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ドルトムンド戦記Ⅵ~ドン・マーロンの野望~

#クロムキャバリア #ドルトムンド戦記

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#クロムキャバリア
#ドルトムンド戦記


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●クロムキャバリア・セプテム連合王国首都ダルディン マーロンカンパニー本社ビル
 レルゲン山脈の防衛戦線が突破され、そこからドルトムンド同盟国・リンドランド公国の連合軍は、強固なレルゲン高地防衛軍を迂回する形で、首都ダルディンに到達する。セプテム連合王国の主力をレルゲン高地に貼り付けにする為にも大軍を送り込むことはできなかったが、それでも十分であった。
 今回の目的は首都ダルディンを制圧し、早期講和を模索すること。そしてマーロンカンパニー総帥ドン・マーロンを確保、もしくは殺害すること。それが両国の戦略目的であったのだから。
「ドン、ドルトムンド・リンドランド両国のキャバリア部隊が首都に侵入しました。恐らく陥落は必至かと」
 マーロンカンパニーの本社ビルの最上階にて、戦況を見下ろす男。その室内に入り報告をした秘書を剣呑な雰囲気で見つめた後に、思案するこの老人こそがアレクサンドル・マーロン。『ドン・マーロン』と呼ばれ、一代でこのマーロン・カンパニーを多国籍軍需企業として成長・発展させた総帥である。
 その胆力は如何ほどばかりか。目下の都市に敵軍が侵攻をして戦闘を繰り広げているにも関わらずに、眉一つ動かしはしない。むしろ笑みを浮かべる余裕があるほどに、現実を見据え、状況を分析する力は企業のトップとしては英傑と言えるだろう。
「ふむ、セプテム首都防衛軍には少しは期待するとするかのう。念の為、『ユニコーン』は配備させておけ」
「了解しました……本当に脱出されなくてよいのですか?」
 その秘書の懸念は的を得ている。ドルトムンド・リンドランド両国の狙いはダルディン占領ではなく、ドン・マーロンの確保・殺害に絞られているのだ。
 絶対的支配者であるドン・マーロンを失えば、マーロンカンパニーは分裂が必定である。それほどの影響力があり、決定力がある人物は社内に皆無であるからだ。
「脱出? 逃げるのは息子達だけで十分であろう。老骨は夢の成就を見届けなければならんかのう」
 だがドン・マーロンは逃げる気などさらさらない。今まで非道な稼働実験を行い、オブリビオンマシンという精神汚染が顕著な代物を扱ってきたのは、ある『野望』の為であった。
 オブリビオンマシンをセプテム連合王国や各国に卸し、争いの種を撒いてきたのも、すべてはこの時の為。それをその目で見るまでは、ドン・マーロンは逃げる気も死ぬ気も一切なかった。

「『アレ』を起動させる。ちょうどよい、ダルディンを火の海に変えてやるとしようか」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「ついにマーロンカンパニー本社に殴り込みじゃのー」
 そう言いながらグリモア猟兵のメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は電脳ウインドウを開きながら、首都ダルディンでの戦況を説明する。
 レルゲン山脈を抜いたドルトムンド同盟国・リンドランド公国の首都攻略軍が、セプテム連合王国の首都防衛軍とキャバリア戦を繰り広げている。首都陥落は時間の問題ではあるが、問題は今回の目標であるマーロンカンパニーの総帥ドン・マーロンの動向だ。
「どうやら何か切り札らしき物を持っておるようでのー。僕の予知じゃと、首都陥落前にドン・マーロンを確保せねば、おそらくダルディンは壊滅するのー」
 それほどのオブリビオンマシンを起動してくる、というのがメイスンの見解だ。故に攻略軍と防衛軍のキャバリア戦をする市街地を突破し、早々にマーロンカンパニー本社を制圧せねばならないということだ。
 スピード勝負になる故に、市街地を突っ切ることになる。ドルトムンド・リンドランド両国軍は猟兵を知っている故に通してくれるが、セプテム連合王国のキャバリアは攻撃をして阻んでくるだろう。
「幸い王国軍キャバリアはオブリビオンマシンじゃないけー、そこまで強力ではないがのー」
 だがマーロンカンパニーにいるキャバリアはオブリビオンマシンという話だ。その本社までの道のりの妨害を突破して、ドン・マーロンを確保するのが目標となる。
 だがダルディンを火の海に変えるとも呼ばれるオブリビオンマシンの存在は不気味である。それを念頭にメイスンは猟兵達に依頼する。
「一連の元凶を刈り取るチャンスじゃけー、しっかり頼むのー」
 そう言ってメイスンは転移術式を展開する。三国のキャバリア軍と巨大企業のオブリビオンマシンが入り乱れる首都ダルディン。そこで待つ激闘を突破し、猟兵は終止符を打つべく乗り込む。


ライラ.hack
 マーロンカンパニーのドン、威風堂々と見下ろす。
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 今回はセプテム連合王国首都ダルディン攻防戦の最中、マーロンカンパニー本社にいる総帥ドン・マーロンの確保が目的となります。
 まずはドルトムンド・リンドランド両国軍とセプテム連合王国軍が交戦しているダルティン市街地戦を突破し、マーロンカンパニー本社へ向かいましょう。王国軍キャバリアは一般製なのでオブリビオンマシンほどの強さはありません。
 本社にはマーロンカンパニー製のオブリビオンマシンの他に、ドン・マーロンが切り札的な何かを持っているようですので油断されずに。

 この世界における注意事項は以下の通りです。

●クロムキャバリア世界について
 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
 どの小国家も主戦力はキャバリアである。また高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)」空を自由に行き来でない状態である。

 このシナリオは「ドルトムンド戦記」というキャンペーンシナリオになりますが、前のシナリオに参加していなくても問題はありません。お気軽にご参加ください。
 以上となります。一連のドルトムンド同盟国のオブリビオンマシン騒動も佳境です。猟兵の皆様の奮闘を期待しております!
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『日暮れの市街地戦』

POW   :    パワープレイ(強硬突撃、強引な突破、性能差を見せつけるなど)

SPD   :    スピードプレイ(高速機動、迂回戦術、側面攻撃など)

WIZ   :    頭脳プレイ(搦手、策を弄しての戦闘、トラップなど)

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●クロムキャバリア・セプテム連合王国首都ダルディン
 現在首都ダルディンは、激しい市街地戦が繰り広げられている。レルゲン山脈を突破したドルトムンド同盟国とリンドランド公国の精鋭キャバリア部隊が夕暮れ前に首都を強襲。
 それに対してほとんどの防衛戦力をレルゲン高地に配置していたセプテム連合王国は不意を突かれる形となった。残っている戦力は予備戦力として配置していたキャバリアと戦車・装甲車の混成部隊のみ。
「ここを突破されれば後はない。死力を尽くして防衛せよ!」
 だが首都を蹂躙されてはなるものかと、セプテム連合王国側の抵抗は激しい。もとより市街地戦は防衛側が圧倒的有利で、ビルや建物を破壊して遅延戦術に努め、その間にバリケートを築きつつあるのだ。
 一方のドルトムンド・リンドランド両国軍も数は多くはない。レルゲン山脈の戦力を破ったとはいえ、レルゲン高地の連合王国軍を張り付けるほどの戦力を残しておかねばならず、少数精鋭で首都攻略に挑んでいるのだ。
「敵の抵抗は思った以上に頑強です!」
「むう、このままでは……」
 そういうドルトムンドの攻略軍司令部の空気は重い。このままでは日暮れを迎え、夜となる。そうなれば夜陰に乗じて逃げる者も含まれるだろう。その中にはこちらが確保したいマーロンカンパニーの幹部達も含まれるかもしれない。
 そうなる前に突破しなければならない。セプテム連合王国防衛軍を突破し、マーロンカンパニー本社への道を切り開く為に、猟兵達は出撃する。
フレスベルク・メリアグレース
膠着状態にある中、突如不可視の攻撃によってセプテム側のキャバリアが損壊する
それと同時、今まで探知反応が無かった場所から白と黒の二種類に分かれた機械鎧を身に纏った聖騎士の軍勢が混成部隊を無力化していく
両国軍が観測したらわかるだろうが、それはとある強大な宗教国家の紋章を身に宿している

恐れる必要はありません!
マーロンカンパニーを弑するためにわたくし達が来ました

そこにドルトムンド・リンドランド両国軍の司令部の通信に、『メリアグレース聖教皇国』からの通信が入る
その通信の声の少女は、国家元首たる教皇猊下そのもの
認識不可の剣を応用したその御業で、連合王国軍を奇襲したのだ



 セプテム連合王国の首都ダルディン。そこで行われているドルトムンド・リンドランド両国軍との首都攻防戦は一進一退、実際は膠着状態に持ち込まれていた。
 両国の侵攻軍の大部分が今もレルゲン高地に貼り付けになっているのもあるが、予想以上にセプテム軍の予備戦力が奮闘していると言った方がいいのだろう。ここで首都占領をされれば、講和をしたとしても大幅な譲歩を引き出される。
 それを理解しているからこそ、何としても首都中枢を抑え込まれるわけにはいかないと全兵士が奮闘をしている。実際は両国軍がマーロンカンパニーの要人を抑えたいという狙いを末端兵士までは知らないのだ。
「なっ、なんだこれは!」
「うおおおおおおおおおお!」
 そんな膠着状態の中、首都防衛戦線の一つにて綻びが生まれる。突如としてセプテム連合王国のキャバリアが損壊しだしたからだ。
 銃撃もなく、どこからか狙撃されている様子でもない。それでもなお不可視の攻撃によって次々とキャバリアが戦闘不能状態に追い込まれていく状態にセプテム連合王国側は混乱の極致に陥る。
「おい見ろ、軍勢だぞ!」
 そしてその混乱の中で今まで探知反応が無かった場所から、白と黒の二種類に分かれた機械鎧を身に纏った聖騎士の軍勢が突如出現する。そして敵キャバリアを無効化した先から、戦車と装甲車の混成部隊を潰していく軍隊。
 それはドルトムンド・リンドランド両国軍でも、攻撃を受けているセプテム連合王国でもない、この周辺国家ではありえない紋章を纏っていた。それはとある強大な宗教国家の紋章であった。
『恐れる必要はありません! マーロンカンパニーを弑するためにわたくし達が来ました』
「これは……」
 そう唸るドルトムンド・リンドランド両国軍の司令部の人々。その通信を行い、正体不明の軍隊と攻撃を仕掛ける人物こそ、フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)。
 『メリアグレース聖教皇国』の国家元首たる教皇猊下その人である。そしてその通信の声の少女は高らか両国軍に協力する宣言を行う。
「まさかマーロンカンパニー関連で援軍を貰えるとはな……」
 侵攻軍の司令官がそう呟くのは無理はない。フレスベルクのメリアグレース聖教皇国とドルトムンド・リンドランド両国に国交はない。そもそも情報もないのだから、近隣諸国ではありえない。
 だがフレスベルクの能力「識に囚われざる竜殺者の聖なる邪剣(フェイタルペイル・ゲオルギウスブレイド)」による認識不可の青白き斬竜剣ヴォーパル・ソードによってセプテム側のキャバリアを破壊し、聖騎士団が戦車と装甲車を無力化していく。その様を見ていれば強力な援軍が来たことは疑いようはない。
「教皇猊下に遅れを取るわけにいくまい。我等も動くぞ!」
 そう言って両国軍がフレスベルクが空けた風穴から突破口を開く為に、集中突撃を敢行する。それは強烈に抵抗するセプテム連合王国側の防衛網に文字通り風穴となりうるものであった。
 フレスベルクはその間も不可視の攻撃を続け、機械鎧をまとった軍隊を指揮し続ける。その先頭に立って檄を飛ばす姿はまさしく戦乙女そのものであっただろう。
 まずは膠着状態にあった情勢が変化し始める。それはセプテム連合王国側が徐々に崩れるという、防衛側にとっては悪いニュースではあったが、戦局は動き始めたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【ガルヴォルン】
ひとまず量産機を借りてきましょう
出来ればセンサーや通信の性能がいいモノを

操縦技術では劣る私なので、後方で索敵と指揮を担います

借りた機体の電子頭脳に『コネクトテンタクルス』を接続し、情報解析を私の頭とダイレクトリンク
【異界の猟犬】を大量に市街に放ちます

影に潜む不可視の猟犬から送られてくる情報を、テンタクルス経由で解析
防衛軍や施設の配置、カンパニー本社へ向かう最適な進行ルートなどを算出し、仲間たちに伝えます
光学迷彩を駆使したり、施設破壊などして強引に通るルートでもお構いなし…ですよね、皆さん?

あとはその情報をもとに動く仲間の後をついていき、キャバリアの火器で援護射撃に専念ですかね


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】【POW】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗
※別称推奨、エルマは「ちゃん」呼び

一応レーダーで要人脱出の動きは探っておくけど
その上で優先してヤるべきは本社への肉薄だね
陽が沈む前に『全軍纏めて』ショートカットしたい所

敵機諸共バリケードを除去して突き進める様
【デブリ・メーカー】を自陣営に展開
向こうも必死だからこそ、早期無力化しないとね

設計通りなら誰でもナノマシンでカバーできるけど
錫華さん、反応速度の手応えはどう?

