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時が経ち、人狼病を癒す館は……

#ダークセイヴァー #殺戮者の紋章 #闇の救済者

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 石造りの館の一室……喪服を身に着け、窓から外を見下ろす人狼の女性が一人。
「……来ましたか、人間たち。」
 眼下に広がる森から現れるのは、松明を掲げた人の群れ。
 彼らは各々武器を持った精鋭たち……闇の救済者(ダークセイヴァー)と呼ばれる、闇に抗う戦闘集団。
「数はかなりのものですね。ですが、」
 かつて、この館は人狼病に罹りながらも吸血鬼に抗った、戦士たちの治療所だった。
 しかし……時と共に在り様は歪み、集められた人狼たちは別の処置を施されていた。
「治療を施した彼らには、敵わないでしょう。」
 雲間から満月が覗き、突如上がる狼に似た咆哮。
 それらは一気に、館全体から響き渡り……館の窓を突き破り、雪崩のように人狼たちが闇の救済者たちへと襲い掛かった。
「それでも抗うのであれば……彼らに、戦場に倒れる名誉を与えたまえ。」
 深く祈りを捧げるように、女性は一人、呟いていた。

 ところ変わってグリモアベース。
「皆さん、大変です、戦争です!
 ……えっと、ダークセイヴァーで、あのっ、戦争が起きてるんです!」
 集まった猟兵たちの前で、『戦争なんです!』と騒ぐ、慌てた様子の影山がいた。
 少し前に戦争は終わっただろう? と落ち着かせると、影山は自分の慌てっぷりにすっかり赤面してしまっていた。
「あ、あう……ごめんなさい、取り乱しました。
 で、でもですね、これを見てもらえれば、わかると思います。」
 手にしたグリモアが輝きを放つと、壁に映るのは……石造りの館から飛び出してくる、人狼たちの群れ。
 そして、館へと進軍する数百という人数の軍勢が、今まさにぶつかろうとしているところだった。
「ダークセイヴァーに生きる人たちの中で、戦える人たちが闇の救済者(ダークセイヴァー)として、人数を増やしてきました。
 その一軍が今、オブリビオンに支配された場所を取り戻そうと、立ち上がったんです。
 小さな一歩かもしれません……でも、ここで成功すれば、ダークセイヴァーに生きる人たちに希望が芽生えると思うんです。
 だから、皆さんに、手助けしてもらいたいんです。」
 ゲートを開けば、石造りの館へと向かう人々の後ろに繋がったようだった。
「この館は、昔は人狼病を患った人たちのために作られた治療院だったんですが……今は、人狼としての力を無理やり高められて、そのせいで狂った人狼たちの住処になってます。
 まずは闇の救済者の人たちと連携して、襲ってくる彼らを倒しながら、館の一番奥を目指してください。
 戦争と思うくらい、どっちも人数が多いので、全部倒そうって考えない方が良いと思います。
 闇の救済者の人たちも、ユーベルコードは使えないですけど、結構強いです。」
 そこで影山が指さした方向を見ると、館の窓に喪服を着た女性の姿があった。
「あの人が、ここの主……人狼院院長アメリア、です。
 あの人を倒せば、ここの制圧は完了します……が、私の予知だと、その時にもう一組の敵が、現れるんです。
 それを放っておくと、今いる闇の救済者の人たちを全員、殺していっちゃうんです……。
 その姿までは良く見えなかったんです、ごめんなさい……でも、館の外に出ればすぐ解ると思います。
 きつい戦いになると思いますが、出てくる敵を全部倒して、この世界の人に勝利をもたらしてください。
 よろしく、お願いします!」


ヨグ
 ヨグです、ダークセイヴァーの物語です。
 数百の軍勢と共に攻め入り、領地を攻め落とす物語……ワクワクしますね。

 なお、闇の救済者は1章の集団敵とは1対1なら互角、くらいの戦力です。
 猟兵たちからの指示は聞きますし、能力向上のUCを使えばさらに強くなれるので、彼らとどう戦うか?を考えるのも、いいかもしれません。
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第1章 集団戦 『狂化人狼兵』

POW   :    群狼死重奏
【集団で一斉に人狼咆哮】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    群狼狂爪牙
自身の【狂気に身を委ねた兵達が魔獣化し、天に月】が輝く間、【魔獣化した人狼達全員】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    群狼月光陣
【月の光】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

久瀬・了介
オブリビオンは殺す。全て殺す。

闇の救済者達には、「俺が先行して突入し、奴らの陣形を崩す。蹴散らせ。」と後詰めを頼む。
心臓の代わりに埋め込まれた「ヴォルテックエンジン」に、怨敵への【呪詛】を込め高圧電流に変換。【蘇生体】の身体機能を【限界突破】させる。
強化された【早業】で【ダッシュ】し敵陣に突入、【先制攻撃】を仕掛ける。UC【雷人】発動。全身を雷で包み更に高速化。
戦場の敵全体に向けて放電。【範囲攻撃】【マヒ攻撃】だ。電撃で人狼達の動きを【捕縛】する。今だダークセイヴァー、仕止めろ。
不死の体での【激痛耐性】で反撃に耐えつつ「ハンドキャノン」によるフルオート射撃で【範囲攻撃】。協力し敵達をなぎ払う。



