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Bombing Raid!

#アポカリプスヘル #ヴォーテックス・シティ

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#アポカリプスヘル
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#ヴォーテックス・シティ


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 夜明け前の広場は騒音に包まれていた。
『諸君! 『人狩り』の時間だ!』
 拡声器を通して響いた声に、男達は重機の上を見遣る。
 そこでは声の主である一人の男が立っていた。両脇では渦巻と髑髏が染め抜かれた旗が翻る。
『王は諸君に期待しておられる! その証拠にガソリンと新品のバイク、さらにはジープに戦車まで貸し与えて下さった!』
 男達が跨る車両の群れ。それはただの車ではない。
 ジープの前方。その胸の高さには巨大な鉄の針が取り付けられている。
 最低限の装甲を付けた大型バイクは如何なる荒地も踏破する事だろう。
 大型戦車のキャタピラには無数の棘が生やされており、表面に不自然に浮いた錆がその用途を物語っていた。
『奪え! 何もかも、全てをだ!』
 号令とばかりに男が鉄槌を天へと掲げれば、広場からは獣の如き歓声が上がる。
 砂煙を上げ、エンジンの爆音を轟かせ、略奪の喜びに座席で体を跳ねさせながら男達は荒野へと散る。
 ――一週間後。10を下らない『拠点』が地上から消滅した。


「皆さんは『ヴォーテックス・シティ』について聞いた事はあるでしょうか?」
 グリモアベースを訪れた猟兵達に話しかけたのは、アメリア・バーナード(掴空・f14050)。
「アポカリプスヘルにある、かつてのニューヨークの二倍の面積を持つ、超巨大都市です」
 地上では旧都市の残骸や無数の重機、巨獣の骨が複雑に組み合わさり、それらが地下にに穿たれた無数の洞窟と絡み合い、複雑な都市を構成している。そんな場所だ。
「お察しの通り、街の支配者は人類ではありません。レイダー達の最大勢力『ヴォーテックス一族』です」
 『髑髏と渦巻』を目印に掲げる彼等は、日夜世界各地のレイダー・キング達から大量の物資や奴隷を上納されている。まさにキング・オブ・キングスともいうべき存在だ。
 その資源で煌々と照らされた夜の街で、配下のレイダー達は暴虐と快楽を貪った後、略奪の日々へと戻っていく。
 そして今回、一部のレイダー達がヴォーテックス一族直々の命令で、大規模な『人間狩り』を行おうとする予知を見たと言う。

 襲撃は明日の夜明けと共に開始される。
「その前……つまり今夜、ヴォーテックス・シティのとある基地に忍び込み、これを仕掛けて欲しいのです」
 そう言ってアメリアが取り出したのは……両手に収まるサイズの、タイマー付き爆弾。
「レイダー達は襲撃の前夜祭という事で、お酒を飲んで浮かれています。皆さんはそこに一人のレイダーとして侵入し、車両やバイクを爆破して下さい」
 車に満載されたガソリンに火が付けば、襲撃の阻止は勿論、基地を混乱に陥れる事も出来るだろう。
「レイダー達は、酒場で飲んでいる者もいれば、他でたむろする者、酔って大通りを徘徊する者もいます」
 彼等の目を掻い潜るか、適当に話を合わせるか、情報を得るか。
 どのような方法を取るにせよ、彼等に猟兵達を一目で見抜くだけの眼力は備わっていないので、そこは安心して欲しい。とアメリアは語る。

 もう一つ狙いがあります、とアメリア。
「指揮官の暗殺です。爆発に巻き込まれれば配下のレイダー達は慌てふためくでしょう。しかし指揮官は別です」
 上手くいけば、怒りに駆られて猟兵達に向かって来るかも知れない。その時が好機だ。
「でも倒したら速やかに撤退して下さいね。基地の真っ只中ですので、レイダー達が追いかけて来ます。もし撤退時にジープやバイクが必要なら仰って下さい。転送します」

 ともあれ、まずは爆破準備。重要なのはレイダー達の動きを見つつ、素早く的確にマシンに爆薬を仕掛けていく事だ。
「タイマーは暗いうちに一斉に爆発するようセットしておきました。アポカリプスヘルの未来の為に、この襲撃を何としても阻止して下さい。どうかよろしくお願いします」


白妙
 白妙と申します。
 今回の舞台はアポカリプスヘル。
 「ヴォーテックス・シティ」の基地に乗り込んで人狩りマシンを爆破し、狩りを指揮するレイダー・キングを倒すのが目的です。

●第1章【冒険】
 人間狩りに参加するレイダー達が集まる基地に侵入し、周りのレイダー達とテキトーに話を合わせながら、マシンに次々と爆弾を仕掛けていきましょう。
 マシンは人狩りバギー(人間を串刺しにして運ぶ)や残虐戦車(キャタピラがトゲトゲ)など。どうやら隠されているようです。
 バイクはあちこちに停めてありますが、徘徊するレイダーの目にも付きやすいです。

●第2章【ボス戦】
 仕掛けが爆発する危険な状況下で、人狩りの指揮官と戦います。
 シティのど真ん中なので、爆発が収まる前に倒さなければ袋叩きにされてしまいます。

●第3章【集団戦】
 シティ中から、バイクや戦車に乗ったレイダー達がわらわら追いかけて来ます。
 数が多いので、全滅させるのはほぼ不可能と見て良いでしょう。
 こちらも予め用意していたマシンに飛び乗って、敵を蹴散らしながら、シティの出口を目指しましょう!

●基地
 シティの外殻部に位置する基地。夜も明るい。
 人気の無い洞窟から侵入。少し歩けば通りや広場に出ます。
 目ぼしい施設は広場に面した醜悪な酒場など。
 他にもプレイングで指定して頂いてありそうなものはあります。

●レイダー
 いわゆるヒャッハー系。モヒカンやスキンヘッドの野盗オブリビオンです。
 虐殺と略奪の欲望の権化であり、条件反射のように弱者を襲い、数を頼む癖があります。まさに外道。
 大半は酒場にいますが、他はあちらこちらで寛いでいます。

 1章のプレイング受付開始は7日(日)8時30分より(断章なし)。
 2章・3章は断章投下後となります。宜しくお願いします。
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第1章 冒険 『人狩りマシンに爆弾を』

POW   :    喧嘩騒ぎを起こすなどして注意をそらしている隙に、他の誰かに爆弾を仕掛けてもらう

SPD   :    レイダー達に見つからないように隠密行動を行い、秘密裏に爆弾を仕掛ける

WIZ   :    怪しまれないように他のレイダー達から情報を得て、効率的に爆弾を仕掛ける

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ランボルト・フォード
wiz
そんなにどんちゃん騒ぎされると困るな。
僕の分のガソリンが世界から消えて無くなってしまうじゃないか。

ムダに消耗したくないし、適当に話つけて爆弾仕掛けてしまおう。
って、こんな小綺麗な見た目だと流石に怪しまれちゃうよな。

(基地突入前に血のりペイントを施し、そこらへんで拾った工具箱に持っていく)変装ヨシ。

やあどうも、お楽しみの所ごめんね。僕キング様直属のレイドロボなんだけど。(大嘘)

襲撃前日に戦車とバギーのエンジン周りの点検をしろって急に頼まれたんだ。
でも戦車の場所が分からなくてさぁ。道を教えてくれると助かるよ

工具でガチャガチャやっている間、ぱっと見分かり辛い所に爆弾をサッと取り付けてしまおう。



 夜も煌々と輝く『ヴォーテックス・シティ』の威容を目前に、ランボルト・フォード(世紀末のビークルデーモン・f32051)は、思わず立ち止まる。
「そんなにどんちゃん騒ぎされると困るな」
 前方からはレイダー達が下品に笑い合う声が響いて来る。一体何がそんなに面白いのかわからないが、祭りか何かのような騒ぎようだ。
「僕の分のガソリンが世界から消えて無くなってしまうじゃないか」
 レイダー達が資源を片っ端から消費すれば、真っ先に困るのはこの世界を流離うランボルトのような存在である。
 目の前の馬鹿騒ぎにどれだけのガソリンが消費されているのか。ランボルトは思いを致さずにはいられない。
 襲撃は阻止しなければ。思いも新たにレイダー達の元に向かおうとして、ふと気付く。
「……こんな小綺麗な見た目だと、流石に怪しまれちゃうよな」
 蒼色の塗装を施されたランボルトの体はスーパーカー並の輝きを見せている。確かにこれでは怪しまれてしまうかも知れない。
 そこでランボルトは近くの廃墟に身を隠すと、何やら作業を始めた。
 ――数分後、再び姿を現したランボルトの機体のあちこちには、鮮やかな血糊ペイントが施されていた。
 その手には近くで調達した工具箱がある。
「……変装ヨシ」
 瓦礫と重機で構成された建屋。そこで互いに酒を酌み交わすレイダー達へとランボルトは歩み寄る。
「やあどうも、お楽しみの所ごめんね」
『あ~? なんだオメェは……』
 さっそく威圧的な態度を見せようとしたレイダー達だったが……ランボルトを見た途端に口を噤む。
 その巨躯は、血塗れだった。
「僕キング様直属のレイドロボなんだけど」
 大嘘である。
 だが言われてみればその姿は、任務をこなして帰還したばかりの強襲部隊に見えなくもない。
『ひぃぃ! ご、ご苦労様です!』
 酒も手伝ってか、武力と権威を前にあっさり騙されたレイダー達は、手のひらを返すようにランボルトに媚びへつらい始めた。
「どうも。それでね。襲撃前日に戦車とバギーのエンジン周りの点検をしろって急に頼まれたんだ。
 ……でも戦車の場所が分からなくてさぁ。道を教えてくれると助かるよ」

 ランボルトが案内された先でレイダーがトタンを持ち上げれば、そこには下へと続く階段があった。
 地下の空洞には戦車が一台。バギーが数台。バイクが多数。分隊の車庫と言った所だろう。
『俺達のはこれで全部です……じゃ、ご、ご、ごゆっくりぃ!!』
「どうもありがとう」
 引き攣った声を上げて駆け去るレイダーを尻目にランボルトは階段を降りると、戦車の横でガチャガチャと音を立て始めた。
 傍目からは整備をしているようにも見えるが、実はさっき持ってきた工具で適当に音を立てているだけだ。
「それにしても、無駄にエネルギーを消耗しなくて助かったよ」
 車庫の外から見えない位置を見繕い、ランボルトは時限爆弾を仕掛け始めるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラブリー・ラビットクロー
またヴォーテックスのやつら!
らぶのショーバイの邪魔はさせねーのん
いくぞマザー
一緒にセカイを救うんだ
【GPS信号が確認できません】

