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無邪気な少女は絶望を欲す

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 異変は、村外れの森の中で起こった。
「なんだ、この水は?」
「うっ……、酷い臭い!」
 森の中には、泉が湧いていた。この村唯一の水場であり、この水場は生活用水だけではなく、飲料水としても利用され、村にとっての命綱のようなものであった。
 しかし、その泉が白く濁り、淀んでいたのだ。さらに、何かが腐ったような、不快感を催す臭いが漂っており、とてもではないが使うことなど出来ない状態となっていた。
「なんということだ……」
「このままでは、村はおしまいだ……」
 様子を見に来た村人達が、口々に嘆きはじめた。水が無ければ生きていくことなど出来ない。だが、泉を捨てて新たな水場を探すアテもなく、村を捨てようものならば、支配者であるヴァンパイアの逆鱗に触れることは想像に難くない。
「仕方あるまい……。望みは薄いが、領主様に相だ……」
 村の男がそう言った瞬間、彼は何者かに足を取られ、泉に引きずり込まれた。
 その光景を目の当たりにした残りの村人たちは、あまりに突然の出来事に一瞬言葉を失い……その数秒後、混乱と悲鳴とともに、散り散りになっていった。

「くすくす、あぁ面白い。もっともっと苦しんだら、もーっと殺すのが楽しくなるかしら?」
 その光景を木々の陰から見つめていた白髪の少女は、残虐な笑みをたたえるのであった。

●汚水に染まる泉
「皆様、お仕事ですわよ」
 グリモアベースにて、エリルが猟兵達に向き直った。
「今回の世界は、ダークセイヴァー。夜と闇に覆われた、既にオブリビオンに支配された世界ですわね」
 そのダークセイヴァーの世界にある、とある田舎町において、ヴァンパイアによる虐殺が行われようとしているのだそうだ。
「この村にある泉を、ヴァンパイアとその配下が占拠し、汚水へと変えてしまったようですわ。そうして水を失って渇きに苦しむ村人を、一方的に虐殺するつもりみたいですわね」
 首謀者はリーシャ・ヴァーミリオン。ヴァンパイア一族、ヴァーミリオン家に連なる少女であり、この村もヴァーミリオン家の息のかかった村だと思われる。
「そのリーシャを早速退治……といきたいところだけれど、リーシャは今、村人が苦しむ様子を遠くから眺めて楽しんでいるから、皆様の前に簡単に姿を現すことはありませんの。だから、まずは村人達を救って、彼女の目論みを叩き潰してさしあげてくださるかしら。そうすればきっと、皆様の前に姿を現すはずですの!」
 そう言うと、エリルは泉の概要を説明し始めた。
「まず、早急に対処しなくてはならないのは、泉ですわね。白く濁って臭いも酷いみたいだから、皆様の力で浄化をしていただけますかしら?」
 どうやら、泉の中にはオブリビオンが潜伏しているらしい。現時点では猟兵達を積極的に襲うことはないが、泉がある程度浄化されれば、再び泉を汚染するべく、猟兵達を排除するために行動を開始するはずだ。
「というわけで、まずやることは水の浄化。続いて汚染しているオブリビオンの撃破! そうしたら、やっとリーシャと対面できるはずですわ」
 概要をすべて語り終えたエリルがグリモアを取り出すと、思い出したように猟兵達に向かって向き直る。
「これだけ回りくどい事をさせるんですもの。その分きっちりお返ししてくださいましね! 皆様の頑張り、期待していますわ!」
 そして、グリモアが輝き出した。


G.Y.
 こんにちは。G.Y.です。
 今回はダークセイヴァーを舞台にした物語にお付き合いください。

 概要はオープニングに書かれた通りとなっておりますが、補足が一点。
 村人達は既に怯えていて、泉に対しての行動に積極的ではありません。

 それでは、皆様の素敵なプレイングをお待ちしております!
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第1章 冒険 『汚水浄化指令』

POW   :    汚水の中に飛び込み水が汚れた原因を探したり取り除く

SPD   :    排水設備を整えたりして、水の循環を良くする

WIZ   :    魔力や中和剤等で汚水を浄化する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ハロ・シエラ
ヴァンパイア……また私の故郷を弄んで!
初めての仕事、戦いはまだまだだけど……泉の掃除くらいなら!
ブーツを脱いで水に入って手当たり次第に探ります。
必要ならば潜ってでも原因を探します。
ひどい臭いだし何か踏んだりするかも知れないけど、めげません!
それが物なら大きくても【怪力】で取り除き、無理ならユーベルコードで小さく切ってから除きましょう。
どこかから流れ込んでいるなら同じ手段で大木でも切ってきて塞ぎます。
オブリビオンが来るなら来ればいい。
それも倒して吸血鬼を引き摺りだしましょう!



  その村を訪れたハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は、その光景に憤りを覚えずにはいられなかった。
「ヴァンパイア……また私の故郷を弄んで!」
 村は静まり返り、畑の作物はしおれかかっている。村人達はどうすることも出来ないまま、極力水を使わないような生活を強いられていた。事前にカメや樽に残していた水も、底をつくのは時間の問題だ。
 そんな状況をなんとかしようと、ハロは泉へと赴くのだった。
「戦いはまだまだだけど……泉の掃除くらいなら!」
 ブーツを脱ぎ、水に足をつけると、ぬるりと心地の悪い感触が伝わってくる。
「うぅ……気持ち悪くて、ひどい臭い。……だけどめげません!」
 神妙な顔つきになりながらも、原因を探るべく泉の中へと入っていくハロ。
 腰まで浸かったあたりで、足元で何か硬いものを踏んだような気がして、腕を伸ばしてみた。
「これは……。 ほ、骨……?」
 掬い上げてみると、それは人間の頭蓋骨のようであった。
「……っ!」
 その頭蓋骨の隙間から、でろりとヒルかナメクジのようなものが滑り落ちた。すかさずそれを掴み取ると、ぐじゅりと白く、腐臭を含んだ粘液が吐き出された。
「ううっ……こんなのが中にいたのですか?」
 ハロがそのヒルのような物体を泉の外へと投げ出すと、物体はぐずぐずになって消えていった。
「これが原因、なのでしょうか。とにかく泉の底にまだたくさんいるみたいですね……なら!」
 ハロは再び手を突っ込むと、その怪力で、岩や大木を引きずり出してゆく。そこにへばりついた物体を取り除くと、少しだけ水が澄んでいくような気がした。
「これを続けていけば、きっと……!」
 そう考えたハロは、作業を続行する。
(オブリビオンが来るなら来ればいい)
 村の様子を思い返しながら、ハロは心の中で意気込む。
(そして、吸血鬼を引きずり出しましょう!)

