#封神武侠界
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季節は春。
暖かい気候に小鳥はさえずり、花は咲き、世界は様々な色と音で彩られる。
ここは桃源郷。桃の花が咲き乱れる、誠に美しい土地。
そんな場所に誘われたのは、猟兵達だけではない。
「はぁ…なんと美しいことか」
思わず声を漏らした美しい女性。
その傍らには、これまた美しい獣が付き添っている。
「汝もそうは思わんかえ?」
問うてくる女性に、獣は答えるようにすり寄った。
女性は満足そうに笑い、獣を撫でる。
そして言った。
「誠に、ここは妾に相応しい」
●
「大変よ。夢の都“桃源郷”がオブリビオンに乗っ取られたの!」
リディー・プレヴェール(夢見る乙女のプリン(セ)ス・f27338)は慌てた様子で大声を上げる。
困惑する猟兵達を後目に、リディーは続けた。
「場所は桃源郷。封神武侠界にある、桃の花が咲き乱れるとっても綺麗な場所なのだけど。
それだけじゃなくて、滞在した人の霊力も高めてくれる特別な場所なのよ。
どうやら、オブリビオンに乗っ取られたみたいなの。
名前は“蘭芳(らんふぁん)公主(こうしゅ)”。
とっても美しいオブリビオンだわ。情報は…お手元の資料をご確認ください」
事前に配られている資料に目を通していく。
今回の任務の全容はこうだ。
封神武侠界にある桃の都桃源郷。あまりの美しさに、オブリビオンが乗っ取ってしまったようだ。
放って置けば桃源郷を根城にどんどんオブリビオンは強くなってしまう。
そうなる前に、オブリビオンを撃破し桃源郷を奪還してほしいのだ。
「おそらく、簡単にはいかないわ。
彼女に辿り着くまでに、邪魔も入るはずよ。
どうか気を付けてね」
リディーは一礼し、猟兵達を送り出したのだった。
楔之 祈
お久しぶりです。楔之 祈です。
ご無沙汰しておりました。今回はみんなでお花見に行く任務です。
その前に、邪魔なオブリビオンを撃退しましょう。
●第一章
【冒険】です。様々な大きさの泉は至る所にわいています。
特殊な泉の様で、入ると不思議な効果を受けてしまいます。
内容は統一されていません。暑くなるかもしれないし、急に冷えるかもしれません。
背が縮んでしまったり、逆に成長してしまったり。
様々な効果を潜り抜け、オブリビオンのいる場所へとたどり着きましょう。
●第二章
【ボス戦】です。ついに辿り着きました。
とても美しいオブリビオンですが、見惚れない様に。
彼女は幻獣を従える姫君であり、幻獣と共に戦ってきます。
●第三章
【日常】です。桃源郷を奪還した暁には、お花見をしましょう。
桃源郷には、大きな河が流れています。河のほとりでまどろんだり、好きに過ごしましょう。
●その他
第一章の泉では、効果を指定することができます。どんな効果を受けたか、それに対してどんな対応をするのか、またお任せでも全然大丈夫です。
各章に断章を挟みます。
原則として、断章の公開をプレイング受付開始とします。
プレイング募集期間等に関しましては、マスターページ等で告知致します。
その都度ご確認いただければ幸いです。
第1章 冒険
『不思議な泉』
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POW : 邪魔な敵を泉の中に蹴り落とす
SPD : 泉を迂回したり、飛び越えながら移動する
WIZ : いい効果が出ることに期待して、あえて泉の中に入る
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
葉を伝い、水面を揺らす水の音。
至る所に、泉が湧いている。
透き通る綺麗な泉。少し濁った泉。ぽこぽこと泡立つ泉。
はたまた光り輝く泉。
一羽の鳥が、泉に水を飲みに来た。こくりと一口、水が喉を伝う。
その鳥が飛び去る頃には、まるで龍の様な姿であった。
さて、諸君。
貴方の入るその泉は、一体どんな効果をもたらすだろうか。
●マスターより
OP公開から、プレイング受付までお時間を頂いてしまい申し訳ありません。
この断章以前に頂いたプレイングも、お時間の許す限り執筆してまいりますのでご安心頂ければと思います。
また、受付期間に関しましてはマスターページ等に告知致します。
万が一プレイング返却になった際にも、理由をマスターページにて記載してまいりますのでお手数ですがその都度ご確認いただければ幸いです。
それでは、たくさんのご参加心よりお待ちしております。
呉・星華
桃源郷の乗っ取り、あまりよろしく無いネ
呉家が末娘、呉・星華が手を貸すアルヨ
ん~不思議な泉ネ…戦う前に疲労するのは良く無いヨ
出来るだけ、入るのを避けつつ、他の猟兵の様子も見て安全そうな泉なら効果を気にせず突っ切って体力の消耗を抑えるヨ!
