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銀河帝国攻略戦⑤~咎に報いを

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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●スペースシップ撃破命令
 その宇宙戦艦は、あるスペースシップ目掛け全速力で航行していた。
 ――銀河帝国に歯向かう解放軍に参加せんとするスペースシップ、これを撃破せよ。
 命令を果たすべく、スペースシップ破壊人員を格納庫にたっぷりと載せた宇宙戦艦が発進したのは、幾ばくか前の事。
 宇宙戦艦のレーダーに、目標が表示される。
 いよいよ作戦開始だ。……そうなる前に、戦艦内部にアラートが響いた。
 ――敵襲!戦艦内部に転移を確認! 敵は、猟兵!

●銀河帝国の攻略、開始
 時間を少しだけ遡り、グリモアベースでの話。
「良く集まってくれた。今回は銀河帝国に対する攻略を行う」
 グリモアベースに集まった猟兵を出迎えるのは、五十嵐・達也。血塗れの咎狩人を自称する男である。
「皆、ヘロドトスの戦いについては知っているだろうか。少し前に話題になっていただろう」
 そう話を切り出しながら、軽く解説を始める達也。
「スペースシップワールドは銀河帝国との戦争状態に突入している。銀河帝国を打倒する手が生まれ、銀河帝国もそれを潰すのに躍起になって襲って来ているからな」
 淡々と語りながら、達也の話は本題に入る。

「今、一つのスペースシップが宇宙戦艦の襲撃を受けようとしている。銀河帝国に対抗する勢力に加わる前に撃破してしまおうという腹積もりのようだ」
 許せる話ではない、と口惜しい様子で呟く。
「君達にはこれから、その宇宙戦艦内部に直接転移して貰う。内部の敵を撃破し、宇宙戦艦を無力化してくれ。
 成功したら、スペースシップにミディア君がワープドライブで転移してくるので、乗り移って合流すれば良い」
 戦艦の破壊はスペースシップの砲撃で問題ないと補足を加える達也。
「宇宙戦艦にはクローン騎兵が重装型アームドフォートを装備し待機している。スペースシップを宇宙空間から攻撃するための要員のようだ。
 それらの集団との戦いになるはずだ。注意して欲しい」
 彼らは全ての武装の一斉掃射、狙撃用ビームライフルによる狙撃、サイキッカー拘束用ワイヤーによる拘束攻撃をしてくると端的に戦闘方法を語る。
「それでは宜しく頼む。彼らの咎に報いを与えてくれ」
 そう締めくくり、宇宙戦艦内部への道を開いた。


近藤
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 シナリオを閲覧頂きありがとうございます。MSの近藤です。
 今回、銀河帝国攻略戦に関わるシナリオとなっております。
 詳細を知らない方はTOPページにあるバナーから、『銀河帝国攻略戦』を一読ください。
 ですが今回のシナリオでやる事は難しいものではありません。戦艦の中で暴れてください。以上です。
 敵の撃破が成功すれば、後処理は問題なく行われます。特に気にする必要はありません。
 また、宇宙戦艦を捜索しても特に情報やアイテムが手に入るといった事もありませんのでご了承ください。
 敵戦力はクローン重騎兵のみですが、数が多いです。どうぞお気をつけください。

 このシナリオは1フラグメントで終了する短いシナリオとなっています。
 ある程度人数を多めに受けられるよう心がけますが、全員採用出来ない場合もございます、ご了承ください。
 それでは、ご縁がありましたら宜しくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『クローン重騎兵』

POW   :    インペリアル・フルバースト
【全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    コズミックスナイプ
【味方との相互情報支援】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【狙撃用ビームライフル】で攻撃する。
WIZ   :    サイキッカー拘束用ワイヤー
【アームドフォートから射出した特殊ワイヤー】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

佐久間・嶺滋
……やっぱり使い捨ての生命か。数だけ多いな、困ったことに。
せめて一人ぐらい『此方側』に目覚めるようなのが居てくれれば楽なんだが……。
そんな偶然を期待するだけ無駄、か。仕方ない。痛みは一瞬で終わらせてやる。俺なりのせめてもの情けだ。

【サイキックブラスト】で高圧電流を放射。電光による目眩ましで【目潰し】をし、照準阻害を仕掛けた上で【麻痺】させて敵の動きを封じていく。

船内戦ならば苦労はしない筈だ。手が止まったら片っ端から【忍び足】でなるべく音を消しながら駆け抜けて【暗殺】。各個撃破へ繋げる。
「――ごめんな、囚われきった生命まで救ってやるには『こうするしかない』」

※アドリブ絡みおっけーですよう!!


