5

鬼さんビキニを着てくれろぉー！

作者：ナイン高橋

　●予兆
　その日2019年2月3日、サムライエンパイアのとある町にて、事件は発生した！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「きゃーっ！！！」
　響き渡る女性の悲鳴。
「なんやなんや！」
「どないした！」
　がやがやと集まる野次馬たち。
　そこには女性がひとりうずくまっていた。
「お嬢ちゃん、どないした？ってかその格好は」
「みるなーっ」
　その若い女性は虎柄の上下の下着のような恰好をしていたのだ。
　猟兵たちが見れば虎柄ビキニ水着と認識できる服装だが、あいにくサムライエンパイアの世界ではこのような服装は大変破廉恥。
　和服しか着ていない若い女性たちがこのような刺激的な見た目になっている様子をみて周囲の男衆は鼻の下を伸ばしてしまっている。
「こいつぁ助けないといけないな、うむ！」
　イケメン武士が（鼻を抑えながら）女性に羽織りをかけて助けると、なんかいい雰囲気になってとりあえず小屋に退避していった。
　なんだ、これリア充か。
　しかし事件はそれだけではなかった。
「きゃーっ！！」
「おい！こっちもだぞ！」
「いやあっちもそっちもだ！」
「「「こいつぁ助けないといけないな、うむ！」」」
　町の至るところで上がる悲鳴と、あわよくばリアル充実したい男衆と、単純に素敵な格好の女性を見たい男衆とが、駆けまわる！
　その日、サムライエンパイアのとある町では、阿鼻叫喚の熱狂の渦が巻き起こっていた。

●グリモアベース
「という事件が起こっています」
　羅刹の角を頭巾から覗かせた少女……朝倉・くしな（鬼道僧・f06448）は君たちを迎える。
「なんでも突然現れた鬼たちが薬をかけると、その人の服装が虎柄上下ビキニになってしまうそうです」
　しかもこの薬、猟兵にも効果がある。
　なお呪術的なもので、着ている服や持っているアイテムが無くなる訳ではないらしく、特殊な技能はそのまま使えるし、時間経過で元に戻るそうだ。
　ただし猟兵であっても、この薬によって変化した虎柄ビキニを着ている事はサムライエンパイアの住人にも好機な目で見られてしまう。
「何を思ってこんな事をしているのかは不明ですが、これは明らかにオブリビオンの仕業です」
　今の所人命に関わっておらず、なんか町の男衆には嬉しいことが起きているが、一体どんな事態に繋がるのか分からない。放っておいていいと言う訳にはいかないだろう。
「この事件を解決できるのは皆さんだけです。なんか、色々大変そうですが、よろしくお願いします」
　そしてくしなは猟兵たちを送り出すのだった。
「全く、ビキニなんて窮屈な服を着せらたら困りますよね。もっと解放感がないと」

第1章 冒険 『鬼のビキニを美女に着せたいんじゃぁ！！』

POW   :    肉体言語で語り合おう SPD   :    薬かけられた人を急いで避難させよう。もしくは鬼から薬奪ってしまおう WIZ   :    鬼達に別のファッションを静かに語り、熱く議論しよう 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

●
「虎柄ビキニねぇ。また変なものを流行らせたがってるのね」
　サムライエンパイアの町にテレポートした緋神・美麗（白翼極光砲・f01866）は今回の事件のあらましを思い返している。
「まぁ、被害としては大したことないけどオブリビオンなのも迷惑なのもは違いないし、さっさと排除しましょうか」
　そこへ響き渡る女性の悲鳴。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「きゃーっ！！」
「そこの鬼、悪行はここまでよ！」
　目の間には虎柄ビキニ姿でうずくまる女性。そして何やらひょうたんを持つ鬼が２匹。
　現行犯だ！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　美麗を認識した鬼はその目麗しい天使の如き容貌を見て、虎柄ビキニにしようと薬を噴きかけてくる。
「遅い！」
　しかし美麗は薬がその身にかかる事など一切気にせず一気に間合いを詰めると、ライトニングセイバーで鬼を叩き伏せて薬を没収する。
「ぐきゃー！！！」
「おぉ！なんやあのねぇちゃんすごいやないかい！」
　周りにいる野次馬男衆は美麗の捕り物に大注目！
　なにせ、お嬢様学校のセーラー服から一変、上下とも下着姿とも言えるような虎柄ビキニになったことで眩しい白い肌、若々しい張りと１４歳にしては大変よいスタイルが脈動しているのだ。
　見逃せるはずもない！
「そっちも逃がさないわよ！」
　男衆の好色の視線や歓声を感じつつも、自身の容姿やスタイルの良さも自覚しているので気にしないとは言えないまでも平然と受け流し、残ったもう１匹の鬼にもサイコキネシスで抑え込み同様に薬を没収する。
「いやーいいもん見れたな。眼福眼福」
「あんな格好で大胆に動くんやもんな」
　捕り物が終わったことでがやがやと去っていく野次馬と、拝んでいく男衆とが別れていく。
「あの、ありがとうございます」
「困ってる人が見過ごせないのよ」
　そんな中、先ほど鬼に薬をかけられ、虎柄ビキニに変えられてしまった若い女性が美麗にお礼をいいに来る。
　堂々と受け答えする美麗に対し、女性は前かがみになって胸元を隠しながらだ。
　そう、その娘は、年の頃は美麗と同じ位のように見えたが、巨乳だった。
「……しかし、もうちょい胸が豊かやったらほんま最高やったな」
　ぽつりと聞こえた男衆の声。
「そこ、喧しいわ！」
「うおー！おたすけー！」
　激怒した美麗がサイコキネシスを乱舞する次なる事件が発生し、まだまだ世間を騒がす鬼の集束には遠そうだった。　

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「ふむ……服装一つでそこまでの混乱が起きるのですか」
　ミレナリィドールのナズヴィ・ピャー（不忠犬ナズ公・f03881）は虎柄ビキニ姿でサムライエンパイアの街で上がる悲鳴と騒ぎを遠くに聞きながら町中を歩いている。
「当機にはよくわかりませんが、重要な何かがあるのでしょう」
　普段から履いていない上に全く気にしてもいないタイプのナズヴィとサムライエンパイアの女性たちでは服装に対する認識に差があるようだった。
「ビキニ鬼は……精神的にはアレですが、物理的には被害がなさげなので後回し」
　悲鳴の聞こえる場所にまっすぐ向かうよりも前にナズヴィはやることを決めた。
「とりあえず、ビキニの人を避難させるスペースを確保でもしましょうか」
　そしてナズヴィは目についたそこらへんの家とか店に事情を話して協力要請をすることにした。
「妖怪の仕業で破廉恥というか…奇抜な格好にされてしまった方を一時匿って欲しいとかナントカカントカウンヌンカンヌン」
「そいつぁ大変やな。よっしゃ、まかしとき！」
　なんか若干ナズヴィの格好みてムフフな顔をしているような気がする店主だが気にしてはいけない！
「後は覗き対策で衝立設置とか窓にカーテンっぽいものを用意します」
　こう表現するとナズヴィがテキパキと店の中をセッティングしていく事でなんか如何わしさがアップしている気がするが気にしてはいけない！
「こんなものでしょうか」
「おう！あんがとよお嬢ちゃん！あとは任せとき！」
　虎柄ビキニの女性がイケメン武士とかに誘導されながら避難所に駆け込めるようになった様子を見て、ナズヴィは達成感を感じ取っていた。
　とそこへ。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　件の鬼が現れる！
　そして周辺の若い女性を目掛けて薬を吹きかけそうとする！
「流石に薬（意味深）を使おうとしていたら対処しますか……」
　特殊な魔導蒸気管を作動させてユーベルコード：摩擦低減管を発動。
　鬼の摩擦抵抗を極限まで減らしてしまう。
　薬を吹きかけようとした鬼は踏ん張りがきかずに滑ってころりん。
　敢え無くナズヴィに薬を入れたひょうたんを没収されてしまったのであった。
「ふぅ。当機がオブリビオンの思惑になど乗るわけがないのです」
　堂々というナズヴィだが、実は登場した時点で既に虎柄ビキニ姿にずっと変わっていたのは気付いていなかったようだ……。

