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肉体一つが武器と成れ

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #ロンダリングラクーン #ヒーローマスク #アルパカ

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 キマイラフューチャーの何処か地下にある怪人達のアジト。
 薄暗い室内には薄汚れたリングが一つとトレーニング機器が並んでいた。
『ロンダリングラクーン殿が倒された……か』
 その怪人は顔色一つ変えずに呟くと、その前にかしこまって待機する配下の怪人達に視線を向けた。
『ならばその崇高なる遺志を我らで代わって成し遂げねばならんな』
『応……!』
 その言葉に怪人達は各々の筋肉を誇示するかの様に立ち上がり、それを満足そうに見やると、リーダーらしき男が頷いた。

『かの邪拳殿は筋肉が足りずに敗した……だが我らは違う。そう、筋肉イズパワー!』
『『 筋肉 イズ パワー!! 』』

『手始めに邪魔なヒーローマスクを殺り、我らの同胞に加えそうぞ!!』


「キマフュの筋肉怪人達ぶちのめしてくれる奴、大募集」
 蓮条・凪紗(魂喰の翡翠・f12887)は開口一番そう告げた。
「猟書家幹部のアライグマはんは倒されたようやけど、格闘系怪人がその遺志を継ぐだとか何とか曰って悪さ始めるみたいなんやわ」
 大雑把に言うとそういう事らしい。
「キマフュの小さなイベント会場でプロレス興行が行われるんやけど、そこに配下の筋肉――アルパカマッスルブラザーズって連中が乱入しよる」
 頭部はアルパカなのにそのボディは鍛え抜かれた鋼の筋肉に覆われた見るからに濃ゆい怪人集団である。
 アルパカ達がそこでイベントを妨害していると、どこからともなくヒーローマスクが現れ、正義を覚えるキマイラレスラーと一心同体となって立ち向かう!
 そして、返り討ちに遭う!!
「まぁ……多数に対して単身やしな……」
 そこでヒーローマスクがアルパカの筋肉によってボコボコの袋叩きになる前に猟兵の出番と言う訳である。

 場所はちょっとしたホールの様な場所にリングが設置されたイベント会場。
 敵は筋肉一つパンツ一丁で戦うが、異種格闘技と言う事で相手に合わせる必要は無い。
 なお、観客や救出対象のヒーローマスクは避難する所かみんなのヒーローである猟兵の登場に大喜びで応援してくれる。流石キマイラフューチャー。

「ちなみにこのアルパカ達やけど、修行積んで来はったみたいで筋肉を誇示するだけに留まらんから気ぃつけや」
 それぞれパワー型の必殺技やスピード型の関節技、そして心を打ちのめすマイクパフォーマンスまで身に着けているのだから侮れない。
「雑魚共一掃したら首領が登場するさかい。そいつも纏めてぶちのめして来ぃ」
 そこまで告げると、凪紗はグリモアの光を描いて猟兵達を見送った。


天宮朱那
 天宮です。
 頭を使わないシナリオをと思ったら筋肉を使ってた。

『プレイングボーナス(全章共通)→ヒーローマスクに応援される』
 救出対象でもあるヒーローマスクさんは戦力はそこそこあります。プロレス型マスクで名前は『サフォーク』。羊の毛のファー付いてもふもふ。プレで希望すればツープラトン攻撃もしてくれると思う。

 全力で【ネタシナリオ】です。キマフュクオリティ全開で。
 一章の集団戦はアルパカマッスルブラザーズ。
 追加要素として、POWは打撃技、SPDは関節技、WIZはマイクパフォーマンスや凶器攻撃をしてきます。修行の成果ってことで。
 二章はボス戦。倒せば勝ちでシナリオ成功。

 場所はオープニングの通り。リングの上での闘い。異種格闘技試合のイメージ。
 多少壊れてもコンコンコンで新しいリング出てくる。多分。
 一般的な凶器もコンコンコンで出てくる。きっと。

 各章、断章追記予定。その前からでもプレイングは受付します。
 マスターページやTwitterなどでも随時告知をしますので宜しくお願いします。
 適度に人数集まったら〆切目安の告知予定。

 複数合わせは迷子防止に相手の名前(ID)かグループ名記載を。最大3人組まで。
 技能の『』【】等のカッコ書きは不要。技能名並べたのみで具体的な使用方法の記述が無いものは描写も薄くなります、ご了承を。
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第1章 集団戦 『量産怪人アルパカマッスルブラザーズ』

POW   :    ポージング
自身の【逞しい肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    ポージング
自身の【躍動する肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
WIZ   :    ポージング
自身の【洗練された肉体の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『唸れ! 大空の如き大胸筋!!』
『吼えろ! 大海の如き上腕二頭筋!!』
『爆ぜろ!! 大地の如き大腿四頭筋!!』

 アルパカの頭部に似遣わぬ、かなりデカい筋肉達がキレッキレに見せつけられる。
 突然格闘イベントに乱入し、大暴れした挙げ句にポージングを決める怪人達。
 そんな悪に立ち向かうはヒーローマスク『サフォーク』!!

「くそ、多勢に無勢か……」
 羊のキマイラレスラーの肉体を借りて戦うヒーローマスクも、相手の数の多さに苦戦するしかなく。怒濤の筋肉に押し潰されるのも時間の問題だった。

 だがそこに颯爽と現れるは猟兵達――!!

