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悪を行うべし、たとえ世界が滅ぶとも

#デビルキングワールド

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#デビルキングワールド


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●社会あるところに法あり
 とある法治国家の国立大学。そこで国主自らが法学部主席に個人授業を施していた。
「まず『法律なければ犯罪なし。法律なければ刑罰なし』、罪刑法定主義と言い、法が定められない限り何をなそうとそれは法的には悪事とはならないという考え方である」
「つまりデビルキング法に従って悪いことをするのは犯罪ではないということですね!」
「次に『後法は前法を廃止する』、新しい法が制定された時、それが前法と衝突する場合後に制定された方が適用される」
「法律家は新し物好きなんですね法皇様!」
「最後に、『国王といえども神と法の下にある』。如何な身分、立場のものであろうと、何人たりと法の定めるところをないがしろにすることは出来ないという思想だ」
「はい! 私も頑張ってデビルキング法に従って悪いことをしています!」
 乳を天秤に乗せたけったいな恰好をした白肌の女の講義を真剣に聞く白いドレスの少女。なお聞いてはいるが理解できているかどうかは別問題である。
「纏めると、隣国を制圧しそこに我らの法を発布すれば、法に背くことなく悪事を働くことができる。『悪法もまた法なり』だ」
 完全に詭弁だが、悪だの罪だのがふんだんに盛り込まれた講義に少女はキラキラと目を輝かせている。ちなみに法皇は仏教用語であり法律用語ではないのだが、どちらも気にしていないらしい。
「ではこれより隣国へ向かう。『よき法律家は悪しき隣人である』。出席カードを提出してから来るように」
 こちらもこちらで根は真面目なのかカードの提出を要求する白肌の乳悪魔。正子と書かれた上に二重線をひいてご丁寧に訂正印まで押してから別の名前を書いたカードを渡し、二人は共に隣国との国境へと向かうのであった。

●訴えがなければ裁判はない
「皆さん、お疲れ様です……今日は、デビルキングワールドでの依頼です……」
 そう言って一礼するアレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)だが、その顔は妙に険しい。
「今回はある新興国家を起こしたオブリビオンが、配下と共に隣の国へ攻め込もうとしていますので、それを止めていただきます。まずは攻められる方の国へ行って現地の悪魔を味方につけてください。場所は『ひんぬーの国』といいます」
 その言葉に、アレクサンドラの胸に納得と憐みの視線が注がれる。
「貧乳ばかりが生まれ貧乳を至高とする悪魔たちですが、やっぱりデビルキングワールド民なので悪い事に憧れます。説得したり騙したり力で従えたり、悪さを見せつけたりしてください……ちなみに巨乳も割と悪の範疇です……」
 誠心誠意説得するよりいかに自分が悪いかを見せつけた方が通じやすいのは最早お約束だろう。
「そうしたら敵襲となります。最初に出てくるのは、『血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』』というそこそこの胸を持つ悪魔です。彼女は一人ですが、多くの配下をけしかけ集団で戦ってきます。あ、彼女は吸血鬼とかではなく、ただちょっとそれっぽい言動をするだけの一般悪魔です。配下は下心込みでくっついてきた少年悪魔とペットの犬猫と頑固なおじいちゃんの幽霊です」
 とりあえず、そんなんでも一応そこそこの強さはあるらしい。
「そして彼女を退けたら、国主であるオブリビオンの『『豚房流半棒術士』子豚・ユーステミシア』が出てきます。彼女は乳を乗せている天秤をばらして短棍と防具として使ってくるようです。他にもこちらの攻撃のコピーや自身の配下である陪審員を読んでの攻撃も行ってくるので、注意してください」
 こちらはオブリビオン故容赦の必要は一切ない。とはいえその力はアリスマリアより上だ。油断は禁物だろう。
「ユーステミシアは、ひんぬーの国をはじめとして各国を制圧。その上で巨乳優遇制や乳による身分制度などを敷いて原住民を迫害、搾取、集めたDでカタストロフを起こそうと企んでいるようです」
 何とも回りくどい計画だが、いずれカタストロフにつながると言うのであれば捨て置けない。
「ちなみに国はユーステミシアが作ったものなので、彼女を倒せば勝手に解体されるか、それこそアリスマリアが次の王になって適当にやってくかもしれません。別に従っていた人たちがどうなるとかはありませんし、ひんぬーの国とも遺恨は残りません。デビルキングワールドの戦争なんてそんなものです……」
 悪い奴が魔王を名乗って国を興し、昨日戦争を始めて今日終わる。デビルキングワールドでは日常の風景だ。一々それを後まで引きずる者はこの世界にはいない。
「ひんぬーの国の人はもとより、アリスマリアもただの一般人です。騒ぎが終われば勝手に日常へ戻っていくでしょう。ただ許せないのは巨乳悪魔のみ。皆さんどうか、この巨乳にだけ有罪判決の上死刑を執行してきてくださいませ……」
 殺意を込めてそう言うと、アレクサンドラは猟兵たちをデビルキングワールドへと送り出した。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。気が付いたら二連続で乳シナリオ。
 今回はデビルキングワールドで、新興国(人口100人弱)を興し貧乳国へ攻め込もうとする巨乳悪魔を退治していただきます。

 第一章では『ひんぬーの国のあくまちゃん』たちに戦争が迫っていることを伝えた上で彼女たちを味方につけてください。集団戦となっていますが、実際は冒険シナリオに近いですので、戦闘以外の手段でもOKです。贈賄、恫喝、暴力などなど、悪ければ悪いほど上手くいきます。彼女たちは貧乳を至高とし巨乳を羨んだりはしませんが、根はやはりデビルキングワールドの悪魔なので、巨乳なんかの言いなりになるなんてなんて悪! とか言えばコロっといっちゃいます。

 第二章では『血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』』との戦闘。国内トップ(一校中一位)の大学の法学部主席(在籍者数一名)で、法律に関する諺を言いたがりますが割と間違えて覚えてます。アリスマリアは一人しかいませんが、眷属(と言う名のスケベ少年やペット、おじいちゃんの幽霊)を召喚し集団で襲ってきます。本人もちょっと自分の設定を大仰に盛ったりしつつ戦えます。前章で味方につけたあくまちゃんが協力してくれますので、共に撃退してください(あくまちゃんは指示に従う他、本来の集団戦で使えるユーベルコードを使えます)。ちなみに彼女の本名は正子といいますが、そこに言及するとキレます。あとそこそこ巨乳。

 第三章では国主の『『豚房流半棒術士』子豚・ユーステミシア』との戦い。彼女は法を司る法の悪魔であり、普段乳を乗せている天秤をばらし短棍と防具にして戦う武術家としての側面もあります。彼女も法律に関することを多く言い割と知識も正確ですが、法の用い方の一つとしてわざと曲解してきたりもします。布く法律は巨乳優位性に基づいた差別的なものが多いです。また王と裁判官と検事と弁護士と法学部教授と大学理事長を兼任しているので滅茶苦茶忙しいようです。

 第一章と第二章の相手は一般人悪魔なので、余り残酷な攻撃はしない方がいいです、とはいえすさまじく頑丈なので、全力でユーベルコードぶつけたくらいなら死にません。とりあえず首と胴が離れない程度に留めておけばよろしいかと。

 恐らくどう転んでもコミカル方面に流れると思うので、そこはご注意を。

 それでは、合法的な(ら何してもいい)プレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『ひんぬーの国のあくまちゃん』

POW   :    ひんぬーに対する侮辱は許せません!
自身の【手のひら】から、戦場の仲間が受けた【ひんぬーに対する侮辱】に比例した威力と攻撃範囲の【闇属性の極大魔法】を放つ。
SPD   :    集え! ひんぬーの仲間達!
【ひんぬーこそが至高と信じる仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[ひんぬーこそが至高と信じる仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    やっぱりひんぬーこそが至高ね!
敵より【おっぱいが小さい】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。

イラスト:兄さん

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「おはよう! 今日も一日ひんぬーでいこう!」
 さわやかな朝の挨拶をかわすひんぬーの国のあくまちゃん達。良い一日は良い挨拶から。デビルキングワールドでも常識である。
 そして挨拶が済めば悪の時間。今日もポイ捨て、落書き、無駄遣いなど悪逆非道の限りを尽くす一日が始まる。
 そんな穏やかな日常を過ごす彼女たち。戦争の脅威が迫っているなど夢にも思っていないだろう。何しろ戦争を行う際は事前に土産を持たせた使者を送り合いアポを取ったうえで時間厳守で行うのが常識なのだ。相手の都合も考え一週間前には予定を整えておくのがマナーというものだろう。アポなしで戦争を起こす非常識な輩がいるなど、いかに極悪非道なあくまちゃんたちとはいえ想像もしていまい。
 だが、オブリビオンに率いられた者に常識は通じない。
 さあ猟兵よ、ここは心を鬼……もとい悪魔にし、危機を伝えたうえで悪の限りを見せつけて、彼女たちをこれから起こる戦争の手勢とするのだ!
ルルティア・サーゲイト
 ふふ、久しく忘れていたこの感覚よ……最近、下着ネタばかり使っていたが、妾は貧乳キャラでもあるのじゃ。妾よりデカい乳を全て狩れば相対的に巨乳!
 この教えを広めて行けば必然的に巨乳狩りの流れになるに違いはあるまい! 何、味方の巨乳猟兵? 当然殺す! ……まあ、程々に殺す。どうせ来るんじゃろ巨乳猟兵!
 あと、はいてない教団員もついでに増やすか。良いか、乳ばかりが女ではない。お主等にはその輝かしい太ももがあるではないか。そこに、はいてないというアクセントを加える事で、単なる巨乳等は相手にならぬ!
 その為にはこのような脱ぎ易く、一目で下着と分かる可愛らしいデザインが重要。下着に金をかけよ!



 今はまだ何も知らずのどかな風景の続くひんぬーの国。そこに一人の猟兵が降り立った。
「ふふ、久しく忘れていたこの感覚よ……最近、下着ネタばかり使っていたが、妾は貧乳キャラでもあるのじゃ。妾よりデカい乳を全て狩れば相対的に巨乳!」
 ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)が高らかに宣言すると、それを聞きつけたあくまちゃんたちが彼女を取り巻き始めた。
「なんか変な人が来てるよー」
「変な人だけどひんぬーだから、とりあえず仲間っぽい?」
 まず第一に胸があるかで判断するあくまちゃんたち。どうやらルルティアの貧乳は彼女たちのお眼鏡にかなったらしく、差し当たっては仲間として認識されたようだ。黙ってスルーされては説得の何もないので、まずは成功と言える。
 このままこの教えを広げて行けば必然的に巨乳狩りのながれになるはず! と思ったルルティアだが、あくまちゃんたちはいまひとつ乗り気ではなさそうだ。
「別に巨乳とかなりたくないけど」
「ひんぬーの方が全然いいよねー?」
 あくまちゃんたちはひんぬーこそ至高と考えており、誇りこそすれコンプレックスなど一切持っていない。だが、たとえ反応が悪く共ルルティアのヒートアップは止まらない。
「何、味方の巨乳猟兵? 当然殺す!」
 デビルキングワールドじゃなかったら即座につまみ出されそうな宣言。味方殺しと言う物騒な発言に、あくまちゃんたちはドン引きしつつも目を輝かせる。
「え、巨乳如きの為に味方殺すとかヤバすぎ……」
「いやでも、それってヤバいくらい悪い事じゃない?」
「確かにこの人凄い悪かも!」
 唐突なる悪認定に今度はルルティアの方がちょっと引き気味。何しろ基本的に遺恨というものに縁のないデビルキングワールド民な上に、ちょっと刺したり撃ったりした程度では死なない体の持ち主なのだ。味方殺害宣言の危険さよりも悪のかっこよさの方が上に来るのも仕方ない。
「……まあ、程々に殺す。どうせ来るんじゃろ巨乳猟兵!」
 とりあえず今のところこの場にいない巨乳猟兵に当たる姿勢にしておきつつ、美味いことはなしを纏めるルルティア。
「あと、はいてない教団員もついでに増やすか。良いか、乳ばかりが女ではない。お主等にはその輝かしい太ももがあるではないか。そこに、はいてないというアクセントを加える事で、単なる巨乳等は相手にならぬ!」
 やっぱり下着ネタじゃないか、などというツッコミはもちろんあくまちゃんたちに出来るはずもない。むしろ貧乳とはいえ乳は乳。そことは違う新たな視点を持てと言うアピールは単純かつ一点特化なあくまちゃんたちには極めて斬新なものに映った。
「え、太もも? こんなのがいいの……?」
 とはいえ今までそこの価値など考えたこともないあくまちゃん。ついでに下着もむしろひんぬーを引き立たせるブラなどの方にこだわり、パンツについては割かし雑にしか選んでいなかった。そんなあくまちゃんに実践を持って見せるべく、ルルティアは躊躇なく自身の下着に手を掛けた。
「その為にはこのような脱ぎ易く、一目で下着と分かる可愛らしいデザインが重要。下着に金をかけよ!」
 ためらいなく下着を下ろし、はいてないを実践するルルティア。脱ぐために下着を買うという謎だが、無駄遣いも悪い事でありいい事なのでそこは問題ない。
「うわぁ! この人往来でパンツ脱いだぞ! 変態だ!」
「通報しなきゃ! あれ、通報がいるってことは悪い事?」
「悪い変態ってことはいい変態ってことだね!」
 【ルル・ランジェリック・ドミネーション】による有効反応も込めたデビルキングワールド式三段論法によって、『はいてないいい悪い変態』と認定されたルルティア。ところでデビルキングワールドって通報すべき機関はあるのだろうか。
 ともあれ説得は成功したらしく、各々自分の下着を脱ぎ始めるあくまちゃんたち。流石にルルティアと違い脱ぎ慣れていないのかもじもじと内股で顔を赤らめているが、ルルティア的にはその反応もまたよしと言ったところ。
「よろしい、それでは巨乳共にはいてない貧乳と言う超絶兵器を見舞いに行くのだ!」
 そう言ってルルティアは新規はいてない教団員を連れ、巨乳迫る国境地帯へと赴くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
大変なのは間違いないのですが、どことなく平和な雰囲気ですねぇ。
まあ、何とかやってみますぅ。

