「――揃った、か……」
怨念を纏った甲冑を纏った鎧武者が、針葉樹林ひしめく山中で呟く。
鎧武者の前には、薙刀を持つ、怨念を纏った女性兵達が一同に介し、傅いていた。
瞳には生気はなく、ただ籠もるは、生者への怨念。
「我が肉林破りし憎き輩共……いまこそ滅せん……! 怨念の姫よ、進むのだ!」
鎧武者の号令とともに、女性兵達は山を下っていく。
――山麓にある、小さな城へ。
「大変じゃぞ、お前さんら!
サムライエンパイア世界のとある城が、オブリビオンの襲撃を受けようとしているぞ!」
と、叫ぶのは伝農・エルナちゃんというグリモア猟兵であった。
胸が大きく、背が低い。そして露出が高くて、何故か男性声。故に、呼びかけはとても目立つ。
「まだ知らんもののために説明すると、サムライエンパイア世界は武士達の生きる和の世界じゃ。
幕府により平和に統治されている世界で、戦乱もなかった……オブリビオンが現れるまではな」
エルナちゃんはホワイトボードを使いながら、サムライエンパイアについて、簡単に説明する。
この世界でのオブリビオンは、魑魅魍魎、妖怪変化の類から、昔の時代の戦国武士、邪悪な廻船問屋などが挙げられる。
「そして、襲われるのは山麓にある、とある外様大名の城じゃな。
襲撃してくるのは、怨霊の女性兵をしこたま引き連れた戦国大名なのじゃよ」
どうやら昔にその城で城攻めがあり、その際に亡くなった女性達の怨霊じゃろう。と、エルナちゃんは付け加える。
「加えて、戦国武将は昔にその大名に城を取られた奴じゃな。恐らくこやつは純粋に、城を取り返したいのであろう」
エルナちゃんはそう結論付け、そして叫んだ。
「しかも、コイツがとんでもなかった! 記録では、側に寵姫を侍らせて、遊興に浸るようなとんでもクソ野郎じゃった!
向かってくる女性兵には悪いが、こんな奴が城をとったらどうなるかなんて想像もしたくないぞ!
こんなクソ野郎の台頭を、断じて許すわけにはいかん!」
エルナちゃんは熱く説明しながら、使っていたホワイトボードをばんばんと叩き、猟兵達に発破をかける。
「すべきことはただ一つ。この山奥から迫る怨霊の軍勢を食い止め、城を守ること、じゃ!」
そう結論付けて、エルナちゃんは戦場の説明に入った。
「怨霊たちと戦うのは、鬱蒼と茂った杉などの生えた、針葉樹林の中になる。
怨霊達はそのスピードを生かして、木をすり抜けるように進軍してくるようじゃの」
とても常人では考えられない進軍だが、それはオブリビオンが故。
本来攻め入られる可能性の低い場所からの襲撃である。外様大名の持つ程度の兵力では対応できないだろう。と、エルナちゃんは言う。
「山の中は斜面も多くて足場は悪いし、何より針葉樹の葉が痛い。更に、木々が生い茂っていて視界も悪い。
近距離が得意な者は不安定な足場と、動くのに鬱陶しい葉への対策。遠距離攻撃をする者は、まず狙いの対策から考えるとええじゃろう」
上空から敵の動きを探知したり、待ち伏せするポイントを見つけたり。対策によっては、怨霊たちよりも圧倒的に優位に動けることだろう。
「そして、女性兵たちをある程度倒したら、指揮しているクソ戦国大名を探し、撃破するのじゃ。
恐らく、コイツを倒すことができれば、無理に従えられているだけな怨霊たちは自然と消滅するのじゃ」
予知でそこまで見ているエルナちゃんは断言した。
つまり、雑魚である女性兵たちをある程度まで無力化してから、ボスである戦国大名を撃破する。ミッションとしてはこれだけ、単純なものである。
そして、エルナちゃんは――突然、ぐふふ、と笑った。あ、何か企んでいる。
「実はの。この戦いが上手く行けば、祭りをしてもらえると、確約しておってな!
あちきはそちらが楽しみなのじゃよ!」
――なるほどそういうことか。猟兵達に、納得の顔が浮かぶ。抜け目のないグリモア猟兵である。
「あちきは祭りにはしっかり参加するからな! お前さんらも、しっかり気張るのじゃよ!
というわけで、じゃ。祭りを楽しむため、そしてひいては世界のためじゃ!
さあさ、猟兵のお前さんらの活躍に期待しているのじゃよ!」
エルナちゃんはとびきりの笑顔で、そう締めくくった。
君、絶対遊びたいだけだろ――猟兵の一人は、そう思ったとか。
守護運命の人
どうも、守護運命の人です。
はじめましての方は、はじめまして。宜しくおねがいします。
お久しぶりの方は、お久しぶりです。今度もお願いしますね。
そして「またお前か」の方は、「お前であって良かった」と言わせてみせます。何度でも!
前回の「砦の防衛戦なのじゃ!」ではお世話になりました。
今回は怨霊の軍勢の討伐となります。
戦場は針葉樹林の中、とさせていただきました。
いずれの猟兵にとっても少々戦いにくい地形になっており、戦法が重要視されます。
どうぞプレイングにその辺りをしっかり盛り込んで、お願いします。
また、ボス戦が終わった後の日常であれば、グリモア猟兵であるエルナちゃんも登場することができます。
三章では、プレイングでエルナちゃんを連れ出して頂いても結構です!
それでは皆様の創意工夫に満ちたプレイングを、お待ちしております!
第1章 集団戦
『怨霊女武者』
|
POW : 局流薙刀術
【薙刀】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 局流早射ち
レベル分の1秒で【矢】を発射できる。
WIZ : 落武者呼び
【鎧武者】の霊を召喚する。これは【槍】や【弓】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:游月
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
――生い茂った、針葉樹林の中。
女性兵達は、感情のない目で目標地点――山麓にある、小さな城を目指す。
それは針葉樹林の隙間を縫って、戦術的に最大のスピードで進む。
葉に肌を切られようとも、呻くこともせず、斜面に足をとられようとも、すぐに起き上がり、目的地を目指す。
その様は、まさしく幽鬼の軍勢。正気の沙汰とは思えない。
怨念の塊となった彼女らは、ただただ、生者への恨み……そして、それを扇動するものの力に導かれ、樹林の中を邁進し続けていた。
――そんな彼女らの進軍を阻むのは……猟兵。
デナイル・ヒステリカル
人間同士の争いというのなら僕に出来ることは無いけれど、オブリビオンが関与しているなら話は別だよ。
彼らオブリビオンにも各々の想いが有るのかもしれない、でもその為に苦しむ人が居るのなら…
「僕は、僕に出来る事をさせてもらうよ」
【WIZ】
自身と周囲に【迷彩】を施して潜伏し、電脳ゴーグルを使用して電脳空間を展開します。
戦場の地形情報と敵味方位置を【情報収集】し、得た情報を集積して各々の進行する可能性の高いルートを推測します。
ユーベルコードを使用して敵の進行を阻害/牽制する位置へ機械兵器を召喚、【先制攻撃】【援護射撃】を指示して攻勢/他の猟兵をサポートします。
「……人間同士の争いというのなら僕に出来ることは無いけれど、オブリビオンが関与しているなら話は別だよ」
その進軍の様子を、迷彩を施した地点から電脳ゴーグルを使用し、電脳世界ごしに遠隔監視していたデナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)は、己が機械兵器達へと指示を与える。
事前に周辺の地形情報と、敵と味方の位置の情報は収集済み。
敵の侵攻の方向。それに攻撃を加えた場合に迂回、変更する進路の計算。全ては彼の手の内であった。
「彼らオブリビオンにも各々の想いが有るのかもしれない、でもその為に苦しむ人が居るのなら……――」
――彼は、所定位置に配置を完了した、機械兵器達に攻撃を指示する。
「――!!」
どこからか、飛んでくる射撃の嵐。女性兵達は、それをモロに受ける。
中には、それで致命的な場所を撃ち抜かれ、再起不能になる者も居た。
彼女らはすぐに奇襲を受けたものとして、対処にあたる。ある者は進路を変え、またある者は見える位置に居たデナイルの機械兵器を追い、弓を射掛ける。
そうして、陣形は"乱れたようには見えない形"で乱れた。
――そう。その行動は全て、彼の計算通りであった。
「――僕は、僕に出来る事をさせてもらうよ」
彼のファーストアタックにより、女性兵達は他の猟兵の居る所へと適宜分断され、誘導されていった。
大成功
🔵🔵🔵
逢坂・理彦
はぁ、女の人に守ってもらったり戦ってもらったりさらにいいようにするのが趣味みたいだし男の風上にもおけないやつだな。
立ちはだかる怨霊女武者のお嬢さん達はさぞ辛かったろうな…死んだ後も働かされて可哀想に…ちょっと乱暴にはなるが解放してあげてもいいだろう?
剣撃一刀・叢雲断ち。
「月を隠す叢雲も見事払って見せましょう」
一刀のもとこの今生からの命断ち切らせてもらう。
――ファーストアタックの後、各所に居る猟兵達と、女性兵達との交戦が始まる。
「はぁ、女の人に守ってもらったり、戦ってもらったり……」
逢坂・理彦(妖狐の妖剣士・f01492)は、向かってくる女性兵たちを一瞥。それを指揮する戦国大名へ呆れを、口に漏らす。
「更に女の人をいいようにするのが、趣味みたいだし……全く、男の風上にもおけないやつだな」
立ちはだかる怨霊女武者のお嬢さん達はさぞ辛かったろうな――と、理彦は女武者達に同情して、妖刀を構える。
刹那、振るってきた薙刀を躱し、その胴を薙ぐ。
「死んだ後も働かされて可哀想に……ちょっと乱暴にはなるが解放してあげてもいいだろう?」
そう言って、次の女性兵へと妖刀を向ける。
薙ぎ払われた薙刀を跳んで躱し、その頭頂から妖刀を叩き込み、これも一刀のもとに切り伏せる。
「……月を隠す叢雲も見事払って見せましょう」
――一刀のもとこの今生からの命断ち切らせてもらう。
剣撃一刀・叢雲断ち。空中で女性兵達に決め台詞を吐き、
――だが、悲しいかな。その対処法がまずかった。
「おわっ!?」
地面は、針葉樹の葉で覆われた斜面である。そんな行動をすれば、滑って転ぶのは当たり前であった。
理彦は斜面を転がるが、なんとか妖刀を地面に突き立ててブレーキをかけ、体勢を整える。
「うわっちゃー……――流石に地形への理解が甘すぎたな、俺」
自嘲しつつ見上げた先。三人の女武者が、こちらに薙刀を振り下ろそうと向かってきていた。
慌ててそれを横に跳んで避ける理彦。今度は滑りはしないが、体勢は以前として崩れたまま。
――そこへ、ダメ押しのように矢の嵐が飛んでくる!
