天網恢恢疎にして漏らさじ、善因善果、悪因悪果にて。
#封神武侠界
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●天網恢恢
「イエス、イェーガー。予知の時間です」
アリシエル・フィフスガーディ(五天の守護機・f09139)がグリモアを起動させる。
同時、周囲の機器に火が灯り、重い駆動音をあげ、電脳の海より錨をあげる。
展開された無数のホログラム、虚空に投影された無数の電子ウィンドウ。
座標情報が示すは新たに発見された新世界、封神武侠。
人界と仙界、異なる位相の双世界の交流により仙術が発達し、数多の武侠と呼ばれる仁義の人を生み出すに至った世界。
UDCアースと言う世界においては中国、特に古代のそこに程近く、されど交わらざるほどに遠い世界。
この世界において、オブリビオンと呼ばれる魑魅魍魎どもはその全てが神器「封神台」によって封じられていたはずであった。
「それの破壊により、封神武侠界にもオブリビオンが出現するようになりました」
今回グリモアが捉えたのは、その一つ。
都に潜り込み、人を浚い、喰らい、そして贄として、より強力なオブリビオンを生み出そうと言う。
平和だったはずの世界に悪を為して、より巨悪にへと変じようとする魑魅魍魎。
その活動は極秘裏に行われ、現地の官憲では対処出来ておらず、また、仮に対処出来たとしてもオブリビオンの圧倒的な武力の前には屈さざるを得ない。
「最も、こちらにはジョーカーがありましたが」
その切り札の名は第六の猟兵、イェーガーである。
――――切り札と言うか最早反則に近い気もしないような気がしないでもないが。
「誰にもバレずに活動していたら未来予知で活動を把握されるとか最早ルール違反な気もしないでもありませんが」
だが、ルール違反であろうが見つかったのならばその末路は最早それは知れた事。
次に展開された情報ホログラムにおいて、人に化身してさらっていくオブリビオンたちのデータが映し出される。
「敵性存在は人に化けて誘拐行為を行っています。対象の拠点も最早知れています」
ならば、彼らが外に出向く前に強襲を仕掛け、首魁もろとも打ち倒せば良いだけ。
いつものそれと変わらないなんと言う事もない任務である。
「こういうのをUDCアースの似通った地域ではなんと言うのでしたか……」
嗚呼、そうだ、これはそう言うのだろうな、とアリシエルは独白した。
天網恢恢疎にして漏らさず。
虎河豚天
虎河豚の天ぷら、略して虎河豚天でございます。食べないで。
封神武侠界!! 武侠ですよ、武侠!! 扶桑とかありそうですよね!!(偏見)
と言うことでお仕事は簡単なもの。
人間に化けてお出かけしようとするオブリビオンを殴り倒して、敵の幹部を殴り倒して、敵の首魁を殴り倒す。
わあ、かんたん(こなみかん)
ご参加お待ちしております。
第1章 集団戦
『僵尸兵士』
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POW : 僵尸兵器
【生前に愛用していた武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 僵尸鏡体
【硬質化した肉体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、硬質化した肉体から何度でも発動できる。
WIZ : 僵尸連携陣
敵より【仲間の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
イラスト:鹿人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「天網恢恢疎にして漏らさず、老子ですか」
【SPD】
●戦闘
「準備が出来たら後は待ちますか、千里の行は足下より始まると云いますし」
敵の位置が分かっているそうなので、対象の拠点を見下ろせる都の高台を【メカニック】として拠点に改装し味方が仕掛けるか敵が出てくるまで待ちます。
「念のため、出しておきますか」
事前に、『サーチドローン』を空中に放ち自動【操縦】で周辺の【情報収集】を行わせます。
タイミングが来たら、
「CODE:ARTEMIS。観測情報を反映、誤差修正完了」
【エネルギー充填】した『アームドフォート』で狙撃(【スナイパー】)を敢行。敵UCのコピーは気にせず狙撃に集中します。
●老子砲
「天網恢恢疎にして漏らさず……老子ですね」
世の中悪い事などは出来はしない、天は決して逃さじ。
最も、今の状況を見ればそれは至極ハズレでもないこと。
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)が見るモニターに写っているキョンシーの群れであった。
彼らは人の血肉を食うことで、自らの姿を化身させ人の中に紛れ込んでいたのだ。
なお、このモニターは空中に放ったサーチドローンたちがありありとその様を見せている。
仙術によって発展した超古代中国にあっても、その鋼の技術は引けを取らない。
宝貝とは違うのだよ、宝貝とは。
なお、クネウスの居場所はすでに拠点化されており、鉄壁の防御を誇っている。
問題ない。後は撃つだけである。
用意したるはエネルギー充填したアームドフォート。
覗き込んだスコープを利用した目視による確認。
そして、サーチドローンたちが取得した観測情報からの座標情報。
これらを統計して導き出せば、自ずとしてどう撃てばいいかなどと言うのは容易に知れるもの。
かくて、時は訪れキョンシーたちは動き出す。
拠点の扉が開かれた瞬間に、クネウスは迷いなくトリガーする。
轟音が響き、閃光と化した重粒子はチャンバー内で加圧され、超高速の加速を加えられる。
そうした膨大なエネルギーを伴った熱量と化したそれらが砲口より放たれる。
ジュッ、と言う大気が焼け焦げる音を響かせ、加速した重粒子が熱量と共に敵拠点もろとも焼き払う。
まるで空から降り注いだ神罰の光のごとき熱量が、キョンシーの群れを蒸発させる。
これぞ天網恢恢疎にして漏らさず、天よりの光。
名付けて老子砲である。
大成功
🔵🔵🔵
秋津洲・瑞穂
要するに、アチョー入ってメキグシャアすればいいわけ?
