3
質問ですがファーストキスはレモン味って本当なんですか?

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0




「第一回、恋の。お悩み相談ラジオ~!いえ~い!」
「いえ~い!どんどんぱふぱふ~~」
「というわけでね、やって参りましょうか。このラジオは、リスナーの、皆様の、悩める恋の質問を、わたくし共で解決していこう!という番組です!」
「はい、さらには!メールを送ってくれたみんなの中から抽選で、毎週一名の方のお悩みを、我々恋のお悩み解決隊が、実際に訪問して、解決しちゃいます!」
「と、それでは最初のメールに参りましょうか!」
「はいはい♪それでは…」
 と、そこまで音声が流れた後でキケ・トレグローサ(たった一人の流浪の楽団・f00665)は録音の再生を止める。
「これがさっき、キマイラフューチャーの世界で放送されたネットラジオ番組の一個だよ。実はこの放送はオブリビオンの手によって行われたものなんだ。この、『実際に訪問して解決する』っていう行動。予知によれば、メールを送ったリスナーの恋人とリスナーをまとめて爆破するっていう方法なんだ。確かに、当事者たちがいなくなっちゃえば、そもそも問題じゃなくなるけど・・・それ以前の問題だよね」
 リア充爆発しろとは一部の世界ではよく聞く言葉だが、それを実行するのは論外だろう。
「何の目的でこのラジオを流してるのかわからないけど、このまま無視もできない。だから、みんなには予知された事件の被害者となるリスナーの家の近くで恋のお悩み相談会を開いてほしいんだ」
 『恋のお悩み相談会?』と、話を聞いていた猟兵たちは首を傾げる。
「お、大真面目だよ!その、被害者になるリスナーは真剣に悩んでるから、きっと近所でそういうイベントがあれば来ると思う。そこで、みんなでオブリビオンたちよりも先に、リスナーの子の悩みを解決しちゃえばいいんだよ」
 なるほど、オブリビオンたちが事件を起こすきっかけから解決しよう、というわけだ。
「オブリビオンたちは『お悩み解決』の成果を横取りされたと知ったら、きっと怒って攻撃してくるはず。そしたら、みんなで返り討ちにしてやろう。ただ、公園での戦闘になるからキマイラフューチャーの住民たちも見てる。猟兵が悪者になるようなことはしないでね。敵も強敵というわけじゃないから、余裕がありそうなら、キマイラフューチャーの人たちにアピールしながら戦った方がいいかも」
 オブリビオンたちを発見したら一方的に袋叩きにするのではなく、オブリビオンたちの悪事を指摘し、猟兵たちが正しいことをアピールしなくてはならない、ということだ。
「リスナーの子が住んでるところの近くに、ちょうどいい公園があるから『恋のお悩み相談会』はそこで開くことにしよう。噴水に芝生、ベンチにワゴンのお店なんかもあってちょうどいいと思うんだ。もちろん、リスナーの子以外の人も相談に来るから、その対応もできるようにしてね。必要なものがあったら、言ってくれれば用意するよ」
 雰囲気の良い公園。恋の相談にはもってこいかもしれない。
「まとめるね。雰囲気のいい公園で『恋のお悩み相談会』を開いて相談に乗ってあげる。しばらくすると、手柄を横取りされたオブリビオンたちが襲ってくるから、彼らの間違いを指摘、僕ら猟兵が正しいことをアピールして返り討ちにする。キマイラフューチャーの甘酸っぱい恋の為にも、みんなよろしくね」
 やれやれ、キマイラフューチャーの世界は本当に娯楽に事欠かないようだ。


Yggd
 Yggdです。公園でいちゃいちゃしてるカップルを見かけたら目薬を差すようにしています。リア充は幻です。
 キマイラフューチャーの世界で事件ですね。いや、私はこのオブリビオンたち好きですね。退治しなくてもいいんじゃないでしょうか…。
 一章は『恋のお悩み相談会』ですね。キマイラフューチャーの人たちのお話を聞いて、悩みを解決してあげてください。場合によっちゃ話聞いてあげるだけで解決、なんてこともあるかもしれませんね。他人の惚れた晴れたには首を突っ込まないのが吉だと思いますよ、私個人としては。任務なのでいやでも突っ込んでもらいますけど。
 二章三章はオブリビオンたちと戦闘です。他人の恋を邪魔する奴らをぶっ飛ばしてください。え?わたし?Yggdは悪いMSじゃないよ!
 ここまで張っちゃけた通り、いわゆるネタ依頼です。一生懸命面白可笑しくしたいと思うので、皆様の奇天烈なプレイングをお待ちしております。
19




第1章 冒険 『怪人の突撃☆アポなしお悩み解決!』

POW   :    気合や情熱が籠った言葉で解決。あるいは力が必要なら任せろ!

SPD   :    的確なアドバイスで解決。もしくはスピード、器用さがいるならお任せ

WIZ   :    精神的なケアで心を癒す。またはハッキング等で怪人のサイトに相談をできない様にしたり

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神羅・アマミ
なるほど、恋のお悩み相談か。
確かに最近は少子高齢化や社会保障費の増加が叫ばれる反面、自分らしい生き方の多様性が提唱され、それがかえって分断を加速させ、グレートアゲインでミートゥーじゃからの…

等と、まずは知ったような口で適当並べる。
その上で

わかるゥー!わかるよォー!君たちのような年頃の少年少女が、この生き難い世の中で悩むの、本当にわかっちゃう!
偉いッ!すっごく偉いッ!少しでも社会貢献しようと努力してるの、評価に値しちゃう!尊敬せずにはいられない!

と、全肯定ムーブを発動。

昼下がりのベンチで冷えたレモネードでも傾けてもらって、陽気にやられた住民は根拠のない自信を賦与されること請け合い。
本当に?



 灰の髪を腰ほどの長さまで流し、赤い瞳を持つ少女がキマイラフューチャーの公園にやってくる。すでにテーブルなどは準備されており、『恋のお悩み相談会』の準備は万端だ。
「最近は少子高齢化や社会保障費の増加が叫ばれる反面、自分らしい生き方の多様性が提唱され、それがかえって分断を加速させ、グレートアゲインでミートゥーじゃからの…」
 などと知ったような事をぶつくさ口に出す灰髪の少女。神羅・アマミ(凡テ一太刀ニテ征ク・f00889)は、
(ここは妾の出番でかのぉ)
 と、どや顔で席に着き相談相手を待つ。しばらくするとキマイラの少女がやってきた。問題のオブリビオンの標的の少女ではないようだが、相談相手ならば、話を聞いてやらなければなるまい。
「なんじゃ、悩みがあるのじゃろう?妾に話してみぃ」
「は、はい…その、ありきたりなんですが…彼氏が…」
 と、少女は自身の悩みを打ち明け始める。少女の彼氏が自分のことを本当に好きかわからないという。自分は好きだと伝えているが、彼氏は言葉にしてくれないのだと。
 少女の話を聞いたアマミ。突然、がばっと少女の手を取ると、
「わかるゥー!わかるよォー!君たちのような年頃の少年少女が、この生き難い世の中で悩むの、本当にわかっちゃう!」
「…ふぇえ?」
 突然のアマミの大声に気圧されてしまう少女。
「偉いッ!すっごく偉いッ!少しでも社会貢献しようと努力してるの、評価に値しちゃう!尊敬せずにはいられない!」
「そ、そんなこと…」
「そんなことあるよッ!彼氏さんのことをそこまで好きでいるっ!それが証拠っ!誰かを好きでいられるなんて、すごいっ!きっと彼氏さんもそんなあなたが大好きッ!恋の天才ッ!」
 アマミがひたすら少女を誉めまくる。まさか、ここまで持ち上げられるとは思ってなかった少女は、それが慰めなのだとわかっていても、段々と自信がわいてくる。
 アマミは少女を散々褒めちぎったあと、半ば拉致するように席から連れ出し、ワゴンでレモネードを二つ購入、ベンチに座って昼下がりのキマイラフューチャーの陽気を楽しんだ。
「あの、ありがとうございました!」
 帰り際の少女の表情は自信に満ちキラキラと輝いていたが。
「おい、あの、相談会、ちょっと怖えよ…」
 周囲で事の顛末を見ていたキマイラたちは、アマミの気迫に若干おびえだしていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

