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狙われた武闘大会

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #魔鬼士 #マジックナイト #災魔の卵 #リアルタイムシナリオ

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● 武闘大会 開会式
 アルダワ世界の東方諸島にある都市では毎年、武闘大会が開かれていた。
 蒸気魔導文明が発達する前から開催されている歴史あるこの武闘大会は、毎年沢山の観客を集めるイベントでもあった。
 武闘大会の開会式。前年度の優勝者であるマジックナイトのアインが、純金でできたトロフィーを誇らしげに持ちながら、壇上へと上がっていた。
「さあ、前年の優勝者より優勝トロフィーが返還されます。歴代優勝者の名が刻まれたリボンにその名を刻んだ……」
「そのトロフィーを渡してもらおうか!」
 司会者の声を遮り、突如現れた男が優勝トロフィーを奪い取る。不意を打たれたアインは、怒りのままに奪われたトロフィーに手を伸ばした。
「返せ! それは俺達歴代優勝者の魂だ!」
「ほう、それはいい! それでこそ俺が求める力!」
 ニヤリと笑った魔鬼士は、アインを弾き飛ばすと災魔の卵を黄金の優勝トロフィーへと埋め込んだ。大きなトロフィーはぐにゃりと歪むと、ジェムスライムとなり魔鬼士の周囲に現れた。
「お前達は強い! 故に、倒す価値がある! まずはこのジェムスライムを倒してみよ!」
 高らかに笑った魔鬼士の周囲に現れたジェムスライムは、歴代優勝者の姿になると出場者達に戦いを挑んだ。

● グリモアベースにて
「武闘大会! なんだか面白そうな大会だけど、災魔が出てくるのはいただけないよね」
 楽しそうに頷いたリオンは、魔導書に映し出された光景をもう一度再生させた。
「という訳で、皆にはこの災魔を倒して欲しいんだ。戦場は武闘大会が開かれる開けた場所で近くに観客もいないから、思う存分やっちゃって!」
 優勝トロフィーが分裂したジェムスライムは、歴代優勝者の技を使う。強力な敵だが、この大会に出場予定のマジックナイト達は歴代優勝者のことを知ってる。
 協力を仰げば、戦いを有利に運べるだろう。
「その後はバトルマニアな魔鬼士を倒しちゃって。観客たちが応援してくれるから、気持ちよく戦っちゃってね!」
 楽しそうに笑ったリオンは、猟兵達を会場へと転送した。


三ノ木咲紀
 オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
 今回は猟書家戦です。
 3/28にリアルタイム執筆で仕上げる予定となっております。プレイングが無い場合はサポートのみで完結します。
 歴代優勝者の技は、ぶっちゃけ言ったもの勝ちです。
「こんな技を使ってくるから、こんな風に戦うぜ!」というようなプレイングがありましたら、大体そんな感じのバトルになります。

 プレイングボーナス(全章共通)……マジックナイトの助力を得る。

 プレイングは3/28の8:31から受付開始です。執筆は9時頃から開始の予定です。
 即日の完結を目指しますので、必要青丸数を達成した時はプレイングに問題が無くてもお返しする可能性があります。ご了承ください。
 また、第二章の完結の目処が立った時点でアルダワが拮抗に足る成功数があった場合、完結の時期をずらして4月度に回すこともあります。
 都度タグでご連絡しますので、確認していただけると嬉しいです。

 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 集団戦 『ジェムスライム』

POW   :    【特性:物理攻撃無効】ジャムバレット
レベル×5本の【着弾時に大爆発する宝石弾を、物理】属性の【攻撃を無効化する身体から、上記の宝石弾】を放つ。
SPD   :    【特性:物理攻撃無効】スライムボディ
自身の肉体を【物理属性の攻撃を無効化する身体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    【特性:物理攻撃無効】ホープルビー
【物理属性の攻撃を無効化する身体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、物理属性の攻撃を無効化する身体から何度でも発動できる。

イラスト:嵩地

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アニカ・エドフェルト
大会のルール、ちゃんと守って、もらいませんと…。

さて、わたしの相手は……
関節技を使う、グラップラーさん、ですね。
捕まっちゃうと、辛いので、基本離れて、戦いたい、ですが、《死闘天使》の為に、あえて近距離で、戦います。
素早く、蹴り技を放って、そう簡単には、捕まりませ…
きゃあああああっ!?
(あっさり足捕まれて関節極められる)

必死に耐えてるところに、マジックナイトさんからの、「捕まったか、もう力で返せないと無理だな(もしくは外し方のコツ)」みたいな言葉、聞いて、奮起、しちゃいます。
UC強化分と、〈怪力〉と、多少の偶然で、強引に、返そうとします。
上手く、返せたら、後は無我夢中で、蹴ったりして、戦いますっ



● アニカ VS グラップラー
 会場に登ったアニカ・エドフェルト(小さな小さな拳闘士見習い・f04762)は、会場の中央で戦いの様子を見守る魔鬼士の姿に口元をぷう、と膨らませた。

「大会のルール、ちゃんと守って、もらいませんと……」
「愚問だな! このような田舎の大会、俺が出たら優勝しかないだろう! それではつまらないのだよ! 行け! 第三十二回優勝者!」

 アニカのつぶやきに律儀に返した魔鬼士が、アニカを指差し叫ぶ。魔鬼士に呼応して現れた第三十二回優勝者は、戦闘態勢を整えるとアニカに猛然と襲いかかってきた。

「おおっと! 飛び入り参加のアニカ選手に襲いかかるのは、第三十二回優勝者! 手元の資料によると、彼の名はグラップラー! 関節技が得意な格闘家だ! さあ、アニカ選手、これにどう対応するのかぁっ!」
「なんで、アニカの名前、知ってるですか!」
 ノリノリで実況する実況者にツッコミを入れたアニカは、間近に近づいてくるグラップラーの攻撃に態勢を整えた。

 先手必勝とばかりに襲いかかってくる武闘家の得意技が関節技ならば、一旦離れて遠距離から攻撃するのが得策だろう。だが、アニカはそうしなかった。武闘大会で優勝したグラップラーの関節技って、どんなものだろう。興味を持ったアニカは、素早く床を蹴ると技を繰り出した。

