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頭痛の種は狂気とアイス

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #灰色の天使グリエル #オウガブラッド

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●未来
「ハアッ、ハアッ……!」
 漆黒のロングコートの男が、荒い息を吐いている。
 男の半身は、熊を象る、蒼白い炎に包まれた状態。男がオウガブラッドであるという証拠でもあった。
 オウガブラッドを追いつめているのは、1人の天使。白でも黒でもなく、しかし、白でも黒でもある色彩……すなわち、灰色の天使である。
 灰色の天使が振るう肉切り包丁に対し、オウガブラッドは蒼炎を駆使して立ち向かう。
 だがその源泉は、肉体ばかりか精神をも蝕む、オウガの力。
「天使。お前の狙いは、オレのオウガの力か。こんな忌まわしい力が欲しいのか」
「欲しい。とても」
 やがて。
「ぐ、ここまでか……グ。ギ、ガアァアァァアアアッ!!」
 ひときわ狂気に満ちた咆哮とともに、オウガブラッドの全身は、蒼炎に呑みこまれた。
 炎柱が弾けたあと、そこに立っていたのは、蒼き熊。オウガブラッドではなく、完全なる、オウガ。
 それを見た灰色の天使は、無邪気に笑ってみせた。欲しかった玩具をようやく手に入れた、子どものように。
「やった。これで近づいた。超弩級の闘争の支配する世界に」

●予知の主
「……という出来事を予知したのでございます」
 ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)は、己の見た未来の光景を語り終えた。
 不思議の国の1つ、「フロスト・パーク」。氷に覆われながらも、なぜか過ごしやすいその国に、オウガブラッドの男が身を寄せていた。
 名は、ガイゼン。内なるオウガの狂気にさいなまれつつも、愉快な仲間たちとともに日々を過ごしていたのだが。
「その平穏を乱しに、猟書家が1人、『灰色の天使グリエル』が現れるのでございます」
 グリエルの目的は、「超弩級の闘争」の実現。
 その手段としてグリエルが目を付けたのが、オウガブラッド。
「オウガブラッドの肉を削ぎ落とした先に、超弩級の闘争を加速させるに相応しい存在『アリスとオウガの純粋融合体』が誕生すると、グリエルは考えているようでございます」
 そして今回、白羽の矢を立てた人物こそが、ガイゼンだった、というわけである。

 グリエルの目的は、オウガブラッドのみ。愉快な仲間たちや不思議の国は二の次のようだ。
「グリエルめの襲撃に、ガイゼン氏もユーベルコード『オウガ・ゴースト』で対抗いたします。……が」
 ヴェルタールの予知では、グリエルに善戦しつつも、抑えきれなくなった狂気に呑まれ、ガイゼンはオウガ化してしまう。
「ガイゼン氏のオウガ化を防ぐためには、戦闘の負荷を軽減する以上に、その心を支えることが必要かも知れません」
 幸い、グリエルの襲来までは、猶予がある。
 そこでまずは、愉快な仲間やガイゼンと交流。ガイゼンが正気を保てるよう、励ますのだ。
「『フロスト・パーク』の住人は、ペンギンに似た紳士淑女たち、『ペンガー』でございます。ガイゼン氏をもてなすため、様々なアイスの成る森へとピクニックに出かけるようでして」
 そしてしばらくすれば、ヴェルタールの予知通り、グリエルが襲来する。
 グリエルは三種のユーベルコードに加え、超高速で特定の対象の肉を削ぎ落とすユーベルコード「灰斬(はいぎり)」を操るという。
 襲い来るグリエルと狂気に対し、ガイゼン自身が積極的に立ち向かおうとする、強き意志。
 それもまた狂気に抗う手段の1つでしょうと、ヴェルタールは助言する。
「ともあれ、まずは、その心に寄り添うところから。ともにアイスを食べて、頭をキーンとさせるところからでございますね」
 そうして、猟兵たちを不思議の国へと誘うヴェルタール。
 ウォーマシンたる彼にも、アイスクリーム頭痛はあるのであろうか。


七尾マサムネ
 こちらは、幹部猟書家シナリオです。
 全2章で完結します。

●一章
 不思議の国「フロスト・パーク」で、オウガブラッドのガイゼン氏や、愉快な仲間たちと一緒にアイスを食べましょう。
 ガイゼンさんの心に寄り添うような行動をとっておくとよいかもしれません。

●二章
 幹部猟書家「灰色の天使グリエル」が、ガイゼンを狙って襲来します。
 グリエルはオウガブラッドにしか興味がないので、愉快な仲間たちを守るなどの行動は必要ありません(巻き込まれないよう自分たちで逃げます)。

●ガイゼン
 オウガブラッドの男性。
 30代前半の大柄な人物で、くすんだ黒のロングコートと、片目を隠すぼさぼさの長髪がトレードマークです。
 口数は少なく人付き合いが得意な方ではありませんが、気は優しくて力持ち、を地で行く人です。
 自分を受け入れてくれた愉快な仲間たちを、いつか暴走して傷つけてしまうのではないかと心配しています。

●愉快な仲間たち
 ペンガーという、ペンギンに似た1メートルくらいのいきものです。みな燕尾服やドレスに身を包んでいます。
 黒や赤、ピンクなど、様々な色のペンガーがいます。

●プレイングボーナス(全章共通)
 オウガブラッドに正気を保たせる、あるいはともに戦う。

 それでは、皆様のご参加、お待ちしております!
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第1章 日常 『アイスな世界の愛すべきアイスパーティ』

POW   :    美味しいアイスをいただきまーす!

SPD   :    早食い勝負に挑戦!

WIZ   :    自分でアイスを作ってアレンジ!

イラスト:V-7

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ガイゼンくん。今日は我々のとっておきの場所にご案内しよう」
 その日。
 とりわけ塞ぎこむガイゼンを、ペンガーたちが連れ出したのは、ピクニックだった。
「……アイスだと」
 あ然とするガイゼン。
 目の前に広がる自然。森の木々を彩るのは、アイスの果実。
 それだけではない。咲く花も草も、どれもよく見ればアイス。
 森の向こう、小山までもうアイス。
「さあガイゼンくん、食べ放題なのだよ」
「……オレは……」
 そんな気分じゃない。
 だが、正直に言えば、優しいペンガーを悲しませてしまうのではないか。
 そうしたガイゼンの気遣いが、

「ほうら美味しいのだよ」
「むぐっ」

 口にアイスキャンデーをねじ込まれる隙を作ってしまった。

「…………!」

 キーン。
 ガイゼンの頭を、痛みが襲う。
 いつもの狂気のそれではない、アイスクリーム頭痛、と呼ばれるものだ。
「ほらほら、あちらに見えるはシャーベットの滝だよ」
「行こうではないか、ガイゼンくん」
「お、オレは……」
 ペンガーたちに、背中を押されるガイゼン。
 断ることが出来なかったのは、彼がお人好しである以上に。
 頭の痛みに耐えるので精いっぱいだったからに他ならない。
隣・人
(シャーベットの滝に首を突っ込む)
(口を大きく開けてもがもがする)
(……我慢の限界、滝行やめる)