こんばんわモヒカン
そんな怖いお顔しないで見て行くなん
あのねらぶは旅しょーにん
あっちこっちのモヒカンにお宝沢山売ってるのん
どーお?覗いてみてみて
こんなにステキな宝物(きれいなビー玉)
もっとみてみて
キラキラピカピカ光ってる
見れば見るほど欲しくなっちゃう?
そーだよねこれはとっておき
でもダメ
らぶもショーバイだから
このセカイは対価がつきものなんな
そーだ
らぶもバギーを見てみたい
だってそーでしょ?王様のマシンならきっとかっこいーもん
バギーに触らせてくれたら沢山あげてもいーんだけどな



 赤々と燃える焚火台を囲んで酒を飲むレイダー達。
 襲撃に備えて武装を済ませた彼等は、酩酊こそしているものの、下卑た笑いと共に剣呑な空気を周囲に放っていた。
「こんばんわモヒカン」
 そんな辺りの空気を急速に和ませる、抑揚の薄い声が掛けられた。
『おん?』
 モヒカン達が振り向いた先には、ラブリー・ラビットクロー(f26591)。
『なんだテメェ!』
「そんな怖いお顔しないで見て行くなん」
 凄むレイダー達にもラブリーは物怖じしない。
「あのねらぶは旅しょーにん」
『旅商人だァ~~~?』
「んむ。あっちこっちのモヒカンにお宝沢山売ってるのん」
『お宝ぁ? そんなもん今の世じゃあ……』
『そんなモンより缶詰や水だァ!!』
 お約束通りの反応を示すレイダー達だったが、次にラブリーが両掌を差し出した時、そこに乗せられていたモノに、目を見張った。
『こ、こいつァ……』
「どーお?覗いてみてみて。こんなにステキな宝物」
 ぐぐっと顔を近づけるレイダー達。
 ラブリーの手にあったのは――何の変哲もないビー玉に、とっくの昔にその役目を終えた硬貨だった。
 だが、そこから放たれる魅惑の輝きに、レイダー達は目を釘付けにされている。
「もっとみてみて。キラキラピカピカ光ってる」
 硬貨の表面はたった今磨き上げられたように輝いている。ビー玉は焚き火の光を照り返し深い色合いを見せていた。
 明らかに物欲に囚われているレイダー達――目がビー玉やお金になっている――にトドメを刺すように、ラブリーは言葉を連ねる。
「水や缶詰よりもずっとスゴイお宝なん」
『た、確かに……』
「見れば見るほど欲しくなっちゃう?」
『あァ……』
「そーだよね」
 紛れも無い「お宝」を前に、レイダー達は溜息を漏らす。それを見計らいラブリーは。
「でもダメ」
 一気に落とした。
「これはとっておき。らぶもショーバイだから。このセカイは対価がつきものなんな」
 レイダー達の目が落胆と葛藤に曇る。それは彼等がラブリーの術中に嵌った何よりの証拠。
「そーだ」
 ぴょこん、とラブリーが眉を跳ねさせた。
「らぶもバギーを見てみたい。王様のマシンならきっとかっこいーもん」
 頭の中でバギーとお宝を秤に乗せるレイダー達の前で、くるりと無邪気に一回転。
「バギーに触らせてくれたら沢山あげてもいーんだけどな」
『……どうする』
『そりゃお前、なぁ?』
 持ち掛けられた取引に、レイダー達は円陣を組んで相談を始めた。

 数分後、ラブリーは車庫に居た。
 暗闇の中には、数台の戦車。そして、旗や武器を乗せた多数のバギーがある。
『ヒャア!! これで暫く遊んで暮らせるぜェ!!』
 つい先程は何の役にも立たないと言っていた品々を、今は大事そうに両掌に乗せ、レイダー達は小躍りしながら去っていく。
 その背中に手を振るラブリーだったが、周囲に誰も居なくなったのを確かめると、がば、と車両の脇へ屈み込む。
「ヴォーテックスのやつら。らぶのショーバイの邪魔はさせねーのん」
 時限爆弾を取り出すラブリー。その眉は気持ちブイの字になっている。気がする。
「やるぞマザー。一緒にセカイを救うんだ」
【GPS信号が確認できません】
「やっぱ黙って」
 ポケットで瞬く光をスルーし、手際良く作業を進めていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
外道の所業、看過はできません。
阻止する為ならば虎穴でも黄泉平坂にでも潜りましょう。


まずは怪しまれぬよう場に溶け込みます。
通りを歩きつつ、車両等のある位置の目星を付けておきましょう。

爆発による混乱をなるべく最大限に引き起こす為にも、他の猟兵の手が及んでいない箇所が良い。

ここと決めれば【陰陽双刃】にて忍びを呼び、爆弾を預けます。
私がレイダーたちを引き付けている間、仕掛けるように指示を。

あとは広場で持参の徳利を見せびらかすように飲みつつ、寄って来た者には東方の美酒だと嘯き。

興味ある者には飲ませると誘い、人を集めておけばあちらの仕事も容易くなるでしょう。

頃良しと見ればそっと去り、次の展開を待ちます。



 廃墟と錆び付いた重機が無秩序に絡まる景色の中へ、猟兵達が散った。
 それを見届けた鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)もまた、行動を起こす。
 ただし行き先は、違う方向。
 離れた場所で爆発を引き起こせば、その混乱を最大限にまで高める事が出来る筈だ。
 景正が広場へと続く道を歩み始めた時、その思惑は早くも的中の兆しを見せ始める。
 通りを行き交うレイダー達が醜態を晒しているのを見たからだ。よほど酒場で悪酒を過ごしたのか、彼等の足取りは覚束ない。喧嘩でもしたのか、顔に痣を作っている者も居る。
 彼等が夜明けと共に荒野に繰り出し、拠点を血に染めると言う話は、俄かには信じ難い。だがそれは事実なのだ。
(「外道の所業、看過はできません」)
 白い襟巻で顔の半分を隠し、存在を場に溶け込ませる。
 酔って絡もうとするレイダー達も居たが、その程度では景正の心を波立たせる事は出来ない。
(「……阻止する為ならば、虎穴でも黄泉平坂にでも潜りましょう」)
 通りを抜け、広場へと。
 景正の視線は足元へと向いていた。照明で煌々と照らされた剥き出しの地面を、車輪の跡が走っている。
 それらは一本の束となって逸れ、脇の小道へと続いていた。
 真上では、レイダー達が酒盛りをしている。
「……」
 彼等からは見えない場所で、景正は暗闇を見遣る。
 するとその場所に、微かな気配が現れ始めた。
 景正が呼び出したのは、忍。鞍馬家で召し抱える、風魔の手の者達だ。
 彼等に爆弾を預けた景正は、今度は目立つ場所へと出る。
 レイダー達の目につく所で自前の徳利を取り出し、盃へと傾ける。
 景正の爽やかな飲みぶりを前に、辺りのレイダー達が集まり始めた。
「東方の美酒です。珍しいでしょう」
 景正はそう嘯き、見せびらかすように、さらに飲む。
「興味あらば、ひとついかが」
 途端に群集が湧き立つ。酒を奪おうと前方のレイダー達は手を伸ばし、後方では殴り合いが始まる。
 ――景正以外に、小道へと抜けていく忍達に気付いた者はいない。
 彼等の手で広場の周辺には火の手が上がるだろう。
 喧噪を背に、景正は静かにその場を去るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雨宮・いつき
無辜の人々の命を徒に摘み取ろうなどと…そんな非道、見過ごすわけにはいきません
ここで必ず食い止めましょう

ええと、脅威度が高い乗り物は…確か、バギーや戦車という名前でしたね
どこかに隠されているという話ですし、呼び出した覚達に場所を突き止めてもらいましょう
【目立たない】ように街中を行き、酔ってたむろしてる人や大通りを歩く人を探して
姿を隠したまま、しれっと幻聴のように会話に混ざり込んで隠し場所を尋ねるような言葉を掛けさせます

言葉に出さなかったとしても脳裏には浮かぶはず
【読心術】で隠し場所を読んでそこへ急行し、車両へ爆弾を仕掛けて【破壊工作】をして下さい
…さあ皆さん、あっと驚かせてやりましょう



 聳え立つ廃墟の一つに身を隠し、雨宮・いつき(憶の守り人・f04568)は大通りの様子を窺っていた。
 こちらに気付かず目の前を通り過ぎるのは、酒に酔ったレイダー達。
「無辜の人々の命を徒に摘み取ろうなどと……そんな非道、見過ごすわけにはいきません」
 人狩り――彼等の行為はいつきにとって、看過し難いものだ。
 その兆しは基地中に現れ始めている。だがその今こそが、襲撃を防ぎ止める最大にして最後のチャンスである事もまた、いつきは承知している。
 頷き、改めて前方に目を走らせる。
 大通りの路肩には大型のバイクが点在している。だが、いつきの狙いはそれではない。
「ええと、脅威度が高い乗り物は……確かバギーや戦車という名前でしたね」
 見た事は無いが、名前ははっきりと覚えている。それらはどこかに隠されているという話だ。
「ならば、彼等に場所を突き止めて貰いましょう」
 いつきは一枚の護符を取り出し、丁度吹いて来た風へと流す。
 護符が近くの物影に飛ばされると、ぼんっ、と小さな音。
 そこから一人の幼子が、ひょこりと顔を出した。
 二人、三人……みるみるうちに幼子の数は増えていく。
 式神妖怪、その名も覚童子。
「よろしくお願いしますね」
 いつきの言葉と共に、幼子達は辺りの物陰へと姿を隠す。
 辺りからは酒に酔ったレイダー達の声が聞こえる。
『出発直前まで車を隠しとけだとよ』
『リーダーも神経質だよなぁ』
『こんな所に踏み込む奪還者なんざ、命知らず以外の何者でも無ぇってのによぉ!!』
『『『ギャハハハハハ!!』』』
『どこだっけ』
『……』
 懐疑する間も、拒絶する間も与えない。そんなタイミングで、問いかけが挟み込まれた。
 生じたレイダー達の意識の隙間を押し広げる様に。
『どこだっけ』
『バギーはどこだっけ』
『戦車はどこだっけ』
『くすくすくす』
 幻聴のように降って来る声に、レイダー達はその思考を誘導されていく。
 そして。
『お、ぁ』
 呆けた表情で、レイダー達が一斉に、口をもごもごと動かした。
 その動きは、いつきの居る場所からは見えない。
 だが、すぐに数人の式神が戻って来ると、いつきの白い小袖をくいくいと引いた。
 屈みこんで式神達の耳打ちを聞き始めたいつきは、即座に気付く。
 答えが複数。
 ――式神『覚』は人の心を読む。レイダー達も嘘は吐けない。
 ならば意味するところは一つ。
(「分散して隠されているのですね……」)
 少し思案した後、いつきは手持ちの爆弾を全て取り出し、式神達に渡した。
「皆さんはそれぞれが聞いた現場に急行。これを戦車やバギーに優先して仕掛けて下さい」
 爆弾を手に、ててて、と式神達が散る。
「……さあ皆さん、あっと驚かせてやりましょう」
 彼等の背を見守りながら、いつきはそう呟いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レテイシャ・マグナカルタ
以前から単独で街に潜伏し破壊活動や奴隷解放をしている
見せしめに奴隷とするため手配書も出回ってるので、オレが顔を出せば大騒ぎになるし、人狩りのデカいボーナスになるとして捕まえる為に襲い掛かってくると思う
だから逆にそれを利用してレイダー共を乗り物から引き付けて他の奴のサポートに徹しよう

オラオラかかってきやがれ!
生まれ持って宿した膨大な魔力が常時体を強化して、鎧でもないのに奴らの銃弾を受け止め、振り下ろす鉄棒は頭突きでひん曲げ、うなりを上げるチェンソーを拳で握って引きちぎる!
捕えるために鎖が絡みつけば丁度いいとばかりに握り返して倍以上の大男を、魔力で強化した腕力で振り回して他のレイダーを薙ぎ払う!


