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猫は歩む、影は企む

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #シャドウキマイラ #キマイラ

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#キマイラ


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●キマイラフューチャー・南一番街
 キマイラフューチャーの中でも特に賑わう、アミューズメント施設が軒を連ねる南一番街のアーケード街。
 そこで、猫を思わせるキマイラがしきりに道行くキマイラたちへと声をかけていた。
「ねえねえ、最近話題になっている最新のアミューズメント施設『シャドウパラダイス』、知ってる!?」
「えっ、ど、どうだったかなー……」
 朗らかに声をかけるキマイラに、声をかけられた方は少々困惑顔だ。聞いたことがあるような、無いような。そんな中途半端な感じに頭で引っかかっている様子。
 そこに声をかけたキマイラが、いっそ強引にも取れるくらいにもう一人のキマイラの手を引いた。
「今あそこで、キャンペーンイベントやってるんだって! どう、興味ない!?」
「へえ、そうなんだ……話題なら、ちょっと行ってみようかな……?」
 押しに負けて、手を引かれた方のキマイラが興味を示す。その言葉に、手を引いた当のキマイラは、少しだけ悪意を感じさせるような笑みを顔いっぱいに浮かべた。

●グリモアベース
「まぁ、話題だ話題だ言ってても、結局は怪人の本拠地で、誘い込まれたキマイラは怪人に改造されちまうんだけどな」
 梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)はあっけらかんと言いながら、後頭部に両手を回した。
 オブリビオン・フォーミュラの滅した世界に進出している猟書家たち。彼らの働きが活発になればなるほど、平和になった世界にオブリビオンの魔の手が伸びる。
「つーわけで、猟書家案件だぜ。キマイラフューチャーで活動する猟書家『シャドウキマイラ』が、何の罪もないキマイラを怪人の本拠地に誘い込んで、意のままに改造しようとしてやがる」
 そう言いながら、剛士はぺろりと舌を舐めずった。シャドウキマイラは部下の怪人たちを影法師怪人として、世界にいる一般的なキマイラの姿を取らせながら市民を誘惑、自分たちの本拠地に誘い込んで怪人を増やそうとしている。そんな卑劣な手を、許すわけにはいかない。
 剛士の隣で、狼獣人型モンスターのヴァリウードがうやうやしく頭を下げた。
「私どもが皆様をご案内いたします頃には、猟書家の配下である影法師怪人が街ゆくキマイラたちへと声をかけていることでございましょう。一見して彼らは普通のキマイラですが、その実は姿を変えた怪人。油断してはなりません」
 曰く、影法師怪人は姿を自由に変えられる。見た目はどこにでもいる猫の特徴を持つキマイラになっているが、本性は悪辣な怪人だ。戦闘となれば本来の姿を取り戻し、ジョン・ドゥ・キャットとして襲いかかってくることだろう。
 現場は剛士の説明を聞くに、キマイラフューチャーの中心街である南一番街。そこのアーケード街となれば、一般のキマイラも多くいるだろう。そこに不安を抱いた猟兵へと、剛士が笑う。
「アーケード街にいるキマイラたちのことは、そんなに気にしないでもいいぜ。あいつら、戦ってるのが猟兵だって分かったらすぐさま邪魔しないような場所に引っ込むし、応援してくれるからな。ほら、俺たちってキマイラにとってヒーローじゃん?」
 そう話しながら、剛士は両腕を広げた。ヒーローたる猟兵が戦い始めるとなれば、一般のキマイラは有名人の邪魔をしないように場所を作り、応援をしてくれるだろう。何しろ猟兵は世界を救ったヒーローなのだから。
 先遣隊であるジョン・ドゥ・キャットを倒したら、いよいよ猟書家幹部たるシャドウキマイラの本拠地に乗り込むことになる。
「影法師怪人を倒しましたら、次は敵の本拠地に乗り込んでシャドウキマイラとの戦闘となります。姿を次々変えてくる敵でございます故、油断せずに相対するとよいでしょう」
 シャドウキマイラはドラゴン、タイガー、ウルフにそれぞれ姿を変えて猟兵たちに立ち向かってくる。それぞれの攻撃にしっかりと対応して、反撃する必要があるだろう。
 と、そこで剛士が思い出したように手を打つ。
「あ、そうそう。戦場になる研究所には、先んじて捕らえられたキマイラたちがいる。彼らを助けるのも忘れないでくれな。きっと助けになってくれると思うからさ」
 研究所のようであるシャドウキマイラの本拠地にも、何人ものキマイラが捕らえられている。彼らを助けることがすぐには叶わなくても、彼らの応援を受けることができるだろう。それもまた、力になるはずだ。
 説明を終えたところで剛士がグリモアを回転させた。開いたポータルの向こうから、歓楽街らしい喧騒が聞こえてくる。
「うっし、準備はいいか? じゃ、しっかりきっかり猟書家をぶちのめして来てくれよ!」


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 キマイラフューチャーで怪人はまだまだ暗躍する様子。
 ねこさんと、ねこさんみたいな猟書家さんと、熱いバトルはいかがでしょう。

●目標
 ・シャドウキマイラ×1体の撃破。

●特記事項
 このシナリオは「2章構成」です。第2章がクリアになった時点で、シナリオが完成となります。
 キマイラフューチャーの「骸の月」の侵食度合いに、成功数が影響します。

●戦場・場面
(第1章)
 キマイラフューチャーのとある街中、アミューズメント施設が多く集まるアーケード街です。
 このアミューズメント施設に紛れて建っている「シャドウパラダイス」の拠点に、ジョン・ドゥ・キャットが改造された影法師怪人が、一般的なキマイラに姿を変えて誘い込もうとしています。
 アーケード街にいるキマイラたちは戦闘に巻き込まれない位置に退避しながら、猟兵を応援してくれます。応援を受けると戦闘を有利に進められます。

(第2章)
 「シャドウパラダイス」の拠点です。内部は多数の機械が並んだ研究所のような内装をしています。
 この中で、シャドウキマイラが猟兵たちを待ち構えています。
 研究所内には囚われていたキマイラたちがおり、猟兵たちを応援してくれます。ちなみに戦闘力はありません。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『ジョン・ドゥ・キャット』

