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銀河帝国攻略戦⑤~合流を阻む敵を迎撃せよ!

#スペースシップワールド #戦争 #銀河帝国攻略戦

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 グリモアベース。いつも猟兵の合流地点として使われる場所。
 その場所は現在、沢山の猟兵たちがひしめき合っていた。
 それぞれグリモア猟兵の元へ行き、真剣にその予知内容を聞いている。
 いつもよりもどこか緊張があり、そして慌ただしく、そしてどこか殺伐としている。
 細い細い糸が、ぴんとこの空間全体に張っているようだった。
 それはこの妖精も同じで、彼女はどこか緊張した面持ちで、今回集まってくれた猟兵たちを見渡す。
「皆さん、ご存知かとは思いますが現在銀河帝国攻略戦が行われております。」
 そう切り出したのはファータ・カンタータ(遥か彼方の花びら・f02060)。
 集まった猟兵たちを前に、彼女は胸の前できゅっと自身の手を握っていた。
 震えているのだろうか。猟兵の一人がそれに気付いたが敢えて言わず、彼女の説明に耳を傾ける。
「率直に、事実だけお伝えすると、銀河帝国の戦力規模はかなり大きく、このままでは不利です。」
 いくら猟兵たちが優秀であろうと、このまま戦っていてはジリ貧になっていくことは目に見えていた。
 では、そうならないためにはどうすればいいのか。答えは明確である。
「こちらの戦力を拡大するために、『解放軍』へ一つでも多くの宇宙船を合流させる。これは地道であり、ですが確実な攻略法です。」
 時間稼ぎであれ、心理的効果であれ、数は力。
 まだミディアの手によりワープドライブが装着されていない宇宙船は多々あった。
 これらがにワープドライブが装着され、戦力として機能させることが出来れば戦況もまた変わってくるだろう。
 だが当たり前ながら、銀河帝国がそれらを黙ってみているはずがなかった。
「私が予知したのは、一機の宇宙船が『解放軍』へ向かう途中、突如出現した大量のオブリビオンを乗せた戦艦によって破壊されてしまうモノです。」
 大量のオブリビオン――つまり集団戦か。
「敵の内容は……ごめんなさい、ちょっと詳細まではわからなかったのですが、おそらく一体一体の強さはそこまででもないはずです。少なくとも、皆さんにとっては。」
 しかし、それらは一機の宇宙船を容易く破壊できてしまうほどの戦力だ。油断はしないで欲しいという彼女。
 転送先は敵戦艦の内部だという。
 なるべく大技を駆使し、迅速に戦艦内にいるオブリビオンを撃破、そして最終的に戦艦を破壊して欲しいとのことだった。
「戦闘終了後、戦艦の破壊方法については皆さんにお任せします。おそらくコアマシンを壊せば、しばらくしないうちに戦艦は破壊できますので……。」
 一通り説明し終えると、ファータは長く細く息を吐く。
「……もし、戦況的に撃破が厳しいと判断しましたら、絶対に無理をせず帰ってきてくださいね。こんなことを言ってはいけないのかもしれませんが……私は、私個人は、皆さんがいなくなってしまうほうが辛いですので……。」
 言った後、彼女は首を振り「今の発言は忘れてください。」と言って頭を下げた。
 そして凛と顔を上げると、敵戦艦へとつながるゲートを開いていく。
 この先は、敵の海。猟兵たちは気を引き締めるとその中へと入っていった。


苗木 葉菜
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「銀河帝国攻略戦」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 こんにちは。はじめましての人は初めまして。苗木です。
 リプレイ執筆は遅いほうかもしれません。すみません。
 普段は全採用をモットーにしていますが、今回の戦争はシナリオの成功本数が重要なため、成功度に達したらある程度のプレイングはお返ししてしまいます。
 先着順ではありませんので、送れるときに送って頂けたらと思います。
 どうかご理解とご了承をお願いいたします。

 プレイングを書く際余裕がある人はマスターページを見てからプレイングを書いて頂けると嬉しいです。
 ご同行者様がいらっしゃる場合はなるべく冒頭に【わかりやすい表記で】お願いいたします。
 今回敵の数は指定してませんが、皆さん思い思いに無双して頂ければ。
 最後に戦艦破壊の描写があると大変嬉しいです。ない場合は適当に発破します。
 それではどうか皆さん、お気をつけて。
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第1章 集団戦 『彷徨うウォーマシン』