月代・十六夜
え?対スペースシップ用の兵器を自艦内で使うって頭大丈夫かお前ら?

初手【ジグザグフィールド】を使ってワイヤー群を設置。【スカイステッパー】と【韋駄天足】を駆使してワイヤーを使っての【フェイント】を交えながら相手の攻撃を避けて【回避盾】で味方の援護を待つかね。
避けた攻撃が戦艦そのものを傷つけるのに躊躇してくれれば時間が稼げるし、機械的にブッパするのであればそれはそれでよし。
さーて、いっちょ飛び回るとしますか。



 ●作戦直前の襲撃
 格納庫には、まるで戦闘機械の様に、クローン重騎兵が列を並べ、微動だにせず待機していた。
 作戦行動も間近という事もあり、何時でも出撃出来る様に準備は万全となっている。
 彼らの装備するアームドフォートが、反抗の芽生えを見せたスペースシップを宇宙の塵と変えるまでそう時間はかからないだろう。
 ――作戦が予定通りに動いたならば。

 格納庫に突然、転移する人影が現れる。
 達也のグリモアによる転移で、猟兵が姿を表したのだ。
 真っ先に見つけた間近の重騎兵は、驚きながらも職務に忠実に動いた。
『――!敵襲!ブリッジに知らせ!猟兵が来たぞ!』
 宇宙戦艦に警報が鳴り響く。猟兵の時間が、始まった。

 ●格納庫での戦い
 転移し、真っ先に格納庫へと辿り着いたのは、佐久間・嶺滋(想葬の黒影・f00774)と、月代・十六夜(韋駄天足・f10620)の二名だった。
 心持ちは大分異なり、嶺滋はクローン重騎兵について思いを馳せる。
「せめて一人ぐらい『此方側』に目覚めるようなのが居てくれれば楽なんだが……。」
 奇跡を望みつつも、情けとして直ぐに終わらせる事を決意し。
「え?対スペースシップ用の兵器を自艦内で使うって頭大丈夫かお前ら?」
 方や十六夜はスペースシップの攻撃用兵装を宇宙戦艦内部で使う暴挙につい言葉を漏らしていた。
 確かに常識的にはあり得ない、しかし、彼らにとっては銀河帝国の命令達成こそが使命であり、
 その為の障害たる猟兵相手に手加減して戦うといった思考は絶無であった。
 故に、たとえ宇宙戦艦が破壊されようとも猟兵を殲滅し、作戦行動を続行するであろう事は確実だった。

「まーそっちがその気ならってな。お、猟兵発見。囮になるから攻撃任せた」
 十六夜は同時に転移してきた嶺滋へと軽く声をかけ、反応を待つよりも早く。
まるで瞬間移動するような速度で、敵の真っ只中へ飛び込む。
「な、お、おい!」
 嶺滋が声をかけるも、その時には既に十六夜は既に隊列を組んだ重騎兵の中へと飛び込んでいた。
 
 彼の持つ【韋駄天足】は、常軌を逸した速度での移動を可能とし、武装を構えた重騎兵達が反応するよりも早く敵陣をかき乱し始める。
『な……速い!』
『慌てるな!データリンクして捕捉を……ダメだ、速すぎる!』
 相互支援も可能とする重騎兵の装備も、センサーが探知するよりも早く次の地点へと移動している対象には意味を成さない。
 十六夜を捕まえるべく、重騎兵の手足が、ビームが、装備する重装型のアームドフォートから発射されたワイヤーが迫るも。
「立派な装備してるが、それで捉えられるかね」
 その凄まじい速度を保ったまま、地面を、壁を、時には天井すら踏み台に駆け回り回避し、自身の狩場を展開すべくワイヤーを張り巡らせる。
 ワイヤーの上にすら立てる身軽さを持つ十六夜にとって、正しく飛び回るための専用フィールドが此処に生まれた。
 此処までの実時間、僅か数分といった所だろう。それだけの時間があれば、十分に準備が出来てしまうのだから、始末が悪い。
「おーし準備完了っと。いっちょ飛び回るとしますか」
軽く肩を鳴らしながら、此処からは重騎兵を狩るべく駆け出し始めた。