『幾ら増えた所で我ら兄弟は師匠のスパーリングでパワーアップしてるぜ!』
『力と技とマイクパフォーマンスに勝てる訳がねぇ!!』
 アルパカマッスルブラザーズはマットの上にて君達を待ち受ける!!
岩倉・鈴音
なんだ?プロレスかー。
プロレスって毒霧吐いたりするんだっけ。
全てを塗りたくれ!
アルパカたちに塗りたくって怯ませた隙にヒーローマスクを助け出しリングサイドに引き戻そう。
「ンッフッフ。うかつだったな。筋肉にかまけているから隙ができるンだよ」
ポージングの真似事しながら挑発しよう。
凶器攻撃にはコンコンコンでなんとかしないとねっ。
バットでろ!
フルスイングっす!
頭は鍛えられねーゾ!
なんか電流金網デスマッチなリングでろ!
逃げぬ媚びぬかえりみぬ!

ンッフッフ♪
真の力、解放されるときがきたーっ。



「なんだ……? プロレスかー」
 キマイラフューチャーのイベント会場。既にアルパカ達が大暴れしたと見え、リングサイドのパイプ椅子席は乱され、実況テーブルも真ん中から綺麗に割れている。
 岩倉・鈴音(JKハングマン・f09514)はその小柄な身体にてリングコーナーのポール脇にひょいっと乗れば、目の前には大分劣勢に追い込まれたヒーローマスク『サフォーク』の姿。
「き、君は……?」
「ねぇ、プロレスって毒霧吐いたりするんだっけ」
 にっと笑って鈴音が問うている間、アルパカマッスル兄弟はその鍛え上げられた筋肉をこれ見よがしに見せつけながら吼えている。
『ふははは! 筋肉イズパワー!』
『小娘であろうとも筋肉に勝てる筈が――ぶべらっ』
 マイクを手にしたまま、アルパカの顔にぶちまけられたのは蛍光グリーンの塗料。
「ほら、タッチ。ここはワタシに任せてな」
「う、うむ……恩に着る」
 サフォークの手を掴んでリングロープの外に導き、代わりに鈴音がマットの上に躍り出る。一方アルパカ達は付いた塗料を必死に拭いながら替えのマイクで文句を言い出した。
『貴様ぁ! 神聖なマイクパフォーマンス中に毒霧で仕掛けてくるなど!!』
「ンッフッフ。うかつだったな。筋肉にかまけているから隙ができるンだよ」
 鈴音がサイドチェストのポーズをして挑発してみせれば、負けじと向こうもモストマスキュラーで対抗してきた。
『そんな貧弱な筋肉で我らに勝とうなどとは千年早い!』
『兄貴、こいつでやっちまいましょうぜ』
 弟分アルパカが兄貴分に渡したのはそこらに引っ繰り返っていたパイプ椅子。
「そっちがそうなら――何かイイ感じの出ろ!!」
 ぶん投げてきた椅子を回避しながら鈴音は近くの壁をコンコンコン。
 すると出て来たのは――釘バット!!
「うおりゃあ、フルスイングっす!!」
 リングに舞い戻り、そのまま思い切り振りかぶればメジャーリーガーも真っ青な見事なスイングがアルパカの頭蓋に炸裂した!!
『あべぇぇぇぇ!!??』
「ンッフッフ、頭は鍛えられねーゾ!!」
 魂が宇宙の果てまで飛んでいったような顔でぶっ倒れたアルパカをいそいそと別のアルパカがリングの外に引き釣りだし、代わりに違うアルパカが躍り出る。
『くそ、伝家の宝刀である釘バットの使い手が他にいたとは――だがくらえ、アルパカラリアット!!』
 脈絡も無く繰り出してきたラリアット。しかし鈴音の手はサフォークに教えて貰ったリングのコンコンコンのポイントを既に捉えていた。
「なんか電流金網デスマッチなリングでろ!!」
 身を屈めてラリアットを回避するのとコンコンコンの作動は同時!
 そしてリングロープの外には電流を帯びた金網が生えるように出現した!!
 ビビビ――ドバァァン!!!
 アルパカは真正面から電流金網にぶち当たると高圧電流を身に受け、そのまま何故か爆発によってふわもこの毛皮が焦げ焦げになってしまった。
「ンッフッフ♪ 逃げぬ媚びぬかえりみぬ!」
『くそ、何て酷い事をしやがる!!』
 自分達が先に暴れに来た事を棚に上げてアルパカブラザーズ達は吼え、観衆は歓喜と応援の声を上げまくる。
 猟兵軍団vs.怪人軍団のエクストリームマッチは幕を開けたばかりであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アドリブ、連携歓迎