「あいたたたた!? ちょっ、このタイミングでそりゃヤバイだろう!?」
矢を幾本か受けてしまう理彦、更に薙刀での追撃を躱し、とても妖刀で攻撃するどころの話ではなくなってしまった。
そこへ、女性兵を分断した機械兵器からの援護射撃が入る。ひとまず、それで余裕を貰い、離脱するスキを得られた。
「うーん、流石に見立てが悪かっただろうかね。ひとまずここは退散するか」
援護に感謝しつつ、傷をそれなりに負ってしまった理彦は一旦戦線を離れるのであった。
失敗
🔴🔴🔴
プリンセラ・プリンセス
「誰ぞ来よ――遊撃の時間です」
呼びかけに応えたのは20番目の兄、エミール。
プリンセラの雰囲気が暗くおどおどした感じになり、服装も緑のフードを被った地味なものになる。
「針葉樹…太い幹は少な、い。ジ、ジャッジメントクルセイド……なら上空からだから…。い、いける」
「でも視認はいる、から…。し、支援に徹する、よ」
前衛で戦う猟兵の支援に回る。
足場が悪く咄嗟の回避ができない時の敵への牽制。弓で狙ってくる相手への阻止行動。前衛の攻撃範囲への誘導。召喚された鎧武者の撃破。
枝葉で威力が減衰するとしても牽制には充分だ。技能のだまし討ちも存分に効果を発揮するだろう。自分への攻撃はオルタナティブ・ダブルで回避する。
「誰ぞ来よ――遊撃の時間です」
プリンセラ・プリンセス(Fly Baby Fly・f01272)は針葉樹林の中、己が内に存在する兄姉たちへの呼びかけを行った。
彼女は内に、死んだ兄や姉達を別人格として憑依させており、このように呼びかけることで、兄姉たちの力を借りられるのだった。
そして、そんな彼女の呼びかけに応えたのは20番目の兄、エミール――。
瞬間、プリンセラの雰囲気が暗くおどおどした感じになり、服装も緑のフードを被った地味なものになる。
力を借りた時、彼女の姿も、憑依させた兄姉達にあわせて、変化するのだ。
「針葉樹……太い幹は少な、い。ジ、ジャッジメントクルセイド……なら上空からだから……――い、いける」
エミールは樹林の状態を見て、天からの光を届かせることが出来ることを確認すると、前に向き直った。
――今前方で、妖狐の猟兵が、攻撃を避けた後に、斜面で転んだのが見えた。
「でも視認はいる、から……――し、支援に徹する、よ」
見ている方向で、件の猟兵が後方へと下がっていく。それを追いすがる女武者達へ向け、指先を向けた。
――天から光が降り注ぎ、女武者は浄化されていく。恐らく、離脱の時間は今ので稼げたはずだ。
「……こ、この調子、で。次々、と」
エミールは女武者達に見つかる前に場所を移動し、他の前衛を務める猟兵の支援に向かう。
大成功
🔵🔵🔵
ミルフィ・クロックラヴィット
亡霊の女武者を引き連れた
戦国大名が相手とは…
『しかし…仕える君主が外道では、女武者も浮かばれませんわね…
貴女達には憐情を感じずにはいられませんが…
大名を討つ迄の辛抱ですわ…』
屑大名を討つ為にも
先ずは
女武者を…ですわね…
仲間の猟兵の皆様と連携し
女武者と戦闘を行いますわ
女武者に死角をとられたり
包囲されたりしないよう
周囲に気を配りつつ
少しでも高めで見晴らしの
良い場所を選び
自身のアームドフォート
『アームドクロックワークス』で敵を砲撃
(視界確保に樹を砲撃で破壊も行い)
各個撃破で
確実に数を減らしていきますわ
纏めて攻撃出来そうならば、
ユーベルコードで一斉砲撃
『ここら辺りで、纏めて片付けさせて頂きますわ…!』
(亡霊の女武者を引き連れた、戦国大名が相手とは……)
見つめる先からやがてやってくるだろう敵のことを思い、ミルフィ・クロックラヴィット(ナイトオブホワイトラビット・f02229)は心の中で呟く。
ここは山中に在る針葉樹林の中でも、少し高台になっている場所。比較的視界は開けており、見晴らしも良い。
(しかし……仕える君主が外道では、女武者も浮かばれませんわね……)
憐れむべき敵。それを救うためにはまず、倒さなくてはならない。
すでにファーストアタックは終わっている。誘導され、やってくる一団を自分は撃ち抜けばよかった。
やがて、その場所へと女武者達はやってくる。ミルフィは冷静に、『アームドクロックワークス』を構えた。
「貴女達には憐情を感じずにはいられませんが……大名を討つ迄の辛抱ですわ……!」
近い女武者に向けて、引き金を引く。轟音とともに、砲撃が放たれる。そして、また次。
――それは、一方的であった。視界を確保し、更に攻撃するために木々に隠れる女武者をその木ごと吹き飛ばし、周囲の環境を変える勢いで、砲弾による破壊が広がっていく。
そして、ある程度の視界が開けた瞬間、ミルフィはその砲門を全開放する。
「ここら辺りで、纏めて片付けさせて頂きますわ……!」
――砲門から、大威力の砲弾が斉射され、女武者たちを薙ぎ払った。
成功
🔵🔵🔴
エメラ・アーヴェスピア
あら、酷い話もあったものね
まぁ、私は私の仕事をさせてもらうわ…まぁ、お祭りと言うのも気にはなるけれど
とりあえず先手は【情報収集】、ドローンで上から地形を確認して相手が通りそうで射線もなるべく通る場所を選定
そこを私の範囲として待ち伏せしましょう
そこからは…まぁ、力業ね。なぜならこれだけの数の自動砲台があるのだから
コード発動、『この場は既に我が陣地』。足を止めての砲撃戦、絶え間なく撃ち続けるわよ
たしか…三段撃ち、よね。そんな話も聞いたことがあるわ
ともかく、私も装備兵装に戦闘命令を下しつつマスケット撃ちね
…ああ…先に謝っておくわ。この場、更地にしてしまったらごめんなさい?
(酷い話もあったものね……まぁ、私は私の仕事をさせてもらうわ……)
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は、エルナちゃんの語った話を思い返しつつ、想う。
ここは中腹に位置する、少し切り株もある、やや視界の開けた地点。
本来通りそうにはない場所では在るが、既にファーストアタックによりここへ女武者たちはここへ誘導されていた。
そして、ここは魔動蒸気ドローンによる監視で待ち伏せしていた、エメラの範囲内。
エメラとしては、実にやりやすい環境だっただろう。
「……まぁ、力業ね。なぜならこれだけの数の自動砲台があるのだから」
既に周囲には、自動砲台が整列し、三段の備えで女武者達を待ち構えていた。
――やがて、その姿が見える。女武者達だ
「コード発動、『この場は既に我が陣地』。足を止めての砲撃戦、絶え間なく撃ち続けるわよ」
自らもマスケットを構え、そして自動砲台とともに引き金を引いた。
「……先に謝っておくわ。この場、更地にしてしまったらごめんなさい?」
――宣言通り、絶え間なき銃弾の嵐が女武者を襲った。
女武者は弓を構える暇もなく、一人、また一人と女武者が崩折れ、斜面にその身を投げ出していった。
大成功
🔵🔵🔵
松苗・知子
数が多い雑魚、正面から戦いづらい面倒な地形
こういう時はやっぱり、敵の分断じゃないかしらん。
っていうわけで木に登って高所から敵の接近を監視するわ。
相手の進軍ルートを確認して前方のできれば斜度がきついところに回り込み待ち受ける。先頭集団が射程圏に入った時点で、先頭の後ろの木々にフォックスファイアで点火、敵の分断と混乱を図るのだわよ。
そのあとは、先頭の敵を攻撃しつつケガしないよう味方の増援を待つわ。
正面戦闘は向いてないのよーう。
また、ヤバそうなら延焼部分も含めて火を消して、宇宙バイクで全力で逃げるのよ。
(数が多い雑魚、正面から戦いづらい面倒な地形……)
松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)は考え、そして結論付ける。
「こういう時はやっぱり、敵の分断じゃないかしら……と思ったら、既にやられてるのね」
今、ファーストアタックで分断された敵は、各所で猟兵と戦いつつある。
しかし登った木の上で知子は、更に山奥。斜度がきついところで、待ち構えていた。
「でもでも、敵は後ろにも居るわけで。増援はシャットアウトするわよー」
そう、苦戦を山奥から確認したところ、増援が送られていたのだ。その増援を彼女は待ち受けていた。
やがて、その先頭集団が知子の射程圏に入る。その瞬間、先頭の後ろの木々にフォックスファイアで点火した。
葉の痛みにも耐える女武者達だったが、これはユーベルコードで作られた炎。無視は出来ず、延焼すれば焼き殺されるのは明らかだ。
部隊の動きが止まる。どうやら消火活動と、術者を探しているらしかった。
――やがて、その数体が知子を発見、弓を構える。
「やば、正面戦闘は向いてないのよーう。来ないでよ」
弓を射掛けてくるのを木を渡りながら逃げつつ、弓を射掛けてくる女武者たちに、狐火を放つ知子。
いざとなったら宇宙バイクで逃げる算段も考えていたが、追撃は振り切れそうだった。
成功
🔵🔵🔴
飯島・さと子
死して尚その命を辱めるとは。さと子にとって一番許せないタイプです
さと子、とても怒っています
なので絶対に許しません
奴を一刻も早くぶっ飛ばしたいですが、その前に彼女達を侮辱から解放しなくては
ガジェットショータイムで弩を作り、【局流早射ち】をします
矢をガンガン作ってガンガン発射するのです
ガンガンいくのです
木が生い茂る森の中でも、これなら問題ないでしょう
この依頼を遂行して開催されるお祭りで、少しでもあなた達の心が鎮まることを祈るのです
お祭りは元々亡くなった魂を鎮めるためのもの
さと子はあなた達に出来る事はもう殆どありません
それがとても歯がゆいのです
せめて安らぎがあるよう祈りながら、さと子は弓を引くのです
「死して尚その命を辱めるとは。さと子にとって一番許せないタイプです」
飯島・さと子(ふらふらテレビ・f02028)は針葉樹林の中、女性兵達を待ち構えながら、敵のボスであるクズ大名のことをそう評する。
「さと子、とても怒っています。なので絶対に許しません。
奴を一刻も早くぶっ飛ばしたいですが、その前に彼女達を侮辱から解放しなくては」
やがて、さと子の視界にも隊列を組んで、女武者たちがやってきた。
あらかじめ考えておいた作戦通りに、さと子はガジェットショータイムを起動。弩を作った。
「木が生い茂る森の中でも、これなら問題ないでしょう」
そして、彼女らのユーベルコード、【局流早射ち】の真似で、一斉に射撃する。
自らのコードを模倣されたことに驚いた彼女らに、木々の間をすり抜けた矢はいとも簡単に届く。女武者たちを、次々に射抜いていく。
「矢をガンガン作って、ガンガン発射するのです! ガンガンいくのです!」
さと子は叫び、矢を発射し続けた――このような思いを、抱きながら。
(この依頼を遂行して開催されるお祭りで、少しでもあなた達の心が鎮まることを祈るのです)
お祭りとは、元々亡くなった魂を鎮めるためのもの。
(さと子はあなた達に出来る事はもう殆どありません。それがとても歯がゆいのです。
せめて安らぎがあるよう祈りながら、さと子は弓を引くのです)
女武者たちへの憐憫、そして自分の無力感と戦いながら、さと子は弓の打つ手を緩めなかった。
大成功
🔵🔵🔵
アリーシャ・フローベル
聞いた話だと、女武者達が怨霊になってまでも仕える価値のある主君だとは思えないわね。
それとも、怨霊になっても主君に仕えなければならないってことなのかしら?