それともお酒飲んで長椅子で戦うのかしら。
……まぁ、新当流の系統には柔術もあるけれども。
うちは鹿島のだから、香取の技はさほどやらないのよね……。
まいいや。相手も徒手空拳ではないでしょうし、
やはり太刀術で行かせてもらいましょう。
相手の武器は何でも構わないし、技で負ける気もないけれど、
数が多いのに命中率も上がるというのが脅威よね。
武器次第で先の先と後の先とを使い分けなきゃならないにしても、
いずれも一太刀で終わらせるわ。
神獣刀を八双に構えて、長い吐息を一つ。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
●拳は使わない
「わあ、何あれ」
狙撃ポイントから発射された重粒子加速砲が敵拠点を爆破した。
秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)はそれを見送った。
ド派手にやってんねえ。
「これはわたしもアチョーとか言ってメキグシャアしたりお酒飲みつつ長椅子で戦ったりしたほうがいいのかしら」
怪鳥音をあげながら高く跳躍し、飛び蹴りを仕掛ける。
そんな戦い方もあるのかもしれない。
新当流にも徒手の技はありけり、名を柔術と言う。
……いや、怪鳥音をあげながら戦ったりするのは中国拳法である。
※実際にはあげません。
そもそも瑞穂の新当流は鹿島であり香取ではない。
「……ま、いいや」
相手武装してるし、徒手空拳で相手取る必要はなし。
柔術とは武装した相手を素手で生きたまま捕縛する為に発達したと言う歴史上珍しい思想によって発達した技術ではあるが、そもそも相手キョンシーだし。
生前に使用していたと思われる偃月刀で切りかかってくるのを、瑞穂は大太刀で撃ち落とし、返し刃で切り捨てた。
「どちらにせよ一太刀で全部終わらせるわ」
放たれた青竜刀の突きを踏み込み、刺突からの薙ぎで切り払う。
先の先、後の先、それらを使い分けながら乱舞するキョンシーたちを切り払う。
そこには中国カンフーアクションのような派手さはなくとも、実運用の為に研ぎ澄まされた質実剛健の美しい技があった。
切り払い、受け流し、八相の構えを取る。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
無数のキョンシーは未だあり。
新当流太刀術、秋津洲瑞穂もまたここにあり。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
「キョンシーか……」
昔見た(というか師匠に見せられた)映画では、確か生のもち米が弱点だったはず。
実際に効果があるかは分からないが、まあダメ元で出発前に用意しておく。
調息、脱力、敵を『観』据える。
目付は広く、敵各個体の体格・得物・構えから間合いを把握。
先ず遠間からもち米をばら撒くように投げつける。
「推して参る」
UC:攻撃重視
戦闘の立ち回りは基本ヒット&アウェイ。
体勢は低く、足を止めず常に動き回り、被弾と包囲を回避。
もち米が有効であれば、合間に投げつけて動きを牽制。
一体ずつ確実に、残らずここで殲滅する。
●もちごめェッ!!