「ちっ、話にゃあったがわらわら出てきやがったな。」
 館から跳び出してくる人狼兵たちを前に、闇の救済者たちも改めて武器を握り直していた。
 人狼たちはすぐに跳びかかってくる様子はないが、唸り声を上げてこちらを見ている。
「だが、こっちもこの数だ。」
「ああ、やってやろうぜ!」
 槍や剣を持つ黒騎士、拷問具を操る咎人殺しなど……この暗闇の世界で戦う意思と力を持った人々が、この程度で止まるつもりはない。
 そのまま一気に駆け出そうとした時、いつの間にか間に入った黒い男の存在に気がついた。
「あ、あんたは……?」
「……俺が先行して突入し、奴らの陣形を崩す。」
 久瀬・了介(デッドマンの悪霊・f29396)のただならぬ気配、そしてオブリビオンへ向ける殺意を感じ、闇の救済者たちも静かに言葉を受け入れていた。
「その後、蹴散らせ。」
「お、おう。」
「解った……頼む。」
「よし、行くぞ。」
 人狼たちへと向いた久瀬の体に一瞬電光が走り、瞬きの間に人狼たちの間に現れる。
 一部の者以外にはそう見えただろう、それほどの速度で駆けていた。
「ガルルゥ……?」
「喰らうがいい。」
「ギャン!?」
 人狼たちも反応が遅れ、そのまま久瀬の放電に巻き込まれていった。
 電流そのものは大した威力ではないが、その足が動かない……それを悟った人狼たちは、一気に叫び声を上げ始める。
「ちっ……だが、俺だけに向いたなら好都合。」
 咆吼が伴う物理的な振動は、並の人間の体ならそのまま破壊しかねないほどだった。
 しかし、元々悪霊である久瀬の体は並の人間の体ではない……そのまま懐からハンドキャノンを取り出し、手招きとともに闇の救済者たちへと向かって言葉をかける。
「今だダークセイヴァー、仕止めろ。」
「おう!」
「やってやるぜ!」
 まだ足の動かない人狼たちは、襲いかかってくる闇の救済者たちに為す術もなかった。
「グッ……ウゥ……!」
「悪いな。だが……お前たちが生きていては困るんだ。」
 槍で貫かれ、恨めしそうな目を向けてくる人狼に、一瞬怯む闇の救済者も居た。
 しかしそれもほんの少しの間のこと……人の生きる世界を切り開く、その意思が人狼へトドメを刺していく。
「それで問題ない。」
 久瀬も呟きながら、後から現れる人狼たちをハンドキャノンで撃ち倒していく。
「オブリビオンは殺す。全て殺す。」
 言葉の通り、全てを殺すつもりで。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フィラデルフィア・シャイントピア
リベンジベリーグッドデース!
ここハ、ワタシが引き受けまショウ!
【アドリブOK】
演出は大事デス。光を纏って降り立ちマスネ
そしてワタシハ勝利の女神サマとアピールしたら
みんな乗っテくれますネー?

【戦闘】
なるほど。狼サンハ、ムーンパワーでパワーアップするんデスネー?
ならばワタシ達もそうさせてもらいまショウ!
ユーベルコードを発動!そちらがスカイムーンなら
こっちはアースムーン!この上に立つセイヴァーのみなサンも
パワーアップさせて戦いマス!
それでも向かってくる狼サンはワタシのユーベルコードの
連続攻撃でまとめて薙ぎ払ってみせまショウ!


剣持・司
凄まじい数の人狼ね
ここは闇の救世主達と協力すべきね
行きましょう
正義を、執行する

銃等の遠距離攻撃手段を持ってる者達を指揮(集団戦術)し号令と共に発砲させるわ
引き寄せてから…射てェッ!

射撃で仕留める必要はないわ
先頭集団の動きを鈍らせるだけで後続の動きが止まる
動きの止まった集団にブレイバーを振るい、炎の衝撃波を放って焼き尽くす

道が開いたわね
救世主達よ、私に続きなさい!
喉あらば叫べ!
剣あらば掲げ、阻む者を威圧し斬り捨てなさい!
我こそは勇者と思うなら前へ進みなさい!(鼓舞)

人狼が魔獣に変身しようと前に進みなさい

何故ならここに、私がいるからよ

(七星皇翔刃が飛び、人狼達を焼き、切り裂き、凍らせ、砕いていく)



 一方、館の別の方角。
「グルルゥ……!」
「ちっ、勇んで来たのはいいが、」
「……ちょっと多いね。」
 窓から飛び出してきた人狼たちの数を前に、足の止まった闇の救済者たち。
 リーダー格の、斧を持つ男と弓を構えた女性が思わず顔を見合わせた時、人々と人狼たちとの間に眩い光が差した。
「ギャゥ!?」
「……まぶし。」
「くっ、今度はなんだっ?」
「皆サンの願いは聞きマシタ! リベンジベリーグッドデース!」
 元気な声で言い放つのは、フィラデルフィア・シャイントピア(シャイン&シャドウ・f16459)。
 輝きの中から現れた姿は、まさに女神といった出で立ちで、
「ここハワタシ、勝利の女神サマが引き受けまショウ!」
「お、おお、女神様だ! ……イッテぇ!」
 思いっきり表情の緩んでいた男の足が、力一杯踏みつけられる。
「……ちょっと、鼻の下伸ばさないでよ。」
「まぁまぁ……仲が良いのは解るけど、そんなことで争ってる暇はないわよ。」
 なんだか苛立っている女性の横に立っていたのは、剣持・司(正義を名乗る者・f30301)。
 凜とした、落ち着いた様子で2人に問いかけていた。
「あなたたちがこのグループのリーダーね。あいつらを倒すのに、協力してくれる?」
「……もちろん。」
「おう、当然だぜ。」
 剣持が振り返ってみてみれば、ほかの闇の救済者たちも異存はないようだった。
「オッケー! じゃあいっきまショウ!」
「ええ、そうね。……正義を、執行する。」
 一気に駆け出すフィラデルフィアを見送り、剣持も聖剣を抜いて指揮を始めていた。

