【忍び足】【目立たない】で敵の背後を取り、【残像】【見切り】で噛みつき攻撃を回避、【貫通攻撃】【気合い】を込めた飛竜閃で攻撃し、【怪力】【気絶攻撃】を込めた【グラップル】で蹴り飛ばす。アンタのような存在はこの世界にいらないよ!!さっさと骸の海に還りな!!
真宮・奏
【真宮家】で参加
確かに死ぬことは怖いです。でも死の恐怖を他人に押し付けるのは筋違いです。セレナさん、大丈夫ですよ。絶対お守りします。
トリニティ・エンハンスで防御力を上げ、【オーラ防御】【盾受け】【武器受け】【拠点防御】【ジャストガード】【受け流し】でセレナさんを【かばう】敵に攻撃はせず、セレナさんの護衛と、危なくなった仲間への攻撃を引き受けることに専念。余裕があれば、私とセレナさんに【範囲攻撃】化した【オーラ防御】の【結界術】を使用して護りを万全にします。
死の存在が生きるものの世界に踏み入ることは許しません。ここは死守してみせます!!
神城・瞬
【真宮家】で参加
正に死そのもの、ですね。例え死の恐怖があろうとも、他人に死を強制するなどあってはなりません。貴方を倒し、セレナさんを守り抜いてみせます。
噛みつき攻撃が当たらない立ち位置を維持し、【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位攻撃】を仕込んだ【結界術】を展開。追撃で【気絶攻撃】【貫通攻撃】を併せた風花の舞で攻撃。敵がセレナさんを狙うなら【衝撃波】【吹き飛ばし】で敵を吹き飛ばします。敵からの攻撃は【オーラ防御】【第六感】で凌ぎます。
自分の生きる道はその人自身が決めるもの。自分勝手に未来を奪うことは許しません。
●
改めて猟兵達の前へと姿を晒した魔術師を見遣り、真宮家の三人は各々の武器を構えた。
「死の恐怖を体現した存在か、何とも不気味な奴だね」
二人の子供とセレスを守るべく、真宮・響は光剣『ブレイズフレイム』を握る手に力を籠める。
母親の背中越しに敵を睨む神城・瞬と真宮・奏の表情も険しいものだった。
「正に死そのもの、ですね」
「確かに死ぬことは怖いです。ですが……あの魔術師は間違っています!」
奏の言葉に二人も頷く。
命あるものは必ずいつか死ぬだろう。それに怯え、乗り越えようとすることも間違いではない。
けれど――そこから生まれる感情を、他人に押し付けるのは絶対に間違っている。
「死の恐怖を他人に押し付けるのは筋違いです。しかもそれに、罪のない人々を巻き込むなんて……!」
「ええ、そうです。例え死の恐怖があろうとも、他人に死を強制するなどあってはなりません」
「あの魔術師がやろうとしていることは、決して許せることじゃない。人は、自分の生き方を自分の意志で決める権利があるんだ」
一家揃って気持ちは同じ。それならあとは敵へと立ち向かうだけだ。
三人は後ろで怯えるセレスへ笑顔を向け、彼女を励ますように言葉を紡ぐ。
「アンタはアタシ達が必ず元の場所へと送り届けるよ」
「大丈夫ですよ、絶対お守りします」
「あの魔術師を倒し、セレスさんを守り抜いてみせます」
その優しく力強い言葉にセレスは頷き、祈りの姿勢を取る。
この暖かな家族が敵を倒し、誰もが戻るべき場所へ戻れるように。
死の恐怖すら乗り越えようとする家族の絆。
それは妄執に取り憑かれた魔術師からすると、あまりにも眩しかったのだろう。
彼は大きな雄叫びを一つあげると、身体全体を十三の首を持つ蒼炎のヒュドラへと変身させていく。
一瞥しただけでも分かる。あの首に噛みつかれるのは危険だ。
「守りは私に任せて下さい! 母さんと瞬兄さんは攻撃に専念を!」
まずは奏がマジックナイトの力を発揮し、家族とセレスへ向けて守りの術式を施した。
同時に奏は『エレメンタル・シールド』を構え、しっかりと迫る敵を睨む。
「ありがとう、奏。僕も結界術を展開しましょう」
瞬も術士としての力を生み出し、約束の地を覆うように結界を広げていく。
