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ツルペタは平和の証

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス #バーサー久澄 #引き際を間違えなければネタ依頼 #鮫は犠牲になったのだ #蟹は美味しく頂かれました #死ぬ覚悟のある奴だけ来い

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「皆様、先日は戦争勝利おめでとうございます。祝勝ムードも冷めやらぬ今ですが、件のグリードオーシャンにて事件です」
 大神・狼煙(コーヒー味・f06108)が海図を広げ、とある島を示すと。
「場所は王笏の島とやらですが、皆さまご存知の通り、ここには大量のメガリスが隠されています。それをコンキスタドールが捜索しているわけですね」
 早い話、敵を倒してぶんどって来いと言っているのだ。
「ちなみに、敵が探しているメガリスは【つるぺたストーン】と言いまして、なんと周囲の女性を貧乳を通り越して無乳にする力がいや待ってください最後まで話を……」

 ※しばらくお待ちください。

「……と言うわけで、肉体の一部を平面化し、まるで鏡のように、受けたユーベルコードの効果をあらぬ方向へと反射する権能を持ったメガリスなんです」
 主に女性陣から武器やらユーベルコードやらが飛んできて瀕死に陥っている狼煙だが、もし敵の手にこのメガリスが渡ってしまえば、敵は不滅の盾を手にするに等しい。
「仮に捜索が間に合わず、メガリスが敵の手に渡ってしまっている場合はユーベルコードに頼った戦術では勝ち目がありません」
 というのも、メガリスはあくまでも秘宝でしかないゆえに。
「敵はメガリスで無敵化しつつ、皆さんの戦意を削ぎ落とす光を放つ他、兎と鳥を司っており、これらの繁殖能力を人類以上のものとして生み出し、戦線を形成します」
 速い話、二回行動してくる。しかも、当たった時点で戦意喪失する事実上の防御不可攻撃に加えて、元々多産で知られる兎がより繁殖能力を強化された為に、瞬く間に増殖する軍勢と化している。さらに、鳥の繁殖……即ち、卵を盾にされれば、近接攻撃を仕掛けて中身を浴びた途端に卵白が硬化を始め、身動きが取れなくなる可能性がある。
「敵は自身のユーベルコードとして、みなさんの攻撃を打消すものも持っているため、力押しはほぼ通じないと思ってください」
 しかも敵の目的はメガリスの回収であって猟兵の抹殺ではないため、下手すりゃ逃げ出す可能性まであると来た。
「色んな意味で困難を極める依頼になるでしょうが、まずは釣り大会を開催します」
 ちょっと何言ってるか分からないかもしれないが、端折って概要をまとめると、釣りしてると海辺に潜んでるコンキスタドールの配下も釣れるから、まずはそっちを誘き出してぶっ倒して、部下の様子を見に来たコンキスタドール本人を釣り上げようっていう作戦なんですって。
「王笏島は無数のトラップが残された危険な島です。下手に探索して消耗したまま戦闘にもつれ込むより、敵を皆さんがいる浜辺に誘導した方が確実でしょう」
 そこまで述べて、眼鏡のおっさんは転移門を開く。
「それでは皆さま、ご武運を……あ、周辺環境に影響が出る為、過度な投網漁や電気ショック漁の類は禁止ですからね!」


久澄零太
戦争……してたんや……

はっ!もう始まってる!?

皆様やっふぉい、久澄です

今回は二章まではネタネタして、三章に入った途端に久澄が発狂する特別仕様な『ガチ依頼』です

二章までだけ参加するのがお勧めだよ!



なお、誤解を招かないよう、メタ視点で説明補足です

どういうわけか、皆さんはどう足掻いても敵がメガリスを獲得してから戦闘になります

で、ボスが持ってるメガリスはボスの行動時に『無敵城砦』のUCを発動してくるようです

力押しは通じないから頑張って無敵貫通プレかけてね!

なお、初回執筆は四日の予定。三日の深夜までにプレくれると嬉しいな!!

ちなみに、希望者は依頼成功時にメガリスを持ち帰る事ができるかもしれません
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第1章 冒険 『フィッシュファイト!』

POW   :    素潜りで大物を捕える!

SPD   :    鍛えられた釣り技術で素早く釣り上げる!

WIZ   :    最新機器を使い投網で大漁だ!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

釣りかぁ、まぁ、なんとかなるかな。
呼吸を整え体感時間が引き伸ばされる程に深い集中に潜り己のパフォーマンスを最大限に引き出す境地に至る。現代スポーツでゾーンとかフロー体験と呼ばれるソレね。
釣りのコツは如何に自然に調和し一体化するかよね。
「全集中もとい神仏降霊神懸かり 妖の息吹……」
今の私は木、そう木になりきるのよ。
え、ネタネタしていない?なにをおっしゃるくずみーさん。
釣りにUCまで駆使した達人技ぶっこむのってガチに見せかけたネタ行動でしょ?いわゆる技術の無駄使いってやつよね。
ぶっちゃけ私なら結界術で捕まえた方が釣果はあがるけどそんなの風情がないしねぇ。


アリス・トゥジュルクラルテ
ロクローくん、魚、好きな、だけ、食べる、して、いい。
(嬉々として素潜りしながら魚を食べ始めるロクローくん)
アリスは、釣り、しながら、考え事、する、です。

(彼女がアリスを助けてくれていたのを、アリスは知らなかった。
キマイラフューチャーで作られたものすごく流れの速い川に流されて、気づいたらグリードオーシャンに来ていてどうして助かったんだろうって不思議だったけど…彼女がいてくれたんだ。
この間アリスも予知して、やっとわかった。
わかったんだから、アリスも彼女を助けないと…!)

お姉ちゃんも、魚、好き、だから、釣れる、したら、持って、帰る、したい、です。
…ロクローくん、動く、ない、程、食べる、したら、だめ。


四季乃・瑠璃
平和に釣り(?)

緋瑪「つるぺたストーンなんて見つけて来たマスターさんを餌にして大物狙えないかな?」
瑠璃「鮫くらいしか釣れなくない?」

瑠璃「やっぱり釣餌ならコレだね」
緋瑪「ナニソレ?」
瑠璃「特性キムチ」(釣餌を投げ入れた周辺が一瞬で赤く染まり、魚がプカプカと)
緋瑪「海が汚染される!」
瑠璃「発酵食品は釣餌に良いんだよ?」

緋瑪「こうなったら、探知術式【情報収集、高速詠唱、ハッキング】で魚群を探知してボムで気絶させよう!爆竹漁な感じで!」
瑠璃「ぇー、キムチの方が平和…」
緋瑪「環境汚染だよ!…ついでにこの島、罠いっぱいみたいだし、術式で探知、ハッキングして乗っ取っちゃおう」
(【ハッキング、罠使い】)


パリジャード・シャチー
●心情
・ふむ、魚を獲れと。まあ、楽勝だね。何故ならうちはシャチぐるみだから。シャチぐるみなら、水中の中だろうとすいすいだぜ。
・良い子は真似すんなよ、溺れるからね

●素潜りPOW
・高速泳法を使ってスイスイ泳いで魚を捕るよ。ヒレの先を凍らせて氷の刃を作り―、さっくりと仕留めつつ(暗殺)ー、網の中に次々と放り込んでいくよ
・適当に魚を取ったらー、陸に上がり―。女神のキッチンセットでお料理するよ。そうだねぇ…、白ワインの気分だからー。アクアパッツァでも作ろうかなー。後は適当に和食
・みたいな感じで美味しそうな料理の匂いを漂わせて敵を釣るかな。
・えっ、うちの料理食べたいん?じゃ、何か面白いことして(無茶ぶり)


クロ・ネコノ
【SPD】
【つるぺたストーン】…胸の件抜きにすれば割と洒落にならない効果だね。
まあとにかく、釣りだよ!
私の特に鍛えたわけではない[釣り]技術が役に立つ時が来たね。
まず竿セットよし!餌よし!折り畳みのリクライニングチェアよし!
(チェアにごろ寝しながら)あとは釣れるのを待つだけー。

 ネタアドリブ・絡み歓迎!


フェリーネ・フォルス
ほうほう、狼煙(?)さんご案内の釣りですとにゃ?
ん?なんで(?)が付いてるかって?
いや……ずたぼろで見た目が変わってたから……
ま、まあ、救急されてたから、きっと大丈夫だろうにゃっ!

とにかく、釣りにゃ~
元々、この世界で漁師してた私だにゃっ!
大物…は特に狙わないけど、量は狙うにゃよー

散宙華から自前の船を出して沖へ
銛を持って潜るー
あ、船はそんなに大きくないにゃよ?
小型帆船くらいですにゃ

潜ったら、てけとーに魚をブスリと獲っていくにゃ
あ、鮫……
よしっ! アイツも仕留めるにゃっ!
お前を赤く、辛くしてやるにゃーー!

後ろにシャチぐるみを着てる超辛党女神が見える?
気のせい気のせい、だにゃ


テティス・ウルカヌス
相棒のいちごちゃんと

「ふっふっふー。
海といえばアイドル!
アイドルと言えば天才的美少女アイドルのテティスちゃんと、その相棒のいちごちゃんです!」

あ、プロデューサーさん、水着は向こうの世界のパレオ付きのやつでお願いしますね。
こっちでも水着が欲しいんですけど……
専属の写真屋さんに4人くらい担当していただいてるので、なかなか私の撮影の機会が回ってこないんですよね。

「それじゃあ、いちごちゃん、アイドルとして海辺で水着ライブ開始ですよっ!
釣り大会をしている皆さんを全力でサポートです!」

浜辺で水着姿で【天使の歌】を熱唱しますね!

「あれ?
なんで海面に気絶したお魚さんたちが浮かんでるんでしょうか?」


彩波・いちご
テティスさんと

テティスさんと2人での仕事も久しぶりですねぇ
私の水着は写真にあるミニスカセパレートです
2人ともそこそこ絵になるんじゃないでしょうか(胸以外は)

まずは釣りでのんびりと、ですか
魚を捌くのは得意ですけど、釣りはやったことないんですよね
…と思ったら、え、そんなアイドル水泳大会みたいなノリ!?
釣り大会の画面の隅っこで歌ってるアイドルがいるみたいな…
まぁ、釣りをするよりは得意分野ですし、水着ライブ承りました!

テティスさんに合わせて【シンフォニック・キュア】でデュエット
…猟兵へのダメージは緩和されるはず、たぶん

海面まではフォローできませんでしたが…音波兵器での漁は、やっても大丈夫なのかしら…?