ん~戦闘にも使えるし今度棍でも用意しておくカ?
※泉の効果など完全おまかせ
ティファーナ・テイル
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「さぁ!不思議な目的の泉を探して頑張るぞ~!」(解らず元気)
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して周囲の(解っていないのに)目的の泉を探して『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化しつつ『神代世界の天空神』を駆使して空間飛翔で動き回りながら『スカイステッパー』で縦横無尽に探してみます!
『エデンズ・アップル』で“神様の林檎”を創造してパク付きながら従属神群に「そういえば、どんな泉なんだろね?」と尋ねて「?」となって慌てて周りにいる猟兵などに聞いて回ります♪
聞いて教えて貰えたらお礼を言いつつ“神様の林檎”を渡して目的の泉を探すのを再開します!
●
「うーん…あんまり疲れるのはよくないネ」
呉・星華(五星を司る、紅の華・f32787)は目の前に広がる泉に少しため息を漏らす。
まるで隕石が降ったかのようにあちらこちらにできた泉が行く手を阻む。
ただの泉であっても、これだけあれば避けて通る事ですら疲れそうだ。
その上効果が分からないとなれば、気苦労も絶えないだろう。
それでも、やはりできるだけ避けて通るのが最適解ではないか。
そう星華は考える。
一歩ずつ、泉に落ちない様に踏みしめながら歩く。
その頭上を、大きな大きな神様が通りすがっていった。
その姿は美しく神々しい。
彼女はティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)。
星華と同じ、猟兵だった。
輝かしい金髪は白い透き通った肌に映え、宝石のように眩しい。
そんな彼女に続き、【ガディスプリンセス・レディース】によって召喚された従属神達が飛び回っていた。
ティファーナはリンゴを齧りながら従属に問う。
「ところでさ、言ってた泉って、どんな泉なんだろね?」
さぁ、泉を見つけるぞ!
そう意気込んで飛び回ってはいるものの、それがどんなものなのかが分からない。
勿論、彼女が知らないものを従属達が知るわけもない。
皆がきょとんとしている。
その様子に、ティファーナはサァっと青くなる。
その実、探している物は目下に広がってはいるのだが。
「えっ、えっ!うぅ、泉はたくさんあるのにぃ!」
慌てて飛び回るティファーナ。かなり慌てているのか、同じところをぐるぐる回っている。
その様子は星華の目にも映る。
そして、ティファーナの目にも。
お互いを認識した瞬間、ティファーナはぐっと高度を下げてくる。
ぶわっと風が巻き上がる。その風圧と、ティファーナに驚き星華は思わず足を滑らせた。
ぼちゃん!
大きな水しぶき。あーあ、あれだけ気を付けていたのに。
「一体何アルか、もー、びしょびしょネ」
「ご、ごめんね!もしかして、不思議な泉の事知ってるかと思って…」
ティファーナはおどおどしながら説明した。
同じ任務を受けたこと。不思議な泉を探している事。
肝心な、その泉がどんなものなのかが分からずパニックになってしまった事。
謝りながら、ティファーナは星華の手を引き泉から引きあげようとする。
その後ろで、従属達も申し訳なさそうに縮こまっていた。
泉から出ようとした瞬間、星華の動きがピタッと止まった。
「…美味しいネ」
小さく呟いた。
どうやら、頭から被った水が口に入ったらしい。
「この水、美味しいアル!」
出かかった体を再び泉に戻し、水をすくう。
そして一口、飲んでしまった。
まるでジュースのような味。柑橘系で、さっぱりと美味しい。
ぐびぐびと飲み干していく星華。その姿に、少し興味を持ってしまったティファーナは、泉に手を付けてしまった。
その瞬間、なんだか飲みたくなってくる。
ぺろっとなめてみる。
「お、美味しい!」
両の手ですくい、同じようにぐびぐびと飲み始めるティファーナ。
桃のジュースの味がする。飲む人によって味が変わるらしい。
いずれも美味しいことに変わりはなかった。
しばらくの間、その場で休憩していた二人。
体力は回復したものの、時間は取られてしまったようだ。
こんな罠もあるのか…。
二人は急いで奥を目指した。
今度こそ、泉には気を付けつけながら。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
夢の都をのっとるなんて悪いヤツだね?