【玄傀】を使用し『使徒人形』を召喚、ひんぬー国内の『敵国が攻めてくる側』を不法占拠し、勝手に『防衛施設』の建築を始めましょう。
その際は、『武具形成』を使用し『使徒人形』同様の材質で出来た『バリスタ』等の兵器や『予備の武具』等もご用意しますねぇ。
あくまちゃん達が来ましたら『敵国』の事を告げ、『不法占拠』に『防衛施設の押し売り』という悪事を重ねて協力要請しますぅ。
何方にせよ、彼女達からすれば、私の様な『過剰な体型』はそれ自体ある種の『悪』でしょうから、話は聞いてもらい易い気もしますし。



 一見平和に見えつつもその裏では戦争の迫るひんぬーの国。普通に考えれば国家の一大事……なのだが、例え事情を知っていてもなぜかそこまで焦る気にはなれないのはなぜだろうか。
「大変なのは間違いないのですが、どことなく平和な雰囲気ですねぇ。まあ、何とかやってみますぅ」
 なので、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もまた特に急ぐような様子もなく、ひんぬーの国の一角で資材を広げ、ゆっくりと建築に勤しんでいた。
「大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、女神の加護を得し黒き星の人形達よ、私の下へ」
 【豊乳女神の加護・玄傀】で漆黒の人形を呼び出しそのまま放置することで勝手に城塞が築かれるフルオートメーション工法。突如始まった工事に、何事かとあくまちゃんたちが集まってきた。
「何か工事してるー」
「すみませーん、ここ公道なんですけど許可取ってますー? 話聞いてないんですけどー」
 役所勤めか何かなのか、律義にそう尋ねてくる一人の悪魔。それに対しるこるはしれっと答える。
「はい、もちろん無許可ですよぉ」
 その言葉にあくまちゃん達の間にざわめきが走る。
「え、何それ……」
「しかもこの人とんでもない巨乳だよ。巨乳の癖にひんぬーの国で勝手に工事するとか……」
 涼しい顔で悪事を働くるこるにあくまちゃん達はドン引き中。しかもここはひんぬーの国でありるこるにとってはアウェイもいいところである。そこを平然を不法占拠するワルっぷり。それに気づくにつき、あくまちゃんたちは徐々にるこるに興味を持ち始めた。
「ところで巨乳の人、なんでこんなところで工事してるの?」
「ああ、それはですねぇ……」
 危険な巨乳が攻めてこようとすることを伝え、その迎撃施設をここに作っていると説明するが、お役所あくまちゃんは手帳をめくって首をかしげる。
「うーん、しばらく戦争の予約は入ってないけど……」
「あ、予約なしで攻めてくるみたいですよぉ?」
「何それ超非常識!」
 声を荒げるあくまちゃん。ワルはいいが非常識はダメらしい。線引きはどこだ。
「そう、なのでその非常識を撃退する必要があるのですよぉ。なので皆さん、この要塞を買いませんかぁ? お安くしときますよぉ?」
 そう言って突如商談を始めるるこる。
「何しろその巨乳さんたちはとても強いらしく、このままでは国土が奪われてしまうかもしれませんねぇ。この防衛施設があれば大丈夫かもしれませんが、あちらの方が良い値を付けてくれるというならあちらに売っても……」
 脅しを重ねて施設を売りつけようとするるこる。その悪徳商法ぶりにあくまちゃんたちは完全に話を聞く気になってしまっている。
「むむむ、しかしここは元々ひんぬーの国の土地、そこに勝手に建てたのだから元々我々のものでは……」
「そんな悪くないこと言っていいんですかねぇ? それに早く買わないと、どんどん値上がりしてっちゃいますよぉ?」
 そう言うるこるの向こうで、人形たちが城塞にバリスタを設置し、さらには武器弾薬の類もどんどん運び込まれている。完成に近づくにつれ付けた設備やかかった手間の分だけ値上がりしていくという、焦りを煽る悪徳商法だ。実際はもちろんどの段階で買おうが完成はさせるつもりなのだがその方が悪そうというならその辺りは伏せておくに限る。
「む、むむむむむ……」
「それに、ここの施工主は私ですので、巨乳の作った兵器に頼るなんてひんぬーの風上にも置けないワルですよねぇ? ましてやみんなの規範になるべきお役人が」
 悩むあくまちゃんに放たれるとどめの一言。立場的な部分を突かれると弱いのはある意味どんな世界でも変わらない話らしい。
「くっ……何という……やっぱり巨乳は悪だ……!」
 膝を突き巨乳に屈したあくまちゃん達。役人でありながら国への背信行為を働くという悪事への喜び……もとい屈辱にその肩は震えている。
「お買い上げありがとうございますぅ。お代は後払いでいいですよぉ。まさか踏み倒すなんて悪いことはなさらないですよねぇ?」
 長期ローンを組んででも払ってきそうなあくまちゃんにそのあたりのフォローを入れつつ、るこるは要塞の建設を急ピッチで進めるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稲荷・こん子
アドリブ/絡み◎

・行動
「悪いことするのです!」と言いながらも、何をしようか悩む子狐
周囲を見て、楽しそうな〝悪いこと〟をしているあくまちゃん集団を見つけたら、一緒に遊ぼ…悪い事をしようと紛れ込む
もし、バレてしまったら、敵意がないことを伝えようと頑張る
「むきゅ!戦う気はないのです!」

打ち解けたら、アイテムの《稲荷寿司》を皆で食べる
「皆で食べると美味しいのです♪」

食べ終わり
近くに怪我をしたあくまちゃんが居たら、こん子なりの〝悪いこと〟を思いつく
それは【秘技】で回復からの融合で、ちょっとあくまちゃんを驚かせようとする悪戯なのです(融合は複数人でもOK)
第1章が終わったら解除
「驚いたかな、です?」



 デビルキングワールドのひんぬーの国に、一人のひんぬーが立つ。
「悪いことするのです!」
 稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)は高らかにそう宣言した。
 宣言はした。のだが具体的に何をするかは全く思いつかない。
 そういう時は周りに倣うのだ、と周囲を見回すと、丁度いいところに集まって楽しそうなことをしているひんぬーの一団がいた。
「どうだこれ!」
「おお、凄いワルだー!」
 どうやら集まって悪いことをしているらしい。何事かとこっそり近づいて後ろから覗き込んでみると、どうやら手元で何かの作業をしているようだ。
「こうすると重くなって簡単には吹っ飛ばないんだ!」
「勝負にこんなの持ち込むなんて卑怯だ! ワルだー!」
 そんな彼女たちの手元にあるのは、メンコやベーゴマなどのレトロ玩具。どうやら彼女たちはベーゴマに錘を乗せるなどの古式ゆかしい小細工……もとい違法な武器改造を隠れて行っていたらしい。
 そんな一団に自然に混ざっていくこん子。
「大型のを削って小型にすると重いのができて有利ですよー」
「おー! それはナイス改造!」
 突然の声を疑うこともなく聞き入れさっそく改造にかかるあくまちゃん。そのまましばらくわいわいと楽しく武器改造を続け、一通り楽しんだ所で。
「……だれだこいつー!?」
 ようやく気付いた。武器(ベーゴマ)を向けてくる相手に、こん子は両手を上げて敵意のないことを示す。
「むきゅ! 戦う気はないのです!」
 その言葉を確かめるようにしばらくじっとこん子をみるあくまちゃんたち。しばらくそのまま品定めするよう睨みつけていたが、とりあえずは攻撃の意思を収めたのか一旦武器を下げた。なお主に胸のあたりを見て判断していたような気がするのは深く考えてはいけない。
 相手とより友好的な関係を築くため、こん子は自身の弁当としても持ってきていた稲荷寿司を取り出し、あくまちゃんたちに差し出す。
「皆で食べると美味しいのです♪」
 しばし稲荷寿司とこん子の顔を見比べるが、やがてそれを受け取り口に運ぶ。
「おいしい!」
「でしょー」
 やはり食事こそ最高のコミュニケーション手段ということか。あっという間に警戒は解かれ、こん子は彼女たちの仲間として受け入れられた。
 そのまましばしの歓談タイム、及びこの国に戦争が迫っていることを説明する。
「というわけで、悪い巨乳が攻めてくるのでこっちも悪さを見せて追い返してやるのですよ」
「ふーん、そっかー」
 デビルキングワールドならではの戦争に対する軽い反応を返しつつ、稲荷ずしを食べ終わって指先をぺろぺろ舐めるあくまちゃんの一人。だがその指に、いくつか傷がついているのをこん子は見つける。
「あれ? その指……」
「あー、これ、ちょっと手元が狂っちゃって……」
 どうやらベーゴマへのやすりがけの最中誤って手元を傷つけてしまったらしい。だがそれなら丁度良いと、こん子は自分なりの『悪事』を思いつく。
「コンコン、憑依なのです♪」
 突如としてこん子の姿が揺らぎ、怪我をしたあくまちゃんと重なった。そしてそのまま二人の姿が合わさり、狐耳に悪魔羽、和装と洋装のミックスという二人の特徴が合わさった姿へと変身した。さらにその指先にはなんの傷もなく、綺麗な状態へと感知していた。
「驚いたかな、です?」
 融合を解除し元に戻るこん子。それと同時に周囲のあくまちゃんたちから一斉にどよめきが起こる。
「無許可で体を乗っ取るとはなんて悪いんだ!」
「しかもなんか強くなった気がするぞ!」
 【秘技・憑狐の術】で回復と強化を同時に行い、丈夫ではあれ力の劣るあくまちゃんたちを守りながら戦力に出来る。これで巨乳襲撃への準備もばっちりだ。
 それから敵襲に備えるべく、こん子とあくまちゃんたちはさらなる武器改造と実用試験(遊ぶだけ)に勤しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

戦争仕掛けられそうと伝えても簡単にはいきませんよね。
まずは話を聞いてもらえるようにしないと。
相手の能力を見る限り、胸を大きくすれば無力化できそうな気もしますね。
ノーブルラウンドで肉体改造してしまうのもありかも?
一応、話を聞いてもらえる状態になれば事情とか説明するつもりです。