だとしたら、そんな宿命から開放してあげるのが慈悲なのかもね。
敵軍の進路上のポイントから、足場のよく敵の進軍を見渡せる場所を見つけて、敵を待ち伏せするわ。
女性兵達が射程圏内に入ったら、「フルバースト・マキシマム」で一斉射撃して迎撃するわよ。
「ここから先は通さないわよ!全弾発射ッ!」
狙いは、女武者達と、その頭上に生い茂る針葉樹の枝よ。
一斉射撃で女武者達を足止めするのと同時に、
針葉樹の枝達も撃ち落して、枝や葉っぱで女武者達を生き埋めにしてあげるわ。
「聞いた話だと、女武者達が怨霊になってまでも仕える価値のある主君だとは思えないわね」
――それとも、怨霊になっても主君に仕えなければならないってことなのかしら? アリーシャ・フローベル(ラディカル・ファイアウィッチ・f01747)はその疑問を浮かべ、彼女らを哀れに思う。
「……だとしたら、そんな宿命から開放してあげるのが慈悲なのかもね」
樹林の中にある、崖の上の高台から、アリーシャは分断された武者の一隊を、待つ。
敵軍の進路上のポイントから、足場のよく敵の進軍を見渡せる場所。探したのが、この場所だった。
やがて、彼女らはこの崖の下に辿り着くだろう。射程に入るのを、ただ待つ。
「――来たっ!」
崖の下に、彼女らがやってくる。アリーシャはアームドフォートを構えた。
「ここから先は通さないわよ!全弾発射ッ!」
狙いは、女武者達と、その頭上に生い茂る針葉樹の枝。
一斉射撃で女武者達を足止めするのと同時に、針葉樹の枝達も撃ち落す。
「――!?」
葉っぱが擦れた程度では気にしない彼女らも、この攻撃には流石に面食らった。
枝や葉っぱが大量に降ってくる上、銃弾までくる。弓を構えようにも、枝やらの衝撃が邪魔になってどうしようもない。
「よし、成功!」
かくして、アリーシャの作戦は成功した。女武者達は、その場に生き埋めになったのであった。
成功
🔵🔵🔴
時雨・零士
完全戦闘形態へと「変身」しつつ、手頃な太さの樹上で待機。
女性達が進軍してきたのを確認したら、フォームチェンジ。
樹上から風の弾丸や風の刃でダメージを与え、それでも突破しようとする相手には風の刃で牽制を仕掛けつつ、風を纏って浮力と針葉樹の葉への対策をしながら、木から木へ跳ねる様に移動して接近し、風の力を乗せた一撃を叩き込む。こんな地形でも戦いようはあるもんだからな…できるだけ利用できるモンは利用するぜ。
まぁ…本音言えば、怨霊とはいえ、女性に手をあげるのは気が引けるんだが…。
そもそも、女性侍らせてた上に死んだ後はその女性達を兵士にするとかどんだけクソな大名なんだよ…!
ぜってぇ、顔面に一発叩き込む!
「まぁ……本音言えば、怨霊とはいえ、女性に手をあげるのは気が引けるんだが……」
樹上で女武者達を待ち受ける、時雨・零士(仮面ライダーデオルム・f04112)。
彼の見る先では、機械兵器の猛攻を凌いだ後、整然と行軍してくる女武者たちが見えた。
「行くぜ……チェンジ、ハスターフォーム……! これが……風の神(邪神)の力だ……!」
彼は予定通り、混沌のオーラと漆黒の風を纏い、ハスターフォームへとフォームチェンジを行う。
即座に、彼は樹上から風の弾丸や風の刃を放射。女武者たちへと過たず放たれる。
「――?!」
そして、女性兵達は切り刻まれ、撃ち貫かれた。
攻撃されなかった者はその術者を探す動きを見せるが、その頃には既に零士は、別の木の上へと跳ねるように宙を駆け、乗り移っていた。
暫く零士がその攻撃を続けた後、ようやく女武者がこちらへと気づき、弓を構える。
「遅いぜ!」
しかし、樹上を飛び跳ねるように移動する零士には全く矢は当たらない。
風を纏って、針葉樹の葉を跳ね飛ばしながら樹上を移動する彼は、高速でジグザグ機動を描きながら武者達へ接近。
そのまま風の力を乗せた一撃で、残った女武者の細い身体を枯れ葉でも散らすように、薙ぎ倒すのだった。
「すまねぇな」
倒した女武者に謝りつつ、零士はハスターフォームを解除した。件の戦国大名が居るであろう、山奥の方を向く。
「――でもよ。そもそも女性侍らせてた上に、死んだ後はその女性達を兵士にするとかどんだけクソな大名なんだよ……!
ぜってぇ、顔面に一発叩き込む!」
決意し、拳を握りしめる零士。開戦の刻-とき-は近い。
成功
🔵🔵🔴
アンナ・フランツウェイ
襲われている城の為じゃなく、外道大名を倒すために戦う。…彼女達をこんな目に合わせる外道は地獄に叩き落としてやる。
不安定な足場と葉に悩まされるなら、私がやることは一つ。近づいてきた女武者をユーべルコードでまとめて攻撃するだけ。
そのためにはまず木から木へ短い距離の移動を繰り返し、女武者軍団へ近づく。矢は拷問具や隠れている木で防ごう。
接近に成功し女武者軍団も接近してきたら、鈴蘭の嵐を半径7m以内に展開。範囲内の女武者を攻撃する。…彼女達にはせめて安らかな眠りを。
アンナ・フランツウェイ(オラトリオの咎人殺し・f03717)は、距離の近い木の上を駆けるように跳んでいた。
「……彼女達をこんな目に合わせる外道は、地獄に叩き落としてやる」
――襲われている城の為じゃなく、外道大名を倒すために戦う。アンナは決意を抱き、やがて見つける。
目当ては、分断された後の女武者の一団。
この森林樹林の中というのは、やはり不安定な足場と葉に悩まされる。そこは彼女も分かっていた。
しかし、であるならばやることは一つだった。無理に近づいてきた女武者を、ユーべルコードでまとめて攻撃するだけ。
確かに、極力動かなければ、足場の悪さは無視出来るだろう。
しかし、彼女のユーベルコードの射程はわずか12m。一撃で仕留めるならば、7m以内程度に収める必要があるだろう。
「――!」
(見つかった……)
それだけ近づかなければいけないということは、やはり女武者たちにも気づかれる。
――瞬間、矢を射掛けられる。しかし、彼女は冷静に隠れている木でその矢を防いだ。
そして、矢の弾幕が収まった頃を見計らって、木の間を跳ぶ。
この時を見計らっていたように飛んでくる矢もあったが、アンナは拷問器具の中でも体積のある、鉄の処女-アイアンメイデン-を出すと、それで矢を弾いた。
――そのように冷静に動く彼女に、幸運の女神は微笑んだ。全ての女武者を、7m射程に収めた。
「……彼女達にはせめて安らかな眠りを」
鉄の処女-アイアンメイデン-から、鈴蘭の花が舞う。舞った花びらは本来12mに広がるはずだが、彼女のコントロールにより、7mに密集する。
その瞬間、女武者達は吸い込まれるように、彼女の付近へと一気に集められる。そして、鈴蘭の花は密集し、元の鉄の処女-アイアンメイデン-へと戻ると――その扉が閉められた。
――赤黒い血が、扉から滲む。彼女は両手を組み、祈りを捧げる。
「――絶対に、地獄に叩き落す」
そう、アンナは凄みを含ませ、山奥を睨めつけた。
成功
🔵🔵🔴
六道・紫音
女…か、だからどうという事もない。
戦さ場に立てば男も女も、大名も足軽も等しく死と隣り合わせ…俺の剣が全て断ち切るのみだ。
・戦術
足場は悪く、視界も悪い、となれば無用には動かず相手の出方を見る。
「薙刀、弓矢、そんな小手先で俺を討てると思うなよ」
残像と見切りで攻撃を躱し、相手の姿を捉えたなら周囲の針葉樹ごと怪力を伴った陸之太刀《絶佳》で全て斬り裂く。
「邪魔なモノは全て斬る、それだけだ」
焦らず回避と斬り払いで攻撃をいなし、反撃の絶佳で一掃する戦法で敵を撫で斬りとしよう。
「出てこい大名!それとも、死した女の影に隠れねば戦も出来ぬ臆病者であるか!」
「女……か、だからどうという事もない」
――戦場-イクサバ-に立てば男も女も、大名も足軽も等しく死と隣り合わせ……俺の剣が全て断ち切るのみだ。そう六道・紫音(剣聖・f01807)は断じて、かの女武者たちを待ち受ける。
女武者たちは前衛、後衛に分かれて紫音へと向かってくる。前衛は薙刀を構え、後衛は
足場は悪く、視界も悪い、となれば無用には動かずに、相手の出方を見るが上策。
「薙刀、弓矢、そんな小手先で俺を討てると思うなよ」
一人の女武者が放った矢の弾幕を見切り、高速移動による残像で躱す。
近づいてきた薙刀の女武者には、名刀の一振り。斬撃は樹木ごと、女武者を両断する。
「邪魔なモノは全て斬る、それだけだ」
彼は焦らずに、回避と斬り払いで攻撃をいなし続け、そして的確に反撃した。
――その一刀一刀は、力強く流麗。黒髪を靡かせた美丈夫は、一人で幾十人もの女武者の攻撃を凌ぎ、そして返り討ちにしてみせる。
「逃しはしない……陸之太刀《絶佳》!」
そして、刀身から疾った衝撃波が、遠くから射掛けてきていた後衛の女武者を、纏めて撫で斬りにする。
――彼の前に、敵はいなくなっていた。名刀――宝刀《皇月》を一振り、血を払ってから、鞘へと収める。
「出てこい大名!それとも、死した女の影に隠れねば戦も出来ぬ臆病者であるか!」
一喝。目的の大名の出てくる予感を得て、紫音は叫んだ。
大成功
🔵🔵🔵
リンタロウ・ホネハミ
女が相手ってのはちょっと気が引けるっすけど……
なんかすげぇつえぇみたいだし、あんま気にしねぇ方向でいくっすか
そんじゃ"骨喰"リンタロウのお仕事、始めるっすよ!
針葉樹は厚手の服着たりバンダナ巻いたりして、刺さんねぇようにするっす
足場の悪さは【〇〇六番之卑怯者】で敵の攻撃を避けつつ、超音波ソナーで周囲の地形を常に把握することで対処っす!
そうやってのらりくらりと避けて、遠距離攻撃が得意な皆さんが楽に狙える場所まで誘き寄せるっすかね
避けきれなけりゃ「武器受け」でしのいで
オレっちだけでさっさと倒せそうならすばやく「2回攻撃」でしとめるっす!
いやぁ、オレっちクレバーじゃないっすか?
アドリブ大歓迎っす!
