6
銀河帝国攻略戦⑤~天の時、地の利、人の和

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#戦争
🔒
#銀河帝国攻略戦


0




●黒き予知
 瞬間移動のように突如として現れた戦艦。………それは帝国軍に仇なす彼の地を、滅ぼさんとしていた。
 その中で蠢くのは人とは当然思えない、黒いオブリビオンの姿。
 彼らにスペースシップワールドが撃破されるのが先か、それとも此方が迎撃するのが先か──────戦争はまだ始まったばかり。

●戦艦と艦戦
「皆、突然の呼びかけに応じてくれてありがとう……実は新しい情報が入ったんだ」
 ここはグリモアベース。その一角では戦争開始の告知を受け、猟兵達が続々と集まっていた。君達を見つけ、慌ただしくやってきた戎崎・蒼(暗愚の戦場兵器・f04968)は、資料を眺めながら続ける。
「銀河帝国攻略戦が開始したのは既知の事ではあると思うけど、その中で『帝国戦艦』に関する予知をしたから、どうか聞いてほしい」
 彼の説明によると、銀河帝国に対抗するべく、宇宙船の人々はスペースシップワールドの解放軍と合流しようと決断したようだ。
 だが、銀河帝国軍がそれを見逃してくれるわけもない。………戦艦を各地にワープアウトさせ、合流前にスペースシップワールドを撃破しようと考えたらしい。
「皆には、宇宙戦艦の迎撃をしてもらいたんだ」
 いつの間にかに用意していたのか、タブレット端末にいくつもの宇宙戦艦を映し出す。
「その為にまずは、宇宙戦艦内のオブリビオンを倒さないといけなくてね………ここグリモアから、直接戦艦内にワープして各個撃破を目標に頑張ってほしい」
 その宇宙戦艦内の敵を倒すことによって、敵のスペースシップワールドへの迎撃を防ぐ事が出来るようだ。
「この戦争を一刻も早く終わらせる為に、どうか協力してくれないかな」
 彼は猟兵達を今一度見て、頭を静かに下げる。猟兵達はその誠意に応えるべく、スペースシップワールドへ踏み入れる事になる。


Parmigiano
 はじめまして、もしくはお世話になっております。Parmigianoです。
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 皆様には、スペースシップワールドに迫りくる宇宙戦艦を撃破して頂きます。集団戦にて各個撃破する事により、戦艦の迎撃を止めることが可能です。

 皆様の素敵なプレイング、お待ちしておりますので何卒よろしくお願い致します。
36




第1章 集団戦 『醜き嫉妬の生命体』

POW   :    妬心の暴虐
【対象の優れた部位を狙う触手】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    精巧贋物
合計でレベル㎥までの、実物を模した偽物を作る。造りは荒いが【喉から手が出るほど欲しい他者の所持品】を作った場合のみ極めて精巧になる。
WIZ   :    縋る腕
【醜い羨望】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【粘着性の高いぶよぶよした黒い塊】から、高命中力の【対象の所持品を奪おうとする触手】を飛ばす。

イラスト:FMI

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鈴木・志乃
あんまり戦闘は得意じゃないけど……
これを見逃す理由が、あたしにはないから

【戦闘】

UC発動
体の周囲に花弁を舞わせて、そのまま敵に接近
防御と攻撃を両方行う

縦横無尽に飛び回って敵を混乱させたいな【誘惑】
敵の音に耳を澄まし【見切り】と【第六感】で極力回避
無理なものは【オーラ防御】と光の鎖で【武器受け】【カウンター】
また、接近した際はマイクのシャウトで積極的に【衝撃波】攻撃を狙っていく

こんなになるまで、一体何が欲しかったんだろう
沢山人を妬んで辛かったろうに
せめて貴方が骸の海で安らかに眠れますよう……【祈り】
それとも、私の武装何かあげようか?
(可能なら聖痕の浄化の光で焼き尽くしたい)


カイム・クローバー
宇宙戦艦の迎撃ね…。オブリビオンを倒せば良いってんだから単純な話だぜ。俺に宇宙船を操縦して、華麗に戦艦をドッグファイトで撃破しろって言われたら流石に二の足踏んだけどよ?(ウインク)
SPD判定だ。ダガーを使って、【二回攻撃】【鎧砕き】【早業】、UCで……気持ち悪ぃから近づきたくねぇけど、接近戦を仕掛けるぜ。
攻撃に対しては【見切り】で回避。身体が伸縮自在だったりするか?キッチリ見極めねーとな。
見たとこ、遠距離の方が厄介そうだしよ、ゴムっぽい体で斬撃の方が効果あるんじゃねぇか?
んで喉から手が出る程欲しい他者の所持品?ねぇよ、んなもん。有っても盗む!何の為の盗賊だ。手癖の悪さは超一流だぜ、俺は。


高野・エドワード
地上だろうが宇宙だろうが世界が違かろうが。僕がやることは変わらないさ!
共に戦う決意をしてくれた宇宙船の皆も、大切な友人たちの故郷であるスペースシップワールドも…絶対に奪わせやしないよ。
さあ、僕の愛の力を魅せてあげるっ!!