中村・裕美
アドリブ等おまかせ

「……環境考慮なら……爆弾も使えないわね。……残念」
とりあえずは【水中戦】特化のエレクトロレギオンを召喚してソナー等で【情報収集】して魚群……というか潜んでる敵の位置を探ったりして仲間等情報共有。有効であるなら追い込み漁とかしてもいいかも
あとは適当に釣り糸垂らして待ってる
「……もし敵釣っちゃったら……何話せばいいかわからないし……他の人に当たればいいわね」

つるぺたのメガリスについては性能とか解析したいとは思うけど,性能以外にはそこまで興味はないかも
「……胸があろうとなかろうと……人前に出なきゃ……見た目とか関係ないし」



「釣りかぁ、まぁ、なんとかなるかな」
 ざざーん……ざざーん……寄せては返す波打ち際、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗のケイオト魔少女・f05202)はカーゴパンツに釣りジャケットを羽織り、海面からの反射を防ぐピンクグラサンをかけ、日差し除けにキャップを被り、釣竿を振るう……ガチだ!?
「全集ちゅ……もとい神仏降霊神懸かり、妖の息吹……」
 今の私は木、そう木になりきるのよ……自らに心の内で語り掛けて、肉体による芝居ではなく、魂からの虚像に身を包む。潮風に揺れていた髪すらピタと凪ぎ、動かざる者としての姿がそこにあった。
『え、ネタネタしていない?なにをおっしゃるくずみーさん』
 こいつ……超自然の意思と一体化して壁を越えて語り掛けてきやがる……!?
『釣りにUCまで駆使した達人技ぶっこむのってガチに見せかけたネタ行動でしょ?いわゆる技術の無駄使いってやつよね。ぶっちゃけ私なら結界術で捕まえた方が釣果はあがるけどそんなの風情がないしねぇ』
 などと、肉体の方は微動だにせず、分離した自我の方がふよふよ漂いながら脚を組み、やれやれと首を振るのだが……うん、今回はそっちの発想で正解だと思うぞ。
『どういうこと?』
 まずはあちらをご覧あれ。
「つるぺたストーンなんて見つけて来た観測者さんを餌にして大物狙えないかな?」
「鮫くらいしか釣れなくない?」
 物騒な話をする四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)と四季乃・緋瑪("1人で2人"の殺人姫・f09675)の姉妹です。
『既にオチが見えてるんだけど?』
 まぁ最後までつきあえよ。魚かかるまで暇だろお前?
『まぁ、そうね……釣りは待ちのゲームだし……』
 というわけで道連れも確保したし、早速様子を見に行くか。
『今道連れって言わなかったかしら!?』
 はーいカメラさん、瑠璃の手元アップしてー。
「やっぱり釣餌ならコレだね」
「ナニソレ?」
 そう、それ。新手の化学兵器みたいな真っ赤なやつ。アレ深紅の箱に見えるだろ?正体はプラスチック製のパックでな?中身の方が……。
「特製キムチ」
「海が汚染される!?」
 緋瑪が止める間もなく、綺麗な笑顔で瑠璃が海に向かって竿をシューッ、ぽちゃん。じわぁ……。
「瑠璃それ本当に大丈夫!?白菜の欠片で海が真っ赤に染まったんだけど!?」
「発酵食品は釣餌に良いんだよ?」
 しかし魚は全くかからない、というのも。
「瑠璃、お魚浮いちゃってるんだけど……」
 海に投げ込まれた刺激物のせいで魚がショック死して、浮いちゃってるんですよねー。
「……ん?」
 その時である。瑠璃がその気配に気づいたのは。
「誰か来……何あれ!?」
 振り返った瑠璃の視線の先には、ブーメランパンツ一丁で巨大なハリセンを引きずる筋骨隆々の男の姿が!しかも顔は『罰』って書かれた麻袋に覆い隠されて見えない!!
「「変態だー!?」」
 姉妹が揃って悲鳴を上げる間にも、巨漢が迫ってくる……主に、瑠璃に向かって。
「はっ!そういえば聞いたことがある!」
「知ってるの緋瑪!?」
 知ってるって言ってるのにスマホを取り出すから、今から調べるのかなって見せかけておいて。
「この島には罠がいっぱい残されてるって話だったし、これもきっと猟兵という侵入者を排除するための罠のはず……!」
「じゃあハッキングして乗っ取っちゃえばいいよね!!」
 で、瑠璃もスマホを取り出したところで男は突如急加速。
「え、速……」
 瑠璃の指先が画面に触れる前に彼女の頭を掴み上げるとクルっと回して、海の方を向かせてからハリセンを振りかぶって……。
「ちょ、待って、この流れって……」
 スマァッシュ!!
「いったぁああああああい!?」
 どっぽーん……尻をハリセンでぶん殴られた瑠璃は、自らが真っ赤に染めた海へと散っていった……。
「瑠璃ー!?」
 じゃあコイツ敵なのかってーと、緋瑪には襲いかからず、監視するようにちょっと離れたところで、じー。
「え、何なの?ハッキングも受け付けないし……」
 緋瑪、はいこれ。
「依頼書?」
 ここ読んでみ?
「えーっと、『周辺環境に影響が出る為、過度な投網漁や電気ショック漁の類は禁止』……あー……」
 キムチのせいで瑠璃はお日様になったんだなって察した緋瑪。半眼ジト目で後ろの男を見遣り。
「ということは、あれは判定という名前の概念兵器……ルールを破ったら尻ハリセンされるってことだよね……よし!」
 瑠璃よりは危機回避能力がある気がする緋瑪はスマホと爆薬を掲げて。
「こうなったら、探知術式で魚群を探知してボムで気絶させよう!爆竹漁な感じで!これなら爆発範囲にしか影響が出ないから判定に引っかからな『スパァン!!』いったーい!?」
 どぼーん……緋瑪も海に沈んだか……。
『え、何よアレ?』
 あれほど過剰な漁はするなといったのに、影響が大きすぎる行動をとった奴をシバく使い魔。アリス、お前も結界術なんか使ってたらああなってたんやで……。
『ネタ枠としては失敗したと考えるべきか、事なきを得たと喜ぶべきか……』
 アリスが悩み始めてしまったところで次行ってみよう。
「つるぺたストーン……胸の件抜きにすれば割と洒落にならない効果だね」
 シリアスフェイスしてる猟兵がいるだと……!?
「まあとにかく、釣りだよ!」
 わずか二秒のシリアスタイムを脱ぎ捨てて、クロ・ネコノ(弓矢が得物のゴム鞠猫・f06406)は釣り具キットを展開。
「私の特に鍛えたわけではない釣り技術が役に立つ時が来たね」
 鍛えてないんかい!!
「まず竿セットよし!餌よし!折り畳みのリクライニングチェアよし!」
 砂浜に穴を掘って竿を固定し、餌を針に通して海に投げ込んだら椅子に座り込み……。
「あとは釣れるのを待つだけー」
 完。
『え、これだけ?』
 さすがのアリスも目が点である。
「逆に聞きたい、これ以上何をするんだい?」
 くぁあ……猫のように大きくあくびをしたクロはチェアで丸まり日光浴しながらお昼寝タイムの構え。
「釣りってーのは待ちの戦い……つまり、猫の狩りの如く仕留める瞬間まで身を潜めるのが正解さね!まぁ、私は電子人だから寝るけど」
 猫耳猫尻尾でキマイラに見せかけバチャキャっていうね……寝るのはいいけど、それヒットしても気づかないんじゃ……。
「すにゃぁ」
 遅かったー!?
「ほうほう、狼煙(?)さんご案内の釣りですとにゃ?ん?なんで(?)が付いてるかって?いや……ずたぼろで見た目が変わってたから……ま、まあ、救急されてたから、きっと大丈夫だろうにゃっ!」
 気を取り直して海の上。帆船を駆るフェリーネ・フォルス(にゃん狐・f26982)は潮風に合わせて帆を揺らし、沖へと進んでいく。
「とにかく、釣りにゃ~元々、この世界で漁師してた私だにゃっ!大物……は特に狙わないけど、量は狙うにゃよー」
 などと釣果に期待できそうな前振りで自らハードルを上げていくスタイルのフェリーネ。行き過ぎると荒ぶる海流に持っていかれる為、適当なところで小瓶を取り出す。すると、帆船が瓶に飲まれて消え、フェリーネは海へと飛び込んでいく……待って、釣りは?

 ※ここから先は海中のシーンも含まれますが、一切会話がないと不便なため、猟兵達の意思疎通を会話描写という形で記録しておきます。身振り手振りで荒ぶる猟兵達の姿は映像記録の方でお楽しみください。

「さーて獲物はーっと……」
 銛を片手に泳ぐフェリーネ。魚達は海上からの闖入者を前に、そっと岩陰に身を潜めるが。
「隠れても無駄にゃー!」
 フェリーネは岩の隙間に銛を差し込む……と見せかけて、脇をすり抜けようとした魚の鰓に銛を発射!抉り込むようにして貫通させると、腰に下げた袋に入れて一旦浮上。
「ぷひゃー……」
 深呼吸、肺の中身を入れ替えて再び海中へ。
「じゃんじゃん釣るのにゃー」
 釣りとは一体……ちなみに、銛漁にはとあるリスクが付いて回る。それが……。
「あ、鮫……」
 イェス。獲った魚の血の匂いに釣られてデカブツが寄ってくること。
「よしっ!アイツも仕留めるにゃっ!」
 やるの!?鮫って確か調理が難しいんだったか手順間違えると悪臭がすごいんだったかで、苦労するんじゃ……。
「お前を赤く、辛くしてやるにゃーー!」
 どっかで聞いた事ある組み合わせ……フェリーネ後ろー!?
「後ろにシャチぐるみを着てる超辛党女神が見える?気のせい気のせい、だにゃ」
 などと、フェリーネが銛を構えた瞬間。
「シャチキーック!!」
「横取りされたにゃっ!?」
 パリジャード・シャチー(因達羅神のハナヨメイド・f17808)の跳び蹴り(泳ぎ蹴り?)が鮫の鼻っ柱を直撃!鋭敏感覚で知られる鮫の鼻だが、それは同時に急所でもある。痛みより先に混乱に見舞われた鮫目掛けてパリジャードの尾鰭が凍結。
「シャチスラーッシュ!!」
 南無三ッ!巨大な斧と化したシャチヒレが鮫の鰓に食い込み、頭部を切断!首を失った鮫の体はゆっくりと沈んでいく……。
「鮫の分際でうちの漁を邪魔する方が悪いんだよ……」
 台所に降臨する黒い悪魔を仕留めた時みたいな顔で鮫の亡骸を見送ったパリジャードは、しゃちーんとシリアス味を失い。
「魚を獲れだなんて、楽勝だね。何故ならうちはシャチぐるみだから。シャチぐるみなら、水中の中だろうとすいすいだぜ。あ、良い子は真似すんなよ、溺れるからね」
 などとカメラ目線で、さっきのエッグい顔のイメージを払拭しようとするパリジャードである。
「ネタにしてたら本物が現れたにゃー!?」
「はっはっは、噂すれば魚影って言ってね。鮫の話をするとうちが殺意の波動に目覚めるんだよ」
 パリやん若干シャークキルモード抜けてなくない?
「鮫は一匹見たら五十匹……皆殺しにしないといけないからね」
「で、肝心の獲物はどうなってるのにゃ?」
 これまさか鮫をコロコロする作業しかしてないのでは?って顔したフェリーネへ、パリジャードはシャチぐるみの隠しポケットをごそごそ。
「ちゃんと獲ってあるよ、ほら」
 先ほどと同じ要領でヒレを凍らせた文字通りの『手刀』で漁をしていたのだろう。背びれや尾びれが落とされているもの、頭と鱗が落としてあるもの、などなど、若干の下ごしらえが済んだ状態で袋に納まった魚と。
「およ、貝も獲ってるのにゃ?」
「まぁね。この冷凍シャチブレードがあれば、岩から剥がすのも簡単だよ」
 などと、凍てついた前ヒレをシュッシュッ。物騒なシャチだなぁ……さて、そろそろ視点を浜辺に戻そうか。
『遅いわよ!』
 どうしたアリス?
『もたもたしている間に、あの子が来ちゃったじゃない!』
 あの子?
「ふっふっふー。海といえばアイドル!アイドルと言えば天才的美少女アイドルのテティスちゃんと、その相棒のいちごちゃんです!」
 アイェエエエ!?ナンデ!?テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・聖なる歌姫・f12406)ナンデ!?
「あ、プロデューサーさん、水着は向こうの世界のパレオ付きのやつでお願いしますね。こっちでも水着が欲しいんですけど……専属の写真屋さんに四人くらい担当していただいてるので、なかなか私の撮影の機会が回ってこないんですよね」
「テティスさんと二人での仕事も久しぶりですねぇ……私の水着は写真にあるミニスカセパレートです。二人ともそこそこ絵になるんじゃないでしょうか」
 止めろよ!彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)は奴を止めろよ!!
「あ、やっぱりアイドルがおいそれと肌を見せるのはよくなかったでしょうか……?」
 そっちじゃねぇ!いちご、さてはおめーこの手の依頼あんまり来たことないな!?
「確かに、魚を捌くのは得意ですけど、釣りはやったことないんですよね」
 そっちじゃねぇえええ!!
「プロデューサーさん、水着まだですかー?」
 うるせー!この領域は転送が使えねぇから輸送に時間かかるんだよ!!
「フハハハハハ!我が名は謎の宅配職員ドクターH!」
 あ、来たわ。
「ご所望の水着と簡易更衣室のお届けだ!なお、地上に降りたら仮面をはぎ取られた挙句惨殺される気がするからここから失礼する!!」
 上空のヘリから白衣に白い仮面っていう怪しいおっさんがダンボールを投下。砂浜で受け止められた荷物をテティスが確認している隙に、ヘリは飛び去っていく……。
「あの、一ついいですか?」
 どうしたいちご?
「ここ、ヘリも飛ばせなかったはずじゃ……」
 そこに気づいてしまったあなたはSAN値チェッ……。
「わー!なんでもありませんごめんなさい私は何も見ませんでした!?」
 ならよし。
「それじゃあ、いちごちゃん、アイドルとして海辺で水着ライブ開始ですよっ!釣り大会をしている皆さんを全力でサポートです!」
「そうですね、水着なら海水にぬれても……と思ったら、え、そんなアイドル水泳大会みたいなノリ!?釣り大会の画面の隅っこで歌ってるアイドルがいるみたいな……まぁ、釣りをするよりは得意分野ですし、水着ライブ承りました!」

