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洛陽争乱~長平の地の底より出ずる者達~

#封神武侠界 #洛陽の戦い #長平の戦い #趙括 #趙奢

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●封神武侠界・怨念の大地「長平」
 かつてこの地には大戦があった。七つに分かれ、分断された国家を一つにしようとする強国が仕掛けた戦争であった。そして、一人の将の愚行と、一人の将の戦略的判断により、悲劇が生まれた。
 後に「長平の坑殺」と呼ばれる捕虜の生き埋め。兵站的理由と敵国感情を考慮して起きた虐殺。号して40万とも言われる兵士が埋められて殺されたと言う。
 その恐怖、その無念は幾ばくか。そしてその長平の地の底より、一人の男が這い出てくる。
「ああ、恨めしや。秦よ、王齕よ、白起よ!」
 その男は怨念に満ちていた。己が死した原因である敵国「秦」、その大将であった王齕、そしてこの長平の虐殺を巻き起こした白起。それらに対する強い怨み。
「我が恥辱、我が無念。忘れてなるものか、晴らさずでおくべきか!」
 その男は恥辱に震えていた。己の知略は偉大なる父にも勝ると信じ、栄達を疑うことがなかった。だが残されたのは不名誉なる汚名と、雪ぐことのできない歴史。
 それがその男の身体を歪に巨大化させる。そして漲る力と共に、溢れ出た呪詛は長平の大地に満ちる。その呪詛と怨念をもって、埋められて窒息した死体達は僵尸として黄泉還る。

「長平に散った趙兵よ! 坑殺されし無念の精兵達よ! 趙国大将軍たるこの趙括に続け!」
 趙国兵士の成れの果てである僵尸は、憤怒の形相を浮かべる男・趙括に従う。同じ長平に散った者として、趙王に任じられた大将軍であることは何処かで覚えているのだ。
 彼等が目指すのは生者の都。秦国亡き後でも、そこに幸せを謳歌している者を彼等は憎む。暗く地の底に埋められた亡者は行進を始める。
「目指すは洛陽! 生者が繁栄を極めし都! 蹂躙するのだ!」
 顔すら真っ赤になるほど怒り狂った趙括の指揮の元、晋国の都たる洛陽に危機が迫ろうとしていた。

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「このまま放置すると洛陽の都は大変なことになるよ!」
 長平の地から続く趙国兵士による僵尸軍団を電脳ウインドウに映しながら、エィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は力強く言い放つ。その数は何と総勢40万を超えると言う。生き埋めにされた者達だけではなく、白起や王齕の軍勢に討たれた者、秦軍の包囲で餓死した者も含まれるので、その数に達しているわけだ。
 程なく晋王朝の都・洛陽に到達し、北門より襲いかかるだろう。皇帝司馬炎のお膝元だけあって精鋭の武侠や客人の仙人はいるだろうが数が多すぎる。そこで猟兵達にも救援して欲しいというわけだ。
「全部の僵尸を倒し尽くすのは不可能だから、元凶を叩いて欲しいんだー」
 この趙国兵士の僵尸を統率している者の名前は趙括。「紙上に兵を談ず」という故事にもなり、丸暗記するだけで、その応用を知らないと評された武将である。趙国の名将・趙奢の息子で才気もありながら、大敗を喫した若武者であった。
 だが今は秦への憎悪と、大敗への恥辱によって生者を皆殺しにする為に行動している。もはや秦への怨みが、晋に転じるほどの荒唐無稽ぶりだ。
「だから遠慮なく倒してあげてね。もう同じように殺されるの防がないといけないから」
 そう言ってエィミーは転移術式を展開する。趙国兵士の僵尸と、憤怒の武将・趙括。だが猟兵は直感を感じ取っていた。それだけでは終わらないであろうことを。


ライラ.hack
 趙括と馬謖はいい勝負だと思う次第。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 今回は長平の大地より黄泉返った春秋戦国時代、戦国七雄の一国「趙」の武将・趙括と、生き埋めにされてなお怨みが尽きぬ趙国兵士の僵尸が相手です。
 洛陽には武侠や仙人も多くいますが、40万とも言われる趙兵の僵尸に手が足りません。まず猟兵は僵尸の攻勢を跳ね返し、指揮官たる趙括を討ち取って呪怨の元を断ちましょう。趙括は生前の頃よりも身体が変質しており、一筋縄ではいかないかもしれませんのでお気をつけて。

 長平の怨みは底が知れませんが、それでも猟兵の皆様ならば平定できると信じています。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『僵尸兵士』

POW   :    僵尸兵器
【生前に愛用していた武器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    僵尸鏡体
【硬質化した肉体】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、硬質化した肉体から何度でも発動できる。
WIZ   :    僵尸連携陣
敵より【仲間の数が多い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●封神武侠界・人界 晋国の都「洛陽」北門
「何だこいつ等は! すごい数だぞ!」
「洛陽軍は城壁の上からの攻撃に集中しろ! 我々、武侠や仙人達は迎撃だ!」
 人界を統一した晋王朝の都・洛陽は今、未曾有の危機に襲われていた。その北門にはオブリビオン化した兵士である僵尸達が大挙して侵攻を開始していたのだから。
 その数は少なく見積もって20万を超える数。もはや並大抵の防衛戦力では太刀打ちできない数の僵尸軍団の襲撃だ。
「くそっ、皇帝陛下の精鋭がいるとはいえ、捌き切れるか……?」
 そう呟くのは洛陽防衛を任されている武将だ。すでに他の門からの兵力を回して交戦しているが、死者の兵士である僵尸達には効果は薄い。
 ユーベルコードを使う武侠や仙人達は強力ではあるが、如何せん数が足りない。なればこそ皇帝陛下が褒章を出して各地の揉め事を解決している、猟兵という存在に期待するしかないのだった。

「許すまじ……許すまじ……」
「生者は死ね……私達と同じ……地の底へ……」
 僵尸と化した趙国兵士の憎悪は深い。本能に従って、己が味わった生き埋めという苦しみを味合わせようと洛陽へと攻めかかる。
 もはや守るべき国はない。家族はいない。友はいない。恋人もいない。子も、孫もいない。なればこそ、彼等に躊躇などない。
「蹂躙だ! 蹂躙せよ、長平の大地に散った精兵達よ!」
 そう言って後方から総大将・趙括の檄に呼応して、僵尸軍団は攻勢を強める。もはや趙国大将軍など飾りでしかないが、その命令に身体は動く。
 意志はなくとも、生者の生命を貪るという本能は身体を突き動かす。その圧倒的な数をもって、洛陽を踏み潰さんと迫るのだった。
エルザ・メレディウス
・・・
騎士学校時代の教科書で学びましたが古代に…東の帝国でも、かなりの虐殺があったと聞いたことがあります。

もはや、あなた方を救うことはできませんが…せめて晋の住民の皆様が同じような苦痛を味わう事がないように…あなた達の進行は私が阻止させて頂きます…!

□戦闘
不謹慎ですが、以前から興味があったの
あなた達東の大帝国とローマのレギオンの直接対決の結果が。

UC発動。
その後【集団戦術】を駆使して、すぐに布陣して攻撃へ。
数では相手には劣るものの、ローマ兵はかつて、数で勝る敵を何度も倒して参りました。
全員を【鼓舞】しながら、相手の手薄なところを見つけて【槍投げ】を。
勢いそのまま、一気に敵の本陣へ突撃を...!


大豪傑・麗刃
今こそエンパイアの剣術を大陸に広く示す時。よろしい。やってやろうではないか。
さて敵は大軍。寡兵でこれに当たれとな。馬鹿正直に正面から攻撃するのでは敵将と全く変わらない。ここは策をもって対応すべきであろう。で結論としては

無双する

わたしがおさめてきた剣術を信じて全員やっつければよいのだ。なに、ちょっと気合入れて限界突破すれば疲労など感じる事もあるまい。
ということで。

はあああああああああああ

(スーパー変態人発動)

んで右手にサムライブレイド2本!左手に脇差2本(と呼ぶには大きすぎるバスタード&ヒーローソード)!でダッシュで突っ込み、敵将引っ張り出すまで斬りまくる。
我三国一の武人なり。すなわち三國無字数


シーザー・ゴールドマン
趙括か。相手が悪かったとも言えるが愚将として千年以上名を残すのはどんな気持ちかな? ああ、この世界ではまだ五百年程か。
まあ、まずは僵尸の軍勢を何とかした後にゆっくりと聞くことにしよう。

『アーリマンの降臨』を発動。
敵軍上空を傍若無人に飛び回り、死の波動を撒き散らします。



 晋国の都たる洛陽は今、統一後になって最大の危機を迎えているといっても過言ではなかった。怨念の大地「長平」の地から這い出てきた趙国兵士による僵尸達が大挙して攻めてきたからだ。
 その数は少なく見積もって10万は超える。続々と長平から復活していることを考えると40万は優に超えるだろうという報告も出てきている。
 皇帝司馬炎のお膝元故に、武侠や仙人などのユーベルコードが使える者はいれど、数が足りない。この僵尸の数の暴力に対抗するには圧倒的な力が必要なのだ。
「……騎士学校時代の教科書で学びましたが古代に…東の帝国でも、かなりの虐殺があったと聞いたことがあります」
 そしてその趙兵僵尸軍団の前に立つのは、猟兵エルザ・メレディウス(執政官・f19492)。皇帝の勅令にはせ参じ、洛陽の危機を救わんと立ち上がった者の一人である。
 出身世界が古代ローマである可能性がある記憶を持つエルザにとって、この世界は何か親近感が湧く。かつてローマと後漢が繋がっていたからだろうか、その思いは強い。
「もはや、あなた方を救うことはできませんが…せめて晋の住民の皆様が同じような苦痛を味わう事がないように…あなた達の進行は私が阻止させて頂きます…!」
 その僵尸の悲痛な行軍にエルザは強く誓う。死者の怨恨は、世の嘆きそのもの。なればこそ晴らさなければと思う。
 だが趙兵僵尸はそんなことをお構いなしである。身体を硬質化してユーベルコードの攻撃に備えてくる。これには洛陽の武侠達も苦戦を強いられた戦法だ。
「不謹慎ですが、以前から興味があったの。あなた達東の大帝国とローマのレギオンの直接対決の結果が」
 そう言ってエルザは能力「メレディノケントゥリア」を発動させる。盾に数字が刻印された精鋭ローマ兵が86名、まさしくエルザ直轄の精鋭軍団である。
 そしてエルザの指揮もまた卓越していた。戦術レベルで現状をよく理解し、趙兵僵尸の攻勢を受け止める為に布陣する。
「神の祝福を受けたローマ兵達よ……さぁ、私と共に!」
 その檄にローマ兵達が咆哮で答える。数では劣るものの、ローマ兵はかつて数で勝る敵を何度も倒してきた経験を持つ。
 趙兵僵尸がユーベルコードをコピーする前に集団攻撃で確殺していくローマ兵達。エルザが鼓舞しているのも効き、高い士気を保つローマ兵達に手薄な所に槍を投げるように指示を飛ばす。
「このまま、本陣まで行きます!」
 その決意と共に、エルザにローマ兵は続く。目指すは趙兵僵尸軍団の中枢、本陣で指揮する趙括の元である。