七条・紺
恋のお悩み相談会。良いのう、甘酸っぱいのう。我そういうの大好き!
しかし見た目こそ永遠の二十歳とはいえ、若人の意見を聞くのにこの口調では老害扱いされかねんな。
ん、んん……こほん。よし!俺がキミのお悩み相談に乗ろうじゃないか☆

普段の口調は封印して演技演技。
若人の恋のお悩みをとにかく聞く。口出しせずに聞く。
だってこういうのって、悩み相談とか言いながら心の中じゃもう答えは決まってたりするからね。
うんうん、そうなんだ。ああ、成程ねえ……
みたいな感じで、本当に必要な時だけアドバイスをしよう。

そうだ、最後にこれをあげるよ。サムライエンパイアの由緒正しい霊験あらたかなお守り、ご利益は家内安全。キミに幸あれ!



 キマイラフューチャーの公園で始まった恋の相談会にまた一人、悩める住人がやってくる。
「あの、ここで相談に乗ってくれるってきいたんスけど・・・」
 やってきたキマイラフューチャーの少年がテーブルに座る。相談相手は20前後に見える黒い妖狐の猟兵、七条・紺(泡沫流狐・f14160)。
「ん、なんじゃ我に………こほん。よし!俺がキミのお悩み相談に乗ろうじゃないか☆」
 と、咳払いを一つ。少年の話に耳を傾ける紺。
「我…?まぁ、いいか。実は…」
 少年がぽつぽつと自分の悩みを打ち明ける。年上の女性に恋をしてしまったが思いを伝えることができない、と言う。そんな少年の悩みを聞きながら、
(良いのう、甘酸っぱいのう。我そういうの大好き!)
 と、紺は内心で少年の初々しい恋の話に、にやけ顔を抑えるのに必死だった。妖狐とは、若い者の精を食らえばいつまでも若いままでいられる種族。紺も見た目20前後に見えて、その中身は年齢を重ねた古狐なのだった。
「・・・と、言うわけで…自分、どうしたらいいか…」
 と、紺の心の中など露知らず、少年は悩みを話しきると紺に意見を求める。
「ああ、成程ねえ……でも、本当はもう、君の中で答えが出ているんじゃないのかい?」
 紺の答えにえっ?と驚いた声を出す少年。
「俺がそれらしいことを言うこともできるけど…もし、君の中でいいんじゃないか、って思う答えがあるなら、俺の意見なんかよりそっちを優先したほうがきっと後悔しないって思う。大丈夫、悩んで出した答えなんだから、きっとうまくいくよ」
 と、やさしく少年の肩に手を添える紺。
「あ、ありがとうございます。頑張ってみます!」
 紺に励まされ、決意を固めた少年。
「そう、その意気だよ。そうだ、最後にこれをあげるよ。由緒正しい霊験あらたかなお守り。キミに幸あれ!」
 紺は少年にお守りを握らせる。二人は握手し、少年は再び礼を言うと帰っていった。
(ああ、やっぱり若い者の恋は初々しくって甘酸っぱい。良いのう、良いのう)
 と、少年を見送る古狐は、顔がふぬけてにやけそうになるのをこらえるのに必死だったが。
 少年は機嫌よく帰り道を歩き、ふともらったお守りに目を落とす
「相談にのってくれて、ずいぶん気が楽になったっス。あ、お守り・・・か、家内安全?え、恋愛成就じゃなくって?」
 キマイラフューチャーの道の真ん中で少年の目が点になったのは、関係のないお話である。

成功 🔵​🔵​🔴​

朝凪・深月紅
命短し恋せよ乙女。ふふ、いいですね
未来へ繋がる想い、しっかり伝えらて貰えるといいですね。
まぁ、乙女に限らず、少年も少女も心に秘めた想い、形にする手段は一つじゃありませんからね。
尊い想いは何時いかなる時も愛おしいです……

好きになってしまった相手に対して口下手になってしまう人も居るでしょうから
なにも言葉だけが手段ではない、と教えてあげましょうか。
歌ってもいい、踊ってもいい、演奏なんてとっても素敵。
どんな形でも相手を想って考えて……心を込めて実行できれば
それだけで素敵な事です。
好きですって伝えて貰えるって嬉しいでしょう?

からくり人形【七ツ海】にギターを弾いて貰いながら応援しましょう。



 純そうな女の子が猟兵たちの相談会にやってくる。しかし、相談スペースに向かう勇気が出ないのか、見つめているだけで、公園を行ったりきたり・・・。
(命短し恋せよ乙女。ふふ、いいですね)
 少女の様子を見ながら朝凪・深月紅(逢魔時に月は紅く・f02133)は眼鏡のずれを直し、微笑む。緑の髪をふわりと揺らしながら深月紅は少女の下へ
「コンコン♪なぁんて、ね」
 少女の前に立ち、手で狐の形を作って見せる深月紅。
「あなたも、恋のご相談?良ければお話聞かせてくれませんか?」
 深月紅が少女を相談スペースへと誘い、彼女の話を聞く。どうやら、この少女、恋人ができたばかり。彼氏からデートに誘われ行ったのだが、今度は自分からデートに誘いたいが勇気がでないそう。
「好きになってしまった相手に対して口下手になってしまう人って、結構多いんですよ」
 深紅月は少女にやさしく諭すように話す。少女も深紅月のアドバイスに耳を傾け、真剣だ。
「だけど、なにも言葉だけが手段ではないのよ。歌ってもいい、踊ってもいい、演奏なんてとっても素敵。どんな形でも相手を想って考えて……心を込めて実行できれば
それだけで素敵な事です。だから、デートが難しいなら何か贈り物を渡す、なんてところから始めたらどう?」
 深紅月の言葉にハッと何かに気が付いた様子の少女。どうやら彼氏に最近欲しいものがあるという。
「いいじゃない、それをプレゼントしてあげればきっと喜んでもらえるかも。それから、デートに誘ってみるのもいいんじゃない?」
 深月紅に感謝を述べ立ち去ろうとする少女。深紅月は少女を呼び止め
「折角ですから、私にも応援させて?」
 と、自身のからくり人形『七ツ海』を取り出しギターを演奏させる。少女は七ツ海の奏でる音色に聞きほれ、緊張がほぐれた様子だ。
(リラックスできたみたいね、このまま彼女の恋が上手くいくといいですね。尊い想いは何時いかなる時も愛おしいです……)
 と、深紅月はギターの演奏を聴く少女の笑顔を見守っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
なーんかなあ
なーんか恋愛は嫌な想い出があるような気が……
(記憶喪失者ムーブ)
ま気のせいでしょー