「そう簡単には、捕まりませ……きゃあああああっ!?」
 繰り出したアニカの蹴り技を見切ったグラップラーが、アニカの足を脇に挟むとそのまま極める。うつ伏せに寝かされたアニカの足は梃子の原理で固定され、そのままギリギリとねじ上げられた。

「っつ……ああっ!」
 走る激痛に眉を顰めたアニカは、床に悲鳴を吸い込ませる。その声に更にねじ上げる力を込めるグラップラーに、実況者の声が響いた。
「おおっと! これはグラップラー選手の必殺技、アンクルホールド! こうなっては力で返すには難しい! 力に力で返すのは難しい状況、アニカ選手はどうするのかぁっ!!」

 実況者の声に、アニカは目を見開いた。力に力で返すのは難しい。今の片足を一方向に拗じられている状況。そして……。
「おねえちゃん、がんばれ!」
「負けるんじゃねえぞ!」
 観客たちの声が聞こえてくる。その声に、心の底から沸き上がってくる力に手を握り締めたアニカは、顔を上げると声援に応えようと上半身を捻った。
「こんな、所で、負けるわけには、いかないのです!」

 つま先が拗じられる方向へ回転したアニカの足が、極めから逃れる。一瞬の虚を突いたアニカは、反対の足に大きく反動をつけるとグラップラーの尻を思い切り蹴飛ばした。
 大きく増大した身体能力で入れられた蹴りに、グラップラーの身体が大きく倒れる。その背中を見下ろしたアニカは、無我夢中で攻撃を仕掛けた。

「おおっと! 必殺のアンクルホールドから逃れたアニカ選手の猛攻が始まったぁ!」
 ユーベルコードで強化されたアニカと、起き上がったグラップラーが見事な戦いを繰り広げる。必殺の蹴りを今度こそ決めたアニカは、消えていくグラップラーにぺこりと一礼すると次のジェムスライムへと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
武道大会、ちょっとわくわくしちゃうよね
優勝した人の技か…
どんなのだろうね?

マジックナイトさんだから、剣技と魔法の複合技っ!って感じかなー
こう、炎を纏わせた剣で斬り込んで、連撃、そして、剣から炎の竜にして放出とか…

マジックナイトさん、こんなのに弱点あるの?
え、放出するまでにチャージタイムがあるって?
それまでは、がんばれ?
え、ええと、アドバイスなのかな、それ…

敵の切り込みは、水の【属性攻撃】を付与した【オーラ防御】と
光刃剣と精霊剣の【武器受け】でしのぐよ
動きを【見切り】【第六感】に従って回避・防御だね

チャージタイムになったら【高速詠唱】で《指定UC》
隙は逃さないっ!
ダークネス、力を借りるよっ!



● シル VS マジック・ナイト
 大歓声に包まれる会場に上がったシル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)は、集まる視線と声援に笑顔で手を振った。
「武道大会、ちょっとわくわくしちゃうよね。優勝した人の技か……。どんなのだろうね?」
「ほう、お前はなかなかやりそうだな。行け! 第五十二回優勝者!」
 戦況を見守っていた魔鬼士が、大きく手を振り一体のジェムスライムを差し向ける。現れたジェムスライムは、腕に当たる身体を鋭く尖らせると魔力をみなぎらせた。

「おおっと! 第五十二回優勝者の名前は、マジック・ナイト! その名の通りマジックナイトの申し子だぁっ! 最強のマジックナイトと謳われたマジック・ナイトに、シル選手はどう立向かうのかぁっ!」
「さ、最強のマジックナイトのマジック・ナイト!? わかりにくいんだけど!」

 シルがツッコミを入れる間に、ナイトは魔力のチャージを終えると炎をまとわせた剣を手に斬り込んできた。鋭い初撃を回避したシルに、手首を返したナイトの攻撃が水平に走る。咄嗟に水属性を纏わせた精霊剣・六源和導で武器受けしたシルとナイトが、ジリジリと間近で睨み合う。立ち上がる水蒸気に紛れて距離を取ったナイトの姿を見失った瞬間、炎の竜が現れた。

「おおっと! これはマジック・ナイトのユーベルコード、ファイアドラゴンだぁっ! これに焼かれて立っていた猛者は、今まで一人もいない!」
「ええっ、ちょっと!」
 驚きの声を上げるシルに、ファイアドラゴンが襲いかかる。巨大な口を開けて飲み込まんと迫るファイアドラゴンの攻撃をじっと観察したシルは、十分引きつけると一息に身体をよじった。

 一瞬前までシルがいた空間を、炎の竜が呑み込んでいく。大技にありがちな直線的で融通がきかない攻撃を回避したシルは、興奮した様子の実況者に顔を向けた。
「実況者さん、こんなのに弱点あるの?」
「このファイアドラゴンは魔力の消費が大きく、チャージタイムが長いのが玉に瑕だぁっ! それまではがんばれシル選手! だが! その間もナイトは黙っていない!」
「え、ええと、アドバイスなのかな、それ……」

 親切な実況者に苦笑いをこぼすシルに、マジック・ナイトが炎の剣を繰り出してくる。回避し、時に光刃剣『エレメンティア』で武器受けするシルは、一旦距離を取ると詠唱を開始した。

「それがあなたのユーベルコードなんだね。じゃあこっちのコードも見せてあげる! ……闇の精霊よ……。我が身に宿りて、光を切り裂けっ!」
 高速詠唱で闇の精霊の力を借りたシルは、闇属性の魔力で出来た剣を握ると振り上げられた炎の剣を受け止めた。

「ダークネス、力を借りるよっ!」
 シルの呼び掛けに応じた闇の精霊が、ナイトに向けて斬撃を放出する。猛攻に距離を取ったナイトに、シルは続けざまに攻撃を仕掛けた。
「隙は逃さないっ! チャージ完了までに、決着をつける!」
 シルの決意に応えたナイトが、炎の剣で正面から向かってくる。

 すれ違いざまの攻防。倒れたのはナイトだった。倒れ伏し、一塊のスライムと化したマジック・ナイトを振り返ったシルは、剣を掲げて微笑んだ。
「いい戦いだったわ。さすがは優勝者ね」
 シルの声に、ナイトの身体が満足そうに消えていく。彼を見送ったシルは、襲いかかってくる次のジェムスライムに剣を叩き込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎・うさみっち
たのもー!!優勝するのはこの俺だー!
優勝して大金ゲットだぜ! ……おっと本音が
いやいや、アルダワの平和を守ってみせるぜい!
小さからってなめんなよ!