レオンハルト・アウストラリス
さーて、と…侵入して爆弾を設置すればいいんだよな?
喧嘩なんかしないぞ?潜入任務だからな!!

UC[天与の躯体]で警備の手薄なところから身体能力を活かして侵入。
アイテムの顔を隠す効果のサバイバルマントで顔を隠し、
観察眼で有益な情報などがないかも調査するぞ!

だけどレイダーたちとの会話で最初は話を合わせようとするけど、
……やっぱ駄目だ。こういうやつらには我慢できない。
[人狩り]の下種な武勇伝、そしてこれからやろうことしていることを聞き、
己の矜持から途中で我慢できないと、
会話中のレイダーを殴り倒し喧嘩騒ぎを起こす方向にシフトする。
服装でバレそうだからマントは顔部分以外は晒さないぞ!

【アドリブ大歓迎】



 裏路地に、人が降って来た。
 身体能力だけで衝撃を殺し、すたりと着地する。
 警備の行き届いたゲートを避け、塀の低い所を乗り越えて来た、レオンハルト・アウストラリス(金色の焔・f20419)だ。
「さて……と」
 目深に被ったマントの下でレオンハルトは、その赤い瞳をキョロキョロとさせる。
(「侵入して爆弾を設置すればいいんだよな?」)
 視界を覆い尽すのは、コンクリートの廃墟と錆びた重機が入り乱れる光景。
 だが肝心の車両は見当たらない。装甲を施されたバイクがちらほら目につくのみだ。
(「……レイダー達に聞くのが、一番手っ取り早いよなぁ」)
 大通りへと足を向けるレオンハルト。
 その視線の先には、酒場があった。

 毒々しい色のイルミネーションで照らされた、悪趣味な酒場。
 その近くの物陰で、レテイシャ・マグナカルタ(孤児院の長女・f25195)が様子を窺っていた。
「ここだな」
 ヴォーテックス・シティ全体に漂う殺伐とした空気は、レテイシャにとって、もはや馴染んだものだった。
 彼女は指名手配されている。
 その罪状も、単身ヴォーテックス・シティに潜み、レジスタンス活動を行っているという極めて大胆なものだ。
 顔を出すだけで間違いなく大騒ぎになる。だがそうなれば、他の猟兵が動き易い状況を作る事が出来るだろう。
「……ま、なんとかなるだろ」
 腰に両手を当て、軽く息を吐く。
 マントで体を隠したレオンハルトが酒場の扉を潜るのを見届け、レテイシャもその後を追うのだった。

 酒場のカウンターで、レオンハルトはレイダー達の話を聞いていた。
『そしたらよぉ、あのジジイ、ガキ抱いたままこ~んな顔してくたばっちまいやがんの!!』
『ギャハハハ!! そいつは傑作だ! おい新入り、聞いてっか?』
「え、ええ……」
 酒の入ったレイダー達の話題は、これから行わる「人狩り」についてのものばかりだ。
 車両の使い方に実績。そして自身等の残酷極まりない『武勇伝』。
 表向きは平静を装うレオンハルトだが、テーブルの下では握った拳を膝に置き、じっと耐えていた。
(「喧嘩なんかしないぞ! 潜入任務だからな!!」)
 そう自分に言い聞かせつつも、人一倍正義感の強いレオンハルトだ。目の前の笑顔を殴りつけたくなる衝動に幾度も駆られる。
 そろそろ我慢も限度。胸の内で悟った、その時。
『……おい!! こいつの顔、どっかで見たぜ!』
 酒場の入り口で、騒ぎが持ち上がった。
「何しやがる!」
 声にレオンハルトが振り向けば、そこにはレイダー達に腕を掴まれるレテイシャが居た。
『こいつ手配書の! 街に潜伏してるってアマだ!』
 咄嗟にレオンハルトが酒場の貼り紙を一瞥すれば、確かにレテイシャの顔が載っていた。それも結構な報酬額と一緒に。
『袋叩きにしちまえ! 車庫の見張りも叩き起こして来い!!』
 急速に熱を帯び始める酒場の空気。圧倒的な体格を誇るモヒカンやスキンヘッドが集団でレテイシャを取り囲む。だが。
「オラオラ! かかってきやがれ!」
 腕を掴むレイダー達を振り払い、レテイシャは逆に攻勢に出る。
『し、死ねぇ~~~~~!!!』
 ご、と鈍い音。
 レイダーの一人が渾身の力で振り下ろした鉄の棒が、思い切りレテイシャの鎖骨を打ち据えた。
『やったぜ!!』
 だが次の瞬間、レイダーの顔が驚愕に染まった。
 硬い鉄棒がレテイシャの肩の形にひん曲がっている。
 レテイシャの体を流れる魔力が、その肉体を鎧のように強化しているのだ。
 横合いから撃ち込まれる銃弾もその身で跳ね返し、レテイシャはレイダーの鳩尾へと裏拳を叩き込む。
『グハッ!!』
『女一人に何やってる!!』
『顔出したからにはタダで返さねえ! 見せしめに奴隷にしてやらぁ!!』
『そうなりゃ俺達も大出世だぜ!! ヒャハハハ……ガへッッ!?』
 カウンターに座ったまま騒ぎを見ていたレイダーの横面に――今度はレオンハルトの鉄拳が叩き込まれた。
「……悪いな。手が滑った」
『このヤロォ~~~~~!!』
 周囲のレイダー達が拳を繰り出すも、レオンハルトの圧倒的な反応速度を前に空を切る。
 回避の勢いを利用してレオンハルトはぐるりと一回転。目の前で翻る暗色のマントがレイダー達の視界を覆う。驚くレイダー達を――次の瞬間、レオンハルトの回し蹴りが一掃した。
(「……やっぱ駄目だ。こういうやつらには我慢できない」)
 それまでの鬱憤を爆発させ、乱闘に加わるレオンハルトを前に形勢は逆転する。レテイシャがそれを遠目で確かめた時。
 じゃらん、と、片腕に鎖が巻き付いた。
『ぐっふっふ……』
 びん、と鎖の片端を引いて張るのは、レテイシャの二倍はあろうかという大男だ。
 だがレテイシャは涼しい顔をしたまま鎖を両手で握り込むと――その超人的な腕力で、ぐん、と引いた。
『おっ』
 その一言だけを残し、つんのめる大男の体が、地面を離れた。
 風車の如く回るレテイシャを軸に大男が酒場を旋回する光景が広がる。
『うおお!?』
 軌道上のレイダー達が残らず薙ぎ払われ、グラスや机が破壊される音が絶えず響く。そして。
「……おらっ!!」
 レテイシャの気勢と共に、大男の背中が木製のテーブルに叩き付けられた。
 真っ二つになったテーブルの上で伸びる大男。その側には、近くのレイダー達を片付けたレオンハルトが立っていた。
 特注のコートを覆い隠すマントには破れ一つない。爆破までに正体が露見する事はないだろう。
 若干バツの悪そうな表情を浮かべるレオンハルトだったが、そんな彼にレテイシャは、労うような笑みを送るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『サイバーレイダー』

POW   :    パワーアシストアーマー
予め【パワーアシスト機能に充電しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    奪い尽くす者達
レベル×1体の、【タトゥーで額】に1と刻印された戦闘用【機械化レイダー軍団】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    レイダーズシャウト
【略奪を宣言する叫び声】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 全ての爆弾を仕掛け終え、猟兵達は廃墟の一つに身を隠した。
 準備を整え、その時を待つ。
 
 やがて――轟音が響く。
 猟兵達が広場に出てみると、そこは阿鼻叫喚の渦と化していた。
 爆発が廃墟を次々と破壊し、そのたびに大量の瓦礫が降り注ぐ。
 引火したガソリンもまたそこかしこで火の海を作り上げていた。
 辺りからはレイダー達の悲鳴が聞こえて来る。
 油断し切っていた彼等は、突然の事態に為す術もなく、逃げ惑うばかりのようだ。

 だが。
『……そうか。貴様らか』
 静かな怒気を滲ませた声が猟兵達にかけられる。
 振り返ればそこには、体の殆どを機械に覆われた男が立っていた。
 ――予想通り「人狩り」達の首領が姿を現したのだ。
『よくも計画を邪魔してくれたな』
 燃え盛る建物を背に、ハンマーを握り締めるその姿は、まさに怒り心頭と言った様子だ。
 がしゃり、がしゃり。
 油断の無い足取りで、猟兵達との距離を詰めて来る。

 危険な爆発は猟兵達を周囲のレイダー達から守ってもいる。
 だがそれも長くは続かない。
 そうなれば、統率を取り戻したレイダー達に袋叩きにされるのは明らかだ。
 予断を許さない状況下で、猟兵達は交戦を開始する――。
ラブリー・ラビットクロー
いつもいっつもらぶの邪魔をしてるのはお前らなんな
マザー
ヴォーテックスのモヒカンにお仕置きなん
【すぐに避難を開始しましょう】
逃げちゃダメ!

【騒音レベルが90dbを超えました。キュリオスラビットの使用は危険です】
じゃあアルジャーノンエフェクトで一気に行くぞ
【この状況で昏睡状態に陥れば独力での脱出は極めて困難です】
じゃーどーしたらいーの?
【至急偽神兵器の六翼で避難して下さい】
空を飛べばいーんなんな!
アウトローサインのスプレー缶をばら撒いてラビットブレスの火炎放射で誘爆させるのん
そーすれば沢山の機械モヒカンも止められる筈
酸素不足になってもマスクをしてるからヘーキだぞ
最後は空からチェーンソーで攻撃なん!



