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高き森の屋敷にて

#ダークセイヴァー #地底都市 #第五の貴族

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 地底都市、その一角は深く黒い森に包まれていた。本来ならば人が住むべきの街は植物に覆われ、獣さえ住まない死の森がそこにはある。

「ク、ハハハハハ! いや、良い。良い光景だ!」

 もっとも高き巨木の上に建てられた屋敷から、それを眺める男がいた。第五の貴族、吸血鬼であるはずのその男は、もはやただの吸血鬼ではない。

 その瞳は炎、その声は洪水、その爪は嵐。
 輝く歩みは大地を変え、闇深き緑を生み出す。
 仰ぎ見よ、恐怖せよ。
 何よりも高き森の怪物を。

 空想上の化け物、高き森の紋章の力を手に入れた吸血鬼――名も忘れた彼こそが、ソレだった。

「良いな、良い。清々しい気分だ。ああ、これが力か。これも力か」

 カリ、と闇に覆われた額を高き森の化け物はひっかく。そこには、高き森の紋章が寄生している。その感触に、闇の下で吸血鬼は笑った。

「あ、さて。このまま高き森ですべてを塗り潰し、私自身が伝承そのものになるのも良いな」

 恐れの体現、具現化。そのものにならんと、吸血鬼は心躍らせ闇の中で笑った。



「紋章の力とは厄介なものであるー」

 マーイウス・ラヴュリントゥス(五番目の四天王・f32314)はため息と共に、その巨体を揺らした。

「今回、皆に対処してほしいのはダークセイヴァー世界、その地下都市にいる第五の貴族の対処である」

 第五の貴族は高き森の紋章によって力を得て、自身の領域に森を展開している。自身の屋敷は森で一番高い樹に建てており、そこで力を蓄えているようだ。

「まずはこの森を抜け、屋敷に向かう必要があるのである。が、森の中には番犬の紋章で強化された悪食ネズミが大量に徘徊しているのである」

 とにかく、数が多くて駆逐し切るのは不可能だろう。なので襲い来る悪食ネズミを排除しつつ、屋敷に向かう必要がある。

「第五の貴族の弱点は、その力そのものである紋章である。紋章の位置を探り当て、攻撃するのが良いのである。とにかく、かなりの強敵であるので油断せず挑んでほしいのである!」


波多野志郎
地下にだって紋章の力があればきっと森が出来るはず! どうも、波多野志郎です。
今回はダークセイヴァー世界にて、第五の貴族に対処していただきます。

まず、第一章で森の中を抜け悪食ネズミ(番犬の紋章で強化済み)を蹴散らしながら、館へ。第二章では第五の貴族(高き森の紋章で強化済み)との戦いとなります。弱点である紋章の箇所は、ぜひOPをよく読んで察してください。

それでは、森のある地下都市でお待ちいたしております。
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第1章 集団戦 『悪食ネズミ』

POW   :    白骨を作る黒い波
【餌に対して集団集中攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD   :    鼠算式
【仲間を呼ぶ鳴き声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    感染させる牙
【仲間を犠牲にしてでも噛み付く牙】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定
*アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/火/氷/生命の精霊,聖霊,月霊,戦乙女,天使,英霊,死神を呼んで“七色金平糖”を配って『クリスタライズ』で姿を隠し『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃をして『聖精月天飛翔』でWIZを強化し敵の攻撃を『月世界の英霊』で攻撃を空間飛翔して避け敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化させます!

『エレメント・セイント・ティファーナ』で強化し『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』を苛烈な猛攻をします☆
猟兵にも“七色金平糖”を配り『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します♪



●死の森

 ダークセイヴァー世界、地底都市。その一角は生の気配のまったくしない死の森と化していた。街を覆う緑が豊かであれば豊かであるほど、そこが自然ではないと自覚させられる――祝聖嬢・ティファーナのようなフェアリーであり、精霊術士であればその異常はなおの事感じられた。

「お?」

 不意に、ティファーナが振り返る。日の明かりが届かない、積もり重なった闇の向こう。死の森の奥から、生命の気配がしたからだ。地下から溢れ出したソレは――尋常なそれではなかったが。

『ヂュヂュ!』

 それは闇のように黒い波――悪食ネズミの群れだった。しかも、ただの群れではない。番犬の紋章によって大型犬ほどに巨大化した飢えたネズミが見渡す限り、森の中を疾走してくるのだ。

「来たね、よーし!」

 ティファーナがフェアリーランドの壺を抱えた瞬間、そこから飛び出す者があった。風・火・氷・生命の精霊。聖霊。月霊。戦乙女。天使。英霊。死神。溢れ出した軍勢へ、ティファーナは虹色の小さな沢山の砂糖つぶ――七色こんぺいとうを配っていく。

「身体も貴方も水晶の様に透明に……」

 そして、ティファーナがクリスタライズによって姿を消した瞬間だ。

「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ……」

 ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガ! と悪食ネズミの群れへ降り注ぐ、精霊、聖霊、月霊が放つ魔法の矢の雨。エレメンタル・ピクシィーズの矢雨が、悪食ネズミの群れを刺し貫いていく!

『ヂュ!』

 貫かれ倒れていく仲間の屍を踏み潰し、悪食ネズミの疾走は止まらない。恐怖はない、あるのはただ『餌』を喰らい飢えを満たすという本能と指令のみ。

「光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい……」

 その先頭へ、ティファーナが指差す。天から降り注ぐ天からの光が、黒い闇を二つへと割った。ザザザザザザザザザザ! と岩にぶつかって分かたれたような黒い波は再び合流し――。

「精霊、聖霊、英霊、月霊よ、聖精詠み……月天風よ流れよ……☆彡」

 ティファーナは届く直前、聖精月天飛翔(セイント・エレメンタル)によって急上昇――すかさず、月世界の英霊(ラビュリストン・ルーラー)で転移する!