手が付けられなくなる前に倒さないとね
反抗の竜チタノの加護と導きを
沢山泉があると動きにくいからチタノに乗って空からオブリビオンのところまで行こうかな?
体力の温存にもなるし
それにしても桃源郷一体どんなとこなのかな?
●
「夢の都を乗っ取るなんて、悪い奴だね?」
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)はぷくっと頬を膨らませる。
彼女にとってその悪事は、実に感情的にさせた。
素直な少女。それ故に直情的な少女は、先へと急ぐ。
「反抗の竜チタノの加護と導きを」
小さく祈る様に呟くと、竜を創造する。
密集する泉を避けて歩くには、時間と労力を要する。
しかし、どちらもその余裕はない。
それならば、空から行けばどうだろうか。
反抗の竜はニクロムを乗せ、舞い上がる。
空から見た泉は、広大に広がりそして美しかった。
「…よし、いきましょう」
優しく竜に声をかけ、進み始める。
綺麗に広がる泉を、風を切って飛ぶのはなんと心地いいことか。
「夢の都…かぁ」
一体どんな所だろう。
聞けばとても美しい場所らしい。
今見ているここよりももっと、もっと綺麗なんだろうか。
なんだか少し、わくわくする。
尚更、オブリビオンの好きにはさせてはいけない。
ニクロムは改めて覚悟を決め、オブリビオンの元へと向かうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
梅力岩・じぇしか
WIZ
はえー。綺麗な景色に、綺麗な色しとるねえ……
見る分には十分楽しいけど、口にする勇気はないねえ。ないなー……んー……避けて進も!
……でもサンプル取ってみるのはアリか? 注射器のシリンジ空いとるし、今のうちに効能ば試しとったら後の戦闘で使えるかもな。まあ使えるもん当たったらまず俺が使い物にならなくなるかもしれんが
飲まずに効能見れたらいいですけど、こういうのは運よ運。体に良ければそれでよか、体に悪くても……よかや!
じゃ、行こかー実験。目的は桃源郷の奪還やし、ムキにならん程度でね
●
「はぇー…綺麗な景色しとるねぇ」
梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)はんーっと伸びつつ、綺麗な景色に思わず声を漏らす。
綺麗な泉が、その景色を更に彩る。
見る分には十分楽しい。楽しいが、残念ながらそれを試す度胸はない。
「流石に…口にするなんてもっての外よー、そんな勇気はないねぇ……ないなーうん」
彼はこれでも医者なのだ。
その好奇心は、かなり擽られる。
が、これから戦闘が控えている身。無理に危険を冒す必要はない。
「とは言え、サンプルは取ってみるのはアリか」
泉にしゃがみ、水面に映る自分を見る。
揺れる水面を眺めながら、ふとそんなことを考えた。
もし効能が使えるものなら、戦闘を有利に進められる。
まぁ、その分自分が使い物にならなくなるかもしれないが。
空いているシリンジに泉の水を飲ませる。
指ではじいてしっかり吸い取れたのを確認すると、再び泉へと向き直った。
「さーて…こういうのは運よ運。体に良ければそれでよか、悪けりゃそれもそれでよかや!」
ふん!っと力を込めて泉へと飛び込む。
聞いた話では、泉に飛び込んだだけで効能があるものもあるらしい。
そうでないのなら何も起こらないし、まぁダメージを受けなければいいだろう。
ばしゃん!
大きな音を立て、綺麗な水が宙を舞う。
しばらくしてそこから出てきたのは。
「うーん…なんもなかよなぁ…しょ、と、あれ、こんな深かったっけ?」
小さな男の子だった。
幼稚園児ぐらいの男の子。しかし、その姿はじぇしかをそのまま小さくした様な。
やっとのことで泉から抜け出したじぇしかは、自分の姿を確認する。
異様に低い視点。高い声。小さい手。
「な、な、、なんねこりゃあああああ!?」
広大な泉の集合地に、じぇしかの声が響いた。
まさかこんなことになるとは。
わなわなと震え、さーっと顔が青くなる。
「いやよ?なんかもうちょっとあったやん?なーしてよりによってこれ、えぇぇ…」
情報によれば、効能は一時のもの。
戦闘までに効果が切れるのを期待して、そしてもう二度とギャンブルはしないと心に決めて奥へと進むのだった。
勿論、泉に落ちない様に、慎重に。
小さい身体のおかげで、より安全に泉を避けられることが、不幸中の幸いなのかもしれない。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『蘭芳公主』
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POW : 厄災
自身の【生命力】を代償に、1〜12体の【凶事を運ぶ災厄の獣】を召喚する。戦闘力は高いが、召喚数に応じた量の代償が必要。
SPD : 凶兆
【幻惑の蝶々】を解放し、戦場の敵全員の【吉兆】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
WIZ : 禍殃
【嘗て友と呼んだ幻獣たち】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【纏う幻獣にしか見えぬ人の闘気】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠神宮時・蒼」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
美しい桃の花が咲き乱れる中、一人の女性が立っていた。
美しい女性と、その傍に従える幻獣は、桃源郷の景色に映えていた。
まるで絵の中にいるような、そんな錯覚を覚える。
現実ではないような、そんな感覚に陥る。
彼女は声をかけてきた。
「汝ら、妾の邪魔をしに来たのかえ?」
睨みつける姿すらも、美しいのだった。
●マスターより
プレイング募集開始は、2021/04/12(月)~となります。
それ以前に頂いたプレイングも、時間の許す限り執筆してまいります。
が、返却となってしまう可能性も御座いますので、ご了承ください。
また、受付期間に関しましてはマスターページ等に告知致します。
万が一プレイング返却になった際にも、理由をマスターページにて記載してまいりますのでお手数ですがその都度ご確認いただければ幸いです。
それでは、たくさんのご参加心よりお待ちしております。
ニクロム・チタノ
うわーとても綺麗なヒトだね?
