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悲しみの果てに

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #マーダー・ラビット #時計ウサギ

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#時計ウサギ


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「……この扉も違った……」
「アリス、気を落とさないで」
 帰り道が見つからず、落ち込んだ様子のアリスを励ましながら進む一行。次の扉へと進む狭間の世界で、ふっと時計ウサギが笑みを零す。
「貴女がそんなだから見つからないのでは?」
「おい、酷い事言うなよ!」
 掴みかかる仲間をうざったいと言わんばかりの様子で払い除けると、時計ウサギは大きく手を広げて嗤う。
「本当のことを言ったまでですよ~。それに、いい加減飽きちゃいまして……そんな訳で、そろそろ皆様ともお別れの時間となりました!」
 アリス一行はあまりの言い分に呆然とその姿を見ているしかできない。
「僕って時計ウサギじゃないですか~? ウサギ穴って、僕らが先導しないと通れないんですよ。じゃあ今みたいなウサギ穴の真ん中で、時計ウサギが居なくなったら、一体どうなると思います?」
 いきなりアリスの顔を下から覗き込む時計ウサギ。驚いて身を引いたアリスに向かって、わざとらしい動きで首を振ってみせる。
「残念、正解は「骸の海の藻屑と化す」でした〜! てなわけでばいばい! まあ、来れないと思うけど次の扉で待ってるから、頑張って殺されに来てね~」
 扉が閉まった瞬間、叩きつけるような強い風が吹く。顔を庇ったアリス達は風が止まると辺りの景色が一変している事に気付いた。
 刺々しい茨に囲まれた、小さな空き地。出るためには茨を搔き分けなければならないだろう。
「アリス、とにかく前に進もう?」
「う、うん……痛そう、だけど……」
 そっと茨に触れるアリス。ちくり、と刺が指に刺さり――聞こえる筈の無い声が聞こえる。
「いらない子」
「お前なんてどっかに行ってしまえばいいのに」
「居場所なんてあるわけないよ」
 どこかで聞いた言葉。心を刺す言葉。俯くアリスに聞こえる最後の一言は。
「貴女がそんなだから、扉も見つからないんですよ」
 マーダー・ラビットの放った一言。アリスが膝を抱え座り込めば、茨がその周りを包んでいく。仲間たちすら近寄れないほどに深く、時折吹く風に揺れれば刺が刺さり、決して悲しみを忘れさせないように。

「アリスラビリンスでまた猟書家の侵略があるようなの」
 御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)が集まった猟兵を前に説明を始めた。
「マーダー・ラビットがアリスを扉と扉の間に置き去りにしてしまったの」
 時計ウサギの案内が無いまま彷徨い続けるならば、何れ骸の海に飲み込まれてしまうだろう、助けてあげて欲しいと雪音は言葉を続ける。
「アリスは今、悲しみの茨の中に閉じこもってしまってるみたい。その茨は触れれば過去の悲しみを思い出して……振り切る事が出来なければ、自身の心の中に囚われてしまうようね」
 肌が触れるだけではなく、武器が絡んでも反応するらしい。過去と対峙し、乗り切れれば茨を破壊する事が出来るだろう。
 転移の光を生み出すと、雪音は目を伏せ祈るように手を組んだ。
「一度は乗り越えてきたものだから、溺れてしまいはしないと信じてるわ。行ってらっしゃい、気を付けて」


真空。
 真空。(まそら)と申します。

 アリラビ猟書家シナリオです。
 第1章:悲しみの茨を抜けろ(冒険)
 第2章:対マーダー・ラビット(ボス戦)
 となっております。

 全章共通のプレイングボーナスは【アリス御一行にも手伝ってもらう】です。
 1章では励ましてくれたり。
 2章では気を引いたり等してくれるかと。

 断章無しで公開された時点から受付開始となります。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
 あまり大人数だと難しいです、すみません……。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 冒険 『悲しみの茨の道を超えて』