「精霊よ……聖霊よ……月霊よ……英霊よ……能力(ちから)を示して……」

 光り輝く英霊を眼前に、左右に精霊を、背後に精霊と月霊を――エレメント・セイント・ティファーナによって彼らが飛び立った刹那、上空を取ったティファーナは叡智富める精霊(ハイ・エレメンタルズ)によって精霊達に総攻撃を命じた。

「精霊、聖霊、英霊、月霊よ、叡智と膂力を示せ!☆」

 ドドドドドドドドドゥ! と悪食ネズミ達が、八種の精霊の力によって貫かれ――その中に混じった神聖なる槍が光を放って炸裂した。

「神罰なる天罰の刺突を!☆彡」

 神聖天罰刺突(ハイ・セイント)による無数の神聖なる神罰が、悪食ネズミの黒い波を消し飛ばしていく! 第一波がかき消えた――それを見届け、ティファーナはうんと満足げにうなずいた。

「今の内に先に行こっか!」

 地の底からの気配は止まらない――鼠算式に仲間を呼ぶ敵だ、まともに戦っていては先に力尽きるのはこちらだ。

 姿を消したまま、ティファーナは死の森に紛れるように先へと急いだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御剣・刀也
ネズミの群れか
取るに足らない有象無象だが、数が多くなると厄介だ
さっさと通らせてもらおうか

白骨を作る黒い波で次から次えと来ても、グラップルで飛んできた奴を叩き落とし、足に噛みつこうとする奴を踏み潰し、ダッシュで一気に最短距離を駆け抜けていく
刀を抜いて斬っていては動作が遅れるので刀は抜かず、拳と脚のグラップル、第六感、見切り、残像で対処する
目の前に壁のようになったら、ユーベルコードで風穴を開けて突き進む
「ネズミ風情が、俺を食うってか?面白い。来いよ。獅子が食えるものならな」



●百獣の王が、野を行くが如く

 侵入者の気配を察した瞬間、高き森は目を覚まし牙を剥く。ザザザザザザザザザザ――と、地の底から滲み出るように『黒』が這い上がった。

 悪食ネズミの群れ――迫る黒い波を前にして、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は言い捨てる。

「ネズミの群れか。取るに足らない有象無象だが、数が多くなると厄介だ。さっさと通らせてもらおうか」

 刀也は、地下都市を疾走する。迫る黒い波、悪食ネズミの群れが一糸乱れぬ統率を見せて刀也を飲み込もうと襲いかかった。

『ヂュ!』

 それは、ネズミの動きではない。集団で狩りを行なう猟犬の動きだ。喉笛を、手足を、体の末端を狙うその牙はただ生命を貪る個のそれではない。確実に相手の動きを止め、次へ繋げる集団のそれだ。

「――ッ!」

 刀也の腕が、閃いた。素手で跳んだ悪食ネズミの首元を殴り弾くと、そのまま足首を狙ったネズミの頭を踏み出す勢いで踏み砕く! そのまま動きを止めず前へ、横回転を加えながら刀也の回し蹴りが眼前の悪食ネズミ達を蹴り飛ばした。

 それは、津波が岩にぶつかって砕ける光景にも似ていた。空いた『波間』、弾かれた事で生まれた隙間を見逃さず、刀也は最短距離を一気に駆け抜ける。

(「刀を抜いて斬っていては動作が遅れる――」)

 刀也の判断は、正しい。斬撃を持ってすれば、確かに切り裂けただろう。しかし、本物の津波のように寄っては返す数段重ねなのが、この猟犬の紋章で乱れぬ統率を見せる悪食ネズミの群れの恐ろしさだ。

 有効なのは点や線ではなく、面の破壊。あるいは、最小最短の速度と見切り――刀也が選んだのは、後者だった。

『ヂュ!?』

 抜かれた悪食ネズミ達が∪ターン、背後から襲い来る。それと同時、後発の悪食ネズミの群れが次に迫った。背後からは足を――噛み付いた、そう思ったのは残像だ。戻るのよりも速く加速した刀也は、遮ろうと高くそびえ立つネズミの『壁』に拳を腰の高さに振り絞り――。

「天武古砕流、無手術奥義! 覇王武皇拳!!」

 ゴォ!! と刀也が繰り出した質素にして簡潔、鍛え上げられた正拳突きが悪食ネズミの『壁』を粉砕した。刀也の覇王武皇拳の一撃は踏み込みで地面を砕き、捲りあげる。土塊が、森の根っこの破片が、足場が舞い上がる中を刀也は走り抜けた。

 ――そして、刀也の背後で無数の瓦礫と骸が降り注ぐ。刀也は、振り返らない。怯まずになおも迫ろうとする悪食ネズミの群れへ、ただ言い捨てるのみだ。

「ネズミ風情が、俺を食うってか? 面白い。来いよ。獅子が食えるものならな」

 獅子、その表現は正しいだろう。百獣の王が、無人の野を駆けるが如く刀也の疾走は止まらない。

 ――駆る側の絶対強者が、どうして弱者を意に介す必要があるだろうか?

 獅子はただ、思うが様に駆けるのみ。刀也は、ただ真っ直ぐに『本命』がいるだろう巨木を目指して走り続けた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
これ、全駆逐が目的だったら面倒だったわね…

ともあれ、駆け抜けるのは得意!一気にいくわよ!

先制UC発動
念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと吹き飛ばす
二回攻撃で他の二種の盾も活用し押しつぶし吹き飛ばす

空中浮遊ダッシュジャンプスライディングで駆け抜ける

敵の攻撃は基本三種の盾で受け
念動衝撃波オーラ防御ジャストガード等で防ぐ
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと薙ぎ払い吹き飛ばす

窮地の仲間は積極的にかばう

紋章…その強化は厄介な物ね
でも、話を聞くに良い事尽くめでもなさそう
…こっちに『紋章術士』でも来てくれないかしら?

…!そろそろ抜けるわね…
どんな奴が相手か?いざ参る!


イリヤ・クニーガ
これはこれは立派な森だことで。焼き払ったらさぞかし燃えそうですね…
しかし、ネズミが番犬とは興味深い。ネズミなのか犬なのかはっきりして欲しいものですが。

さて、番犬もといネズミには吹っ飛んでもらいますよ。UCパンジャンドラムにて爆破、進撃路を開削します。
殲滅が無理ならば爆破にて道を作り出せば宜しい。戦闘工兵の役目、紳士的に務めますよ。

…森が燃える?大丈夫です。ほら、明るくなったでしょう?

