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銀河帝国攻略戦⑤~敵戦艦を強襲せよ

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 ――銀河帝国が、現在もっとも恐れている事はかつて銀河帝国に対抗したという伝説の『解放軍』の再来だ。
 猟兵達とミディアの呼び掛けを受け、銀河帝国への抵抗の意志を早期に固めた宇宙船の人々は、こぞって解放軍へと集合している。彼らの船に『ワープドライブ』が装着された時、スペースシップワールドの全戦力が世界内のどこにでも展開できる――いわば、銀河帝国と同じ状況へ持ち込む事が可能となるのだ。そうなってしまえば、損害は免れない。そう考えた銀河帝国側は現実的な手段を講じる。

 ――すなわち、『ワープドライブ』装着前の宇宙船を叩けばいい。驚異になる前に排除するというのが、銀河帝国側の考えだった。
 そのために銀河帝国はスペースシップワールドに戦艦を派遣、今まさにその中の一つが驚異になる前の宇宙船を排除しようとする目前であった……。


「そうなる前に、敵戦艦に乗り込む破壊するんじゃ。世界は変わっても、敵の砦を落とすのが有効手段である事は変わらんの」
 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう真剣な表情で言葉を続けた。
「敵が出現するタイミングはわかっておる。そこに、グリモアベースから直接乗り込むのじゃ。おそらく、最初は戦艦の外壁部分に出る事になるじゃろうがの。何、透明の超薄型な特別な宇宙服があるらしい、問題はないじゃろう」
 敵戦艦内では、数多くのクローン重騎兵が控えている。向こうは自分の命を顧みない、まさに死兵だ。大人しく戦艦を破壊させてくれるはずもない、まずはクローン重騎兵の排除を優先するべきだろう。
「邪魔さえいなくなれば、ほれ。戦艦を破壊できるだけの火力は、向こうがたらふく持って来てくれるからの。遠慮なく、使わしてもらおうではないか」
 どうせなら、派手な狼煙にしていまうのが良いじゃろうよ、とはガングラン談。何にせよ、戦艦破壊後は回収してもらえる。存分に暴れまわってやるといいだろう。
「戦の常道は、まずは鼻っ柱を叩き折るところから始まるものよ。相手はオブリビオンじゃ、存分に戦働きしてくるが良い」


波多野志郎
派手な集団戦になりそうです。どうも、波多野志郎にございます。
今回は銀河帝国の戦艦へ乗り込んで、皆様に戦っていただきます。

このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

戦艦は通路や航宙戦闘機の格納庫、操縦を行うブリッジや居住区など、SF物の宇宙戦艦のお約束な施設はまずあります。存分に戦艦内での戦闘をお楽しみくださいませ。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユキノ・サーメッティア
まずは中に入る為に邪魔してる奴等を蹴散らさないとねー

【全力魔法】のUC『ヴォーゲンレーレ』を放つよ!
…宇宙に自然現象はない?
あるじゃん、太陽って光が
向こうがやろうとしてることをこっちもやってあげるだけよ
2振りの剣を砲身に見立てて光の砲撃!ってね
光だし【鎧無視攻撃】になりそうだし、【なぎ払い】で
露払いしてあげましょ

余波で戦艦その物にも影響でそうだけど


ハル・パイアー
「重火器を配備されたクローン兵の集団か。盛大な歓迎を用意して頂いているようだ。が、生憎とレッドカーペットを踏むような身分ではない。残念だ。」

小官は奇襲、
つまり隠密浸透で友軍と応戦する敵の後背から虚をつく作戦で行動致します。
まずは、転移後《インビジブル・メン》で透明化し、[隠密][忍び足]で内部に侵入。
UCは要所での使用に留め、カメラ・センサー類が反応しないように[見切り]、マッピング[情報収集]を並行し侵攻。
遭遇した敵群の位置を友軍に送信しつつ、戦闘を開始した敵群の背後から[早業]熱ブレード、[クイックドロウ]熱線銃の[2回攻撃]で側面攻撃を仕掛けます。
また、包囲されないよう逃げ道の準備を。


マイア・ヴェルナテッド
ワープドライブの技術は中々に興味深いものですが、まずは帝国兵を処理してしまいましょう、

【戦闘】
【高速詠唱】で唱えた【黒薔薇の嵐】に【呪詛】【属性攻撃(闇)】【生命力吸収】を乗せた上での【全力魔法】で【二回攻撃】でまとめて薙ぎ払ってしまいましょう。