「キョンシーか……」
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はキョンシーの群れを見る。
昔見せられた中国映画では、生のもち米が弱点であった。
出発前に念の為に用意しておいたそれ。
おもむろにばらまいて見る。
『……』
意に返さず群がってきたキョンシー。
ですよね、修介はわかっていた。
所詮は創作、実際に影響があるはずもなし、と言うか吸血鬼にだって十字架を見せたら聞くと言うわけでもなし。
振り下ろされた青竜刀を両手で挟み込み白刃取る。
そして、息を整え、適切に力をこめ、敵を見据える。
敵の重心、呼吸、それらを統括し、適切な力加減によって。
「ふッ!!」
呼気一つ、手をひねれば面白いようにその鋼の刃が曲がってへし折れた。
自らの得物が徒手空拳で破壊されたのにたじろいだのか、その一瞬の隙。
手にした折れた刃を投擲し、その頭蓋に叩き込む。
その一撃で倒れ伏した骸を気にも止めず、一足踏み込む。
背後に控えていたキョンシーに肩からぶつかりにいく。
同時、強く足を踏みしめ、大地を砕く。
鉄山靠とも称されるその技が圧倒的な破壊力を伴い、キョンシーの全身を砕き弾き飛ばす。
弾かれたそれは質量弾と化して周りのキョンシーを巻き込んでいく。
「……推して参る」
群れを相手にする時に心がけるものはただ一つ。
囲まれない事、多数を相手にしない事。
ヒット・アンド・アウェイ。
それを心がければ究極的には一対一を繰り返すだけの作業である。
切りかかってきたその腕をひねり上げ、そのまま大地が砕ける程の勢いで投げつけてから、修介は再び呼気を正した。
大成功
🔵🔵🔵
堆沙坑・娘娘
グリモア猟兵というのは本当に凄まじい存在ですね。天網恢恢疎にして漏らさず…まさに天の張る網そのものということですか。
この力がもっと早く我々の世界にあれば救えた人々も…いえ、これは傲慢な思考ですね。切り替えねば。
グリモアのお陰で連中の正体は分かっています。人を後ろから襲う気満々の悪漢を後ろから【貫通攻撃】で奇襲します。
どんどん殺していきましょう。あなたたち悪漢の死体の山を築けば築くほど世は平和になり民衆の不安も消え、いいこと尽くめです。
つまり、あなたたちが最後にできる善行は『死』あるのみということです。私がその善行を手伝ってあげましょう。躯に風穴を開けながら地に倒れ伏し感謝しなさい、外道ども。
●天網恢恢疎にして漏らさず
「……全くもって凄まじい存在、力と言うか」
堆沙坑・娘娘(堆沙坑娘娘・f32856)は驚嘆していた。
予知能力による敵性戦力の特定。
まさしく蒼天に張り巡らされた網の如く。
ぴたり、とその場所を見出したその力は心胆を寒からしめる。
「この力がもっと早く我々の世界にあれば……」
もっと多くの人々が救えたのだろう。
あるいは、このような事態にすらなっていないのかもしれない。
――――だめだ。
「……いえ、いけませんねこれは」
それは傲慢に過ぎる考えだと娘娘は思考を切り替える。
今は、目の前の敵を打ち倒す事に集中するべきだ。
相手は予知能力、グリモアの力によって化身する前の化け物、キョンシーである事はすでにわかっている。
襲撃も成功し、キョンシー、その正体を晒したままの戦闘に突入している。
ならば、ここにいるその姿をしたものは全て敵である。
娘娘は手にした巨大な杭打機を構え一気に踏み込む。
宝貝なのか、あるいはもっと異質な技術なのか。
とにもかくにも記憶は定かではないが、自らの愛用の得物であり、極めた武装、その名はパイルバンカー。
ゴツン、と言う音と共にキョンシーの腹部にその砲口が叩き込まれる。
刹那、轟音をあげ、その腹が消し飛んだ。
上半身と下半身、それを繋ぎ止める為の部位が炸裂し、上下にちぎれて吹き飛んでいく。
「どんどん殺していきましょう」
悪漢たち死体の山を築き上げる事、それを繰り返せば天下万民是太平なり。
世に蔓延る悪は減り、善なる民は太平を謳歌する。
良い事尽くめである。
「あなた方には善行を積み重ねてもらいます」
最も、その善行は命脈を断ち、星となり、過去世である骸の海に沈む事。
それ即ちは死そのものである。
――――だが忘れてはならない。
そもそも、このキョンシーたちは過去世の産物、すでに死して動かぬ屍であったものたち。
「過去世のものが、現世を謳歌する。その悪行は許されざる行いです」
炸薬の音が弾けるように響き、キョンシーが風穴を開けて崩れ落ちていく。
かくて、猟兵の活躍により前哨戦は制されたのである。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『死者英傑』
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POW : 無尽槍兵団
レベル×1体の【精鋭僵尸槍兵】を召喚する。[精鋭僵尸槍兵]は【突】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD : 戦場の覇者
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【方天画戟】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ : 孤影再起
全身を【己を英傑たらしめる闘気】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
イラスト:あなQ
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●過去世の英傑
『チッ、キョンシーどもは使い物にならなかったか』
その巨漢は槍を背負いながら現れ、崩れ落ちた群れを見て吐き捨てた。
現れたるは古に伝説と為った英傑の一人。
その槍、天を穿ち、その武勇、山を砕く。
無双の人と人は呼び、戦国乱世に名を轟かせた男。
されど、その人とてまた戦国乱世に無情に散った。
そんな無双の男は過去世から帰ってきた。
骸の海より這い出してきた男は外道に成り果てた。
人の生き血と肉を喰らい、過去世でなくなる為に。
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「キョンシーも使いよう次第です」
【SPD】
●戦闘
拠点から離れ、近くのキャンシーだったモノに近づきます。
「CODE:RE-CREATOR。現地改修を始めますか」
UCを発動し、元キョンシーと持ち込んだ資材、扉や吹き飛んだ鉄素材を組み合わせて現地改修(【メカニック】【肉体改造】)。
「武器の数だけ腕を継ぎ足し、攻撃時の安定性確保に脚を足し装甲に門扉、AIの用意が無いので『サーチドローン』、爆薬をぶち込みますか」
出来上がるのは『陸戦型キョンシースパイダー・門扉アーマーカスタム』!
蜘蛛の如き無数の手足と多数の近接武装、重厚な装甲と自爆機能の塊!