 レイダー達の悲鳴は、続く爆発の音に掻き消され、炎の中に呑み込まれようとしていた。
 だがそんな景色を尻目に、ラブリー・ラビットクローは、ハンマーを携えたサイバーレイダーと対峙する。
「いつもいっつもらぶの邪魔をしてるのはお前らなんな。マザー」
 大事な事を確かめようとするかのように、ラブリーは『マザー』へと呼びかける。
「ヴォーテックスのモヒカンにお仕置きなん」
 今はただ、目の前の商売敵を倒す。誰が何と言おうとラブリーはやる気だ。だが。
【すぐに避難を開始しましょう】
「逃げちゃダメ!」
 マザーの方は平常運転。間髪入れぬ応酬であった。
『大した度胸だ。もっとも、逃がしはしないがな。……来い!』
 燃え盛る炎の奥に人影が幾つも現れる。
 それは、レイダー達だ。指揮官と同じく体を機械化を施されたモヒカン軍団が、様々な武器を手にラブリーに迫り始めたのだ。
『兵など捨て駒だ。お前達を爆発に巻き込む為のな』
「むー」
 やむなくラブリーは背負う『ラビットブレス』の銃口を向ける。
 奇声と共に吶喊して来るモヒカン達に向けてトリガーを引けば、投射された炎がたちまち彼等を焼き焦がす。
『あぎゃ~~~~!!』
【騒音レベルが90dbを超えました。キュリオスラビットの使用は危険です】
「じゃあアルジャーノンエフェクトで一気に行くぞ」
 ラブリーの判断は素早い。音を拾えないとなれば殲滅に移るのみ。だがそこへマザーの制止の声がかかる。
【この状況で昏睡状態に陥れば独力での脱出は極めて困難です】
 マザーの言う通り、敵を倒し切れなければ一巻の終わりだ。
「じゃーどーしたらいーの?」
【至急偽神兵器の六翼で避難して下さい】
 きょとんとした表情で首を捻っていたラブリーだったが、マザーの言葉に、ぴーん! と気付く。
「空を飛べばいーんなんな!」
 同時にラブリーの背から、何かが広がった。
 それは、翼だ。巨大な六翼が、ラブリーの身体をゆっくりと宙へと舞い上げ始めたのだ。
 燃える夜空を背に、桃色の光を辺りに振り撒きながら上昇を続けるラブリーの姿は、棄てられた世界の天使のような神々しさだ。
 熱と騒音の影響を受けない高度でラブリーの上昇は止まる。
 見上げるレイダー達の足元に向けて……ラブリーがぽいぽいと何かをトスし始めた。
 カランカランとばら撒かれ、コロコロと転がる。それは、鮮やかなピンクのスプレー缶だった。
 続いて、炎の柱が降って来た。
 数体のモヒカンを焼き焦がし、同時に、甲高い音を立ててスプレー缶が次々弾け飛ぶ。
『うぎゃ~~~!!』
 ガスマスクの締め紐を確認したラブリー。その肩には『ラビットファングアンドハッピーチェーンソーエッジ』が担がれていた。
 ラブリーの狙いは一点。右往左往するレイダー達を叱咤しようとするサイバーレイダーのみ。
「いっとーりょーだんなんな」
 ヴォン!! と駆動音を残し、急降下。
 迫るオブリビオンの頭部に向けて、ラブリーはその身をギロチンと化した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
 人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
 普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
 時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


セシル・ローズキャット(サポート)
『神様なんていないわ』
『あなたみたいな人、嫌いよ。だからここで終わらせるの』

 ヴァンパイアの父と修道女の母に大切に育てられた、ダンピールの少女です。
 母が同じ人間に迫害されてきたため神を信じず人間嫌いな性格ですが、猟兵としての仕事には真剣に臨みます。
 普段の口調はやや大人びた感じですが、親しみを覚えた仲間に対しては「ね、よ、なの、なの?」といった子供らしい口調で話します。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、依頼の成功を目指して積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはマスターさんにおまかせします!


アリス・ラーヴァ(サポート)
凡そステレオタイプなパニックホラーやSFホラーの蟲型クリーチャーに優しい少女の心を持たせた生物です
無邪気で心優しく、皆と幸せに共存できたら良いと思っています

方針は、人々と世界を守る事を第一とし次に本能としての食べる事と様々な世界で増える事

純真で他者の指示に素直に従いますが、敵対存在は有機物無機物問わず全て捕食対象の雑食系女子

硬い甲殻に守られ大抵の物を切り裂く爪と牙を持っている為生命体として極めて強靭ですが逆を言えばその程度
物理的な手段しか採れません

全ての行動は、数に物を言わせたごり押し戦法
知能は年齢相応の人間並みです
群体という特性上自分達の損害には無頓着、やられ役や引き立て役にどうぞ


鬼面衆・幻黒(サポート)
我は鬼面衆・幻黒(人間の悪霊 × 死霊術士) 滅ぼされし暗殺者集団「鬼面衆」の頭領だ。
戦闘時には持っている杖の宝玉が怪しく輝くと共に「鬼面衆の死霊」を召喚し、頭領の命令は絶対という「掟」と突出した【集団戦術】で敵に攻撃をするのだ。
里をオブリビオンに滅ぼされたのでオブリビオンに対し強烈な憎悪の念を持っている。
我自身は鬼面衆残って死霊を操る為に後方で待機して、直接攻撃することは、ほとんど無いのだ。
我自身は後方で死霊に指示を出し、直接的な攻撃はしないのだ。
口調:翁(わし、お主、じゃ、のう、じゃろう、じゃろうか?)
戦闘中は 頭領(我、呼び捨て、言い捨て)


スピネル・クローバルド(サポート)
『お姉ちゃんに任せておいてね♪』
 妖狐のクレリック×アーチャーの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、兄弟姉妹には「優しい(私、~君、ね、よ、なの、なの?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は温厚で人に対して友好的な態度をとります。
滅多に怒る事はなく、穏やかです。
怖そうな敵にも、勇気を持って果敢に挑む一面もあります。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 未だ夜明けを迎えぬ基地には、地獄さながらの光景が広がっていた。
 辺りで響く爆発は衝撃を生み、辺りに大量の瓦礫を撒き散らす。
 レイダー達の反応は様々だが、消火活動に走ろうとする者も、ただ右往左往する者も、等しく爆風に吹き飛ばされる危険に晒され続けている。
 ただし、広場の中央だけは様子が違っていた。
 戦闘が始まっていたのだ。
 キュイ、と音を残し、サイバーレイダーがその肉体を驀進させる。
 振り上げられる鋼鉄の鎚。それを真正面から受け止めたのは、星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)の剣だ。
「くッ!!」
 鉄同士がぶつかり合う音が辺りに響き、凄まじい衝撃に歯を食い縛りつつも耐える杏梨。咄嗟に反応出来たのは、普段の鍛錬の結果だろう。
 すぐさまニ撃目を降らせようとしたオブリビオンだが――その直前で、飛び退く。
 次の瞬間、先程までオブリビオンが居た場所を、そよ風が駆け抜けた。
 建物の壁に、びん、と一本の木の矢が突き立つ。
「反応しましたか……!」
「ありがとう。……相手は強化されてるわ。たぶんあのアーマーにパワーアシスト機能が付いてるのね」
 体勢を立て直しつつも、敵のユーベルコードを分析する杏梨。彼女をスピネル・クローバルド(家族想いな女の子・f07667)は、即座にニの矢を番える事でサポートして見せた。
 怒りに駆られたサイバーレイダーはスピネルにとって恐ろしい存在ではあるが、それでも彼女は、勇気を胸に対峙する。
 そしてサイバーレイダーもまた、スピネルと杏梨に向き直り、両手持ちのハンマーを持ち直す。
『小賢しい。人狩りの邪魔をしてタダで帰れると思っているのか』
「人狩り……」
 杏梨の後方、中衛に当たる位置で、その円らな青い瞳を炎の色に染めながら、セシル・ローズキャット(ダンピールの人形遣い・f09510)は、ぽつりと呟く。
 母が人々に迫害された過去を持つ故に、セシルは人間に恨みを持ってはいる。だがそんな彼女も決して、面白半分に人を狩ったりはしない。
 確かなのは、目の前のオブリビオンは、変わり者の父とは全く逆の存在だという事だ。
 刹那の逡巡。だが同時に、セシルの近くで燃え盛る炎が、突然爆ぜた。
「きゃっ……!」
 セシルが体のバランスを崩す寸前――巨大な何かの影がセシルの真上に覆い被さる。
「敵!? セシル、逃げて!」
「いえっ、違います! あれは……!」
 ガソリンへの引火誘爆をまともに防ぎ止めただけではなく、降り注ぐ瓦礫からもアリスを守り切った巨大な影。
 それは、巨大な蜘蛛のような姿を現した、アリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)だった。
「ギチチチ~(セシルさん、大丈夫?)」
「あ、ありがとう……」
 セシルがアリスの背後にある壁面をまじまじと見れば、そこには小さな無数の何かが蠢いていた。
 ――蜘蛛だ。アリスと同型の蜘蛛のような生物が、炎に焼き焦がされながらも壁を這い、オブリビオンを一気に取り囲みにかかる。
『……!』
 だが後方の気配に気づいたオブリビオンは振り向きざまにハンマーを横薙ぎ。その軌道を避けて、何かがバックステップをする。
 オブリビオンの退路を断ったのは、炎を背にした一本角の鬼――否。鬼の面を付けた忍達であった。
「黄泉より来たりし『鬼面衆』。その力の源は非情の『掟』にあり」
 前方からはしわがれた鬼面衆・幻黒(滅ぼされし里の頭領・f32104)の声が響いて来る。宝玉が妖しく輝く杖を地面に突き、スピネルと同じ後衛に立つ。
 忍と蜘蛛。二重の円がオブリビオンを取り囲む。
『人海戦術という訳か。だが時間の余裕があるかな?』
 辺りでは猟兵達が仕掛けた爆弾が爆ぜているが、それが尽きるのも時間の問題だ。
 そうなれば、辺りで右往左往するレイダー達は冷静さを取り戻し、牙を剥くだろう。
「時とは余らせるのではなく作るものよ」
 人の立ち姿はその人となりまで表すと言うが、幻黒の立ち姿は黒衣に覆われて見えない。
 だが覆面から覗くその青い瞳は、長年の怨みで濁り切り、底冷えを覚えさせる程のものだった。