 お着換え中……。

「季節外れのサマーライブ!始めちゃいますよー!!」
「せっかくの波打ち際……さざ波と一緒にお楽しみください」
 というわけで、和服を思わせる重ね仕様の白いセパレート水着に水色パレオを巻いたテティスと、黒地のセパレート水着にピンク、赤のフリルを重ねたドレス調の水着のいちごが肩を並べてマイクを手に。
「「それでは聞いてください!」」
 流れる音楽に眠りこけていたクロが目を覚ます。のそのそと向きを変えれば、楽し気な音楽に美少女(真偽二名)が踊っており。
「おや、随分と楽しそうな催しが……」

 ※記録の一部は猟兵の精神の安全の為に削除されています。詳細な記録が必要な場合は部隊に編成されていた猟兵に直接確認を取ってください。

「……はっ!?」
 気が付いたら砂浜にぶっ倒れていたクロが意識を取り戻す。むくり、体を起こせば、頭の内側から響く鈍痛が……。
「妙だね……あの二人が歌い始めた辺りから、記憶がない……」
 思い出そうとすると、生存本能が拒否するように思考にノイズが走る。
「一体何が……」
 とか言ってたら、釣竿がめっちゃ荒ぶってますけど?
「おっと何かかかってるじゃないか!」
 釣りに夢中になっている隙に、全てを忘れ去ってしまうクロなのであった。いや、あれは忘れた方がいいと思う……。
「あれ?なんで海面に気絶したお魚さんたちが浮かんでるんでしょうか?」
 で、きょとん顔してる悲劇の根源さんこと、テティスの傍らでいちごは渋い顔。
「海面まではフォローできませんでしたが……音波兵器での漁は、やっても大丈夫なのかしら……?」
 その解答は、後ろをご覧ください。
「後ろ……?」
「わー、水着に麻袋の芸人さんですね!さすがはツッコミのプロ、あんなおっきなハリセンを素振りして……」
「これアウトってことじゃないですかー!?」
 自らが置かれた危機に気づいてないテティスと、迫りくる『罰』袋の男の脅威に気づいたいちご。さぁどうする!?
「逃げるに決まってるじゃないですか!!」
「きゃっ!いちごちゃん!?」
 テティスを横抱きにしていちごは浜辺をダッシュ!その背後を麻袋が追う!!
「ひぃ!追ってきた!?」
 さぁ始まりました浜辺の水着鬼ごっこ!逃げるはテティスというハンデを抱きかかえたいちご、追うは違反者絶対海に叩き込む悪魔、判定のハリセン魔人。アイドルコンビの運命やいかに!?
「リア充……爆発すればいいのに……」
 他に誰も来ない岩場の、しかも浜辺から見えない陰の位置。そんな日陰でこっそりと釣り糸を垂らす中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)の耳にも浜辺の喧騒は届いていた。
「……あ、でも……環境考慮なら……爆弾も使えないわね……残念」
 彼女が残念がっていたのは爆竹漁なのか、リア充発破なのか、詳細はさておき。
「……もし敵釣っちゃったら……何話せばいいかわからないし……他の人に当たればいいわね」
 釣りの傍ら、水中用ドローンを海中に展開してソナーを放っていた裕美。帰ってくる反応から潜んでいる敵の位置を割り出し、奇襲でも仕掛けられないかとおもったが。
「……さすがに、そんな簡単に位置を割り出せるところにはいない……か……ていうか」
『フカヒレだけ残して海底のこやしになればいいと思うよ!』
『にゃっはー!釣り尽くしてやるにゃー!!』
「……あの二人、新手の鮫映画の撮影でもしてるの……?」
 帰ってくる反応はシャークハンター二名の戦闘記録だった。
「……」
 ふと、空を見上げる。二つの積乱雲は豊かな膨らみを描いていて。
「……胸があろうとなかろうと……人前に出なきゃ……見た目とか関係ないし」
 無敵化するメガリスには興味がある。だが、ぺちゃぱいになりたいかっていうと、そうでもない。その思想が、彼女が(胸を)持つ者である故か、(友を)持たざる者である故かは、誰にも分からない……。
「ロクローくん、魚、好きな、だけ、食べる、して、いい」
 孤独を抱き釣り糸を垂らしていた裕美だが、その彼女の位置からさらに奥の岩場に、もう一つ人影があった。白鰐を送り出した小さな影は、水面に揺れる釣り糸を眺め、思考の海へと沈んでいく。
(彼女がアリスを助けてくれていたのを、アリスは知らなかった)
 少女……アリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)は、謎に包まれた経歴がある。
(キマイラフューチャーで作られたものすごく流れの速い川に流されて、気づいたらグリードオーシャンに来ていてどうして助かったんだろうって不思議だったけど……)
 恐怖で記憶が混濁していたかもしれないが、もしも、アリスの記憶が正確なのだとすれば彼女は異界へ渡る水流に飲まれた事になる。もしそうだとすれば、文明の大半が失われるほどの衝撃に晒されていたはずだが。
(『彼女』がいてくれたんだ)
 名前も何も知らなかったけれど、皮肉にも敵として……オブリビオンとして予知することで、その存在を知った。
(この間アリスも予知して、やっとわかった。わかったんだから、アリスも彼女を助けないと……!)
 問題は、相手はアリスを救った女神。つまり、文明すら失われる衝撃を打ち消す『バケモノ』である。
「戦う、したら、ロクロー、くん……」
 いつもそうだ。目の前に助けたい人がいるのに、守りたい人がいるのに、自分にはその為に振るう拳がない。傷つくのは傍にいてくれる姉か、付き添ってくれる相棒なのだ。
「……ロクローくん、動く、ない、程、食べる、したら、だめ」
 海から上がってきたロクローが明らかに満腹な様子で帰ってきた為、アリスが釘を刺すも「えっ」って顔を返された。若干手遅れだったらしい。
「はぁ……」
 そのため息は、食欲に忠実すぎるロクローへ向けたものか、無力な自分に向けたものか、答えは少女の胸の中である。




『え、待って』
 なんだアリス(霊魂)?
『なんかシリアスってない?前半はネタ依頼のはずよね?』
「依頼がネタってても、参加者でシリアスになる……どんなお魚でも調理法で味が変わるのと一緒さ」
 ぐつぐつ、魚の切り身と野菜を濾過してごみを取り除いた海水、白ワイン、オリーブオイルで煮込み、フライドガーリックとパセリを散らして唐辛子を加えようか迷うパリジャードは香りを潮風に乗せて海に運びつつ、淡い微笑みを浮かべる。
「ここに一人、自分が背負った過去と向き合おうとする人がいた、それだけだよ」
 おめー時々真面目な事言うよな。
「失礼な、うちはこれでもちゃんと神様なんだよ?」
「あのすみません女神様でしたらこの危機的状況から救っていただけますと……」
 ムキムキの男に尻を狙われていたいちごからSOSが飛んでくるが、既に彼我の距離は幾許もなく、ッパァン!
「あっー!?」
「きゃー!?」
 いちごの臀部をハリセンが強打し、抱えていたテティス諸共海へと吹き飛んでいった……。
「はっはっは、子どもは元気だねぇ」
「お、飯かい?」
 割とでかい魚を引きずってきたクロへ、パリジャードがおやぁ?
「食べたい?それなら何か面白いことして」
「よしきた」
 突然の無茶ぶりに、クロは自分の腹に手を当てて、ながーく息を吐くと。
「一発芸、フグ!」
 ボンッ!!一瞬で大きく息を吸って真ん丸に!!そんな様子を物陰から眺めていた裕美は……。
「……これだから、パリピは……」
 漂ってくる香りにお腹を空かせていたとかなんとか。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『アシュラオオガニ』

POW   :    阿修羅連打
【眼が赤く光る怒り状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD   :    剛力殺
レベル×1tまでの対象の【胴体や首】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
WIZ   :    蟹泡地獄
【口】から【大量の泡】を放ち、【粘着と溶解】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「やっぱり海の家ではシーフードですよね!」
「美味しいのは確かですけど、海の家ってわけでは……」
 天然入った猟兵の反応に、相方がちらと調理人を見遣ると。
「気にしなくていいよー。派手なフライングダイブは見てて面白かったし、せっかく作ったなら形はどうあれ食べてもらった方がいいしねー」
「でも鮫だけは食べないのにゃー」
 食材に鮫が含まれていない事に触れた猟兵がいたが、調理人の顔がニマァ……と影に染まる辺り、多分触れてはいけない。
「飯返すがにぃいいい!!」
 あ、敵来たわ。
「……なんでこんな……唐突に来るの……?」
 その辺は敵が説明してくれるよ、多分。
「お前ら俺たちの飯を横取りしやがって……許さんガニー!!」
「お魚を横取りしに来たってことかな?」
「ところで蟹って高級食材だよね?」
 そこ!いきなり爆弾構えるんじゃない!!
「なんにせよ、来ちゃったからには蟹鍋よね♪」
 なんで食う前提なの!?
「じゃあ美味しくないのかい?」
 いや、めちゃくちゃ旨い。
「あ、待って、食べる、ダメ!さっき、あんなに、食べる、したでしょ……!」
 相棒が暴走して慌てて追いかける猟兵もいたが、一応戦闘ですって。


※次回執筆は明日、五日の予定。明日の早朝までにプレが間に合ったら嬉しいな!!ちなみに、蟹さんはすごく美味しいそうです。
パリジャード・シャチー
●心情
・お前が飯になるんだよー!ってことで蟹鍋の材料になるがいいよ。安心しろ、キミ達は美味しく調理してあげよう。
・それじゃあ、ご飯を炊こうかな。〆はやっぱりカニ雑炊だよね。その為にもご飯がないと始まらないよ。どうしよっかなぁ…土鍋で炊くかぁ。

●調理
・始めちょろちょろ中ぱっぱってね。IH対応の土鍋でご飯を炊くよ。今ならなんと、おこげもつけてやろうじゃないか。ってな感じで、女神のキッチンで調理して飯テロしまーす。イェイ!