あんな奴ら、このうさみっちばずーかで一網打尽に…
うわっ、ゆたんぽがぽよんと跳ね返された!?
お前ら、なんかいい攻略法無いのか!
ふむふむ、あの伸縮性と弾力性は厄介だけど
それさえ無効化すればどうにかなると
魔法でカチンコチンにしてしまえば良いと

それならばとUCでまほみっちゆたんぽを増殖!
第一陣、構え! 発射!
氷の属性攻撃を一斉に放ち
敵を体の芯まで凍り付けにしてやるぜ!

第二陣、構え! 発射!
次は雷の属性攻撃を放ち
カチンコチンになった敵を木っ端微塵にしてやるぜ!



● うさみっち VS ルフ……もといポヨヨン
 舞台の上にぶーんと上がった榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)は、大きく息を吸い込むと声を張り上げた。

「たのもー!! 優勝するのはこの俺だー!」
 たのもー! のもー! もー! ー! ……。

 反響する声に手を止めた魔鬼士は、ドヤ顔で胸を張るうさみっちの姿を見るとニヤリと笑った。
「ほう、今度は小さな挑戦者か。なかなか意気込みが違うな」
「ふっふっふ。武闘家って、こういう大会で賞金稼いでるんだろ? なら俺が優勝して大金ゲットだぜ! ……おっと本音が。いやいや、アルダワの平和を守ってみせるぜい!」

「はーっはっはっは! 小さなフェアリーに何ができるというのだ! お前にはこの第四十六回優勝者、ルフ……」
「「「「それ以上は言っちゃダメー!」」」」
 総ツッコミを食らって思わず面食らった魔鬼士は、腕でバツを作る第四十六回優勝者のジェムスライムに視線を向けた。

「お、おう。ならば名字で呼ぶとしよう! 行け、ポヨヨン!」
 手を振り指示を出した魔鬼士の号令に、腕をバツにしていたジェムスライムのポヨヨンがうさみっちに向けて突き進む。そのままの格好でブレストアタックを仕掛けてくるポヨヨンに、うさみっちはうさみっちばずーかを構えた。

「小さからってなめんなよ! あんな奴ら、このうさみっちばずーかで一網打尽にしてやるぜ! いけ、うさみっちゆたんぽ!」
「「「いえーーい!」」」
 うさみっちばずーかから飛んで出たうさみっちゆたんぽ達が、ポヨヨンに向けて一斉に飛びかかる。ハートを手に襲ってくるうさみっちゆたんぽ達を、ポヨヨンは動揺せずに受け止めた。

「うわっ、ゆたんぽがぽよんと跳ね返された!?」
 めり込んだうさみっちゆたんぽ達が、ぽよんと跳ね返される。その様子に、実況者が熱い解説口調で叫んだ。
「おおっと! ポヨヨンのユーベルコード、ポヨポヨのポヨンが発動したぁっ! これは物理攻撃をポヨンと受け流す、四十六代優勝者のユーベルコードだ!」

「ええ!? 実況者、なんかいい攻略法無いのか!」
「ポヨヨン選手の伸縮性と弾力性は厄介だが、逆に言えばそれさえ無効化できれば後は何とでもなる! ポヨヨン選手はどう立ち向かうのか!」
「ほう、魔法でカチンコチンにしてしまえば良いというわけだな! 出てこいまほみっちゆたんぽ!」

 一応中立な実況を繰り広げる実況者の叫びに、ニヤリと笑ったうさみっちは、ばずーかを構えると八十七体のゆたんぽ達を召喚した。三角帽子・ローブ・杖装備のうさみっちゆたんぽに、うさみっちは手を上げた。

「第一陣、氷の属性魔法攻撃用意! 構え! 発射!」
 足止めしていたうさみっちゆたんぽ達が一斉に離れ、そこへ炎の魔法が放たれた。半分弱である四十二体のまほみっちゆたんぽ達から放たれた氷属性の魔法は、あっという間にポヨヨンを氷の中へと閉じ込める。
 魔法を放ち終えたまほみっちゆたんぽ達と交代したうさみっちゆたんぽ達に、うさみは腕を振り下ろした。

「第二陣、雷の属性魔法攻撃用意! 構え! 発射!」
 うさみっちの号令に、一斉に放たれた雷がポヨヨンを木っ端微塵にする。
「ふふん、どうだ! お、次はお前か?」
 ドヤ顔で胸を張るうさみっちは、襲ってくる次のジェムスライムに向けてうさみっちばずーかを放った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天道・あや
よっしゃ!それじゃ、いっちょ勝利のゴング、鳴らさせて貰いまショータイム!

さてさて、あたしの相手はー…成る程、空手さん!これはまた真っ向勝負だと厳し――うおっと!?(紙一重で見切って避け)

な、ナイス正拳突きぃぃぃ!?(続けて繰り出された蹴りを腕を前に出して防ぐが吹っ飛ばされる)


い、いつつ…こ、困った。これはなかなか厳しい戦いに……うん?お、どうしました、マジックなナイトさん?


ふむふむ、あの人は一発、一発は強く速いけど体力消耗が大きく、真っ直ぐだから撹乱したり絡め手は苦手とな?


……よーし!思い付いた!アドバイスありがとねっ!


UC発動!【ダンス】しながら相手の攻撃を避け続け、体力を消耗した所を叩く!