成功 🔵​🔵​🔴​

アニエス・エーラ
「…水は命の生命線…他の人々が苦しむ様を喜ぶなんて…許せません!」
人々が怯え、消極的になってしまうのも無理はありません。
汚水に祈りを捧げ、中和されるか様子を見てみます。可能であれば、まずは、人々の喉の渇きを潤せるほどの水を、祈りの力で浄化しましょう。根本はそれからでも遅くはない筈です。
成功し、綺麗な水になっても、直ぐには信用出来ない筈。自ら飲んで、水の安全を証明します。
根本は、オーラ防御で水中に入り、汚水の原因を探索し、排除します。原因が排除出来なければ、その箇所から別の場所に水が通るよう配管を工夫し、浄化装置を設置してみましょう。


メルティア・サーゲイト
 あらかじめ必要な物が分かってれば私に出来ない事はそんなにないぜ! と、いう訳で事前にスペースワールド産の下水のドブ水でも美味しく飲めるようになる凄い個人携行用浄水器をバインダーにブチ込んで精密分解しておいて、現地でMODE CRAFTARを使って量産して設置だ。
「宇宙船ってのは水も永久循環しないと話にならないんだぜ。そこで使われてるような浄水器だ、川の水位どうにかするだろ」
 とは言え、他所の世界の物を晒しっぱなしはマズいか。見た目はこの世界でも普通にあるような手押しポンプに偽装しておくか。偽装パーツは雑になるが、中身は問題ない。
「むしろ元の川水より美味しい水を提供しちゃうぜ」


ボアネル・ゼブダイ
行動:wiz
「人々の生きる糧を己の悦楽のために破壊するか。例え子供であっても、悪意ある存在であることに変わりはないな」

人々のためにもまずは泉の早急な復活が必要であろう
まずは水に対して、私の生まれながらの光で毒からの回復を試みよう
グリッグスの鞄から浄水の薬剤を使って汚染から回復するのも良いかもしれん
水源自体が汚されていないようなので、他の猟兵達とも協力し、確実に汚染から回復させよう

また、時間があれば村人達に水や軽食などを私の食糧袋から寄付しようと思う
村人達の苦しむ姿を眺めて楽しんでいるという吸血鬼に対し、良い挑発になるだろう

「我々は貴様を狩りに来た、それが奴に伝われば今は十分だろう」

【連携OK】



「水は命の生命線。他の人々が苦しむ様を喜ぶなんて……許せません!」
 アニエス・エーラ(オラトリオの聖者・f13932)は村の様子に憤慨していた。
「人々の生きる糧を己の悦楽のために破壊するか。例え子供であっても、悪意ある存在であることに変わりはないな」
 ボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)もまた、アニエスの意見に同意するように吐き捨てる。
「人々の為にも、まずは泉の早急な復活だな」
「えぇ。この汚染を中和いたしませんと」
 泉の前で、アニエスが膝をつく。事前に仲間が見つけた謎のナメクジのような物体。あれがオブリビオンの作り出した魔法生物のようなものであれば、魔力で浄化することも可能なように感じられた。
「では、いきましょう……!」
「あぁ」
 アニエスが両手を組み、目を閉じる。ボアネルもまた全身に力を籠めると、泉の周囲に淡い光が輝き始めた。
 すると、泉の底から黒い瘴気のような靄がじわじわと浮き出て、光に浄化され霧散してゆく。
「はぁ……っ」
 ある程度浄化が済んだところで、ボアネルが息をついた。全身に感じる疲労感の分だけ、効果は得られただろう。
 アニエスが泉を掬い上げると、その手のひらには透明に澄んだ水が煌めき、指の間から抜けていく。
「とても綺麗になりましたが……底はまだ濁っていますね」
「原因が多少取り除かれても、汚染された水そのものを浄化するには十分ではないようだな……ならば」
 ボアネルがグリッグスの鞄から何本かの薬剤を取り出す。それを流し込んでしばらくすると、汚染物質が固まり、浮き上がってきた。
「効果はあるようだが、埒が明かないな。水源自体は汚染されていないようだが」
「では、浄化装置を設置いたしましょう」
「私の出番だな!」
 浄化装置という言葉に、メルティア・サーゲイト(人形と鉄巨人のトリガーハッピー・f03470)が意気揚々と機材を並べ始めた。
「スペースシップワールド産の個人携行用浄水器をバインダーにブチ込んでおいたんだ」
 メルティアが背部の装置を叩く。事前にその装置で浄水器を精密分解し、解析を行っておくことで、彼女は自身のユーベルコードでの精密な複製を可能とする。
「宇宙船ってのは水も永久循環しないと話にならないんだぜ。そこで使われてるような浄水器だ、川の水位どうにかするだろ」
 浄水器の説明と共に量産を始めていたメルティアが、出来上がった浄水器を見やる。
「うーん……とはいえ、他所の世界のものを晒しっぱなしはマズいか?」
 メルティアは、浄水器の外装に手押し式のポンプのように偽装を施し、泉へと沈めていく。
「よし、設置完了だ。むしろ元の水より美味しい水を提供しちゃうぜ!」
 装置が起動すると、泉の水がみるみるうちに澄んでいく。原因となっている物体はまだ残って汚水を吐き出しており、それらの原因を隅々まで取り除く必要性や、その原因を作り出したオブリビオンもまだ泉の中に潜んでいる。
 それでも上澄みは、飲むのに十分適した透明度となり、臭いもない。それを実感し、アニエスは歓びの声を上げた。
「これなら人々の渇きを潤せますね」
「なら、その水を持って現状を報告しにいこう。私の持参した食糧も寄付もすれば、彼らも喜ぶはずだ……それに」
 ボアネルが木々の隙間に目線を移す。どこからかこの状況を眺めているであろう吸血鬼に対し、良い挑発になると考えたのだ。
「我々は貴様を狩りに来た、それが奴に伝われば今は十分だ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ミニステリアリス・グレイグース
まったく、悪趣味なことをする連中もいたものですね
たぶん悪戯半分なんでしょうが悪戯というのはもっとこう……
えーっと…そう
世の中に迷惑をかけない範囲で留めないといけないんです
だから悪戯しかえしちゃいますね