●戦闘
・さあ、愛羅。暴れておいで。この後に来る敵を倒すための準備運動をしていらっしゃい。雲の足場を使って高い所からドーンと潰して頂戴な。ある程度潰したら調理に使うから持ってきてね。


四季乃・瑠璃
瑠璃「ご飯が欲しいならあげるよ?ほら、遠慮しないで」(【見切り、早業】で笑顔のまま自然な動作で蟹の口にキムチをシューット!)
緋瑪「あの蟹はわたし食べないでおこうっと…」

UCで分身&飛行&ボム強化

雷撃【属性攻撃】を付与した雷撃ボムで敵の動きを指向性ボム【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視】で蟹の甲殻や関節を砕き、破壊したり機巧大鎌で解体したりして塩茹でに!
凍結付与の凍結ボムで新鮮なまま保存して、それぞれ蟹を堪能するよ

緋瑪「ただ爆破するだけと思ったら大間違いだよ!」
瑠璃「得物は適切に使い分けてこそだからね」
緋瑪「これだけあると蟹のフルコースができるねぇ」
瑠璃「キムチ鍋にもぴったり」
緋瑪「いやー!」


アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

私の“眼”の前にあらゆる防御は意味をなさない。すべての守りは抜けずともその守りの“内”(鎧無視攻撃)に効果を発揮するのだから。
展開した“魔眼”達を通じて瞬間思考力で瞬時に座標指定で術を発動。カニの内側に生じた結界術が先ずは神経系を切断しマヒ攻撃。動きが止まったところをじっくりと“内側”から料理魔眼術で茹であげるわ♪
え?それ状態異常/形態変化の技だろうって?ちゃんとマヒは与えてるし“カニ鍋”への形態変化を与えてるからナニも問題はないわね。
ヒャッハーカニ鍋じゃー♪



……あ、防御貫通技必要なのは次章じゃない!く、カニ鍋に“眼”がくらんでつい手札を切っちゃったわ


アリス・トゥジュルクラルテ
ロクローくん!食べる、だめ!
ああ!翼、生やす、して、空、から、襲う、してる?!
蟹さん、逃げて!

(バリバリ蟹を食べるロクローくん)
(うまいけど、殻が邪魔だから魚の方がうまいな)

はあ、やっと、追いつく、した、です…!
もう、ロクローくん!食べる、だめ、言う、してる!
え?魚?
…女神様、助ける、したら、お腹、いっぱい、食べる、して、いい。
(仕方ねえな、女神どこだ!とやる気に満ち溢れるロクローくん)
…よし。どうにか、なった、です!
残りの、蟹も、ロクローくんに、倒す、して、もらう、です。


フェリーネ・フォルス
カニだーっ!
アリでもサンでもないぞー

ちょっと前に、予知した蟹ですにゃあねぇ
よっし、ここで会ったが別に何年目でもないにゃ
むしろ初対面だけどっ!
お前達を〆てやるのですにゃよー

……蟹の締め方って、確か口から串なりを刺して
腹の方に押し込みながら引くんだっけ?
(武器を見る、手にしてるのは銛)
これ、突き刺してやれば行けるんじゃないのかにゃ?

強弓に森をつがえてっとー
蟹の口めがけてー……
狙いぃぃ、撃つにゃっ!

突き刺したら銛に繋いでる縄を力任せに引っ張って
引っこ抜くにゃよ

〆ておけば調理もしやすいですにゃ
にゃははー、お前達が私達のご飯になるのだにゃー
飛んで鍋に飛び込む美味な蟹、ってにゃ


クロ・ネコノ
美味しい蟹なら狩るしかないよね。

食用だし爆破も金床で潰すのもよろしくない、
こういう時は【演算射ち】で、とりあえず目玉とか口とか急所っぽいとこ狙っていこうかな。
カニの刺身に茹でガニにカニ鍋に焼きガニ…いいねいいね御馳走だね。


テティス・ウルカヌス
いちごちゃんと

「蟹ですか。
ライブの次はグルメ番組。
ですが、そんなハードスケジュールをこなしてこそのアイドルです!
いきますよ、いちごちゃん!」

まずは食材をゲットするところからです。
最近のアイドルは料理くらいできないと失格ですからね!(←殺人級料理人

【妖精の輪舞】で踊るように蟹の動きを回避し、華麗に攻撃して食材をゲットしていきましょう。

「って、なんですか、この泡ーっ!?」

蟹が吹き出した泡が全身にかかって……
身体がいちごちゃんにくっついちゃいました!?

「なるほど、二人三脚で蟹を獲れという試練ですね!」

いちごちゃんと息を合わせて動きましょう!

「え、いちごちゃん、溶けて見えてるって何がですか?」


彩波・いちご
引き続きテティスさんと

カニ料理ですか
色々考えられますよねぇ……作るのがとても楽しみです
料理アイドルなら、私も得意分野ですよ♪
※こちらは料理名人

テティスさんと協力して食材ゲットを狙いますが
カニの攻撃からテティスさんを守ろうとして【避けきれない偶然の出来事】が……
カニの泡でテティスさんとくっついちゃいました!?
しかも、このくっつき方だと、私の手をへたに動かせば、色々いけない所を触ってしまいそうで…
なおに二人三脚か二人羽降り的なナニカと思ったテティスさんはこのまま動き回るし
あー、下手に動いたらだめですー、しかも泡で濡れて色々透けてますからー!?

うぅ、触らないように気を付けつつ、なんとかフォローを…


中村・裕美
「蟹……食べたいわね」
自分では調理できないから、ここはコミュ力高めなシルヴァーナの出番

「そんな訳でわたくしですわ」
副人格シルヴァーナに交代
「まずは蟹さんを解体ですわね♪血飛沫とか出ないのが残念ですが」
【瞬きの殺人鬼】で能力を上げ、【残像】が残る位の緩急つけたステップで攻撃を回避しつつ【早業】で惨殺ナイフやランスを振るい【切断】
「綺麗にバラしますので,、わたくし達にもご馳走してくださいましね」
料理できそうな人へお願いも忘れない

99秒経つとシルヴァーナは昏倒して裕美に戻る
「あとはちょっとしたサービスも交渉材料ということで?」
「ちょ……ま」
人格切り替え時、泡をかけられて服を溶かされるのはお約束?



「お前が飯になるんだよー!」
 迫りくる巨大な蟹の軍勢を前に、パリジャードは土鍋を振りかざしてヒャッハーしていた。
「ってことで蟹鍋の材料になるがいいよ。安心しろ、キミ達は美味しく調理してあげよう」
 などと女神パワーで構築された簡易キッチンにて米を研ぎ始めるパリジャード。飯を横取りされた挙句、食材にしてくれるなんて言われて蟹さんはプッツン☆
「まずは四肢を引きちぎって一本ずつ食いつぶして……」
「ご飯が欲しいならあげるよ?ほら、遠慮しないで」
 はい、あーん。などと和やかな雰囲気で微笑みながら、瑠璃は豪速球なキムチボール(キムチを丸く固めただけ)を蟹の口目掛けてシューッ!
「あの蟹は食べないでおこうっと……」
 緋瑪がすっと目を逸らすと、蟹は真っ赤な泡を吹いて力尽きた……。
「がにー!?」
 何が起こったのかさっぱり分からない蟹さんも警戒するが、蟹の血は青い。つまり、真っ赤な毒物を盛られたのだと察して。
「このアマ!まずは毒抜きに塩でもみ込んでやるガニ!!」
「蟹はやっぱり塩ゆでかなー」
「食べきれない分は冷凍保存すればいいよね!」
 こいつら会話がかみ合わねぇなぁ……。
「ただ爆破するだけと思ったら大間違いだよ!」
「得物は適切に使い分けてこそだからね」
 などといいつつ手には爆薬を持っている説得力のなさよ。フライトユニットを背負った二人が上空へ舞い上がると冷凍爆弾を手に。
「食材は鮮度が大切だよね!」
「とりあえず半分は凍らせちゃおっか?」
「がにー!?」
 これは酷い……上空から冷凍爆弾をぽんぽん投げつけられて体の半分だけ凍ってジタジタしてる蟹さんを、巨大な鎌で切り分けて……生きたまま解体するとか、マジか。
「あ、そっか。食材は先に屠殺しないといけないんだっけ」
「海産物の場合は、シメる?」
 瑠璃と緋瑪は左右に分かれてボムを持ち替えると、シューッ、ぺちょっ。爆弾が頭っぽい位置に張り付き。
「バブブブブブブブ!?」
 めっちゃ感電してるー!?あれ、でも蟹ってシメる前に加熱すると……。
「ズワイッ!!」
「「ぎゃー!?生臭い!?」」
 爆発四散したー!?
「蟹はまず凍らせて、お腹の甲殻の上あたりから目の間を刺してシメるといいよー」
「「よし、まずは冷凍だね!!」」
 パリジャードが余計な事言うから、爆弾姉妹が戦場に冷凍爆弾ばらまき始めたぞ!?
「これだけあると蟹のフルコースができるねぇ」
 蟹の氷像が立ち並び真冬のイベントかな?って光景を前に緋瑪がぴょこぴょこしていると、瑠璃がサムズアップ。
「キムチ鍋にもぴったり」
「それはいやー!」
「なんで!?こんなに冷え込んでるんだから辛い物食べてあったまろうよ!!」
 戦場が氷で覆いつくされた関係で、周囲の気温はマイナスに突入している。さすがに防寒着なんぞ着ていない猟兵達も凍え始める環境だが。
「瑠璃の辛さだと体があったまる前に冷たくなっちゃうよ!!」
「やだなー、死んだりしないって。辛味が苦手な人だとちょっと死にかけるだけだって」
「ダメじゃん!?」
「すっかり冷え込んじゃって……これは蟹鍋で温まるしかないわね」
 アリス(幼女)がスッと両手を広げれば、虚空には無数の眼球。それは浮遊砲台の如く自在に展開し、冷凍された蟹を包囲する。
「え、私幼女なの?一応もう十五なんだけど……」
 もう一人アリスがいるから、差別化するならそこかなって。
「そ、そう……まぁいいわ」
 こほん、咳ばらいをして深呼吸。
「私の『眼』の前にあらゆる防御は意味をなさない。すべての守りは抜けずともその守り『内』に効果を発揮するのだから」
 二つの魔眼が蟹の身を挟み込むとその視線で結ばれた直線上に細く、淡く結界を張る。
「シメるときは甲殻の先端から目の間よね?」
 蟹の体を貫通していた結界の一部だけ、強度を上げて質量を持たせることで神経を切断。しめやかに絶命させてから魔眼レーザー。蟹の中心と甲殻の縁に焦点を上げてチリチリ……。
「内側からじっくりと料理魔眼術で茹でてあげるわ♪」
 ビジュアル的にはどう見ても焼いてるんだけど、火を通してるだけだから調理法的には蒸すか茹でるに相当するんですって。
「魔眼調理法……確立していたのか……」
 知っているのかパリやん!?
「いや全然」
 知らないんかい!!
「ヒャッハーカニ鍋じゃー♪」
 キッチンへのツッコミも気にせず、加熱調理を終えたアリス(幼女)が甲殻の接合部分に魔眼レーザーを収束させて殻を焼き割ると、ほわん……真っ赤に色づいた茹で蟹が!
「……あ」
 どうした?好きな調味料でも忘れたのか?
「防御貫通技必要なのは次章じゃない!く、カニ鍋に『眼』がくらんでつい手札を切っちゃったわ」
 切り札を失ったアリス(幼女)。彼女の運命やいカニ!?
「いや別にもう一回同じUC使うだけだから、そこまで追い詰められてはいないのだけど……」
 さて、じゃあもう一羽の方のアリスを見てみようか。
「一人じゃなくて!?」
 幼女側からツッコミが来たが、兎の方のアリスの様子がこちら。
「ロクローくん!食べる、だめ!蟹さん、逃げて!」
 何故か敵を助けようと(?)してる!?
「はあ、やっと、追いつく、した、です……!」
 翼を生やした空飛ぶロクローは体力のないアリス(兎)を置き去りにして、冷凍蟹に飛びかかるとバリバリむしゃむしゃ……贅沢に頬張りつつ「美味いけど、殻が邪魔だから魚の方が美味いな……」て遠い目で海を見る。
「もう、ロクローくん!食べる、だめ、言う、してる!」
 息を切らして荒い呼吸をするアリス(兎)最近ロクローが言うこと聞いてなくない?ちゃんとしつけできてる?
「お、お願い、すると、話は、聞く、する、です……」
 そっと目を逸らした辺り、大分振り回されているようだ……そんなアリス(兎)の前に、ロクローがドスン!じー……食欲の視線でアリス(兎)を見つめている……まさか!?
「え?魚?」
 さっき散々食ってたやろ!?しかし、アリス(兎)的にはここでお説教してへそを曲げられてしまうより、餌という名のご褒美で釣った方がいいと判断したのだろう。
「……女神様、助ける、したら、お腹、いっぱい、食べる、して、いい」
 言ったな!言質取ったからな!?女神どこだ!って雰囲気で突如ワニダッシュするロクローを見送り、アリス(兎)は小さくおててをぎゅっ。
「……よし。どうにか、なった、です!」
 あいつ蟹を吹き飛ばしながら、まだ見ぬ女神を探して暴走してるようにしか見えないんだけど、これでいいんだろうか……?
「カニだーっ!アリでもサンでもないぞー」
 などと、一部の防衛軍人にしか伝わらなそうな小ネタと共に両手を挙げて歓喜の声を上げるフェリーネ、その横を白鰐がバタバタ……。
「ワニだー!?」
 淡水生物が浜辺にいることに驚きつつ、改めて冷凍された獲物をチェック。
「よっし、ここで会ったが別に何年目でもないにゃ、むしろ初対面だけどっ!お前達をシメてやるのですにゃよー……蟹の締め方って、確か口から串なりを刺して腹の方に押し込みながら引くんだっけ?」
 パリやんがそんなこと言っとったね。そこでちらと手元を見るフェリーネ。さっき使ってた銛が握られているのだが。
「これ、突き刺してやれば行けるんじゃないのかにゃ?」
 いや駄目でしょう、ぜってー長さ足りないもん。
「その辺は勢いでなんとかするのにゃ」
 などと取り出したるは身の丈を超えるほどの大型の弓。縦に構えること叶わぬそれを、砂浜と水平に寝かせて番えるは銛。
「蟹の口めがけてー……狙いぃぃ、撃つにゃっ!」
 風切り音が尾を引く一射は凍てついた蟹の口元を覆う甲殻を砕き、肉を抉りながらその身を貫通すると臓腑を割る。されど強弓に送り出された速度は衰えず、背面側の甲殻に突き刺さって動きを止めた……本当に勢いでぶち抜きやがった!?
「シメておけば調理もしやすいですにゃ。にゃははー、お前達が私達のご飯になるのだにゃー」
 銛の柄に繋がれたロープを引っ張って強引に引き抜くと、倒れ込んでくる蟹の甲殻の隙間に銛を突き刺し、足で反対側を踏みつけて全体重で引っぺがし、中身を鍋へ投入。
「飛んで鍋に飛び込む美味な蟹、ってにゃ」
「美味しい蟹なら狩るしかないよね」
 にゃーにゃー鳴いてる狐に触発された黒猫っぽい電子人、クロ。本物の猫はいないのににゃんこにゃんこした部隊だな……。
「食用だし爆破も金床で潰すのもよろしくない、こういう時は目玉とか口とか急所っぽいとこ狙っていこうかな。実際、口から目にかけて攻撃してシメてたし」
 目の前で仲間がやって見せたのだ。これに倣わない理由はない。
「ええと、狙うべきはー……」
 弓に矢を番えたらピンと尻尾を立てる。天を示した尾をアンテナ代わりに、先端付近に結ばれたリボンが周辺状況を収集、演算を開始。
「地形によるズレの修正確認、風による誤差修正完了、予測軌道再計算……」
 クロの周囲に電子演算情報がクルクルと泳ぐ。導き出される計算結果から、導き出された矢の軌道を蟹の口に添えて。
「よーく狙って……発射!」
 弦に送り出された矢は正確に蟹の口へと突き刺さる。されどフェリーネが敵を仕留められたのは元が大型の獲物を仕留める事を想定した、巨大生物の骨を素材とした銛であったがゆえに。単純な矢では臓腑を砕くには至らないが。
「さーん、にーぃ、いーち……」
クロはカウントダウンしながら両手で猫耳をきゅっ、押さえ込んだかと思ったら砂浜にダイブ!
「伏せろー!」
 チュドーン!!
「爆発するぞー!!」
 遅ぇよ!矢を放つ前に言えよそういう重要な情報!!
「え?鏃が爆弾なんだから、分かるだろう?」
 お前はな!?俺らそんな情報知らんから!!
「いやー派手な演出ですねー……」
 この突然の爆破事件を、シイタケおめめで眺めていたテティスが振り向けば。
「始めちょろちょろ中ぱっぱってね。今ならなんと、おこげもつけてやろうじゃないか」
 パリジャードはマイペースに土鍋を……待って、そのキッチン電子調理対応なの!?
「女神だからね☆」
 説明になってねぇ!!
「蟹ですか。ライブの次はグルメ番組。ですが、そんなハードスケジュールをこなしてこそのアイドルです!ご飯も炊けてるみたいですし、いきますよ、いちごちゃん!」
 まーた戦闘を収録と勘違いして、こいつはもう……。
「まずは食材をゲットするところからです。最近のアイドルは料理くらいできないと失格ですからね!」
「カニ料理ですか。色々考えられますよねぇ……作るのがとても楽しみです。料理アイドルなら、私も得意分野ですよ♪」
 ここで閲覧者の皆様にお知らせです。アイドルコンビのステータスを公開しちゃうぞ!!