POW   :    キャスパリーグの災禍
【凶事を呼び込む巨大な怪猫】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    ボイオティアの眼
【額に、全てを見透かす大山猫の目を開眼して】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    ウルタールの猫葬列
【殺されて死んだ、無残な姿の猫たち】の霊を召喚する。これは【爪】や【牙】で攻撃する能力を持つ。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鍋方・帆立
『素材は、魚ですか?(おさかなーボソボソするのにベチャベチャするよーっ)』
コンコンコンを叩いて出たのは猫缶おそらくペット用。もしくは主食。
つまり食べずに素通りなどできない。
「御当地缶詰ね。ちびの好みには合っていたかしら?」
『私は鶏肉の方が好きですね。御当地缶詰なら鶏肉も在るのでは?探しに行きませんか?(とーりーにーくーっ)』
「宛も無く探す寄りは、持ってそうな敵を襲撃するほうが早いかな。いってくるね。^^」
『御武運を(魚飽きそう)』

【行動】開眼前の怪人を見つけ次第、気配を消して気付かれない様にUCで撃っていきます。
予測よりも早い不意打ちに対応できるかしら?

「持ち物検査よ。鳥缶は持ってるかしら?」



●マンチカン
 キマイラフューチャーの南一番街のアーケード街。そこはアミューズメント施設が多数並ぶが、コンコンコンのスポットが多く点在することでも知られている。
 鍋方・帆立(食う寝る遊ぶ狙撃のキョンシー・f31271)はその一箇所で屈み込んでコンコンしていた。ころりと彼女の手元に、何かが転がり出る。
「……缶?」
「素材は、魚ですか?」
 帆立と、お付きの子狐がそれのラベルを覗き込んだ。
 サバの缶詰だ。恐らくは水煮だが、もしかしたら味付けサバかもしれない。ラベルには大きく南一番街のアーケード街のロゴが印字されている。
「ご当地缶詰ね。ちびの好みには合っていたかしら?」
「私は鶏肉の方が好きですね。ご当地缶詰なら鶏肉も在るのでは?探しに行きませんか?」
 缶を懐にしまい込みながら帆立が立ち上がると、彼女の顔を見上げながら子狐が言う。確かにここにはコンコンコンのスポットがたくさんある。探せばきっとあるだろう。
 しかし帆立は笑みを浮かべながら首を振った。
「宛も無く探すよりは、持ってそうな敵を襲撃するほうが早いかな。いってくるね」
「御武運を」
 その率直で乱暴でもある彼女の言葉に、子狐は小さくため息を付きながら見送った。
 帆立はそのまま熱線銃を取り出し、そのスポットから少々離れた場所に位置取った。そこでは一人の猫っぽいキマイラが、道を歩いているキマイラを物色するように眺めている。
「あそこにいるわね」
 帆立がそう零しながら彼に狙いを定めると、ちょうどそのキマイラが道をゆく一人を見定めた。軽く駆け寄りながら声をかける。
「ねえそこの君、ちょっと耳寄りな話が――」
 そう、朗らかに声をかけ、話を始めようとした瞬間だ。帆立の指が熱線銃の引き金を引いた。一直線に飛んだ熱線が、猫キマイラの背中を焼く。
「がっ!?」
「えっ!?」
 痛みに顔をしかめて仰け反るキマイラ。その拍子に変身が解けてジョン・ドゥ・キャットの姿が顕になった。突然の事態に声をかけられたキマイラが戸惑う中、帆立がずんずんと歩み寄ってジョン・ドゥ・キャットの胸ぐらを掴む。
「持ち物検査よ。鳥缶は持ってるかしら?」
「お前っ、何を訳のわかんないことを……!」
 いきなりそんなことを聞かれて戸惑うジョン・ドゥ・キャット。そこに有無を言わせず、帆立が彼の腹に熱線銃の銃口を押し当てた。もう一度引かれる引き金。
「うぐぅっ!?」
「持っていないなら興味はないわ、消えなさい」
 うずくまったジョン・ドゥ・キャットが街路に倒れ込む。そのまま消えていく彼を、帆立は興味を失くしたように打ち捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミリィ・マルガリテス(サポート)
『いとしい、想い。きっといつか、空へ届くから』
 ミレナリィドールの聖者×シンフォニア、16歳の女です。
 普段の口調は「ドルチェ(わたし、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、時々「ミルフィーユ(自分の名前、~様、まし、ませ、ましょう、ますわね?)」です。

 性格は物静か、好きなものには真っ直ぐ。
 父親代わりの創造主に命を吹き込まれた、今は独りの人形です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わずサポートを主に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●アメリカンカール
 南一番街のアーケード街を歩きながら、ミリィ・マルガリテス(静謐の籠・f05912)は街をゆくキマイラたちを見て目を細めていた。
「あらあら、随分と可愛らしい人々。だけど確かに、そこはかとない悪意を感じるわ」
 人間が見当たらない世界、まるでおとぎ話の世界のよう。だけれどそこの人々から、何となしに黒い悪意を感じ取って。
 ふと視線を向ければ、猫のキマイラが鹿らしきキマイラ相手に声をかけている姿が見える。
「ねえそこの人、ちょっと面白い話があるんだけど、興味ない?」
「えっ、うーん……」
 猫のキマイラの言葉に、鹿のキマイラは困惑顔だ。興味があるような、でも悩んでいるような、そんな雰囲気。そこにミリィは近づいていって、軽い調子で声をかけた。
「そこの猫の人、ちょっと待って?」
「えっ?」
 突然声をかけられて、猫のキマイラが振り返る。そんな彼に、ミリィは微笑を浮かべながら話を持ちかけた。
「今のお話、わたしにも詳しく聞かせてくれる?」
 その言葉に、猫のキマイラは二度三度、目を瞬かせるものの。すぐに気を取り直して話を始めた。
「あ……ああ! いいとも、このアーケード街に新しい施設が出来たんだ、『シャドウパラダイス』っていう――」
「あら、シャドウパラダイス?」
 だが。その名前が出た途端にミリィが話を遮った。同時に猫のキマイラの手首をしっかと握る。
「いけないわ、わたし、その名前には良くないものを感じるの。彼を連れて行ったら、きっと彼に良くないことが起こってしまうわ」
 突然に手を握られたのと、ミリィの言葉の内容。二重に困惑した猫のキマイラが慌てた様子で口を開いた。
「なっ、なんでその事を……はっ」
 そこまで言って、彼はしまったという様子で口をふさいだ。だが、もう遅い。ミリィが傘を振りかぶる。
「ボロが出たわね。ここでお仕置きよ!」
 振り抜かれるメアリーアンブレラ。それがぶつかった猫のキマイラの腕から鈍い音が響く。
「ぐわ……!」
 痛みに顔をしかめる猫のキマイラと、その様子を呆然と見ていた鹿のキマイラ。程なくして、鹿のキマイラが我に返ってミリィに目を向けた。
「あ、貴方は……もしかして?」
 信じられないものを見る目でミリィを見るキマイラ。彼にうっすら微笑みかけながら、ミリィははっきりと告げた。
「そう、猟兵。ここにいるのは悪者なの。応援してもらえるわよね?」
 猟兵。その言葉を聞いたキマイラが、アーケード街にいる他のキマイラ達も、ハッとした表情を見せた。次の瞬間。
「猟兵だー! 頑張れー!」
「猟兵だって!?」
「本物だ!?」
 ミリィを驚きと感動の声が包む。その声に後押しされた彼女が突き出したメアリーアンブレラが、影法師怪人たる猫のキマイラの胸を正確に突いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