【礼儀作法】で親身で丁寧なアドバイスしてくれそうな立ち振舞いをして
途中からジョーク挟みながら相談者との距離を近づけていく【コミュ力】

女心が分かってないって言われた?
喜んだことあるから毎回同じ場所で食事?
同じプレゼント?
同じセリフ?
それはよくないよ

その子が喜んだのは『君が彼女を想って頑張った』ことが分かったからであって
その『物』に喜んだんじゃないよ
それだけ『労力をかけた事実』が何よりもプレゼントなの
だって大切にされてるって実感できるじゃん?

応援してるよ
(猟兵のサインが手土産になるなら書くけども、いる?)



相談スペースに腰かけ、トントンと頭を人差し指で叩く少年がいた。猟兵側に腰かけているので彼も猟兵の一人なのだろうが、彼は相談しに来るキマイラフューチャーの住人達を眺めながら、やや曇った顔をしていた。
(なーんかなあ・・・なーんか恋愛は嫌な想い出があるような気が……)
 と頭をたたきつつ険しい表情を浮かべる少年は鈴木・志乃(ブラック・f12101)。彼は幼少の記憶の大変を欠落している。記憶喪失を抱えているから、もしかしたらその失った記憶のころに何かあったのかもしれないが、今は思い出せないようだ。
「あ、あの・・・」
 と、志乃の正面に机を挟んで同い年くらいのキマイラフューチャーの少年がやってくる。
「もしかして・・・『ブラック』、さん、ですよね?」
 『ブラック』とは、志乃の配信者としての名前だ。キマイラフューチャーを愛する志乃は同時にキマイラフューチャーで活動する配信者の一人でもあった。にこり、と笑顔で志乃は少年に応える。
「そうですよ。配信のこと、知ってくれてるんですか?うれしいな」
「あ、はい!見てます見てます!それで、その、今日はここにいるということは恋愛相談に乗ってくれるんですか?」
 少年の問いに二つ返事で返す志乃。少年は喜んで椅子に腰かけ、前かがみになって志乃に自身の悩みを打ち明ける。
「あの…彼女が最近デートで楽しんでる様子がなくて…」
 と、少年が言うには彼女とデートに行っても、手ごたえがだんだんなくなってきているのだと言う。
「それで、女心が分かってないって言われた?喜んだことあるから毎回同じ場所で食事?同じプレゼント?同じセリフ?」
「え…ブラックさん、なんでわかるんですか?」
 と、少年は志乃に彼女の言葉を言い当てられてしまい困惑する。
「なんでだろうね?でも、喜んだのは『君が彼女を想って頑張った』ことが分かったからであって、その『物』に喜んだんじゃないよ」
「想って頑張ったことっすか…」
 志乃のアドバイスに納得したように復唱する少年。真剣な様子で志乃の言葉に耳を傾けているようだ。
「それだけ『労力をかけた事実』が何よりもプレゼントなの。だって大切にされてるって実感できるじゃん?」
 なるほど、と少年は手をたたく。反応のいい少年の相談に乗るのは心地よく、志乃もにこやかになる。
「応援してるよ・・・サインでも書こうか?」
「え、良いんですか!お願いします」
 サラサラと自分のサインを紙に書いて少年に渡す志乃。受け取った少年は、満面の笑みでもう一度ペコリと志乃に感謝を言って帰っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フランチェスカ・ヴァレンタイン
そうですか、恋人未満な関係の方が? とても鈍感な上に奥手で、ええ
ここから一歩先に進みたい、ええそうでしょうとも
でも? 自分から積極的にというのも恥ずかしい、と……

――すぐにでも自分から動かないと、手遅れに、なりますよ?(瞳から光が消えて目が笑ってない! コワイ!)

ええ、よぉっくわかりますとも。これは鳶に油揚を攫われることも十分あり得ますわねー……
俗に言う泥棒猫というやつです。――心当たり、あるでしょう?

それに好事魔多し、とも申しまして。あなた自身が油揚に――いえ、やめましょう

どうせ邪魔が入るのなら、自分から望む状況へと転がす方がマシというものでしょう?

……いえ、決して経験談というわけでは。ええ



 猟兵たちによる恋愛相談会にまた一人と恋に悩める女性がやってくる。
「あの、相談に乗ってくれるって聞いたんですけど、いいですか?」
「ええ、何なりとご相談ください。さ、おかけくださいまし」
 と物腰柔らかに対応する猟兵はフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)。背に生えた大きな翼が特徴的であり、悩ましいほどに良いスタイルも相まって、一見天使と見まがうようなキマイラの女性だ。相談に来た女性も、フランチェスカの肉体美にポッと赤くなる。
「え、えと…実は…気になる、というか。好きな男性がいるんです。それで、アプローチもしてるんですけど、なかなか気が付いてくれなくて…告白しようと思ったんですけど…その人、がつがつした女性は嫌いだって噂で…」
 女性の話を聞き、フランチェスカは顎に手をあてて何か考え込むようなしぐさを取る。その動作だけで彼女のたわわな胸は強調され、相談している女性だけでなく、道行くキマイラフューチャーの男どもの視線を釘付けにするのだが、フランチェスカ本人はそれに気が付いた様子もない。
「恋人未満な関係の方がいて、一歩先に進みたいと・・・なら。――すぐにでも自分から動かないと、手遅れに、なりますよ?」
 フランチェスカが顔上げ答えると、女性はひぃっ、と息をのむ。言葉を発したフランチェスカの目は光を失い、何かに憑かれたかのようにすら見える。深い、闇の深淵を覗き込む錯覚に囚われるほど暗い目、それ以外は笑顔を浮かべるフランチェスカが更に不気味さを増加させる。
「ええ、よぉっくわかりますとも。これは鳶に油揚を攫われることも十分あり得ますわねー……俗に言う泥棒猫というやつです。――心当たり、あるでしょう?」
 いやないです!と、相談相手の女性は思った。だが、フランチェスカの雰囲気がそれを許さない。光を失った目で見つめられれば背筋にゾクリと悪寒が走り、つっーと冷や汗が流れ落ちる。
「それに好事魔多し、とも申しまして。あなた自身が油揚に――いえ、やめましょう」
 聞かなくてよかった。相談相手の女性はほっと胸をなでおろす。好いている相手がいるのに食いものにされる話なんて不吉だ。ともかく、ここは一刻も早く離れよう。相談相手の女性はフランチェスカのことを、歪んだ恋愛が生んだ恐ろしいモンスターのようにさえ感じていた。
「どうせ邪魔が入るのなら、自分から望む状況へと転がす方がマシというものでしょう?・・・あら?」
 フランチェスカがふと女性から目を離した隙に、女性は脱兎のごとく駆け出して公園の人ごみに紛れ込んで行ってしまった。フランチェスカの美貌に視線を向けていた男どもも、美しい花ほど毒があるとは良く言ったものだ、と心中で思いサァーっと消えてゆく。
「……いえ、決して経験談というわけでは。ええ」
 と、女性の背を見送りながら言い訳のようにフランチェスカは呟くしかなかった。
 ちなみに、フランチェスカに相談した女性だが。怖い思いをしたと、意中の男性に話したところ、男性が守ってやると告白し、お付き合いするようになったとか。