 そしてその猟兵の猛攻を支える者はエルザ一人ではない。洛陽北門の城壁の上にて立つ大豪傑・麗刃(変態武人・f01156)とシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)は戦場を睥睨する。
「今こそエンパイアの剣術を大陸に広く示す時。よろしい。やってやろうではないか」
 大豪傑家は先祖代々武人の家系、そのサムライエンパイアの剣術をこの武侠が闊歩する世界にも轟かせる時。そして城壁から飛んだと思ったら、エルザのローマ兵が斬り裂いた道へと降り立つ。
 だが襲い掛かってくるのは趙兵の僵尸達。生前に愛用していた武器は剣に留まらず、槍や斧などを使う。
「さて敵は大軍。寡兵でこれに当たれとな」
 正直な話、数えるのが馬鹿馬鹿しくなるほどの僵尸の軍勢。それほどに長平の生き埋めの怨みが大きいのか、一向に怯む様子すらない。
 麗刃は考える。馬鹿正直に正面から攻撃するのでは敵将と全く変わらない。ここは策をもって対応すべきであろう。そして出した結論は―――
「無双する」
 そう、自身が修めた剣術を信じて全員やっつければよいという思考。大豪傑歴代最強クラスの見事な『変態』に育ってしまったと言われる麗刃らしい結論とも言えるだろう。
 幸いというべきか、麗刃にはその発言に裏付けされた実力がある。ちょっと気合を入れて身体の限界突破をすれば、疲労も感じなくなると思っている。
「はあああああああああああ!」
 そして発動するのは能力「スーパー変態人(スーパーレイクン)」。気合を入れ髪を逆立て全身を金色に光らせることで戦闘能力を増強する。
 そして右手に持つのはサムライブレイド2本、左手に持つのは脇差と呼ぶには大きすぎるバスタード&ヒーローソード。持ち方は指と指の間に挟んで、四刀流を実現するという無茶っぷりである。
「我三国一の武人なり。すなわち三國無字数!」
 そんなことを言いながら、敵陣にダッシュで突撃し、あっという間に僵尸達を斬り裂いていく。敵将引っ張り出すまで、斬って斬って斬りまくるようだ。
 その麗刃の様子を愉快そうに笑いながらシーザーは観覧していた。とても自分の戦い方でできるものではないが、これも一つの戦いかと観察も兼ねているようだ。
「趙括か。相手が悪かったとも言えるが愚将として千年以上名を残すのはどんな気持ちかな?」
 そしてその心は大挙して攻めてくる趙兵の僵尸ではなく、これを指揮する総大将・趙括へと向けられていた。今も百勝将軍として名を残す英雄・白起。
 その名を永久の物にした長平の戦いにて、愚かなる敗者として名を刻むのはどんな気持ちか。そこに思案して、この世界ではまだ五百年程しか経っていないことを思いつく。
「まあ、まずは僵尸の軍勢を何とかした後にゆっくりと聞くことにしよう」
 そう笑みを深めると、麗刃とは別の戦場の方向へと向く。そして能力「アーリマンの降臨(デウス・マールム)」を発動すると、その身体に輝く真紅のオーラが宿る。
 真紅のオーラを纏ったまま、空を飛翔し戦場を疾駆するシーザー。勿論、晋軍がいない箇所を狙って、敵軍が集中している箇所を飛ぶ。
「さあ、始めようか」
 なぜならばそのオーラが放つ真紅の波動は弱い竜や神程度なら即死する強烈なものだからだ。晋軍がいる故に、シーザーはさらに威力を絞っているが、それでも趙兵の僵尸程度ならば十分効果がある。
 死を与えられて崩れ落ちる僵尸達。辛うじて立っている者はシーザーが飛行しながらのオーラセイバーの一閃で首を斬り落としていく。
「さて、これで趙括が釣れればいいのだが」

 そう言ってシーザーはあまりの数に呆れてもいる。確かに40万の僵尸を全部相手にすれば、シーザー達猟兵はともかく、洛陽が持たないだろう。
 そう思ってエルザも麗刃も奮闘する。なればこそ一人でも多くの僵尸を屠る為に、さらに速度を上げて殲滅へと赴くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

陸・橘子
人数は多いですけど、解りやすいですね。

「こういうのは得意なのですよ~」
とことこっと門からでたら、目の前の僵尸を【怪力】を乗せた【錘撃衝破】で一撃。
周囲の僵尸や地面ごと叩き潰しますね。
そのまま秦のみなさまの前に出ることにしましょう。

僵尸の攻撃は【武器受け】で弾き飛ばして行くことにしますね。

その後もやることは変わりませんけど、
相手の移動の邪魔になりそうなポイントを優先的に狙って
叩き潰しつつ、地面に穴を開けて行きましょう。

ん~、やっぱりお腹が減りますね。
隙を見て【おやつぶくろ】からお菓子をだして、食べながらいきましょう。

ちょっとはしたないですけど、
お腹が空くと雑になりますから、しかたないですよね。


ニコリネ・ユーリカ
物凄い数だけど大丈夫!
洛陽は黄河の氾濫をも阻む邙山を北にした堅守の地
ここが兵家必争の地と呼ばれるのは
数だけでは落とせなかったって歴史が証明してくれてる
さぁ頑張りましょ(むんっ

都城だもの報奨金多く貰えないかなー
ほら私もこの通りサービスしちゃうし!
UCで102体の己を複製し隊を形成
飛翔能力を活かした遊撃隊として働く

守る國も家族も無い、自他の破滅を躊躇わない貴方達は強い
でも守るものあればこそ兵士は強い
憎悪だけを詰められた憐れな人形たち
どうぞ私をよく狙って頂戴
小隊ならではの機動力を活かして視線を泳がせ
人や構造物への被害を最小限に
四色ボールペンを魔導杖に変え
空から炎を降らせましょ
魂が浄化されますよーに!


エルヴィン・シュミット
過去の人間が犯した罪の清算を今の人間に求めるなど、筋違いも良い所だな。
奴らには悪いが、もう一度土の下に帰って貰おうかね。

UCで重装騎士達を召喚し【戦闘知識】を用いて防御陣形を敷く!
奴らとぶつかる前には【SPIRAL SPADE】の【貫通射撃】と【弾幕】で攻撃しておきたい所だが、いかんせん敵の数が多すぎるか…。
とはいえ、細かい事を言っているヒマも無いか!
奴らと衝突したら【ALUETTE】と【AEGIS】を使って応戦する!
なんとしてでもこの攻勢を凌がなければ!

『さあ、かかって来やがれ!お前らで俺をここから動かせると思うなよ!』


堆沙坑・娘娘
過去の戦の是非について、私は語る口を持ちません。既に終わったことであり、当事者以外が何を語っても、後の祭りでしかない。

なので、物事は分かりやすく行きましょう。

死者の軍勢に今を生きる人々を殺させるわけにはいきません。
この理屈だけはきっと正しいはずです。

パイルバンカーによる杭打ち。杭打ちによる闘気爆発。闘気爆発による命脈貫通・地形破壊の一撃。
私のユーベルコードによる上記プロセスで敵軍を、まるで海を割るように貫く【貫通攻撃】。

永遠の眠りを妨げられ、今更憎悪するのも辛いでしょう。
せっかく残っていた躯を破壊する咎は、いずれ私が黄泉に赴いたら改めて謝罪します。
だから、どうか、今はまだ眠っていてください…。