「あっばばばばば……頭痛やべぇですよこれ」
そのまま豪快にいくのは危険ですね。戦闘前にこの頭痛(いたみ)じゃあ真面に動けません
「あっ。てめぇも一緒にアイスアレンジしませんか。つぅかこの世界で氷菓子とか自殺もんでしょう。あ。このドライアイスは食べないでくださいね胃袋死にますから……ところで何かに苛まれそうな予感。いっそ返り討ちなんてのも愉快な仲間だと思いませんか?」
そんな事よりもソフトクリームです。ぐるぐるしてるの視てるとナメクジがカタツムリになりませんかね?
「最悪、隣人ちゃんが種を殺してやりますから」



 ざばだばざば、と。
 奇妙な音。
 ペンガーたちのもてなしで絶賛アイス地獄中のガイゼンは、狂気で摩耗していたはずの好奇心を、わずかに動かした。そして、見た。
 シャーベットの滝に、首を突っ込んでいる者がいる。隣・人(🌈・f13161)だ。
 はた目からはわからないが、隣・人の口は大きく開かれ、氷菓の粒子をその身に取り入れんと四苦八苦している。もがもがしている。
「…………」
 正気か。
 ガイゼンは、その一言をかけることさえ躊躇う。元々の付き合い下手に加え、隣・人の奇行が、理性にブレーキをかけた……のか。
 だが、ペンガーたちに躊躇はない。
「楽しそうなことをしているね。コンニチハ」
「ぷっは」
 背後に気配を感じた隣・人は、ようやく滝からの離脱を果たした。
 ぶっちゃけ、我慢の限界。見えてはいけないものが見える危険域に両足ツッコみかけていた。
「あっばばばばば……頭痛やべぇですよこれ」
 エンドレス・シャーベット・サーバーにその身を晒していたのだから無理もない。
 アイスクリーム頭痛を抱えて戦に赴いた猟兵の話は、あまり聞かない。
 そりゃそうだ。頭痛(いたみ)でまともに動けやしない。

「あっ」
「あっ」

 隣・人とガイゼンの視線が合致した。
「てめぇも一緒にアイスアレンジしませんか。つぅかこの世界で氷菓子とか自殺もんでしょう」
「……確か、に」
 自分と同じ、常人とは異なる気配を読み取ったのか。ガイゼンは、割と素直に頷き返した。
「……正直、このままだと狂気より冷気で死ぬところだった」
「なんだ意外とトーク出来るじゃないですか。あ。このドライアイスは食べないでくださいね胃袋死にますから」
 ガイゼンは後ずさった。
「……ところで何かに苛まれそうな予感。いっそ返り討ちなんてのも愉快な仲間だと思いませんか?」
「……オレの狂気の事を知っているのか」
「知ってますよ。正確には知らされたんですけどね」
「……オレ、は」
 苦しみの吐露か、はたまた人生相談か。
 口を開きかけたガイゼンの前に、隣・人が差し出したのは、ソフトクリームだった。
「ぐるぐるしてるの視てるとナメクジがカタツムリになりませんかね?」
 次々三角飛びする隣・人トーク。
 ガイゼンはあっけにとられた後、ふ、と乾いた声をこぼした。
「……狂気との独り相撲が馬鹿らしくなりそう、だ」
 心の距離感、変化アリ。
 それから隣・人は、告げた。
「最悪、隣人ちゃんが種を殺してやりますから」
 目をぐるぐるさせたまま。

成功 🔵​🔵​🔴​

榊・霊爾
あの大男が保護対象か...アリスは老若男女関係ないんだねぇ
ここに来たら皆がアリスってか
んー、鴉さんよ、あの男の情報をわかる範囲で持ってきてくれないかな?
何、話のネタにするだけさ(UC『諜報』)

やあ
此処に来た事を思い出せるかな?
君にも元居た世界がある筈だ
何でも、この世界に来る者は「アサイラム」が関係しているって聞いたけど?
そのような病院らしき場所に居たんじゃないかなって、思っただけさ

それにしても寒いな此処は
私はアイスやシャーベットよりもかき氷派さ
ジャリジャリしたものじゃなくて薄く削った上等なかき氷さね



 榊・霊爾(あなたの隣の榊不動産・f31608)は、愉快な仲間たちに翻弄されるガイゼンを、樹の陰からうかがっていた。
「あの大男が保護対象か……アリスは老若男女関係ないんだねぇ。ここに来たら皆がアリス、ってか」
 ……それより。
「寒い」
 霊爾が身をひそめる太い幹は、樹木というより、氷の柱の様相。
「さっさと始めようか。鴉さんよ、あの男の情報をわかる範囲で持ってきてくれないかな?」
 その情報、どう使うつもりで?
 首をかしげて見せる八咫鴉の群れに、霊爾は、涼しい顔でこう告げた。
「何、話のネタにするだけさ」
 ご了解。
 鴉たちは順に羽ばたき、空に散った。

 ペンガーたちが、『収穫』してきたアイスをガイゼンに振舞う。
「さあ食べたまえガイゼンくん。美味しいよ?」
「…………」
「やあ」
 意を決してガッチガチのアイスバーに手を伸ばしたガイゼンに、声が掛けられた。
 霊爾だ。
「怪しいものじゃないよ。少なくともオウガじゃない」
 ガイゼンから警戒の眼差しを向けられた霊爾は、正直に答えた。
「ずいぶんこの国の人たちに頼りにされてるみたいだね。これまでに何度もペンガーたちを助けてきたそうじゃない。野良オウガから住人を守ったり、迷子を解決したり」
 見かけに寄らずいい人だね。
 霊爾が言うと、ガイゼンは、ふい、とそっぽを向いた。
 不機嫌ではなく、照れた時の癖らしい。これも、八咫烏情報だ。
「ところで、此処に来た事を思い出せるかな? 君にも元居た世界がある筈だ」
 霊爾は問う。
「何でも、この世界に来る者は『アサイラム』が関係しているって聞いたけど? そのような病院らしき場所に居たんじゃないかなって、思っただけさ」
「……そんな記憶はない。そもそもオレの記憶は曖昧だ」
 覚えているのは自分の名前くらいなのだと、頭を振るガイゼン。
「……すまない、と言うべきだろうか」
「簡単に『アサイラム』の謎が解明できるくらいなら、猟兵も苦労しないさ」
 気にする事はないよと告げると……霊爾はぶるり、と体を震わせた。
「それにしても寒いな此処は」
「……アイスの森だから、な」
「おお、そこの君もアイスを食べたまえ」
 てこてこやって来たペンガーが霊爾に差し出したのは、アイスの果実盛り。
「おっと、私はアイスやシャーベットよりもかき氷派さ。それも、ジャリジャリしたものじゃなくて薄く削った上等なかき氷さね」
 どん。
 ペンガーが、霊爾ご所望の品を提供した。
「これならどうかね?」
「何でも在りだね、アイスの森」