いかなる鍛錬を己に課しそれを乗り越えようとも、いかなる技と力を手にしようとも、他者の命を奪い、剰えその命を己が欲望の為に使っていいわけがない。

「推して参る」

調息、脱力、戦場を『観』据える。
目付は広く、敵の数と配置、各々の体格、周囲の状況を把握。

相手が筋肉と打撃で『剛』を示さんとするならば、こちらは掌に『柔』を以てそれを砕く。

得物は徒手格闘。
構えは取らず、こちらからは攻めず、自然体にて立つ。
相手が攻めて来ないようなら挑発。
「どうした?ただ突っ立てるだけの男が怖いのか?」

視線と体格、殺気と重心、体幹の向きから攻撃の軌道と拍子を読んでUCにて合気を取ってリングに叩き付ける。



 コンコンコンさえすれば、リングだけはどんな事があっても何故か新しく出てくる。それ故にこの場所が格闘系イベント会場となっているのだと言う。
 そんなリングの片側コーナーを陣取るのはアルパカ頭の筋肉怪人達。マッシブな肉体をこれ見よがしにポージングで見せつけては観客のキマイラ達にブーイングを浴びている。
 もう片方のコーナーには、何とか怪人の袋叩きから逃れたヒーローマスク・サフォークの姿。そして彼をセコンドにリングに足を踏み入れたのは上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)であった。
「いかなる鍛錬を己に課しそれを乗り越えようとも」
 一歩、二歩と修介は前に出る。
「いかなる技と力を手にしようとも」
 両手に填めたグローブを確かめ、拳を作って前方の敵を睨み付けた。
「他者の命を奪い、剰えその命を己が欲望の為に使っていいわけがない」
『ほぉ――貴様も随分と鍛えた身のようだが』
 アルパカの一体が前に出、その筋肉を膨らませながらにやりと嗤ったかに見えた。
『筋肉こそ力、力こそ世を支配する。証明してやろう』
「出来るものならな――上野・修介、推して参る」
 息を大きくつき、吐き出す。呼吸を整え、ただ自然体にて修介は立つ。
 その緊張した空気に、思わず観客達も息を呑み、リングの上は静寂が支配する。
 今にも聞こえてきそうな相手の心拍音。"観"据えた戦場に立つ相手の動きを捉え、修介は出方を待つ。
『むぅ……』
 ファイティングポーズを取りながらもその気迫に思わず撃ち込む事すら忘れたまま対峙するアルパカマッスル。その様子に修介は口の端を吊り上げて静かに言う。
「……どうした? ただ突っ立っているだけの男が怖いのか?」
『な……貴様ァ!!』
 明らかな挑発。だがアルパカマッスルはそれを安易に受け流せる程の度量は持ち合わせていなかった。
『食らえ、アルパカメガトンパンチ!!』
 繰り出されるはその丸太の様な豪腕より放たれる強力なストレートパンチ。
 だがしかし、修介には全て手に取る様に見えていた。その視線や筋肉の動き、そして漲る殺気と動く重心とが。
 相手の強大な筋肉より放たれる『剛』の拳。修介は掌に『柔』を以てして砕く!
「――そこ、だ」
 その声もまた、囁くかの様に。
 相手の剛拳を半歩身を動かす事で回避し、その腕を両手で掴む。勢いは殺さず受け流し、掴んだ腕を持ち上げてそのまま身を捻り――背中から前へと、マットの上に叩き付けた!
『一本背負い……だと!?』
 向こうのコーナーにて待機していたアルパカが驚愕の声を上げた。
 ずぅぅん!と叩き付けた衝撃でリングは崩壊し、マットが床に沈み落ちる。
「闇雲に奮う力では、この俺には勝てん」
『うぐぐ……!』
 仲間が一体葬られたアルパカ達は悔しそうに修介を睨み付けるより他無かったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雷陣・通
やめろー!
筋肉は人を傷つけるものじゃねえ
俺とバトルで勝負だ!

リングに上がったら構えるのは空手スタイル
筋肉に対して、挑むのは打撃を中心としたヒット&アウェイ
パワーと体格差をスピードと手数で補う

勿論、それを見抜けないMuscleではないだろう
おそらくは攻撃を受けてからのカウンターが来るはずだ
ならば!

「それを待っていた!」

ポージングから打撃ならワンテンポ遅い
そこへ逆にカウンターの『雷神稲妻落とし』

筋肉を誇示するのがアンタのパワーなら
それを撃ち貫くのが俺のパワーだ!

さらに!
どんな体格差があっても
高さ×お前の体重×落下スピードの合計値はそれを上回る
喰らえ、俺のフェイバリット!!



 たとえリングが大技で崩壊しても、コンコンコンで何事も無く新しいリングが地面から出現する。それがこのキマイラフューチャーである。
『パッカッカ。多少我らも猟兵達を見くびっていたようだな』
『応、兄弟。だがまだまだ俺等の筋肉は負けを認めちゃいねぇ』
『どれ、間抜けなパンピー共に俺達の筋肉の恐ろしさを披露してやろうか……』
 新たに出現したリングの上でアルパカマッスルブラザーズは不敵な笑み浮かべてポージングを決めていた。
「き、貴様等……!!」
 ヒーローマスク「サフォーク」が怪人共に対し身構えたその時。
「やめろー! この草食動物頭どもがぁっ!!」
 そのクソでかい声に誰もが反応し、そちらに視線を向ければ。雷陣・通(ライトニングボーイ・f03680)が赤コーナーポストの上に仁王立ちする姿がそこにあった。
「筋肉は――人を傷つけるものじゃねえ」
 拳をぐぐっと握りしめ、少年が告げる。その力籠もった腕を、瞳を見、アルパカ怪人の一人がほぉ、と声を上げる。
『ガキの分際で……と思ったが。小僧、貴様も筋肉を識る者か』
「アンタ達よりずっとな。そいつを証明してやる…・・俺とバトルで勝負だ!!」
『パッカッカ、面白い、捻り潰してくれるわ!』
 そのアルパカがマットに残り、他の二体はセコンドに付く。通もストン、とリングの上にあがれば身に着いた構えを取り、対峙する。
『カラテスタイル、とな――』
 それを見て緊張の走るアルパカ兄弟達。
『スモウ、バリツ、そしてカラテ。ジパングに伝わる恐るべき三大格闘術と聞く』
「……いや、俺もそれは初耳だ」
 何か知らないけど空手を過大評価されてる事に冷静に応える通。だがそれで相手が本気で来るならそれはそれで上等!!
『ふおぉぉぉ!! 唸れ、俺の筋肉ぅぅぅ!!』
 筋肉をこれでもかと膨らませ、その丸太の如き腕でまずラリアットを仕掛けてきた。が、通は背を低くして躱すと素早くチョップを放ちながら地を蹴って距離を置き。更に相手の隙を見て素早く攻撃を叩き込んでは退く、と繰り返す。
『む、貴様……ちょこまかと!』
「アンタのパワーと体格に対して、俺は早さと手数が武器なんでな!」
 通はニヤッと余裕を見せる様な笑みを見せて叫び応える。無論、あのデカイ筋肉からの打撃をモロに食らっては一溜まりも無い。余裕は芝居だ。敢えて挑発する事こそ通の策の一つであった。
『こざかしい!! 筋肉イズパワァァァ!!』
 通の攻撃がヒット&アウェイなら、離れる前に攻撃を叩き込めば良い。そう判断したアルパカマッスルは筋肉を見せつける様にダブルバイセップスを決め、その鉄板の如き大胸筋で通の蹴りを受け止めた!
「な、に……!?」
『はは、食らえ――アルパカメガトンクラッシュ!!』
 必殺のパンチを繰り出さんと右肘の角度を変えて引くアルパカ。
 だが敵の攻撃を前に通は――笑っていたのだ。
「それを――待っていた!!」
 通の拳が相手の顎を打ち抜き、天高く跳ね上げる!!
『なっ……!!?』
 カウンター狙いで敢えて攻撃を受けに来る、その動作の誘発こそが狙い。ましてやポージングを決めてからではワンテンポ遅れる事は自明の理!
「筋肉を誇示するのがアンタのパワーなら……」
 更に追随する様に彼は跳ぶ。そして相手の四肢を捕らえ極める!!
「それを撃ち貫くのが俺のパワーだ!!!」

