集めて散らせ、命の華
「皆さん、集まっていただいてありがとうございます。」
グリモアベースに集まった猟兵たちに一礼したアトは、いつもの光を映さない目を向けてゆっくりと話し始めていた。
「今回のお話は少し厄介なもので、UDC組織が最優先対処事項(レッド・アラート)と指定するほどの事態です。
ですが、皆さんの心の準備が必要ですので、少しずつ説明していきますね。
まずは、こちらの資料を見てください。」
配られた紙には、手書きのイラストに説明が書かれていた。
どうやら浜辺に人が集まっていて、そこに何かが空から落ちてきた……ということが描いてある。
「少し前、UDCアースのとある浜辺に狂信者集団が集まり、儀式を行っていた結果……『何か』が落ちてきました。
その『何か』はそのまま広がり、浴びたモノは狂い、おかしくなってしまいました。
今言ったモノとは、人と物の区別なく、そこにあった全てのモノです。
つまり……集まっていた狂信者はもとより、浜辺の砂も打ち寄せる波も、です。
それらは全て、外宇宙から現れた『何か』……宇宙から降り注いだ色彩、外なる邪神と呼ばれるモノの破片のせいで、狂ってしまいました。」
次にアトが取り出したのは、何枚かの浜辺の写真のようだった。
それは近くから少しずつ引きながら写真を撮ったようで、そこに映っているのは……砂が波として海へ襲い掛かり、海の上を歩く人のようなものが集まり、それらの周囲を泡と水飛沫がそそり立って迷路となって取り囲んでいる。
「まず、皆さんに目指してもらいたいのは、この中心にいる人……のようなものたちの元へ行くことです。
自然現象すらも発狂していますからね、泡や水飛沫は壁となり、水は砕くこともできないほどの硬度を持ち、砂浜は揺らめき動きます。
ここでは固いものほど柔らかく、流動的な物ほど固まります……厄介なことに、それは伝播していきます。
つまり、油断をすれば、皆さんもそうなりかねません。
それらを掻い潜り、外なる邪神を宿してしまった人間を倒せば、元に戻せるはずです。
……ふふ、そろそろ写真を見ても、特に何も感じなくなった頃でしょう。」
悪戯っぽく笑うアトの手の上で、グリモアが光を放ち始める。
開いたゲートの先には……先ほどの写真で見た存在が、淡く不気味に輝きながら、時に蠢き、動くべきものがその動きを止めていた。
「心をしっかり持っていれば、皆さんなら大丈夫なはずです。
それでは、ご武運を。」
ヨグ
ヨグです、宇宙からの色……もとい、外なる邪神の物語をお送りします。
目で見えるモノが普段と違う性質の動きをする、それを楽しんでください。
なお、第1章は主に探索で、人のようなものとは基本的に遭遇しません。
第1章 冒険
『不思議な砂浜』
|
POW : 依頼なんて知るか! 俺は、私は、海で泳ぐぞ!
SPD : 全て拾えば問題ない。ゴミも含めて素早く回収
WIZ : 何かしらの方法で探索・探知
|
種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
尾守・夜野
(…よくわからんが行かないといけない気がする)
気づいたらよく分からない場所にいた
直前の記憶はないぞ
依頼の詳細覚えてないがとりあえず行かないと行けない場所だけは分かる
そんな感じだ
だがまともに進めてるかさえわからない
波が足場に砂が飲み込み踏み込んだ足は捻れ
皆(剣)や黒纒は物体としての境をなくし
己の境界すらもあやふやに
諸々混ざるのかも知れないが、そんなの最初から
何もわからないまま迷路を踏破しようとする
アドリブ歓迎
(※まだこやつに挑むときではないので一章だけの参加予定です)
ふらりと降り立った足がとぷりと沈み、そのまま体を呑み込もうとするのは、本来ならば地面である砂の浜辺。
そのまま立っていると沈んでいきそうな砂を蹴って海に足をつければ、まるで岩に乗ったかのように固い水面があった。
「……なんだ、これ……。」
尾守・夜野(墓守・f05352)の口から思わずこぼれる言葉も、当然といえるだろう。
常識で考えれば、水の上に立てるわけがない……ましてや、地面である砂浜の方が波打ち、飛沫が舞い上がるはずがない。
「行かないと……。」
しかし、そんな状況にも目もくれずに、尾守は歩みを進める。
目に映るものをそのまま受け入れ、かかる砂も払わずに進んでいく。
「行かなければ……。」
こう呟くのは何度目だろう。
立ちはだかる泡立つ波を避けたとき、踏み出した尾守の足が捻れていた。
「この、先に。」
それでも足は止めない……それが自身の使命だと、自身の存在価値だとして。
「先に……。」
止まらない足を、尾守の纏う服がふわりと揺れて重なった……気がした。
しかし、それすらも気にせずに足を進める。
「この先に……。」
……何がある?