 洛陽の北門に、猟兵援軍来たる。その圧倒的な力を駆使し、趙兵の僵尸軍団の波を斬り裂く。
 それを見ていた城門守備隊は活気づく。洛陽の皇帝陛下のユーベルコード使いの武侠や仙人達よりも、強力な使い手の登場。それに士気が高揚しないはずはない。
 だが今だ趙兵の僵尸の兵数は圧倒的だ。そのすべてを倒し尽くすのは現実的ではなく、まずは北門を攻め寄せている一軍を蹴散らすのが先決であろう。
「人数は多いですけど、解りやすいですね」
 そんな洛陽の人々を恐怖に染め上げる僵尸軍団に対し、陸・橘子(大力放松・f32784)はまったく動じることはない。むしろ平時よりも落ち着いた心持ちで戦場に立っている感じであろうか。
 地方豪族『陸家』のひとり娘で、統星(すばる)の宿星を持って産まれ、覚醒してからは力で解決した故に危機感の欠如は感じられる。だがそれを差し引いても、この趙兵達に負ける気はなかった。
「こういうのは得意なのですよ~」
 そして北門を力づくで開けると、とことこっと無遠慮に僵尸の集団に近づく。晋国兵士は危ないと声を上げようとするが、次の瞬間にはその僵尸が遥か彼方に吹き飛んでいた。
 己の怪力をあまなく乗せた武術「錘撃衝破(スイゲキショウハ)」。さらに拳を当てたと同時に集束された重力波が押し寄せるように僵尸達を薙ぎ倒していく。
「皆様はおさがり下さいませ」
 強力無比な一撃を放った橘子に逆らえる者などいなかった。晋国兵士は即座に下がり、僵尸が繰り出す槍を拳で受け流す。
 そのまま拳で武器を弾き飛ばしていき、敵を錘撃衝破で粉砕していく。やることは変わりはないが、相手の移動の邪魔になりそうなポイントを優先的に狙って叩き潰すことを優先する橘子。
「ん~、やっぱりお腹が減りますね」
 地面に大穴を開けながらも、お腹が鳴っては仕方ない。おやつぶくろからお菓子を取り出して食べながらも、僵尸の武器を受けながらも器用な戦い方を続ける。
 そんな橘子の背後を狙って僵尸の剣が迫る。だがそれを叩き潰すように飛び蹴りを食らわせて吹き飛ばしたのは、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)だった。
「ちょっとはしたないですけど、お腹が空くと雑になりますから。ありがとうございますー」
「いえいえ。物凄い数だけど大丈夫!」
 申し訳なさそうに敵を撃退し続ける橘子に対して、ニコリネは周囲に檄を飛ばす。その自信は、洛陽は黄河の氾濫をも阻む邙山を北にした堅守の地だと知っているからだ。
 この洛陽こそ兵家必争の地と呼ばれ、数だけでは落とせなかったということは歴史が証明してくれている。なればこそ、ニコリネは声を大にして言うことができる。
「さぁ頑張りましょ」
 むんっとわざとらしく力こぶを作りながら、橘子の背中を守るニコリネ。発動するのは能力「The end of FY(ケッサン)」、ニコリネの分身を作り出す力である。
 それにニコリネが持つサービス精神を付与することで、戦闘能力と飛行能力を与える。そしてその102体のニコリネを従え、隊を形成する。
「都城だもの報奨金多く貰えないかなー。ほら私もこの通りサービスしちゃうし!」
 そして地上で橘子を援護する隊、飛行する隊に別れ、遊撃隊として僵尸を上空から叩き始めるニコリネ。空からは無数の火炎が降り注ぐ。
 仙術が繫栄しているこそ神秘の力は満ち溢れている。ならば精霊も感じ取ることも容易となれば、精霊術士として力を思う存分振るうことができる。
「守る國も家族も無い、自他の破滅を躊躇わない貴方達は強い。でも守るものあればこそ兵士は強い」
 四色ボールペンを魔導杖に変え、ニコリネは炎の魔法の準備を取る。追従するニコリネの分身も同様の構えだ。
 憎悪だけを詰められた憐れな人形達は空からこちらを憎々しく睨みつけ、武器を投擲してくる。それが狙いだと悟られず、軽やかに空中でステップを踏むように回避するニコリネ。
「どうぞ私をよく狙って頂戴」
 小隊ならではの機動力を生かし敵の視線を泳がせ、晋国兵士や構造物への被害を最小限に抑え込んでいく。それと同時に炎を降り注がせて趙兵の僵尸を減らすのも忘れない。
 守る者がなくなった兵士達がせめて安らかに眠れるように、炭と化し灰へと還していく。それを振り払うように明るい声でボールペンを振るうニコリネ。
「魂が浄化されますよーに!」

 そんな空からの炎爆が炸裂している頃、橘子が暴れる箇所を抜け、北門に迫る趙兵の僵尸達も現れ始める。そんな北門の前にはドラゴニアンの聖騎士、エルヴィン・シュミット(竜の聖騎士・f25530)が首を鳴らしながら仁王立ちする。
「過去の人間が犯した罪の清算を今の人間に求めるなど、筋違いも良い所だな」
 確かに長平の虐殺はひどいものだったのかもしれない。生きながら埋められるなど、想像を絶する苦しみと絶望だったということはエルヴィンにも想像は出来る。
 だがそれを理由に今を生きる人間を殺して理由にはならない。その決意の元に、能力「HOLY ORDER(ホーリーオーダー)」を発動しするエルヴィン。
「奴らには悪いが、もう一度土の下に帰って貰おうかね」
 そして現れるは黒の奔流を押しとどめる白銀の重装騎士団。聖なる力を持ち、邪なる力を持つ僵尸達には効果覿面な相手であろう。
 その前にスペードのエースが描かれたカード「SPIRAL SPADE」を投げ込むエルヴィン。それは敵を貫く光線の嵐となって趙兵の僵尸を撃ち抜くが、敵の数が多すぎて足止めにもならないことを悟る。
「チッ、いかんせん敵の数が多すぎるか……とはいえ、細かい事を言っているヒマも無いか!」
 そう言っている内に城門を破壊しようとする趙兵の僵尸軍団とエルヴィンの白銀の重装騎士団が衝突する。相性の関係もあり、一対一ならば白銀の重装騎士が上回る戦闘能力っぷりだ。
 だがこれが包囲されて五対一でもなれば、不利になるのは間違いない。そうならないように衝突した瞬間に、シンプルな装飾の片手半剣「ALUETTE」を手に腕輪型のシールド発生装置「AEGIS」を起動させ、エルヴィン自ら僵尸達に応戦する。
「さあ、かかって来やがれ! お前らで俺をここから動かせると思うなよ!」
 主たるエルヴィンの檄に応えるように白銀の重装騎士団も一気突撃を敢行し、趙兵の僵尸軍団を押し返す。エルヴィンは小回りを聞く動きを見せ、包囲しようとする僵尸を中心に排除していく。
 そうすることで実力的優位を保ち、北門の防御を確立させる。エルヴィンがそうするのには訳があった。
「物事は分かりやすく行きましょう」
 そして趙兵の僵尸の背後を貫くのはパイルバンカーによる杭打ちだ。それを成したのはエルヴィンの守備陣形を迂回するように回り込んだ堆沙坑・娘娘(堆沙坑娘娘・f32856)だった。
 その杭打ちによる闘気爆発が娘娘の身体で巻き起こる。そしてそれを杭打ちに流し、僵尸の命脈を貫き、闘気爆発による地形破壊の一撃が巻き起こされる。
「過去の戦の是非について、私は語る口を持ちません」
 能力「断气(ドゥァンチィー)」による一連の流れによって、僵尸の大軍をまるで海を割るように貫く娘娘。それと並行でエルヴィンと白銀の重装騎士団も押し込んでいく。
 その哀れな趙兵達に対し、娘娘は何も思わない。既に終わったことであり、当事者以外が何を語っても、後の祭りでしかない。
「死者の軍勢に今を生きる人々を殺させるわけにはいきません。この理屈だけはきっと正しいはずです」
 だからこそ、真理であるただ一つの事実、晋国を、洛陽の人々を殺させない。その理屈を守ることさえすれば、今はいい。
 シンプルな思考の元で、娘娘は僵尸に神速の杭打ちを叩き込む。パイルバンカーから闘気爆発を起こし、命脈を貫通しながら地形破壊を起こす爆裂が発生する。
 それこそがパイルバンカー神仙拳の神髄。60年以上パイルバンカーのみを頼りに数々の武勇伝を作り続ける彼女の神業である。
「永遠の眠りを妨げられ、今更憎悪するのも辛いでしょう。せっかく残っていた躯を破壊する咎は、いずれ私が黄泉に赴いたら改めて謝罪します」
 だから今はまだ安らかに眠ってください。そんな思いを込めて、娘娘はパイルバンカーを叩き込み、趙兵の僵尸を破壊する。それこそが彼女の優しさなのかもしれない。
 そしてエルヴィンとの連携で北門の僵尸軍団を完全に押し返し、橘子とニコリネと合流する形で戦場での挟撃を完成させる。意図せぬ連携ではあったが、彼女達の奮闘が実ったと言えるだろう。

 エルヴィンと娘娘の反攻は見事に当たり、遊撃をしていた橘子やニコリネが踵を返して挟撃する形で北門付近の趙兵の僵尸は哀れにも屍を再び地の底へと返すことになった。それでもそれが供養なだと心優しきニコリネは思う。
 だがあくまこれは第一波の僵尸の攻撃に過ぎないのだ。押し返しに成功した今こそ本陣を特定するチャンスでもあることを自覚し、四人の猟兵は総大将・趙括の元へと急ぐのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『赤顔大王』

POW   :    破頭地落砕
レベル×1tまでの対象の【頭部】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    赤顔王軍
自身の【身体の赤い部分のいずれか】を代償に、1〜12体の【分身体】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
WIZ   :    赤死撃
【錘の振り下ろし】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【に赤い毒池を作り出し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 趙兵の僵尸軍団の侵攻をまずは跳ね返すことに成功した猟兵達。だがこれはまだ一部に過ぎず、このままではじり貧になるのは間違いない。
 だからこそ猟兵達は、この趙兵達の中核へと急ぐ。その強烈な呪詛は近づけば近づくほど感じ取ることができる。なればこそ、その姿は一目でわかることができた。
「貴様等か……我が偉大なる趙国の侵攻を止める者共は!」
 その言動、その呪詛の大きさから、目の前の男が総大将・趙括ということはわかった。だが生前の姿は明らかに違うのがわかるように、身体は普通の人より3倍以上に膨れ上がり、顔は赤く染まっている。
 まるでその姿は悪鬼羅刹。地獄の鬼といっても過言ではなかった。そして趙括は目の前の猟兵達に、己の中に渦巻く感情をぶちまける。
「おのれおのれ! またしても私に敗北を与えようとするのだな! 更なる汚名を、恥辱を与えようとするのだなァ!」
 その凄みの言葉には、確かなる怒りの感情を感じる。敗北の汚名を被り、歴史の笑い者となったその名前。
 栄光で彩られる未来ではなく、無能と称される汚名。その憤怒と恥辱こそが、趙括の顔を赤く染め上げて、その身体をさらに巨躯に変じさせていく。
「許さぬ、許さぬぞ! もう笑わせはせぬ! 我が名は趙括! 名将・趙奢の息子にして、洛陽を血に染める者よ!」
 もはや言葉はいらぬとばかりに大地に大錘を叩きつけて、亀裂を与える趙括。巨大なオブリビオンと化したその膂力は生前とは明らかに違う。
 怒りと羞恥の心は彼の身体を赤く、心を黒く染め上げた。そして憎悪をまき散らす趙国大将軍をここで倒さなければ、洛陽は火の海と化す。負けられない戦いが幕を開ける。
大豪傑・麗刃
きみは頭数を増やすのが得意技か。ならわたしも数を増やして対抗しよう。
ところでわたしは指揮官ではないのできみについてどうこう言える立場ではない。かわりというわけではないが、きみの指揮についてどうしても物申したい人がいるらしいのだ。紹介しよう。きみもよーく知っている方々だ。

趙括の前任者にして死後も趙を支えた名将・廉頗!
廉頗と並ぶ名将にして刎頚之友・藺相如!
両者と並ぶ名将にして趙括の父・趙奢!