 テティス
【カット】ランクF【焼き】ランクF【蒸し】ランクF
【揚げ】ランクF【飾り盛】ランクF【調味】ランクF

いちご
【カット】ランクA【焼き】ランクB【蒸し】ランクB
【揚げ】ランクB【飾り盛】ランクB【調味】ランクA

 ……お分かりいただけただろうか?ちなみに、ランクがBあると『料理上手』を名乗っても恥ずかしくなくて、ランクがEあると初めての調理っていう感じ。つまりこのコンビ、片割れが調理という名の錬金術で毒物を生み出し、片割れが料理名人なんだよ……!
「私ってBランクだったんですか……?」
 いちご、Aランク持ってたら店やってるレベルだからBあったら十分に誇っていいと思う(※あくまでもこの依頼における基準値です。ランクは依頼ごとに変動することをご了承ください)。
「なるほど……ところで、Fっていうのは……」
 厨房に入れたら死人が出ると思え。
「ひぃ……!」
「さぁ、まずは食材の準備ですよー!!」
 いちごの恐怖など知らず、テティスが冷凍蟹へ向かっていくと。
「な、仲間がやられてるガニ!?」
 なんとこのタイミングで海から新手が!
「新鮮な蟹さんですね!まずはアイドルらしく華麗に……」
「飯を横取りした挙句仲間をこんな目に……今夜はお前たちの肉でパーティーしてやるガニー!」
 踊るような動きをしようとして、盛大に砂に脚を取られたテティス目掛けて大量の泡が迫る!
「あ、危ない!」
 テティスのことだから、これを攻撃とは思わず浴びに行くんだろうなって察したいちご。相手が泡なら水で打ち消せるはずなどとパリジャードの厨房から寸胴鍋をかっぱらい、水をぶちまける……ここまではよかった。
「って、いちごちゃん!急に前に出てきたら……!」
「へ?」
 テティスはテティスですっころびかけてたタイミングでいちごが前に飛び出して来たものだから、回避が間に合わずに激突。砂浜には実はガラス片や欠けた貝殻が転がっており、結構危ないためいちごが庇おうと咄嗟にテティスを抱き留める形でぶっ倒れたのだが。
「って、なんですか、この泡ーっ!?」
「カニの泡でテティスさんとくっついちゃいました!?」
 何と言うことでしょう。受け止めようと体を密着させた際に二人は接着されてしまいました。具体的にはテティスの背中にいちごのお腹がくっつく形に。
「しかも、このくっつき方だと、私の手をへたに動かせば、色々いけない所を触ってしまいそうで……」
「なるほど、二人三脚で蟹を獲れという試練ですね!」
「えっ」
「いちごちゃん、息を合わせて動きましょう!」
「えぇ!?」
 いちごの意思を全く無視して、テティスが起き上がると自ずといちごも引っ張られて立ち上がる。その際に「むにっ」としたためにいちごは耳まで真っ赤に染まり顔から熱を発するのだが、目を逸らそうとして、気づいた。
「あー、下手に動いたらだめですー、しかも泡で濡れて色々透けてますからー!?」
「え、いちごちゃん、透けて見えてるって何がですか?」
「それはーそのー……」
 言いづらくって視線がトライアスロンし始めるいちご。
「うぅ、触らないように気を付けつつ、なんとかフォローを……」
 指先の柔らかな質感からさりげなーく逃れようとしてるが……いいのかね?
「な、何がですか!?私にはスケベ心なんて……」
 いやそっちじゃなくて。
「どっちですか!?」
 テティスの水着。
「はい?」
 改めて、テティスの姿を見るいちご。水着が透き通ってしまって、地肌の色が見えているのだが……。
「これ、透けてるんじゃなくて、溶けて生地が薄くなってます……!?」
 やったないちご、お前が水をぶっかけたおかげで、本来は肉体諸共どろっどろにされるところを服だけで助かったぞ!
「私のメンタルが助かってないですー!!」
 ここで残された選択肢は二つ。自らの羞恥心に負けてテティスを晒し者にしてしまうか、これも正義のためと割り切って彼女の胸を鷲掴みにすることで『隠し』通すか。
「あの、これどっちに転んでも大惨事なんじゃ……?」
 ハハッ☆
「ごまかされました!?」
「蟹……食べたいわね」
 荒ぶるテティスに引きずりまわされながら、揺れない胸と揺れる葛藤の板挟みにされているいちご。そんな様子を見て見ぬふりしないと爆破したくなってくる裕美は蟹さんをじー……あれ、なんか脱色した?
「そんな訳でわたくしですわ」
 キラッ☆ウィンクしながら決めポーズしてる……誰だお前!?
「私はシルヴァーナ。もう一人の裕美とでも思っていただいて構いませんわよ。あの子、対人能力が低すぎて、蟹が食べたいのに調理をお願いできないからって内側に引きこもってしまいましたの」
『……余計な事、言わないで!』
 脳内に響く文句をするっと聞き流し、シルヴァーナはナイフを手にスカートの裾を少しだけ持ち上げて一礼。
「お恥ずかしい話、私たち調理に関する技術が全くありませんの。食材はご用意いたします故、少しばかりお恵み頂けますと幸いですわ」
「うん、いいよー。どうせこの量じゃみんなで食べてもあまるだろうし」
 などと、パリジャードが戦闘終了まで暇だったのか、炊き立てご飯の一部をおにぎりへと変貌させ始めたところでシルヴァーナは蟹を見据えて。
「まずは蟹さんを解体ですわね♪血飛沫とか出ないのが残念ですが」
 こいつバーサーカーじゃねぇか……しかし戦闘技術は本物。動かざる冷凍蟹を瞬く間に部位ごとに切り分けると、崩れ落ちて舞い踊る白煙、微細な氷のヴェールに身を隠して海から出現したばかりの蟹へ肉薄。
「では、下ごしらえと参りましょう」
「カニ!?」
 足元でスラロームしながら方向転換のステップで残像を残し、蟹が八つの目をもって追い付かないばかりか、脳で情報処理が追い付かず目を回し始めた瞬間に関節にナイフを投擲。それを足場にして体を駆けのぼると口から槍をぶち込んで。
「てこの原理、というものですわ」
 柄の先端に踵を落とし、思いっきり蹴り落すことで頭蓋を引き剥がして吹っ飛ばしてしまった。崩れ落ちる蟹の後ろに新しい個体も見えたが。
「あとはちょっとしたサービスも交渉材料ということで?」
『ちょ……ま』
 まだ数秒残っていたから仕留められるんだろうなーって油断していた裕美はシルヴァーナに引っ張り出された挙句、時間切れで意識が遠のいていく。
「……最悪」
 最後に見たのは、服を溶かされた挙句泡の粘性で手足が固定され、下着姿の人形と化した自分の姿だったとかなんとか。
「お、おおおお、お前ら!タダで済むと……」
「さあ、愛羅。暴れておいで」
 完全にビビって逃走を図る蟹さんに、巨大な影が落ちる。
「この後に来る敵を倒すための準備運動をしていらっしゃい。雲の足場を使って高い所からドーンと潰して頂戴な。ある程度潰したら調理に使うから持ってきてね」
「こんな浜辺にいられるか!潰されるってわかってるなら俺は海に帰らせてもら待って落ちてくるの思ったより速タラバッ!?」
 パキャアン!!蟹さんは一瞬で蟹の解し身に姿を変えてしまいました。なんかその解し身の上で「あれ、これ私やっちゃった?木端微塵にしちゃった!?」っておろおろしてる象さんがいるけど、その辺はご愛嬌。
「あーらまー。まぁ、食べられるとこだけ使うからいいよ」
 こうして愛羅が持ってきた解し身(身も味も圧縮済み)をご飯と一緒に煮込んでかに雑炊に。
「ひゃっはー飯テロタイムだよー」
 パリジャードが広げるは蟹料理。殻を砕いて器とし、殻ごと焼き上げた焼き蟹は水分が飛んだ分旨味が濃縮され、磯の香りが鼻をくすぐる身は歯ごたえと共に蕩ける柔らかさを以て舌を包む。
「やっぱり蟹は焼きよねぇ……」
 アリス(幼女)、さっき鍋って言ってなかった?
「魔術で調理したら焼き蟹になってたのよ。あんなサイズが入るお鍋がないんだもの」
 まぁ、そうね……アリス(兎)の方は……。
「ロクローくん、冷ます、しないと、ダメ!」
 殻から外された蟹に食いつこうとしてるワニを止めようと必死。焼きたて熱々な身に噛みついたら割とシャレにならんやろうしな。
「ハイ次、蟹なべならぬ、蟹しゃぶだよー」
「しゃーぶしゃーぶ、蟹を湯通ししただけなのに、不思議と美味しく感じるのにゃー」
「この出汁が蟹に合っているのかもしれないね。しゃぶしゃぶしてる間に蟹の出汁も染み出して、どんどん旨味が増していくねぇ……」
 などとうみゃうみゃ顔のクロを、猫好きのフェリーネが狙っていた気もするけど、きっと気のせい。
「ご飯にはこういう食べ方もありかな?」
「蟹のお寿司ですね!んー、こういうの食べてると、芸能飯って感じがしますねぇ」
 蒸した蟹を酢飯に乗せて、豪快に頬張るテティス。アイドルがあんな大口開けていいんだろうか……その隣で。
「ラッシュガードがあって助かりました……」
 テティスに上着を着せて、自分も一枚羽織り一先ずの平穏を得たいちごがもしょもしょ……こいつはこいつで飯どころじゃねぇな……。
「……蟹みそ」
 ずずー。磯香る汁に潜む身を口にすれば、柔らかな蟹から染み込んだ味噌の旨味があふれて蟹本来の甘みが味噌の塩味と引き立て合う一杯。そんな蟹の味噌汁をすすって体を温めつつ、恥辱の記憶に体が違う熱を持つ裕美は心の内でクスクスと笑うもう一人の自分への不満から、頬を膨らませるのだった。
「そしてシメはやっぱりかに雑炊……」
「煮えたところにキムチを加えて、蟹チゲにして体を温めなおさないとね」
「ちょっと瑠璃!?」
 雑炊が煮える鍋に赤い刺激物を投下しようとした瑠璃を緋瑪が止めるものの。
「蟹雑炊にはこっちかなー」
 ぽたっ、パリジャードが特別な調味料を一滴垂らした瞬間、蟹雑炊は蟹の甲殻の如く真っ赤に染まり。
「え、何入れたの?」
 いやな予感しかしない緋瑪が恐る恐る問えば、パリジャードはにこー。
「Spicy hell」
「どう見てもめっちゃ辛いやつ!!」
 真っ赤な小瓶から身の危険を感じた緋瑪だったが、瑠璃の方はキラキラおめめで。
「やっぱりシメは」
「辛くないとねー」
「なんで瑠璃と同系統の人がいるのー!?」
 緋瑪の悲痛な叫びは潮風に運ばれていった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『愛と生命の女神『アムール』』

