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強大なる敵を打ち砕け、ヒーロー!

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドン・ガルシア #バイオモンスター

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#バイオモンスター


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 逢魔が刻、太陽が沈むころにそれは現れた。

「チィッ!!」

 スチャ、と橋の上に降り立ったのは、真っ白な蛇頭人身のバイオモンスターにしてヒーロー、グランドクロウラーだ。グランドクロウラーが見上げるのは、巨大な黄金の門――その意味を、グランドクロウラーは知っていた。

「ドン・ガルシアめ! まさか、ここまで――!?」

 ギィ……と金色の樹の扉が、開いていく。そこから姿を現したのは、体長十メートル前後の青い蛇竜――怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグだ。ニートヘッグは、普通のソレではない。本来であれば青いだけの鱗は、冷気を帯びた氷で出来上がっていた。

「スナーク化による強化改造か……だが、それならまだ対処はできる、はずだ」

 冷気を帯びる竜身は、変温動物には厳しい。だからこそ、あるはずなのだ。あの冷気の鱗のどこかに、冷気を操る機能が――この場でそれを見切れるのは、またドン・ガルシアに改造されたバイオモンスターであるグランドクロウラーだけだ。

「それを探しながら……街を守らないといけない、か」

 倒すこと、護ること、その両方を成し遂げなくてはいけない。ヒーローというのは厳しいな、とグランドクロウラーはニヒルに笑った……。



「じゃが、このヒーローでも倒せず、街が破壊される事になるのじゃよ」

 あまりに厳しすぎる現実に、ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)がため息をこぼす。しかし、この結末を覆す手段があるのも確かだ。

「おぬしらに頼みたいのは、グランドクロウラーというヒーローと協力して幹部猟書家のドン・ガルシアを倒すことじゃ」

 ドン・ガルシアは現在、自身が改造しスナーク化したことにより巨大化したニートヘッグに街を襲わせ、高みの見物をどこかで決め込んでいる。

「しかし、ニートヘッグを倒せば向こうも出てくるじゃろう。何より、このまま橋を越えて街に入られたら大惨事じゃからな」

 大きな川にかかった立派な橋での、戦闘になる。グランドクロウラーはドン・ガルシアに改造を受け、今はヒーローとなったバイオモンスターだ。彼なら敵の弱点を見抜けるはずだ、それを手伝ってあげてほしい。

「幹部猟書家が相手じゃ。相応の強敵だからこそ、心して挑んでくれい」


波多野志郎
巨大な敵が街を蹂躙しに来るのはいいですね、どうも波多野志郎です。
今回はヒーローズアースで、ヒーローと協力して幹部猟書家ドン・ガルシアの野望を打ち砕いていただきます。

プレイングボーナス(全章共通)は『バイオモンスターと共に戦う、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る(敵がスナークの名の元に恐怖を集める企みを妨害します)』となっております。

それでは、存分に強敵との戦いをお楽しみくださいませ!
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第1章 ボス戦 『怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグ』

POW   :    ひきこもる
全身を【扉の内側へのひきこもりモード】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    激昂の蹂躙
【牙、爪、細長い巨体を用いた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    収奪の舌
小さな【舌先】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【ニートヘッグの巣】で、いつでも外に出られる。

イラスト:小日向 マキナ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ファリシア・グレイスフェーンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シィアン・ノワール
やぁ、ヒーロー。手子摺ってるようだね、手を貸そう。
私が誰かって?私は「秘密結社スナーク」のエージェントだよ。
まぁ嘘なんだけど。こう名乗っておけば猟書家に対して有効のようだからね。やって損はないさ。

さて、グランドクロウラーという手札を活用しない手はないかな。
彼が有効打を叩き込む為の隙を作るとしようじゃないか。
UCでまずは3匹の猟犬を生み出す。
コレをわかりやすく突っ込ませれば、相手は蹂躙攻撃を反撃してくるだろう。
先鋒が迎撃されるのは計算済み、本命はここから。
即座にUCを再発動。7匹の猟犬を生み出し、攻撃を中断できない標的に喰らいつかせる!
さぁ、ヒーロー。君も続くといい。やられっぱなしは癪だろう?