光学迷彩もあるから包囲網を掻い潜る強攻策も可能
いちごさん、その辺考慮でルート出してね♪

エルマちゃんは大規模戦初めてか
主に彼女を援護する形で弾幕を展開
いい感じさ♪


エルマ・ハインツェル
【ガルヴォルン】
自前のジェネムⅡ搭乗

マーロンカンパニー、色々真っ黒な巨大企業かー
リリー先輩と私からすると、ちょっと親近感覚えなくも無いかな?
ともあれ本社目指して頑張ろうっ!

【インセクトドローン】でリリー先輩や私の古巣のN.S.I.製の蜘蛛型無人兵器を市内に放つよ
小型といってもキャバリアからすればだから内蔵してる機銃やマイクロミサイルは対キャバリアにも有効だよ
建物内や路地、壁なんかも進めるから、伏兵や奇襲、情報収集となんでもござれ
情報収集は専門がいるから今回はいいけど
リリー先輩のサポートもあるし、これが大量に市内に侵入したら防衛線は何処まで維持できるかなー?
どうリリー先輩、私は役に立ってるかな?


支倉・錫華
【ガルヴォルン】
キャバリアはレンタル。

まずはあそこを突破しないと、か。
しかたない。幹部は首都攻略軍に任せよう。

後ろにリリー先生といちごさんがいてくれるのは心強いね。

お?これはリリー先生?
光学迷彩と……反応スペックもまだあがるのか。
これはありがたいかな。

ここまでしてもらって抜けなかったら、
リリー先生に改造手術してもらうしかなくなっちゃうね。

アミシア、エルマさんと離れすぎたらアラートよろしく。

あと、いちごさんの情報とドローンの動きをリンク。
こっちはドローンに乱されたラインに、
「楔、入れるよ!」

セプテム軍は巻き込まれなんだろうけど、手加減は無理かな。
コクピットに当てないことだけ気を付けておこう。



 首都ダルディンでの防衛線は混沌を極めつつある。ドルトムンド・リンドランド公国軍とセプテム連合国軍だけではなく、他国の軍隊まで介入してきたのだから当然であろう。
 それでも地の利はセプテムの防衛側にあると言わざるを得ない。都市戦闘は破壊さえ厭わなければ、強力な防衛ラインを築くことができる故に、セプテム側もなりふり構ってはいられない状況だ。
 だがそれでも猟兵達の突破力はセプテム側の想定の上を行く。あのレルゲン山脈を抜くのに力を尽くした猟兵側の精鋭部隊の一つ、私設軍事組織ガルヴォルンのメンバーが突入を開始がその合図となった。
「まずはあそこを突破しないと、か。しかたない。幹部は首都攻略軍に任せよう」
 ガルヴォルンのメンバーの一人、支倉・錫華(Gambenero・f29951)はドルトムンド同盟国から借り受けたキャバリアを操作しながら、セプテムの防衛ラインを観察する。並大抵では突破できるものではないのは、その戦力と地形を見てても容易に察することができる。
 だが錫華は今回も一人ではない。強力なサポートメンバーが後方で力を貸してくれる。先のレルゲン山脈攻略戦ではコックピットで一緒に奮闘した彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)もその一人だ。
「センサーや通信の性能がいいモノをお借りできましたが……」
 ドルトムンド同盟国の量産機でも期待に副うものを借りてきたいちごではあったが、操縦技術では他のメンバーに一つも二つも劣る。故に後方で索敵と指揮を担当し、今回の突破作戦を統括する。
 隣にはリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)のキャバリア「ナインス・ライン」とエルマ・ハインツェル(ナニカサレマシタ・f33269)のキャバリア「ジェネムⅡ」もいる。彼女達の戦力を活かすも殺すも自分次第ということで身の引き締まるいちご。
「ふんぐるいふんぐるい…、時を越えて追いかけ続ける我が眷属よ!」
 まずは借りた機体の電子頭脳にあらゆる機械に浸蝕し接続できる細い触手『コネクトテンタクルス』を接続し、情報解析をいちごの頭脳とダイレクトリンクさせる。その後に能力「異界の猟犬(ハウンド・オブ・コーナー)」を発動させる。
 異界生物たる不定形の影の猟犬が大量に召喚され、それをいちごは市街に解き放つ。破壊工作などはできないが、影に潜む不可視の猟犬からの目と耳から得られる情報は、テンタクルス経由でいちごの頭に送られていき解析される。
「マーロン・カンパニーに向かう最適ルートは……ここですね」
 セプテム防衛軍や陣地・施設の配置から、カンパニー本社へ向かう最適な進行ルートなどを算出するいちご。それを速やかに簡潔に仲間達に伝えていく。
 それは決して安全ルートとは程遠いものだ。だが、光学迷彩を駆使したり、施設破壊などして強引に通るルートでもお構いなしのを所望するのもガルヴォルンの愉快な仲間達というわけだ。
「…ですよね、皆さん?」
「さすがいちごさん、その辺も考慮したルート算出お疲れ様♪」
「マーロンカンパニー、色々真っ黒な巨大企業かー。ともあれ本社目指して頑張ろうっ!」
 いちごの働きに応えるべく、リーゼロッテとエルマが動き出す。エルマからすると先輩であるリーゼロッテを含めて、少し親近感覚えなくも無い企業である。
 だがこれ以上の被害拡大は許されざるということでエルマもさっそく能力「インセクトドローン」を発動する。先輩であるリーゼロッテやエルマの古巣のN.S.I.製の蜘蛛型無人兵器を市内に放っていく。
「小型といってもキャバリアからすれば、だからね」
 召喚された蜘蛛型無人兵器達はエルマの愛機「ジェネムⅡ」を基準に小型化している。つまり内蔵してる機銃やマイクロミサイルは対キャバリアにも有効な威力を発揮できるというわけだ。
 これを市内にその多脚で高速展開し、どんな地形をも踏破していく。建物内や路地、壁なども楽々進める故に、伏兵や奇襲・情報収集となんでもござれの頼りになる兵器群だ。
「エルマちゃんは大規模戦初めてか。なら先輩たるアタシが頑張らないとね♪」
 そう言って防衛線で戦闘を開始し始めたインセクトドローンを援護する為に、リーゼロッテは能力「Op.NULL:DEBRIS MAKER(デブリ・メーカー)」を発動する。その効果は自陣営に無機物・機械類の急速破砕・修復阻害能力を与えるナノマシンと光学迷彩フィールドを付与させる。
 自分の陣営、すなわちガルヴォルンだけではなくドルトムンド・リンドランド両国軍にもその効果は波及する。つまり対面して対抗している両国軍が、セプテム側の敵機諸共バリケードを除去して突き進める力を上昇させることになる。
「向こうも必死だからこそ、早期無力化しないとね」
 ナノマシンの効果を見ながら、ドルトムンド・リンドランド両国軍が押していくのをモニターで確認するリーゼロッテ。さらには後方を突こうするとするセプテム側のキャバリアを援護射撃で撃退するいちごのキャバリア火器の威力も底上げさせている。
 さらには頼もしい先輩のサポートも受けて、エルマのインセクトドローンも目覚ましい活躍を見せ始める。一撃で消滅するほど脆いが、それをカバーする数と急速破砕させる攻撃力、さらには光学迷彩も加わって圧倒的な波状攻撃となってセプテム側の防衛体制を崩していく。
「どうリリー先輩、私は役に立ってるかな?」
「いい感じさ♪」

「お? これはリリー先生?」
 そしてリーゼロッテのナノマシンと光学迷彩フィールドの影響は前線で防衛網を突破しようとする錫華のキャバリアも及ぶ。量産型キャバリアをまるで手足のように扱う錫華の技量は、セプテム連合王国のキャバリアを翻弄していた。
 だがその上に光学迷彩の援護も入り、戦車や装甲車の援護射撃も当たらなくなっていった。ナノマシンによる反応スペックの上昇に、錫華は軽い興奮を覚える。
『錫華さん、反応速度の手応えはどう?』
「これはありがたいかな。ここまでしてもらって抜けなかったら、リリー先生に改造手術してもらうしかなくなっちゃうね」
 リーゼロッテの通信に、獰猛な笑みを浮かべながら応える錫華。後ろにリーゼロッテといちご、エルマもいるという頼もしさを改めて感じつつも、キャバリアを無力化していく。
 ただし後方との距離を取りすぎてもいけないので、錫華のパートナーユニット「アミシア」に離れすぎればアラートが鳴るようにするのも忘れない。そしていちごから提供された情報と、エルマのインセクトドローンが乱した防衛ラインに果敢に突撃する。
「楔、入れるよ!」
 まるでエルマのインセクトドローンと連携リンクしたような動き。そして錫華のキャバリアから放たれるのは能力「モーターブーム」によるキャバリアの質量を乗せた一撃。その一撃だけで気セプテム連合王国のキャバリアが切断され、戦闘不能状態に陥る。
 コクピットに当てないことだけ気をつけているが、さすがに負傷は逃れられないだろう。セプテム側は巻き込まれたとはいえ、これもマーロンカンパニーを逃さない為に必要なことだ。
「こっちはさらに進撃する。リリー先生」
『一応レーダーで要人脱出の動きは探っておくけど、その上で優先してヤるべきは本社への肉薄だね』
 そう、錫華も突破口は作るし、リーゼロッテもマーロンカンパニーを一網打尽にすることも忘れてはいない。陽が沈む前に全軍纏めてショートカットさせるために努力しつつも、目標を果たそうとする。
 果たしてマーロンカンパニーがガルヴォルンから逃げきれるかはまだわからない。だがこれだけセプテムの防衛網をズタズタにし、さらに網のように張り巡らされる手から逃げきるのは容易ではないだろう。
 そしてドルトムンド・リンドランド両国軍は攻勢ラインを大幅に上げることに成功する。それはつまり、マーロンカンパニーへの道が切り開かれていくという証拠でもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
アイさんと

「ん、おっけー、アイさん。ここは力押しだね」

【ネルトリンゲン】を喚びだして、
アイさんの【シェイクスピア】と並んで、ゆっくりと飛んで行こう。
どうせ速度は出せないから、
【モーフィング換装】で装甲5倍、速度半分でいくね。
「【シェイクスピア】と戦術リンク。進路および火線、ホールド」

地上からの攻撃は、装甲の厚いわたしが前に出て、【シェイクスピア】の盾になるね。

攻撃は【M.P.M.S】を対地モードにして斉射していくよ。
まずはバリケードを狙っていこう。
それでも抵抗をやめないようなら、キャバリアの脚部を狙うね。

後は呼びかけかな。
「抵抗しなければ攻撃はしません。武装解除後は保護の用意もあります!」


アイ・リスパー
理緒さんと

「マーロンカンパニー本社まで到達せよ、ですか。
時間もないことですし、ここは強行突破と行きましょう」

【クラインの壺】で電脳空間に格納していた『機動戦艦シェイクスピア』を実体化。
殲禍炎剣に注意して首都低空を低速飛行してマーロンカンパニー本社ビルまで向かいましょう。

「地上から砲撃してくる敵部隊には、対地ロケットランチャーと対地ミサイルで反撃です」

制御AIオベイロンに命じ、索敵と地上攻撃を行います。

「オベイロン、理緒さんのネルトリンゲンにも敵データと進路データをリンクしてください」

低空飛行の邪魔になる障害物は大型荷電粒子砲とグラビトンレールガンによる攻撃で粉砕して直進です!