ふむ、前哨戦としてはこの程度。といった所でしょうか。


シエル・マリアージュ
【Garb of Mirage】の【迷彩】で【目立たない】ように行動、蜘蛛型にした【アラクネの紅玉】を肩に載せて後方警戒させ、【第六感】に嫌な感じがしたら回避優先【フェイント】や【残像】で敵を惑わせながら攻撃を受けないように戦う。
敵を発見したら【死は闇より来たれり】で【先制攻撃】、黒剣による【2回攻撃】を【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【衝撃波】【属性攻撃】などで強化した攻撃を仕掛ける。
敵の攻撃が激しい場合は回避優先で行動して誘導弾で反撃する。
倒した敵は【贖罪の御使い】で戦力として、外壁のハッチなど見つけたら霊を自爆させて破壊して内部に斬り込む。敵掃討後に残った霊は戦艦内で自爆させる。


ハーバニー・キーテセラ
ふふふ~、銀河帝国との決戦場へ旅路ぃ
それの邪魔はさせませんよぉ
道を切り拓いておくのもぉ、案内人のお仕事ですからねぇ

戦艦内に侵入してぇ、擬獣合身~
召喚したスーパーな兎さんによいしょっと乗ってぇ、いざぁ、突撃ぃ~!
広い場所であるならぁ、それを存分に活かして縦横無尽に走り回りぃ、敵をかき乱しますぅ
狭い場所ならぁ、壁や天井を蹴ってぇ、跳ねてぇ、立体的機動で翻弄ですよぉ
なんて機動はスーパーな兎さんにお任せしてぇ、私は狙撃ですねぇ
ヴォーパルで敵の関節やら防御の薄い部分やらを狙撃ですよぉ
兎が狩られる側ばかりとはぁ、思わないことですぅ
銃弾はたんまりありますのでぇ、遠慮せずに貰っていってくださいねぇ?


セゲル・スヴェアボルグ
敵が数で攻めてくるのであればこちらも物量で攻めるか。
故に、今回ばかりは後ろに下がらせてもらうとしよう。
俺自身がダメージを受けてしまっては元も子もないからな。

どいつも俺に勝るとも劣らない精鋭たちだ。普段使う戦闘機械たちをはわけが違うぞ?武器ならいくらでも具現化できるしな。
基本的な支持は指揮官に任せるが、フルバーストを警戒し、大人数でかたまって戦うのは避けさせよう。基本的には2、3人で事に当たらせる。
まぁ突破されたらその時はその時だ。俺が直々に相手をしてやろう。


白波・柾
帝国軍の侵略は衰えることを知らないか
上等だ、俺たちの攻勢も衰えないと教えてやろう
さあ、尋常に―――勝負だ

インペリアル・フルバーストがなかなかに厄介だな
陣形に気をつけつつ、戦闘を展開していこう

基本はヒットアンドアウェイ
手近な敵に狙いを定めて
大太刀の間合いに入れば正剣一閃で攻撃していこう
猟兵の仲間たちとも連携して、数を減らしていけたらいいな


ダーシャ・アヴェンダ
『黒秘技・竜王跳飛』で絡繰人形を特殊な宇宙服の上から鎧になる様に纏って飛行パーツからスラスターを吹かし宇宙空間で高速移動が出来るようにするわ!

「始めから全力で行くわよ!」

戦闘機の如く【空中戦】で敵クローン重騎兵をビーム砲撃と爆撃で【2回攻撃】して【なぎ払う】わ。

ある程度敵を殲滅したら戦艦内のコンピューターを【ハッキング】して戦艦のコアの場所を検索、ユーベルコードで高速飛行してコアをビームで破壊するわよ。

破壊し終えたらさっさと脱出するわ。【逃げ足】は早いのよ?
逃げ遅れた仲間が居るなら人形の仕込みワイヤーの【ロープワーク】で巻き付かせ【救助活動】。飛行しながら引きずってでも行くわ。


ジロー・フォルスター
どんな言葉も届かない、戦争はそういうモンだよな
さっさと終わらせよう

命を顧みない相手からは思いもよらない負傷をし易くなる
最初は『生まれながらの光』と聖痕の力、【医術】で負傷した猟兵の回復に当たろう

拘束ワイヤーを撃たれたら【見切り・武器受け】を使い手甲でワイヤーを捉える
【ロープワーク】で逆に敵を振り回し【敵を盾にする】や【カウンター】で他の敵兵に向けて振り回す武器にさせて貰うぜ
【地形を利用する】で不用意に壁や天井に当てないようワイヤーを操る
【防具改造】でブーツの底が地面を捕えやすいよう細工しておくか