「あれは……!」
 戦いを見つめていたサフォークが叫ぶ。
「体格差に対し、高く高く舞い上がり、更に相手の体重で跳ね上がる落下スピード……!! 体格差すら……上回る!!」
 色々とツッコみどころ満載な解説。
 だが、残念ながらそれを指摘出来る者は此処には誰もいなかった。

「喰らえ、俺の超必殺技(スーパーフェイバリット)!!」
 どごおぉぉっ!!!
 高さ×重さ×落下スピードによる雷神稲妻落とし(ライトニング・フォール)が筋肉怪人を超圧力でマットに叩き付け、本日二度目のリング崩壊を引き起こしたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

迅雷・電子
心情】己の肉体をぶつけ合う!私好みの依頼だよ!よーっし!相撲とプロレスの対決だ!私も久々に張り切るよ!どすこーい!!(四股を踏む)

【作戦】「助太刀するよヒーローマスクさん達!」とヒーローマスク達に語りかけ乱入するよ!敵の攻撃は見切りで回避か張り手などで受け流して防ぐよ!関節技を決められそうになったら怪力で振りほどく!
そしたらダッシュで敵の間合いに入り、連続つっぱりで攻撃だ!そしてその後は怪力を使って相手のパンツ部分を相撲のように掴んで投げ飛ばしたりするよ!ヒーローマスクさん達にも一緒に攻撃してもらったりとか協力してもらおうかね!(絡み・アドリブOK)



 コンコンコンで出現した新たなリングの上で、アルパカマッスル兄弟が各々肉体を誇示し、そしてヒーローマスク「サフォーク」や猟兵達を挑発するかの様に吼える。
『なかなかやるではないか猟兵ども!』
『だが我らの筋肉はまだまだ戦いを求めているぞ!!』
 そこに応えるかの様に、リングインしたのは胸にサラシを巻いた女子――迅雷・電子(女雷電・f23120)であった。
「己の肉体をぶつけ合う! まさに私好み!!」
『む、そのファイティングスーツ……もしや貴様ッ!!』
『知っているのか兄貴!!』
 そう、スパッツの上に彼女が身に着けていたのはMAWASHI!
「助太刀するよヒーローマスクさん達!」
「ああ、助かる。だがどうした事だ……奴等、君の姿を見ておののいているが……」
 サフォークが首を傾げるのも無理はない。アルパカ達は明らかに戦慄を覚えているかのような緊張に包まれているのだから。
『まさか、カラテ使いの次にはSUMOUの使い手と見舞えるとは』
『何と、あのSUMOU……!! 俺も――武者震いがしてきたぜ』
 何故か相撲に対する妙な認識を持っているらしいアルパカ達。そんな事は気にもせず、電子はリングマットの上で準備運動とばかりに四股を踏んだ。
「私も久々に張り切るよ! どすこーい!!」
 その力強い四股に観客席も何故か凄く沸いているらしく。
(「あれがSHIKO……!」)
(「動画で見た事あるけど、まさか生で見られるなんて……!」)
 どうも何かおかしい価値観の相撲動画が一時期流行ったらしい。
『ここをDOHYOに変えたとは……だが受けて立とう』
 アルパカの一体がモストマスキュラーを決めてパワーを溜め、リングで向かい合う。
「見合って――発気良い!!」
 何故かサフォークが行司となって取り組みが開始される!
『ふんぬ!!』
 電子に向かって太い腕を伸ばすアルパカ。その手は喉輪を決めに行く形。
 だが彼女は咄嗟に突進を見切ると横に飛んだ。
『くそ、変化とは……!』
「これも駆け引きのうちだよ!」
 踏み止まったアルパカに向けて張り手を放つ電子。負けじとアルパカも張り手で対抗してくる。
「どすこいどすこいどすこい!!」
 確かにアルパカの張り手はパワーがあったが、電子のような正確さには劣る。
 ほぼ全ての張り手を張り手にて受け流し、更に数多くの張り手をアルパカにぶつけていけば、ただただロープ際に追い詰めていくのも時間の問題。
『く、こうなったら……!』
 アルパカが手を伸ばし、電子のまわしを掴む。だが電子もアルパカのパンツをまわしの如く掴み、がっぷり四つの状態になった。
『ぱっかっか……こうなれば俺のパワーで貴様を投げるのみよ』
「それはどうかな?」
『な、に……?』
 アルパカは上手外四つ、そして電子は下手諸差しで掴んでいた。
 低い姿勢から、身体に見合わぬ怪力にて投げを打つ電子!!
「ええぃぃっっ!!」
 電子のパワー溢れる投げにより、マットに文字通り逆さまに刺さるアルパカの姿。
 それを見て観客達は更に驚喜に包まれるのであった。