「女が相手ってのはちょっと気が引けるっすけど……」
向かってくる女武者を眺めて、リンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)はそう嘯く。
「なんかすげぇつえぇみたいだし、あんま気にしねぇ方向でいくっすか」
ダガーを取り出したリンタロウ。早速とばかりに斉射された矢を、地形の滑りをも利用して、素早く躱していく。
事前に準備していた彼には、足場の悪さという環境も、自分の味方である。
厚手の服とバンダナで針葉樹の鋭い葉には対応しているため、刺さっても少々のことでは痛くはない。
蝙蝠の骨を食べて、発動しておいた【〇〇六番之卑怯者】。超音波ソナーで周囲の地形を常に把握しているリンタロウには、どの辺りでよく滑って、どの辺りで減速がかかるかも、手に取るように分かる。
「そんじゃ"骨喰"リンタロウのお仕事、始めるっすよ!」
攻撃を軽々と避け続けるリンタロウは、的確にダガーを投擲。女武者の喉元へと命中させ、まずは一人仕留める。
ついでに仕掛けておいた鋼糸を引っ張り、トラップを起動。薙刀で向かってきていた女武者の足元を掬い、斜面の下へと滑落させる。
のらりくらりと攻撃を避けて、避けて、避け続けて。相手のスキが見えた時に、的確な位置で攻撃をしかける。
そして、後方からの援護。天からの光が、弓を射る女武者たちを的確に狙い、連射される。
その様子に、「おぉ」と声を漏らして、作戦の成功に笑みを漏らすリンタロウ。
「いやぁ、オレっちクレバーじゃないっすか?」
女武者を翻弄しながら、確かにその通りなリンタロウは自画自賛するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
紫洲川・珠璃
「森の中から進軍とは強引ね」
足場は悪い、見通しも悪いとなると動いて仕掛けるより、間接攻撃での迎撃を基本に考えたほうがいいかもしれないわ
幸いヒステリカルさんの初手によってこちらへ誘導されるようだから、接近してきたら、フォックスファイアで攻撃ね
周囲の針葉樹の葉は狐火で焼いておけると行動が阻害されなくてよいのだけれど
敵の薙刀術、落武者呼びは妖刀での接近戦闘で対処。【二回攻撃】を有効に使えるかは足場の都合上難しいけれど、利用できそうなら使って攻撃ね
早撃ちは事前に遮蔽物として利用できそうな太目な幹の木の目星をつけておいて、
打たれたらそこに隠れてやり過ごすわ
無視するようならフォックスファイアでひたすら射撃
紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)は、分断され誘導されてくる女武者を待ち受けていた。
「しかし、森の中から進軍とは強引ね」
その進軍方法に呆れながらも、しっかりと環境への対策を考えておいた珠璃。
(足場は悪い、見通しも悪いとなると動いて仕掛けるより、間接攻撃での迎撃を基本に考えたほうがいいかもしれないわ)
――接近してきたら、フォックスファイアで攻撃ね。彼女はそう考え、十五の狐火を事前に召喚し、周囲を舞わせる。
それらは周囲の針葉樹の葉のみを焼き払い、安全を確保した後、彼女のもとへと戻ってくる。
(準備完了。さあ、来なさい!)
かくして、前方に武者たちは現れる。
数の減ってきた女武者たち。しかし、彼女たちも落武者の霊を召喚することが出来る。見えている数通りとはいかないのが、厄介ではあった。
――迫る女武者の薙刀と、落武者の槍。珠璃は妖刀を構え、狐火をけしかけた。
「せいっ!」
数は多い。しかし、珠璃の方が攻撃のスピードは早かった。迫ってくる薙刀と槍に先んじて妖刀を届かせ、次々に武者たちを屠っていく。
弓矢の攻撃は、自在に動く狐火で矢を焼き払いながら、その射手をも焼き払う。
同時に動く十五の狐火は、誘導ミサイルよりしつこく、曲芸飛行可能な航空隊よりも複雑な編隊機動を描き、武者たちを襲っていった。
焼けなかった矢は、事前に目星をつけておいた大木に身を潜めて、やり過ごした。
珠璃の能力と知恵は、武者たちにはとても有効なようだった。
この急斜面で、思ったよりも接近戦も出来たのは、彼女が妖狐故の本能的な部分に依るのだろうか。
――かくして、珠璃は向かってきた女武者を、ほぼ全滅させたのであった。
わずかに残って山奥へ退散していった女武者たちも、別の猟兵に討ち取られるだろう。
「――……意外と、あっけなかったわね……?」
もう少し苦戦するかとも思っていた珠璃は、自分の戦果に自分で驚いていたのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『戦国武将』
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POW : 合戦具足
無機物と合体し、自身の身長の2倍のロボに変形する。特に【自分の城の一部もしくは武者鎧】と合体した時に最大の効果を発揮する。
SPD : 乱世斬
【日本刀による衝撃波を伴う斬撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 戦国兵団
【自分に従う兵士達】の霊を召喚する。これは【火縄銃】や【弓矢】で攻撃する能力を持つ。
イラスト:酉作
👑17
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「……我が精鋭の姫たちを、破るか――!」
退却してきた女性兵たちを見て、猟兵への怒りの声を漏らす、甲冑の武士――かの、クズ大名である。
「猟兵――人知を超えた兵-ツワモノ-……我らがオブリビオンの、宿敵……――!」
その身に宿した怨念が、強まる。邪悪なオーラが、戦国甲冑に満ちた。
「かくなる上は、我が刀の錆にしてくれん――!」
叫び、戦国大名は走り出し――そして、跳んだ。天高く。
凄まじい脚力である。彼は一気にショートカットすると、猟兵達が張る陣形の、その中心へと、ズシン――!! と降り立った。
斜面がひび割れるほどの衝撃。彼もまた、並のオブリビオンではなく、強敵であることは確実だった。
「さあ参られい!! 兵-ツワモノ-よ! 吾妻上幹寿-アズマノカミミキヒサ-が相手にならん!!」
声を張り上げ、怨念こもる刀を晴眼に構え、戦国大名は猟兵達に戦いを挑んだ。
六道・紫音
単騎であえて包囲に飛び込む…その意気、この剣気、並の剣士ではない。
我が敵に相応しき相手だ!
・戦法
針葉樹は斬り倒せるが足場の悪さは変わらず、しかして技の多彩さと脚力は奴が上、ならば刀の間合いで技量を競うしかない。
「紫音、参る!」
怪力を伴う弐之太刀《無影》に鎧無視効果を乗せて放ち強襲。
距離を詰めたら二回攻撃を乗せた斬撃で攻めながら相手の攻撃は残像と見切りで躱し、果敢に斬り結ぶ。
「純粋な剣技、競おうではないか!」
相手が隙を見せる、或いは斬り合いを嫌がって距離を取ろうとさたら捨て身の一撃で再び無影を放ち、執拗に食いついて斬る、斬る、斬る!
「我が剣は純粋なる力、悪しき力や配下に頼る貴様に負けはせん!」
(単騎であえて包囲に飛び込む…その意気、この剣気、並の剣士ではない)
飛び込んできた鎧武者にまず最初に反応したのは、紫音であった。
(我が敵に相応しき相手だ――!)
紫音の腕ならば、針葉樹ごと敵に刃を届かせることは容易。しかし、相手の膂力を見るに、それは同じだろう。
足場の悪さも変わらない。しかし、技の多彩さと脚力は相手の方が上。
――ならば刀の間合いで技量を競うしかない。
「――紫音、参る!」
紫音は名乗りを上げ、相手と同じ晴眼で宝刀《皇月》を構える。相手もそれに応じ、こちらに刀を向けてきた。
――交差する視線。一瞬の緊張の後、先に動いたのは紫音であった。
「――《無影》!!」
「ぬうっ!?」
宝刀による一閃。刃から疾走った衝撃波は、一点の狂いもなく鎧武者の鎧を断ち、切り裂く。鮮血が走る。
「そこはもう、俺の距離だ!!」
すかさず、距離を詰めた紫音は鎧を断った場所へ、溜めに溜めた平突きを見舞う。宝刀は鎧武者の腰を貫き、更に血を吹かせる。
「……ぬぅうっ! やりおる――!! だが、これならばどうだ!!」
しかし、先制攻撃は成功したものの、そこからは攻めきれなかった。
突如として武者の鎧が光り輝き――周囲の針葉樹が吸い込まれ、巻き込まれる。
そして一瞬の後に、相手がロボットのような姿に巨大変身したからであった。
嫌な予感がする紫音は、大上段から来る、こちらも巨大化した刀の振り下ろしを見切り、残像を残して躱す。
そして、返す刀で一閃。しかしこの一閃はどうしてそれだけのスピードが出るのか、巨大刀が防いだ。
――サイズ差など、それは優れた剣士同士の戦いには、些末事であった。
「純粋な剣技、競おうではないか!」
「よく言った、猟兵の剣士!!」
相手が隙を見せるまで。執拗に食いついて、斬る、斬る、斬る――!
両者共に、互角に切り結んでいた。だが、わずかに優勢なのは紫音であった。
「――ぬっ!?」
「我が剣は純粋なる力、悪しき力や配下に頼る貴様に負けはせん!」
大ぶりの剣、その一瞬のスキを付かれ、鎧武者に三太刀目を浴びせる紫音。血風が吹く。
「吠えるか、猟兵! 我が力は悪、認めよう! なれど、我が信念分からぬ輩に負けるわけにはいかん!」
「――くっ!」
しかし、スタミナの差は歴然であった。健在な状態のボス級オブリビオンに高度な殺陣を続けられるほど、紫音の身体は屈強ではなかった。
時間が経過すればする程、優勢は鎧武者の方へと傾いていった。そこへ――別の猟兵の「引いてください」という声。
「! ちっ!」
忌々しそうに舌打ちしながらも、確かに自らの疲労が理解できていた紫音は、その声によって放たれた援護射撃を受けて、無傷のまま後方へと下がった。
成功
🔵🔵🔴
デナイル・ヒステリカル
驚異的な跳躍力、多数の猟兵たちが構える中へと表れる大胆不敵さ。
影武者や囮を使った戦略ではなく、おそらくこのオブリビオンが今回の発端なんだろう。
思想や行いといった面を廃して見れば。なるほど、これが戦国大名か。
「だけど僕は武士じゃない。僕は僕の信念(プログラム)に則った戦いをする」
【WIZ】
近距離戦闘では勝てなさそうだと判断します。
【迷彩】状態を維持しつつ【地形の利用】【先制攻撃】【2回攻撃】で牽制、味方猟兵への【援護射撃】を中心に立ち回ります。
敵が落武者の霊を召喚する際はこちらもユーベルコードを使用。
味方を避けて敵集団のみを【属性攻撃】【範囲攻撃】で足止めし、隙を作ります。
「行ってくれ、戦友」
(驚異的な跳躍力――多数の猟兵たちが構える中へと表れる大胆不敵さ――)
影武者や囮を使った戦略ではなく、おそらくこのオブリビオンが今回の発端。
――思想や行いといった面を廃して見れば。なるほど、これが戦国大名か。デナイルは納得する。
「だけど僕は武士じゃない。僕は僕の信念(プログラム)に則った戦いをする」
近距離戦闘では勝てなさそうだと判断した彼、巨大化した鎧武者相手に、迷彩で隠れた状態からの、機械兵器を用いた牽制射撃を行う。目的は、味方猟兵への援護。
先に発した声は彼のものであった。凄まじき殺陣を披露した剣士の猟兵が引くのを見ると、兵器の射撃に依り、食い止めを実行する。
「ぬうぅ、小賢しいわぁ!!」
と、叫んだ巨大武者。彼の周囲に、落武者の霊が現れる。それらは火縄銃や弓を構え、周囲の猟兵達に牙を剥き始める。
「それは読んでいたよ――PSI回路過剰稼働。ターゲット選定。痺れて止まれ……!」
「ぬがぁああっ!?」
冷静に告げ、準備していたユーベルコードを、デナイルはただただ冷静に発揮した。
瞬間、発生した大電流が巨大武者ともども落武者達を襲う。彼らは痺れ、そして動けなくなる。
「行ってくれ、戦友」
十分な時間稼ぎと戦闘支援が出来たと見た彼は、他の猟兵に対し、攻撃を指示した。
大成功
🔵🔵🔵
ミルフィ・クロックラヴィット
戦国大名…遂に現れましたわね…
貴方の命で、
儚く散って逝った女武者の
鎮魂の為にも…
わたくし達の手で、
貴方を討ちますわ…!