「せめて苦しまねえよう【祈る】ぜ。臆病風に吹かれて戦争が終わるまで逃げてくれりゃ、どんなにいいかね」


鷲生・嵯泉
船の1隻は解放軍が戦う為の1矢、抵抗の1手
そして此の戦艦は同じく帝国の1矢
ならば叩き落とすが戦の手だ

出来れば他と連携を以って当たる
やはり狙うなら破壊した時により大きく影響を及ぼせる
動力炉か武器庫といった辺りが定番か
となれば敵の防御が厚い方向へと進めば恐らくは辿り着けるだろう
隠れて進むのは性にあわん
敵が集まるなら、それも構わん、望む所だ
破群領域で現れる敵全てを叩き潰して進むとしよう
攻撃は見切りと第六感で躱せるだけ躱し
多少の傷等、激痛耐性で無視して先へと進む

さて、残すは金属の塊共を叩き壊す作業か
後は気にせずとも良いとの話だ
怪力と鎧砕きの応用で、残る敵諸共に叩き壊す
世界の果てまで届く狼煙と化すがいい


レクス・マグヌス
【心情】
たしかにドワーフのおじいさんの言う通り
どんな形をしていようと、アレは砦と本質的に同じもの
だったらそれを落としてしまえばいい

【戦闘】
災厄の魔剣の力を開放し、クローン重騎兵達に近接戦闘を挑む
「黙れ!そして、聞け!我が名はレクス・マグヌス!滅びし都の最後の王!」

クローン重騎兵との戦いは高速で移動を行い、相手のセンサーに映らないようにして行う
視認できなければ相手の連携を崩すことも出来るはずだ

「生命力吸収」で敵の命を吸い「吹き飛ばし」で戦場をかき乱す

魔力は我と共に在り、我は魔力と共に在り
今こそこの宇宙(そら)に希望を取り戻そう!

【戦艦破壊】
こういう場所だったら自爆装置とかあるかな
見つけたら発動だ



●いざ、帝国戦艦へ
 ――ふと気付くと、そこにあるのはメタリックブラックの巨大な宇宙船だった。銀河帝国が誇る宇宙戦艦、その威容を見下ろしレクス・マグヌス(嵐をもたらすもの・f07818)が呟いた。
「たしかにドワーフのおじいさんの言う通り、どんな形をしていようと、アレは砦と本質的に同じもの。だったらそれを落としてしまえばいい」
「まずは中に入る為に邪魔してる奴等を蹴散らさないとねー」
 ユキノ・サーメッティア(空白・f00911)は、ツェーレヒュムネとグルートルフトに二本の剣を掲げて帝国戦艦へと切っ先を向けた。
 ギュオン! と二本の剣の間に、光が集まっていく。ヴォーゲンレーレ――属性と自然現象を合成した現象を発動するユーベルコードだ。この真空の宇宙で、いかなる自然が存在するというのか? ユキノはニッと不敵な笑みを浮かべて言い放った。
「あるじゃん、太陽って光が、向こうがやろうとしてることをこっちもやってあげるだけよ」
 どんどん、太陽光を集中させて輝きが増していく。異常に気付いたのだろう、三人のクローン重騎兵が、バーニアを吹かして船外へと確認に姿を現した。
 だが、ユキノの『砲撃』が完成する方が、ずっと速い――!

「その身を刻め!」

 目も眩む閃光が、ツェーレヒュムネとグルートルフトを砲身に見立てて撃ち放たれた。ジュッ! と一人のクローン重騎兵が、光の柱に飲まれて消滅する。残り二人のクローン重騎兵が退避しようとするが――すかさず、ユキノが光の柱を豪快に振り回した。
「よいしょっと」
 軽い口調と裏腹に、クローン重騎兵が消滅し――帝国戦艦を光の柱が直撃した。