 決まり手:下手投げ

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
同族のピンチを見過ごすわけにはいかないっすねー

「ヒーローマスクなら、ここにいるっすよ!」
近くの住人の身体を借りて、リングインっすよ
戦闘スタイルは【ロープワーク】でリングロープを駆使した【空中戦】で相手を掴ませない
「その筋肉は飾りっすか? さっさとリングから降りてボディビル大会でもエントリーしに行ったらどうっすか?」
と、ロープ際で軽く挑発。襲いかかってきたところで,リングロープを交えて使う絞技【猟兵絞狩刑】で相手を絞め落とす
「伊達にロープ際の魔術師なんて名乗っちゃいないっすからね」

さて、ロンダリングラクーンが倒れた今、それを引き継ぐ怪人は何者っすかねー?



『うぐぐ、貴様等の貧弱な筋肉に我らの筋肉が負けるなぞ有り得ん!』
 無駄なくらいに筋肉をアピールしながらリングの上で吼えるアルパカマッスルブラザーズの面々。周囲の観客席からは親指を下に向けてのブーイングが響き、空き缶や空き瓶がぶつけられていく。
『黙れ黙れ! サンドバッグになりたいかぁ!!』
「いかん、余り奴等を刺激しては――!」
 観客席に向かおうとするアルパカをヒーローマスク『サフォーク』が身を挺して阻もうとするも、多勢に無勢で勝ち目は見えない。
 繰り出される二方向からのラリアット。マスクを狩ると言う伝説の奥義。万事休すか――と思われたその時。
「とぉぉーーぅッ!!」
 どごおぉっっ!! 強烈なドロップキックがアルパカを捉え、一瞬でマットに沈め。同時にすたっとリングに降り立ったのは狐面を着けた青年の姿。
「同族のピンチを見過ごす訳にはいかないっすよねー」
「き、君は……」
『貴様、もしや…・・!』
 問いかけに返事を返すのは青年の声と重なる、面からの声。
「ヒーローマスクなら、ここにいるっすよ!」
 リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)、イベント出場レスラーの身体を借りて颯爽と登場である!
『面白い! その面剥ぎ取って野ざらしにしてくれるわ!』
「やれるもんならやってみるっす!」
 チョップを放った怪人の間合いから大きく飛び上がる事で逃れたリカルド。その足をトップロープの上に乗せ、弾みで空高く舞い上がる。
「うりゃぁ!!」
『うごぉっ!?』
 空中からのかかと落とし。見事なロープワークはルチャリブレを思わせる戦いぶりで、観客席からも興奮の声が止まない。
「その筋肉は飾りっすか?」
 脳天に攻撃を食らったアルパカが頭抑えて唸っている所に、リカルドはロープに身をもたれかけながらマイク片手に挑発する。
「さっさとリングから降りてボディビル大会でもエントリーしに行ったらどうっすか?」
『貴様ぁぁ!!』
 首を横に振って怒り心頭のアルパカが吼え、その筋肉に力を籠めてショルダータックルにてリカルドに向かって襲いかかってきた。
「はは、かかったっすね」
 手をかけていたロープを強く下に押せば、その反動でリカルドの身体は宙に舞い上がる。そしてトップロープがアルパカの顔面にぶち当たった所で、青年の両足が対戦相手の首を挟んだ!
『うぐっ!?』
「伊達にロープ際の魔術師なんて名乗っちゃいないっすからね!!」
 ロープがアルパカの身体を捉え、リカルドが回転を加える事で相手の身体もまた捻られ。腕も極めた上でマットの上に思い切り叩き付ければ、流石の筋肉アルパカも声を出せぬままその意識を手放した。
 鳴り響くゴングはKOによる試合終了の合図。
 湧き上がるは正義のヒーローである猟兵やヒーローマスクを湛える声。
「さて――」
 だが、リカルドはまだ勝利の余韻に浸ってはいなかった。
「ロンダリングラクーンが倒れた今、それを引き継ぐ怪人は何者っすかねー?」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『怪人アルパカマッスル』

POW   :    ポージング
自身の【肉体美の誇示】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    鋼の筋肉
全身を【力ませて筋肉を鋼の如き硬度】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
WIZ   :    つぶらな瞳
【つぶらな瞳で見つめること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【瞳から放たれるビーム】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はニィ・ハンブルビーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の活躍により、イベント会場を荒らしに来たアルパカマッスル兄弟はことごとくKOされ、マットや床の上に転がる羽目に合っていた。

「さぁ、貴様等さっさと出て行け。お前にも帰る場所はあるのだろう」
 ヒーローマスク「サフォーク」が彼らに向けて促すも、転がる筋肉達は乾いた笑いを漏らしながら首を横に振って答えた。
『パカカ……敗者に戻る場所なぞ無いさ』
『安心していられるのも今のうちだ。我らのボスがもうすぐお出ましだからな』

 ――そこに。
 ~~♪♪
 突然流れる入場曲! リングに続く花道の向こう、登場ステージの下からせり上がる床に乗って登場したのは……!!