フォーネリアス・スカーレット
【キツネさんチーム】
「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです。大体分かった。私達で奴を引き付ける。その間に何とかしろ」
 【獄守手】を投擲し、巻き上げ機構で一気に至近距離に持ち込む。【神喰い】を首に叩き付け、死ぬまで殺す。
「硬いな」
 対して効果が無いのは分かっている。殺す手が見えないのならば、死ぬまで殺すしかあるまい。そうすれば、急所が見えて来る筈だ。
 弱点とは何だ。属性か、急所か、行動か。何でもいい、殺せるのならば私は大体どんな手でも使える様にしている。
「スナーク? 知らん、どうでもいい。私はオブリビオンスレイヤー、ただ全てのオブリビオンを殺すだけだ」


叢雲・凪
【キツネさんチーム】

呼び方
ウタくん
オブリビオンスレイヤー=サン

「どうも グランドクロウラー=サン ジンライ・フォックスです」(両手を合わせて決断的アイサツ!)

ニートヘッグ=サンの弱点を見破れるのはグランドクロウラー=サンのみ。ここの防衛線が突破されれば街に甚大な被害が及ぶ… 弱点を見破るまで時間を稼がねば!。

「ここはボクに任せてくれ。あなたはニートヘッグ=サンの弱点を見破るのに専念してくれ!」

ダッシュ+リミッター解除+残像を用いて決断的加速でニートヘッグ=サンをカラテ迎撃。属性攻撃+マヒ攻撃を用いて『扉への帰還』を妨害する。
 
「素直に帰すと思ったか?」
(首根っこを掴みつつ 黒雷槌)


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
改造されて今はヒーローって
自分の意思で未来を選択し
進んで行ってるってコトだよな
尊敬するぜ

クロウラーを助けて氷竜を倒すぜ

戦闘
クロウラーや仲間を庇う

迦楼羅を炎翼として顕現
獄炎噴出で間合いを詰め
その勢いを乗せ
獄炎纏う焔摩天で薙ぎ払い鱗を砕く
更に延焼

掻き消されても
諦めず何度でも繰り返し攻撃し延焼させ
その度に氷鱗を砕き溶かす

弱体化させる他
炎への反応の違いから
冷気操作の鱗の場所のヒントになることを期待

そして狙いは溶けた鱗の隙間や目や口
大剣を叩き込み
延焼広げ内部から焼く

引きこもり時
ダメ元で扉そのものを炎で包み燻り出す
無理なら休憩タイムで

事後
鎮魂曲を奏でる
アンタも改造の犠牲者だよな
安らかに


サハル・マフディー
蛇頭人身、いいじゃないか、親近感を感じるねェ。
そいつが窮地に陥ってるってんなら、同じヒーローズアースの民として放置は出来ない。手助けするよ、ヒーロー。

なるべくグランドクロウラーをかばえる位置を取りながら【バイオミック・オーバーロード】を発動
「爬虫類のくせして冷気を纏うなんざ生意気だが……それを以て町を蹂躙しようってなァ捨て置けないね!!」
巨大な生物が力ない一般市民を蹂躙する怒りによって自身を巨大化させ、【グラップル】【怪力】も駆使してニートヘッグと組み合う
「さァヒーロー、お前さんの力を貸しとくれ。こいつの弱点に心当たりがあるんだろう!?」

アドリブ・連携歓迎



●逢魔が刻に蛇龍は来たる

 バキン! と冷気によって、地面が凍っていく――その中心にいるのは、怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグだ。

「チィッ!」

 グランドクロウラーが、敢えて前に出た。迫る氷、それを拳の一撃で破壊する。手に残る冷たさに、手が痺れる――それでも、グランドクロウラーは止まらなかった。

(「この橋を越えられたら終わりだ――!」)

 まさに、自分が立っているここそが、デッドライン――グランドクロウラーは決死の覚悟を決めて立ち塞がっていた。

『シャアアア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 自身の圧倒的有利を悟り、怒りに震えて引き籠る者・ニートヘッグがグランドクロウラーへと襲いかかる。橋の向こうから見ていた一般人達は、誰もがヒーローが無惨に敗れる姿を想像し――その想像が、覆された。

「――な!?」

 目の前で広がる炎の翼に、グランドクロウラーが目を見開く。ヒーローとヴィラン、双方の間に降り立った木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)の迦楼羅が氷を焼き払ったのだ。

「大丈夫か?」
「あ、ああ……!? 危な――ッ!」

 語りかけてくるウタに、グランドクロウラーが息を飲む。炎を強引に抜けたニートヘッグがその牙を剥いて食らいつこうとしていたからだ。だが、そのニートヘッグの頭が大きく蹴り飛ばされた。