 セプテム連合王国は首都防衛ラインを維持するのに必死であった。レルゲン高地からの援軍到着に時間を稼ぐのは勿論、市民の避難誘導、首都機能の集中などをやるにも時間は必要であったからだ。
 ここで電撃的に首都ダルディンを陥落させられれば、待っているのは不利な講和条約締結である。そこからドルトムンド・リンドランド両国とは別の国家に飲み込まれるのは必至でもあることから、負けるわけにはいかない戦いであった。
 だからこそ防衛網に穴が開いたとしても必死に塞ごうとする。だがその無理な戦力集中は余計に防衛ラインを歪めていく。そこを突かない猟兵達ではない。
「マーロンカンパニー本社まで到達せよ、ですか。時間もないことですし、ここは強行突破と行きましょう」
「ん、おっけー、アイさん。ここは力押しだね」
 そう言って気軽に通信し合うのはアイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)のコンビだ。この防衛ラインにまともに付き合っていては時間がかかってしまうと判断したからだ。
 幸いアイの目からも防衛戦力が薄くなっている箇所が発見できる。そこで能力「クラインの壺(クライン・ボトル)」を発動させて、ブラックホールによって作られた特異点から電脳空間に格納していた『機動戦艦シェイクスピア』を実体化する。
「地上は手強いですが、空からなら大丈夫です!」
 アイはシェイクスピアに乗り込んで飛行を開始する。勿論、殲禍炎剣に注意して首都低空を低速飛行することも忘れない。
 そのままマーロンカンパニー本社ビルまで向かおうとするアイのシェイクスピアを、同じく収納して出して貰った理緒のミネルヴァ級戦闘空母「ネルトリンゲン」と共に進んでいく。二隻の宇宙戦艦が低空飛行する様は壮観ともいえる。
「ふざけるな! 撃ち落とせ!」
「シェイクスピアと戦術リンク。進路および火線、ホールド」
 だが地上のセプテム連合王国軍も馬鹿ではない。空飛ぶ巨大飛行戦艦を墜落させようと、キャバリアや装甲車からの対空攻撃が敢行される。
 それに対して前に出るのは理緒のネルトリンゲンだ。能力「モーフィング換装(モーフィングカンソウ)」を発動させることによって、速度を犠牲にすることで装甲を5倍に強化する仕様変更にしてあるからだ。
「どうせ速度は出せないからね」
 低速な上に低空を飛行しなければ、殲禍炎剣によって攻撃されてしまう。故にこの防御重視の戦艦が対空攻撃をうけながらも強引に突き進んでいく。
 そしてただ攻撃される理緒とアイではない。アイのシェイクスピアから対地ロケットランチャーと対地ミサイルが発射され、反撃と言わんばかりにセプテム軍のキャバリアや戦車・装甲車を破壊していく。
「地上から砲撃してくる敵部隊はまかせてください!」
 装甲の厚い理緒のネルトリンゲンが盾になっている間に、アイのシェイクスピアが敵部隊を撃滅していく。制御AIオベイロンに命じ、索敵と地上攻撃を行うことで効率よく敵を排除していく。
 だがバリケードなどの破壊しなければならない箇所があるとなればアイも理緒の手を借りることを厭わない。
「オベイロン、理緒さんのネルトリンゲンにも敵データと進路データをリンクしてください」
 そうして送られていくオベイロンの分析データ。それを元に理緒も敵の硬いバリケード地帯にミサイルランチャー「M.P.M.S」を対地モードにして斉射していく。
 バリケードを粉砕し、それでも足が止まらないとなれば、キャバリアの脚部を狙っていく。そうして施設と戦力を削ったところで、拡声器で呼びかける理緒。
「抵抗しなければ攻撃はしません。武装解除後は保護の用意もあります!」
 圧倒的な力を示して、セプテム連合王国側の抵抗力を奪ってからの士気をくじく作戦。それに止めを刺すべく、アイの大型荷電粒子砲とグラビトンレールガンによる攻撃が炸裂する。
 低空飛行の邪魔になる障害物を粉砕する目的で使ったものであるが、それが市街地に放たれれば被害が拡大するのは目に見えていた。この粉砕劇を見ていたセプテム軍は組織的抵抗をやめていく。
「よし、直進です!」
 その意気揚々のアイの号令と共にシェイクスピアは進み、理緒のネルトリンゲンも護衛するようについていく。このまま対空攻撃をしても落とせないこと、逆に被害が増えることなどを考えてセプテム軍は見逃すしかなかったであろう。
 幸いというべきか、自分達が守ろうとした区画とは別な方角に向かうのもあって、セプテム軍はそれ以上の反撃をすることはなかった。
 アイや理緒が向かう場所こそ、マーロンカンパニーがある本社。そこに至る道は今、切り開かれようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アルカ・スィエラ
行くわよ、ドラグレクス
あなたと私の、「敵」を滅ぼす為に

アルカ・スィエラ、『HMC-X00 プロトミレス』、出る…!

ドラグレクスに騎乗しての突破を試みる
敵機にはドラグレクスの咆哮(衝撃波)とブレスを牽制でぶつけ、
怯ませたところにUC【ステラ・プルウィア】で主に手持ち火器を狙う

……この後の「切り札」が都市ごと無差別攻撃とかしてくるのなら、最悪セプテムの兵には自衛させる必要があるかもしれないもの
(……闇霊の機体のように他機体使役型の可能性もあるのが悩ましいけれど)

とりあえず、こちらが突破できるだけの穴ができるならそれ以上は手出しを控える

……友軍が危険なら手助けぐらいは、するけど

※アドリブ歓迎です


西院鬼・織久
やはり人同士の争いと言うのは面倒なものです
刃を磨くためとは言え不殺は我等には堪えます
向かってくるのは構いませんが、餓えた我等が怨念に喰い殺されぬよう気を付けて下さい

【行動】POW
可能であれば事前に敵側の機体や戦略の傾向等を頭に入れておく
戦闘知識を活かすため五感+第六感+野生の勘を働かせ、瞬間思考力で敵味方の状況を把握し行動を予測

先制攻撃+影面の範囲攻撃で周囲に怨念の炎を撒き散らし触れた物を損耗させると同時に集中を乱す
影の腕の引き寄せ+ダッシュで敵陣に突入、爆破と炎で混乱している敵になぎ払い+範囲攻撃で損耗個所から切断
斬り落とせなくとも傷口から怨念の炎を侵入させ内部を焼き戦闘不能にして行く



 もはやセプテム連合王国の首都防衛ラインはズタズタに引き裂かれる寸前にまで追い込まれていた。もはや既存の防衛戦線を維持することは難しく、ドルトムンド・リンドランド両国軍の攻勢を受け流すのも無理が来ている状態である。
 このままでは夜を迎えるのも難しいというのが現状である。それでもダルディン守護の為に司令部が激を飛ばし、穴を塞ぐ為に現場の指揮官が奮戦を続ける。
 辛うじて戦線を持ちこたえている状態であるこの防衛ライン。戦車や装甲車、キャバリアも忙しく動く機動防御を展開する中で、アルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)と西院鬼・織久(西院鬼一門・f10350)は最後の一押しをする為に参戦する。
「行くわよ、ドラグレクス。あなたと私の、『敵』を滅ぼす為に」
 アルカはレルゲン山脈から突破し、ついにオブリビオンマシンの根拠地であるマーロンカンパニー本社へと近づく故に気持ちを抑えることはできなかった。「HMC-X00 プロトミレス」に搭乗しながらも、機械竜ドラグレクスを呼び、合体する。
 プロトミレスを核に機械竜ドラグレクスが合体し完成する大型のスーパーロボット「アルカレクス・ドラグソリス」が誕生し、セプテム連合王国軍へと向かう。マーロンカンパニーへの道を塞ぐのであれば蹴散らすのみである。
「アルカ・スィエラ、『HMC-X00 プロトミレス』、出る…!」
 そして次の瞬間、ドラグレクスの咆哮が轟くとビルを鳴動させる衝撃波が吐き出され、戦車や装甲車が吹き飛ぶ。そこにブレスを牽制でぶつけ、怯ませる。
 そこで混成部隊の連携を突き崩したところで、敵の中核となるキャバリア部隊へと目を向ける。そして能力「BS-BXステラ・プルウィア」を起動させる。
「全敵ロック……天より降り注げ、星の雨(ステラ・プルウィア)!」
 機体各部結晶から無数のホーミングレーザーが放たれ、セプテム側のキャバリア達に降り注ぐ。まさしく面から制圧する攻撃、アルカの容赦ないレーザーはキャバリアの主に手持ち火器を射抜いて戦闘不能にしていく。
 これはこの後のドン・マーロンの「切り札」が都市ごと無差別攻撃してくることを想定してのことだ。最悪、セプテム側にも自衛させる必要があるかもしれないので、完全破壊は控える形となったわけだ。
(……闇霊の機体のように他機体使役型の可能性もあるのが悩ましいけれど)
 だがその可能性は薄いとは思っているアルカ。実験機よりも最悪な機体が来ると思い、とりあえずこちらが突破できるだけの穴ができるならばそれ以上の手出しは控えていく。
 当然ドラグレクスを操縦して友軍が危険であれば手助けする必要があるかもとは思っているが、それは杞憂に終わる。アルカがカバーできない部分は織久が動いているからだ。
「やはり人同士の争いと言うのは面倒なものです」
 そう言ってため息をつきながらも、戦車や装甲車を容赦なく両断していく織久。刃を磨くためとは言え、不殺は織久達にとっては堪える作業のようだ。
 それでもこの先にいるオブリビオンマシンという獲物に対するメインディッシュが待ち構えているのであれば仕方ない。柄と刃が一体化した黒い大鎌の闇器「闇焔」を構え、吶喊する。
「向かってくるのは構いませんが、餓えた我等が怨念に喰い殺されぬよう気を付けて下さい」
 すでに他の猟兵から仕入れた敵側の機体や戦略の傾向等を頭に叩き込んだ織久は、アルカとは別方面の遊撃隊を叩く為に迅速に動く。戦車の砲撃や装甲車から放たれる銃撃にもすべての勘や感覚を総動員し、射線に入らないように動く。
 そして持前の戦闘知識と瞬間思考力で的確に動きながらも、闇焔を振るって装甲を刻んでいく。勿論中のセプテム兵を斬り裂くことはしないが、それでも破壊衝動は抑えることはできなかったのか、織久の攻撃は容赦はない。
「何人たりとも死の影より逃れる事能わず」
 そして能力「影面(カゲツラ)」が発動し、黒い影による範囲攻撃がセプテム連合王国軍のキャバリアのアンダーフレームに襲い掛かる。周囲に怨念の炎を撒き散らし、触れた物を爆破させて損耗させると同時にその機動力を奪っていく。
 影の腕で機体を掴み、それを引き寄せると共に織久が突撃する。爆破と炎で混乱している機体の戦闘能力を奪うように斬撃を叩き込み、戦闘継続能力を奪っていく。
「怨念の炎は危ないので触らないように」
 その炎は織久に宿る怨念と殺意が形となった黒い炎、呪詛の塊である。斬り落とし切ることができずとも、その傷口から怨念の炎を侵入させ内部を焼き、戦闘不能に追い込んでいく。
 そうやって織久単身でアルカが捉えることが出来なかったセプテム側の戦力を削り落としていき、アルカのドラグレクスはそのホーミングレーザーでセプテム勢を潰走に追い込んでいく。

 そして猟兵の猛攻に耐えきれず、ついに防衛ラインは崩壊を迎える。末端の兵士達が潰走を迎えることで、ドルトムンド・リンドランド両国軍が総攻撃を開始したからだ。
 これで猟兵達が手を下すとも、セプテムは防衛ラインを再構築しなおすしかなくなる。その隙はマーロンカンパニー本社を襲撃するには十分な時間だ。
 アルカや織久は他の猟兵達と合流し、マーロンカンパニー本社へと急行する。この争乱の元凶、ドン・マーロンの身柄を抑える為に。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『60式量産型キャバリア『ユニコーン』』

POW   :    密集狙撃陣形【ファランクス・シフト】
【防衛戦線を死守すべく敵を狙撃する仲間 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[防衛戦線を死守すべく敵を狙撃する仲間 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    武器切替即掃射【スイッチ・バースト】
【RS-AL-059 アサルトライフル 】から【弾幕】を放ち、【その威圧効果】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    虚空からの一刺し【ユニコーン・チャージ】
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【RS-SL-058 スナイパーライフル 】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ドルトムンド・リンドランド両国軍は猟兵達との連携作戦によって、セプテム連合王国の防衛ラインを突破することに成功する。セプテム軍は都市中央部の侵入阻止を諦め、首脳陣と市民が避難している区画を防衛するプランへと移行する。
 そしてその区画はマーロンカンパニー本社ビルは入っていない。つまりはセプテム連合王国軍に邪魔されることなく、マーロンカンパニー本社へと急行できることを意味していた。
 だが響き渡る爆発。それは首都防衛戦をするに至って繰り広げられたビルを破壊して防壁やルートを塞ぐ爆発。それはマーロンカンパニー本社周辺でも念入りに行われていた。
「隊長、すべてのルートのビル爆破完了しました」
「よし、これで迎撃態勢が取れるな」
 その報告を受けたのはマーロンカンパニー本社の防衛を請け負った私兵隊の隊長だった。隊員を含めて搭乗しているのは、60式量産型キャバリア『ユニコーン』である。
 既に滅びた国でかつて量産されていた狙撃機。他国に輸出もされ、中古が多く出回っているが、長銃身の主武装を角に見立て、『ユニコーン』と呼称されるキャバリアである。
「本社ビルまでは見晴らしのいい一本道。狙撃には絶好だ」
 そう、本社までのルートはすべて潰し、そこまでに至るのは大通りの一本道のみ。そこに配置されるのは、狙撃専門のユニコーンが各所に配備されている。
 これを突破するのは容易ではなく、一機ずつ潰していけば時間がかかりすぎてしまう。そして夜になれば、夜陰に乗じて脱出する隙を作ることになるだろう。
 ユニコーンの狙撃能力は夜でも落ちることはなく、大型ライトも照らされているので一本道は常に明るい。これを破るのは容易ではないが、ここを抜けなくて本社に到達することはできない。
 迅速かつ消耗も抑えつつ、このユニコーンのスナイパー通りを抜けなくてはならない。猟兵達の困難なミッションが始まろうとしていた。
アルカ・スィエラ
プロトミレスにそのまま搭乗
ドラグレクスには転移してもらい、一旦別れるわ