● あや VS カラテ
 舞台の上に駆け上がった天道・あや(目指すぜ!皆の夢未来への道照らす一番星!・f12190)は、スポットライトの光を浴びるとドラゴンマイクを振り上げた。
「よっしゃ! それじゃ、いっちょ勝利のゴング、鳴らさせて貰いまショータイム!」
「ヒューヒュー! いいぞあやー!」
「がんばっておねーちゃん!」

 観客たちから送られる拍手と完成に嬉しそうに微笑んだあやは、掴んだ呼吸そのままにドラゴンマイクを口元へと下ろした。
「さてさて、あたしの相手はー」
「はーっはっは! 面白い! 第七十二代優勝者! その小娘を倒すが良い!」
 手を振り上げ指示を出す魔鬼士に応えて前に出た第七十二代優勝者の姿に、実況者の声が響いた。

「おおっと! ここで出てきたのは第七十二代優勝者、カラテだ! その技は地面をも叩き割ると謳われた伝説の空手家だ!」
「……成る程、空手さん! これはまた真っ向勝負だと厳し――うおっと!?」
 問答無用とばかりに繰り出される正拳突きを紙一重で見切ったあやに、矢継ぎ早に攻撃が繰り出された。

「な、ナイス正拳突きぃぃぃ!?」
 まるで回避した先を読んでいたかのように繰り出された飛び膝蹴りに、反射的に腕を前に出して防ぐ。ギリギリと拮抗させたが、更に込められる気合にあやの身体が宙に浮いた。衝撃波と共に吹き飛ばされたあやの身体が、壁に叩きつけられる。客席に続く壁に蜘蛛の巣状のヒビを入れたあやは、痛む身体をさすりながら立ち上がった。

「い、いつつ……こ、困った。これはなかなか厳しい戦いに……」
「おおっと! 出ましたカラテの必殺、正拳突きをからの膝蹴り! だがカラテ選手、一撃で仕留められていない! 一発、一発は強く速いが体力消耗が大きく、真っ直ぐだから撹乱したり絡め手は苦手なカラテ選手、ここからが正念場だ!」

 とても親切な実況者の解説に、あやは笑顔を浮かべた。全身が痛いが動かないことはない。相手の攻撃が単調ならば、こちらの動きに合うように誘導することも可能。ここは武闘大会という舞台の上。たくさんの観客たちが見守っている。そしてあやはサウンドソルジャーでスカイダンサー。つまりはスター!

「……よーし! 思い付いた! アドバイスありがとねっ!」
 軽やかに舞台に舞い戻ったあやは、ステップを踏むとラジカセのスイッチを入れスピーカーに接続した。自作CDから流れる軽やかで明るい音楽に、自然とテンションが上ってくる。

「へいyou! 気分は上々?? 歌うの好き? あたしは大好き! 踊るのは? あたしは大好きだけど!?」
 コール・アンド・レスポンスをねだるようにマイクを向けられたカラテは、戸惑ったように動きを止める。苛立ったように放たれる突きを、あやは軽やかに回避した。

「天道・あやの舞台へようこそ! 今日は楽しんでいってね!」
 あやの呼び掛けに、観客たちが歓声と拍手で応える。割れんばかりの声援を全身で受け止めたあやに、カラテが次々と技を繰り出す。その全てを軽いステップで回避。ダンスホールと化した舞台上で踊るあやは、カラテの動きも誘導し二人で舞台を盛り上げていく。

 曲がクライマックスを迎えた時、あやはカラテに飛び膝蹴りを繰り出した。あやを吹き飛ばしたのと同じ技で吹き飛ばされたカラテが、そのまま動かなくなる。大歓声に腕を振り上げたあやは、次々襲いかかってくる他のジェムスライム達と一緒にダンスを楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

月白・雪音
…武闘の祭典。これに臨む闘士はこの日が為に鍛錬を重ね、
自らの業に大きな誇りを有し、戦いにて得た栄誉こそを誉れとするのでしょう。
それは武の道を歩む者の本懐の一つ。踏み躙るとあらば捨て置けませんね。


立ちはだかるのは相手の技を模することを得手とする闘士
UCを発動し、怪力、残像、グラップル、2回攻撃を用いた、
拳打、蹴り、投げ技による格闘戦にて状況展開
相手の攻撃は見切り、野生の勘を用いて動きを予測しカウンター
積み上げた速度を以て自分の技を見切らせない
我が業を返すとあらば、今この時を以て先の己を超えるまで


…とはいえ、異能を使えぬ身では些か分の悪い相手です。
魔導騎士の方々、私の身に魔力の付与を願えますか?



● 雪音 VS モスル
 するりと舞台の上に立った月白・雪音(月輪氷華・f29413)は、魔鬼士の側に最後まで残ったジェムスライムの姿に目を細めた。

「……武闘の祭典。これに臨む闘士はこの日が為に鍛錬を重ね、自らの業に大きな誇りを有し、戦いにて得た栄誉こそを誉れとするのでしょう」
「ほう、お前は今までの猟兵たちとはテンションが違うようだな。その通り。ただ一つの目標のために磨き上げられた武と武がぶつかり合うことこそ、俺が望む闘争!」
「そのために、この大会を破壊したのですか? 義も礼節も全て無視して?」
「義? 礼節? そんなもの、闘争の前には無力!」

 拳を握りしめる魔鬼士に、雪音は手を握り締めた。全てを己の思い通りにしようとする魔鬼士の戦い方に、義憤に満ちた目で睨んだ雪音はすう、と腕を上げると構えを取った。
「それは武の道を歩む者の本懐の一つ。踏み躙るとあらば捨て置けませんね」
「ならば見せてみよ、お前の本懐とやらを! 行け、第九十九回優勝者!」

 最後まで残っていたジェムスライムが、ゆらりと動き出す。雪音と同じ構えを取ったジェムスライムは、雪音と全く同じ間合いで距離を取った。
「おおっと! ここで出てきたのはモスルだ! モスルは相手の攻撃を模倣することに長けた闘士! 相手が強ければ強いほどその力も増すのだぁっ!」
 実況者の声に、雪音は眉を顰める。なかなか厄介な相手のようだが、ここで睨み合っていても状況は動かない。すう、と息を吸った雪音は、一歩足を踏み込んだ。

「……弱きヒトが至りし闘争の極地こそ、我が戦の粋なれば」
 次の瞬間、雪音とモスルの拳が交錯する。残像を連れた連撃が相手の急所を狙い、狙われた急所を防御しては続け様に拳を繰り出す。全く同じ有効だを与えあった雪音とモスルは、一度離れると同時に床を蹴った。

 放たれる強烈な蹴り。鳩尾に膝蹴りを食らった雪音は、腕を伸ばすとモスルを掴み投げに掛かった。
 全く同じ動きで雪音を掴んだモスルが、雪音を投げに掛かる。同時に投げられた雪音とモスルは、舞台の対角線上に同時に叩きつけられる。背中を襲う衝撃に息を呑んだ雪音は、ゆらりと立ち上がると油断なくモスルを睨みつけた。