POW   :    悲しみの茨を無視して道を無理やり通りきる

SPD   :    悲しみの茨を物理的に切ったりして道を通る

WIZ   :    茨に触れて悲しみを乗り越えて通る

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シウム・ジョイグルミット
[POW]
あのウサギ、またアリス達を困らせてるんだねぇ……
まあ、何度やったって思い通りにはさせないけど♪

邪魔してるのはこの茨かー
時計ウサギのボクが来たことで、ウサギ穴が少し安定してくれないかな
でも茨は完全に消えないだろうし、『Hungry Dumpty』の出番だね
刺が刺さっても痛くないようにマシュマロに変えて、アリス達のところへ進んでこー

アリス発見、大丈夫?
辛いことがたくさんあったんだね、悲しい顔してる
でもほら、周りを見てみてー
今いるのは茨じゃなくて、一緒に冒険してきた仲間たち
キミのことをすごく心配してたよ、それって嬉しいことじゃない?
だから笑顔になろう、嫌な気分が飛んでいっちゃうくらいのね♪



「あのウサギ、またアリス達を困らせてるんだねぇ……まあ、何度やったって思い通りにはさせないけど♪」
 アリスを包む茨の茂みを前にシウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)は立っていた。
「邪魔してるのはこの茨かー、時計ウサギのボクが来たことで、ウサギ穴が少し安定してくれないかな」
 既に動き始めた歪みを完全に止めることは出来ないが、居ないよりはましだろうと周囲の様子を確認しながら、茨の奥を透かし覗く。
「骸の海に落ちることは無いだろうけど、……茨は完全に消えないだろうし、『Hungry Dumpty』の出番だね」
 シウムは少し下がり、茨との間を空けると意識を集中させユーベルコードを起動する。
「これお腹減るからあんまり好きじゃないんだけど、使うしかないかぁ……よーしやっちゃえ、みんな食べちゃえ♪」
 シウムが手を上げると、どこからか沢山の食器が召喚され山になって集まっていく。やがて、手足の生えた巨大な口という姿を取ると、茨へ向かってずんずんと進んで行った。
「うぅ……お腹空いた……けど。やっちゃえー」
 ばくり、と茨を一口にするハングリィ・ダンプティ。井畑に触れてはいるが、シウムと繋がってはいないので悲しみの茨の効果を受けることは無い。伸ばした手が茨に触れれば、そこからマシュマロに変わってぽろぽろと地面に落ちていく。白いマシュマロが散らばるぽっかりと開いた道を通って、シウムはアリスを探す。
 暫く奥へ進むと僅かに開けた場所、その中心にアリスが膝を抱えて座っていた。ハングリィ・ダンプティにはアリスの仲間を探してもらい、シウムは一人、驚かさないようにそっと近付く。
「大丈夫? 辛いことがたくさんあったんだね、悲しい顔してる」
 アリスは顔を上げる事無く、腕にぎゅっと力を入れて縮こまる。そんな姿にシウムは更に近付き、同じように膝を抱えて横に座る。
「でもほら、周りを見てみて?」
 そっと促すシウム。無理強いはせずに、顔を上げるまでじっと待っていると、アリスはそろそろと僅かに顔を上げた。その目に映るのは。
「今周りにいるのは茨じゃなくて、一緒に冒険してきた仲間たち。キミのことをすごく心配してたよ、それって嬉しいことじゃない?」
 ハングリィ・ダンプティが周りの茨を片付け、仲間たちをここまで連れてきていた。心配そうな、泣きそうな顔をしてアリスを見つめている。心配し過ぎて、近寄ることも躊躇われる、そんな様子で。
「皆待ってたよ。だから笑顔になろう、嫌な気分が飛んでいっちゃうくらいのね♪」
 シウムが笑顔で励ますと、アリスは暫し迷った後、微かに強張った笑みを浮かべた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トゥルリラ・トゥラリラ(サポート)
 堕天使の四天王×殺人鬼、17歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、キミ、なの、よ、なのね、なのよね?)」、戦闘中は狂える殺人鬼「私、相手の名前、呼び捨て、なの、よ、なのね、なのよね?」です。