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　サムライエンパイアの町で発見した鬼。
　その鬼はひょうたんの中にある薬を若い女性に吹きかけては虎柄ビキニ姿に変えていたのだった。
「薬寄越して、っていうか寄越せ薬」
　テレポートしてきたフロッシュ・フェローチェス（疾咬の神速者・f04767）はそんな鬼を早速捕捉すると罵詈雑言な口調せ迫る。
「ききー！」
　フロッシュの圧に気おされたのか鬼は身軽に逃げ出しサムライエンパイアの町並みを飛び跳ねっていく。
「……そんなもん奪い取って捨ててやる……！」
　しかし逃げるのであれば好都合とばかりにダッシュして鬼を追いかけるフロッシュ。
　己の速度にものを言わせ薬を奪い取る事を選択したのだ。
　フロッシュは町中だろうが関係なく自分の背面に対して衝撃波を放つことでで加速しつつ一気に迫る！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　鬼は予想以上のスピードで迫るフロッシュを見て慌てて距離を取ろうと走る走る！
　直線では不利と思った鬼は横道に反れ、家が連なり煩雑な道を作っている町道へ逃げる。
「甘ぇんだよ」
　しかしフロッシュもまたアクロバットなコースは得意分野だった。
　三角跳びやパルクールなどで地形の利用によるショートカットを見せ、鬼に肉薄する。
「ききー！」
　鬼は迫るフロッシュに最後の抵抗とばかりにひょうたんから薬を散布。
「んなもん当たるかよ。お前にとっての刹那の間は、アタシにとっては酷く遅いから」
　ユーベルコード：廻砲『P・X』を使い、超加速。
　鬼が狙ったフロッシュは残像だった。
　そのままフェイントからの早業でフロッシュは鬼から薬を奪取。
「ったく、こんな薬、使わせてたまるかっての」
　奪ったひょうたんを片手で放りながら鬼を足蹴にするフロッシュ。
　あ、鬼悦んでる？
「さて、これで虎柄ビキニ姿になる人はいなく……」
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　しかしそこに第２の鬼が出現！
　気を抜いていたフロッシュの全身に薬は散布される！
「うっ……？あ――わ、わああぁ！？こ、こ、こんな……恰好……！？」
　一瞬にしてフロッシュの姿が虎柄ビキニ姿に変貌。特にその豊満な胸がビキニの中で揺れ動く。
「おおー！いいねぇねぇちゃん！ナイス走りやで！」
　派手に追走劇を繰り広げていたため、その周囲には野次馬も当然大勢集まっていた。
「……くそっ、以前の脱衣騒ぎよりはマシだ！寧ろもう危機は何もない、全力で蹴って奪う！」
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　素早く反転して逃げ出す鬼。
「あ、てめぇ逃げるな！……って、なんでこれじゃっかんサイズが大きいんだよ！」
　激しく動くと零れそうになる虎柄ビキニを手で何度も直しながら行った激しい追走劇は、サムライエンパイアの男衆の注目の的だったらしい。

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「彼奴ら、女子がキャーとかイヤーンとか嬌声を上げるとこを喜んどるわけじゃろ？」
　サムライエンパイアの町に転移してきた神羅・アマミ（凡テ一太刀ニテ征ク・f00889）は町のそこかしこで巻き起こっている虎柄ビキニ騒動の様子を聞いてそのように判断した。
「だから、妾はビキニ姿にさせられても絶対に恥じ入ったりはせん！」
　両足を肩幅に広げ、堂々を胸を張って宣言するアマミ！

　※なお、既に虎柄ビキニ姿。

　アマミは転移してきてすぐに鬼に出くわし、薬を吹きかけられてしまっていたのだった。
　そして実はそれなりに羞恥があって、プルプル震えるし顔真っ赤、照れ隠しの笑みを浮かべて必死に余裕があるように見せかけているのだ。
「妾のこの姿は武者震いする般若が如き様相！これが鬼たちへの威嚇になるのじゃ！」
　真っ赤で泣きそうな顔でプルプルしてるちみっこがなんか言ってる！
「ところでその薬って浴びると誰でもビキニになるっちゃぜ？」
　唐突に何故か語尾が「～っちゃぜ」になって思案するアマミ。※虎柄ビキニ姿
「追い立ててる間にバラ撒かれて鬼自身はもとよりオッサンや婆さんまで変身したりしないっちゃぜ？」
　町を飛び回る鬼とその腰にあるひょうたんの薬を視界に入れる。
　ほう、気付いてしまったようですね、アマミさん。世界の真理に。
「なん、ちゃぜ……！」
　しかしナレーションから答えをいう訳には、いかないのだ……。
「そうちゃぜか」
　ならば！とアマミは和傘の代わりに鬼棍棒になってた武器を地面に突き刺し、ユーベルコード：『特機』を発動！
「とくと見やれ、ガラクタより組み上げし妾の華麗なる剣舞！せめて一思いに骸の海の藻屑へと還してやろうっちゃぜ！死ねーッッ！！ちゃぜ」
　小回りの効くビットで数には数で対抗する。総勢２２体のソードビットが鬼を、そして鬼の薬を狙い撃つ！
「ちゃぜーーーっ！！！」
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　空中で爆発し、散布される鬼の薬。
　当然鬼や周囲にいた野次馬の女性や男衆や奥様方も浴びる浴びる浴びる！
　そして一体に広がる、虎柄と肌色。あがる野太い悲鳴。殴られる男衆。虎柄、えぇんやない！？って会話が始まる奥様方。
　アマミの予想通り、この薬、どうやら老若男女全く問わず、虎柄ビキニ姿に変えてしまう恐ろしい薬だったらしい。
「大惨事っちゃぜ……自分の行動には責任を持つっちゃぜ！」
　確かこの依頼、阿鼻叫喚の熱狂の渦をどうにかするのが依頼内容じゃなかったっけ……？
「ちゃぜ☆」

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「変な事を考える敵もおるもんじゃのぅ。まぁ、見過ごす訳にもいかんし、サクっと退治じゃな」
　サムライエンパイアの町で巻き起こっている騒ぎを知り、ベネトナシュ・ラズリ（小さき妖剣豪・f12342）は一人呟く。
「一応囮っぽく闊歩して鬼を誘い出そうかのぅ」
　齢八十目前ながらもベネトナシュの種族はエルフ。長命の種族故に外見は10歳程度だ。若い女性を狙う鬼が標的にしてくる可能性は十分にあるだろう。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　ほら来た！直ぐ来た！2匹来た！
　屋根から突然現れた鬼はひょうたんから薬を噴出！虎柄ビキニに変化させる薬がベネトナシュの元へと一直線に放たれる！
「ふん」
　しかしベネトナシュはあえて薬を被りつつ薬を振りかける体勢のまま隙だらけの鬼の片方をぶっ飛ばす。
　一瞬にして和服姿は際どい虎柄ビキニ姿に代わり、焦茶色の肌が大衆に晒される。
「見れて満足か？なら、薬を寄越せ」
　見た目は10歳。自身も気にしている低身長だが、その胸の大きさとスタイルはただの10歳と思えるものではない。そんなベネトナシュが鬼を吹っ飛ばしひょうたんを奪取したからには周りの男衆の野次も熱くなる。
「ひゅー！お嬢ちゃん！ちっこいのにすごいやないか！」
（別にビキニ姿見られても気にせんのじゃ。寧ろ見たい者には、存分に見せてやるのじゃ）
　男衆の目を他の娘から逸らせるかもしれんからの。とむしろ堂々とするベネトナシュ。
　だが周囲の熱さの中でこっそりと逃げ出すものがいた。
　そう、もう一匹の鬼だ。
「ふん。逃がさぬわ」
　その身軽な動きで飛び回られたら面倒と、ユーベルコード：妖剣解放を発動。妖刀の怨念を纏って高速移動。斬撃による衝撃波を放って一瞬で鬼を制圧してしまった。
「下らん事にわしの寿命使わせたんだ、相応の覚悟はできてるんだろうな？」
　ひょうたんを没収したベネトナシュは鬼を足蹴にして凄みをきかせるのだった。
（しかし外見10歳児のわしのビキニ姿を鼻の下伸ばして見る輩がなんでこんなに多いんじゃ……）