まず『普遍を探る灰塵の徒』で私の本体のナノマシンを泉に投入
…うわあこれはほんとに汚い…くさい…
環境探査機能で泉全体の汚染状況を確認しながら、本体機能でササっと浄化していきましょう

泉を汚染しているオブリビオンの姿も確認しておきたいです
一番汚染が酷い箇所に居ないでしょうか?
……たちの悪い悪戯への意趣返しです
こいつが抱えている汚染物質にも浄化アタックを試みてみましょう

さて、一体どういう反応をするのやら?



 泉の浄化は着々と進行していた。汚染物質を生み出す原因を取り除き、水そのものを浄化する。その努力が実を結び、上澄みであれば飲料にも適した水へと戻っていた。
 ミニステリアリス・グレイグース(夢に囚われし灰塵の徒・f06111)も、その働きに加わった一人であり、彼女は本体の一部、ナノマシンを泉へと散布していたのだ。
(……うわあこれはほんとに汚い……くさい……)
 顔をしかめながらも、汚染状況を確認しながら浄化を行う様子は、泉に設置された浄水機と共に多大な効果を発揮したようであった。

「まったく、悪趣味なことをする連中もいたものですね。たぶん悪戯半分なんでしょうが、悪戯というのはもっとこう……」
 浄化を行いながら悩み始めるリアリスは、表情を変えないまま首を何回か傾げ、うーんと唸る。
「えーっと……そう、世の中に迷惑をかけない範囲で留めないといけないんです」
 そんな中、ナノマシンの環境探査機能によって、汚染が酷い箇所がいくつか割り出された。
「この中にオブリビオンがいないでしょうか?」
 ナノマシンを操作しながら、慎重に泉内部の観察を続けるリアリス。その時、ナノマシンが、汚染された泥の中から蠢く何かを捉えた。
「……やはり、居ましたね」
 ミニステリアリスはナノマシンに指令を送る。
「……たちの悪い悪戯への意趣返しです。浄化アタック」
 ナノマシンが一気に泉の浄化を開始する。すると、内部で蠢く影がより激しくうねり始める。
 泥の中から出てきたのは、醜く、太い触手であった。
「思ったよりも良い反応をするんですね」
 ミニステリアリスは浄化機能をさらに強く発揮させる。さらに何本もの触手が泥の中から這い出て、その触手から吐き出される汚水が、再び泉を汚し始めた。
「とうとう出てきましたね」
 泉の底が激しく振動する。泥が舞い上がり、水面が細かく波打ちはじめる。
 それは、戦闘が始まる合図でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

胡・翠蘭
「人の不幸は蜜の味……ってやつかしら?悪趣味過ぎて同情の余地もない御嬢さんのようねぇ」
なら、その愉悦を台無しにして差し上げて……どんな悔しい顔をするのかを楽しませて頂こうかしらね

【POW】
呪詛耐性、毒耐性があるから……多少は汚染にも耐えれるかしら
あとは掃除も心得があるし、ヘドロや悪性生物、泉のゴミのお掃除をしつつ、汚染の根本原因があるかどうか調査しましょう
原因があってもなくても、他の猟兵に情報を共有しましょうか

「まぁ……ヴァンパイアが原因でも、他の原因があったとしても……もう汚れないように、一旦全部綺麗にしちゃいたいわよねぇ」
掃除してるうちに、火が付いちゃったら徹底的にやっちゃいそうだわ、私



「人の不幸は蜜の味……ってやつかしら?悪趣味過ぎて同情の余地もない御嬢さんのようねぇ」
 鳴動する泉を眺めながら、胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)がそう語りながら、これまでの作業を思い返していた。

 翠蘭もまた汚染除去を行った猟兵の一人である。根本原因となっているオブリビオンが放ったのであろう、ナメクジのような物体とともにヘドロをさらい、沈んでいたゴミを掃除する。
 掃除を始めれば始める程、お掃除心に火がついてしまったようで、今回の事件には関係のない、村人達が落としてしまった斧や壊れた桶等も拾っては、どんどんと外へと纏めていく。
「まぁ……ヴァンパイアが原因でも、他の原因があったとしても……もう汚れないように、一旦全部綺麗にしちゃいたいわよねぇ……あら」
 その時翠蘭が拾い上げたのは、人の骨であった。気が付けば、何人分もの骨らしきものが泉の中に沈んでいた。
「そういえば……村人が何人か引きずり込まれたって言ってたわねぇ」
 まだ新しいこの骨は、おそらく今回の事件の犠牲者なのだろう。おそらく、泉の中の怪物を見せつけることで村人を恐れさせ、抵抗する意思を奪ったのだろう。

 ――そこまで思い返して、翠蘭は再び小さく呟いた。
「本当、悪趣味が過ぎるわ」
 表情は柔らかい。だが、その言葉には少々の怒りが込められているようであった。
「なら、その愉悦を台無しにして差し上げて……どんな悔しい顔をするのかを楽しませて頂こうかしらね」