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

さて、話を聞いてくれと言っても無駄なのだろうからそれなりの事はさせてもらう。
普通に話を聞けと言ったところで無駄だろうから、それらしいことを言ってみるか。
「私たちに仕えることはお前たちの言う悪い事だと思わないか?」
体躯の事で言えば揺らぐかもしれん。
「最初に名乗り出れば、それが一番の悪と言えるだろうな」
あとはそれらしいことを適当に言っておくか。


ベアトリス・ミラー
※アリス、エルーゼ、華澄、ホークと行動
アドリブOK

悪い事ですか。私なりの方法でやりましょうか。
武力的な方法より確実にいう事を聞いてもらうために賄賂による買収で。
一人引き込めたらそこから徐々に増やしていく形でいけば。
「私達に付くことがあなた方にとって悪になれるのですよ?」
付け足すのであれば、至高としているものへの反逆にもなると。


エルーゼ・フーシェン
※アリス、エルーゼ、華澄、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

説得はあれならどうするかね。
ホークもどこに行ったのか分からないし、なんとかするしかないか。
クロタも呼び出してあとは……悪い事と言ってもねえ。

「悪事をする決まりがあるなら、放っておけばいいものを」
戦争も悪事と話すクロタ。
「なぜ止める?望んでいる事であれば、止める必要はない」
綺麗事でもごっこ遊びでもない本物の侵略であると付け加える。
「どうするかはお前達次第だ」
日常を破壊されるのを見ているだけか、抗うか。選択を突きつける。


ホーク・スターゲイザー
※アリス、エルーゼ、華澄、ミラーと行動
アドリブOK 詠唱無

偵察と情報収集に動く。戦闘は任せている模様。
地形の把握。高台等の高所は戦場の把握に必要になるので記録。
狙い撃つのにも必要になるため、必須となる。
後は適当に物を置き、人材はばらけさせる。
ゲリラ戦に持ち込んでの戦闘を想定して戦術構想をする。
退路の確保、あらゆる状況の想定、時間はないのであるもので対処と山ほどやる事はある。



 猟兵たちの活動により、徐々に巨乳が攻めてくるという話が浸透しはじめたひんぬーの国。とりあえず戦争の準備として、国内の哨戒(散歩ともいう)を行い始めたあくまちゃん達の前に、巨乳の集団が現れた。
「うわー! 巨乳だー!」
「もう攻めてきたぞー!」
 途端に騒ぎ出すあくまちゃんたち。確かに巨乳が攻めてくるという情報を得た直後に巨乳を見ればこのような反応になるのも仕方ないのかもしれないが、いきなり敵認定とあってはさすがに困惑するしかない。
 だが考えようによっては、戦争が起こるということを説明する必要はもうなくなっているとも言える。一番の障害は戦争が起きるということ自体を把握させることだと思っていた藤宮・華澄(戦医師・f17614)にとっては、これはある意味追い風とも言えた。
「まずは話を聞いてもらえるようにしないと」
 差し当たっては騒ぎ続けるあくまちゃんたちを沈黙させること。そう考え華澄は【ノーブルラウンド】の光弾を連続であくまちゃんたちにうちかけた。
「な、なんだ!? 攻撃してきたぞ!?」
「でも痛くない。むしろパワーが漲ってくる気が……」
 それもそのはず、ノーブルラウンドは攻撃ではなく回復と強化のための技だ。本来ならこれで鎮圧できるようなものではない。ただそこは華澄も策があるわけで。
「えぇぇぇぇ!? なにこれぇ!?」
 あくまちゃんたちの胸が大きく膨れ上がった。それも並の巨乳ではない。地面につき、体が動かせなるほどの超爆乳だ。
「だ、だめだぁ……ひんぬパワーが抜けていくぅ……」
 ひんぬーが集まるほどにパワーが増すあくまちゃん。この場にいる全員が巨乳となってしまっては、もはや力は失われたも同然。元々は事故で発生していたこの効果だったが、何度も発生するうちある程度任意に出せるようになってしまったのは怪我の功名か。
「それでは少し話を聞いていただきたいのですが……」
 華澄の言葉に、うなだれながらうなずくあくまちゃん。
「とりあえず我々は襲ってくるという巨乳ではないぞ」
 まずはアリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)が敵ではないことを説明する。パワーを奪ったうえでの圧倒的有利な状態から交渉開始という、スタートラインから中々にあくどい方法だ。それに気づいているのか、あくまちゃんたちも一応は聞く態勢に入っているらしい。
「私たちに仕えることはお前たちの言う悪い事だと思わないか?」
「そ、そんな……ひんぬーの誇りを捨てて巨乳に従うなんて……!」
 アリスの脅迫じみた悪い誘いにあくまちゃんたちは喜び……もとい怒りに震えている。そのきらきらと輝く目に、アリスは僅かな、いやかなりの不安を覚えるが、とにかく説得はしやすいのだと前向きにとらえるしかない。
「最初に名乗り出れば、それが一番の悪と言えるだろうな」
 さらに精一杯悪い笑みを作り抜け駆けを誘うアリス。元々凛とした彼女のこの仕草で言われれば、デビルキングワールド民でなくともくらりと行くかもしれない。
「な、仲間を裏切れというなんて……やっぱり巨乳は悪だ!」
 糾弾っぽい台詞を言いながら、物凄い勢いで真っ先に手を上げるあくまちゃん。出遅れた周囲のあくまちゃんたちからは怨嗟の声が巻き上がる。
 これで後はそれらしいことを言っておけば……とも思ったが、デビルキングワールドの悪魔としては疑り深い方なのか、賛同の意を示していない者もいる。そちら側には、エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)が回り込んで話しかけた。
「あなたは賛成しないの?」
「もうちょっと寝かせておいた方がワルみが熟成しそうだし……」
 疑っているというよりは後発で来るチャンスを窺っているらしい。強かというか能天気というか、そんなあくまちゃんの様子にエルーゼも呆れを隠せない。
「説得はあれならどうするかね……クロタ、任せるわ」
 自分では相手にしきれる自信はないと、【邪神クロタ】を召喚しその場を任せることにした。
「悪事をする決まりがあるなら、放っておけばいいものを。戦争など究極の悪事だろう」
 戦争が悪ならばやらせればいいと真顔で言うクロタ。邪神たる彼女はデビルキングワールドの微笑ましい悪ではなく、真の悪を知っており、また彼女自身も少なからずそれに属している。だが、それ故に彼女の弁はあくまちゃんたちには少々分かりづらい。
「えー……戦争するだけで悪になれたら確かに楽だけどー……」
 何しろデビルキングワールドの戦争など国家同士がコラボしてやる対戦ゲームみたいなものだ。割と日常的に起こるし誰も死なないしすぐ終わる。むしろその戦争の中でいかに悪を見せるかが腕の見せ所だというくらいだ。
「なぜ止める? 望んでいる事であれば、止める必要はない」
「止める気はないけど、でも無抵抗で負けるのも面白くないし、悪さを見せられないからねー」
「綺麗事でもごっこ遊びでもない本物の侵略だ」
「綺麗事言っていいのは人を騙す時だけ、ワルの基本だね!」
 まるで緊張感が感じられない。根本的な見解の相違、それを察したクロタは、相手にしてられないとばかりに吐き捨てるように言った。
「どうするかはお前達次第だ。日常を破壊されるのを見ているだけか、抗うか」
 それだけ言って、クロタは消えてしまった。戦争という事象や言葉が持つ意味が、この世界と他所ではあまりにも違い過ぎた。
 あまり高尚な思想や真剣な態度はかえって理解を妨げるのかもしれない。そう考えたベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)は、より分かりやすく直球な手段をとることにした。
「悪い事ですか。私なりの方法でやりましょうか」
 そう言って取り出すのは、大量の貴金属類。世界が違おうと光りモノに価値があるのは変わらない。それをみたあくまちゃんはあからさまに物欲しそうな眼をする。
「手伝ってくれたらこれをあげますよ? いわゆる贈賄というやつです」
 あえて報酬ではなく賄賂ということで、受け取ることが悪いことだという印象を強くつけようとするベアトリス。その効果は覿面で、あくまちゃんは一応迷っているようなそぶりは見せるものの、その視線は宝石に釘付けだ。
「私達に付くことがあなた方にとって悪になれるのですよ? それに、お金で思考としている者に反逆するなんて、なんて悪い人でしょう」
 金に目がくらんで巨乳の配下になる。それはひんぬーの国としてはまさに売国奴。後ろ指を刺され石を投げられる悪である。
 すっかり悪の虜になっているあくまちゃんにベアトリスはさらにもう一押し。
「さらに他の人も誘って引きずりこめば……悪の根源にすらなれますね?」
 その言葉に、手を伸ばしてがっしり賄賂をつかみ取るあくまちゃん。何とも即物的な手段ではあるが、効果があるならそれに越したことはない。
 差し当たってこの場のあくまちゃんたちを全て籠絡することには成功した。そうしてエルーゼが周囲を見渡して呟く。
「ホークもどこに行ったのか分からないし……」

 エルーゼが名を呼んだ男、ホーク・スターゲイザー(過去を持たぬ戦士・f32751)。彼は仲間たちと離れ、一人国境地帯の偵察に赴いていた。
「ここは丘陵地帯か。向こうにはさらに背の高い木もある。敵はどこから来るか分からないが……」
 地形や地質、どこに何があるかなどの状況を事細かに記録していくホーク。あくまちゃんの説得には加わらず一人戦いの準備に集中するのは、彼が未だ猟兵としては実戦慣れしていないからか。
 とはいえその観察眼は確かなもので、必要な人員をどこにどう配置すればよいか、またこちらからゲリラ戦を展開するための布陣や、万一の時の退路、補給線の確保などあらゆる状況を想定し頭の中で戦術を組み立てる。
 敵がどれほどの力かは分からないし、現地のあくまちゃんたちがどれくらい動けるのかもまた不明だ。場合によっては自分自身が全力を尽くす必要もある……そう考えるホークの元にも、容赦なくあくまちゃんたちが迫っていた。
「見知らぬ人がいるぞー!」
「大丈夫、この人は男だから巨乳じゃない! つまり敵じゃない!」
 やはり哨戒任務(散歩)中だったと思しきあくまちゃんたちが、遠慮なくホークに絡んでいく。正直単独行動をとっていたのは彼女たちの相手をしたくないというのも理由に合ったのだが、来てしまった者は仕方ない。
「……少し、そこに伏せてみてくれないか」
 物は試しと頼んでみると、あくまちゃんは何の疑いもなく指示された場所へ移動し腹ばいになる。
「えーと、こう?」
「ああ、そうだ……ふむ、やはり見えづらいな」
 元々体の薄いあくまちゃんは起伏のある場所に伏せれば、遠方からはほとんど見えなくなる。隠れて狙撃する才能は意外とあるのでは、と見立てながら、ホークは彼女たちの運用法を考える。
「すこし、実際に動かしてみたい。しばらく言う通りに動いて欲しい」
「えー、でも有事に備えての警戒中だしー」
 ただ歩いていただけじゃないか、という言葉を飲み込み、ホークは言う。
「……サボってしまえ」
「うわー! 戦争のための備えをサボるなんてちょー悪い! よーし、じゃあサボっちゃおー!」
 投げやり気味なその言葉に、嬉々として答えるあくまちゃん。これを扱いやすいと見るか不安要素と見るか、その答えはまだ出せないものの、ホークは彼女たちを動かしては実際に人がいる時の地形利用法を考えていく。
「時間はないしやることは山ほどある。あるものはすべて使わねば」
 そう考え、出来る限りのことを全て試していくホーク。
 そして彼が予感していた通り、程なくして国境地帯に巨大な双丘を聳えさせた者が現れるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』』