「大丈夫か?大丈夫だろうな……仕方ない、やるか。」
 嶺滋はその光景に僅かな間呆然としていたが、己のすべき事を再確認し動き出す。
 場の空気は十六夜がかき乱し、大半の重騎兵は彼を追う事に躍起になっているが、全員というわけにはいかない。
『その速い奴よりも、もう一体の猟兵を……!』
 嶺滋に近い重騎兵が狙いを定め、発射せんとするが……!
「遅い、行くぞ!サイキックブラスト――!!」
 正面に構えた両掌からバチバチと電気音を鳴らしながら、高圧電流を広域に放つ。
 嶺滋に向き合った重騎兵の全身に凄まじい電流が流れ、構えた武装や、背面のアームドフォートがショートし煙を吹きだす。
『ぐああ、電撃だと……!目が……!』『センサーがやられた!』『くそ、ウェポンシステムダウン!』
 それだけにはとどまらず、強い電流によって肉体も麻痺し、動きが完全に封じられてしまう。
 動かぬ体を必死に動かそうとする重騎兵達に、黒影が迫る。
 足音を殺しながら駆け抜け、重騎兵の首に鈍く輝く黒剣を大鎌へと変化させ当てる。
「――ごめんな、囚われきった生命まで救ってやるには『こうするしかない』」
 麻痺した肉体が痛みを長く感じないよう、大鎌を振るい、その首を刎ねていく。
 電流を受けた重騎兵達は、次々と頭を落とされていった。
 派手に立ち回る十六夜と対比するかの様に、とても静かに。情けを持った命の奪い方だった。
「数だけは多いからな、さっさと次へ行かないとか」
 混乱している今が勝機と見た嶺滋は、次なる重騎兵へと向かっていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フィーナ・ステラガーデン
ビードット(f02622)と共に行動するわ!

敵の船の中に入って、敵だけ倒す!わかりやすいわね!
いくわよビードット!どっちがやばいロボか知らしめてやるのよ!

私はビードットの背中に乗って捕まりながら
「属性魔法」「範囲魔法」で火の魔法を撒き散らしながら砲台と化すわ!
基本の動きはビードットに任せるわ!どうしても避けきれない攻撃が来た場合は
「オーラ防御」を使って盾になるわ!

ぶんぶんと飛んで鬱陶しいわね!
とっとと虫みたいに墜ちてなさいよ!
敵の多さにイライラが募ってきたらUCを「全力魔法」「高速詠唱」にて発動するわ!

(アレンジ、アドリブ大歓迎)


ビードット・ワイワイ
【フィーナ(f03500)と共に参加】
見たり見たり見たり、汝らの破滅を見たり。
数で勝るも質劣りけり。いくらで我ら一人なり?
汝ら眼で実力見抜けず?ならば我らが見せ付けよう。我らが破滅をもたらそう。

背部に乗りしフィーナが落ちぬよう後腕にて支えけり。
UCにて作りし重火器にて蹂躙しよう。
【スナイパー】にて狙い銃撃せり。
我は【ダッシュ】しつつ途中の敵を【怪力】にて
掴みて【盾受け】、近づいたならば【踏みつけ】よう。
汝ら狙いはよくともそれなるは同胞。いくばか性能あげるがよかろう。

ここは戦場。生きるわ勝者。敗者はここにて亡き者に。恨むならば弱きを恨め。ここが汝らの破滅なり。


ジゼル・グランフォート
集団戦は得意分野です。ただ、ワイヤーでの拘束と狙撃は厄介ですね。
私の盾のアームドフォート【トライ・イージス】を使って敵の攻撃を『盾受け』。常に狙撃を警戒して自身の守備を固めつつ、後はエレクトロレギオンの大群を操作して近くの敵から順に淡々と蹂躙して回るだけです。
最悪、苦戦しても守りに徹すれば『時間稼ぎ』にはなるかと。

近場が片付いたら他の猟兵さん、特に後方での支援や攻撃を担当している方を優先的に援護に回ります。
喋るのは不得意なので筆談です。
『守備はお任せを。あなたはご存分に力を揮って下さい。』
基本的な戦法は単独行動の時と変わらず。『学習力』を発揮して徐々に連携を効率化していきましょう。


ミハエラ・ジェシンスカ
敵が強大であると知ってなお立ち上がる者たちがいる、か
時代は移り変わったようだが、変わらないな。人間というものは
――ならば今、私がやるべき事も変わらないという事だ!