それすらも曖昧だ……依頼の内容も、尾守の頭には残っていない。
あるのは、この先に行かなければいけないという、湧き上がる衝動のみ。
「行かなきゃ……。」
腰の剣、そして纏う服も、尾守の体と混ざりはじめる。
己と物の境界など、この奇妙な光の前では……いいや、それは最初からだったのか?
目に映り込む色彩は人や物との区別なく、それを見た遍くモノを狂わせるという。
「……行かないと。」
それが正しいとするならば、すでに尾守は……。
成功
🔵🔵🔴
アディリシア・オールドマン
……。うむ、話は聞いた。聞いたが、よくわからん。
とりあえず、なんだ。まっすぐ行って倒せばいいのか?
『アディ……。うん、あなたはそれでいいと思うよ』
ダフネも同意してくれたことだし、それでは行くか。
妙な場所だな。地面は柔く、海面は硬い。
そういえばそんなこと言っていたか。
まあ、わからんことは考えても意味がない。
沈むなら踏み越え、揺れるなら踏みしめて、頑丈なら乗り越えていく。
敵を見出すまで、ただ進めばいいのだろう。
『……アディは、単純で、素直な性根が、強みなんだよね。
狂気に吞まれて、殺戮しか考えられなかったわたしを、受け入れるくらい。
ほんと、純粋すぎて心配だよ……』
む? 何か言ったか? 『何にも』
「……うむ、話は聞いた。聞いたが、よくわからん。」
ゲートをくぐる前、全身金属鎧の下でそう呟くのは、アディリシア・オールドマン(バーサーカーinバーサーカー・f32190)。
「とりあえず、なんだ……まっすぐ行って、倒せばいいのか?」
『アディ……。』
アディリシアの疑問に答えるのは、鎧に宿った魂のダフネ。
蛮族の女王と呼ばれるほど、荒々しい性質の女性だったダフネだが、
『……うん、あなたはそれでいいと思うよ。』
「そうか。ダフネも同意してくれたことだし、それでは行くか。」
どこか、その言葉には少しの呆れと諦めが混ざっている気もするが、アディリシアは全くそんなことは気にせず、ゲートをくぐっていた。
「妙な場所だな。地面は柔く、海面は硬い。……そういえば、そんなことを言っていたか。」
重い具足で踏み出した足が砂に沈み、それでも慌てることなく水面に足を乗せれば、そこは岩のように固い海面。
常識に囚われていれば、その感触に意識を狂わされそうなものだが、
「沈むなら踏み越え、揺れるなら踏みしめて、頑丈なら乗り越えていく。」
アディリシアはそのようなことは考えない。
動かぬ海面がしっかりと自身の足を受け止めてくれるのであれば、ただそこを踏みしめて中央へと向かっていく。
「敵を見出すまで、ただ進めばいいのだろう?」
『本当に……アディは、単純で、素直な性根が、強みなんだよね。』
わたしの方が狂いそうだよ、とダフネは呟きかけていた。
奇妙な色彩を放ちながら煌めき揺らめく砂が、こちらを呑み込もうと波打ってこようと、軽く躱すのみで進むことをやめないアディリシアに、
『まるで、荒れた海岸で波を避けながら進んでいる。ただそれだけのようだよね。』
「うむ、何一つ違わないな。それが、砂か水かが違うだけだ。」
『そう……だね。』
返ってくるのは、やるべきことのために他の思考を全て捨て去る、まさにバーサーカーの思考。
考える必要はない……必要なのは、中央へと進むための道を見分けるだけだ。
『ほんと、純粋すぎて……まるで昔の私を見ているようで、心配だよ。』
「む? 何か言ったか?」
『いいや、何にも。』
「そうか。」
言葉の通りに受け入れ、足を止めることはない。
その迷いのない足取りに、ダフネは内心で言葉を続けていた。
『狂気に吞まれて、殺戮しか考えられなかったわたしですら、受け入れるくらい純粋で……しかし、そこが良いところなんだろうね、アディの。』
大成功
🔵🔵🔵
アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。
情報収集が必要なら他の猟兵の手の回らない所に赴き集めて聞き込みをしてからメイン参加者に渡し、足止めが必要ならガラスのラビリンスを展開し、一般NPCがピンチなら白馬の王子様で救出…みたいな手の足りない所に何故か居るみたいな感じです。
説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?
ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
武器はリボルバー銃メイン。
「手伝いが必要かい?