でもアナタが此処を占拠してるオブリビオンだね?
だったら倒すよ、その獣がアナタの仲間でもボクにもチタノの加護がある
獣達の攻撃を受け流して重力を掛けて動けなくして蒼焔で燃やしてあげる!
さあ、これより反抗を開始する
桃源郷にチタノの加護と導きを
呉・星華
お前、容姿確かに美しいヨ、でも中身ダメダメアル
ここお前の場所じゃナイヨ、皆迷惑ネ
呉・星華。お前、倒すヨ
ワタシ、まだまだ未熟アル、全部倒せたら良いけど一人じゃ無理そうヨ
だから倒せるだけの獣を受け持ち残りは他の皆に任せたネ!
五星拳、木の気を活性化(肝臓の位置に手を触れ)
木…即ち風ヨ!身体を身軽に!素早く動いて獣達に対処するネ!
武は身も心も磨いてこそ、お前つまり功夫足りなかったネ!
もっと心磨いていい女になってたらお前負けなかったヨ?
●
呉・星華(五星を司る、紅の華・f32787)とニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は並んで蘭芳公主に向かい合う。
その姿はとても美しい。
「…なんだ?汝ら」
向かい合うと同時に、蘭芳公主はじっと二人を睨みつける。
「とっても綺麗な人だね」
ニクロムは言う。
「容姿は、確かに美しいヨ」
星華は言う。
そして続けた。
「でもお前、本当に美しくはないネ」
その言葉に、蘭芳公主はピクリと反応する。
蘭芳公主は星華に向かって問う。一体自分の何処が美しくないというのか。
星華は答える。その“心”だと。
「ココ、お前の場所じゃないヨ。迷惑ネ。だから」
呉・星華。お前、倒すヨ。
星華はすぅっと息を整えると、戦闘態勢に入る。
そんな彼女達に、蘭芳公主は笑う。
「は、あっはは!この妾が、不相応などと、戯言が!!!
汝らごときが、この妾に楯突くというか!」
腹を抱えて笑う。しかし、目は笑っていない。
その瞬間、ずらりと幻獣たちが蘭芳公主中心に陣を成した。
そう、彼女は一人ではないのだ。
しかし、一人でないのは、此方も同じこと。
「その獣がアナタの仲間でもボクにもチタノの加護がある。
他の仲間達だってついてる。ボク達は、アナタに負けないよ」
【キミの明日に反抗を(チタノタイマツ)】を使い、チタノの加護と共に星華と並ぶニクロム。
二人は目の前の脅威に向かって駆け出した。
●
とはいえ、戦力で言えば不利なのは明確だった。
数だけではない、蘭芳公主の幻獣達はその個体の戦力さえも高かった。
一筋縄ではいかない。このままでは、蘭芳公主にさえ辿り着かない。
(…まだまだ未熟アル。この数をまともに相手するのはキツそうネ)
星華は息を整えると、自信の肝臓部分に手を置く。
そして小さく呟くと、木の気を活性化させた。
【五星拳(ウーシーチュァン)】。
木、すなわち風。この力を持って、幻獣を惑わせる為動く。
身軽に。より疾く。
(大丈夫。勝機はある)
ニクロムも、戦況を見極める。
幻獣達はなおも攻め来る。その猛攻たるや、流星のようであった。
ニクロムはその攻撃を身軽に躱し、体勢を崩した幻獣に重力をかける。
ずしんと重い一撃に、幻獣は怯んだ。
その隙を見逃さない。蒼焔をもって焼き尽くすのだ。
二人はこの猛攻に負けない。
単身のみでなく。
星華が誘導した幻獣に、ニクロムが重力をかけ捕縛する。
そして焼き尽くし拳で打ち砕く。
互いの動きが、これほどまでになくマッチしているのを感じた。
「武は身も心も磨いてこそネ。もっといい女になってたら、お前負けなかったヨ」
嘆くなら、己の功夫の未熟さを嘆けと。
「さぁ、これより反抗を開始する」
桃源郷にチタノの加護をと導きを。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎
「神様として平和と正義は貫き通すぞ!」
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『スカイステッパー』で素速く縦横無尽に動き回りながら敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避け敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させます!