成功 🔵​🔵​🔴​

シルバップ・シノイトビクス
【WIZ】
はい。どうしても恥ずかしくて、告白する勇気が出せない、と。
ええと……正直申しまして、わたしに相談に来る勇気があるなら、たいていのことは大丈夫だと思うのですが……(イラスト参照)

そうですね、では、考えてみてください。
あなたは何故、誰かに相談しようと思われたのですか?
知って欲しいから、解って欲しいから、では、ないでしょうか?
あなたの心が、そう願っているなら、その願いを叶えに行きましょう。
だいじなのは、その気持ちに素直にあること、ですよ。
勇気を使うのはわたし相手ではありません……行ってらっしゃい。

そう【鼓舞】して励まして送り出し、成功を【祈り】ます。
ええはい、こういうのも良いものですねえ。



「それでっ!僕はどうしても告白したいのに勇気が出なくて…どうすればいいと思いますか!?」
 だんっ!相談会のテーブルを叩くのは年若い男性。どうやら告白する勇気が出ないと相談しに来た様子だが。
「ええと……正直申しまして、わたしに相談に来る勇気があるなら、たいていのことは大丈夫だと思うのですが……」
 困った様子で応対する猟兵はシルバップ・シノイトビクス(誉れ全き・f00938)。人造の「神」として在るべく産み出されたヴァーチャルキャラクターであった彼女の司る豊穣の通り、豊満で魅惑的な肉体を持つシルバップ。さらに、その肢体を隠す布はごく微か。美しいがプロポーションではあるが、街中の公園で半裸のシルバップに向く視線も奇異の物がほとんどだ。そんなシルバップに話しかける男性が、告白する勇気を持っていないとは到底思えないが…。
「人がどんな格好でもその人の自由だと思うから気にしてません!」
 と、言い切る男性。よくも悪くも一直線。シルバップの格好も個性の表現だと考えているのだろう。寛容なキマイラフューチャーらしい考え方とも思えるのか、微妙なラインではあるが・・・少なくとも、男性が悩んでいるというのは本当らしい。シルバップはそんな男性に対して一つ質問を考える。
「・・・そうですね、では、考えてみてください。あなたは何故、誰かに相談しようと思われたのですか?」
「なぜ…それは…」
 シルバップの問いかけに、男性はわずかに困るような表情で考え込む。そんな様子を見つつシルバップはやさしく、聖母のような微笑みで続ける。
「知って欲しいから、解って欲しいから、では、ないでしょうか?あなたの心が、そう願っているなら、その願いを叶えに行きましょう。だいじなのは、その気持ちに素直にあること、ですよ」
「素直になること…ですか。なるほど」
「勇気を使うのはわたし相手ではありません……行ってらっしゃい。」
「はい!が、がんばってきます!!」
 と、男性は元気良く返事をして立ち上がる。清々しいまでに真っすぐな男性だ。きっと心からその異性のことを思っているのだろう。頭を下げ礼をして、回れ右で背を向けて立ち去る。
(ええはい、こういうのも良いものですねえ)
 とニコリとその男性に笑いかけるシルバップ。性格的に肉欲的なことに奔放の彼女だが、たまにはこうして純情な話も良いな、と思い始めたところだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 公園で『恋のお悩み相談会』を開催していた猟兵たちだが、そこにキマイラフューチャーに住んでいる一人のキマイラの女性がやってくる。
(どうしよう…ラジオの人が来るって言ってたけど…ここでも相談した方がいいかしら…)
 と、心中で悩みながら公園のベンチにかけ相談会の様子を観察していた。この女性こそ、オブリビオンのラジオで抽選の当選してしまった哀れな人物。
「おねぇさん悩んでる?恋に悩んでる?」
「え?」
 ベンチにすり寄ってくるのは頭がケーキの怪人たち。体に値引きシールが貼られているのが哀愁漂わせている。それが十数人、女性の周りを取り囲むようにして近づいてくる。
「恋のお悩み解決隊が来たよ・・・さぁ、悩みのお相手の下に案内して…」
 このケーキ怪人がラジオを流していたオブリビオンのようだ!
「あ、でも…」
「あんな相談会は気にしないで。私たちがとっておきの解決方法でぱぱっと解決してあげるんだから、ね?」
 いけない!このままでは女性はケーキ怪人たちについて行って、恋心を寄せる相手諸共爆破されてしまう!何とかしてこの女性の興味を引き付け、オブリビオンを追い返せ!ただし、一般人の目もあるこの公園で、力づくで女性を攫うようなことをしたら猟兵たちのイメージに関わる。正当性をアピールしながら、女性を救わなければ!
神羅・アマミ
「お待ち下さいお嬢さん。」
真の姿に覚醒し、打って変わってシリアスな剣幕で女性の肩を叩く。
というか口調がおかしい。キャラ忘れてる。

「最近、恋愛相談を騙って巧みに近寄り、拉致を行う犯罪が横行しているのです。」
眼の前の当事者たちを相手取り紛れもない事実を打ち明ける。これにはぐうの音も出まい。

「恋は盲目と申しますが、だからと言って何もかもを他人に預けて良い法はないでしょう。つか、こんなケーキの怪人とか明らかにおかしいじゃろ!ベタベタしとるし!」
諭す形で女性の不安を煽ると同時に、敵が馬脚を現すまでネチネチと粘着を続ける。