この三方に存分に説教してもらおう。
で威圧されて萎縮するか、さらに激怒して我を忘れるか、混乱するか等で精神的にゆらいで普段通りの実力が出せなくなったところで隙を突いて刀二刀流で分身の数を削るか、本体を斬るかする。


エルザ・メレディウス
アド◎ 連携◎

戦闘と同時にUCを発動。
鷲の軍団旗を大きく掲げ…大軍を前に声をはり、全員を【鼓舞】しながら
【集団戦術】を心がけて、的確な指示を出しながら、全員が上手く連携を取れるように。

★演説内容★
私は貴方を詳しく知りません。なので詳しくは言えませんが、確かに生前の貴方に高慢さはあったのかもしれない。
ですけれど...生前のあなたが趙国を守ろうとしたのは事実のはずです。

その事実を忘れ暴走して虐殺を肯定するあなたは名将趙奢の息子、趙括に非ず。
ただのオブリビオン…にすぎません。

故に、この戦いは、趙国の将である趙括を滅するものではない。
オブリビオンと化したあなたをくびきから解き放つためのもの。

ご覚悟を!


エルヴィン・シュミット
大物のお出ましか!
コイツは一筋縄では行かなさそうだ!

さて、こんだけデカいとまともにやりあっても勝ち目は薄そうだな。
となれば、やる事は…足止めと嫌がらせに尽きるな。
UCを発動して光の翼で奴の周囲を飛行しながら【大声】で【挑発】しながら【ALUETTE】で攻撃を仕掛けてやろう。
あまり効き目がなくても、執拗に嫌がらせを続けていれば付け入る隙が出来るかもしれん。
奴の攻撃は【見切り】でよく観察して避ける。当たったら絶対痛いだろ、アレは。

『お前さんには恨みも何もあったもんじゃないが…もう一回眠ってもらうぜ!』



 趙国の王に信任され、大軍を任された若き大将軍・趙括は確かに才気あふれる若武者であったのだろう。その期待に応える自信もあり、実力もあると思っていた。
 だが才覚は発揮されることはなく、むしろ百勝将軍と言われた伝説的名将・白起のエピソードに出てくる敵将としか認識されない。むしろ長平の虐殺を引き起こした張本人とも言われる。
 これほど武将にとって不名誉があろうか。思い出す度に趙括の顔は羞恥で赤く染まり、その身体には漲るパワーが溢れる。そしてその赤い部分が自身の分身を生み出し、敵を粉砕する力となって猟兵を叩き潰す力となる。
「きみは頭数を増やすのが得意技か。ならわたしも数を増やして対抗しよう」
 そんな憎悪を向ける瞳が増える中でも全く動じることがない大豪傑・麗刃。その趙括達の攻撃が始まる前に能力「誰にでも苦手なものはある」を発動する。
 麗刃は剣士であって指揮官ではない。つまり大軍を率いる者としての重責は知ることではない故に、趙括にどうこう言える立場ではない。
「かわりというわけではないが、きみの指揮についてどうしても物申したい人がいるらしいのだ。紹介しよう。きみもよーく知っている方々だ」
「ば、馬鹿な!? この方々は!」
 そう趙括が絶句したのも無理はない。目の前に現れたのは趙括の前任者にして死後も趙を支えた名将・廉頗。廉頗と並ぶ名将にして刎頚之友・藺相如。
 そして両者と並ぶ名将にして趙括の父・趙奢である。同時代を生き、趙括の上の世代を統括した名将達の姿に、思わず平伏しそうになる。
「な、なんだその目は! 私を馬鹿にするのか、貴方達でさえも!」
 麗刃が能力で作り出したのはいま戦っている対象の関係者の複製である。説教ができればいいが、口調などは麗刃が知るはずもないので、控えてはいる。
 だがその趙括を非難するような視線は思いのほかに突き刺さったのだろう。威圧されて萎縮するのではなく、さらに激怒して我を忘れ、混乱した節が強いのだろう。分身体も含めて一心不乱に大錘を振りかざして趙の英雄達を消そうとする。
「きみは馬鹿なあ」
 だから複製に騙される言わんばかりに、隙を突いて刀二刀流で攻撃する麗刃。分身体の首を刎ね、本体をも攻撃する鮮やかな斬撃は的確かつ冷徹だ。
 確実に急所を斬り、ダメージを与える。巨大化した趙括であっても、麗刃の斬撃には唸り声を上げる。そしてそんな小馬鹿にするような麗刃とは対照的に、真剣な表情でエルザ・メレディウスは見つめる。
「私は貴方を詳しく知りません。なので詳しくは言えませんが、確かに生前の貴方に高慢さはあったのかもしれない」
 鷲の軍団旗を大きく掲げ、エルザは趙兵の僵尸の大軍を前に声をはり、猟兵は勿論、晋軍全員を鼓舞する。能力「オリンポスの祝福(オリンポスノシュクフク)」が発動される。
 趙括が暴れる間に崩れてしまわないように、集団で戦うことを心がけるように。的確な指示を出しながら、全員が上手く連携を取れるように声を尽くす。
「ですけれど……生前のあなたが趙国を守ろうとしたのは事実のはずです。その事実を忘れ暴走して虐殺を肯定するあなたは名将趙奢の息子、趙括に非ず!」
「なんだと!」
 さきほどまで趙奢の複製に非難的な視線を投げかけられた趙括は余計に反応する。だが演説に耳を傾けた晋軍や麗刃はその身体に神々の祝福が宿っていく。
 今の趙括は名将の息子にあらず。ただのオブリビオンにすぎないということを認識させる為に言葉を紡ぐエルザ。
「故に、この戦いは、趙国の将である趙括を滅するものではない。オブリビオンと化したあなたをくびきから解き放つためのもの。ご覚悟を!」
「小娘が!」
 エルザの挑発な演説に乗った趙括がそのまま頭を持ち上げようとと猛烈に近づき、手を伸ばそうとする。だがその手が届く前に麗刃の二刀流が手首を引き裂く。
 さらにそれに続くように鷲の軍団旗を持ったエルザが振るって傷口を抉りながら前を駆け抜ける。それはまさしく前方に活路を見出した、見事な突撃であった。

「大物のお出ましか! コイツは一筋縄では行かなさそうだ!」
 そしてエルザの演説に応えるように神々の祝福で身体が戦闘力で滾るエルヴィン・シュミット。いつもより身体の調子はよくなり、動きもキレが増しそうである。
 とはいえ体格の違いは歴然としたものがある。あの大錘の振り下ろしは強烈ではあるし、それによって生み出される毒沼の危険なものを感じ取る。
「となれば、やる事は…足止めと嫌がらせに尽きるな」
 まともにやり合っても勝ち目は薄いと判断したエルヴィンの動きは早かった。決してエルザの強化を当てにせずに、能力「HOLY KNIGHT CHANGE(ホーリーナイト・チェンジ)」を発動する。
 白銀の鎧の騎士に変身し、光の翼で奴の周囲を飛行を開始するエルヴィン。その手には光輝くオーラで威力が増強したシンプルな片手剣「ALUETTE」が握られている。
「そのでかい図体は飾りかよ! だから白起とやらに討たれるんだよ!」
「言ったな小僧! その言葉を後悔させてやる!」
 そして力任せに趙括は大錘を振るうが、怒りで力は入っているがその攻撃軌道は至って単純だ。挑発を仕掛けながら攻撃を回避し、高速飛翔で勢いの乗ったカウンターで斬り付けるエルヴィンの攻撃は面白いほど当たる。
 これも冷静さを失っているからこそである。あまり効き目がなくても、執拗に嫌がらせを続けていれば付け入る隙が出来る可能性がある。

「今こそ祝福がありますように……!」
「あの世で説教して貰うよいのだ!」
「お前さんには恨みも何もあったもんじゃないが…もう一回眠ってもらうぜ!」
 エルザの祈りと共に再びの神々の祝福が付与され、麗刃の二刀流とエルヴィンの高速飛翔斬りが炸裂する。巨躯と言えども、痛みは消えるわけではない。
 その斬撃は確かに効果があったようで、口から吐血し、趙括の頑強な身体が悲鳴を上げる。そして膝をつくのを見て、確かなダメージを刻んだことを確信する。それはつまり、趙括を倒せる勝機を見出したことを意味していたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
かわいそうな人
兵が命を落とせば将が汚名を被るのは当然なのに
恥じもせず当たり散らすなんて
歴史に代わって笑い者にしてあげるわ(ほほほ

敵が昂ぶるほど余裕の笑みで挑発し
周囲に毒池が広がらぬよう、距離を取りつつ攻撃を引き付ける
敵が狙いを定めた瞬間にUCで錘を花に変換し、攻撃手段を奪取

錘から姿を変える花はオダマキ
嘗て趙括が渇仰した「勝利」の花言葉を持つ花を舞わせ
軈て儚く散らして花片に
勝ちを逃した者の「愚か」さを暗示してあげる

無数の花片が彼の頭上に集まるよう操作したらUCを解除し
元の無機物へ、重力に從って落ちる錘でゴツーンよ!