敵に『セクシィアップ・ガディスプリンセス』や『ガディス・ブースト・マキシマム』で♥ビーム/♥弾で攻撃をしつつ『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』+『ガディスプリンセス・アクティブ』で拳/髪の毛/蛇尾脚/集団連携攻撃を機会を見つつ仕掛けてみます!
梅力岩・じぇしか
やー……敵さん出会す前には身体元に戻って、本当によかったな。ウン。目撃者も居らんし無傷や。実際怪我もしとらんしね!
デッカくなって衣服破けるなんてことにゃならんで、良かったよねえ……こわいねえ、ギャンブル
さあて。出遅れた分、動かんとね
獣にはちいちゃくなる水ば注入しよか。捕縛はー……点滴のカテーテルを念力で動かそうか。意外と丈夫やけんねえ、噛み切ろうにも千切れんて。大人しくなれや
……敵でも子供殴るんは気いひけるな。無力化優先で、それでも襲われたら正当防衛で殴るわ
そんで蘭芳、やったっけ? 景色に負けんくらい美しい人やね。うん似合うよー。でもま、猟兵に目えつけられた時点でおしまいよ。帰ってくださいね!
●
梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)は真っ青な顔で現れる。
先程のギャンブルに負けたことが、かなりの心労になったようだ。
ここに辿り着く寸前で身体は戻り、幸運にも誰かに見られることもなかった。
小さくなる際に縮んだ服も、元通りになり、服が破れるなんてこともなかった。
心身共に健康。いやー、本当に良かった。ギャンブルは恐ろしいものだ。
そんなことを考えながら、蘭芳公主へと向き直る。
一安心した彼の前に、蘭芳公主は立ち塞がるのだった。
と同時に、ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)も辿り着いた。
二人で蘭芳公主を迎え撃つ。
「ふぅん?」
蘭芳公主はじっと二人を見つめると、ティファーナの方へ微笑みかける。
「汝は悪くない」
「はぇ?」
蘭芳公主は続ける。
汝は美しいと。
「妾の次にな。どうだ?こちらへこぬか」
蘭芳公主は声をかける。優しい優しい、母を思わせるような声。
その言葉に、じぇしかは驚きを隠せない。
慌ててティファーナへと声をかけようとする。
が、それは杞憂に終わる。
「神様として平和と正義は貫き通すぞ!」
しっかりした顔を見せるティファーナ。
その顔に安心するじぇしかは、改めて蘭芳公主へと向き直るとにっこり笑っていった。
「だ、そうだよ」
半ばどや顔のようにも見えるその表情は、とても腹立たしい。
断られた蘭芳公主は、ふん、と鼻を鳴らすと声をあげる。
「先程の者といい、こ奴らめ妾をばかにしおって」
その瞬間、幻獣達が再び陣を成す。
大丈夫、大丈夫。この子達は、自分の味方なのだから。
そう心に言い聞かし、蘭芳公主はきっと二人を睨みつけた。
「おーおー、怖い怖いねぇ。
でもま、俺らに目ぇつけられた時点でおしまいなんよ」
飄々と言い放つ。
そして、キッと睨むとドスの利いた声が響いた。
「大人しい帰れや」
ティファーナは幻獣達に負けじと従属達を呼び出す。
そして、その機動力を持って撹乱する。
蘭芳公主は幻惑の蝶を解き放つ。美しく舞うそれは、桃源郷に既に現存している生体かのようだった。
驚くほど美しい蝶の舞に、思わず目を奪われる。
しかし、それを許しはしない。ティファーナはその神々しさを持って蝶をかき消した。
その後光はまさに天の光。彼女が女神である。
あまりの眩しさに、皆が目を覆ってしまうほど。
そんな中、これをチャンスに変えたのはじぇしかだ。
動きの鈍った幻獣達を、点滴のカテーテルで縛り上げる。
人体へ直接使われるそれは、容易には千切れない。頑丈なものだ。
じぇしかは捕縛した彼等に注射を打つ。
先程見つけた泉の水だ。
みるみる間に小さく、愛らしく変わっていく幻獣達。
まるで小鹿のように、ぬいぐるみのように非力になった彼等はもはや脅威ではない。
既にかなりの数の幻獣達を呼びよせた蘭芳公主は、満身創痍であった。