POW   :    我が牙がもたらす快楽に溺れなさい! あむっ!
レベル×1体の【下心で集まった少年達】を召喚する。[下心で集まった少年達]は【同じ眷属の犬猫と共に戦い、不思議な事に炎】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
SPD   :    もう怒った…我が牙の恐怖に戦慄なさい! がぶっ!
【本気で噛み付き、余り美味しくない血を啜る】事で【紅薔薇姫『アリスマリア・オーバーロード』】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おじいちゃん!!! 一体どっちの味方なの!!!!
【昔気質である自分の祖父】の霊を召喚する。これは【悪ガキの孫を正論で叱り飛ばしながら】や【おら孫の敵である猟兵を鉄拳】で攻撃する能力を持つ。

イラスト:ひろしお

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの指示により、戦いの準備を整えたひんぬーの国。その国境地帯に、二つの白い影が現れた。
「ふむ……油断しきっていると思ったが、どうやら入れ知恵した者がいるようだな」
「まあ何と憎らしい! 法皇様、ここは私が!」
 そのうちの一人、白いドレスを纏い、ガラスの大剣を持った少女が前に出る。その胸はそれなりに形を主張する程度に浮き上がり、決して下品ではないほど良い大きさを湛えていた。いわゆる含みのない意味での美乳というやつである。
「さあ、この血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』が、ひんぬーどもの法を廃しその国を法治してあげましょう。『何人といえども、自分の敵手に対して武器を持たせる義務はない』、つまり奇襲と速攻は法によってその権利が保障されているのですわ!」
 それは不利な証言を進んでする必要はないという、いわゆる黙秘権についての言葉なのだが、この法学部主席はその辺りは分かっていないらしい。
「さあ行きますわよ我が眷属!」
『ねーちゃんパンツみせてー』
『わんわん』
『にゃーにゃー』
『こりゃ正子! 戦争仕掛けるならまずはきちんと挨拶せんか!』
 頼もしき?眷属と共に迫りくる正子こと白薔薇の姫君『アリスマリア』。この吸血鬼でも何でもない一般デビルキング民の少女に、きつーいお灸をすえてやれ!
ルルティア・サーゲイト
「チェーストォッ!」
 大鎌を振りかぶり、思いっきり斬りかかる。案の定来た巨乳猟兵に!
「誤チェストじゃ、こやつは目当ての巨乳ではない」
 UC使ってないし一撃位誤チェストじゃよ。

「敵は全て巨乳か、是非も無し」
 携えた大鎌を中空でゆらり、と振るう。流れる動きで二度、三度と大鎌を振るう。その刃先から桜の花弁が散り、全てを魅了するように舞う(はいてない)
 円を描く動きから垂直に飛び上り、
「天武桜花陣ッ!」
 真下に大鎌を振り下ろす。地面に突き立てた瞬間、一瞬にして桜吹雪は消え、ただ巨乳が斬られたという事実のみが残る。
「妾の前で自慢げに乳を揺らす奴は許さぬ」
 それが敵か味方かは些細な事である。



 ついに現れた巨乳侵略者たち。まず尖兵となるのは『血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』』だ。そして迎え撃つ一番手はルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)。
「チェーストォッ!」
 挨拶も何もなしに、大鎌を振りかぶり思いっきり斬りかかる。狙いはもちろんアリスマリア……ではなく、つい数秒前まで準備に勤しんでいた巨乳猟兵がいたあたり。多分ほんの少し早ければ直撃していた位置だ。
「誤チェストじゃ、こやつは目当ての巨乳ではない」
 UC使ってないし一撃位誤チェストじゃよ。悪びれずにそういうルルティアにあくまちゃんたちは感動の目を向ける。
「流石変態の人、悪さが半端ない!」
「一発目から味方狙いとかやばすぎだって!」
 本当に偶然ながら、野良かつソロの巨乳は今回誰もいない。そんな奇跡が起きていなければ割かし本気でヤバかった誤チェストにさしものアリスマリアもドン引きだ。
「ななな……何考えてますのあなた! いくら訴えがなければ裁判はないとはいえ味方殴るとかそれは法律以前でしょう!」
 まあ時に常識さえガン無視するのが法律の使い方でもある。訴えられなければそれは罪ではないのだ。法的には。
 そんな合法的誤爆の後、今度は本格的な戦闘へと入るルルティア。
「敵は全て巨乳か、是非も無し」
 睨みつけるはアリスマリアの美乳。そのまま鎌を構えてゆらりと揺らぎ、その動きのまま鎌を振るう。
「くっ……これは……!」
 さっきの無駄に力の入りまくった誤チェストと違い、余計な力のない柔らかくも鋭い鎌が振り回される。流れる動きで二度、三度。その都度刃先から桜の花弁が散り、全てを魅了するように舞いちっては履いてない部分をギリギリ隠すように飛び回る。
「な……なんなのこの変態! 公然猥褻罪よ!」
 色白な顔を真っ赤にするアリスマリア。
「そうだぞ! この人はめっちゃ悪い変態なんだぞ!」
「いい悪い変態なんだぞー!」
 後ろからあくまちゃんたちのよく分からない声援が飛ぶ。このまま押し切れるか……と思った瞬間、強烈な鉄拳がアリスマリアを吹き飛ばした。
『バカモンがぁーっ!』
 その拳で吹っ飛んだアリスマリアは鎌の軌道からはそれ、致命傷は免れる(ただし鼻血は出てる)。
「お、おじいちゃん!!! 一体どっちの味方なの!!!!」
 鉄拳を見舞った老人の霊にアリスマリアは抗議するが、老人の怒りは収まらない。
『他人の罪をどうこう言う前に自分がやった非礼を反省せんか!』
 オブリビオンに唆され、先にデビルキングワールド的非常識を行ったのは確かに彼女の方である。涙目でうなだれるアリスマリアを一しきりしかりつけた後、やおら老人はルルティアに振り替える。
『お主もじゃ! 若いからって破廉恥な格好していい理由にはならんわ!』
 繰り出される重い鉄拳がルルティアにも炸裂する。とっさにそれを鎌で受け止めるルルティアだが、その威力に足が思わず後退る。このおじいちゃん明らかにアリスマリアより強い。
「ぐうう、妾のような方向性のキャラは正論ぶつけられるのが一番弱いのじゃ! というかお主デビキン民じゃろう! なんでそんなにまともなんじゃ!」
 世界全体がネタ方向に走り気味なデビルキングワールドである。ある意味おじいちゃんの方がここでは特殊な存在なのかもしれない。
 ともあれ真正面から相手していたら色々ダメージを受けかねない。強引にここを突破すべく、ルルティアは高く跳躍した。
「天武桜花陣ッ!」
 そして鎌を突き立てるのは自分の増した。そこから竜巻と桜色の闘気が走り、周囲の敵をなぎ払う。
「きゃああっ!」
「おー! すごいぞー!」
 それによってダウンさせられるアリスマリアと、全く持って無傷のあくまちゃん。そして一瞬にして桜吹雪は消え、ただ巨乳が斬られたという事実のみが残る。
『カチ割られてちっとは反省せい、正子!』
 ちなみにおじいちゃんも無事である。なぜなら巨乳じゃないから。
「妾の前で自慢げに乳を揺らす奴は許さぬ」
 それが敵か味方かは些細な事である。つくづく戦闘範囲内に味方の巨乳がいなくてよかった……とも思うが、果たして次の戦闘はどうか。むしろ自分から巨乳探しに行ってしまうのではないか。ともあれ、このカオス極まる戦場でアリスマリアはまず一敗となるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
POW

吸血鬼を騙るとは身の程知らずね。
本物の力を見せてあげる

守護霊の力も武器も使わず『血統覚醒』だけ行い
【火炎耐性・気合い】で炎に耐え
グラウンド・デス【生命力吸収・範囲攻撃・地形破壊】
アリスマリア達だけでなく大地の生命力も奪い
地割れを起こし【空中戦】からの手刀【功夫・怪力】で
硝子の剣とプライドを砕く

ひとつチャンスをあげる。
私の血を吸ってみなさい?

オーバーロード化のチャンスを与えるも
噛まれる寸前に【オーラ防御】を纏って嫌がらせ

貧弱、貧弱ぅ♪

【吸血】して【呪詛・マヒ攻撃】を注ぎ
【化術】で肉棒を生やし
裸にして背面座位で乳を弄びつつ【串刺し・慰め・乱れ撃ち】
貧乳悪魔達にも畏怖の念を抱かせる



「少し油断したかしら……この『血を喰らう白薔薇の姫』の本当の力、見せてあげましょう。行きなさい、魔獣たちよ!」
 実際はそんな力はないのに吸血鬼を気取りながら眷属(という名のペット)をけしかけるアリスマリア。そんな思春期特有の病を発症する彼女に、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は冷ややかな視線を向ける。
「吸血鬼を騙るとは身の程知らずね。本物の力を見せてあげる」
 そう言ってドゥルールは【血統覚醒】を使用。本物のヴァンパイアの姿となって彼女の前に立った。
 突如ました彼女の威圧感にアリスマリアは一瞬たじろぐが、ここで怯んでは吸血鬼(自称)の名折れとばかりに眷属たちをけしかける。
「あ、あなたなど私が相手するまでもないわ……やりなさい!」
『にゃ~~~~~』
『わう~~~~~』
 気の抜けるような犬猫の鳴き声と共に、なぜか炎が舞い上がりドゥルールを取り巻く。
「この程度で……」
 だが、まるでそれがそよ風程度でしかないかの如く、ドゥルールはそれを平然と耐えきった。そのまま片手を一振りして炎を纏めて振り払うと、そのまま手を振り上げ、地面に向けて下ろした。
「グラウンド・デス!」
 その手によって叩き壊されるかのように地面に亀裂が走り、大規模な地割れを起こす。その割れ目の中にアリスマリアと眷属たちは足を取られ飲まれそうになるが、動物たちは生来の身軽さで、アリスマリアも実は意外と高い身体能力で何とか割れた地面を飛び移って転落を回避する。
「な、何という力……これだけの技を使うなど……」
 実のところこれはユーベルコードではなく、地形破壊技を広範囲に撃つという技能の複合技。ただその派手な見た目と複合技として付けた名前から、アリスマリアは勝手に効果を深読みしユーベルコード級の大技と誤認しているようだ。
 次々と割れた地面に飛び移るアリスマリアだが、その動きは徐々に鈍っている。大地に送った生命力吸収技……これもユーベルコードではないが、それが少しずつ彼女の力を奪い抵抗を鈍らせていた。ちなみに同様に生命力を吸われた犬猫はさっさと安全圏を見つけてやる気なくそこで寝そべっている。
「あっ……!」
 そしてアリスマリアが着地をしくじりバランスを崩した瞬間、ドゥルールは一瞬にして飛び掛かり、鋭い手刀を彼女へと放った。とっさにガラスの剣を振り上げ受け止めようとするが、手刀の当たった部分から蜘蛛の巣のようなひびが剣に入りその衝撃で剣を取り落としてしまう。
「嘘、強化ガラスなのに!?」
 車の窓などに使われているあれである。ちなみに触ってみてわかったが、この剣エッジがない。どちらかというと鈍器である。多分安全に配慮しているのだろう。
 攻め手を失くしたアリスマリアだが、ドゥルールはそこであえて攻勢を止め、自らの首を彼女に差し出した。
「ひとつチャンスをあげる。私の血を吸ってみなさい?」
 もう一つの技であるオーバーロードの使用を促すドゥルール。
「馬鹿にして……後悔しても知りませんわよ! 我が牙の恐怖に戦慄なさい! がぶっ!」
 その挑発に乗り、ドゥルールの首筋に牙を突き立てようとするアリスマリア。だが、その歯は肌に触れたところで止まり、それを食い破ることは出来ない。
「貧弱、貧弱ぅ♪」
「ぐぬぬぬぬ……」
 オーラを薄く張って噛みつきを防ぎながらドゥルールがからかうように言う。これでは吸血をトリガーとするオーバーロードは出せぬと、アリスマリアは悔し気に唸る。
 そもそもアリスマリアの牙はただの犬歯である。ついでに吸血鬼ではないのだから血がエネルギーになるなんてこともない。つまりオーバーロードは100%自分の力だけで任意に出せる技だったりするのだが、設定にこだわるあまりそこに頭が回らないのが彼女の彼女たる所以だろう。
 そんな彼女を抱き返し、その首から血を吸い返すドゥルール。
「ふあぁぁぁっ!?」
 吸ったことはあれど吸われたことなどないアリスマリアは奇声を上げ身震いする。さらにそのまま彼女を持ち上げ、服を脱がせてその存外大きな胸を露出させる。
「ひゃひぃぃぃぃ!?」
「精気を啜るというのはこういうことよ。覚えておきなさい」
 ここは良い悪い子のデビルキングワールドなので、何があるのかは隆起した地割れの陰になって今ひとつよく見えない。
「針串刺しの刑だ! 地獄の番人に任せられない奴だ!」
「突きの速さ比べだ! 10対0くらいの!」
「切れた! 白いのの中で決定的な何かが! あとなんか出てる!」
 具体的に何が起こっているかは、あくまちゃんたちの反応から察していただきたい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