 同様にモスルも立ち上がる。モスルの力は雪音と同様のものを持っている。相手の攻撃を見切り、野生の勘で動きを予測しカウンターを仕掛けたとて、相手も全く同じ動きでこちらに仕掛けてくる。まるで自分を相手にしているような感覚に、雪音は知らず楽しげな笑みを浮かべた。

 今目の前にいるのは、今の自分自身。最も超えるべき壁だ。
「我が業を返すとあらば、今この時を以て先の己を超えるまで」
 決意と共に拳に力を込める。お互い消耗が激しく、この一撃が勝敗を分ける。力を練り上げる雪音に、観客たちが声援を送った。

「頑張れ!」
「負けるな!」
「俺達が付いてるぞ!」
 心からの声援に、胸の奥に火が灯る。

 床を蹴り、一撃。

 繰り出された攻撃は互いの急所を一撃し、交錯した二人はまるで時間が止まったかのように動きを止めた。
 沈黙の時間。倒れたのはモスルだった。
 自分が何故倒されたのか理解できないように腕を上げるモスルに、雪音は静かに語りかけた。

「……あなたも限界を超えたようですが、私には力を貸してくれる人たちがいる。あなたにはそれがない。それが勝敗を分けたのです」
 納得したようなモスルの身体が、一塊のジェムとなり溶けていく。
 全てのジェムスライムの残骸が集まり現れた黄金のトロフィーに、雪音は静かに一礼した。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『魔鬼士』

POW   :    災魔の邪眼
【敵の攻撃を見切った鋭い突き】【敵の回避を見切った力強い振り下ろし】【敵の反撃を見切った荒々しい薙ぎ払い】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    災魔の鎧躰
全身を【流れる災魔の血を活性化させ、禍々しい闘気】で覆い、自身が敵から受けた【攻撃への高い耐性を得る。また、戦闘時間】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    侵略蔵書「大魔王の侵略」
自身の装備武器に【侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖】を搭載し、破壊力を増加する。

イラスト:黒メガネ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は九頭竜・聖です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 全てのジェムスライムを倒された魔鬼士は、愉快そうに高らかな声を上げた。
「はーっはっは! これだ! これこそが俺の求めていた闘争! 委細不要! かかってこい猟兵ども! お前達を倒し、更なる力を手に入れる!」
 闘気をみなぎらせた魔鬼士の挑発に、猟兵達は一斉に攻撃を仕掛けた。
天道・あや
うーん、見事なヒール役。もしかしてyou生前は名の知れた役者さんとか?

…ま、とりまそれは置いといて
んじゃま、やりましょうか


youの闘争心とあたしの夢に駆ける情熱!どっちが熱く!燃えてるか…勝負!

うおっと!?この気配…いや、プレッシャー!これはまたグラビティ…!?

ととと!?お、思うように身体が…!【激痛耐性】


(さて、どう攻めたらいいもんやら、うん?何やら声が…て、あれはさっきの実況者さん!)


ふむふむ、成るの程、成る程!よーし、反撃開始!こっちのターン!

ダッシュで正面から相手に突っ込む!で、相手が攻撃してきたら


武器を掴む!【見切り、グラップル】


そしたらUC発動!相手を放り投げる!【歌唱、限界突破】



● 歌声
 高笑いを上げる魔鬼士の声に、天道・あや(目指すぜ!皆の夢未来への道照らす一番星!・f12190)は思わず苦笑いを零した。
「うーん、見事なヒール役。もしかしてyou生前は名の知れた役者さんとか?」
「過去などどうでもいいわ! 大事なのは今! そしてこれから手に入る闘争の末の力だ!」
「いやオブリビオン的にその台詞はどうなの!?……ま、とりまそれは置いといて。んじゃま、やりましょうか」
「来るがいい猟兵! 相手になってやろう!」

 侵略蔵書を掲げた魔鬼士が、高らかに吠える。左手に装備した巨大な槍に侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖を搭載した魔鬼士は、一気に床を蹴るとあやに向けて駆け出した。
 回避しようとステップを踏みかけたあやの足が止まる。かつて相対した大魔王達が放っていた恐怖と威圧感が胸の中に蘇り、あやは無意識に胸を掴んだ。

「うおっと!? この気配……いや、プレッシャー! これはまたグラビティ……!?」
「死ね猟兵! この槍の露となるがいい!」
 闘志に目を輝かせた魔鬼士の突きが、あやの腕を貫く。思うように動かない身体を辛うじて動かしたあやは、襲う激痛をなんとか堪えながらも立ち上がった。

「ととと!? お、思うように身体が……!」
「ほう、この一撃の急所を外したか。褒めてやろう猟兵!」
「ふむふむ、成るの程、成る程! さあて、どうしようかなー?」

 腕を押さえながら油断なく魔鬼士と距離を取ったあやは、次の一手に考えを巡らせた。あの巨大な槍の間合いはなかなかに脅威だ。フルアーマーを纏っているだけに、防御力も高いだろう。
 さて、どう攻めたらいいもんやら。間合いを取りつつ探るあやの耳に、実況者の声が響いた。

「おーっと最初に飛び出したあや選手! 魔鬼士の能力に痛打を受けてしまったぁっ! ジェムスライム戦では素晴らしい歌と踊りを魅せてくれたあや選手も、圧倒的な暴力の前に屈するしかないのかぁっ!」
 実況者の絶叫にも似た声に、あやは思わず口元に笑みを浮かべた。そうだ。あやはスタァなのだ。こんなところで無様な姿を晒していては、ファンの皆に申し訳が立たない!