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『スレイヴ・スクイーザー』

POW   :    テンタクル・スクイーズ
【美味なる極上 】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【おぞましくのたうつ肉色の触手】から、高命中力の【感情を吸収する数十本の触腕】を飛ばす。
SPD   :    スラッジ・スキャッター
【全方位に汚濁した粘毒液 】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    ブレインウォッシュ・ジャグリング
【幹触手の先端 】から【暗示誘導波】を放ち、【洗脳】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 泉の底が激しく振動し、泥が舞い上がる。その濁った水の中に、何本もの触手が蠢き、這いあがってくる。
 水面が細かく波打ち、無数の触手が顔を出す。その触手の主は、磔にされた人間であった。
 おそらくこの人間は、リーシャの奴隷の成れの果てであろう。奴隷を苗床に、汚染物質を吐き出す触手がこの泉を汚していたのだ。
 それも、一人だけではない。泉の中から、同じように磔にされた人間が何人も、泉から顔を出したのだ。
「げほっ……ぐふふ……くる…しっ…ひひっ……」
 中央の奴隷は、苦悶や快楽に表情を絶え間なく変え、既に正気は失っているようであった。
 残念ながら、既にオブリビオンと化した奴隷を救出することは出来ないだろう。
 猟兵達はそれぞれの想いを胸に、武器をとるのであった。
胡・翠蘭
「あらあら……これはこれは」
流石に同情してしまうわ……こんな、成れの果ての姿。
本当、ヴァンパイアには彼ら以上の苦しみと絶望を与えたくなってしまったわね――余計に。

【SPD】
前衛で、第六感と野生の感を駆使して彼らの攻撃を見切って回避をしたいわね
あとは……触手に触れられたタイミングか、触れられる前に甘露を舐めて快感を得て、ユーベルコードを発動させましょう
「苦しみと絶望から、今こそ解放して差し上げましょう……至高の快楽の中で、永遠の安らぎを貴方に」
触手に触手を絡める……というのも、中々絵面が凄そうだけれど。
最期が快楽で締めくくられることが私からの手向け……なんてね。
安らかに、お眠りなさいな。



「あらあら……これはこれは」
 翠蘭が憐みを含んだ声を上げた。触手に寄生された奴隷の姿に、同情を禁じ得ないようであった。
「本当、ヴァンパイアには彼ら以上の苦しみと絶望を与えたくなってしまったわね――余計に」
 そう言うと、翠蘭は前に出る。そんな翠蘭を前に、敵の触手の一つが太く膨らんだかと思えば、先端から汚濁した粘液を勢いよく放ってきた。
「ふふ、そんなもので汚したいなんて……私はそんな安くないわよ?」
 翠蘭は勘を頼りにしつつも、汚濁液を華麗にかわしながら、触手達へと近づいてゆく。
「苦しみと絶望から、今こそ解放して差し上げましょう……」
 汚濁液を吐きつくし、翠蘭を絡めとろうと迫る触手を前に、翠蘭はさりげなく甘露を口に含む。その甘みが染みわたると同時に、その感覚が失われていく。
 直後、翠蘭の周囲から、オブリビオンとはまた違う触手が姿を現した。翠蘭の呼び出した触手である。
 敵の触手と翠蘭の触手が絡み合い、敵の触手を捻り上げてゆく。そのまま苗床となった奴隷までもを絡めとると、奴隷の表情が和らいでゆく。
「至高の快楽の中で、永遠の安らぎを貴方に」
 触手に寄生された奴隷は、苦痛と快楽を与えられ続けていた。その快楽は、終わることのない地獄のような美味であり、翠蘭の触手により得られた安らぎに満ちた快感とは、全く異なるものであった。
 だからこそ、奴隷はそのすべてを受け入れ、自らの触手を拒絶するに至った。奴隷に寄生した触手が萎れ、奴隷もまた力なくうなだれ、徐々に塵となってゆく。
「安らかに、お眠りなさいな」
 翠蘭の言葉を告げた時、すでに奴隷の姿は風にさらわれていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ボアネル・ゼブダイ
「まったく、奴らの思考はこの腐った水よりもさらに醜悪だな」

炎属性の憎悪する薔薇を相手に発動
根本から触手を爆破で吹き飛ばし暗示誘導波の被害を防ぎつつダメージを与える
次いで従順たる悪意を発動
召喚したインプで相手を攪乱しつつ残った触手からの攻撃を散らす
自らはその間隙を縫って黒剣グルーラングで攻撃
ダメージを与えると同時に生命力吸収で先の作戦での疲労を回復させ2回攻撃で確実に相手を倒す
これ以上苦しみを長引かせると言うのも酷な話だからな
哀れむべき亡者といえど打つべき敵に手加減はせんが、やりすぎて水場を破壊しないように注意をしなくては

「お前達の苦しみは必ず奴らに届けよう、だから安心して眠れ」

【連携OK】


ハロ・シエラ
私も知っています。
吸血鬼たちにこの様にされた人はもう戻せない、と。
猟兵になったのに、少なくとも私の力では……。
許せないのは吸血鬼!私に出来るのは安らかに眠っていただく事のみ!
放たれる毒液や他の攻撃は【見切り】とユーベルコードでかわしつつ、【怪力】を駆使して剣で斬ります!
余り苦痛を味わってほしくは無いので一撃で葬る事を狙いますが……
未熟な私の剣が何処まで通用するかが疑問なのも事実。
難しいようであれば攻撃を引き付け、他の猟兵の方々が動きやすいように行動します。
もっと強くなって、皆を救って、救えなかった人も安らかに眠らせられる様になりたいです……