「GO!」
外道には外道で対抗します。
●アストレイ
「さて……はじめますか」
戦闘を開始した猟兵たちを尻目にクネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は何かしていた。
キョンシーたちを素材に何かしていた。
……ナニカサレタヨウダ。
そう、クネウスはキョンシーをコアにキョンシーや扉、鉄材などを組み合わせて新たなるキョンシーを作り上げようとしているのだ。
散乱している武器の一つ一つを丁寧に回収。
そして、腕を継ぎ合わせ、その腕に武器をもたせる。
攻撃時の安定性を高める為の多脚化。
これにより安定性と悪路走破性が格段にあがる。
また、キョンシーの身体は至極脆いので扉や鉄材を用いて装甲化を施す。
しかし、これはすでに死体にしか過ぎない。
ネクロマンスな技を持たないクネウスに死体を動かす事は出来ない。
だが、それを解決するのが科学力ってものですよ。
サーチドローンを埋め込み、大量の爆薬を積載。
出来上がったのは陸戦型キョンシースパイダー・門扉アーマーカスタム。
なんと言う事をしてくださりやがったのでしょう。
匠の技術力によってぼろぼろだったキョンシーはご覧の通りの特攻兵器に。
無数にある腕はただ振り回すだけで敵の驚異となる逸品が剣山のように。
わきわきと蠢く足はどんな大地も走り切る優れもの。
使いみちがなくなれば、そのまま敵もろとも大爆発すると言う環境に優しいエコも追求されている代物。
匠のにくい心遣いがありありと感じ取れる素敵なキョンシーになりました。
『っておおい、俺らも大概だがてめえそれはいいのかよッ!!』
「――――古人曰く」
『曰く?』
「毒をもって毒を制する byニーチェ」
『ニーチェはんなこと言ってねえええええッ?! うっわこわっ、こっわっ!?』
わきわきと足を踊らせながら武器を振り回す危険物。
それに襲いかかられる恐怖とは一体。
それはそのまま英傑に組み付いて――――。
『あっ』
閃光、爆裂――――。
英傑の笑顔を空に刻みながらクネウスは敬礼した。
『死んでねえよ!!』
大成功
🔵🔵🔵
秋津洲・瑞穂
武技を競おうとすると部下呼んじゃうのね……。
まぁ、武術家でなく英傑なのでは仕方ないか。
ならば焼こう。
「おいでおいで、火の子たち」
まずは2回攻撃40の一回目。
手元に護衛の一団を残し、あと全部の狐火で包囲攻撃。
どんなに手が早かろうと、タイミングを微妙にずらした
狐火軍団の全方位連鎖突撃は裁き切れないでしょ。
そしてわたしは護衛の子たちに護られつつ回避専念。
迂闊な攻め方をすると2回攻撃二発目でカウンター20の
狐火後続部隊101匹ひーちゃん大行進を食らうわよ?
狐火は生命体ではないんで吸収もできない。
そして補充は無尽蔵。わたしを捉えない限り、じり貧よ。
飛び道具がないと追い付かないと思うけど頑張って。
●外道は焼くが如く
『くそがッ!? 死体をあんな使い方するものかよッ!?』
もうもうと立ち込める黒煙から英傑が現れる。
そりゃあ普通はしない。普通はね。
だけど申し訳ないのだが。
「焼こう」
外道相手に外道を行って何が悪いのか。
武術、武技、武芸を競えるのならば、この太刀を抜こうものの、相手は武芸者ではないのだ。
ならば焼こう。
「おいでおいで、火の子たち」
現れたるは狐火101匹大行進。
それは次々と襲いかかる。
決して隙の生じぬ二段、三段構え。
『ちょ、ま、てめ……ッ!!』
次々と狐火が襲いかかり、英傑を燃やしては爆裂する。
しかも四方六方八方全方位連鎖突撃。
知っているか、英傑よ。
古来より人類はとある戦術よりも優秀で有能な戦術を開発したことがないのだ。
その戦術の名とは即ちの所飽和火力殲滅である
襲いかかる火の子たち、狐火。
襲いかかって爆発して消え去ったと思っても、本体である瑞穂がいる限りそれは生成される。
しかし、瑞穂を排除するにも狐火たちの包囲は完璧で完全だ。
『ちくしょおおおおおおッ?!』
振るった刃とて炎ならばあぶられ透き通るばかり。
むしろそのまま燃やされる。
全身を赤く染め上げ、その真紅がじょじょに黒に近づいていっていた。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
「名のある武人とお見受けする」
呼吸を整え、内功を練る。
周囲の状況を確認、また敵将の体格・得物・殺気等から呼吸と間合い、彼我の距離を量りながら、先ずダメ元で説得。
「どうか矛をお収め頂きたい。今ならまだ、貴方の武勇に付く傷は少なく済む」
否であれば、低い姿勢で突貫。
先程倒したキョンシー等の武器を拾って投擲し雑魚を排除。
回避も、防御も取らず、持てる最速にて一直線に英傑の間合いに踏み込む。
相手の迎撃に合わせて、防御重視によるUC起動と練り上げた内功による硬功にて肉体強度を瞬間的に引き上げ、一撃を正面から受ける。