「ドーモ、オブリビオンスレイヤーです」
「どうも グランドクロウラー=サン ジンライ・フォックスです」

 フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)と叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)――ウタを合わせた、キツネさんチームの面々だ。

「お前達は……?」
「蛇頭人身、いいじゃないか、親近感を感じるねェ。そいつが窮地に陥ってるってんなら、同じヒーローズアースの民として放置は出来ない。手助けするよ、ヒーロー」

 街へと続く橋の上に、サハル・マフディー(神の信徒は紫煙と共に・f16386)が四足で降り立つ。そして、シィアン・ノワール(走狗・f32748)も姿を現した。

「私が誰かって? 私は「秘密結社スナーク」のエージェントだよ」
「スナークの!?」
「手子摺ってるようだね、手を貸そう。ヒーロー」

 混乱しているグランドクロウラーに、シィアンは前へ出る。

(「まぁ嘘なんだけど。こう名乗っておけば猟書家に対して有効のようだからね。やって損はないさ」)

 その思惑に、一人乗らない者がいた――フォーネリアスことオブリビオンスレイヤーだ。

「スナーク? 知らん、どうでもいい。私はオブリビオンスレイヤー、ただ全てのオブリビオンを殺すだけだ」
「……はっ、そうか」

 事情がある、それを察したのだろうグランドクロウラーはそれ以上を語る事はしなかった。ただ、心強い味方が現れてくれた――その事実だけを受け止め、ヒーローは言った。

「頼む、力を貸してくれ」

●Final Defense Line Bridge

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
「ここはボクに任せてくれ。あなたはニートヘッグ=サンの弱点を見破るのに専念してくれ!」

 ビキビキビキビキビキ!! と道路を凍らせ迫るニートヘッグの連続攻撃へ、凪――ジンライ・フォックスはバチン! と黒い電光の軌跡を残し、迎撃した。黒雷外装【大雷】の一撃が、ニートヘッグの牙と鎬を削る!

「大体分かった。私達で奴を引き付ける。その間に何とかしろ」

 獄守手――オブリビオンスレイヤーが投擲したD社製巻き上げ機構付きフックロープが、唸りを上げる。地獄めいた鉤爪手に変形したフックロープの先端がグルンとニートヘッグの首へと絡みつき――。

「「イヤー!!」」

 ガゴン! とジンライ・フォックスの曲芸めいたつま先蹴りが蛇龍の顎を強打、のけぞったそこへロープを引いたオブリビオンスレイヤーの落下蹴りが頭頂部に突き刺さった。

「…………あの掛け声、なんだ?」

 思わず呆然としてしまったグランドクロウラーに、ウタは笑って流す。

「改造されて今はヒーローって自分の意思で未来を選択し、進んで行ってるってコトだよな……尊敬するぜ」

 ビキビキビキビキビキ!! と迫る氷を迦楼羅を炎翼で焼き消し、ウタは言う。

「ここは任せて、そっちの役目を果たしてくれ」
「……ああ、時間を稼いでくれ。あいつの弱点を探り出したい」

 ウタの言葉に、グランドクロウラーは眼前のニートヘッグの動きに集中する。戦闘しながらでは、集中できなかった――だからこそ、全てを任せたのだ。

『シャア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 ニートヘッグが鋭く叫ぶ。収奪の舌は、その小さな舌で触れたものを巣に吸い込む能力だったはずだ。しかし、改造された今、地を這う氷にさえその収奪の範囲が拡大されていた。

「――ぐ!?」

 まずい、とグランドクロウラーが息を飲む。アスファルトが削られ、収奪されている――あの氷が向こう岸に届けば、街に被害が及ぶのは必定だ。思わずグランドクロウラーが動きそうになるより速く、その収奪の氷に立ち塞がったのはサハルだった。