「この程度なんて事はないさ
「君は君のやるべき事を
「ふーむ、変わった場所ではあるな。」
目の前に立つ、動かない水飛沫をのぞき込みながら呟く、アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)。
奇妙な光を放つそれに手を伸ばして触ってみれば、岩壁を撫でたような質感で、
「けどまぁ、ルールさえ解れば単純な場だねぇ。……っと、」
壁となった水飛沫から横を覗けば、砂が波となってアランを呑み込もうと向かってくる。
すぐに水飛沫の影に入れば、そのまま砂の波は砕け、光を放ちながら滴り落ちていった。
「濡れるのもあまり好きじゃないが、砂を被りたくはないからねぇ。」
改めて覗けば砂が引いている。
その先からは、人の話し声が響いていた。
「さて……この先かね、狂信者たちの居る場所ってのは。」
アランが帽子を被り直して足を進めた時、自分が影に包まれた事に気がつく。
それは見上げるほどの砂の波で、
「やれやれ、素直に進ませてくれないねぇ……君は彼らを守っているのかい?」
透明なガラスの壁に阻まれた砂に語りかけても、奇妙な光を発するばかり。
「まぁ、答えは期待してないけどね。」
そのまま振り返れば、複数の人影が海面に立っている。
「君たちも光に好かれたようだね。それとも……好かれてしまったからここに集まったのかい?」
どちらでも構わないがね……とアランはリボルバーを抜いて構えた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『さ迷う人々』
|
POW : 【自動発動】嫌だ!死にたくない!死にたくない!
【あらゆる手段で人目に触れ己の不死性】を披露した指定の全対象に【不死の秘密を探りたい。眷属になりたい】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
SPD : 助けてくれ!いきなり襲ってきたんだ!
レベル×1体の【一般人の警察官、自衛隊、警備員等々】を召喚する。[一般人の警察官、自衛隊、警備員等々]は【秩序・正義・法】属性の戦闘能力を持ち、十分な時間があれば城や街を築く。
WIZ : あぁ共に神の…
【助けに来た人、不死を求める人】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[助けに来た人、不死を求める人]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「お、お前たち……何で、ここに。」
その奇妙な人影は、猟兵たちの姿を見て怯えたような声をあげていた。
「俺たちは、やっと死に打ち勝てたと思っていたのに。」
「お前たちは俺達を殺せるようだ。」
「俺たちは、死にたくない。」
「お前たちは俺達に殺されるんだ。」
そのとき、猟兵たちの背後に足音が響いた。
「おや、ここは……?」
振り向けば、奇妙な光を放つ水飛沫の中から、この地の封鎖に当たっていた自衛官たちが現れる……そして、奇妙な人影は叫んだ。
「助けてくれ! いきなり襲ってきたんだ!」
「なに? 止まれ! 止まらんと撃つぞ!」
光に目が眩んだか、誰か解らなくなっているのか……自衛官たちは、猟兵へと銃を構えていた。
四王天・焔(サポート)
『こんにちは、焔だよー。』
妖狐の人形遣い×ガジェッティアの女の子です。
普段の口調は「無邪気(自分の名前、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、家族には「甘えん坊(自分の名前、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で感情の起伏が激しい性格の少女、
武器はからくり人形とドラゴンランスを主に使います。
植物、特に花が好きです。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
アディリシア・オールドマン
ふむ。お前たちが敵か? よし、敵なら倒せばいいな?
死にたくない? 誰だってそうだろう、たぶん。
『過去として排されても、忘れられなければ残り続けるんだよ』
殺される? そうかもしれん、違うかもしれん。
『あなたたちはもう、失われているの。そのことを忘れているだけ』
不死か、私にはわからん。そんな小難しい話は知らん。ただ、今を生きていくだけだ。
『未来に思いを馳せることなく、ただそこにあるだけの停滞では……変わらないよ。あなたたちの不死は……死と、同じだよ』
行くぞ、ダフネ! 身体を使え! 敵は薙ぎ倒す!