POW   :    多弾頭型収納ミサイルポッド
レベル分の1秒で【腰元から複数の誘導ミサイル】を発射できる。
SPD   :    演算処理
【高性能ソナーによって】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    近接形態
自身に【強化外骨格】をまとい、高速移動と【スラスター】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マリア・フランサスカッチ
敵船内部、転送…完了。
内部から直接ぶっ叩いて破壊するとは実に合理的だな!(満足げ)

集団戦なら任せておけ。
ボクは敵機を〈踏みつけ〉〈ジャンプ〉を駆使した〈空中戦〉のようなアクロバティックな戦法を得意としている。
その上、船内の曲道や扉などの遮蔽物を〈地形の利用〉して敵機を翻弄し、誘導ミサイルを避けてやるぞ。

さあ、こちらもお返しだ!
【フルバースト・マキシマム】を奴らに〈一斉射撃〉でぶっ放してやるぞ。

本来はボクも君たちのように帝国のために破壊と略奪を行う機械だったのだろう。
しかし今のボクにはそれを許さない意思があるのだ……すまない。

最後はボク自身のクローム製の拳をコアに叩きつけるぞっ!!

♡♥


江戸川・律
戦闘前にフラグ立てるの禁止!まぁ大丈夫何とかなるからさ

ビーム兵器搭載型じゃないなら
何とでもなる
とりあえずは戦いやすい環境に改編させてもらうよ

歩みを進めながらカッンと足を踏み鳴らし
「レプリカクラフト」を
罠使い+戦闘知識+早業+高速詠唱を併用して起動

予測できるなら予測してみな変幻自在がクラフト系の神髄だ!!

通路またはフロア内で
作成可能最大規模の巨大な金属のブロックを作成

敵の進路を狭めると同時に質量で圧殺します
また性質の悪い事に
パズルのように衝撃破+念動力で操作移動も可能
高速移動を妨害することにより仲間の援護も兼ねます

戦いはココ(頭を万年筆でこつんとたたき)でするもんさ

アドリブ共闘大歓迎です


プアゾン・フィエブル
むりはしない。大丈夫。躱すのはうまいから。
みんなが体調を崩さないように。みんなの持ち物を壊さないように。
わたしは少し離れた処から。

身体をちりぢりに分解──悪い子たちの攻撃を迷彩/逃げ足ですり抜けて。
わたしのウィルスデータを沢山抱えたいい子たちを解き放つ。
ナノマシン/感染/熱暴走/時間稼ぎ。
熱暴走によるエラーやシステムダウンの誘発。
動きがにぶれば。隙になるから。

わたしのかわいい子たち/いい子たち/愛し子たち。
何体かはこのまま戦って。
もう何体かはコアマシンの方にいっておいで。
今わたしたちが侵入している──この大きなからだの心臓に。
ひどいことしておいで/痛めつけておいで/病熱を与えておいで。
♡♥


スコル・カーバイト
メイン使用能力:POW

【立ち回り】
敵のデータがよう分かってねー感じだからな。初手は向こうの動きを把握すっために、回避しつつパターンを読んでいこうか
でもって、ある程度読めて来たら、攻撃開始と行こうじゃないか

向こうもありったけの数いるわけだし、ちまちまはやってられねーから、『カルバリーエッジ(攻撃回数重視)』を使って攻撃しつつ、『グレイプニルの鎖(武器)』を使って、効率よく敵にダメージを与えていこうかね
でもって、確実に倒せそーなやつがいりゃ、最優先で『捨て身の一撃』『2回攻撃』『属性攻撃』など使って、確実に仕留めっぞ

万が一ピンチになりそーな事を考えて、逃走経路も確保しねーとな


ニトロ・トリニィ
【心境】
あれが帝国軍の戦闘兵器かな?
ちょっと緊張するけど、解放軍の為に頑張らないとね!

【行動】
僕もみんなと一緒にコアマシンへ向かおうかな?
敵が出て来たら、僕が囮になってみんなを先に行かせるのもアリだね!

敵の動きに慣れるまでは〈盾受け/拠点防御/激痛耐性/火炎耐性/カウンター〉で守りの姿勢かな?
慣れてきたら〈鎧砕き/2回攻撃/目潰し/範囲攻撃/なぎ払い〉で攻撃だよ!
《念動力》を発動すればたくさん倒せるかな?