性格は明るく無邪気ですが、殺人や殺戮は遊びとして認識している危険人物です。
【地の魔王】と呼ばれる魔王に仕えていて、その魔王に心酔しています。
実は語尾がおかしい事を気にしています。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


雛里・かすみ(サポート)
 バーチャルキャラクターの戦巫女×UDCメカニックの女性です。
 普段の口調は「明るく朗らか(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
寝起きは「元気ない時もある(私、あなた、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

明るく朗らかな性格の為、
男女分け隔てなくフレンドリーに会話を楽しみます。
どんな状況でも、真面目に取り組み
逆境にも屈しない前向きな性格です。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 茨を前に、二人の猟兵が立つ。
「この奥にアリスちゃんがいるのね?」
 トゥルリラ・トゥラリラ(鏖殺の堕天使・f31459)は大鉈を構えたまま首を傾げる。どう見ても道が存在していないのに、どうやってアリスは中に入ったのだろう?
「早めに通り抜けないと、勝手に再生するのかもしれませんね、急ぎましょうか……この地に眠る霊達よ、私に力を貸してね!」
 雛里・かすみ(幻想の案内人・f24096)は辺りの様子を確認し、目を閉じると周囲の霊達へと呼びかける。かすみの声に反応し、力を貸そうと現れた彼らは炎を纏っていた。
「なるほど、燃やしちゃえば触らないですむのね?」
 トゥルリラの言葉に頷くかすみ。指で進行方向を示し、道を開く様にお願いすれば、霊達が真っ直ぐに茨を燃やしていく。やがて、向こう側に少し開けた場所が見える――がそれと同時に入り口近くの茨が再生し始めている事にも二人は気付いた。
「行きましょう!」
「うん!」
 茨に触れず駆け抜ける二人。一気に開けた場所までたどり着けば、未だ悲しみに囚われたままのアリスの姿があった。一緒に旅してきた仲間が横から声をかけているが、反応が薄い。
「落ち込んじゃってるのね……うーん、魔王様ならこういう時なんて言うだろ」
 トゥルリラが近付き、膝を抱えるアリスの顔を覗き込む。薄く閉じられ、何も映してい無さそうな瞳に眉を顰めると、正面に膝をつき肩を揺さぶる。
「悲しいのが嫌なら、悲しいの元を殺しちゃえばいいのよ?」
 いくらでも手を貸すのよ、と殺戮の天使は金色の髪を揺らし無邪気に笑う。要らないものは壊して捨ててしまえばいいと。青い瞳が誘う様に瞬く。
「まあ、嫌な思いをするのなら関わらないのが一番ですが……アリスさん、ここに居てもどうにもならない事は分かってるんですよね? 貴女には仲間がいるって言う事も」
 かすみも明るく輝く大きな瞳で真っ直ぐに視線を合わせ、安心せるように微笑みながら声をかける。ふわりと振られた袖から桜が香り、アリスが微かに鼻を動かした。合わせて仲間たちも励ましの言葉を向ければ、僅かにアリスの顔が上がる。
「……でも、どうせ死んじゃう。ここから出ても、あのウサギに殺されちゃう」
「させませんよ」
「ああ、あのウサギね? こっちが殺しちゃえばいいのよ」
 アリスの発言を即座に否定する二人。殺させはしない、貴方を助けると力を込めた言葉に、少しだけアリスの目が向けられる。
「本当に? 助けて、くれるの?」
 まだ迷いを見せるアリスに二人は頷く。大丈夫、先へ向かおうと手を伸ばす。周囲にいるアリスの仲間たちも立ち上がり、歩き出そうと笑いかける。
 そんな皆の姿を見て、アリスも恐々とした様子ながら立ち上がった。怯えた様に握られた手を、仲間たちが取り勇気づける。
 再び茨を燃やし、道を作る。進んだ先にあったのは、大きな扉。狭間からの出口、そして決戦の場へと繋がる道。
 アリスと猟兵達は、一度顔を見合わせると大きく頷いて、扉を開き中へと飛び込んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『マーダー・ラビット』