僕の愛は【WIZ】

手加減なんていらないよね!そもそも少しでも手心を加えようものならこちらがやられてしまいそうだし。
最初から全力で【瑠璃花弁の嵐】を発動するよ。『全力魔法・高速詠唱』

攻撃が来たら、可能なら『見切り』回避、空中に飛びそのまま『空中戦』へ。
飛行・回避行動の補助としてUC【飛翔】も可能なら使いたい。

回避が難しい場合は『オーラ防御』でなるべく軽減を。

※アドリブその他OK♪



●Pa Gur yv y Porthaur
「「「あ!」」」
 互いの存在を確認し驚く者達がいた。
 それは何れも銀河帝国攻略戦に少しでも助力が出来れば、と集まった猟兵達であった。…どうやらその中に見知った顔ぶれを見つけたようであるのだ。
 そして、集まった猟兵達────鈴木・志乃(ブラック・f12101)、カイム・クローバー((自称)凄腕イケメン狼盗賊・f08018)、高野・エドワード(愛のガチ勢・f00193)は驚きの声を上げつつも“いつも”の調子に戻って話し始める。
「ふふ、まさかイケメン君と志乃ちゃんまで居合わせるなんてね♪︎」
「俺も本当に驚いたぜ。示し合わせてもねぇのに奇遇だな!」
「確かにそうですよね。神様の偶然って訳じゃあないけど…沢山の猟兵がいる中、依頼で知り合いに会うことはなかなか無いんじゃないかな……?」
 そう和気藹々と話す三人。……実はといえばこの三人、とある旅団の仲間同士である。
「取り敢えず折角三人も集まったんだし、協力しない手はないと思うんだけど、二人はどうだい?」
 エドワードがそう問えば、彼らも二つ返事で快諾する。……この戦争において、協力とは必要不可欠な事象である。それ故一人で戦っていて(もしくは一人で戦いたいとして)も、並大抵の力では解決の糸口を見出だすのは難しい。

 そうして────兎にも角にも協力関係を築いた三人は、早速行動を開始した。
 目の前には、沢山のオブリビオンが群集を為して群がる情景が広がっている。醜い姿の黒きもの達は、今すぐにでも襲いかからんと此方へ向かってきていた。
「あんまり戦闘は得意じゃないけど……これを見逃す理由が、あたしにはないから」
 敵を見定めつつ、そう真剣に吐露したのは志乃だった。彼女は改めて敵を眺めると、思いの丈を述べる。
「こんなになるまで、一体何が欲しかったんだろう」
 沢山人を妬んで辛かったろうに。
 そんな呟きを聞いたエドワードは、セルリアンブルーの瞳をひっそりと細めて言った。
「…志乃ちゃんは優しいなぁ。でも、だからこそ葬り去り悼まなくては。過去を活きる幻影よりも、未来(いま)を生きる者の現在(いま)を奪われちゃいけないからね」
 彼女も彼も、決してオブリビオンに同情なんてしない。しないが、オブリビオンに対しても誠実な姿勢を崩さないのは互いに同様であるように感じられる。
「それにしても、宇宙戦艦の迎撃ね………。ブリビオンを倒せば良いってんだから単純な話だぜ」
 カイムもまた敵の動向を窺いつつ話す。そして続けて、
「俺に宇宙船を操縦して、華麗に戦艦をドッグファイトで撃破しろって言われたら流石に二の足踏んだけどよ?」
 華麗にウィンクをかましてそう言ったのだ。そんなカイムの言葉を聞き、エドワードもふふっと微笑んでそれに応えた。そう笑顔を称えつつもしかし、彼の瞳は真剣そのものであった。
「共に戦う決意をしてくれた宇宙船の皆も、大切な友人たちの故郷であるスペースシップワールドも…絶対に奪わせやしないよ」
 彼はそう言うやいなや、ユーベルコードを発動させる。
「さあ、僕の愛の力を魅せてあげるっ!!」
 瑠璃花弁の嵐(ブルースター・テンペスト)──それが彼のユーベルコードであった。その高速詠唱を終えた途端、手に持っていた自由と愛の杖ツィーディアがふわりと消えた。否、消えたのではない…無数のブルースターの花びらへ姿を変えたのである。
「私も確実に狙わせてもらうよ」
 同時期、志乃もユーベルコードを使用していた。彼女の持つユーベルコードは、鈴蘭の嵐。こちらもまた、無数の鈴蘭の花びらでの範囲攻撃が可能だ。
 ブルースターも鈴蘭もいずれも綺麗な花ではあるのだが、それに見とれていれば命はない。
「わぁ♪︎志乃ちゃんの花も凄く綺麗だ。綺麗なものには毒がある…なんてね♪︎……それじゃあ連携戦といこうか!」
 途端に、ぶわっと青と白の花弁が舞い散る。
 すると志乃は縦横無尽に飛び回り始めた。蠢くオブリビオンもそれに追い付こうとするが、かえって混乱しているようだ。さらには、運良く敵の攻撃が当たりそうになっても、超直感ともいえる見切りによってかわされてしまった。
「ちゃんと私が倒してあげる。…だからもう苦しまなくていいんだよ」
 一方エドワードの方はと言えば、周囲の花を攻撃として繰り出しつつ空中戦にもつれ込んでいた。オブリビオンのしつこい攻撃にも怯まない彼は、光の反射で眩しくも思える翼を羽ばたかせて攻撃を続ける。彼の天の利に敵うものなどいないかのように…それは他の追随を赦さない。
「「今だよ!!!イケメン君!
  今です!!!カイムさん!」」
 エドワードと志乃の攻撃により、敵に大きな隙ができた。その瞬間を狙い目にカイムに指示を出したのだ。