「「「ワオーン!」」」
 向かってくるフィラデルフィアに対し、月に向かって吠える人狼たち。
 瞳に映る真ん丸な月に瞳孔が広がり、その体が狼に近く変わるのが見て取れた。
「なるほど。狼サンハ、ムーンパワーでパワーアップするんデスネー? ならば、」
 駆けていたフィラデルフィアは左腕に宿る月の力を腕に溜め、途端に横っ飛びに跳ぶ。
 その後ろには、弓を構えた闇の救済者たち。
「ワタシ達もそうさせてもらいまショウ!」
「射てェッ!」
 剣持の号令で撃ち放たれる矢とともに、人狼たちへと降り注ぐフィラデルフィアの月の力。
「……よし、ヒット。」
 先頭にいた人狼へと矢が突き立つ中、地面に鏡のような泉が広がり、穏やかな月の光が溢れていた。
「そちらがスカイムーンなら、こっちはアースムーン!」
「皆の力が高まる結界よ。さぁ、武器を取りなさい!」
 闇の救済者たちの先頭で剣持が聖剣を振るえば、放たれた炎の衝撃波に人狼たちが焼かれていく。
 そのまま剣を構え、駆け出しながら指示を出していた。
「ギャゥ!?」
「道が開いたわ。救世主達よ、私に続きなさい!」
「おうよ、いくぜてめぇら! 女神さんだけに戦わせるわけにはいかねえぜ!」
 先頭で剣持とともに斧を振るう男の叫びに合わせ、駆け出す闇の救済者たち。
「喉あらば叫べ! 剣あらば掲げ、阻む者を威圧し斬り捨てなさい! 我こそは勇者と思うなら前へ進みなさい!」
「ワーォ、良いデスネ。みんな乗ってくれてマス! ワタシも頑張らないとデスネ!」
「キャィン!?」
 そんな闇の救済者たちを尻目に、フィラデルフィアは襲い来る人狼たちへと拳からの太陽と月のエネルギー弾を連続で叩きつけていく。
「このミス・エクリプスにおまかせくだサーイ!」
「人狼が魔獣に変身しようと前に進みなさい! 何も恐れる必要はないわ。」
 そして、駆けつけた剣持の手から聖剣が離れ、それがいくつもの属性の剣へと別れて放たれる。
 炎、氷、風……それらが一度に人狼達を焼き、切り裂き、凍らせ、砕いていく。
「何故ならここに、私がいるからよ。」
「はっはっは、その通りだぜ!」
「……ええ、これならやれる。」
 全戦で勇ましく戦う2人のおかげで闇の救済者たちも恐れを捨て去り、人狼たちを打ち倒していく。
 その数はだんだんと減っていっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧崎・紫苑
治療院を装って患者を生体実験の道具にするとはな
外道はどのような世界にもいるということか

そちらが肉体を強化するなら、こちらも相応の戦法で挑ませてもらおう
UCを発動させ、『万能医療義手』よりナノマシンを解放
自分と闇の救済者達の肉体を強化し、身体能力を向上させる
「肉体強化に集中している今、やつらに遠距離からの攻撃手段はない。近づかれる前に、弓で仕留めろ

自分は討ち漏らした敵を【怪力】に任せて『万能医療義手』で殴り飛ばしながら前身
元より肉体の半分が機械なので、多少の傷は厭わない
「悪いが、今の俺に貴様達を治療する術はない。オブリビオンと化した貴様達に、俺ができることは駆除だけだ



 空に輝く丸い月、それを見上げる人狼たち。
「グルルゥ……。」
 唸り声とともに人狼たちの体が一回り大きく、筋肉が膨張していくのが見て取れる。
「あれとやり合ったら、こっちもタダじゃ済まねぇな。」
「ですが、やらないわけにはいきません。」
 覚悟を決めましょう、とリーダー格の女性が手にした拷問具を掲げようとした時、ふらりと黒衣の男が立ち塞がった。
「お前たちをそのまま行かせるわけにはいかないな。」
「……あなたは?」
「俺はただの医者だ。手助けしてやる。」
 霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)が機械と化した右手を掲げると、医療用ナノマシンが空間に放たれる。
 空気に溶け込んだそれらは闇の救済者たちの体へ入り込み、肉体を作り替え、強化していった。
「おお……力がわいてきます。」
「これで、肉体を強化した奴らとも互角にやり合えるだろう。さて、」
 今にも跳びかかってきそうな人狼たちを見定め、弓などを持つ者たちへ
「あの様子なら、搦め手など考えずに向かってくるだろう。近づかれる前に仕留めろ。」
「解りました。皆さん、準備を!」
 そう女性が言葉をかけた瞬間、一気に人狼たちが闇の救済者たちへと襲いかかってきた。