※アレンジアドリブコラボ歓迎※


マホルニア・ストブルフ
アドリブ連携OKです

紋章の力ねぇ……どうなる事やら。兎にも角にも、まずはこの森を抜けないとな。

◇拡張義体を使って【ダッシュ】で森を抜けるよ。ネズミの影が見えれば知覚端子・光学粒子の連携で【迷彩】【情報取集】で姿を隠しつつ、一定の距離から捕捉した紋章の位置をアサルトライフルで撃っていこうか。

それでも匂いでわかるのよね――キリがない、無駄弾だな。

◇グレイプニルを木に引っ掛けて、一旦枝に上るわ。一服してUCを使用。

あぁ、上ってきたネズミが弾かれて、さながらネズミ返しってところね。さて屋敷に行こうか。



●赤く燃える森

 地下都市、その一角で溢れ出す悪食ネズミ達を見て麻海・リィフ(晴嵐騎士・f23910)が小さく呟いた。

「これ、全駆逐が目的だったら面倒だったわね……」

 深い森、その大地を黒く染める悪食ネズミの群れは文字通りねずみ算的に増えていく。その光景は、悪夢と言っても過言ではなかったが――。

「これはこれは立派な森だことで。焼き払ったらさぞかし燃えそうですね……」

 イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)は、あえて視線を上に上げて言った。生命力に満ち溢れた森は、頭上を覆う。その上に空があるか地面があるかの違いはあるが、確かに美しくさえあった。

「しかし、ネズミが番犬とは興味深い。ネズミなのか犬なのかはっきりして欲しいものですが」

 そして、視線を下へ向けてイリヤは改めてこぼす。番犬の紋章は、悪食ネズミにただの統率以上の力を与えている――それは、貪るのではなく数を活かした狩猟方法だ。

「紋章の力ねぇ……どうなる事やら。兎にも角にも、まずはこの森を抜けないとな」

 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)が、小さく笑う。迫る敵、敵、敵――どこを向いても、どこへ向かおうとも敵しかいない。こうなれば、腹もすわろうといういうものだ。

「さて、番犬もといネズミには吹っ飛んでもらいますよ」

 イリヤの背後に生み出されるのは、膨大な数のロケット推力型の自走地雷――パンジャンドラムだ。

「渚ではなく森だが、偉大なパンジャンドラムと踊ろうか」

 イリヤの言葉と同時、パンジャンドラム達が走り出した。ちなみにこのパンジャンドラムという兵器、敵へ自ら突っ込み自爆する事を念頭に作成された自走兵器なのだが、車輪が地面の凹凸に対応できず、真っ直ぐ進めないという欠陥を持ったとある世界で実際に生み出された珍兵器である。

 本来は上陸艇から走り出す事を想定されていたため、海岸での使用が目的である。その海岸でさえ、制御不能だったのである――凹凸の激しい森で使用した場合、どうなるのか? その実例が目の前で起こった。

 ――すなわち、四方八方に散って連鎖的に爆発を巻き起こしたのだ。

『ヂュヂュ!?』

 しかし、今回においてはこれが幸いした。何せ、悪食ネズミの群れは四方八方から迫っていたのだ。予測のつかないその動きと爆発に、悪食ネズミ達が面食らうのも当然だった。

「殲滅が無理ならば爆破にて道を作り出せば宜しい。戦闘工兵の役目、紳士的に務めますよ」
「いや、道というか燃えてないか?」

 マホルニアの言葉に、イリヤは改めて周囲を見回す。森の中で大量の地雷が爆発したのだ、マホルニアの言う通り既に火の海が広がっていた。

「……森が燃える? 大丈夫です。ほら、明るくなったでしょう?」
「ま、そういう事にしておこうか」

 イリヤが次から次へパンジャンドラムを追加していくのを見て、改めてマホルニアは流す事にした。嘘はいってはいない、火に包まれた森は確かに明るくなっている。

「なら、行くとしようか」

 爆発が起こり、道が生まれる――そこをマホルニアは駆け抜ける。炎に紛れ、マホルニアは悪食ネズミ達の横を駆け抜けると、アサルトライフルの引き金を引いていった。

 ダンダンダン! と撃ち出された銃弾は、正確に悪食ネズミの番犬の紋章を撃ち砕いていく。ジジ……! と光学粒子によって周囲の景色に溶け込み、正確に知覚端子から得られる情報を把握。イリヤのパンジャンドラムの不規則な軌道を読みながら、駆け抜けていった。

「ともあれ、駆け抜けるのは得意! 一気にいくわよ!」

 それに続いたのは、リィフだ。赤く燃える爆音轟く森の中、右手を眼前にかざし――。

「雲か霞か、攻めるも受けるも……!」

 リィフの浮陣・青雲光霞によって複製された機動浮遊攻防盾「雲霞」が空中で展開。まさに陣形を組み、浮遊城壁と化したそれを眼前にリィフは一気に駆け抜けた。

『ヂュ――!!』

 ドォ!! と衝撃が、悪食ネズミの群れを一気に吹き飛ばす! それを見て、マホルニアが笑みをこぼした。

「派手だな」

 自分を庇うように展開されたリィフの「雲霞」の隙間から、マホルニアが射撃。紋章を撃ち抜いていくが――まさに、焼け石に水だ。

「それでも匂いでわかるのよね――キリがない、無駄弾だな」

 姿を隠そうと、向こうは鼻が利く。まともにやっていては、体も精神も銃弾も保たない。だからこそ、マホルニアが告げた。

「木の上へ!」

 その声に、イリヤとリィフは目の前の大木を駆け上がる。マホルニアの光の屋敷で祝杯を(ヴァナヘイム・フォールクヴァング)による青い光が、大木を登り迫る悪食ネズミを弾いて落としていった。

「さながらネズミ返しってところね」
「あまり良い景色とは言えないですけどね」

 イリヤの感想に、マホルニアは肩をすくめる。それは許してほしいところだ。

「紋章……その強化は厄介な物ね。でも、話を聞くに良い事尽くめでもなさそう……こっちに『紋章術士』でも来てくれないかしら?」

 ため息をこぼし、リィフもぼやく。目指すべき方向を確認し、彼らは改めて動き出した。

「さて屋敷に行こうか」

 マホルニアが光の屋敷で祝杯を(ヴァナヘイム・フォールクヴァング)した瞬間、イリヤのパンジャンドラムが大量に落下していき――爆音を響かせる!