貴方は生者を軽んじただけでなく死者をも僵尸にして侮辱した
敗北でなく蒙昧を恥じなさい


シーザー・ゴールドマン
ハハハ、汚名に恥辱か。その点に関してならむしろ我々に感謝するべきだね。既に趙国はなく、洛陽を落としたとてそれは無価値だ。
ただ意味もなく暴れる白痴の虐殺者として名を残すのみ。
ここで滅ぼされることで巷に溢れるオブリビオン禍のその他大勢としてやがて忘れ去られるだろう。少なくとも千年の汚名にはなるまい。

オド(オーラ防御)を活性化して戦闘態勢へ。
敵POWUCの発動を見切り、頭部を掴まんとする腕を躱しざま痛打を与え、態勢を崩させて『カーリーの鏖殺』による渾身の一撃を入れます。
(第六感×見切り×カウンターからのUC)


堆沙坑・娘娘
敵の攻撃の気の起こりを読み取り、敵が攻撃動作に移る前にパイルバンカーによる【貫通攻撃】で敵の攻撃動作自体を叩き潰し何もさせません。それを繰り返します。
敵が巨体であってもこのユーベルコードを使った私はそこそこ速く飛べますし、気の起こりを読めたけど攻撃が届かなかった、又は攻撃動作に移る前に攻撃することができなかったという事態にはほぼならないはずです。
仮に私が敵の攻撃動作を潰し損なって赤い毒池を作られたとしても、私は飛んでいるので毒の効果はそこまででもないはず。

あなたが今日やったことは、生前の恥の上塗りかもしれません。
ですが、あなたの武侠英傑を相手にした大立ち回り。
私が決して誰にも笑わせはしません。


陸・橘子
大将軍というのは、もうちょっとかっこいいと思っていたのですが、
ちょっと残念ですね。
戦に負けても心折れなければ、何度でも好機はありますのに……。

失敗を笑う人しかまわりにいなかったのは可哀想ではありますけど、
あなたの自尊心は、方向をちょっと間違えてしまったみたいですね~。

ふつうに国を奪う戦で挑むのなら、あまり手出しはできなかったのですけど、
災魔として民草を踏みにじろうとするだけなら、話は別です。
宿星の努め、果たさせていただいちゃいますね。

あら? あなたも錘なのですね。
それでは、せめて戦いは正面から、力比べと参りましょう。

【宿星纏装】を発動して【双錘】を構え、【怪力】を乗せて打ち合いたいと思います。



 猟兵から受けた傷が痛む。超常なる存在へとなった趙国大将軍・趙括であるが、その痛みは生前を思い出させるものであった。
 痛みの記憶とは、敗北の記憶。秦の白起の罠にかかり、誘引されて散々に打ち破られた長平の戦い。その後の兵糧攻めの飢えの苦しみは想像を絶するものだった。
 そして最後は生命を痛みを味合わされた。戦争の勝利の味を知らず、一度の敗北で骸を晒したその恥辱。それを晴らさんとして、その身体は力が溢れてくる。
「ハハハ、汚名に恥辱か。その点に関してならむしろ我々に感謝するべきだね」
 シーザー・ゴールドマンはそんな趙括を笑い飛ばす。敗北の屈辱など全く無縁な、自信に満ちたその表情に趙括の怒りはさらに募る。
 恐らくは強者なのだろう、栄光に満ちた勝利を積み重ねてきたのだろう。そう思えば自身に力が漲ってくると感じた趙括であるが、シーザーは言葉を続ける。
「既に趙国はなく、洛陽を落としたとてそれは無価値だ。ただ意味もなく暴れる白痴の虐殺者として名を残すのみ」
「黙れェ!」
 客観的事実は趙括にとって毒でしかない。それを断ち切るように大錘を叩きつける。それに伴ってバランスを崩し、シーザーの頭を掴もうとする。
 恐らく掴まれれば頭を砕き、地を砕く一撃を放つのであろう。だがそれを許すはずもなくシーザーは拒絶するようにオドのオーラを活性化させて、手を避ける。
「ここで滅ぼされることで巷に溢れるオブリビオン禍のその他大勢としてやがて忘れ去られるだろう。少なくとも千年の汚名にはなるまい」
 手を掴もうとする瞬間を待っていたといわんばかりに、巨大な腕を引き裂いていく。手にはオドの魔力で強化されたオーラセイバーが握られている。
 大錘を振り回すが、軽やかに躱して足首を斬り裂くシーザー。バランスを崩したのを確認してから能力「カーリーの鏖殺(デウス・プーグヌス)」を発動する。
「覚悟は良いかね?」
 そして放たれる拳は、圧倒的『破壊の魔力』を込めた一撃。それが趙括の身体に突き刺さり、鎧を砕き、身体の筋繊維を引き裂いていく。
 巨大な身体をもってしても受け止めきれないシーザーの拳に盛大に吐血する趙括。それに追い打ちをかけるは陸・橘子だった。
「大将軍というのは、もうちょっとかっこいいと思っていたのですが、ちょっと残念ですね。戦に負けても心折れなければ、何度でも好機はありますのに……」
 そう、橘子はその趙括の心の在り様を残念と思っていた。大将軍という位は決して軽いものではない。武侠である彼女ですらその片鱗は伺い知れる。
 それなのに趙括のこの有様は大将軍にはふさわしくない。だからこそ、歴史的な敗北を喫したのかもしれないが。
「失敗を笑う人しかまわりにいなかったのは可哀想ではありますけど、あなたの自尊心は、方向をちょっと間違えてしまったみたいですね~」
「貴様如き、ただの武侠に何がわかる!」
 己のプライドを、生き様を否定されてより赤みが増した肌。その根源となる憤怒を犠牲にして、己の分身体を作り出す趙括。
 大錘を持った趙括の分身体は橘子に突撃していく。だがその攻撃を軽やかに避け、その力を乗せるように己の武器・双錘『興覇』を振るって頭部に叩きつける。
「ふつうに国を奪う戦で挑むのなら、あまり手出しはできなかったのですけど、災魔として民草を踏みにじろうとするだけなら、話は別です」
 それこそは、宿星武侠として決して譲れない悪行だ。その一点だけで橘子がこの趙括に立ち向かう理由には十分なのだ。
 宿星としての務めを果たさんとばかりに興覇を握り締める橘子。こべりついた血肉を振り払い、もう一体の趙括分身体の大錘と撃ち合いになる。
「あら? あなたも錘なのですね。それでは、せめて戦いは正面から、力比べと参りましょう」
 そこから橘子の興覇と趙括の大錘との激突音が鳴り響く。そしてパワー負けをしないように能力「宿星纏装(シュクセイテンソウ)」を発動させる橘子。
 その能力は双錘『興覇』の威力を3倍に跳ね上がらせる。隕鉄で作られた円錐台の錘がついた大型の双錘は、趙括の大錘を打ち砕き、そのまま身体を吹き飛ばす一撃を繰り出す。

「馬鹿な……分身体とはいえあの体格差だぞ! それなのになぜ押される!?」
 橘子は残りの分身体を錘の撃ち合いを続け、徐々に倒しつつある。シーザーも援護するように分身体を切り刻み、その拳を振るっている。
 12体いるとはいえ、もはや敗北は濃厚。それを嘲笑うかのようにニコリネ・ユーリカは優雅な所作で、趙括に視線を向ける。
「かわいそうな人。兵が命を落とせば将が汚名を被るのは当然なのに、恥じもせず当たり散らすなんて。歴史に代わって笑い者にしてあげるわ」
「前者には同意します」
 そう機械的な頷きをする堆沙坑・娘娘の頭を撫でながら、ニコリネは余裕の笑みと「ほほほっ」と高笑いをする。それは己が侮られるという印象を与え、趙括が昂る挑発には十分な行為であった。
 そうして激昂する趙括から大錘の振り下ろしを誘発するニコリネ。娘娘には敵の攻撃を観察させる為に下がらせ、周囲に毒池が広がらぬよう、距離を取りつつ攻撃を引き付ける。
「この趙括を侮辱するのは許さぬ! 死ね、女ァ!」
 そこには怒りしかない一撃。その強烈かつ単純な振り下ろしをニコリネは待っていた。能力「Eureka(ユリイカ)」を発動させ、趙括の大錘が届く前に花へと変換され、ニコリネに攻撃が届くことはなかった。
 代わりに咲いた花はオダマキ。嘗て趙括が渇仰した「勝利」の花言葉を持つ花である。
「Flowers don’t tell、they show。語らずとも示して見せるわ」
 その花を舞い、軈て儚く散らして花片となって空へと舞う。それが趙括には勝ちを逃した者の「愚か」さを暗示しているように見えた。
 憤怒の狂気を一時的にも正気へと戻すオダマキの花の乱舞。無数の花片が趙括の頭上へと集まり、それを見上げる趙括は茫然とするばかりだ。
「貴方は生者を軽んじただけでなく死者をも僵尸にして侮辱した。敗北でなく蒙昧を恥じなさい」
 だがそれはニコリネが能力でそう演出・操作したに過ぎない。その花びらに変えた能力を解除すればどうなるか。
 その花びらは元に持っていた趙括の大錘へと変化し、元の無機物へと戻る。そして重力に従って落ちる大錘が顔面へと直撃し、その鼻が見事に折れ、血が噴き出す。
「お、お、おのれーーーー!」
 それを巻き起こしたニコリネに対して、もう片方の大錘を叩きつけようと迫る趙括。だがその進路に立ち塞がるのは能力「幽灵(イォウリィン)」を発動させた娘娘であった。
 振り下ろした大錘に合わせるようにパイルバンカーを炸裂させる娘娘。敵の攻撃の気の起こりを読み取り、敵が攻撃動作に移る前に撃ち込む。今の趙括の身体的ダメージならば、パワーもスピードも落ちている故に、先読みの力も相まって娘娘は神業を連発する。
「あなたの攻撃動作自体を叩き潰し、何もさせません」
 そう冷徹に言い放ち、有言実行を繰り返す娘娘。「先の先」に到達した先読みの力を駆使する彼女にとって、趙括が巨体であっても飛翔能力を駆使して大錘を撃ち抜く。
 そうすることで気の起こりを読めたけど攻撃が届かなかった、又は攻撃動作に移る前に攻撃することができなかったという事態にはならない。さらにさきほどのニコリネ相手に作った毒沼などに誘導、もしくは行かせないように攻撃を繰り返す。
「あなたが今日やったことは、生前の恥の上塗りかもしれません」
 そして勝機は訪れる。ニコリネがもう片方の大錘もオダマキの花に変えて、娘娘のパイルバンカーをすり抜けたからだ。衝突しなかったその必殺の杭はそのまま趙括の心臓を貫き、破壊する。
 一撃必殺こそ、パイルバンカー神仙拳の基礎にして奥義。盛大に血を吐く趙括に対しても、娘娘は表情を変えることはない。
「ですが、あなたの武侠英傑を相手にした大立ち回り。私が決して誰にも笑わせはしません」
 そこには敗者に対する敬意があった。ここまで猟兵の猛攻をもってしても倒れない、趙括の憤怒と憎悪は確かに英傑と呼べる者達をも超越したものだった。
 だが勝者の賛辞などいらぬとばかりに、趙括は娘娘を忌々しく睨みつける。それほどまでに今の趙括は敗北に対して、激しい感情を向けているのだ。