『アルパカマッスル・グレート!! 参上!!』
『『 ボス!! 』』

 正直何が違うのか解らないが、ブラザーズ達がボスと呼ぶアルパカマッスルは、その威圧感も筋肉の厚みも何となく一線を画している気がするのは気のせいか。
『弟子達を可愛がってくれたお礼はたっぷりとしてやるぜ!!』
 ゆっくりと胸板を誇示しながらアルパカグレートはリングの上に乗り、マイクを片手に堂々と猟兵達に宣戦布告。

『筋肉こそがパワーであり全て!! さぁ勝負だ!!』

 暑苦しい筋肉相手のオカワリ最終バトルが今始まる!!
上野・修介
※アド・連携歓迎
「大将か」

だが何であろうと、己のやることは変わらない。

――恐れず、迷わず、侮らず
――為すべきを定め、心を水鏡に

無造作に近づきながら手振りで「殴って来いよ」と挑発。
「子分みたいに転がされるのが怖いのか?なら避けるのも、返すのも無しにしてやる」

相手の体格と視線、殺気、重心移動から間合いと攻撃の軌道を読み、当たるタイミングに合わせてUCと呼吸法による硬功の併用、攻撃を受ける『覚悟』にて肉体強度を瞬間的に強化。
一撃を受けて、相手の筋肉に対する自信を砕く。

「今度はこちらの番だ」
渾身で放つ一撃は掌底。
云うなれば人体は水袋。如何に筋肉を付けようと変わらない。
故に波を以て臓腑へ『勁』を透す。



「……大将か」
 黒幕たる怪人・アルパカマッスルグレートを前にしたところで、上野・修介は顔色すら変えずにただこう一言呟いたに過ぎず。
 何であろうと、己のやることは変わらない。
 その信条こそ、彼が平静心を保つ理由と言えようか。

 ――恐れず、迷わず、侮らず
 ――為すべきを定め、心を水鏡に

『パッカッカ。我が筋肉を見ても動じぬとは』
 サイドチェストを決め、その胸板の厚みをこれでもかと見せつけながら。アルパカマッスルグレートは修介の出方を待っている様にも見える。
 それなら、と無造作に近づきながら修介は手を差し延べる様に伸ばすと、その指先をくいっと自分に向けて曲げる仕草を見せた。それは挑発以外の何でも無い。
「殴って来いよ。俺は逃げも隠れもしねぇ」
『む……?』
「ああ、子分みたいに転がされるのが怖いのか?」
 僅かに口の端を吊り上げて修介は問うた。するとアルパカグレートの筋肉が僅かに紅潮する。明らかに挑発に乗ったのが目に見えて解る。
『貴様……我らが弟子と筋肉を侮辱するか!』
「ならかかって来い。避けるのも、返すのも無しにしてやる」
『言ったな!!』
 鼻息荒く、アルパカグレートは拳を固めると気合いと共に修介に殴りかかる。
 だが。修介には読めている。相手の体格、視線、殺気――そして重心移動。それら肉弾戦に必要な全ての要素から、間合いと軌道を。
 敵の拳がぶつかるその瞬間、両腕を構えて壁と成す。余計な力は不要。整えた呼吸、そして受け止めるべく覚悟を決めた修介のその意地こそが、肉体強度を爆発的に高める…・・!
 ズゥゥンッ!!
『なに……?』
「アンタの筋肉から繰り出されるパンチってのはこんなものか?」
 愕然とした表情を見せるアルパカに対し、修介は静かにそう告げた。
 その強力なパンチを受けては吹き飛ぶのが当たり前だと思っていたらしいが、修介はその腕で受け止め切った。僅かに勢いに押されたとて、その足元は十センチも動いてないのだ。
『まさか、そんな……いや、我が筋肉がこんな細い小僧に……』
 筋肉に対する自信を喪失したアルパカグレート。彼がその身に纏ったパワーが急減しているのは明らかだった。これも……修介の策の内だった。
「今度はこちらの番だ」
 大きく息を吸って、吐く。呼吸を整え、己の体内の気を高め、修介は大きく一歩を踏み出して――放つその渾身の一撃は、掌底!
 バシィィィッッ!!
『――が、はっっ!!??』
 分厚い胸板と腹部の間に放たれた一撃はアルパカグレートに苦悶の表情を与え、その身を蹌踉めかせて後ろのロープに寄りかからせる程のダメージを与えた。
『い、いまの、は……我が筋肉を貫く、これは……』
「云うなれば人体は水袋。如何に筋肉を付けようと変わらない」
 故に波を以て臓腑へ『勁』を透す――筋肉にしか頼らぬ怪人を打ちのめしたのは、修介の冴え渡る技に他ならないのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

雷陣・通
アルパカマッスル・グレート!?
なんて、柔軟かつ鋼のような筋肉、それに加えて老練な試合運び……こいつは強敵だぜ

ならば、俺も
禁じられた力を開放する!