女性の理解を得るのが第一だが、万一戦闘になればコード『封切』で、こう、スパーンと。



「お待ち下さいお嬢さん」
ケーキ怪人に取り囲まれようとしていた女性の肩が叩かれ、緊張した声が彼女を呼び止める。
「あ、あなたは?」
 女性が振り返ると、そこにいたのはアマミ。だが、その様子がどうも先ほどと違う。背丈も幾分か伸び、少女と女性の間ほどの外見のアマミが、真剣な眼差しで女性を見つめる。
「最近、恋愛相談を騙って巧みに近寄り、拉致を行う犯罪が横行しているのです」
「拉致って何よ!そんなことしないわよ!」
 アマミの言葉にカンカンに怒って抗議するケーキ怪人たち。
「犯罪なんてしないわよ!ただ、私たちの方法でその人の恋のお悩みを解決したい。それだけなの!」
 悪行を指摘すれば、ボロを出すだろうとアマミは予想していたのだが、この怪人たち、相当に面の皮が厚い様子。ならば、と女性の手を取り、語り掛けるアマミ。
「恋は盲目と申しますが、だからと言って何もかもを他人に預けて良い法はないでしょう」
「そ、それなら。相談会なんてやってるあんたたちだって同じじゃない!分かった!あんたの方が犯罪するっていう悪い奴らなのよ!そんな、悪い奴らは…燃やしちゃえ!」
 ケーキ怪人はアマミを何とか悪者に仕立て上げようとして強引な論を展開する。そうして、大義名分を得たと思ったのか、ケーキの飾りについていたロウソクを手に持ち、息を噴く。ロウソクの火は風に煽られ大きな炎へと変化してゆく。
「暴力に頼って解決しようとするなんて、馬脚を現しましたね!」
 連続して火に息を吹きかけ続けているケーキ怪人に向け、甘みが携えた刀を一閃!ロウソク事ケーキ怪人を真っ二つに!
「つか、こんなケーキの怪人とか明らかにおかしいじゃろ!ベタベタしとるし!」
 やはりキャラを偽っていたのか。刀を抜いた拍子にいつもの口調に戻ったアマミが刀に着いたクリームを払い納刀する。
「・・・かっこいい…」
 そんなアマミに守られた女性は、そんな呟きをするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鈴木・志乃
視聴者にもよく間違われるんですけど
私、一応『女』で『24歳』なんですよねー…
【礼儀作法】【コミュ力】
女性の立場に立った言動をするように気を付けよう

ねえ、そこの人困ってますよ
女の子一人囲んで断れなくして
悪質キャッチセールスかなにかですか?
相談乗るだけならここでも乗れるのに
どうして相手の所に直接行かないといけないんですかね
相手に聞かれたら困るからわざわざここに来てるのに
その彼女の気持ちを考慮せず何も訊かずに実行に移そうとする姿
個人的には同じ女性として『不安だ』と言う他無いんですけど

と疑心感を煽る

良かったら一旦こっちで相談してからにしませんか
これだけ猟兵がいたら、一個ぐらい良い考えもあると思います



 ケーキ怪人が倒れたことで、周囲にいたキマイラフューチャーの住人達も何事かと、やじ馬感覚で続々と近づいてくる。
「くぅ…!わざわざお悩みを解決させてあげようって言ってるのにーー!!」
 仲間が倒されたケーキ怪人が女性の周りで悔しそうに地団太を踏む。猟兵の登場に不利を悟ったのか、無理やりにでも連れ出そうとケーキ怪人の一人が女性の腕を掴もうと手を伸ばす。それに気が付いた女性は怖がったように一歩、後ずさる。
「ねえ、そこの人困ってますよ。女の子一人囲んで断れなくして、悪質キャッチセールスかなにかですか?」
 と、女性とケーキ怪人の間に割って入る志乃。ケーキ怪人が伸ばした手を叩き、キッと睨みつける。
「きゃ、キャッチセールス!?そんなんじゃ、ない、わよ!私たちはその子が恋で悩んでいるって言うから、その悩みの相手の所に一緒に行って、悩みを解決してあげようとしている、のよ!」
 キーっ!と、擬音が聞こえてきそうな程のキンキン声で話すケーキ怪人。そんな怪人を相手に、志乃は一歩も引かない。
「どうして相手の所に直接行かないといけないんですかね、相手に聞かれたら困るからわざわざここに来てるのに」
「そんなの、決まってるじゃない!恋とは気持ちのぶつけ合いなのよ!小僧が生意気な口を聞くんじゃ無いわよ!」
 興奮して唾、ではなくクリームを飛ばして金切り声で志乃を罵倒するケーキ怪人。確かに志乃は短い黒の短髪で、服装もさっぱりとしていて着飾らない。少年のような外見をしている。
「視聴者にもよく間違われるんですけど。私、一応『女』で『24歳』なんですよねー…」
 と、呆れ気味にケーキ怪人を志乃が睨めば、何っ!と大げさに驚くケーキ怪人。
「私を少年と言ったり、彼女の気持ちを考慮せず何も訊かずに実行に移そうとしたり。その姿…個人的には同じ女性として『不安だ』と言う他無いんですけど」
 志乃のトドメのような言葉に、グッと言葉を詰まらせるケーキ怪人たち。志乃の背後に立つ女性も、ケーキ怪人たちに対し懐疑的な視線を向ける。
「良かったら一旦こっちで相談してからにしませんか?これだけ猟兵がいたら、一個ぐらい良い考えもあると思います」
 と、やさしく女性に手を差し出す志乃。目の前の人物が同性だと知って安心したように女性は頷いて、志乃の手を取った。

成功 🔵​🔵​🔴​

シルバップ・シノイトビクス
【WIZ】
ええと、わたしもかなりヒトのコトを言えたクチではないのですが……

「恋愛相談をするとして、半額売れ残りのケーキ姿って、あまりにもふさわしくないのではないでしょうか?」

どう見ても相手の恋愛成立を願う立場の方がする装束では無いと思うのですが。と言うか邪魔しようとしていないですか皆さん。
真面目にやるならちゃんとそれなりの衣装をですね……

あ、そちらの女性はどうぞあちらの猟兵の皆さんの方へ。
わたしはこちらの皆さんへお説教がありますし……
わたしの意見ですと、直接的すぎる手段になりそうですので、もうちょっと穏当な案を出して頂いた方が良いかと。

頑張って下さいね、と、女性を見送った後、お説教再開です!


フランチェスカ・ヴァレンタイン
「ええと、そこのお嬢さん? その方々に付いていってしまって本当に宜しいのですか…?」

ついていきそうな方に存在感で声を掛けて呼び止めましょう

「考えてもみて下さいな。クリスマスケーキらしき頭で半額と書かれたシールが貼られている方々ですよ?」
「半額シールということは見切り品――つまりは、売り時を盛大に逃した圧倒的売れ残り…!」