『女性を弄び…女武者を手駒の様に扱う貴方の「信念」とは…一体何ですの…?』
巨大化した戦国大名を
仲間の猟兵の皆様方と連携し
アームドフォートで砲撃や
黒剣を使い剣技で
攻防しつつ戦闘
頃合いをみて
ユーベルコードの
『ナイトオブホワイト・モードデュエル』を発動
『そちらが巨大武者であるなら…こちらも「巨大戦」と参りますわ…!』
巨大ロボに変形した
アームドフォートに
搭乗する様に着装
巨大戦国大名と
『巨大戦』を展開
格闘戦や砲撃で戦闘
戦国大名が消耗してきたら
皆様と共に
一気に総攻撃
『皆様方、今が好機…!』
「戦国大名……遂に現れましたわね……!」
ミルフィは、巨大武者となった戦国大名を見上げ、声に出す。
手にはアームドフォート、そして黒剣。戦闘の準備は万端である。号令とともに、前に躍り出る。
「貴方の命で、儚く散って逝った女武者の鎮魂の為にも……わたくし達の手で、貴方を討ちますわ……!」
召喚された落武者達を黒剣で薙ぎ、アームドクロックワークスで砲撃する。
電撃によって呪縛されていた彼らは、ミルフィの攻撃を防ぐことは敵わず、攻撃される端から消滅していった。
「ぐ、ぬぅ……――!!」
「!」
と、電撃を受けて怯んでいた巨大武者が、動き出す。まだ落武者たちは駆逐できていない、今動くのは、まずい。
「そちらが巨大武者であるなら……こちらも「巨大戦」と参りますわ……!!」
ミルフィは言うと、アームドクロックワークスを変形させる。
――その形状は、まるでロボットのように。アームドクロックワークスは、2m半ほどもある体躯のロボットになった。
ミルフィは跳躍。その搭乗部に乗り移り、着装する。
そして、巨大化した戦国大名に突撃し、拳で打ち据えた。
巨大武者はそれを巨大刀で受け止め、斜面をガガガガガッ! と滑る。
「女性を弄び……女武者を手駒の様に扱う貴方の「信念」とは……一体何ですの……?!」
「否! 我は女子-おんなご-を弄ぶようなことはせぬ!!」
熱く言葉を交わし合うミルフィと戦国大名。拳を払い、巨大刃を躱し、砲撃を受け止め――巨大戦が展開される。
「では、貴方の行為は何だと言うのですの……!?」
「我が信念は女子の幸せ、民草の幸せ! この樹林も! 肉林も! 姫の兵も! 我が信念が故!」
「……?!」
戦国大名は全く、堂々と叫んだ。ミルフィは困惑する。
――今までの話では、とてもそうは思えない。だが、少なくともこれだけは言えた。
この武将は自らの行いを、恥じることのない全くの正義であるとして、信じている。
――だが、ミルフィはだからこそ、攻撃の手をやめない。
「――では、その邪悪な心のまま、墜ちてくださいませ……!」
ミルフィは、最大出力かつ、ゼロ距離での砲撃を行った。
さすがの巨大武者もこれは受けきれず――よろめいた。
「皆様方、今が好機……!」
総攻撃の合図を送るミルフィ。
決戦の時は、近い――!!
大成功
🔵🔵🔵
松苗・知子
無謀なように見えるけど、ようは単騎であたしたち全員に勝てる見込みがあるってことよね。
舐めてくれるじゃないの。
正面からの殴り合いは避ける。杉の木の上から爆撃を試みるのよ。
木の上に上って、木を伝いながら鎧武者が射程圏に入るように移動、樹上からフォックスファイアで攻撃するわ。
フォックスファイアは12個を6個ずつ纏めて2つの大きな火にして
、一個を敵正面から、もう一個を敵のやや背面を狙う感じで落としていくわ。
以降、場所を変えながら同様に、フォックスファイアを2個に分けて射撃し続けるのよ。ただし相手の射程圏内に入りそうなら全力で逃げるのだわ。
こんなところで死んじゃーつまらないのよ。
「無謀なように見えるけど……」
自分たちの陣形の中心へ降り立った戦国大名を見て、知子は呟く。
「要は、単騎であたしたち全員に勝てる見込みがあるってことよね」
――舐めてくれるじゃないの。彼女の心に、若干の闘志が籠もる。
相手は巨大化しており、正面からの殴り合いは避けた方がいい。
知子は先程と同じように、杉の木の上から爆撃を試みることにする。
「よいしょ、っと!」
木の上に上って、木を伝いながら、巨大化した鎧武者を射程圏に収める位置へと移動する。
相手の射程圏には入らないように、慎重に距離を測る。
「それじゃ、こういう形で行かせてもらうわね」
知子はフォックスファイアで、最大の12個の狐火を召喚する。
それを6個ずつにして、両掌に纏める――すると二つの、巨大な狐火が出来た。
徐ろに、それを鎧武者へとけしかける。一個を敵正面から、もう一個は誘導し、敵のやや背面を狙う感じで。
そして、巨大武者がよろけた。好機、とばかりに、狐火を炸裂させた
「ぐぉ、おおおっ!?!」
「こんなところで死んじゃー、つまらないのよ!」
知子は樹上を飛び、場所を変えながら、再び6つ分の巨大狐火を2つずつ放ち続けていった。
それは確実に、着実に――ダメージを重ねていった。
成功
🔵🔵🔴
アンナ・フランツウェイ
アンタの目的や信念なんてどうでもいい。あの女達を弄んだ罪を裁いて、アンタを地獄へ叩き落としてやる。
足場が悪いのは相変わらずだから、女武者戦時のように木から木へと移動しつつ今度は大名の背後を目指し移動する。移動する時は味方の猟兵の攻撃に合わせ、大名に気付かれ無いようにしたい。
背後を取れたら味方の猟兵達が付けた傷を目がけ、ユーべルコードの断罪式・薊ノ花で命中率を重視して攻撃する。命中したら傷口をえぐるで傷口を広げより大きいダメージを与えたい。
「…地獄へ落ちろ」
(……アンタの目的や信念なんてどうでもいい)
アンナは、戦国大名の宣言を聞いてイラッとして、心の中で吐き捨てた。
クズが何を言うんだ。そんな感情が沸き起こる。
「あの女達を弄んだ罪を裁いて、アンタを地獄へ叩き落としてやる」
アンナは宣言する。やがて、目標の地点へと、辿り着いていた。
味方の攻撃の際に出来たスキを利用して木々を移動した彼女が今居るのは、鎧武者の背後。
――そして、そこへ総攻撃の号令。彼女は一気に巨大武者へ向け、跳躍する。
目指すは、開幕に練達の剣士によってつけられた、腰部の深い傷。
血で錆びた処刑用の鋸を取り出す。彼女のユーベルコード、断罪式・薊ノ花のキーである。
――取り出したそれで、飛び込んだ勢いも込めて、傷口を抉った。
「ぐおぉあああああっ!?」
呻く戦国大名。あまりの痛みに、膝をついた。
アンナはその一撃を与えると、その場から飛び退った。
「……地獄へ落ちろ」
――戦国大名へ、そう吐き捨てて。
成功
🔵🔵🔴
プリンセラ・プリンセス
pow
「誰ぞ来よ――。戦の時間です」
応えたのは5番目の兄、ギュンター。
プリンセラは鎧姿へと、勇壮な雰囲気へと変わる。
「大将首か、いい具合に呼んでくれたなプリンシラ。これぞ男の本懐よ!」
ギュンターはウマ(バイクですが見た目は完全に馬です)に飛び乗ると落ちていた大剣を振りかざして突進する。
「プリンセラの体は細いからのう。こうでもしなくてはな」
ジャッジメントクルセイドで戦国兵団を牽制し、味方の戦列を飛び越え、乱世斬をオルタナティブダブルで回避。
合戦具足で二倍になった敵は騎馬には狙いやすい。
「貰った!!」
必殺の一撃が相手の首を狙って振り下ろされる。
「暗君死すべし。冥府へ還って戻ってくるでないぞ!!」
「誰ぞ来よ――戦の時間です」
プリンセラは鎧武者の崩折れたのを確認し、呼びかける。
応えたのは5番目の兄、ギュンターであった――プリンセラは勇壮な雰囲気の、鎧姿へと変わる。
「大将首か、いい具合に呼んでくれたなプリンシラ。これぞ男の本懐よ!」
ギュンターは同時に召喚された馬に颯爽と飛び乗ると、落ちていた大剣を振りかざして突進を開始。
目指すは、膝折れた巨大武者。馬に依る突撃を敢行する。
「プリンセラの体は細いからのう。こうでもしなくてはな」
馬を走らせながら、指先を向けて天からの光を降らせ、召喚されていた健在な召喚落武者を牽制。
そして、馬を大きく跳ばせる。味方の頭上へと大きく舞い上がり、その先端は大剣として、巨大武者へ。
「ぬぅ――させるかぁあっ!!」
そこで、武者の巨大刀が振るわれる。衝撃波が、馬に乗ったギュンターを襲うが……――それは、オルタナティブ・タブルで作ったもう一人のギュンター。
「そっちは偽物だ! 貰った!!」
半刻遅れて馬を飛ばせたギュンターの必殺の一撃が、相手の首を狙って振り下ろされた。
――が、しかし、大剣は肩口に刺さる。大名が、狙いをずらしたのだ。
そしてなんと、戦国大名は今まで使わなかった刀を持たぬ方の拳を、ギュンターに向けて振り上げたのだ!
「何だとっ!?」
今の一撃でスキが出来ていたギュンターは、その拳で殴り飛ばされてしまう。
彼は馬から投げ出され、斜面をごろごろと転がり、倒れ伏す。
……そして、ギュンターの意識が飛ぶと同時に、プリンセラの姿に戻った。
(ギュンター兄様……!)