「よーし、反撃開始! こっちのターン! youの闘争心とあたしの夢に駆ける情熱! どっちが熱く! 燃えてるか……勝負!」
 意を決したあやは、矢のように駆け出すと魔鬼士に向けて正面から突っ込んだ。真っ直ぐなあやの攻撃に、魔鬼士は槍を再び繰り出した。

「ほう、そう攻めるか猟兵! 望み通り串刺しにしてやろう!」
 突き出される槍の攻撃に、あやはヒラリと身を翻した。真っ直ぐ突っ込んで来る相手に対して脇から攻撃を仕掛けるような敵ではない。その読みの通り真っ直ぐ繰り出された槍を見切り脇腹で抱えるように掴んだあやは、大きく息を吸い込むと歌を歌った。

 さっきCDで流したオリジナルの歌が、舞台上に響く。味方を勇気づける歌声に力を得たあやは、そこに歌われている少女の姿に恥じないような自分であろうと、槍を掴んだ腕に力を込めた。

「過去に皆の未来は邪魔させないっ! どんな困難も乗り越えてみせる! こんな、風に!」
「うわぁっ! 貴様何をする!?」
 槍を基点に魔鬼士の身体を高く持ち上げたあやは、限界突破の勢いそのままに頭から床に叩きつける。自身の鎧の重量も加算された魔鬼士は、どう、と音を立てるとそのまま動かなくなる。
「おおっとお! これは強烈だ! 魔鬼士選手、動かない! ここでやられてしまうのかぁっ!」
 実況者の声が響き渡る中、誇らしげに手を振るあやに観衆は大歓声を送った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榎・うさみっち
おうおう、血気盛んな脳筋ヤローだぜ!

UC発動し、デビみっち軍団を召喚!
敵がどんだけヤバそうな大魔王オーラを放とうとも
怖いもの知らずな貪欲なこの悪魔どもには利かないぜ!
さぁお前ら、あいつを一斉攻撃……

えっ、報酬!?今その話出す!?
えーと、あいつさえ倒せば武闘大会優勝!
大量の賞金が貰えるからそれを山分けだー!
…なおこれは全部口からでまかせである
とりあえず今戦ってもらえればいいのだ
あとのことはあとで考えよう!

数の多さと身体の小ささを活かして
敵の目の前をうざったく飛び回って翻弄
お尻ペンペーンとか挑発もしてやろう
敵が気を取られている隙に
死角から他のデビみっちたちが一斉ツンツン攻撃ー!



● デビみっちの沙汰も金次第
 頭をさすりながらも身を起こした魔鬼士は、槍を掴み立ち上がると大きな声で吼えた。
「おのれ猟兵! 次はどいつだ!? 八つ裂きにしてくれる!」

 空気をビリビリと震わせる声に、場の空気が鎮まる。怒りも顕にする魔鬼士の姿に、榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)はぶーんと死角に回り込むとくつくつと笑みを浮かべた。

「おうおう、血気盛んな脳筋ヤローだぜ! さあ出てこいデビみっち軍団!」
 うさみっちの召喚に応じて現れた88体のデビみっち軍団は、三叉槍を掲げるとうさみっちを取り囲むように飛び回った。

「敵がどんだけヤバそうな大魔王オーラを放とうとも、怖いもの知らずな貪欲なこの悪魔どもには利かないぜ! さぁお前ら、あいつを一斉攻撃……」
「それはいいけどよぉうさみっち。その前に言うべきことと、やるべきことがあるんじゃねぇか?」

 ヤクザのようなワルい笑みを浮かべたデビみっちが、うさみっちの肩を抱く。まるで恐喝するようにグラサンを近づけるデビみっち達の姿に、うさみっちの額に一筋の汗が落ちた。

「い、言うべきこととやるべきこと? ……あ、そうかお前達! あの硬そうな魔鬼士のお尻をその三叉槍でつんつんして……」
「そうじゃねえよ! 報酬だよ報酬! 俺達使うのに、いくら払えるのかって話だよ!」
「えっ、報酬!? 今その話出す!?」

 思わずしどろもどろになったうさみっちは、咄嗟にお財布の中身を思い出した。今月質屋に入れたアレがいくらで、ソレがいくらだったからこのくらいは払える。はず。ああだけど、衝動買いしたドーナッツが意外とお高くついたんだったぁっ!
 全身から汗を流したうさみっちは、視界の端に映った「武闘大会」の文字に救いを求めた。

「えーと、あいつさえ倒せば武闘大会優勝! 大量の賞金が貰えるからそれを山分けだー!」
「ほう、優勝賞金! そりゃあいい! 野郎ども、やるぞ!」
「「「おー!!!」」」
 やる気になってうさみっちを開放したデビみっち達が、三叉槍を振り上げると作戦を立て始める。話し合うデビみっち達の後ろ姿に、うさみっちはワルい笑みを浮かべた。

「ふっふっふ……。これは全部口からでまかせである。とりあえず今戦ってもらえればいいのだ。あとのことはあとで考えよう!」
 ほくそ笑んだうさみっちは、幾人かのデビみっち達を引き連れてぶーんと跳ぶと魔鬼士の目の前で八の字飛行を披露した。

「やーいやーい! 女の子に投げ飛ばされた魔鬼士やーい! 実は弱いんじゃないですかー?」
「おのれ貴様ら! 大魔王の恐ろしさを思い知るが良い!」
 お尻ぺんペーんしながらうざったく跳ぶうさみっち達の挑発に、顔を真赤にした魔鬼士が侵略蔵書から溢れる大魔王への恐怖を搭載した槍を鋭く突き出す。

 だがしかし、大魔王と戦闘しなかったうさみっちには、その恐ろしさを本当には知らない。知らないものは恐れない! とばかりに飛び回り小回りで回避するうさみっち達に槍を当てようと、魔鬼士は躍起になって槍を繰り出す。
 そこに、別働隊のデビみっち達が襲いかかった。

「背中ががら空きだぜ! 野郎ども、魔鬼士のお尻をペンペンツンツンしてやるぜ!」
「「「おー!!!」」」
「な、何をする貴様ら!」
 死角から放たれるツンツン攻撃が、魔鬼士のお尻を一斉攻撃する。これで俺達が優勝だー! と叫ぶデビみっち達に優勝賞金を支払えたかどうかは、また別の話である。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シル・ウィンディア
さて、本命さんだけど…
ワクワクが止まらないから、楽しくいくよっ!

【空中機動】で飛び回っての【空中戦】でお手合わせっ!
二刀流の光刃剣と精霊剣での【フェイント】を入れての【二回攻撃】

敵の攻撃は、三次元機動で揺さぶって【残像】を生みつつ
敵の攻撃を【見切り】回避だね

敵UCは当たれば痛いけど…
…当ててくるだろうね
それなら
【多重詠唱】と【高速詠唱】で【オーラ防御】を展開
【瞬間思考力】で被弾箇所を判断して、【全力魔法】で【オーラ防御】だね

痛いけど…しのいだよ?