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「く、ふふ。鬼さんビキニ、実に愛らしいですよね大好きです」
　真昼間、虎柄ビキニ騒動で騒がしいサムライエンパイアの町に怪しい人影が闊歩していた。
　明智・珠稀（和吸血鬼、妖刀添え・f00992）だ。
　ただ町中を歩くだけでも分かる優雅な身のこなし。妖艶な眼差しと、甘いマスク。
　サムライエンパイアの町並みの中で異質を誇るスタイシッシュさだが、和装であるが故にマッチする装束。
　騒ぎを一目見ようと外に出ているサムライエンパイアの住人にちらりと送る流し目。
　黙って歩くその姿はまさに妖艶美青年と言う言葉がしっくりと来る。
「く、ふふ……ふふふ……ぜひともその薬を手中に納めたい……！出来ればバニーガールの服装になる薬はないものか問い詰めたい……！」
　だが残念ながら紛うことなき変態だった。
　世間が賑わうのはいいが、こういう変態も外を自由に歩き出してしまうのは治安の問題的に変態由々しき問題であろうと思われる。
「何はともあれ、たまちゃんはりきっちゃいます♥️」
　空を跳ねる鬼を視認した珠稀はきゅるんって音が聞こえそうな感じで両手を顔の前に持ってきて片足で跳ねて、鬼を追っかけることにした。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　そして次のコマでは一瞬で鬼の背後に忍び寄って耳にふって息を吹きかける珠稀。
　本能で変態を感じた鬼さんは脱兎の如く逃げ出すしかない！
「沢山の鬼さんがいるようですし、手数は多い方がいいですよね。いでよ、もう一人の私……！」
　鬼さんの背後にぴったり付きながら追いかけまわす珠稀は自身のユーベルコードを発動する。
　すると、鬼を挟んで反対側に人影が形成されていく。
「「く、ふふ。どちらがお好みですか…！？」」
　そしてそこにいたのはなんと【女体化した明智珠稀】だった。
　元々中世的な顔立ちと細身の体型の珠稀だが、女体化したらボンキュッボンで美人さんまっしぐら！
「「さぁ、二人がかりで鬼さん追いかけ祭です、ふふ……！」」
　しかしやっぱり変態だった！むしろ変態×２だった！両耳にふって息を吹きかけられた！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　二倍に増えた変態から必死に逃げる鬼さん！
　男明智は妖刀を奮い、女明智は黒革の鞭をびしばししながら鬼さんを追い詰めていく！
　ちょっと掠る感じに何度も当たって鬼さんは涙目で逃げ続けるが、背後に迫る変態の恐怖に足を滑らせつまずいてしまう……！
「「さぁ、お薬をお渡しください……！」」
　美形と美人の変態に詰め寄られる鬼さん。絶体絶命のピンチ！
「お、鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　鬼さんの悲鳴は空しくサムライエンパイアの町並みに消えていく……。
　かと思われたその時！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　仲間を救うべく颯爽と現れる鬼さん２号！
　ひょうたんの薬をこれでもかを爆散布して男明智と女明智にぶちまける！
「「うひゃあ！」」
　思わず顔を庇った二人の姿は、一瞬にして虎柄V字水着に変わっていた。
「「あ、あぁ……」」
　男明智と女明智は鏡合わせのように左右で互いに変り果てた衣服を見て、両腕を抱き、震える。
　やっぱり、変態でも虎柄V字は……。
「「この布地の少なさ……！興奮します……！」」
　ダメだったか頭が！男女共に恍惚の表情を浮かべちゃってるよ！
「「素晴らしい！素晴らしいです！是非ともその薬、頂戴いたします！！」」
　そして妖刀と黒革の鞭でそれぞれ１匹ずつ、薬を強奪する変態がここにいたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「人死よりはましですが、望まぬ女性の肌を晒させるとはいただけませんね。お仕置きです」
　メイド服のような衣装を着てサムライエンパイアにテレポートしてきた月宮・ユイ（終焉に抗いしモノ・f02933）は事件のあらましを聞いて、事前に大きな布を用意してからやってきていた。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「きゃーーー！！！」
　そこへ響き渡る女性の悲鳴。
　かけつけたユイが見たのは、虎柄ビキニ姿でうずくまる女性と、野次馬男衆。
　どうやら鬼は既に去ったあとのようだ。
「これで大丈夫。落ち着いて、ね」
　恥ずかしさから動揺している女性に布を掛け、優しさを見せつつ落ち着かせるユイ。
「……あ、ありがとうございます。お姉さま！」
　若い女性は恥ずかしさとはなんかちょっと違う感じに赤くなってユイを見つめる。
（助けた娘の態度が変、気のせいかしら？）
　気のせいではないかもしれません。周囲の男衆もこれは……！と期待のまなざしを向けている気がする！
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「くっ、まだいたのか」　
　しかしそこへ鬼が再び襲来する！ユイの姿を確認した鬼はひょうたんから薬を放出。鬼さんビキニ化を狙う！
「遅いわよ」
　しかしユイは冷静に鬼の攻撃を見切って薬を避け、鞭を奮うと鬼の手首に巻き付ける。
　そのまま細い身体に似合わぬ怪力とロープワークで鬼を引き寄せで一気に拘束。
　豪快にグラップルで掴み技を仕掛けたかと思うと、鬼を踏み押さえつけてひょうたんに入った薬を回収してしまった。
「ふぅ、油断も隙もあったものじゃないわね」
「おー！やるやないかお嬢ちゃん！」
「素敵です！お姉さま！」
　周囲の野次馬やビキニ姿の女性もユイの華麗な捕り物に賛美を送る。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「なっ、まだ新手が！」
　そこへ２匹目の鬼が襲来！放出されるひょうたんの薬！
　次も避けようとしたユイだったが。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー」
「くっ、放せ」
　足蹴にしていた鬼に足を掴まれ敢え無く失敗。
　かなり貴和どり虎柄ビキニ姿へと変貌してしまったのだった。
「ほほーぅ。こらまたえらいもんやな」
「素敵です！お姉さま！」
　下腹部にある紅のハートと天使羽、仙骨にある蒼い十字架と悪魔羽の紋と虎柄ビキニ姿がユイのスタイルのよさをさらに際立たせていた。
「私は服を変えられても動揺なんてしないわよ」
　恥ずかしさ耐性でなんとかしようとするものの頬が若干赤い。ロープワークにグラップルなんて豪快な捕り物をした事もあって見物客はかなり多くなっていたのだ。
　恥ずかしさ紛れに足元の鬼を足蹴にしたあと、逃げ出そうとしている鬼を確認するとユイはユーベルコードを発動する。
「転…！」
　逃げ出そうとしていた鬼のすぐ後ろに短距離転移し、不意を突くように接近暗殺攻撃で鬼を鎮めて薬を回収。
「ええでぇ！お嬢ちゃん！眼福やったわぁ！」
「素敵です！お姉さま！」
　転移移動と一瞬の暗殺攻撃だったはずが周りの男衆はその一挙手一投足を全て目に焼き付けたという。
　あとユイはそこの後、追っかけてくる女の子をどうにか蒔いといてくださいね！

大成功 🔵​🔵​🔵​

第2章 集団戦 『餓鬼』

POW   :    共喰い 戦闘中に食べた【弱った仲間の身体の一部】の量と質に応じて【自身の傷が癒え】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。 SPD   :    飢餓の極地 【究極の飢餓状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。 WIZ   :    満たされぬ満腹感 予め【腹を空かせておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●
　町を騒がす鬼たちだが、なんとサムライエンパイアの住人によって、対処法が発見された！
　豆をぶつけてしまえば、鬼は落ちた豆をひたすら拾ってしまうらしい。
　これで一か所に誘導できる！武士たちの決死の誘導作戦が始まった。
　しかしこれはもろ刃の剣。
　例え虎柄ビキニ姿にするしかしてこなくてもこの鬼は立派なオブリビオン。
　住人たちがいつ襲われるか分からない。
　猟兵たちよ。集まっている鬼たちを退治してくれ！

　あと鬼も流石に豆より戦闘を優先するのであしからず！
　あと全ての攻撃にデフォルトで「虎柄ビキニ姿に変化する薬」が付属してくるのであしからず！
　あとこの捕り物はやっぱり野次馬が一杯いるのであしからず！


●
「オッサンがビキニ姿で逃げ回る姿を見てしまった今、最早妾の羞恥心など知れたものっちゃぜ」
　なおオッサンがビキニ姿になった事件の戦犯は神羅・アマミ（凡テ一太刀ニテ征ク・f00889）さんです。
「そして住人たちの涙ぐましい援護……妾の盾キャラとしての使命感が燃え上がってきたっちゃぜーッ！！」
　武士たちが豆をぶつけては鬼たちが誘導されていくのをみて、アマミはテンションをあげていく！
「武士の心意気と覚悟を受け止め、敬意と共に保護対象ではなくあくまで戦力の一つと数えさせていただく」
　いつになく真剣な顔で豆まきしてる武士たちへと声をかける。
「サムライエンパイアの魂見たり！真の英雄はお前たちっちゃぜ！」
　全力のサムズアップとウィンクで武士にエールを送るアマミ。
「お嬢ちゃん、そないな格好はもうちぃと恥じらいをもっとったほうがえぇで？」
　だがサムライエンパイアの住人から虎柄ビキニ姿で意気込んでる少女は言葉よりも姿格好を先に心配されてしまった！
　ちゃぜって語尾がついてるってことはまぁつまり登場時から虎柄ビキニ姿だったってことだよね！
「ちゃぜーーーっ！！！妾がなんか相手にされてないちゃぜ！」
　しかしそこでアマミの眼光が鋭く光る！
　その視線の先にいるのは武士と、鬼。
　武士と鬼の間合いを見極め、接近しすぎた者から遠ざけるよう鬼へ身体ごとぶつかっていく。
「ぬしよ！危ないちゃぜ！」
　自らの傷を厭わない行為がこれ即ちユーベルコード：『緞帳』の発動に繋がる！
―――ひょい。
「ちゃぜ？」
　ぶつかって遠ざけようとした武士は身軽にその場を後退した。
　その顔はなんでいるの？だった。
「嬢ちゃん、あぶないでっ！」
「ちゃぜぷしっ！？」
　さらにアマミの顔にぶつかる豆。
　後方で支援していた武士が、接近していた前衛の武士に誘われた鬼を狙撃しようとしていた布陣だったらしい。
　つまり、アマミのいる場所にはちょうど誘われた鬼が来ることに。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「ちゃぜーーーーっ！！！」
　豆まみれになったアマミを中心に鬼が殺到する。
　さらに間の悪い事に鬼たちの塊だと思ったのかそこかしこの住人からアマミに向かって豆が乱打！
　鬼が一気に（アマミごと）囲い込まれていく。
　そして豆を食べたり押しつぶされたり共食いしたりで密集しすぎた鬼たちは自滅していってしまっているようだ。
「ちゃ、酷い目にあっちゃったちゃぜ」
　ユーベルコード：緞帳（ドンチョウ）で身体能力を向上させていたアマミは何とか鬼の塊から四つん這いで抜け出し、深いため息をついたのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