みんなが破壊工作に成功した後の退路の確保もしないとね!

アドリブ・共闘歓迎です!


メルティア・サーゲイト
 私は元々宇宙戦対応型だ。MODE PANZERの爆撃機形態であえて戦艦を外から攻める! ハードポイントに積めるだけの巡航ミサイルを積んで行くぜ。
「対艦巡航ミサイル、ただでは済まないんだよッ!」
 単機での対艦戦闘も仕様内だ。流石に撃沈出来る程の火力は無いが、無視できる火力でもない。外にも敵が居る事を理解させりゃそれなりに対応はしてくるだろ?
「避けるのはあんまり得意じゃないんだが、気合で避ける!」
 対空砲を優先的に巡航ミサイルで潰してレドームで船体を調べる。あるかもしれないだろ? お約束の弱点って奴が。
「アレ、一回やってみたかったんだよなァ」


フォーネリアス・スカーレット
【共闘:f03470】
 便乗させてもらうか。お前は一人くらい運べるだろう? 私を乗せていけ。そうだ、この戦艦もオブリビオンに変わりはない。どれだけ巨大な相手だろうと殺す。それだけだ。
 対空砲の相手は任せる。戦艦と言えど、全てを装甲で覆う事は出来ない。ある筈だ、弱点が。そこへ私を送り込め。この対艦チェーンブレードが実際に戦艦相手に通じるか確かめてきてやる。私自身が魚雷代わりだ。


ボアネル・ゼブダイ
「悪しき帝国にこの世界を渡すわけにはいかんな、今こそ我ら猟兵の出番だろう」

ウォーマシンに対し闇夜の眷属を発動
巨大蝙蝠達の群れで敵や誘導ミサイルを切り裂きつつダメージを与える
隙を見て血液セットから吸血、血呪解放も発動
攻撃力を上げて従順たる悪意やコ・イ・ヌールによる範囲攻撃等で多くの敵を狙う

「この美しい星海の安寧を乱すというのならば、我々はそれを全力で防ぐだけだ」

戦艦やコアマシンへは彼方からの来訪者を発動し、口から吐き出す怪光線で破壊
自分もまた雷属性や炎属性の憎悪する薔薇を放ち、徹底的に破壊する

「この宇宙を支配する権利など貴様等にはない。永劫続く闇の中で、流星となって消え失せるが良い」

♡♥▽▲


ルパート・ブラックスミス
猟兵として初めての宇宙船、戦争。
だが自分は幸運だ。仲間の猟兵以外すべて破壊していいなど実に好都合。
我が炎、存分に振るうとしよう。

UC【燃ゆる貴き血鉛】および青く燃える鉛が形成する翼展開。
【空中戦】だ。

まず【誘導弾】として機能する短剣を燃える鉛纏わせ【投擲】。
狙うは敵の腰元、ミサイルの誘爆だ。
並行して急降下、ミサイルをまだ抱えている敵を大剣で【串刺し】にして再上昇。
鉛の炎を移し火達磨にしながら敵陣目掛けて振り抜く。即席の爆弾だ。
後はこれを繰り返す。敵の攻撃は短剣投擲で迎撃する。

戦艦破壊の段になるなら大剣から炎を放ち残った敵の残骸および戦場に撒いた鉛に再点火。
その身諸共派手に散らすがいい。

♡♥▽▲


灯璃・ファルシュピーゲル
物量戦はあちらの得意分野でしょうし
・・ここで友軍の出血を強いられるわけにはいきませんね

艦内到達次第、
選抜射手の経験【戦闘知識・スナイパー】活かし
手近な物で遮蔽とりつつセンサー・脚部狙いで
【2回攻撃・援護射撃】し敵を牽制
味方が確実に戦闘態勢をとり先制攻撃する
時間と機会を稼ぐ

「coverします・・今の内に」

前衛ラインがしっかり出来上がったら
弱った敵から味方と集中砲火
コードも積極使用し呼び出した狼達を
味方や自身の動きに気を取られた隙に
死角から喰らいつかせ確実に数を減らすよう戦闘

戦闘後は【破壊工作】で
兵器庫内の大型ミサイル・爆薬等の信管を改造
利用し時限爆弾に仕立て上げコア部ごと爆破解体を狙う

♡♥▽▲


セシル・バーナード
同行:アドニード・プラネタリア(f03082)