それじゃ、こっちの番!
【多重詠唱】で、開始時からずっと詠唱を重ねてきたんだ
【魔力溜め】もして【限界突破】で溜めに溜めて…
【全力魔法】で《指定UC》だよ



● 複合魔法の怒り
 猟兵の攻撃を追い払い槍を持ち直した魔鬼士の姿に、シル・ウィンディア(青き閃光の精霊術士・f03964)は詠唱を開始すると楽しそうに舞台上に上がった。

「さて、本命さんだけど……ワクワクが止まらないから、楽しくいくよっ!」
「楽しく、だと? 舐めたものだな猟兵! この槍の錆にしてくれよう!」
「エアリィ!」

 腹立たしげに繰り出された槍を回避したシルは、床を蹴ると軽やかに空に舞い上がった。風精杖『エアリアル』を翳して召喚した風の精霊が、シルを空へと導く。羽のように舞ったシルの足元を、魔鬼士の槍が唸りを上げて通過する。空中での機動を確保したシルは、光刃剣『エレメンティア』と精霊剣・六源和導を手に魔鬼士の前に躍り出た。

「この、小娘が!」
「さあ、風の精霊を捕らえられるかしら?」
 ヒラリと飛んだシルは、両手の剣で魔鬼士を斬りつける。フェイントで攻撃をいなしたシルに再び槍が迫るが、その頃にはシルは更に高い空にいる。

 蝶のように舞いながら攻撃を回避するシルに、魔鬼士は苛立ったように侵略蔵書を開いた。
「大魔王の恐ろしさ、見せてくれよう!」
 侵略蔵書「大魔王の侵略」を開いた魔鬼士は、そこから溢れ出す大魔王への恐怖を槍に搭載するとシルに向き合った。
 妖しいオーラを纏った槍の輝きに、シルは息を呑む。かつて相対した大魔王に対する恐怖が胸の奥に湧き上がり、危険を告げるアラームが頭の中で激しく鳴り響いて止まない。

 呑み込んでくるようなオーラを纏った槍が、シルに迫る。回避を試みるが、怯えたように身体が動いてくれない。必中を狙ってくる攻撃に、シルは思考を切り替えた。
「これは……当ててきてるね。それなら!」
 逃げる事ができないのならば、戦うしかない。立ち向かうしかない。意を決したシルは、二振りの精霊剣を交差させると詠唱を開始した。

 オーラ防御を多重詠唱で展開する。高速詠唱から繰り出された防御結界がシルの前に展開し、襲い来る槍が纏う凶悪なオーラを軽減させる。
「やるな! だが槍は防げまい!」
 迫る槍を握った魔鬼士の声に、シルは瞬間的に思考を巡らせる。物理的に襲い来る槍の機動を計算し、少しでもダメージが少なくなるように回避行動を取る。全力魔法で張ったオーラ防御で少しでもいなしながら動いたシルの足を薙ぐように、槍の穂先が通過した。

 訴える激痛を無視して、強がりの笑みを浮かべる。空中で姿勢を整えたシルは、見上げてくる魔鬼士の姿を見下ろした。
「痛いけど……しのいだよ?」
「抜かせ! その怪我ではもはや満足に戦えまい!」

「それじゃ、こっちの番! ーー闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ、暁と宵を告げる光と闇よ……。六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれっ!」
 詠唱の最後の語句を紡ぎあげたシルは、交差させた精霊剣を平行に開くと空間に魔法陣を完成させた。

 六芒増幅術で強化したエレメンタルブラストが、魔鬼士に向けて放たれる。練り上げられた膨大な魔力は限界まで膨れ上がり、解き放たれる時を待っていた。目を見開き回避行動を取る魔鬼士を遮るように、シルは最後の詠唱を乗せ解き放った。

「解き放て! ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト!」
 火・水・風・土・光・闇。
 複合6属性の巨大な魔力砲撃が、魔鬼士の姿を呑み込んでいく。強大な攻撃が収まった時、そこには辛うじて立つ魔鬼士の姿があった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携大歓迎

遅くなった
ここから加勢する

…闘争を求める輩か
なら、俺の闘争心でぶった切ってやるよ

災魔の鎧躰が正直厄介だが
耐性獲得と戦闘力増強の両方を防ぎたいなら
要は一撃で倒せばいいってことだな?
なら…俺のオブリビオンへの憎悪を爆発させ、徹底的に斬り刻む

攻撃を「武器受け」でいなつつ機を伺い
僅かな隙が生じたら「見切り、ダッシュ」で懐に飛び込み
「2回攻撃、怪力、鎧砕き、属性攻撃(聖)」+指定UC発動
左目を激しく光らせながらの18連撃で
禍々しい闘気を聖なる光で浄化しながら黒鎧を砕きつつ
原型を留めない程にまで徹底的に斬り刻んでやる!

お前のような猟書家はこの世界に不要
骸の海を永遠に漂え!


月白・雪音
…一つの祭典の場とはいえ、ここは戦の地。
その理に則り戦いに臨むとあらば、我が武を以てそれに応えましょう。


UC発動にて、野生の勘、見切り、及び殺人鬼としての技巧も駆使し、
相手の急所を的確に見定め怪力、グラップル、部位破壊、限界突破による最大威力の攻撃を以て
耐性を作り切られる前の短期決戦、一撃必殺を狙う
相手の攻撃に対しても野生の勘、見切りにて軌道を掴み
残像による回避あるいはカウンター


…己が力を祭典における見せ物とする、あるいはそれも武という概念を貶めるものとも考えられましょうが、
武の力がただ壊すのみで無い民の楽しみとなるならばそれもまた善し。
歓声を受けるというのも、存外に心地の良いものです。



● 激闘の行く末
 よろりと立ち上がった魔鬼士の前に立った館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は、射殺して来そうな魔鬼士の視線を受けながら武闘場に立った。
「遅くなった。ここから加勢する」
「心強く思います、敬輔様」
 同じく武闘場に立った月白・雪音(月輪氷華・f29413)もまた、油断なく魔鬼士の様子に注意を払った。満身創痍の魔鬼士は、立ちはだかる二人の猟兵の姿に笑い声を上げた。