●
「こんな対処法があったのね。集まった鬼達を退治すれば事態は治まるのかしら」
　既に薬の効果は切れたようで、月宮・ユイ（死ヲ喰ラウモノ・f02933）はいつものメイド服っぽい格好で鬼が誘導された場所に参上した。
　どうやらユイを追いかけてきそうだったあの虎柄ビキニ姿の女の子はいないようだ。よかった。ちゃんと撒いてくれたらしい。
「え、助けた娘なら満足？したら、ちゃんと避難してくれてるわ」
　ちゃんと避難所に連れ込んでいってって、あぁもしかしてある猟兵さんが用意した仕切りや衝立とかカーテンとかで区切られてる休憩所に……。
「なんであんなに上手……あ、いや、何でもないわ。さっさと片付けて事態を解決しましょ」
　はい。なんでもありません。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「てい」
　豆に気を取られている鬼を鞭から変形させた連結剣型：星剣と秘匿兵装からナイフを両手に近中距離で立ち回る。
　先の騒動と戦闘中でも情報収集を行い、敵の動きを学習し、見切って対処していく。
「破壊の火…」
　さらに倒した鬼の死体はしっかりとユーベルコード：破壊の理（ブレイカー）で燃やし尽くして徹底的な破壊を行う。
「共喰いで強化されたり無差別に暴れられたら困るからね」
　学習した情報が無駄になるし一般人もいるのだ。冷静な判断だろう。
　しかし死体処理と戦闘を並列でこなすのは至難の業。
　燃やしている間に鬼に狙われてしまうユイだった。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
「くっ、甘いっ！」
　ぺし！と鬼の眉間に豆をぶつけ、隙を作りだしたユイは一瞬のうちに１匹にナイフを投擲。残ったもう１匹はグラップルでキメてしまう。
「お、鬼さんビキニを着てくれろぉぉ……」
「くっ、かすったわね」
　しかし消えていく前の執念の鬼の攻撃がユイの身体に当たり、ユイの服が一瞬で虎柄ビキニ姿に変化してしまった。
　スタイルのいい１６歳の肌が民衆の元に晒される。
「もう見たいなら見なさい。一度変われば薬も怖くないわ」
　しかし恥ずかしさ耐性で若干頬を赤くする程度でひるんだりはしないユイだった。つよい！
「お、鬼さんビキニを着てくれろぉぉぉ！！！」
　虎柄ビキニ姿で抑え込まれていた鬼が、倒された鬼の仇を討たんと暴れる。
「往生際の、悪い！」
　振るわれる鬼の一撃を紙一重でかすらせながらユイはとどめのバックドロップで鬼を打ち倒す。
「ひゅー！嬢ちゃん！ナイスファイトやでー！」
「お姉さま！素敵です！」
　大技で周囲の野次馬男衆（一部女性）からも歓声が上がる。
「ま、もう虎柄ビキニ姿は散々見せちゃったし」
　多くの人の眼も恥ずかしさ耐性でやり過ごそうとするユイだった。
「嬢ちゃん、その服はなんて言うんや！？」
「え？」
　だがその服はただの虎柄ビキニ姿ではなかった。
　きわめてぎりぎりまで虎柄と認識出来る程度にまで小さくした上下セット。虎柄マイクロ・ビキニ姿になっていた！
「え、ビキニ以上もあるの！？」
　あ、ユイさん！そんな頬を赤くして羞恥の睨みとかされたらちょっとドキドキしちゃう！

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「ひっどい目にあった……！よし奴ら潰す」
　町中全域を使って鬼を追いかけ回して薬を強奪してきたフロッシュ・フェローチェス（疾咬の神速者・f04767）は鬼が集まっている場所までやってきた。
　激しいものが激しく揺れるデッドヒートは大変激しく人気だったらしいぞ。
「忘れろ！」
　顔を赤くして一喝するフロッシュ。
「でも一か所に集められるなら行幸」
　正面を向きなおすとにっと片目を見開き悪い笑みを浮かべる。
　彼女の視線の先には豆をぶつけられては拾って食べている鬼たち。
　この習性を利用すれば確実に不意をつけるだろう。
　そしてもう一度豆をぶつけ隙を生み出し確実な先制攻撃の機を作ろうと振りかぶって……。
「うぅ、この状態じゃ派手に動けないっ……！」
　さっと虎柄ビキニの位置を整えるフロッシュ。
　薬の効果は全く切れておらず、未だに鬼に虎柄ビキニ姿に変化させられたままだったのだ。
　トップのサイズが若干大きい虎柄ビキニ姿では、大きく動くとおおきなものが零れてしまいそうになるのだ。
「し、仕方ない。止まったまま武器を伸ばそう」
　魔改造済みのドス。「短刀・碧穿炉」を取り出したフロッシュは伸縮自在な刀身を利用して鬼たちに奇襲をかける。
「鬼さんビキニを

　だが速度の十分でない攻撃は鬼に避けられてしまう！
　そして伸ばした刀身は逆に懐に入られてしまうと自在に動かすには不利になる。
「チッ、だったら！」
　左右から迫る鬼！
　その瞬間フロッシュの片腕が獲物を瞬時に食い千切る鮫にも似た異形に変化して噛み付く！
　片方の鬼をユーベルコード：咬砲『フロスト・バイト』（ヒートファングフロストバイト）で嚙み砕き、対象の生命力を奪い、自身を治療しながらもう片方の攻撃を受け止める。
　ダメージとヒールを同時に入れる事でタイムラグなく自身を回復。そのまま２匹目も喰らってしまう。
「はっ、舐めんじゃねーよ。それにもう虎柄ビキニ姿になってんだから攻撃を受けても……」
　フロッシュの姿はビキニを超えたマイクロ。というかもう紐っぽいものになっていた。
「ま、またぁ！？しかもデザイン違う！？何その拘り！」
「お、鬼さんビキニをきてくれろぉぉぉ（ぐっ」
　親指を立てて消えていく鬼。
「擦り切れてしまえ！ユーベルコード：『バーズアイ』！！」
　羞恥の顔のフレッシュの翡翠の龍眼から放たれる殺意の籠った熱視線が鬼の死体を斬り刻む。
「嬢ちゃん、最高の走りだぜ……！」
　そして周りの男衆もフロッシュの過激な姿に親指を立ててエールを飛ばしてきた。
「テメェらも見てんじゃねーよ！」