 少し前の、戦闘中。
 ───カイムはタイミングを窺っていた。…それこそ盗賊特有の素早い攻撃を食らわせながら。
 そうして考える。彼の経験上、こういった相手の場合、遠距離攻撃は得策ではなかった。それこそ間合いを詰めた攻撃の方が、リスクはあるとはいえ効きやすいのだ。
「(だからなのか?端から見りゃただ攻撃してるだけに見えるが、これはいわば陽動作戦だ。相手に"遠距離攻撃をしている"と誤認させる為の、な)」
 エドワード、志乃の攻撃方法を眺めつつも、カイムは次々と攻撃をかわす。…勿論、遠距離攻撃で少しでも敵を殲滅するというのは目的のうちの一つなのだろう。しかし彼は、遠距離攻撃可能なユーベルコードであるにも関わらず近接攻撃を行う志乃、自身の得手である空中戦に持ち込むエドワードの、本来の目的を思案していたのだ。

「(それがこれか……!)」

 思えば、志乃は道筋を確保するようにある一定の方向を攻撃していたし、エドワードは上方から襲いかかろうとする敵をわざと空中戦に持ち込んでいたようにも思う。
 背筋がぞわりとし、自然に口角も上がってしまう。それは、心強くもある彼らの聡慧な思考に、度肝を抜かれてしまったからだ。なら、ここまで御膳立てをされたのならば───その期待に応えようではないか。

「手癖の悪さは超一流だぜ、俺は!!」

 勢いよく愛用のタガーを振りかざせば、闇にも似た光の残光が一筋走った。
 ユーベルコード、瞬剣の残閃(ソニックブロウ)。それは、超高速の連続攻撃を繰り出す技である。その彼から奮われる脅威にも感じられる技は、思う存分敵を苦しめる事となった。
 こうして唐突な終わりを告げた戦いは、彼らの作戦によってピリオドが打たれたのだった。

 静けさに包まれた戦場だった場所。
「──せめて貴方が骸の海で安らかに眠れますよう……」
 そう祈る誰かがいた。
 黒き残骸に祈りを捧げるのは、志乃だった。
 彼女は橙の瞳をそっと閉じ彼らの安寧を願う。
 せめてもの手向けという事だろう。

 ──後には、鈴蘭とブルースターの花束が一つだけ残されていたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

峰谷・恵
「他の帝国兵力と毛色違うなぁ」

突入直後、敵が迎撃してくる前に可能な限り多くの敵を範囲に捉えて全射撃武器によるフルバースト・マキシマム(2回攻撃、誘導弾、属性攻撃、一斉発射)で敵を撃破。
その後は背後を取られないよう壁を背にして進みながら見つけた敵をMCフォート、アームドフォートで攻撃し撃破していく。
敵の攻撃はダークミストシールド(盾受け)で受け流し、近接攻撃してきた敵は遅すぎた収穫期で突き刺してMCフォートのゼロ距離射撃を叩き込む。
一気に多数の敵が襲ってきたら逆に幸運と範囲内まで引きつけて再びフルバースト・マキシマム発射。
他の猟兵と連携して動く


チガヤ・シフレット
敵戦艦の中にワープしていけるってのは、楽ができていいな。
体力温存して突撃できるんだ、その分気合入れて暴れまわるとしようか!

なんだかよくわからないぶよぶよっとしてドロッとした感じのやつが相手だな!
見るからに倒していいヤツだ。ついでにいうと、嫉妬はよくないな。そんなことする前に笑って弾け飛ぼうか。

両腕両足の内臓兵器を起動して、一気に攻めていこう。
最初は銃火器でガンガン撃ち込み。序盤は手数重視で牽制しつつ、味方の援護も。
戦艦内を飛び回って攪乱したり、【属性攻撃】で火をぶつけてみたりするか!
隙を見て一気に近づいて【零距離射撃】で派手に吹っ飛ばそうか!