さあ、行こうか、アド。派手に暴れればいいんだって。
フォックスファイアの「範囲攻撃」を中心に、押し込んでいこう。
燃えて、尽きろ。

敵の攻撃パターンは「学習力」で把握していくよ。
攻撃の兆候が見えたら、フォックスファイアで出鼻をくじく。

余裕があれば、サウンド・オブ・パワーやシンフォニックキュアで仲間の支援もしておきたいね。こちらは「楽器演奏」と「歌唱」にユーベルコードを乗せて。

コアマシンルームへたどり着いた。後はあれを壊すだけだ。
オブリビオンが普通の世界法則に従うのは不思議ではあるけどね。

それじゃ、フォックスファイアを全力で叩き込む!
この艦はもうお仕舞い。


アドニード・プラネタリア
同行:セシル・バーナード(セイレーン・f01207)

わーい、セシルくんと一緒だ♪
2人でガンガンやるぞぉ〜!

ユーベルで(全力魔法)を込めて。
やっと100個の矢が放てる。
コアマシンに撃つよ。
耐えれるかな?

攻撃・防御技能で、オブリオンの相手をするよ。
セシルくんの前に出るね。
セシルくん狙う不届き者は僕が撃つ!

技能能力は浅く深く覚えているから技能vsオブリオンでも、互角にやって見せるよ♪
頑張ろう〜!

攻撃技能(生命力吸収,2回攻撃,衝撃波,敵を盾にする,範囲攻撃,破魔)です。

防御技能(残像,敵を盾にする,盾受け,見切り)です。



「あの子、戦闘前にフラグ建てるの禁止だろ。なんとかなるから大丈夫さ。」
 転移を施したグリモア猟兵に対してか、ぽつりと言うのは江戸川・律(摩天楼の探求者・f03475)。
「そうね、むりはしない、大丈夫。」
 躱すのはうまいから。とプアゾン・フィエブル(あまい≒やまい・f13549)も律の言葉に同意した。
 転移が終わり、猟兵たちは広い広いフロアに出る。
「敵戦艦内部、転送…完了。」
 マリア・フランサスカッチ(パワー・イズ・ロジカル・f06733)はそう言うとゆっくりと前を見つめた。
 かたかた、きちきち。部屋には機械音が鳴り響く。
 まるで雑音のように機械の稼働音が重なり、重なり、重なって、一つの音のようになっていた。
 『彷徨うウォーマシン』。三足歩行のそれは、フロア全体に散らばっている。
 埋め尽くすほどではないが、数えるとしたら骨が折れそうな数だ。
 それを見て怖気づくどころか、内部から直接ぶっ叩いて破壊するとは実に合理的だな、と笑みを浮かべるマリア。
「あれが帝国軍の戦闘兵器かな?」
「十中八九そうでしょうね。それにしても多い……物量戦はあちらの得意分野でしょうし、ここで友軍の出血を強いられるわけにはいきませんね。」
 その後ろでマイペースに言うニトロ・トリニィ(楽観的な旅人・f07375)に対し、真面目に受け応えるのは灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)。
「ここまで敵が多いと、そう簡単にはコアマシンに行けなさそうだ。」
 そう言いながら大剣を構えるニトロ。
 彼の言う通り、コアマシンへ向かうにはかなりの数を減らさないと厳しいだろう。
「我が炎、存分に振るうとしよう。」
 同じく武器を構えるのはルパート・ブラックスミス(独り歩きする黒騎士の鎧・f10937)。
 スペースシップワールドへ来るのは初めてという彼だが、変に落ち着いていた。いや、嵐の前の静けさとでもいうのだろうか、彼の纏っている鎧の間から、青々とした炎がちらつく。
 しかし殺気立つ猟兵を宥めるように、かつんと足を踏み鳴らしたのは律。
「まあ待て、俺にちょっと手がある……が、敵に邪魔されたくはない。――頼むぜ?」
「時間稼ぎ、か。いいだろう――古き血で繋がれた眷属達よ、混沌の扉を抜け、我の前に立つ愚かな敵を喰らい尽くせ!」
 そう言いながら“闇夜の眷属(ブラック・ブレード)”を使用し巨大蝙蝠を召喚したボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)は、それらをウォーマシンへと向かわせる。
 鋭く大きな牙を持った群れは、それ自身がまるで巨大な蝙蝠になったかのように形を作り、そのまま敵へと突っ込んでいった。
 切り拓いた細く小さな道、そこへまるで冒険に出るかのように入っていく少年が、二人。
「聞いたかいアド。派手に暴れればいいんだって。」
「うん! セシルくんと一緒にガンガンやるぞぉ~!」
 それはセシル・バーナード(セイレーン・f01207)とアドニード・プラネタリア(天文得業生・f03082)で、二人は楽しそうに、嬉しそうに、敵陣へと駆けていく。
「燃えて、尽きろ。」
 まず攻撃を放ったのはセシル。ユーベルコード“フォックスファイア”を使用し青い妖狐の炎をウォーマシンへ放っていく。
 それは見事に命中し、いくつかの個体は炎を上げたが、反撃とばかりに誘導ミサイルを発射してきた。それも、大量に。
 しかしそれらはアドニードの“炎の術”で撃ち落とされる。大量発射された炎の矢はそれだけには留まらず、セシルの上げた炎へ加勢するかのようにウォーマシンのトドメを刺していった。
「全力魔法はコアマシンに取っておくけどその前に……セシルくん狙う不届き者は僕が撃つ!」
 そう言いながら前へ出るアドニード。己の技能を駆使し攻撃を繰り出していく、が。高性能ソナーによりその動きは予測されていたようだ。様々な武器を駆使するも攻撃は避けられてしまう。
「アド、あんまり前へ出すぎたら駄目だよ。」
 しかし、ウォーマシンが攻撃を避けた先に待ち受けていたのはセシルの炎。年はそう変わらないのに、まるでずっと年下の子供に言い聞かせるよう言うセシルに、アドニードはぷくっと頬を膨らませた。
 大量の敵を相手していた二人に、ふと影が落ちる。
 それは律の“レプリカクラフト”により作成された金属ブロックだ。
 高さ五メートル、長さ五メートル、幅一メートルのそれは何体かのウォーマシンを巻き込みながら現れる。
「予測できるなら予測してみな! 変幻自在がクラフト系の神髄だ!!」
 金属ブロックの上に乗る律。彼はそのままブロックの上と走るように移動していくと、同じ大きさのブロックをどんどんと生成していった。
 始めの一つは構造を精密に組む必要があるため生成に時間が掛かってしまったが、一度作成し記憶してしまえば、あとはそれを量産するだけだ。
 彼の技能を持ってすれば、このフロア全体に金属ブロックに張り巡らせるのにそう時間は掛からない。
 戦力が分断されたウォーマシン。小部屋とまではいかないが、区切られた空間にそれぞれ猟兵たちは移動し、殲滅していく。