 猟兵達の陣容は速攻よりも持久戦に向いたものと言える。
 早期の撃破は難しいだろう。耐えるにしても、多くの損耗が必要となる。
 だがこの二点を呑みさえすれば、悪いものではない。
「ギチギチギチギチ~♪(みんな~全速前進よ~♪)」
 前衛の盾としてはアリスの存在が大きい。硬度と靭性を両立した甲殻は、爆発の続く環境を全く問題にしない。
 瓦礫で埋まった悪路を難なく走破するアリスの長い脚の下では、同じ姿の『妹達』が褐色と沈降を繰り返しつつ、オブリビオンを押し留めていた。
『化け物め!』
 『妹達』を鋼鉄の脚でぐしゃぐしゃと踏みつぶしながら、オブリビオンがハンマーを横殴りに振るえば、アリスの体は大きく吹っ飛び、衝撃と共に廃墟の壁に叩き付けられる。
「ギエェェェ!(いた~い!)」
「させないわ!」
 だが入れ替わるようにラメ入りのマントを煌かせ、杏梨が突っ込む。前衛としては万能に近い彼女は、今回は聖剣による攻防を選択し、味方の穴を埋めていた。
 鉄塊の如きハンマーと、杏梨の振るう精緻な意匠を施された聖剣がぶつかり合う度に、辺りには激しく火花が散る。
 だが、それも束の間。
「……ふっ!」
『何っ!?』
 突然杏梨が飛び退いたかと思えば、今度は、いつの間にか至近距離に迫っていた幻黒の鬼面衆達がオブリビオンの視界を塞ぐ。
 鎧に覆われたその瞳が見開かれた時、装甲の隙間を貫いて数本の苦無が叩き込まれていた。
 幻黒自身は後方で何もせず立っているようにも見えるが、実は彼は猟兵内でも有数の集団戦術の技量を誇る人物である。
 時に影に、時に日向に。戦場を俯瞰するが如く下される指示の一つ一つが、着実に戦場を動かす。
 鬼面衆が押し上げる戦線のすぐ後方を、アリスの『妹達』が制圧していく。
 既に無数の『妹達』がハンマーの餌食となっているが、その勢いは止まらない。
 同じ集団戦術でも幻黒とはベクトルが異なる。桁外れの数と群体の特性に支えられた、相殺前提の力押しだ。
「みんな……がんばって」
「ありがとう!」
「ギチギチチ~!(ありがと~♪)」
 強固な壁に阻まれた中衛からセシルの清冽な唄声が響き渡り、その度に前衛が動きを活性化させる。
 人間嫌いであるセシルには、この世界の人々にも必要以上に肩入れするつもりは無い。
 ただそれでも、一人の猟兵として、人狩りという行為を許してはおけない。
 そして、そのための力が、セシルには備わっている。
 歌いながらも、セシルは猫のぬいぐるみを、ぎゅっと握り締めた。
「そろそろ、だよ。スピネルさん」
「はいっ……」
 さらに後方ではスピネルの弓が唸りを上げていた。彼女はこの戦場における狙撃役である。
 遥か後方から戦場を俯瞰し、自身がその場を動かず攻撃に専念出来る事を悟ったスピネルは、ようやく動きを見せる。
「この力を以て、天地の嵐を征しましょう――」
 紡がれた言葉に呼応するように、ざぁ、とスピネルの周囲で風の魔力が渦を描く。
 それはスピネルが手に持つ大弓へと収束し、形を変え――たちまち巨大な破城弓と化した。
「杏梨さん! 今です!」
「了解!」
 精神を集中し、狙いを絞り込んで――放つ。
『何っ!?』
 ぶわり。
 戦場に居る者全ての服を舞い上げ、三本の若草色の閃光が戦場を縦断する。
 スピネルの風の魔力は巨大な矢と化して飛び、横に避けた杏梨をすり抜け、オブリビオンの胴をまともに直撃。後方へと吹き飛ばした。
「頃合い良し。やれい」
「ギチギチ~♪(はいは~い♪)」
 顎をしゃくる幻黒にアリスが合わせる。
 急速に殺到を始めた『妹達』を前に、体勢を立て直す間もなく身体をバタつかせるオブリビオン。暴れる鉄槌が邪魔しにかかる数人の鬼面衆を打ち据えるも、その体はぐんぐん後方へ押し返されていく
 近くの炎の海に突き飛ばされたオブリビオンは、体に燃え移った火に悶絶しながらも転げ回り、何とか消化する。
 だが既に、その場には誰も居なかった。一瞬の隙を突かれ、猟兵達に撤退を許したのだ。
 周囲では相変わらずレイダー達が悲鳴を上げて逃げ惑っている。戦闘開始前と何一つ変わらない光景が、辺りには広がっていた。
『……貴様らぁぁぁ!! 許さんぞぉぉぉぉぉぁぁ!!!』
 火傷の痛みも忘れ、サイバーレイダーは憤激の咆哮を上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

雨宮・いつき
悪戯というには少々派手でしたが…どうやら首尾良く成功したようですね
おまけに首魁の方から出向いてくれるとは
最悪、この状況下で探す必要があるかもしれないと考えていましたが、僥倖というものです
彼らの企み、今ここで打ち破りましょう

力こそ強いですが、動きは大雑把で見切りやすい
あの鎧の特性というのもあるでしょうが…それ以上に、どうやら怒りに囚われているようですね
攻撃を回避しながら雷撃符の雷で【マヒ攻撃】を放ち鎧の機能を鈍らせ、その隙に伊吹大明神の召喚を
怒りや敵意は全て伊吹様の糧、その感情を喰らい力へと変えて頂きます
地面を爆ぜさせ身動きの取れない空中へ吹き飛ばし、そこへ八刀を叩き込みましょう



 炎熱を斬り裂き、重い鉄塊が迫る。
 次の瞬間、サイバーレイダーの振るったハンマーは、僅かに身を引いた雨宮・いつきの目前で弧を描いていた。
(「悪戯というには少々派手でしたが……どうやら首尾良く成功したようですね……」)
 爆発を起こす事で、本当に首魁と遭遇出来るのか。いつきは密かに懸念を抱いていた。
 最悪、爆炎の中を探しながら戦う事になっていたし、事実その可能性も存在していた。
 しかし対峙出来たのなら、ひとまず僥倖。目の前の敵に意識を集中する。
「あなたの企み、今ここで打ち破りましょう」
 いつきの宣言と同時に、オブリビオンも動く。
 両手持ちのハンマーを軽々と振るい、再び肉薄。後退するいつきの目前で大威力の一撃が炸裂し、巨大な土煙が上がる。
 ともすれば一方的に見える展開。
 だが、粗い。
 初動を察知出来る程に。軌道を予測出来る程に。
(「あの鎧の特性というのもあるでしょうが……それ以上に」)
『その度胸は誉めてやろう。だが何時まで避け切れるかな?』
 怒涛の如き攻撃を繰り返すオブリビオン。その口の端から漏れた、余裕の声。
 ――その奥で尚も震える怒りを、いつきは鋭敏に感じ取っていた。
『終わりだ!』
「――恨み辛みに畏れに怒り、無心にあらずんば其れ則ち信仰也」
 一際大きく引かれたハンマーに合わせ、いつきは一枚の符を手に、踏み込む。
 次の瞬間、交錯するいつきとオブリビオンの影。
 バン! と衝撃音。
 オブリビオンの纏うアーマーの全身を雷の筋が覆う。
『何っ!?』
「怨嗟を喰らいて神威と成し、我らが為に振るい給え――」
 雷撃符により引き起こされた、一時的なショート。
 同時に胸を満たす筈の怒り……それが逆に一気に喰われるような違和感を、オブリビオンが覚えた、直後。
「――参りませ、伊吹大明神!」
 ドォン!!
『!!』
 いつきが祝詞を上げ終えると同時に、地面が爆ぜた。
 鎧の重量が仇となり身動きの取れないオブリビオンの全身を、土砂の瀑布が高々と宙に舞いあげる。
 空中でオブリビオンは、禍々しい闇と共にいつきを取り巻く、八頭八尾の巨龍――今の自身には天敵と呼べる存在――を見た。
 そして、巨龍の尾が八つの直刀へと変わったのも。
 降下を始めようとするオブリビオンの体に、八連の剣陣が刻み込まれたのは、一瞬後の事だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鞍馬・景正
敵将自らが出向いて来たなら、探す手間が省けたというもの。
今までの悪行の報いを受ける日が来たと観念して頂く。


抜刀し、敵の動きを【見切り】つつ対峙。
怒り狂っていても油断した様子が無い以上、焦って懐に飛び込んでは危うし。
攻撃は躱すか【怪力】で弾いて防御しながら、勝機を見極めましょう。

甲冑の電力によって敵の力が増強されているなら、その貯蔵庫というべき部分か、配電の為の管がある筈。

それがどこか探り、此処と判断した箇所に斬撃の【衝撃波】を浴びせながら肉薄。
そのまま間髪入れずの【2回攻撃】で【鞍切】の一閃を叩き込み、装甲ごと身を断たせて頂く。

いずれ貴様らの頭目も骸の海に還す故、先に逝って懺悔でもしておれ。


レオンハルト・アウストラリス
この男を倒せば散った人たちの無念を晴らして、この先の悲劇を変えられる。
お前が何もかも全てを奪うなら、俺は全てを守る!
もう猟兵である事を隠す必要もないからマントを脱ぎ捨て正体を現し、
正面から[先制攻撃]で魔剣で切り掛かるぞ!

一つだけ答えろ!なぜ奪う!なぜ壊す!なんで人狩りなんて真似をする!
真正面から攻撃は[見切り]で回避し、避けきれない攻撃は魔剣で防御し、ハンマーと切り結びつつ、
きっと納得のいく言葉は帰ってはこないとわかっていても俺は問う