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「落ちた豆をひたすら拾うとか鳩か何かなのかしら」
　豆をぶつけられては落ちた豆を拾って食べているを繰り返している鬼たちをみて緋神・美麗（白翼極光砲・f01866）はそう呟きを漏らした。
　なお、既に薬の効果は切れているようで、落ち着いた紺のセーラー服上下である。惜しい。
「まぁ折角集まってきたんだし、ここで一網打尽にしちゃいましょうか。」
　そして美麗は鬼たちを一望できる位置について頭上に手を掲げる。
「皆まとめて吹っ飛ばすわよ」
　手のひらに集めたサイキックエナジーが光となって収束。美麗は自身の周囲にユーベルコード：拡散極光砲を放ち、まとめて鬼たちを攻撃する！
　広範囲の鬼を一気に攻撃するこのユーベルコードは確かに集団戦では大いに力を発揮するものだっただろう。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　光に撃たれていく鬼たち。しかし一撃で打ち倒せない鬼は、仲間をかばって倒れたり生き残った鬼はその倒れた仲間を共食いで食べて回復と強化を行っていく。
「こ、これはまた嫌な光景が……これ以上おぞましい光景なんか見たくないわね……」
　美麗も餓鬼の共食いを見ると流石に引くようで少しでも早く戦闘を終わらせようと全力で光線を撃ちこみ続ける。
「ぉぉぉぉ鬼さんビキニをぉぉぉお、着てくれろぉー！」
　しかし多くの仲間と、その無念を食らい強化された鬼が一匹、拡散極光砲を受けながらも美麗の元へと突撃する。
「くっ」
　その執念の攻撃は美麗へと届き、一瞬にしてセーラー服から際どい虎柄ビキニ姿に変化させた。
　見目麗しく美形。そして脱いだらスタイルもよい。すらりとした足とヒップが虎柄ビキニに際立ち、１４歳にして既に若干のくびれのある腰をお腹のラインからストーンな胸のラインが眩しい！うわ光がっ！？
「そこ、何か言ったかしら？」
　危険がデンジャーでした。
「薬だけじゃなくて攻撃されても虎柄ビキニになるのね。ほんとどれだけ好きなのよ」
　しかし美麗は攻撃されて虎柄ビキニの格好にされてもやはり気にしない。
　そのまま拡散極光砲を連続で放ち周辺の鬼の数を減らしついでにただし胸のサイズで不満を漏らしていた男衆に威嚇射撃をぶっぱなしまくっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「武士の皆様、ありがとなのじゃー♪」
　鬼を誘導して集めた場所に虎柄ビキニ姿で悠々と笑顔で手を振りながら現れたのはベネトナシュ・ラズリ（小さき妖剣豪・f12342）だ。
　齢80目前。しかし長寿の種族たるエルフのベネトナシュの外見年齢は大体10歳程度の女児である。
　その胸以外は。
「おー！あのお嬢ちゃん、凄い格好やないかい！」
　薬によって変化させられた虎柄ビキニ姿はスタイルのよさと胸の大きさが際立ち、野次馬男衆からの歓声も熱い！
「ビキニ姿は気にせんし、見たい奴は存分に見ていいんじゃよ」
　しかしベネトナシュはその熱い視線もどこ吹く風で鬼退治へと足を進める。
（しかし10歳児（外見）のビキニに大歓喜する童女趣味が多いのぅ……この世界の未来が心配じゃ……）
　自分に注がれる視線を熱く感じながらベネトナシュは思う。
　べ、弁明させてもらえば、サムライエンパイアはそこまで情報伝達が民衆にまで行き渡っていないので娯楽やスクープには皆餓えてるんです！なのでこんな派手な格好の人がいたら皆注目して何日も話題のネタにするよきっと！
「さて、わしらも負けておられんのじゃ」
　だがベネトナシュのその視線は武士たちによって集められた鬼に注がれていた。
「一個所に集まっとるんじゃ、初手から全力全開じゃ」
　すらりと抜いた妖刀を構えると、鬼の集団へと飛び込む虎柄ビキニ。
「片っ端から刀の錆にしてやるのじゃ。」
　縦横無尽に駆け巡り、千変万化の剣筋がユーベルコード：剣刃一閃を繰り出し次々と鬼を切断していく。
　ん？食べやすいサイズだな？
「えぇい、共食いとは面倒な性質じゃな」
　斬られて瀕死になった鬼は別の鬼に食われ、そちらの強化と回復になっていく。
　しかしベネトナシュは止まらない。共食いで回復と強化されるよりも早く鋭く、鬼たちを斬り捨てていく。
「なんやあのお嬢ちゃん！あないな結滞なモンぶら下げて、なんちゅー動きや！」
　男衆が驚嘆の声を上げるのも無理はない。
　激しく動くベネトナシュ。当然その胸が刀を振るうのには邪魔になるのかと思いきや、ベネトナシュの動きに合わせて上下左右、立体機動して全く問題にしていない！
「皆に迷惑かけたんだ。大人しく逝っとけ」
　そして周辺の鬼は一気に殲滅されていく。ある一言を耳にするまでは。
「いやーあのちっこい嬢ちゃんはほんま見ものやな」
「ち、ちっこい！？」
　気にしている心ない一言を聞いてしまったベネトナシュはそれまでの勢いが急に止まりギギギ……と声の聞こえた方を向く。
「「ちっこい」だけはダメじゃ！気にしとるんじゃ！」
　涙目でそう訴えるエルフであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

●
「あぁ、沢山のギャラリィに見ていただきながらの虎柄ビキニ……！」
「快・感ッ！です、ふふ……！」
　世間を騒がす鬼たちを集めた場所にその変態は来た。
　ユーベルコード：【どちらがお好みですか？】で女体化した明智珠稀を生み出し、男
明智と女明智の二人になっている明智・珠稀（和吸血鬼、妖刀添え・f00992）だった。
　その姿は先に鬼から奪った薬を自分で浴びて虎柄ビキニ姿を維持している。
　白日に晒される肉体美。
　色白だが引き締まった身体付きの男明智。虎柄ビキニ姿がパツパツにその身を引き締め変態度と色香を放ち女性陣の視線を奪う！
　そして女体化した女明智もまたセクシィナイスバディな虎柄ビキニ姿。その肢体は男衆の心を奪う！
「「さぁ、目にも楽しい討伐劇をご覧いただきましょう……！！」」
　そしてＷ変態……もとい、男女Ｗ明智は鬼討伐に動き出した！
「おにさーん、こーちらー♪」
　セクシィナイスバディ鬼っ娘な女明智が豆をまくと、華麗に鬼たちの額に豆が当たる当たる。
　そし落ちた豆を拾って食べる鬼は少しずつ女明智の元へと集まっていく。
「悪い子はいねぇがぁぁぁ！」
　そこへナマハゲばりに殺気をまとった男明智が上空から乱入！
　恐怖を与えるような壮絶なアクバット旋風剣で妖刀を振り回し斬り倒していく！
　その気絶攻撃は決して虎柄ビキニ姿の大胆な股の動きのせいではない！相手の顔を両太ももではさみこんで宙返り。地面に叩きつけるフランケンシュタイナーなのだ！
　女明智は女明智で、鞭でビシバシ（注：２回攻撃）と打撃を与え、ロープワークで鬼たちを片っ端から恥ずかし固めで縛っていく。
　二人の相手をすると急上昇する変態度合いに鬼たちもたじたじになると、止める人が居なくて調子に乗った変態たちがどんどんヒートアップしていく。
　一部の鬼が飢餓の極地へと至り、超攻撃力と超耐性で珠稀へ反撃し、その虎柄ビキニ姿をさらに変化させちょっとずつ布面積を減らしていくのだが。
「「あぁ、実に素晴らしい辱め…！たまちゃん興奮しちゃいます…！」」
　男も女もガッカリド変態だったため全く反撃にならなかったという。
　哀れ！鬼たち！最後は変態に縛られてしまって退治されてしまったのだった！

大成功 🔵​🔵​🔵​

第3章 ボス戦 『猿面武者』

POW   :    不見 レベル×1個の【陰火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。 SPD   :    不言 予め【鉤爪を構えておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。 WIZ   :    不聞 自身が戦闘で瀕死になると【狐面や狸面を被った武者の亡霊】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

●ボス襲来
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　サムライエンパイアの住人が虎柄ビキニ姿に変化させてしまう薬をばらまきまくっていた鬼たちを誘導し集めたところを退治した猟兵たち。
　しかし、その誘導場所に天高くから飛来する猿面の武者が現れた！
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
　大袈裟な動作で鉤爪を構え、その後に陰火の炎を全周囲に放つ猿面武者。
「うわー！」
「きゃーーっ」
　四方八方に飛び散った炎は集まっていた武士や野次馬で集まっていた一般市民を襲うが全く傷つける事はなくその衣服を燃やすと虎柄ビキニ姿に変化させていた。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　どうやらこのオブリビオンの攻撃も服装を虎柄ビキニ姿に変化させる能力があるようだ。
　残念ながら虎柄ビキニ姿の武士が必死に豆を投げつけているが全く効果がない！
　このオブリビオンを退治する事が出来るのは、猟兵たちだけだ！
　サムライエンパイアの平和を守るため、頼んだぞ、イェーガー！