低空を推力移動、伏兵を知っていれば簡単に一撃貰うつもりはないし、

加えて生身での護身用遠隔武器『ステラリッパー』を展開、偵察させ
得た各種情報も含め判断し攻撃は見切って見せる
自身を機体と一部連動させたレプリカントの処理能力、舐めないで

こっちは極力攻撃せず回避と突破に専念
……姿さえ見てしまえば【XXX-01Dα ルクス・ソリス集束モード】。
遥か上空(うえ)に転移し陣取るドラグレクスからビームによる超精密砲撃を行う

高空からの砲撃に「何か」を連想するのは勝手だけど、邪魔するなら遠慮なく見つけ次第撃ち抜かせて貰うわ

※アドリブ他歓迎です


西院鬼・織久
避けて通れないなら押し通るまで
我等が血肉が流れれば、多少の足しにはなるでしょう

我等が怨念は底なし故に
我等が血を流すに値せねば手足の二、三本では済まさぬぞ

【行動】POW
先制攻撃+UCの影面に怨念の炎を纏わせ周辺を更に爆破
遮蔽物を作ると同時に怨念の炎を周辺一帯にまき散らす事で熱源を複数作り出しセンサーと肉眼を誤魔化す

本体は五感と第六感+野生の勘を働かせ、敵行動を予測し射線や射角を読みながら影面の爆破と怨念の炎、味方の機体の影を利用した残像を囮に進行
敵の標的を一箇所に絞らせずばらばらに行動させる事で個別、または少数に分けて夜砥で機体を捕縛、怪力で引き寄せ武装やセンサー、手足を切断して行く



 ドルトムンド・リンドランド・セプテムの三国を巻き込んだオブリビオンマシンの争乱。その元凶たるマーロンカンパニー本社に首魁たるドン・マーロンがいる。
 すでに首都防衛網は突破され、ドルトムンド・リンドランド両国軍が退路を抑えつつある今、脱出は容易ではないであろう。それほどまでに情勢は悪化しているが、すでにマーロンカンパニー側は迎撃態勢を整えていた。
 60式量産型キャバリア『ユニコーン』によるスナイパーキャバリア部隊を配置した、ストリートの一本道。敢えてこのルートを大々的に残し、早期決着を望む猟兵や両国軍を誘い込み、撃滅せんとする布陣である。
「避けて通れないなら押し通るまで。我等が血肉が流れれば、多少の足しにはなるでしょう」
「勇ましいわね。ドラグレクス、一旦転移をお願いね」
 そしてそんな完璧な迎撃態勢下でも西院鬼・織久は全く変わることはない。ユニコーンの狙撃陣形など何するものぞとそのストリートへと足を踏み入れていく。
 その様子をアルカ・スィエラはキャバリア「HMC-X00 プロトミレス」に搭乗しながら、呆れながら眺める。一旦機竜ドラグレクスから分離し、今度はプロトミレスのみでこのユニコーンの狙撃に挑むつもりである。
「我等が怨念は底なし故に。我等が血を流すに値せねば手足の二、三本では済まさぬぞ」
 漆黒の死神が疾駆する。織久は目にも止まらない速さで動き始め、まずは手始めと言わんばかりに能力「影面(カゲツラ)」を発動させて、黒い影を周囲に展開する。
 そしてそれに怨念の炎を纏わせるとユニコーンの狙撃が飛んでくる前に周囲を派手に爆破させる。爆炎が巻き起こると共に咄嗟に遮蔽物が生まれることによって狙撃に支障をきたすことに成功する。
「チッ、しかも炎で熱源センサーを躱す気か」
 ユニコーンに搭乗しているマーロンカンパニーのパイロットが舌打ちする。織久は遮蔽物を作ると同時に怨念の炎を周辺一帯にまき散らすことで熱源を複数作り出していた。
 そうすることでセンサーを攪乱し、肉眼においても怨念の炎が揺らめくことで視覚を誤魔化す。その隙を突いて機動するのが織久の生身を活かした超スピード機動である。
「一瞬の戸惑いが命取りですよ」
 その熱源攪乱を活かしてファランクス・シフトの裏を突くような機動を心がける織久。それはまさしく天性の勘にもよるもので、敵行動を予測し射線や射角を読みながら影面の黒い影を伸ばしていく。
 そして織久を捉える前に爆破と怨念の炎がユニコーンの機体を包み込む。その機体の影を利用して、己の残像を囮に前へと進む織久。
「くそっ、焦るな! よく狙え……!」
 だがその通信を言い切る前に織久がユニコーンのスナイパーライフルを持った機体の腕を切断していく。敵の標的を一箇所に絞らせず散らせることで、纏まって行動させることをさせない織久。
 そして個別・少数に湧けたところで闇器「夜砥」の糸で機体を捕縛し、怪力で引き寄せていく。そうした後で行われるのはユニコーンの解体ショーだ。
「伏兵を知っていれば簡単に一撃貰うつもりはないし」
 織久が攪乱行動をしている間にアルカのプロトミレスはスナイパー通りを低空飛行を敢行する。加えて生身での護身用遠隔武器『ステラリッパー』を展開、偵察させる。
 暴れている味方のおかげでスムーズに敵配置や各種情報を取得していくアルカ。それを元にしてユニコーンのRS-AL-059アサルトライフルからの弾幕を見切ってみせる。
「チッ、撃ち落とせ!」
「レプリカントの処理能力、舐めないで」
 アルカ自身をプロトミレスの機体と一部連動させたその能力はユニコーンの狙撃能力をもってしても簡単に捉えられるものではない。さらにアルカが極力攻撃せず回避と突破に専念することで、弾幕すらも潜り抜ける。
 そしてユニコーンの機体を目視することができれば、後は能力「XXX-01Dα ルクス・ソリス集束モード(ルクス・ソリス)」の出番だ。目標の空間座標を把握後、量子通信での誘導を行うアルカ。
「あなたの居場所はもう“見えている”……後はお願いするわ、ドラグレクス!」
 遥か上空(うえ)に転移し陣取るドラグレクスからビームによる超精密砲撃が敢行される。その上から迫りくる砲撃にユニコーン部隊は成す術がない。
 それはまるで無差別砲撃する暴走衛星「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)」のようであったが、低空飛行をするプロトミレスではなく、撃ち抜かれるのはユニコーン。だがアルカは容赦はしない。
「高空からの砲撃に『何か』を連想するのは勝手だけど、邪魔するなら遠慮なく見つけ次第撃ち抜かせて貰うわ」

 空中から敵を発見してドラグレクスからの砲撃でユニコーンを仕留めていくアルカ。さらに織久もそれに便乗して爆炎と影による攻撃を仕掛けていく。
 鉄壁を誇るユニコーンの防衛戦線に穴が穿たれる。それはマーロンカンパニーの総力を結集した防衛網の崩壊の序章であり、猟兵の猛攻の始まりを告げる合図となった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
【ガルヴォルン】

街ごと壊してまで守らないといけない何かがあるのか、
それとも別の目的があるのか、
どちらにしても正気の沙汰ではないね。

借りたキャバリアは、速度5倍、射程半分。
射程では勝ち目ないしね。

わたしは【天磐】を構えて最大速度で大通りを駆け抜けよう。

普通なら最悪手だけど、リリー先生といちごさん、エルマさんもいるからね。
みんなと連携すれば、こんな無茶も通るってね。

リリー先生の情報を元に相手を補足したら、
エルマさんのジェネム部隊に紛れて目標へ接近。

ん、これは……いちごさんの『援護射撃』か!
さすが召喚魔術師、こういうのは便利だね。

接近戦にもちこんだら【歌仙】で駆動部を斬りつけ、行動不能にしていこう。


エルマ・ハインツェル
【ガルヴォルン】

あーぁ、作戦終了後、何処がこの都市を管理するのか知らないけど、これは後始末が大変だね

狙撃機が配備された一本道、有効なのは確かだけど本当に派手に壊しちゃってまぁ
うーん、此処はインセクトドローンよりも、こっちのがいいかな
【キャバリアライズ】でジェネムⅡの大部隊を構築するよ
無人機だけど私が電脳で一括管理してるから連携は取れるし、一本道をジェネムⅡ隊に進撃させるよー
さぁーて、敵がジェネムⅡ部隊を殲滅するのが先か、それともジェネムⅡが敵を射程に捉えるのが先か、どっちかなー?
ビームライフル装備だから射程はそこそこで半端な遮蔽物は貫通するし、無人機だから味方の盾として使い捨ててもいいしねっ


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】【WIZ】
※アドリブ歓迎、別称推奨
※愛機搭乗
※エルマは「ちゃん」呼び

む、ルートが一本道?
バリケード壊しても近道は無理だし
進むとスナイプされそうだね

なら【マトリクス・メモリ】の使い所かな
コクピット内に出た仮想鍵穴へ装填
オペ50番【マトリクスドライブ・エアロ】開始
『霊魂の発生源』を再現…行ってきな、コジマっ

白鴉の霊が羽撃き夕空へ舞えば
超感覚でルートに潜む敵機を探知
解析後マップへ反映して仲間と共有

後は拡大・キャバリア化して斬撃波・鉤爪・火器類で支援
反撃は縮小・霊体化で回避…元・飼い主ながら器用さに関心♪
さて…エルマちゃんは物量で押し切れるし、
錫華さんを狙撃でお守りしようか、いちごさん


彩波・いちご
【ガルヴォルン】
※引き続き同じ機体を借りたまま

テンタクルスを使ったデータリンクは継続
一本道なら猟犬を放つ必要もなさそうですね
周囲の探査はリリー先生に一任、データリンクします

防御も最悪エルマさんの無人機を盾にできるので…
私は錫華さんの援護に動きましょう

敵スナイパーの潜伏場所を確認したなら
そこに向かう錫華機の視界をテンタクルス経由で私の視界とリンク
錫華機の周囲に異界からの射出口を生み出し【異界の魔弾】
私の機体の武装を異界を通して錫華機の周囲から顕現、援護射撃を行います
突然何もない空間から放たれる銃弾の雨の中で、錫華さんの攻撃は避けられませんよ?