『うん、アディ! 彼らを解放するために……コロス、コロスコロスァァァ!』
我武者羅に、狂戦士は武器を振るう
「ふむ……。」
奇妙な人影、そして背後から現れた自衛官たちを一度視界に収め、アディリシアはそのまま奇妙な人影の方へと問いかける。
「お前たちが敵か?」
「お、お前こそ、俺たちの敵だろう!?」
「殺しに来たくせに何を!」
なぜか怯えたような声を上げる奇妙な人影。
しかし、その言葉にアディリシアは満足げに頷き、
「よし、敵なら倒せばいいな。」
「まて! 止まるんだ!」
赤黒い刀身の剣を引き抜いたところで、今度は後ろから制止の声と銃器を構える音が響く。
だが、振り向く事もなく人影へと歩みを進める。
「やむを得ん……撃て!」
「させないよ!」
撃ち放たれた弾丸を弾き飛ばしたのは、大きな白い狐に乗った少女、四王天・焔(妖の薔薇・f04438)。
吐く息とともに蒼い炎を口から漏らす白狐の背で、焔はドラゴンランスを構え、
「この人たちは任せて! その人たちをお願い!」
「わかった。」
間髪入れずにアディリシアは駆け出し、手近にいた人影を無造作に斬りつけた。
「ぐああああ!」
斬られた人影が悲鳴を上げ、切断面からは奇妙な色の炎が上がるが……その傷はすぐに塞がり、倒れる様子がない。
「死にたくないと騒ぐわりには、死なないようだな。」
「当たり前だ!」
「俺たちは死に打ち勝ったんだ、この体で!」
ふとした呟きに、人影たちは口々に叫び返してくる。
その様子に一つ息をつきながら、アディリシアは武器を構え直す。
「誰だって死にたくはないだろう、たぶん。」
「そうだ……だから俺たちは死ななくしたんだ!」
「それなのに、お前たちが来た……来てしまったぐあああああ!」
最後の言葉を言い終わる前に、赤黒い剣に切断される人影。
今度の傷は深く、ずり落ちた体はそのまま水面へと転がり、塵となって消えた。
「不死など、私にはわからん。そんな小難しい話は知らん。だが、お前たちは斬れば殺せるようだな。」
「ひっ!?」
『本来……人は過去として排されても、忘れられなければ残り続けるんだよ。それなのに、』
アディリシアの鎧に憑く、蛮族の女王ダフネの言葉が戦場に響く。
『あなたたちはもう、失われているの。そのことを忘れているだけ。』
「嘘だ、そんなことは……!」
『嘘だと思うなら、隣に居る人たちを見なさい……みんな同じ顔、あなたたち一人一人の個性なんてないの。』
「っ……。」
ダフネの言葉に返す事ができず、黙り込んでしまった人影たち。
『未来に思いを馳せることなく、ただそこにあるだけの停滞では……変わらないよ。あなたたちの不死は……死と、同じだよ。』
「……うるさい。」
「うるさい、うるさい!」
「黙らせてやる!」
波紋のように人影たちの言葉が巡り、怒りが乗せられていく。
その怒りは抑える物もなく、アディリシアへと人影たちは襲いかかってきた。
『言い過ぎたかしらね?』
「構わん。行くぞ、ダフネ! 身体を使え! 敵は薙ぎ倒す!」
『うん、アディ! 彼らを解放するために。』
そのまま、アディリシアはさも当然のようにダフネへと体の支配権を移す。
赤黒い剣の形が一瞬揺らぎ、大型の斧へと姿を変える……蛮族の女王、ダフネの得意とした物へと。
『……コロス、コロスコロスァァァ!』
「ぐあああ!」
襲い来る人影たちへ、叫び声とともに我武者羅に斧を叩きつけていく。
「これで、どう!?」
「ぐっ……あ……。」
最後に立っていた自衛官へと焔はドラゴンランスの石突きを叩きつけ、そのまま意識を失わせていた。
奇妙な色彩を放つ海面には、気絶した自衛官たちが転がっている。
「これで一安心ね。あとは……、」
振り向いた先では、襲い来る人影たちへと斧を叩きつけるアディリシアの姿があった。
『コロス……コロシテヤル!』
「ぐぎゃあああ!?」
「……あれなら、放っておいても大丈夫……かな?」
近づくとわたしも斬られそう……と焔は遠くから見ていることにした。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
マーシャ・イヴニフ(サポート)
ミレナリィドールの人形遣い×死霊術士、21歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々「片言(私、あなた、呼び捨て、デス、マス、デショウ、デスカ?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用しますが、指示が無い場合、召喚系のユーベルコードを優先して使用します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはお任せです!