『†黒雷天・真言斬撃破†』

道着を脱ぎ、黒インナー姿の俺は今、額の目が開き、そして暴走しそうな力を左目の眼帯で抑える(という設定)

こうなった以上……お前を倒すまで止まらない
(理性喪失的な意味で)

アルパカに対しゆっくり歩み寄り、素早く重たい一撃、二撃を叩き込む
そう、強者たる者が歩む殺しの陣、つまり殺陣

勿論、簡単には通じないだろう
だからこそ左目を開放する

電磁属性攻撃によって日本刀に紫外線照射!
ブラックライト塗料で輝く梵字を見よ
喰らえ!
†黒雷天・真言斬撃破†



「アルパカマッスル・グレート!?」
 現れた敵首領であるその怪人を前に、雷陣・通の声には戦慄が見え隠れしていた。
「なんて、柔軟かつ鋼のような筋肉――! それに加えて老練な試合運び……」
 幾多もの死闘を繰り広げてきた通だからこそ解る。こいつは強敵だ、と。
 ならば、手は一つしか有り得ない。
「俺も……禁じられた力を開放する!」

 秘技――† 黒雷天・真言斬撃破 †
(ファイナルベント――†シュバルツドナー・マントラバーニングスマッシュ†)

 道着を脱ぎ捨てればその黒インナーに身を包んだ彼の肉体が誇示される。
「うぐぐ……があぁぁっっ!!」
 通の額の目が見開き! その凶悪な力は押し込められし左眼の眼帯の下にて暴走し、今にも溢れ出さんとしているではないか!!
『うぐおぉぉ……何もそんな変化は見受けられないが、とにかく恐ろしい氣よ』
 アルパカマッスルグレートもまた、良く解らないまま戦慄だけを覚えている様子。

 ――賢明な読者であれば、一部は通の昂ぶる中二パワーによる妄想だと言うのがお解りだろうか。技の名前がドイツ語とサンスクリット語と英語が入り交じっている辺りが相当お察し案件である。
 雷陣・通、13歳。春からは真実共に中学二年生になる学齢。ガチの中二を目前にして見事な中二病。5年後くらいに思い出したら枕に顔を埋めて絶叫する事はほぼ確定。将来の心の死にフラグは建立完了である。

「この力……これを、使いたくはなかった……」
 ゴゴゴゴゴゴゴ……と書き文字を背景に背負い、通は一歩二歩とゆったりアルパカグレートに向かって足を滑らせれば、相手もその恐ろしく凄まじい謎の圧力に一歩二歩と退く。
 強者たる者が歩む殺しの陣――それは即ち殺陣と云う!!
「こうなった以上……お前を倒すまで止まらない……!!」
 そう、理性などかなぐり捨てた今、終わるまでは引くに引けぬ、鑑みぬ!
 素早く、それでいて重い拳が一撃、二撃とアルパカグレートに叩き込まれる!
『鋼鉄筋肉防御(スティールマッスルガード)!!』
 しかしその攻撃も簡単には通じない。力ませたその筋肉こそが怪人の鎧そのもの。びくともしない相手が不敵に笑みを見せたのを通は見逃さない。
「笑ってられるのも今のうちだ――」
 刮目せよ! 今こそ眼帯(※エア)を外し、この左眼の力を解放する時!
『な、に……!?』
 気配が更に変わった事に戦くアルパカグレート。もはや彼は、通は止まらない……!
 抜かれる日本刀は彼の帯びる電気によって電磁サムライソードと化し、その刀身には輝く梵字が浮かび上がる!!
 実際はブラックライト塗料で描かれた字に紫外線が当てられたなど言ってはならぬ!
「不動明王よ、ご照覧あれ!!」
 凄まじき中二力(パワー)で極限まで高まったその力が、電撃の刃となりてアルパカグレートに向かう……!
「喰らえ! †黒雷天・真言斬撃破†!!」
『ぐおおぉぉぉ!!!??』
 迸る雷と鋭き斬撃が、鋼の胸板を斬り裂いた瞬間であった……!!

 中二すげぇ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

迅雷・電子
あれがボスか…確かに今までの奴らと特に変わらない感じもするけど気迫とかは全然別物だね…こりゃこっちも更に気合い入れなきゃね!(顔をはたきつつ四股を踏む)

【作戦】はぁ!?ビーム!?そのなりでメインは遠距離攻撃なのかい!?しかもこっちの攻撃は硬くなると全然効かない…!なら!ビームを出した瞬間に【見切り】で回避してすぐ【ダッシュ】でアルパカの所に向かい即座に雷電張り手を食らわすよ!「ビーム出した後すぐじゃ筋肉を力ませる事もできないだろ!!」 怯んだところを上手投げで決めてやるよ!(絡み・アドリブOK)



「あれがボスか……」
 迅雷・電子はごくりと唾を飲み込みながら、これから戦う相手である怪人を見つめて、観察していた。確かに今までの奴等とは特に変わらない……そんな感じもするが。
(「気迫とかは、全然別物だね……」)
 これまで幾多もの強敵と文字通りぶつかり合ってきた電子は解る。感じる。
『パカカ……我と筋肉は相手が女だろうと手加減はせぬ』
「そんな余計な気遣いは不要だよ。さて、こりゃこっちも更に気合い入れなきゃね!」
 パシンと両手で自分の頬をはたいて己を鼓舞し、四股を踏む事で準備は整った。
『SUMOUの使い手か……近づけぬには我がマッスルビームなら有効だろうが』
「はぁ!? ビーム!? そのなりでメインは遠距離攻撃なのかい!?」
 相手の発言に思わず目を丸くして問いかける電子。だがアルパカマッスルグレートは首を大きく横に振り、歯を見せてニヤッと笑う。
『それでは我が筋肉が輝かぬ。肉体と肉体がぶつかり合う時こそが、最も筋肉が輝ける時よ。受けて立とう、女力士よ!』
 わざと不利であろう戦い方を選んだアルパカグレートは、モストマスキュラーで三角筋や僧帽筋を見せつけながら、その拳を軽く床に付く。
「それは……立ち合いの構え……!」
 相撲に合わせて戦おうと、つまりそれだけ自信があると言う事か。
「受けて立つよ……」
 例によってヒーローマスク・サフォークか何故か行司となって向かい合う二人を見守る。
「見合って――」
 気合い充分! 二人は同時に立ち上がる!!
 最初に動いたのは電子だった。
 バシイィィッ!!
 その素早い動きでアルパカグレートが彼女の回しに手を伸ばすより早く、電撃を纏った張り手が相手の顔面を捉えていた!
「どすこぉぉい!!」
『ぶべぇぇ!!?』
 鼻先に痺れる様な痛烈な一撃を受けて怯んだアルパカグレート。いくら筋肉を鎧おうとも、顔面――それも鼻の先なんてまぁ鍛えられる筈も無い。
「今だ……!!」
 その隙に掴んだのは回しの代わりに相手のレスリングパンツ。力任せに引っ張れば、余りの食い込みに声すら上げられずに苦悶の表情を見せる相手の顔が見えた。
「どっせえぇぇいぃぃっっ!!」
 ずっ……どぉぉぉん!!
 電子が強く投げに打てば、バランスを崩した大きな身体は堪らず、マットと言う名の土俵に思い切り投げつけられ、リングは例によって崩壊したのであった。