という事を繰り返して敵スナイパーを排除していきましょう



「あのレルゲン山脈を抜いてきた連中だけはあるということか。本当に割が合わんな」
 ユニコーンの一機に搭乗するマーロンカンパニーの傭兵は深くため息をつく。このスナイパーが有利とも言える見晴らしにいい一本道の防衛線とはいえ、猟兵は猛威を振るっている。
 本来であればユニコーンの性能からすれば普通のキャバリアであれば鴨打ちである。それでもなお、この状況を平然と突破してくるのだから防衛側からすればたまらないであろう。
 だがそれでも傭兵として金を受け取っているのであれば仕事はする。さらにオブリビオンマシンであるユニコーンが攻撃精神を蝕み、撤退などの文字をかき消していく。
「む、ルートが一本道? バリケード壊しても近道は無理だし、進むとスナイプされそうだね」
「あーぁ、作戦終了後、何処がこの都市を管理するのか知らないけど、これは後始末が大変だね」
 「私設軍事組織ガルヴォルン」のメンバーがスナイパー通りに到着し、リーゼロッテ・ローデンヴァルトは重量級キャバリア「ナインス・ライン」に搭乗しつつも、状況把握に努める。そのユニコーンの狙撃態勢の危険性に真っ先に気が付いたのも彼女である。
 そしてエルマ・ハインツェルはその防衛線が敷かれるに当たって破壊されたビル群にため息を漏らす。このスナイパー通りを形成する為とはいえ、瓦礫の撤去と復興は大変な労力がかかると予想し、都市戦闘の悲惨さに顔を顰めるばかりである。
「狙撃機が配備された一本道、有効なのは確かだけど本当に派手に壊しちゃってまぁ」
「ふむ、なら【マトリクス・メモリ】の使い所かな」
 エルマはさすがに首都ダルディンの景観と機能が損なわれるのを惜しむも、戦略的には有効であることも認めている。量産キャバリア「ジェネムⅡ」に搭乗しながらも、英雄的に突っ込むのは愚策であることも理解している。
 だからこそここでリーゼロッテの出番だ。コックピット内に出た仮想鍵穴へ装填し、能力「Op.L:M.DRIVE [A](マトリクスドライブ・エアロ)」を発動させる。
「『霊魂の発生源』を再現…行ってきな、コジマっ」
 そして現れたるは生体コア実験用に改造された白鴉『コジマ』の霊である。この白い鴉は超感覚による広域探知の能力を持ち、強襲や斬撃波などの攻撃手段だけではなく、猛禽型キャバリアへの変身まで可能とする。
 その白鴉の霊が羽撃き夕空へ舞えば、超感覚でルートに潜むユニコーンの配置を探知していく。そして送られてきたデータをリーゼロッテが解析し、マップへ反映してガルヴォルンのメンバーと共有していく。
「さっすがリリー先生! 此処はインセクトドローンよりも、こっちのがいいかな」
 受け取ったデータを元に、エルマも動き出す。さきほどのインセクトドローンの物量よりも、質を選び能力「キャバリアライズ」を発動させる。
 自身が搭乗する量産キャバリア「ジェネムⅡ」の複製が生み出されていき、80機を超える大部隊が構築される。無人機であるがエルマの電脳で一括管理されているので、連携や作戦行動には問題はない。
「ジェネムⅡ隊、進撃開始!」
 エルマが号令すると、スナイパー通りをジュネムⅡ部隊が進撃していく。勿論ユニコーンもRS-AL-059アサルトライフルの弾幕によって盛大に迎撃射撃を敢行していく。
 だが物量というのは厄介で、ジュネムⅡも頑丈にカスタマイズされた機体である。さらにリーゼロッテのデータから狙撃位置も把握しており、防御や反撃も容易に行うことができる。
「さぁーて、敵がジェネムⅡ部隊を殲滅するのが先か、それともジェネムⅡが敵を射程に捉えるのが先か、どっちかなー?」
 そんなことをジュネムⅡ部隊の中心で守られながら進撃するエルマが呟く。その装備されたビームライフルは射程はそこそこあり、半端な遮蔽物は貫通する。
 故にある程度接近できればユニコーンといえども撃ち負けることはない。ジュネムⅡが1体が行動不能する間にユニコーン一体を撃滅すれば十分に割が合う作業である。
「エルマちゃん、物量で圧し切れそうだねぇ」
 白鴉の霊が拡大・キャバリア化して斬撃波・鉤爪・火器類で支援に回ったリーゼロッテは、白鴉からの報告を受け取りながらそう呟く。実際、無人機であるが故に自身の盾にも味方の盾にも使えるものだ。
 さらにリーゼロッテの白鴉が支援に回ることで万全の攻撃態勢を敷いている。ユニコーンの反撃は縮小・霊体化で回避していくなど、元・飼い主ながら器用さに関心する手際だとリーゼロッテは胸を張る。
「錫華さんを狙撃でお守りしようか、いちごさん」
 そう言ってエルマからは意識を外し、リーゼロッテと同じく後方でドルトムンド製の量産型キャバリアに搭乗している彩波・いちごに声をかける。あらゆる機械に浸蝕し接続できる細い触手「コネクトテンタクルス」を張り巡らし、キャバリアとのデータリンクを継続している。
 そうしてキャバリアに送られてくるデータをいちごの脳内に送り込んでいく。地形把握も完了し、一本道故に猟犬を放つ必要もないことから、周囲の探査はリーゼロッテに一任している状態だ。
「防御も最悪エルマさんの無人機を盾にできるので…私は錫華さんの援護に動きましょう」
 そしてスナイパー通りへと突っ込む、同じくドルトムンド製の量産型キャバリアを借り受けた支倉・錫華の機体の視界をテンタクルス経由で自身の視界とリンクさせるいちご。すでにリーゼロッテの偵察・解析からユニコーンの狙撃位置は把握している。
 錫華が狙い撃たれる瞬間、能力「異界の魔弾(ディメンジョン・シューター)」を発動させ、その機体の周囲に異界からの射出口を生み出す。そしてユニコーンの狙撃位置を爆撃する榴弾が発射されて逆襲する。
「ん、これは……いちごさんの『援護射撃』か! さすが召喚魔術師、こういうのは便利だね」
 これには錫華も感心しきりである。いちごの機体の武装を異界を通して錫華の機体の周囲から顕現、援護射撃を行うという芸当を可能にしているのだ。当然のことだろう。
 そしてその錫華も援護を受けて能力「脈動臨界チューニング(ミャクドウリンカイチューニング)」を発動させる。搭乗するキャバリアのセッティングを状況に応じてチューニングし最適のフレームに変形させ、速度5倍、射程半分に調整する。
「街ごと壊してまで守らないといけない何かがあるのか、それとも別の目的があるのか、どちらにしても正気の沙汰ではないね」
 そう言いながらもいちごの援護射撃を受けながら、最高速度で疾駆していく。いちごの異界からの射撃もあって、死角からの攻撃は気にせずに目の前の射撃のみに集中できるのはありがたい。
 さらに時折エルマのジュネムⅡの機体を盾にしながらも、巧みにユニコーンに接近していく。その手に持つキャバリア用ファンクションシールド「天磐」もあり、至近距離の射撃も防ぎきる。
「突然何もない空間から放たれる銃弾の雨の中で、錫華さんの攻撃は避けられませんよ?」
「みんなと連携すれば、こんな無茶も通るってね」
 いちごの通信を受けて、錫華も意気揚々とその期待に応える。射撃していたユニコーンはすでにキャバリア用の片刃の実体剣「歌仙」によって両断されており、コックピットからはパイロットが脱出を始めている。
 その攻撃終わりを狙撃しようとする別のユニコーンは、いちごが異界からの榴弾や砲弾を飛ばして妨害する。さらにエルマの物量部隊の投入や、リーゼロッテの白鴉によって徐々に制圧されていくユニコーン防衛戦線。

 ガルヴォルンのメンバーの連携はそれぞれが仕事をすることによって最大の効果を得ていく。それはユニコーンの狙撃や弾幕が目に見えて減っていることからも脅威の排除が急速に進んでいる証拠であった。
 その制圧速度も脅威的であり、ユニコーン部隊にとっても誤算であったであろう。時間稼ぎすらもさせて貰えない快進撃が続き、狙撃と迎撃の優位を切り崩していく猛攻は続くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フレスベルク・メリアグレース
では、再びこのユーベルコードを。
このユーベルコードを用いて騎士団の騎士一人一人に我がブルースカイを
キャバリアにもキャバリア規格として拡大変容させたソードを装着して認識不可の状態を付与する
一切の五感やセンサーが認識不可となるこのUCとユニコーンとは相性が良いと判断しました

とはいえ狙撃に気をつけるに越したことはないですね

隠密と奇襲の性能に長けたキャバリアに騎乗した狙撃手狩りの部隊も別働隊として行動させ、ユニコーンを無力化していく
一本道を進む本体も防壁の加護を用いて狙撃を防ぎながら進んでいきます

我が騎士たち、もうすぐマーロン社に付きます
心の準備を


玉兎姫・カグヤ
アドリブ連係歓迎

ふぅん……確かに陸路は完全に一本道ね、陸路は
なら空から突破させてもらうわ
どれだけ目がよくても、ご自慢の角は一本しかない
陸と空、両方を貫くことが出来るかしら?
いくわよ、ヴォルパーティンガー!

UCを発動し空を飛び
複雑な三次元機動を行ないながらマーロンカンパニー本社に向かう
相手は狙撃を諦めて弾幕攻撃を行なってくるだろうけど
狙撃を捨てた狙撃機なんて怖くないわ
火力と装甲はこっちの方が上
削り合いになった時点であなた達は負けているのよ
ユミハリヅキの一撃を食らいなさい!



 大規模攻勢によってスナイパー通りにおけるユニコーン部隊の戦闘を優位に進める猟兵達。それでもマーロンカンパニーに配置されたユニコーン部隊の多さは想像をはるかに上回る。
 それはマーロンカンパニーの資金力の高さを伺い知らせる物であり、オブリビオンマシンの研究を進めてきた結果でもあった。つまりここを潰すことは周辺諸国に流通するオブリビオンマシンを止めることにも繋がる。
 争乱を止める一手になりうることだが、それも容易ではない。ドン・マーロンを逃がしてしまえば他の国で悪だくみを始めるかもしれない懸念もある以上、ここで仕留めるのが最善である。
「その剣は聖にして邪なる存在。蒼白にして不可視の致命的。汝、その剣を従えると言うならば弾劾者たるを心得よ」
 その狙撃の危険が充満するストリートでもフレスベルク・メリアグレースは揺らぐこてゃない。クロムキャバリアの宗教国家『メリアグレース聖教皇国』の第十六代教皇として、援軍に来た両国軍に応える為に戦を始める。
 能力「識に囚われざる竜殺者の聖なる邪剣(フェイタルペイル・ゲオルギウスブレイド)」の発動により、認識不可の青白き斬竜剣ヴォーパル・ソードが1000本近く出現する。それを騎士団の騎士一人一人にヴォーパルソード・ブルースカイを授けていく。
「どうやらわたくしの能力はユニコーンとはユニコーンとは相性が良いようですね」
 キャバリアにもキャバリア規格として拡大変容させたソードを装着して認識不可の状態を付与するフレスベルク。一切の五感やセンサーが認識不可となるこの能力はすこぶるユニコーンの狙撃とは相性がいい。
 だがそれでも相手も狙撃のユーベルコードを使ってくるので何が決定打が鳴りうるかわからない状態である。それ故にフレスベルクも油断することはない。
「狙撃に気をつけるに越したことはないですね」
 そして指示を飛ばすのは、隠密と奇襲の性能に長けたキャバリアに騎乗した狙撃手狩りの部隊だ。元々の隠密行動に認識不可のヴォーパルソードが加われば百人力の状態である。
 それを別動隊として本隊とは別行動させ、本隊の機動上に潜むユニコーンを無力化していく。RS-SL-058スナイパーライフルで狙い撃たれる前に、敵を発見して奇襲をかけるという戦法だ。
「ふぅん……確かに陸路は完全に一本道ね、陸路は。なら空から突破させてもらうわ」
 一本道を進むフレスベルク本隊が防壁の加護を用いて狙撃を防ぎながら進んでいる中で、空が手薄となっている。そこを突くのが玉兎姫・カグヤ(ソラに手を伸ばす赫奕姫・f31102)だ。
 愛機たる兵器試験用キャバリア「ヴォルパーティンガー」に搭乗して能力「オーバーブースト・マキシマイザー」を発動させる。勿論、空からの殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)に引っかからないように低空飛行を心がける。
「どれだけ目がよくても、ご自慢の角は一本しかない。陸と空、両方を貫くことが出来るかしら?」
 目にも止まらない高速でビルの間を駆け巡るヴォルパーティンガー。白き妖精と化しながら、複雑な三次元機動を行いスナイパー通りを駆ける。
 その速度にユニコーンは諦めてRS-AL-059アサルトライフルによる弾幕射撃に切り替えて撃ち落とそうとする。だが狙撃手が狙撃を捨てて何する者ぞ、とカグヤはコックピットで笑う。
「狙撃を捨てた狙撃機なんて怖くないわ。いくわよ、ヴォルパーティンガー!」
 その弾幕にも勇猛果敢に立ち向かうヴォルパーティンガー。実際の火力と装甲はこちらに軍配があがり、真正面から全搭載武装の同時攻撃を叩き込んでいく。
 それでも複数機相手ならばという条件であるが、地上はフレスベルクの一団によって戦力を割かれている以上、カグヤを撃ち落とすには火力不足だ。つまり、削り合いになった時点でユニコーン側の敗北は必至だったのだ。
「ユミハリヅキの一撃を食らいなさい!」
 玉兎姫重工が開発した試作兵器のRSリニアライフル『ユミハリヅキ』が銃口から吐き出された弾丸が、ユニコーンを破壊していく。コックピットから辛くも脱出した傭兵達は降参の手を上げる。
 そうしてカグヤの空からの援護を得ながら、フレスベルクの一団も進む。別動隊が狙撃のユニコーンを破壊しながら進むその姿は、聖戦の行進であったという。

「我が騎士たち、もうすぐマーロン社に付きます。心の準備を」
 そう、マーロンカンパニーまであと少し。ユニコーンの防衛ラインを打ち破るまであと少しまで迫っていたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