 だがその命脈は娘娘のパイルバンカーによって砕かれた。ニコリネによって大錘はなく、シーザーと橘子は分身体をすべて倒し尽くした後であった。
 つまり趙括にとってはこれは敗北という現実が重くのしかかる。それは本人にとって耐えがたい屈辱であったであろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『死者英傑』

POW   :    無尽槍兵団
レベル×1体の【精鋭僵尸槍兵】を召喚する。[精鋭僵尸槍兵]は【突】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    戦場の覇者
戦場の地形や壁、元から置かれた物品や建造物を利用して戦うと、【方天画戟】の威力と攻撃回数が3倍になる。
WIZ   :    孤影再起
全身を【己を英傑たらしめる闘気】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 すでに巨躯の赤顔大王と化した趙括は虫の息であった。猟兵達の猛攻によって受けた傷は致命傷となり、現世に留まることは難しい。
 後はその首さえ刎ねることができれば終わりと言った段階だ。だがそれでも趙括は諦めることなく、憤怒と憎悪をまき散らす。
「おのれ、おのれ……まだだ、まだ……!」
 だが趙括の執念が実ることはなかった。その憤怒の表情を宿した頭は胴体と泣き別れとなり、地面へと落ちる。
 驚愕と言わんばかりの感情を浮かべ、胴体の方向を見るとそこには威風堂々とした武将がいた。晋国でもなく、趙国でもない甲冑の姿をした武将であった。 
「括よ、不肖なる我が息子よ。安らかに眠れ」
「ち、ち、う、え……」
 その姿は間違いなく父と呼んだ者ではない。だが趙括には感じ取れるものがあった。
 幼き日より追いかけた者の姿を間違えることなどあるはずもない。己の知り得ぬ姿を得た父・趙奢の勇姿を見ながら、趙括は塵となって消えていった。

「愚息が失礼をした。我が名は趙奢。趙国大将軍である」
 趙括が滅んだことを確認したその武将・趙奢は猟兵の元へと向き、名乗る。その身体は稀代の軍略家として名をはせた男というより、戦場で猛将として活躍した姿を思い浮かべる。
 どうやら他の猛将の器に魂が入り込んで復活したようだ。言わば、知勇兼備の武将となったというわけか。そして趙括の尻ぬぐいをする為に来たかと問うと、趙奢は首を横に振る。
「それは違う。私は趙国兵士の悲しみ、憎しみに呼応した。すべては、括を含めた長平の嘆きに報いる為に」
 そこには趙括のような憤怒の気持ちはない。ただ、憐憫を持って祖国の兵士達を見つめる趙国の大将軍の姿があった。
 そしてその堂々たる威風に趙兵の僵尸は奮い立つ。おそらく趙括よりも僵尸軍団を統率するであろう、趙奢に警戒を示して、猟兵達は戦闘態勢を取る。
「……否というならば止めてみせよ。趙国の憎悪を、悲嘆を、怨恨を、侵攻を止めてみせよ」
 そういうと趙奢の後ろに騎馬に乗った異民族の衣装を着た僵尸達が出現する。あれはもしや、趙国の開祖・武霊王が率いたと言われる「胡服騎射兵」であろうか。
 自らの双肩には戦国七雄・趙国のすべてがかかっている。その重みを知る趙奢は、溢れんばかりの烈気を放ち、猟兵達に立ち塞がる。そして続く趙兵達に号令を放つ。

「長平の猛者達よ。趙国の胡服騎射の古強者よ。この趙奢に続け。汝らの救いは、死と殺戮の先にこそある」

※敵ユーベルコード変更点について
●無尽槍兵団→無尽胡服騎射兵団
レベル×1体の【精鋭僵尸胡服騎射兵】を召喚する。[精鋭僵尸胡服騎射兵]は【突・矢】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
ニコリネ・ユーリカ
やばば、パパが出てきちゃった
法を佳く識り、生きた兵法を操る彼は手強い
更に猛将の器を得て甦ったとなれば苦戦は必至

真面に戦って勝てない相手には慮外の奇策を
彼の兵法には無い空戦に持ち込みましょ

はたらくのりものあつまれ!(UC発動
単座戦闘機MC.200を召喚して空へ飛び立ち
地形を活かして立ち回る大将軍を空から牽制するの
括れたファストバックがセクシーだけど見せてあげない
常に太陽を背に機影を隠しちゃう!

方天画戟は両手で持つ武器
盾は使えないから空撃に備えるに遮蔽物へ隠れる筈
開放式風防の広視野から移動先を予測し、12.7mm機銃を斉射!
愛称「Saetta(雷光の矢)」の本領発揮よ
幾星霜も前の兵法は通じないわ!


バルタン・ノーヴェ(サポート)
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
雇われバトルサイボーグメイド、バルタンデース!

普段の口調:片言口調で(ワタシ、アナタ、デス、マス、デスネ、デショーカ? デース!)
得意な技能:【一斉発射・焼却・武器受け・残像・カウンター・受け流し】

各種武装の中から、ボスに適切なものを選択して用いてくだサーイ!
刀も銃器も、内蔵兵器や換装式ウェポンも、何でもOKデス!

アタック重視でもディフェンス重視でも対応可能デース!
斬り込み、爆撃、弾幕を張ったり、パリィ盾したり、臨機応変に立ち回りマース!

どのユーベルコードを使用しても問題はありマセーン!
オブリビオンを倒して、ミッションクリアのために力をお貸ししマース!


満月・双葉(サポート)
攻撃は【野生の堪】で察知して避け、避け切れなかったものは痛覚を遮断し(【激痛耐性】)で痛みを無視して動く
戦闘における立ち位置は主戦力になりそうな人を見極め、その人が動きやすいようサポート
【読心術】で敵味方共に心理を読み、敵の隙は付け込み(深追いはしない)、味方の動揺は素早く鎮める
戦闘が円滑に進み、仕事を完遂させるためなら手段は問わない冷酷さを持つ
ユーベルコードの扱いも戦闘の補助のようなもので【野生の堪】を高め(山猿の弟子)敵の攻撃をかわしたりして長く味方をサポートできるようにする
また強い敵の攻撃を反射する(フロッグ・イーター)ことで自滅を誘うことも得意とする


寺内・美月(サポート)
アドリブ・連携歓迎
※エロ・グロ・ナンセンスの依頼はご遠慮願います。
・依頼された地域に亡霊司令官(顔アイコンの人物)と隷下部隊、美月の親衛隊から選抜亡霊歩兵を派遣。美月がグリモアベースから到着するまで(サポート参加では現地にいない状態)、現地での活動に必要な権限を付与
・隷下部隊として一個軍団(歩兵・戦車・砲兵・高射・航空・空挺のいずれか)に、出動しない軍団から一個師団程を増強し派遣
・ボスが召喚した敵に対して攻撃し、砲兵・高射・航空部隊の火力、戦車・空挺部隊の機動力、歩兵部隊の柔軟性を生かした戦闘を行う
・ボスが何も召喚しなければ、五人の選抜最精鋭亡霊歩兵を送り込み、5対1でボスと対峙する


エルヴィン・シュミット
子の喧嘩に親が来た、という訳ではなさそうだな…
数多の苦しみ、悲しみがあれを呼び寄せたか。
事もここまで至れば言葉は無用、力を持って打ち倒すしかないようだな。

UCで重装騎士達を召喚し【戦闘知識】を用いて次は突撃の陣形で挑む!
【ALUETTE】と【AEGIS】を用いて突撃だ!
俺の武勇を持ってあの過日の将を討ち倒す!
知勇を兼ね備えた猛将とあらば最早小細工は通じるまい、力と力でぶつかり合うだけだ!
ここにはもう救いなどは無い…ならば、俺はこの凶行を止める!