「集団戦なら任せておけ。」
 マリアはブロックの上から飛び降りウォーマシンを踏みつけ、そこを足場にして再び宙を舞う。
 そのアクロバティックな動きに誘導ミサイルは追いつけず、空中でただ花火を上げるだけだった。
「さあ、こちらもお返しだ!」
 ふわりと宙を位置取る彼女が放ったのはユーベルコード“フルバースト・マキシマム”。
 アームドフォートによる一斉射撃は、自身の周りにたむろしているウォーマシン達を吹き飛ばす。
「そらそらっ!! 派手に踊りなっ!!」
 吹き飛ばされた敵を綺麗に一掃したのはスコル・カーバイト(ひねくれ灰狼・f06122)の“カルバリーエッジ”だ。攻撃回数を重視して投げられた斧は、まるで意思を持っているかのように動き回りウォーマシンを蹂躙していく。
 先ほどから良く敵を観察していた彼は、ウォーマシンが動きを予測し回避するタイミングを良く知っていた。
 彼曰く、どうやら一つの事に集中していると、使用頻度が少ないように見えるとのことだ。
 詰まるところ彼はマリアへ集中している敵を確実に仕留めていっていた。
 自身の武器である【グレイプニルの鎖】も駆使し敵を纏めながらブーメランのように戻ってきた斧を再び投げ倒していく。
 彼の思惑をわかってか、注目を集めるように再び一斉射撃をするマリア。
「敵の動きにも慣れてきた、かな。」
 スコルの斧が打ち漏らした敵を薙ぎ払うのはニトロだ。
 先ほどからマリアに直接攻撃をしようとする敵を牽制しつつ、攻撃へと転じるチャンスを伺っていた彼は、大剣を軸に弱っているウォーマシンを蹴り飛ばすと、それを“念動力(サイコキネシス)”で操作し敵へとぶつけていく。
「いいねぇ、あらよっと!」
 ニトロの攻撃によって倒れた敵をまとめあげるスコル。
「もしかしたら、本来はボクも君たちのように帝国のために破壊と略奪を行う機械だったのだのかもしれない。」
 まとめ上げた敵の真上へ跳びながら、ばちばちと火花を上げるウォーマシンに向かって、マリアはそっと呟いた。
「しかし今のボクにはそれを許さない意思があるのだ……すまない。」
 そして再び行われる一斉掃射。がらがらと崩れるウォーマシンを、また新たなウォーマシンが踏み潰し猟兵たちに襲い掛かっていく。
 三人のいる空間に敵がいなくなるのも時間の問題だろう。