機械での戦闘力の底上げ…つまりどこかにある充電する機関を壊せば隙が生まれるはずだ!
パワーアシスト機能を司るであろう充電機関を見つけ[切断]する

【アドリブ大歓迎】



 どれほど配下の数が多くとも、それが怒りに我を忘れた結果であろうとも、敵と対峙した以上は渡り合わなくてはならない。
「敵将自らが出向いて来たなら、探す手間が省けたというもの」
 単身姿を現した人狩りの首謀者『サイバーレイダー』を前に、鞍馬・景正は静かに抜刀する。
「今までの悪行の報いを受ける日が来たと観念して頂く」
 アポカリプスヘルでの彼等の所業は、許されるものでは無い。厳かな宣言と共に、景正は愛刀『濤景一文字』を流すように構えた。
 その隣で同意するように、マントを目深に被ったレオンハルト・アウストラリスが瞑目していた。
(「この男を倒せば、散った人たちの無念を晴らして、この先の悲劇を変えられる」)
 幾度となく繰り返されたであろう悲劇、人狩り。その犠牲となった無数の人々の顔が、レオンハルトの瞼には浮かぶようだ。
「……お前が何もかも全てを奪うなら、俺は全てを守る!」 
 勢い良く脱ぎ捨てたマントが舞うと同時に、ざ、と踏み込む。
 巨大な魔剣『シャクイス』による、先制の突きだ。
 だが直撃の寸前、オブリビオンが魔剣の腹をぐるりと回した鎚の柄で打てば、突きの軌道は大きく外れていく。
 前方に伸びた姿勢のレオンハルトに向けて、オブリビオンは得物を肩に担ぐと、次には後頭部を刈り取るような軌道で一閃させる。
「!」
 咄嗟に地面を転がり回避。金の髪の上を突風が駆け過ぎていく。
 振り切ったままの姿勢でオブリビオンは後方の景正に突進。力ずくで鉄槌を振り上げる。
「……」
 景正が僅かに体をぶらした刹那、撃砕音と共に地面から土埃が上がった。
 その一撃は単純で粗い。だが威力は見た目以上のようだ。
 なおも矢継ぎ早に繰り出される攻撃。それはオブリビオンが怒りに駆られながらも、パワーアシストの力に溺れ切っていない証拠でもある。
 加えて周囲の状況は予断を許さない。対峙する者によっては焦りを覚えて飛び込んでしまうかも知れないが、景正は違った。
 素早く回避し、躱し切れない攻撃は構えた刀で受け流す。
 あくまで堅実な姿勢を崩さず、虎視眈々と勝機を窺い続ける。
「お前の相手はこっちだ!」
 横合いからはレオンハルトが斬りかかる。
 レオンハルトの軸は、喋る魔剣のアシストと身体能力をフル活用した、回避と攻撃だ。リスクを承知で敵の間合いに踏み込み、数秒ではあるがオブリビオンと対等に斬り結ぶ。
「一つだけ答えろ! なぜ奪う! なぜ壊す! なんで人狩りなんて真似をする!」
 きっと納得のいく答えは返って来ない。わかった上で、レオンハルトは問う。
『知れた事。家畜に等しい人類共を、有効利用してやる為だ!』
「……!」
『あのレイダー共は確かに屑だ。だが略奪さえ認めれば、誰よりも獰猛に血を流す! 奴らが家畜共を痛めつける程に、我らヴォーテックス一族の、恐怖と暴力による統治は盤石のものとなるのだ!』
「人は家畜じゃない! それに、恐怖による統治なんて、あってはならないんだ!」
 何度も火花を散らす魔剣と鎚。レオンハルトがオブリビオンと激しい応酬を繰り返すたびに、景正には観察の機会が与えられる。
『食らえ!』
「くっ!」
 渾身の振り下ろしを前にレオンハルトは後退。
 オブリビオンが全身でハンマーを地面に撃ち下とした時、そのふくらはぎの位置で、通常の甲冑には存在しない糸のようなものが、大きく跳ねたのを景正は見た。
 景正の当初の狙いである、敵の攻撃力を支えるパワーアシスト機能。その配線だった。
 そしてそれはレオンハルトも同じ。鎧の隙間から幾度も覗く配線とその分布、至近距離での交戦は彼の無意識に有り余る情報を蓄積してくれた。
 頃合いと見て、景正は両手で柄を握り直すと――真一文字に一閃。
 発生した衝撃波を追うように前進。体勢を崩したオブリビオンとの距離を一瞬で食らい尽くす。
 ほぼ同時にレオンハルトも動いていた。
 ひゅん、と両手首を返し、シャクイスを一回転させ脇構えの体勢を作る。
 それまで粗かった太刀筋は、魔神のアシストに導かれ、その精度を増していた。
「お前達の悪を、俺達は決して許さない!」
「いずれ貴様らの頭目も骸の海に還す故、先に逝って懺悔でもしておれ」
『……!!』
 刹那、二人の剣士がオブリビオンの横を駆け抜ける。
 レオンハルトの重い一撃は充電機関を大きく抉り抜き、景正の放った二閃は配線のみならず、脚の装甲すらもも大きく断ち割っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

レテイシャ・マグナカルタ
はっ、大層な恰好してんじゃねぇか、オラ、かかってこいよ
機械化されたボスの前に生身の姿で立ちふさがり挑発をする
パワーアシストされた一撃は避けるのは簡単だ、だが、あえて微動だにせず真っすぐに受け止める
脳天に叩きつけられたハンマーの衝撃は足がコンクリートの地面にめり込む程、ボスが勝利を確信するけれどUCで強化された頭は逆にハンマーを砕き割る

そんな体になってまで得た力はこんなもんかよ、そんなんじゃオレからは何一つ奪えねぇぜっ!

UC解除して動けるようになってコンクリを砕きながら足を振り上げ、今度は相手の頭にかかと落しでお返しだ!

爆発が収まってしまったらUCで猟兵達が逃げる時間を稼いでから飛んで逃げるぜ



 その二人は、余りに対照的だった。
 片や、大男。その体の殆どが機械化されており、そこに内蔵されたパワーアシスト機能が、両手持ちのハンマーを自在に振るう膂力まで与えている。
 片や、少女。全くの生身。服は軽装で、それ以外に目立った防具と言えば手甲のみ。携行する武器も、拳銃とナイフ位のものだ。
「はっ、大層な恰好してんじゃねぇか」
 だが先に相手を鼻で笑ったのは、少女――レテイシャ・マグナカルタ――の方だった。
「おら、かかってこいよ」
『貴っ様ァ……』
 レテイシャの挑発は、既に神経を昂らせていたサイバーレイダーを完全に怒らせるには十分なものだった。
 大気を震わす咆哮と共にオブリビオンが鉄槌を振りかぶる。
 攻撃の予備動作。それもパワーアシストに任せたこの上なく愚直な。
 その軌道も狙いもレテイシャには一瞬で読めるほどの。
 だが、動かない。
 振ってくる鉄の塊をレテイシャは微動だにせず真正面から見据える。
 刹那。
 ズシン、と周囲の廃墟を揺らし、重い音が響く。
 鋼鉄のハンマーがレテイシャの脳天に叩き付けられた。
 走り抜ける衝撃はレテイシャの踵をコンクリートの地面にめり込ませ、細かい亀裂すらも形成する。
 勝利を確信したオブリビオンだが――次の瞬間、言葉を失った。
「……そんな体になってまで」
 ぎり、とレテイシャが歯を食い縛りつつも、声を絞り出す。
 レテイシャの生まれつき持つ膨大な魔力。それが巨大な障壁として幾重にも展開され、攻撃を完全防御していたのだ。
「得た力はこんなもんかよ!」
 ビキリ、と音がしたかと思えば、ハンマーのヘッドの片面が、ガラガラと砕け散る。
「そんなんじゃ!」
 ざ、と。
 呆気に取られるオブリビオンを前にレテイシャは、周囲から魔力を消すと同時、コンクリートから力づくで片足を死を引き抜き、思い切り天へと振り上げる。
「――オレからは何一つ奪えねぇぜっ!!」
 渾身の踵落としが、今度はオブリビオンの脳天に叩き込まれた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ランボルト・フォード
ごきげんよう。パーティーにはサプライズがつきものだと思ってさ。
ま、喜んでくれているようで何よりだ

レイダー軍団に接近する時、不意打ち気味にUCを発動して急加速するよ。
銃剣付きのリニアライフルを逆手で持ちレイダー軍団は手早く辻斬りにしてあげよう。合体させる暇も与えずに各個撃破だ

そして僕が雑魚の処理をしている間の隙を突くようにボス格が攻撃してくるだろうがその前にリモート爆弾を仕掛けよう(脚部の装甲が開きそこからボトッと爆弾が落ちる)
起爆タイミングはボスがハンマーを振り、僕が回避した瞬間に。
煙が舞って捕捉が難しくなるでしょ

ハンマーを振り下ろした直後は隙が出来るだろうからそれを狙い急所に飛び蹴りを放つ



「ごきげんよう。パーティーにはサプライズがつきものだと思ってさ。ま、喜んでくれているようで何よりだ」
 もっとも、後片付けは大変だろうけど。そう言いたげな悠々とした様子で、ランボルト・フォードは燃え盛る広場を歩む。
 その前方からは、機械化レイダーの軍団が吶喊しながら駆けて来るのが見える。
 みるみる狭まる両者の距離。正面衝突と思われた、その時。
『Warning. Warning. The limiter has been released.――』
 不意打ち気味にランボルトの身体からそんな機械音声が響いた。
 レイダー軍団が驚く間もなく――ランボルトの体が変形を遂げる。かと思えば、噴煙を巻き上げ一気に加速。
 そのままレイダー達の横に抜ける寸前、逆手に持ったリニアライフルを、体に引き付けるようにして――薙ぐ。
『あひょ~~~~~!?』
『げひゃ!!』
 合体の隙も与えない、高速の辻斬り。
 戦場を翔ける蒼い風と化したランボルトは、レイダー軍団を翻弄するような動きを見せる。
「はっはっは、他愛無いね」
 ほぼほぼ機械化レイダーを片付けたランボルトだが――その横から、首領であるサイバーレイダーが迫っていた。
「おっと」
 ランボルトはぎゅんと旋回。オブリビオンに向き直る……と同時に、僅かに開いた胸元の装甲から、何かを地面に振り撒いた。
 ボトッと落下した何かにオブリビオンは気づかず、振り上げたハンマーを一閃。
 バックステップするランボルト。ハンマーが振り切られ、両者の間が土煙に覆われた瞬間。
 ドン! とオブリビオンの足元が爆ぜた。
 それは、リモート爆弾だった。視界が潰された瞬間を狙って起爆したのだ。
『うがァ……!』
 強烈な衝撃に思わずハンマーを取り落とし、地面へと屈み込むオブリビオン。
 だがそこへ土煙を割って何者かが突っ込んで来た。ランボルトだ。
 突進の勢いに電磁力も乗せ、思い切り地面を踏み切ったランボルトは、跳び蹴りをかます。
「おやすみ」
『ごっ!?』
 顔面に直撃。
 そのまま吹き飛ばされたオブリビオンは装甲を辺りに撒き散らしながら、燃え盛る瓦礫の山に背中から突っ込む。
 特殊タイヤの跡を刻まれた頭部をがくりと倒すと、その体は白い煙と化し、シュワシュワと消えていった。
 後に残された傷だらけの装甲だけが、揺れる炎に炙られていた。
「これでひとまず終わり、かな」
 度重なる攻撃の末、遂に『人狩り』の首魁は討ち取られた。
 それを見届けたランボルトは、ひとまず安堵の息を吐くのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 集団戦 『レイダー』

POW   :    レイダーズウェポン
【手に持ったチェーンソーや銃火器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レイダーバイク
自身の身長の2倍の【全長を持つ大型武装バイク】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    レイダーズデザイア
【危険薬物によって身体機能】を一時的に増強し、全ての能力を6倍にする。ただし、レベル秒後に1分間の昏睡状態に陥る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 『人狩り』の首領との戦いは、猟兵側の勝利に終わった。
 だが息をつく暇もなく、シティの奥から広場に向けて、数台の戦車が乗り込んで来た。
 停止するや、猟兵達に向けて砲塔を旋回させる。
『いたぞ、あそこだ!』
『や、奴等の首級を挙げねば俺達に明日は無い~!!』
 後続のバギーには大量のレイダー達。中には、少し派手なモヒカンを生やした小隊長らしいレイダーが、血相を変えて指示を飛ばしている様子も見える。
 そんなバギーの隙間を下っ端レイダー達のバイクが埋め、道を完全に塞いでしまった。

 予定通り猟兵達は振り返り、広場を走り出る。
 爆音の静まった大通りは、幾度か緩いカーブを描くだけの一本道。道幅もそこそこ。
 だが既に基地全体に砂煙が立ち込めつつある。
 この先を進むなら、道の左右からバイクやバギー、そして戦車に乗ったレイダー達がわらわらと追いかけて来るだろう。

 そんな彼等を蹴散らしながら進むために、猟兵達はあらかじめ移動手段を用意しておいた。
 たった今転送されてきたマシンに飛び乗る者。他の手段を用意した者。様々だ。
 遥か前方には、唯一の出口であるゲートが見える。
 殺気の漲り始めたシティからの、大脱出が始まった――。
雨宮・いつき
バギーや戦車もまだいくらか残っていたようですね…
ですが、統率を失った今となっては物の数ではありません

白虎を召喚して騎乗し、出口へ向かって駆け抜けます
当然向こうは逃すまいと追ってくるでしょうが…むしろその方が好都合
これ以上悪さが出来ないよう、脱出のついでに迎撃して破壊させてもらいますよ

乗り物の構造は爆弾を仕掛けに行った覚達から伺っていますから、
どこを狙えばいいのかは一目瞭然
バギーや大型バイクは燃料タンクを狙って炎の【属性攻撃】や雷撃符の雷を放って誘爆させ、
戦車は覗き窓やカメラを流体金属で覆って視界を奪い、
その隙に起爆符を動力に向かって一点集中で放って破壊します!