菫宮・理緒
アイさんと

引き続き【ネルトリンゲン】で行動。

防衛に狙撃はいいけど、市民のこと何も考えてないね。

本社ビル以外壊すとか、ちょーっと怒ったぞ。

攻撃はアイさんに任せて、わたしは狙撃部隊へ攻性防御。

まずは【mist sprayer】を濃霧モードで噴霧。
周囲を霧で覆って目視での狙撃をできなくしたら、

「【E.C.M】最大出力で展開準備! 目眩まし……ううん、潰すよ!」
【全力魔法】の【E.C.M】で、相手のセンサーを破壊して、狙撃を不可能にしよう。

でもこっちのセンサーは生きてるから、ね。
「データリンクはそのまま。
熱源反応、シェイクスピアに全て送って!」

アイさんにエスコートされて、堂々と本社ビルに乗り込もう。


アイ・リスパー
理緒さんと

「いよいよマーロンカンパニーの目前ですね。
理緒さん、私が前衛で突撃しますのでサポートお願いします!」

理緒さんがECMで敵の目を潰した隙に、機動戦艦シェイクスピアの制御AIに命令を出します。

「シェイクスピア、人型形態へトランスフォーメーション!
【電脳機神】の力、見せてあげましょう!」

艦長席ごと機動戦車オベイロン内に収納され、戦車が小型宇宙戦艦と合体しパワードスーツに変形。
それを核としてシェイクスピアが巨大人型ロボットになります。

「この電脳機神の装甲、ライフル程度で抜けると思わないでください!」

ロボットの両腕を振り回し、無差別に敵を吹き飛ばしていきましょう。

「さあ、理緒さん、こっちです」



 ユニコーンが配備されたスナイパー通りをありえない速度で進撃していく猟兵達。もはや完璧と言えた防衛戦線は崩れ去り、配備されたユニコーンも多くが破壊され、傭兵達も投降を続けている。
 だがそれでも金を払われた以上、仕事をしなければという気概もあるのだろう。マーロンカンパニー本社ビル近くの最後の狙撃ポイントに集結したユニコーン達が猟兵達を迎え討たんとしている。
 狙撃で対抗するのもそうだが、単純な弾幕であっても勝負ができる数を揃えている。逆にいえばここを突破・粉砕できればマーロンカンパニー本社ビルへ阻む物は何もなくなる。
「いよいよマーロンカンパニーの目前ですね。理緒さん、私が前衛で突撃しますのでサポートお願いします!」
「了解……防衛に狙撃はいいけど、市民のこと何も考えてないね。本社ビル以外壊すとか、ちょーっと怒ったぞ」
 その最終防衛ラインに突入するのは、アイ・リスパーが搭乗する機動戦艦シェイクスピア。そしてその後を菫宮・理緒のミネルヴァ級戦闘空母「ネルトリンゲン」が続く。
 そしてそのネルトリンゲンの甲板で操作する理緒は憤慨していた。防衛の為に市民のこれからの生活をぶち壊していくマーロンカンパニーの手腕に手加減はいらないと狙撃部隊への攻性防御を行っていく。
「あの空飛ぶ棺桶を撃ち落とせ! 低速飛行ならば怖くないぞ!」
 そういってユニコーンの各部隊がRS-SL-058スナイパーライフルで狙撃ポイントから狙い撃とうとしてくる。それに対して理緒は高圧散水機「mist sprayer」でを濃霧モードで噴霧する。
 周囲を霧で覆って目視での狙撃ができないほどの濃霧を展開していく。正確なポイントでの狙撃ができなければ、巨大戦艦たるシェイクスピアやネルトリンゲンを撃墜することは困難に近い。
「【E.C.M】最大出力で展開準備! 目眩まし……ううん、潰すよ!」
 そして電脳魔術をフルに使った能力「E.C.M(イー・シー・エム)」を発動させる理緒。電波妨害装置からノイズジャミングとディセプションが放出され、ユニコーンの狙撃に関するセンサーを軒並み破壊していく。
 さらにオブリビオンマシンとある程度同調している傭兵達にも精神的ダメージを与えることに成功する理緒。そして電波妨害装置でユニコーンのセンサーを潰しても、ネルトリンゲンのセンサーは死んでいるわけではない。
「データリンクはそのまま。熱源反応、シェイクスピアに全て送って!」
 管制室から送られたデータは、理緒が電波妨害でセンサーを潰したユニコーンの所在。その破壊の熱源をそのまま感知した形になるが、分析結果をアイのシェイクスピアへと転送する。
 そして理緒のE.C.Mで目を潰されたユニコーンはもはや攻撃する暇などないほど混乱している。その隙に、アイは機動戦艦シェイクスピアの制御AIに命令を出す。
「シェイクスピア、人型形態へトランスフォーメーション! 【電脳機神】の力、見せてあげましょう!」
 発動するは、能力「電脳機神(グレート・シェイクスピア)」。艦長席ごと機動戦車オベイロン内に収納され、戦車が小型宇宙戦艦と合体しパワードスーツに変形していく。
 それを核としてシェイクスピアが巨大人型ロボットとなり降臨する。空飛ぶ棺桶と思っていたシェイクスピアが突如、キャバリア級の兵器となったのだ。ユニコーン側の衝撃は相当なものだあろう。
「この電脳機神の装甲、ライフル程度で抜けると思わないでください!」
 それでも歴戦の傭兵達が駆使するユニコーンはRS-AL-059アサルトライフルの弾幕で応戦しようとするが、アイの電脳機神はその程度で止まるものではない。ライフル弾を弾き返しながら、猪突猛進で突っ込む。
 そして接近してからのロボットの両腕を振り回しで、ユニコーンのオーバーフレームを悉く粉砕していく。その残骸を理緒がデータ送信した狙撃手のユニコーンの箇所に投擲して、適時潰していく。
「これで、終わりです!」
 正面のユニコーンをラリアットで吹き飛ばし、その機体が沈黙するとユニコーンの銃撃音は消え去っていた。それはつまりマーロンカンパニーのユニコーン部隊が全滅したことを意味していた。
 それを確認したアイは空飛ぶネルトリンゲンを見上げて手を振る。そして堂々と理緒をエスコートする。
「さあ、理緒さん、こっちです」
 理緒もまたアイのエスコートに導かれてスナイパー通りを悠々と進む。その先にあるのは、マーロンカンパニー本社。

 あれだけいたユニコーンの機体の残骸は猟兵達によって無残にも破壊され、スナイパーは軒並み排除された。それはつまり本社ビルへの道を阻む者はいなくなったことを意味する。
 すぐにドルトムンド・リンドランド両国軍もなだれ込んでくるであろう。だがその前に猟兵達が決着を付けなければならないと、総帥ドン・マーロンがいるであろう本拠地へと足を踏み入れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ネハシム・セラフ』

POW   :    天使の梯子
【自身が殲禍炎剣にアクセスできる状態 】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    廻転する炎の剣
【自身の翼から放たれた車輪状の炎 】が命中した対象を燃やす。放たれた【あらゆるものを焼き尽くす】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ   :    聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな
自身が【歌うような機械音を発し、翼が輝いている 】いる間、レベルm半径内の対象全てに【炎のように輝く翼】によるダメージか【機械音】による治癒を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は天音・優歌です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 60式量産型キャバリア『ユニコーン』の配置された狙撃のストリートを見事に突破した猟兵達。彼等の目の前には目指したマーロンカンパニー本社ビルがあった。
 ここに多国籍軍需企業の総帥たるドン・マーロンがいる。生死を問わずに身柄を確保することが条件となるが、その思考を強烈な地震が中断する。
 本社ビルを破壊するように地面が隆起し、ビルが倒壊していく中で現れる巨大キャバリア。白き翼を持つ全長20mを超える、規格外の巨大兵器が猟兵達の目の前に現れる。
「ほう、ついに来おったか。儂の野望を邪魔する輩が」
 その巨大キャバリア「ネハシム・セラフ」に搭乗し、コックピットから語り掛けてくるのはドン・マーロン本人である。これが本人の言っていた切り札というわけか。
 だが単なる飛行要塞系キャバリアであるならば、殲禍炎剣の絶好の的である。高速飛行すれば狙い撃ちにされ、低速ならば地上からの対空攻撃の的であろう。
「儂の野望がそんなチンケなものであるはずがなかろう。このネハシム・セラフはな、殲禍炎剣をコントロールすることを目的として開発されたキャバリアよ」
 この天使を模したキャバリアはその昔、殲禍炎剣をコントロールできないかと開発されたものだ。だがその開発元の国は殲禍炎剣をコントロールすることは出来ずキャバリアも暴走。
 開発した国を滅ぼし、機能停止するまで周囲に甚大な被害を与えた失敗作だ。だがその研究成果を手に入れ、ドン・マーロンは別のアプローチを考えた。
「完全な掌握ではなく、一時的な権限のアクセスのみに絞ったわけじゃ。今、ネハシム・セラフはこの首都ダルディン内であれば、高速飛翔が可能になる!」
 限定空間内での殲禍炎剣の攻撃対象を外すという権能を行使することに絞ったドン・マーロン。その試みは成功したようで、ネハシム・セラフは天使のような翼を広げて、空高く飛翔する態勢は万全のようだ。
 そして殲禍炎剣のサポートを受けることも一時的に使いこなすことが可能で、それを持ってドルトムンド・リンドランド両国軍はおろか、セプテム連合王国軍ごとダルディンを火の海にせんとする。だが今は眼下の猟兵達に視線が移る。
「まずは貴様等よ。散々邪魔をしてくれた礼をしてくれようぞ!」
 ネハシム・セラフはダルディンの夕暮れの空を飛翔しようとする。その高速の飛翔体は殲禍炎剣の状況下ではありえないほど、上空を高く舞い上がる。
 ドン・マーロンの野望を止めなければ、ダルディンはおろかこれから多くの戦火をまき散らすであろう。この男を止める為に、猟兵達は空高く君臨する白き天使に立ち向かう。
フレスベルク・メリアグレース
反転式生命礼賛・禁呪級帰天解放
この禁呪級帰天を制御して行使出来たのは、神子代理として全ての帰天を完全制御できるわたくしを除けば第八代教皇『真月聖』ウィルヘルム猊下のみ……!
全ての命を絶滅させる光を以て、無辜の命を脅かす悪を討つ正義の光……貴方に馳走してあげます、アレクサンドル・マーロン!

解き放つは『事故』の死
人類が運輸能力を持った発明を手にしてから普遍に存在する死を操るという事は、キャバリアに直接不調を与えられるという事!
キャバリアの機能不全を起こして敵のUCを発動阻止
その隙をついて光で出来たタイヤの群れがキャバリアを削っていく
さぁ、罪深き強欲の主よ。その命、空へと帰りなさい



 マーロンカンパニー総帥たるドン・マーロンは己の野望が成就しつつあることに感激を覚えていた。乗り込んだ巨大キャバリア「ネハシム・セラフ」のコックピットのモニターで首都ダルディンを睥睨しているだけではない。
 あの忌々しい殲禍炎剣がある限り達成できなかった高高度での高速飛翔を達成しつつあるからだ。あくまで首都ダルディンでの限定運用になるが、この技術を利用すればあらゆる戦場で優位に働くことができる。
「素晴らしい……これぞ儂が追い求めてきた光景よ」
 ある種の全能感に酔いしれるドン・マーロン。だがその野望はまだ果たされたわけではなく、猟兵と言う強力な存在がその野望を阻もうと立ち塞がる。
「反転式生命礼賛・禁呪級帰天解放」
 そう言って己に宿る禁呪を解放するフレスベルク・メリアグレース。それは『メリアグレース聖教皇国』の第十六代教皇にして『神子代理』に就任した矜持からでもあるが、今はセプテム連合王国首都の危機を救う為でもある。
 この禁呪級帰天を制御して行使出来たのは、神子代理として全ての帰天を完全制御できるフレスベルクを除けば第八代教皇『真月聖』ウィルヘルム猊下のみ。そして高速で飛翔するネハシム・セラフを凝視するフレスベルクは高らかに宣言する。
「全ての命を絶滅させる光を以て、無辜の命を脅かす悪を討つ正義の光……貴方に馳走してあげます、アレクサンドル・マーロン!」
「面白い、やってみせろ小娘!」
 そう言ってネハシム・セラフから歌うような機械音を発し、翼が輝き始める。炎のように輝く翼を纏い、炎をまき散らしながら本社ビル周辺を焼き尽くし始める。
 だがその炎に惑わされることなく、フレスベルクは能力「生命根絶司りし八の殲滅たるは絶滅の光(アハトリヒト・レーベンツァシュトーラー)」を発動させる。八属性の内、解き放つは『事故』の死だ。
「殲滅を司りし八の尖光を迸らせる!」
 そしてネハシム・セラフの巨体を絶滅の光が貫く。それ自体の攻撃力はたいしたものではないが、フレスベルクの攻撃は威力が本領ではない。
 人類が運輸能力を持った発明を手にしてから普遍に存在する死を操るという事は、キャバリアに直接不調を与えられるという事だ。それはオブリビオンマシンと化したネハシム・セラフでも例外ではなく、一時的に貫かれた部分の周辺が機能不全に陥る。
「なにっ!」
 ドン・マーロンが突如として機能不全に陥って炎のように輝く翼が消え去ったことに驚く。そして発動阻止の隙をついて、神騎『ノインツェーン』が生み出した光で出来たタイヤの群れを放つ。
 光輪が容赦なくネハシム・セラフの巨体を削っていく。それによってバランスを崩し、その天使のキャバリアの飛行に支障が出始める。
「さぁ、罪深き強欲の主よ。その命、空へと帰りなさい」
「小癪な……自己修復と軌道補正をせよ!」
 だがその攻撃も長くは続けれられない。歌が再開されると機械音と共に破壊された箇所の修復が始まり、再び炎をまき散らし始めるネハシム・セラフ。
 それをノインツェーンが華麗に避けることで何とか死地を脱する。だが教皇たるフレスベルクには、その巨大なオブリビオンマシンが消耗したのがはっきりと感じ取っていた。

 まだ戦いは始まったばかりである。そしてその先手を取れたことに満足し、フレスベルクは一旦、その炎の海から離脱するのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

彩波・いちご
【ガルヴォルン】
殲禍炎剣の掌握って…本当なら、厄介なんてものではないですね…

いずれにしてもあの高速機動、私の普段の技術では手が出ませんね…
仕方ありません、切り札を切りましょう
【異界の巨神】
邪神の力を、今乗っているレンタル機に座標を重ねるように召喚…巨神へと融合変化させます
その上で私もテンタクルスで巨神と繋がり、意図的に暴走
「コード・ザ・ビースト…天使を喰らえ…!」

敵味方の識別だけ失わないようギリギリで理性を残し
獣の如く劇的に向上した身体能力に任せて、錫華さんやリリー先生のカウントダウンに合わせて飛び掛かり、引っ搔きや噛み付きなどの荒々しい肉弾攻撃をぶつけていきましょう

私の意識がある限り…!