何とか立ち上がれる程度の衝撃では在った。あの戦国武将が健在であったならば、今の一撃、どうなっていただろうか。
そして、ギュンターを殴り飛ばした武将は立ち上がり、吼えた。
「我が信念を理解せぬ者共よ……! 所詮はお前たちの見ているモノなど、一方的に過ぎぬわっ!!」
既に手傷を多く負い、瀕死の状態でありながら、未だ闘志を減じようとしない武将。
一体、どこからそこまでの闘志が湧いてくるのか……プリンセラは倒れ伏したまま、成り行きを見守った。
苦戦
🔵🔴🔴
紫洲川・珠璃
(クロックラヴィットさんと戦国大名の話を聞いて)
「ふむ、これがいわゆる本来の意味での確信犯、というものかしら。
いいわ、己が信念を抱きながら斃れなさい!」
妖剣解放を行い、他の猟兵の攻撃に追随
斬衝撃波で牽制しながら高速移動で接近、妖剣解放の速度向上と【二回攻撃】を用いた手数の多さで攻撃よ
高速移動は直線的な移動の速さというより小刻みな切り返しの速さとして使い、
純粋な回避や、木陰を盾にした回避を試みつつ接近
接近したら、間合いの少し外で一振りし斬衝撃波、踏み込みつつ返す刀で衝撃波の着弾位置に直接攻撃をする一点集中型攻撃を行うわ
(アドリブ可、敵と会話可、同じ様な事を言っていれば台詞追加変更可)
(ふむ、これがいわゆる本来の意味での確信犯、というものかしら)
先程から信念、信念と連呼する大名に、呆れながら珠璃は呟いた。
既に、彼女の身体は大名の近くにあった。先の騎馬突撃に追随して、懐に潜り込んだのだ。
衝撃波が炸裂し、大名はようやくその事実に気づく。
「ぬぅっ!? そこにいたのかっ!」
「いいわ、己が信念を抱きながら斃れなさい!」
既に、妖剣解放を行っていた珠璃は、影刃「虚鐵」と妖刀による二刀高速剣術て相手を翻弄した。
一太刀一太刀は軽いが、速度は戦国大名を大きく上回っていた。ヒットアンドアウェイ戦法で、果敢に斬りかかる。
そして、戦国大名も健在ではない。反撃をするも、純粋な回避や、木々を利用して隠れることでの回避で避けられる。
衝撃波と通常の斬撃の位置を合わせた一点集中型連撃は、ついに武将の防御を貫き、血風を舞わせた。
「ぬぅううっ!! 強き女子よ! そなたは、真に姫たちのために戦うか!」
「そうでなくては、なんだと言うの!」
大名の問に、愚問だとばかりに返す珠璃。
「ならば良かろう! 存分に切り結べい!!」
「!?」
瀕死であるはずの、戦国大名の刀のスピードがあがる――まるで、その応答に対し、歓喜に打ち震えるように。
珠璃はそれを対処しきれないと思い、慌てて引くのだった。
成功
🔵🔵🔴
飯島・さと子
ごきげんよう、さと子です
さと子の名前を覚えるといいのです
お前を殺す、世界で一番可愛い女の子の名前なのです
女の子を虐げて我が物顔の男
許せないのです
そんなお前には地獄がお似合いなのです
味方の攻撃の合間を縫って、小さな体で躍り出るのです
パーフェクトキュートな体からごつくてバッキバキのガジェットを造り出し、全力全開のプログラムド・ジェノサイドでぼっこぼこに殴るのです
木々の間で小回りをきかせ、敵だけをボッコボコに殴るのです
殴るのは主に顔、そして股間です
女子の尊厳を奪ったお前には相応しい死にざまなのです
お前の敗因は2つなのです
女性を虐げたことと、オブリビオンになったことなのです
「ごきげんよう、さと子です」
瀕死でありながら、攻撃の手を全く緩めない大名に膠着した戦場で、その声は響いた。
さと子であった。彼女曰くのパーフェクトキュートな体から、ごつくてバッキバキのガジェットを造り出し、戦国大名の前に躍り出る。
「貴様も……戦うか」
「さと子の名前を覚えるといいのです。
お前を殺す、世界で一番可愛い女の子の名前なのです」
――女の子を虐げて我が物顔の男。許せないのです。さと子は思って、吐き捨てた。
「――そんなお前には、地獄がお似合いなのです」
「まこと、正論を吐く女子よ、気に入ったぞ!!」
戦国大名はむしろ喜ばしいこととばかりに、さと子に叫んだ。
(全力全開のプログラムド・ジェノサイドでぼっこぼこに殴るのです――!)
さと子は突撃する。殴ろうとするのは主に顔、そして股間。
戦国大名はその超高速連撃にも、巨大刃を併せてきた……が。
「――何ッ!?」
あまりの連撃の威力と速さに耐えきれず、刃が――折れた。
「ぬ、がぁあああああああああっ!?」
そのまま超高速連撃は過たず、股間と顔へと叩き込まれる。
一方的に叩き込まれる連撃、勝負は決まったかに見えた。
――しかし、戦国大名は耐えた。耐えきった。
さと子の連撃が終わり、ガジェットから煙が出る。
「……! まさか……これで倒れない、です……?!」
これにはさすがのさと子も驚き、飛び退った。猟兵の間に、緊張が走る。
幽鬼のように眼光を光らせ、刀を失った戦国大名は……――猟兵達を未だ、睨みつける。
大成功
🔵🔵🔵
ディスターブ・オフィディアン
「ふん、何をどう勘違いしているのか知らんが。その信念、その欺瞞、このオレが暴いてやる」
フェイントを織り交ぜた遠距離攻撃の合間に、本命の叡智の灯を全力魔法+高速詠唱+属性攻撃で発動させ、巨大な鬼火を叩きつけてやる。
こいつが間違えるであろう問いかけは――そう。
「問おう。貴様の元に集った娘たちは幸せか?」
この吾妻上幹寿とやらは、おそらく彼女らの不幸を――己を見る目に籠る怨念に気付いていまい。
教えてやろう、このプロメテウスで。
「外れだ。無理に従えられているだけの怨霊が幸せなどであるものか。
貴様の信念は只の独り善がりよ、さあ己の過ちに焼かれるがいい!」
「ふん、何をどう勘違いしているのか知らんが。その信念、その欺瞞、このオレが暴いてやる」
と、ディスターブ・オフィディアン(真実を 暴く/葬る モノ・f00053)はその場にやってきて言った。
「……ふむ、では暴いてみせよ……戦いでな……!」
「……いいだろう」
ディスターブと、疲弊しきって巨大化も解けた戦国大名は、対峙する。
先に動いたのはディスターブであった。フェイントを織り交ぜた遠距離攻撃。
これを、戦国大名は正面から拳で殴って回避する。見切りは、しっかりと出来ていたようだった。
(ならば、やはりコイツを当てるしかない訳だ)
あらかじめ用意していた質問を投げかける、ディスターブ。
叡智の灯には、真実を間違える質問を投げかけなければならない。こいつが間違えるであろう問いかけは――そう。
「では、お前の真実を聞かせてもらおう……問おう。貴様の元に集った娘たちは幸せか?」
そう、ディスターブは問うた。コイツなら必ず肯定する、そう推し量って。
――だが。
「――そのようなことか。答えは否、だ」
「何ッ!?」
ディスターブは強く動揺した。まさか、そのような答えが返ってくるとは思っていなかった。
先程までの奴の様子ならば、絶対肯定するはず……そのはずの、質問だった。
「……何故だ」
思わず、真実を追い求めるディスターブは問いかけていた。
「何故? それは奇妙なことを言う。確かに幸せを願った末の肉林であった。
遊興を教え、稽古をさせた。そして楽しませた者に寵愛と褒美を与えた。
その家族には、十分な褒美を与えた。しかし、そこにまともな女子としての幸せなどあろうはずもない」
――あろうことか……大名は、そう答えたのだ。
……呆気に取られる猟兵達。これではあまりにも――あまりにも、違いすぎる。
そして、更に驚いたことに……――
「――……何ッ!?」
――ディスターブが放とうとしていた鬼火が、凄まじく燃え上がったのだ。
(……今……"今"、真実を、言わなかっただと!?)
不思議そうにその鬼火を眺める戦国大名に、ディスターブは当初の予定を思い直し、叫んだ。
「外れだ……さあ、己の過ちに焼かれるがいい!」
それを、戦国大名に向けて、放った。大名は抵抗することもなく、その鬼火に焼かれる。
「ぐおぉおおおあああああああ!?! ふ、ふふふ、はははははははは!!」
しかし、笑っていた。笑って、笑い尽くして。焼かれていく。
成功
🔵🔵🔴
時雨・零士
巨大化してるってんなら、宇宙バイクの機動力を利用して敵の側面や背後に回り込む様に走って敵を撹乱。敵の視線を切った瞬間の隙をついて【捨て身の一撃】を使った【カオス・ストライク】を叩き込むぜ!
それだけの巨体だと、足元や小回りは利かねぇだろ?宣言通り、渾身の一発を叩き込んでやるぜ!!
「……まだ、生きてやがんのかよ」
先の凄まじい火炎に焼かれて尚、その膝を折ろうとしない戦国大名。
感心したのか、呆れたのか。よくは分からないが、零士と大名は、対峙した。
「……くくく、もうじきこの身に満ちる悪しき力も尽きる。お前の相手をして、最後のようだな」
「そうか、なら……」
零士は、宇宙バイクに乗る。それを見た戦国大名は、最後の力を振り絞って、再び巨大化する。
「さあ来い、猟兵! 全てを出し切り、我を完膚なきまでに滅ぼしてみせよ!!」
「いっくぜぇえええええええ!!!」
宇宙バイクを急発進させ、零士は突撃した。
巨大化した戦国大名の、渾身の拳が零士を襲う。
――だが、間隙。零士はバイクを横すべりさせ、素晴らしいライディングテクニックでそれを回避。後方へと回り込み――
「コイツで――トドメだ……!!!」
バイクを蹴り、天高く舞い上がる。
自らの蹴りに混沌の魔力を集中させ……――その巨体を、蹴りぬく!!
――勝負は、一瞬で決まった。零士は着地し――大名は巨大化が解け、地に沈んだ。
「――……後悔もなし……是非もなし……――ここにただただあるは……幸、福よ……――」
そのような言葉を残して、戦国大名の身体は光の粒子となり……霧散した。
「勝った、のか」
零士は、その光景を見届けて、言う。半ば呆然として。
――しかし、彼は気づいた。木々の間に、女武者たちの姿があったのを。
彼女達が今までの怨念に取り憑かれた様子ではなく、穏やかな顔をしており、そしてこちらに一礼した。
――そして、戦国大名と同様に、光の粒子として、霧散した。
「――……俺たちの、勝利だ!!」
それを見届けた零士。今度こそ勝利を確信し、叫んだ。
針葉樹林に、猟兵達の鬨の声が木霊する――。
かくして、戦いは終焉を迎えた。いくつかの、謎を残して――。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 日常
『祭りだ祭りだ』
|
POW : 力仕事に加わる、相撲などの興行に参加する
SPD : アイデアを提案する、食事や飲み物を作る
WIZ : 祭りを宣伝する、歌や芸を披露する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「――猟兵の皆、お疲れ様だったのじゃ!」
――あの戦いより、数日後。エルナちゃんは祭りの会場で、猟兵達に叫んだ。
その顔は笑顔であった。しかし、少し眉が下がっていた。何か発表があるらしい。
「今回倒した、オブリビオンの戦国大名じゃがな。
詳しく調べてみると、どうやら前評判とは大分ちがっておったのじゃ」
それは、戦闘で見つかった謎についての回答であった。
――エルナちゃん曰く、たしかにあの戦国大名が寵姫を侍らせていたのは事実ではあるが、実情は若干違っていたようだった。
「どうやらあの大名、生活の困窮している百姓や町人の娘を、自主志願制で城で雇っていたようじゃな。
まぁ遊興目的ではあるものの、ある種公共事業的な側面もあったようじゃ」
他にも、農業の出来ぬ者たちのために針葉樹林を生い茂らせ、林業を進めたり、などしており――女好きという汚点はあるものの、立派に治世に努めていた大名の一人だったようだ。
外様大名の先祖がこの針葉樹林に目をつけ、悪者に仕立て上げて攻め込み、城を乗っ取ったため、記録が散逸していて探せなかったのだ、とエルナちゃんは釈明する。
「最も、今回怨念を抱き、奴がオブリビオンという世に仇なす存在となったのは事実。
故に、倒さねばならん敵になっていたのは確かなことじゃ。あちきらに、間違いはない。
じゃが、これを重く見たあちきは、外様大名にとある進言をしてきた」
また、何かを企んでいる顔になっていた。今度はなんだ、と猟兵達は思う。
「これから開かれる祭りの名を『幹寿祭』と題し、あの付き従っておった女武者たちと、戦国大名の魂を慰撫するための祭として、後世まで伝えるようにと。
ま、複雑そうじゃったが、聞き入れて貰えたわい」
――これについては、思うところがある者もおるじゃろう。と、エルナちゃんは言って、口の前に一本指を立てて、制する。
「じゃが、これは仕様のないことじゃ。確かに奴の行った行いを考えれば、それに足らないと考えられるかもしれんが、しかし怨念をそのままには出来ん。
再び復活することのないよう、できるだけ怨念を封じこめんとな?」
エルナちゃんはそう言って、ぐふふと笑った。
「さて、辛気臭い話は終わりじゃ! お前さんら!