POW   :    愛聖歌Ⅰ・応
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【愛・聖】属性の【当たったの者戦意を喪失させる浄化の光】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD   :    愛聖歌Ⅱ・応
自身の創造物に生命を与える。身長・繁殖力・硬度・寿命・筋力・知性のどれか一種を「人間以上」にできる。
WIZ   :    愛聖歌Ⅲ・応
【対象への攻撃を一度だけ無効化する聖歌】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アリス・トゥジュルクラルテです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「メガリスも手に入ったし、後は帰るだけ……なん……」
 浜辺に戻ってきたコンキスタドールが見たものは、巨大な蟹の殻とパーティーしてる猟兵の群れだった。
「なんじゃこりゃ!?」
『配下の子たちを倒した、ということでしょうか』
 一つの口から二つの声を発するそれに、猟兵が気づき。
「君も食うかい?辛味が美味しいよ」
「世の中にはまだまだ私の知らないソースがあるんだねぇ……」
「ふぇえ、普通の蟹雑炊が食べたかったよぉ……」
 笑ってる猟兵と泣いてる猟兵がいて、とりあえず一枚岩じゃないってことだけは察したコンキスタドール。
「……来た……メガリス、渡してくれれば……命は奪わない……」
 手を伸ばす猟兵を、コンキスタドールは鼻で笑う。
「はっ!誰が渡すものか!」
『ごめんなさい、メガリスを渡すことはできないの……少なくとも、今はまだ……』
「あら、この子もしかして多重人格?」
 一度に二つの声が聞こえる事に疑問符を浮かべる猟兵もいたが。
「なんと、最後は腹話術が得意な芸人さんでしたか。後ろには鳥さんと兎さんもたくさんで……はっ!芸人さんじゃなくて、マジシャンさんですね!?」
「いやあのあれはきっと眷属とか……いえきっと手品師ですね、えぇ!」
 勘違いした猟兵を何とかしようとして諦めた奴もいる一方で。
「アムール、様……」
 その名を知っている猟兵がいた。
「あ?何故私の名前を知っている?」
『あなた……あの時の……そう、無事だったんですね……』
 表情は怪訝に歪み、されど声音の一つは鬱陶しそうに、一つは穏やかに。
「なんだかわかんないけど、決戦なんだにゃー?」
「あっちは洒落になってないメガリスを持ってるんだ。気を引き締めていくよ!」
 かつて救われた者と、救った者。向き合うにふさわしい力があるかと問われれば、首を横に振るかもしれないが。
「今度は……アリスが、助ける、番、です……!」



※次回執筆は九日の予定!八日の深夜までにプレくれると嬉しいな!なお、こっから先久澄は『発狂』します。難易度が跳ね上がるからシリアスが苦手な人は気を付けてね!!
アリス・セカンドカラー
汝が為したいように為すがよい。

あ、助けるのね?そういうの大好物よ、手助けするわ。
私は『皆産みの』魔王ロリス。アムールに新たなる“生”を授けましょう。
戦意?最初から無いわよ?だってこれアリス(兎)ちゃんに協力した救助活動だもの。
さて、メガリスの効果を抜かないと“産み直し”出来ないのよね。ま、一種の結界として“定義”(ハッキング)して多重詠唱と瞬間思考力で解析、結界術で封印を解くことで鏡面化の解除を試みましょう。効果への破壊工作といったところね。
兎と鳥も産み直して略奪し無力化を試みるわ。
生命流転、新たなる“生”を讃えて高らかに歌いましょう。生命再演、産まれ直したことでコンキスタドールではなくなるわ



「あ、助けるのね?そういうの大好物よ、手助けするわ」
 他の猟兵の声を聞き、アリスは目の前の敵が倒すべき存在ではないのだと判断。方針さえ決まれば行動は速い。少女の足元で渦を巻くは白黒二色の円。絡み合えど交わらぬそれが描くは陰陽魚。
「花は散るからこそ美しい……生命流転、高らかに謡おう生命賛歌。私はすべての『母』とならん」
 膨れ上がるは細い下腹部。満たされるは貧しい乳房。やや大人びた顔つきにして、なお不釣り合いな肉体の変貌。自ら歩くことすら困難な身重の姿で、アリスは低く浮遊する。
「新たな『生』に祝福を。再び歩め生命再演……さぁ、生まれなおす覚悟はいいかしら?」
「なんだ貴様は……?」
 瞬く間に容貌を変えたアリスへ怪訝な顔を向けた女神に対し、アリスであったそれは穏やかに微笑む。
「私は皆産みの魔王ロリス。汝、アムールに新たなる『生』を授けましょう」
「はっ!生命を司るこの私に、生を授けると来たか!」
 やれるものならやってみろ、不敵に笑い飛ばすアムールにアリスは心中苦虫を噛む。
(とはいえ、メガリスの力がある限り、UCによる産み直しはできないのよね)
 されど、無敵を前にして諦める理由はない。
「産まれ直せばコンキスタドールではなくなるわ。さぁ、いらっしゃい?」
 誘う言の葉に乗せて放つは魔力。糸のように細く伸ばされたそれをアムールに繋ぎ、メガリスの権能を看破しようと試みた。
「ふん、貴様にこのメガリスは突破できんよ」
「やってみなければ分からないでしょう?」
 口で言うには易いが、戦場において相手の持つ力を解析、突破することは決して容易ではない。瞬時の判断をする間に、敵は既に動いているのだから。
「失せろ」
「あら?」
 放たれた光が猟兵を飲み込むのと、アリスがコンキスタドールに秘められた代物を見抜くのは同時。肉体の変異を消し飛ばされて、元のゴシックドレス姿に戻ってしまったアリスがその場にへたり込む。
「あなた……つるぺたストーン以外にもメガリスを……?」
(いえ……それよりも……)
 一瞬が生死を分ける戦場において、『想定外』はいつでも起こりうる最大級のリスクである。敵のメガリスの権能を解除しようとして、『二つのメガリス』の反応に引っかかったアリスの思考が滞った瞬間に放たれた光は、何も戦意のみをかき消すものではない。我が身に起こったことを理解して、アリスは問いかけで時間を稼ぎながら焦燥を取り除こうとする。
(魔王の力が中和されたですって……!?)
 アムールの放つ光は聖属性の浄化の光。『魔』の特性を持つアリスの異能とは対極にあり、打ち消し合うのであれば直撃したアリスの方が戦術上の痛手を負うことになる。
「愚かな娘よ……」
 迫りくるは無数の鳥の群れ。研ぎ澄まされた嘴が少女の肉をついばみ、骨から引き剥がして砂浜を赤く染めていく……。
「む?」
 だが、そう簡単にくたばってやるほど、この猟兵は生易しくはない。
「ギリギリ……最低限は奪えたかしら?」
 魔王化した際、その外見の衝撃で注意を奪ったアリスは死角から鳥の一部を陰陽魚に取り込んでいた。創造物である眷属を自身のUCを以て『作り直す』ことで支配下に置き、獲得した僅かな眷属に引きずられるようにして、戦場を離脱する。
「チッ、しぶとい奴め……」
 トドメを刺そうとするアムールだが、戦場にはまだ猟兵達が多数残っている。今はまだ、多勢に無勢。そう判断した女神はアリスを見逃し、次なる猟兵と向き合うのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪が前、瑠璃がやや後方。
敵のメガリスについて確認し戦闘。
1.広域攻撃や肉体変化箇所以外を狙った攻撃
2.UC以外の攻撃

UCの効果で高速移動しつつ、敵の増殖を阻止する為、緋瑪は感知式や時限式ボム【範囲攻撃、鎧無視、鎧砕き】で敵本体を巻き込み全力攻撃。
仮に反射されても正確な反射はできないとの事なので殲滅しつつ効果を確認。
瑠璃も魔力を溜め【力溜め】つつ、ボムやK100で緋瑪を援護。
ダメージは不死再生や時間逆行で回復し敵の【情報収集】し、変化箇所以外も無敵なら、溜めた魔力で【結界術】を張って封じ込め、敵を凍結ボム【属性攻撃】や猛毒ボム【毒使い】で封殺。
効果アリなら変化部位を【見切り】攻撃を仕掛けるよ