●Spiritual pain C17H19NO3
 他の猟兵達が次々とオブリビオンを撃破していく一方、別の方向から侵入し撃破を試みる者もいた。
 なんとも気持ち悪い姿で蠢くオブリビオン。それを静かに眺める峰谷・恵(神葬騎・f03180)は、その内の一人である。
「他の帝国兵力と毛色違うなぁ」
 黒曜石を思わせる瞳をついと動かし、彼女はそう感想を述べる。すると、勢いよく攻撃体勢をとり敵の迎撃に取り掛かり始めた。
「まずは先手必勝、ボクの方から攻撃させてもらう」
 突入直後、彼女は目の前を阻む敵、視認出来るだけの敵達に標準をあわせる。……多くの敵を広範囲に捉える事など、この集団戦においては非常に難しく無謀にも思える。だが、彼女はただの可憐な少女ではないのだ。
 ドゴォォォォンッッッ!!!
 刹那、その敵を破壊する破滅の音がどうどうと轟く(あくまでも戦艦は壊さぬよう手加減した攻撃であるのだが、それにしても凄まじい攻撃力である)。
 ───それは彼女のユーベルコード、フルバースト・マキシマムによるものだった。全武装の一斉発射のその攻撃は次々と敵を蹂躙する。
 しかし、敵もただでは転ばない。フルバースト・マキシマムによって激減されたかに思えた敵は第一波に過ぎなかったのだ。恵はあっという間に、奥から続々と排出される敵から壁に追いやられてしまった。これを受け、しめた!と言わんばかりにオブリビオンが這い寄ってくる。
「……かかったな」
 しかしそれは、彼女の誘導攻撃で嵌められたも当然。なぜなら、最初から背後を取られる気はなかったからだ。というのも、彼女は背後を取られぬよう壁沿いに移動しつつ攻撃をするつもりであったからである。
 そうして例の如く、MCフォートやアームドフォートで倒しながら足を進めていく。
 勿論、敵からも攻撃や反撃が突如となく繰り出されるのだが、彼女の持つ盾、ダークミストシールドによってそれも防がれてしまう。自身に近付こうものなら、容赦のない突き刺しからの零距離射撃という、悪魔のような連続コンボではっ倒していく。
「まだまだ!」
 彼女を駆逐してやろうと、追い込むあまり、彼女の射程範囲に入ってしまったことに気付かないオブリビオン達は、次なるフルバースト・マキシマムによって殲滅されていく。
 が、しかし。────ふとした瞬間に死角から敵が攻撃を放ってきたのだ。
 しまった……!
 そう思ったとき、何処からか声が掛かる。
 そして、それと同時に敵が銃器による攻撃で倒れたのである。

「大丈夫かぁ?アンタの戦いぶり、見させてもらったよ!中々上々だったぜ」

 快活な声でヒーローのように現れたのは、チガヤ・シフレット(バッドメタル・f04538)だった。
 ヒーローのよう、とは形容したものの現れた彼女は目付き、人相共にどちらかといえばヴィランのようである。そんな、十分に体力が温存された彼女は、気合いを入れ直しつつ敵に向き直った。
「チガヤさん、ありがとう。助かったよ」
「ま、あとは私に任せな。暴れて、壊して……追い詰めてやる!」
 恵がそんなチガヤに礼を述べる。しかし彼女は、いや気が向いたから助けただけだ、と言い放って攻撃体勢に入り始めた。
 ───両腕両足の内蔵兵器が起動されデバイスが静かに唸る。全神経を通るCPUから伝達された信号は、彼女の中枢区分を過ぎた後それぞれに分配される。
 そうして放たれた攻撃は、重火器での攻撃である。彼女は躊躇なく撃ち込み、どんどんと敵を制圧していく。それはどちらかといえば手数重視であり、且つ援護を目的としたものであった。
 さらには戦艦内を飛び回り火属性攻撃を行ったりと、攪乱を目的とした攻撃も次々に行っていった。
「嫉妬はよくないな。そんなことする前に笑って弾け飛ぼうか」
 彼女はにぃと自身が笑ってみせ、なおも攻撃を続ける。
「いくら求不得苦だとしてもだ。その他に当たれば必ず報復として返って来るって事を思い知りな!」
 彼女は言い放ちつつも、隙を見つけては零距離射撃を行っていく。
 終いにはユーベルコードを炸裂させる。
「オーバーヒートするまでかっ飛ばして!ぶっ壊れるまで止まれないよなぁ!」
 内蔵兵器やガジェットがその身に纏われ、異様な程に速度を上げて放射攻撃を開始した。
 その猛烈な威力を保つユーベルコードは、縦横無尽の悪機(バッドランペイジ)であった。威力の高さの代わりに、毎秒命を削ってしまうそれは、群がる敵の多くを淘汰していくのだ。
 そうして、高速移動しながらの放射攻撃が為された後、敵が一掃されたのであった。

 ……硝煙が漂う空間に、二つの影が立っている。
 その足元には沢山の死骸がゴロゴロと転がっていた。
 それが戦いの壮絶さを物語る。
 しかし、最後の最後まで憎悪をまとったままのオブリビオンを、死苦からは唯一解放する事が出来たのではないだろうか。

 オブリビオンは倒され、無惨な死を遂げた。
 だがそれとは別に────確かに、彼女達の活躍によって救われたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミアス・ティンダロス
この戦いは、この世界(スペースシップワールド)の未来を左右するかもしれません。
正直、吐き気がするほど緊張しています……
でも逃げちゃダメです。ベストを尽くさなくちゃダメなんです。
この世界のために沢山の人が頑張っています。僕も頑張らないと……!
敵を倒し、スターゲイザーさん達の宇宙船を守ろう!