二人は蘭芳公主ににじり寄る。
そして、二人揃って、全身全霊で拳を振り上げたのだった。
あまりの一撃に、地面が抉れ砂埃が舞う。
「本当に似合うとったね。敵さんやなかったら、どれだけ良かったやろか」
ふぅっとため息をつくじぇしか。
それでも、そうせざるを得なかったのだ。
ティファーナも少し疲れたようで、へんにゃりと従属にもたれかかる。
しかし、誇らしげに彼女は笑うのだった。
これが神様のちからなのよ!とでもいう様に。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 日常
『悠久の河の流れに』
|
POW : 次の戦いに向けて、遠泳や水垢離などの修行に励む。
SPD : 釣り糸を垂らし、のんびり川釣りを楽しむ。
WIZ : 風流な景色を眺め、詩句を詠んでみる。
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
無事に蘭芳公主を倒した。
幸い、桃源郷の美しさは保たれていた。
桃の花が咲き乱れ、その花弁は降り注ぎ。
河に落ちた花びらはゆらゆらと流れ旅をする。
その美しさたるや。
少し、花見でもして帰ろうか。
●マスターより
当断章挟んでのプレイング募集開始となります。
(2021/04/18以降であると返却ミスが減ると思います。)
また、受付期間に関しましてはマスターページ等に告知致します。
万が一プレイング返却になった際にも、理由をマスターページにて記載してまいりますのでお手数ですがその都度ご確認いただければ幸いです。
当章に関しまして、能力値及び行動例は参考程度に捉えてくださると嬉しいです。
自由に、お花見していってください。
それでは、たくさんのご参加心よりお待ちしております。
御堂・伽藍
アドリブ歓迎
河の畔で立ち尽くし、ゆっくりと…等速で首を巡らす
河水の反射光に軽く手で目を覆う
きれい…まぶしい
この地は、息衝いている…
物思い
ここにこわれたものはない
此処に在るは正しき命
わたしのようにわれてない
私のように欠けていない
つ、とUCで流れる桃の花弁を一枚掬い上げ
掌の上に乗せ顔に近づけ
かんじる 香る
いいにおい 芳しい
こわれてるはずなのに
只の塊の筈なのに
かんじる、かんがえる
宛ら命有るかの如く
きっと、わたしはきせき
或いは偶然なる冗談
いていいのかしら?
或いは崩れ去るか?
やっぱりわからない
恐らく無意味な逡巡
手の花弁をそっ…と河に投げ戻し
「さいて、ちる。何れも同様なれば…」
目を細め、微笑む
●
御堂・伽藍(がらんどう・f33020)はゆっくりと、ゆっくりと首を回す。
等速で、この景色の全てをその目に焼き付けるように。
その小さき器に、この光全てを取り込むように。
「…眩しい」
伽藍はこの景色の眩しさに目を細める。
それだけでは足りず、手を翳す。
ここは、この地は、息衝いている。
なんて綺麗な場所なのだろう。
なんて満ち足りた場所なのだろう。
自分とは全然違う。私のように壊れていない。私のように欠けていない。
比べるのもおこがましい。
此処は、生きている。
「…いい匂い」
河を流れる桃の花弁を手繰り寄せ、救う。
散り落ちたはずの花弁は、変わらず香りを漂わせている。
まだ生きている。最後の一瞬までその輝きを残し。
壊れているはずなのに。感情はないはずなのに。
空っぽなはずなのに。
感じてしまう匂い。考えてしまう。
宛ら、命があるかと錯覚してしまうほどに。
例え、例え一時のものだとしても。
今、自分がここにいることが奇跡であって。
それが許されるのだとしたら。
…もしくは。
これが、崩れ去るのだとしたら。
「咲いて、散る。何れも、同様なれば…」
咲いて散る。それが世の理であるならば。
きっと、それでいい。
花弁は再び河を行く。ゆったりと流れに身を任せて。
きっと、これでいいのだろう。伽藍は微笑み、花弁を見送った。
大成功
🔵🔵🔵
呉・星華
桃源郷無事で良かったアルヨ
猟兵として初めて戦ったけど、まぁ良い修行になったネ
それじゃあ、武の修行の次は料理の修行アルヨ!
