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【ノルデン物語】吹雪に紛れる紅い星

#クロムキャバリア #ノルデン物語

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#ノルデン物語


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 極寒の小国ノルデン。名だたる狙撃手を輩出してきたこの国も、国である以上物資には逆らえない。ノルデンは同盟を結んでいる南の商業国から数多くの輸入品を仕入れている。
 というのも、ノルデンのプラントは、狙撃手の活躍によって急激増えた国の規模に比べて少なく、供給が間に合っていないのだ。
 そこで自慢の狙撃手をその商業国に傭兵として派遣し、代わりに物資を買っていた。今日はその物資が低空飛空艇で届く日であった。
「今日はよく晴れてるなぁ……お月様がきれいだ」
 優しく降る雪に添える純白の月光、さらにどこまでも続いている白の地平線。絶景とはこのことである。
 しかし、そんな景色に見とれて、飛空艇パイロットは反応が遅れてしまった。
「ん? 赤い流れ星……」
 直後、飛空艇に無数の弾丸と熱線が突き刺さり、轟音を立てて爆散していくのであった。

「という予知を見たんだよ」
 そう猟兵たちに伝えるのは、グリモア猟兵のクトゥルティア・ドラグノフである。
「改めて状況を説明するね?

 このノルデンと同盟を結んでる国から来る予定であった、物資を乗せた飛空艇が、オブリビオンマシンの襲撃を受けて撃墜されてしまう。それを阻止するため、皆には飛空艇を守りつつ戦ってもらうよ。
 現地は軽く雪の降る平野、時間帯は深夜。見晴らしが非常にいいんだけど、それは同時に射線がすごく通っているっていうこと。それを証明するように、敵部隊の構成はスナイパーが多いよ。
 60式量産型キャバリア【ユニコーン】、雪原使用の迷彩を使用しているからかなり見つけづらい。おまけに猟兵よりも飛空艇を狙って攻撃を加えそうな感じがするんだよ。集団戦は、敵を先に見つけて叩くことに力を入れたほうがいいよ。
 といっても、この国の凄腕狙撃本職さんたちこと『ホワイト・アウト』の人たち曰く、敵の熱源隠蔽処理はお粗末。サーマルを持っていくのを推奨するとのことだよ。
 それらを殲滅するのに成功すれば、飛空艇はちょうど戦場から離脱できるよ。でもそれで終わりじゃなくて、このキャバリアを率いた部隊長が姿を現すから、それも撃破してほしいんだ。
 アマランサス派生機のアマランサス・ラピート。高機動のエースだよ。真っ赤で派手だけど、それに見合った実力があるから気を付けてね」
 説明としてはこんなところかなと、クトゥルティアが一息入れる。また、この戦闘が終了した暁には、ノルデンに届いた物資を使った、ちょっとした勝利会を開く予定であるという。
 ぜひとも完勝し、温かいボルシチを食べていってほしいとは国民の意見だそうだ。
「それじゃあ皆頑張ってきてね!」
 そういってクトゥルティアが雪原にテレポートを開くのであった。


しじる
 初めましての方は初めまして。そうでない方はお世話になっております。しじると申します。
 今シナリオで登場している、ノルデンとホワイト・アウトは、しじるの【ノルデン物語】シリーズで登場した国と部隊ですが、前作を読んでいなくとも問題ないストーリーにしておりますので、気軽にご参加くださいませ!
 今回は飛空艇を守りつつ隠れた狙撃手を撃破し、その後エースを討つものとなってます。
 戦闘終了後はおいしいボルシチとコーヒーも待っておりますよ。
 それでは皆さまの素敵なプレイングをお待ちしております!
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第1章 集団戦 『60式量産型キャバリア『ユニコーン』』

POW   :    密集狙撃陣形【ファランクス・シフト】
【防衛戦線を死守すべく敵を狙撃する仲間 】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[防衛戦線を死守すべく敵を狙撃する仲間 ]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    武器切替即掃射【スイッチ・バースト】
【RS-AL-059 アサルトライフル 】から【弾幕】を放ち、【その威圧効果】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    虚空からの一刺し【ユニコーン・チャージ】
レベルm半径内の、自分に気づいていない敵を【RS-SL-058 スナイパーライフル 】で攻撃する際、ほぼ必ず狙った部位に命中する。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シル・ウィンディア
【ウィンディア】

テラ寒いけど炎は控えてね
温感センサー使えなくなりそうだから

ブルー・リーゼ、出るよっ!

・準備
外付け用の温感センサーを用意
機体のシステムと同期

・戦闘
【オーラ防御】で飛空艇を包んで防御

【第六感】で殺気を感じて温感センサーで敵の動きを【見切り】
【瞬間思考力】で最適な動きで回避
【空中戦】で【推力移動】
【残像】を生み出して攪乱回避

攻撃は
ホーミングビーム砲で敵の潜んでそうな所に
【誘導弾】を【一斉発射】後
敵をランチャーを【スナイパー】で狙撃

接敵時はセイバーで敵の腕部を【切断】

敵UCはスラスターでクイックターンと上空に向かってバレルロールで回避

高度に注意

囲まれたら
コクピットを避けての《指定UC》


テラ・ウィンディア
【ウィンディア】
寒いなシルー
何にも見えないけど…熱源を探せばいけるか
【戦闘知識】
この飛行船に対して狙撃に最適なポイントをピックアップ
サーモセンサーを起動
【属性攻撃】
重力属性を機体全身に付与


UC発動
60機
飛行船の防衛
【第六感・見切り】
狙撃を把握した瞬間飛行船を庇い
即座に捕捉
【二回攻撃・レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドによる反撃による迎撃
残りと本体
周辺捜索を行い敵の捕捉を
敵の攻撃に対しては
【空中戦・残像・盾受け】
残像を残し飛び回りながら回避
避け切れないのは盾で受け
見つけ次第
【早業・串刺し】
槍で串刺しにして剣で切り裂く
遠距離の敵は
【重量攻撃・砲撃】
ブラックホールキャノンによる砲撃による蹂躙