『身勝手な事を言うが…その憎悪と怨嗟はここで終わりにさせて貰う!』



「来るがいい、趙国の侵攻を止めようとする者達よ」
 そう言って猛将のキレのある身体を駆使して、周囲を威圧する趙奢。普通は他者の身体に入り込んだのならば慣れというのもがあり、ある程度のタイムラグがあるものだ。
 だがそれを感じさせないほどにその動きは精錬されており、自分の身体のように扱っている。その威武に周囲の趙兵の僵尸達も畏怖をもって付き従っているようにも見える。
「ご安心くだサーイ! ワタシが来マシタ!」
 だがそんな趙奢の威圧感も全く関係ないとばかりに、戦場に乱入してくるテンションマックスの明るい性格のメイド。彼女こそ、戦場を荒らし回り平定するバトルサイボーグメイド、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)である。
 異国の異種族の、これまで対峙したことのない相手。だが趙奢は動じることなく、僵尸達の群れに入り、バルタンを狙う。戦場の特性を生かし、手にした方天画戟がその首を狙う。
「こういう時はこうデース! 六式武装展開、鉛の番!」
 だが趙奢に仕事はさせないとばかりにガトリングガンを構え、能力「無限の弾幕(アンリミテッド・バラージファイア)」を発動させるバルタン。そのガトリングガンが複製されて浮遊する。その数は100を超える。
 そして吐き出される無限を思わせるガトリング弾による雨嵐。破壊を巻き起こす黒き嵐は容赦なく僵尸はおろか、周辺地形すらも削り取っていく。
「こういう経験豊富なのには、容赦なくアタック重視デース!」
 歴戦の趙奢将軍に接近を許さないとばかりにガトリングの一斉射撃。さすがの趙奢もこれには近づくことができないが、それでも対応策を見出す。
 射線が一方向ならば迂回して回り込めばいいと、決死に盾になろうとする僵尸達や地形を利用して死角に向かおうとする。だが飛来する物体が趙奢の道を塞ぐ。
「支援要請により参戦した。寺内指揮官の『地獄雨』を受諾、砲撃を開始する」
 それは寺内・美月(霊軍統べし黒衣の帥・f02790)が派遣した亡霊司令官の隷下部隊が放った砲撃であった。能力「霊軍隷下《打撃戦力》亡霊将兵投入(ジゴクアメ)」は美月がグリモアベースにて派遣したとしても効力を発揮する。
 その司令官が行う砲兵軍団による面制圧砲撃は容赦なく、趙兵の僵尸をバラバラにしていく。かつての戦国七雄の時代にもなかった上空からの攻撃という概念は趙奢をもってしても適応には時を要する。
「ぬう……!」
 美月の亡霊師団の砲撃部隊は見事に趙奢の近くにピンポイント砲撃を行う。それに合わせるようにバルタンのガトリング斉射が身体を貫く。この上空と地上からの二段攻撃にはさすがに被弾せざるを得ない。
「やばば、パパが出てきちゃった」
 そんな趙奢を見て焦ったニコリネ・ユーリカではあるが、2人の攻撃の様子を見て活路を見出す。ニコリネは決して趙奢を侮ってはいない。法を佳く識り、生きた兵法を操る彼は手強い。
 更に猛将の器を得て甦ったとなれば苦戦は必至、真面に戦っては勝ち目は薄い。ならば慮外の奇策を、さきほどの上空からの攻撃の如く趙奢の兵法には無い空戦に持ち込むことこそ活路を見出す。
「はたらくのりものあつまれ!」
 そう言って発動したのは能力「特種用途車輌出動!(ノリモノアツマレ)」。ニコリネの号令の下、単座戦闘機MC.200がどこからともなく現れる。
 その高速飛行する戦闘機に軽やかに乗り込むニコリネ。そのまま大空へと飛び立ち、趙国大将軍を睥睨する鉄の鳥となる。
「今日は快晴、あなたの姿もよく見えるわ!」
 美月の亡霊師団の砲撃の雨もなんのその、ニコリネのMC.200は地形と僵尸軍団を生かして立ち回る趙奢将軍を牽制する。その勇姿はまさしく、自由の翼を羽ばたかせる鳥だ。
 括れたファストバックがセクシーだが、ニコリネは見せることはない。常に太陽を背に機影を隠して、趙奢将軍の目を掻い潜る。
「くっ……!」
 さすがの趙奢将軍でもバルタンのガトリング斉射、美月の亡霊師団の砲撃弾雨には堪らない。方天画戟は両手で持つ武器故に、弾き飛ばしに使っているがあまりに攻撃の手数が多すぎる。
 故に追加のニコリネの空撃に備えるに遮蔽物へ隠れようとする。だがそれもニコリネにとっては想定内、開放式風防の広視野から移動先を予測して趙奢将軍を捉える射線へと回り込む。
「そこよ!」
 そして12.7mm機銃を斉射の轟音が鳴り響く。祖国イタリアにて「Saetta(雷光の矢)」と呼ばれた愛称の機体の本領発揮である。
 その斉射は見事に趙奢将軍の身体を貫き、その口からは血が溢れ出してくる。まさか剣でも矢でも槍でもないものが、自分の身体を射抜くとは思わなかったのか、驚愕の表情を浮かべる。
「幾星霜も前の兵法は通じないわ!」
 人類の歩みこそ、己達の武器と言わんばかりにニコリネは空へと再び飛翔する。反撃を受けないようにしっかりと退避するのはさすがとも言えるだろう。

 だが趙奢も愚かではない。すぐさま己の精鋭たる胡服騎射兵団を召喚し、態勢を立て直そうとする。恐るべき機動力を持ち、槍と騎射を行うことで遠近両方に対応できる精鋭の兵団だ。
 この胡服騎射兵団に人一倍早く反応したのが満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)だ。主戦力になりそうな人を見極め、その人が動きやすいようサポートしようと動くが故の行動だったとも言える。
「それが切り札ですか。なら潰すに限りますね」
 能力「フロッグ・イーター(ボウショクノカエル)」を発動してカエルのマスコットが動き出すものの、胡服騎射兵団の矢雨が襲い掛かる。双葉は野生の勘を持って多くを避けるものの、二、三本の矢が身体に突き刺さる。
 だが闇医者としての知識を活用して痛覚を遮断し、無理矢理動く。そしてカエルが矢を捕食したことでユーベルコードコピーの条件は整った。
「好きなだけ食べていいよ」
 そしてカエルのマスコットは胡服騎射兵団が放った矢雨を口から吐き出し、まるで再現とばかりに趙奢将軍達に浴びせてくる。まさか自分達の正確無比な射撃が真似られるとは思わずに、胡服騎射兵団は貫かれる。
 その間も双葉は活発に動き背中から暴食の化身である大蛇の如くの無数の影が生え捕食しようとし、カエルのマスコットがコピーした胡服騎射兵団の矢を再現する。そうすることで攪乱することで、エルヴィン・シュミットの動ける隙も出来たというわけだ。
「子の喧嘩に親が来た、という訳ではなさそうだな…」
 その趙奢将軍の戦い方を見ていれば、エルヴィンにも嫌というほどわかる。あれは子の尻ぬぐいに来た親の戦い方ではない。
 まさしく趙国の無念・怨念を一身に背負い、それを果たさんとする大将軍たる者の姿。数多の苦しみ、悲しみが呼び寄せたとはいえ、その姿にはエルヴィンとて畏敬を感じざるを得ない。
「事もここまで至れば言葉は無用、力を持って打ち倒すしかないようだな」
 誇りある戦いを望むべくものではない。だが怨念を打ち倒す力を持って粉砕すると言わんばかりに能力「HOLY ORDER(ホーリーオーダー)」を発動し、白銀の重装騎士団を召喚する。
 双葉の攪乱が功を制している今こそ、エルヴィンは突撃の陣形で挑むのが最善と判断する。そしてシンプルな装飾の片手半剣「ALUETTE」と腕輪型のシールド発生装置「AEGIS」を用い、号令する。
「突撃だ! 俺の武勇を持ってあの過日の将を討ち倒す!」
 それに呼応して白銀の重装騎士団が重厚な突撃を敢行する。機動力をカエルのマスコットの矢雨や大蛇の影によって封じられた胡服騎射兵団は真正面からぶつかることになる。
 知勇を兼ね備えた猛将とあらば最早小細工は通じるまい。それならば力と力、そのぶつかり合いで雌雄を決するのみだとエルヴィンはALUETTEを振るって胡服騎射兵の首を落として、趙奢に迫る。
「ここにはもう救いなどは無い…ならば、俺はこの凶行を止める!」
「この戦いを凶行と呼ぶか。ならば貴公は戦を神聖化しているにすぎん。その聖騎士気取りの兵と同じだ」
 趙奢は強烈な方天画戟の一閃を振るう。AEGISの盾によって受け止めるものの、その威力はエルヴィンの体格をもってしても吹き飛ばされそうになる。
 確かに戦とは残酷なものかもしれない。趙奢はそれをよく知っている。だが譲れないのはエルヴィンとて同じである。
「身勝手な事を言うが…その憎悪と怨嗟はここで終わりにさせて貰う!」
 身体を回転するように勢いを反らし、趙奢の方天画戟の間合いの内に入り込むエルヴィン。そこから身体にALUETTEの剣撃が引き裂く。
 思わぬ斬撃によろめく趙奢だがそれでも倒れることなく、足を踏ん張る。趙国の大将軍として、負けるわけにはいかないという矜持があるのだろう。

 それを守るように盾となる僵尸兵と胡服騎射兵団。総大将が倒れれば敗北というのがわかっているのだろう。だからこそ、彼等も退くことはない。
 歴戦とはいえ、無敵ではない。趙奢の傷ついた姿は猟兵達の士気を高める。この洛陽での戦いは、もうすぐで決着がつくであろうと誰もが予感していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

大豪傑・麗刃
なんというかモノマネ芸人の背後からご本人が現れた時ような気分だ。超シャレにならないのだ。趙奢だけに。
さておき復活したばかりではあるが、調子ゃあどうかね。

うん知ってた。このテのはネタに対して塩対応かボケ殺しだって。違うなら苦戦以下かボツもやむなし。
きみは実につまらん男だ。

(伝説の超変態人発動!)

趙奢殿への失望のため、今のわたしはキャバリア用の剣と盾すら持てる。
さて、とある軍師は大軍を動かす事に長けていたが、一個の超人相手には無力で、しばしば自分の目をもってしても見抜けないと嘆いたという。趙奢殿はどうだろうなあ。まあ精鋭僵尸胡服騎射兵とやらもろともまとめてなぎ払うのみ。これは戦闘ではない。蹂躙だ。


陸・橘子
あら? こちらが大将軍さんだったのですか?
威風堂々とした佇まい……たしかに大将軍さんっぽいのです~。

長平の戦は趙国の人としては悔いが残るのでしょうけど、
それまで他国に同じことをしてきたので、恨むことではないと思うのです。

それにあなたも、あなたの兵たちも、死と殺戮の先に救いなどないですよ?
静かに眠りにつくことが唯一の救いです。

もういちど敗北を味わわせるのは本意ではありませんが……、
それをしなければ還れないというのであれば、お相手いたしましょう。

弓兵の攻撃は【興覇】で落としますね。
矢に双錘を当てた時【錘撃衝破】を発動させて、矢を吹き飛ばしてしまいましょう。

趙奢さんとは接近戦で、しっかり戦いますね。


シーザー・ゴールドマン
馬服君。閼与の英雄か。誰もが認める名将である君が趙括を諭すことが出来ていたなら彼の未来も違ったものだったかもしれないね。まあ、名将が弁舌巧みである必要もない。なるべくしてなったという事かな。
『ウルクの黎明』を発動。
敵POWUCの胡服騎射による矢の雨を身を覆うオドの外周部に灼熱を纏わせて焼き尽くします。(オーラ防御×属性攻撃:炎)
しかる後に超音速の低空飛行により間合いを詰めてオーラセイバーによる大上段からの斬撃を。
(怪力×鎧砕き×斬撃波)

憎悪、悲嘆、怨恨か。この時代ならば仏教が伝来しているだろう。
供養でもしてあげた方が良かったのではないかね?