 触手に寄生された奴隷達を前に、ボアネルは嫌悪感を露にしていた。
「まったく、奴らの思考はこの腐った水よりもさらに醜悪だな」
 ボアネルの指先から何本もの薔薇が生まれ、触手へ向かって放たれた。薔薇は迎撃しようとうねる触手をかいくぐり根本に突き刺さる。
「爆ぜろ」
 瞬間、突き刺さっていた薔薇が爆発した。触手は根元から焼け落ち、泉に沈み、溶けて消えた。
「私も知っています。吸血鬼たちにこの様にされた人はもう戻せない、と」
 触手から与えられ続ける快感と苦痛に表情を絶え間なく変え続ける奴隷を見て、ハロは悔しさを滲ませた。
 折角猟兵になったというのに、その力がまだ未熟であることはハロ自身がよく理解していた。それでも、武器をとり戦うことが、今この場において唯一の道なのだ。
「私に出来るのは……安らかに眠っていただくことのみ!」
 ハロが駆け出した。ボアネルの攻撃によって減らされた触手は、数が減ったせいかより俊敏にハロへと迫るが、ハロはその軌道を予測し、巧みな足さばきで奴隷へと迫る。さらに、ボアネルの召喚したインプ達も彼女を援護もあり、ハロは奴隷へと肉薄した。
(せめて一撃で……!)
 力いっぱいに放った剣の一撃に、残りの触手が反応して首を庇うように遮る。ハロは勢いそのままに振り下ろすと、首元への太刀筋を遮っていた触手たちを斬り裂き、喉元へと迫る。だが、触手たちに勢いは殺され、一歩足りない。
「ああああっ、痛い、痛いぃぃ!」
 奴隷の悲鳴に、ハロが悲痛な表情を浮かべる。だが、躊躇はしていられない。
「……もう一度っ!」
「あぁ、これ以上苦しみを長引かせると言うのも酷な話だからな」
 ハロの剣が、今度こそ奴隷へ届いた。それと同時に、ボアネルの剣が奴隷を刺し貫く。
「お前達の苦しみは必ず奴らに届けよう、だから安心して眠れ」
 そう告げたボアネルに応えるように、奴隷の姿が消えてゆく。その様子に、ハロもまた祈るように手を合わせた。
「……もっと強くなって、皆を救って、救えなかった人も安らかに眠らせられる様になりたいです……!」
「ならば、まずは残りを眠らせてやろう」
 ボアネルの言葉に、ハロは顔を上げた。
「……はい!」
 その表情は決意に満ちたものであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

メルティア・サーゲイト
「わーお、何かこんなの遊園地廃墟で見たぜ。ハッキング攻撃は……まあして来ないだろうが」
 両手に連射力重視のガトリングカノンを装備、片っ端から殲滅していくぜ。
「お前の触手と私の銃、どっちが早いか勝負と行こうぜ。CODE GENOCIDE!」
 やる事は単純だ。片っ端から触手を撃ち落として本体に銃弾を食らわせる。UC的に接近を許すと面倒くさい事になりそうだ。余裕があれば味方に迫る触手も撃ち落としておくぜ。
「触手プレイは勘弁だぜ、他でやれよ他で」
 私はドールユニットの味覚センサーを切ってるし、ゴーレムには口無いし。美味の感情を与えられる事は無い、はずだな。



「わーお、何かこんなの遊園地廃墟で見たぜ。ハッキング攻撃は……まあして来ないだろうが」
 そんな冗談を交えながら、メルティアが両腕にガトリングガンを構えた。
「お前の触手と私の銃、どっちが早いか勝負と行こうぜ」
 その言葉に触発されたように、触手がメルティアへと向いた。それとほぼ同時に、メルティアのガトリングが炎を上げる。
「CODE GENOCIDE!」
 激しい銃撃音とともに、触手に無数の穴が開く。形を保てなくなった触手が千切れて泉に落ちてゆく。
「やっぱコイツが一番しっくりくるよなァ、ガトリングアクティブ!」
 迫る触手もすべて撃ち落とし、奴隷へも銃弾が掠めていく。
「うあああっ……ひはっ、はひぃっ……!!」
 痛みに悶える奴隷の声に、メルティアがピクリと反応する。
 ほんのわずかな嫌悪感。それこそは、触手にとっての美味なる感情であった。直後、周囲に新しい触手が現れ、メルティアを絡めとろうと這い寄ってくる。
「美味の感情ってのは、そういうことかよ!」
 対策にと味覚センサーを切っていても効果がないと知ったメルティアは、距離を取るために飛び退きながらガトリングを奴隷の胸へと向ける。
「あがあっ!!」
 ガトリングの銃弾が奴隷の胸を貫いた。召喚された触手と共に、姿が塵となって消えてゆく。
「触手プレイは勘弁だぜ、他でやれよ他で」」

成功 🔵​🔵​🔴​

ミニステリアリス・グレイグース
どう転んでも私達を使って楽しんでやろうって肚ですね、これは……
下手に悩んだり怒ったりして敵を楽しませてやる必要もありませんか
……すみません
せめて、少しでも早くそこから解放して見せます

再び泉が汚されましたが考え様によってはいい状況です
まず私のカーボン製の鋼糸を敵周辺の水面に投入
味方を巻き込まない様注意を促してから
鋼糸を伝って電脳魔術による全力の電撃を浴びせます

これでいくらか怯むでしょうか
その隙に幹触手の先端をスパスパ斬り落とします
これで暗示誘導波の危険性はなくなりますね

この時点でユーベルコードを使用
リキッドくん達に残った脅威を浄化してもらいます

後は、この方達に少しでも救いがあればいいんですが……



「どう転んでも私達を使って楽しんでやろうって肚ですね、これは……」
 猟兵によって朽ちてゆく触手達を眺めながら、リアリスは冷静に、淡々と言葉を紡ぐ。悩みや怒りは、この様子をどこかで見ているであろうリーシャをより一層楽しませるだけだとわかっていたからだ。
「……すみません。せめて、少しでも早くそこから解放してみせます」
 そう告げたリアリスは、鋼糸を泉へと投入し始めた。
 鋼糸は奴隷達の周囲に張り巡らされていくが、再び汚れた泉の中で、その糸の存在を把握するのは困難であった。
「まずは、電脳魔法を」
 リアリスが力を込めると、鋼糸を伝って泉全体に電撃が走った。電撃を受けた触手が痺れ、動きが止まる。
「今……!」
 リアリスが鋼糸を引き上げ、巧みに操る。糸が触手の先端に触れると、なんの抵抗も感じられないほどすんなりと触手に食い込み、すっぱりと切断されていった。
「これで、暗示誘導波の危険性はなくなりました……では」
 すかさず、リアリスが泉にナノマシンを放つ。
「これなるは食み、喰らい、貪る群団。……では、浄化活動を始めてください」
 泉がざわざわと波打つ。泉に溶け込んだリアリスのナノマシンが、汚水の浄化と共に触手を、奴隷を蝕んでいく。
「あああ……ああぁぁっ……」
 静かに崩れ落ちていく奴隷達。気付けば、何体もの触手が泉ごと浄化され、消滅していた。
「この方達に、少しでも救いがあればいいんですが……」
 ナノマシンが最後に残った奴隷の身体を蝕む。
「………と…う」
 首だけになり、消えていった奴隷が最後に何か呟いているように聞こえた。
 それがリアリスの言う救いだったのか。それは今となっては知るすべもない。
「さぁ、あと少しです」
 悩むでも、悲しむでもなく。リアリスはまた冷静に、次の相手へと向き直るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アニエス・エーラ
一二三と同行
もはや救う術のない人の姿に悲しみと怒りが溢れます
「救う手段は…早く天へ帰す事、ですね」
攻撃は一二三に任せ、援護中心に行動します。オーラ防御し、敵から生命吸収し、少しでも生命力を減らします。
皆が【洗脳】にかからないよう祈りを込めたオーラ防御を纏わせ、先ずは触手、特に先端を消滅させる為、魔力で攻撃して少しでも敵の攻撃を弱めたいところです。怪我をした方にはユーベルコードで回復します。