「寒いなシルー、何にも見えないけど…熱源を探せばいけるか」
 そう雪が美しく降りそそぐ大地に立ち呟くのは【テラ・ウィンディア】。極寒の雪国でも、その威風堂々とした姿に変わりはない。自身のキャバリア『三界神機ヘカテイア』に搭乗しつつ、心の奥底で尊敬する姉を見る。
「テラ寒いけど炎は控えてね。温感センサー使えなくなりそうだから」
 テラをそう制すのは姉の【シル・ウィンディア】。キャバリア『ブルー・リーゼ』に搭乗しつつ現れ、外付けの音感センサーを使って狙撃地点を探していた。
 最初にグリモア猟兵が告げたように、今回のオブリビオンマシンの熱源隠蔽処理は杜撰だったようで、黒と青のサーモ世界に目立つ真っ赤な複数の点。それがターゲットであることは誰の目にも明らかであろう。
「守りはおれに任せろ、シルー」
 ユーベルコード【魔女達の騎行『ガンドライド』(アラシノヨル)】によって、三界神機『ヘカテイア』と武装を複製しつつ、シルに伝える。シルもそれに同意し、攻めの体勢を作る。
 それに合わせてサーモに映った赤が行動を開始した。何機かの砲門が飛行船に向き、発砲体制をとった。確認次第二人は各々の行動に移る。
 テラは複製に防衛を指示、いざというときは自身も庇えるように。シルも同じく飛行船をオーラで包む防御にてカバーする。
 二人の準備が終わるのに合わせて、敵の狙撃が始まる。だがそれが飛行船に届くことはない。テラの生み出した複製による強固な防衛網は破れることはない。それどころか、カウンタースナイプと言わんばかりに、狙撃箇所へと装備を発射。複製されたRS-F『ガンドライド』が咆哮を挙げて蹂躙を開始する。
 併せてシルも突撃。自身の六感が示すままに危険を躱し、無駄なく回避しつつも残像を残すかく乱を行っていく。そうして敵の混乱が見えるころには射程内、シルのホーミングビーム砲が追尾ビームが放たれて、躱す暇なく敵機のコックピットを避けて破壊していく。
 それでもしぶとく生き残る者たちもいる。一部はシルへ、一部はテラと飛行船目掛けて突撃し出す。だがこの局面でもシルは冷静、ユーベルコード【エレメンタル・シューター(エレメンタル・シューター)】で火水風土の4つの複合属性の魔力弾による包囲攻撃を行いつつ、それでも寄ってくるものはBXビームセイバー『エトワール』にて四肢を切断して見せた。
「テラ、そっちに行ったよ!」
 シルの声にこたえるように、向かってきた敵にテラは焦ることなく立ち回る。サーベルによる近接は盾で受け、弾丸は残像と丁重な機体操作でかわし切る。
 そうして耐え、隙を突いたのならば紅龍槍『廣利王』によって一機一機確実に撃墜していった。
 それでも多少残った超遠距離にいる狙撃は、テラのBSブラックホールキャノン『プルートーの炎』と、シルの精霊電磁砲『エレメンタル・レールキャノン』によって蹂躙殲滅。
 双子姉妹の絆は、見事飛行船を無傷で守り切るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドルフィ・ロジック
・ここがクロムキャバリアかいな。高高度飛行はアウトらしいけど、この程度の高さで飛ぶ分には問題なさそうやな。どうせ低空での戦闘行動になるんやしな。

・さーて、借りてきたサーマルセンサーを接続……ってなんやこれ。お粗末どころか機体熱源が丸見えやないかい。こんなだったら隠れずに正面から撃ってきた方がナンボか怖いわ。ま、ええわ。とっとと退場願おうかー。

・捨て身で飛空艇の方を撃たれたらたまらんからな。早業で目の前の低空を曲技飛行しつつ、機体の熱線銃とUCで呼んだドローンで弾幕を張って狙撃を邪魔したる。こういう時小回りの利くレシプロ機はええわぁ。シメはプラズマグレネードの爆撃で無力化したる。ほな、さいなら~



「高高度飛行はアウトらしいけど、この程度の高さで飛ぶ分には問題なさそうやな。どうせ低空での戦闘行動になるんやしな」
 そういいながら現れるのは、時代錯誤のレシプロ複葉機……と思わせたレシプロ複葉機型のウォーマシン【ドルフィ・ロジック】。空駆けるならぬ宙泳ぐバーチャルバンドウイルカである彼女は、本来なら高高度で戦うほうが向いている。が、ここはクロムキャバリア、そんなことをすれば衛星砲に焼かれてしまう。
 故に低空しかできないのだが、そこはレシプロ機。大した問題はなさそうだ。
「さーて、借りてきたサーマルセンサーを接続……ってなんやこれ。お粗末どころか機体熱源が丸見えやないかい」
 これなら真正面から売ってきたほうが怖いなど、相手のあまりにも酷い熱源処理に唖然としつつも仕事は仕事。処理すべくドルフィは動き出す。
 捨て身特攻された場合、飛行船が危険なのを考慮しつつ早めに突撃。敵側もそれを検知して一斉に狙撃してくるが、キャバリアよりも一回り小さいドルフィということもあってただでさえ当てづらいにもかかわらず、彼女のキレにキレた地面すれすれ曲芸飛行は、見てるものの肝を縮み上がらせつつも確かに砲撃を躱していく。
 十分な距離に近づいたのであるならばユーベルコード【エレクトロレギオン】を発動させ、弾幕を張らせることでその行動を一斉に阻害していく。
 そうして動きを封じた瞬間に、用意していたプラズマグレネードを、機体下部から生えている手足で投下。絨毯爆撃を開始。
 飛び散る電光によって、狙撃部隊は逃げ場を失い、弾幕の雨に潰されるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【ガルヴォルン】
隠れた相手ですか…これなら私も役に立てそうですね
異界の巨神は召喚せずに、索敵に専念
攻撃は仲間の皆さんにお任せします

理緒さんのセレステに同乗させてもらいます
狭いのでちょっと密着しますけど…すみません

電脳とつながる触手『コネクトテンタクルス』でセレステの索敵装置と接続
理緒さんからの索敵データも受け取りつつ、
その状態で【異界の猟犬】を辺り一帯に放ち、索敵と情報収集を行います
猟犬からあがってきた索敵情報……熱源の距離や方角は、コネクトを通じて
理緒さんに、そして通信でつながっているリリー先生たちと共有しましょう
後の攻撃は任せますっ

戦闘中に揺れたはずみで理緒さんに抱きついてしまったりも…?