 燃える森の中をリィフの盾で薙ぎ払い、マホルニアの射撃が抜けたネズミの紋章を砕いていく。時間をかければ、ジリ貧になる――だからこそ、彼らは一気に駆け抜ける事を選び。

「……! そろそろ抜けるわね……どんな奴が相手か? いざ参る!」

 もっとも高い巨木を駆け上がるリィフと、それに続くマホルニア――そして、イリヤが最後に振り返って告げた。

「では、ご機嫌よう」

 最後の大放出――そう言うように、イリヤはパンジャンドラムを放っていく。その爆発に、悪食ネズミ達が吹き飛ばされて行く中、猟兵達はついに高き森の屋敷へと駆け上がっていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『高き森の怪物』

POW   :    光輝にて闇を照らす
全身を【輝かせ、周辺地域を鬱蒼とした森林地帯】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    高きより歩み征く
【自身の巨体】を披露した指定の全対象に【得体の知れない強烈な恐怖】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    大地の法則を書き換える
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アウル・トールフォレストです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●高き森の屋敷にて

「いや! 絶景だな!」

 高き森の屋敷で、吸血鬼が笑う。人には――いや、自分は吸血鬼だが――笑うしかない時がある、その意味を彼は本当の意味で理解した気がした。

 森が燃える、その光景を美しいと思えたのだ。クックック、と喉を鳴らし、高き森の怪物となった吸血鬼は、屋敷から庭へと降り立った。

「迎えねばなるまい。ここにたどり着いた者を。ああ、称賛しよう。アレを抜けてきたのだから」

 番犬を越えられたのならば、主が応対するのが道理である。吸血鬼は、燃える森を眺めながら中庭で侵入者達を待つ事にした。

「何、燃えたとしてもまた森は生まれる――自然とは、巡るものというがそれをこの手で起こせるとは心躍るね! うん、そのための肥料となってもらおうじゃないか!」

 思った以上に、ノリにノッてきた――吸血鬼はまだかまだかと敵を、猟兵達を待っていた……。
御剣・刀也
おー、おー、でけぇなぁ
でかいから有利って思ったか?
バカが。的がでかくなって狙い放題だ
てめぇの紋章ごと斬り捨ててやるよ

光輝にて闇を照らすで周囲を照らして森に変えようとしたら、目で見てからでは遅いので、光で距離を見謝らないよう目を閉じて、第六感で周囲の変化を感じとり、見切り、残像で瓦礫を避けながら、勇気で被弾を恐れず、ダッシュで駆け上がり、捨て身の一撃で斬り捨てる
「でかいにしても限度ってもんがある。でかすぎれば動きは大雑把になり、懐に入ればこっちのやりたい放題だ。良い勉強になったな」


マホルニア・ストブルフ
連携希望【光画部】
あれが元凶のようだな。巨木のように大きいが――、あれはよく燃えそうだ。

◇あちこちに文様もあるようだし、知覚端子を展開して【情報収集】し、紋章の位置を探索。発見次第、他の猟兵にも知らせよう。
その間は【制圧射撃】を――この規模は厄介ね。レヴィアスクを変化させて【怪力】【鎧砕き】【切断】。
それからUCの油性焼夷弾で燃やしてやろうかね。枢式用弾倉を装填し、【スナイパー】でUCを使用し――おや、新兵でもないのに、照準がぶれている……? 情報収集で奴のことを『見過ぎた』せいか。落ち着いて、こういう時に上官は何と言って振舞ったか――そう、こんな感じ。さて、UCを撃ち込んでやろうか。


イリヤ・クニーガ
【光画部】
◇紳士的お出迎え感謝しますよ。こちらも紳士らしく可及的速やかに爆破して差し上げましょう。
…ちなみに森を燃やしたのは私です、同じように燃えてくださいませ。

◇ライフルで制圧射撃ししつつ接近し、銃剣で突き刺してからの零距離射撃まサーベルで切断を組み合わせて戦います。紋章がわかり次第パンジャンドラムを投入、爆砕します。

◇仲間に「決して諦めるな。― never, never, never!」「我々は海岸で戦う、我々は水際で戦う、我々は野原と街頭で戦う、我々は丘で戦う。我々は決して降伏しない!」かつてのチャーチル卿の如く鼓舞します。
※アレンジアドリブコラボ歓迎※


祝聖嬢・ティファーナ
WIZで判定を
*アドリブの歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/光/生命の精霊,聖霊,月霊,戦乙女,天使を呼んで“七色金平糖”を配って周囲を警戒しながら『クリスタライズ』で姿を隠し『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃をします♪
敵の攻撃を『月世界の英霊』で空間飛翔して避け敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化させます☆
猟兵の怪我人を『祝聖嬢なる光輝精』で治し『シンフォニック・メディカルヒール』で状態異常を癒します♪
機会を見て『聖精月天飛翔』でWIZを強化した『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!

「暗闇に隠れ怯えずに“神様の箱庭”へ還りなさい☆」



●高き森の主

 悪食ネズミを置き去りに、巨木を登っていく。そこは巨木の枝に作られた西洋風の屋敷だった。

「来たか」
「紳士的お出迎え感謝しますよ」

 中庭で出迎えた吸血鬼へ、イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)は一礼して答える。そして、笑みを崩さずにイリヤは続けた。

「こちらも紳士らしく可及的速やかに爆破して差し上げましょう……ちなみに森を燃やしたのは私です、同じように燃えてくださいませ」
「ハハハハハハハハハハハハハ! なるほどなるほど! あの光景は良かったぞ、心躍った!」

 吸血鬼は笑い、一歩前へ踏み出す。ミシリ――と足元から這い出てくる蔦と幹、それは瞬く間に吸血鬼を飲み込み、見上げんばかりの樹木の巨人を生み出した。

「あれが元凶のようだな。巨木のように大きいが――、あれはよく燃えそうだ」
「ですね」

 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)の感想に、イリヤも同意する。その時だ、御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)が中庭へと降り立ったのは。

「おー、おー、でけぇなぁ。でかいから有利って思ったか? バカが。的がでかくなって狙い放題だ。てめぇの紋章ごと斬り捨ててやるよ」
「そうかそうか、それが大言壮語でないことを願おうか!」

 高き森の怪物と成り果てた怪物が、その拳を振るう。そのサイズは、もはやこの高き森でもっとも大きな、屋敷さえ支える『足場』でも保たない。バキバキバキ!! と落雷のような轟音を立てながら、高き森の化物の一撃が屋敷を崩壊させた。

●生み出し、破壊する者

 地下都市に、崩壊の音が響き渡る。一瞬の浮遊感を感じながら、マホルニアは舞い散る木片を足場に跳躍していった。

「――この規模は厄介ね」

 マホルニアのアサルトライフルによる一斉掃射も、まさに焼け石に水だ。化物の体表である樹皮を削るのがせいぜいで、とてもダメージを与えているとは思えない。いや、樹木と生物では銃弾から受けるダメージの質が違いすぎて、比較しようがないのだが。