「何だ!? 今のは!」
「高熱源反応、確認! 第三艦橋、穴が空いたぞ!」
「まさか、カイザー・レイか!?」
 帝国戦艦内で、混乱が起こるのも無理はない。理屈上は、ユキノが使ったものは銀河帝国のカイザー・レイの同じものなのだから。もちろん、規模は違うが驚くのも当然だ。
「第三艦橋のハッチを下ろせ!」
「――駄目だ、ブリッチからのコントロールを受け付けない! オートではなく、マニュアルで作動させろ!」
 だが、そんな混乱の中でもクローン重騎兵はすぐに立て直す。イレギュラーな事態でも、第三艦橋を隔離して被害を最小で抑えようとしたのだ。
 ただ、問題は猟兵達にとってこの状況こそ好機だという事だ。

「ぐ、あああああああああああ!」

 通信越しの悲鳴に、クローン重騎兵達がざわめく。
「な、なんだ!?」
 すぐに、悲鳴の先にあるカメラから状況を確認する。それは、第三艦橋のハッチを手動で下ろそうとしていたクローン重騎兵が、謎の影に襲われている光景だった。

「ふふふ~、銀河帝国との決戦場へ旅路ぃ、それの邪魔はさせませんよぉ。道を切り拓いておくのもぉ、案内人のお仕事ですからねぇ」

 それは擬獣合身(フュージョン・ツマルトコロ・ノッタダケ)によって、巨大なスーパーな兎さんに乗ったハーバニー・キーテセラ(時渡りの兎・f00548)だった。ハーバニーは何の変哲もないデリンジャー、ヴォーパルを片手に、巨大兎を疾走させる。クローン重騎兵が放つビームライフルを、兎さんは壁から天井を自在に駆け回って回避。ハーバニーのヴォーパルの射撃が正確に敵の肩や肘、膝などの装甲の薄い部分を撃ち抜いていく。
「兎が狩られる側ばかりとはぁ、思わないことですぅ。銃弾はたんまりありますのでぇ、遠慮せずに貰っていってくださいねぇ?」
 ハーバニーは弾丸を装填しながら、ニコリと笑う。兎に乗ったバニーガールに蹂躙されるという生まれて初めての事態に、クローン重騎兵達に不条理な混乱が広がった。

●帝国戦艦内での死闘

「侵入者有り、侵入者有り! 各自、船内戦闘に備えよ! 繰り返す。各自、船内戦闘に備えよ!」

 訓練が行き届いているのだろう、立ち直りが早い。館内の緊急放送に耳を傾けながら、マイア・ヴェルナテッド(ノーレッジデザイア・f00577)が戦艦内の廊下を歩いていく。
「ワープドライブの技術は中々に興味深いものですが、まずは帝国兵を処理してしまいましょうか」
 さした闇夜の日傘をクルクルと手の中で回して弄びながら、不意にマイアは足を止める。振り返った先にいたのは、ニ人のクローン重騎兵達だ。
 しかし、マイアが見ていたのはこちらに加速する二人ではない。その二人を盾に、狙撃の体勢を取っていた二人の方だ。
 前の二人を壁に視界を塞ぎ、味方との相互情報支援によるコズミックスナイプを後ろの二人が決める――そういう戦術なのだろう。悪くない連携ね、とマイアは闇夜の日傘に闇属性を帯びさせた。
「咲き誇るは黒き薔薇。死風と共にいざ舞踊れ」
 サァ、と闇夜の日傘が黒い薔薇の花びらへと変わっていく。その黒薔薇の花びらが、マイアの右手の動きに従って、迫っていた二人のクローン重騎兵達を飲み込んだ。
「ぐ、が……!?」
 背後に控えていたクローン重騎兵達は、目を見張る。前の二人との情報支援が、途切れたのだ。その意味を悟るより早く、マイアの左手が動き――後衛の二人も黒薔薇の花びらに貪り食わせた。
「ふむ、前哨戦としてはこの程度。といった所でしょうか」
 マイアの手元に戻ってきた花びらは、再び闇夜の日傘を形取る。それをさし直して、マイアは再び歩き始めた。