鈴木・志乃(サポート)
鈴木です。よろしくお願いしますね。
DS生まれCF育ちです。
皆が幸せな世界になったらいいのになァと思って、戦ってます
単純な火力よりかは光の鎖を使った捕縛とか
トラップ使った搦手が得意ですね
高速詠唱で幻影を作ることも多いかも
劇団に所属してて、CFでは配信者やってます
面白いことなら大体好きですね
歌、踊り、演技ならそれなりに出来ますよ
敵を騙す為にわざと怪我を負ったりします
自分が傷つくのは厭わない方かもしれません
人の笑顔の為なら結構無茶します
必要ならシリアスもネタもカオスもどんとこい
ただし公序良俗に反する行動は、依頼達成の為でもしません
「おとなしく武器を下ろしなさい!」
律儀に警告しながらライオットガンを構える自衛官の言葉に、鈴木・志乃(ブラック・f12101)は思わず、隣にいたマーシャ・イヴニフ(ミレナリィドールの人形遣い・f09835)へと目を向けながら呟いた。
「……あの人たちには、私たちはどう見えてるんだろうね?」
「おそらく、あの人たちは幻覚の中にいるの。あなたも私も、武器なんて持っていないのに。」
「やっぱり、そうだよね。」
奇妙な色彩に彩られた海の上に立ちつつ、表情一つ変えずに答えるマーシャに鈴木は頷き返す。
固い水面に立ちつつマーシャの人形を撫でる手はまるで、それを照らす奇妙な色彩を払うよう。
「もっとも……この子が大きな包丁とかに見えてても、私は驚かないわ。」
「あはは、あり得るから困っちゃうね。」
物理法則すらも曲げる奇妙な色彩は、普通の人間をいとも簡単に狂わせていく。
それでも鈴木は、武器がないことをアピールするように手を広げ、
「ほら、何も持ってな」
「警告はした!」
それが引き金になったか……その瞬間、2人へと一斉に弾丸が撃ち放たれた。
「はは……やった!」
奇妙な人影たちは、その銃声に歓声を上げる。
「まったく、俺たちを殺そうとしなければこんなことにはならないんだ!」
「ソ、ウ……デ、ショウカ?」
「……え?」
ギシッ、という軋みが混ざったようなマーシャの声に目を向ければ、何事もなかったかのように立つ姿があった。
少しぎこちなく動く十指に導かれ、パンタナールと名付けられた人形が奇妙な人影へと体を向ける。
「馬鹿な、なぜ動ける!」
「次を! トドメをさせ!」
「……させないよ。」
次を撃てと囃したてる奇妙な人影たちの目の前で、自衛官たちが光を放つ鎖に絡め取られていった。
念力で自在に動く鎖の端をつかむ鈴木は、すでに人で無くなってしまった奇妙な人影を悲しげに見つめ、
「この人たちには、人の世の中に帰ってもらうから。」
「そういうこと。あなたたちは、ここで終わるのよ。」
「ま、まて」
命乞いの言葉など待たず、表情も変えずにマーシャが指を動かした瞬間……人形から放たれた弾丸が、奇妙な人影たちを貫いていく。
正確に胸を貫かれた彼らは、奇妙な色彩の塵となって崩れていった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
紫洲川・珠璃(サポート)
キャラの雰囲気は落ち着いたお姉さんの感じです
口数はどちらかというと少なく物静か
戦闘は果敢に攻め入り、
速度を生かした撹乱を主として手数重視の攻撃で戦います。
足は止めず常に動き回り、奇策より正攻法を好みます。
武器は主に一振りの刀(虚鐵)を両手持ちで使い、まれに脇差として所持している二本目を抜きます。
弓は事前に必要性がわかっていれば持ち込みますが、持っていないことも多く歯噛みすることも
ユーベルコードは基本は以下の順で制御しやすいので利用しますが
状況に応じて適切なものを利用します。
【使いやすい】⇔【使いづらい】
炎狐=妖剣解放<黒狐召喚<神狐召喚
「ぐ、ぁ……。」
意図せず呼び出されてしまった自衛官たちの間を、黒い剣閃と霊力の籠もる矢が貫き……彼らは見る間に気を失っていった。
「さて、あとはあなたたちだけですよ。」
「ヒィっ!?」
奇妙な人影へと、紫洲川・珠璃(夜を追う者・f00262)は手にした刀を構える。
素人目にも少し長いそれは、よく珠璃の手に馴染んでいて……向けられた者たちに、鋭い殺意を感じさせた。
「お覚悟。」
「ま、まて! お前たちは知りたくないか!?」
「何を、です?」
奇妙な人影の命乞いの言葉に構えた弓を下ろし、思わず問いかけたスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)の目の前で、奇妙な人影たちは手にした物でお互いを傷つけ始める。
ある者は剣で胸を貫き、ある者は全身を炎で焼かれ……それでも彼らは死ぬことなく、奇妙な色彩を浮かべる海に立っていた。
「俺たちは、死を乗り越えたんだ!」
「お前たちも、死は怖いだろう!?」