支倉・錫華
【ガルヴォルン】

殲禍炎剣に一時的にでもアクセス?
それだけのことができるなら、普通にドンになれたと思うけどね。

そこからなんで殲滅モードになるかな。
ま、だからこそのオブリビオンマシンか。

とはいえ、脅威なのは確か、って。
カウントダウン?これリリー先生から?

「アミシア、カウントシンクロ。90秒でケリつけるよ!」
『了解。エルマ機と戦術リンク。スラスター全開まで1.8秒。E.O.Dリミッター外します』

ネハシム・セラフが海ヘビに動きを封じられたら、
スラスターでジャンプして、電撃に注意しながらE.O.Dソードを叩き込もう。

その後は、いちごさん、エルマさんといっしょに、
反撃の隙を与えないように攻撃していくね。


エルマ・ハインツェル
【ガルヴォルン】

わぁお、すっごいキャバリアだねぇ
たださ、それ今この場を逃れられても時間切れや他に移動したら殲禍炎剣に墜とされないかな?
高速飛行可能なのは凄いけど、この首都限定なら結局は速度限られるよね?

リリー先輩、流石ですっ!
相対的にやること地味だけど、私もいくよー
殲禍炎剣喰らって高度と速度落ちたらウミヘビを巻き付けるよ!
殲禍炎剣のお次は【電撃攻撃】のデザートだよ!
高圧電流を流して……あ、組み付いてるの巻き込まれないように注意してね!
さーて、どの程度電流流せば殲禍炎剣アクセス機能壊れたり誤作動するかな?
ジェネムⅡの左手のウミヘビで電流流しながらぶら下がりながら右手のビームライフル撃ちまくるよっ


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】【WIZ】
※アドリブ歓迎、愛機搭乗
※別称推奨、エルマちゃん呼び

成程、ドンの自信はコレか…
『殲禍炎剣』の脅威はココの常識だしね

「ハイ!ですがお姉さま、ココはワタシが♡」

コクピット前方専用シート展開
ソコに愛麗絲が転移・接続

ああ、オブリビオンマシンなら効くね
仕方ないか…耐えてくれる?
「ハイ!悦んで…あぁぁっ♡」

オペ27番【コールアリス・インヤンオーダー】開始
『殲禍炎剣』制御等、敵権能を全停止♪

そして味方機コンソールにタイマー表示
この【100秒】が愛麗絲の限界
敵が『殲禍炎剣』から撃たれたら総攻撃

エルマちゃん、ナイス足止め♪
『ナインス・ライン』も全力射撃
錫華さん、いちごさん、火力宜しくっ



 首都ダルディン上空を飛行する巨大キャバリア「ネハシム・セラフ」。単純に飛行するだけではなく、高速で高高度を維持する光景は誰もが瞠目する出来事であった。
 突如現れた20m級の巨大キャバリアにドルトムンド・リンドランド両国軍やセプテム連合王国軍も手を止めざるを得ない。それほどの衝撃を与える光景だったと言わざるを得ないだろう。
 だがネハシム・セラフが与えるのは天使の祝福ではなく、無慈悲なる破壊である。殲禍炎剣の楔を解き放ったからこそ、オブリビオンマシンとしての本懐を遂げようとすることかもしれない。
「わぁお、すっごいキャバリアだねぇ」
「成程、ドンの自信はコレか……『殲禍炎剣』の脅威はココの常識だしね」
 量産型キャバリア「ジェネムⅡ」に搭乗したエルマ・ハインツェルと重量級キャバリア「MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン」に搭乗したリーゼロッテ・ローデンヴァルトがその光景を見つめる。二人の師弟コンビは正しく脅威を認識しようとしている。
 制空権を握るというアドバンテージはそれだけで脅威そのものとなりえる。そして自身だけが高高度を維持して高速飛翔できることは、まさしく首都ダルディン上空を制するに値するだろう。
「たださ、それ今この場を逃れられても時間切れや他に移動したら殲禍炎剣に墜とされないかな? 高速飛行可能なのは凄いけど、この首都限定なら結局は速度限られるよね?」
 エルマはそう分析する。確かにネハシム・セラフの権能は素晴らしい物ではあるが、あくまでその効果範囲は首都ダルディンに限られている。
 現状は首都上空限定なので、そこを離脱するような速度を出すことはできない。つまりは今の状態を拡張させなければ、その能力を最大限に発揮できないこということにも繋がる。
「エルマちゃんのいう通りだね♪」
『ハイ! ですがお姉さま、ココはワタシが♡』
 リーゼロッテも同様の結論を出しつつ、その通信に割り込んでくる第三者がいる。攻撃待機しているであろう彩波・いちごや支倉・錫華の声ではない。
 ナインス・ラインのコックピットが前方専用シート展開され、現れたのは元仙女のバイオロイド・愛麗絲(アリス)。中華テイストのメイド服に身を包みつつ、その表情は恍惚に彩られて転移召喚される。
「ああ、オブリビオンマシンなら効くね。仕方ないか…耐えてくれる?」
『ハイ! 悦んで…あぁぁっ♡』
 リーゼロッテが能力「Op.XXVII:CALL.ALICE [YY](コールアリス・インヤンオーダー)」を発動すると同時に、愛麗絲から嬌声が上がる。そしてコックピットから物理法則改竄用電脳太極陣『Y2ネクスト』が展開される。
 その能力は敵性オブリビオンが起点・触媒の各種権能類を無効化する。一日の時間制限があるとはいえ、『殲禍炎剣』制御等、敵権能を全停止させることに集中する。
「これは……ぐっ!」
 殲禍炎剣の制御権を失ったことを確認したドン・マーロンだったが、対処がやはり一歩遅れる。高速飛翔しているが故に、殲禍炎剣からのレーザー砲撃を受けたのだ。
 耐久力は高いネハシム・セラフと言えども、やはり殲禍炎剣の攻撃は痛烈だ。ただちに高速飛翔モードを解除して、リーゼロッテのY2ネクストの効果が切れる方向に切り替える。
「リリー先輩、流石ですっ! 相対的にやること地味だけど、私もいくよー」
 そして動きが鈍くなったネハシム・セラフに対して動くのはエルマのジュネムⅡだ。殲禍炎剣喰らって高度と速度が落ちた所を狙って能力「電撃攻撃(ウミヘビ)」を発動させる。
 巨大キャバリアさえも捕縛させるような大量のワイヤーを展開し、放出して巻き付けていく。そこから追撃と言わんばかりに放たれるのはワイヤーから流される高圧電流だ。
「殲禍炎剣のお次は、電撃攻撃のデザートだよ!」
 高圧電流を流しつつも、組み付いてるの巻き込まれないように注意するジュネムⅡ。ネハシム・セラフの装甲を潜り抜けて貫通していく電撃に破壊されていく内部に、解こうと暴れる巨大キャバリア。
 それでもエルマは決してワイヤーを離そうとはしない。殲禍炎剣アクセス機能を破壊、もしくは誤作動させるまで電流を流し込むつもりだからだ。
「エルマちゃん、ナイス足止め♪」
 そしてそれを援護するべく、リーゼロッテのナインス・ナインから持てるすべての兵器から集中射撃を敢行する。ミサイルと対物ライフルが容赦なく装甲を撃ち抜いていく。
 それに呼応するようにエルマのジュネムⅡも左手のウミヘビで電流流しつつぶら下がりながら、右手のビームライフル撃ちまくる。その間にも味方機コンソールにタイマー表示・愛麗絲の限界の100秒は減り続けている。
「殲禍炎剣に一時的にでもアクセス? それだけのことができるなら、普通にドンになれたと思うけどね」
「殲禍炎剣の掌握って…本当なら、厄介なんてものではないですね…」
 その猛攻撃に参戦するのが、満を持して出撃する錫華といちごであった。ドルトムンド製の量産型キャバリアに搭乗した二人はリーゼロッテが作り出した状況に便乗する形だ。
 殲禍炎剣の制御は凄まじいものがあるが、それを封じられれば今は空にいるデカブツである。ならば最大火力を持って粉砕するのが現在の私設軍事組織ガルヴォルンのやれることである。
「そこからなんで殲滅モードになるかな。ま、だからこそのオブリビオンマシンか」
 錫華の言葉に深く同意するいちご。普段であれば高速機動、高高度を維持できるネハシム・セラフ相手にいちごや錫華のキャバリアでは手も足もでないだろう。
 だがその脅威はリーゼロッテの愛麗絲によって封じられている。今も減り続けているタイマーの数字こそ、その攻撃チャンスの時間であり、時間制限のカウントダウンでもあるのだ。
「錫華さん、いちごさん、火力宜しくっ」
「リリー先生わかった。アミシア、カウントシンクロ。90秒でケリつけるよ!」
『了解。エルマ機と戦術リンク。スラスター全開まで1.8秒。E.O.Dリミッター外します』
 リーゼロッテの通信を受けて錫華は錫華のパートナーユニット「アミシア」の支援を受けてリミッターを解除する。短期間で決戦する為に出し惜しみすることはない。
 現在エルマの海ヘビで動きを封じられるのを見て、スラスターでジャンプする錫華の機体。勿論電撃に注意しながら放たれるのは能力「E.O.Dソード(エネルギーソード)」の一撃だ。
「この剣は受けられないよ!」
 エネルギーソード・ユニットを搭載した剣撃を繰り出してネハシム・セラフの装甲を斬り刻む錫華。鮮やかに刻んだところから飛んでくるのはリーゼロッテとエルマの援護射撃だ。
 反撃の隙を与えないように、小回りに動き回りながらE.O.Dソードを振るい続ける錫華。そして地上ではいちごが能力「異界の巨神(アウター・ギガンティス)」を発動しようしていた。
「仕方ありません、切り札を切りましょう」
 そう言って邪神の力を、今乗っているレンタル機に座標を重ねるように召喚するいちご。そこから巨神へと融合変化して邪神の眷属が変じたキャバリアと化していく。
 さらにいちごはその上であらゆる機械に浸蝕し接続できる細い触手「コネクトテンタクルス」で自ら巨神と繋がっていく。薄れゆく意識の中で、巨大な邪悪なる力ば暴走していくのを感じる。
「コード・ザ・ビースト…天使を喰らえ…!」
 意図的に暴走状態を作り出したいちごは、動きの止まったネハシム・セラフに喰らいついていく。敵味方の識別だけ失わないようギリギリで理性を残し、殺到するのは錫華が引き剥がし、リーゼロッテとエルマが破壊した箇所だ。
 獣の如く劇的に向上した身体能力に任せて、引っ搔きや噛み付きなどの荒々しい肉弾攻撃をぶつけていく。破壊箇所を抉るような邪神の行動はさらにネハシム・セラフにダメージを与えていく。
「おのれ……羽虫共が!」
「私の意識がある限り…!」
 最後の理性の砦を守りながら破壊活動に従事するいちごに、大いに舌打ちをするドン・マーロン。動きが碌に取れない上に、装甲を引き剥がされ、徹底的に破壊されていく。
 これでは権能が戻ったところで、重篤なダメージを受ける羽目になりかねないと判断する。実際にいちごと錫華の攻撃は脅威なのだ。
「やむを得まい!」
 そして最大出力でネハシム・セラフが空高く飛翔する。それは殲禍炎剣を受けるに十分な速度であったために即座に強烈なレーザー攻撃が飛んでくる。
 これにはエルマもジュネムⅡも離脱せざるを得ずにワイヤーを切り離す。ネハシム・セラフはその直撃を受けて翼の一つを大きく破損するが、それでも集中攻撃を止めることに成功する。

「時間切れか……でも結構やったね♪」
 愛麗絲のタイマーが0になったのを見て能力を解除するリーゼロッテ。それによって再びネハシム・セラフが権能を取り戻して高速飛行を再開するものの、その機体には大きな損傷が刻まれている。
 その損傷具合は並大抵では修理できるものではなく、四人の集中的な攻撃によるものだ。それはこれからその巨大なる天使を墜とすのには十分な手がかりになるのは言うまでもないだろう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

アルカ・スィエラ
合体しても有効じゃなさそうだし引き続きプロトミレスに搭乗状態ね

ある意味賭けだけれど、敵機が衛星攻撃の対象外ならその下も同様だし、
「自分の真下」に「衛星から攻撃」すればどうなるか解らない筈も無い

推力移動で低空を高速移動して相手の下を取るように動き、
隙を見てはライフルとランチャーで翼らしき箇所へ射撃、
向こうの攻撃はビームランチャーで迎撃を図り、相手の下から外れてもいいので回避を優先

真下から離れた私や友軍への攻撃を優先して機動の隙を見せればUCを

……殲禍炎剣の格好の的という事は、
「ルクス・ソリス」の格好の的でもある

多分奇襲が効くのは一度きり
なら、その一度で地へ墜とすまで……!