 そんな彼女たちのブロック一枚先では、また別の猟兵が戦っていた。
 ブロックの上に乗り、狙撃をしている灯璃。
 一見隙だらけに見えるが、ボアネルの蝙蝠に気を取られそこまで敵視を浴びてはいないようだ。
「coverします……今の内に。」
 ちょうど灯璃が位置取っているブロックの麓にいるのはボアネル。ボアネルはある程度の攻撃を自らの巨大蝙蝠、そして灯璃に任せつつ自前の人工血液セットから吸血をしていた。
「感謝する。悪しき帝国にこの世界を渡すわけにはいかんからな。」
 吸血することにより発動したのは“血呪解放(ブラッディ・インセンス)”。攻撃力を向上させたボアネルは続いて“従順たる悪意(オヴィディエント・マリス)”を繰り出す。
 ブロックにより作られた空間を埋め尽くすほどのインプは、ウォーマシンへ次々に突撃していった。
「この美しい星海の安寧を乱すというのならば、我々はそれを全力で防ぐだけだ。」
 インプの波に飲まれそうになるウォーマシンだが、彼らもやられっぱなしというわけではない。
 高性能ソナーによりインプの攻撃を掻い潜りながら放たれた誘導弾。中には何体か“近接形態”になっているモノもいた。
 一撃で消滅してしまうインプ達はそれらによりどんどんと数を減らしていく。
 しかしそれさえも予測の範囲内だ。見えるのは、インプに紛れる黒い霧。それらは段々と狼の形を模していった。
「Sammeln! Praesentiert das Gewehr!……仕事の時間だ、狼達≪Kamerad≫!」
 咆える灯璃。彼女の咆哮に応えるように、本命として襲い掛かるのは狼の――いや、正確には狼のような影の形をした群れ。
 彼女のユーベルコード“Schwarzwald Wolfsschanze”により生み出された黒は、二人がいる空間一帯を支配した。
 視界が悪いように見えるが、彼女の眼は敵を逃さない。
 ボアネルの攻撃によって弱った敵を地道に、確実に狙撃で仕留めていった。
 そして遂に彼女の狙撃をしている場所へと誘導弾が飛んできたが、それはボアネルのひと振りによって何にも当たることなく爆発する。
 ボアネルは自身の装備している剣である【コ・イ・ヌール】を握りなおすと、地平線をなぞるように再び剣を振るった。
 刀身の長さが自在に変えられるそれは二人のいる空間全体に届き、ウォーマシン達を蹂躙していった。
 灯璃の狼にも当たってしまうが、霧でできている彼らは消滅せず、動かなくなった機械を吐き捨てまた別の機械へと噛みつく。