獣の盟約を抜き、襲ってくる敵と相対する。
ふざけてる様に見えても侮れば間違いなくきついだろうな。
殺気がないせいで感知しにくいが、なんとかするしかない。
相手の術で街が?さながらかくれんぼというわけか。
探し出して対処していくしかなさそうだ。
戦意がないとどうもあれだな。やりにくい。
「さ、触るな!」


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

援護射撃を行いサポートします。
第六感で相手の位置を探したり、警戒をしていきます。
犬や猫の相手は心苦しいですが対処しないといけないので。
「攻撃する意思がないとさすがに」
殺気とかそういうのが無いと相手し辛いですね。
明確に攻撃するとかそういう意思がないと。
でも何とかして対処していければ勝ち目はあるかなと。


ベアトリス・ミラー
※アリス、エルーゼ、華澄、ホークと行動
アドリブOK

さて、相手の出方を伺いながら対処ですね。
街を築くとなれば探索も視野に入れる必要がありそうですね。
前回呼び出した時から姿が変わったのは気がかりですが、今はあとにしましょう。
敵意も殺気も無いとなれば探すのは苦労しそうです。
不意を突かれればまずい、と。
普通なら気配や攻撃する意思、殺気で感知できるのですが相手にそれを感知できないのは。
まあ気がかりなのは……ホークという人を信用していいのか。
まだ華澄さんも決めかねてるのでそこがなんとも。


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ミラー、ホークと行動
アドリブOK

街創るなんて、まあよくやるわ。
とにかく探して対処しないといけないわね。
(問題は二人とホークね)
ミラ姉さんも華澄もまだ距離取ってるみたいだし。
ホーク本人は悪い人じゃないけど……。
「まったくどこに行ったのか」
探す時間はないから敵の対処しないと。
柄と光刃作り出して対処、なんだけど攻撃らしい感じが無いとやり辛いわね。
でもなんとかして抑えないといけないし。
とにかくやることやろう。

触る気しかないような?


ホーク・スターゲイザー
忍者の恰好をした黒い狼の獣人、死の精霊である陰狼に任せて迷彩で隠れつつ援護。
軽業による身の熟しで翻弄し、黒い刀身の刀で除霊を行う。
寡黙で非情に見えるが根はお人好しで斬りつけても痛みはない模様。
「……さらば」
除霊した相手にも言葉をかける。
攻撃に対して鉄傘を用いて防いだり、火薬を用いたり等の戦術を駆使する。



 アリスマリアがおじいちゃんにどつかれたり犬猫と共闘したり見捨てられたりしている間、スケベ少年たちは暇であった。
 何しろおじいちゃんは怖いし、デビルキングワールド式レーティングが発動して謎の地面の隆起が発生し肝心なシーンは目隠し状態だったのだ。かといってさしもの彼らも後ろに控える法皇様にスケベ行為に及べるほど命知らずではない。
 そんな暇な少年たちがこの二戦の間何をしていたのかというと。
「街創るなんて、まあよくやるわ」
 デビルキングワールド式ユーベルコードで使役された者の特性として、その場に街を築いていた。しかもなんか結構広い。その非常識さには、エルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)の呆れ声もむべなるかなである。
 だが、アリスマリア自身もいつの間にかその街の中に姿を消してしまった。仕方ないのでこの街を突破し敵を探し出すしかない。
「ふざけてる様に見えても侮れば間違いなくきついだろうな。殺気がないせいで感知しにくいが、なんとかするしかない」
 アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)もやれやれといった調子で言う。何しろ全力でユーベルコードを叩き込んでも死なない地力を誰もが持つのがデビルキングワールドなのだ。向こうは悪戯程度のつもりであっても、こちらが同じノリで行けばその分苦労は増えるのは間違いない。しかもそもそも本気の殺し合いなど想像もしたこともないような悪魔たちのため、殺気というものも基本的に持ち合わせていないのだ。せいぜいアリスマリアにやる気と空回りする熱意があるくらいのものだろう。
「とにかく探して対処しないといけないわね」
 エルーゼがそう言って進み、アリスもそれに追随する。
(問題は二人とホークね)
 その歩みの中、エルーゼは心の中でそう呟いた。
「犬や猫の相手は心苦しいですが対処しないといけないので」
 そのエルーゼの様子に気づくこともなく、藤宮・華澄(戦医師・f17614)は今回相手となるアリスマリアの眷属……という名のペットの事を考えていた。
 何しろ基本的に強烈な殺意や敵意があるわけでなく、主のやることにただ何となく付き合っているだけの小動物である。ただ彼らもデビルキングワールドの動物。ちょっと銃で撃った程度では死ぬことはないので、思い切り対処してもさしたる問題はない。とりあえずは通常の敵にするのと同じように、華澄は勘を働かせ周囲を警戒していた。
「街を築くとなれば探索も視野に入れる必要がありそうですね」
 ベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)もそう言いながら周囲の町に気を配る。とはいえ所詮は数時間で作った張りぼて同然の町だ。そこまで大仰な仕掛けがあるわけではない。猟兵が本気を出せば一瞬で更地にすることも可能だろう。だが、そういうやり方はベアトリスの流儀からはいささか外れる。
「敵意も殺気も無いとなれば探すのは苦労しそうです。不意を突かれればまずい、と。普通なら気配や攻撃する意思、殺気で感知できるのですが相手にそれを感知できないのは」
 あくまでスマートに、相手のやり方に合わせ対応するための策を考えていた。その裏には、唐突に姿を変えた自身の召喚する【クイーン・フォース】の運用を再度試したい、という考えも含まれている。
 そして何より。
「まあ気がかりなのは……ホークという人を信用していいのか」
 四人の後ろからついてくる黒衣の男、ホーク・スターゲイザー(過去を持たぬ戦士・f32751)。最初から彼に好意的だったエルーゼやアリスとは対照的に、華澄とベアトリスは彼に対し距離を置き、どこか信用しない態度を隠さないでいた。
 当のホーク自身は、その扱いに異を唱えることはなく、かといって積極的に馴染むよう努力する様子も見せずただ依頼遂行のための行動をとっていく。それは淡々と冷徹に任務遂行だけを考えているというより、とりあえずそれしかすることがないためそれに集中している、そんな風にも見えた。
 仲間との同行すら積極的に自分では行わず、【守護者召現】で呼び出した忍者の恰好をした黒い狼の獣人、死の精霊陰狼に任せ自分は迷彩での隠れての援護に徹している。
 確かにその姿勢は積極的に打ちとけようとしているようには見えない。だが、少なくとも敵の接近を警戒するその姿勢に手を抜く様子だけは全く見られない。
 そんな内外に不安を向けるような状況で進んでいく一向に、周囲の家の窓から大量の犬と猫が飛び出し躍りかかった。
『わんわんわん!』
『うにゃ~~~~』
 その鳴き声と共に炎が巻き上がり、全員を囲む。
「私のファイアチームをみせてあげましょう」
 それに対しベアトリスがクイーン・フォースの兵たちを呼び出すが、やはりその外見は今までと違う戦乙女。その姿に拭えぬ違和感を感じつつも、彼女たちは炎を踏み消していく。想像による無敵を力とする彼女たち。信じきれねばその無敵は容易く揺らいでしまう。その為にも、姿は変われど自分の兵とベアトリスは彼女たちの活躍を疑わぬことにした。
 そして炎の向こうから犬猫本体も猟兵たちに飛び掛かってくる。
 犬はその舌をだして顔に向かって舐めまわし、猫は足元を狙い喉を鳴らしてまとわりつく……じゃれてるだけだこれ。
「明確に攻撃するとかそういう意思がないと……」
 一応銃を持っては見るが、やはりあまりにやりづらく発砲に踏み切れない華澄。だが何とかして対処せねば。そう考え、一つの行動が思いつく。
「腹が減っては、ってね!」
 取り出したのは【戦備】で用いる菓子や携帯食。本来は自分で食べることで自分を強化するためのものだが、今回は華澄はそれを辺り一面にばらまいた。
『わうわうわう!』
『うにゃ~~~!』
 一斉にそれらに群がる犬猫たち。本来人用の食事を動物に与えるのはあまり良くないことなのだが、彼らもまたデビルキングワールドアニマル、そんなヤワな消化器官はしていない。うまそうにばらまかれた食べ物に食らいつき、全員で華澄の足元にすり寄っていく始末であった。
「戦意がないとどうもあれだな。やりにくい。やりにくいが……」
「でもなんとかして抑えないといけないし」
 そしてエルーゼのアリスの前にいるのは、この街を作った蝶本人であるスケベ少年たちであった。
 少年たちは高露出な服を着て豊満な体を惜しげもなく曝した二人に目を輝かせて迫っていく。
『すげー! でけー!』
『正子ねーちゃんよりでけー!』
 狙うはもちろん二人の胸。確かにその行動に敵意とか戦意はない。ただそこには、溢れんばかりのスケベ心だけが詰め込まれていた。
「触る気しかないような?」
 その見え見えの狙いに、エルーゼは光の刃を振り回してあしらう。普通なら敵意のない相手にやりすぎな攻撃だが、彼らにとってはこのくらいならハリセンで叩かれるようなもの。むしろユーベルコードを乗せていないだけ優しいくらいであった。
「さ、触るな!」
 アリスの方もそれにならって少年を抑え込む。アリスはエルーゼほど甘くはない。片手で少年の頭をアイアンクローに掴み、もう片手でその頭をぼこぼこと叩いた。一撃を加えた後光速の連続攻撃を叩き込む……即ちユーベルコード【罪なる災害】、お仕置きバージョンである。
 そんな何とも気の抜ける戦闘の中、彼らの主であるアリスマリアは陰狼、そしてホークと相対していた。
「いいでしょう、あなたはこの血を喰らう白薔薇の姫君『アリスマリア』が直々に相手して差し上げますわ」
 そう言ってガラスの剣を担ぎ切りかかる……もとい殴り掛かるアリスマリア。ふざけてるようでいてその動きは鋭く、一瞬反応の遅れた陰狼の足に当たりバランスを崩させる。
「我が牙の恐怖に戦慄なさい! がぶっ!」
 そこから流れるように噛みついて血を啜り、まるでその血が全身を染め上げたかのように赤い髪とドレスのオーバーロード形態に変身するアリスマリア。その一連の動きの速さは彼女本来の実力がそれなりなものであることの表れか。そしてもちろんこの変身は血は一切関係なく、本気を出せばいつでも使える全力モードである。
 ホークはその姿に、不用意にツッコミなどは入れずむしろ鉄傘で攻撃を防ぎ、大技を対処するかのように素早く動いて躱すなど大真面目に対応してあげている。
 これでアリスマリアが満足するならという、ある種お人よし的な対応。本人が必死に自分の設定をゴリ押してくるのだから、とりあえず乗ってやろうという彼なりの優しさであった。
 それに答えるように陰狼も黒い刀身の刀で彼女を相手取る。ダークな見た目の相手にアリスマリアの心も大盛り上がりだ。
「どちらが闇の支配者に相応しいか……ここで決めてさしあげましょう!」
 支配するのは闇じゃなくて法じゃなかったか。というあたりに突っ込まないのもやはり優しさ。とはいえ最後は倒さなければならないのだから、適当に切り結んだところで遊びは終わらせる。
「……さらば」
 陰狼は刀を振り抜き、アリスマリアを一閃した。それに払われるよう寿命を喰らう赤き力が切り裂かれ、アリスマリアの色が元の白へと戻る。
「……とりあえず、これは撤去するぞ」
「はーい」
 その戦いの後ろであくまちゃんたちに指示を出し街を解体しはじめるホーク。
「ホーク本人は悪い人じゃないけど……」
 まったくどこ行ったのか。彼の奥底にある優しい性質を仲間が理解してくれることを願いつつ、彼を残し今はまた消えてしまった男にやり場のない悪態をつくのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

稲荷・こん子
※アド、絡み◎

同行者:るこるさん(f10980)
 
・行動
「友達の為に頑張るです!」
あくまちゃんと遊びで仲良くなり張りきる狐

少年がこっちを見るように大声で聞こえるように、あえて「ちゅうも~く!」と言う
そして見てる前で白薔薇さんの姿に“勝手に”変化すると言う“悪い事”をする(声と容姿を変化、少し姿を盛るかも?)