鞍馬・景正
さて、長居は無用。
このまま押し通ります。


脱出の足は我が愛馬。
急ぎ【騎乗】し、そのまま駆け出しましょう。

追手にはタイヤか操縦者を弓矢による【貫通攻撃】で貫き、排除を。

騎射ならば右側や後方は狙えぬ――と、その方角から迫る者たちには、馬手筋違による右方射、押捩による後方射でそれぞれ射抜かせて貰う。

戦車は流石に厄介ですが、【紅葉賀】による火矢を主砲などの砲門目掛けて狙い撃ち、砲弾を誘爆させてみましょうか。

そのまま振り切るまで【早業】で射掛け続けつつ、矢が尽きれば刀を抜いて【衝撃波】で薙ぎ払い。

もし他の猟兵が近くにいれば可能な範囲で援護と連携も惜しみなく。
共に戦った全員、無事に帰還致しましょう。


ラブリー・ラビットクロー
ぎゃ
モヒカン全部出てきたぞ
こんな事ならししょーから爆弾借りてこれば良かったかも
しょーがねーのん
おいマザー
あめりんちゃんと例のアレ送ってくれるかなぁ
【例のアレについて検索しますか?】



ねね。あめりん
出発の前にお願いがあるのん
逃げる用のマシンを転送する時ね?
これも一緒に送ってほしーなん
これ?これねー
らぶが今まで一緒に戦ってきた猟兵さん達の沢山のハリボテ達
猟兵がいきなり沢山現れたらアイツらもきっとびっくりなんな!



きた
あめりんからの転送だ
らぶたちもマシンに乗り込んで脱出なん
マザーちゃんとナビするんだぞ
【マシンに接続されました。自動運転を開始します】
いい子
追ってくるモヒカンはバットでぶっ飛ばしちゃえ


ランボルト・フォード
(気怠げかつ愉快げに振り返り無言で“来いよ”のジェスチャーをした後ビークルモードになり逃走)

さあカーチェイスの時間だ。
劣化ストームエキゾーストを放出し非物理的な鎧として車体に纏おう。機銃の弾丸程度ならこれで分解できるが戦車主砲はライフルで迎撃か回避しか無いね

逃げる途中人型に戻り跳躍して後ろに方向転換して、プラズマランチャーに先程車体に纏っていた波動を収束してフルバーストマキシマムを放つ。追っ手を焼くついでに、その反動で一気にゲートに向かうよ。

リアウィングを変形し好きな方向にガスを噴射させれば曲がり道にも対応できるしね。

チャオ、酒気帯びドライバークン!

ーー脱出後

さて。どっかに洗浄屋とかいないかな


レオンハルト・アウストラリス
明日が欲しかったら今すぐモヒカンやめて肩パッド外して人助けしろ!
そうすればきっと皆で生きていけるはずだ!

エンジンの掛かっているバイクに飛び乗る!
バイクなんて乗った事ないけど、これがアクセルにブレーキで…よし!一本道なら練習しなくても突っ切れるはずだ!
飛び出していく他の猟兵の操作を見て見様見真似で[騎乗]する

戦車砲を潜り抜け出口まで逃げるけど、レイダーが追いついてきたら逃走メインで戦闘するぞ!
シャクイス!UC[魔剣の担い手]の力で、この状況に有効な魔剣ってないか!?
できれば乗っているバイク強化するようなのか…逃げるための魔剣!
駄目ならそのままレイダーの乗り物を叩き切る!

【アドリブ大歓迎】


レテイシャ・マグナカルタ
アドリブ歓迎

オレ自身はまだこの街に残って戦う心算なんで殿で
適当に奪ったバイクで逃げつつ丁度いい無人の建築物を見つけたらバイクを後方に蹴り飛ばし、先頭のレイダーにぶつけるようにして飛ぶ
そのまま魔力を込めた全力のUCキックで建築物の基礎をぶち壊して倒壊させて道を塞ぐぜ
バイクと瓦礫の二段足止めの上に再び上空からのUCキックをレイダー共の真上から叩きこみ、まとめて吹き飛ばす!
その後はある程度まで暴れたら瓦礫を超えて出口の方へ飛んで逃げつつ、途中で裏道に逃げて隠れ家への帰還を目指すぜ

指名手配を受けていたり逆恨みされているので、その途中で別口に襲われたり追われたりと大暴れは続くがそれは別のお話



 白み始めたのは、薄明を迎えつつある東の空だけではない。
 基地中の空気を、砂煙が朧げに染めていた。
 あらゆる方向から響いて来る不快なエンジン音に、嘲る様な笑い声と、空に向けられた銃声が混ざる。
 騒ぎを聞きつけ、シティ中から集まって来たレイダー達の総攻撃。その前兆であった。
「ぎゃ」
 疾駆するレイダー達を見て、ラブリー・ラビットクローは悲鳴を切り詰めたような声を上げる。
「モヒカン全部出てきたぞ」
 ラブリーの呟きは、確かな実感を伴った感想だ。この数相手では爆発物が欲しくなる。あるいは、自らが師と仰ぐ人物なら用意していただろうか。
「しょーがねーのん。おいマザー」
 ラブリーは端末【ビッグマザー】へと呼びかける。
「あめりんちゃんと例のアレ送ってくれるかなぁ」
 あめりん。
【例のアレについて検索しますか?】
 首を捻ったラブリーの目の前に、どん! と。先ずはバギーとバイクが一台ずつ転送されて来る。
「バギーや戦車もまだいくらか残っていたようですね……」
 遥か後方の戦車隊を眺める雨宮・いつきは、改めてヴォーテックス一族の強大さを肌で感じ取る。
 特に危険な車両を優先的に排除していたいつきだが、限られた爆発物では、シティ全体をという訳にはいかなかった。
「ですが……」
 案の定と言うべきか、敵の動きは統率を欠いている。このような絶対優位下において、あの身勝手なレイダー達が統率など保てる筈が無いのだ。ならば脱出の目は充分にある。
「西方を司りし勇猛なる獣よ。その稲妻が如き牙を以って遍く障害を穿ち給え――」
 いつきの言葉に従うように、近くの物陰から霊獣「白虎」が姿を現す。
「宜しくお願いしますね」
 いつきがそっと顔を近づければ白虎は目を細め、喉を鳴らして答えてくれた。
『いたぞ、あそこだ~!!』
 その時、広場から出てきたレイダーの一団が、猟兵達の姿を捉える。
「さて、長居は無用。このまま押し通ります」
 弓弦の張りと、矢筒を確かめた鞍馬・景正は、レイダー達を一瞥すると ヒュイ、と口笛を吹いた。
 土煙の向こうからは軽く嘶きが帰り、続いて、蹄の音が近付いて来る。
 やがて姿を現したのは、愛馬『夙夜』であった。
 鬣を軽く撫でてやった後、鞍に跨り、颯爽と駆け出そうとした……丁度その時。景正の視界に、一台のバイクを引いて来る、レテイシャ・マグナカルタの姿が映り込む。
「レテイシャ殿、そのバイクは……」
 思わずいつきも白虎を制止し、レテイシャのバイクを見遣る。レイダー達の世紀末センスが露骨に反映された、トゲトゲジャラジャラした黒い装甲。明らかにその辺から奪って来たものだ。
「オレはまだこの街に残って戦う心算なんだ。だから、途中で脱落しても吃驚しないでくれよ」
 顔を見合わせる景正といつきだったが。
「……わかりました。でも無理はしないで下さい」
「おう!」
 二人の懸念を明るく振り払うように、レテイシャは笑う。
「バイクなんて乗った事無いけど……!」
 一方のレオンハルト・アウストラリスは、大型バイクは初めてだ。座席に飛び乗るも、見慣れない機器を前に、思わず目を白黒させてしまう。
 だが真っ先に横を抜けていくいつきと景正と、一瞬だけ視線が絡み合う。
「……そうか」
 元より一本道。前の猟兵を追えば良い。それに何かあっても、カバーしてくれる仲間がいる。
「これがアクセルにブレーキで……」
 見様見真似で機器を弄り回しているうちに、彼の意志に応えるように、バイクが始動の唸りを上げた。
「よし!」
 思わず快哉を叫ぶ。
「マザーちゃんとナビするんだぞ」
【マシンに接続されました。自動運転を開始します】
「いい子」
 ゆっくりとしたスタートを切るレオンハルトに随伴するように、接続を終えたラブリーのバギーも前進を始める。
『待て~!!』
 いよいよ間近に迫ったレイダー達の集団。その進路上に、ランボルト・フォードが立ち塞がる。
 全員の出発を見届け、ゆっくりと振り返る様子は、気怠げであった。それはあたかも、よく似た状況に慣れ切っているかのようだ。
 しかし同時に愉快気でもあった。片掌を上に向け、揃えた四つ指をくいと畳む。「来いよ」の意思表示。自信の表れである。
『貴様~! 舐めて……ガハッ!?』
 車上で武器を構えようとしたレイダー達に、汚染された噴煙混じりの波動が叩き付けられる。
 爽快さすら感じさせるエンジン音をその場に残し、スーパーカーに変形したランボルトの後ろ姿は、みるみるうちに豆粒と化していくのだった。