「爬虫類のくせして冷気を纏うなんざ生意気だが……それを以て町を蹂躙しようってなァ捨て置けないね!!」

 バイオミック・オーバーロードによって巨大化したサハルが、氷を踏み砕く! そのまま、ニートヘッグの巨体に組み付いた。巨体と巨体、まさに爬虫類型怪獣大決戦だった。

「さて、グランドクロウラーという手札を活用しない手はないかな。彼が有効打を叩き込む為の隙を作るとしようじゃないか」

 その間隙に、シィアンが駆ける。シィアンの足元から、影で作られた漆黒の猟犬が飛び出した。

「さぁ、ワンちゃん達。仕事の時間だ、張り切っていこうじゃないか」

 三匹の影の猟犬が、ニートヘッグへと駆け出す。三方向に散り、機動力で撹乱する猟犬。それを煩わしげに、サハルと力比べしていたニートヘッグは尾を振り回した。

「さァヒーロー、お前さんの力を貸しとくれ。こいつの弱点に心当たりがあるんだろう!?」

 ガガガガガガガガガガ! とアスファルトを削りながら、ニートヘッグを押しやりながらサハルが言い放つ。それにグランドクロウラーは低く身構え、うなずいた。

「おう!」

 これだけの援護を受けたのだ、見極めなければ嘘だ。ヒーローは全身全霊を持ってニートヘッグの弱点を探した。

●Stop freezing!

 ――おかしい、とグランドクロウラーは焦っていた。

 あの冷気をコントロールしている機能、それを備えているはずだ。それは、間違いない。

(「だが、どこだ!? 全身、どこにもそんな様子は……」)

 弱点が見つけられない猟兵側とスナーク側は、膠着状態に陥っていた。互いに決め手を欠ける状況が、続いていたのだ。

「硬いな」

 死ぬまで殺すの精神で攻撃を加え続けたオブリビオンスレイヤーだが、いくら殴っても生命に届かない――それでも、オブリビオンスレイヤーの攻撃は止まらない。殺す手が見えないのならば、死ぬまで殺すしかあるまい。まさに絶対殺すの精神が実体化したモノ、それがオブリビオンスレイヤー=サンだった。

 弱点とは何だ。属性か、急所か、行動か。何でもいい、殺せるのならば私は大体どんな手でも使える様にしている――そのオブリビオンスレイヤーの執念が、まさに実を結ぼうとしていた。

『シャ、アアアアアアアアアアアアアアアアア――――』

 ニートヘッグが、金色の樹の扉の向こうへと引きこもろうとする。度重なる猛攻を前に、一度体勢を立て直そうと考えたのだろう――だが、その瞬間こそ、グランドクロウラーが声を上げる!

「――それだ! その世界樹にある氷の果実だ!」

 そう、あまりにも巨大になりすぎた門に隠されていた林檎を模した氷の果実。それこそが、本体から引き離され冷気をコントロールする氷鱗だった!

「そこ、か――!!」

 獄炎噴出で跳んだウタが、炎の軌跡を描き焔摩天を地獄の炎で包んだ。そのまま全体重と加速を乗せた刺突が、氷の果実を破壊する!

『しゃ、あ、ああああああああああああああああああああああああああ!?』

 バキバキバキバキ!! とニートヘッグの全身を、氷が覆っていく。本来ならば存在しない付加能力だ。コントロール機関を失えば、それだけで暴走する――必死に黄金の扉の向こうへ戻ろうとしたニートヘッグ、その首元へ黒い雷が落ちた。

「素直に帰すと思ったか?」

 ジンライ・フォックスの黒雷槌による一撃によって、ニートヘッグが地へ叩き落される。その地に落ちたニートヘッグの頭を掴んだのは、サハルだ。

「ここまでやって引きこもるなんて、虫が良すぎるよ!」

 ヴォ! とニートヘッグの凍った巨体が、宙へと放り投げられる。それと同時、シィアンが喰い破る猟犬によって七匹の猟犬を再び召喚した。

「さぁ、ヒーロー。君も続くといい。やられっぱなしは癪だろう?」
「ああ!」

 猟犬が地を蹴り、落下してくるニートヘッグに食らいついていく――それに合わせ、宙へと跳んだグランドクラウラーの回し蹴りに似た尾の一撃がニートヘッグの一部を砕き。

「頼む!」
「イヤー!!」

 吹き飛ばされたニートヘッグへ、オブリビオンスレイヤーが迫る。電磁加速仕込み鞘炎刻印居合刀『焔繋』――そこから繰り出される電磁加速による居合いが、ニートヘッグを両断。

『シャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 ニートヘッグは空中で、爆発四散。氷の粒子が、地上へとはらはらと舞い落ちた。