●
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
「うわー！」
「きゃーーっ」
　突如空中より飛来した猿面武者の面妖な術によって虎柄ビキニ姿に変えられてしまったサムライエンパイアの住人たちが騒ぎ慌て逃げ惑う中、一人の猟兵がその中心へと足を運ぶ。
「フッ……其方たち、下がっておれ。これは猟兵以外には手に余る相手じゃからの……」
　群衆をかき分けるようにして登場したのは真の姿に覚醒し傘に封されていた長刀を肩に担いだ神羅・アマミ（凡テ一太刀ニテ征ク・f00889）だった。
　え？ちゃぜの語尾？虎柄ビキニ？なんのことかな？全く赤の他人じゃないですか？
　真の姿となり和風軍服姿になったアマミはただ歩くだけで、その場の空気を己のものへとしていく。
　そしてある程度の距離を保ったところで半身となり、肩に担いだ長刀の柄を猿面の武者へと向けて立ち止まって不敵な笑みを浮かべたままにらみつける。
　そんなアマミの大胆不敵ともとれるか前に猿面の武者も威圧感を感じとり、かぎづめを構え直す。
「見ざ……」
「『封切』」
　しかし。既にそこはアマミの間合いだった。
　相対するなり真の姿覚醒時装備される長刀による一閃を放ち、ユーベルコード：『封切』が猿面の武者を斬り裂いていた。
「る？」
　ばしゅ、と斬血を迸りながらアマミの後ろで膝をつく猿面の武者。しかし猿面の武者には何が起こったのかすらわかっていないようで、動揺した雰囲気が伝わっていく。
「妾が相討ち覚悟で放った神速の斬撃じゃ。チョロ火を放ったり悠長に構えている間もなかろう」
　既に長刀を鞘に納め終わっていたアマミはゆらりとその身を反転すると、まだこの一撃程度では瀕死ではなかろうと油断せずに猿面の武者に向き直ると、ひとつの疑問を投げかける。
「一つだけ、老若男女無差別にビキニを着せていた理由は最後に問いただしておきたい」
　知っとかないとなんかモヤモヤするし。と言うが老若男女無差別に薬を最初にばらまいたのは最初から最後までアマミだけです。
「キ、キキ……節分で豆投げられて毎年追われるのは鬼達！毎年、毎年！この気持ちを味合わせてやる……！村の美女に特製虎ビキニに変わる薬かけて豆投げてや」
　スパン。
　結構くだらなかった理由だったので言い終わる前にお面ごと猿面の武者を左右に真っ二つに斬り裂いたアマミだった。
「鬼さんは虎柄パンツなんじゃから男衆にはパンツにしてやればよかろう」
　男衆に薬をかけたのはアマミだけです。
　左右に分断された猿面の武者は先の一太刀と、二刀目の攻撃で力尽き……どろんとその身体が狐面と狸面を被った武者となって左右からアマミに襲い掛かってきた！
「「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」」
「ぬ！」
　瀕死になった際に自身と同じ二つの分身の亡霊を生み出す術のようだった。
　反射で狐面の武者を斬り捨てるアマミだったが、狸面の武者の方は取り逃がしてしまう。
　どうやら最初から片方が囮になってアマミの攻撃を受ける役目を持っていたようだ。
　だがこの術が果たして何度も使えるものか。それは疑問に思える。アマミによって大きくオブリビオンを消耗させることは出来たのだった。
「他の猟兵たちにも、出番は譲ってやるちゃぜ」
　ちゃぜ？

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「えーっと、何処から降って湧いたとか、薬って何処から出てきたとか、薬要らないじゃないとかもうツッコミしかないんだけど……」
　他の猟兵の元から逃げて跳んでいる狸面の武者に対峙したのは落ち着いた色合いだが品のよさそうなセーラー服姿の緋神・美麗（白翼極光砲・f01866）だった。
　どうやらまたも薬の効果は切れてしまっているようだ。惜しい。
「まぁ、これがボスだっていうなら倒すだけね。」
　頭上に掲げた手に光が収束されていくと、サイキックエナジーで出来た雷球が形を変化させていく。
「『出力可変式極光砲（ヴァリアブル・ハイメガキャノン）』！！！」
　ユーベルコード：出力可変式極光砲は重視する能力を選択できる可変式の美麗の攻撃方法だ。
　そして今回、美麗が選んだのは「命中重視」。
　ホーミング弾となった電球が跳ねている狸面の武者の身体を捉える。
「きぎゃー」
　どさりと落ちる狸面の武者。
「うおー！ねぇちゃん、頑張ってやー！」
「格好えぇでー！」
　落ちた先にいたサムライエンパイアの住人の人垣が一斉に引いていく。
　一度落ちた狸面の武者は逃げてもまた美麗に撃たれてしまうだけである事を承知しているようで、立ち上がると美麗の方へと向き直る。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
　大袈裟な動作で鉤爪を構え、その後に多数の陰火の炎を放つ狸面の武者。
　最初に現れた時は四方八方全周囲に対し放っていた陰火の炎だが、今度はその全てを前方向にのみ集中的に飛ばして手数で勝負しにきたようだ！
　その数なんと50近く！それらが不規則な軌道をとって美麗へと一撃を入れようと飛来する。
「数には数で対抗よ」
　頭上の出力可変式極光砲を再度射出。今度は攻撃回数を重視したモードで発動。
　電球が連続で放たれ続け、次々と炎を撃ち落としていく。
　光の奔流と炎が弾ける美麗と狸面の武者の間の攻防は激しく明滅しそばにいたサムライエンパイアの住人も頭を下げてさらに一歩遠くへ逃げていく。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
「埒が明かないわね」
　全ての炎を打ち消し終わらぬ内に再び力を溜めた狸面の武者が第二波を放ってくると、美麗は再度、出力可変式極光砲の形態を変化。
　威力重視へとモードチェンジさせる。
「もう虎柄ビキニは完全に慣れたわ」
　飛んで来る炎を完全に無視して美麗はサイキックエナジーをチャージ。セーラー服を焼かれ虎柄ビキニ姿にさせられてしまっても全く動じずに陰火の炎を貫くような電球の光線を狸面の武者にぶち当てる。
「これが私の全力だーっ！」
　光が直撃し爆発が起こるが、美麗は油断せずにライトニングセイバーを構える。虎柄ビキニ姿になっているので美しいヒップラインが素晴らしい感じになっているぞ！
「鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」
　そこへ両手の鉤爪を広げて低空を飛んでくる猫面の武者。
「甘い！」
　美麗は待ち受けるのではなく己もまた前方方向にダッシュし、フェイントを織り交ぜた先制攻撃で鎧の隙間を狙った斬撃を二度奮う。
「お、揺れる、鬼さんビキニが、みたかっ……」
　斬り伏せられた猫面の武者は最後のセリフを言い終わる事もできずに美麗に仮面を真っ二つにされてしまった。
　いいですか、胸は確かに小さいけどストーンと云う程ひどくもないんです。まだ美麗は１４歳。むしろ１４歳としてはかなりスタイルがよくてまさに見目麗しい天使の容貌なんです。そんな乙女が虎柄ビキニ姿になっているんですよ！
　なのにまだ欲をはるとはこの猫面の武者は罪深い武者でした。
「って、猫のお面！狸面じゃない！」
　そう美麗が戦い始めた時は狸だったはず。それが猫になっているという事は。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　どうやらまたも２体に分かれて片方を囮にしたようだった。
　逃がした犬面の武者の後ろ姿を目で追いながら美麗は悔し気に呟くのだった。
「きっと必ず大きくなるんだから……」