ここ桃源郷!なら桃使った甜点心用意するアル!
綺麗な景色見ながら美味しい物食べる
きっと楽しいヨ♪
それじゃあ、ワタシも作った桃入りの杏仁豆腐を食べながら景色を楽しむヨ
う~ん、景色の綺麗さと比べると不釣り合いネ
やっぱりもっと修行しないとネ!
●
呉・星華(五星を司る、紅の華・f32787)は大きく息を吸う。
無事に奪還した桃源郷の美しさを目に焼き付けながら、その空気を堪能する。
甘く薫る綺麗な空気が、星華の身体を駆け巡るのを感じた。
守れてよかった。星華はその事実を噛み締めるのだった。
「…ん、いい鍛錬になったネ」
初めての任務。星華も不安だったのだろう。
安堵の色を帯びたその言葉は、星華の心からの言葉だった。
「ヨシ!それじゃあ次は、花嫁修業ネ!」
より高みを目指す星華は、料理の修業を始める。
桃を使った料理。運動した後だから、甘味を作ろう。
星華は甜点心を作り上げた。近くにあった桃の木になっている桃を使ったもの。
桃の杏仁豆腐は、甘く美味しかった。
「綺麗な景色を見ながら、美味しいものを食べる。贅沢アルな♪」
はむっと一口。やはり美味しい。
目の前に広がる景色がアクセントとなっているようだ。
美味しい。それは確かなのだが。
「うーん、やっぱり、この景色には負けるネ」
桃源郷の美しさ。それに勝る食べ物とは、それに釣り合う食べ物とは何なのだろう。
「…そうネ!」
星華は杏仁豆腐をもって駆け出す。
この景色に釣り合う食べ物。それは。
「皆で食べるアル!さいっこうの調味料ネ!」
星華は任務を共にした仲間のもとへと急ぐのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ティファーナ・テイル
*アドリブ歓迎
次の闘いに向けて、遠泳や飛翔や身体運動などの修行に励み『ゴッド・クリエイション』でトレーニングトレーナーを創造して次の闘争に向けたトレーニングをして、しっかりと鍛錬を積んで耐性や抗体を鍛えて作り出す様に頑張ります!
疲労したら『エデンズ・アップル』で“神様の林檎”を創造して齧って食べて疲労を取って体力を回復させます。
他の猟兵や住人などに協力して貰える様なら言葉を掛けて協力を求めてみます♪ 場合によって協力を申し込まれたら喜んでガンガン実力を出せる限り頑張ります!
『ジェットストリーム・ラヴハート』で必要なPOW/SPD/WIZを様子を見ながら強化していきます☆
「さぁ!みんな楽しもう」
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ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)はふよふよとある場所を探していた。
この綺麗な景色を壊さない、開けた場所。
彼女は次の戦いのために己を鍛えようと考えた。
ここでしかできない鍛錬を。綺麗な空気に、視覚的癒し。
ここはある意味、鍛錬向きな場所なのかもしれない。
開けた場所に出る。ここなら、目いっぱい特訓できそうだ。
高く飛び上がり、飛翔の特訓。
早く、速く、疾く。
力いっぱい飛び回る。
ピィィィ。
ふと、可愛い声が聞こえる。
気づくと、ティファーナの周りには小鳥が飛び回っていた。
美しい空に浮かれていたのだろう。楽しそうに舞うティファーナについてきてしまったらしい。
小鳥と戯れながら気持ちよく身体を動かしたティファーナは、休憩に入る。
小鳥の歌を聞きながら、神様の林檎を齧る。
甘くておいしい林檎。ゆったりとした時間を過ごし休憩した。
次は河でひと泳ぎ。
快適な気温だとしても、あれだけ運動した後では身体が火照るものだ。
冷たく気持ちい水。ティファーナはこれもまた堪能する。
流れに任せてみたり、潜ってみたり、目いっぱいの力で泳いでみたり。
水中では、見たこともない美しい魚が泳ぎまわっていた。
ヒレは羽衣のように揺れ、身体はしなやかにくねり、水面からの光で不思議な色合いに輝く。
幻想的な空間に、ティファーナもまた輝くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ニクロム・チタノ
ようやくオブリビオンもいなくなったし、研究所じゃ見れない綺麗な風景を眺めようかな?
それにしてもサクラが咲き乱れていてとても美しいなぁ、こういうの絶景と言うんだよね?