こっからは、古き良き和の祭を楽しむチャンスじゃ! 盛大に楽しまねばな!」
と、エルナちゃんの号令により、猟兵たちは気分を切り替える。
そう、祭りだ。楽しまなくては。
「さあ、いくぞー! お前さんら! 祭りを、楽しむのじゃー!」
思えば、一番楽しみにしていたのは、このグリモア猟兵かも知れなかった。
人知れず、幾人かの猟兵が、その様子に笑ったかも知れなかった。
六道・紫音
オブリビオンの剣豪大名との戦が終わった時点で俺のやるべき事はなくなったが…あの剣豪を弔う手伝いはしてやろう。
・行動
まず、隠れた場所にはなるが剣豪大名の墓を作ってやる。
石碑に名を刻むわけにもいかんからな、 刀を突き立てるだけの簡素なものだ。
「お前の剣、確かに本物だった。
その太刀筋は忘れない、俺の剣の中で生き続けるだろう」
手を合わせ、冥福を祈る。
それから興行も行なおう、剣舞の披露だ。
型は手合わせで見た幹寿の太刀筋を再現することで、奴の剣を後世に伝えよう。
「俺の剣に奴は確かに生きている…然らばだ、剣豪」
剣で敬意を表す、俺に出来るのはそれだけだ。
(オブリビオンの剣豪大名との戦が終わった時点で俺のやるべき事はなくなったが……――)
と、紫音は、件の戦いがあった山中に居た。
(あの剣豪を弔う手伝いはしてやろう)
彼はあの鎧武者との戦いで、最後には折られた巨大武者の巨大刀――その原型たる刀を、持ってきていた。
一応、エルナちゃんというグリモア猟兵には、街中に石碑などを作る予定ではあると聞いた。
しかし、この場所が奴の死に場所である。石碑に名を刻むわけにはいかないが、その刀を突き刺した。
「お前の剣、確かに本物だった。その太刀筋は忘れない、俺の剣の中で生き続けるだろう」
手を合わせ、冥福を祈る紫音――その耳に、響く声が在った。
「――御主の剣は、破壊のために振るわれる――」
「……!?」
声は、こう続けた。まるで、言い聞かせるように。
「――しかし、破壊の先創造ありとも言う……ゆめゆめ忘れぬことだ――」
「……」
紫音は一瞬驚いたが、しかし。もう一度手を合わせ――
――そして。
(――奴が何を言いたかったのか――)
――紫音は祭りの中、舞台の上で、興行を行う。剣舞の披露であった。
型は鎧武者との手合わせで見た、あの幹寿の太刀筋。それを再現してのもの。
後世に、奴の剣技を遺すため――紫音は、一筋一筋を、再現しきってみせる。
(しかし、俺の剣に、奴は確かに生きている……然らばだ、剣豪)
結局の所、剣で敬意を表す、俺に出来るのはそれだけだ――紫音は、心の中で剣豪に別れを告げた。
大成功
🔵🔵🔵
エメラ・アーヴェスピア
武将相手に出遅れてしまったわ…
まぁ、解決したのなら良しとしましょう
さて、お祭りお祭り…
(実はお祭り好き)
へぇ、この世界のお祭りはこんな感じなのね
賑やかなのは嫌いではないわ
…あら、一部同僚さんも何かやるのかしら?
何か必要なものはある?私で良ければ作るわよ?
(必要な機械があればささっと【メカニック】で作ろうとします
出来るだけ世界観に合わせようとしますが、多少魔導蒸気機械になるのはご愛敬
必要が無いのなら普通にお祭りを楽しむ方向で歩き回ります)
※アドリブ・協力可
デナイル・ヒステリカル
僕のデータには、祭りには華があるべきだ、と記載されています。
だからここは一つ花火(擬き)を打ち上げましょう。
ユーベルコードを使用して機械兵器を召喚。【ハッキング】で砲撃内容を改編。
夜空に盛大な花火を咲かせます。
「たーまやー」
その一方で、少々思うところがある。
あのオブリビオンたちは、正確に後生へと伝承されなかった人だ。
「彼にも正当性は存在していた」
だからと言って僕のプログラムには、オブリビオンの行動を容認する余地は無いですが。
「少しの間、思考リソースを割くくらいはいいでしょう」
再び骸の海へと戻ったモノノフへ。
貴方の元で暮らしていた民は、幾世代を越え、こうして祭り囃子に笑みをほころばせていますよ。
「僕のデータには、祭りには華があるべきだ、と記載されています」
――だから、ここは一つ花火(擬き)を打ち上げましょう。デナイルはそう考え、機械兵器の砲撃内容を改編していく。
「あら、デナイルも何かやるのかしら? 何か必要なものはある? 私で良ければ作るわよ?」
と、そこへ武将との戦いには遅れたが、女武者たちとの戦いで魔導蒸気兵器を用いて奮戦していた、エメラがやってくる。
彼女のことを少しは見ていたデナイル。彼女なら同様のことをやれると思い、事情を説明した。
「へぇ、この世界のお祭りはこんな感じなのね、賑やかなのは嫌いではないわ」
彼女は即座にOKを出し、魔導蒸気兵器を調整し、花火を打ち上げられるようにしていった。
――そして、準備は整った。二人は、同時に起動させる
「たーまやー」
空に上る、火の花の大輪を見て。デナイルは満足げに呟く……――
――その一方で、少々思うところがある。
(あのオブリビオンたちは、正確に後生へと伝承されなかった人だ――)
デナイルは、かの鎧武者が悪者に仕立て上げられ、歴史の闇に葬られたということについて、思考を回していた。
「彼にも正当性は存在していた」
「かーぎやー……え?」
花火を眺めていたエメラは、デナイルの独白に反応する
「……いえ、今回の戦国大名、吾妻上幹寿の置かれた状況について、少しの間、思考リソースを割いた訳で」
――だからと言って僕のプログラムには、オブリビオンの行動を容認する余地は無いですが。デナイルは、そう念を押す。
エメラもその意見には同意するように、頷いた。
「そうね、オブリビオンは過去から侵略してくる存在だものね。理由がなんであれ、野放しには出来ないわよね」
「そういうことです」
――そう。オブリビオンである時点で、という前提がある。理由があろうと、その時点で彼らは既に世界の侵略者に違いないのだ。
故に、デナイルは再び骸の海へと戻った兵-モノノフ-へと、ただ一文。心の中で語りかけるにとどめた。
(――貴方の元で暮らしていた民は、幾世代を越え、こうして祭り囃子に笑みをほころばせていますよ)
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
プリンセラ・プリンセス
「……帝家の常として理解は出来ます」
なにせ数十人の兄姉がいるのだ。子沢山は王家の義務でもある。
だが兄姉は仲が良くても母親同士は違ったのも確かだ。
自分がそうなるかどうかはわからない。
「しかし、これが祭り……ですか」
プリンセラにとって祭りとは国の祭事儀礼の事で、こういった祭りは初めてであった。
「伝農様、この祭りはどうしたらよいのでしょう……?」
と、通りかかった伝農エルナに尋ねる。
「はぁ、買い食いに踊り、ですか」
買い食いは金銭に余裕がない。凋落王家としては仕方ない。
「では踊るといたしましょう。伝農様も一緒にどうですか?」
「何にも出来ない私ですが、宮廷作法としてダンスくらいは出来ますのよ?」
「……帝家の常として、理解は出来ます」
――なにせ数十人の兄姉がいるのだ。子沢山は、王家の義務でもある。
だが兄姉は仲が良くても母親同士は違ったのも確かだ。自分がそうなるかどうかはわからない。
女好きであった大名、吾妻上幹寿の行為をそう理解しつつ、祭りに望むプリンセラ。
「しかし、これが祭り……ですか」
プリンセラにとって祭りとは国の祭事儀礼の事であるからして、こういった古き良き和の祭り、という形は初めてであった。
「伝農様、この祭りはどうしたらよいのでしょう……?」
「んぁ? ああ、あんまり知識がないのじゃな。よぉし教えてやろうぞ」
と、通りがかったエルナちゃんに尋ねたプリンセラ。
――尚、あちきの名前は"ちゃん"までつけて"エルナちゃん"が正式名称じゃ、としつこく言われたことは関係ないので割愛する。
「――まぁ、というわけでじゃ。こういう祭りでは露天で買った食べ物を買い食いしたり、盆踊りという踊りを踊ったりするのじゃな」
「はぁ、買い食いに踊り、ですか」
プリンセラは考える――買い食いは、金銭的に余裕があるわけではない。凋落王家としては、この辺り仕方ない。
それでは――選択肢は一つしか無いも同然であった。
「では踊るといたしましょう。伝農様も一緒にどうですか?」
「ん、踊れるのかの?」
「何にも出来ない私ですが、宮廷作法としてダンスくらいは出来ますのよ?」
そう言い切ったプリンセラに――あー……と何か納得したような呆れたような声を漏らす、エルナちゃん。
「あの、つかぬことを尋ねるがの」
「はい、何でしょうか?」
「それ、もしや社交ダンスではないのか? まぁ、踊りには違いないけどの」
――ええ、そうでございますわ。そう応えたプリンセラに、エルナちゃんは「やっぱりか」とつぶやき、がっくしと項垂れる。
「そんなこったろうと思ったわい。盆踊りは正直、社交ダンスとはかけ離れているのじゃがのー……」
「えっ、そうなのですか? どういたしましょう……――」
悩むプリンセラ。これでは祭りを楽しむことができない。
しかし、エルナちゃんはそんなプリンセラの様子を見て、少し思案。そして、にひと笑顔をみせて、こういった。
「ん、こうなったら社交ダンスでもええじゃろ。どれ、あちきに付いてくるがよかろうぞ!」
「えっ!? で、伝農様は、一体何をっ!?」
手を引っ張られる、プリンセラ。エルナちゃんは構わず盆踊りの会場へ、彼女を引っ張っていった。
――そしてその数分後、盆踊りの会場にて、社交ダンスをほぼ完璧に踊って見せる猟兵が二人、存在していたという。
エルナちゃんが意外とダンスに詳しかった結果、プリンセラとエルナちゃんは町人のみならず、他の社交ダンスに詳しい猟兵にもそれなりに関心される腕前を見せたのであった――。
成功
🔵🔵🔴
アンナ・フランツウェイ
私は祭り会場の端の方で、祭りの様子を見ている。正直祭りを楽しめるような気分ではないし。でも食事や飲み物は買って少しは祭りに貢献したい。
思うのは大名の真実と、その大名へ向け自分が地獄へ落ちろといったこと。真実を知らなかったとはいえそのような事を言い、祈りを捧げなかった事に正直何故か腹が立つ。
「あの大名と、外様大名と私。どちらがオブビリオンなんだか…」
近くにエルナがいるならどう思っているのか聞いてみたい。
最後に私に出来る事として、大名と女武者達に祈りを捧げよう。私に出来る事は最早それぐらいしかないから。
「…せめて安らかな眠りを」
(アドリブ可です)
「……」
アンナは祭り会場の端の方で、祭りの様子を見ていた。