「アンタも改造の犠牲者だよな、安らかに」

 その氷が舞い散る中、ウタは鎮魂曲を奏でる。その物悲しい音色の中、太陽が西の地平へと沈んで消えた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ドン・ガルシア』

POW   :    巨怪君臨
【禁断の研究】に覚醒して【首のない巨人型バイオモンスター】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    捕食学習
自身の【変身したバイオモンスターの見えざる大口】が捕食した対象のユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、[変身したバイオモンスターの見えざる大口]から何度でも発動できる。
WIZ   :    可愛い子供達
【かつて量産した強化人間やバイオモンスター】の霊を召喚する。これは【銃火器】や【ユーベルコード】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:tora

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は音取・金枝です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ドンを名乗る男

 橋をイルミネーションが彩り、街側から拍手喝采が上がる。ヒーローの勝利に沸く中、乾いた拍手がそれに混じった。

「アメイジング! いや、大したものだ!」
「お、まえは……ッ、ドン・ガルシア!?」

 日の暮れた西の方角から歩いてやってきたマフィアの幹部風の男に、グランドクロウラーが驚きの声を上げる――忘れもしない、自分の改造に関わった男。ドン・ガルシアその人がそこにいたのだ。

「廃品回収の見せ物にしては、悪くはなかった。ま、ゴミはゴミ。まだまだ弄る余地はあったな」
「……ゴミ、だと?」

 グランドクロウラーの押し殺した声に、ドン・ガルシアが「ああ」と手を打った。

「ゴミでは不親切か? 産業廃棄物、燃えないゴミ、不良債権。好きに呼べ。お前と同じく、子供のオモチャがせいぜいだった――」

 ミシミシミシ、とドン・ガルシアの足元から巨大な人が立ち上がる。巨怪君臨^――首のない巨人と同化したドン・ガルシアが笑った。

『――不出来なオモチャの後始末をしてやろうというのだ! ディナーの前には終わらせたい、あの街ごと踏み潰してやろう!!』
火土金水・明
「ディナーの前に終わらせるですか。あなたがディナーを食べる事は絶対にありません。」「悪は正義の前に倒されるのですから。」(グランドクロウラーさんとタイミングを合わせて攻撃を始めます。)
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は【破魔】と【継続ダメージ】を付け【フェイント】を絡めた【全力魔法】の【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『ドン・ガルシア』と召喚された霊達を纏めて【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。


サハル・マフディー
は、出てきたか、猟書家。
ゴミだの廃棄物だの、散々言い募ってくれる……その減らず口は叩きのめさなきゃ治らんかね?

ヒジャブを外し、【悪竜顕現】発動。同時に真の姿も解放して、巨大な四足のドラゴンの姿に
「覚悟しなよ。お前の捨てたそのゴミが、お前を滅ぼす!」
変身していようが口がでかくなろうが気にしない、爪と牙で砕き、裂き、押し潰すだけだ
グランドクロウラーは私の巨体で守ろう。必要があれば背や頭にも乗せてやる
「さあヒーロー、お前の拳をかましてやりな。言いたいことの一つや二つ、無いわけじゃなかろう?」

アドリブ・連携歓迎


シィアン・ノワール
うわぁ、なんて可愛くない……見た目も中身も可愛くないとか、もう救いようがないな

とはいえ、ディナーの前に終わらせたいっていうのは同感だね
さっさと終わらせてしまおうか

愛用のリボルバー《ビクティム》に【呪殺弾】を装填し、グランドクロウラーと協力してガルシアの召喚した霊を減らしていこう
更に戦闘しながらガルシアに気取られないようUCを発動し、召喚した《バスカヴィル》をガルシア本体の首に食らいつける位置に密かに配置しておく

配下の霊が減れば、いずれガルシア本体が必ず動く
そうすればあれだけの巨体、必ず隙が生まれるだろう
その瞬間にヤツ本体を《バスカヴィル》で食いちぎってやる

雑魚と侮ったかい?それが君の敗因さ


フォーネリアス・スカーレット
【キツネさんチーム】
「ドーモ、ゴミ=サン。オブリビオンスレイヤーです。自らゴミを自称するとは殊勝な心掛けだ。褒美に殺してやる」
 先手を打って挨拶。
「自己紹介では無かったのか。どうでもいいが。オブリビオンは皆殺しだ……サップーケイッ!」
 印を組み、呟く。巨人、軍団。どちらも閉所に弱い。迷宮内では少人数の冒険者が強いのは自明だ。作り出した地形を利用して攪乱する。
 理性が無いのであれば罠に嵌めるのも容易だ。低い位置にロープを張り足を引っかけて転倒。油瓶を投げ付け、炎剣を投げ付けて炎上。これを繰り返し消耗を図る。
「ジンライ・フォックス=サン、トドメは任せた」