弥刀・一二三
アニエスと同行
「うわっ!気色悪!ついでに趣味悪!」多少おどけてアニエスの興奮を和らげんと、動きが硬なりますさかい。
宇宙バイクで敵を翻弄。暗視と追跡で逃げんよう先回りして攻撃
アニエスの攻撃の補助もしながら危険無いよう吹き飛ばし。サイバーアイで動きを監視しといて、ついでに動けんよう武器を食い込まして固定する形に変形し、敵にぶっ刺し、その武器の先からハッキングと追跡で急所探しユーベルコードで破壊。



 触手と、それを苗床にした奴隷達は着実に減っていた。泉の完全な浄化も近いだろう。
 そんな戦いの中、アニエスの表情は怒りと悲しみに満ちていた。
「うわっ!気色悪!ついでに趣味悪っ!!」
 そんなアニエスの表情を少しでも和らげてやろうと、弥刀・一二三(サイボーグのスターライダー・f10459)は迫る触手を前におどけてみせた。アニエスはハッと我に返ると、一二三は笑ってみせる。
「アニエスはん、落ち着いてんか。動きが硬なりますさかい」
「え、えぇ……すみません」
 アニエスは顔を何度か振った後、触手達を見やる。
「この方達を救う手段は……早く天へ帰すこと、ですね」
「せやな。ほなら、うちらもいこか!」
 一二三が宇宙バイクに跨ると、泉を囲むように走り出した。触手はそのバイクに反応して追いすがり、動きを封じようと、汚毒液を吹き出した。
 一二三は宇宙バイクを左右に操り、汚毒液をかわしていく。再び毒液を浴びせようと注意を向けていた触手達に、アニエスの放った魔法の光が触れた。すると、触れた箇所からじわじわと触手が消滅していく。
「おおきに!」
 一二三も泉に向かって跳びあがると、触手の幹へと武器を突き刺した。
「……見えたで、そこやな!」
 瞬時に触手の身体をスキャンした一二三は、跳躍した勢いのまま武器を宇宙バイクのタイヤで押し付けた。
「……!!!」
 声もなく、触手と共に奴隷が消滅していく。一二三は武器を引き上げると、再び触手を蹴って跳躍。泉の外へと着地した。
「最後の一体や!」
 そう叫んだ一二三は、直後ハッと息を飲んだ。眼前に触手の先端が忍び寄っていたからである。
「しまっ……」
「一二三さん!!」
 アニエスの全身から光が放たれる。一二三の身体が淡い聖なるオーラに包まれ、触手はそのオーラに触れた先から消滅していく。
「また助けられてもうたなぁ」
「大丈夫ですか?」
 アニエスが心配そうに駆け寄る。大立ち回りの影響か、大きな傷こそないが、細かな傷がところどころに見られたが、その傷もアニエスの放つ光によってみるみるうちに塞がってゆく。
「ほんまおおきにな。 なら、気を取り直して!」
「えぇ。これ以上の苦痛は、もういりません。解放してさしあげましょう」
 一二三とアニエスは互いに武器を取り、最後の触手へ向けた。
 アニエスの光が触手と奴隷の表面を灼き、一二三の武器が身体を貫く。
 崩れていく触手を見つめながら、アニエスは両手を合わせ。目を瞑った。
「どうか、次こそは……」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『リーシャ・ヴァーミリオン』

POW   :    魔槍剛撃
単純で重い【鮮血槍】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    ブラッディ・カーニバル
自身に【忌まわしき血液】をまとい、高速移動と【血の刃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    魔槍連撃
【鮮血槍による連続突き】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「くすくす、案外あっけないのね」
 森の奥から声が聞こえてきた。まだ年端もいかない少女の、無邪気な笑い声だ。
「もう少し楽しませてくれると思ったのになぁ。ざぁんねん」
 その言葉は、眷属に向けての言葉だろう。浄化された泉の前に、白い肌、白い髪の少女が姿を現した。赤い瞳がやけに鋭く猟兵達を威圧する。
「でも、あなた達を殺しちゃえば、あの村の人達はもっともっと絶望してくれるかしら? あなた達の死体を死体をこの泉に沈めて真っ赤に染めたら、どんな顔をするかしら?」
 名乗らなくても、猟兵達にはこの少女が何者であるのか、理解できた。
 リーシャ・ヴァーミリオン。
 リーシャは槍を呼び出し、構える。そして、無邪気な笑顔で猟兵達に語り掛けた。
「だから、ねぇ。死んで頂戴?」
ハロ・シエラ
殺されなどしません!
そして絶望などさせません!
槍は与しやすい相手ではありませんが……近付けば勝機もあるかも知れません。
敵の力は知っています、【見切り】を駆使して出来る限り攻撃をかわしつつ、剣で攻撃を仕掛けます。
例え傷付いても構わない、一太刀浴びせてやります!
敵が連擊を加えてくるなら、こちらもユーベルコードで対抗です。
どんな連続攻撃だろうと、ダガーの一閃で防いで見せましょう!