「ギャウ!?」
 先頭を走ってきた人狼に拘束ロープが絡みつき、足を縺れさせたところに矢が突き立っていく。
「へへっ、これなら楽勝だぜ。」
「……いいえ、安心はできません。」
 人狼たちは倒れた仲間など気にせずに、仲間の骸を踏みつけて向かってきた。
 前に飛び出た人狼に矢が突き立つが、その影からすり抜けた人狼が闇の救済者たちへと爪を振り上げる。
「させるか。」
 しかし、それを受け止めて殴り飛ばすのは、機械の義手。
 いくら強化された爪であろうと、半分は機械である霧崎の肉体を傷つける事はできなかった。
「悪いが、今の俺に貴様達を治療する術はない。オブリビオンと化した貴様達に、俺ができることは駆除だけだ。」
 体勢を崩した人狼の頭を殴りつけ、一撃でとどめを刺す。
 そのまま霧崎は、人狼たちと闇の救済者たちとの間を駆け抜け、撃ち漏らした人狼を殴り飛ばしていった。
「しかし……。」
 ふと館を見上げれば、窓からその様子を覗く人狼の女性と目が合った。
「治療院を装って患者を生体実験の道具にするとはな。外道はどのような世界にもいるということか。」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニクロム・チタノ
うーん、結構いるね?
みんな反抗者だったんだね?
闇の救済者のみんなこのヒト達を解放してあげよう!
チタノ私は明日が欲しい希望の明日が
重力で動きを封じてる間に一気に攻めるよ、蒼焔の支援もある!
本当は体力を温存したいけどこのヒト達は解放してあげないと・・・
ボクは他の猟兵と違って体力とか戦闘力に自信がないからね~
でもちょっと無理しようかな・・・
どうかチタノの加護と導きを



 猟兵たちの力を借りつつも、闇の救済者たちは表に出てきた人狼たちをあらかた倒す事ができた。
 そのまま館の扉を破り、中へと入ってみれば……正面の階段から降りてくる人狼の姿が見える。
「うーん、結構いるね?」
「グガアアアア!」
 先陣を切ったニクロム・チタノ(反抗者・f32208)へと、人狼たちは一斉に飛びかかってきた。
 差し込む月の光に照らされ、空中の人狼たちの筋肉が膨れ上がっていくが……途中で失速し、ニクロムの目の前に落ちた。
「ギャウ!?」
「ちょっと待っててね~。……君たちみんな、反抗者だったんだね?」
「グ、ギギ……。」
 ニクロムの質問に答えず、唸っている人狼たちを床に縛り付けるのは、重力の鎖……それを操るのは、人狼たちを見下ろすニクロムの背後に浮かぶ龍、チタノの霊。
 その口から蒼焔が漏れ出した時、闇の救済者たちも入り口から現れた。
「こ、これは……一体?」
「来たね、闇の救済者のみんな。このヒトたちを解放してあげよう!」
「お、おう!」
 超重力に押し潰されかけながらも、なんとか起き上がる程度しかできない人狼たちに対し、闇の救済者たちは苦もなくトドメを刺していく。
「グルルゥ……!」
「……少し、可哀想だな。」
 床に縛り付けられている人狼へ、剣を振り下ろす事を躊躇う闇の救済者も中にはいる。
 そんな彼らに対し、ニクロムの声が館に響く。
「ううん、これでいいんだよ。この人たちも、元は吸血鬼に抗った人たちなんだ。本当は、もうすっかり眠っているべきで……だから、もう楽にしてあげよう。」
「ああ……許せ!」
 そうして人狼たちを倒しつつ、館の最奥を目指し……最後の扉を開いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『人狼院院長アメリア』

POW   :    医療者の妄執
【自身にとって保護、治療すべき患者】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[自身にとって保護、治療すべき患者]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    狂月の獣
【最後の人間性の象徴であった喪服】を脱ぎ、【月の狂気に飲まれた巨大な狼獣人】に変身する。武器「【巨獣の爪牙】」と戦闘力増加を得るが、解除するまで毎秒理性を喪失する。
WIZ   :    ぬくもりの灯火
【ランプから狂気や敵意を和らげる温かな光】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はメアリー・ベスレムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「グルルゥ……。」
「おや……ここまでたどり着きましたか。皆さん、落ち着いてください。」
 最奥の扉を開くと、中に居たのは人狼たち。
 大半の、簡素な治療着を着た者たちが猟兵たちを威嚇する中、それらを制しながら静かに語りかける、喪服を着た女性。
「人狼院の院長、アメリアと申します。私たちは、静かにここで暮らしていたいだけだったのですが……それは、あなた方の望みと反するようですね。」
 手にしたランプを揺らし、静かに祈りの印を切る。
「であるならば……彼らに、戦いの中での死という名誉を、与えたまえ。」
 それが合図になったか、治療着を着た人狼たちが跳びかかってきた。
霧崎・紫苑
静かに暮らしていたかっただと?
患者の治療を放棄して思考を狂わせた時点で、貴様にそれを言う権利はない

コートを脱ぎ捨て投げ付けることで敵の持つランプが放つ光を遮り、その隙に【闇に紛れる】ことで接敵して殴る
1発でも攻撃を当てられれば、後はナノマシンが勝手に侵食を開始
オブリビオンにのみ生じる拒絶反応が発生
拒絶反応に蝕まれているアメリアへは『メディカル・チェーンソー』による斬撃で追い討ちをかける

言っておくが、俺を眠らせてもナノマシンは止まらないぞ?
それだけでなく、貴様を中心に広がる抗体感染が、周囲の人狼にも広がって行くからな
感染を止める方法……それは貴様が死ぬか、他の人狼を見捨てて逃げ出すかの二つだけだ