POW   :    きす・おぶ・ざ・です
【なんとなく選んだ武器】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    ふぁんとむ・きらー
【糸や鋏、ナイフ等】による素早い一撃を放つ。また、【使わない武器を捨てる】等で身軽になれば、更に加速する。
WIZ   :    まさくーる・ぱーてぃ
自身の【殺戮への喜びによって瞳】が輝く間、【自身の全て】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠終夜・嵐吾です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

火土金水・明
「悲しみの茨の時に協力をすることができなかった分、猟書家との戦闘で全力を出すことにします。」(可能であれば、アリスさん達に攻撃する素振りをしてほしいのですが、危険が伴うのでしたら中止をしてもらって構いません。)
【SPD】で攻撃です。
攻撃方法は、【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の旋風】で、『マーダー・ラビット』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【残像】【オーラ防御】【見切り】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等は、お任せします。



 開いた扉の先は真っ白な空と、石ころが目立つ赤い草の草原。現実世界ではあり得ないその場所で、マーダー・ラビットが正面に待ち構えていた。
「おやおや、出口に来ちゃいましたかー……仕方ないですねえ、役立たずのアリスは僕がちゃんと殺してあげないと」
 ちゃきり、と鋏を鳴らしながらけらけらと笑うマーダー・ラビット。そんな姿を見たアリスは怯えた様に立ちすくんでしまうが。
「ちょっと遅れてしまいましたね」
 すぐ後ろに開いたままの扉から、ふわりと風が吹く。勢いよく飛び出してきたのは、魔法の箒に乗った火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)だ。
「悲しみの茨の時に協力をすることができなかった分、この戦闘で全力を出すことにします」
 アリス達を庇う様にマーダー・ラビットの前に降り立つと、すらりと銀色に光る剣を抜く。
「大丈夫です、あんな奴の言う事を聞くことは無いですよ。茨を抜けだしたあなた達は弱くなんてない」
 背中越しにかけられた言葉に、庇われたアリス達もはっと向き直る。まだ笑い続けているマーダー・ラビットへと目を向けると、何か手助けになればと足元の石を拾い全員で投げつけ始める。
「うわ、痛い痛い痛い!?」
 意外と肩が強かったアリス。結構な勢いで飛んでいった石が直撃し、思わず身体を庇うマーダー・ラビット。
「チャンス、ですね」
 明が駆ける。正面から近寄った明をナイフが貫くが、そこにいたのは残像。フェイントをかけた本人は既に横に回ると銀色の旋風を発動し、銀の剣が驚愕に顔を歪めるマーダー・ラビットを十字に切り裂いた。
「がああぁっ!? よくも…やってくれましたねえぇ!」
 傷を抑え、手を赤く染めならが明を睨むマーダー・ラビット。対する明は涼やかな笑みを口元に浮かべて肩を竦めた。
「残像に惑わされたあなたの負けです」

大成功 🔵​🔵​🔵​

雫石・凛香(サポート)
アドリブ・MSの解釈による下記に沿わない動きも歓迎
貴方の書く雫石凛香が見たいです

オブリビオンへの恐怖で眠れなくなった姉のために戦う妹キャラ
性格はクール枠。冷静に物事を見て、必要そうな行動をとれます
敵への態度は苛烈。相手に事情があろうと容赦なし
子供故の短絡さもあり、口が上手い相手だと挑発に乗せられるかも…