メルティア・サーゲイト
「お前、はっきり言ってつまらないぜ」
 煽りながら今回の件に駄目出ししていくぜ。
「まず水の汚染。アレ、私達が来なかったら全滅じゃねーか。全滅させたら絶望しないだろ。んで何だあのどっかで見た感じの奴。犠牲者ゾンビとかマジありきたり過ぎなんだよ。もうちょっと助けられそうな余地とか残せよ殺すのに躊躇できねえよ」
 煽りに煽りながら両手のガトリングショットガンをスピンアップ。
「希望を砕いてこその絶望なんだよ。ただ理不尽を押し付けるだけじゃ駄目なんだ。あー、今ここで私たちを倒せればそりゃあもう絶望だろうが、それを狙ったのなら褒めてやるよ?」
 銃口を突き付けて、
「ま、無理だな!」
 鏖殺の嵐をブチ撒けるぜ。


ボアネル・ゼブダイ
見てくれは幼くとも、吸血鬼の能力はすでに持ち合わせているようだな
その力でこの世界に生きる者を蹂躙すると言うならば、例え幼子でも容赦はせんぞ

彼方からの来訪者を発動
水場が戦闘の余波で破壊されないように剣術での攻撃を指示
魔槍連撃による連続突きが発動したらこちらを庇うように剣で受けて敵の隙を作る
その間にこちらは人工血液セットで吸血を行い血呪解放を発動
攻撃力を上げ装備武器での2回攻撃やなぎ払い、または闇夜の眷属を発動させて相手の目標を散らしながら体力を削っていく

貴様に与えられた苦しみをそのまま貴様に返すと、先の者達とも約束した
万分の一の痛みだろうが、自らの罪深さをその痛みで思い知れ

【連携・アドリブ歓迎】


ミニステリアリス・グレイグース
……ああそうだ、そういえば一つお聞きしたいんですが
ヴァンパイアって日の光を浴びると灰になるんでしたっけ?
まあどうでもいいんですけど、日の光があろうがなかろうが

あなたは 私が 灰にします

しばらくの間は味方の支援
つかず離れずの距離で敵の行動に癖や隙があるか観察します
鋼糸で牽制と鮮血槍による攻撃を打ち払いつつ
行動の隙を見計い、鋼糸で縛り上げます

一瞬でも動きを止められれば重畳
即座に蝕嵐吹き荒ぶ灰塵の徒を発動
全てを分解し灰塵に帰す灰色の花の嵐を
念動力を以て敵を握り潰すように収縮させます

もういい、目障りだし耳障りです
とっとと骸の海に還ってください

……終わったら被害者の弔いと、一応汚染の確認を行いましょうか


胡・翠蘭
「あら、結構簡単に釣られてしまうのね……わざわざおいでくださいまして、探す手間が省けましたわ」

【SPD】
真の姿を開放――といっても、姿はあまり変わらないのだけれど。
拷問具を使って戦いましょう
近距離向きだし、女性向けの器具じゃないけれど……身体の敏感な先端部、指先だとか、そういう部位を狙えば使えるかしら、私のくるみ割り。
攻撃が命中して、彼女の悲鳴、断末魔が聴こえたら――最高よね
気分が高揚すると思わない?……その快楽を捧げて、ユーベルコードを発動させましょう
激痛の後の快感……味わって頂けてるかしら
「……ふふ、案外あっけないのね?」
そんなふうに煽って差し上げましょうか、こういうの……お約束でしょう?



「あら、結構簡単に釣られてしまうのね……わざわざおいでくださいまして、探す手間が省けましたわ」
 姿を現したリーシャに、翠蘭が挑発的な笑みを浮かべた。
「見てくれは幼くとも、吸血鬼の能力はすでに持ち合わせているようだな。その力でこの世界に生きる者を蹂躙すると言うならば、例え幼子でも容赦はせんぞ」
 ボアネルも剣を構え、怒気をはらんだ声をリーシャに向ける。
「くすくす、素敵。その顔が崩れるのを早く見たいわ」
 リーシャは彼らの言葉にも怯まず、余裕の笑みを浮かべている。
「ああそうだ、そういえば一つお聞きしたいんですが……」
 そんなリーシャに、リアリスが静かに問う。
「ヴァンパイアって日の光を浴びると灰になるんでしたっけ?」
 リアリスの言葉に、リーシャが怪訝な表情を返す。何を言っているのかわからない、といった様子だ。
「まあどうでもいいんですけど、日の光があろうがなかろうが」
 リアリスの身体が一瞬ブレた。刹那、無数の鋼糸がリアリスの周囲に張り巡らされた。
「あなたは 私が 灰にします」
 その言葉に、リーシャはゾクゾクと身体を震わせながら笑みを浮かべ、飛び出した。