「……その気持ちは、解らなくはないです。私も、戦うのはすこし、怖いですし。ですが、」
口々に言い放つ彼らは、優しげなスピネルならば言いくるめられるだろうと思ったのだろう。
しかし、彼らへと向けられたのは引き絞られた弓。
「あなた方は、人の道を踏み外してしまいました。」
「ぐっ!?」
人影の一つを貫いた矢に籠められたのは、深く静かな森の霊力。
本来であれば人の邪心のみを打ち払う矢によって、人影は塵も残さず消し飛んでいく。
「ですから、もう……あなた方は、」
「ひ、ひいっ!?」
次の矢を番えた姿に、なりふり構わず逃げ出す奇妙な人影たち。
しかし、恐怖に竦んだ彼らの足に追いつくことは、珠璃には難しくはなかった。
「逃がしませんよ。」
「ぎゃあああ!?」
一気に距離を詰め、虚鐵と銘打たれた刀を大きく薙ぎ払う。
刃から放たれた衝撃波に貫かれ、奇妙な人影たちは一刀の下に全て散っていった。
「残っているのは、彼らに偽りの不死を与えた者だけね。」
「はい……そのはず、です。」
武器の構えを解かない2人の前に、奇妙な色彩が溢れだし……神と呼ばれるモノが、姿を現した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『天道菩薩』
|
POW : 大いなる救い
【技能名【捨て身の一撃】を使用して自爆し、】【自身からレベルm半径内の全員を高威力で】【無差別攻撃する。自爆し自ら傷つくこと】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD : 不滅の救い
技能名「【捨て身の一撃】」の技能レベルを「自分のレベル×10」に変更して使用する。
WIZ : 永遠の救い
戦場全体に、【自身を崇拝する信者の成れの果て】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「虚偽・うつろぎ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
『それ』は、奇妙な色彩を放ちながら降り立った。
『それ』は、天使のような羽根を広げていた。
「彼らは、私を求め……私は、彼らに応えました。」
『それ』は、祈るように手を合わせていました。
『それ』は、目を閉じました。
「彼らが望むのは、永遠の生……私は、それを与えました。」
『それ』は、黒い悪魔のような翼を広げてしまう。
『それ』は、うめき声をあげる人の壁に囲まれてしまう。
「彼らは死を越えました……私のために。」
『それ』は、目を見開く。
『それ』は、自爆する。
「……何度でも何度でも、私のために。」
『それ』は、また目を閉じていました
『それ』は、人の壁に護られていました……先ほどと同じ、人の壁に。
鬼面衆・幻黒(サポート)
我は鬼面衆・幻黒。滅ぼされし暗殺者集団「鬼面衆」の頭領だ。
戦闘時には鬼の形をした額当てと、首飾りが顔を覆い鬼面となり、持っている杖の宝玉が怪しく輝くと共に「鬼面衆の死霊」を召喚し、頭領の命令は絶対という「掟」と突出した【集団戦術】で敵に攻撃をするのだ。
里をオブリビオンに滅ぼされたのでオブリビオンに対し強烈な憎悪の念を持っている。
我自身は鬼面衆残って死霊を操る為に後方で待機して、直接攻撃することは、ほとんど無いのだ。
我自身は後方で死霊に指示を出し、直接的な攻撃はしないのだ。
口調:翁(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)
戦闘中は 頭領(我、呼び捨て、言い捨て)
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
「ふむ、なかなかに面妖な奴……ぬおっ!?」
鬼面衆・幻黒(滅ぼされし里の頭領・f32104)の目の前にそそり立つ、人で出来た壁が、突如内側から弾け飛んできた。
咄嗟に杖を構えるが、そこに伝わるべき衝撃はなく……いつの間にか、黒いドレスの少女が前に立っていた。
「大丈夫、ですか。」
「あ、あぁ、わしは問題ない……むしろ、お嬢さんこそ。」
「ええ、大丈夫……私、これでも結構丈夫なのですよ。」
儚げな印象ながらも、微笑みかけてきたシホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)に、幻黒はほっと胸を撫で下ろす。
「すまぬな。……さて、」
シホの後ろで奇妙な色彩が人のような形をとり、『それ』が目を開く。
「奴さん、わしらを殺せなかったのが不満のようじゃな。」
「そのようですね。ですが、殺されるわけにはいきません。」
「ああ、」
頷いた幻黒の顔を額当てと首飾りが覆い、顔を隠す鬼面となる。
纏う雰囲気が変わり、周囲にかつての部下である鬼面衆の死霊たちが現れる。
「死ぬのは奴の方よ。」