魔剣【鞘】という凛香の意思に従い姿を変える剣での形状変化による攻め手の多さとスピードで勝負するタイプ
逆に相手の攻撃を剣で受ける行為はパワー不足でほぼ不可能

UCは基本的に妖剣解放のみ
高い機動力で相手をかく乱し、衝撃波でヒット&アウェイが基本戦法

動きを封じることで先の展開が有利になれば剣戟結界も使用



 血を流しながらも、攻撃の合間に息を整えるマーダー・ラビット。下がり気味の視界に、小さな足が入りこむ。
 雫石・凛香(鞘の少女・f02364)が黒い袖から伸びる細い腕で鞘に納めたままの刀を構え、目の前に立っていた。
「おやおやおや、アリスより小さなお嬢さんが何の用だというのでしょう? 僕に殺されに来たんですか?」
 まだ幼い少女を目の前にして、形勢を立て直すチャンスと見たのか僅かに笑みを浮かべナイフを構えるマーダー・ラビット。
「……見た目で判断するなんて、馬鹿な人ね」
 柄を握りゆっくりと鞘を引き抜く。現れた刃は、細く鋭い……敵の速度に対応するための形。
「何とでも言えばいい……ふふふ、さあ切り刻んでしまいましょう!」
 言うなり、凄まじい速度で距離を詰めるマーダー・ラビット、しかし凛香も負けていない。刃を顕現させた時点で彼女の力は解放されており、高速での移動を可能としていたのだ。
 振るわれるナイフを腕の下を潜る様に避けて、逆に斬りつける凛香。その刃を辛うじて躱し、ナイフを捨てると鋏を取り出して突き刺そうと動くマーダー・ラビット。下がって見ていたアリス達にはもう何が行われているの捕捉する事すら出来ない戦い。
「なかなかやりますねえ!?」
「……無駄口、要らない」
 不要な武器を投げ捨て、更に速度を上げるマーダー・ラビットに対し、一度距離を開くと刃を振るって衝撃波を放つ凛香。その攻撃は命を削って行われているが、赤く輝く瞳は一切力を失っている様子は無い。
「終わりにするわね」
 衝撃波でマーダー・ラビットの足元を削り、バランスを崩させる。今度は逆に凛香が距離を詰めると、両手で構えた刀を横薙ぎに振り抜いた。
「っあああああぁぁっ!!!」
 ざっくりと服が裂け、血が飛び散る。よろけながらもどうにか踏みとどまったマーダー・ラビットだが、かなりのダメージを与えたようだ。
「さあ、続けましょう」
 凛香は全く表情を変えぬまま、振り切った刃を構え直した。

成功 🔵​🔵​🔴​

睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します

他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします


リディア・スカーレット(サポート)
 ダンピールのビーストマスター×パラディン、女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 恋人には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