更に口調も真似し「パンツみたいかしら?」などと言って、少年の願いを叶えて味方にしようと試みる
「味方になってくれたら、もっとお願い聞いてあげるわよ♪」

白薔薇さんにバレたら怒りそうだけど、るこるさんが足を止めて下さると信じて、色々と行動する狐

この姿が気に入って変化を解こうか悩む狐


夢ヶ枝・るこる
■方針
・同行:稲荷さん(f06041)
・アド/絡◎

■行動
さて、お仕置きが必要でしょうかぁ。

『少年達』への対処は一時稲荷さんと、先程築いた『防衛施設』のあくまちゃん達にお任せし『FBS』を四肢に嵌め飛行、白薔薇さん本人を狙いましょう。
『FMS』により白薔薇さんの周囲を囲って移動可能範囲を狭め、そのまま【煌箍】の網で捕獲しますねぇ。
稲荷さんの能力に対応し『変身』しても方向が絞れる以上捕獲は可能ですし、バリアを破るなら相応に時間が必要ですから、突破前に捕えますぅ。

そのまま『少年達』の下へ連行、衆人環視の中で服だけを『刀』等で切裂いて剥いた上で「好きにして良いですよぉ?」と彼らの前に放り出しますねぇ。



「友達の為に頑張るです!」
 共に遊ぶ……もとい共犯者となることですっかりあくまちゃんたちと打ち解けた稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)が仲間を守るためにアリスマリアとその眷属の前に立ちはだかる。
「ちゅうも~く!」
 そして眷属の少年たちに向かい大声を上げると、やはりスケベであっても根は素直なデビルキングワールド民、言われるがままに少年たちはこん子に注目した。
「色々、弄っちゃうのです♪」
 その目の前で、こん子は自身に【秘技・改造の術】をかけ、自身に生えたシークバーをスライドさせる。するとそれにつられるようにこん子の全身が形を変え、やがてアリスマリアそっくりへと変化した。
「今度は勝手に人に化けたぞ! 悪いなー!」
「これで何をしても罪を擦り付け放題だ!」
 そんな悪事にあくまちゃんたちからも大歓声だ。
「パンツみたいかしら?」
 こちらもそっくりになった声で、気持ち短めになったスカートをややめくりつつさらに盛った胸を揺らし少年たちを誘惑するこん子。
 もちろんこれを本物のアリスマリアが黙って見過ごすはずもなく。
「ちょっとあなた、私はそんなに下品な女じゃ……!」
 抗議と共にそれを止めようとするが、その前には夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が立ちふさがる。
「さて、お仕置きが必要でしょうかぁ」
 少年たちの相手はこん子と、自身の築いた防衛施設に籠っているあくまちゃんたちに任せてある。ならばアリスマリア本体を抑えるのは自分だと、るこるは兵装を嵌めて浮遊しながらバリアを発生させる円盤『FMS』をアリスマリアの周囲に設置する。
「何よ、これくらい……」
 それを乗り越えようとするが、FMSは器用に動いてアリスマリアを跳ね返す。そしてバリアの向こうでは、アリスマリアに化けたこん子がさらに少年たちを誘惑していた。
「味方になってくれたら、もっとお願い聞いてあげるわよ♪」
 口調も真似ながらドレスの胸元もずらすこん子。服の方の露出もいつの間にか上がっていて、最早やりたい放題だ。
「あああああ! 人の姿でなんて破廉恥な……」
「あんな人の下についてるあなたも同じようなものかとぉ」
 止めに行きたいアリスマリアだが、FMSが的確にブロックしそちらへは行かせない。そしてアリスマリアにもお仕置きの時間が迫る。
「大いなる豊饒の女神、その厳正なる裁きを齎す『祭器』を此処にお与え下さい」
 【豊乳女神の加護・煌箍】で作り上げた光刃の網がアリスマリアを包み込む。アリスマリアは剣を掲げてそれを防ごうとするが、切れない剣では抗し切ることは出来ずその剣諸共網の中へと捕らわれる。
 そのまま網を振り回し、何度もアリスマリアを地面へと叩きつけるるこる。激しく振り回され上下を何度もひっくり返され、頭や背中から何度も叩きつけられるというえげつない攻撃にアリスマリアはあっという間にふらふらになる。
「あ、あわ、あわわわわわ……」
 網の中で目を回すアリスマリア。曲がりなりにもユーベルコードの攻撃を受けてこれで済んでいるのは、彼女が悪魔でありその中でもそれなりに上位の実力者だからだろうか。
「反省しましたかぁ?」
「うぅ……自白は証拠の女王である、つまり私が負けと認めなければ負けじゃないのよ!」
 最近は否定されつつある考え方を誤用しながら抵抗を続けるアリスマリア。その体が赤く染まり、紅薔薇のオーバーロード形態へと変じていく。最後だからと対に設定をかなぐり捨てなりふり構わず本気を出したか。
 だが、その瞬間るこるは彼女を振り回すのをやめ、代わりに刀を取り出してその服だけを切り裂いた。
「はにゃっ!?」
 奇声を上げるアリスマリアを尻目に、るこるは網諸共FMSの上を通し、アリスマリアを少年たちの方へと放り投げた。
 こん子の挑発によりすっかり興奮し切った少年たちの前に裸のアリスマリアが転がり出る。
「好きにして良いですよぉ?」
『さっすが~、猟兵様は話が分かる!』
「ちょ、ちょっとあなたたち……いやぁぁぁぁぁ!!」
 一斉に少年たちがアリスマリアに群がり画面暗転。
「うわぁ、悪だ! かなりガチなやつだ!」
 あまりの悪辣さにあくまちゃんたちも大興奮だ。そして画面外から代わりと言わんばかりにこん子が戻ってくる。何しろ同じ格好をしているのだ。あのままあそこにいたら自分まで巻き込まれかねない。
「おかえりなさいませ、お疲れ様ですぅ」
「お疲れなのです! でもこの格好も中々かわいいし、なによりおっぱいが大きいので……しばらくこのままでいようか迷うのです……」
 胸をさらに盛っている上黙っていれば中々に美しいアリスマリアの姿が気に入り、戻ろうかどうか迷うこん子。その姿に、見えないところであれそれされている本物を遠い目で見つつるこるは何も言わないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『豚房流半棒術士』子豚・ユーステミシア』

POW   :    豚房流半棒術・国王といえども乳と法の下にある
予め【乳によって天秤の均衡を保っておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    豚房流半棒術・目には目を、歯には歯を、乳には乳を
対象のユーベルコードを防御すると、それを【武器、角、乳の各部位からそれぞれ一発ずつ】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    豚房流半棒術・法と乳はこれを許さず
レベル×1体の【自らの法に忠実な爆乳陪審員】を召喚する。[自らの法に忠実な爆乳陪審員]は【乳】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。

イラスト:すねいる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠子豚・オーロラです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ついに倒れた正子こと白薔薇の姫君アリスマリア。ただオブリビオンではなく一般悪魔である彼女は消滅することなどはなく、犬猫に引きずられて後ろの方へと下がっていくの身であった。
 そして彼女と入れ替わるように、さらに巨大な胸を持った純白の体に黒衣を纏った女が前に出る。
「無法なる貧乳に肩入れするか。見れば相当な者も少なからずいるのに」
 そう言って猟兵たちの胸を見回し、とりわけ大きな者に注目する女。
「我が法に従え。なれば法の下、公正に領地を与え収めさせよう。法は些事にこだわらず。乳ありて法に従うならば例え猟兵であろうとも法の下権利と庇護を約束する。そして貧乳及び男に対しても、法に基づき公正に課税、労役を課し等しく法の加護の下生きさせよう」
 天秤に乗せた乳を見せつけつつ勧誘をかける女。公正とは言っているが、その法自体が彼女の思想を体現するものならばそれは貧乳や男性を虐げることこそが公正となる歪んだ法治に他なるまい。ここはひんぬーのあくまちゃんたちが暮らすひんぬーの国だ。そのような法はお呼びではあるまい。
「言ってることがよくわかんないし、このおばさんワルじゃないぞ!」
「巨乳な上にワルじゃないおばさんなんてひんぬーの国から出てけー!」
 悪さを理解できなければ悪じゃないというあくまちゃん式論法により存在を拒絶される女。それに眉一つ動かさず女は答える。
「正義を行うべし、たとえ世界が滅ぶとも。汝らが法を理解できなくとも私が法を執行すればよい。この『豚房流半棒術士』子豚・ユーステミシアが法の下正しき裁きを下してやろう」
 そう言って乗せた天秤の均衡を保ったまま胸を張るユーステミシア。この悪法を布かんとする悪しき法律家を倒し、ひんぬーの国の自由を守るのだ!
ルルティア・サーゲイト
 おい、さっきのジジイ。目の前に酷いのが出たんじゃが。
「妾は常に流浪の旅人であり妾の法は妾が決める……お主のような奴は見つけ次第チェストして良いと妾の法が囁くのじゃよ!」
 とは言え、大きい事が良い事と言う法には一部同意できる。大きい武器は正義。
「チェスト無敵斬艦鎌!」
 もはや鎌が本体と見紛うばかりの大きさであるが、妾は元より身の丈より大きい鎌を使っておるので問題はない。巨乳殺すべし。
 仮に、防御されてもお主に妾のUCは使えぬ。何故なら、
「お主は乳で勝負するのじゃろう? その衣装で、下着が脱げるかッ!」