 決まり手:上手投げ。

成功 🔵​🔵​🔴​

リカルド・マスケラス
「筋肉が重要なファクターなのは否定はしないっすよ。だが、それだけじゃないってことも忘れちゃダメっす」

最初はひらひらと逃げるように翻弄するが,追いつめられた振りをして腕四つで組み合って怪力で対抗しつつ、相手の有利な状況に持ち込むことで,ポージングの効果を弱める
「こっちも飛び回っているだけが能じゃないっすよ」

「そして、筋肉だけじゃない。レスラーっていうのはファンの声援も力にできるっすよ!」
観客の声援を受けながら、力で押し返すか技で切り返すかなりして反撃し、打撃で上空へ打ち上げ、UC
「これがみんなの声援を力にした一撃っすよ!」
複数UC使用していいなら【正義代行】で観客の想いも一緒に乗せて攻撃



『うぐぐ……何故だ……ッ!!』
 怪人アルパカマッスルグレートは猟兵達に次々と叩きのめされながら、辛うじてマットの上に立ち上がると吼えた。
『筋肉イズパワー! 我が筋肉が何故ここまで追い詰められねばならぬッ!?』
「そりゃあ……」
 ロープを掴んでひらりとリングに舞う様に降り立ったのは、元々この会場のイベント試合に出場していたレスラーの青年。だがその顔に装着された狐面こそ、猟兵であるリカルド・マスケラスの本体である。
「筋肉が重要なファクターなのは否定はしないっすよ。だが――」
 ちっちっと立てた人差し指を左右に振って見せると、リカルドは借りた青年の口に笑みを作った。
「それだけじゃないってことも忘れちゃダメっす」
『言わせておけば……!! その面、叩き割って粉々にしてくれる!!』
 アルパカグレートは歯を剥き出しにして全ての筋肉に力を籠め、一瞬の内にパンプアップさせたかと思うと、リカルドに向かってその豪腕を叩き付けてきた。
『喰らえぃ! グレートラリアット!!』
「っとぉ……!!」
 だがリカルドはバク転で身を躱し、次々に繰り出されるアルパカグレートのパンチやキックをひらひらと蝶が舞うかの様に避けてみせる。
『ちょこまかと……!』
「このボディに大怪我させる訳には行かないっすからね」
 翻弄する様な動き。だが次第にリングコーナーに向かって追い詰められ、逃げ場を失ったリカルドは相手の両腕に捕まりかけたかと思いきや。腕四つでがっしり組み合う事で一方的に捕まる事だけは回避する。
『パッカッカ、捕まえたぞ小僧。捻り潰して……あれ?』
「こっちも飛び回っているだけは能じゃないっすよ」
 細身に似合わぬ怪力は狐面から青年の身体に注がれ、アルパカグレートの腕力と拮抗していた。それだけではない。この状況は敵にとっては不利とは言い切れぬ。パワー対パワー。ただし腕を掴み合っていてはポージングで肉体誇示どころでは無い。
「そして、筋肉だけじゃない――レスラーっていうのは、ファンの声援も力にできるものっすよ!」
 そう、聞こえるだろうか……! 観客席においては怪人の出現にも関わらず、猟兵達への、ヒーローマスク達への熱い熱い声援が響き続けているのだ!!

「いいぞー!! やっちまえーー!!」
「リカルドーー!! ファイトォォォ!!!」

 そしてその観客の声援に応える事こそ、ヒーローの矜持!
「ふんッ……!!」
『ぬおぉぉぉ……!!』
 組み合い押し合う二人。だが、リカルドは突然その腕の力をふっと抜く。
『うぉぉっ!?』
 拮抗していた怪力のバランスが崩れれば、怪人もまた足元のバランスを崩し、前のめりに倒れかける。勿論、それがリカルドの狙い。
 身を低くして両足を思い切りアルパカの6つに割れた腹に蹴り込むリカルド。上空へと打ち上げる豪快な巴投げが炸裂する。
「仕上げっすよ……!!」
 素早く身を起こし、リカルドもまた追う様に宙に飛ぶ。空中で自由が利かないアルパカグレートの腕を、足を、首を極め、フィニッシュホールドが完成した……!

 ――必殺、ブレイジング・フォックス!!

「これがみんなの声援を力にした一撃っすよ!」
『ぐおぉぉぉっ!!!』
 ズウゥゥンっ!!
 落下に伴う衝撃が首と四肢を極められたアルパカグレートの全身を貫く。
『見事、だ……』
「あんたも、っすよ」
 すたっとリカルドが怪人から離れると、3カウントを待つ暇も無く、怪人はその姿を失い消滅していった。
 そして勝利を告げるゴングの音が、戦い終わったリングに立つ青年を称える様に高らかに鳴り響いたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月24日


挿絵イラスト