「…そんな”縁起でもない言葉”を体現したような方々に相談してその恋、解決しますかしら?」

礼儀を忘れず、手を繋ぎながら言いくるめも交えてコミュ力で語りかければ、きっと解って戴けるかと

「さあ、どうぞこちらへ。そのような敗残者の群れ、貴女には相応しくありませんわ」

※アドリブ・絡み歓迎



「なによ!私たちはあなたの悩みを解決しようって、わざわざ来たのに、その思いを無下にしようっていうの!?」
 猟兵の方に傾き始めた女性をケーキ怪人がキンキン声で怒鳴りつけると、女性もビクリと肩を震わせて、足を止めてしまう。
「ええと、そこのお嬢さん? その方々に付いていってしまって本当に宜しいのですか…?」
 そんな女性にやさしく包み込むような声色で話しかけるフランチェスカ。白い翼を広げ、外見だけならば正に天の使者のようなフランチェスカに周囲で見ていたやじ馬たちにもどよめきが走る。
「で、ですが。頼んだのは私で…」
 女性は相談を持ち掛けたのは自分だから、という責任感にも似た思いを抱いてしまっている様子。ケーキ怪人のことを偶に振り返りながら、フランチェスカに細々とした不安げな声で話す。
「恋愛相談をするとして、半額売れ残りのケーキ姿って、あまりにもふさわしくないのではないでしょうか?と言うか邪魔しようとしていないですか?」
 と、フランチェスカの翼の陰から可憐な声がする。誰だろうと、思わず覗き込んだ女性とやじ馬たち、さらにケーキ怪人すらぎょっと目を見開く。裸だ。裸の女の人がそこにいる。いや、正確には隠すところ隠してるから、半裸だけど、ほぼ全裸だ。ぽかんと口を開け、固まる周囲の反応に苦笑しつつ、シルバップはフランチェスカの背後から出てくる。
「ええと、わたしもかなりヒトのコトを言えたクチではないのですが……どう見てもあの怪人たちは、相手の恋愛成立を願う立場の方がする装束では無いと思うのです」
 と、半裸のシルバップがニコリと女性に微笑みかける。が、女性はただただ大混乱である。目の前には半裸の女、後ろにはケーキ怪人。
(…そうだ、まだ、あの天使の人がいた、あの人なら…)
 救いを求めるようにフランチェスカの方に視線を移せば。いつの間にかフランチェスカが女性の手を握っている。
「シルバップさんの言う通りですよ。考えてもみて下さいな。クリスマスケーキらしき頭で半額と書かれたシールが貼られている方々ですよ?半額シールということは見切り品――つまりは、売り時を盛大に逃した圧倒的売れ残り…!」
「ひっ!」
 フランチェスカの剣幕に女性が小さく悲鳴を上げる。
(こ、この人、目がやばい…!だめだ!)
 礼儀正しい口調はそのまま、周りから見れば天使が救いの手を差し伸べているように見えるだろう。だが、フランチャスカに至近距離で見つめられる女性は違う。自身の恋愛観の歪みがにじみ出てしまったフランチェスカ。フランチェスカに見つめられ、その歪みによって据わった目で見つめられた女性は背筋に冷や汗が流れるのを感じ、顔をこわばらせる。
「フランチャスカさん、怖がらせてどうするのですか…」
 呆れるように肩を竦め、シルバップは女性に道をあける。猟兵たちが相談会をやっている机の方を指さすと、女性に聖母のような微笑みを向ける。
「どうぞあちらの猟兵の皆さんの方へ。わたしはこちらの皆さんへお説教がありますし……わたしの意見ですと、直接的すぎる手段になりそうですので、もうちょっと穏当な案を出して頂いた方が良いかと」
 女性に視線を合わせてにこにこ顔のシルバップ。
(あ、意外にこの人の方が真面かも…裸だけど)
 シルバップの外見から・・・言葉を借りるなら『直接的』であることはなんとなく察していた女性だった。それ故に、シルバップに『直接的な』手段を押し付けられるのかと身構えていたのだが、シルバップは自分が『直接的』な人間であると認めた上、きちんと女性に合った方法を考える最善策を提示した。安堵し、胸をなでおろす女性だがその顔は晴れずに、後ろを見遣る。
「でも…」
「そんな変態どもの!意見なんて聞くことないわよ!」
 未だにキーキーと喧しいケーキ怪人たち。相当にやさしい性格なのだろう、いまだにケーキ怪人のことが気にかかるようだ。
「”縁起でもない言葉”を体現したような方々に相談してその恋、解決しますかしら?」
 フランチャスカがジロリとケーキ怪人たちを、据わった目で睨みつけ、黙らせると、女性を振り返る。
「さあ、どうぞこちらへ。あのような敗残者の群れ、貴女には相応しくありませんわ」
 女性にやさしく話しかけたつもりでも、すでに恐怖を抱いた女性はシルバップの背に隠れてしまう。
「安心してください、きっと猟兵たちはあなたの力になってくれるはずですよ。頑張って下さいね」
 背中に隠れた女性をシルバップは撫でてあげる。女性はシルバップを見上げ、つい意に決心がついたのか、力強く頷く。
「分かりました。それじゃぁ、お願いします!」
 シルバップに背を押され、猟兵たちの下に駆けてゆく女性を見守るシルバップ。後は自分は女性を陥れようとしていた者たちに鉄槌を下すのみ!
「それではケーキ怪人さんたち、お説教再開です!」
 と、振り返るシルバップだったが、
「セーフティ、解除―― 対反動スラスター、噴射待機―― 術式炸薬、フルチャージ…! たぁっぷり、召しあがれ? 痛撃、爆砕っ…!!」
「ぎゃぁああああ!!」
 フランチャスカが斧槍を振り回し、叫びながらケーキ怪人を爆砕して回っていた。
「・・・あまり、見ていていいものでもありませんね…」
 砕け散るケーキ怪人を直視できないように、シルバップは光を放ち、凄惨な光景を覆い隠す。やじ馬たちはただただ、苦笑するのみである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


「きぃーーー!なによなによ!こんな茶番!ぶっ壊してやるんだから!」
 相談相手の女性も猟兵たちの下に行き、仲間も倒されてゆく。そんな状況にいら立ちがピークに達したケーキ怪人たちは遂にその本性を現す。
「なぁにが相談会よ!うじうじ悩んでるくらいなら、私たちが解決して上がるわよ!ほらほら!悩み事なんて甘~いケーキに押しつぶされて、ぶっ壊してしまえばいいのよ!!」
 クリームをまき散らし、スポンジの身体を飛ばしまくるケーキ怪人たち、このままでは折角集まった人たちが巻き込まれてしまう!周りのやじ馬たちも、ケーキ怪人たちが間違っていると認知している。さぁ、猟兵たち。相談会を滅茶苦茶にされる前にケーキ怪人たちを追っ払え!
霖・サエ
「失礼、ケーキが食べられる相談会会場というのは此処だろうか。」

キマイラフューチャーのケーキは活きがいいのだな。
しかしそんなに暴れては折角のクリームや苺が駄目になってしまうぞ、大人しくしてくれ。
半額だ売れ残りだは関係ない、俺はお前たちを食べたい。

ユーベルコード【ブラッド・ガイスト】を発動。武器の封印を解いて殺戮捕食態に変化させる。実際使うのは初めてだが、恐らく武器が敵を食らえるようになるのだろう。
俺は「大食い」でな。俺の武器たちも俺に似て大食らいに違いない、ケーキがたくさん残っていて助かった。