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「我に返ったよ……以前と比べたってマシな訳ない、虎柄ビキニがマシな訳ないっ！」
　虎柄マイクロビキニ姿になっていたフロッシュ・フェローチェス（疾咬の神速者・f04767）はサムライエンパイアの住人の視線を感じながらちょっと動くと簡単に零れてしまいそうになる胸元を両腕で隠しながら気付いた。
　そう全裸よりも恥ずかしい格好は、ある。
「自覚しなきゃよかった、もう動けない。って言うかこれ以上になったら困るよぉ……！！」
　涙目になりながらその場でうずくまってしまうフロッシュ。
　だがお尻の方も大変なんというか紐なので大変すさまじい格好だ。
「鬼さんビキニをきてくれろぉぉぉ」
「きゃー！！！」
　そこへ響き渡る犬面の武者到来の悲鳴。
　次々と変わっていく虎柄ビキニ姿。
　フロッシュは猟兵だ。このサムライエンパイアの町の騒動を収めるためにこの地へと来た。
　その自覚が彼女を戦いへと意識を向けさせる。
「あ、アタシ自身が動かきゃ良い……！」
　ピーンと来たフロッシュはすっくと立ちあがる。
　片目を大きくさせたちょっと悪そうな表情を取って不敵なノリで空に声をあげる。
「――ComeOn、チャリオット！」
　ユーベルコード：駿馬蹂躙『スコヴィル・サドンデス』（レッドチャリオット）を発動して、自分の身長の２倍の２倍、つまり４倍の大きさの機械馬二頭と刃型の戦車を召喚する！
「御者台で操縦してれば、アタシ自身がそんなに激しい動きをしなくても、いい」
　活路を見出したフロッシュの動きは素早い。
　炎をまき散らし住人が方々に逃げまどうが故に人垣の少なくなった犬面の武者へと戦車を向ける。
「潰してやるっ！」
　一度勢いに乗ったフロッシュは止まらない！多少住人がまだ残っていても勝手に逃れるだろうと踏み潰し駆ける鋼馬のダッシュと、刃状の衝撃波を撒くチャリオットでの、蹂躙走法で犬面の武者をひき潰さんと駆け出し始める！
「うひょー！あのねぇちゃん手加減しらんのかい！」
「だが、馬車に揺れるものも、中々」
　ガコン。
　ちょっと戦車がガタついて衝撃波が野次馬男衆の元へ飛んでいく！
「うひょー！」
「もう許さない。徹底的に踏みつぶす！」
　顔を真っ赤にさせながら手綱を引き、犬面の武者へと突撃する。
「鬼さんビキニをきてくれろぉぉぉ」
　しかし迫る鉄馬に対し犬面の武者は臆することなく、身軽に跳躍。
　馬と馬の間を縫うようにしてフロッシュのいる御者台へと肉薄する。
「んなもんわかってんだよ！【見る】だけで良い。――終幕だ、散れ」
　翡翠の龍眼から放たれる殺意の籠った熱視線が、犬面の武者の身体を裂く。
「キキーーッ！！！」
　犬面の武者は真っ二つにされ……そしてドロンと煙を出して、熊猫面と象面に左右で別れた。
「はっ？」
「「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」」
「なっうわーぁぁぁ！！！」
　フロッシュの左右で鉤爪を構え、炎をひたすらに乱射する熊猫面と象面の武者。
　その数は片方だけで約50にも及ぶ。つまり両側の攻撃を受け、フロッシュは100余りの被弾を受けてしまった。
「く、くそ、油断した……っ！！」
　膝を付くフロッシュ。元より虎柄マイクロビキニ姿であったため数多の炎をその身に直接受けてしまうものも多く、もはやその姿は炎に焼かれ様変わりしてしまっていた。
　そう、『虎柄裸エプロン姿』に。
「ごふっ」
　野次馬男衆から出血者が！
「なんで裸エプロン！？」
　身体的ダメージは一切入っていないフロッシュは腕を抱えてその身を縮こまらせるけどそれはそれで豊満な胸が形を崩してぐっ！と熊猫面と象面の武者が左右からサムズアップしてくる。
「なっ……！切り刻んでやる！」
　顔を真っ赤にしたフロッシュは愛用のドスを構えて跳び込もうとしたがその手に握られているのがおたまになっている。
　なお見た目が変わっているだけでちゃんとドスです。
　例えおたまに裸エプロンで顔を真っ赤にして若干前傾姿勢で見上げている顔が若奥様的に見えても、その中身は狂暴なんです。
「「ぐっ！」」
「機械ブーツ可変完了――まとう音すら、超えてやる……」
　スリッパがギチギチ限界を主張する悲鳴を上げたと思ったら、フロッシュの断砲は発動していた。
　超音速での突撃から擦れ違い様に裂断の足刀が熊猫面の武者をぶっ倒す。
「キキーーッ！！！」
「お前ら、ぶった切ってやる！」
　足元の熊猫面の武者を何度も蹴り倒して煙に還してしまうと、今度は象面へと向き直る。
「あないな格好で、蹴り、やと……！」
　そこへちらっと聞こえる野次馬男衆の一声。
「ぐっ……！」
　虎柄裸エプロンで後ろや下が物凄く危ない事になっているフロッシュは一瞬硬直してしまった。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　その一瞬の隙をついて逃げ出す象面の武者。
　走って翻して追いかけるのを期待する男衆。
「だから、みるなぁーー！」

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「大将ぐらいマトモな奴……と思ったわしが愚かだったのじゃ……」
　盛大な溜息の先にいたのは必至に逃げ回ってきた象面の武者であった。
「鬼さんビキニを着てくれろぉー！」
　騒々しい象面の武者の逃げる先にベネトナシュ・ラズリ（小さき妖剣豪・f12342）は先回りする。
　既に薬の効果は切れているようで、10歳児の着物姿である。（実年齢は大体80歳）
　するりするりと象面の武者から逃げ出すサムライエンパイアの住人の合間を縫うように歩いていくと自然と向き合う形になるのは二人だけとなる。
「一応大将戦じゃしの」
　刀と妖刀の二刀流という彼女の本気のスタイルで挑む事にしたベネトナシュは構えを取る。
　ざわ、とサムライエンパイアの住人が二人を中心に人が離れていく。
　剣豪の間合いが、決して武を知るとは限らぬ者たちをもその場から遠ざけようとしていくのだ。
「見敵必殺、慈悲なぞないぞ」
「ききー……」
　両者の間で緊張の空気が流れる。じりじりと間合いが詰められていき、野次馬からだろう。どこからからごくりと、息を呑む音が聞こえた。
　先に動いたのは象面の武者だった。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！」
　大袈裟な動作で鉤爪を構え、型を変える事で力を溜める。
「させぬわ！」
　この動きは先ほど見ていた。
　ベネトナシュは象面の武者がこの体勢に入った瞬間に、即時突貫を決めており、迷わず見切って攻撃を仕掛ける。
　真正面からの攻撃がそう易々と通るという訳ではないが、これによって象面の武者の構えを強引に解かせる事に成功する。
「ぬぅぅ！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
　しかし象面の武者も負けじとその場で練られた気を使い、陰火を放つ！
　数多くの火の粉だが、それが個々に自在に動き、ベネトナシュへと襲い掛かる。
「無視じゃ、くらっても痛痒無いっぽいしの」
　ボボボボボ！とベネトナシュの衣服が炎で燃え盛るとその姿はおなじみ虎柄ビキニ姿に様変わり。
　なおやっぱりダメージは微々たるもののようだ。
「ビキニを見られるのは構わんのじゃよ」
　そのまま変幻自在な胸元を揺らしながら左右の刀で斬撃を繰り出す。
「うおー！嬢ちゃん！すごいでー！」
「バンバンせめたりやー！」
　サムライエンパイアの住人からの熱い声援もあり、象面の武者も鉤爪で応戦するも段々と追い詰められていってしまう。
「そこじゃ」
　剣刃一閃。
　ベネトナシュの妖刀の一撃が、一瞬で象面の武者の首を刎ねる！
「ふむ。あっけないのう」
　ころりと転がった頭を見つつ、サムライエンパイアの住人からの応援のお返しに虎柄ビキニ姿で存分に見せつけてやるサービス精神は流石は80歳近いベネトナシュ（ただし見た目は10歳）
（童女趣味を加速増殖しそうな気もするがのぅ……）
　しかしそこで転がった首と胴体が突然ドロンと煙を出す。
「ぬっ！ぬかったか」
　煙に対し素早く刀を振るい、確かに断ち切ったベネトナシュだったが。
「ぬぅ、山羊の面じゃと」
　斬られた山羊の面の武者はそのままどろんと煙に還り、ベネトナシュの視線の先には逃げ去る鬼面の武者が映っていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