御倉・ウカノ(サポート)
基本的にはUC『狐薊』を使用します。
大太刀を振り回して豪快に吹っ飛ばす戦い方を好みますが、共闘する時は連携を強く意識して戦います。

戦いを始める際は囮もかねて見得をきってから切り込むことがあります。

遠距離で戦うのは苦手なので、とにかく距離を詰めることを意識します。多少無茶をしてでも相手を自分の得意な距離で戦わせようします。



●コラット
 アーケード街が途端ににぎやかになる中、御倉・ウカノ(酔いどれ剣豪狐・f01251)はそこにふらりと姿を見せた。
「おー? なんだなんだ、随分と賑やかじゃあないか」
 大太刀を背負いながら戦場にゆったりと足を踏み入れる彼女に、キマイラたちの視線が集まる。猟兵であることは、その立ち姿からしても明白だ。
「猟兵だ!」
「別の猟兵が来たぞ!」
 途端に沸き立つアーケード街。反面、標的である影法師怪人――ジョン・ドゥ・キャットの方は困惑の色が濃い。
 その猫キマイラらしき敵を見据えながら、ウカノは目を細めた。敵は明らかだが、ここは一つ、見得でも切って目立ってやろうか。
「んんー? そうさ、あたしが猟兵だ。さあ、あたしの相手をしてくれるやつはどこにいるんだい?」
 そう言い放ちながら、彼女は大太刀をぐいと掲げてみせる。それを目にしたキマイラたちの歓声が、一等高く街に響いた。
 この四面楚歌な状況に、困惑し通しの猫キマイラである。
「くそっ、こんなに次々と新手が来るなんて聞いていないぞ!」
 戸惑いながらも、彼はウカノと対峙することをやめない。そんな相手に対し、ウカノは距離を詰めながらニヤリと笑った。
「へえ? 新手が来たらまずいことでもあるってのかい?」
「ぐ、そ、それは……」
 その問いかけに、声に詰まる猫キマイラ。後方に飛び退きながら、獣のように両手で舗装された地面を掴む。
 魔獣に変貌しようと言うか。この街中で。
「まあ、そんなことはどうでもいいさ。あんたが敵だってんなら……」
 だがどうでもいい。ウカノにとってはどうでもいいことだ。何故なら答えは明白。大太刀を鞘から抜き放ちながら言う。
「斬るしかないよな?」
「く……!」
 対峙する両者が全身に力を込める。猫キマイラがその姿を巨大化させる合間にも、ウカノが一気に距離を詰めにかかる。
「ほら、避けて見せろよ? 当たったら終わっちまうからな」
 そう言い放つと同時に振るわれる大太刀。猫キマイラが飛び退くより早く、その切っ先が毛皮に触れて。
 途端に、その頭から足元にかけて一筋、赤い線が走った。
「が……!」
 血を噴きながら倒れ、その端から身体を崩壊させていく猫キマイラ。振り抜いた大太刀を鞘に収めながら、ウカノはもう一度笑う。
「……なーんてね」
 そう嘯く彼女を、キマイラたちの歓声が包み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

狸塚・雅紀
雅紀)キング様に言われて来た初仕事が猟書家とは、身体の試運転にしたら過剰な気がするんすけどねぇ。ま、他の二人に比べて暴れる機会がないんで丁度いいんすけど。

しかしどう誘い出すか…よし、イケメンキマイラっぽい今の姿だし猫キマイラ以外の子と仲良くして纏めて連れてこうとするのを釣り出す感じで行くっすかね。という訳で「ヒマだからどっか行かないっすか?」と【誘惑】。

良い所があると釣れられてきたら「可愛い子猫ちゃんはこの子で充分っすよ、怪人さん」と笑顔で返す。猫の霊には【狐火乱舞】で近寄らせないように自分の周囲に漂わせて本体を【どろんはっぱ】でスパっとやっつけてやるっすかね。霊になっても獣は火は苦手っしょ?