「させないよ♪」

 迷わず前へ出ようとした高き森の化物の前へ姿を見せたのは、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)だ。ティファーナはフェアリーランドの壺から現れる精霊や聖霊、月霊、戦乙女、天使に七色金平糖を配ると高き森の化物に解き放つ。

「何だ? 蚊か蝿か?」

 ヴォ! と高き森の化物が、その右腕を薙ぎ払う。その巨腕が振り回されれば、それだけで乱気流が生み出された。木片や屋敷の破片が吹き飛ばされる中、高き森の化物がその全身を輝かせた。

 光輝にて闇を照らす――新たに生み出される暗い森の中を駆け抜け、刀也が跳んだ。

「でかいにしても限度ってもんがある。でかすぎれば動きは大雑把になり、懐に入ればこっちのやりたい放題だ。良い勉強になったな」

 ズザン! と獅子吼の一撃が、確かに高き森の化物の脇腹を捉える。だが、化物は笑って返した。

「噛み付く蟻を恐れる象がいるとでも?」

 ゴォ!! と広がった森が津波のように大きく隆起する――大地の法則を書き換えた、樹木の津波が高き森の化物を中心に周囲を薙ぎ払った。

「ク、ハ、ハハハハハハハハハハハハハハハ! 生み出し、そして壊す! これはなかなかに良いものだな!」

 砕けた木片の土石流を見下ろし、高き森の化物が高笑いする。吸血鬼の性根と、化物の力――紋章の力によって生まれた最悪の化物がそこにいた。

「決して諦めるな―― never, never, never!」

 L85A3アサルトライフルの制圧射撃で迫る樹木を撃ち砕きながら、イリヤが仲間達を鼓舞する。戦いに、常勝はない。常に苦境が付きまとい、それを伴い駆け抜けた者だけが勝者となれるのだ。

 その鼓舞の意味を知らぬ者は、猟兵にはいない――それだけの戦いを、彼らはくぐり抜けたのだから。

「いいな! 実にいい! 絶望しないか! なおも闘志を燃やすか! いいな、いいぞ! 来るがいい、愛しき敵どもよ!」

 高き森の化物となった吸血鬼が、心の底からの称賛と共に前へ出る。踏み砕き、踏み潰し、そこから新たな森を生み出しながら。

 そうだ、敵だ。敵がいなければ、どんな強大な力を持っていたとしても意味などない。破壊するだけの対象では駄目なのだ、死ぬだけの弱者では駄目なのだ。己の生命に手が届く、生死を競わせてくれる敵がいるからこそ――力は、意味がある!

「感謝するぞ、猟兵ども。これでこそ、我が力は価値が生まれる!」

 ドドドドドドドドドドド……! と、大地が揺れる。強大な力を宿しながら、それを躊躇いなく使い、渾身を持って高き森の化物は猟兵達へと『挑み』かかった。

●価値のある勝敗を――

 ヒュオン! と地面から槍のように突き上がる急成長する樹木を、天使と戦乙女が掻い潜り斬り飛ばしていく!

「歌唱う、我らが精霊・聖霊・月霊よ♪ 歌い、踊り、唄い、舞踏れ♪ 素ノ源ヨリ来タレリ……」

 そして、クリスタライズで姿を隠したティファーナが、エレメンタル・ピクシィーズの魔法の矢を豪雨のように高き森の化物の頭上から降り注がせた。

「ハ、ハハハハハハハハ! さす傘がないのでな!」

 構わず、高き森の化物が前へ出る。踏み出した足場から、燃え上がる樹木の蔦が周囲を埋め尽くす! その樹木を、我が身を顧みずに断ち切ったのは刀也だ。

「オ――!!」

 ザザザザザザザザザザン! と、炎の蔦が切り飛ばされ、虚空で霧散する。それを見届け、イリヤが1796年型重騎兵サーベルを振るって駆け出した。

「我々は海岸で戦う、我々は水際で戦う、我々は野原と街頭で戦う、我々は丘で戦う。我々は決して降伏しない!」
「ここは森だがね!」

 イリヤと共に突撃したマホルニアは、レヴィアスクを変化させて振るっていく。サーベルと弓成りの両刃剣が、眼前の深い森を文字通り切り開いていった。

(「――どこだ?」)

 マホルニアは、知覚端子を展開して情報を集め続けていた。あの巨体を真っ向から倒すのは、あまりにも骨が折れる――蜂の一刺し、敵には紋章という弱点があるのだ。それを狙わない理由がない。

 そして、それは高き森の化け物となった吸血鬼も承知の上だ。ようは猟兵の勝利条件は倒される前に見つける事で、化物の勝利条件は見つかる前に倒す事だった。

「――おや、新兵でもないのに、照準がぶれている……?」

 より観察したからこそ、マホルニアは化物の恐怖を実感していた。見る者に植え付ける畏怖、それは頭ではなく体を蝕んでいる。落ち着いて、こういう時に上官は何と言って振舞ったか――マホルニアが考えた時、不意にイリヤが告げた。

「好転する前には、悪化するという段階もあり得る」
「……了解」

 そうだ、落ち着け――そう、こんな感じ。さて、UCを撃ち込んでやろうか。震える照準がピタリと止まった、その刹那。

「隠れた狐を焙りだせ」

 焦熱系枢式(ムスペルヘイム・ヴェズルフェルニル)――マホルニアの撃ち込んだ一発の油性焼夷弾が、高き森の化物の暗闇に飲まれた顔に命中する。敵の巨大さと比べれば、あまりにも小さな炎――だが、その効果は絶大だった。

「が、は!?」

 大きく、高き森の化物がのけぞった。額、そこにあった高き森の紋章に命中したからだ。

「そこだ!」

 炎は、消えない。小さい炎が存在を主張するそここそ、蜂の一刺しすべき箇所だとマホルニアが叫ぶ。

 それを聞き届け、イリヤが続いた。

「渚にて偉大なパンジャンドラムと踊ろう」
「が、あああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 次々と殺到する、イリヤのパンジャンドラム――無数の爆発を起こす中、高き森の化物はズシンと片膝をつく。

「精霊、聖霊、英霊、月霊よ、聖精詠み……月天風よ流れよ……☆彡」

 ティファーナが高速で化物の頭上を取る。そして、笑みと共に見下ろして言った。

「暗闇に隠れ怯えずに“神様の箱庭”へ還りなさい☆」

 ティファーナの神聖天罰刺突(ハイ・セイント)による光の杭が、高き森の化物の巨体を地面へと縫い止めていく! バキ、バキバキバキ!! 巨木の体に亀裂を走らせて起き上がろうとする化物へ――刀也が、一気に駆け抜けた。