受け切ったら、すかさずUCを攻撃重視に切り替え、渾身の一撃を叩き込む。
●外道
『くっそがッ?!』
全身を黒焦げにしながら英傑が武器を振るう。
それを前に上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)は拳を掌で受け止め包み、礼をする。
「名のある武人とお見受けする」
抱拳礼。
駄目で元々であるし、この英傑とて骸の海より蘇った過去の遺物でしかない。
呼気を正し、間合いを量り、敵を観据え、適度な脱力。
「どうか、矛をお納め頂きたい。今ならまだ、貴方の武勇につく傷は少なく済む」
『あんなことやっといて今更ぁッ!?』
すまない。それをやったのは俺ではないんだが。
でも猟兵だし仲間だし、仕方ないね。
殺意は増したし、放たれる殺気は最早、物理的な圧力とすら化していた。
だが、修介はそれを涼風のように受け流しながら内功をを練る。
苛立ち、殺意まみれの英傑の矛が振り下ろされる。
その刃は人を殺して余りあるもの。
大地を砕き、山を貫き、天を割る無双の一撃。
しかし、その刃の横っ面をしなやかに修介の拳が打ち払う。
力は流され、刃は落ちて、間合いは今殺された。
一歩、踏み込む。
震脚、大地がひび割れ、めくれあがり陥没する。
全身の体重移動、適切な脱力と適切な重心移動。
全ての力を適切に運ぶ。
流麗なまでに、されど質実剛健に。
力は溜めず、息は止めず。
なれば、あとはただ一つ。
いつもの通りに、いつもの如くに。
上野・修介と言う音はただただ、その己の意地一つを貫き通す為に。
「意地は、貫く――――ッ!!」
呼気と共に打ち出した拳、それは腹部を打ち据えて、みぞおちを撃ち貫く。
何かが破裂したような、あるいは火薬が炸裂したような。
けれど、轟音と言うにふさわしい音が弾け鳴り響く。
英傑の身体はくの字に曲がり、みしみし、と身体をきしませる。
ただ一点に収束した破壊の一撃は、英傑の臓腑を破壊したのだ。
大成功
🔵🔵🔵
堆沙坑・娘娘
乱暴狼藉は戦国の世の常。敵国を荒らせば荒らすほど自国の益となる。あなたが生前の戦争中にこの行いをしていたなら、私の感情はどうであれ、対応についてもう少し考えたと思います。無差別な救済が大きな混乱を生み出すこともありましょう。
しかし、今のあなたは黄泉より迷い出た悪鬼。しかも、やっていることはより強大な悪鬼の使い走りの人攫い。存在から行動まで全てが塵です。そのまま生き返っても恥ずかしくて死にたくなりませんか?もしならないようなら、なんというか…ねえ?
まあ、とにかく。これ以上恥を晒す前に送り還して差し上げます、英雄殿。
最速で貫く。周囲の何を利用しようが、その全てを貫き敵の命も貫く【貫通攻撃】。
●戦国乱世を穿つ
炸裂した音。
めりこんだ拳。
弾けるような勢いで英傑は吹き飛び、建物に叩きつけられ瓦礫に埋まる。
『……ち、ィッ、この俺、がッ!!』
その様を堆沙坑・娘娘(堆沙坑娘娘・f32856)は見ていた。
見事な技であった。見事に鍛え抜かれた功夫であった。
称賛に値する。この一撃を練り上げた男は。
だが、反して今立ち上がろうと言うすでに死に体の男は。
「乱暴狼藉は戦国の世の常」
敵を殺し、犯し、奪うは乱世の常。
自国の為に奪い殺すが常道。
故に、この英傑の過去の非道には、娘娘の感情はどうであれ、対応はまた違っただろう。
「無差別に誰かを救う、それがまた別の悪徳を生み出し、天下の泰平を乱し、混乱を生み出す事もありましょう」
されど、この英傑は、今は最早死に絶えたもの。
黄泉、地獄より迷いでた悪鬼羅刹の類。
やる事なす事全てがより強大な死に絶えたはずの悪鬼の使い走り。
「その存在、その行動、その道理。その全てが何もかもが塵です」
ガコン、と言う重々しい音をあげ、パイルが装填される。
狙いはすでに穿たれた。
ごつん、と言う音をあげ、死にゆく英傑の額に砲口は押し当てられた。
「これらによって生き返ろうなど、恥の他でもない。仮にも英傑と言うのならば――――いっそ潔く自刃すればいい」
だが、その死した英傑は決して自刃はしない。
何故ならば、それは使い走りであり、ただの駒の一つでしかないのだから。
ならば、これ以上の恥を晒す前に送り還して葬るが世の情けと言うもの。
「さようなら、英雄殿」
撃鉄はあげられ、引き金は引かれ、膨大な炸薬が破裂する。
その鉄杭は恐るべき破壊力を伴い、射出され英傑その頭蓋を撃ち穿つ。
弾ける音と共に真紅は飛び散り、英傑は死に絶える。
あとにあるのは、骸の海へ還る名残の砂塵の如き灰が舞うばかり。
「やはり、塵でしたね」
娘娘は、呟いた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『古龍髄厳』