●シャルトリュー
 騒ぎと歓声が大きくなっていくアーケード街に立ち入りながら、狸塚・雅紀(キング・ノーライフの従者・f29846)の一側面、狐塚・雅紀はこきりと首を鳴らした。
「キング様に言われて来た初仕事が猟書家とは、身体の試運転にしたら過剰な気がするんすけどねぇ……ま、他の二人に比べて暴れる機会がないんで、丁度いいんすけど」
 同僚の二人に比べ、どうしても出番の少ない彼だ。こうして新たな肉体を用意してもらって、今日はその試運転がてらの初仕事。まあ、それにしては相手が強大すぎる気がしないでもないが。
「しかし……そうっすねぇ、イケメンキマイラっぽい今の姿、活用させてもらうっすか」
 周囲に視線を巡らせながら、雅紀は怪人の姿を探す。と、ちょうどゲームセンターの前で、女性キマイラ二人に声をかけているところを発見した。
「ねえお嬢さんたち、最近話題のスポットがこの近くに出来たらしいんだけど、行ってみない?」
「えー?」
「そんなの初耳ー」
 乗り気なような、そんなでもないような、微妙な表情の女性たち。と、そこに割り込むようにして雅紀が声をかけた。
「やーカノジョたち、ヒマだからどっか行かないっすか?」
「えっ」
「えっ」
 女性が振り返って頬を染め、猫キマイラが呆気にとられた顔で彼を見て。二度三度、女性たちが雅紀と猫キマイラの顔を見比べた後。跳びつくように雅紀の手を取った。
「こっちのカレのがイケメェーン」
「あっずるぅい、アタシもぉー」
「はっ、なっ、ちょっと」
 横から獲物を掠め取られた猫キマイラが、慌てながらも雅紀に声をかける。が、彼は全く気にしないで、女性キマイラたちを連れてお目当ての場所へとご案内。
 追いすがる猫キマイラへと、ニヤリと笑いながら雅紀は言った。
「可愛い子猫ちゃんはこの子で充分っすよ、怪人さん」
「んえっ」
 正体を言い当てられて間抜けな声を上げた猫キマイラだが、すぐに気を取り直した。手を振れば、たくさんの猫の霊が姿を表して雅紀と女性たちを威嚇する。
「きゃっ!?」
「おっと、この子たちには近寄らせないっすよ」
 小さな悲鳴を上げる女性を守るように立ちながら、雅紀は狐火を召喚した。それを自分たちを守るように漂わせると、猫たちは炎を恐れて近づかない。攻めずにびくつく猫たちを、猫キマイラが叱咤した。
「くっ、猫ども、言うことを聞け!」
「霊になっても獣は火が苦手っしょ? 仕方ないっすよ!」
 そう言い返した雅紀の手から、どろんはっぱが投じられる。その鋭い先端が猫キマイラの額に深々と突き刺さり、身体を後方に傾ぎながら猫キマイラは世界から消えていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メフィス・フェイスレス(サポート)
ダクセ出身のデッドマン

・性格
クール・ワイルドなハラペコ
笑えない捕食ジョークを言うが敵以外には単なる冗談
食べ物系依頼では特に活き活きとする
戦闘では凶暴だが嗜虐的ではなく効率的に敵の排除を行おうとする野生の獣のような方向性
協調性はあり、味方やモブに危害は加えず公序良俗に反する行動はしない

・戦闘スタイル
本体はインファイター
アイテム「醜態」「骨身」「飢牙」「尾刃」「血潮」「宵闇」等を用いた近接戦が得意
多少の傷には構わず進撃する

・アイテム「飢渇に喘ぐ」
戦闘では中~遠距離の攻撃手段として使用
本体と連携しての波状攻撃や防御の他、
ユベコの媒体や後方支援・破壊工作など様々な用途で広く積極的に活用する

アドリブ歓迎



●キムリック
 アーケード街に立ち入ったメフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は、猫キマイラが街往くキマイラに声をかけては断られしている様子を、店の屋根からまじまじと見つめていた。
「猫……猫かぁ」
 そう独り言ちて、彼女は静かに猫キマイラのそばにジャンプ、降り立った。振り向いた猫キマイラの顎を撫でながら言う。
「確か猫って、気管支炎とか肺病とかに効くって聞くわよね?」
「えっ」
 その言葉に一瞬目を見開いた猫キマイラ。唐突にそんな事を言われて戸惑わないはずはなく。我に返ると、すぐにメフィスから距離を取った。
「アンタよね? この辺りで手当たり次第に人に声をかけてる猫って」
「だ、だったら、どうだって言うんだよ!」
 顎をしゃくりながら問いかけるメフィスに、必死に言い返す猫キマイラ。彼の言葉にこきりと首を鳴らしたメフィスが、だらりと両腕を垂らした。
「決まってるじゃない」
 次の瞬間。
「『こう』よ」
「が……っ!!」
 彼女の姿が掻き消え、猫キマイラの眼前まで瞬間的に移動していた。押し当てられた手のひらに突き飛ばされるようにして、猫キマイラが血を撒き散らしながら吹っ飛ぶ。彼女の手のひらからは、骨から生成された杭が伸び、怪人の身体を貫いていた。
 身軽に跳びながら、メフィスが吹っ飛んだ猫キマイラに再び肉薄する。
「あーあ、重たくないから軽く吹っ飛んじゃうわ。追いかけるのが大変ね」
「まっ、ちょっ」
 腕から生えた大きな刃。それが即座に、猫キマイラの首を斬り飛ばす。
 地面に落下しながら消えていく怪人の姿をちらと見ながら。
「……ふん」
 メフィスは腕から生えた刃を体内に戻すのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)

~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい

参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる!

乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します

広域では営業車『Floral Fallal』に乗り込みドリフト系UCを使用
近接では『シャッター棒』を杖術っぽく使います

公共良俗遵守



●バーミーズ
「あらあら、盛り上がってるわねぇ」
 ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は愛車『Floral Fallal』の運転席から顔を出し、アーケード街の喧騒を楽しそうな顔をして見ていた。
 ハンドルを握り、アクセルを踏み込む。そしてアーケード街に彼女の声を響かせに行く。
「お忙しい所、お邪魔しまーす! 新しい販路を求めてやってきた花屋です、宜しくお願いしまーす!」
 声を上げれば、キマイラたちが何人も車に近づいてきた。異世界の花は目を引き、この喧騒の中でも目立つらしい。
 ブーケを一束買いながら、羊のキマイラがニコリネに声をかけた。
「お花屋さん、気をつけて! 今猟兵が怪人をやっつけてるの!」
「あら、そうなの? ……そっかぁ、なら心配しなくていいわ。怪人はどこ?」
 彼女のほんわかした返答に、目を見開く羊キマイラだ。まさか意に介さないとは思わなかったらしい。戸惑いながらも彼女が指差したのは、アーケード街の奥、真っ黒な外観にデカデカと白文字で「新装開店」と書かれた建物だ。
「あ、あそこの建物の前に……」
「あそこね、分かったわ!」
 場所を確認したニコリネが、再び運転席に乗り込む。キマイラたちにぶつからないよう注意しつつ、アクセル全開。全速力で件の建物に突っ込んでいった。その建物の前で客引きをしていた猫キマイラは大慌て。
「わっ、な、なんだっ!?」
「失礼しまーす! 移動販売花屋『Floral Fallal』でーす!」
 大きな声でそう宣言しながら、ニコリネは愛車を猫キマイラに突っ込ませた。ブレーキもかけずに突っ込んだ彼女によって、猫キマイラが思いっきり撥ね飛ばされる。
「うわぁぁぁ!?」
「悪い子にはお仕置きしないとねぇ。さあさあ、香りのいいお花はいかがですかー!」
 吹っ飛んだら急ブレーキからのドリフトで方向転換、もう一度激突。からのドリフト。荷台に載せた花がしきりに揺れて、アーケード街にいい香りを振り撒いていく。
「あっ、いい香り……」
「すごーい」
 華麗なドラテクと花のいい香りにキマイラたちがうっとりする中で、猫キマイラはズタボロになりながらアーケード街の地面に這いつくばった。運転席から降りてきたニコリネが、その首根っこを掴み上げる。
「ぐっ、ぐふっ……」
「さぁお尻出しなさい! 思いっきり叩いてあげる……その前に。貴方たちの本拠地について、教えてもらいましょうか?」
 顔をぐいと近づけながら詰問する彼女に、怪人が震えながら後方の真っ黒な建物を指差した。
「こ、ここ……」
「ここ? ここなのね?」
 この、見るからに怪しい建物。ここが猟書家の待ち構える、怪人たちの本拠地「シャドウパラダイス」らしい。
 にっこり笑ったニコリネが、怪人の身体を180度回転させる。
「情報ありがとうねぇ。えーい!」
「ひぎゃーっ!!」
 そして剥き出しにした尻にビンタ一発。強烈な一撃を喰らった怪人は、涙目になりながら骸の海へと還っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『シャドウキマイラ』

POW   :    擬態・シャドウドラゴン
【漆黒の巨竜】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【鋭利な鱗】を放ち続ける。
SPD   :    擬態・シャドウタイガー
肉体の一部もしくは全部を【虎の形の猛毒液】に変異させ、虎の形の猛毒液の持つ特性と、狭い隙間に入り込む能力を得る。
WIZ   :    擬態・シャドウウルフ
【奇怪な仮面】を使用する事で、【呪詛纏う体毛】を生やした、自身の身長の3倍の【狼】に変身する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠レパル・リオンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●シンガプーラ
 「シャドウパラダイス」の建物の中は、まるで研究所のような様相を呈していた。
 数々の機械がランプを明滅させ、壁際にずらりと並んだカプセルの中では、囚われた市民と見られるキマイラが何とか中から出ようともがいている。
 そして、カプセルに繋がる大きな機械の前で、猫を思わせるキマイラの少女が一人、コンソールを操作していた。こちらの気配を察知した彼女が、コンソールをタップする。
「おっ、やっと戻ってきたかな? さあさあいらっしゃい、こっちの機械へ……って、あれ!?」
 言いながら振り返った少女――シャドウキマイラは、満面の笑みを顔に貼り付けたまま、わざとらしく驚いた。まさか猟兵にこの場に踏み込まれるとは思わなかったらしい。
「うーん、猟兵に嗅ぎ付けられちゃったかー。いい感じに動き出せていたのにざんねーん。でもわざわざこっちのフィールドに乗り込んでくるなんてバカだね!」
 笑顔を顔に貼り付けたまま、こちらに指を向けてくるシャドウキマイラ。と、「猟兵」の言葉を耳にした囚われのキマイラたちが、にわかにざわつき始めた。
「猟兵!?」
「猟兵だ! 早くここから出してくれ!」
 カプセルを叩きながら、口々に助けを求めるキマイラたち。改造が進行して怪人になりかけている者もいるが、全員意識はハッキリしているようだ。
 自身が先程まで操作していた機械の前に立ちはだかりながら、シャドウキマイラが言い放つ。
「助けたいんでしょ? 改造カプセルの開放コンソールはあたしを倒さないと触らせてあげないよ!」
 そうしてシャドウキマイラが自身の顔に手をかける。その笑顔がぱかりと外された奥には、蠢く漆黒の闇が表情も何もなく猟兵たちを見つめていた。

●特記事項
 ・本拠地の中は機会がたくさん並んでいますが、戦闘に支障がないくらいの広さがあります。
 ・壁際の改造カプセルの中には、シャドウキマイラに囚われたキマイラたちが捕まっています。怪人への改造プロセスは一時停止中です。
  改造が進行して怪人になりかけのキマイラは、カプセルから開放されれば次第に元に戻ります。
狸塚・雅紀
いやー、女の子助けてワーキャーされるは悪くないっすね。
そういう意味でもキング様に感謝しないと。

さーて、捕まった状態で毒液とか逃げ道無いっすし、
捕らわれた人達を先に助けないと。錠前や縛めは電子キーとかじゃなけりゃ【化術】ではっぱを鍵に変化されりゃイケるはず。