菫宮・理緒
【ガルヴォルン】

雪に隠れた相手からの狙撃を防ぐ、かぁ。
なかなか厳しい状況だね。

ま、相手が狙撃なら、全力で妨害するけどね!

今回は六輪車モードの【リオ・セレステ】に、
いちごさんといっしょに乗っていこう。

ちょっと嬉しい。いやそれは置いておいて

電子戦装備をフルに使って【迷彩】と【物を隠す】
飛行船と味方の機体に光学迷彩をかけて、見えなくしちゃうよ。

飛行船の安全が確認されたら【E.C.O.M.S】を発動。
【索敵】【情報収集】で熱源体を見つけて、いちごさんにデータを渡すね。

データがバックしてきたら、
それを元にユニットを突撃させて、敵を炙り出し、
メアリーズさんの援護をしよう。

っていちごさん!?それはあとでー!


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】

くひっ!これが、かくれんぼというやつですか?
あぁ!この肌を刺すような冷たく鋭い殺気、壊(アイ)し甲斐がありますねぇ!
ロートガルはSSWの技術で優秀なセンサーを積んでますが、流石によく隠れていますね
【オーバードーズ】で超直感を過剰強化して殺気の元を探った方がいいですねぇ!
きひっ!リリー先生達の情報と誘導、殺気を頼りに見つけてフルブーストで突っ込みますよぉぉ!
接近する私を狙うなら超直感とロートガルの高機動と反応性を活かして避け、多少の被弾は重装甲で弾きますよぉぉ!
射程に入ったらロングビームライフルと念動誘導式マイクロミサイルで炙り出してから、壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗
※『リリー先生』等別称を好む

クロム北方の雪原は懐かしいねえ
『ヴァイセン・グレンツェ』地上部も永久凍土
故郷に碌な思い出はないけど…

理緒さんの光学迷彩&索敵データを頼りに
ホバー走行でメアリーズさん共々強襲
後方からオペ25番【ハート・ブレイカー】を撒くよ

「ふふ。解毒剤持ちのアタシを無視する余裕、ある?」
と煽って陣形を乱し、メアリーズさんのアイを手助けっ
今日は存分にハッスルしていーよっ

実はギリギリ死なない(45分で不活化が始まる)けど
そんだけ弱らせられれば飛行船離脱には間に合うでしょ?

…っていちごさんはとらぶるメーカーだねえ♪(クスクス)



 いくら熱源処理が杜撰とはいえ、雪原に隠れた敵を見つけ出すのは難しいことである。だが、索敵特化の存在がいればそれもかなり難易度が下がる。
 私設軍事組織ガルヴォルンの四人による武力介入が始まる。
「雪に隠れた相手からの狙撃を防ぐ、かぁ。なかなか厳しい状況だね」
「隠れた相手ですか…これなら私も役に立てそうですね」
 六輪装甲車に姿を変えた、電子戦強化装備の施された空色の戦闘艦リオ・セレステ。それに乗り込む【菫宮・理緒】と【彩波・いちご】はそう呟いた。
 攻撃は共に来た二人の頼もしい仲間に任せ、自身は索敵に特化する。分担すれば、この状況も難なく対処できる。それとは別に、いちごと共にいれることに理緒は少々嬉しそうであるが、仕事はきっちりこなしていく。
 電子戦装備を命一杯に使って、電脳魔術士らしい電子戦闘を開始。光学迷彩を飛行船と味方機に張り付けつつ、ユーベルコード【E.C.O.M.S(イーシーオーエムエス)】を発動させる。
 正八角形の小型ユニットOctagonal Pyramidを射出し、周辺の情報を一気に収集。熱源探知に引っかかるものの情報を、いちごへとフィードバックしていく。そして電脳とつながる触手コネクトテンタクルスを介して受け取った情報をもとに、いちごはユーベルコード【異界の猟犬(ハウンド・オブ・コーナー)】を発動。
 異界生物たる不定形の影の猟犬を召喚し、受け取った情報をより確実なものとするため、さらに情報を収集する。こうして裏取りも済んだ信頼度の高い情報を、通信で二人の仲間、【メアリーズ・エリゴス】と【リーゼロッテ・ローデンヴァルト】へと伝えていく。
「後の攻撃は任せますっ、リリー先生。メアリーズさん!」
 その言葉を聞いた重量級二機が、積もった雪を巻き上げ、白い風を纏って同時に発進する。
「クロム北方の雪原は懐かしいねえ。『ヴァイセン・グレンツェ』地上部も永久凍土。故郷に碌な思い出はないけど……」
 【MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン】を駆けさせながら、リーゼロッテは企業に支配されている故郷を思い出す。碌な思い出がないとはいえ、故郷であるとは変わらない。思うところがあったのだろう。
「さて、今日は存分にハッスルしていーよっ」
 先ほどから非常に危険な興奮状態となっているもう一人の仲間、メアリーズにそう声をかける。
「くひっ! これが、かくれんぼというやつですか?あぁ! この肌を刺すような冷たく鋭い殺気、壊(アイ)し甲斐がありますねぇ!」
 キャバリアの生体CPUとして強化された彼女は、投薬や手術、精神操作などを何度も繰り返され、故意に薬物依存状態にされて精神的にも破綻している。『快楽=愛』となってしまった少女は、その暴走する感情に身を委ね、高機動型重量級キャバリア『ロートガル』を爆走させる。
 彼女の行動に合わせ、情報から受け取った地点が近づき敵が見えてきた瞬間、リーゼロッテはユーベルコード【Op.XXV:HEART BREAKER(ハート・ブレイカー)】を発動させる。
 視界外から飛んできたそれに、敵は反応することができずに喰らい、特殊粒子の結晶体と分解特化ナノマシンが付与させ、猛スピードで機体が崩壊し始める。無論それがコックピットに到着する危険性を考慮すれば、リーゼロッテを無視することはできない。
「ふふ。解毒剤持ちのアタシを無視する余裕、ある?」
 オープン回線で伝えられたリーゼロッテの言葉に、我先にと陣形を崩してまでリーゼロッテを狙おうとする。
 しかしそれこそ彼女の狙い。深紅の重量機が流星のように、その巨体に見合わぬ、人体負担を無視したとしか言えないイカれた高機動で迫る。
 ユーベルコード【オーバードーズ(オーバードーズ)】。生体CPU用の危険薬物を投与し、サイキッカーの超感覚と念動の過剰強化状態となったメアリーズ。彼女の操るロートガルが、BSロングビームライフルとRS-B念動誘導式脚部マイクロミサイルポッドを巧みに扱い、陣形の崩れた敵集団に突っ込んでいく。
「くひっ! ……ふ、ふふ……うふふ、ひひっ! 壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!」
 狂神、そう言い切れる暴力が、一瞬で振るわれていく。狙撃手が使う接近された用の小口径豆鉄砲では、ロートガルの重装甲を抜くことはできない。
 死の閃光と、ミサイルの爆裂音があたり一帯に響き渡った。
「おっと、流れ弾が……おや?」
 蹂躙の一言で済むメアリーズの強烈な猛攻、その最中に敵ががむしゃらに撃った小口径弾が、あらぬ方向に飛んでいくが、その先がいちごと理緒が乗るリオ・セレステのすぐ横。
 爆発と着弾の衝撃で、リオ・セレステが大きく揺れる。その時、不慮の事故が起こった。
 この形態のリオ・セレステ内部は狭い故、いちごと理緒はほぼ密着する状態であった。そこに不意の衝撃が来たのだから、バランスを崩したいちごが、そのまま理緒の胸へと顔面を埋めた。
「わぷっ!? あ、理緒さんこれは!?」
「いちごさん!? それはあとでー!」
 メアリーズの援護のためにOctagonal Pyramidを操作していた理緒がいちごを躱せるわけなく、いつもの事故が起こってしまった。
「いちごさんはとらぶるメーカーだねえ」
 そんな二人の様子を通信越しにに察したリーゼロッテは、メアリーズが巻き起こす破壊(アイ)の爆音と惨劇を背景に、一人クスクス笑うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『アマランサス・ラピート』