一斉発射の火力は脅威だが隙も多い
それを利用させて貰う
念動力で周囲の障害物を引き寄せ、即席の盾に
あるいは敵そのものを盾にして同士討ちを狙う
それで敵が動揺を見せればすかさず斬り込むぞ
正規軍なら立て直しも早かろうが、だからこそ一度できた好機は逃さん
その一瞬に捨て身の覚悟で以って食らい付くまでだ

一度展開した後は隠し腕もそのまま連撃で戦う
手数ばかり多い邪道の剣だが、振るわせて貰う


ラッセル・ベイ
ふむ、戦艦を落とす戦いか
戦争勝利の為にも、微力ながら私も手を貸すとしよう
さあ行くぞ。私の武具達よ

●戦闘(POW)
戦闘に入る前に「雷鐘ボルテック」には電撃ポーション、「地盾グラウンド」には大地ポーションを付与
更に「エレメンタルリング」で武具の属性攻撃力と防御性能の強化を図る

アームドフォートも鎧も、見た所では金属で間違いない
電撃は通り易い筈だ。ボルテックの音で感電させよう
騎兵が密集している時は【ライトニングベル】で一気に薙ぎ払うとする

クローン騎兵の攻撃はグラウンドで受け流す
数が多い様だから、受け流しで他騎兵に当たれば余裕が生まれるな
その隙にボルテックでの治療を行おう

どうだ。響くだろう、ボルテックは


フィーア・ストリッツ
フィーアです
対軍戦は得意分野です。――全力で暴れ回ると宣言しましょう

敵の主兵装はビーム(氷に熱量を奪われる)、ワイヤー(軽く、暴風に抗えるほど飛ばない)
後は有ってもミサイル(電子回路を凍結させ停止)、機関銃(吹雪と防具の2重防御を突破できない)……
吹雪の渦に対応したものはありません
一斉射撃など無意味です。私のアイスブレスで飲み込んで差し上げましょう
「全て、全て白銀の輝きの中に沈むが良いです。フィーアは負けませんよ」
なるべく広域の敵を巻き込めるように射角を調節
味方の前衛として、ブレスに防御を任せ前進します
一人重戦車プレイです