成功 🔵​🔵​🔴​

ジャスパー・ドゥルジー
【魔竜と雀】
そーだよな、止めなきゃなんねえよな
(頷きつつ既にアイスを食べている)
ん?ほら折角来たんだからオスカーも食えよ

そこの…ガイゼンだっけか?
あんたも食って…いや、食わされ過ぎてるってとこか、キシシ
おっと警戒は無用だぜ、俺も同族なんだ
もう十年はこの姿さ、すっかり馴染んでる
あんたも今は大変だろうけど
心の礎になるような思い出を沢山積み上げてきゃ
狂気やら暴走やらに抗いきれるん筈だぜ
例えばペンギンみたいなダチが薦めてくれたアイスで頭キーンとなったとか、なァ?

…ん?オスカーあれ食いてえの?
そうならそうと言えばいいのに、ほら
高い所のアイスを取ってやれるこの空飛ぶ翼
これもオウガの血が成せる業ってね


オスカー・ローレスト
【魔竜と雀】

オウガブラッドを狙う、敵……ついに、現れたん、だね……やり方が怖い、けど……お、オウガ化なんて、絶対、止めないと……

……あれは……と、止めなくてもいい、のかな(アイス突っ込まれてるガイゼンをちらり)

……周りを傷つけないようにって考えてる彼も、他人事に思えない、し……

で、でも、その前に……アイス……アイスなら……沢山食べても、大丈夫、そう……多分……(少食な小雀

木に生ってるアイスの果実を取ろうとするけど……と、届かない……
……こ、これは諦めて、もっと手近な方のアイスを、
あ……あ、ありがとう、ジャスパー……

アイスはちびちびと食べ……ぴ?!(一口は少ないがせかせか食べてるので頭痛



 クールでスイートなアイスな国に、【魔竜と雀】がやって来た。
 雀……オスカー・ローレスト(小さくとも奮う者・f19434)は、決意を固める。
 さくさく、と音を鳴らす、凍れる土を歩み進めながら。
「オウガブラッドを狙う、敵……ついに、現れたん、だね……やり方が怖い、けど……お、オウガ化なんて、絶対、止めないと……」
 相方の言葉に、魔竜……ジャスパー・ドゥルジー("D"RIVE・f20695)は、当然のごとくうなずいた。
「そーだよな、止めなきゃなんねえよな」
「うん……って」
 何気なく会話を進めようとしたオスカーは、微かな違和感に気づいた。
 しゃくしゃく。
 ジャスパーは、既にアイスを食べていた。
「いつの間、に……は、早いよ、ジャスパー……」
「ん? ほら折角来たんだからオスカーも食えよ」
「う、うん……」
 ジャスパーの言葉に甘えたものかどうか、逡巡するオスカー。
 ところで、
「……あれは……と、止めなくてもいい、のかな」
 ちらり。
「もが……」
「ハハハ、ガイゼンくん、いい食べっぷりだね。まだまだあるよ」
 オスカーが見遣ったのは、ペンガーたちから相変わらずアイスを突っ込まれているガイゼン。
 愉快な仲間の善意(?)のせいでもごもごして、とっつきにくさの半減したオウガブラッド。
 だが、このままだと、ガイゼンに待ち受ける未来は、不幸なものだとか。
「……周りを傷つけないようにって考えてる彼も、他人事に思えない、し……」
 呟くオスカー。
 為すがままになっているのも、ガイゼンなりの優しさだと考えられる。……多分。
「で、でも、その前に……」
 ちらり。
 オスカーは、改めて、不思議な森を見回した。
 辺りを包む冷気。その源、森そのもの。
「アイス……アイスなら……沢山食べても、大丈夫、そう……多分……」
 少食な小雀が、珍しく、食欲をのぞかせた。
「あ、こっちの花もうまいぜ? あとさっき通った木の……」
「ヤア」
 遠慮なくオスカーに勧めるジャスパーに、ペンガーが歩み寄ってきた。なお、歩き方は完全にペンギンのそれ。
「お客様だね。勝手に育ったものだから遠慮する必要はないよハハハ」
「おう、ありがたく頂戴してるぜ。それと、そこの……ガイゼンだっけか? あんたも食って……」
 ジャスパーが振り向いたオウガブラッドは、相変わらずアイス地獄中。
「いや、食わされ過ぎてるってとこか、キシシ」
「…………」
 ガイゼンの目が、鋭くジャスパーを睨んだ。
「おっと警戒は無用だぜ、俺も同族なんだ」
「…………」
 わかるな? と視線で問い掛けるジャスパーの意を、ガイゼンは正確にくみ取ったらしい。
「……オウガブラッド、か」
「ああ。もう十年はこの姿さ、すっかり馴染んでる。あんたも今は大変だろうけど、心の礎になるような思い出を沢山積み上げてきゃ、狂気やら暴走やらに抗いきれるん筈だぜ」
 例えば。
 角を撫でたジャスパーは、何やらそわそわしているペンガーたちをちらり、と見て、
「ペンギンみたいなダチが薦めてくれたアイスで頭キーンとなったとか、なァ?」
 そわそわの理由は、ガイゼンにアイスを振舞いたくてうずうずしているため、らしい。
「そう。友達だ。友達には幸せになって欲しいのだよ、我々としては」
「だってよ?」
 ジャスパーの言葉を受け、ふんぞり返るペンガー。
 ガイゼンは、しばし沈黙。そして、絞りだしたのは、
「……そう、か」
 ただ一言。
 だが、そこにこめられた様々な思慮と葛藤を、ジャスパーはくみ取った。
 これでガイゼンが、狂気との戦いで投げやりになったりしないでくれると嬉しいのだが。
「ま、今はアイスの時間を楽しもうじゃねえか。なァ、オスカー……って?」
「よい、しょっ……」
 オスカーは、木に生っているアイスの果実に手を伸ばす。
「……と、届かない……」
 必死。けれど、指先がほんのりかじかむばかりで、果実には至らない。
「……ん? あれ食いてえの?」
「……こ、これは諦めて、もっと手近な方のアイスを、あ……」
 オスカーの上に影が落ちたかと思うと、翼を広げたジャスパーが、アイスをもぎ取った。
「そうならそうと言えばいいのに、ほら」
「あ、ありがとう、ジャスパー……」
「いいから早く食べて見ろよ、美味いから」
 大事そうに、果実を受け取るオスカー。
「どうだ、高い所のアイスを取ってやれるこの空飛ぶ翼。これもオウガの血が成せる業ってね」
 ジャスパーに言われて、ガイゼンは考え込むような仕草を見せた。
「おっとガイゼンくん口がお留守だね」
「もごっ」
 お代わりが来た。
 もてなしペンガーのせいで、狂気と向き合っている暇もないガイゼンを見ながら、オスカーは、アイスをちびちび食べ始めた。
 一気に食べるといけないのは、ガイゼンという実例を見たのでわかる。
 なら、少しずつ食べ進めれば、きっと大丈夫……。
「ぴ?!」
 きーんっ。
 一口こそ小さいけれど、せかせかと食べ進んだせいで、オスカーの頭は、やっぱり痛くなってしまったのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