ユーベルコードを【高速詠唱】し、吹雪を放て敵の行動を封じようとします。


シュデラ・テノーフォン
やあ
遅ればせながら、参戦しようかな

アレが宇宙のオブリビオン?
ヘンな形、まぁ良いんだ
狩れるなら俺はそれで

嫉妬?嫉妬ね
ホシイモンでもあれば飛びつくのかな
じゃあほら、俺の持ってる硝子細工
綺麗だろう?この左中指の指環
欲しいなら狙ってみな
成るべく他も挑発して
他の猟兵が狙いやすいよう動こうか

触手が来るならにっこりと
ざァんねん
君達にあげるモノは何一つないよ
指環の盾を展開して弾き飛ばす
どいつもこいつも、そんな醜い手を伸ばしたって
届かないのさ

でも欲しいんだろう?なら他のキラキラしたモンあげるよ
視線を盾に向けてる間に、複製したAschenputtelを上空に配置
綺麗な綺麗なGlasregenだ、思う存分喰らいな!


空見・彼方
初めての戦闘が戦争とか勘弁してくれ……
とはいえ、今更逃げる訳にもいかねぇよなぁ…
しゃあない。やるか。(薬で覚悟をキメつつ)

人形「空白」は槍を組み合わせ長槍にして怪力で振り回して攻撃。
俺は後方から釘を衝撃破で射出。2人合わせて範囲攻撃だ。

っと、人形が奪われそうになったらかばうで人形を守る。
そいつ奪われると困る。でも、あーでもこれやばい。気触悪。
空白!ちと助けてくれ!
……おいちょっとまてそのスイッチを押すんじゃなーーーーー!!?
手榴弾で爆死してから、UCで復活。触手から脱出します。

初死亡が空白による爆殺だなんて………



●三位一体(?)-サンミ×イッタイ-
 その頃、やけに緊張した面持ちでオブリビオンとの戦いに挑む者がいた。
 それがミアス・ティンダロス(夢を見る仔犬・f00675)である。それに続くのは、初めての戦闘である空見・彼方(ゾンビアタッカー・f13603)と、硝子細工店を営むシュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)だった。
「うう……緊張し過ぎて吐き気が………」
「そういわれると、俺もなんだかドキドキしてきたな……」
「君達大丈夫か?
 なんだったら俺に任せてくれても構わないが……」
 依然、緊張したままの二人に対し、物腰柔らかくそうシュデラが問えば、ミアスはいいえと頭を振りかぶる。
 ────一見気弱に思える彼も、強い意志や信念を持って戦場に立っているのだ。他の猟兵達に甘えるのは自身が許さないらしい。
「これは、スペースシップワールドの戦争ですけど、僕ら自身の戦いでもあると思うんです…!だから僕も頑張らないと……!」
 そんなミアスの言葉を聞き、猟兵達は覚悟を固めて各々行動に移り始める。

 有象無象に蠢く沢山のオブリビオンを目の前に、まだ幼いミアスは考えを巡らせていた。
「このオブリビオンを一掃出来たらいいんですが…」
 ああは言ったものの、震えの収まらない身体を叱咤させる。
 正直に言えばこの場から逃げ出したい。
「(でも逃げちゃダメです。ベストを尽くさなくちゃダメなんです)」
 そう思案し、真っ直ぐに先を見つめ、彼は勇気を振り絞る。そして仲間である猟兵の為、同じく戦っている沢山の人の為に少しでも負担を減らせる様にと高速詠唱をし始めた。
「その小さな祈祷(ささやき)に耳を傾けてください、最も気高い翼をもつ者よ──今こそ、嵐(おもい)が吹き荒れるのです!」
 詠唱を終えた刹那、宙に浮かぶ魔法陣(チャンネル)が出現し極寒の吹雪を発生させる。
 そうして凍結によって対象の動きを封じたのであった。
 それを受けたシュデラが敵に攻撃を加える。
「それにしてもアレが宇宙のオブリビオン?………ヘンな形。まぁ良いんだ、狩れるなら俺はそれで」
 そうしてシュデラは、落ち着いた様子で述べつつ、一撃、二撃と攻撃を続けた。
 それに対して、未だに冷めやらぬ嫉妬と怒りを纏ったオブリビオンの攻撃。
 それは嫉妬によるものだった。
 嫉妬───それは欲求とも言えよう。
 ともすれば。
「じゃあほら、俺の持ってる硝子細工
 綺麗だろう?この左中指の指環
 欲しいなら狙ってみな」
 彼は“ホシイモン”でもあれば飛びつくのやも、と考えついた。それは挑発であり、敵の気を引くには十分な言葉であったが、わざとそう言ったのも作戦が故である。
 そんな挑発の言葉に憎悪を強めたオブリビオン。顔がどこの位置にあるかなんて判別は出来ないが、それだけはしっかりと感じ取ることが出来る。
 だが、感じ取れたその瞬間、醜い羨望から生まれた触手がそれを奪わんと遅いかかってきた。
「───ざァんねん、君達にあげるモノは何一つないよ」
 にっこり、と彼は笑って透明な環を嵌めた手を翳した。
 するとどうだろう。硝子細工のようなシールドが展開され、それらがオブリビオンを弾き飛ばす。
 …………どいつもこいつも、そんな醜い手を伸ばしたって届きやしない、そう一蹴にしたのだ。それでも伸ばされ続ける触手を見て彼は言葉を述べる。
「でも欲しいんだろう?なら他のキラキラしたモンあげるよ」
 そう述べれば、触手を盾に集中させている間に、複製したAschenputtelを上空に配置する。
 密かに口角を上げると、彼は続けて告げた。
「綺麗な綺麗なGlasregenだ、思う存分喰らいな!」
 それは────彼のユーベルコード、Glasregen(グラスレイン)である。そのユーベルコードによって、硝子の銃弾を装填した銃が幾数も浮かび上がり、躊躇なく敵を殲滅する事となったのであった。