木霊・ウタ
キツネさんチーム

心情
命を弄ぶ者に負けやしない
街を守るぜ

クロウラー
あんたをゴミとしか見れない時点で
奴はもう負けてる
ホットハート&クールマインドで行こうぜ

戦闘
迦楼羅を炎翼とし飛行

敵攻撃を爆炎スラスターで回避
棚引く炎で防御
クロウラーや仲間を庇う

ワイルドウィンドで破邪&浄化の旋律奏で
霊らに優しく手を差し伸べ浄化

死して尚傀儡とは辛いよな
今、解放してやる

そのまま旋律は紅蓮の渦を呼び
炎渦がドンを焼却し灰に

クロウラーのヒーローぶりをみても
生命の輝きや
それが秘める未来への希望が目に入らないか
可哀そうに

首無しもあんたの犠牲者なんだろう?
共に炎で還してやる

事後
そのまま鎮魂曲に

是からも街と皆を頼んだぜ、ヒーロー(ぐっ


叢雲・凪
【キツネさんチーム】
「ドーモ デブリ=サン。ジンライ・フォックスです。意味を成さない廃棄物…つまりお前の事だな」(オブスレ=サンと息を合わせた挑発的アイサツ!)

オブスレ=サンがサップーケイを使うと同時に闇に紛れて奇襲攻撃を狙おう。ダッシュ+残像+忍び足+目立たないを用いて足音すらしない俊足で移動。

「さて… 完全に孤立し地の利を奪われた状況で… どこまでその強情さを保てるかな?」(背後に忍び寄り決断的属性攻撃にカラテパンチ!)

そこからトドメのフィニッシュムーブ!【ライメイケン】を叩き込む!

「これで終わりだ!ヒサツ・ワザ! ライメイケン!イヤッー‐‐!」(高出力化した黒雷が一時的に【白く】変色する



●見えざる悪食

 空に星が瞬き始めた頃、その巨躯が地響きと共に一歩前へと出た。

「は、出てきたか、猟書家。ゴミだの廃棄物だの、散々言い募ってくれる……その減らず口は叩きのめさなきゃ治らんかね?」

 首のない巨人型バイオモンスターへと変貌したドン・ガルシアを見上げサハル・マフディー(神の信徒は紫煙と共に・f16386)が言い捨てる。

「うわぁ、なんて可愛くない……見た目も中身も可愛くないとか、もう救いようがないな」
『こういうのをな? クールって言うんだ』

 シィアン・ノワール(走狗・f32748)の言葉に、ククク、と頭のない巨人が笑う。ズン……! とアスファルトに亀裂を走らせながら進む巨人へ、叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)とフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)が共に前へ。

「ドーモ デブリ=サン。ジンライ・フォックスです。意味を成さない廃棄物……つまりお前の事だな」
「ドーモ、ゴミ=サン。オブリビオンスレイヤーです。自らゴミを自称するとは殊勝な心掛けだ。褒美に殺してやる」
『あん? ――』

 ジンライ・フォックスとオブリビオンスレイヤー、二人の挨拶にドン・ガルシアが何かを答えるよりも速く――。

「自己紹介では無かったのか。どうでもいいが。オブリビオンは皆殺しだ……サップーケイッ!」

 タン! タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタン! と殺風景(サップーケイ)による墨絵の描かれた鋼鉄襖と祝儀敷の畳による迷宮がオブリビオンスレイヤーによって展開された。

『閉所でこっちの動きを封じるつもりか? だが――!』

 巨人の足元から、かつて量産した強化人間やバイオモンスターの霊が召喚されていく。満たされていく迷宮内――その霊達が、押し潰すように猟兵達に迫る!

「な――!?」

 不意に、木霊・ウタ(地獄が歌うは希望・f03893)が息を飲む。押し潰すように迫る霊が、ゴリッ! と見えない口で齧られたように消失したからだ――そして、ドン・ガルシアの捕食学習の見えざる大口は、猟兵達の動きを霊の群れで封じ襲いかかってくる!