「かなり厄介な相手だね……」
『こういう時は私から!』
 瑠璃の肉体から飛び出す形で、前兆なしの奇襲を仕掛けるは分離した別人格、緋瑪。直線的ながら、反応を許さぬ速度で肉薄する緋瑪は周囲に爆弾をばらまくが、それらは不発に終わる。
「なんだ?不発弾か?」
 アムールは怪訝そうに顔を歪めながら、鳥の軍勢を上空から展開。高速で周囲を回り続ける緋瑪目掛けて殺到させるが。
「数の暴力には、殲滅の火力だよ!!」
 単純な速度で追いつけないのなら、敵はそもそも速度で勝る必要がない……戦場全体を覆う程の広範囲攻撃を仕掛けてくるはず。数に物を言わせる相手であるがゆえにできた予測をもとに、ばらまいておいたのは光感知式の地雷。飛び退いた緋瑪を追って群れが動けば、その下には大きな影ができる。
「緋瑪!」
「おっけー!!」
 光が遮られたことで雷管が作動。一斉に起爆した地雷は砂塵を巻き上げて視界を覆いつくすが、姉妹には互いの時間を操作する力が宿っている。感覚神経と運動神経の時間を急加速させて、舞い上がる砂の帳に混じる僅かな隙間を狙って銃を抜いた。
(見た目には平面になってないんだけど……)
 狙うは眉間。事前に語られた情報通りなら、変化の起こっていない部位に無敵の特性は付与されていないはずだが。
「やってくれたな……」
 舌打ちしたアムールの眉間に的確に届けられた弾丸は、しかし甲高い音を立てて変形し、歪な鉛塊として砂浜に沈む。
「やっぱり全身が無敵状態だね……」
「だったらこれで!」
 緋瑪が手榴弾を投げて後続の鳥を牽制しながら後退、後方にて備えていた瑠璃と並べばその手には細身の火薬。直線的に投げた四つが空中で散らばり、アムールの周囲に展開。
「どこを狙っている?」
「「あなたの位置!!」」
 地面に突き刺さった火薬が爆ぜて、内部に圧縮されていた瑠璃の魔力が散らばると硬化、結界を張ることでアムールを捕らえた。
「無敵状態だって言うなら……」
「継続的に効果がある爆弾で……!」
 緋瑪が投げた爆弾が猛毒の霧をまき散らせば、瑠璃の投擲したボムが爆ぜて空間ごと凍結させる。猛毒と共に氷に閉ざされたアムールに退路はないはずだが。
「緋瑪!上!!」
「え?」
 姉妹が見上げた上空には、急降下する猛禽の嘴。躱すに苦はないが、数が多すぎる。上空に爆弾を投げて殲滅を開始するが、不意に足首を切り裂かれた。
「痛ッ……!」
「何今の!?」
 上を牽制している隙に、足元を兎が駆け抜けていく。傷はすぐに癒えるとはいえ、消耗戦に持ち込まれてしまうとUCを維持するだけで消耗する瑠璃と緋瑪の方が先に倒れるのは明白。
「これ……ちょっときついかも……!」
「緋瑪、まずいよ!」
 姉妹の主力はボムである。周囲に爆風と熱をまき散らす武器が主力では、アムールを抑える氷が解けていく……。
「冷凍ボムだけに絞れば……」
「ダメ、それじゃさばききれない……!」
 ふと、緋瑪の姿がぶれる。強化を維持する限界が近いと察した瑠璃は足元に爆弾を投げつけるが、それは白煙を巻き上げる目くらまし。辺りを埋めつくす動物たちが目標を見失い、煙が晴れた時には二人の姿は消えていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

彩波・いちご
テティスさんと

芸人でも手品師でも腹話術師でもないですが、この際説明するよりは、テティスさんの歌声で
…と思って合わせてたんですが、その前に浄化の光が!?

テティスさん、大丈夫ですか!?
綺麗な方に変わってしまったのを見て、慌てて【異界の邪剣】を抜き
テティスさんを庇うように抱き寄せつつ、剣の切っ先をアムールに向けます
ここからはシリアスモードですよ

「テティスさん、無理しないでくださいね。私が守りますから」
彼女の懸命のアシストを無駄にはしません
彼女を庇いながら、剣で攻撃を受け流しつつ一気に近付いて、そして切りつけます
今はシリアスモードですし、守るべきパートナーもいます
遊びなく果敢に斬りつけていきますよ!


テティス・ウルカヌス
相棒のいちごちゃんと

「海辺のライブに腹話術芸人さんが乱入ですね!
相手は一人で二人分の歌声を出してくる気でしょうけど、こっちにもいちごちゃんという頼もしいパートナーがいます!
私たちの歌を聞いてください!」

二人でデュエットを歌うと、芸人さんから眩しい光が……(浄化の光

「きゃあああっ!
って、い、いちご君っ!?」(綺麗なテティス

ここは一体……
さては、また私、発狂依頼に来て本体の精神にダメージを負ったんですね!?

「いちご君、私が外部からの攻撃を防ぎますので、その間に敵の防御を貫く一撃を!」

敵が次々と生み出してくる創造物の攻撃は、いちご君にギュッと抱きつきながら、遮断していきます!

(メガリス持ち帰り希望)



「海辺のライブに腹話術芸人さんが乱入ですね!相手は一人で二人分の歌声を出してくる気でしょうけど、こっちにもいちごちゃんという頼もしいパートナーがいます!私たちの歌を聞いてください!」
「芸人でも手品師でも腹話術師でもないですが、この際説明するよりは、テティスさんの歌声で……」
 アムールを芸人か何かと勘違いしていたテティスだが、いっそその勘違いを利用して悪質な事で知られる彼女の歌声をぶつけた方が有効な気がしてきたいちご。訂正しようとすらせずにマイクを手にした彼の真横を、浄化の光が駆け抜ける。
「って、テティスさん、大丈夫ですか!?」
「きゃあああっ!って、い、いちご君っ!?」
 しかし光に殺傷能力はないらしく、テティスの無事を確かめて一安心したのも束の間。明らかにテティスの様子がおかしい。
「ここは一体……さては、また私、発狂依頼に来て本体の精神にダメージを負ったんですね!?」
「綺麗な方になってる!?」
 精神を『浄化』されてしまった彼女を庇うようにして、いちごが前に出ると砂浜に手をかざす。
「ふんぐるいふんぐるい……我が眷属よ、来りてその身を我が敵を滅ぼす邪剣と化せ」
 沸き立つ暗黒より立ち出でたるは触手。骨を持たず自在に動く腕たるそれは、絡み合い、より紡がれると内々へ向かい凝縮されて、凝り固まった歪な得物と化す。槍に短く剣に長いそれを携えたいちごの背に、震えるテティスがしがみつき。
「いちご君、私が外部からの攻撃を防ぎますので、その間に敵の防御を貫く一撃を!」
「テティスさん、無理しないでくださいね。私が守りますから」
 奮起の声とは裏腹に、服を掴んだ手から伝わる恐怖の振動。
(綺麗な方になっている今のテティスさんに、この戦場はあまりにも辛い……)
 蠢く黒雲、その正体は無数の鳥。上空にて螺旋を描き、二人に向かって降下するそれより先に、アムールの下へたどり着かなくてはならない。
「一気に行きます、私から離れないでくださいね!」
「はい!」
 迫る翼の群れを前に刃を突き立てて、左右に切り開きながら直撃を避けるものの、いちごの体は捌き切れなかった爪と嘴に引き裂かれて血飛沫を上げる。
「いちご君!?」
「だ、大丈夫ですよ、かすり傷ですから……!」
 そう、一撃一撃は、かすり傷に過ぎない。だが、それも束ねて数を成せば人の肉を削ぎ落とす脅威となる。始めはチリチリと、皮を剥ぐ音だった。いつしかそれは血が跳ねる水音に代わり、肉が裂ける悲鳴と成り、硬いものが砕ける乾いた音に……。
「もう逃がしません……!」
 だが、その両腕が地に落ちるより先に、猟兵はコンキスタドールの下へとたどり着いた。されど敵は、不敵に笑う。
「その両腕で何ができる?もはや武器を握るのもやっとだろうに」
 常にその身は激痛に苛まれて、肩から先の感覚がない。いや、痛みが強烈過ぎて触覚が知覚できない、という方が正確か。
「いちご君、やっぱり……」
「この程度、なんでもありません……!」
 テティスの体は綺麗な人格が表に出ている場合、一時的に無敵に等しい状態になる。その彼女を前面に押し出して、盾にすれば違っただろう。だが、いちごの良心が、その効率的戦術を選ばせなかった。
「我が身を盾に小娘を庇うか、小娘にしては見上げた精神よ……」
『この子、多分男の子よね……?』
「えっ」
 女神がぽつり呟いて、アムールの動きが止まったその瞬間を、いちごは見逃さない。
「遊びも加減も一切なし、卑怯と言われようと、仕留めます!」
 最後の一足。踏み込みと同時に振るう剣戟。感覚はないが、目を滑らせれば腕の先には歪な剣がある。その切先が、アムールの喉元へ到達し……。

 カァン!

「……え?」
 無情にも、弾かれた。
「愚か者め、私にユーベルコードは届かん!」
「いちご君!」
 敵の防御の権能を貫通するに至らず、呆けてしまったいちごを庇うようにテティスが前に出た。しかし、取り囲むように殺到する鳥の群れは二人を傷つけずに、服や体を掴んで飛び立っていく……。
「な、なんですか!?放してください!」
「何をする気で……」
 空中を運ばれて、いちごは気づいた。グリードオーシャンの環境は特殊にして壮絶。島から島への移動には、特別な船を用いらなければならないほどに荒れ狂っている。だが、今の二人にはそこまでする必要性はない。
「さて、その腕には潮水が少しばかり染みるだろうね」
「しまっ……!」
「いちご君!手を!!」
 両腕に深い傷を負ったいちごと共に、テティスは海上へと放り出されてしまった。

失敗 🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

中村・裕美
「……愛の女神とかリア充の好きそうな…とか言ってる場合じゃないわね」
因縁の相手もいるみたいだしネタは控えめに

相手の無敵具合を考察しながら攻撃支援
まずは電脳魔術で空間を【ハッキング】して相手の体内の座標に【罠使い】で機雷を生成して爆破
後は無敵城砦と類似した効果のメガリスであれば,身動きが取れなれば詰む(例えば罠使いで蟻地獄を作って生き埋め)等、無敵を解除しないいけないタイミングを見切って攻撃を仕掛けるか

自分の対策がどれも無理そうであれば,UCによる味方の回復に専念する。卵白の硬化とかも、爆破系の罠生成で砕いてから回復。疲労はエナドリの【継戦能力】で誤魔化す
「……回復は任せて」
あとは因縁の相手任せ


アリス・トゥジュルクラルテ
アムール様、メガリスに、操る、されてる、です、よね?
メガリスを、浄化、すれば、きっと、救う、できる、はず…!