「では、いただきます。」

※戦闘(食事)以外は役立たずです。アドリブ歓迎



 ケーキ怪人が癇癪を起して暴れまわり始めた時、一人の猟兵が遅れてやってきた。
「失礼、ケーキが食べられる相談会会場というのは此処だろうか」
 その猟兵、霖・サエ(悪食機械・f15379)は逃げ始めた野次馬の一人を捕まえてそんなことを聞く。
「だ、誰だあんた。相談会っていうのはここで間違っちゃいないが…あ!あんたもしかして猟兵なのか!?ああ、すっげぇや!なぁあそこで暴れてるケーキ頭たちを何とかしてくれよ!」
 逃げ出した先で猟兵と話せるなんてラッキーとでも言うような野次馬は、暴れるケーキ怪人を指さす。
「キマイラフューチャーのケーキは活きがいいのだな。よし、待っていろ。今、平らげてくる」
「ああ!任せたぜ…って、へ?タイラゲル?」
 サエを見送る野次馬が聞き違いをしたかと思って疑問符を頭に浮かべる。だが、それは聞き違いなどではない。
「そんなに暴れては折角のクリームや苺が駄目になってしまうぞ、大人しくしてくれ」
 サエはゆっくりとケーキ怪人の前に立ち、悠々とケーキ怪人に話しかける。
「なによなによ!あんただってあいつらの仲間なんでしょ!私たちは悩み解決を…」
 往生際が悪くいまだに悩み解決をするのだと言い張るケーキ怪人たち。だが、サエの目的は悩みの相談とか、そういうことではなかった。
「半額だ売れ残りだは関係ない、俺はお前たちを食べたい」
 サエは淀むことなく言い切った。その瞬間、ケーキ怪人がいやそれどころでなく、辺りに集まっていた野次馬も含めて、雷に撃たれたかの様に動きを止める。
「え…え…?え…ッ!?ちょちょちょちょ…まってまだそういうのはこここ、こころの準備というか…それに順序とか」
 と、うろたえ始めるケーキ怪人。野次馬にも目を向ければ顔を赤くして下を向いたり手を抑えていたりと、十人十色の反応だ。サエも周囲の反応に違和感を感じて首を傾げるが、やることは変わらないと切り替える。
「なんの話だ?まぁいいか。では、いただきます」
 宣言と同時にサエは愛用のフォークを抜き放ち、自分の血液を巡らせ殺戮捕食態へと変化させる。フォークの爪の一本一本が蛇の様にしなり、先端を巨大な口として開き公園のケーキ怪人たちを一口に飲み込んだ。
「初めて使う技だったが、やはり武器が敵を食べる技で間違いなかったな。それに案の定俺の武器も大食いだったか」
 ふむ、と満足げにうなずくサエ。一方周囲の集まった野次馬たちはぽかんと口を開けている。
「ケーキがたくさん残っていて助かった」
「あ…食べるって…そのままの…」
 ケーキを平らげられてにこやかなサエと、それをやるせない顔で見る野次馬たち。変に邪推した自分を責める気持ちと、恋愛相談で『食べる』なんて紛らわしい言葉を使われたら妙な想像したって仕方ない、それに怪人を捕食するなんて普通考えつかないだろう、と自己弁護する気持ちがせめぎあう野次馬たち。なにはともあれ、サエの活躍によってケーキ怪人たちは文字通り平らげられたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『リア充どもは爆発しろ怪人』

POW   :    リア充は爆破する!
予め【リア充への爆破予告を行う】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    リア充は爆破する!!
【リア充爆破大作戦】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    リア充は爆破する!!!
単純で重い【嫉妬の感情を込めて】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアルル・アークライトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ケーキ怪人が居なくなった公園だが、一難去ってまた一難。今度はやたら目ったら暑苦しい怪人が現れる。
「はーっはっはっ!部下たちが失礼したみたいだね」
 頭部が爆弾、全身ぴったりのスーツ。そして背中に『リア充爆破』のマントを靡かせる大男が登場。どこをどう見ても今回の黒幕だ。
「しかーし!部下たちの言っていたことは本当さ!俺たちは!みんなの!恋の!悩みを!解決するのさ!とうっ!」
 いちいち語気を強める大男、正直にいって暑苦しいし、格好つけてた割に『とうっ』といいながら飛んだのは精々数十センチ程度。もうなんなんだこいつ、という視線が野次馬たちから大男に注がれている。だが、この大男、相当に面の皮が厚い。
「死がふたりを分かつまで。なんて言葉があるが!俺は!この言葉が!嫌いだ!」
いや、知らん。
「だから、俺は!カップルを二人一緒に爆破し!永遠に一緒に!いられる!そんな幸せを!実現して!回るのだ!」
 野次馬たちから痛い者を見るような視線が注がれているが大男はめげない。
「そして、ここは!恋の相談会!よーし!俺も恋の悩みを聞いちゃうぞ!カップルは出てこーい!俺が爆破して!幸せにしてやる!」
 宣言し、大男はポーズを決める。もちろん誰も大男の所には向かわない。だが、このままでは大男は手当たり次第に野次馬を襲うかもしれない。大男には他人に迷惑をかけないうちに退場してもらうとしよう。
(ああ…!おれも早く彼女作って一緒に爆破したいなぁ!)
…相当な危険思考の持ち主である。思いっきり叩きのめしてやろう。
神羅・アマミ
ただの馬鹿ならともかくとんだサイコ野郎じゃなあやつ。
キマイラのため早々に躯の海へ突っ返してやろう。

一旦撤退したと見せかけ、物陰に隠れ剣聖から象兵形態へ変化。
さっきとは別人ですよという顔でノコノコ出てくる。
そして作戦名は【ダイナミック告白】!
まずは十分な距離を取る。
できればインスタ映えするような高い場所がいい。本当は登るの禁止されてるようなとこ(時事社会問題ネタ)。
そして鬨を上げるように胸の想いを打ち明ける!
「怪人さーん!昔から貴方のことが好きでしたー!!」
なんというドラマチックな展開!
人生において初めてできた彼女相手に奴は自爆特攻を仕掛けてくるはず!
そこをコード『音残』にて迎撃するって寸法よ!


鈴木・志乃
はーっはっはじゃねえよ
もうこっちはぶちギレだよ(真顔)

あーもーほんとに!
恋人たちの邪魔するの止めてくれませんかねえ?!

初手目立たない場所からUC発動
魔法のトランプで素早く切りつけにかかるよ
あの頭の導火線切れない? 危なっかしいから(イライラ)

一言でも喋らせたくないなあ
青春系恋愛ソングを声に被せて行こうか
耳キーンさせて、吹っ飛ばそう
体勢立て直す前にまたトランプストームでドーン

攻撃は鎖で受けてカウンター狙っていく
危ない人は本当は縛り上げてしまいたいんですけど
無理ですかそうですか

迷惑行為働いてるお前が
モテるわけないだろ
他人を羨む前に自分磨きしてください


霖・サエ
そうか。俺が言うのもなんだが、お前は恋愛相談に向いていないな。
話は変わるがお前の部下たちは良いケーキだった。
お前はどうだろうか、食べさせてくれ。いただきます。

ユーベルコード【ブラッド・ガイスト】を発動
最近買ったばかりのナイフに食事をさせてやろう。
リア充とやらへの爆破予告でお前の戦闘力が増強されると、俺の食らえる生命力も増える。(大食い・生命力吸収)

ところで、お前の頭部は火をつけたら爆発するのだろうか。
もしそうなら俺はユーベルコードを【ブレイズフレイム】に変更するのだが。
それはいけない?……そうか……そうか。


※アドリブ歓迎


朝凪・深月紅
なんだかなぁ……。そんなに一人でいたいのかしら?
爆破されて永遠なんて……歪んでます。

カップルっぽくするだけで十分狙われそうなので、【七ツ海】に寄り添うようにしつつ視線を奪う【誘惑】する【パフォーマンス】で動く事を心がけます。
七ツ海とのお互いの動きで【フェイント】をかけながら【残像】による【カウンター】を狙っていきます。
【大太刀【夕闇】】をお互いに受け渡しながらくるくると踊るように舞いながら、七ツ海を利用しお互いを【武器受け】で守りつつ近づいて斬りにいきましょう。