POW   :    BSロングビームライフル
【一瞬の隙も見逃さない正確な狙いの銃口】を向けた対象に、【高出力高収束のロングビームライフル】でダメージを与える。命中率が高い。
SPD   :    BXビームソード
【スラスターを全開に吹かすこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【高速機動で間合いを詰めてビームソード】で攻撃する。
WIZ   :    RS-Sマイクロミサイルポッド
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【肩部マイクロミサイルポッド】から【正確にロックオンされたマイクロミサイル】を放つ。

イラスト:御崎ゆずるは

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルイン・トゥーガンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちの活躍によって、飛行船は無事戦地を抜けた。あとは守らなくても大丈夫である。その先はノルデンの狙撃防衛網、前のキャバリア襲撃以来強化されたこれは蟻一匹入ることすらできなくなっている。安全は約束されたも同然である。
 ならば、この事件の発端を撃ち落とすのが、今回猟兵の最後の仕事である。
 狙撃部隊が殲滅されたのを確認したからか、あるいは元々このタイミングで仕掛ける予定だったのか、一機のキャバリアが戦場に姿を現した。
 雪の中では目立つ真っ赤な機体、だがそれが出している速度は常人が耐えられえるそれではない。
 量産型キャバリア、アマランサスのエース専用改造機、アマランサス・ラピート。紅い星が、猟兵を撃たんと姿を現した。
「傭兵風情が……我々の戦争を邪魔しおって」
 オブリビオンマシン化したキャバリアによって、パイロットは正気を失っている。おそらく、元はどこかの国のエースだろう。その腕は推して知るべし。
 雪原にて、流星との戦闘が幕を開ける。
ドルフィ・ロジック
さぁて、親分さんの登場かいな。ふふーん、このキュートでぷりちーで水族館でバイトすれば泣く子も笑う美少女イルカのドルフィちゃんが相手した……ちゃうちゃう、わいは雄、男やー! 

ともあれ、あのパイロットの負荷を無視して最短距離を突っ切る高機動は脅威や。が、スラスター全開な分その動きは直線的やね。ならば、手足を出して地上戦を挑み、ヤツが突っ込んでくるのに合わせてわいの足元にUCを放って雪の煙幕+バックステップしてのプラズマグレネード投擲や。ああ、これでイケるとは思わんで。本命は爆風を揚力にして一気に上空へ飛び、再度UCとグレネードを叩きこんでやるわ。その機体色、雪煙の中でもよう見えるで…覚悟しぃや!



※ドルフィ・ロジック様は男性です。私が彼女と書き誤解を与えしまったこと、またドルフィ様に不快な思いを抱かせてしまったことを謝罪します。申し訳ございませんでした。

「あのパイロットの負荷を無視して最短距離を突っ切る高機動は脅威やな……」
 そう呟き、眼前に飛翔する紅い流れ星を見やるのは【ドルフィ・ロジック】である。
 人体負担を一切考慮しない猛スピードは、故に直線的なものになりがちだ。そこをうまくカバーできるのがエースであるが、正気を失った今ではその腕も陰りがある。
「ならば!」
 両手足を展開し、地上すれすれへと降下を始めるドルフィ。無論それを追撃せんとラピートも追ってくる。やはり純粋な速度ではラピートの驚異的なそれに負けるが、戦術ではドルフィが上。
 間合いを一気に詰めて切り捨てんとビームソードを展開したラピートに合わせて、ユーベルコード【クイックドロウ】を地面に向けて発射。高温の熱線を受けた雪が蒸発し、一気に水蒸気となって視界を防ぐ。
 一瞬たじろいだラピート、それにめがけてドルフィは後方に下がりつつプラズマグレネード投擲。投げられたそれは、しかし惜しくもラピートに届かない。
 だがこれは本命ではない。ラピートがこの攻防で後方に回避を選択して下がったのに対し、ドルフィはプラズマグレネードが起こした爆風に乗って一気に中高度へ。そのまま急降下体勢に入り、ラピートへと爆撃を仕掛ける。
 世界と時代が違えばきっと『悪魔のサイレン』叫ばれただろう、急降下特有の独特なかん高い音が響く。再度放たれたユーベルコードとプラズマグレネードが、ラピートの頭上から一気に降り注ぎ、奴によける間もなく大打撃を与えるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
【ウィンディア】
ああ…判るぞ
速さ自慢だなお前
なら…おれも挑むとするか