 ウタはそれを迦楼羅の炎翼で回避する――自身が生み出したモノさえ利用するドン・ガルシアのやり方に、ウタは言い捨てた。

「命を弄ぶ者に負けやしない。街を守るぜ」
『やれるものなら、やってみろ――! ディナーの前に摘み食いしてやろう!』

 ガガガガガガガガガガガガガガガガッ! と周囲で霊達が食い散らかされ、猟兵たちへ見えざる大口が迫る――それを前に、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)が告げた。

「ディナーの前に終わらせるですか。あなたがディナーを食べる事は絶対にありません。悪は正義の前に倒されるのですから」

●凶悪なる巨人

 霊が、アスファルトが、まるでカステラか何かのように巨大な歯型を付けて削られていく。それにグランドクロウラーは舌打ちした。

「どこまでも、生命を生命と思わない外道だな」
「クロウラー。あんたをゴミとしか見れない時点で、奴はもう負けてる。ホットハート&クールマインドで行こうぜ」

 グランドクロウラーを宥めるようなウタの言葉に、身構えていた体に入っていた力が抜ける。怒りや復讐のためだけに戦いのではない、ヒーローとしての自分を思い出したかだ。

「……ああ、そうだな」

 その声に宿った、否、戻った強さにウタはうなずく。ウタは破邪と浄化の旋律を奏で、優しく犠牲者達へと手を差し出した。

「死して尚傀儡とは辛いよな。今、解放してやる」

 ドォ! とウタは吹き荒れる全身を地獄の炎で燃やし、霊達を浄化していく! そこに生まれた道をグランドクロウラーは、駆け抜けた。

『一直線に攻めてくるか!』

 巨人の蹴りが、グランドクロウラーへと向かう。それを明のコキュートス・ブリザードが遮った。

「我、求めるは、冷たき力」

 ヒュガガガガガガガガガガガガガガン! と周囲から襲いかかろうとしていた霊の群れと巨人のつま先を無数の氷属性の魔法の矢が降り注ぎ動きを止める――その直後、グランドクロウラーの飛び蹴りが巨人の脛を強打した。

『ぬ……!?』

 巨人が体勢を崩す――そこを狙って動いたのは、ヒジャブを外したサハルだ。

「覚悟しなよ。お前の捨てたそのゴミが、お前を滅ぼす!」

 悪竜顕現(アジャガーラ・ブラーイ)によって巨大な竜へと変身したサハルが、巨人へと突撃する。硬く鋭い鈎爪が、巨人へ突き刺さりねじ伏せようとしてくる――それを巨人は、間一髪で踏みとどまった。

『このゴミ、どもが、ああああああああああああああああああああああああああ!!』

 ガギガギガギガギン! と見えざる大口がサハルに食らいつくが、その鱗に見えざる歯が弾かれる。その間隙に、オブリビオンスレイヤーが油瓶をぶつけ、即座に炎剣を投げ付けて炎上させた。

「イヤー!!」

 裂帛の気合による、投擲、投擲、投擲! そのオブリビオンスレイヤーに合わせ、ジンライ・フォックスが足音を消して背後へ――鍛え上げたカラテによる一撃を叩き込んだ。

『ぐ、お――!?』
「さて……完全に孤立し地の利を奪われた状況で……どこまでその強情さを保てるかな?」
『羽虫どもが、ああああああああああああああああああああ!!』

 怒りに任せ、マシンガンを手にした霊達を周囲へとドン・ガルシアは展開していく――だが、その霊の群れをグランドクロウラーの死角を護るようにシィアンのビクティムによる呪殺弾で撃ち倒していった。

「助かる」
「他はいざしらず、ディナーの前に終わらせたいっていうのは同感だ。さっさと終わらせてしまおうか」

 グランドクロウラーは背中合わせにシィアンと構え、その軽口に口の端を持ち上げた。

「まったくだ。街を守って、いい気分で腹を満たそう」
『舐めるな、ゴミどもが!!』

 頭のない巨人の中で、ドン・ガルシアが吼える! 凶悪なる巨人と猟兵達の戦いは、激化の一途をたどった……。

●巨怪となりて――

 その光景を街から見た者は、まさに生きた心地がしなかっただろう。交通の要所である橋は、この街に住み慣れた者なら見飽きるぐらい見る機会のある場所だ――そこが、まさに怪獣映画さながらの戦場となっているのだから。