荒散屋・無躯
※連携改変大歓迎

凍ったアイスはうめぇな
凍ってるもんはゴミ箱漁って出てきても、大抵溶けてるからよ
今のうちにソコらのを適当に食っとくわ

…なんだ、オレにヤサシイ言葉でも期待してんの?
ケッ、ヒーロー様じゃねぇぞコッチは

大体ソイツの悩みのアレってソイツの中にいんだろ?
じゃあ最後に決めるのはソイツの、ココだろ

つーかさ、ムカつかね?
勝手についてきておきながら、なんもかんも飲もうとするとか…オレだったらブチギレだね、テメェの飼い主はオレだ位は言わねぇと気が済まねぇ

で、ソッチはどうなんだ?
どうなりたい、どうしたい?
テメェ自身のやりてぇことを思っておかねぇと、すぐ食われるぜ?

んじゃ、相談料はソッチのアイスでいいぜ



 しゃくしゃく。
 荒散屋・無躯(Trash・f32488)は、適当に見繕ったアイスバーを喰らいながら、ガイゼンの元に現れた。
「凍ったアイスはうめぇな。凍ってるもんはゴミ箱漁って出てきても、大抵溶けてるからよ」
 辺りに満ちた天然の冷気のお陰だろう。アイスはどれもしっかり硬く、無躯の味覚を満足させてくれる。
「…………」
 切り株の椅子でうなだれていたガイゼンが、無躯に視線を投げてくる。
 狂気との死闘でやつれているのかと思いきや、単純に、アイスの冷たさにやられているようだ。
 恨めしそうなまなざしを向けられた無躯は、ハッと笑って、肩をすくめた。
「……なんだ、オレにヤサシイ言葉でも期待してんの? ケッ、ヒーロー様じゃねぇぞコッチは」
「……そんなつもりはない」
「おやおやおや」
 新たな客人を迎え、ペンガーたちが集まって来る。
「お客人。君もアイスを食べるのだ」
「ついでにガイゼンくんを励ましてやるといいのだ」
「オレが来たのは、励ましなんて大層なもんじゃねぇよ。でもまあ、頼まれちゃあしょうがねぇよな」
 ペンガーたちに押し付けられるアイスを次々食べながら、無躯は話を続けた。
「大体テメェの悩みのアレってテメェの中にいんだろ? じゃあ最後に決めるのはテメェの、ココだろ」
 無躯が示したのは、自分の胸。
 そして、ずいっ、とガイゼンの方に身を乗り出し、
「つーかさ、ムカつかね? 勝手についてきておきながら、なんもかんも飲もうとするとか……オレだったらブチギレだね、テメェの飼い主はオレだ位は言わねぇと気が済まねぇ」
「…………」
 視線を落とすガイゼンに、無躯が問う。
「で、ソッチはどうなんだ? どうなりたい、どうしたい? テメェ自身のやりてぇことを思っておかねぇと、すぐ食われるぜ?」
 しばし、と言うには少しばかり長すぎる時間を挟んで、ガイゼンは答えた。
「……オレはオレだ。身体だけじゃない、心もオレのものだ」
「それでいいんじゃねぇの」
 無躯は、にかっ、と破顔した。
「……お前はシンプルでいいな」
「あ? 考えるからややこしくなるんだろ?」
 無躯のまっすぐ、というか曲がる事を知らない思考は、ガイゼンとは正反対。
 それゆえに、ガイゼンにとっては目から鱗、だったようだ。
「んじゃ、相談料はソッチのアイスでいいぜ」
「……好きなだけ喰え」
 ずい。
 氷で出来た器にたんまりと盛られたアイスが、無躯に差し出された。
 ガイゼンから体よく押し付けられたことに、無躯は気づかなかったらしい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神宮時・蒼
……あいす。…あいす…?
……あいすとは、樹に、なる、もの、でした…?

【POW】
…えと、大丈夫、です、か…?
冷たい物を勢いよく食べた反動なのでしょうか
そもそも、あいす食べた事ないので理解出来ないのですが
…良ければ、あいすの、食べ方、とやらを、教えて、いただけ、ない、でしょうか
何やら悩み事がある様子
物を知らぬ若輩の身ではありますが…、一人では無理でも、二人、三人なら可能になる事も、あるかと
…大丈夫、ですよ。……狂気に、身を、窶した、其の時は
―全力で、正気に、戻して、さしあげ、ますから