けれどこちらは奏のものと違い、敵の動きを制限するためのものだ。
結界の魔力に触れたヒュドラは少しずつ動きを緩め、大きな隙を生じさせていく。
そこへすかさず飛び込んだのは響だ。
「二人とも助かるよ! あの化物の攻撃も、当たらなければ問題ないね」
なるべく気配を押し殺し、目指すは敵の背後だ。
ヒュドラが響を視認しそうになれば、そこへ奏と瞬もすぐに割り込んだ。
「こっちです!」
「余所見はさせませんよ」
奏の輝く盾が敵の注意を引き付ければ、その間に瞬がさらなる魔術を展開していく。
「少々乱暴な手段ですが、行きます!! 避けないでくださいね?」
その魔術の名は『風花の舞』。瞬が愛用する『六花の杖』を複製し、次々に敵の元へとけしかける大技だ。
煌めく杖は氷の礫のように草原の上を駆け回り、次々にヒュドラの首を打ち据えていく。
家族が生み出したチャンスを利用し、響は更に勢いよく敵の元を目指していた。
しかし敵の首は多い。全ての首が子供達だけに注目するという訳にもいかなかっただろう。
一つの首がぐるりと響を睨み、彼女へと牙を剥いた。
「ッ……させないよ!」
残像を生み出さんばかりの勢いで跳躍。響は間一髪の所で噛みつきを回避して、すぐに体勢を立て直す。
そのまま振るうは光剣による鋭い斬撃だ。
「確実に当てて見せるさ!!」
神経を研ぎ澄ませて放つ必殺の一撃は、見事に迫る首を落とし、敵の力を削いでいく。
母親が上手く敵と接近したのを見遣り、奏と瞬も再び気合を入れ直した。
「瞬兄さん、こちらももっと攻め込みましょう!」
「ええ。奏が僕達を守ってくれていれば、安心して攻撃に専念できます」
奏がより強いオーラの守りを施せば、合わせるように瞬も魔力を滾らせる。
「敵の身体は大きいですが……それなら、全て吹き飛ばせばいいのです」
結界の魔術を応用し、それら全てを魔力の波へと転換。
そのまま放つのは凄まじい勢いの衝撃波だ。
その波はヒュドラの巨体をも揺るがし、その体勢を大きく崩していく。
「母さん、今です……!」
「ああ、助かるよ! それじゃあ……」
バランスを崩した敵の元へ、響がすかさず飛び込む。
そのまま身体に力を籠めて、大きく足を振るえば――細身の女性とは思えない怪力が、ヒュドラの身体を大きく打った。
凄まじい勢いの蹴りは蒼い巨体を更に揺るがし、同時に展開される瞬の結界が敵の首を落としていった。
ここまで追い込まれれば敵も必死になるだろう。
魔術師は本来の目的であるセレスを目指し、大きく牙を剥くが――。
「死の存在が生きるものの世界に踏み入ることは許しません。ここは死守してみせます!!」
盾を構えた奏がその攻撃を受け止め、叫ぶ。
過去の存在が今を生きる人々を傷つけるのは許せない。奏の決意が仲間を守り、魔術師の企みを防いだのだ。
「奏一人に背負わせません。僕も気持ちは同じですから」
瞬も再び魔力を滾らせ、結界を強めていく。
同時に彼の周囲に舞い踊る六花の杖も増えていき――吹雪のような勢いで、怪物の元へと迫った。
「自分の生きる道はその人自身が決めるもの。自分勝手に未来を奪うことは許しません」
真宮家の皆が生きる道も、セレスが生きる道も、過去が脅かしていいものではない。
怒りを胸に、家族を守る決意と共に瞬も堂々と魔術を展開し続けた。
そんな家族の想いを背負うように――響がまた、敵へと迫る。
「オブリビオン、アンタのような存在はこの世界にいらないよ!!」
再び剣を構え、まずは斬撃を一振り。ヒュドラの首が数本同時に落とされていけば、その体勢は再び大きく揺らいだ。
それはまるで彼自身の歪さを伝えているようだ。
こんな化物に、自分の大切なものを傷付けさせたりしない。
「さっさと骸の海に還りな!!」
想いを籠めて放つのは、全力での飛び蹴りだ。
その衝撃でヒュドラは思い切り吹き飛ばされ、落下地点に残ったのは骸骨のような魔術師のみ。