【戦闘知識】
敵の動きと癖の把握
高速戦闘なら大きな好機になる
【属性攻撃】
炎属性を機体と武器に付与
敵の高速機動攻撃に対し
【第六感・残像・見切り・空中戦・盾受け】
高速で飛び回り何度も激突し盾で受け流しぶつかり合い
【二回攻撃・早業・串刺し】
剣による連続斬撃から槍に高速で切り替えての刺突
UC起動
【レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドからのレーザー射撃による弾幕から距離をつけて連続斬撃による猛攻から
【重量攻撃】で強化したブラックホールキャノンでダメージと共に動きを止めて

そしておれは一人ではないぞ!!(シルへの攻撃へと繋げる!!


シル・ウィンディア
【ウィンディア】
エース機
ただものじゃないプレッシャーだけど
わたしは一人じゃないっ!

●機動
【推力移動】で【空中戦】
的を絞らせないように【残像】を生み出しつつ機動
【第六感】で殺気を感じて
敵の挙動を【見切り】【瞬間思考力】で最適な回避・防御を行うよ

●攻撃
【高速詠唱】で《指定UC》を行使
わたしの前において、防御兼攻撃兵装として使うよ
簡単にポジション取らせないよっ!
ホーミングビームの【一斉発射】で敵を動かすけど
簡単に行くとは思わない
本命は…
【魔力溜め】でビームランチャーに魔力チャージ
出力【限界突破】の高出力ビームランチャーで撃つよっ!

隙見せたら【推力移動】で接敵して
セイバーで敵ライフルを【切断】



「たかがレシプロと侮ったのは、間違いだったか」
 決して軽くはない打撃を受けつつも、ラピートはまだ健在。一部炎上するも問題なく稼働している。それは乗り手の腕が良かったからこそ成せる業なのだろう。
「エース機……ただものじゃないプレッシャーだけど、わたしは一人じゃないっ!」
 威圧感を放つ紅いそれに、怯えることなく敢然と立ち向かうのは【シル・ウィンディア】。その隣に立つ姉妹がいる限り、彼女に恐れはない。
「ああ…判るぞ。速さ自慢だなお前」
 シルの片割れ、【テラ・ウィンディア】。彼女のほうは士気高揚、強敵への挑戦に胸が高鳴っていた。
「なら…おれも挑むとするか」
 相手は超高速機体、スピードに翻弄されるのは猟兵側である。そこをうまくできる手段を兼ね備えているからこそ猟兵である。
 銃撃を行いながら突っ込んでくるラピート。それに対し、シルは第六感に従いつつも瞬発思考力で最適解を選び、残像を巧みに使って回避していく。テラも同じく高速で回避するが、逆に彼女はラピートに突っ込んでいく。
 そのまま両者激突。ビームソードとシールドが激しくぶつかり合い火花を散らす。パワーに優れるスーパーロボット型キャバリア。ヘカテイアもスーパーロボットだ、パワーならばラピートを圧倒しているが、キャバリアはその汎用性と機動性が勝。
 そのまま真っ向からの力比べは決して行わない。すぐに軸をズラして押しつぶされるのを回避。流れるように再度近接を仕掛けてくる。
 テラは落ち着いてそれらに対処。そうしつつ敵の癖を見抜こうとしているのだが、それは向こうも同じである。だがラピートはあることをわすれていた。
「精霊達よ、我が声に集いて力となり、全てを撃ち抜く力となれっ!」
 シルの詠唱に合わせてユーベルコード【エレメンタル・スフィア(エレメンタル・スフィア)】が発動する。防御兼攻撃兵装として使用するため用意していたが、このタイミングで使用。ホーミングビームの一斉掃射である。
 4元素の魔力砲から放たれた追尾するそれを回避すべく、ラピートは距離をとろうとするが、それをテラは許さない。
「わたしは一人じゃないっ!」
 シルの言葉に合わせ、テラが武器を剣から紅龍槍『廣利王』に持ち替えながら突っ込む。すでに引きの体勢に入っていたラピートにそれを完全に躱す術はない。
 刺突、からの突き放すような蹴りを浴びて吹き飛ぶラピートに、ユーベルコード【冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)】が炸裂。レーザー射撃による弾幕の後にマイクロブラックホール砲を受け、完全にラピートの動きが止まる。スピードを殺された星は堕ちるのみ。
「そしておれは一人ではないぞ!!」
 さらにそこにシルの限界までチャージしたビームランチャーが放たれ、それさえも上手く凌ぐラピートであったが、続くシルの近接を受け、大きく装甲を切断された。
 誰が見ても致命的なダメージを負ったラピート。それでも動くのは、マシンそのものがオブリビオン化しているから故。だが限界も近いだろう。黒々と上がる煙が、それを証明するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

彩波・いちご
【ガルヴォルン】
エース機体が赤いのはお約束なんですかねぇ?