…其れよりも先に、倒すべき、相手が、いるよう、ですね
…天使と名乗る、灰色の、わるい、ひとを



 神宮時・蒼(迷盲の花雨・f03681)は、冷気と自然の織りなす神秘的な光景に、目を奪われていた。
 ……のだが。
「……あいす。……あいす……?」
 泡のように浮かび上がる疑問。
「……あいすとは、樹に、なる、もの、でした……?」
 小首をかしげた蒼の耳に、震える声が届く。
 切り株の椅子に座らされ、テーブルに突っ伏した男がいる。
 ガイゼン氏だ。
「……えと、大丈夫、です、か……?」
 兎などの小動物のように、大柄を小刻みに振るわせるガイゼンに、蒼は声を掛けた。
「……うう……」
 返答は、唸り声。
「これはもしかして冷たい物を勢いよく食べた反動なのでしょうか。そもそも、あいす食べた事ないので理解出来ないのですが……あ」
 ガイゼンが顔を上げた。とりあえずアイスクリーム頭痛は通り過ぎたらしい。
「……あの……良ければ、あいすの、食べ方、とやらを、教えて、いただけ、ない、でしょうか」
 恐る恐る蒼がたずねると、ガイゼンはやおら立ち上がり、手近な果実をもいだ。蒼でも一口で食べられそうな、小ぶりなものだ。
「……このまま食べられる。口に入れるだけでいい」
 ガイゼンから手渡された実は、冷たく。
 言われた通り頬張ると、冷たさの後に、フルーティな甘さが口の中に広がった。
「……美味しい、です、ね……」
 ガイゼンが、次に差し出したのは、長方形のアイスキャンディ。中に何種類ものフルーツが含まれた、ちょっと豪華なものだ。
 蒼はご相伴にあずかりながら、本題に移る。
「ところで、何やら悩み事がある様子。物を知らぬ若輩の身ではありますが……、一人では無理でも、二人、三人なら可能になる事も、あるかと」
「……今日はお節介が多い日だ」
 ぼそり。
 ガイゼンの口調がぶっきらぼうだったので、蒼は口をつぐんだ。
 自分の言葉が、拒絶を含んだものと気づいたのだろう。ガイゼンが、蒼から視線を外した。
「別に悪い意味はない。ただ、こんな時にオレの中の狂気が溢れ出したら、巻き込む人数も多くなると思っただけだ」
「……大丈夫、ですよ。……狂気に、身を、窶した、其の時は――全力で、正気に、戻して、さしあげ、ますから」
 蒼の言葉に、ガイゼンはペンガーたちを見回した。
 アイスパーティでハイになっている愉快な仲間たちを。
「……頼めるか」
「はい。……其れよりも先に、倒すべき、相手が、いるよう、ですね。……天使と名乗る、灰色の、わるい、ひとを」
 蒼は、感じていた。
 迫りくる、無慈悲の足音を。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『灰色の天使グリエル』

POW   :    不純肉切除
【不要な肉を切り落とす肉切り包丁】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
SPD   :    灰華の木枯らし
自身の装備武器を無数の【触れた物を灰に変える灰】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    灰蝕の翼
自身が【灰蝕の翼を広げて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【対象の献身さを侵蝕する猜疑の闇】によるダメージか【対象の害意を侵蝕する慈愛の光】による治癒を与え続ける。

イラスト:エゾツユ

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「うんうん、ガイゼンくんに友人が出来て何よりだよ」
 猟兵たちとの交流を保護者のように見守り、しみじみ告げるペンガー。
 その体を、ガイゼンが突き飛ばした。
「ぴゃー!?」
 ごろんごろんと転がって、大木に激突。アイスの果実が落下して、ペンガーはアイスまみれになった。
「何をするのかねガイゼンくーん!」
 抗議するペンガー。だが、今の今まで自分がいた場所に突き立つものを見て、再び、ぴゃーと悲鳴を上げた。
 肉切り包丁、血痕付き。
「手が滑ってしまったの」
 ふわり、舞い降りた少女が、包丁を引き抜く。
 灰色の天使グリエル。
「……狙いは正確だろう。オレがこいつらをかばうのもお見通しか」
 ぎりっ。
 噛みしめた歯を軋ませ、ガイゼンがグリエルを睨む。
「それに気づくのも、オウガの力が高まっている証拠。後は私が仕上げをするだけ」
「……こいつらに手出しするな」
 コートを翻し、ペンガーをかばうガイゼンに、グリエルは小首を傾げた。
「手出しなんてしない。あなた以外どうでもいいから」
「……貴様」
 ガイゼンのコートの裾が、長髪が、ふわりとなびく。
 グリエルの指摘通り、力が高まっている証だ。ただし、狂気……オウガの。
「その怒りも今だけ。私に肉を削がれれば、すぐに命乞いを始めるの」
「…………」
 グリエルの気配だけで、圧倒されるガイゼン。
 狂気に身を委ねれば、あるいは、この天使を追い払えるかもしれない。
 だがそれでは、ペンガーたちを巻き込んでしまうかもしれない……。
 葛藤の間にも、ガイゼンの狂気は、解放の時を待っている。
榊・霊爾
君が本日の犠牲者かな?
いや、君の事だよ、そこの天使モドキ
楽しい事に水を差す最低なアバズレだよ

鴉羽笠のステルスを有効にして【存在感】を消して【闇に紛れる】
目測され辛い様にな
斬撃は背黒鶺鴒を用い、【見切り】と【受け流し】で捌き、弾いて防御
ドサクサに紛れてカイゼル氏を切り付けようとするならば
【早業】の抜刀で割り込んで邪魔してやるさ
お前の相手は私だ、よそ見するんじゃないよ

そろそろ片付けるか
死角から攻撃に合わせる形で鶚を抜刀し、【武器落とし】で肉切包丁を弾き飛ばし、
小夜啼鳥によるUC『韋駄天』の抜刀で切り伏せる



「……オレの血肉をくれてやる、だから従えオウガ」
 オウガ・ゴーストにて、抵抗を試みるガイゼン。
 それを『調理』せんとするグリエルの表情が、不機嫌に変わった。
 榊・霊爾が、『食材』の前に立ちふさがったからだ。
「君が本日の犠牲者かな? いや、君の事だよ、そこの天使モドキ。楽しい事に水を差す最低なアバズレだよ」
「モドキ……」
 肉切り包丁が震えているのは、霊爾への怒りよりも、削ぎ落し衝動の禁断症状か。
「なら、肉を削ぐ前に邪魔ものから消えてもらう」
 ぱっ、と。
 グリエルが手放した肉切り包丁が、塵と化した。
 否、滅びもたらす、灰の花弁へと転じたのだ。その規模は、無数。
 アイスの森をグレーで塗り潰す、天使の祝福。
 霊爾が取った行動は、鴉羽笠を深くかぶり直す事だった。
 すると、グリエルの視界から、霊爾の姿が消えた。まるで、闇に溶けこむように。
「見る必要はないの。灰に触れればすべてが塵になる」
 気配を殺した霊爾へと、言葉を投げるグリエル。その視線は、ガイゼンのみを見据えている。早く裁断してやりたいのだと。
 だが、今の相手は、霊爾だ。
 背黒鶺鴒を携え、灰の花弁の軌道を見切り、グリエルへと接近。障害となるものを捌き、切りかかる。
「……猟兵の戦いとは、これほどのものか」
 視覚ではとらえきれぬ攻防に、あっけにとられるガイゼン。
 自身もオウガブラッド、戦闘力を秘めているとはいえ、猟兵の実力を思い知ったようだ。
 霊爾とグリエルの対決に意識を向けていたガイゼンは、気づかなかった。
 灰色の悪意が、すぐそばで自分を狙っている事に。
「削ぐね?」
「……!」
 灰の花弁を肉切り包丁へと集束させて。グリエルがガイゼンに振り下ろす。
が。
「お前の相手は私だ、よそ見するんじゃないよ」
 包丁と火花を散らしたのは、神速の抜刀術。
 霊爾の刀が、ガイゼンとグリエルの間に割って入っていた。
「ズタズタにされたいの?」
 恨めし気な眼差しと共に、包丁を振るうグリエル。だが、霊爾の肉どころか、髪の毛一本断つことさえ叶わない。
「そろそろ片付けるか」
 再び、霊爾の身が、闇に沈む。
 グリエルの反応が至らぬ速度で、肉切り包丁を弾き飛ばす。
 霊爾は、即座に納刀。初撃よりも速度を増した抜刀術で、天使を切り伏せた。
 一拍後。
 アイスの森の冷気を、衝撃波が吹き払った。