久瀬・了介
人里離れて大人しく暮らしていようと、貴様らオブリビオンの存在自体を許さない。
貴様は今ここで殺し、この地を解放させて貰う。

この患者達が貴様の戦力か。
病で変貌しているとは言え、根本は人間。ならば奪い返せる。
UC【墓場の主】使用。悪霊の群れを召喚し、患者達に取り憑かせその意識を【捕縛】。行動を支配する。
お前達の敵はそこの女だ。取り囲め。
悪霊達による念属性の【精神攻撃】だ。【呪詛】の念で奴の魂を削り潰せ。

自身も「ハンドキャノン」を抜き構える。他者に任せきるつもりはない。復讐は自分の手で行うものだ。
怨敵への呪詛を込めた【呪殺弾】によるフルオート射撃。全弾をアメリアに叩き込む。朽ち果てろ。


剣持・司
『患者に最期まで寄り添い、静かな暮らしを与える』
確かにそれは医療従事者らしい『正義』ね
でも、貴女が人狼達に与えたのは『人としての死を越えた救済』
その結果が、この歪んだ戦士達よ
…善き行いが、全て赦されるわけではない
これは貴女の罪よ、アメリア
そして私は、貴女の罰そのもの
罪には、罰を
救済に、終焉を

アメリアを中心に人狼達が強化されているようね
統率も出来てる
ならば、【剣神招来陣】!
迫り来る人狼は私の分身達が抑える
その間に救世主の近接部隊は両側面から攻撃を!
射撃部隊!目標、敵中央、アメリア!射てっ!
人狼達はアメリアを守るために固まる筈
そこよ!
激流と氷雪の、二属性の衝撃波の二回攻撃をアメリア達に撃ち放つ!


フィラデルフィア・シャイントピア
アドリブOK

残念デスガー…
静かに暮らしたいなら、本当に静かにしておくべきでしたネー。
恨みを買うことをした時点でもうアウトなのデスネー。

【戦闘】
温かい光が助けに入るのデスカ?
ならワタシが目が覚めるようなライジングサンをお見せしまショウ!
(ユーベルコードを発動させ、あちこちにあるであろうランプを太陽に変える)

こんなに眩しかったら流石にスリープしている暇はないのではないデスカー!
犬サンには少々厳しい眩しさかもしれないデース!

このままサンパワーを集めた攻撃をボスにぶつけてやりマース!
(小型の太陽を一発、アメリアにぶつけにいく)



「ギャウ!? ……グルルゥ!」
 襲い来る人狼の患者たちの足が、何かに押しとどめられるように止まる。
 いつの間にか現れた久瀬へと敵意を向けているが、その足は床に張り付いたように動かない。
「……この患者たちが、貴様の戦力か。」
「戦力……そう考えたことはありません。」
 患者たちへと悪霊を憑かせて止めながら問う久瀬に、院長のアメリアは悲痛な表情で患者たちを見渡しながら、変わらぬ調子で言葉を続けていた。
「私ができるのは、彼らの最後の望みを叶えるだけです。」
「これが……戦いの中で散る事が望みだと?」
「ええ。」
「貴様、それでよく静かに暮らしていたかったなどと言えるな……!」
 その問答に、怒気を込めて口を挟む霧崎。
 血に飢えた獣のように唸るだけの患者たちを一瞥し、
「ここにいた患者たちは1人として、意味のある言葉を話す事もできなかった。それも、貴様の言う治療のせいか?」
「苦痛から遠ざけたのです。……考える事は、痛みを伴いますからね。」
「……医者が聞いて呆れるな。」
「そうね……でも、ここにただ存在しているだけなら通る理屈だわ。」
 静かに怒りを湛えた霧崎の横を、剣持がふらりと歩み出る。
 それと同時に、現れた剣持の分身たちが患者たちを押さえ込んでいた。
「患者に最期まで寄り添い、静かな暮らしを与える。……確かにそれは、医療従事者らしい正義ね。でも、」
「……そこに、あなた方が来たのです。」
「そう、貴女のことを止めるためにね。」
「残念デスガー……人を人じゃナクする存在を、人は許しまセーン。」
 フィラデルフィアの言葉に、今まで落ち着いて話していたアメリアが顔を上げる。
「私は! 彼らのために……」
「本当ニ? ……まぁ良いデスガ。静かに暮らしたいなら、本当に静かにしておくべきでしたネー。」
「……これ以上は、あなた方と話す必要はありませんね。」
 アメリアは言葉を切り、祈りの印とともにランプを揺らす。
 動く光に目を向ければ……それは眠気を誘う、穏やかな癒やしの光。
「あなた方にも、治療が必要です。さぁ、お眠りなさい。」