私は変わらず理緒さんのセレステに同乗させてもらってます
コネクトテンタクルスで電脳と接続しデータを受け取るのも同様に
…後は、激しい戦闘になりそうなので、狭い操縦席でまた理緒さんととらぶるしないように気を付けて…(フラグ

今回は目立つ機体が1機だけなので、索敵に専念する必要もないですね
私も攻撃に回りましょう
【異界の魔弾】をスタンバイ
異界の中に銃弾を生成しつつ、機を見計らって溜めていきます
そして前衛を務める2機の攻撃を支援するように、側面や背面などの死角から銃弾を顕現させて当てていく援護射撃に専念
むろん2機には当てないように…狙い撃ちますっ


菫宮・理緒
【ガルヴォルン】

雪の中に赤い機体とか……。
それにしてもなんで赤く塗ると速くなるのか、謎だね。

ま、それはいいとして、
モニターはいちごさんのほうに回して、
わたしは、相手の行動妨害でいかせてもらうよ。
……トラブらないうちにね!(フラグ)

いくら速くても面の攻撃、しかも見えないものなら躱しにくいはず。
「【E.C.M】指向性をカーディオイドでスタンバイ」

キャバリアなら、必ず電気信号は使っているはず。

セレステ全力のE.C.Mを機体そのものにかけて、
アマランサス・ラピードの動きを止めよう。

リリー先生とメアリーズさんには、効果範囲を連絡して、
発動時、巻き込まれないように注意してもらおう。

「3秒後に止めるね」


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】
アドリブ歓迎

きひっ!同じ赤ですねぇ!
どっちがより紅いか、勝負といきましょうかぁぁ!

いい殺気(アイ)ですよぉ!さぁ!殺意(アイ)をぶつけあいましょうっ!
念動誘導式のビットとマイクロミサイルで敵の機動を制限し、敵のビームには同じくビームで撃ち落としますよぉぉ!
ふふっ、うふふっ、アハハハッ!その程度ですか!?その程度なら、もう絡め取られてしまいますよぉ!
お二人の援護を受けたリリー先生の攻撃でズタボロにされたところにトドメですよぉぉぉ!
首から提げたT型サイコマテリアル試料が、そしてサイコ・コントロール・システムが増幅し放出する愛(サツイ)の念動で拘束して、一撃で仕留めますよぉぉぉ!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗
※『リリー先生』等別称を好む

大方「傭兵風情に…」とでも思ってるんだろうけど
『長く生き残れる傭兵』の商品価値は安くないよ

まず『ドゥームズ・レイ』でミサイルを迎撃
更にECMと転移砲?の援護を頼って接近しつつ
両手銃器の乱射で派手に牽制していくよっ

でも実は鈍重な射撃機と思わせる【だまし討ち】
近接攻撃に移ったらシメたもの♪

背部コンテナから出した13番【クルーエル】を右腕に接続後
コマの様に高速回転突撃、5本の光刃でビームソードを弾いたら
クローで何度も引き裂き掴み、更にバンカー射出…爆破っ
(一応コクピットは外すけど)

メアリーズさん、トドメだよっ



 なぜ赤い機体は速いのか。わざと目立つようにすることで、敵を威嚇する目的があったり、目立つ色だからこそ視界から消えた瞬間心理学的に見失いやすいというのがある。が、それが今回の敵に当てはまっているかは別である。
 私設軍事組織ガルヴォルンの四人は、ついに対峙したラピートに各々の感想を抱きつつも、それを討つための行動に出る。
「モニターはいちごさんのほうでおねがいします。わたしは、相手の行動妨害でいかせてもらうよ」
「わかりました!」
 先ほどのような、何かのトラブルが発生する前に片づける。そう意気込んで、妨害に移るのは【菫宮・理緒】。ユーベルコード【E.C.M(イー・シー・エム)】の発動準備をしつつ、ほか三人に指示を出す。
 直接ラピートと戦闘することを任されたのは【メアリーズ・エリゴス】と【リーゼロッテ・ローデンヴァルト】。意気揚々と突っ込んでいくメアリーズと、冷静に銃撃で攻め立てるリーゼロッテの二人の相性はとても良いといえるだろう。
「きひっ! 同じ赤ですねぇ! どっちがより紅いか、勝負といきましょうかぁぁ!」
「大方『傭兵風情に…』とでも思ってるんだろうけど、『長く生き残れる傭兵』の商品価値は安くないよ」
 ラピートは牽制として、突っ込んでくるメアリーズに対しビームライフルを放つが、これを同じくビームで迎撃しつつもビットとマイクロミサイルでカウンターを放つメアリーズ。それに便乗する形でリーゼロッテが自身に放たれたミサイルを多連装の拡散パルスキャノンで消し飛ばしつつ、両手銃器の乱射を行いながら接近する。
 その二人に合わせ、理緒と同じ装甲車モードのリオ・セレステに搭乗する【彩波・いちご】のユーベルコード【異界の魔弾(ディメンジョン・シューター)】が援護として撃ち込まれる。
 援護を目的としているため、当てることは考慮していない。が、視界外から飛んでくる弾丸を避け続けるのは至難というものではない。
「準備です、3秒後に止めるね」
 猛攻の最中、理緒が無線で三人に伝える。それを聞いて一旦メアリーズとリーゼロッテは弾幕を張りつつ後退。追うようにラピートが突っ込むが、ビットと銃器の乱射を前に阻まれ進めず、そのまま理緒のユーベルコード【E.C.M(イー・シー・エム)】が発動する。
 電子機器を使用不能にするノイズジャミングとディセプションをもろに受けたラピートの動きが一気に悪化する。その隙は逃せない。いちごのユーベルコードによる援護がこれによってさらに凶悪化し、回避困難となったタイミングでリーゼロッテが仕掛けた。
 リーゼロッテが搭乗するナインス・ラインは、ラピートが思い込んだような鈍重な射撃特化機体ではない。重量級ではあるが、遅いことは決してないのだ。
 弾の切れた武装を、別の武装の入れている背部コンテナに収納、交換しながら突撃する。取り出すのはキャバリア規格外の超巨大クロー【DA-13:CRUEL(クルーエル)】。強引にそれを接続して、独楽のように高速回転しながら一気に突っ込む。
 そして暴力としか言えない見た目をしたそれを、見事ラピートへとぶち当てた。クローと5本の光刃が機体をズタボロに引き裂き、ついにコックピットブロックが露出する。それを強引に引きちぎり、パイロットを救助したことを確認したのに合わせて、内蔵パイルバンカーを炸裂させた。
 爆音とともに吹き飛ぶラピート。しかしパイロットを奪われてもなおお互くのは、最早オブリビオンマシン故の執念か。だからこそ念入りのとどめが大切となる。
「メアリーズさん、トドメだよっ」
「一撃で仕留めますよぉぉぉ!」
 ラピートが何かをするより早く、メアリーズがユーベルコード【デッドエンドラヴ(デッドエンドラヴ)】を発動させる。
 強化されて、練りに練られた念がラピートを拘束し、物理的な力を持ってしまうほどのサイキックエナジーが収束し、槍となり動けぬラピートを貫いた。
 今度こそそれは確かなとどめとなり、ラピートはついに爆裂し、空中に火華となって散るのであった。
 余談であるが、この時に起きた爆風で、またもリオ・セレステ内で事故が起きたようだとか、起きてないだとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『戦士の休息』

POW   :    何はともあれ仮眠を取るにかぎる!少しだけ寝よう!ちょっくらお休み!