 ガキン、と壁が断ち切られ、レクスはその穴から姿を現した。
「何者だ、貴様ら! 所属を言え!」
 ガシャガシャガシャ、とクローン重騎兵達から狙撃用ビームライフルの銃口を向けて、レクスはそちらへ視線を向ける。
「黙れ! そして、聞け! 我が名はレクス・マグヌス! 滅びし都の最後の王!」
「――!?」
 レクスが名乗りと共に災厄(ハザード)の力を開放、その直後掻き消えた。高速機動からの斬撃に、二人のクローン重騎兵がサクリと断ち斬られた。敵の命を吸い、レクスが残りのクローン重騎兵へと斬りかかろうとした、その時だ。
「サイキッカー拘束用ワイヤーだ!」
 その声に、クローン重騎兵達がアームドフォートから特殊ワイヤーを射出しようとする。敵の動きが速いのなら、動きを止めてしまえばいい。それは実際、的確な判断だった――レクス一人が、相手ならば。
「おっと」
 その前にジロー・フォルスター(現実主義者の聖者・f02140)が着地。手甲に包まれたジローの手が、射出されたワイヤーを正確に掴んでいった。
「せめて苦しまねえよう【祈る】ぜ。臆病風に吹かれて戦争が終わるまで逃げてくれりゃ、どんなにいいかね」
 ジローが踏ん張った靴底を鳴らし、ワイヤーを利用してクローン重騎兵達を投げ飛ばす! そこに待ち構えていたのは、鷲生・嵯泉(烈志・f05845)だ。
「――形態移行だ。残らず叩き潰す」
 縛紅を鞭状に変形させ、嵯泉が振り払う。ヒュガガガガガガガガガガガガ! と空中で退避できなかったクローン重騎兵達が、嵯泉の破群領域(ハグンリョウイキ)によって切り刻まれた。
「……動力炉はもっと先、武器庫は下の方か」
 どちらにせよ、まだ距離がある。嵯泉の呟きに、レクスが問いを投げかける。
「こういう場所だったら、自爆装置とか?」
「それも手だろうが、どちらにせよ移動しないとな」
 嵯泉は、再び歩き出す。壁があろうと、床でも天井でも、文字通り壊し進むだけだ。
「世界の果てまで届く狼煙と化すがいい」
 嵯泉とレクスの後を続き、ジローは倒れたクローン重騎兵達を見た。サングラスの奥、誰にも瞳を見せずに、ジローはこぼした。
「どんな言葉も届かない、戦争はそういうモンだよな」
 結果が変わらないなら、せめて少しは『マシ』なものにしよう――ジローは、そんな思いと共に仲間の後に着いていった。

 戦艦の一角で、その集団は戦闘状態に入っていた。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず。我が軍は簡単には打ち倒せんぞ?」
 セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)の剛勇ナル手勢(トゥルバーディッグ・フロッタ)は、指揮官をはじめとした小隊を召喚。クローン重騎兵達と銃撃戦を繰り広げていた。
「ぐ――!!」
 しかし、押されているのはクローン重騎兵側だ。セゲルは、クローン重騎兵が行なう全武装の一斉発射を警戒して、小隊を散らしていたのだ。一人につき、二人から三人の数の優位を保って攻撃していく――その連携に、クローン重騎兵側は後退を余儀なくされていた。
「どいつも俺に勝るとも劣らない精鋭たちだ。普段使う戦闘機械たちをはわけが違うぞ? 武器ならいくらでも具現化できるしな」
 だが、クローン重騎兵も馬鹿ではない。指揮官や小隊の動きからセゲルの存在を悟り、一気に不意打ちを決めようとしたのだ。
「喰ら――!?」
 え、と続くはずだった狙撃体勢のクローン重騎兵が、大きくのけぞった。応龍槍【ギュールグルド】を、セゲルが投擲したのだ。豪快極まるその一投に、クローン重騎兵の胸が刺し貫かれて壁へと縫い付けられる!
「俺自身がダメージを受けてしまっては元も子もないからな、突破された時の事ぐらい考えてある」
 セゲルは言い捨て、時間を確認する。少しでも引きつけるように小隊を展開させると、セゲルは呟いた。
「……そろそろか」

●帝国戦艦の最期
 ――帝国戦艦のブリッジでは、洪水のように情報で溢れていた。その一つ一つが自身達の不利を告げるものであり、侵入者の蹂躙を裏付けるものだった。
「馬鹿な、解放軍にこれほどの手際が――」
 唐突に、クローン重騎兵が言葉の途中で崩れ落ちる。それに気付いて振り返った者達は見た、唐突に現われた小柄な少年を。

「クローク起動。音も塵も幽霊の如く在れ」

 クロークをハル・パイアー(スペースノイドのブラスターガンナー・f00443)がまとった瞬間、姿が消える。それに、答えに至ったクローン重騎兵が叫んだ。
「光学迷彩だと!?」
 即座に、クローン重騎兵達はハルが消えた場所に銃口を向ける。消えた瞬間なら、そう遠くには行けない。今から掃射すれば間に合う――そこまで至って、ある者がまた気付いた。

 ――待て。なら、何故ヤツは姿を現した!?