 一方では彼方がそれを見て、感嘆の声を上げていた。そうして、少し強張りつつも敵対するオブリビオンを眺める。
「初めての戦闘が戦争とか勘弁してくれ……。とはいえ、今更逃げる訳にもいかねぇよなぁ…」
 こうなったら腹を括るしかない。
「しゃあない、やるか」
 彼はそう覚悟を薬でキメると、空白という人形を取り出す。そして短槍を2つ組み合わせて長槍にし、人形に持たせ攻撃させる。彼方自身はと言うと、その後方から釘を射出し攻撃を行うようだ。2人合わせての範囲攻撃の完成である。
 そうして次々と敵を倒していった。
 滑り出しは順調かに思えた。
 が、しかし。
「うお!………っと」
 敵も一筋縄では倒れてくれないらしい。オブリビオンが人形の方を狙ってきたのだ。………空白を奪われてしまえば、攻撃の幅が狭まってしまう。それだけは絶対に避けたい所であった。
 なので。
 ────必然的に人形を庇う事となる。
 黒い触手がうねうねと彼方に巻き付き動きを封じてくる。別に好きで捕まった訳ではないので、気持ち悪い事この上ない。
「…………でも、あーでもこれやばい。気触悪。空白!ちと助けてくれ!」
 そう空白に助けを求める。すると彼女は、懐からある道具を取り出した。そしてその道具に着いているスイッチを押そうとする。
「……おいちょっとまてそのスイッチを押すんじゃなーーーーー!!?」
 ポチッとな☆
 それは、彼方の持つ手榴弾を爆破させる、起爆スイッチだった。凄まじい爆音が鳴ったのち、彼の姿は跡形もなく消え去ってしまう。その様子には、流石にミアスもシュデラも驚きを隠せなかった。
「へ…………?あれ、彼方さん、自爆………?」
「まさか、いやこんな場面で……」
 しかし、だ。二人とも困惑してしまったが、それは直ぐに払拭される事となる。
 それは彼のユーベルコードによる効果であったからだ。終了は終了デス(シハシデス)───死んでも蘇る自分自身を放つことで、敵の攻撃を相殺する事の出来る特殊なユーベルコードである。

「まさか初死亡が空白による爆殺だなんて………」

 トホホ……………。
 彼自身の心配をする猟兵達をよそに、ちょっとだけ落ち込んでしまう、空見・彼方なのであった。

 ────こうして敵艦隊殲滅まで、あと一歩となったのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

杼糸・絡新婦
【翠苑】で参加
SPD行動
錬成カミヤドリにて自分の本体・鋼糸をレベル分召喚し攻撃。
【フェイント】交え行動し、敵の意識をそらして、
仲間が攻撃しやすいようスキを作れるようにする。
囲まれないように注意。

所有物の偽物を作り出したらとっとと切断する。
おのれには似合わんからやめときや。
また、鋼糸で絡め取り【敵を盾にする】で、
仲間や自分への攻撃への対処に使わせてもらう。
お触り厳禁やで。

知り合いがおるというだけで頼もしいもんですな。
こちらも頑張らせてもらいましょ。


逢坂・理彦
【翠苑】で参加。
実は俺この世界にくるのは初めてだから勝手がわからない部分もあるけど戦争は一大事だからね…。集団戦数が多いだろうが先ずは墨染桜で【なぎ払い】で敵を後退させる。回復役のみんなから出来るだけ距離を取らせたい。
回復メンバーには感謝しかないなぁ。ほんとありがとう!
世界は違えど暗い感情を元に動いているなら【破魔】の力なんかも通じそうだ。並行して【フォクスファイア】で【範囲攻撃】確実に数をへらしてくよ。
仲間の所持品を奪われそうになったら【武器落とし】で手放させるよ。それが持ち主にとって大事ならば必ず取り戻すからね。
壊したりしたら許さないよ?


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
【翠苑】で参加
無重力、という物は未だ不思議だが…敵は待ってくれんからな

俺は全体を通し【生まれながらの光】にて【翠苑】の仲間や共の戦場にいる仲間の回復を中心に動こう
【翠苑】の皆が怪我をしたら即時に【生まれながらの光】にて回復
…大丈夫か?動きづらくなったらすぐ回復する故、声をかけてくれ
怪我が深く避けられなさそうな仲間が居る場合は『武器受け』や『盾受け』をしつつ『かばう』で被害を少しでも抑えられれば嬉しい
回復が必要ない場合は『二回攻撃』を使いつつメイスにて通常攻撃を
又仲間の所持品が盗まれた場合はその触手を重点的に攻撃
手癖の悪い手等無い方が良いだろう?