静かな場所や花などの自然が大好きです。
人との会話は淡々とこなし、あまり私情を入れない様にしてます。
仲間は大切に思っており、仲間とは協力し合い
依頼の成功を目指します。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 かなりのダメージを受けながらも、マーダー・ラビットはアリス達を睨みつけ、近寄ろうと足を踏み出す。
「ふふ……ふふふふふ、許しませんよ。役立たずのお前なんかは僕が殺してあげないと存在の意味すら……」
「させると思うの?」
 真紅の刃が行く手を遮った。軽々と片手でそれを持ち、道を塞いだのはリディア・スカーレット(孤高の獣使い・f24325)。
「これ以上は進ませないわ」
 柄を握る手に力を籠め、気合を入れたリディアの翠玉の瞳がじわりと染まる様に柘榴石へと変化する。呼吸を整える口元から僅かに伸びた牙が覗いて、吸血鬼の血統が覚醒した事を明かす。
「そんなものでどうにかできると思わないで下さいねえぇ!」
 リディアの変化に一瞬気を取られたマーダー・ラビットが手元に残っていた鋏を握りしめ、リディアへと襲い掛かろうとしたその瞬間。異質な空間に不似合いな位に、透き通った伸びやかな声が響く。
「聴こえますか?私の歌が!」
 アリス達とも、対峙する二人共と違う方角から姿を現し、睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)が歌う殲術再生歌は祝福の、希望の歌。アリス達の道行きが正しく在らんと願う気持ちを、猟兵の勝利への一足早い寿ぎを。そして、歌を聴いて希望を持ち直したアリス達に、確りと頷いたリディアの身に、更なる力が宿る。
 構わず振り下ろされる鋏をリディアが避ける。そこに、アリス達が投げる石が降り注ぎ、マーダー・ラビットがたまらず距離を開くと、リディアが逆に距離を詰めるように飛び掛かり剣を振るう。巨大な真紅の刃がマーダー・ラビットの身体を裂く。血飛沫が白い空に跳ね散り、僅かの後に石ころを染めた。無言で落とした鋏を拾い直し、立ち上がるマーダー・ラビット。その動きは鈍く、限界が近い事を思わせる。
「いい加減諦めたら良いんじゃないでしょうか? 立ち上がるのもやっとみたいなのに……」
 鬼気迫る様子に文音がもう止めろと警告するも、聞き入れる様子は無い。むしろその姿とは裏腹に口元には笑みを浮かべ、ふらつきながらも鋏を鳴らして文音へと向けてくる。
「何を言ってるんです? こんなに楽しいのに……最高ですよ、こんなに面白い殺し合いが出来るなんてねえ」
 ポケットからさらにナイフを取り出す様子に、リディアが剣を構え直す。文音も何時でも歌えるよう、僅かに下がるとアリス達を庇うような位置へと動いて。
「さあ、続けましょう――どちらかが消え去るまで」
 身体を真っ赤に染めて、マーダー・ラビットが歪に笑った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 アリス達へとふらふらと歩み寄るマーダー・ラビット。対するアリス達は、もう怯える事無く石を構え、時折投げつけては牽制しつつ後ろへと下がる。その距離は次第に開くが、マーダー・ラビットは全く構う様子が無い。
「追いかけっこは意味がないですよー、僕早いですからすぐに捕まえて殺しちゃいますので」
「そんな事、しない! あなたに殺されたりなんてしない!」
 再び石を投げようと力を込めてマーダー・ラビットを睨むアリスの視界に、緑の風が過ぎる。
「そうね、貴方は此処で終わりだもの」
 星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)が流星の輝きを放つライフル銃を手に、アリス達の盾として立ち塞がった。
 開いた距離は杏梨にとってはは好都合、ライフルを構えそれ以上近寄らぬよう分かりやすく手を動かして狙いを定める。
「これ以上アリス達に危害を加える事は許さないわ」
 落ち着いた声音は、アリス達の緊張感を僅かに解し、戦闘の状況を眺める余裕を作る。邪魔にならないよう音を立てないよう気を付けながら、ゆっくりと下がってマーダー・ラビットの攻撃の範囲から逃れていく。
「また邪魔者ですか……イイ加減鬱陶しいんだよ!!」
 叫び、ナイフを握ると走り出すマーダー・ラビット。狙いをずらそうというのか、僅かに蛇行しつつも近寄ろうとしたのだけれど。
「そんな事で私の狙撃からは、逃れられるとは思わない事ね!」
 ぴたりと構えた銃は揺らがない。放たれた弾丸は白熱の炎を纏うと、マーダー・ラビットへと真っ直ぐに向かい、着弾したと同時、下の草も巻き込んで盛大に炎を噴き上げる。
「……!!!」
 何かを叫んだようだが、炎にかき消された声は届かない。暫くして、陽が治まった後には焦げた一丁の鋏が落ちていた。
「終わった、わね」
 杏梨が振り返るとアリス達が近寄ってくる。その様子は疲労は見えるものの前を向く力は確りと宿しているようだ。
 僅かに離れた場所に、次の世界へと向かうための新たな扉が出現する。半ば開いた扉の向こうからそっとこちらを窺っているのは扉を開いた時計ウサギだろう。
「さあ、進みましょう……きっと貴女の扉は見つかります」
 手を差し出す杏梨。そっとその手を握り返したアリス達は、扉へと向かい歩きだした。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月08日
宿敵 『マーダー・ラビット』 を撃破!


挿絵イラスト