動物たちに、邪魔、される、ない、ように、ロクローくんに、守る、して、もらって、女神様は、アリスが、相手、する、です。
鳥の、視力で、よく、見て、見切り、相手の、攻撃を、結界術で、全力で、防ぐ、です。
防ぐ、できない、だったら、直線上に、入る、ない、ように、横に、逃げ足で、回避、する、です。
女神様、への、感謝と、愛と、祈りを、込めて、全力で、愛聖歌を、歌唱、する、です。

アムール様の、力を、アリスに、託す?
はい。それで、救う、できる、なら。
…ああ。魔力と、愛が、溢れて…!
(そこで意識を失くした)


クロ・ネコノ
本当に洒落になってないね、とりあえずやれることをやろうか。

【降り注ぐ矢の雨】で<爆発する矢>を兎の軍勢に放ってコンキスタドールまでの道をこじ開けよう。[範囲攻撃]
コンキスタドールを巻き込めばメガリスで反射されるだろうからあくまで兎狙いでね。
あとは後方から味方の邪魔になりそうな鳥や兎を普通の矢で射抜いて援護しよう。この状況なら私はサポートに徹するのが一番よさそうだ。
[援護射撃][スナイパー][2回攻撃]

ソロならまあ、コンキスタドールに<ダガー>で切りかかるかなぁ。


パリジャード・シャチー
●心情
・えーっとなんだっけ、貧乳石だっけ。ま、どうでもいいや。UCを無効化ね…ほーん。ま、やりようはあるさ。行くよ、愛羅。真面目に戦ってやろうじゃないか

●戦闘
・象に乗って空を駆けるよ。まあそんな高くは飛べないけどね。UCを発動。風の刃の檻を作るよ。本体には効かないだろうけど、生み出した生き物には効くでしょ。うちは檻の外から狙撃するよ。味方には檻の幾何学模様の変化パターンは伝えておく。盾とかに上手に使ってね。
・檻の外からソース付けた矢で狙撃するよ。平面化?狙いやすい的だよね。少しでも刺さればソースが効くよ。別に1回無効化されても雲の煙幕の後ろから数撃てばいいよね。狙撃ポイントはずらしていくよ。



「……愛の女神とかリア充の好きそうな……とか言ってる場合じゃないわね」
 空間に疑似電子パネルを展開して情報を打ち込む裕美は苛立たし気に奥歯を噛む。
「……ここまでの様子を見るに、体内に座標指定して直接攻撃も恐らくは無理……あとは、無敵中は動けないのが基本だから……!」
 権能に類似したUCから、弱点も同じと見当をつけて砂浜に運動エネルギーを伝達、プログラムに沿って動作を開始。
「動かなければ詰む状況を作れば……!」
「誰が、私が動けないと言った?」
 砂浜が螺旋を描き、巨大な流砂と化したところでアムールは眷属の鳥たちに運ばれて上空へ。
「……動けない自分を、眷属に運ばせてる!?」
 予想していた対処法は破られた。ならば、と次なるプログラムを構築する裕美に代わって。
「えーっとなんだっけ、貧乳石だっけ。ま、どうでもいいや。UCを無効化ね……ほーん。ま、やりようはあるさ」
 攻撃のほとんどが通じない敵を前にして、パリジャードは影のある微笑みを浮かべると相棒の象へと跨った。
「行くよ、愛羅。真面目に戦ってやろうじゃないか」
 パリジャードの連れている象はただの動物ではない。雨と風を司る女神、パリジャード・シャチーの眷属である。大地を踏み鳴らし、地響きを轟かせたのも数歩。見えない螺旋階段でも駆け上がるようにして、パリジャードを乗せた愛羅は上空へ。
「風の流れが変わってきたな……これより上に行くと危ないか」
 グリードオーシャンの大気は島同士の移動を阻むほどに荒々しく動いており、それは海上のみならず、島の上空でさえ一定の高度を超えると働きかけてくる。その限界を感じ取ったパリジャードが人差し指を立て、ゆっくりと円を描くと周囲の大気と水分がかき混ぜられていく……。
「さて、愛と雨、どちらが育みの女神にふさわしいか勝負しようじゃないか」
 戦場の上空一帯に巨大な雲を生み出したパリジャードは、阻まれているはずの眼下に向けて、弓を引き絞るのだった。
「アムール様、メガリスに、操る、されてる、です、よね?メガリスを、浄化、すれば、きっと、救う、できる、はず……!」
 猟兵達が各々動き出す中、白鰐の背に乗って走り出すアリスの背を見送るクロは冷や汗を伝わせて。
「本当に洒落になってないね、とりあえずやれることをやろうか」
 散々返り討ちに遭う仲間を見せつけられてきた。にも関わらず突貫を仕掛けるアリスを、このまま見殺しにするわけにはいかない。
「まずは道をこじ開けようか」
 弓に番えるは火薬の鏃。引き絞り狙うはアムール、その眉間。
「愚かな、私に弓矢で挑めるとでも?」
「やってみなきゃ分からないだろう?」
 口では挑戦的なクロだが、実は既に確信を得ている。自分が放つ矢は、その役目を果たしてくれると。
「それに、私の狙いはあんたじゃないのさ」
 弦を放せば飛来する矢は正確にアムールに命中するものの、跳ね返された衝撃でへし折れてしまう……落下した際に、足元に黒い粉をまき散らしながら。
「続けていくよ!」
 宣言した時には既に放たれていた矢。それは上空へと舞い上がり、山なりの軌道でアムールへと迫る!
「ふん、眷属を無視して私に届かせれば勝機があるとでも思ったか?」
「さっき爆発姉妹がやって見せたけどさ」
 ふと、落下までの時間稼ぎもかねて、クロが問う。
「あんた、無敵状態になってもこっちの攻撃を打ち消すんじゃなくて、跳ね返すって方が正確じゃない?」
「だったらどうした?」
 世の中にはこういう武器もあるんだよ。クロのその微笑みを引き金にして落下した矢がアムールに突き刺さる。しかし、弾かれたそれは衝撃で内側に仕込まれた火打石を打ち鳴らし、小さな火花を産んで。
「まさか……」
 わずかな煌きにアムールが気づいた瞬間、彼女を中心にして火柱が上がる。初手の矢で火打石を取り除いた矢を射ってあり、そこに爆発する矢を撃ち込んだのだ。そんなことで傷つくアムールではないが、周囲に張り付いていた眷属たちはそうはいかない。焼け焦げた羽を炭にして、落下する鳥が遺骸と化した兎とぶつかり、霧散していく。
「チィ、狙いはこちらか……!」
 すぐさま旋回していた鳥を呼び寄せて穴が開いた布陣を埋めようとするアムールだが、近寄ってきた眷属は両翼を切り落とされて、無様に落下した。
「は?」
 打ち上げられた魚のようにのたうつ鳥を前に、理解が追い付かないアムールの姿を見下ろして、上空のパリジャードがほくそ笑む。
「見えないだろう?取り囲むように踊る風の刃がさ。お前は既に籠の鳥……」
 パリジャードが弓に番えた矢には、赤い小瓶が添付されており。
「もはや飛び立つことも叶わぬ哀れな娘よ。一思いに散るがいい」
「あーらよっと」
 雲の向こうから放たれる一本の矢。そこ目掛けてクロが矢を放つ。ぶつかり合った衝撃で小瓶の中身が舞えば、それは風に乗って周囲を包み。
「ッ!?」
 鼻につく刺激臭。毒物の類を警戒したアムールだが、その正体はもっとシンプルに。
「かッッッら!?」
 激辛ソースが風に乗り、不規則な軌道で戦場を飛び回る。呼吸すら困難になる見えない迷宮を前に、アムールが舌を打った。辛味というものは一種の刺激物であり、喉に入れば呼吸を阻み、目に入れば催涙効果を発揮する。激辛ソースと共に風に乗って飛ぶ鳥の眷属では、この戦場を動き回ることができないのだ。
「ロクローくん、今……!」
 アリスの声に、白鰐が駆ける。その道行を阻むは兎の眷属。小動物を食い殺そうと、大顎を開く捕食者に対し兎が見せたのは必殺の一撃、サマーソルトキック。天敵に追い詰められれば、その頭を蹴り飛ばして昏倒させる兎の奥の手。その蹴りを鼻っ柱にもらったロクローが、盛大に血を噴いて倒れてしまう。
「ロクロー、くん!?」
 砂浜に投げ出されたアリスが駆けよれば、白鰐は頭部を切り裂かれているではないか。
「……蹴りで、斬った?」
 その様子を見ていた裕美は素早くパネルを叩き。
「……回復は任せて」
「治す、できる、です!?」
 肉体が損傷した、という事実を、『健康体である』というデータに書き換えるプログラムを飛ばし、頭部を切り開かれたという事実をなかったことにした裕美だが、このまま突っ込んでいけば同じことの繰り返しでしかない。
「……なるほど、踵に仕込み刃を持った兎」
 一瞬だけ、瞳が深紅に染まった裕美。タネを割るためにシルヴァーナと交代したのだろう。しかし正体を見極めたところで、対策できなければ意味がない。
「……兎は兎でも、首狩り兎……」
「そう、いわばマジ狩るバニーの群れよ」
「「え」」
 兎が、しゃべった。しかもどっかで聞いた事がある声で。
「単なる増殖ではなく、繁殖であるが故のバグみたいなものね。産み直しの魔王の力で配下を作った時、あっちの兎に私の遺伝子が混ざったんでしょう」
 もちろん、それが発現する可能性は低い。だが、無尽蔵に繁殖という名の増殖を繰り返していれば、母数が上がった分、自ずと確立も高まってくる。
「行きなさい、助けたいんでしょう?少なくとも、『うちの子』達は素通りさせてくれるわ」
「はい、行って、来る、です!」
 ロクローが背を向けるが、アリスはそっと撫でて押しとどめた。連れていけば、また彼が傷つくのだろう………自分の、身代わりとして。
「もう、傷つく、する、欲しくない、です……」
 歩き出したアリスめがけて、刃を備えた兎が迫る。脚さえ奪えば事足りるのだ、アキレス腱目掛けて放たれる飛び蹴りを。
「はいはい兎さんは大人しくしててね」
 届く前にクロの矢が射抜いて止めた。
(アリスは結局、一人じゃ何もできないのかもしれないけれど………)
 自分では避ける事すら難しい攻撃を、部隊の仲間が防いでくれるのなら。
(歌おう、全力で……届かせるために……!)

 ――嗚呼 愛しき女神 

「その歌は……!」
 紡がれる歌声を耳にして、アムールに焦りが見えた。

――我らの想いを夢見た彼の者に 

「やめろ、その歌を歌うんじゃない!!」
 迫る兎たち。今度は、喉笛を目掛けて。首を落とすためではなく、喉を穿ち、声帯を震わせる空気を届かせないために。
「……邪魔、しないで」
『そろそろ幕引きでしょう?』
 一瞬だけシルヴァーナに変わった裕美が、兎の蹴りを弾いたナイフの残身を取る。アリスの首筋を掠めて飛んだ刃と兎のそれが弾きあい、道を譲った先で、少女はなおも旋律を紡ぐ。聞いた者の魂と精神に直接働きかける、浄化の歌を。

 ――届け給え 愛に飢えた子どもに無償の愛を 愛を知らぬ我らに女神の愛を

『やめろと言っている!!』
「とうとう、ここまで来たのですね」
 二つの声が、同時に響く。先ほどとは逆に、穏やかな微笑みに悪態の言葉を吐きながら、静かに紡がれるその声は。
「アムール、様……」
「感動の再会っぽいとこ悪いんだけど、早いところ済ませてもらっていい?」
 パリジャードの声と共に風の刃が舞い、一角兎がアリスの胸を穿とうとして、八つに斬り捨てられていく。
「そうですね……私はまだ、メガリスの支配下にある。もう長くはないでしょう」
 だから……そう続けるアムールに、アリスは首を振った。
「助ける、する、為に、ここまで、来る、したです!」
「……ですが、私を救うと言うことは、あなたに『業』を背負わせることになります」
『おい……まさか、お前ッ……!』
 目を伏せるアムールの手を、アリスは握った。脆弱な少女に見合わぬ意思を持った眼差しに、女神は苦笑して。
「私はもう、助かりません……ですが、あなたに私の力を託します」
「アムール様の、力を、アリスに、託す?」
 頷き、アムールはアリスと視線を合わせて。
「そして私は眠りにつきます。けれど、あなたが私の力を守り続けてくれるのなら、いつの日か再び顕現できるでしょう。ですがそれは、あなたの身に神の力を宿すと言うことは、相応の負荷と試練を与えるでしょう……それに向き合う覚悟はありますか?」
「はい。それで、救う、できる、なら」
 迷うアムールへ、アリスは迷うことなく受け入れた。それが、悲劇の始まりとも知らずに……いや、彼女なら、分かっていても受け入れただろう。
「ありがとう、そしておやすみなさい……」
『いやだ……私はまだ、眠りたくなんて……!』
 二つの声と共に、アムールの姿がアリスに取り込まれて消えていく……。
「……ああ。魔力と、愛が、溢れて……!」
 だが、その負荷は少女の体には重すぎたのだろう。アリスは糸が切れた人形のように崩れ落ち、後には二つの石が転がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月10日
宿敵 『愛と生命の女神『アムール』』 を撃破!


挿絵イラスト