成功 🔵​🔵​🔴​

隣・人
頭痛いですよ。あっ……なんか熱っぽくなってきましたね。気分が悪いです……このふわふわする感じちょっと殺意に似てませんか? ほら、正気を保つ為に脳味噌が茹だる心地……あ。わかりましたよ。このひどい眩暈はテメェの所為ですねオブリビオン、死ね!!!
たくさんの殺人鬼を呼びましょう。一体一体がたっぷりの殺意(チョコ)を持っていますね。さあ、カーニバルの時間ですよ。アイスクリーム頭痛は引っ込んでくださいね!!!
あっ。これは害意ではなくて快楽です。テメェの三半規管執拗に弄んで撲り殺してやります。おらっ!!!
喰らいやがれどっきり目回し!!!

もう天使が飛ぶ事はありませんね!
安心して正気に戻ってください、アンタ



 ふらりふらふら。
 戦場にありながら、体を不規則に揺らす隣・人を、ペンガーたちが支えていた。
「しっかりしたまえ、ガイゼンくんを助けられるのはキミたちだけなのだ」
「いやだってもうこれ頭痛いですよ。あっ……なんか熱っぽくなってきましたね。気分が悪いです……」
 隣・人の奇行?に、ガイゼンばかりか、内なる狂気も戸惑いの様相。
「このふわふわする感じちょっと殺意に似てませんか?」
「??」
「ほら、正気を保つ為に脳味噌が茹だる心地……あ。わかりましたよ。このひどい眩暈はテメェの所為ですねオブリビオン、死ね!!!」
 唐突に生まれ出た隣・人の殺意は、グリエルに向かった。
 しかも、大勢の殺人鬼の形を取って。
 来たるは、100人殺人鬼。一体一体の手には、たっぷりの殺意(チョコ)。
「さあ、カーニバルの時間ですよ。アイスクリーム頭痛は引っ込んでくださいね!!!」
「うひゃあ」
 真っ先にペンガーが逃げた。……えろえろと、隣・人のリバースの予兆を感じ取って。
 一方、殺人鬼の群れは、グリエルを囲み、殺し尽そうとする。
「このくらいの殺意、生ぬるい」
 翼を広げるグリエル。純白どころか、血に汚れた残酷の灰翼。
 闇が溢れ、ガイゼンや殺人鬼たちの害意を、まとめて塗りつぶさんとする。
「殺人鬼だというのなら、必ず害する心がある。私の『祝福』からは逃れられない」
「……くっ……」
 ガイゼンが、自ら発動していたオウガ・ゴーストの炎が、消えていく。
 狂気やグリエルに抗おうとするガイゼンの敵意が、『浄化』されていくのだ。
 そしてまた、隣・人のそれも……。
「……なぜ平然としているの」
「あっ。これは害意ではなくて快楽です。テメェの三半規管執拗に弄んで撲り殺してやります。おらっ!!!」
 それまで殺人鬼に丸投げして棒立ちしていた隣・人が、突然グリエルに襲い掛かった。
 襲来、と、そう表現するのが相応しい荒々しさと共に、
「喰らいやがれどっきり目回し!!!」
「!?!?」
 ぐるんぐるん、世界が回る。
 広げた翼の空力抵抗効果も何のその。グリエルは大変よく回った。
 落下とともに光の放出が断たれ、殺人鬼はもちろん、ガイゼンもまた、慈愛という名の重力から逃れ出た。
「もう天使が飛ぶ事はありませんね! 安心して正気に戻ってください、アンタ」
「……あ、ああ」
 何やかんやで、しっかりグリエルに対処する隣・人。
 ガイゼンの顔は、狐につままれたような、狸に化かされたような、不可思議な表情でいっぱいだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

神宮時・蒼
……天使とは、名ばかりの、物言い、ですね。…どちらかと、言えば、悪魔の、所業、でしょう、か
……ともあれ、ガイゼン様と、約束を、しました。…なら、狂気に、堕ちる前に、貴女を、倒して、しまえば、いいだけの、話。…お相手、願い、ます、ね。

【WIZ】
グリエルがまだガイゼンを狙うならば【結界術】で肉をそぎ落とすのを阻止します
…闇が、献身を、侵食、するならば、闇を、晴らせば、いい、でしょうか
【属性攻撃】の光を【範囲攻撃】で照らして闇を打ち払いましょう
完全に闇が晴らせないならば、相手の羽根を動かないようにすれば…?
【呪殺弾】を織り交ぜた白花繚乱ノ陣を【全力魔法】で放ちます

…おやすみ、なさい、偽物の、天使、様



 グリエルの肉切り包丁は、アリスの肉を切るためにのみ、振るわれる。
「存分に狂って。余分は全て削ぎ落してあげるから」
「……ふざけた事を……ッ!」
 ガイゼンの半身から噴き出す蒼炎。オウガ・ゴースト。しかし、いつまで己の意志で振るい続けられるか。
 その迷いが、隙を生む。
「もらったの」
 ガイゼンの体が、裁断される直前。
 裁断の包丁は、神宮時・蒼の杖によって弾かれた。
「……天使とは、名ばかりの、物言い、ですね。…どちらかと、言えば、悪魔の、所業、でしょう、か」
「猟兵に用はない。今はまだその時じゃない」
 血塗れの灰色翼で、蒼の間合いから離脱、平然と告げるグリエル。
 自分を庇った蒼を、ガイゼンは忸怩たる思いで見た。
「……すまない」
「いいえ、これは、ガイゼン様との、約束」
 代わりに蒼は、天使に敵意を向け、
「狂気に、堕ちる前に、貴女を、倒して、しまえば、いいだけの、話。……お相手、願い、ます、ね」
「仕方ない。せめて、猟兵の肉の感触も楽しむだけ」
 天使の翼が森の冷気を叩き、蒼に突撃する。……いや、その狙いはガイゼンから変わっていない。
「もらったの」
 閃く包丁。ガイゼンが諦めとともに、蒼炎の狂気に身を委ねようとした瞬間。
「お相手、願う、と、そう言ったはず、です」
 幾筋も迸った光が、幾何学図形を描き出し、その身を覆った。
 蒼の紡いだ結界だ。包丁は、想定外の『食材』の力の前に、あえなく弾かれる。
「また邪魔をして」
 グリエルが翼を広げる。
 辺りに放射された闇が、蒼たちを飲み込む。それは、身を捨てても誰かを守ろうとする献身を塗り込める闇黒。
 ガイゼンの心にも滑り込み、精神の均衡を、狂気側に傾かせる。
「……く……」
「……闇が、献身を、侵食、するならば、闇を、晴らせば、いい、でしょうか」
 蒼が、杖を掲げた。苦しむガイゼンやペンガーのため、守った献身を振り絞って。
 アイスの森を包む闇が、祓われる。
 蒼から放たれた光が、周囲の闇を上書きしたのだ。
 闇の源は、天使の翼。ゆえに蒼は杖を振い、冷気宿す虚空に、陣を描き出す。
 陣術は、正しく力を発揮した。蒼の命に従い、荒れ狂うは、吹雪。
 月花ノ吹雪は、無差別の闇と異なり、ただグリエルだけを包み込む。
 聖性と狂気、二つの力で守られたはずのグリエルの体を、その翼を、容易く切り裂いていく。
「……おやすみ、なさい、偽物の、天使、様」
 傷ついた翼を庇うグリエルに、蒼が葬送の言葉を告げた。
 吹雪がグリエルの姿を掻き消したのは、その直後の事であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミーヤ・ロロルド(サポート)
『ご飯をくれる人には、悪い人はいないのにゃ!』
楽しいお祭りやイベント、面白そうな所に野生の勘発動させてくるのにゃ!
UCは、ショータイムの方が使うのが多いのにゃ。でもおやつのUCも使ってみたいのにゃ。
戦いの時は得意のSPDで、ジャンプや早業で、相手を翻弄させる戦い方が好きなのにゃよ。