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POW : 古龍炎
【龍の炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【音もなく燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : 髄厳の裁き
対象への質問と共に、【虚空】から【黒雲】を召喚する。満足な答えを得るまで、黒雲は対象を【落雷】で攻撃する。
WIZ : 古龍天舞
自身の【龍気が全身を覆う状態】になり、【鱗が攻撃を弾く】事で回避率が10倍になり、レベル×5km/hの飛翔能力を得る。
イラスト:蒼夜冬騎
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●古龍髄厳
『オオオォォォォォ……我が大望を阻むは貴様たちか……』
屋敷の奥底、秘された地下。
その奥に無数の骸山が築かれたそこにそれはいた。
巨躯をのたうたせながら、龍はその顎を大きく開いた。
真紅の瞳は憎悪に燃えて、真っ当な意思なんて感じやしない。
『愚かな、愚かな、愚かな……龍に歯向かうとはなんたる愚かなりや』
果たして本当に愚かなのはどちらなのか。
されど、骸の海より帰ってきた龍に、最早理性などはない。
猛々しく咆哮をあげ、地下洞の大気が激しく震えた。
クネウス・ウィギンシティ
※アドリブ&絡み歓迎
「この骸の量、生贄の儀の類か」
【SPD】
●準備
『クロムキャバリア』に乗り込み、拠点(第一章)にあったアース線を機体と脚部のパイル巻きつけます(【メカニック】)。
●SPD UC対抗
「質問ですか、ちょっとよく分からないですね」
落雷が来るらしいので、アース線と地下の地面に打ち込んだ脚部パイルで電気を地面に受け流します(=アース)。
●UC
「チャンバー内圧力低下確認」
UCを発動し、機体の肩の『レールガン』を龍に向けます。
黒雲と落雷の出現で空気が乾き、電気が通じやすくなる。敵が自ら整えた『レールガン』を放つための御膳立て。
「真空アークレールガン:老子砲、発射!」
●大望とは
「この骸の量……」
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は古龍の周囲にうず高く積まれた骸の数々を見た。
老いも若きも関係なく。
男も女も問答無用で。
未だ、生きているのではないか、と言う綺麗なものから。
異臭を放ち始め、蛆が湧き始め内外より様々なものを垂れ流すもの。
あるいは、最早腐るべき部分もとうになくなり、骨を晒したもの。
「生贄の儀の類か」
それこそがこの古龍が望んだ行いであり、古龍の大望であった。
それが故に、古龍はその顎を大きく開く。
『問おう……何故我が大望を阻むのか……』
それは古龍よりクネウスに投げかけられた問いであった。
しかし、その問いの意味も意義もクネウスには関係なく、無意味であり、無為であった。
「質問ですか。その問いの内容、意味は少々わかりかねますが」
あっけなく答えられた中身。
その問いに対する答えではなく、そもそもわかりかねるその問いかけ。
と言うか、クネウスにはそんなものはどうでもよかった。
目の前のそれは倒すべき敵でしかない。
大望? 知った事ではない。
しかし、世界理の外側の力たる問いかけには力の法則が宿る。
落雷が降り注ぎ、問いに答えなかった不敬なるものに天の裁きが降る。
閃光、轟音。
破裂したような音が地下洞に響き渡り、砂塵がもくもくと立ち込める。
『愚かな……愚かな……』
天に裁かれた愚か者を見下しながら古龍は嘶く。
そんな最中、奇妙な吸気音がかすかに響いていた。
『……?』
「――――チャンバー内圧力低下確認」
ランディング・ギアが大地に打ち込まれ、アンカーがその鋼を固定する。
バレル内の正常な加圧が確認され、砲口内でそれは回転を開始する。
砂塵が晴れればそこにあったのは鋼の巨躯。
張り巡らされたワイヤー、それは大地に打ち込まれていた。
――――アース線。
それが、古龍の"天の裁き"とやらを無効化したトリックであった。
「この国、この世界においては確かに天の裁きなのでしょう」
砲口が青白く輝き、バヂ、バヂ、と爆ぜる音が響く。
大気が焦げる匂いが立ち込め始め、そのチャンバー内で蓄えられた鋼の破壊。
「――――ですが、私にとってはただの自然現象その一つにしか過ぎません」
かくて、鋼の咆哮は解き放たれる。
一瞬で音速の壁を破壊し、突破した炸裂音。
黒雲も、落雷も、その全てはこの一撃のお膳立てにして布石にしか過ぎない。
真空アークによるレールガン、その砲口より放たれた鋼。
その弾殻が古龍の肉を穿ち、骨を砕き、風穴を開けた。
「これが老子砲の威力です」
老子砲の炸裂であった。
……あれ、それってそんな名前だったっけ?