後は逃がせば…とはすんなり行かないっすよね?
ここで逃がすつもりのキマイラに「俺はヒーローなんでお願い聞きますよ」と問いかけて【主命発動】。

真の姿も開放して執事服になったら【催眠術】で判断力を鈍らせ、【誘惑】でオレだけを狙うようにしたら液体でも通る本気の【呪詛】を叩き込んでやるっすよ。

…誰かに本気の願いを託される側も悪くないっすね。
ホントに。



●ベンガル
 雅紀の目の前で、シャドウキマイラの身体がどろりと溶ける。
 そのまま身体はおどろおどろしい色に変色して、液体の虎へと姿を変じた。その変貌を目の前で見ながら、雅紀は軽薄な笑みを浮かべる。
「いやー、女の子助けてワーキャーされるは悪くないっすね。そういう意味でもキング様に感謝しないと」
 軽い調子で話しつつも、彼の瞳はシャドウキマイラから目を離さない。虎の姿を取ったシャドウキマイラと視線を合わせながら、雅紀は右手で弄ぶようにそれを宙に放った。
「しかし……あれっすね。電子キーじゃこいつは使えないっすか」
 それは鍵だ。近年一般的になりつつあるディンプルシリンダーの鍵。それが空中でポンと弾け、元のどろんはっぱに戻って再び雅紀の手に収まる。
 物理鍵ならどろんはっぱを鍵に変化させて対応できたのだが、キマイラたちを収めているカプセルの鍵はすべて電子錠、しかも開放コンソールはシャドウキマイラの手中だ。これでは手が出せない。
「ふふん! どんな鍵を使おうとしたって無駄だよ! 開放コンソールにはロックを掛けてやっちゃったもんね!」
 醜悪な虎の顔から、少女のようなシャドウキマイラの声が聞こえてくる。その声に口角を持ち上げる雅紀だ。
「そうっすよねぇ……カプセルの中にいるってのは僥倖っすけ、どっ!」
 話しながら彼は一気に床を蹴った。シャドウキマイラに向かう、と見せかけて方向転換、手近なカプセルに顔を寄せた。中ではイルカのキマイラ女性が驚きに目を見開いている。
「おねーさん、俺はヒーローなんでお願い聞きますよ」
「え……!?」
 甘いマスクから放たれる優しい言葉。一瞬とろけるような表情をした女性だが、すぐに我に返った。叫ぶように雅紀に告げる。
「た、助けて! 早く!」
 それは一種の命令だ。自分を助けろ、という。それを受けた雅紀が恭しく頭を下げる。
「ご主人様の仰せのままに」
「っ!」
 途端に、彼の姿が一変した。執事服に身を包むと同時に真の姿を開放、妖気が一気に膨れ上がる。そうして彼はシャドウキマイラに向き直って言った。
「さあ、お前の相手はここにいるっすよ。こっちほっといて他所に行くんすか?」
「冗談!」
 一言返して、シャドウキマイラが雅紀に飛びかかる。彼女はきっと気付いていないだろうが、今の一言で術中に落ちた。催眠術は冷静な判断力を失わせ、さらに雅紀だけに意識が向くようになっているはずだ。これでカプセルの中のキマイラたちに攻撃が及ぶことはない。
 部屋の中を跳び回るシャドウキマイラの攻撃を何度か躱した雅紀が、攻撃を回避するとともに右手を思い切り押し当てる。
「そこっす!」
「ぐ……!」
 液体でも通せる濃密な呪詛。身体を苛む痛みにシャドウキマイラが顔をしかめる。飛び散る猛毒液が床に滴った。
「……誰かに本気の願いを託される側も悪くないっすね。ホントに」
 腕を引き抜いて手を振りながら、雅紀は言葉を零す。その表情には喜びの色が滲んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ゴリラ・シャーク(サポート)
 賢い動物の力持ち×鮫魔術士

ゴリラの身体にお腹にサメ(シャーク)が突き刺さってます
ゴリラは優しい「」で(おいら、~くん、~さん、うほ、だな)
例「よろしくうほ」「おいらが来たからにはもう安心だな」
シャークは荒々しい『』で(オレ、おめぇ、か、だろ、かよ、~か?)
例『よろしくたのむぜ!』
『なんだぁ、オレに喰われてえのか?』