口調だけど、基本は文末に「にゃ」が多いのにゃ。たまににゃよとか、にゃんねとかを使うのにゃ。

食べるの大好きにゃ! 食べるシナリオなら、大食い使って、沢山食べたいのにゃ♪ でも、極端に辛すぎたり、見るからに虫とかゲテモノは……泣いちゃうのにゃ。
皆と楽しく参加できると嬉しいのにゃ☆

※アドリブ、絡み大歓迎♪ エッチはNGで。



 不思議の国の1つ、「フロスト・パーク」。
 ペンギン風の愉快な仲間たち……ペンガーに混ざって、ミーヤ・ロロルド(にゃんにゃん元気っ娘・f13185)は、アイスの花々を楽しんでいた。
 不思議な国のアイスパーティの気配を、ミーヤの勘がキャッチしたもよう。
 そうしてしばらく、ペンガーたちとアイスの川を堪能していたところ、ミーヤは顔を上げる。
 オブリビオンの気配を感じたからである。
「おや、ガイゼンくんが危ないようだ。助けてはくれないだろうか」
「ガイゼン? あっちのオウガブラッドの人にゃ? 任せるにゃ! アイスをくれる人に悪い人はいないのにゃ!」
 だっ。
 ペンガーたちに誘われ、ミーヤはグリエルの元に駆け出した。

「さあ、進化の時。純粋種に覚醒すれば、その狂気からも解放される」
 ガイゼンを追いつめる猟書家、灰色の天使グリエル。
 オウガ・ゴーストを駆使して戦うも、内なる狂気との戦いで疲弊したガイゼンの心は、グリエルの言葉に揺れているところだった。
「そこの天使さん! 悪いコトは許さないのにゃ!」
 しゅばっ。
 サバイバルナイフを握ったミーヤが、ガイゼンをグリエルから引き離した。
「……猟兵、か」
「もう大丈夫なのにゃ!」
 突然の乱入者にあっけにとられたガイゼンに、ミーヤが頼もしい言葉をかける。
 反面、獲物を奪われたグリエルは、途端に不機嫌顔。
「『料理の仕上げ』中なの。邪魔しないで」
「りょうり? なら混ぜて欲しいのにゃ!」
 ばっ、と。
 ミーヤが振舞ったのは、アイスの森で集めたアイスの数々。
「パーティかね?」
「パーティだね?」
「そう決めたよ?」
 戦いの気配を受け、遠ざかっていたペンガーたちも集まってきて、アイスパーティが再開される。
「ほら、おじさんも一緒にアイスを食べるのにゃ! アイスなら猫舌でも安心なのにゃ」
「……おじ、さん……」
 ガイゼンが、肩を落とす。
 無論、黙っていないのは、グリエルである。
 肉切り包丁を灰色の花弁に変えると、アイスパーティを襲撃する。
 だが。
「動きが、遅い?」
 ミーヤたちのパーティタイムを拒絶したグリエルの戦闘行為は、全くもって速さに欠けていた。
 その隙をついて、しゅばっ、と、ミーヤがグリエルを切り払った。
「さあ、邪魔ものはほっといて、みんなでアイスを食べるのにゃー♪」
「うむうむ。ガイゼンくんもパーティの続きだよ?」
「……いや、オレは、もう満腹だ……」
 アイスを勧めるミーヤやペンガーたちに、ガイゼンは困り顔で応えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

オスカー・ローレスト
【魔竜と雀】

お、俺はそこまで強く、ない、けど……でも、オウガの思い通りになんて、さ、させたく、ない、から……やれる事、を。

い、いや、俺は乗らなくていい、よ……ここからでも、二人のサポートは出来ると思う、から……(肉を抉ってるジャスパーからサッと目を逸らしつつ

お、俺は、敵の妨害メインで動こうと、思う……ふ、二人が敵の攻撃を気にせず動ける、ように……

まず、【堕とす鳥】でグリエルの動きを封じて……つ、翼を広げられないように、妨害、する……

ふ、振り払われる可能性もある、し……俺も魔法の矢で敵の手や足を狙い撃ちして、【援護射撃】する、よ……これで、肉切り包丁の狙いも逸れたりしてくれたらいいん、だけど……


ジャスパー・ドゥルジー
【魔竜と雀】
おやおや、命乞いするのはどっちだろうなァ?
オウガブラッドに愉快な仲間
この世界の存在はそんな脆弱じゃねェぜ

不要な肉とやらを削がれる前に自分から削いでやる
自らにナイフ滑らせ抉った肉で【ジャバウォックの歌】
相棒、つまりオウガの魔竜を召喚して騎乗
オスカーにガイゼンも乗るぅ?
ん、りょーかい
バッチリ頼むぜオスカー