「残念だが、貴様の治療を受けるわけにはいかんな。」
「そうデース! 眠るわけにはいきまセーン!」
 霧崎は羽織っていた黒いコートをアメリアへと投げつけ、ランプの明かりを遮る。
 同時にフィラデルフィアが部屋に置いてある明かりへと目を向ければ、それらはまるで眩い太陽のような輝きを放ちはじめた。
「くっ、これは……。」
「こんなに眩しかったら、流石にスリープしている暇はないのではないデスカー! 犬サンには少々厳しい眩しさかもしれないデース!」
 フィラデルフィアの司る力の一つ、太陽の輝きに耐えられず、アメリアは思わず目を覆う。
「貴様に医者を名乗る資格はない。」
「ゴフッ!?」
 その隙に近づいた霧崎の鋼鉄の拳が、アメリアの頬へと突き刺さった。
 重い一撃に吹き飛ばされ、その目が少し慣れてきた時……周りに立つ複数の人影に気がついた。
「あ、あなた……たち?」
「こいつらは病で変貌しているとは言え、根本は人間。ならば、奪い返せる。」
 その人影は、久瀬の操る患者の人狼たちの姿だった。
 彼らの狂気の眼差しは治まり、ただ静かに氷でできた剣を下げて見下ろしている。
「お前達の敵は、そこの女だ。」
「貴女が彼らに与えたのは、人としての死を越えた救済。……その結果が、この歪んだ戦士たちよ。」
 患者の人狼たちは剣持の言葉に合わせ、剣持の分身たちから手渡された氷雪の剣を構える。
「……善き行いが、全て赦されるわけではない。」
「そんな……そんなはずは。」
「貴様に礼がしたいそうだ、受け取れ。」
「ぐふっ1?」
 そのまま無感情な目で、久瀬に操られた患者たちはアメリアへと手にした剣を突き刺していく。
「あなた、たち……?」
「これは貴女の罪よ、アメリア。そして私の剣は、貴女の罰そのもの。罪には、罰を。救済に、終焉を。」
「そん、な……ことは、ゆる、さ……?」
 残された力で腕を狼へと変化させようとして、アメリアは気がつく……本来であれば、即座に強力な狼の姿へと変われる肉体が、
「なぜ、変わらないのです……?」
「やっと気がついたか。」
「……あなた、が。」
 先ほどまでのやりとりの間に、霧崎の拳に仕込まれていたナノマシンが、アメリアの体を浸食していた。
 抗体が打ち込まれ、オブリビオンにのみ生じる拒絶反応が変身を許さず……ただの人へと作り替えて。
「言っておくが、貴様に打ち込んだ抗体は周りの人狼たちにも広がっていからな。」
「そう……ですか。」
「この感染を止めたければ、貴様が死ぬか、他の人狼を見捨てて逃げ出すかの二つだけだ。……もっとも、逃げられるとは思えんがな。」
「ふふ……そう、ですね。」
 アメリアは諦めたようにふっと息を吐き、患者たちをひと撫ですると……目の前で患者たちは塵となって崩れていく。
「あとは……ひと思いに。」
「そうか。」
「ならば、朽ち果てろ。」
 霧崎のメディカルチェーンソーが首を刎ね、久瀬のハンドキャノンから放たれる弾丸が体に撃ち込まれていく。
 それでも、アメリアの顔は穏やかなままで、
「……これで終わりデース。」
 最後にフィラデルフィアの手に生み出された小型の太陽に肉体は焼かれ、塵となって消えていった。

「さて、これで館は確保できたけど……確か、まだ一組居るのよね。」
「ああ、そうだな。」
 剣持の呟きに頷き、急ぎ外へと向かう。
「闇の救済者、あなたたちは館の中に居て。最後の敵は私たちが倒すから!」
 道中にいる彼らへと声をかけながら、入り口の扉を開くと……その先に、巨大な狼と少女が立っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『子狼ロラと狂狼ミゲル』

POW   :    お父さんに何てことするの!?ぶっつぶれちゃえ!
レベル×1tまでの対象の【攻撃衝力をミゲルが受け止め、ロラが敵】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD   :    人狼はみんな家族なんだよ……仲間になってくれる?
対象への質問と共に、【狂狼ミゲルの体内】から【狂呪の人狼病原体】を召喚する。満足な答えを得るまで、狂呪の人狼病原体は対象を【狂わす人狼病感染】で攻撃する。
WIZ   :    お父さんは絶対に守る、わたしの命にかえても!
自身が戦闘不能となる事で、【父ミゲルをかばう。怒り狂った父の暴走は】敵1体に大ダメージを与える。【父への愛】を語ると更にダメージ増。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 傷ついた狼に対し、少女は心配そうに語りかけている。
「お父さん……ほら、教わった場所はここだよ。もう少しだよ、その傷……治してもらえるよ。」
 巨大な狼を父と呼び、少女は館を見上げている。
 しかし、館の中がやけに騒がしい……。
「え、なんで……。」
 中から現れたのは、人間だった。
 ここは、人狼の治療院だったはず……それなのに、中から現れたのは猟兵たちだった。
「まさか……ここの、人は?」
『……見ツケタ、ゾ。』
「え、お父さん?」
 少女の見ている前で、狼の傷が歪み、その身を歪めてゆく。
 傷であったモノは淡く赤い光を放ち、紋章へと姿を変えていた……殺戮者の紋章へと。
「あ、ぐぅ……!?」
『……オ前モ、使命ニ従ウノダ。』
 そして、それは少女の額にも。
 少女の苦しみは少しの間だけ……しかし、その顔を上げれば、猟兵たちへと向けるのは憎しみの表情だった。
『人族鏖(皆殺し)ノ、使命ヲ。』
「……うん。やるよ、お父さん。」
 そう頷き、2人は猟兵たちへと襲い掛かってきた。
サブナ・ダディ(サポート)
『貴様には戒名も念仏も必要なかろう』
 サイボーグの破戒僧×超級料理人、29歳の男です。
 普段の口調は「落ち着いた(自分、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)」、戦闘中は「豪快(俺、お前、呼び捨て、か、だろ、かよ、~か?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「皆殺しなど、させるわけにはいかんな。」
 二人の前に立ち塞がるのは、サブナ・ダディ(サイボーグの破戒僧・f21228)。
 静かに念仏を口ずさむと、その背後に阿形・吽形の像が浮かび上がる。
「その使命、潰させてもらおう。」
「止められるなら止めて見せてよ!」
『……ユクゾ、人間。』
 跳びかかってくる巨大な狼とそれを追いかける少女に、サブナの口元がにやりと上がる。
「俺が無手と見たのだろうが、」
 短く祈りの言葉を捧げれば、阿形・吽形の像は金砕棒へと代わり、サブナの手に収まった。
「お前に受け止められるか?」
『グ、ア!?』
 大口を開けて襲い来る狼の横面に叩きつけられる、見た目以上に重い金砕棒。
 振り払い、狼を横に吹き飛ばした時……少女がサブナの目の前に立っていた。
「お父さんに何てことするの!」
「うお!?」
 怒りの声とともに素早くサブナの袖を細い手がつかんだと思えば、その腕からは想像ができないほどの力でサブナの体を投げ飛ばしていた。
 頭から地面に落ちるのを片手で着地し、もう一転して立ち上がれば、少女は狼の頬を心配そうに撫でている。
「大丈夫、お父さん……。」
『グ、ルルゥ……。』
「……敵でなければ、お前たちの関係は美しいものだがな。通すわけにはいかんのだよ。」