 そ、必要のない事のはずだ。消えたまま、こちらが混乱してる間に次の手を打てば良かったのだ。ならば、あの少年が姿を見せた理由は唯一つ……!
「罪人に相応しきは、慈悲の刃」
 ハルが『囮』だ、と至った時には、影から現われたシエル・マリアージュ(天に見初められし乙女・f01707)の断罪のサンクトゥスが、クローン重騎兵の装甲の隙間を切り裂き命を啜っていく!
 今度はシエルに狙いをつけようとするも、シエルも【Garb of Mirage】の迷彩で姿を消した。その直後、ハルがN=フューザーが灼熱を帯びてクローン重騎兵を焼き切る。後は、その繰り返し。どちらかが消えれば、もう片方が敵を襲い。襲った側が消えれば、もう片方が襲撃側となってフォローする――その連携に翻弄され、ブリッジにいたクローン重騎兵達は全滅した。
「重火器を配備されたクローン兵の集団か。盛大な歓迎を用意して頂いたようだ。が、生憎とレッドカーペットを踏むような身分ではない。残念だ」
 ハルがブリッジのコンソールに、指を走らせる。ゴゥン、と振動が伝わったのを感じて、シエルが言った。
「私達も避難するわよ。後は、向こうに任せましょう」
「ええ」
 ハルも同意、シエルと共にブリッジから駆け出した。二人は知っている、もうすぐこの戦艦が落ちる事を……。


 目の前で、戦艦のハッチが開いていく。小型宇宙船や戦闘機の格納庫のハッチだ。
「私の奥の手の一つを見せてあげるわ!」
 黒秘技・竜王跳飛(クロヒギ・リュウオウチョウヒ)によって、飛行形態になったからくり人形を特殊な宇宙船の上から身にまとい、ダーシャ・アヴェンダ(人形造形師・f01750)が翼を広げた。
「帝国軍の侵略は衰えることを知らないか。上等だ、俺たちの攻勢も衰えないと教えてやろう。さあ、尋常に―――勝負だ」
 ダーシャの肩に捕まっていたのは、白波・柾(スターブレイカー・f05809)だ。完全にハッチが開いた瞬間、クローン重騎兵達の一斉掃射が二人を襲った。
「始めから全力で行くわよ!」
 だが、迷わずダーシャは突進。翼を広げ横回転すると、ギュオン! とビーム砲撃と爆撃でクローン重騎兵達を薙ぎ払った。巻き起こる爆発の中を真っ直ぐに進むダーシャは、事前に調べていたコアユニットの場所にビーコンをつける。
「ここからなら!」
 ドォ! とダーシャが連続で放つビーム砲撃が、壁を破壊していく。クローン重騎兵達の邪魔はない。仲間達が、抑えているからだ。壁を打ち抜き、一直線にコアユニットへと飛ぶダーシャの前に立ち塞がったのは、最後のクローン重騎兵達だ。
「させるかああああああああああああ!」
「いや、やらせてもらう」
 柾が、ダーシャの肩から跳んだ。大太刀『星砕丸』の柄へ手をかけ、柾はクローン重騎兵達に迫る!

「俺の一刀―――受けてみろ!」

 極限まで研ぎ澄ました精神集中からの横一閃、柾の正剣一閃(セイケンイッセン)がクローン重騎兵達を両断した。その間に飛び抜けたダーシャは、コアユニットのある部屋の隔壁を爆撃でこじ開けて――。
「終わりよ!」
 そして、ダーシャの全力攻撃がコアを破壊した。次々に起こる誘爆、戦艦が落ちる事を悟ると、ダーシャは柾をロープで回収。一目散に、来た道を戻っていく。
「あ、便乗させてくれ」
 そう言って、ダーシャの腕に銀鎖の鞭を絡めてジローも便乗した。

 ――猟兵達は、宇宙空間へと逃亡に成功する。遅れて起こる爆発が、無音のまま宇宙に大輪の花を咲かせた。
 後に、解放軍の船に回収された猟兵達は知る。多くの宇宙船が解放軍の元に集い、打倒銀河帝国のために動き出したという事を。
 こうして、解放軍と銀河帝国の戦いの戦端は拓かれ、この世界の存亡を決める戦いの幕が開いたのである……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト