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ブルーは狂気、ブラックは虚無

#UDCアース #外なる邪神

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●De sterrennacht
 一人の画家がいた。緻密な筆使いの画風で、注目を集めていた。
 だが旅路の途中、とある山奥の村に立ち寄った後、突然消息を絶つ。
 最後に発表した作品は、彼の今までの作品と全く異なる、抽象画だ。
 その遺作で彼は何を表したのか。その山奥の村で、何が起こったのか。

 ……いや、今もまだ、起こり続けている。“何か”が。

●ブリーフィング
「諸君、『最優先対処事項(レッド・アラート)』だ」
 グリモアベースでも最も厳しい機密保持が施された区画、Xセクションの一室で、
 ベルンハルト・マッケンゼン(黄金炎の傭兵・f01418)が端的に切り出す。
「UDCアースの某所にて、世界浸食の発生が確認された。原因は『外なる邪神』だ」
 途端にどよめく室内。外なる神、異形の神、蕃神。それは世界を超えるUDC存在だ。

「……おっと、失敬した。正確には、そのUDCの肉片だな。とある村に墜落したらしい。
 どうやら何処かの邪教集団が、邪神召喚の儀式に成功したようだな。不完全ながら」
 肉片とはいえ、さすが外なる神。到着と同時に周辺を青と黒に塗り潰したそうだ。
 周辺一帯がブルーの狂気に染まった。地面が、建物が、動植物が、そして人々が。
 そして肉片は全てを少しずつ黒化させながら、自らの肉体として再構築していく。
 最終的には、この世界全体がブラックの虚無と変容していくだろう。

「ともあれ、諸君はこの村に向かい、『外なる邪神』の肉片に対応してもらう。
 まずは、肉片が墜落した場所を突き止めてくれ。手掛かりは……この絵だ」
 そう言うと、彼は一枚の抽象画を見せた。
 青黒く塗りつぶされた夜空。ギラギラと輝く巨大な星。そして、異様な風体の糸杉。

「……ちなみに言っておくが、これを見た人達が次々と、消息を絶っている。
 この村に向かった後に、な。あまり見詰めない方が良いだろう。戦術的に…フッ」
 そんな危険な物を見せるなよ! と室内にはブーイングが起きた。

「なに、気にするな。諸君に何が起ころうが、当局は一切関与しない。いつもの事だ。
 全く、酷い話だが、な。とりあえず一杯やって、それから考えてくれ。私はそうする」


DALL
 はじめまして。DALL(だーる)と申します。

 不可思議な色彩、狂気の伝染、世界の浸食。
 なかなか、圧倒的なイメージかと。
 皆様には、まずは探索で場所を調査して、次いで妨害者による干渉に対抗して、
 最後に外宇宙からの尖兵を撃破してもらうことになります。

 なお、現時点ではまだ何も方向性は決まっておりません。
 皆様から頂けたプレイングを元に、物語を作っていこうと思っております。
 Dall'Altra Parte, 行動には反応が付き物。その都度、状況は流動的に。

 それでは、よろしくお願いいたします。

 まぁ、どうかお気楽に。とりあえず一杯やって、それから考えて下さい。
 ……私は二杯やります。戦術的に…フッ。
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第1章 冒険 『未完な未来は未だ来ず』

POW   :    失踪した人々の状況や交友関係を調べる。

SPD   :    失踪した人々の作品群を精査する。

WIZ   :    作品に込められた意図や仕掛けを読み解く。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

霧鵺・アギト
青と黒……僕の髪のことかな?
ともかく、何か不思議な縁を感じてしまったので僕も調査に参加するぞ。

あまり見ない方が良いと言われたが、この絵を調べないわけにはいかないだろう。
【狂気耐性】があるのである程度は大丈夫と思う。
何か場所のヒントになるようなものが描かれていないか確認してみるとしよう。
ついでに画家のことも調べてみるか。
この絵が世に出てきたということは、少なくともその村から絵を持ち出した人物がいるということ。
画家の交友関係や関係者も洗ってみるとしよう。



●ブルーからブラックへ
「これはまた、強烈な色彩感の絵画だな」
その絵を前にして、霧鵺・アギトは呟いた。
確かに、青と黒に塗り潰された夜空に光り輝く星と月、そして漆黒の大木。
勢い強いタッチで厚塗りされた油彩、乱雑な印象を与える。

「……だが、構図に注目すると、違ってくる。実に緻密な、配置だ」
それに気付けたのは、彼が根っからの探究者だからなのだろう、か。
「黄金比を活用した技法、中でも、このパースペクティブは興味深い」
そう、星々と大木、そして眼下に見える村の明かり……その、遠近、感が……
「……ふむ。残念だな、情報量が少なすぎる。二次元の壁だ」
冷静に分析していた彼だが、そこから先は思考に霧が掛かったように、行き止まる。
あるいは、狂気耐性としての自己防衛が働いたのかもしれない。
「ならば次は、情報収集だ。画家個人とその周辺を、洗ってみるとしよう」
全ては解を求めるため。個人的好奇心を満たそうとするその欲望が、今回は意外な結果を導いた。

「あぁ、“De sterrennacht”の入手経緯、ですか……いや、私は、別に構わないんですが……」
妙に勿体ぶり、口ごもるアトリエのオーナー。消息不明の画家が、その最後の作品を預けた場所だ。どういう事かと、彼に問う。
「いや、実は……この絵、というかこのモチーフが、最近業界内で話題になってまして……」
かすかに、何か、嫌な予感が、した。第六感か。
「青と黒。そして月と星。不思議なことに、同じモチーフを題材にした作者さん達が、ねぇ?」
どういう事だ。
「……いずれも消息不明に、なっているんですよ。それも皆、同じ場所に向かった後で」
どうやら、場所は判明したようだ。これで今後の調査も、進むだろう。
「私は分かりませんが、何かが起こっているような気がします。どうか、気を付け、て……」
突然、オーナーの言葉が止まった。驚き、見詰めると。

『……ブルーからブラックへ』

それはオーナーが発したようでもあり、そうでもないような音が、聞こえた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

まったく。
なんてもんを見せるんだよ!
そんな物騒なものを見せられて……ん?
深淵を覗くものは……何つったっけ?
つまるところは、「逆もまた真なり」か。

この絵に相対したなら、既に道は開かれ始めてるんだろ。
見た事こそが「カギ」になるなら、
絵にも外なる神の干渉があると考えるべきだろ。
我慢強く、慎重に。
狂気に我を忘れないよう覚悟と耐性で堪えながら、
探査の思念波を流し込むよ。

この絵に籠った鬼気と狂気、執念、情念……
諸々を探りながら奥底に潜むであろう、
外なる存在のヒントへ「腕」を伸ばす。

そこには画家の足取りや記憶もあるだろうさ。
浚えるだけの情報を、目いっぱい集めてやろうじゃないか。



●全て求むる者は得、尋ぬる者は見出し、門を叩く者は――
探究者が理知的な方法で分析調査している一方、
それとは正反対のアプローチで作品に挑むイェーガーもいた。
数宮・多喜、彼女の取った方法は――超自然、サイキックである。

「まったく。なんてもんを見せるんだよ!」
一応は憤慨する彼女だが、もう覚悟は付けてある。
「深淵を覗くものは……何つったっけ? つまるところは、『逆もまた真なり』か」
思念波の「腕」を飛ばし、作品世界の内面を直接探索する……サイコダイビングだ。

「この絵に相対したなら、既に道は開かれ始めてるんだろ。
見た事こそが「カギ」になるなら、絵にも外なる神の干渉があると……」
当然ながら、彼女は危険を想定していた。我慢強く、慎重に、深淵を手探りする。
画家の足取りや、記憶などの情報を、浚えるだけ集めるために。

だが、その行動は完全に予想もできない結果を生んだ。
そう。深淵とは、手も届かなく見通すことも出来ない――漆黒の虚無。

「なるほどな。あの画家は村に着いてから、散策してこの糸杉の広場に来たわけだ」
最初は順調に、送った思念波が反響し、エコーとして情報が返ってくる。
「ふむ。で、腰を下ろして、絵を描き始める……あぁ、この絵だな。ん?」
ふとした疑念。この作品、“De sterrennacht”は明らかに、夜景だ。
「おいおい、今は昼だし、描いてるのも全然違う。のどかな風景じゃねーか!」
嫌な、予感がした。その瞬間――世界が、変容する。
「!」

目の前の風景が一気に暗転する。朗らかな日光は今や強烈な月光へ糸杉は急激に幹が伸びていき異様な風体へそしてこの世界には多くの生命力が感じられる全て青と黒で塗り潰してやろう

「……ってなんだよコレ! 腕が、腕が……青と黒に、染まって……!」
慌てて「腕」を戻す彼女。サイキックのビジョンでは、侵食されたように思えたが、
「ふぅーっ。助かったぜ。マジ、ヤバかった。でも、しっかり浚えたぜ」
そう、重要な情報が手に入った。画家は、あの村近くの糸杉の広場にいた。
「で、絵を描き始めて……そして、“何か”にやられたんだな」
最後に侵食してきた意思の記憶、それは明らかに画家の物ではなかった。

「道が開かれ、カギも開けられ……あぁ、そうか。アレが、“外なる神”の一端か」
人間とは異なる感覚を持つ存在にとって、周囲の景色はこう見えたのかもしれない。

「……神が描いた絵、となるのか、コレ。まったく、あまり趣味は良くねぇな」

大成功 🔵​🔵​🔵​

大門・有人
不採用含めて全て歓迎だ。
SPD・情報収集
曰く付きの絵ってのは曰くが付く理由があるってモンだ。しっかり調べておくぜ。(映画知識)

手がかりが見えれば情報に合わせて探索開始。足が必要ならガンバーバイクを使う。
こういうのは秘密を知っている人間と隠す人間がいたりする(やっぱり映画知識)からな、拳銃の使用と恫喝、気絶攻撃もいとわねえぜ。
肉片以外に…そうだな。邪教集団や画家、行方不明者について調べられそうならそっちも調べておくか。

村ぐるみの凶行ってのもありえる(映画知識!)、利用できそうな地形はしっかり把握して、いつでも銃は抜けるようにしておく。
常人を殺す気はない、武器受けと武器落し狙いだ。(髪を整えつつ)



●奴らは渇いている(映画知識に)
「げっちょもたらーぃにん!」
田舎道を愛車ガンバ―バイクでカッ飛ばしながら、大門・有人は上機嫌で歌っていた。
見通しが良い一本道、快晴でマシンも彼のコンディションも最高だ。

だが、突然――少し先の路面に、何か黒い影が飛び出した!
「!」
彼は瞬時に急ブレーキ。タイヤの限界を感じつつ、愛車をパワースライドさせる。
甲高いスキール音を鳴らしながらも、ギリギリの所で何とか止めることが出来た。
突如、路上に出現したその謎の物体は……つぶらな瞳で彼を眺める。ウサギ、だ。

「……へっ。お嬢ちゃん、命拾いしたな。俺の名前を、覚えといてくれよ。
大門のスペルは……AI、だぜ」
一つウィンクした後、彼は再びガンバ―バイクを走らせた。村は、もうすぐだ。

彼は他のイェーガーとは違うポイント、すなわち人間・関係者に注目していた。
幸いにも、村人であろう老人の姿が見える。ここは一つ、聞き込みだ。
「よぉ、爺さん。いい天気だな。ちょっと教えてくれ。最近、この村で……」

「おぉ! よく聞いてくれた! 実は、外宇宙から大きな流星が落ちてくるんじゃ。何とかあの星に乗り込んで爆破せねばならん。あんた、それは掘削機じゃな?」
「爺さん、これは愛車のガンバ―バイクだ。あと、ア〇マゲドンか?」

「そうじゃったかいのぉ。いや、実はこの村では、よそ者を柳の枝で作った
人型の檻に閉じ込めて焼き殺してな、外なる神の生贄に捧げるという儀式が
あるんじゃ。あんた、よそ者じゃな……」
「爺さん、柳の木なんて何処にも生えてないぜ。あと、ウ〇ッカーマンだろ?」

「違ったか。だがな、これだけは聞いてくれ。あの山の中腹に、大きな糸杉が
見えるじゃろう? 少し前にな、あそこで変な奴等がうろついていて、な。
声を掛けようと思ったら、皆、青黒い霧の中に姿が消えていったんじゃ……」
「爺さん、ありがとよ。少しミ〇トっぽいが、助かったぜ。来世で会おう!」
「久々に映画の話が出来て、楽しかったわい。気を付けるんじゃよ、若いの」

バイクに乗って走り去る大門。そしてふと、後ろを振り返ると……
「? ……!」

手を振る老人の瞳が、青黒く染まっているように見えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

枯井戸・マックス
◇POW
「見たものを狂気に誘う絵画ねぇ。ふむ、店に飾るには陰気すぎるな」
【狂気耐性】で気を強く持ちながら、一通り絵を調べてから行動開始

まずは失踪した画家先生の身の回りから【情報収集】していくか
UDC職員にも協力してもらって家族や画家仲間との交友関係をリストアップ
絵を描いた前後の様子や、あわよくば行き先のヒントなんかを調べよう

俺の身分は、そうだな…
彼を探している古い画家仲間とでも名乗っておくか
ちょっとした矛盾は【瞬間思考とコミュ力】、もしもの時は【催眠術】で誤魔化して、さっさと本題をすっぱ抜いちまおう

はてさて、俺の収集欲を潤してくれる遺物に出会えるかな?



●狂気が覚めないうちに
「ふむ、店に飾るには陰気すぎるな」
枯井戸・マックスは絵を一瞥して、そう呟いた。
確かに彼の落ち着いたコーヒー店には似合わない、ざわつく印象を受ける抽象画だ。

そして彼も情報収集に移る。古い画家仲間、という誤魔化しは問題なく成功した。
問題は……

「おいおい、これ皆、相次いで失踪しているのか? 何かあるんじゃねぇの?」
そう。画家や写真家、映像作家や小説家まで、かなりの数のリストが出来た。
全員、同じ“青と黒の夜空に星と月、そして糸杉”というモチーフの作品を、
後に残して。
「最後に確認された場所は……あぁ、この村で決まりじゃん。行き先は、ここだな」
全てが、その村から始まったようだ。いや、正確には村近くの糸杉の広場、から。

失踪者たちの足取りを追った彼が到着すると、村は異様な雰囲気に包まれていた。
通りにも民家にも、人影がない。村人たちは、何処に行ってしまったのか……
「!」
いや、一人だけ見付けた。軒下でワインのボトルを抱えて酔いどれている男だ。
「おいおい、お兄さん。ちょっと、飲みすぎじゃねぇの? 何があったんだ?」

その酔いどれは虚ろな瞳で、ゆっくりと語り始めた。
「アンタ、まだ生きてるのか? あいつ等の仲間じゃねーだろうな。
もう、この村は終わりだ……いや、この世界も、か。とりあえず、飲もうぜ」
「俺はコーヒーで良いんだ、それより、あいつ等って?」
「知らん。知りたくもない。変な奴等だ。あの山の糸杉の広場で集まってた。
それから流れ星が墜ちてきて、変な色の霧が……霧が、霧が、霧がぁぁぁぁっ!」
突然、男は叫びだし……そして、崩れ落ちた。酔い潰れたようだ。

「謎の集団、隕石の落下、奇妙な霧? 嫌な予感を感じるぜ、全くなぁ…」
そう呟くと、彼は少し先に見える山中の糸杉を眺めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『傍観者達』

POW   :    静観
【自身から溢れ出続ける赤い液体】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
SPD   :    観戦
【自身の身体の一部】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【自身は弱体化。対象の装備武器を殺戮捕食態】に変化させ、殺傷力を増す。
WIZ   :    観賞
【対象の精神に「生きる力」を削ぎ落とす衝動】【を放ち、耐えきった、或いは回避した者に】【強制的に自身の力の一部】を宿し超強化する。強力だが、自身は呪縛、流血、毒のいずれかの代償を受ける。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●Black, Blood, Bystander
様々な情報を入手できた猟兵たち。点はやがて線になり、一つの場所を指し示す。
“糸杉の広場”
その場所で、何かが起こった。いや、今も起こり続けている。
青黒い霧に消えた村人たち……胸騒ぎを感じながら、猟兵たちは向かった。

「……おい! これは、一体!」
広場に到着した猟兵の誰かが叫ぶ。そう、広場は――今や、外界に変容していた。
青と黒に染め上げられた大地。植物とも鉱物とも見える変形した巨大な糸杉。
そして……霧の中に見え隠れする、異形のモノたち。その集団が、徘徊する。

「アイツ等は……まさか、消えた村人か? いや、その前に失踪した芸術家たち…」
その正体は、今や誰も知る者はいない。黒に染まった体から、赤い体液が迸る。
かすかに知能は残っているのか、石や木の枝を握りしめてる個体もいる。
……そして、その全員が顔の無い頭部を猟兵たちに向け、襲い掛かって来た!
霧鵺・アギト
絵と相違ない場所…
絵描きにはコレが見えていたのか。

しかし…あれが人間の成れの果て…?
巻き込まれた者は本当に不運だったとしか言いようがないが…これ以上の被害を出すわけにはいかない…!
せっかくお集まりのようだが、集会は終わりにさせてもらうぞ。

他の猟兵の攻撃の妨げになる厄介な回復UCを使わせないようにしなければ…。
【属性攻撃】で氷の【全力魔法】を放とう。
赤い液体ごと凍らせて動きを封じる狙いだ。
機を見て【指定UC】発動。
温度差で粉々にしてやろう。
流石に僕もそちらの仲間入りは 遠慮したい。
すまないが、覚悟を決めてくれ…。



●知への意思
青黒くこもった霧の中で、霧鵺・アギトは答えを求めていた。

「あれが人間の成れの果て…? 不運だったとしか言いようがないが、これで終わりにさせてもらうぞ……!」
彼が導き出した解法は、敵を凍らせて動きを止めた上で、急速に燃焼させて温度差による膨張で内部から破壊する、というものだ。

だが……

「何! この氷の全力魔法でも、奴らは凍らないのか? 絶対零度に近い極低温だぞ!」
そう。魔法を受けた“傍観者”、バイスタンダー達は一瞬動きが鈍るが、すぐに震えながら赤い体液をまき散らし、活動を再開するのだ。
「……なぜだ。温度は低下している、動きも鈍る、つまり奴らの身体を構成する物質の原子運動が小さくなっている、という事だ……くっ!」

敵の攻撃を受けながらも、彼の瞬間思考力と知への欲求は更に加速する。
「そして、動きが鈍った直後に震えるのが気にかかる。震え、つまり振動……ゼロ点振動、か! 絶対零度下でも自ら動けるのは、そして……」
「仮に奴らの身体を構成する物質が外宇宙の異質な素材でありそのポテンシャル自体がラグランジュの概念から外れるならばハイゼンベルグの原理を超えたマクロな環境での揺動は可能になる――」

それは、つまり。
「この世界の理では、奴らを止められない……」
聡明な彼だけに、自らの無力を悟るのも早かった。だが。
「いや! しかし、何か、何かあるはずだ。考えろ、求めろ、答えを。探索者として、叡智を求める者として――」

そのアイデアが浮かんだのは、偶然かもしれない。それとも、非合理的な事を好む彼の性格なのかもしれない。
「……奴らが震えた時、つまり外なる世界のエネルギーを励起した瞬間に、更に燃焼エネルギーを与えたら、どうなるだろうか?」
ある意味、戦場には相応しくないような純粋な知的興味が沸く。そして、瞬時に実行。

「僕の思うがままに…解を求めよう。ラプラスの悪魔よ、来たれ!」
数式が光となって敵を取り囲む。単純な二次元方程式の羅列は発展してフラクタルな図形となり、少しずつ複雑化してマンデルブロ集合が空間を取り囲む。
更に加速した彼の超高速演算は、やがてカオスを内在化したストレンジアトラクターとして発現。同時に白熱した光が青白い炎を上げて燃焼し始め……

突然、消失した。敵の姿も、青黒い霧も何も残さず。

「……! やはり、そうか。このエネルギーは外宇宙から共鳴して移動してきた物。当然、こちらの状態が上がれば逆流もあり得る。フィードバックだ」

いまだ、周囲は青黒く霧に覆われ、異形のバイスタンダーが猟兵たちと戦いを繰り広げている。
しかし、この瞬間……この世界による最初の反撃が、為された。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

……ッチ。
現場がこうなってるだろう、
ってのは想像に難くなかったけどさ。
まさかこんなにもう被害者が増えてるたぁね……
ここまで進行してるんなら望み薄だろう、
治せるかどうかまでは分からないけれど。
それでもなるべく穏便に無力化させてもらうよ!

呪詛と狂気への耐性を頼りに、
外なるものへいざなう衝動を堪えて。
アタシ自身と周囲へ「ヒトである事、生きる事」を
高らかに叫びあげて『鼓舞』するよ。
それに呼応して力を分け与えてくれるなら、
周囲に電撃の『属性攻撃』を飛ばして
【超感覚領域】を築き上げる。
そうすれば手遅れな奴から順に、雷を落とせるだろ。

星辰が揃う前に、この場を静電で満たしてやる!



●力への意志
「……ッチ。まさかこんなにもう被害者が増えてるたぁね……」
青黒い霧の中から放たれる、“傍観者”バイスタンダー達の攻撃を躱しながら、
数宮・多喜は独り呟いた。

妙に、敵の行動はバランスが取れている。
手にした石や木の枝で直接殴り掛かってくる個体、赤い体液を撒き散らして回復させる個体。何もせず、ただ震えたかと思うと突然衝撃波を放つ個体。
いずれも攻撃は稚拙ながら、その連携が取れすぎた行動に、猟兵たちは違和感と不安を感じ始めていた。

そして、その不安が災いを呼び込む。
「……これ、かッ! 外なるモノへの、誘惑……!」
彼女の心を、“何か”が蝕む。非日常への快楽。世界を超えた視点。自立放棄の誘惑。敵の、精神攻撃だ。

「耐えろ、耐えろよアタシ。こんなキモい奴らの仲間になんてなったら、マジ、イケてねぇぜ……ッ!」
絶望感や無気力感に苛まれながら、自らの心の力を信じ続けてチャンスを待つ多喜。

瞬間、戦場のどこかで青白い炎が巻き起こり、周りの霧が晴れた。
「……やっと、来たぜ! アタシはアタシだ! 宇宙的恐怖なんて、知ったことか!
星辰が揃う前に、この場を静電で満たしてやる!」
彼女のサイキック能力により周辺の場がプラズマ化、身体がスパークに包まれる。
爆ぜる雷光はやがてうねる稲妻となり、辺りを重々しい雷鳴が轟き響き渡った。

「アタシに目を付けたのがアンタの運の尽きさ! サイキック・テリトリー!」
紫電一閃、強烈な雷撃が周囲に襲い掛かり――また、青黒い霧が少し、晴れた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘンペル・トリックボックス(サポート)
「ヘンペルと申します、しがない紳士です。お茶のついでにちょっとしたマジックでも……如何ですかな?」
【設定】
 UC偽身符で作られた、本物そっくりの式神です。
【イメージ】
 のらりくらりと現れる、紳士姿の胡散臭い奇術師です。胡散臭いの延長線上で、符術も使います。
【性格】
 常に礼儀正しい姿勢ではいますが、要所要所でしれっとボケを入れる剽軽モノ。放っておくと延々戯言を垂れ流します。
【行動理念】
 『誰かの笑顔のために』行動します。水面下で老体に鞭打って頑張るタイプです。
【好き/嫌い】
 笑顔、のんびり、甘いもの/作り笑い、不実、紳士的でない行動
【その他】
 ノリは良い方です。感覚で動かしていただいて結構です。



●紳士には向かない職業
「ヘンペルと申します、しがない紳士です。お茶のついでにちょっとしたマジックでも……如何ですかな?」
かぶっていたシルクハットを外し、胸の前に持って紳士の一礼。
そう、ヘンペル・トリックボックスは紳士だった。

だが、相手は彼のジェントルネスを理解できるかどうかも分からない“傍観者”、バイスタンダー達。
赤黒い粘液に覆われた、顔の無い頭部を向けながらゆっくりと、しかし執拗に迫っ2てくる。

「これは、仕方ありませんね。私たちは両立し得ないようです。残念ながら、紳士的に解決することにしましょう」
そう言うと、振り下ろされ“傍観者”たちの長い異形な腕や、その手に持ち薙ぎ払われる石や木の枝を、彼は巧みな身のこなしで交わしていく。

……瞬間、紳士と自他ともに認める彼の瞳に、獰猛な輝きが宿り、
『秘剣・隠爪──死角から、失敬』

後に残ったのは、いつの間にか抜き放たれた愛用の仕込み杖により、刺し貫かれて崩れ落ちた“傍観者”たちの骸だけだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

富井・亮平(サポート)
【解説】
オブリビオンと戦うという設定のヒーローマスク。
マスクを被るとボディの人格が変わるような感じ。

謎のオブリビオン文明の話とか、地球侵略を狙うオブリビオン星人の話とか、適当な事を言いながら頑張る。
関係なくてもオブリビオンのせいにして行動する。

行動そのものはマトモ。

【行動】
ヒーローっぽい行動であれば何でもします。
戦闘は主に魔法剣士スタイルですが、機械も扱えます。
ガジェット形状は固定していません、必要に応じ自由に変なメカを使わせて下さい。

UCを使うと「黒幕が出てきて敵を改造する」「謎のお助けキャラが登場する」などのヒーローっぽいイベントも発生させられます。

「このイェーガーレッドに任せておけッ!」



●『猟兵戦隊! イェーガーレンジャー!』
謎の声と共に突然、爆発した岩山から飛び降りる赤い影が一人。

「皆、待たせたな! 後は、このイェーガーレッドに任せておけッ!」
そう、富井・亮平は猟兵戦隊イェーガーレンジャーのリーダーである。
……まぁ、他にブルーやイエローやピンクや追加メンバーのゴールドはいないのだが。

「外宇宙からの侵略者、オブリビオン帝国の傍観怪人バイスタンダー! 私が相手だ!」
素早く“傍観者”たちの中に入り込むと、彼は手にしたルーンソードで斬り掛かる。
そう、怪人相手にヒーローが遅れをとることは許されない。たとえ一人でも、勇気と共に。

そんな彼のヒロイックな獅子奮迅ぶりに対し、当然ながら敵も対応してくる。
“ギ・ギ・ギギギギ…”彼の斬撃を受けた“傍観者”たちが集い、不気味な呻き声を上げると……
「! 出たな、強化怪人グレートバイスタンダー!」
集まりの中から一体の“傍観者”がゆっくりと姿を現した。その個体は明らかに大きく強化されている。

『発進せよッ! イェェェエガァァァッッッ!! ビークルッッッッッ!!!』
その強敵にも臆することなく、彼のユーベルコードが発動! 迫りくる敵と正面から激突! そして大爆発!
巻き起こる粉塵が収まった後、戦場に立つ一人の男の姿が。

「強敵だった……だが、世界の平和はこの私、イェーガーレッドが守る!」
そうだ、がんばれ! ぼくらの猟兵戦隊イェーガーレンジャー!

成功 🔵​🔵​🔴​

アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に手を貸します。

その他の部分はマスターさんにお任せします



●8 Million Ways to Kill
猟兵たちの活躍によって、“傍観者”たちは徐々にその数を減らしつつあった。
ランチェスターの第2法則にもあるように、集団戦での兵力数の差は加速していく。
そして、ついに戦線が崩壊した。

「敵の残存戦力を確認、殲滅にうつります」
アハト・アリスズナンバーは無表情に言葉を紡ぎ、戦場を駆け巡る。
敵集団にレーザーライフルで制圧射撃。ついでランスチャージ後、一撃離脱。
“傍観者”たちはそんな彼女の効率的な動きに付いていけず、次々と倒れていった。

『アリスインデジャヴ――アリスコード送信。総員、裁判の時間です』
彼女の銀の瞳が輝き始め、瞬間に超複数回路で並列思考が開始される。

『Have you reached a verdict?』
『Yes, Ma'am, We find the defendant……Guilty!』

最後に残った“傍観者”が放った一撃を彼女は華麗に回避し、
その勢いのまま愛用の斬竜剣ヴォーパルソードを抜刀。一撃で敵の首を刎ね飛ばした。
これで全ての“傍観者”たちは倒れ、戦場に静けさが戻る。少しの間、だけだが。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『楽園』

POW   :    孵卵
【触れれば対象の素材を問わず同化する肉片】が命中した対象に対し、高威力高命中の【同化欲求以外の思考を阻害する饐えた甘香】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    出生
全身を【絶えず分泌する粘液】で覆い、自身が敵から受けた【拒絶の感情や行動】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
WIZ   :    胎動
【強制的な同化性能】を籠めた【自在に変形し操作する全身の肉塊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【楽園への拒絶、忌避感】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルーダス・アルゲナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●青と黒、それに一面の赤
集った猟兵の活躍により、“傍観者”たちは全て倒れた。
辺りを覆っていた青黒い霧は晴れ、全てが元通りになったかのように思えた。

だが。

その異常に気付いたのも、一人の猟兵だった。
「……? 何だ、この震動は! 徐々に大きく、そして、間隔が短く……ッ!」
彼の言葉は途中で遮られ、飲み込まれる。

外宇宙から“それ”が顕現した瞬間、だった。
正視を拒否する奇妙な光彩が周辺を照らし、生理的嫌悪感を催す甘い香りが溢れる。
猟兵たちを睥睨するのは、この世界とは相容れない究極の異体。
その個体名はヒトの声帯で発音するのも困難だが……敢えて言うなら

“パライソ”、と。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

これ、は……
これが、外なる世界の神?
まるで単純な生物……アメーバみたいなもんじゃねぇか!
けれども意思がある、意思に反応する単純生命体って
それそのものがヤバすぎる……ん?
意思が、あるんだよな?
なら、これが使えるかもしれねぇ……!
どうせこんな状況だ、狂気の上乗せがあっても仕方ねぇ!
奴に思念のリンクを張り、『狂気耐性』で耐えながら
【弱点特攻作成】で粘液と体組成を逆に侵す薬品を生成するよ!

同化の誘惑は切れないだろうけれど、
思念のリンクは切らさない。
刻一刻と変動するだろう組成に合わせて、
薬品の調合を変えていく必要があるからね。
どっちが侵しきるか、我慢比べしようじゃないのさ…!



●Paradise's End
ただ、そこにある。それだけで……
その異体、外なる邪神の肉片の存在感は、圧倒的だった。

「これ、は……これが、外なる世界の神?
まるで単純な生物……アメーバみたいなもんじゃねぇか!」

数宮・多喜は叫ぶ。もちろん、初めて見る、初めて戦う相手だ。
それなのに、魂の奥底まで侵食してくるような途轍もない感情。
恐怖なのか、畏怖なのか。忌避なのか、萎縮なのか。

もしかすると……これが、初めてではないのかもしれない。
太古の昔から、様々な形でヒトの歴史に干渉してきた邪神群。その一柱か。

「どうせこんな状況だ、狂気の上乗せがあっても仕方ねぇ!」
サイキッカーの彼女には、過酷な状況だ。だが敢えて、思念の手を伸ばす。
彼女の思念が邪神の肉片に到達した瞬間、強烈な反動が彼女の思考を侵食した。

「!」
……同時に、サイキックエナジーが流出する。邪神に、奪い取られているのだ。
だが、彼女は動じない。想定内だ。どちらが先に身を引くかの、チキンレース。
ライダーでもある彼女には、悪くない状況だ。

「へっ。どっちが侵しきるか、我慢比べしようじゃないのさ…カニングクラフト!」
彼女の取った戦術は、サイキッカーならではの“逆侵食”。
自らが侵食されながらも相手の弱点を探り出し、それを用いて相手を侵食する。


……彼女の眼は血走り、こめかみには血管が浮かび上がり、額から汗が滴り落ちる。
一方、邪神の異体にも変化が表れていた。僅かだが、白化し始めている。
彼女のサイキックによって生成した薬品を注入し続ける、その効果はあったのだ。

しかし、それでもなお、敵の圧倒的な存在感には変化がない。
そう。戦いはまだ、始まったばかりだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧鵺・アギト
ふーむ…これが外なる神と呼ばれるものか…。
我々とコミュニケーション手段が違うのだろうか?
外観といい、実に興味深い…。

おっと、あまり観察するのも良くなさそうだ。
【狂気耐性】を持ってしても限界はあるからね。
流石に星月夜を延々と描き続けるようにはなりたくないな。
余計な事は何も考えないようにして、後は【第六感】に頼るとしよう。

肉片は炎魔法の【属性攻撃】で燃やしてしまうか、難しそうなら【見切り】で避けることを試みよう。
ある程度の距離をとりつつ対応。
攻撃の隙が見えたら【指定UC】発動。

人は個であってこその存在。
貴様と同化して全になる必要性は感じない。
なので悪いが抵抗は思いっきりさせてもらうよ。



●Inherit the Space
肉片を撒き散らし、粘液を滴らせ、そして肉塊を叩き付ける異形の邪神。
人間の認識を超越し、理解を拒絶させる究極の異物。世界への侵入者。
猟兵たちは様々な方法で抗い、迎撃態勢を整えつつあった。
そして、ここにも一人。

「ふーむ…これが外なる神と呼ばれるものか…外観といい、実に興味深い…」
“探求者”霧鵺・アギトは一人泰然と、思考を巡らす。そこには何の動揺も無い。
狂気耐性か、もしくは彼の未知に対して答えを求める欲求が、上回っているのか。

「まずは、可燃性並びに耐熱性の調査分析だ。さぁ……燃えろ」
自らに飛んできた肉片を冷静に見切って躱し、炎の魔力を付与させる。
曝された肉片はやがて青白く白熱し……そして突然、消失した。

「なるほど。先ほどの対象物と同じ、か。常にエネルギーが供給され、保っている。
そして許容できるエネルギーの閾値を超えると、外宇宙に戻ってしまう、と」

求めた答えを、反撃の糸口を掴んだ彼の口調が一転する。
外なる邪神の存在すら、彼はその一端を理解できた。故に……倒せる。

「悪いが、抵抗は思いっきりさせてもらうよ。我々の伝統には、敗北の概念はない。
今日は恒星を、明日は銀河系外星雲を。宇宙のいかなる力も……
我々を止めることは、出来ないのだ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

久遠寺・遥翔(サポート)
UCでフレアライザーや派生形態に変身するか
イグニシオンに【騎乗】して戦う
死角を突いたりといった戦法に躊躇はない
戦いでは取れる手を全力でとる
ただ人質を取ったりなんて義にもとる真似はしないけどな
救助対象がいる場合それ優先で動くぜ

変身・騎乗どちらの場合でも基本的に【空中戦】を仕掛ける
飛行系UCの速度やワイヤーを使った【地形の利用】【ダッシュ】による高速機動戦闘だ
相手の攻撃は【第六感】【視力】を駆使した心眼で【見切り】ながら【残像】でかわし
避けきれない攻撃を【オーラ防御】や【各種耐性】で受け流しながら【カウンター】の
【生命力吸収】する黒焔で対象を【焼却】する【2回攻撃】を叩き込む戦術になる


髪塚・鍬丸(サポート)
「御下命如何にしても果たすべし
死して屍拾う者無し」

【人物】
時代劇に出て来る遊び人の兄さん風の、飄々とした言動の人物です。
正体は抜け忍です。基本的には任務の為なら手段を選びませんが、そういう殺伐とした生き方を嫌って逃亡した為、残虐非道な行動だけは避けます。