成功 🔵​🔵​🔴​

霧崎・紫苑
目的のためなら娘さえ偽り利用するか……正真正銘のクズだな

貴様の武器は病原体か?
ならば、俺は医師としての務めを果たすのみ
自らの肉体に埋め込まれた動力装置の出力を極限までカットして脱力し、敢えて病原体の攻撃を受ける

攻撃を受けてからが本番だ
UCで感染源を無効化し排出
更に病原体由来の呪詛属性と狂気属性に対する抗体を生成し、敵の攻撃を無力化させる
「病原体の分析は完了した。もはや、貴様の問いに答える必要もない

『メディカル・スキャニング・アイ』で敵の紋章の位置を【見切り】、『武装医療鞄』から内部に仕込まれた武装を展開
機関砲で牽制しつつ電磁鞭を絡めて動きを止め、紋章に炸裂弾をお見舞いしてやろう
「……術式終了だ


剣持・司
(家族という言葉に目を細め)
…度しがたいものね、人狼病
貴女達もアメリア達も、最初こそは違ったんでしょうね
それこそ純粋な想いがあった
…だからこそ、人類を鏖殺するというなら私も退かない
同情はする
だけど人類のため、かつての貴女達のため、ここで退くことこそ『悪』
全力を持って倒すわ
正義を、執行する

人狼病原体が危険ね
ブレイバーの炎の衝撃波の熱で浄化するわ
質問には勿論NOよ
私には、必ず見つけて殴らなきゃいけない私の家族がいるのよ

あの親子の連携を崩すわ
斬撃波で両者を分断し、破魔と浄化の光を纏わせた一撃で娘の額の紋章を切断
怒れる父親の紋章を狙い、真っ向から黎王聖煌斬で勝負するわ
人類は絶対に、夜明けを掴む!


久瀬・了介
この子達が影山の言っていた伏兵か。
哀れだが、被害を出すというのなら放置は出来ない。
何よりも、オブリビオンであるならば殺す。殺さねばならない。

夜と闇に覆われたこの世界なら使える。【不朽兵】で不死身の鬼と化す。
「怨念武器」を鉤爪として具現化し【ダッシュ】してロラに近付き攻撃。
ミゲルに受け止められ反撃されたとしても【激痛耐性】で苦痛を無視する。不死身の怨霊には如何なる攻撃も通じない。破損した肉体を瞬時に再生させる。
「ヴォルテックエンジン」にオブリビオン全てへの【呪詛】を込め、【リミッター解除】し自身の肉体すら破壊する程の高圧電流を生み出す。
雷の【属性攻撃】で自身ごと狼と子狼を焼き尽くす。慈悲は無い。


フィラデルフィア・シャイントピア
ノー、ダメですネー
子供を無理やり従わせるのは、ファーザー失格デスヨー
【アドリブOK】
残念ながら、情けは最初からナッシングデース!
右手にユーベルコードを込めたヒッサツの一撃!
…は、息子サンが止めに入りそうなのデ、
かばいそうになったらわずかに横にずらして地面をクラッシュさせていただきマース!!
それで息子サンの動きが止まったらしめたものですネー。
悪路走破できるワタシなら、そこから難なくセカンドアターックを
ファーザーさんにプレゼントできるはずデース!

なんとなくキュートな子に手を上げるのは気分がベリーバッドデスからネー。



「この子達が影山の言っていた伏兵か。」
「ええ、そのようね……。」
 傷を負った狼と、それを父と呼ぶ少女へと目を向けて呟く久瀬に、剣持も頷いていた。
「本当に……度しがたいものね、人狼病は。」
「ああ。哀れだが、被害を出すというのなら放置は出来ないな。」
 その時、武器を取り出した2人の後ろから声が響く。
「ノー、ダメですネー。」
 そのフィラデルフィアの声に振り向けば、やれやれと大げさに肩をすくめる姿があった。
 周りの視線が集まったと見るや、狼を指さして言い放つ。
「子供を無理やり従わせるのは、ファーザー失格デスヨー!」
「その通りだ。あまつさえ、目的のためなら娘すら偽り利用する……正真正銘のクズだな。」
『グルル……チガウ。』
 蔑んだ目で見下ろす霧崎に対し、口では否定する狼の瞳は、ただ獲物を見つめている。
 その肉を食み、血を啜りたいと舌なめずりをする、ただの獣。
『人ヲ喰ラウハ、本能……娘モ、イズレハ。』
「え……何を言って。」
 そんな狼を見上げる少女には、明らかな戸惑いが声に混じっている。
 しかし、額に浮かぶ紋章が光を放ち、その表情は父と同じものへと変わっていった。
「……そうだね。私たちは、人狼だったもんね。」
「貴女達もアメリア達も、最初こそは違ったんでしょうね……それこそ、お互いを思いやる純粋な想いがあった。でも、」
 感じていた憐憫を振り切るように、剣持は聖剣を構える。
「オブリビオンであるなら殺す。殺さねばならない。」
 久瀬の呟きと共に、お互いが一気に駆け出した。