大成功
🔵🔵🔵
秋津洲・瑞穂
……あぁ、そっか。こっちだと龍は皇帝の象徴だから、
帝国を統べるくらいの権威はあるんだっけ。
エンパイアだと、土地の蛇神と大差ないからねえ……。
こちらも神使といえど、肩書きとしては命婦神を名乗れる
立場でもあるから、言っちゃえば同格なのよね。
「育ち過ぎた鯉の分際でなにが大望か。自惚れるな魚類」
「死者は大人しく死んでおきなさい」
神獣刀を正眼に構えて、長い吐息を一つ。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
ダッシュ20/ジャンプ20で突撃、
野生の勘20/聞き耳10/見切り20/残像40で回避、
回避不充分ならオーラ防御40/火炎耐性20も追加して、
鎧無視攻撃40/2回攻撃40/剣刃一閃の一刀二斬を喰らえ。
●古龍たるとは何たるか
『おのれ……おのれ、この、この貴き身に、よもやこのような傷を』
老子砲(?)によって穿たれた大穴、溢れ出る龍血。
忌々しいと言う声音の咆哮がその顎から漏れる。
秋津洲・瑞穂(狐の巫女・f06230)は、それに怪訝そうに首を傾げた。
たかが、蛇神の一つが……と思ったがふと、思い立った。
「……あぁ、そっか。こっちだと龍は皇帝の象徴だから」
だからこそ、一つの大帝国を統べる権威がある。
だからこそ、一つの大帝国を統べる力がある。
そして、だからこそ、あの無名の英傑すらそれに従った。
「……こっちだと、土地の蛇神と大差ないからねぇ……」
だが、それは古代中国では、そして、この封神武侠界だからこそ。
瑞穂の故郷であり、故国であり、生まれ育った世界においては数ある力ある神々、その中の一つでしかない。
確かに大層な権威と力を持った龍神も中には存在するし、それらの力は瑞穂を凌ぐものもいる。
だが、目の前のそれの権威は瑞穂と同格であり、肩書もまた同格であった。
「育ちすぎた鯉の分際でなにが大望か、自惚れるな魚類」
『たかが矮小な狐ごときがよくぞ我が前で吼えた……ッ!!』
たかが狐?
侮るのも大概にしろ。
「この身は命婦神を名乗る事も出来る身、侮るな魚類」
『おのれ、矮小にして貧弱な身でよもや我をそこまでこけにするかッ!!』
閃光、そして轟音。
降り注いだ雷が瑞穂を打ち据えたのだ。
パチ、パチ、と言う燃え爆ぜる音の最中。
されど、そこには傷一つ負わず、構えた太刀にその降り注いだ雷を蓄えた姿があった。
「稲荷神の眷属たる私を侮ったわね」
稲荷神の眷属、狐。
そして、稲荷神は時には雷神、龍神として奉られる。
様々な信仰意識の習合によって、そのような化身と化した稲荷神であるが、それは即ちの所、強さでしかない。
多くの権威と多くの意味、多くの信仰と多くの意識、その集合体。
集まった意味と意思、信仰の重さによって神の力とは増すものである。
ならば、五穀豊穣の信仰を持ちながら雷神としての力を与えられしもの。
そして、水と共にやってくるが故に水神、即ち川の化身としての龍神としての側面も付与されたもの。
同格? ――――否。
「新当流太刀術、秋津洲瑞穂。参ります」
――――格が違う。
一足の踏み込み、それは降り注ぐ落雷よりも早く、速く、疾く。
否、降り注いだその落雷のその全てを束ねて、重ねて、刃に託して。
間合いに踏み入った瞬間に振るわれた刃。
ただの一振り。
否、あまりにも速すぎたが故に二度振るった事すら知覚できぬ雷速雲耀の太刀。
それは、龍神にして古龍たる髄厳、その権威と力の象徴たる龍角二本を切り落とした。
「――――格が違うのよ、魚類」
所詮は登竜門を登って羽化したに過ぎない魚神。
それが生粋の神として奉られた稲荷狐に及ぶはずもなかった。
大成功
🔵🔵🔵
堆沙坑・娘娘
どれだけ素晴らしい大望だったのかは知りませんが、関係ありません。
私にはたった今、その骸の山を一刻も早く遺族の元に送り届けるという新しい仕事ができたのですから。
だから髄厳、あなたは邪魔だ。
炎も敵の身体も全ての闘気を込めたパイルバンカーによる【貫通攻撃】で貫きます。
そしてその全ての闘気を炸裂させ、無駄に長い身体を真っ二つに弾き飛ばしてあげましょう。
塵のことはもう本当にどうでもいいのです。
彼ら、彼女らの身元を…なんとか見つけなければ…私にはできなくとも、仙界の仙人たちであれば…どうにか…。
…戦うことしかできない我が身の無力さよ。
せめて、本当に安らげる場所にしっかりと返して眠らせてあげたいものです。
●新たな使命の為に
『おのれ、おのれ、おのれ、我が角を、我が権威を……ッ!!』
「知りません」
嘆く髄厳、切り捨てる堆沙坑・娘娘(堆沙坑娘娘・f32856)。
彼女には今新たな仕事が、使命が生まれたのだ。
「可哀想に……すぐに帰るべき場所に送り届けてあげますからね……」