「この切っ先に一擲をなして乾坤を賭せん!!」

 ボォ! と炎を突き抜けた刀也の獅子吼の一撃が、パキン! と金属を切断する音を響かせる。バキ、バキン、バキン――と高き森の化物の体が、剥がれ落ちるように砕けていく――化物は、小さく笑った。

「み、ごと……『まず』は、我が敗北か……」

 だが、終わっていない――そう高き森が砕け散る中、ズン……! と地底から大きく地響きな轟いた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『永遠に未完成なる死霊竜』

POW   :    全てを腐らせる死の瘴気
自身の【身体の隙間】から【肉が腐り落ちるガスのような瘴気】を放出し、戦場内全ての【生命活動】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
SPD   :    生ある者を串刺しにする身体の一部
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【 飛膜の無い翼から放たれる無数の骨片】で包囲攻撃する。
WIZ   :    死竜の呪われた破壊光線
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【魔法陣を竜の口元に展開させ、呪】属性の【ドラゴンブレス】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はフィーナ・ステラガーデンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●死霊竜

 地面を砕きながら、立ち上がるモノがあった。それは高き森の化物を噛み砕き、飲み込んでいく――まさに、死霊と化した竜そのものだった。

『ク、ハ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ! こういう時に、言うのだろう!? 一度、言ってみたかったのだ――』

 死霊竜は、吸血鬼の声で笑う。その吸血鬼の頭蓋骨、その口の中に鈍く輝く死霊竜の紋章――それが死霊竜の内側、無数の骨の中へと飲み込まれていく。

『――まだ、終わっていない。第二ラウンドと行こうか!! ハーハハハハハハハハハハハハハハハハ!』

 アギィル――! と竜の咆哮が、地下都市を揺るがす。吸血鬼はいっそ爽快と言いたげに言い切り、その骨の巨体で前へと動き出した……。
藍沢・織姫(サポート)
 バーチャルキャラクターのシンフォニア×ブレイズキャリバー、21歳女性です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」、死を覚悟した時は「無口(私、あなた、呼び捨て、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。迷惑行動・公序良俗に反する行動はしないように注意します。
 割と真面目な性格で難しい言葉等は事前に勉強しますが、たまに天然ボケをかます可能性有。
 エロNG、その他アドリブ歓迎です。


アト・タウィル(サポート)
『どうも、アトです。』
『ふふ、それはどうも。』
『私にできることなら、なんなりと。』

ねじくれた魔笛≪Guardian of the Gate≫を携え、ふらっと現れる女性。性質は大人しく、いつも笑顔を浮かべているが、その眼は深く開いた穴のように光を写さない。大体平常心で、驚くということがあまりない。その代わり、空気は読むので、必要に応じて驚いたふりなどはする。

戦闘では、魔笛を用いてUCを使う。音楽系はもちろん演奏で、サモニングガイストもそれに合わせて現れる形。ミレナリオ・リフレクションでは、相手のUCが剣などを使う場合は必要に応じて武器としても使う。

後はお任せします、自由に使ってください



●大地を殺す死霊竜

 ドドドドドドドドドドドド――っと、地下都市全体が揺れていく。地面が崩れ、亀裂が入っていく姿を見て藍沢・織姫(紺碧の歌姫・f03959)が息を飲んだ。

「こ、れは……!?」

 織姫の目の前で、無数の骨が地面を砕き上へ上へ伸びていく――それが何なのか、アト・タウィル(廃墟に響く音・f00114)が平坦な声で告げた。

「見てください」

 その視線の先、高き森においてもっとも巨大だった樹を打ち砕き、永遠に未完成なる死霊竜が立ち上がったのだ。遠くから見たからこそわかる非常識な大きさ――そして、何本もの骨が地下都市の天井を貫いていく光景がそこにはあった。

 そして、本当の『絶望』はここからだった。

『ヂュヂュ!!』

 地面を貫き、天井さえも串刺しにした『骨』――それが、下から黒く黒く染まっていく。その意味を悟って、織姫が呟いた。

「まさか、悪食ネズミが地上に……」

 その言葉の意味に、背筋が凍った。地下都市に追いやられていたからこそ、あの数も無視できたのだ。それが地上に開放されれば――被害が、どこまで広がるかわかったものではない。

「私達は、あの『骨』の対処をしましょう」
「そうですね」

 アトの言葉に、織姫は首肯する。放置はできない、あの骨さえ破壊できれば悪食ネズミの上昇は食い止められる、そのはずだ。

 アトが魔笛≪Guardian of the Gate≫を奏でる。ねじれたフルートから紡がれる美しい旋律は、古代の戦士を呼び覚ました。

「さぁ進みましょう。進めばすべてがうまくいきます」

 アトの狂気の行進曲(インサニティ・マーチ)の音色に背を押されるように、織姫と古代の戦士が前へ出る。この事態を打ち砕くため、前へ――ひたすら前へ、迷わず進む!

 不意にヒュガガガガガガガガガガガガガガガガ! と死霊竜が繰り出した 飛膜の無い翼から放たれる無数の骨片が織姫と古代の戦士を襲った。だが、その骨を豪雨を前に加速する!

「あの頃のような無差別に死を振りまく歌は、もう歌えないけれど――」

 失われた記憶の奥底に眠る歌(ロストメモリーズソング)――織姫の切ない歌声が、無数の骨を破砕する! ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガギン! と骨片が砕け散る中、天井へ伸びる数本の骨に亀裂が入り、へし折れた。

『ヂュ――!?』

 急に足場を失った悪食ネズミは、そのまま落下する。皮肉な事に、ネズミ返しに落とされたネズミの群れのようであった。アトの狂気の行進曲に合わせるように、織姫は止まる事なく失われた記憶の奥底に眠る歌を歌い上げていき――。

 アトのサモニングガイストで召喚された古代の戦士は、歌の効果範囲外の『骨』を槍の突撃で砕きながら、フォローする。

「――そちらは、お願いします」

 死霊竜と戦っている仲間がいる。だからこそ、織姫もアトもこの『戦場』で全力を尽くす。彼らの勝利を無駄にしない、未来の禍根を断つもう一つの戦いがここにはあった……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

御剣・刀也
屍の竜か
まぁ、なんであれ竜は竜
近づけない?だからどうした
天武古砕流の歴史に、敗北の二字はない

全てを腐らせる死の瘴気で近づけなくなっても特に慌てることなく、第六感で大気中の穴を見つけて、そこに移動しながら、遠距離から捨て身の一撃で真空波を飛ばして、瘴気を吹き飛ばしながら、竜に何発も叩き込んで斬り刻む
「遠距離からの一方的な攻撃は好きじゃないんだが、近づけないようにしたんだから、しょうがないわな」


イリヤ・クニーガ
【光画部】
◇おや、第2ラウンドがあると思ってらっしゃるのですか。随分とご自分の能力を高く評価しておられるようで、お幸せそうで何よりです(皮肉)

◇その奇怪な造形、実にお似合いです。もっとお似合いになるよう銃と剣で彩ってさしあげますよ。なぁに、遠慮は無用。お代はあなたの命で構いませんよ?