堆沙坑・娘娘
敵を1人1人、パイルバンカーによる【貫通攻撃】で貫いていきます。
数で押されようと四方を囲まれようと貫いて倒します。
憎悪、悲嘆、怨恨。全て私の信念で貫きます。

…そのぐらいしか、できませんから。



 洛陽を争乱に巻き込んだ趙兵の僵尸による北門による戦いは佳境を迎えつつあった。趙奢は大将軍の威風を漂わせ、猟兵達と対峙している。
 その名将としての力、軍勢を統率する力は僵尸兵の動きからしても、先の趙括とは大きく違う。加えて、猛将の器を手に入れた趙奢はまさしく知勇兼備の将であった。
 だがユーベルコードを駆使する猟兵達は武侠や仙人達を上回る。故に趙奢はその個としての戦力が軍勢を覆す超常の存在に敬意を払いつつも、それを撃滅せんと決死の覚悟を抱くに至る。
「さすがだ、趙国の行く末を阻む者達よ。だが負けるわけにはいかぬ!」
 そして趙奢は自身も騎馬に乗り、胡服騎射兵を率いて戦場を疾駆する。その機動力と弓による斉射、さらには突撃力を生かして猟兵を仕留めようと言う作戦だ。
 さらには足止めとなる趙兵の僵尸達が厄介だ。囲まれればこちらの機動力を奪われる形になるのだが、それを蹴散らす為に堆沙坑・娘娘が対処する。
「貫く」
 能力「信念(シィンニィェン)」を持って、大軍の僵尸相手に退くことはない娘娘。敵を一人一人丁寧にパイルバンカーで撃ち抜いていく。
 胡服騎射兵の矢雨に晒されようとも僵尸兵の槍に身体に傷を負おうとも彼女が怯むことはない。むしろのその不利な状況下でパイルバンカーで敵を貫くという信念を持つことこそ、身体能力を向上させていく。
「憎悪、悲嘆、怨恨。全て私の信念で貫きます」
 数で押されようと四方を囲まれようとパイルバンカーの杭は僵尸に穴を開け続ける。娘娘のやるべきこと、頼るべきものは己が持つパイルバンカー神仙拳の腕前のみ。
 趙奢には近づくことができなくても、障害となる敵を屠ることはできる。故に娘娘は不利な状況になっても笑う。
「…そのぐらいしか、できませんから」

 そんな娘娘の奮戦とは別に、大豪傑・麗刃はいつものように飄々としている。いや、自身が趙括の当てつけとして呼び出した趙奢の幻影だったが、本物が現れてびっくりしたというやつか。
「なんというかモノマネ芸人の背後からご本人が現れた時ような気分だ。超シャレにならないのだ。趙奢だけに」
 おそらく仲間の誰かが聞いたら寒いと断言するであろうギャグを呟く麗刃。そんな様子は気にしないとばかりに、趙奢の様子を伺う麗刃。
 その戦いっぷりはまさしく猛将。それでいて胡服騎射兵団を率いて矢雨を飛ばし、猟兵を翻弄する機動力は復活したばかりとは思えないものを感じさせる。
「うん知ってた。このテのはネタに対して塩対応かボケ殺しだって」
 違うなら苦戦以下かボツもやむなしと内心でメタに思っている麗刃。趙奢は全力で麗刃を屠ろうとし、ジョークもギャグも介そうとはしない。
 それは武人としては当然の帰結であった。だがその渾身のギャグが受けなかった悲しみと怒りの感情が爆発した時、能力「伝説の超変態人(デンセツノスーパーレイクン)」が発動する条件が整う。
「きみは実につまらん男だ」
 そして趙奢への一方的な失望は麗刃の身体サイズが高まっていく。もはやキャバリア用の剣と盾すら持てるほどにまで成長するほどの感情の高まりである。
 そのキャバリア用の剣は突撃してくる胡服騎射兵を騎馬ごと薙ぎ倒したりもするし、矢雨も盾で防ぐこともできる。まさしく巨人と小人との戦いのようであった。
「なるほど、これが猟兵か」
 そう言って趙奢は方天画戟で麗刃のキャバリア用の剣と真っ向に撃ち合う。どう反応するかと伺っていた麗刃にとっても意外なことである。
 とある軍師は大軍を動かす事に長けていたが、一個の超人相手には無力で、しばしば自分の目をもってしても見抜けないと嘆いたという。だが趙奢はそんな嘆きとは無縁であると麗刃も認めたようだ。
「まあ精鋭僵尸胡服騎射兵とやらもろともまとめてなぎ払うのみ。これは戦闘ではない。蹂躙だ」
 だがそれならばやり方もあるというもの。将自体が倒せなくても、その手足となる精鋭を削っていけば自ずとその生命にも届く。
 趙奢の戦力を削り、徐々にその手に王手をかけるべくキャバリア用の剣を振るい続ける麗刃。その剣は趙奢の手足となる胡服騎射兵をどんどん屠っていく。
「あら? こちらが大将軍さんだったのですか? 威風堂々とした佇まい……たしかに大将軍さんっぽいのです~」
 そして麗刃が激戦を繰り広げている所に乱入してくるのは陸・橘子だ。双錘『興覇』で降り注ぐ胡服騎射兵の矢を叩き落しながらも戦場を駆ける。
 さきほどの趙括とは別な意味で厄介な威風を放つ趙奢。それは真の大将軍だけが放つ、周りの兵をも精鋭化させるカリスマを有しているというのは橘子にも感じ取れる。
「長平の戦は趙国の人としては悔いが残るのでしょうけど、それまで他国に同じことをしてきたので、恨むことではないと思うのです」
 槍を突きたてようとする胡服騎射兵を興覇で叩き潰しながら、橘子は趙奢に語り掛ける。その錘が届く前に趙括は方天画戟をぶつけて撃ち合う。
 趙国にとっては長平の戦いは確かに悲劇であった。だが橘子の言うことは事実でもあり、趙国も戦国七雄らしく侵略戦争も仕掛けた経歴もある。同じような悲劇を巻き起こしたこともあるだろう。
「それにあなたも、あなたの兵たちも、死と殺戮の先に救いなどないですよ?」
 優しく語り掛ける橘子。その言葉とは裏腹に興覇を撃ち込む攻撃は苛烈であったが、確かなる憐憫を趙奢は感じ取っていた。
「そうかもしれぬ。だが趙国大将軍として、聞けぬ言葉だ」
 趙奢は橘子の言葉を、猟兵の慈悲を拒絶する。確かに静かに眠りにつくことが唯一の救いなのかもしれない。
 それは趙奢とて理解している。だがオブリビオンとしての本能、大将軍としての矜持はそれを許すことはない。
「もういちど敗北を味わわせるのは本意ではありませんが……、それをしなければ還れないというのであれば、お相手いたしましょう」
 そうして飛来する胡服騎射の矢雨に対して、橘子は能力「錘撃衝破(スイゲキショウハ)」を発動させ、興覇にて弾く。集束された重力波は矢を弾き飛ばし、別の胡服騎射へと跳ね返す。
 そうして射手を減らし、方天画戟を振り下ろす趙奢に対しても重力波を纏った拳を炸裂させる。そうして武器を弾き飛ばした後で、強烈なる大錘の打撃が趙奢に突き刺さる。
「ぐっ……!」
 さすがの趙奢もこれにはバランスを崩さざるを得ない。主を守ろうと胡服騎射兵が襲い掛かるが、巨大化した麗刃のキャバリア用の剣にて刈り取られていく。
 そんな趙奢将軍の前に現れたのは、戦場においても優雅な姿勢を崩しはしないシーザー・ゴールドマンだ。その大将軍に対しても不敵な笑みを崩さずに口を開く。
「馬服君。閼与の英雄か。誰もが認める名将である君が趙括を諭すことが出来ていたなら彼の未来も違ったものだったかもしれないね」
「……そうかもしれぬ。だがそれはもはや過ぎ去りしことだ」
 趙括が将軍に抜擢された時はすでに趙奢はこの世にいなかった。趙括が将軍に任命されそうになった時は妻に止めるように遺命を出しながらも叶わなかった。
 馬服君、閼与の英雄と呼ばれようとも、趙奢は満足することなどできる未来ではなかった。だからこそ、この戦場に再び立っているのかもしれない。
「まあ、名将が弁舌巧みである必要もない。なるべくしてなったという事かな」
 そう意味ありげに笑いながら、シーザーは能力「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」を発動させる。後は言葉ではなく、戦いにて語ろうと言わんばかりに。
 輝く真紅のオーラを纏いながら、高速で飛翔するシーザー。その突進を止めようと胡服騎射兵の矢雨が降り注ぐが、それを身を覆うオドの外周部に灼熱を纏わせて焼き尽くす。
「楽しませて貰おうか」
 もう少し弾幕が多かったら結果は違ったのだろうか。だがすでに多くの胡服騎射の精鋭達が麗刃によって討ち取られている。
 その突撃を止める壁が厚ければ、趙奢の接近はなかったのだろうか。だが娘娘が群がる僵尸兵をパイルバンカーによって粉砕して救援にはいけない。
 シーザーのオーラセイバーの大上段を方天画戟にて受け止める趙奢。だが橘子の興覇の打撃はその身体にしっかりとダメージを刻み、先の猟兵のダメージも追い打ちをかける。

 超光速の低空飛行で胡服騎射兵を潜り抜け、そのままの勢いで振り下ろした斬撃は、方天画戟を押し込み、趙奢の身体を引き裂く。肩から腹部にまで達する、まさしく致命傷だ。
「憎悪、悲嘆、怨恨か。この時代ならば仏教が伝来しているだろう。供養でもしてあげた方が良かったのではないかね?」
 そんなシーザーに趙奢は笑う。この怨恨を収めるにそれで足りるとは思っていなかった。だからこそ趙括は供養ではなく、復讐を選んだとも言える。
 だが武人として敗れた今は、もはや趙奢に語る言葉はない。敗れたからには戦場にて散る者として、ただ去るのみだ。
「……戦場にて散るは武人の本懐。なればこそ、長平の怨みはここで潰える、のみ……」
 趙奢将軍が崩れ落ち、その身体は灰となって散っていく。それは長平の大地から蘇りし僵尸兵達も同様であった。
 率いる者がいなくなった。怨みの楔となる者がいなくなれば、この大軍を支えることなどできない。何より戦で敗れた以上は、将に殉ずるのみというのが兵士なのだろう。

 その最後には猟兵達にも感じ入るものがあった。だがまだ10万20万を超える大軍であった故に、それが滅びた洛陽北門は勝利の歓声が響き渡る。
 そう悪は滅びた。脅威は去った。猟兵達も歓待の声を持って迎えられ、報酬も多く支払われることだろう。
 それでも長平の趙兵達の怨念の声を忘れてはならないと思った。戦いは悲劇を生み、あれほどの残虐を巻き起こすこともできるのだからという思いと共に、猟兵達は洛陽の門をくぐるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年04月21日


挿絵イラスト