●
「今回の騒動の元凶のようね」
　月宮・ユイ（死ヲ喰ラウモノ・f02933）は逃げ回ってきた鬼面武者を待ち受ける。
　その姿は既に薬の効果は切れているようでいつものメイド服っぽい服装に元通りになってしまっていた。惜しい。
「幸い傷ついた人はいないみたいだけど、このままじゃ色々と危ないわね」
　周りの被害（虎柄ビキニ姿への変貌）を見て己の身の危険も感じたユイは連結剣型：星剣を構える。
「とっとと倒しましょ」
　そして鬼面の武者を打ち倒すべく駆け出し始める。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
　鬼面の武者もユイの姿を捉えると戦闘体勢を取り、大袈裟な動作で鉤爪を構え、その後に陰火の炎を大量に放つ。溜めもしっかり入ったその炎の数はおおよそ50近い！
「先の布地の小ささは流石に避けたいわね、見えちゃいそう」
　ユイは自在に動く炎を紙一重で躱し続け、鬼面の武者へと肉薄する。
　これまでの戦闘を観察して得た戦闘知識とそしてユーベルコード：根源識を用いる事であらゆる情報を読み取って予測演算を行う事で鬼面の武者の攻撃を予想し、回避しているのだ。
「読込、演算……」
　そして鬼面の武者の動きを見切ったユイは両手に構えた連結剣型：星剣と暗器をきらめかせカウンターを決めに行く。
「キキーーッ！！！」
　鬼面の武者は全く攻撃が当たらないユイに対し危機感を覚えたのか、より大ぶりで大胆にかつ速度を上げて炎を操作する。
「動きが大きくなれば、読みやすくなる」
　しかし感情に任せた攻撃はより読みやすい。ユイは華麗にそして確実に避けつつ戦っていく。
「……！！！」
　しかし１つの炎の流れ弾がサムライエンパイアの住人の元へ飛んでいくのを演算したユイ。
「危ない！」
　そして周囲にいた少女が尻もちをついて呆然としている視線の先には、咄嗟にかばったユイがいた。
　もちろんその身は炎に焼かれ、セクシー虎柄ビキニ姿に変化させられてしまっていた。
「大丈夫？」
　ユイは自分の姿など顧みずに助けた少女に優しく声をかける。
「……お姉さま！」
　少女は元気だった。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
　だがそこへ好機とばかりに追撃を仕掛けにいく鬼面の武者。
　再び鉤爪を構え、力を溜めると多数の炎をユイに向ける。
「性懲りもなく同じ手で……」
　先ほどと同じ動き。同じ攻撃。ならばとユイもまた先ほどと同じく根源識を用いて紙一重の回避で敵に肉薄しようとした。
「……え！？」
　確かに相手の攻撃は同じだった。ユイの動きも同じだろう。しかし、ユイの服装は変わっていたのだ。虎柄ビキニ姿に。
　たかが服装、されど服装。
　メイド服っぽい衣装からセクシー虎柄ビキニ姿になればその動きにも乱れが生じてしまう。下手に先ほど完璧に避け切る事が出来たからこそ、違う衣装であるにも関わらず同じ要領で動いてしまったのだった。
「きゃあーーーっ！！！」
　50近い炎のその殆どがユイの身体に命中していってしまう。一度ずれた回避行動はもう修正することはできず、腕で急所をかばうもののユイの虎柄ビキニも燃えていってしまう。
　だがダメージは0だったようだ。
　そして炎が晴れたあとには『虎柄裸エプロン姿』になったユイがいた。
　なおフリフリである。
「なっ」
「「「ぐっ！！！」」」
　鬼面の武者と野次馬男衆とさっき助けた少女が完璧なコンビネーションでいい笑顔で親指を立てた。
「鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」
　そしてもはや目的は達したとばかりに一目散に逃げ出す鬼面の武者。
　恥ずかしさに一瞬動きが遅れたユイは鬼面の武者を追う事もできず……。
「布面積は、増えたのよね……」
　虎柄エプロンの裾を伸ばしながら一旦退却する事にしたのだった。
　さっき助けた少女が付き添いで猟兵の用意した避難所へ二人揃って服が戻るまで個室でご休憩したってさ。
　

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「虎柄ビキニって……物の本で見たことあるけど動きやすそうじゃない」
　阿鼻叫喚のサムライエンパイアの住人たちが衣服を変化させられている様子を眺め、
一人興味がありそうに呟く少女がいた。
　若月・揚羽（朱に射す女王蜂・f11250）。この容姿だがまだ齢11歳である。末恐ろしい。
「防御力は紙同然だけど。別に防具じゃないから、その点は突いちゃいけないのね」
　問題は揚羽の着物も虎柄ビキニ姿ほどではないけれども、防具の役目を果たして全う出来えるのか疑問に思ってしまう程の布量である事ではないでしょうか。
「鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」
　そこへ現れる鬼面の武者。揚羽の姿を確認すると、戦闘体勢に入る。
「まぁ客の頼みなら着ないでもないけど、オブリビオンの頼みではねぇ……」
　ちゃ、とダガーを逆手に構え、鬼面の武者と対峙する。
「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」
「それ、動きが早いけど躱せない攻撃ではなくなるわね」
　揚羽はユーベルコード：達人の智慧を使い、相手のユーベルコードの弱点を指摘。
　そして実際に動きの見切りやすくなった鬼面の武者の炎を軽業師の如く身軽に避けていく。
「それにその火も、纏まったら軽業師なら逃げれるんじゃないかしら？」
「キキーーッ！！！」
　だが揚羽は勘違いしていた。
　鬼面の武者が放った陰火は50近くあったが、全く合体なんてしようとはせずに命中重視でその全てが個別に動いて揚羽を狙ってきたのだ！
「くっ」
　大半の炎を避ける事は出来たが多勢に無勢。
　飛来する火が幾つか当たってしまうと揚羽の着物は一瞬で燃え尽きて、そして『虎柄ビキニ姿』に変化させてしまった。
　揚羽の豊満な肉体が虎柄ビキニ姿に溢れんばかりに包まれる。
「これなら、これで、好都合よ！」
　そういうと揚羽はシーブズ・ギャンビッドを発動！なんと服を脱ぐことで身軽になると一気に加速！
「キキーーッ！！！」
　鬼面の武者は迎撃しようとしたが揚羽の後ろから守護明神が現れ鬼面の武者の動きを封じる。
「――斬っ」
　そして力を溜めたダガーによる単純で重い斬撃を振り下ろす！
　鬼面の武者の身体を二つに斬り裂いたダガーは勢い余って地面まで到達すると、大地を大きく削る程の威力を見せ、そして、鬼面の武者は……。
「「鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」」
　またもドロンと煙と出すと、豚の仮面と、羊の仮面に別れて逃げ出してしまったのだった！
　なお、全て脱いでしまったかもしれないが、守護明神の光源が揚羽を守っているのでまだ全年齢だ！

成功 🔵​🔵​🔴​

●
「く、ふふ、ついに出ていらしてくださいましたね！大ボス猿さん……！」
　2匹の亡霊となって逃げだそうとしていた豚面の武者と羊面の武者だったが、その背後に悪寒を感じた。
「「いえ、豚さんと羊さん……！」」
　それぞれの背後に現れたのは明智・珠稀（和吸血鬼、妖刀添え・f00992）の男バージョンと女バージョンだ！
　ユーベルコード：【どちらがお好みですか？】によって女体化した女明智を召喚しているのだ。
　しかもどっちもキワキワ虎柄ビキニ姿を維持してしまっている！
「「お、鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」」
　本能的に貞操の危機とかを感じ取ってしまったオブリビオンは一目散に全力疾走！
「さぁ、薬をお渡しなさい」
「そして私はそれを、どこか素敵な研究所に持っていき」
　だがＷ明智はぴったりと豚面の武者と羊面の武者の背後に張り付きながら並走。
　耳元でふっと息を吹きかけながら迫って虎柄ビキニ姿に変化するオブリビオンの力の真相に迫る！
「そして『バニーガール化』する薬に作り替えてみせるのです……！！」
　動機は絶望的なまでに不純の塊だった。
「「お、鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ」」
　どれだけ走ってもぴったりと張り付いてくるＷ変態の生暖かさと殺気を背後に感じ続けた豚面の武者と羊面の武者は逃げきれないと悟り一斉に反転。
　同時に鉤爪を構え、力を溜め、陰火を放とうとする。
「「ぃぃぃわざる！みぃぃぃざる！着ぃぃぃ飾るーーーっ！！！」」
　大袈裟な動作で鉤爪を構え、その後に陰火の炎をそれぞれの明智に放つ猿面武者。
「「うふふ……！！！」」
　だが男明智と女明智は今まで以上のコンビネーションを発揮！
　それぞれが笑顔と殺気を振りまきながらスライディング（虎柄ビキニ姿で！スライディングなんてしたら！）や予想外な動きを披露して豚面と羊面を翻弄する。
　そのままざぁーとＷ変態がオブリビオンの脇をやたらとタッチしながらすり抜けると、陰火の炎を撒いてしまった。
「「キキーーッ！！！」」
　危険を察知した豚面と羊面は左右にそれぞれ別れようとしたが、残念ながら既にＷ明智の術中に嵌ってしまっていた。
　男明智と女明智は二人がかりで装備していた鞭をすり抜け様にそれぞれ武者の胴体に巻き付けており、ロープワークで二人を拘束。
「「安心してください。直ぐには倒したりしませんから」」
　そしてこれみよがしにマヒ攻撃を2回攻撃でぺしぺしぺしぺししまくって全身を痺れさせて逃がさないようにすると身体まさぐっていく。
「「さぁ、大人しく薬をお渡しください、さぁ、さぁ…！」」
　イっちゃった目をしたW明智がひたすらにオブリビオンに恐怖を与える……！
「「お、お、お、鬼さんビキニを、きてくれろぉぉぉ！！！」」」
　だがマヒして動けない豚面と羊面の武者は精神が摩耗するまで変態の行為を受け続ける事になったのだった。
「「あ、消えちゃいました」」

●
　サムライエンパイアを騒がせた節分は終わった。
　様々な衝撃が色んな人達に走った騒動だったが、その全ては猟兵たちによって鎮められたのだ。
　なんか一部で虎柄ビキニとかご休憩所が栄えたりしたらしいけど、平和は保たれたのだ。
　あと、押収した薬は猿面の武者が作ったものらしく消費期限が本日までだったので翌日にはただの水になってたらしい。
　ちゃんちゃん！

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年02月15日