SPD   :    苦いコーヒーを飲みつつ他愛のない会話をしよう。俺、この戦いで生き延びれたら…

WIZ   :    懐に入れてた本でも読もう…。物語の結末を見るまで死ぬ訳にはいかない…

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 戦いは終わった。紅い流星は地に落ちて破壊され、乗っていたパイロットたちも無事保護された。飛行船には傷一つなく、大成功という具合であった。
 当然そのような英雄的活動をした猟兵を歓迎するのが、このノルデンという国である。極寒の地だからこそ、人の心は温かい。
「さあ、さっそく届いた物資で祝勝会といこう! 一杯奢らせてくれよ、猟兵さん」
 コーヒー片手に【ホワイト・アウト】の面々が猟兵たちを誘う。
 さあ、戦闘後のリザルトがてら、しばしの休息を楽しもう。
彩波・いちご
【ガルヴォルン】
ボルシチですか
しっかり味覚えて、帰ったら寮でも作ってみたいですねぇ
私も未成年ですから、アルコールは抜きで、普通のコーヒーいただきます

さてまずはボルシチの味見から
食材を舌で感じ、どうやって作っているのか頭の中でレシピを模索しつつ
…そうして食べていたら、理緒さんが私の分を用意してくれました?
え、もしかしていつもの…?
※理緒の超辛党は身に染みて知ってます

えっと…ではせっかくなので
(死ぬほど辛いですけど、これも理緒さんの愛ですし…たぶん)
舌が燃えそうな苦痛を表には出さず、笑顔でにっこりと、美味しいですよと

これに慣れる気はしませんが…理緒さんの笑顔には変えられませんし、がんばりますね…


菫宮・理緒
【ガルヴォルン】

これが名物のボルシチとコーヒーなんだ。
ぜひぜひいただきたいと思うよ。
あ、でも、コーヒーはお酒抜きでお願いするね。

わ、ボルシチは赤いね!
辛い感じのではないのに、
こんな真っ赤なのは珍しい感じだよー。

しっかり味わったあとは、辛くするけどね。
(特製辛味セットを、ちゃきっ、と構えて)
「さ、いちごさんも、味付けしてあげるよ♪」

と、七味とわさびパウダーを、
いちごさんとわたしのボルシチにどさどさーっとかけます

リリー先生とメアリーズさんもかける?

え?いちごさん?それはしかたないよー。
いちごさんにはわたしの味に慣れてもらわないとだしね!(くねっ)

……?
なんでみんないちごさんを励ましてるのかな?


メアリーズ・エリゴス
【ガルヴォルン】

コーヒーとボルシチですか、貰えるなら貰いますが……
食事など栄養補給でしかないですからね
あぁ、でも今回の戦いも、いい快楽(アイ)を感じられましたぁ
くふっ、くふふ……あぁ、思い出しただけでも快感(アイ)が溢れてきますよぉ(自分を抱きしめ身悶え)

と、分かりました、リリー先生
ボルシチをただ黙々と頂いた後にリリー先生から処方された薬を飲みますよ
調味料ですか?
いえ、特に興味がないので遠慮しておきますね
ただ、生体CPUの私からしても、その調味料の種類と量は異常ではないかと思ってしまいますよ?
……出す方も食べる方も大概ですね。まぁ私には関係ないのでいいですけど


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】

いいねえ、北方のボルシチとコーヒー…
あ、アタシ27歳だからブランデー入れて♪

…企業支配下の実家じゃまず作らなかったけど、
脱出成功後の一杯は美味しかったモンさ…(しみじみ)

メアリーズさん、服薬必要だから胃に入れといてねー
(生体電脳でバイタルをこっそり検診中)

あ、彼女は食欲その他に頓着しないタチさ
だからココは、主治医の顔に免じて赦してよ
(過去の誰かがやらかした生体CPU化措置で、
 一般的・人間的な欲求等が一部抑制されてるからね…)

って、理緒さんは味覚障害か…
うん、当然香辛料はアタシ要らないよ

いちごさん、寮の食事も大変じゃない?
とらぶるの代償かな♪
(…あー、こうして堕とすタイプね…)