「ええ、いきます!」
死霊たちとともに、白と黒の拳銃を抜いたシホも同時に駆け出していた。
「……私が、殺せずに不満を持つと。」
『それ』の呟きが響く。
口などないはずだが、その意思が響き渡る。
「そのようなことはありません……私が真に望むのは、」
「さあ、お前たち! 狂乱の舞を舞え!」
『それ』の放つ奇妙な色彩が強まるが、怯むことなく死霊たちの刃が襲いかかる。
まるで吊された布を斬りつけるかのように、無防備な『それ』が切り刻まれていく中……突如、『それ』の裂けた内から色が溢れた。
「自らの体を使い、周囲を吹き飛ばす事……。」
「伏せてください!」
叫ぶシホの声に逆らい、死霊たちはさらに勢いづきながら『それ』へと襲いかかる。
「すなわち、自爆のみ。」
『それ』を中心とした爆発……色が飛び散ったその瞬間、立ち向かう死霊たちによって切り裂かれた色は、シホを避けて飛んでいく。
『それ』のいた場を見れば、奇妙な色彩の玉が浮かんでいた。
「それが、あなたの身体ですか!」
白と黒、両方の拳銃から撃ち放たれた弾丸が色彩の玉を貫いた時……周囲へと意思が奔流となって襲いかかる。
「痛い」「私に」「苦しい」「馬鹿な」「当てるなど」「人間が」
「くっ、これは……!」
散り散りとなった意思とともに、跳び退るシホ。
しかしそこへ、シホを気遣う別の意思が届いた。
「お嬢ちゃん、大丈夫か?」
「ええ、私は……。」
幻黒の声に意識が引き戻されるのを感じつつ、少し頭を振りながら元いた場へと目を向ければ、『それ』は前と同じ姿をとっていた。
「大丈夫、です。」
「おお、それならよかった。……奴さん、大分お怒りのようじゃのう。」
吹き付けてくる意思に混ざるのは、怒り。
『それ』はただ浮かんで……猟兵たちを見下ろしていた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リーヴァルディ・カーライル(サポート)
※【限定解放・血の化身】による分身体
怪力任せな振る舞いは品が無いと感じる
吸血鬼流の礼儀作法に則り行動する高慢な人格
…ふふふ。次はどんな世界かしら?
あの娘の分まで楽しまないとね
はぁ…思いの外、煩わしいものね
太陽の光というのは…
陽光は"影精霊装"の闇に紛れるオーラで防御し、
移動は"血の翼"による空中機動を行い、
魔力を溜めた爪から血の斬撃波を乱れ撃ちつつ、
状況に応じた吸血鬼能力を使用する
・魔力を溜めた両眼で第六感に訴え魅了、暗示を行う魔眼
・無数の蝙蝠や狼等の眷族を操り攻撃する集団戦術
・残像のように存在感を消し攻撃を透過する霧化…等々
あら、もう終わり?意外と脆いのね?
それじゃあ終わりにしましょうか?
「ふふふ……なんともわかりやすい欲求を持った神だこと。」
クスクスと楽しげに『それ』へと語りかける、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)の分身体。
吸血鬼の証である真紅の瞳を細めながら笑みを深め、
「1人で爆発するだけなんて、むなしいだけだものねぇ。何度でも吹き飛ばせる、それでも何度でも立ち上がる、そんな玩具が欲しかったのね?」
「私を、理解した気になるか……そう、だとしたら?」
「ふふふ……なんとなく似ていると思っただけよ。吸血鬼の眷属と、ね?」
「ほう……だが、」
言葉として飛んでくる意識がやむと、『それ』を覆う布が解け、色彩があふれ出す。
爆発までの間は、瞬きほどの一瞬……だが、リーヴァルディには十分な時間だった。
「それが楽しいのでしょうけど、」
その場に言葉を残したのは残像で、炸裂した衝撃波が吹き飛ばしていく。
「ワンパターンはだめね……優雅さがないじゃない。」
残るコアから再構築する、ただ一瞬の間……その隙に、コアのすぐ横に現れるリーヴァルディ。
血の翼が散り、その血が手へと移り……鮮血の爪で刺し貫いていた。
「また」「痛い」「貴様」「くっ……」「またしても!」
散り散りになった『それ』の意識が吹き付ける前に、すでにリーヴァルディはその場を離れていた。
指に付いた奇妙な色彩の残滓を軽く振払い、
「まだ生きているようだけど……後は任せたわ。」
そう言い残し、その姿は影へと溶けていった。
成功
🔵🔵🔴
アディリシア・オールドマン
ようやく黒幕のお出ましか。
人を集めて何かやっていたようだが、知ったことか。
貴様の大義名分など聞く価値もない、速やかに滅びろ!
『人の壁に護られると厄介だよ、アディ! その前に!』
わかった、突貫する。
捨て身の一撃が貴様の専売特許とは思わぬことだ、何か変なモノ!
”蹂躙走破”ダビッドソン!
鋼鉄の騎馬の嘶き(エンジン)を鳴らし、突撃する。
ほう、自爆するか。面白い!
”献身供犠”モロク!
盾を持って、その無差別攻撃を正面から突破しよう!