こういうのは独り占めせずみんなで楽しむものだね
あ、小鳥がいるよ!
周りにもいろんな動物がいるね
今日は本当に来て良かったよ、これもチタノの導き感謝しないと
梅力岩・じぇしか
……酒呑みたくなるなー。一仕事終えると余計にねえ。でもま、手持ちにあるのは採取した泉の効果分かっとらん液体くらいやし、ギャンブルはやらんし。もーやらん
ゆっくりのんびり、ごろごろしよかー。適当な地べたにどっこいせっと
桃やねえー……桃か。桃って……桃よな? 桃の実なっとるんやろか。花散った後に実るんやったっけ。えー分からんけど、ボケッとするよりは楽しめそうやん。探そ!
しっかし、微睡むなあこん場所は。自然音が心地良くて欠伸止まらんばい。昼寝した方が有意義やったかなー。でも散歩もしたくなる。つまりどっちもどっちか。……今日は寝酒しよ。寝心地良くする為にも、続けて歩いて運動せんとねー
●
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)はゆっくりと歩く。
景色の中を流れるゆったりとした流れに任せ、優雅に。
研究所では見られないようなこの景色を堪能するように。
空の水色に桜のピンクが移りグラデーションになっている。
「こういうの、絶景、っていうんだよね」
咲き乱れる桜の花に、思わず声が漏れる。
頬すらほんのりと明るくなり、桃色に染まっていくニクロム。
その姿は、普段の彼女とは違いとても愛らしく美しく見えた。
梅力岩・じぇしか(ラストポリフェノール・f27845)もまたこの景色を堪能する。
爽やかな芝生にごろんと寝転がり、空を見ながらふと思う。
「…酒、飲みたくなるなー」
一仕事の後のお酒ほど美味しいものはない。
しかし、今手元にあるものと言えばここに来るまでの間に採取したあの泉の水。
ギャンブルはもうやらないと決めた彼は、ふっと笑う。
その笑みが何を示すのか、それは彼にしかわからなかった。
「こういうのは、独り占めはよくない…よね」
ニクロムはこの景色を、せっかくなら誰かと見ようと考えた。
きょろきょろと人影を探しながら進む。
ふと、じぇしかの姿を確認する。
寝転がっている彼にゆっくり近づき、こっそりと覗き込む。
眠っているのなら、起こしては申し訳ないと。
「んぇー、お疲れ様ぁ」
ニクロムに気づいたじぇしかは眠くなっていたのか、微睡ながら声をかける。
「…!うん、お疲れ様です。もしかして起こしちゃった…?」
ニクロムは側にしゃがみ、答える。
声がかかったことに少し驚いたが、眠そうな彼に起こしてしまったかと心配になる。
「うんやぁ、大丈夫よー。確かにめたくそ眠いけど。
寝てしまいそうやし、ちょっと動くかなぁ」
よっこらしょ、と立ち上がるじぇしか。
自分も一緒に!とつられて立ち上がるニクロムに、じぇしかはにっと笑って答えるのだった。
●
二人で散歩をする。
「あっ、見て!小鳥がいるよ!」
ニクロムが突然、目を輝かせて指を差しながら言う。
その姿は年相応の愛らしい女の子だった。
そんな姿に、そやねぇ、と答えるじぇしかの頬は緩んでいた。
自然そのままの動物たちの姿は、とても美しく力強い。
なんだかそんな姿は、自分たちにも力をくれる気がした。
「あ、この辺の木、桜やないねぇ。
…桃?桃の木?」
じぇしかがふと木を見上げる。
この辺りに咲く花は、桃の花のようだ。
「桃…桃って、あの桃ですか?」
「桃、はあの桃よな」
ニクロムと二人で、うーんと首を傾げている。
まるで兄妹のようだ。
桃の花が散ると、そこに実がなる。
つまり、もしかしたら桃の実がなっているかもしれない。
「えー、よう分からん。分からんけど面白そ」
二人で顔を見合わせて、桃探すか!と駆けだす。
木に登ってみるニクロム。太い立派な木を揺らそうとするじぇしか。
各々探していくが、残念ながら見つからなかった。
この辺りの桃は、まだなっていないらしい。
「残念ですね…」
「やなぁ」
少し肩を落としながらも、いい汗はかいたと笑う二人。
楽しい時間を過ごしたことに、違いはなかった。
(楽しい時間だったなぁ。これも、チタノの加護。感謝…だなぁ)
(いい汗かいたし、今晩は寝酒やねぇ。美味そ)
思い出を胸に桃源郷を去る。
その姿を見送るかのように、一つの桃がころんと転がった。
大成功
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