 別のブロックを隔てた先には、セシルとアドニード。彼らは先ほどの炎を使って敵を燃やし尽くしていた。その上空を、熱気と共に通り過ぎる猟兵が、一人。
 ルパートだ。彼は自身から滲み出た青い炎を展開させ、翼のように広げている。
 彼は悠々とブロックの上空を飛び、敵の多いところに急降下しては鉛滴る大剣で串刺しにしていた。
 すぐさま上空へと舞い戻り、他の敵に短剣を投擲する。その短剣には自分の翼と同じ燃える鉛が纏わりついており、それはウォーマシンの腰、つまりミサイルの発射口にあたった。
 爆発音を聞きながらまた他の場所へ。
 ――ああ、自分は幸運だ。仲間以外、すべて破壊していいとは……なんて、なんて好都合なのだろう。
 再び突撃し、大剣に刺さったウォーマシンを今度は持ち上げると、鎧の関節から溶けた鉛を青い炎を移し、火達磨にしていくルパート。
 火達磨になったそれが刺さった大剣を大きく振りかぶると、そのまま敵の塊に投げ込む。どぉん!という激しい爆発は、ブロックの上からでも容易に見えた。
「……ブロック、壊れないといいけどな……。」
 ルパートの顧みない攻撃に口元がひくついてる律。ブロックを生成した彼は、その上から高みの見物。ではなく、仲間のサポートに回っていた。
 というのもレプリカクラフトで作成したこの巨大なブロックを、自身の念動力で動かせるらしい。
 敵がいなくなってきた猟兵たちにはブロックで道を開け新たな敵を倒してもらい、押されている様子の場所にはブロックで妨害。
 律の絶妙な采配で、猟兵たちは戦いやすい環境、状況を手に入れていた。
「戦いはココでするもんさ。」
 自身の魂が宿った万年筆でとんとん、と頭を叩きながら改めてブロック操作に集中する。
 しかし、彼の力をもってしてもおそらくコアマシンにつながる部屋であろう扉の周りは変にガードが堅く、そこへの道は切り開けないでいた。
「心臓にいく、……やってみよう、わたしのいとしご、」
 いつの間に律の横にいたのか、熱を含んだとろりとした瞳で戦場を見つめながらすうっと虚空へ手を伸ばしたのはプアゾン。
 彼女の指先が、いや、正確には彼女の身体を形成していたテクスチャが、小さな小さな小型の機会兵器となり戦場へ降り注いでいく。
 あるモノは真下へ、あるモノはブロックを超えて、あるモノは遠くへ。
「わたしのかわいい子たち/いい子たち/愛し子たち。」
 ひどいことしておいで。痛めつけておいで。病熱を与えておいで。
 小さな機械兵器は、ウォーマシン内部へと入り込む。
 入り込んだ機械兵器は、ウイルスをばらまく。
 過多な情報量を入り込むタイプのそれは、ウォーマシンのメモリを圧迫し、熱暴走を起こさせた。
 極端に動きの鈍くなったそれらは、造作もなく破壊される。
 機械兵器たちのいくつかははその小ささを生かし、ウォーマシンを掻い潜ってキーロックを解除。コアマシンルームへ侵入する――はずだった。
「っ、……これ、は、」
 プアゾンがぴくりと動き、顔を上げる。「どうしよう、どうしたら、」とうわ言のように言う彼に、律は声を掛ける。
 聞けばこの戦艦は完全な自動操縦のためか、ロック機能自体がないらしい。これではアクセスも出来ず、解除も不可能だそうだ。
 乗り捨てるかのような使い方。まるでこの戦艦自体がウイルス爆弾のよう。
 プアゾンが言う。物理的破壊で壁を壊せばコアマシンルームへといけそうだが、そこに行くにはまだ敵が減らしきれてない。
 長期戦になりそうかと、律が苦い顔をした、その時。