「ふ、はははは! 強い! 強いぞ猟兵ども! それでこそ戦う価値があるというもの!」
 槍を構えた魔鬼士は、全身に闘気をみなぎらせる。気の弱い者ならばその気配だけで気絶してしまいそうな闘気を前にした雪音は、臆することなく構えを取った。

「……一つの祭典の場とはいえ、ここは戦の地。その理に則り戦いに臨むとあらば、我が武を以てそれに応えましょう」
「戦の地? その理? 理など不要! どのような手段を用いようとも、強ければ良いのだ! 強さこそ正義! それがこの世の理と知れ!」
 叫んだ魔鬼士は、ユーベルコードを完成させるとゆらりと槍を構えた。今までとは比べ物にならないほどの質と量の闘気が、魔鬼士の全身を包み込む。

 全身を流れる災魔の血を活性化させ、禍々しい闘気を纏った魔鬼士は、手にした槍を鋭く繰り出してくる。辛うじて黒剣でいなした陽太は、その殺気と剣圧に口の端を歪めた。
「……闘争を求める輩か。なら、俺の闘争心でぶった切ってやるよ」
 魔鬼士の返答に表情を消した敬輔は、黒剣を構えると油断なく間合いを取った。

 魔鬼士の全身を覆う鎧は重く強く、今まで重ねられた猟兵達の攻撃にも傷つきこそすれ破壊される様子はない。眉を顰めた敬輔は、隣に立つ雪音にそっと語りかけた。
「災魔の鎧躰が正直厄介だが、耐性獲得と戦闘力増強の両方を防ぎたいなら要は一撃で倒せばいいってことだな?」
「そのようです。耐性を作り切られる前の短期決戦、一撃必殺を狙うのが上策かと」
 同じ考えに至った二人は、一瞬だけ目を見交わすと魔鬼士に向けて踊りかかった。

「なら……俺のオブリビオンへの憎悪を爆発させ、お前を徹底的に斬り刻む!」
「できるものならやってみせろ猟兵!」
 吼えた魔鬼士が、槍を繰り出す。唸りを上げて放たれる攻撃が敬輔を串刺しにしようと迫る。再び黒剣で武器受けしようと構えた敬輔は、跳ね上げられる槍の穂先に標的を変更した。

 敬輔に意識が集中した一瞬の隙を突いた雪音は、音もなく魔鬼士の懐に忍び寄ると掌底で槍の重心を突く。野生の勘で槍の弱点を見抜いた雪音の攻撃に、槍の穂先が三日月を描き天へと向かう。

 その隙を見逃す敬輔ではなかった。雪音が作った隙を突き床を踏み込みダッシュで接近した敬輔の目が激しく光る。
 怪力で振るわれた黒剣が鎧を砕き、踊るような連撃を繰り出していく。聖属性を帯びた黒剣が魔鬼士の禍々しい闘気を浄化しながら鎧にヒビを入れていった。

 防戦一方に追い込まれた魔鬼士に、18連撃が叩き込まれる。重い攻撃を受け続けた魔騎士の鎧は、ついに大きな音を立てた。今までの猟兵達の攻撃で傷ついた鎧は、敬輔の寿命を代償にした憎悪の連撃でついに砕かれた。

 鎧を砕かれ防御を失った魔鬼士に、雪音が音もなく近寄った。ジェムスライムに対する雪音の攻撃を見ていた魔鬼士は、拳を握り締めると雪音に向かってカウンターを仕掛けた。
「女ぁっ! 貴様も道連れにしてやる!」
「お前のような猟書家はこの世界に不要! 骸の海を永遠に漂え!」
 18連撃の最後の一撃が、魔鬼士の腕に叩き込まれる。拳を握った腕が空を飛び、空中高く放物線を描き、やがて嫌な音を立てて床に落ちる。

 その時には決着はついていた。
 野生の勘で攻撃を見切った雪音は、必殺を以て繰り出された槍の穂先をわずかな動きで回避する。回避による姿勢の崩れを最小限に留めた雪音は、顕になった魔鬼士の肉体を的確に見定めた。

 乗せた勢いそのままに、腕を極める。なおも攻撃を仕掛けてくる魔鬼士の腕を無力化させた雪音は、全ての体重と勢いを乗せ弧を描く膝を魔鬼士の鳩尾に叩き込んだ。
 梃子の原理も利用し、部位を破壊する衝撃が魔鬼士の内蔵を破壊する。衝撃波が魔鬼士の全身を駆け抜け、その体機能を停止させていく。

 振り抜いた足を一回転させ、それを軸に反対の足で頭に蹴りを叩き込む。ぐらりとバランスを崩した魔鬼士は、そのまま仰向けに倒れた。
 どう、と音を立てた魔鬼士の身体が、風化するように消えていく。
 風に乗り消えた魔鬼士の姿に、会場がこれまでにない熱狂に包まれた。

● 武のある一つの風景に
 実況も忘れて見守っていた実況者が最初に発した声は、意味を成さない歓喜の絶叫だった。存分に吼えた実況者は、武闘場に集まった猟兵達を言葉を尽くして称え尽くす。大歓声と感謝の言葉に居心地悪そうに立ち去ろうとする敬輔に、雪音は声を掛けた。
「どこへ行くのです敬輔様」
「いや……。こういう雰囲気は苦手で」
 周囲を見渡した敬輔の声に被せるように、大絶賛の声が響く。言葉を尽くす実況者を見た敬輔は、どこにそんな語彙があるんだ? というように仏頂面をする。そんな敬輔に、雪音は微笑んだ。
「……己が力を祭典における見せ物とする、あるいはそれも武という概念を貶めるものとも考えられましょうが。武の力がただ壊すのみで無い、民の楽しみとなるならばそれもまた善し」
「……」
 立ち止まった敬輔から視線を外した雪音は、輝くライトと華やかな音楽に手を振る。あの猟書家を放置していたら、この観衆も皆殺しになってしまったかも知れない。守った命がくれる感謝の声に、雪音は知らず頬を緩めた。
「歓声を受けるというのも、存外に心地の良いものです」
「……そうだな」
 頷いた敬輔が、立ち止まりぎこちなく手を振る。
 感謝と歓声に包まれた猟兵達を、黄金の優勝トロフィーは静かに見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月28日


挿絵イラスト