【行動】
情報収集時は、出来るだけ状況を楽しみつつ、忍者時代の技術を活かして行動。
戦闘時は、忍装束を纏い忍者として気を引き締めて戦います。
【早業】の技能を活かし、手持ちのユーベルコードから、適切な能力で行動します。
連携、アドリブ感激です。


朝霞・蓮(サポート)
●キャラ
人間の竜騎士 × 探索者 18歳 男
口調:(僕、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)

●戦い方
至近:アイテム『百膳』を使用して切り結んだり、竜言語で身体強化して格闘したり
近中:槍投げしたり銃で射撃。その時に機動力を求められるなら竜に騎乗
遠:攻撃手段がないので接近

●その他できること
錬金術でいろいろ

●長所
探索者として狂気に免疫があるので逆境に強く、恐怖と威圧に動じない

●短所
詰めが甘く、天然

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●Mother Gaia
先行して攻撃に成功した二人の活躍によって、猟兵たちは迎撃態勢を整えつつあった。
遠距離から轟くのは、キャバリアや戦車乗りの砲撃か、あるいは魔女やウィザードの攻撃魔法か。
そのいずれもが外なる邪神の一欠片、“パライソ”に命中し、強烈な衝撃と閃光が辺りに響き渡る。

「……やった、か?」
砲撃を終えた久遠寺・遥翔が上空から呟く。そう、今の彼はラグナライザー、巨大ロボに変形しているのだ。その火力は絶大である。

しかし、そんな彼の期待を裏切るように、爆炎の中から“パライソ”は姿を現した。
同時に、彼の身体を邪神の肉片が襲い、地面に叩きつける。更に、生理的嫌悪感を催す甘い香りが……。
「……ッ!」
同化への欲望を何とか押さえつけ、再び彼は己を奮い立たせて空に飛んだ。まだ、やれる。


「御下命如何にしても果たすべし 死して屍拾う者無し」
正面からの攻撃だけでは、“パライソ”の動きを止めることは難しい。
そう瞬時に判断し、髪塚・鍬丸は早業で砂煙の中を駆けた。狙うは敵が攻撃した直後の一瞬の隙。

幸いにも彼は邪神から狙われることはなく、近距離までたどり着けた。何も考えず、身体に染み付いた流れるような動きで八法手裏剣を投擲、見事な腕前で全て命中させる。
手裏剣には爆薬や麻痺毒、強酸などが仕込まれているのだが、彼も敵がこれで倒れるとは思ってない。

「知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し」
素早く彼は跳躍し、“パライソ”の体表に突き刺さった手裏剣の上に着地。人間離れした体術、忍びの技で更に連続跳躍をこなす。

そして……
「陰は陽の内に在りて、陽の対には在らず――太陽、太陰なり!」
突然、愛用の科学忍者刀“双身斬刀”を高々と掲げ、邪神の頭上から一気に地面まで斬り下ろした。

意表を突く大胆な攻撃。しかし、これでもまだ“パライソ”の動きは止まらない。
「……くっ」
それどころか、更にその異形は大きく、毒々しく、そして正視を許さない存在感が増加しているように見える。


周囲を照らす青と黒の奇妙な色彩、そして打ち倒された猟兵たちの赤い血飛沫。
何をやっても勝てないのではないか、そんな閉塞感と絶望感が戦場を覆い始めた。

そんな時。
「人の世に定めあり! 我ら皆、死すべき者!」

一人の猟兵が叫ぶ。朝霞・蓮、彼もまたルーンソード“百膳”で邪神に突撃し、斬り付け、そして退けられていた。
何度も、何度も。何度斬っても、“パライソ”に目立ったダメージを与えることはできない。
だが、彼は諦めなかった。出来ないことは出来るようになるまで徹底的に繰り返す、それが彼の信条だ。
もしかすると、他に何も思い付かなかったのかも知れない。だが、止めない。それはヒトの持つ、意思の力だ。

彼の叫びと不屈の攻撃に、再び猟兵たちが立ち上がった。

『行くぞ相棒――神・焔・合・体ッ! ラグナ…ライザァアァアッ!!』
空には久遠寺・遥翔のV12ジェネレーターの駆動音が咆哮を上げる。オーバードライヴモードのそれは、天空に響き渡る交響曲か。

『御下命 如何にしても果たすべし』
地では髪塚・鍬丸が秘伝書を読み上げる。それは、彼を庇って倒れた他の猟兵が、必ず邪神を倒してくれ、と彼に託した物。

『きっと、死ぬまで間違え続ける』
そして朝霞・蓮は、百膳の呪いに苦しみながら斬撃波を放った。怨嗟の炎が“パライソ”を包み込む。

青と黒の色彩が、今度は赤の火焔によって塗り潰された。邪神の一欠片、“パライソ”の身体と共に。
その瞬間、今まで誰も見たことのない、清らかで白い輝きが周囲を照らし上げる。
辺りを覆っていた甘い腐臭は消え去り、爽やかで澄んだ香りが風に乗って運ばれた。

<よくやりましたね、こどもたち>

その瞬間、戦場全ての猟兵たちが、同時に女性の声を聞いた。いや、実際には何の媒体にも記録されていない。
だが、同じ戦場で戦った彼らは皆、同じように後日語り続ける。

「あの時聞いた声はまるで……自分の母のようだった」と。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年05月10日


挿絵イラスト