 出口へ向けて、猟兵達は猛スピードでひた走る。
『がははは!! このシティ直轄の軍事基地に潜入して、ただで帰れると思うな!!』
 ここは敵の本拠地。視界の横を駆け過ぎていくのは、ありえない数の近代兵器だ。バイクで追い縋るレイダー達はショットガンを、バギーは機銃を咆哮させてくる。
 右から左から後ろから。襲い掛かって来る無数の弾丸を最後尾で引き付けるのは、ランボルトだった。
「カーチェイスのつもりかい?」
 彼の汚染されたエンジンから放出される破壊エネルギーは、不定形の鎧となってランボルトを包み、降り注ぐ全ての銃弾を分解してしまう。
 ストームブレイドとしてこの世に存在する事は並大抵の事ではない。そしてそれはラブリーも同じ。
『あの青いマシンをチェーンソーでギタギタにしてやれ!』
「てい」
『あわらっ!?』
 レイダーの急迫にも一切の怯みを見せず、ラブリーが思い切りスイングしたバット『スカイハイ』は頭を直撃。身体ごと後方へのライナー弾と化す。
『あ、ホームラ……あひゃ~!!』
 油断したレイダー達のバイクを、レオンハルトの一閃が鉄屑と化した。
「明日が欲しかったら! 今すぐモヒカンやめて、肩パッド外して、人助けしろ!」
 救いようのないレイダー達に対しても、レオンハルトは諦めない。彼が振り下ろす魔剣シャクイスは敵のマシンのみを狙い、追い縋ろうとするレイダー達を次々脱落させていく。
「そうすればきっと皆で生きていけるはずだ!」
『うるせえ!! 人間なんざ知ったっこっちゃ……』
「ゴチャゴチャうるせえ!」
 他のレイダーがレオンハルトに急襲をかける。だがその隙間にバイクごとレテイシャがその身を割り込ませた。薙がれたチェーンソーはレテイシャの翳した片腕を直撃。だが直後に響いたのはゴリゴリと骨を削る音ではなく、回る刃がバキバキと刃毀れを起こす凄まじい音だった。
『ば、馬鹿……なろらっ!!』
 叩き込まれたレテイシャの裏拳に転倒するレイダーは後続と衝突し、そのまま団子になって後方へと飛んでいく。
 前方では脇道から押し掛けるレイダー達が道を塞ごうとするも、先行して道を切り開くいつきと景正を前に撃退されていた。景正の矢がマシンのタイヤを貫き、飛来するいつきの起爆符が燃料タンクを誘爆させていく。二人の迎撃を前に、レイダーは近寄る事を許されない。
 気付けば道も半ば。脱出は猟兵のぺースで進んでいる。
 だが、ガラガラと左前方の道端の廃墟が崩れたかと思えば、巨大な車両が道に乗り上げ、猟兵達の前に立ち塞がる。
 戦車が二台。
 だが、その出現を予期していた猟兵がいた。景正といつきだ。
『狙え~い!!』
 機械音と共に音を立てて旋回する戦車の砲塔。だがその照準が、どういう訳か定まらない。
『ど、どうした! 何も見えないぞ!』
 よく見れば戦車の覗き穴で、てらてら輝く何かが蠢いていた。
 白虎の操る液体金属による、視界潰しだ。
「『覚』達に伺いました。どこを狙えばいいのかを」
 式神達から乗り物の構造についての情報を得ていたいつきには、戦車の弱点が手に取るように分かる。
「これ以上悪さが出来ないよう、脱出のついでに破壊させてもらいますよ」
 風に乗せてふわりと符を舞わせれば、それら全てが戦車の動力へと貼り付き――爆ぜた。
「……」
 馬上の景正が、もう一台の戦車へと弓を構える。
 手の甲に浮かび上がるのは、羅刹の剛力を解放した証である、竜胆紋。
 流鏑馬の要領で、五人張りの剛弓を易々と引き絞り――放つ。
 真冬の凄風の如く響く弦打ちの音と共に、放たれた火矢は主砲へと突入。
 カッ!! と砲身の根元から光が迸ったかと思えば、戦車は大爆発を起こす。
 砲弾への誘爆を狙った火矢。素直な解だが、それだけにレイダー側に齎される破壊もまた速やかだ。
 いつきと景正の手で物言わぬ鉄塊と化した戦車の隙間を、後続の猟兵達が駆け過ぎる。
「きた」
 バギーの上でラブリーが天を仰ぐ。
 ほぼ同時に、ドォン! と遠くで戦車砲が轟いたかと思えば、何かの残骸が建物を越して猟兵達の側に落下する。
 それは、ハリボテだった。それもおそらくはラブリーお手製の、彼女が過去に共闘した、とある猟兵を模した、精巧な模写。
「つられてとーぜん。見たものは忘れないなん」
 街中に現れた沢山の偽物を前に、シティのあちこちで戦闘の音が響き始める。中には注意を呼び掛ける叫び声もあるが、その試みもますます混乱と同士討ちを増すばかりだ。
 それまで途切れなかったレイダー達の追跡が、明らかに鈍る。
「行けるか……!?」
 だいぶ運転にも慣れ、体のバランスを整える様にシャクイスをレオンハルトが担ぎ直した、その時。


「……いや、まだ終わっていませんね」
 最後の直線コースを目前にして、後方の音に景正が呟く。黒い排気ガスを巻き上げ、何者かの集団が猛追して来る。
 それは、巨大なバイクだった。全長3mを優に超える大型武装バイクの一団が、大量の排気ガスを噴き出しながら迫り始めたのだ。
『どうだ驚いたか~! これがヴォーテックス一族の誇る、モンスターバイク軍団だ~!!』
「先に行ってくれ」
「わかった!」
「りょーかいなん」
 新たに銃弾が降り注ぐ中、後翼のラブリーとレオンハルトがギアを上げる。
 ランボルトはビークルモードを解除。二人を守るように射線に飛び込むと同時に空中で体を捻り、方向転換。
 レイダー達が気付いた時、着地した足元から火花を上げるランボルトの巨体は、武装の塊と化していた。その中でも目立つのは、胸から突き出た排熱機構のようなもの。そこに先程まで纏っていた波動がプラズマとなって収斂していき――一本の光柱と化す。
 刹那、ランボルトが全武装を咆哮させた。
 様々な火器が巻き起こす爆発を浚うようにして巨大な光条が走り抜け、追跡隊の半数を焼き焦がす。
『うあっちゃ~~!?』
「チャオ、酒気帯びドライバークン!」
 攻撃の反動を利用してランボルトは急加速。リアウィングからガスを噴き出し曲り道をクリアしたかと思えば、一気に猟兵達の先頭へ踊り出る。
 咳き込みながらも追い縋ろうとするレイダー。その先陣が硝煙を抜けた瞬間。目と鼻の先に、ヴォーテックス印のバイクがあった。
『おん?』
 次の瞬間、顔面に鉄塊を受けレイダーが仰け反り倒れる。レテイシャが、自分の乗っていたバイクを、蹴り飛ばしたのだ。
『バカめ、自分で足を潰しやがって!!』
 急迫するレイダー達を尻目に、レテイシャはたたたと道端に駆け寄ると。
「……砕け散りやがれっ!」
 その身に宿る魔力を右足に集中させ、渾身の蹴りを放った。
 近くの廃墟の、基礎部分に。
 ズシン、と腹に響く音。続いて廃墟がゆっくりと傾き――道を塞ぐように倒壊。
『うおお!!』
 轟音。上がる砂煙にレテイシャが突っ込んだかと思えば、再び地形を抉り抜くような音が響いて来る。
「かかってきやがれ!」
『やっちまえ~!!』
 道の真ん中で大暴れを始めるレテイシャ。集結してくるレイダー達を、景正の矢といつきの符が次々減らしていく。
『右だ! 右から狙え!』
 響く怒声と共に、レテイシャを支援する二人を狙い、右の脇道から増援が現れた。
 だが景正は何の苦も無く振り向く。
『へっ?』
 同時に夙夜の頭を越して、大弓が現れた。
 驚くレイダーの眉間に、かつん、と矢が突き立つ。
『ば、馬鹿な……!!』
 馬手筋違。今は絶えた筈の射撃法の使い手が、レイダー達の前に立ち塞がる。
「……っ!」
『わひゃ~!?』
 隣でいつきが符を放っていた。尾を引く雷撃と燃え盛る炎が、バイクの機関部で炸裂し、的確にレイダー達を吹き飛ばしていく。
 煙の晴れたいつきの視界に、レテイシャが脇道へと駆け去る様子が映る。だがそれも一瞬の事。
「レテイシャさん、ご無事で……!」
 ぐん、と白虎が地面を蹴れば、いつきの視界は目前に迫った出口へと向けられる。
 ゲート前では最終防衛線とばかりにレイダー達が詰めかけて通せんぼしていたが、その壁も超音速で疾駆して来たランボルトにあっさり破られた。
『あ、くそ! これ以上通してなるものか!』
『ふざけたデコイなんか配置しやがって~!』
「シャクイス!!」
 疾駆するバイクの上で、レオンハルトは魔剣を構える。
 目まぐるしく変わる戦局において、有効なユーベルコードを選び取るのは、容易な事では無かった。
 故にその選択を、レオンハルトは悩んだ末に、自身の相棒へと託す。
「頼むぞ!」
 言葉と同時に魔剣が炎に包まれ、その長さを大きく、大きく増す。
 第二の魔剣――またの名を、クリムゾンバスター。
 真一文字に引き絞った燃える剣を、レオンハルトは掛け声と共に、思い切りスイングする。
「クリムゾンッ……バスタァァァァァァ!!!!」
『あっちぃぃぃぃぃぃ!!!』
 刹那、浴びせられたのは、炎の斬撃。発生する烈火の海を前にレイダー達は散り散りとなる。
「よいせ」
『ごっ!?』
 咄嗟に進路上の火を消して道を作り、ゲート外へと抜けるレオンハルト。ラブリーも援護とばかりにレイダーの一人をバットで殴り倒し、荒野へと駆け去る。
 追い付いた景正といつきもまた、周辺で悶えるレイダー達を尻目に、悠々と門を潜ったのだった。


 荒野へ出て無心で駆ける事、数分。
 猟兵達が振り返れば、遠く離れたヴォーテックス・シティの基地には、幾条もの黒煙が上がっていた。
【敵性存在の射程圏外です】
「でかしたマザー」
 バギーの座席でラブリーが頷く。基地内では未だに混乱が続いているのか、追って来る者は居ない。
 手筈通り猟兵達は脱出に成功。『人狩り』の首魁を討ち取る事も出来た。
「敵も暫くは動きを見せますまい。人手に車両……損害は少なくない筈」
「そう。ガソリンもね……そういえば洗浄もしないと」
 汗一つかいていない愛馬『夙夜』を労わる様に、景正は鬣を撫でてやる。一方、その隣のランボルトの体は、潜入の際に塗布した血糊に塗れていた。速やかに洗い落とす必要があるだろう。
 ふと、いつきが落ち着かない様子を見せる。
「? どーした、いつき」
「いえ、レテイシャさん、大丈夫かな、と」
「ああ……」
 シティの何処かに、脱出途中で姿を消したレテイシャが居る。
 今は隠れ家に潜伏しているのかも知れないし、途中でレイダー達に見つかって大暴れしているのかも知れない。いずれにせよ、それはまた別の話だ。
「……大丈夫さ。あの人は、強いんだ」
 レオンハルトは担いでいた魔剣を地上に突き刺し、仲間と共にシティを見遣った。
 時間と共に昇る暁が、立ち昇る黒煙を黄金色に染め上げていく。
 シティの広範囲で見る事が出来るその光景は、レイダー達を絶望へと追いやる反逆の狼煙に他ならない。
 そして他の誰でもない、猟兵達の手によって、その火種は焼べられたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月24日


挿絵イラスト