【アドリブ絡み歓迎】



 ●火と鉄の蹂躙
 『あの素早いやつをどうにかしろ!』『無理だ当たらない!一斉発射からも逃げ切る相手だ!』『放っておけ!それより、ぐわっ』
 戦闘は混乱の様相となっていた。重騎兵達は韋駄天足の猟兵の動きを捉えられず、意識を他に向けようとした者が黒影の猟兵に狩られていく。
 しかし重騎兵達も何時までもやられている訳ではない。冷静さを取り戻せば陣形を組み始める。
『隊列を組め!集団で迎撃する!』
 指示によって重騎兵は密集し、迎撃体制を取り始める。
 そこにやってきたのが、フィーナ・ステラガーデン(月をも焦がす・f03500)を背中に載せた、ビードット・ワイワイ(根源的破滅招来者・f02622)のペアだ。
 「もう始まっているみたいね!いくわよビードット!どっちがやばいロボか、知らしめてやるのよ!」
「数で勝るも質劣りけり。いくらで我ら一人なり?汝ら眼で実力見抜けず?ならば我らが見せ付けよう。我らが破滅をもたらそう。」
 フィーナを後腕で支えながら、ビードットは重騎兵達を、今破滅を齎す相手を睥睨し、静かに告げる。
『猟兵の増援が出現!迎撃せよ!』『了解、このデカブツならやれる!』
 ビードットの迫力ある外見を見ても戦意を失わない重騎兵達であったが、迎撃のために固まっていたのが不幸であった。
「ちょうど良い所に纏まっているじゃない!喰らいなさい!」
 フィーナが火の魔法で火球を生み出し、重騎兵の密集地帯に叩き込む。
――ドォン! 爆発とともに炎が燃え広がり、悲鳴が飛び交う。
『火が、火が消えない!』『スペルキャスターだ!散開しろ!』『だが散開すれば迎撃が難しく、っ!』『くそ、いいから撃て撃て!!』
 「ふふん、纏まってる方が悪いのよ!さあビードット、アンタもやりなさい!」
 落ち着きを取り戻そうとしていた重騎兵が再び混乱に陥る。その隙にビードットが重火器のガジェットを生み出す。
 ミニガンと呼ばれる、並の体躯では扱えるものではない重火器を軽く保持しながら構え、
「恨むならば弱きを恨め。ここが汝らの破滅なり。」
 耳や聴音機能を破壊するかのようなすさまじい轟音による弾幕が始まった。
 大きく地面を揺らしながら、フィーナを載せたまま進軍し、ミニガンと炎の魔法を撃てば、たちまち重騎兵は倒れ、地面に焦げや肉片が残る結果となった。
 しかしそれはまだ救いの在るやられ方だったかもしれない。
『怯むな、接近すれば後ろのやつはやれる!』
 そう勇気を出した重騎兵もいたものの。ビードットが無慈悲にも踏みつけ、ぐしゃりと装備ごと潰される結果となった。
 踏み潰される光景を見ていた重騎兵達は遠方からの射撃に絞り攻撃するが、、
 ビードットが素早く掴み取った重騎兵の死体を盾にする事で防ぎ、
 またフィーナもオーラによる防御をしており、負傷には至らなかった。
 そしてフィーナが敵の多さに苛立ちを募らせてくる。
「ああもう、虫の大群みたいに鬱陶しいんだから! ビードット、真ん中行きなさい!纏めて消し炭にしてやるわ!」
「委細承知。汝の思うままに」
 フィーナの指示に従い、ビードットは格納庫の中心部分へと駆け出す。
 ビードットにとっては、世界に破滅をもたらす必要はあれども、必ずしも自身が全て成し遂げる必要はないと考えた結果だ。
 途中にいる重騎兵を弾き飛ばし、銃撃からフィーナを護るようにして辿り着けば。
「それじゃあやるわよ! 合わせてやりなさい!」
「承知。汝らに破滅をもたらそう」
 フィーナが全力を込めた魔法を、素早く詠唱し完成させる。
「さあ! これから火の海の時間よ!」
 高らかに掲げた手に載せられた、巨大な火球が格納庫に天井に向け放たれる。
――ズガァァァァン!!
 天井にぶつかった火球は、そこで大爆発し、無数の火球となって当たり一面に降り注ぐ!
 降り注いだ火球もまた、地面や、重騎兵にぶつかることで爆発し、飛び散った。
 爆発の衝撃で倒れた者。火に包まれもがきながら倒れた者。
 運良く逃れた物も、ビードットのミニガンからは逃れられず、弾幕に散っていった。
 格納庫は火の海と化し、もはやどこにも炎が無い場所など存在しない有様である。
「ふふん、コレで少しはスッキリしたわね!」
「満足か。然し殲滅には足らず。続けて向かおう」
 全力で魔法を撃ち満足げなフィーナに、ビードットは冷静に告げる。
 かくして炎の魔術師を載せた戦闘兵器は、格納庫を蹂躙していくのだった。