◇ドラゴンブレスですか。直線にしか撃てぬようですね。残念でした、そちらは残像です。お返しに零距離射撃です。

◇パンジャンドラムというのは重防護陣地を吹き飛ばすためのものなのですよ…たかだかカルシウムの身体で対抗できるとでも?1.8トンの炸薬で紋章ごとその身体、爆砕してやろう。

※アレンジアドリブコラボ歓迎※


マホルニア・ストブルフ
【光画部】他の人の連携アドリブ大歓迎です

あの姿は吸血鬼のドラクルから来ているのか?何にしても、紋章を殻に隠されてはままならんな。
ーーて、レヴィアスク。まてまて、まだ元に戻らんでくれ。“キュイ”じゃない。何、怖いの? そうねぇ、でも竜同士仲良くしなさいな。ーー行けそう?

◇高笑いに怯えた相棒を励ましつつ、【情報収集】
骨片の位置よりも紋章の位置を把握しながら、拡張義体による【ダッシュ】で近付くよ。多少の傷は【激痛耐性】で耐え、レヴィアスクで【怪力】【鎧砕き】

硬いな。なあ、ちいさな私の勇者さん。勇気を出してやってみないか?

◇抑圧されていたドラゴンブレス。硬い鎧を内側から破壊して、紋章を晒してやろう。


祝聖嬢・ティファーナ
WIZえ判定を
*アドリブ歓迎

『フェアリーランド』の壺の中から風/光/生命,聖霊,月霊,戦乙女,天使,英霊,死神を呼んで“七色金平糖”を配って『クリスタライズ』で姿を隠し『エレメンタル・ピクシィーズ』で属性攻撃を『神罰の聖矢』で聖攻撃をして、『月世界の英霊』で敵の攻撃を空間飛翔して避け敵のUCを『月霊覚醒』で封印/弱体化を仕掛けます♪
猟兵に『祝聖嬢なる光輝精』で怪我を治し『シンフォニック・メディカル』で状態異常を癒し『聖精月天飛翔』で必要な強化をします☆

「神様は清浄なる清らかなる世界へ還して差し上げます…次の世に措くって上げますね♪」
『叡智富める精霊』+『神聖天罰刺突』で苛烈な猛攻を仕掛けます!



●生命を喰らい、死を紡ぐ

『――まだ、終わっていない。第二ラウンドと行こうか!! ハーハハハハハハハハハハハハハハハハ!』

 地下都市の一角を揺るがし、永遠に未完成なる死霊竜が闇を溢れ出しながら這い出てくる。その巨体の前進に、イリヤ・クニーガ(銃剣突撃系紅茶紳士・f32101)が言い放った。

「おや、第2ラウンドがあると思ってらっしゃるのですか。随分とご自分の能力を高く評価しておられるようで、お幸せそうで何よりです」
『ハハハハハ! そんなに褒めるな、照れるぞ!』

 イリヤの皮肉を、元吸血鬼は笑い飛ばす。もはや、人間などその巨躯を前にはただの砂利のようなものだ。それでも、猟兵達は誰一人退こうと言うものはいない。

「屍の竜か。まぁ、なんであれ竜は竜、近づけない? だからどうした。天武古砕流の歴史に、敗北の二字はない」

 自らが鍛え上げ築いた技に、一片の疑いも抱かない――御剣・刀也(真紅の荒獅子・f00225)は笑って言い捨てる。

「あの姿は吸血鬼のドラクルから来ているのか? 何にしても、紋章を殻に隠されてはままならんな」

 そう呟いたマホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)が、ふと気づく。握っていたはずの弓成りの両刃剣が、どこかに消えていた事に。ふと振り返ると、マホルニアの背後には小竜が隠れていた。

「――て、レヴィアスク。まてまて、まだ元に戻らんでくれ」
『キュイ……』
「何、怖いの? そうねぇ、でも竜同士仲良くしなさいな――行けそう?」

 マホルニアの問いに小竜レヴィアスクが答えるよりも、早く――。

『ア、ギィル、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』

 口元に魔法陣を展開した死霊竜が、一直線に死竜の呪われた破壊光線を放った。

●死との闘争

 繰り出される呪詛のこもった破壊光線の前に身を躍らせたのは、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)だった。

「月は眼醒めた……其の総ては庇護と加護と祝福を絶たれる……☆」

 ドォ!! とティファーナが渾身の力で放った月霊覚醒の満月が、破壊光線と激突する! ビキ、ビキ、ビキ――! と亀裂が入った満月が鈍い爆発音を轟かせ爆発。破壊光線と相殺した。

『ク、ハハハハハハハハハハハハハハ! これを止めるか!』

 笑う死霊竜に、刀也が獅子吼を大きく振りかぶる。ティファーナが生んだ僅かな時間、弓を引き絞るように刀也力を溜めて――。

「天武古砕流、疾風の型、奥義、天ノ羽吹」

 ズサン! と振り払う斬撃によって起こったカマイタチが、大気と死の瘴気を切り裂いた死霊竜へと届いた。

「遠距離からの一方的な攻撃は好きじゃないんだが、近づけないようにしたんだから、しょうがないわな」
『まだまだァ!!』

 ヒュガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガン! と死霊竜の飛膜の無い翼から放たれる無数の骨片が、猟兵達へと降り注ぐ。それをイリヤは、重騎兵サーベルを振るって弾いていった。

「その奇怪な造形、実にお似合いです。もっとお似合いになるよう銃と剣で彩ってさしあげますよ。なぁに、遠慮は無用。お代はあなたの命で構いませんよ?」
『髪を切る美容師かなにかか、貴様は!!』