※アドリブ連携他歓迎です


西院鬼・織久
騒動もこれで終わりですか
生死を問わぬと言うなら堪える必要もないでしょう

餓えて渇えた我等が怨念の猛る様、とくと味わうがいい

【行動】POW
五感と第六感+野生の勘で敵味方を把握、戦闘知識+瞬間思考力で動きを予測

先制攻撃+UCで急接近すると見せ掛け、自由自在の軌道による残像と味方の砲撃などを利用したフェイントで敵UCを誘発
攻撃の軌道を見切りすれ違い様になぎ払い+早業、傷口から怨念の炎を継続して燃やす事で損耗させ少しずつ機能を低下させて行く

機能が低下してきたら夜砥を敵機から落とされないよう巻き付け損傷個所に串刺し、怨念の炎を流し込み内部を焼く
まだ動くようであれば損傷個所をなぎ払い+切断、抵抗力を削ぐ


アイ・リスパー
理緒さんと

「空中戦ですか、それならば負けません!
シェイクスピア、機動戦艦モード!」

電脳機神を機動戦艦形態に戻し、敵機と空中戦をおこないましょう。
戦艦のグラビトン・レールガンの威力ならば……!

「って、しまった、高度限界がっ!?
きゃああっ!」

敵機に釣られて高速で高度を上げたところを殲禍炎剣に撃ち抜かれてしまい、シェイクスピアから爆音が響きます。

「エンジンブロック大破!?
って、理緒さん!」

爆発炎上するシェイクスピアに近づいてくるのはネルトリンゲン。
理緒さんに助けてもらったら、【ツインドライブ】で理緒さんを援護です!

「理緒さん、私の演算能力を……全て使ってください!
ツインドライブ、全セーフティ解除!」


菫宮・理緒
アイさんと

さすが『ドン』ではあるけど、
これ以上はさせるわけにはいかないよ。

わたしはアイさんを援護していたけど、
だんだんと2機の高度が上がっていって、ついに警報が!

アイさん高度!

連絡しようとしたら、シェイクスピアから爆発が見えて……。

……!!

咄嗟に【フレーム・アドバンス】を発動。
シェイクスピアの落下を止めて、ネルトリンゲンを近づけたけど、

エンジンブロックが……これじゃ飛べない……
シェイクスピアごめん。アイさんだけでもっ!

なんとかアイさんを助け出して、こちらのブリッジに移ってもらったら、
手を繋いで【ツインドライブ】を叩き込もう。
「アイさんとのリンク、オールグリーン。2人の全てでお返しだよ!」



 フレスベルクの初撃、そして私設軍事組織ガルヴォルンの徹底的な連携攻撃。これによりドン・マーロンが搭乗する巨大キャバリア「ネハシム・セラフ」は大いに損耗を強いられていた。
 飛行能力・高度維持能力共に低下経過傾向にあり、さらに装甲や機体のダメージも激しい。自己修復能力も追いついていないほどの損壊を喰らっているのが現状だ。
 故にドン・マーロンは高高度を維持しつつ、高速飛翔をすることで敵の攻撃を受け付けなくする戦法を取る。安全な空からとにかく回復を狙おうとする、消極的な方法は猟兵達には隙に見えた。
「ある意味賭けだけれど、敵機が衛星攻撃の対象外ならその下も同様だし」
 アルカ・スィエラはそんなことを「HMC-X00 プロトミレス」のコックピットで呟く。合体しても有効ではなさそうなので、機竜ドラグレクスとは分離状態にある。
 その動きは終始して推力移動で低空を高速移動して相手の下を取るように動いている。追尾するように動くが、ネハシム・セラフとて「自分の真下」に「衛星から攻撃」すればどうなるか解らない筈も無い。
「姑息な真似を。墜ちろ!」
 だがネハシム・セラフも自身の翼から放たれた車輪状の炎で攻撃してくる。プロトミレスはそれを巧みに避けつつ、反撃のライフルとランチャー攻撃を翼と翼らしき箇所へ叩き込んでいく。
 高速機動同士で一進一退の攻防となるが、プロトミレスは回避を優先する。翼に当てることよりかは、車輪状の炎を反らす為にビームランチャーで迎撃して、ネハシム・セラフに喰らいついていく。
「騒動もこれで終わりですか。生死を問わぬと言うなら堪える必要もないでしょう」
 そしてアルカのプロトミレスが攻防を繰り広げる中で、本社ビル周辺の建物を飛び移りながら西院鬼・織久は移動している。己のすべての感覚を総動員して危険予測に努め、ネハシム・セラフの機動予定ポイントを割り出す。
 あの巨体で高速飛翔するのは反則級であるが、それでも首都ダルディンから外れることはない。つまり巨大キャバリア故に待ち伏せはしやすいと織久は踏んでいた。
「餓えて渇えた我等が怨念の猛る様、とくと味わうがいい」
 そうしている内にネハシム・セラフとプロトミレスがやり合っている先のビルへと到達した織久は能力「怨竜顕現(エンリュウケゲン)」を発動する。西院鬼の吸血鬼が血に宿していた竜の力が全身を覆い始める。
 そしてそのまま空へと飛翔し、ネハシム・セラフへと急接近を試みる。それを見てドン・マーロンは殲禍炎剣にアクセスし、能力を高めて迎撃態勢を取る。
「何ッ!」
 だが直線で来ると思った織久は自由自在の軌道による残像を残すフェイントでネハシム・セラフの攻撃意欲を挫く。そこにプロトミレスのライフルやランチャー射撃が飛び込んできて、ネハシム・セラフの機体が揺らぐ。
 織久は容赦なくその隙を狙いすれ違い様に素早い斬撃を叩き込んでいく。当然のように攻撃は見切りながらギリギリスレスレで機体を滑るように機動し、傷口から怨念の炎を継続して燃やす事で損耗させ少しずつ機能を低下させていく。
「……殲禍炎剣の格好の的という事は、『ルクス・ソリス』の格好の的でもある」
 そして織久の攻撃で出来た隙に便乗するように、アルカは能力「XXX-01Dα ルクス・ソリス集束モード(ルクス・ソリス)」を起動する。目標の空間座標を把握後、量子通信での誘導により出現した機竜ドラグレクス。
 高空に転移した機竜の口から超精密砲撃が放たれ、その翼を貫通する。狙いすましたように今までの損害箇所が顕著な部分を狙い、さらにネハシム・セラフの高度を落とすのが狙いだ。
「多分奇襲が効くのは一度きり。なら、その一度で地へ墜とすまで……!」
 その奇襲攻撃は成功と呼べるもので、翼を撃ち抜かれてさらに機体が誘爆を起こしてさらに高度が落ちるネハシム・セラフ。そこを狙いすましたかのように織久の闇器「夜砥」が巻き付けられる。
 無念の死を遂げた者の髪と血を撚り合わせて加工し砥上げた超極細の糸が機体を捉え、損害箇所へと怨念の炎を流し込み内部を焼いていく。さらに誘爆が広がり、翼の機能がダウン寸前まで行く。
「小僧如きが! 我が野望を邪魔するか!」
 だが激昂するドン・マーロンの意志を汲み取ってか、ネハシム・セラフは耐性を立て直す。織久と叩き落そうと翼を広げて扇ぐが、冷静に躱して損傷個所を夜砥の糸を束ねて薙ぎ払って切断していく。
 それでも抵抗力を削ぐことに終始した織久はプロトミレスに乗って、一時下がる。そうしたのは、強力な援軍がようやく到着したのが見えたからだ。

「さすが『ドン』ではあるけど、これ以上はさせるわけにはいかないよ」
「空中戦ですか、それならば負けません! シェイクスピア、機動戦艦モード!」
 首都ダルディンの交戦空域に現れたのは菫宮・理緒のミネルヴァ級戦闘空母「ネルトリンゲン」。そしてアイ・リスパーが搭乗する機動戦艦シェイクスピアだ。
 シェイクスピアは電脳機神を機動戦艦形態に戻し、ネルトリンゲンと共に艦隊砲撃へと移行する。ネハシム・セラフの高速機動も低下した状態であれば砲撃も十分に当たるようになっているので、アイと理緒はそれに負けないように集中攻撃を叩き込んでいく。
「おのれおのれおのれぇ!」
 野望を潰えさすわけにいかないドン・マーロンはネハシム・セラフに歌うような機械音を発し、翼が輝かせる。そして炎のような翼でシェイクスピアとネルトリンゲンと空中で迎撃態勢に入る。
 どちらが先に墜落するか、まさしく我慢比べとなる勝負である。だがネハシム・セラフは殲禍炎剣を限定コントロールし、高高度の飛行が可能になっている状態だが、二つの艦船はそうではない。
「アイさん高度!」
「って、しまった、高度限界がっ!? きゃああっ!」
 理緒が警報で気づくが、攻防が激しいのもあってタイミングが遅かった。アイがグラビトン・レールガンの発射態勢に入った所で、殲禍炎剣の衛星レーザー砲が放たれ、シェイクスピアとネルトリンゲンに被弾する。
 ネルトリンゲンは理緒が咄嗟に緊急回避モードにしたことで被弾を最小限に抑えることが出来たが、敵機に釣られて高速で高度を上げたシェイクスピアは殲禍炎剣に派手に撃ち抜かれ、爆音が響き渡る。
「……!!」
 それを見た理緒はネルトリンゲンを急速接近させて、アイの救助に向かう。幸い、すぐに墜落というわけではないのでシェイクスピアが持ちこたえているが、ネハシム・セラフの炎の翼の攻撃は続いている。
 その攻撃を受け続けたシェイクスピアがついに大爆発を起こす。エンジンブロック大破し、高度を保てなくなり撃墜は逃れられない状況だ。
「エンジンブロックが……これじゃ飛べない……シェイクスピアごめん。アイさんだけでもっ!」
「って、理緒さん!」」
 そう言ってギリギリまで墜落するシェイクスピアへと寄せる理緒のネルトリンゲン。それを見て、アイは咄嗟に寄ってくる戦艦に乗り移り、シェイクスピアを捨てる覚悟をする。
 爆発炎上するシェイクスピアが首都ダルディンのビルへと突き刺さり、大爆発を起こす。旗艦が落とされるのは痛かったが、ネルトリンゲンが無事であるならばまだ勝機はある。
「理緒さん、私の演算能力を……全て使ってください! ツインドライブ、全セーフティ解除!」
 そしてアイは能力「ツインドライブ」を発動する。アイの演算能力を共有することで理緒の能力を6倍まで引き上げて、結果的にネルトリンゲンの能力を向上させる作戦だ。
 だがアイの演算能力共有も時間制限はある。それに応えるように理緒もアイと手を繋ぎ、能力「ツインドライブ」を発動させる。
「アイさんとのリンク、オールグリーン。2人の全てでお返しだよ!」
 そして理緒はアイとリンクし演算能力を共有した後、ネルトリンゲンから出現した電磁波砲にすべての力を注ぎ込む。高度と速度が落ちたネハシム・セラフにそれを避ける術はなく、分子振動砲撃が突き刺さる。
 水分子以外も振動させ発熱させる、物理法則を歪ませるほどのマイクロウェーブ砲は損壊した翼から破壊していき、誘爆を助長させる。そして怨念の炎や他の爆発損害を巻き込んで、大規模破壊を巻き起こす。
「馬鹿な……この巨体が耐えきれぬだと!」
 それはドン・マーロンにしても意外なことであったであろう。単なるマイクロウェーブ砲であったならばこうはいかないであろうが、アイの演算能力も乗せた理緒の特大の電脳兵器が相手だ。
 万全の状態のネハシム・セラフならばともかく、損害の大きい状態で耐えきれるはずもない。やがて殲禍炎剣を制御しているシステムコンピュータも破損し、制空権をも失う羽目になる。
「野望、潰えるか……ハッハッハッ! よき夢幻であったわ!」
 そしてドン・マーロンが最後に見たのは宇宙から飛んでくる極大のレーザービームであった。空高く舞い上がったネハシム・セラフはそれを避けることも出来ずに直撃し、コックピットごと焼き尽くされる。
 ネルトリンゲンはネハシム・セラフの墜落に巻き込まれないように退避する。気を失ったアイを抱えるように電脳ウインドウを操作する理緒が見たのは、マーロンカンパニー本社へと墜落し大爆発・炎上するネハシム・セラフの姿であった。
「あれじゃもう……」
 ドン・マーロンは生きていないだろうと理緒は判断する。そしてマーロンカンパニーの象徴であった本社ビルが炎上していくのを見て、織久やアルカも野望の終焉を見届けたのだった。

 マーロンカンパニー総帥アレクサンドル・マーロンの死亡が確認されると、残るマーロンカンパニーの幹部連中の捕獲作戦の為に動き出すドルトムンド・リンドランド両国軍。
 ネハシム・セラフが破壊されたとなれば、もはや組織立っての抵抗はなく粛々と作戦は実行されるだろう。そしてその後は首都からの撤兵、おそらくはそこからの和平となりうるだろう。
 猟兵達は墜落した天使の機体の場所を見る。その老人が見た野望の結末、その行く末はおそらくまだまだその野望を追う者が増えるであろう未来。だがそれでも負けるつもりはないと、硬く決意するのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年06月21日


挿絵イラスト