シャークは元々UDCであり人やオブリビオンを食べていいかとゴリラによく聞きます。ゴリラは基本的に止めます。サメも大抵冗談で言ってます。

ゴリラは怪力を使い物事を解決します。基本的に戦術や行動方針もゴリラが決めます。
シャークは鋭い牙と水泳能力を使います。ゴリラに刺さったまま泳ぎます。



●ラガマフィン
 シャドウパラダイスの入口の扉が開かれる。そうして室内に踏み込んできたゴリラ・シャーク(森の賢者×海の支配者・f24959)は、居並ぶ猟兵たちとシャドウキマイラを見ながら顎を掻いた。
「ここが怪しい怪人の本拠地うほ? おいらが来たからにはもう安心だな」
「おいゴリラ、なんか敵の親玉みてぇなのがいやがるぜ!」
 ゴリラが話すのに合わせて、腹から頭を突き出したシャークがシャドウキマイラに視線を向ける。彼の姿に、毒液のトラの姿を取ったままのシャドウキマイラは目を剥いた。
 二足歩行するゴリラ、それだけならゴリラのキマイラとも見えよう。サメの頭が生えていること、それもキマイラなら指しておかしなことはない。
 しかしそれは首から頭が生えていればの話だ。ゴリラのどてっ腹を刺し穿つように、サメが突き刺さっているなんてのは、キマイラにしてもあり得ない。
「うわー、キマイラにしてもすごく変なの! 変なバケモンはあっち行け! しっしっ」
 率直な意見を言ってくるシャドウキマイラだが、今の姿はどどめ色をした毒々しい液体がトラの姿を取っているだけ。どの口が言うかという話である。現にシャークはご立腹だった。
「おいゴリラ! あのドロドロした気持ち悪いトラみてぇなのに変なバケモンとか言われたぞ! 許せねぇな!?」
「変なバケモンとは聞き捨てならないうほ……でも否定もできないうほ」
 ゴリラもバケモン呼ばわりされたことに腹を立てるが、自分でもバケモノなのは分かりきっている。否定しきれないで指を合わせるゴリラに、文句を言いながらシャークが口を開ける。
「うっせ! こうなったらてめぇの身体にもサメを刺してやる!」
 そう言い放つや、シャドウキマイラの液体の身体から何頭ものサメが飛び出してきた。サメは身体から抜けきらず、まさに身体から「生えた」ようになっている。
「うわー!? あたしの可愛い身体からサメが生えたー!?」
「可愛くねぇだろ、そのカッコはどう見ても!」
「美意識に歪みが見られるうほ」
 シャドウキマイラの言葉に文句を言いながら、ゴリラとシャークがシャドウキマイラに攻撃を仕掛けていく。彼女はそれに対抗、しようとするが、身体はピクリとも動かない。それどころか自分の爪で自分の身体を引っかき始めた。
「わっ、なんでっ、あたしの身体がっ!?」
「ハハハハ、そのまま自滅しちまえ!」
 シャークに操られ、自分で自分を傷つけるシャドウキマイラを笑いながら、シャークがゴリラごと空中を泳いだ。そのままシャドウキマイラの毒液を噛みちぎりながら、彼らは悠然と泳ぎ去っていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
 人間のマジックナイト×電脳魔術士、17歳の女です。
 普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●ブリティッシュショートヘア
 次いでシャドウパラダイスの建物内に踏み入ったローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は、にこやかに笑いながらルーンソードを鞘から抜き放った。
「あらあら、笑顔の仮面を貼り付けて、中は無表情だなんて。道化を演じるには鍛錬が足りませんわよ」
 高飛車にそう言ってのける彼女に、元のキマイラの姿に戻ったシャドウキマイラが顔を突き出す。彼女にちゃんと表情筋が動く顔があれば、食いしばった歯を突き出して見せていたことだろう。
「いーっだ、この笑顔があれば、皆私を無害だと勘違いして安心するんだもんねー。道化で十分!」
 負け惜しみのようにそんな事を言いながら、子供のように腕を振るシャドウキマイラ。彼女を冷たい眼差しで見返しながらローズは告げる。
「貴女の都合などどうでもよろしいですわ。さぁ、楽しませて下さいますわよね」
 挑発するようにそう言うと、シャドウキマイラの動きがピタリと止まった。そのまま脱力するように下を向けば、彼女の身体はどんどん膨れ上がっていく。
「言ってくれるねー。これを見てもそんなことが言えるかなっ!」
 みるみるうちに身体を大きくする彼女は、遂にドラゴンへと変貌を遂げた。カプセルの中に閉じ込められたキマイラたちが悲鳴を上げる。
 天井近くまで頭を伸ばし、細かな鱗を雨のように降り注がせながら睨みつけてくるシャドウキマイラ。その顔を見上げ返しながら、ローズが笑った。
「あら、ドラゴンだなんて。よろしいじゃありませんの、騎士が悪しき竜に立ち向かうのは、英雄譚の王道でしてよ!」
 と、彼女の身にまとうドレスの裾がぶわりとはためいた。囚えられたキマイラたちが目を瞠る中で、ローズは全身を夕焼け色のオーラで覆っている。
 彼女がとんと床を蹴れば、そのまま彼女の身体はシャドウキマイラの降らす鱗の雨の、間を縫うように飛び始める。キマイラたちから歓声が上がった。
「なっ!?」
「さあ、お受けになって!」
 驚きに目を見開くシャドウキマイラの喉元目掛けて、ローズがルーンソードを突き出す。そのまま深々と突き刺さる剣。
「ぐわ……っ!!」
 苦悶の声を上げながら、シャドウキマイラの身体がのけぞった。首を刺し貫いただけでは死なないとは、さすがは影のオブリビオンである。剣を抜いて、ローズが再び床の上に舞い戻る。
「夕焼けの薔薇騎士は、伊達ではありませんわよ」
 剣に付着した血と影を払いながら、悠然と彼女は微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

シェーラ・ミレディ(サポート)
※OK:シリアス
※NG:エロ、ネタ、コメディ、心情系
※傭兵的なスポット参戦

称号通り、僕の身体を維持するための金儲けと、弱者をいたぶる醜い行いが許せぬ義侠心が行動指針だ。
美しいものは愛でるべきだが、恋愛には結びつかないなぁ。
性格ブスは醜い。見るに堪えん。

複数の精霊銃をジャグリングのように駆使する、彩色銃技という技(UC)を使って、敵を攻撃しようか。
敵からの攻撃は基本的に回避する。が、護衛対象がいるならかばうのも検討しよう。
……嗚呼、僕を傷付けたなら、代償は高くつくぞ!



●スノーシュー
 次いで建物の扉を開けて踏み込んだシェーラ・ミレディ(金と正義と・f00296)は、その美麗な顔を怒りに歪めながら姿を戻すシャドウキマイラを睨みつけた。
「一見して分かるほどに弱者をいたぶり食い物にしているな。こういう手合いはわかりやすくていい」
 シャドウパラダイスの建物内、カプセルに閉じ込められて好き勝手に身体を改造されているキマイラたちを見て、眉間にシワを寄せるシェーラ。そのままシャドウキマイラを見やりながら、彼は率直に言い放った。
「しかも外面だけ取り繕って。それでドロドロした内面を隠そうとしているんだろう? 見るに堪えん」
「なっ」
 容赦のない言葉に、シャドウキマイラが一歩後ろに引き下がった。そのまま笑顔の仮面を外し、懐から狼の仮面を取り出す。
「弱者をいたぶるとか人聞きの悪い! あたしはか弱く醜いキマイラに、自分の好きな姿になれる力を与えてあげているだけだもん! それで多少身体がドロドロしちゃうのとか、必要な犠牲じゃん!」
 狼の仮面を顔にあてがうや、彼女の身体が再び膨れ上がった。見上げるほどの大きさの狼へと変貌した彼女を見て、シェーラがますます険しい表情になる。
「そういうところが醜いと言うんだ。もういい」
 これ以上の言葉のぶつけ合いは無粋だ。そう判断して彼は精霊銃を抜き放つ。それをいくつもジャグリングしながら、シェーラが銃の軌跡で陣を描いた。
「僕のために咲け。舞い散る花弁は諸君に捧ぐ」
 詠唱を唱えれば、彼の周囲に展開される魔法陣。そこからわらわらと姿を見せるのは、戦闘用デバイスを手に握った小型の精霊だ。それが次から次から湧き出して、シャドウパラダイスの床を埋め尽くす。
「うわっ!?」
「さあ行け、僕の愛しい精霊たちよ……さしずめ、君の後ろにあるコンソールが鍵だろう?」
 あまりの数の多さに驚いたシャドウキマイラ。その隙きにシェーラは一挺の精霊銃を握った手を前方に向けた。そこにあるのは、シャドウキマイラが大事に守っていたカプセルの開放コンソール。
 そこに精霊たちが一気に殺到した。狼姿のシャドウキマイラが慌てて駆け寄り、排除しようと前脚を振るも、精霊は次から次へとコンソールに群がり、手にしたデバイスを叩きつけている。
「なっ、ちょっ、触るなー!?」
「排除しようとも無駄だ、数がどれだけいると思う?」
 再び銃のジャグリングを始め、次々に撃っては魔力弾を装填していくシェーラ。精霊たちは陣を組んで、シャドウキマイラに作業中の精霊が倒されないよう、邪魔まで始めている。
 コンソールに手は出せないと判断したか、彼女は薄ら笑いを浮かべながらくるりと身体を反転させた。
「ふ、ふんっ、でもコンソールにはロックがかけて――」
「ほう? なら都合がいい」
 と、その言葉を聞いたシェーラが笑った、その時だ。
 シャドウパラダイスのあちこちからぷしゅーっと空気が排出される音がいくつも聞こえる。見れば、カプセルが開放されて中のキマイラたちが外に出てきていた。
「あ……」
「た、助かった……?」
「えっ」
 突然のことに、理解が及ばないシャドウキマイラ。急いで後ろを振り返れば、開放コンソールのロックが解除されて開放ボタンが押されていた。しかも、全カプセルのだ。
 予期せぬ事態に慌てふためくシャドウキマイラだ。
「えっえっ、なんで!? ロックが解除されてる!?」
「よくやった、精霊たち。さあ、仕上げといこうか」
 不敵に笑いながら、シェーラが一挺の精霊銃を手に握る。乾いた銃声がまた一つ、施設内に響き渡った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ニコリネ・ユーリカ
新しい販路を求めてやったきたら、敵のアジト!
早くキマイラ達を助けてあげたいけど
戦闘の余波で彼等が傷付いても困るし……
ごめんね、ちゃっちゃとやっつけちゃうから少し我慢してて!