娘娘の視線は、むごたらしい姿を晒す骸山に注がれていた。
それを見ては激昂するは古龍髄厳である。
『おのれ、小娘、おのれ、おのれ、たかが人形風情が、この我よりも矮小十把に過ぎぬ残骸を気にかけるかッ!!』
「知らないと言いました」
ガゴン、と言う装填する音が響く。
炸薬の量は今までの比ではない。
その分の反動はひどいが、威力は折り紙付きだ。
落雷が降り注ぎ、娘娘を打ち据える。
ぷすぷす、と躯体が焦げ付く匂いをあげるが、その中枢部を破壊するには至らない。
全身を覆った闘気がそれを防いだのだ。
そして、その闘気は防御の為に張り巡らせたものではない。
そう、それは全て――――。
「彼ら、彼女らの身元を見つけて、安らげるべき場所で眠らせてあげねばならない」
収束した闘気はその一点。
鋼を打ち出す破壊の機構、その一つに注がれる。
「古龍髄厳、あなたは邪魔だ」
踏み込む。
膨大な闘気によって出力される肉体活性。
その一足は大地を砕き、ひび割るのだ。
恐るべき踏み込み、駆け抜ける、ただそれだけの行為で大地には一直線の亀裂が走る。
「貫く」
仙術歩法・縮地。
本来は空間跳躍じみた飛翔による移動術でしかない。
しかし、今はその全てを速さにへと転換する。
威力とはとどのつまり、速度と質量に比例する。
即ち、光速度にも及ぶその歩法より打ち出される鋼の杭の威力。
凄まじい爆音、たかが一つの手持ちの兵装から繰り出されたとは思えぬ大音。
それが地下洞を大きく揺るがした。
ただの音一つでそれだと言うのだから、その打ち出された鋼の威力は最早言うに及ばず。
古龍髄厳その巨躯を穿ち、その部位を弾け飛ばせ長い、長い巨躯の下半分が物言わぬ骸と化して地に堕ちた。
大成功
🔵🔵🔵
上野・修介
※アドリブ・連携・負傷歓迎
今はこちらに狙いが向いているが、下手に時間を掛ければ、洞窟を飛び出して無差別に暴れる可能性もある。
「早々に方を付けるか」
故に速攻。
――為すべきを定め、心を水鏡に
「推して参る」
UCは攻撃重視。
調息、脱力、敵を観据え、踏み込む。
持てる最速にて真正面から最短距離を突貫。
元より燃やされるのは覚悟の上。
回避も防御も捨て、ただ速く、ただ真っ直ぐ、突っ込む。
狙うは脳天。
懐に入る直前で地面を打撃し、土砂を巻き上げて炎をかき消すと共に目くらまし。
衝撃を利用して相手の頭上の壁か天井まで跳躍。
壁面か天井を蹴って、その勢いをプラスした捨て身の渾身の一撃を、そこから更にラッシュを叩き込む。
●打ち砕くは我が拳の意
『おお、ぉぉおおおおおおッ!!!!』
古龍が吼える。
それは憎悪に満ち溢れた咆哮であった。
上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)はそっと力を抜いた。
あの憎悪が向いている矛先は修介たちを中心とした猟兵。
されど、その憎悪がいつ外に向くかはわからない。
この地下洞を飛び出し、無差別に暴れだす可能性もある。
否、この広大な地下洞を破壊し、自分たちを生き埋めにする可能性もある。
この膨大な骸を返すためにも、そして、地上の人々のためにも。
「推して参る」
早々に片付ける。
修介は吐息を正す。
力は適切に抜き、敵は観据える。
――――すでに見切った。
勝機はどちらにあるか。
「――――力は溜めず」
一足、踏み込む。
大地がクモの巣状にひび割れ、その身が加速する。
放たれた炎、それを拳で打ち払いながら、さらに一足踏み込む。
先より強い踏み込みが、さらに地下洞の大地を踏み砕き、修介の身は最速に達する。
「――――息は止めず」
回避も防御もその何もかもを捨てて一気に駆け抜ける。
大地に堕ちた古龍、その権威ある神々しい角も失われたただの蛇神と化したそれを。
古龍髄厳は再びその顎を開き、炎を吐こうとする。
同時、修介は大地を踏み砕いた。
土砂が巻き上げられ、瓦礫がその視界を阻んだ。
その一瞬の隙、踏み砕いた勢いで跳躍し、壁面に脚をつけば、そこを踏み台にミサイルのように加速する。
「――――意地は貫くッ!!」
繰り出した拳、それは髄厳の額に打ち込まれる。
弾けるような打突音が響き、その額にヒビが入る。
繰り出した拳を硬いそこに打ち込んだ反動を利用し、その顎を蹴り上げる。
開かれていた顎が無理やり閉じられ、吐き出されようとしていた炎が口の中で弾ける。
『ごおおおおおおッ!?』
「おぉぉぉぉおおッ!!」
古龍の咆哮、それに合わせるように拳と蹴りを連打される。
古龍の顔が無数の乱打によって次々とその頭蓋を陥没していく。
「――――フッ!!」
我が意はこの拳にこめて。
最後に繰り出した一撃が、古龍髄厳の頭蓋を撃ち抜いて。
それを最後にその骸が動かなくなり、崩れ落ちていく。
古龍髄厳、遂にその身は終えた。
大成功
🔵🔵🔵