「残念ながら、情けは最初からナッシングデース! サンパワー、オン!」
『グルアアアアァ!』
 襲い来る狼へと、正面から拳を振り上げて太陽の輝きを込めるフィラデルフィア。
「ヒッサーツ! ライティ・サンシャイーン!」
「……お父さんに、手は出させない。」
「クラァーッシュ!」
 太陽の拳から狼を守ろうと少女が庇いに入るのを察し、拳を地面に叩きつけるフィラデルフィア。
「くっ!?」
 巻き上がる土煙に、お互いの姿が隠れてしまう。
『グルルゥ……。』
「お父さん、今行くから!」
 駆け出す少女に立ちはだかるのは黒い霧。
 質量を持つ人型のそれは、鈎爪だけがはっきりと浮かび上がり、
「残念だが、させる訳にはいかない。」
「キャウ!?」
 生者としての擬態を解き、不死身の戦鬼と化した久瀬の鈎爪に少女は弾かれる。
「もう一発デース! ……クラァーッシュ!」
『ガアアア!』
 質量の増した太陽の拳に殴られ、吹き飛ばされる狼。
 土埃がおさまると、少女の隣に蹲る狼の姿があった。
「さーて、とどめにいきますヨ」
「待て、危ない。」
 突進しようとするフィラデルフィアを制したのは霧崎。
「何故止めるのデース?」
「奴には病原体が詰まっている……これが、貴様の武器か?」

『……グルル。』
 唸りをあげる狼は、人狼病の感染源。
 それも、罹れば狂気に捕らわれ、人でなくすほどに強力なもの……冷静に語り掛けてくる霧崎へと、狼の傍らにいる少女が呟く。
「そう、だよ。いつもお父さん、私の言葉も解らないんだ。……狂ったみたいに。」
「だろうな、人に罹れば狂気に蝕まれるほどのものだ。」
 今も、霧崎の身体を病原体が蝕んでいる。
 しかし、その身の半分を構成する機械が分析、解析し、抗体を生みだして無力化していく。
「でも、怪我してから……今も、話ができて、嬉しかった……けど。」
「だからあなたは、ここへ連れてきたのね。」
 剣持の問い掛けに、少女はコクリと頷く。
「ここなら、人狼でも治してくれるって。」
「そう……誰から、それを?」
「お父さんに、怪我をさせた奴……よく見えなかった、けど。」
 その答えに、剣持は言葉を詰まらせる。
「そこで……第五の貴族に、人類を鏖殺するという使命を植え付けられたって事、か。」
『……モウ、イイダロウ。』
「くっ、ああああ!?」
 狼が起き上がり、その身に刻まれた紋章が光を放つと、少女の額の紋章も呼応するように鈍く輝く。
『我ガ使命、果タス、ノミ。』
「……人類のため、かつての貴女達のため、ここで退くことは出来ない。それこそが『悪』だから。」
「病原体の分析も完了した。もう大丈夫だ。」
 こちらへ殺意を向けてくる一人と一匹に対し、聖剣を構える剣持。
 そして霧崎の義手から放たれる抗体が、猟兵たちへとばら撒かれる。
「終わらせよう。」
「正義を、執行する!」
『ガアアア!』
 襲い来る狼と少女へと向け、剣持は聖剣を振り下ろす。
 その斬撃から放たれた衝撃波が襲いかかり、二人は別々に避けていた。
「クズだと言ったのは取り消そう。……貴様はただの、操り人形だったな。」
 霧崎はその手の鞄に仕込まれた機関砲で牽制し、狼の身に浮かぶ紋章へと狙いを定めて炸裂弾を撃ち込んだ。
「……術式終了だ。」
『グ、ア……。』
「……お父さん!?」
 狼の紋章へと炸裂弾が撃ち込まれた瞬間、少女の叫びが戦場に響く。
「……人類は絶対に、夜明けを掴む!」
「くあっ……!」
 一瞬のためらいを振り切り、振り下ろされた剣持の聖剣から放たれた衝撃波が、少女の額の紋章を切り裂いた。
 倒れた一人と一匹の上に、戦鬼と化した久瀬が浮かぶ。
「オブリビオンは殺す。慈悲はない……あってはならない。」
 自身の身をも焼き尽くすほどの高圧電流が放たれ、親子の身体を焼き尽くし……。
 あとには塵だけが残っていた。

 ……こうして、人狼を癒すと言われていた館は、人々の手に戻った。
 在り様を歪められていたとはいえ、元々は治療のための建物……これからは傷ついた人々を癒す場となっていくだろう。
 そんな人類の勝利を尻目に、猟兵たちはグリモアベースへと帰っていく。
 闇の救済者たちの戦いは、まだ始まったばかりだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月01日


挿絵イラスト