真宮家の想いは、化物が齎す死の恐怖を乗り越えていったのだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ウィルフレッド・ラグナイト
「ゼファーはセレスさんの傍に。守ってあげてください」
左手に熱が帯びる
今なら彼の力が借りられる
「光焔竜アータル。ここに……」
傍に赤い竜の幻影体を出現させる
アータルと共に敵に向かい、連携しての【2回攻撃】やアータルの炎による【属性攻撃】で戦う
相手の攻撃は【激痛耐性】で耐え
「見えますか、この炎が。恐怖を乗り越え、勇気を宿して輝く炎です」
「誰かが理不尽に命を奪われないように、悲しんだりしないように」
かつての自分のような人たちを増やさないために私は騎士の道を選んだ
そこに『死の恐怖』はあるけれど、かつて教えてもらった【勇気】がある
「私はもう死の恐怖には屈しません!」
アータルの赤い炎と共に敵を一閃する
●
「ゼファーはセレスさんの傍に。守ってあげてください」
相棒である白い小竜をそっと撫で、ウィルフレッド・ラグナイトは小さく囁く。
ゼファーが一鳴きと共にセレスの元へと飛んでいったのを確認し、睨むは死の魔術師の方だ。
同時に胸に湧き上がるのは、強い怒りと決意。
理不尽を許さず、力無き者を守る。ウィルフレッドの内から溢れる想いに応えるように、彼の左手が熱を帯び始めた。
「……そうですね、今なら彼の力が借りられる。光焔竜アータル。ここに……」
手の甲に刻まれた竜紋が輝けば、同時にウィルフレッドの周囲を凄まじい光と炎が包み始めた。
そこから飛び出すのは光焔竜アータルの幻影体。力なきものを守る、誇り高き赤竜がウィルフレッドと並び立ったのだ。
その輝きを打ち消すように魔術師も蒼黒の炎を纏えば、その姿は悍ましいヒュドラへと変わる。
恐らくこれが戦いの終わりだ。騎士の誇りと死の恐怖、残るのはこのどちらかだろう。
「アータル、私に力を貸して下さい。共に、人々の明日を切り拓く為に戦いましょう!」
叫びと共にウィルフレッドが草原を駆け出せば、追従するようにアータルが翼を広げる。
同時にヒュドラも草原の上を飛び回り、両者は勢いよくぶつかりあった。
ヒュドラがウィルフレッドへと首を伸ばせば、割り込むようにアータルが紅蓮の炎を吐き出す。
敵を燃やし、仲間を守る苛烈な炎の光を浴びつつ、ウィルフレッドはしっかりと敵を睨んでいた。
「見えますか、この炎が。恐怖を乗り越え、勇気を宿して輝く炎です」
アータルが生み出す炎の合間を潜り抜け、ウィルフレッドも敵へと距離を縮める。
そのまま構えるのは『誓剣エルピス』だ。剣に籠めた誓いが、ウィルフレッドの進む道行きを守ってくれていた。
「……誰かが理不尽に命を奪われないように、悲しんだりしないように」
もう二度と、嘗ての自分のような人が増えないように。そのためにウィルフレッドは騎士の道を歩んできた。
それは死の恐怖すら乗り越える、勇気ある道行きだ。
「私はもう死の恐怖には屈しません!」
輝く想いは更に竜紋を輝かせ、アータルに力を与えてくれている。
その勇気は更に敵を焦がす炎へ変わり、ヒュドラを完全に足止めさせてくれていた。
ウィルフレッドも真っ直ぐに敵の元へと飛び込み――。
「希望を心に――今こそ、騎士の誓いを!!」
堂々と振るわれた誓剣の一閃は、見事にヒュドラの首を打ち落とす!
同時に魔術師の変身が解ければ、彼の身体はゆっくりと骸の海へ還っていく。
戦いが終わったのを実感し、ウィルフレッドはセレスへと笑顔を向ける。
そこにいたのは、勇気ある一人の騎士と彼に付き従う竜達だった。
●
こうして戦いは終わり、猟書家の企みがまた一つ打ち砕かれた。
セレスが無事に家まで送り届けられれば、彼女の家族や友人が出迎えてくれた。
すべてが元のかたちに戻り、彼女の人生は続いていくだろう。
それは猟兵も同じだ。
理不尽な死を恐れず立ち向かった猟兵達を、どこか麗らかな春の香りが包み込んでいた。
大成功
🔵🔵🔵