 ついに前に出た今回の首魁『『豚房流半棒術士』子豚・ユーステミシア』。その姿を見て、ルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)は呆れ顔で言う。
「おい、さっきのジジイ。目の前に酷いのが出たんじゃが」
 破廉恥な格好などと言って自身に鉄拳制裁かましてきたアリスマリアの祖父に抗議してみるが、当の本人は孫へのお説教に忙しく聞いちゃいない。もしかしたら昔気質すぎて国の偉い人には逆らわないとかそういうスタンスなのかもしれない。
 ともあれ、ユーステミシアの掲げる法はルルティアにとっては不都合かつ理不尽極まりない。そのような法に従う理由など彼女には無かった。
「妾は常に流浪の旅人であり妾の法は妾が決める……お主のような奴は見つけ次第チェストして良いと妾の法が囁くのじゃよ!」
「法の不知はこれを許さず。よそ者だから知らない、というのは法を犯すことへの言い訳にはならぬ」
 アリスマリアと違いこちらは正しく諺を用いながら、ユーステミシアは天秤を解体し小型盾と短棍にしてルルティアに突き込んだ。
 短いながらそれ故の取り回しやすさからくる鋭い突きを鎌で弾きつつ、反撃として振り回し切りかかるルルティア。だがそれも身軽さ故の動きで躱しつつ、最小限の部分を小さな盾に当てて反らすことで無駄なく回避していく。
「とは言え、大きい事が良い事と言う法には一部同意できる。大きい武器は正義」
 乳の大きさのみを絶対とする法に従うことは出来ないが、別のものの大きさならばこちらにも自信あり。小さな武器を操る大きな乳の相手に、小さな乳で大きな鎌を振るうルルティアが不敵に笑んだ。
 言葉通り、ルルティアの鎌は彼女の身長すら超える大きさ。だが、これではまだ彼女にとっては大きいとは言えぬのだ。
「お主が相手ではスリルが足りぬ。ほれ、こうすればスリリングになるんじゃろう?」
 さらなる大きさを求め、ルルティアは、その場で自らの下着を脱ぎ捨てた。
「うわー! さっきこっそり履いてたからなんでだと思ってたけど、脱ぎたかったから履いたんだ!」
「脱ぐために下着はくとかさすが変態! 下着へのぼーとくだー!」
 脱ぐために着るという衣服の概念に反抗するかのような使い方にあくまちゃんたちの声援が飛ぶ。そしてそれに応えるかのように、ルルティアの鎌が天をも突くほどの巨大へと伸びあがった。
「チェスト無敵斬艦鎌!」
 最早鎌が本体と見紛うべき大きさが、一気にユーステミシアに振り下ろされた。個の重量では小さな武器や防具では受け流すことすらできない。大きいことはいいこと、という言葉の正しい体現法に、ユーステミシアは身軽さを活かし躱すしかなかった。
 その巨大窯を軽々と引き戻す動き、そこに素早く盾を当て、ユーベルコードをコピーせんとするユーステミシア。だが、ルルティアはその動きを確認しながらも頓着する様子はない。
「それで真似ようというつもりか? だが仮に防御されてもお主に妾のUCは使えぬ。何故なら」
 はいてないスカートを翻し不敵に笑うルルティア。そして技を撃ち返そうとしたユーステミシアもそれに気づき表情を硬くする。
「お主は乳で勝負するのじゃろう? その衣装で、下着が脱げるかッ!」
 ユーステミシアの衣装は布を上手く縫い合わせた一体型のもの。つまり上着一枚で下着なしと言える形状をしているものなのだ。
 これではユーベルコード発動条件という絶対の『法』を満たすことは出来ない。世界の理さえ覆す力を秘めたユーベルコードだが、それもまた別の理……法に縛られる存在なのだ。ましてや他人の物を勝手に使うのだから、自分にその法が合っていなくても不思議はない。
 まるで彼女の行おうとしたことの報いを受けるかのように技を封じられたユーステミシアに、ルルティアの巨大鎌が迫る。
「チェストォォォォォォォォっ!!!」
 本日一番、渾身のチェストが、白き巨乳に対に叩きつけられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

稲荷・こん子
※アド、絡み◎

同行者:るこるさん(f10980)
 
・行動
前章のアリスマリアの姿をユーベルコードから[化術]に変え、外見や声のみ維持し、姿を変えたままで行動

相手の動きを良く見ながら【秘技】を打てる距離まで慌てずに回り込むように近付いて行き、声をかける
「大丈夫ですか?今から助けます!」

「なんてね♪」
気を許し隙を見せる、もしくは攻撃されたら、カウンターも兼ねて、変装を解き【秘技】発動

胸が大きくなる&相手の貧乳化で“相手の主張”を利用
「貴方の法に乗っ取ったようにするなら、判りますよね?」

それでも攻撃をされたら、逃げながら反撃

もし、平和が訪れたら
アリスマリアさんにオブリビオンの去った後の国を任せるのです


夢ヶ枝・るこる
■方針
・同行:稲荷さん(f06041)
・アド/絡◎

■行動
その法律は『骸の海』に建国して、其方でお願いしますねぇ?

『FBS』を四肢に嵌め飛行し【耀衣舞】を使用、『光の結界』を展開し[結界術]で強化しますぅ。
そして、残る『F●S』各種を『結界』の強化に回し『光速突撃』を行いますねぇ。
相手の能力は見破り易い以上、『光速突撃』を回避手段に使ったり、当たる位置の『結界』をピンポイントで強化すれば対処可能ですぅ。
その際『体型の反動』も許容し、胸の増量と引換えに威力を強化しますねぇ。
稲荷さんが狙われたら『結界』で防ぐ形でカバー、彼女の[カウンター]に繋げましょう。

後は、自身の発言が返る流れに合わせますねぇ。



 流されやすいデビルキングワールド民をごく少数とはいえ、自ら手勢を集めて国を作りそこを己の法で治めていたユーステミシア。その次なる目的としては国の拡大、そしてより多くの悪魔たちを己の法に従わせること。
 そしてその法とは巨乳を優遇し、貧乳を弾圧、搾取しDを集めるためのもの。その行く末はカタストロフ……と、結局のところは各世界のオブリビオンが行っている活動と変わらない本当の意味での悪行なのだ。
「その法律は『骸の海』に建国して、其方でお願いしますねぇ?」
 それ故、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は彼女を骸の海へと返す、ただそれだけを目的に相対する。
「それほどの乳ならば上位階級として庇護されように。無論上位たるものはそれ相応に負うべき義務もあるが」
 乳を天秤に乗せたままそう言うユーステミシア。だが、その姿勢を取り続けることが彼女の策であり戦闘準備であることは分かっていた。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その衣を纏いて舞を捧げましょう」
 戦輪を四肢にはめ浮遊しながら、【豊乳女神の加護・耀衣舞】を発動するるこる。そのまま自身の周りに光の結界を張り、さらに装備する兵装を結界の強化用のエネルギータンクとしてその力を供出させた。
 そのまま結界諸共光の弾丸となり、ユーステミシアへと体当たりをかけるるこる。
「国王といえども乳と法の下にある。我が乳の裁くところより逃れ得ぬと知れ」
 ユーステミシアは天秤を乳からはなし、それを振り回して突っ込んでくるるこるに叩きつけた。光速すらにも反応する……というよりは突っ込んでくる軌道に置いておいた形ではあるが、その勢いで取り落とさないのは彼女の握力が相当なものであることの現れ。
「強化のほどはそのくらいですかぁ」
 その籠った力の具合をはかり、相手の動きを見切るるこる。
 さらに天秤をばらし殴り掛かるユーステミシアだが、その攻撃の軌道には結界を壁の様に置き、体当たりで離脱しては攻撃を外していく。
 強化された攻撃は強力だが見切りやすい。その情報をもとに一撃加えた後は回避に徹するるこるに、ユーステミシアの半棒術は有効打を与えることは出来なかった。
「法皇様!」
 戦闘が膠着状態に陥りつつあるそこに現れる白い人影。
「大丈夫ですか? 今から助けます!」
 そこに現れたのは、色々されておじいちゃんに叱られ中のはずのアリスマリアであった。
「そなたは……祖父君との話はもうよいのか?」
「大丈夫です! お手伝いします!」
 駆け寄ってきたアリスマリアを隣に従え、るこるに向き直るユーステミシア。だが、並んだ時にその姿に小さな違和感を覚える。
「ところでそなた……あの剣はどうした?」
「割れてしまいました! なのでこれで戦います!」
 ぶんぶんと手刀を振り回すアリスマリア。そしてその手刀を振り上げ一歩踏み出し……
「なんてね♪」
 突如ユーステミシアの方を向き、その爆乳に手刀を叩きつけた。
「な……!」
 突然の腹心の裏切りに動揺するユーステミシア。その眼前で、アリスマリアの体が揺らぎ、別のものへと変じた。
「こん子の秘技、喰らうのです!」
 その正体は、先の戦いからずっとアリスマリアの姿を取っていた稲荷・こん子(七変化妖狐・f06041)。こん子はその化術を維持したまま一旦戦線を離れ、奇襲を行う機会を窺っていたのだ。姿の戻ったこん子はさらにもう一度手刀をユーステミシアに叩きつける。するとそれに吸われるようにユーステミシアの乳が縮み、代わりにこん子の胸が大きくなっていった。
「き、貴様! 盗乳罪は通常の窃盗より重罪と知っているのか!」
「知りませんそんなの!」
 彼女が定めたらしき法律を言われたところでそんなの知るわけがない。そして何より。
「貴方の法に乗っ取ったようにするなら、判りますよね?」
 貧乳が巨乳に搾取されねばならぬというなら、今誰が誰に従うのが法に則っているのか。
「不法に得たものは財産とは認められない。その乳は法に守られぬ!」
 こちらは検事としての立場に立ってか、こん子の違法な乳を否定するユーステミシア。だが、例えそうであったとしてもまだ乳はある。
「では、私のものでぇ」
 ユーベルコードの反動としての体型肥大を起こしたるこるが、体より大きな乳を見せつけ迫る。こちらは元々大きかったものをさらに膨らませた自前の乳だ。これを合法と言わずして何とするか。
「く……よかろう。ならばこの国に我が法が布かれし後はそなたに国家元首かそれに準ずる地位を認めよう。なればこそ、私がこの国を法治するのを妨げるな!」
 まだここに己の法は布かれていない。それ故に攻撃に転じたユーステミシアの棒を、るこるは結界で弾きその隙間にこん子がさらなる攻撃をかける。
「てやー!」
 今度は手刀ではなく、武器の薙刀の攻撃。薄くなった胸は防御効果もなく、その刃は深くユーステミシアの胸に突き立った。
「ぐうぅぅっ……!」
 白い肌に血を滴らせうずくまるユーステミシア。どれだけ己の発現を切り返されても屁理屈をこね悪あがきし続けるその姿は、あるいは法律家の悪しき側面の現れか。
「もし、平和が訪れたら、アリスマリアさんにオブリビオンの去った後の国を任せたいのです」
 色々あれな彼女だが熱意だけは本物だし、少なくともオブリビオンよりはよく国を治めて行ってくれるだろう。こん子はそう願い、まだ怒られ中のアリスマリアを思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ホーク・スターゲイザー
※アリス、エルーゼ、華澄、ミラーと行動
アドリブOK

「自ら法となるとはな」
天狼刃を抜き、相対する。
斬撃波を飛ばしつつ龍脈使いの技で魔力溜めを行う。
相手の攻撃を読み、相手の動きを誘って隙を狙う。
軽業で動き回りつつ、早業による連撃を繰り出す。
「ここに法はない」
今ここは戦場、あるのは自然界の掟、つまり捕食するかされるか。


ベアトリス・ミラー
※アリス、エルーゼ、華澄、ホークと行動
アドリブOK

法とはなにか、それを教えなければいけないようですね。
呼び出した兵士に戦わせましょう。
集団戦術で纏め、相手に隙を作る為に動かしましょう。
「法ではなく連携です。私欲に法を定めたとしてなにになりましょう」
ただの暴君となれば誰も来ず、滅びるのみ。


藤宮・華澄
※アリス、エルーゼ、ミラー、ホークと行動

うーん、法であれこれするのはいかがなものかと。
けど相手は聞く気はないでしょうからいつも通りに。
有終の刻を用いて援護射撃を行います。
今回はバックアップ優先で。
あとは流れに任せる形でなんとかしていきましょう。


アリス・スラクシナ
※エルーゼ、華澄、ミラー、ホークと行動

さて、こいつを倒せば終わりか。
別に外見であれこれ言われる筋合いはない。優遇するかどうかも怪しい。
獣の盟約を抜き、斬り込む。
魔力溜めを行いつつ早業で攻撃し、溜めたら一気に能力を上げる。
狙うなら天秤だろう。まあ、何が起きても仕方ないと。
法だのなんだの言っているが、都合のいい事を並べてるだけだな。


エルーゼ・フーシェン
※アリス、華澄、ミラー、ホークと行動

さて、さっさと倒しましょうか。
炎の剣を形成したら攻撃するわ。いい加減、名前決めないといけないけど。
風や雷を纏わせて攻めてみるのもありかも。
あの天秤さえなんとかしてしまえば有利に立てるかも。
こっちは連携の強みがあるけど、法なんてこんな時、役に立たないものね。
前ばかり気を取られてると危ないわよ?