羅賀・乙来
【翠苑】で参加
僕も宇宙という所へ来るのは初めてだよ
この壁は……鉄かい?とても丈夫に出来ているのだね
もう少し眺めていたかったが、今回は観光に来たわけではないからね

後衛に配置
破魔の力を使って双鬼招来で召喚した鬼2体は前衛へ
僕含めた後衛の味方に敵が向かわないよう壁となり戦って貰うよ
破魔は邪気を払う力、少なくとも相手からは強い殺気を感じている
サムライエンパイアの力であれ、相対する力は有効だろうさ

呼び出した2人の見た目は言葉通りの鬼
しかしまだ形作ってから間もない所為か、まだ童のように幼くてね
力の加減を理解していないが、あの黒いのは壊してしまっても構わない
さぁさ、思う侭に遊んでおいで


星舞夜・ユエ
【翠苑】の皆さんと

私は【ミレナリオ・リフレクション】を使って、
とにかく敵の技や攻撃を相殺します。
その中でも、回復を使える方や、ダメージを多く受けている
【翠苑】の仲間へが標的にされた場合は、優先的に相殺します。
皆さんの大切なものには触れさせません。

自分が標的となった場合も、基本的には【ミレナリオ・リフレクション】を用いますが、
届く範囲であれば、ウィザードロッドで直接叩きます。

回復ありがとうございます。
アドラツィオーネさんは、ご自分のお体にも気を使ってくださいね。
あと、私への回復は優先度低めで大丈夫です。
積極的に攻撃にまわって下さる方々がいると、安心して守る事が出来ますね。



●計略ト理-艦隊戦最終局面にて-
 ───銀河帝国攻略戦にて、旅団の仲間達と共に参加する者もいた。そこに集結した旅団『庵室【翠苑】』のメンバーは、杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)、逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)、ザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)、羅賀・乙来(天ノ雲・f01863)、星舞夜・ユエ(天球儀の錬金術師・f06590)の五人である。

「知り合いがおるというだけで頼もしいもんですな」
 そう言ったのは杼糸だった。男にはとても思えない黒髪を、はたとなびかせ続ける。
「ほんなら、自分は仲間が攻撃しやすいようスキを作りましょか」
「お、絡新婦ちゃんは隙を作ってくれるのか…んじゃ俺は回復役を狙わせない様、敵に距離を取らせるよ。でも実は俺、この世界にくるのは初めてで勝手が分からない部分もあるんだよね」
 理彦が言えば、乙来も同意の意見を述べる。
「僕も宇宙という所へ来るのは初めてだよ」
 宇宙。それは殆どの者にとって来る機会のない、特異な場所である事だろう。しかし、だ。…初めての体験と言えば聞こえはいいが、戦争でここに来る等という事は誰も望んでいない。
 そうしてその言葉に頷きつつも、アドラツィオーネもまた、考えていた。
「勝手が分からない、か。確かに無重力、という物は未だ不思議だが…敵は待ってくれんからな」
 そう、敵は未知数であり且つ意思疎通が不可であるオブリビオンだ。しかもこれは戦争。敵が此方の呼びかけに応じる事はないに等しい。
「では私は、皆さんの援護と防御に回りますね」
 そんなアドラツィオーネの言葉に、静かに頷くユエも自身の役割を確認する。そうして、イエローオーカーの瞳を敵から味方へと移す小柄な少女は、手に持つウィザードロッドを握り締め直した。
 こうして作戦を擦り合わせれば、各々が自身のすべき事を成す為、動き出したのである。