 どぉん、どぉん、どぉん。
 地響きのような音、そして振動が戦艦内部へと伝わる。と同時に、室内が赤いランプへと切り替わり点滅し始めた。
《外部からの攻撃を確認。外部からの攻撃を確認。自動迎撃致します。しばらくお待ちください。外部からの攻撃を確認――》
 外部からの、攻撃?
「どういうこと?」
 アドニードがセシルに問う。わからないと首を振る彼だったが、心当たりはあった。
 ゲートをくぐる前にいたはずの猟兵が、この船内にいないのだ。
「まさか、外から攻撃している仲間がいるのかな?」
 ニトロは大剣を振りながらちらりと外を見やる。
 そこには小さな、小さな戦闘機が、集中砲火を掻い潜っていた。
 まさかそのまさかだったとは。
 その戦闘機に乗っているのは、フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)。
「おい、高度を上げろ。ハチの巣にされるぞ。」
 フォーネリアスの言葉に「わーってるよ!」と返すのはただの戦闘機――ではなく、“MODE PANZER(モードパンツァー)”で戦闘機に変形しているメルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)だ。
 やっとイイトコに当てたと思ってたのに、と弾幕を避けながら移動するメルティアはそのまま高度を上げ戦艦上空へ。
 真上へ照準を合わせられる砲台は少ない。巡航ミサイルで対空砲を潰し、戦艦の攻撃手段を削いでいくメルティア。
 しかし彼一人では、この戦艦を破壊するのは厳しいだろう。
 あるはずだ。弱点が。
 猟兵たちはみな極薄かつ透明で、防具の上から着用できる高性能宇宙服を装備している。そこに備え付けてある通信機で、メルティアは船内へと呼びかけた。
『あー、マイクテス、マイクテス。驚かせちまったらごめんなァ。私たちは今戦艦上空にいる。本当は私一人の予定だったんだけど。』
「構わない。だが、そこからどうするつもりだ。」
 この事態にもいち早く冷静に対応したのはルパート。しかし応答している間にも火達磨を作り上げウォーマシンへの爆撃を繰り返している。
『敵の気を逸らせられればと思ってな。』
 敵の気を逸らすという意味では、かなりの効果を発揮している。
 自分たちを運ぶ戦艦が攻撃を受けているとなれば、ウォーマシンも気が気ではないだろう。
 挙動不審なものやフリーズしているもの、宇宙に出ようとするものまでもがいた。
 攻撃が避けられ思うように数を狩ることができなかった猟兵たちだったが、これなら撃破は容易いだろう。
『ついでにもうちょっと戦艦破壊できないか探し回ってみるから、そっちは引き続きコアマシンの方頼むぜ。』
『オブリビオンはすべて殺す。そっちは任せた。』
 二人は思い思いにそう言うと通信はぷつんと切れた。
 フロアを見渡せば、自分の持ち場を処理しきった猟兵たちが、扉近くのウォーマシンを蹂躙している。
 プアゾンの機械兵器に搭載されたウイルスも手伝って、ようやく内部すべての敵を倒し終えることが出来た。
「さて、扉のロックが解除出来ないなら、壊すだけだね。」
 セシルが扉へ“フォックスファイア”をたたき込む。アドニードの“炎の術”も手伝い、熱を持つ扉。
 ルパートの溶けた鉛がそれをさらに加速させた。
 続いてマリア、灯璃による砲撃で脆くなった扉を、大剣を持ったニトロが切り込んだ。
 しかしまだ壊れる気配がない。続いて熱で柔らかくなっている扉に刺さるのはボアネルの薔薇。
「爆ぜろ。」
 炎と雷の属性を宿した無数の薔薇は、その言葉と共に爆発した。
 真っ赤になった扉に、迫りくるのは鉄のブロック。
 それにはスコルの【グレイプニルの鎖】が刺さっていた。彼一人では動かしきれないブロックを、律の念動力でコントロールしぶつけていく。

 同時刻、戦艦外部。
「――見つけた。」
 戦艦の稼働エネルギーを貯蓄しているタンクへと目を付けたメルティアたち。
 これを破壊すれば戦艦もただでは済まないだろう。
 彼女たちを狙う弾はもうない。メルティアの巡航ミサイルが全て潰してしまった。
「そこか。では行ってこよう。この対艦チェーンブレードが実際に戦艦相手に通じるか確かめてきてやる。」
 そう言ってフォーネリアスは躊躇いもなく飛び出した。
 無重力空間にも関わらず、物凄い速さで落ちていくフォーネリアス。
「……相変わらず狂ってるな。」
 その様子を驚きながらも、どこかあきらめに近い声色で見送るメルティア。
 部の悪い賭けかもしれないが、彼女が攻撃した後宇宙をさまようことのないよう移動していく。
「――私が、私自身が魚雷代わりとなって、お前を殺そう。」
 “神喰い”。
 彼女は落下の勢いを利用しそのままチェーンブレードを振り下ろす。
 二つの爆発。
 内部にいる猟兵たちがコアマシンを破壊したのと、フォーネリアスが戦艦を貫通したのは同時だった。
「あっちもやったみたいだな。」
「みんな、早く出口へ!」
 ウォーマシンの残骸を跳ね除けながら退路を確保したスコルとニトロ。
 彼らが開けた道を猟兵たちは駆けていく。
 背後に聞こえるのは爆発音。他にも損傷部位があったせいか、崩壊が速いようだ。
 内部の猟兵たちは振り返らず、グリモア猟兵の開けているゲートへと潜ったのだった。
「……私たちも帰るか。」
 フォーネリアスを受け止めたメルティアが、崩れ行く戦艦を見ながら言う。
「ああ、まだ殺すべきオブリビオンは沢山いるからな。」
 こうして小型戦闘機もまた、グリモアベースへ帰っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年02月08日


挿絵イラスト