 己の法を振りかざし、戦い続けるユーステミシア。その前に今度は五人の猟兵が現れる。
「うーん、法であれこれするのはいかがなものかと」
 藤宮・華澄(戦医師・f17614)はユーステミシアの行う侵略からの方の押し付けに難色を示す。
「行われざる法あるは法なきに如かず。法とは施行されて初めて価値を持つ。故に私は我が法を文言のみとせぬためにこの国を自ら法治せんとするのだ」
 再び天秤に乳を乗せた格好で言うユーステミシア。そもそもその法を布くこと自体に異を唱えられているのだが、そこは恐らく分かったうえで無視しているのだろう。華澄自身も、言っては見たが相手が聞くとは思ってはいなかったためその答えに特に何かを思うことはない。
「法とはなにか、それを教えなければいけないようですね」
 ベアトリス・ミラー(クリエイター・f30743)も法を乱用する彼女にそう告げるが、やはりユーステミシアは眉一つ動かさない。
「法の悪魔たるこの私に法を語るというか。そも法諺からして真逆の内容のものがいくつもある。如何な法をもって私に挑むつもりか」
 言葉こそ問いかけだが、問うような口調ではない。これより行われるのは問答でも裁判でもないことは、お互い分かっていることなのだ。
「さて、こいつを倒せば終わりか」
 それを示すように、アリス・スラクシナ(邪神の仔・f21329)が気負う様子もなく武器を抜いた。
「別に外見であれこれ言われる筋合いはない。優遇するかどうかも怪しい」
 アリス、そしてこの場の女性はユーステミシアに負けぬほどの豊満な胸を持っている。彼女の法の観点からすれば上流階級、搾取層に位置づけられる者だろう。だが、彼女が本当にそのようにするかについてはアリスは信じられなかった。
「法は公平である必要はないが公正でなければならない。法が不平を定めるならそれに従って公正に不平等たらねばならぬ。不法なる公平よりも法に従った不公平こそが国家を清廉へと導くのだ」
 法の悪魔を名乗るだけあり、法に定められたことは何があろうと違えるつもりはない、それが彼女の矜持なのだろう。だが、その法そのものが許容できぬのだから、結局は彼女の法治は否定するしかあるまい。
「さて、さっさと倒しましょうか」
 そしてエルーゼ・フーシェン(踊り子・f13445)もまた宝石のついた剣を構える。
「いい加減、名前決めないといけないけど」
 炎を巻き起こす精霊の力を得た剣。安定して作れるようになったのだから銘を考えねばとは以前から思っていたが、なかなか良い名が浮かばない。
 ともあれ、今はそれより考えるべきことがある。武器を構えた二人は、同時にユーステミシアへと攻撃をかけた。
「来るか!」
 ユーステミシアは天秤から胸を離し、棒と盾へと変化させてその攻撃を迎え撃つ。棒でアリスの『獣の盟約』を打ち払い、盾でエルーゼの構えた剣を受け流す。その勢いは力強く、やはり乳を天秤に乗せていた時間の分だけ強化されていたことが見て取れた。
「自ら法となるとはな」
 防がれた初撃に重ねるように、ホーク・スターゲイザー(過去を持たぬ戦士・f32751)が『天狼刃』を振るい、斬撃波を放つ。
「私は法を司る者、即ち司法である。そして法を定める立法であり、その法によって国を治める行政である。私はあくまで法に則るものであって、法そのものではない」
 三権分立を真っ向から否定する、ある種の横暴。もっともそれは法を司るものが彼女しかいないからであり、いずれはアリスマリアなどをそう言った役職につかせるつもりでもあったのかもしれない。
 だがそうであろうと、それは所詮カタストロフまでの戯れ。棒で斬撃波を撃ち落とされつつも、ホークは龍脈の力を吸い上げ、己の力を溜めて次に備える。
 さらにそこに華澄が『有終の刻』を用いて援護射撃をかける。そちらは盾を構えて受け止めるが、連続で放たれる弾丸を両手の小さな盾で受けきるにはかなり激しい動きを要し、胴部分ががら空きとなる。
「私のファイアチームをみせてあげましょう」
 そこにベアトリスが【クイーン・フォース】の兵たちをかからせる。無敵の兵たちは空いた胴に集団で攻めかかるが、ユーステミシアは翼を広げて飛翔、その集団を纏めて飛び越えることで躱さんとした。
「法の裁きを受けよ!」
 そのまま急降下し、短い棒を鋭く抉りこむように放つユーステミシア。狙われたホークは、その動きをギリギリまで見据え、そして己の中に溜めた自分と龍脈の気を爆発させた。
「……!」
 その全てが勘として教えるまま、瞬間的に体を動かし避けるホーク。因果の流れすら察する【因果律超越勘】の導きの前には、強化の代償として見破られやすくなったユーステミシアの動きを見切ることなど造作もなかった。
 大きな攻撃を外したユーステミシアを、再びエルーゼとアリスが攻める。
「狙うなら天秤だろう。まあ、何が起きても仕方ないと」
「あの天秤さえなんとかしてしまえば有利に立てるかも」
 武器であり力の源である天秤。多くの国や世界で法の象徴とされるそれは、戦闘というより現実的な意味合いにおいても彼女の要であることは間違いあるまい。
 相手が防御するならと、エルーゼは風と雷を剣に纏わせてあえてその天秤の盾に叩きつけてそこを攻め、アリスも強化された一撃をもう一つの盾目がけて打ち下ろす。
「く……!」
 防御一方のユーステミシア。元より強化は攻撃の方に多く振られているのだ、守りは自力に頼る部分が大きい。
「法だのなんだの言っているが、都合のいい事を並べてるだけだな」
「法なんてこんな時、役に立たないものね。前ばかり気を取られてると危ないわよ?」
 法は文言から離れられない。暴力飛び交う戦場において、それは余りにも無力であった。そしてユーステミシアがもう一つ持たないもの、それは連携をとる仲間。
「法ではなく連携です。私欲に法を定めたとしてなにになりましょう」
 結局は己に都合のいい法律を作り押し付けるだけの彼女に、ベアトリスがもう一度兵士たちをけしかける。
 もう一度棒を払ってそれを防ごうとするが、それは連続で撃たれる華澄の弾丸によって軌道を変えられ、流れを完全に相手側へと奪われていた。
「ここに法はない」
 ここは戦場、あるのは自然界の掟、つまり捕食するかされるか。そう言わんばかりのホークの連撃が、一連の連携の締めを飾るかの如く叩きつけられた。その攻撃をユーステミシアはホークの【因果律超越勘】をコピーし躱そうとするが、『防御』が必須となるそのコピーは同じ防御型の技を真似るには極めて不向き。
 戦いの間は法は黙る。アリスマリア、そしてユーステミシア自身が好んだ法諺の一つを体現するかの如く、つなげられた戦いの嵐は弁多き法律家をここに黙らせるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
WIZ

豚房流は貧乳蔑視する子が多いわね。
半棒は別名『乳切木』
まさか悪い貧乳に巨乳を切られかけた過去が!?
その復讐として貧乳の国で巨乳主義の法を!?

……必ず、救済するわ!!

『快楽の檻』で戦闘力510倍の群体淫魔に。
爆乳陪審員とユーステミシアを
金縛り【念動力・マヒ攻撃・範囲攻撃】にして
群体に取り込み【捕縛】

私はオブリビオンの楽園の主。
この檻は貴女を守る為の鳥籠

【誘惑・催眠術】のフェロモンで魅了しつつ【怪力】で服を裂き
乳、腋、前後の穴、足の指をしゃぶり
【化術】で契木(肉棒)を生やし【串刺し・慰め】
媚毒体液【呪詛】を【乱れ撃ち】しつつ【生命力吸収】
永遠の契りを交わし、愛と快楽の世界に導くわ



 今回の首謀者であるオブリビオン子豚・ユーステミシア。その流派は豚房流半棒術。半棒とはあまり効かない武器の名かもしれないが、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はその武器の名に思うところがあった。
「豚房流は貧乳蔑視する子が多いわね。半棒は別名『乳切木』。まさか悪い貧乳に巨乳を切られかけた過去が!? その復讐として貧乳の国で巨乳主義の法を!?」
 多くの世界で豚房流とまみえその技を身をもって知ってきたドゥルールは、乳を切るという言葉が如何に豚房流と相いれない表現かを知っていた。そしてそのような名前の武器をあえて使うなど、よほど深い理由があるのでは。
「……必ず、救済するわ!!」
「いや、別にそんな理由はない。棒術と名乗るにはこの天秤棒は短すぎる故十手術を含めた形で半棒術と呼ばれているだけだ」
 大真面目に答えるユーステミシア。ここで適当に話を合わせておけばある程度攻撃が緩んだかもしれないのに、基本的に嘘を付けない性格なのだろう。
 ともあれ、戦闘は開始された。ユーステミシアは天秤を掲げると、女神の如く高らかに宣言する。
「これより開廷する。陪審員たちよ、その正義の心により正しき評決をこの者に与えよ」
 その呼び声に答えるかのように、どこからともなく多数の女性悪魔が現れた。彼女たちはいずれもユーステミシアに匹敵するほどの爆乳であり、胸を強調する衣装をまとっている。
「我が配下アリスマリアを辱め、貧乳の国への法の施行を妨げんとするこの者にいかなる裁きが相応しいと考えるか」
「はい裁判長。我々陪審員は全員一致で乳刑の即時執行を評決といたしました」
 また肩書が増えているユーステミシアだが、その裁きは淀みない。淀みなさ過ぎて法廷としてどうかというくらいである。そして乳刑とは何事か……と思う間もなく、ドゥルールを取り囲んだ陪審員たちがその乳を持って体当たりや捕縛、殴打をかける。
 多少名残惜しさを感じつつもそれを避けるドゥルールだが、最後に本命とばかりに繰り出されるユーステミシアの棒による攻撃は鋭く、やむなく全力でそちらは躱さざるを得ない。
「黙って刑を受けるわけにはいかないの……愛は全てを包み込むの」
 その連撃を、ドゥルールは【快楽の檻】を発動、守護霊と融合した群体の淫魔となることでその場から散って躱した。
「人数が多ければ罪が分散されるということはない。法は一人一人に厳密に適用されるのだ」
 その群体を追い、武器や乳を振り回す悪魔たち。だが、例え一人を叩くことは出来てもそれに散らされるように他の無数の群体が散り、徐々にユーステミシアと陪審員たちを取り囲んでいく。
「私はオブリビオンの楽園の主。この檻は貴女を守る為の鳥籠」
 その言葉が示すように、群体に囲まれた陪審員たちはその武器である乳を痺れさせ、次々その場に崩れ落ちていった。ユーステミシアはさすがにすぐ倒れるということはないが、その白い乳を突き出しぶるぶると痙攣している。
「拘束は緊急時を除き法によってのみ為されるもの……これは不法なる逮捕である!」
 その麻痺を違法なものとして否定するユーステミシア。だが、砲よりも絶対なものがあると言わんばかりにその言葉を無視し、群体たちはユーステミシアに群がる。
 服を裂き、乳をはじめとした全身を舐めまわし、そこから一斉に生命力を吸い上げる。そして股間に取り付いた者は己に生やした『契木』で、ユーステミシアを貫いた。
「配下と同じ愛の串刺し刑よ。この契りの棒であなたを愛の世界に導くわ」
 そこから体内への愛の百叩き、後に生命力吸収と棒の先端からの愛の銃殺刑がユーステミシアに執行される。
「認めぬ……私が跪くのは法の文言にのみ……!」
 懸命に耐えるが、その体は震え、白と黒しか認めぬ肌に赤みがさしていく。
 やがてその赤が顔を支配するころに、ユーステミシアは最後の生命を奪われ消滅、同時に陪審員たちも消え、ここに悪魔の裁判は閉廷となった。

 かくして、ひんぬーの国を襲った恐るべき法の戦はここに終結となった。
「やったぞー! 巨乳をやっつけたぞー!」
「やっぱりひんぬーが最強だー!」
 喜ぶあくまちゃんたち。ほとんど解説と驚き役の賑やかし担当だったということは突っ込んではいけない部分だろう。
 その後デビルキングワールドの常として、戦後処理(後片付け)を行った後お土産を持たせ侵略側を礼儀正しく国に返すあくまちゃんたち。
「うぅ……法皇様ぁ……」
 銘菓ひんぬー饅頭を手に国主のいなくなった国に帰るアリスマリア。彼女がこの後多分空中分解していくだろう国を再度纏めるかどうかは、誰も知らない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月16日


挿絵イラスト