 まずヤドリガミである彼、杼糸は、ユーベルコード【錬成カミヤドリ】を発動していた。これは彼の宣言通り、スキを作るが為のものである。そうして
自身の装備、もとい鋼糸は二十もの数を生して浮かび上がらせていたのだ。
「そっちには行かせへんで?」
 回復や援助する者へ攻撃をしようとしたオブリビオンを、彼は見逃さない。そして、あくまでも囲まれないよう十分注意を払いつつ鋼糸による攻撃を繰り出した。
 ヒュンッ!
 風切り音がそう高く鳴ると、鈍くも鋭くもある糸が敵を次々に切っていく。さらにはフェイントも交えて、敵の意識をそらし翻弄させた。
「やるねぇ。…おっと、今度はこっちに来たか」
 杼糸の攻撃様子に感心していた理彦だったが、敵は彼の方にも這いより攻撃を食らわせようとしてきた。だが、数で圧倒しようというオブリビオンを、自身の武器である墨染桜でなぎ払う。そういった攻撃を受けてしまえば、敵も怯んでしまい彼の思惑通りに後退する事となるのであった。
 ───世界は違えど暗い感情を元に動いている。そうであるなら破魔の力も通じそうだ。
 そう考えた理彦は、より多くの敵を殲滅する為にユーベルコードを行使する。すると、視認しうるだけでも十以上の炎がぼうと浮かび出す。それはフォックスファイアという狐火による攻撃であった。その範囲攻撃によって多くの敵が焼却されていく。
 これにより多少は動き易くなったものの、中々にしぶとい、この多勢の敵の勢いは収まらない。
「なら此方も少しばかりの支援をさせてもらおうかな」
 それを眺めていた乙来は、紅を点した瞳で敵を追いつつ、破魔の力を行使しユーベルコードを発動させた。
「二人共、仕事の時間だ」
 彼が称えれば、炎を纏った赤鬼と氷で形成された青鬼の二頭が召喚される。それは双鬼招来(ソウキショウライ)というユーベルコードだった。彼自身は戦うことが出来ないという多大なデメリットの変わりに、自身と同じ強さの鬼を召喚出来るのだ。とはいえ、鬼はまだ幼い童のような態をしている為、力の加減を分かっていないようだ。
「さぁさ、思う侭に遊んでおいで」
 ドンッ! ドゴォッ!
 ────戦い方を知らない者ほど恐ろしい、とは誰の言葉だったか。
 その姿はとても手加減しているようには思えない。というかこれで手加減していると言うのは無理がある。
「助かった、援護ありがとう!」
「おおきに」
 鬼たちの攻防に驚くも、その支援に助けられた二人は礼を述べた。
 だが、まだ終わった訳ではなかった。羨望の眼差しで恨みがましく見つめてくるオブリビオンは、猟兵達の所有物を複製しはじめたのだ。
「おのれには似合わんからやめときや」
 立ちはだかったのは杼糸。彼によって、無常にもその手は鋼糸で切断されてしまう。それだけでなく、仲間や自分への攻撃対処にも努めるために、敵をも盾として活用する程。普通の糸とは違い頑丈な糸は、オブリビオンがどれだけ暴れても切れる事はない。
「お触り厳禁やで」
 そう言い妖艶に笑う彼は、笑っただけで手を抜いてはくれないのだ。
 …………しかし、逆にその糸を狙うオブリビオンもいた。伸ばされる触手は、彼の振るう鋼糸へと向かっていく。そしてその糸を絡め、奪い取ろうとした瞬間───。
「奪うのは見過ごせないなぁ」
 理彦が武器落としの技能を使い、その触手をはなれさせたのだった。持ち主にとって大事なものを奪わせる訳にはいかない。そんな風に考える彼をよそに、次々と他の仲間の所持品を狙っていく醜き嫉妬の生命体。壊しそうな勢いで振るわれるそれを止め、彼は一言告げる。
「壊したりしたら、許さないよ?」
 普段は柔和な彼を、怒らせてしまうと恐ろしいのだ。
 一方支援を行うユエもまた、攻撃を放っていた。
「相殺します」
 それは彼女のユーベルコード、ミレナリオ・リフレクションが発動される合図だった。ミレナリオ・リフレクションとは、正確に全く同じユーベルコードを放って相殺する技だ。まさに攻撃は最大の防御である。
 その少し離れた所では、アドラツィオーネが傷ついた仲間の回復支援にあたっていた。
 ─────生まれながらの光。それはとても暖かい光だ。彼は少しも疲れた様子を見せず、仲間達の回復を行い続ける。
「…大丈夫か?動きづらくなったらすぐ回復する故、声をかけてくれ」
 そうして彼が戦況を確認しつつ援護を行っていると、ふいに声が耳に届く。
「………………っ!」
 どうやら、乙来自身が放ったユーベルコードによって攻撃を行っていなかったが為に、一瞬の隙をつかれて攻撃をされたようである。
 二体の鬼もその場から消えうせ、しかも乙来も当たり所が悪く即座に行動が出来ない。そうして、続けて攻撃を食らわせられそうになった。……しかし。
 武器受けや盾受け等により、アドラツィオーネが庇ったのだ。そしてユエもそれに駆けつけ、攻撃を繰り出す。勿論、いきなりという事もありユエも無傷ではなかったが、ユーベルコードで相殺したりロッドで直接叩いたりと助けに入る。
「ありがとう……」
「回復ありがとうございます」
「いや、礼には及ばない」
 なんとか周囲の敵を倒したあと、アドラツィオーネが回復を施すと、ユエも乙来も礼を述べる。
「アドラツィオーネさんは、ご自分のお体にも気を使ってくださいね。」
「ああ、何事にも身体が資本だからな。故、無理のない援助をしよう」
 そうして互いにそう言い合い、またも殲滅に取り掛かる。メイスによる2回攻撃などで、彼も回復以外にも貢献出来るよう動き出した。それに、相も変わらず、所持品を奪おうとするオブリビオンは後を絶たない。それ故、彼もその触手達を優先的に攻撃し、倒して行ったのだった。
「手癖の悪い手等無い方が良いだろう?」
 アドラツィオーネはそう述べながらも攻撃、及び支援を続けた。彼らの見事な計略により、後に残っていたオブリビオンの数々が殲滅されたのである。

 こうして、銀河帝国攻略戦の艦隊との戦いは終幕を迎える。
 ─────戦争の勝利への道筋がほんの少しだけ開かれた気がした。
 そうして、ますます猛攻を増す敵を眺めてみれば、完全に倒すのはまだ時間が必要だと感じる。
 その戦う覚悟を決め、猟兵達も果てない旅と次なる戦場へ、向かう事になるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月07日


挿絵イラスト