 戦いは終わった。雪が降り積もり極寒が続くノルデン。しかし今だけはそれを忘れられる暖かな食事が披露されていた。赤ワインでじっくりと煮込み仕上げたボルシチ、厳選された豆から作られたエスプレッソ。寒冷な夜闇で冷えた体に温もりを与えてくれるだろう。
 全てが終わり、『私設軍事組織ガルヴォルン』の四人も、その持成しを受けていた。
「いいねえ、北方のボルシチとコーヒー……あ、アタシ27歳だからブランデー入れて」
 身長のせいか、それとも幼く見える可愛らしい顔のせいか、周囲の者から『え?』という表情をされたのは【リーゼロッテ・ローデンヴァルト】である。
 事実彼女は27歳なので、飲酒は一切問題はない。
「企業支配下の実家じゃまず作らなかったけど、脱出成功後の一杯は美味しかったモンさ……」
 そういいながら両方を食していく彼女の表情は、情景が滲んでいた。踏み込んではいけない話題だろう。そう判断したノルデンの兵らも、深くは聞かないで、今回の立役者である四人に食事の提供を続けいていく。
 昔を思い出すリーゼロッテに対して、全く反応を見せずに黙々と食事を続けるのは【メアリーズ・エリゴス】。文字通り美味しいなどの喜びの表情を一切見せないため、不味かったのではと給仕員らが少々不安な様子を見せる。
「……食事など栄養補給でしかないですからね」
 貰えるなら貰うといった様子で、食事を作業と見える様子で行うのは、何も知らないものからすれば只々不気味だろう。
 しかしリーゼロッテの言葉で、給仕らは不安が消え去る代わりに憐れみを覚えてしまった。
「彼女は食欲その他に頓着しないタチさ。だからココは、主治医の顔に免じて赦してよ。と、メアリーズさん、服薬必要だから胃に入れといてねー」
 食を作業とみる、服薬、そして時折見せる狂気としか思えない快楽(アイ)欲求反応。この世界の住民ならこれで凡そ予想がついてしまう。メアリーズは強化人間であると。それも生体CPUという、替えの利く『部品』扱いされていたことを。
「くふっ、くふふ……あぁ、思い出しただけでも快感(アイ)が溢れてきますよぉ」
 リーゼロッテからもらった薬を服用しながらそう呟く彼女に、周囲は何も言えなくなった。本人はそんなこと露知らず、思い出す快感に己が身を抱いているのであるのだが。
 そんな若干暗くなってしまった空気を破壊する、強烈な刺激臭が突如風に乗って現れる。毒か何かかと兵らが見やった先にあったのは、明らかに食するのは危険と分かるほど、真っ赤に染まったボルシチであった。

 すこし時間を巻き戻し、今回裏方に徹し、見事勝利へとチームを導いた【彩波・いちご】と【菫宮・理緒】。二人もしっかりボルシチとコーヒーをいただいていた。
 もっとも、二人とも未成年者のためブランデーは入れていない。それでもさわやかな苦みは、このコーヒーの上質さを伝えてくれるだろう。
 ボルシチのほうも、名産なだけあり味もかなり良い。体の芯まで温まるそれを、自分なりに理解しようと、いちごは舌で学習していた。
「この味はもう少しアレンジすれば、寮の皆さんにも合う味になりますかね……それとももう少しコクを増やすべきか……」
「さ、いちごさんも、味付けしてあげるよ!」
 そう思考を走らせていたいちの視界に、理緒が入る。しっかりと自分のボルシチを味わった後、味を好みに変えるべく調味料を手に持つ姿は、普通ならば特に咎められることはない。しかしこの場において、これが普通でないことはガルヴォルンの面々は十分理解していた。してしまっていた。
「え、もしかしていつもの……?」
 いちごが言い切る前に、彼のボルシチにこんもりと盛られる調味料。そのほとんどは七味とわさびパウダー。瓶から大量に出されたそれから強烈な刺激臭が放たれる。
 わかる人間にはわかる。これは常人が決して食べてはならないものであると。その証拠として、遠目にこの状況を視認したメアリーズの言葉がある。
「生体CPUの私からしても、その調味料の種類と量は異常ではないかと思ってしまいますよ?」
 それを顔色変えずに躊躇なく行けるのが、いちごという漢だ。
(死ぬほど辛いですけど、これも理緒さんの愛ですし…たぶん)
 優しい笑顔のまま、美味しいと理緒に話すいちご。しかし全身から滝のように汗が出ているのを見逃してはならない。
「なんでみんないちごさんを励ましてるのかな?」
 不思議そうな表情を浮かべる理緒。今この時だけ、ノルデンの人々は彼女が無自覚の悪魔のように見えたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ドルフィ・ロジック
方針:SPD

さーて、仕事は終わりや! 機体に大きな損傷もなさそうやし、簡易チェック終わらせたら祝勝会に顔出そうかのー。

なんや、喋って宙飛ぶイルカが珍しいかいな? わいこそが電子妖精のドルフィやで、よろしくなー。

んー、何を話そうかな。わいとしては、ホワイトアウトの凄腕スナイパーさんらに話を聞きたいな。
例えば、わいを撃墜するならどうするか、わいと連携するならどうするか……戦術談義は楽しいのー。

ひと段落したら機体に戻って一休みや。
次の戦場の夢でも見ようかの。



 『自分自身』に何も問題ないか確認し、それが確信できると電子妖精として飛び出してくるのは【ドルフィ・ロジック】である。
 一時的になら電子妖精として外に出ることが可能だからこそ、体躯故参加できないということもない。とはいえ、ドルフィは少し顔を見せる程度のつもりであるが。
 そんなドルフィに反して、ノルデンの兵らの反応は強い。極寒の国故海に潜るのは自殺行為。海の中に生き、比較的温暖な海域に生息するバンドウイルカなど、彼らは見たことがなかったからだ。
「なんや、喋って宙飛ぶイルカが珍しいかいな? わいこそが電子妖精のドルフィやで、よろしくなー」
 そう周囲に伝えつつも、ドルフィは現在話し相手を探していた。というのも電子である以上物理的食事ができないため、戦術談義のほうが楽しいだろうという考えである。
 そんな相手を探してる最中、ドルフィは彼女を見つける。
 このノルデン最強の狙撃部隊【ホワイト・アウト】の隊長、ハンナである。
「お、猟兵さんじゃないか。どうしたんだいこんなとこで」
 その猟兵にも劣らぬ狙撃技術に関して、ドルフィは興味を示し、談話することした。
 自分を撃墜するならどうするか、自分と連携するならどうするか。それに対してハンナは状況で変わるがと言いつつも、答えていく。
 身動きのとりにくい渓谷に誘い込んで罠を絡めた包囲射撃か、そもそも高度がとれる場所で戦わないなどが撃墜方に上がり、逆に協力では前で暴れてもらうだけで最高に助かるという回答を返した。
 ハンナからは接近時の切り替えしについて、自分たちのノウハウが足りていない高機動低空戦についてのアドバイスがドルフィに求められた。
 こうして濃厚な戦術談義は、両者にとってとても有意義な時間となっただろう。
 活動限界を迎えたドルフィは、その後本体へと戻り、一休みをとることにした。次の戦場を夢見ることを願いながら。

 こうしてノルデンの危機は去った。厳しい寒さの中にも灯る温もりを感じながら、猟兵たちは次の戦いに向けて備え、安らぐのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月25日


挿絵イラスト