――正直、祭りを楽しめるような気分ではないし。アンナは、思う。
でも食事や飲み物は買って少しは祭りに貢献したかった彼女は、一応露天で売っていたタコ焼きと甘露水を、ちびちびと食べていた。
「…………」
それを食べながら思うのは――大名の真実と、その大名へ向け自分が地獄へ落ちろといったこと。
――真実を知らなかったとはいえそのような事を言い、祈りを捧げなかった事に、正直何故か腹が立つ。
「あの大名と、外様大名と私。どちらがオブビリオンなんだか……」
「なんじゃ、気にしておるのかの」
と、そこへやってきたエルナちゃん。アンナの目線が、彼女へと向く
「あ、エルナ……――」
「ちゃんつけろよ、デコ助――どれ」
隣に座って、焼きそばを頬張るエルナちゃん。アンナはそれをただ、黙ってみていた。タコ焼きは、少しつまみながら。
そして、一皿の焼きそばを食べ終わると、エルナちゃんは口を開いた。
「お前さんの言っとる質問に返答するならば、こうじゃ。オブリビオンは、あの戦国大名で間違ってはおらん」
「…………」
「じゃが……――必ずしも、オブリビオンの持つ理由が邪道とは限らん。正道からくる無念、それもオブリビオンとして食い物にされるということじゃ」
エルナちゃんから説明を受けて、アンナはわかったような、わからないような顔をする。
「……じゃから、そんな悲しいオブリビオンは倒してやるべきなのじゃよ。お前に止められて、アヤツは愛する民草の子孫を、この手で傷つけずにすんだのだ。感謝しておるだろうて」
「――……!」
そう言われて、アンナは気づく。少しだけ、救われたような表情になる。
そして、立ち上がった。
――最後に私に出来る事として、大名と女武者達に祈りを捧げよう。私に出来る事は最早それぐらいしかないから。
「……せめて安らかな眠りを」
その祈りを、エルナちゃんは微笑ましそうに見守っていた。
成功
🔵🔵🔴
ディスターブ・オフィディアン
吾妻上幹寿の墓所に神酒の入った徳利を供え、改めて『叡智の灯』を発動
「結局の所……お前は真に娘子や民の幸せを願い、そして『彼女らを不幸にしている』と思い込んでいた。
だが真実の所――彼女らは幸せであった。」
笑いと共に焼かれた吾妻上幹寿の姿を思いながら、墓に向けて問いかけ自ら答えます。
「お前はそれを知って満足できたか? ――きっと満足できたであろうな」
鬼火がディスーブを焼くか、焼かないか。あるいは語りえぬものとして消え去るかは、判断にお任せします
「そうだ。すべて真実は明かされねばならぬ。虚偽が真実を葬れば、死人たちも救われぬ。そうだろう村雨丸」
思わず死んだ親友の名を呼び、きまり悪そうに立ち去ります
「――結局の所」
夜の山中。刀が突き立っているだけの、吾妻上幹寿の墓所。
神酒の入った徳利を供えて、祈りを捧げるのは、ディスターブ。
墓前にて、改めて『叡智の灯-プロメテウス-』を発動し、彼はその墓に語りかけた
「お前は真に娘子や民の幸せを願い、そして『彼女らを不幸にしている』と思い込んでいた。
だが真実の所――彼女らは幸せであった。」
――笑いと共に焼かれた、吾妻上幹寿の姿。
忘れるわけもない、目の裏に焼き付いたようになっているその姿を思い、墓に向けて問いかけ、自答する。
「お前はそれを知って満足できたか? ――きっと満足できたであろうな」
鬼火がディスターブを焼くか、焼かないか。それを掛けての、自問自答であった。
――しかし、鬼火はディスターブを焼かなかったが、強くなりはした。それを見て、怪訝そうな顔を彼はした。
「――……ある程度の満足には至るが、満足はしきっていない、と。そういうのか……?」
鬼火を消し、ディスターブは考える。
考えて、しかし結論は出ない。出ないまま、その場をきまり悪そうに立ち去ることにした。
「――そうだ。すべて真実は明かされねばならぬ。虚偽が真実を葬れば、死人たちも救われぬ。
そうだろう、村雨丸……?」
そのディスターブの請うような問いかけに応えるものは……その墓所には、いなかった。
――彼の、第二人格も含めて。
成功
🔵🔵🔴
飯島・さと子
なんとも不思議な依頼だったのです
女子を虐げる悪徳大名!殺るっきゃない!と思いきや、それは偽りだったなんて
相手がオブリビオンだったからいいものの、さと子はもう少し世界を知らなければいけないのです
さと子は素敵なレディなので、それが出来る筈なのです
なのでごめんなさいをしないといけません
静かになった魂に、未成年なので甘酒で献杯です
さと子が向かって行っても、あなたは否定しなかったのです
言い訳をしないの、ちょっとカッコ良かったのです
反省ばかりではなく、お祭りも楽しみましょう
ガジェットでステージを作ってキュートボイスで歌いまくるのです
ポーンて花吹雪とかキラキラが舞い散って華やかで楽しい夜にするのです!
(――なんとも不思議な依頼だったのです)
祭りの盆踊りの舞台。その上に、ガジェットによるステージが出来上がり始めていた。
――女子を虐げる悪徳大名! 殺るっきゃない! と思いきや、それは偽りだったなんて。
もう少し世界を知らなければいけないと、さと子はそう思ったのだった。
(さと子は素敵なレディなので、それが出来る筈なのです)
――なので、ごめんなさいをしないといけません。
先程のこと。さと子は静かになった墓前に、未成年なので甘酒で献杯してきた。
(さと子が向かって行っても、あなたは否定しなかったのです)
――言い訳をしないの、ちょっとカッコ良かったのです。
そう思いを馳せて、さと子は造り上がったステージに上がった。
ポーンと、花吹雪とかキラキラが舞い散る。さと子がライトアップされる。
「はーい、さと子! 歌います! 華やかで楽しい夜にするのです!」
――そして、キュートボイスで歌いまくるのです!
さと子のライブが始まる。町人たちは戸惑いつつも、その歌声に聞き惚れていた。
大成功
🔵🔵🔵
紫洲川・珠璃
「さて、とりあえずひとまずのカタはついたけれど・・・(エルナさんの話を聞いて)成程、そういうことだったの。勝てば官軍とはよく言ったものね」
とりあえずこの手のお祭りごとで大したことができるわけじゃないけれど、簡単な飲食物なら作れないわけじゃないし、どこかで女給の真似事でもしようかしら、唄や芸といったガラでもないしね
「幹寿祭、つまり鎮魂祭のようなものということかしら。まあゆっくり眠ると良いわ」
慰撫するための祭りまでやるなら墓碑位あるでしょうから花の一つでも手向けましょう。
「さて、とりあえずひとまずのカタはついたけれど……――」
珠璃は先程エルナちゃんから聞かされた話を思い出しながら、言う。
「――成程、そういうことだったの。勝てば官軍とはよく言ったものね」
不憫な戦国大名の歴史が起こした、不毛な事件……――
――珠璃は今回の件をそう片付けて、祭りを手伝うことに思考を移した。
(とりあえずこの手のお祭りごとで大したことができるわけじゃないけれど、簡単な飲食物なら作れないわけじゃない、し)
唄や芸はガラじゃないと言い切る珠璃。祭りの舞台で、飲食物を配る仕事をしていた。
配っていると、町人からエールや感謝の言葉が送られる。あの戦いは、彼らの明日の糧を守ったのだ。
そして、あの戦国大名の名誉と、信念のようなものも。
「幹寿祭――つまり鎮魂祭のようなものということかしら。まあゆっくり眠ると良いわ」
――そういえば、山中に奴の墓があるはずね、後で花の一つでも手向けましょう。
珠璃はそう思いつつ、舞台を見る町人や猟兵に、団子などの軽食と甘露水のような飲み物を配っていった。
大成功
🔵🔵🔵
松苗・知子
お祭り作ってあげるほどの相手だったかしらねー。
まあ、エルナちゃんがやりたいってんだから協力しましょうか!
っていうわけで、スペースバイク(ビックスクーター風)にお祭りの宣伝のぼりを立てて近辺の村々を爆走しつつ、開催地とお祭りの由来(物語風)を書いたチラシを配って回るわ。宣伝活動ってやつね。
「はーい!イケメン限定で後ろに乗っけて連れてってあげるわよー!」
ついでに逆ナン活動ってやつね!素敵なお兄様が居たら、2人乗りでお祭りまでご案内してそのまま夜まで楽しむのよ。
今のお祭りも、なんかしら祀るものとか祝うものとか鎮めるものがあったかもって気がするけど。何とかなるかしらね。セットで祀られて頂戴ね。
「お祭り作ってあげるほどの相手だったかしらねー」
知子は疑問に思いつつ、ビッグスクーター風のスペースバイクを乗り、付近の村々を爆走して回っていた。。
――相手はオブリビオンで、多少情状酌量の余地があったとはいえ、ここまでするほどだったか?
至極最もな疑問であるが、グリモア猟兵たるエルナちゃんがやりたいと言っているのだ。
「まあ、エルナちゃんがやりたいってんだから協力しましょうか!」
開催地と、お祭りの由来たる吾妻上幹寿とその女武者たちのエピソードを物語風を書いたチラシを配って回っていた。
「はーい! イケメン限定で後ろに乗っけて連れてってあげるわよー!」
ついでに、そんな風な逆ナン活動も行う……が、こちらは一向として音沙汰なし。
そもそもサムライエンパイアの世界には、彼女のお眼鏡に叶う素敵なお兄様はあんまり居なかった。居たとしても、何かしら事情があったりで、どうにも捕まらないのだ。
(2人乗りでお祭りまでご案内して、そのまま夜まで楽しむ予定だったんだけどなあ。残念)
相手がいないのではどうしようもない。戦果なしなのは不本意だが、と祭りの会場へ戻るのだった。
――しかし。突然、知子のセンサーにビビッと、来た。
前方、祭りに行く男性が一人。なかなかの美形。
結構遠方から会場に向かっていたのだろうか。簡単な旅道具を背負っていた。滴る汗が、迸る色気を醸し出す美男子であった。
(ビ・ン・ゴ!)
すぐに隣へとバイクを走らせ、ゆったり並走する。
「お兄さん、これから祭りに行くのかしら?」
「あ、ああ。そうだけれど……?」
「良ければ乗っていかない? 安いわよー」
「それは、願ってもない。不思議な馬だが、同乗させてもらうとしよう。ありがとう、通りすがりの娘さんよ!」
「ううん、いいのよー♪ 乗って乗って♪」
知子はホクホク顔で男性を乗せると、会場までうきうきでバイクを走らせるのだった。
そうして、猟兵達のそれぞれの思いを遺しつつ、祭りは進んでいった。
――幹寿祭はこれからも続けられるのだろう。一人の戦国大名と、それに付き従う女武者達の魂を慰撫し、弔うために。
オブリビオンなどという、破壊者にならぬように……――。
成功
🔵🔵🔴