さ、みんなが幸せになれるようにいきましょう。七ツ海さん



 怪人がポーズを決めているカオスな公園。猟兵たちは格好つけているつもりなのだろう怪人に冷ややかな視線を浴びせる。
「なんだかなぁ……」
 呆れかえって言葉も出ない深月紅が深く、深くため息をつく。
「ただの馬鹿ならともかくとんだサイコ野郎じゃなあやつ」
 元々の背丈に戻ったアマミは肩を竦め、怪人の視線から逃れるようにこそこそと公園を立ち去る。関わりたくないと思うのも、致し方ないのだろう。
「はーっはっはじゃねえよ。もうこっちはぶちギレだよ」
 一方で、志乃は怒りの余りに顔の筋肉がこわばって真顔で怪人を睨む。
「少年!短気はよくないぞ!」
「・・・お前もか」
 志乃の性別を勘違いする怪人に青筋が浮き出るのを感じる志乃。
「爆破されて永遠なんて……歪んでます」
 深月紅は傍らの人形、七ツ海を抱き寄せて、まるで恋人にするように縋りつく。その仕草は七ツ海とカップルであるかのように怪人に見せつけ、注意を猟兵たちに向けさせる狙いがあった。
「ほー、ほー!そこのお二人さん!歪んでるなんてそんなのは偏見さぁ!恋愛の感情はまさに、爆☆破!」
 案の定、怪人は誘い出され、喜々とした声で迷言を放ちながら深月紅に向かって、そんなに速くない速度で走り出す。(怪人にとっては全力である)
「あーもーほんとに!」
 志乃の苛立ちが限界を迎え、堪忍袋の緒が切れた様子。志乃の叫びと同時に怪人に向け、カードが飛来し、切り傷を作りその足を止めさせる。
「恋人たちの邪魔するの止めてくれませんかねえ?!」
「邪魔ではない!私は、手助けをしようと!」
 切れた傷口を気にもせず、怪人は志乃に真っ向から反論する。
「溢れる愛情!はちきれる恋情!まさにっ!」
「そうか。俺が言うのもなんだが、お前は恋愛相談に向いていないな」
 怪人の脚が止まったところに、サエが間髪入れずに攻め込む。手にするのは食事用の銀のナイフ。
「話は変わるがお前の部下たちは良いケーキだった。お前はどうだろうか、食べさせてくれ」
 先ほどケーキ怪人たちを捕食したようにナイフに血液を巡らせ、怪人を捕食に掛かるサエ。怪人もさすがにナイフの変化に気が付き、転げながら逃げ惑う。
「ぬおおおお!それはヤバイヤバイ!!」
 ごろごろとみっともなく逃げ回る怪人に、やじ馬のキマイラフューチャーの住人たちもドン引きである。
「迷惑行為働いてるお前がモテるわけないだろ」
 志乃がそんな怪人の前に現れて再びカードの束を嗾ける。その耳にはヘッドホンが掛けられている。
(一言でも喋らせたくないなあ、恋愛ソングでも聞いて聞こえないようにしようか)
「迷惑行為だと!?ってか、ストップ!ってきいてねぇ!」
 怪人が抗議しようにも志乃は話を聞かない。抵抗敢え無く、怪人はカードの束に吹き飛ばされてゆく。
「ぬぅん!しかーし、恋の力は無敵!俺はあきらめん!」
 しかしこの怪人。どうやら、心だけではなくて身体も頑丈のようだ。
「いけませんよ?人に恋愛観を押し付けては」
 飛んできた怪人に深月紅は指摘しながら七ツ海と腕を絡め、怪人の心を逆撫で挑発する。
「なぁにを!恋は爆破!それは不変の真理なのだぁ!」
「・・・さ、みんなが幸せになれるようにいきましょう。七ツ海さん」
 呆れて何も言えなくなった深月紅は七ツ海と共に大太刀『夕闇』を怪人に叩きつけ再度吹き飛ばす。
「ノォーン!」
 吹っ飛んだ怪人はごろごろと公園を転がってゆく。
「なぁ志乃。あの頭部は火をつけたら爆発するのだろうか?」
「サエさん、危なっかしいから止してください。むしろあの頭の導火線切れないですかね?」
 コントか何かのような怪人のやられっぷりを見ながら、二人の猟兵が今日何度目か分からないため息をこぼす。
「あの!怪人さーん!」
 そんな時、怪人を呼ぶ女子の声がする!やじ馬たちも含めて、公園にいるすべての人物がその声に反応し顔を上げる。公園の噴水の上に立つ白髪の女性。いや、そんなところに上るなよ…。
「うわぁ!象!?」
 やじ馬の驚きの声が上がる。いったいどこから出てきたのか噴水の当たりには象が一頭迷い込んでいるではないか。そんな時、噴水の女性が、
「怪人さーん!昔から貴方のことが好きでしたー!!」
 女性が突然の告白。しんっと静まる公園。果たして、怪人の答えは!?
「おおお!ついに!ついに!」
 ぐっと拳を握りしめ全身で喜びを噛み締め、女性に飛び込む怪人。
「俺にも!!くぅーー!それでは一緒に爆…」
「なんていうと思ったか!死ねーッッ!!」
 暴言と共に女性は象に飛び乗り、どこから取り出したのか巨大な弓を象と共に引き絞り、人の腕ほどの矢を怪人に放つ。
「ぐへぇ!」
 矢を受け、公園に倒れる怪人。急展開に唖然とするやじ馬たち。そして、うすうす勘着いていた猟兵たち。そう、この矢を放った女性は怪人の登場と同時にどこかに姿を消した猟兵、アマミだ。
「うむ、『ダイナミック告白』作戦成功じゃな。どれ、トドメといこうかのぅ」
 どや顔でアマミは象に跨り猟兵たちの下に戻ってくる。怪人はピクピク震えてゆっくりと起き上がって猟兵たちを眺め。
「ぐぅ…かくなる上は…公園まとめて爆破だぁ!」
「なんでそういう発想になるのかなぁ!ほんと!」
 頭部の導火線を発火させ、怪人は自分の身体ごと大爆発を引き起こそうとするが、志乃のカードが飛来し、導火線を切り落とす。
「他人を羨む前に自分磨きしてください」
 冷たい怒りの目線で志乃が、最後の一手を防がれた怪人を睨む。
「無関係な方を巻き込むのはいただけませんね。そうでしょう?七ツ海さん」
 七ツ海を繰って怪人を夕闇で叩き切る深月紅。
「キマイラのため早々に躯の海へ突っ返してやろう」
 アマミは象と共にのしかかり、その上再度強弓を叩き込む。
「どれ、そろそろいい頃合だろう。いただきます」
 サエが両手を合わせて一礼し、ナイフを怪人に差しみ完全に捕食し、怪人を跡形もなく消し去った。
「さて、これで邪魔者はいなくなったし、相談会も再会しようかしらね!」
 ぱんっ!と手をたたき小気味いい音と共に切り替える深月紅。少々荒れてしまった公園を直して相談会を再開する猟兵たち。
「あの、そしたら僕の相談に乗ってもらってもいいでしょうか?」
 やじ馬だったキマイラフューチャーの住人達が相談会の席に着く。相談会は夕暮れまで行われ、この世界で猟兵たちはまた一段と人気の的になったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月14日


挿絵イラスト