相棒に空を飛翔させ包丁を避ける
攻撃は相棒の炎のブレス
身に宿したオウガとの完璧なコンビネーション
あの天使にも、そしてガイゼンにも見せつけてやる

これならペンガーと距離も取れるし
それでも万一何かあったら俺らが全力で止める
思う存分力を発揮していいぜ、ガイゼン
狂気を手懐けてみろよ



 ジャスパー・ドゥルジーは、肉切り包丁を手に舌なめずりするグリエルを、笑い飛ばした。
「おやおや、命乞いするのはどっちだろうなァ? オウガブラッドに愉快な仲間、この世界の存在はそんな脆弱じゃねェぜ」
 敵に挑発を送ると、ジャスパーは、ちらりと背後のガイゼンに目配せ。
「……オレは」
 迷いの渦中にあるガイゼンを、おずおずと、オスカー・ローレストが励ました。
「お、俺はそこまで強く、ない、けど……でも、オウガの思い通りになんて、さ、させたく、ない、から……やれる事、を」
 オスカーの決意を見て、ガイゼンも何か思うところがあったようだ。思案の素振りを見せつつ、オスカーたちを見守る。
「猟兵に興味はないのに。せめて肉の感触、楽しませて」
 グリエルが、ジャスパーに狙いを付けた。
 剥き出しの闘志を持ったジャスパーを討てば、残るオスカーたちとは与しやすいと判断したのか。
 不要な肉とやらを削がれ、体を造り替えられる前に、自分から削いでやる。
 ジャスパーは、構えたナイフで……自らの肉を抉った。
「……っ」
 ジャスパーが肉を抉る瞬間、サッと目を逸すオスカー。薄皮を剥ぐ、などいう生易しいレベルではなかったからだ。
「……!」
 目を見開くガイゼン。だが、すぐにその意味を悟る。
 そう、自分と同じなのだ。ジャスパーの自傷は、次なる事象への布石。
 ジャスパーの体から噴き出す竜気。それはオウガの魔竜・「魔炎龍ジャバウォック」をこの場に召喚し、ジャスパーの乗騎となった。
「オウガを……乗りこなしているのか」
 ジャスパーの肉を食らって頼もし気に咆哮するジャバウォックに、ガイゼンはあっけにとられるばかり。
「オスカーにガイゼンも乗るぅ?」
 竜の背で、こともなげに誘いかけるジャスパーに、オスカーはふるふると首を横に振った。
「い、いや、俺は乗らなくていい、よ……ここからでも、二人のサポートは出来ると思う、から……」
 後ずさりながら、遠慮するオスカー。
 代わりに、ガイゼンに自分の席を譲る。
「……いいのか」
「う、うん……そばで、ジャスパーの戦いを見れば、きっと、何かわかると思う、から……」
 進言を受け止め、ジャバウォックの背に乗るガイゼンを確かめたオスカーは、空へ向かう2人を見送った。
「お、俺は、敵の妨害メインで動こうと、思う……ふ、二人が敵の攻撃を気にせず動ける、ように……」
「ん、りょーかい。バッチリ頼むぜオスカー」
 相棒たる魔竜を、空へと飛翔させるジャスパー。
 対するグリエルも翼を羽ばたかせ、空中戦が始まった。
「肉、斬らせて」
「させるかよ!」
 ジャバウォックは、繰り出された肉切り包丁をかわすと、炎のブレスで反撃した。
 黒き混沌そのものであるブレスは、グリエルの翼を焼き、厄介な飛翔能力を喰らう。
 ジャスパーと、オウガのコンビネーションは完璧。
 ガイゼンはもちろん、グリエルも圧倒されるばかりだ。
「確かにオウガの力を制御している。けれど、私が求める究極体はそんなものじゃない」
「無駄なものを削ぎ落す、かぁ? そんなもんは必要ねえんだよ!」
 グリエルと空中で何度も交錯しながら、ジャスパーは相棒のブレスをお見舞いした。
 翼が燃え尽きてしまう前に。
 天使の翼が闇を宿すのを、オスカーは見た。献身の心を食い破る、猜疑の闇。
 しかし、オスカーの周囲の空間が、ほのかに歪んだ。
 見えざる籠から放たれたのは、不思議な力を持った鳥。
 ジャスパーたちに加勢してほしいと頼むと、【堕とす鳥】は、空中戦に臨んだ。
「こんな小鳥なんて」
 肉切り包丁が、墜とす鳥を狙う。
 だが、小鳥の全身から放出された重力が、グリエルを包む。
 不可視の腕が、天使の翼を押さえつける。飛行能力の要であるそれを封じられては、さしもの天使も、空を翔ける事は叶わない。
「邪魔な小鳥」
 翼を大きく広げて、重力から脱しようと試みるグリエル。
 しかし、そこに地上からの対空射撃が来た。
 オスカーの魔法の矢だ。翼に触れようとする手や、バランスを保とうとする足を狙い撃ちし、墜とす鳥や、ジャスパーたちの攻撃のチャンスを作り出す。
 何より、グリエル自慢の肉切り包丁を、満足に振るわせない。
「オスカー助かる。今だぜガイゼン」
「……む」
「これならペンガーと距離も取れるし、それでも万一何かあったら俺らが全力で止める。思う存分力を発揮していいぜ、ガイゼン。狂気を手懐けてみろよ」
 ジャスパーの申し出に、ガイゼンは、遂に迷いを振り切った。
 これまで力を貸してくれた猟兵たちへの信頼の結実。

「せっかく見つけたサンプル。必ず覚醒させる」
 肉切り包丁を手に、ジャバウォック……ガイゼンに飛び込もうとしたグリエルが、止まる。
 オスカーの魔法の矢が、グリエルの進撃を封じ、空中で足止めしたのだ。
「……恐れるな」
 そう自分に言い聞かせたガイゼンの半身から、蒼熊が溢れ出す。それは、ガイゼンの鎧のように全身に重なると、獣戦士の様相となった。
「違う。それは私の欲しい力じゃない」
「……だがオレの選んだ力だ!」
 余力を振り絞り、「灰斬」で超速の肉切りを試みるグリエル。
 だが、竜から飛び降りたガイゼンが、断たれることはない。そして、その両腕から繰り出される、蒼き炎のベアークロー!
 十字に交叉された斬撃が、グリエルを引き裂いたのだった。

 一瞬で、灰と化すグリエル。
 蒼きオウガの炎の勢いは鎮まり、ガイゼンの瞳には、正気が宿っていた。
「……やれたのか、オレは」
「ありがとうガイゼンくん、この国を守ってくれて」
 てこてこ、と、ペンガーたちがガイゼンや猟兵たちの元に集まって来る。
 そして、ガイゼンの手を取る。ぶんぶん、シェイクハンド。
「さァ、ガイゼンくんと猟兵くんたちの勝利を祝して、アイスパーティといこうじゃないか」
「……勘弁してくれ」
 オウガの力を御することが出来たとて、アイスクリーム頭痛を克服できたわけではない。そしてアイスはたっぷり食べている。
 それでも。
 ペンガーに振り回されるガイゼンの表情は、何処か憑き物が落ちたように晴れやかに見えたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月24日
宿敵 『灰色の天使グリエル』 を撃破!


挿絵イラスト