 しかし、街の人々に絶望の色はない。信じているのだ、誰もが……ヒーローの勝利を。

「さあヒーロー、お前の拳をかましてやりな。言いたいことの一つや二つ、無いわけじゃなかろう?」
「おう」

 竜となり巨人と激突するサハルの頭の上で、グランドクロウラーがうなずく。その背に護るべき者がいる――だからこそ、負ける訳にはいかない。

 ヒーローも、猟兵も、戦う理由は同じだ。だから、同じ方向を向いて戦えるのだ。

「ドン・ガルシア――お前には、誰も殺させない。傷つけさせない! ここで終わらせるぞ……覚悟はいいか?」
『ハ、ハハハハハハハハハハハハハハ! ゴミの分際ででかい口を――!』

 迷宮を踏み越えようと、巨人が跳ぶ。だが、それをサハルが上から押し潰すように頭上を取った。ガ、ギギギギギギギギギギギ! と畳に火花が走り、軋んでいく!

「この姿を見せるんだ、死んでもらわなきゃ割に合わないねェ?」
『こ、の、クソトカゲ、が、あ、あああああああああああああああああ!!』

 その隙に、グランドクロウラーが駆ける。サハルの体を駆け抜け跳躍、その拳で巨人の胸部を強打した。

『が、は――!?』
「ドン・ガルシアはここだ!!」

 拳から伝わる衝撃に、グランドクロウラーが叫ぶ。その直後、爆炎スラスターで加速したウタが迫った。

「クロウラーのヒーローぶりをみても、生命の輝きやそれが秘める未来への希望が目に入らないか……可哀そうに。首無しもあんたの犠牲者なんだろう? 共に炎で還してやる」

 ゴォ!! と焔摩天W(エンマテンワイルドウィンドウィスパー)の膨れ上がった炎が、巨人の全身を飲み込んだ。声もなく、巨人がのたうち、後退する――それと同時に、見えざる口が周囲にでたらめに放たれた。

「残念、それは残像です――少しでもダメージを与えて次の方に」

 その見えざる口をやり過ごし、明のコキュートス・ブリザードが巨人の至るところへ突き刺さっていく。殺風景の狭い空間では、回避などまともに行えない――また一歩下がろうとした瞬間、不意に巨人が体勢を崩す。

『な、あ――!?』

 オブリビオンスレイヤーだ。D社製巻き上げ機構付きフックロープによって足を取り、転ばせたところを電磁加速仕込み鞘炎刻印居合刀『焔繋』によって巨人の胸部を断つ!

「ジンライ・フォックス=サン、トドメは任せた」
「ふざ、けるな、あ!!」

 巨人の胸から、ドン・ガルシアが飛び出す。その瞬間、ウタの炎によって一瞬で巨人の抜け殻は灰に――ドン・ガルシアは即座に新たな巨人を呼び出そうとした。

「――ガ!?」

 だが、影で作られた漆黒の猟犬がドン・ガルシアに噛みつきそれを防ぐ――シィアンの這い寄る猟犬バスカヴィルだ。

「雑魚と侮ったかい? それが君の敗因さ」
「――――」

 シィアンの指摘へドン・ガルシアが反論するより速く――ジンライ・フォックスが動いていた。

「これで終わりだ! ヒサツ・ワザ! ライメイケン! イヤッ―――!」

 軸足を狩る脚払いからの黒雷化し一瞬で叩き込まれる八連撃――その黒雷は高出力化し、刹那純白の雷となってドン・ガルシアを撃ち抜いた。

「こ、の、オレが……こ、んな、ゴ、ミ、に……!!」

 その直後、ドン・ガルシアが爆発四散。街側から、大きな歓声が猟兵達の元へと届いた。

 ――戦いが、終わった。鎮魂曲を奏でたウタは、グランドクロウラーへと手を差し出した。

「是からも街と皆を頼んだぜ、ヒーロー」
「ああ、協力に感謝する。この街の平和は必ず守り抜くと誓おう」

 握手で応じたグランドクロウラーは、猟兵達に感謝と誓いの言葉を口にする。視線を交わし、笑みを浮かべ合う猟兵達とヒーロー。共に護るべき物がある同士、確かな共感と同じ決意が彼らにはあった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月11日


挿絵イラスト