 ●それぞれの戦い
 地獄の様な有様の格納庫ではあるが、敵の反抗は止まない。それどころか、
『総員格納庫へ、猟兵を迎撃せよ!』と館内放送によってさらなる敵の増援が現れる事は確実となった。
 だが心配は不要だ。猟兵もまた、続けて現れていく。
 転移して格納庫に踏み込んだジゼル・グランフォート(無垢なる要塞コタツムリ・f00187)は格納庫を見渡しながら、アームドフォート【トライ・イージス】を起動し戦闘態勢に入る。
「(まずは、孤立している近くの敵からやりましょう)」
 ジゼルは増援よりも近場の相手に狙いを定める。トライ・イージスによって狙撃を警戒しながら防備を硬め、
「(それでは、いってください。)」機械兵器を召喚し、重騎兵を襲わせる。
『うわっ、くそ、小型の戦闘兵器が! ぐあああ!!』
 今までの暴虐的な攻撃とも違う、数による襲撃。火魔法の爆撃や弾幕を避けるべく散開し孤立した重騎兵一人ではとても対処しきれなかった。
「(この調子でいきましょう、少しずつ、蹂躙して回れば良いのです)」
 多少抵抗を受け、何体かは消滅してしまうも、自身の防御を固めたジゼルは安全確実に敵の数を減らしていった。
「(そろそろ、誰かの援護に向かいましょうか)」
 ジゼルが狩れる孤立した近場の敵を狩り尽くし、一人の猟兵に慎重に近づいていく。

 格納庫に突入してきた増援の重騎兵達を相手取る、フィーア・ストリッツ(サキエルの眼差し・f05578)だった。
 対軍戦闘を得意とする彼女は、格納庫内部よりも、固まってやってくるであろう増援の対処を選び、待ち構えていた。
 巨大な扉が開くと同時に、氷雪竜砲……フィーアのアイスブレスを放つ。
 廊下で武装を構えていた重騎兵達がたちまち凍りつき、動かなくなっていく。
「ようこそいらっしゃいました。歓迎します、フィーアなりに」
 そんな氷ついた敵勢力を前に、歓迎の言葉を告げる。
『氷だと!対熱装備が必要なのではなかったか!』『猟兵側も援軍か!突破しろ!』
 凍りついた最前線の重騎兵を見て慄く増援舞台。幸いにも彼らは廊下側、扉からは見えない位置にいたため難を逃れたが、極めて突破し難い氷の女を相手どる事を強いられていた。
「突破出来るものなら、どうぞしてください。フィーアは負けませんよ」
 フィーアは重騎兵の装備を既に把握しており、それらに氷雪竜砲で対応できる事を確認していた。
 ユーベルコード同士のぶつかり合いと言えども、相性差として重騎兵側に悪く、そう容易く抜けるものではない。
 やけになって一斉発射を浴びせる者。冷静に遮蔽を取って狙撃する者。ワイヤーで動きを止めようとする者。
 いっそ全力で飛び込んで突破してしまおうとする者。須らくが氷雪の吐息に飲み込まれていった。
 フィーアの想定どおりに、攻撃も人も全てを飲み込み、包み込んでいった。
「無意味です。全て、全て白銀の輝きの中に沈むが良いです」
 そうして、援軍が来る事は、もうなくなったのだった。
 
 ●敵は根切りに
 格納庫の敵は全て排除された。ほぼ動ける敵は殲滅したといって良いだろう。だが宇宙戦艦はまだ生きている。
 動かす人員は必要なのだ。流石に彼らは持ち場を離れる訳にもいかない。
 そして格納庫の惨状を把握すれば、最後の手段を用いようとしていた。
『ダメだ、格納庫は全滅だ』『ならば残った手段はもはや特攻のみか』
『銀河帝国の栄光の為に』『皇帝陛下の為に』
 ブリッジに残っていた重騎兵達は、即座に作戦を変更し、宇宙戦艦の速度を全速力に高め、スペースシップへの特攻へと移ろうとしていた。

「後はブリッジの制圧だけか……! これは!」
「何が何でも、スペースシップを撃墜するつもりか。そうはいかん」
 最後に転移し、戦況を把握しブリッジへと向かおうとしていた、ミハエラ・ジェシンスカ(ウォーマシンのフォースナイト・f13828)と、
 ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)の二名は、宇宙戦艦の急激な加速を感じ、その目的を察する。
 ブリッジへと駆け込んだ二人に、宇宙戦艦に最後に残された重騎兵達が立ち塞がる。
『来たか、猟兵』『だが、これ以上はやらせん』『何としても皇帝陛下の命を果たす』『その邪魔はさせん』
覚悟を決めた様子で全武装を構える彼ら。
「解放軍が再び立とうとしている、ならば私がやるべき事は変わらない!」
 ミハエラは"かつて"の様に、強大な銀河帝国へと立ち向かう事を決意した人々の為に。
「勇ましいものだ、私も力を貸すとしよう。さあ行くぞ、私の武具達よ」
 ミハエラの勇姿に感じるものがあるのか、頷いては武具達にポーションを、エレメンタルリングを用いて戦闘の準備を整えるラッセル。
 最後の戦いが、始まった。――残り、4体。
 