会敵後すぐにUC発動
101体のニコリネを召喚してカプセルの前に立ち
巨狼の爪牙がキマイラ達に届かぬよう庇う
同時に彼等の応援も貰う
理不尽を強いられた皆の想いをパワーに変えるわ

元気101倍の花屋は強いわよ
腰提げ鞄(フローリストツール)から取り出したフラワーワイヤーを
101方面から同時に投擲し、巨躯の捕縛に掛かる
呪詛に触れず拘束が叶ったら本体が攻撃を開始
的が大きくなった鼻頭をシャッター棒でばちーん!
皆の前でギャフンと鳴かせちゃうわ!



●オシキャット
「キマイラの皆、こっちに集まって!」
 と、シャドウパラダイスの入り口扉をぶち破ってニコリネの「Floral Fallal」が室内に突っ込んで来た。急ブレーキをかけて停止しながら、運転席からニコリネが叫ぶ。
「助けに来たわ、そこにいたら危ないから、私の車に!」
 彼女が指し示すのは自分の花車だ。車の荷台には乗せられなくても、車の周りに集まっていてもらえば守りやすい。
 明確な助けの手に、キマイラたちは一斉に動き出した。
「た、助けだ!」
「急げ、早く!」
「あっ!? ちょっと!」
 狼の姿をしたままのシャドウキマイラが止めるよりも早く、キマイラたちは「Floral Fallal」の周囲に集まった。車体に寄り添うようにひっつく彼らを見たニコリネが、運転席のドアを開けて飛び出す。
「よし、これで全員ね!? そのままそこで見ていてちょうだい!」
 そして彼らをかばうように立ちながら、ニコリネは声を張った。
「通常は一個のところ、今なら特別にこれだけお付けしまして!」
 そう高々と言い放った次の瞬間だ。ニコリネの姿が102人に増えた。
 シャドウキマイラが恐れおののく合間に、十数人のニコリネが車の前に立ちはだかる。残りはシャドウキマイラを取り囲むように部屋の周囲に散っていた。
「そっちにいる私たちがあなた達を守るわ。応援よろしくね!」
 無事に散開したのを確認した本体のニコリネが、驚きに目を見張っているキマイラたちにウインクをする。その言葉を受けたキマイラが次々と、彼女のために声を上げた。
「が、頑張れ、花屋さん!」
「怪人なんかに負けるなー!」
 キマイラたちの応援を受けて、再びニコリネは前を向く。眼前では、すっかり取り囲まれてキマイラたちに手出しができないシャドウキマイラが、忌々しげに歯を食いしばっていた。
「ぐぬぬぬ、自分たちも、もうすぐ怪人の仲間入りをするってところだったのに!」
「元気101倍の花屋は強いわよ、覚悟しなさい!」
 腰から提げた鞄に手を突っ込みながら、シャドウキマイラに言い放つニコリネたち。と、それに対抗するように狼姿のシャドウキマイラが両足に力を込めた。
「数が多いからって、勝ったと思うなよー!」
「そこよっ!」
 跳び上がって襲いかかろうと、シャドウキマイラが床を蹴った瞬間だ。ニコリネたちの手から一斉に、園芸用のフラワーワイヤーが飛んだ。
 ワイヤーは狼の手足に、胴に、首に巻き付いて縛り上げる。空中にあったシャドウキマイラの身体は床に叩きつけられた。
「うぎゃ!?」
「よし、これで動けないわね! そのまま引き絞って、地面に押さえつけて!」
 本体のニコリネが指示を飛ばすと、フラワーワイヤーがぎりぎりと引き絞られていく。101人の力で押さえつけられたシャドウキマイラは、ピクリとも動けない。
 彼女の頭の方に、ニコリネはゆっくり歩いていった。腰からシャッター棒を取り出し、長く伸ばしながら笑う。
「悪い子にはお仕置きしないといけないわよねぇ……?」
「ひっ……」
 薄っすらと浮かんだ彼女の笑みに、シャドウキマイラが引き攣った声を上げる。
 変身も解けずに身動きできない彼女の大きな鼻先。そこに向かってニコリネはシャッター棒を振り上げて。
「骸の海で反省しなさい、えーいっ!!」
「ぎゃわんっ!!」
 思いっきり振り下ろして鼻頭をぶっ叩いた。
「うう、こんな事になっちゃうなんてぇ……」
 それがトドメとなったシャドウキマイラ。涙を流しながらその身体を崩し、遂には世界から跡形もなく消えていったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月22日
宿敵 『シャドウキマイラ』 を撃破!


挿絵イラスト