 イリヤの軽口に、死霊竜も軽口で返す。この状況で逃げるどころか、互角に戦おうという猟兵達の存在が面白い、そう言わんばかりの余裕だった。

「硬いな。なあ、ちいさな私の勇者さん。勇気を出してやってみないか?」

 マホルニアの呼びかけに、レヴィアスクが怯えたように背中に隠れる。だが、それでも逃げ出す事はしない。今はそれで十分か、とマホルニアは死霊竜に意識を集中した。

(「あのサイズと耐久力、紋章を破壊しなければどうしようもないな」)

 マホルニアは知覚端子を最大限に活用して、大地を駆けた。死霊竜……その元となった吸血鬼は、実際に自身の優位を理解している。だからこそ、その弱点を突くしか手はない。

『さぁ、見せてみろ! 貴様らにどこまで出来るのかをな!!』

 大地を揺るがし、死霊竜は止まらない。それを猟兵達は真っ向から迎撃した。

●死を乗り越え、生を掴め――

「世界を巡りし英霊よ……蘇ノ能力を現わせ……!☆」

 ヒュオン! と月世界の英霊(ラビュリストン・ルーラー)によって死霊竜の真上に現れたティファーナが、指先を突きつける。

「光りを怯える闇と悪よ、悔い改めなさい……」

 ドン! と上から放たれた神罰の聖矢による天からの光が、死霊竜を襲った。だが、その光を死霊竜は瘴気で受け止める!

『ぬるい、わ、あああああああああああああああああああ!!』

 すかさず放たれる死霊竜の破壊光線――だが、その前にイリヤが待ち構えていた。

「ドラゴンブレスですか。直線にしか撃てぬようですね」

 ダン! と零距離での40mm擲弾発射器――L123A2の榴弾が、爆発した。その爆風に乗って後退するイリヤとのけぞる死霊竜、そこに刀也が天ノ羽吹によるカマイタチを繰り出した。

『グ、ヌ、ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!』

 地下都市を揺るがす巨体が、わずかに後退する。その連撃に、楽しげに死霊竜は哄笑した。刀也が、呆れたように言い捨てる。

「無駄にタフだな」
「やっぱり、紋章を潰さないと無理かもね」

 刀也の呆れに、ティファーナも同意する。その二人のやり取りに、イリヤは言った。

「そちらは問題ないでしょう」

 そう言ってイリヤが振り抜いた先にいたのは、マホルニアだ。レヴィアスクの頭を撫でて、マホルニアが答えた。

「大体の場所は理解した。だけど――」
「骨の外殻は、任せてください」

 マホルニアの言葉を先に悟り、イリヤが答える。頭蓋骨についていた死霊竜の紋章は、文字通りあの死霊竜の腹の底だ――まずは、その腹の中まで攻撃を届かせる必要があった。

 ――戦況は、徐々に猟兵側が追い詰められていく状況となっていた。当然だ、その膨大な耐久力による暴力で、死霊竜はこちらを蹂躙できるのだ。あの耐久力を越えられるだけの手数が足りない……ようは、人手が足りないのだ。

「パンジャンドラムというのは重防護陣地を吹き飛ばすためのものなのですよ……たかだかカルシウムの身体で対抗できるとでも? 1.8トンの炸薬で紋章ごとその身体、爆砕してやろう」

 イリヤは言い捨て、誇りを持って唱える。

「渚にて偉大なパンジャンドラムと踊ろう」

 イリヤが召喚した膨大な数のパンジャンドラムが、瘴気に侵された大地を疾走していく。それに、死霊竜が笑った。

『ハハハハハハハハハハハハハハハ! たかが!? この竜の骨を侮るなよ!』

 ドォ!! と無数の爆発が巨大な一つとなって、死霊竜を飲み込んでいく! 骨が砕け、飛び散っていく――だが、その全てが砕けた訳ではない!

『この程度、で――!』
「いえ、十分です」

 前に出ようとする死霊竜――それに、イリヤは静かに言い捨てた。その理由は、死霊竜の死角となった懐にあった。

「レヴィアスク大丈夫よ。勇気を出してやってみない? ――上出来」

 パンジャンドラムを足場に駆け込んだマホルニアの手に、ちいさな私の勇者さん(リトルブレイブ)によってリミッターが外れたの姿レヴィアスクがあった。

「抑圧されていたドラゴンブレス――硬い鎧を内側から破壊して、紋章を晒してやろう」

 パンジャンドラムの連続爆発で亀裂が入っていた死霊竜の胴体を、マホルニアの握るレヴィアスクから放たれたドラゴンブレスの一撃が、広範囲に穿った。バキバキバキバキバキ! と崩壊した城壁のように積み重なった骨の胴体が崩壊し――マホルニアは、見た。

「――あった!」

 パンジャンドラムの連続爆発とレヴィアスクから放たれたドラゴンブレスが、ついに弱点を曝け出せた――しかし、死霊竜もただでは喰らわない!

『させるとでも!?』

 ミシミシミシミシ――! と再び骨が、頭蓋骨を飲み込もうとする。だが、その胴を豪快に両断する一撃があった――刀也だ。

「天武古砕流、疾風の型、奥義――天ノ羽吹」

 一撃だけではない、ニ撃、三撃、四撃と連続で放たれた刀也のカマイタチが、死霊竜が再生する速度を越えて切り刻む!

『ぐ、お、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』

 死霊竜は、捨て身で前に出た。その隙に、頭蓋骨を敢えて後ろに吐き出し――カマイタチの乱舞に、死霊竜の体躯が四散した。

 ――だが、吐き出された頭蓋骨が笑う。

 頭蓋骨を中心に、再び骨の竜身を生み出そうとしたのだ。盾に抜け殻の体を使い目をくらませた奇策――カラン、と確かに頭蓋骨がしてやったりと笑ったのだ。

 だが、その頭蓋骨へと猛スピードで飛んだティファーナが迫っていた。

「神様は清浄なる清らかなる世界へ還して差し上げます……次の世に送って上げますね♪」

 至近距離で放たれたティファーナの神聖天罰刺突(ハイ・セイント)――頭蓋骨を貫いた光の杭が、神々しい輝きと共に神罰となった。

『ク、ハ、ハハハハ……いや、み、ごと……だ、よ……』

 地下街を埋め尽くしていた骨が、崩壊していく。神罰の飲まれた頭蓋骨は粒子となってかき消えていった。

 それは、この地下都市を舞台とした戦いの終わりを意味していた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月28日


挿絵イラスト