「まずはこれを受けてみろ。 さあボルテック、轟雷の如く響き渡れ」
 ラッセルが次作の鐘、雷鐘ボルテックが強く鳴り響く。
 ポーションとエレメンタルリングで電撃を付与された鐘は、強い爆音と共に周囲に電撃を放電する。
 一人の重騎兵が装備するアームドフォートが爆発し、そのまま倒れこんでしまった。
 だがアームドフォートに不具合を発生させ、肉体を痺れさせながらも、重騎兵は止まらない。
『凄まじい威力だ、然し』『まだ倒れる訳にはいかん』『そうだ、戦える限りは』
 決死の覚悟を決めた重騎兵達は、電撃と爆音に少なくないダメージを受けながらも、一斉発射で反撃を開始する。
 ビームが、ミサイルが、実弾が、ワイヤーが飛び交うも、ルーンの力と大地の力を付与された地盾グラウンドを貫くには至らない。
「中々頑張るようだが、それではグラウンドには届かない」
 自慢の武具に対する信頼を見せつける様に、重騎兵の攻撃を受け止め、受け流してみせる。
「さあ、倒れるまで何度でも受けるが良い」
 ラッセルは、状況を確実に詰めていく。万が一が起こらぬ様に。
 ――残り、3体。

 ラッセルへと攻撃が集中した所を、ミハエラも動き始める。
「良い動きをしている。だがそれが命取りだ。悪く思うな」
左端にいた重騎兵に対し、念動力を用いて、ラッセルの前に引き寄せたのだ。
『体が、動く、ぐあああ!!このまま、撃て!』
『……! 了解、戦闘、続行』『必ず、倒す』
 必死に抗おうとするも、念動力に抵抗できず一斉発射の弾幕に晒され、フレンドリーファイアの餌食となる重騎兵。
 だがそこで発した言葉は、作戦の継続を望む物だった。
 ――残り、2体。
「味方の攻撃に晒されてそう来るとは、見事だ。だが!」
 残された敵に、動揺が残っているうちに、ミハエラは切り込む。
「そちらが決死ならば、こちらも捨て身だ……!」
 ミハエラはフォースソードとバトルアックスを手に、勢いよく残りの一体へと切りつけ、叩き込む。
『ぐ、う』短く呻いた重騎兵は、ぐったりと動かなくなった。
 ――残り、1体。
『隙を、見せたな』その瞬間を逃すまいと至近距離からミハエラに生き残った重騎兵が武装を向け、一斉に構える。
 だが……それもミハエラの誘いだったと気づくには、遅すぎた。
「その油断が命取りだ!」
 装甲の下に隠された、第三、第四の腕。ミハエラの隠し札、隠し腕が起動する。
 瞬時に展開された隠し腕は、フォースセイバーを重騎兵の胴体に振るい、斬り捨てる。
『く、そ』短く呻き、呪った言葉が、最後の言葉となった。
 ……それきり、ブリッジは静けさを取り戻した。
 ――敵性存在の全滅を確認。

 ●かくて宇宙戦艦は砕かれる
 スペースシップへと速度を上げ向かっていた宇宙戦艦は、ブリッジに集った猟兵の手によって制動をかけられ、停止した。
「何とかなったか、良かった」
「おつかれー、いやー疲れた疲れた」
「やったわね!私達の勝利よ!」
「然り。我らの勝利」
「(お疲れ様、でした)」
「一杯暴れましたので、そろそろ帰りますね、帰りますよ」
「これでスペースシップは救われ、いや、これから戦いに向かうのだったな」
「そうなるな。だが彼ら自身が選んだならば、それで良い」
 そうして彼らは、合流したスペースシップに乗り移り、宇宙戦艦の破壊を見届け、次なる戦場へと旅立つのであった。
 そう、これは戦争。この勝利だけでは終わる事のない、長い戦いの一つでしかない。
 けれども今は戦果を誇り、一休みする時間であろう。次の戦いに備えるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月05日


挿絵イラスト