『また無茶してるっ!』
無理を通さねば一撃を与えることもできん。減速せず、騎乗したままシールドバッシュを敢行する!
死だの生だの、騒々しい!
まずは痛みを覚えていけ、クリーチャー!
シホ・エーデルワイス
アドリブ&連携歓迎
二章の気絶中と思われる自衛官が戦闘に巻き込まれそうなら
狂気と呪詛耐性のオーラで結界を張って防御しつつ
『聖笄』で光学迷彩を纏って目立たなくなり
『聖鞄』への保護を最優先で行う
救助活動完了後
不死を解除する破魔の祈りを籠めた【終癒】で信者の魂を吸収し
人の壁を貫通攻撃で崩す
信者は不死だから倒しただけでは新たに蘇るのでしょうけど
貴女の信者で無くなればどうなるかしら?
敵に辿り着いたら『聖剣』で攻撃
遠路はるばる求めに応じて来られてすみませんが
骸の海へお帰り下さい
戦後
救助した自衛官が狂気に汚染されていないか診察し
症状があれば【終癒】や『聖印』に触れさせて狂気を浄化
もし負傷があれば【復世】で癒す
『それ』はふわりと浮かび上がり、前に立つ全身鎧へと意思をぶつけていた。
「歯向かうか」「私に」「ごときが」「人間」
「……言葉も纏められんか。」
ため息交じりに呟くアディリシアの目の前で、『それ』を護るようにうめき声をあげる人の壁が立ちはだかる。
「だが好都合だ、貴様の大義名分を聞かずに済む。」
『とはいえ、この人の壁は厄介だね……自爆すれば弾にもなるか。』
「ああ、そのようだな。」
鎧に宿るダフネの言葉に応えたアディリシアは、ひらりと鋼鉄の騎馬……ダビッドソンと名付けられた大型バイクに跨がった。
エンジンを吹かし、『それ』へと前輪を向け、
『……私の話は聞いてたかい?』
「もちろんだ。……行くぞ。」
ギアを入れ、一気に走り出す。
それを察したか、壁向こうで色彩が広がり……『それ』が炸裂した勢いで、人の破片が飛んできた。
「ほう、自爆するか。面白い!」
『また無茶してるっ!』
「無理を通さねば、一撃を与えることもできん。」
アディリシアが突貫しながら純白の石で出来た大盾を構えた時、辺りが優しい光に包まれていた。
「怨嗟に喘ぎ苦しむものに安息を、死してなお彷徨うものに道標を……。」
チラリと光の元を見れば、聖なる剣を手に祈りの言葉を捧げるシホの姿があった。
「旅立つ魂に、救いあれ!」
光が聖剣へと収束し、刀身から伸びた光の刃で薙ぎ払う。
吹き飛んでくる人の破片が断ち切られて塵となり、彼らの苦鳴は消えていた。
「もう、あなた方は苦しむ事はありません。安らかに……。」
「助かる。」
その塵を貫き、突進するアディリシア。
構えた大盾の先にいるのは、姿を取り戻した『それ』だった。
「私は」「望み通りの不死を」「だけ」「彼らの」「与えた」
「死だの生だの、騒々しい!」
バイクは一切減速することなく、『それ』へとアディリシアは大盾を叩きつける。
「まずは痛みを覚えていけ、クリーチャー!」
「遠路はるばる求めに応じて来られてすみませんが、」
固い海へ叩きつけられた『それ』を刺し貫くのは、シホの聖剣から放たれる光の刃。
「骸の海へお帰り下さい。」
「ただ……」「私は」
『それ』を構成する布が解け、内から流れる色彩は空間に溶けて消えていく。
「自爆を」「ために……」「する」
流れる意思が途切れ、狂っていた海岸は元の姿へと戻っていった。
「う、ん……ここは……?」
「目が覚めましたね。」
奇妙な人影たちに呼び出されていた自衛官たちが目を覚ますと、ほっとした笑みを浮かべるシホの姿があった。
戦いの最中、自爆に巻き込まれないよう展開された空間へと匿っていたシホは、彼らの意識を見る。
「皆さんの中には、狂気は残っていませんね。……安心しました。」
全てを狂わす色彩は、彼らの意識の中には欠片も見当たらなかった。
こういう事件に関わる者たちだからか、それとも『それ』が消えたからか……。
「どちらにせよ、よかったな。」
「はい。」
隣で見ていたアディリシアに頷いた、シホの笑みのおかげか。
狂った色彩に溢れた邪神は、痕跡も残さず消え去り……ここも、UDC組織による多少の処置により、元の日常へと帰って行く。
かけがえのない日常の破壊など、彼らにはいともたやすいことなのだ……原状回復に当たったUDC職員の呟きが、溶けて消えていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