「来たれ異界からの魂よ、闘争と流血を友とし、安寧と静謐を敵と呼び、戦場を自らの臥所とする戦士の魂よ、今一度蘇り、その力を我に示せ!」
 ボアネルの正面に四本の腕を持つ戦士の霊が出現した。戦士はボアネルの意思に応じ、剣をリーシャへと向ける。
 リーシャは剣をかわし、槍での連続突きを放つと、戦士の霊は剣で防ぎきることが出来ずに、突き飛ばされる。主であるボアネルへ追撃をくわえようとした瞬間、側面より無数の弾丸が襲ってきた。
「お前、はっきり言ってつまらないぜ」
 咄嗟に槍で弾いて致命傷を避けるリーシャに、弾丸の主、メルティアが挑発する。
「まず水の汚染。アレ、私達が来なかったら全滅じゃねーか。全滅させたら絶望しないだろ」
「そうよ、全部殺すの。飢えて乾いて、頼る相手も無くて、それでもう死んじゃいそうって時に……私が殺してあげるの」
 リーシャがメルティアに向かって槍を叩きつける。メルティアが飛び退くと、地面が抉れ、土煙が舞った。メルティアは弾幕を張りながら距離を取る。
「希望を砕いてこその絶望なんだよ。ただ理不尽を押し付けるだけじゃ駄目なんだ」
「ふふ、知ってる? もう死にたいって人に殺してあげるっていうとね、皆喜ぶの。……けれどね、本当に殺されるってわかった時の顔……ふふふ」
「あぁ、そうかい」
 メルティアは忌々しそうに息をついた。
「最低、ですね」
 再びメルティアへと狙いを定めるリーシャに、リアリスが割って入り、鋼糸を張る。細く、丈夫な糸がリーシャの槍に絡みつき、槍の矛先を変える。すかさずメルティアがガトリングを放つ。
「なら何だ? あのどっかで見た感じの奴。犠牲者ゾンビとかマジありきたり過ぎなんだよ。もうちょっと助けられそうな余地とか残せよ殺すのに躊躇できねえよ」
「そう?お仲間は結構効果あったみたいだけれど?」
 槍を捨て跳びあがったリーシャは、ハロやリアリスに視線を送る。
「ああ言えばこう言う、だなこいつ」
 メルティアが呆れたように呟いた。着地したリーシャが槍を取り戻したその隙に、ハロが肉薄する。
「近付けば、勝機もっ!」
 剣がリーシャの頬を掠める。
「あぁ、その顔、とっても良いわ」
 僅かな勝機を賭け剣を振るう少女の表情に、リーシャがぞくぞくと身体を震わせた。その勢いのままハロに向けて槍の連撃を放つが、ハロは左手で抜いた抜いたダガーを逆手に持ったまま操り、槍を防いでいく。
「その技、その力全て……断ち斬ります!」
「!?」
 ダガーでの一閃がリーシャの胸を切り裂き、鮮血が噴きあがる。その瞬間をボアネルは見逃さない。人工血液で強化した剣が、召喚した亡霊の剣と共に振り下ろされる。
「ぎっ!……ぅぁあっ!」
 槍で咄嗟に防ぐリーシャであったが、予想外に受けた傷によって動きが鈍く、完全な対応は不可能であった。ボアネルの剣が肩口を抉り、リーシャは苦悶の表情を浮かべる。
「ふふ、素敵よその表情」
 真の姿を開放した翠蘭が、リーシャが猟兵達に向かってそう言ったのと同じように言い放つ。手に特殊な拷問具『くるみ割り』を備えている。
「これね、女性向けの器具じゃないけれど……」
 翠蘭のくるみ割りがリーシャの指先を狙う。
「ああああああっ!!!?」
 リーシャが激痛に悲鳴を上げた。その声に、翠蘭が昂った。
「はぁっ……最高」
 その快感を引き換えに、翠蘭は触手を呼び出した。
「激痛の後の快感……味わって頂けてるかしら」
「ひっ!? ちょっ、待ちなさ……っ!!」
 触手がリーシャに絡みつく。痛みだけではない。快楽がリーシャの全身を襲い、動きを止める。
「土は土に、灰は灰に、塵は塵に――」
 リアリスの周囲に、灰色の花が舞う。全てを分解し、灰燼に帰す花だ。その花びらがリーシャを包むように舞い、握りつぶすように収縮した。
「あぁっ!!いやああっ!?」
 リーシャの全身を灰色の花が蝕む。形勢は完全に逆転した。
「貴様に与えられた苦しみをそのまま貴様に返すと、先の者達とも約束した」
 ボアネルが剣を向ける。
「絶望などさせない……さっき、そう言いました。私達の覚悟、理解できましたか?」
 ボアネルの隣でハロもまた切っ先をリーシャに向ける。
「あー……、今ここで私たちを倒せればそりゃあもう絶望だろうが、それを狙ったのなら褒めてやるよ?」
 メルティアが銃口を向けた。
「ま、無理だな」
 リーシャを囲むように、猟兵達が集まってくる。
「あっ……な、なによ……! 私の領地なのよ、領民をどうしようと勝手じゃないの! あなた達こそ私の遊びを邪魔しないで!」
「もういい。目障りだし耳障りです」
 リアリスの冷たく張り詰めた声が、リーシャを圧倒した。
「ひっ……」
「……ふふ、案外あっけないのね?」
 絶望に歪むリーシャの表情を見て、翠蘭が笑った。リーシャの肩からどろりと血が流れ、そして――。
「いやあああああ!!」
 血がリーシャの全身を包みこんだ。血液が鋭い刃となり、猟兵達へと放たれる。
「まだこんな力が!」
 ハロが血の刃をダガーで弾きながらも退く。
「怯むんじゃねぇぜ! こりゃもう撃ちまくるしかねェだろ。ガトリングショットガン、セット! 鉄の雨を喰らいやがれ!」
 メルティアのガトリングショットガンが血の刃ごとリーシャを撃ち抜く。
「万分の一の痛みだろうが、自らの罪深さをその痛みで思い知れ」
 ボアネルの一閃が、リーシャを包み込む血ごと、その身体を切り裂いた。
 再び噴き出した血は、リアリスによって生み出された灰色の花びらに触れ、分解されてゆく。
「とっとと骸の海に還ってください」
「あぁ……いやっ……死にたく……っ!!」
 朽ちてゆく身体で、リーシャが助けを乞うように猟兵達を見つめた。
「んなの、聞けるわけねーだろ。お前のやったこと考えろ」
 メルティアが突き放すように告げた。リーシャの顔は絶望に染まり、そして、花に呑み込まれて、消えた。
「大好きな絶望で死ねたんだから、良かったじゃない」
 翠蘭がくすくすと笑った。

 泉の水は、もとの透明な色へと戻りつつあった。これで村人達も渇きにあえぐことなく、再び今まで通りの日常に戻ることが出来るだろう。
 リアリスは引き上げられた遺体を村人達とともに弔い、猟兵達も祈りをささげるのであった。
 こうして事件は解決した。しかし、いまだにオブリビオンによる脅威は、この世界全体を覆っている。いつまた、新たな事件がこの村を襲ってもおかしくないのが現状だ。
「いつか、解放してみせます」
 ハロが天を見上げる。その空は暗く、未だ闇に覆われていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト