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メガリス大作戦 ~無限エヴォリューション~

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス

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●巫女が守ってきたもの。
 終の王笏島。
 激戦の記憶も新しいこの島で、七大海嘯『王笏』カルロス・グリードは数多のメガリスを用いて戦い、敗れた。
 だが彼がこの島に隠していたメガリスは未だその全容を明らかにしていない。

 そんな中、機械の体をもつ一人の海賊がこの島を訪れる。
「巫女達よ、よくぞメガリス『無限エヴォリューション』の封印を守り抜いた」
 コンキスタドール、マシン・キャプテンは手つかずの機械遺跡に感嘆する。
 カルロスでさえ扱いきれぬと判断したのか、それとも何らかの問題があったのか。いずれにせよ、このメガリスは誰の手にも渡ることなくこの地に在った。彼はその存在を知っていたのだ。
「今こそ封印を解き放ち、七大海嘯の雪辱を果たそうぞ! 我に新たなる力を!」
 キャプテンはビームカトラスを抜き放ち、遺跡へと足を踏み入れていくのだった。

●メガリスを回収せよ!
「諸君! 羅針盤戦争の勝利、見事であった! その興奮も冷めやらぬ内であろうが、頼みたいことがある!」
 ゴッドオブザゴッド・ゴッドゴッドゴッド(黄金存在・f16449)が声をあげた。その手が指し示すのは、戦場となった島の一つ、終の王笏島。
「諸君も知っての通り、この島にはカルロスが多数のメガリスを隠し、保管していた! その大半は未だ発見されておらず、手つかずのまま……これを回収せねば、今後に禍根を残しかねん!」
 七大海嘯は倒れたが、コンキスタドールの残党はまだまだ健在。彼らがメガリスを手に入れればこの世界に新たな脅威が生まれることになる。
 それは避けなければならない。
「幸いにしてその内の一つの存在を察知した! そのメガリスの名は『無限エヴォリューション』という!」
 虹色の歯車型をしたそのメガリスにはユーベルコード『ラスボス変身』の力が秘められており、持つ者の力を高めるというのだ。

「メガリスはスペースシップワールドの宇宙船らしき機械遺跡の奥深くに封じられている!!」
 半分水没した機械遺跡には獰猛なハ虫類が住み着き、セキュリティシステムも健在。
 七大海嘯が仕掛けたトラップも存在しており、攻略は容易ではない。
「まず考えるべきは、遺跡の罠! しかし遺跡の奧にはこのメガリスを封印し、守っていたコンキスタドールが存在する!」
 首尾よく遺跡を突破したとしても、戦いは免れない。
 遺跡とコンキスタドールを攻略し、メガリスを手に入れるのだ。

「それともう一つ! 諸君と同様、メガリスの回収に動いているコンキスタドールの存在を察知している!」
 その名はマシン・キャプテン。
 彼もまた無限エヴォリューションを狙い、既に遺跡の攻略を目指して動き出しているという。
「奴がメガリスを手に入れたとしたら、厄介なことになる! どうか迅速に、奴より早くメガリスを回収してくれたまえ!」
 遺跡探索、巫女、マシン・キャプテン。そして猟兵。
 メガリスを巡る冒険が、ここに幕を開ける。


納斗河 蔵人
 お世話になっております。納斗河蔵人です。
 今回はグリードオーシャンの戦後シナリオで、終の王笏島のメガリスを探索します。

 一章では半分水没した機械遺跡を探索し、メガリスが封印されている場所を目指します。獰猛な生物が住み着いていますが、宇宙船のシステムは一部健在なようなのでこれは利用できるかも……?

 二章ではメガリスを守るコンキスタドールとの集団戦です。

 三章はボス戦ですが、特殊ルールがあります。詳細は章開始時に説明します。

 メガリスについて。
 メガリス『無限エヴォリューション』。虹色の歯車型。
 ユーベルコード『ラスボス変身 【新しい形態】に変身する。変身の度に自身の【腕】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。』
 ボスが所持すると、通常のユーベルコードに加えメガリスのユーベルコードを同時発動します。つまり、今回はラスボス変身しながら別の攻撃もしてきます。
 また、希望があれば勝利のあとにメガリスを所属旅団に持ち帰ることができます(複数名希望の場合はダイスで判断します)

 以上、プレイングをお待ちしています。よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『機械遺跡を探険しよう』

POW   :    内部に住み着いた危険生物を排除しながら進む

SPD   :    まだ使えそうな機械や、保存食を回収しながら進む

WIZ   :    まだ生きているセキュリティを解除しながら進む

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ふと遺跡迷い込んだ獣が水に口をつけた。
 辺りには警報が鳴り響き、ぶくぶくと泡が立ち始める。
 逃げる間もなく獣は引きずり込まれ、やがてぷかりと骨が浮かんだ。

 誰かが言った。いかに猟兵とは言え、集まってくる爬虫類たちを相手にしながら進むのは困難だ。
 何らかの手段で張り巡らされたセキュリティを突破しなくては。
 誰かが言った。いいや、自分ならあの程度の障害などなんという事はない。
 泳いで奧まで一直線。邪魔する者は蹴散らして突き進む。これが一番早いと思います。
 誰かが言った。そもそも闇雲に探してもメガリスは見つからない。
 システムは生きているみたいだし、うまいこと安全なルートを探れないか?

 誰かが言った。それぞれ自分が正しいと思う手を取ればいい。
 君たちはコンキスタドールと戦う仲間であると同時に、メガリスを狙うライバルでもある。
 
 猟兵たちよ、機械遺跡を突破し最深部を目指せ!
片桐・公明
【SPD】
UCを使用し周辺を観察しながら、警戒を厳に探索する
宇宙船のコンソールを見つけたら操作して周辺の罠や進むべき方向などの情報を取得する
可能であれば罠を解除する
「半分水没しても動くなんて。SSWの技術力は末恐ろしいわね。」

目ぼしい物品はメガリスではなくても回収していく
「SSW出身のウォーマシンだったら何かわかるかもしれないしね。」

(絡み、アドリブ歓迎です)



「ふうん、なるほどね」
 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)が見つめていたのは憐れにも水に引きずり込まれた獣だった。
 どうやら水棲生物たちはこの遺跡のセキュリティが発する音に反応しているようであり、陸上まで目を光らせているというわけでは
ないらしい。
 ぷかりと浮かんだ骨を横目に、障害となる爬虫類の挙動を考える。
 遺跡の仕掛けに引っかからないルート。
 あるいは、引っかかっても爬虫類が襲ってこられない場所。
 彼女は知っている。『殺人鬼の最適解(サツジンキノサイテキカイ)』を。
 それを活かして、進むべき道を導き出す。
「半分水没しても動くなんて。SSWの技術力は末恐ろしいわね」
 水中を進むのは論外だ。
 つまり、宇宙船のセキュリティを止めなければ探索もおぼつかない。
 その事を確認すると今度は壁に手を伸ばした。
「まずは、と」
 公明は鎧砕きの要領で壁面を打ち付ける。
 あっさりと崩れた壁の中から現れたのは無数のコード。何本かをたぐり、電気の流れを感じ取った。
 一息つくと、こっちかな、と目星をつけて機械遺跡を行く。
 崩れた瓦礫の隙間をすり抜け扉を開けば、果たして目的のものはそこにあった。
 
「流石、ちゃんと生きてるわ」
 パネルに触れると、コンソールには立体的な映像が浮かび上がる。
 この遺跡がかつて宇宙を駆けていた頃の姿。即ち、宇宙船内のマップ。
 水没して使えない通路もあるだろうが、これがあるだけでもルートの選定は格段に効率的になる。
 ついでに残された機材や道具も回収できれば一石二鳥だ。
 手近な部屋をのぞいてみれば、幸運にも水没を免れていた。
 とはいえ過去にコンキスタドールが漁っていたのか、めぼしいものは頑丈なワイヤーと何らかの小さな機械だけ。
「んー、何かの役に立つかな?」
 拾い上げ、考える。
 ワイヤーは遺跡を進むのに使えるかもしれない。
 機械の方も、意外な場所で力を発揮する可能性がある。どちらも大した荷物にはならない。持って行こう。
「SSW出身のウォーマシンだったら何かわかるかもしれないしね」
 次はどこに向かおうか。
 先ほど確認したマップを頭に思い浮かべ、公明は探索を再開した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ガーネット・グレイローズ
無限エボリューション!素晴らしい響きだ。
所有者の進化の可能性を引き出すメガリス、
コンキスタドールの手に渡すのは惜しいものだね。
では早速回収に向かおう!

この遺跡は水没した宇宙船か。ここは自分の《世界知識》を頼り、
内部の構造を推測しながら進もう。そしてメカたまこEXを飛ばし、
《宝探し》機能を使ってメガリス保管場所へのルートを導き出す。
ユベコと《拠点防御》の知識を使えば、レーザートラップなどの
セキュリティ機能を見破ることができるだろうか。
あるいはこれを逆手にとって、危険生物を罠にかけて排除
することもできるかも。毒蛇やオオトカゲには要注意だな。
使えそうな機械のバッテリーや医療品があれば、回収しておく。



「無限エヴォリューション!」
 終の王笏島に残されたメガリスの名。
 それを伝えられたガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は思わず声をあげた。
「素晴らしい響きだ」
 ユーベルコード、ラスボス変身。
 その力を宿しているのだから、所有者の進化の可能性を引き出すメガリスと言っても過言ではないだろう。
 人は日々進歩し、新たなる地平を切り開く。
「コンキスタドールの手に渡すのは惜しいものだね」
 オブリビオン――進化の力を手に入れるには、過去は遠すぎる。
 やはり進化とは、未来を目指すためにあって欲しいものだ。
「では、早速回収に向かおう!」
 そうしてガーネットは意気揚々と機械遺跡へと乗り込むのであった。

「ふむ……この型は」
 事前の情報にもあった通り、この遺跡はSSWの宇宙船。
 いつグリードオーシャンへ落ちてきたのかはわからないが、そこまで古い型ではなさそうだ。
「ここが水没していることを考えると、こちらは無事だろうな」
 流行り廃りはあれど、宇宙船の設計に不合理は存在しない。
 水深と範囲を考えれば、無事な通路も十分に推測が可能だ。
 狙い通り、彼女が選んだルートには行く手を阻むものなど存在しない。
「やはりな。これならばこの船のすべてが視える!」
 ガーネットの知識が、物事の本質と先行きを知らしめる。『イデア覚醒(イデアカクセイ)』の前には秘匿されたメガリスさえその姿をさらけ出すに違いない。
「コッコッコッ」
 と、そこに突然響く鳴き声。
 ニワトリだ。……いや、ちがう。これはドローンだ。ガーネットの放ったメカたまこEXが命じた範囲の探索を終えて戻ってきたのだ。
「うむ、やはりいたか」
 見つけたのは毒蛇の群れ。
 もちろん戦って排除してもいいのだが、うっかり噛まれたりしたら厄介なことになる。
 リスクは回避するべきだ。情報通り、艦内のセキュリティは生きている。あるものは使わせてもらおう。
「毒蛇……ならば」
 タバコに火をつける。暗闇に住まう蛇ならば小さな熱にも反応するはずだ。
 狙い通り、毒蛇の群れが動き出す。彼女は落ち着き払った様子で歩を進めると、落ちていた瓦礫を宙に放った。
 目には見えないセンサーが、それを感知する。
「侵入者を発見。排除します」
 機械的な音声が流れ、光が溢れた。閉じた目を開けば、そこには焼け焦げた毒蛇が積み上がるばかり。
 ガーネットはそれを確かめると、光線の発射口を破壊する。
「ほう、ここは」
 有無を言わさぬ強制排除。そんなセキュリティがかけられていたのは医務室であったらしい。
 保存状態もよく、残されていた医薬品には今でも使えるものがありそうだ。
「回収しておこう。何があるかわからんからな」
 しばらくの後。彼女の手には麻酔薬や傷薬、用途不明のバッテリー。
 ガーネットはそれら戦利品を手に、医務室をあとにするのであった。
 
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「戦争は終わったけどメガリスは残るか。
放置しては置けないし。取りに行くしかない。」
それに、どんなものか興味もあるし。

地図を作製しながら慎重に進み先ずは制御室を目指す。
爬虫類には十分警戒し物陰に身を隠し
また水辺等には出来る限り近寄らず
通る事になる時は真羅天掌を発動。
水中に対し冷却属性の渦潮を発生させ
水を冷却か凍結。水中の爬虫類の活動を制限。

制御室に着いたら内部のマップと
罠の位置と内容を把握。可能であれば罠を解除し
メガリスまでの最短ルートを選定。

制御室までは慎重に進むが
その後は急ぎメガリスまで進行。
邪魔な罠や爬虫類は真羅天掌や零下の碧玉で凍結。
若しくは凍結後デモニックロッドの闇の魔弾で破壊し進む。



「戦争は終わったけどメガリスは残るか」
 メガリス。
 オブリビオンフォーミュラが倒れても、グリードオーシャンに眠る呪いの秘宝は未だこの世界にあった。
 フォルク・リア(黄泉への導・f05375)は考える。メガリスという力の意味を。
 そういったものに興味をひかれてしまうのは、研究者の性という奴だろうか。
「どちらにしても放置はしておけないし。取りに行くしかない」
 コンキスタドールが力を手に入れれば新たなフォーミュラを産み出す土壌ともなりかねない。
 結局のところ、猟兵が回収するのが一番なのだ。

 慎重に、慎重に。
 セキュリティが健在なだけでなく危険な爬虫類も住み着いているのだから、警戒はしてしすぎることはない。
 その甲斐もあって、ここまでの対処は完璧と言っていい。
 どんな危機的な状況も事前に察知してしまえばやりようはあるものだ。
 水没して塞がっていた道も『真羅天掌(シンラテンショウ)』で凍らせてしまえば何の問題もなかった。
 水中の生物達も分厚い氷を破ってまで襲いかかってくることはないのだから。
「……っと、ここかな?」
 そうして地図を描きながら歩を進めていたフォルクは目的の場所へとたどり着く。
 半分ほどは沈黙しているものの、光を放ち続けているモニター。
「当たりだね。制御室ならきっと……」
 まずは現在地とメガリスまでのルートを探らなければ。
 遺跡と化した宇宙船で重要なものを封印しているならば目指すべきは――
「見つけた、コアマシンの設置されていたポイント」
 表示されたマップと自分の書いた地図を見比べる。
 制御室にたどり着くまでに察知した罠を考えても間違いはなさそうだ。
「ついでだ、動いている罠も止められるものは片っ端から止めてしまおう」
 と、コンソールに触れたところで気付く。
 いくつかの地点でセキュリティが破壊されていることに。
 猟兵たちが侵入した地点とは逆側だ。
「……かなり進みが早いな」
 犯人は、コンキスタドールに違いない。
 この速度では猟兵達よりも早くメガリスにたどり着いてしまうだろう。
 急がなくては。
 ここまでは慎重に進んできたが、これ以上時間はかけられない。
 罠は停止させたのだから、多少強引にでも進むべきだろう。
「大海の渦。天空の槌。琥珀の轟き。平原の騒響。宵闇の灯」
 フォルクはデモニックロッドを手に呪文を唱える。
 行く手を阻む水を、爬虫類を凍り付かせながら彼は駆けた。
「人の世に在りし万象尽く、十指に集いて道行きを拓く一杖となれ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ライカ・ネーベルラーベ
ぶっ壊れた機械の墓場
あはは、わたしみたいだ

セキュリティ?戦利品?
とにかく奥に進めばいいんでしょ、とばかりに
自身のパワーと耐久力任せに強引に先へ進んでいく
道はよくわからないけど、虱潰しに歩いていればそのうちなんかあるでしょ

半分水没してる戦場で生き物が襲ってきても、纏ってる雷が自動的に迎撃してくれる
歪んだ扉が道を塞いでいても、機械腕の出力で無理やりこじ開けて突破
「邪魔だなぁ……道が狭いし邪魔なのが多すぎてバイクも走らせられない……」
イライラしてきた
さっさと目当ての場所を見つけなきゃ……
地図ぐらいもらってくればよかった



 水没してもなおその機能の一部を残した機械遺跡であったが、そうでない区画も存在する。
 一度壊れてしまえば浸食も早く、かつての姿も面影を残すばかり。
 ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)が足を踏み入れたのはそんな場所だった。
「あはは、わたしみたいだ」
 彼女はこの光景を「ぶっ壊れた機械の墓場」と称した。
 本来の役目を失い、メガリスを封じるだけの機械遺跡。墓場と呼ぶのも間違いではないのだろう。
「道はよく分からないけど、虱潰しに歩いていればそのうちなんかあるでしょ」
 行く手を阻む瓦礫を強引に引きずり出す。
 バランスを失い、積み上がっていた何かの機械が崩れた。大きな音をたてて、砂埃が舞った。
 強引な手段だが『半人半機の帰還兵(ギフテッド・アヴェンジャー)』たる彼女は、パワーと頑丈さには自信がある。
 メガリスを目指してまっすぐ進めば、これが一番早いのだ。

 ばちん、という音と光。
 ライカを襲った生物は憐れにも黒焦げとなった。
 全身に纏った雷に直接触れてしまえば流石にひとたまりもない。
「邪魔だなぁ……」
 崩壊と浸食を繰り返してきた遺跡は障害物も多い。
 機械の腕のパワーで強引に突破しているが、その歩みは速いとは言い難いものとなっていた。
「道が狭いし邪魔なのが多すぎてバイクも走らせられない……」
 普段ならば高い機動性を誇る彼女も、この状況ではそれを活かせない。
 その苛立ちは自身でも予想していなかったほどに膨れ上がってしまう。
「さっさと目当ての場所を見つけなきゃ……」
 地図くらいは手に入れるべきだったかもしれない。
 今進んでいる方向が正しいのかどうかも、当てずっぽうでは確信を持てないのだから。
 だが、そんな彼女の苦難を乗り越える術が、幸運にも目の前に現れる。
「……あれ? 明るい」
 歪んだ扉を無理矢理に引きちぎった先。
 そこにはここまで進んで来た薄暗い艦内とは違い、明るさを保った部屋だった。
 浮かび上がるのはホログラムのマップ。
 先行していた猟兵が、映し出したものをそのままにしていったのだ。
「……じゃあ、こっちか」
 しばらく地図を眺めるとライカは目的の場所を見つけ出す。
 もう彷徨う必要はない。
 心臓の鼓動を強くし雷を纏いながら、彼女は弾かれたように走り出した。
  

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『メガリスの封印を守護する巫女』

POW   :    島風を纏いし風の巫女
対象の攻撃を軽減する【島の加護を受けた巫女】に変身しつつ、【軽減した攻撃を上乗せした扇の起こす風】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    メガリス封印結界
【メガリスの封印を死守する霊力の高い巫女】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[メガリスの封印を死守する霊力の高い巫女]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    鎮魂の舞
【仲間と力を合わせた魂鎮めの舞】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちは機械遺跡を抜け、目的の地へとたどり着く。
 メガリス『無限エヴォリューション』が封印される、かつて宇宙船のコアマシンが置かれていた場所。
 長い時を経ても、強大なエネルギーを守ることを宿命付けられた部屋。
 そこで待ち受けるのはメガリスの封印を守護する巫女達であった。
「猟兵よ、よくぞこの封印の地を見つけ出しました」
「しかし、七大海嘯の意志を継ぐ者にしかこの封印は通れない」
「あなた方の命をもって、カルロス・グリードの魂の慰めとしましょう」
 彼女たちが存在する限り、メガリスを手に入れることはできない。
 猟兵たちよ、力を示し封印を解き放つのだ!
片桐・公明
【POW】
相手の攻撃を回避しつつ観察する
時々遠くから銃撃を行い、効果が薄いことを確認する
「…参ったわね。もしかしたら私と相性最悪かも」

遠距離攻撃が風の影響で効果が薄いことを確認したら一気に接近する
攻撃に集中したUCに[オーラ防御][貫通攻撃]を載せて
相手の攻撃を相殺しつつまっすぐ突撃する

一撃を加えたのち、攻撃回数に集中してUCによる連撃を加える。
「攻撃を軽減するとしても、これだけの連撃には耐えられないでしょう。」
(絡み、アドリブ歓迎です。)


ライカ・ネーベルラーベ
あー?七大ナントカ?
わたしはわたしの遺志しか継ぐ気はないんだけど?
邪魔しないでよ、お宝見つけないと帰れないんだし
「どこに帰るのか思い出せないんだけどさぁあははははははははは!?」

【マクスウェルの方程式】発動
わざわざ密集してくれるなんてありがたいね
わたしの雷の格好の餌食だ!
「カルロスの慰めじゃなくてさぁ!オマエらがわたしのエサなんだよ!」

荒ぶる雷になって、目につくままに巫女たちを射抜いていくよ
初手に最速で数を減らしちゃえば、コイツらは数を頼みの小細工ができないんだ
「風に馴染んでるならよくわかってるでしょう――雷光からは逃れられない」


ガーネット・グレイローズ
お前たちが、メガリスを守護する巫女か。
お前たちの王カルロス・グリードはもういない。
無限エヴォリューションを引き渡してもらおうか!

敵の数が多いな。機会を待って、まとめて一気に攻撃するぞ。
ブラックバングルから《衝撃波》を放ってけん制しつつ、
《グラップル》による組打ちや柔術で無力化を図る。
どうやら敵の攻撃は、仲間で力を合わせることで効果を
発揮するらしい……。
敵の攻撃を《ジャストガード》でさばきながら《カウンター》で反撃しつつ、
《魔力溜め》で体内のブラッドエーテルを加速させて
終末異界兵器「ⅩⅦ:星」を発動。
密集している隊形が仇になったな、ここで一網打尽だ!



「お前たちが、メガリスを守護する巫女か」
 ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)がぐるりと視線を巡らせる。
 メガリスが封じられし遺跡の奧。
 その扉の前で巫女達は彼女の行く手を阻むように立ち塞がっていた。
「このメガリスはカルロス・グリードとその配下以外に触れさせてはならぬ」
「お前たちの王カルロス・グリードはもういない。無限エヴォリューションを引き渡してもらおうか!」
 カルロスはもういない。
 しかし、ガーネットの言葉に巫女達は首を振る。
「無限エヴォリューション……その名にふさわしき者にしかこの扉は開かれない」
「メガリスを狙うものに災いを!」
 巫女達は手にした扇を広げる。言葉で解決できるなどと思ってはいなかったが……
「その命をもってカルロス・グリードの魂を慰めるとしましょう!」
「聞く耳もたずか!」
 魔力の籠められた舞に、ガーネットは吐き捨てた。

「終の王笏島よ、我らに島風を!」
 扇が振るわれる度に風が巻き起こる。
 ブラックバンクルから放たれる衝撃波も、巫女達の舞を止めるには至らない。
「一人一人では大したこともないが……」
 厄介なのはその数と連携だ。メガリスを死守するという強い意志は実力以上に巫女達の力を引き出している。
 まずは連携を崩すことが先決だろう。
 距離を取り、次の手を考えたところで銃声が響いた。
「……参ったわね。もしかしたら私と相性最悪かも」
 声の主は片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)。放たれた銃弾は風に阻まれ巫女達までは届いていない。
 そればかりか受け止めたエネルギーを反転させ、強烈な風がこちらに向かって吹き付けてくる。
 彼女の銃による遠距離攻撃ではこれを突破するのは難しいだろう。
「ならば近接戦を仕掛けるしかないだろう」
「危険だけどね。銃ほどじゃないけどそっちにも自信はあるよ」
 ガーネットの言葉に公明も同意する。
 数の不利はあるが、強化されていても一対一ならばこちらが有利だ。
 接近さえできれば風の影響も少ない。勝機は十分にある。
「まずはあの風を封じるぞ。機を見て一気にケリをつける」
「了解、お先に!」
 堅い金属の床を踏みつけ、公明は風に向かって駆けだした。
 
「せりゃっ!」
 風を貫き、拳を突き出す。
 風の抵抗をものともせず公明の一撃は巫女を強かに打ち付けた。
「その舞、見事なものだけどね」
「くっ……この風を超えてくるとは」
 しかし接近したとはいえ風の影響はほんの少し、その拳の威力を弱らせている。
 そしてそのエネルギーを力に変えて公明へと襲いかかってくるのだ。
「だがこの風は止まない! 自らの力に敗れるがいい!」
 風は強く吹き付け、メガリスを狙うものを阻む。
 強力な攻撃であればあるほど痛烈に。
 その勢いを感じながら公明は笑った。
「これで終わりなんていってないよ!」
 風を受け、右足を軸に体が回転する。伸びた左脚の先には、反撃を試みていた別の巫女。
「なっ……」
「強さと美しさの両立。それこそ諸葛流舞闘術の真髄よ」
 その動きは流麗。風の中を舞うように巫女達の間を駆け抜け、拳が、蹴りが突き刺さる。
「風が攻撃を軽減して押し返してくるとしても!」
 逆らわず、その力を逆に利用する。
 その動きは鎮魂の舞に溶け込み、それ故に巫女達は躱すことすらできない。
 様々な武術に舞踊を組み合わせた体術こそが、『諸葛流舞闘術(ショカツリュウブトウジュツ)』なのだ。

「状況はこちらが有利。大人しくメガリスを渡すんだ」
 巫女の攻撃を巧みに受け止め、ガーネットは位置を入れ替える。
 柔術の応用で投げ飛ばすが、向上した身体能力で巫女はふわりと降り立った。
 すぐさまカバーするように別の巫女が割り込む。
「いいえ、無限エヴォリューションを手にするのは七大海嘯の意志を継ぐ者だけ」
 やはり力を合わせた巫女達は厄介だ。連携を乱す手がもう少しあればいいのだが……
 そう考えたところで、衝撃と共に壁が吹き飛んだ。
「あー? 七大ナントカ?」
 ぽっかりと空いた穴の向こうで、ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)は首をかしげる。
 記憶をたどる。何処かで聞いたような気もするが、思い当たらない。
「わたしはわたしの遺志しか継ぐ気はないんだけど?」
「自らの意志を継ぐと? ならばそれはコンキスタドールではありませんか」
 ライカの言葉に、巫女が反応する。
 死してなお過去から蘇るのがオブリビオン。
 メガリスを守る為に遣わされた増援か、という考えが頭をよぎった。
「私たちと共にメガリスを狙う者どもを……」
「わけわかんない。邪魔しないでよ、お宝見つけないと帰れないんだし」
 が、差し伸べた手は振り払われる。
 巫女達には残念なことにライカは猟兵なのだ。
「どこに帰るのか思い出せないんだけどさぁあははははははははは!?」

 叫びと共に青白い光が遺跡を照らす。
 全身に光が奔り、バリバリと音を立てていく。
「これは……」
「わたしの逝く道を照らせ雷光――」
 そして、金色に輝くメガリス、竜種の魔力核がさらけ出されたとき、彼女は雷と化した。
 これが『マクスウェルの方程式(ボルトフロムザブルー)』。
「不明の闇を照らして砕く!」
「ああっ……」
 そこからは一瞬。巫女の一人は黒に染まり、崩れ落ちる。
 風を貫き、雷は戦場を駆けた。
「風を……もっと強い風を!」
「風に馴染んでるならよくわかってるでしょう――雷光からは逃れられない」
 うねる光は巫女を呑み込む。
 だが命の全てを投げ出してでも使命は果たさねばならない。
 時が来れば、カルロスの遺志は猟兵たちを駆逐する。
 それまで封印は決して破らせない。

 分散しつつあった戦場は、封じられし扉の前へと収束し始めていた。
「奴らは集えば集うほど力を増す! 合流を阻むんだ!」
「命令するなァあああ!」
 ガーネットの言葉にライカが叫ぶ。しかし、巡る雷は巫女たちの連携を阻み、その力を抑えこんでくれている。
「その風を起こすには扇がなきゃでしょ? 悪いけどもらっていくよ!」
 公明は見事な動きで、攻撃を受け止める風を弱らせつつある。
 この状況。敵は結集しつつあるが、連携と力の集合は不十分。
 流れを一気にこちらに引き寄せるには、絶好の機会だ。
 ブラッドエーテルの血潮を加速させ、サイキックエナジーを全身に巡らせる。
「時は来た! 巻き込まれるなよ!」
 巫女達の間を駆け抜け、ガーネットは扉へと走った。
「『武器庫』よ、異界兵器の一つ<星>を解禁する権利を求める……」
 同時に力を解き放ち、『向こう側』へと接続する。
「来ますか!」
「しかし、この封印は破れない!」
 巫女達が行く手を阻むが、もう遅い。体勢を崩しながらも叫ぶ。
「開門せよ!」
 辺りが一瞬、静寂に包まれる。浮かび上がるのは青い光。
 いつの間にか無数の短剣が巫女達を包囲していたのだ。
「密集している隊形が仇になったな、ここで一網打尽だ」
 命じられるままに周囲を刃が舞う。
 それはまさしく結界。切りつけると同時に光が弾け、爆発が傍らの巫女を呑み込む。
 今ここに、『終末異界兵器「ⅩⅦ:星」(ワールドエンドウェポン・スター)』がその力を示したのだ。
「カルロスの慰めじゃなくてさぁ! オマエらがわたしのエサなんだよ!」
 爆発から逃れても雷は逃げることを許さない。
「こうなったら、これだけの連撃には耐えられないでしょう」
 鎮魂の舞は、もはやカルロスではなく巫女達に向けられるべきなのかもしれない。
 メガリス、無限エヴォリューションはコンキスタドールの手にあっていいものではない。
 グリードオーシャンに災禍を呼び込ませるものか。
 猟兵たちの意志は、巫女達のメガリスを封印するという意志を上回るのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォルク・リア
「此処で命を落とす気はないし。
その封印も破らせて貰う。」

グラビティテンペストを発動し重力の奔流により
敵を吹き飛ばす。鎮魂の舞を受けたら。
「その術…、自分の命を削っても封印を守ろうとするとは
何とも献身的な事だが。いつまで続くかな。」
と再度グラビティテンペストに魔力を込め
発動できなくとも巫女に負荷をかける。
巫女の状態を【見切り】
力の劣る者に向け【念動力】で拘鎖塞牢を発動。
舞の足並みが乱れた瞬間を逃さない【2回攻撃】の【早業】で
【全力魔法】の力を込めたグラビティテンペストを発動。
縦横無尽に吹き乱れる重力嵐で攻撃し
2度と反撃の隙を与えないつもりで攻撃を継続。
「此処までだ。此方も引けない理由はある。」



「命をかけた戦い、見事です」
「私たちも最期まで封印を守りましょう」
 猟兵たちとの戦いで封印を守る巫女達は大きく数を減らしていた。
 それでも戦意は衰えず、扉を背に立ち塞がる。
 そんな巫女達にフォルク・リア(黄泉への導・f05375)はほう、とため息をついた。
「数を減らしても魔力はむしろ増している……倒れた者の遺志、というやつだろうか」
 彼の見たところ、彼女たちの術は力を合わせることが第一条件。
 数が減れば弱体化するものと思っていたのだが。
「コンキスタドールにもそういう力があるのか。面白いな」
 オブリビオンにもいろいろいるものだ。
 興味は尽きないが、のんびり研究している暇もない。
「七大海嘯の意志を継ぐ者はもうあの奧にいるんだろうな」
 彼女たちの動きは、時間稼ぎに徹しているようにも見える。
 メガリスは既に敵の手に渡っているのかもしれない。
「封印は決して破らせない」
「さあ、その命を倒れた我らの仲間達の慰めに……」
「悪いけど此処で命を落とす気はないし。その封印も破らせて貰う」
 舞い始める巫女を前に、フォルクは杖を振り戦いへと臨む。

 ぐん、と辺りに圧迫感が広がった。
 周囲に転がる瓦礫が細かく弾け、目には見えないほどの粒子となって船上を駆け巡る。
 重力を操る『グラビティテンペスト』が周囲に展開されたのだ。
「さっき派手に壊してくれたからね」
 変換する無機物はいくらでもある。
 巫女達の動きも徐々に鈍くなり始めた。しかし彼女たちは抵抗し、歯を食いしばりながら舞い続ける。
「メガリスは渡さない!」
「その術……自分の命を削るんだろう? 何とも献身的な事だが。いつまで続くかな」
 それほどまでの覚悟。使命感か、忠誠心か。それとも。
 だが。
「此方も引けない理由はある」
 重力を操りながらフォルクが念じると、突如現れた棺桶が巫女の一人を呑み込んだ。
 拘鎖塞牢――棺桶が粒子となって消え去ると、巫女はがくりと崩れ落ちる。
「ぐッ……あっ……」
「力を封じさせてもらった……此処までだ」
 棺桶が通じることを確かめ、フォルクはさらなる魔力を注ぎ込む。
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て」
 抗うことも許さない。それだけの念をこめて重力の嵐は吹き荒れる。
「其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず。ただ屍を晒すのみ」
「腕が折れようと足がちぎれようと……」
「目覚めの時まで封印を守り抜きます」
 それでも巫女達は猟兵から目を離さない。また一人、拘鎖塞牢に呑み込まれた巫女が圧し潰された。
「吹き荒れよ、滅びの衝撃」
「ああ……無限の進化が始まる……」
 巫女達が最期にみたものは何だったか。
 今こそ封印は破られ、メガリスはその力を世界に示す。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『マシン・キャプテン』

POW   :    機械仕掛けの悪魔
自身からレベルm半径内の無機物を【対象との戦闘に最適化した巨大ロボット】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    効率的殺戮術
自身の【胸部のジョリー・ロジャー】が輝く間、【ビームカトラス】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    宇宙から来た略奪者
【スペースシップワールド製の高性能兵器】で武装した【ウォーマシンやサイボーグの宇宙海賊】の幽霊をレベル×5体乗せた【強襲揚陸型宇宙船】を召喚する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠エルシー・ナインです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 最期の巫女が倒れると同時、封印の扉がはじけ飛んだ。
 立っていたのはコンキスタドール、マシン・キャプテン。
「巫女達は敗れたか……汝らは役目を果たしたぞ!」
 無骨な機械の体。その中心では虹色の歯車が廻り、異様な雰囲気を放っている。
 間違いない、アレこそがメガリス、無限エヴォリューション!
「猟兵たちよ、今こそメガリスの力をここに示そう! 我の無限進化の前に消え去るがいい!」

 ※三章特殊ルール
 ボスはメガリス『無限エヴォリューション』を所持しており、通常のフラグメントに設定されたユーベルコードと、メガリスのユーベルコードを「同時発動」します。つまり、2回攻撃します。
 
 ※メガリス『無限エヴォリューション』。虹色の歯車型。
 ユーベルコード『ラスボス変身 【新しい形態】に変身する。変身の度に自身の【腕】の数と身長が2倍になり、負傷が回復する。』

 二つのユーベルコードを切り抜け、ボスと戦ってください。 
 遺跡の中で巨大化を繰り返すのでそこを突けば……?
 一章で手に入れたアイテムなどを使用しても構いません(SSWの機械遺跡にありそうなものなら、ここから参加の方も途中で手に入れていたことにして大丈夫です)

 また、希望すればメガリスを所属旅団に持ち帰ることができます。希望者が複数いた場合はダイスで決定します。
 顛末はリプレイ全体の最後で。完結したらご覧くださいませ。
片桐・公明
【SPD】
増えた腕と攻撃回数はUCを使って見切り回避する

カトラスが届くギリギリを維持して相手の周囲を走りながら二挺拳銃で牽制射撃を行う
基本的に回避優先で相手の苛立ちとメガリスの使用による巨大化を誘導する

「コードを2つ使用するとか、どんなインチキよ!!」
口では罵りながらも眼は確実に起こり得る未来を見据えている

相手が遺跡の部屋より大きくなろうとしたせいで生じる行動の制限、
そしてそれに伴う隙をついて敵にとりつく
標的は歯車型メガリス。飛んでくる攻撃はUCで回避する

メガリスを奪取しすぐさま敵から離れる
「お宝はいただいていくわね。」
(絡み、アドリブ歓迎です。メガリスの持ち帰りを希望します。)


ライカ・ネーベルラーベ
アレがおたから?
アイツにくっついてるって事は
ぶっ壊してバラして引っ張り出せってことでいいんだよね!

無限に、進化……
無限に、強くなる……
「つまり、わたしのギアも無限に上がっていくってことなんだよぉぉおおおお!」
キャプテンの呼び出す巨大ロボと自分も巨大化するキャプテン
こんな場所で好き勝手動けると思わないでよね……!
ましてやどいつもこいつもメカ、メカ、メカ
わたしの雷の格好の餌食だ!
「全部まとめてぶっ壊れちゃえ!あははははは!!」


で、おたからは持って帰らなきゃいけないんだっけ
まぁ、誰かが運べばいいならやりたい人が好きにすればいいんじゃないかな?
「わたしはどっちでもいいんだよ。何事もね」


ガーネット・グレイローズ
メガリスがもたらす無限進化の力……
それを、只略奪と殺戮のために利用するとは、許しがたい愚行。
そのメガリスをお前に使わせるわけにはいかない!

ウォーマシンの武装、戦い方なら《世界知識》である程度推測できる。
更に《メカニック》知識で敵の構造上脆い部分を探しつつ、
クロスグレイブで《レーザー射撃》。
スラッシュストリングを《念動力》で高速震動させ、
糸鋸の要領で切断する《鎧無視攻撃》を仕掛ける。

敵がラスボス変身を使ったら、こちらも対抗して
キャバリアに搭乗。PSDホーネットを【念動武闘法】で複製、
死角を突くオールレンジ射撃とJOXブレイドの二刀流を以て、
効率的殺戮術に対抗するぞ。

※メガリスの回収を希望する


フォルク・リア
「無限進化。ならその力存分に見せてみろ。
どの道此処で使うのが最初で最後だ。」
と【挑発】しラスボス変身を頻発させる。
(新しい力を使いたいのは当然。
しかし使い慣れない物にはリスクもある。
使いこなせない内に勝負を決められれば。)

ディメンションカリバーを発動しスカイロッドに魔石を搭載
見えない風の刃に【破魔】、【除霊】の力を乗せ
敵幽霊に向け攻撃。

常に動きを止めずに【残像】を発生させながら敵の攻撃を回避し
マシンキャプテンの動きを【見切り】、【地形の利用】をしながら
巨大になりすぎた体と腕の隙を突く様に
死角に回り込み、その隙にディメンションカリバーに
【全力魔法】の魔力を注ぎ斬撃を放つ。

メガリス持ち帰り希望。



●宇宙から来た略奪者
「フハハハッ! この力!」
「アレがおたから?」
 マシン・キャプテンの中心で虹色の歯車が回る。絶大なるエネルギー。
 ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)も同様に、メガリスをその身に宿している。
 そのせいだろうか? 心臓が呼応するかのように強く脈を打つのを感じていた。
「アイツにくっついてるって事は、ぶっ壊してバラして引っ張り出せってことでいいんだよね!」
 そんな彼女をよそに銃声が鳴り響く。ひとつ、ふたつ。
「フン、そんなもの!」
「そう簡単に引き剥がせたら苦労はしないか」
 片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)が銃を構えたままため息をつく。
 狙いは正確だったがキャプテンは避けるそぶりすら見せず、弾丸はメガリスのエネルギーに弾かれた。
 あれを奪うのは容易ではない。奴を倒さなければ触れることすらできないだろう。
 つまりは、無限進化の力へと立ち向かわなければならないのだ。
「メガリスがもたらす力……それを、只略奪と殺戮のために利用するとは、許しがたい愚行」
 進化は未来へ進むためにあるもの。ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は長く生きてきたからこそ過去に囚われない。
 コンキスタドールの進化とは、過去の呪縛だ。今を生きる人々にとっては害でしかない。
「お前に渡すわけにはいかない!」
「不可能なことだ! 我が軍勢に無限進化の力が加われば……止められるものなどいない!」
「なら、ならその力。存分に見せてみろ」
「何?」
 キャプテンの言葉に不敵に笑ったのはフォルク・リア(黄泉への導・f05375)。
「どの道、此処で使うのが最初で最後だ」
 メガリスの無限進化に興味はある。だが、挑発的な態度を取るのはそれだけが理由ではない。
 進化とは本来、長い年月といくつもの偶然を重ねて起こるもの。
 それを強制的に引き起こすメガリス……既にその力を手に入れたキャプテンにつけいる隙は、そこにある。
「ならば望み通りにしてやろう! 来たれ、我が配下たちよ! そして力を示せ、無限エヴォリューション!」
 叫びと共に遺跡の外壁が吹き飛んだ。瓦礫の向こうで左右に突き刺さるのは、小型宇宙船の船首。
 ゆっくりと縦に口が開かれ、虹色の光が中に控えていた無数のウォーマシンやサイボーグを照らし出す。
「行けい、我が配下たちよ!」
 歯車を輝かせ、巨大さと腕を増やしたキャプテンがビームカトラスを突きつけた。
 彼の命ずるままに、宇宙海賊達は欲望の海で略奪を開始する。

「あの程度では……もっと奴を追い込まないと」
 フォルクがスカイロッドを実体化させながらつぶやく。
 敵の纏う気配は確かに強大だが、まだ足りない。もっと奴にメガリスを使わせなければ。
「雑魚が何人出てこようと、わたしの敵じゃないんだよぉ!」
「このタイプのウォーマシンの性能は予測できる……」
 ライカやガーネットは既に動きを見せている。
「同時にユーベルコード二つとか、どんなインチキよ!」
 囲まれたかのように見えた公明が、敵の攻撃を知っていたかのようにその身を翻す。
 どうやらメガリスの力は配下までには及んでいないようで、大したものではない。問題は数だ。
「そこの二人、雑魚は俺と……その雷の人が引き受ける。ボスを頼む」
 懐から取り出した魔石を手にフォルクが言う。
「邪魔なんだよぉ!」
 答えを聞くよりも速く、ライカはその身を雷で包みウォーマシンの群れに突撃する。
 どうやら彼女は尻上がりで強くなるタイプのようだ。今は共に雑魚を相手してもらった方がいいだろう。
「合点承知! 任せるわよ!」
「いいだろう、奴の相手は私たちがする」
 彼の言葉に公明とガーネットも頷く。
 それを確認し、フォルクは力持つ石を杖にはめた。
「よし、まずは道を開こう。広大なる大空の力を内包せし魔なる欠片。この手に宿りてその力を示し」
 これは距離を無視し空間すら断つ斬撃を放つ魔石。風を操るスカイロッドと組み合わせれば……
「聖も魔も、絹も鋼も等しく断ち切れ」
 たとえ鋼の体であろうと、スペースシップワールドの優れた科学力であろうと『ディメンションカリバー』の前には同じ事だ。
 一直線に風は並び立つ敵を切り裂き、吹き飛ばす。開けた視界の先にはマシン・キャプテン。
 その後を追って公明とガーネットが接近する。 
「ほう、かかってくるか! ならば我が相手をしてやろう!」
「そうだ、もっと力を引き出せ」
 キャプテンの言葉にフォルクはつぶやいた。
 その間も動きを止めることなく、群れなす宇宙海賊達へとその力を振るう。
 勝利のために。
 
●効率的殺戮術

 ビームカトラスの青白い光が頬をかすめる。ギリギリで届かないとわかっていても心臓に悪い。
 増えた腕から繰り出された二の太刀をかわし、左右両方のトリガーを引く。
 しかし強化された装甲はそう簡単には破れない。
「まったく、頑丈なこと!」
「どうした! その程度では二度目の進化を使うまでもないぞ!」
 しかしそれでいいのだ。これはあくまで敵の注意を引きつけるため。眼光に諦めの色は見えず、むしろ勝利への確信へ満ちていた。
 敵の動きを読み切れば、『殺人鬼の最適解(サツジンキノサイテキカイ)』は確実に導き出される。
 あとはそれを証明するだけだ。
「なら、これはどうかしら!」
「むっ」
 それまでビームカトラスの間合いに決して入らなかった公明が一気に距離を詰める。
 マシン・キャプテンの電子頭脳でもその狙いまでは読み切れない。だが、好きにさせる理由もない。
 ビームの斬撃が紙一重で空を切る。次の一撃もだ。だが、マシン・キャプテンもそれでは終わらない。
「ちょろちょろと目障りだ!」
 強大なパワーを籠めて左足が振り上げられる。回避の隙を突いた攻撃。これは躱せまい。
「待ってた!」
 だが公明はその衝撃に逆らわず、鋼鉄の膝を蹴って一気に距離を離した。
 長く伸びたワイヤーだけを残して。
「何だこれは。 こんなもので動きを封じられるとでも……」
 キャプテンにまとわりつく鋼糸は細く、その気になればすぐにでも引きちぎられるだろう。
 だが、公明の狙いはそこではない。
 細かい光がマシン・キャプテンの右腕から吹き出す。公明が作り出したのはガーネットが攻撃するためのルート。
「忌々しい。忌々しいけど、美しい」
「おおおおっ!?」
 公明が自らが見出した殺戮経路の行く先に声を漏らした。
 突き立てられていたのは巨大な十字架。放たれた光が機械の体を焼き切り、腕の一本を弾き飛ばす。
「どれほどに強化されていようと、関節部が脆いことには変わりはあるまい」
 大きな音を立てて地面を揺らし、ビームカトラスの光が消えた。
「どうだ、これでもまだ抵抗を続ける気か?」
「ふはは! 見事だ! ならば次なる進化を見せてやろうではないか!」
 再び虹色の歯車が回り始める。

「ダメージまで回復するなんて、インチキよ!」
「それこそがメガリスの力だ! この力があれば貴様らなど!」
 さらなる進化を果たしたマシン・キャプテンは四本の右腕でビームカトラスを振るう。
 繰り出される斬撃は巨大化した体にも関わらず目に求まらぬ速さ。
 猟兵たちはどうにか躱しているが、宇宙海賊達はそうもいかない。巻き込まれて次々とスクラップへと化していく。
「敵も味方もお構いなしか」
「無限進化の力の前には、他者など不要! 我だけが居ればいい!」
 その精神は既にメガリスの力に呑み込まれつつあるのかもしれない。
 4倍に膨れ上がった巨体で、機械遺跡を破壊しながら暴れ回る。
 そんな彼の胸部のジョリー・ロジャーは怪しく輝き続けていた。

●機械仕掛けの悪魔
 
「頃合いだな」
 フォルクがマシン・キャプテンを視界に納めながら言った。
 ここまで来たら二人で相手できるほど容易い相手ではあるまい。
 奴自身が数を減らしてくれたおかげで、宇宙海賊達の数も残り少ない。
「一気に押し切って向こうに合流するぞ。遅れないでくれよ」
「全部まとめてぶっ壊れちゃえ! あははははは!!」
 一瞬、大丈夫かな、という考えが浮かぶが、ライカの動きはますます加速している。問題は無さそうだ。

「その巨体……ならばこちらも切り札を切らせてもらおう。来い、夜の女王!」
 機械遺跡は崩壊しつつある。そのおかげで、こちらもキャバリアを扱えるスペースができた。
 ガーネットの呼び声に応えて現れたのはブラッドギア「夜の女王」。
 彼女の血中ナノマシンと精神感応技術を以て駆動する、サイキックキャバリアだ。
 既にマシン・キャプテンはキャバリアよりも巨大化している。
 腰部から飛び出した100基を超えるPSDホーネットによるオールレンジ攻撃もその装甲を僅かに傷つけるだけ。
「小さい、小さいぞ!」
「その小さい相手に負けるんだよオマエはああああああ!」
 と、その時巨体が揺らいだ。レーザーに紛れて飛び込んできた黄金の稲妻。ライカだ。
「おおおおっ!?」
「どいつもこいつもメカ、メカ、メカ……わたしの雷の、格好の餌食だ!」
 鋼の体の全身に過剰な電圧がかかる。
 巨大化、強化はされてもその体を操るのは電子頭脳だ。これを喰らい続けるわけにはいかない。
「危ない! 避けて!」
 公明が叫ぶ。
 巨大な腕がライカの体を掴んだ。
 黄金の光は覆い隠され、誰もがその手の中で起きているであろう惨劇を想像せざるを得ない。
 その感触にマシン・キャプテンはフハハ、と笑った。
「なんということを……!」
「うるさいハエ共が! この状態でも十分だが……さらなる力を持って貴様らを叩き潰す!」
 崩壊した機械遺跡が吸い寄せられるように集っていく。
 何人にも見切れぬ、変幻自在の動きを産み出す三つの電子頭脳。
 全方位からの攻撃を撃ち落とす無数の砲塔。
 如何なる斬撃も通さぬ堅牢な装甲。
 それら全てを宿した、巨大ロボットの姿がそこにあった。
「もはや貴様らに抗う術はなし! 無限の進化の前に敵はいない!」
 大きく開いた胸部にマシン・キャプテンが吸い込まれていく。
 コクピットの中。16本の腕でマシン・キャプテンは操縦桿を握り、ジョリー・ロジャーがその姿を覆い隠した。
 さらなる進化によって溢れ出したエネルギーが、この機械仕掛けの悪魔を産み出したのだ。

●無限エヴォリューション
 
「無限、無限ってうるさいな」
 マシン・キャプテンの手に圧し潰されたかと思われたライカは、握られた拳の中にいた。
 だが、いくら猟兵といえどこれほどのパワーに抵抗できるものだろうか?
「無限に、進化……無限に、強くなる……」
 ぼんやりとした意識の中で聞こえてきた無限、という言葉を繰り返す。
 その身に宿したメガリス、竜種の魔力核が鼓動を強くした。『其は組み鐘を鳴らす者(ジャイアント・キリング)』。
 マシン・キャプテンが無限に進化を繰り返すならば。
「響く雷鳴は弔いの鐘――つまり、わたしのギアも無限に上がっていくってことなんだよぉぉおおおお!」
 光が弾けた。

「なんだと!」
 慢心していたことは否めない。だが、それでもこのような事態は予測できなかった。
 この超パワーを誇る体がはじけ飛ぶようなことは。
 だが、吹き飛んだ腕があったはずの場所には、黄金の稲妻を纏ったライカの姿がそこにあった。
「おのれ……小さな虫けら如きが……!」
「好き勝手できるなんて思わないでよね……さあ、戦争を始めよう」
「無事だったか……援護する! 奴を止めるぞ!」
 ガーネットが再びPSDホーネットを展開する。放たれたレーザーがひとつずつ砲塔を焼いていく。
 その隙間を縫って黄金の稲妻が疾る。
 ビームカトラスの斬撃を掻い潜り、JOXブレイドを手にした夜の女王も接近。この動きこそが『念動武闘法(サイキックアーツ)』
 圧倒的優位に立っていたはずのマシン・キャプテンが徐々に追い詰められていく。
「うるさい、うるさいぞ! これでも足りぬと言うならば!」
 さらなる進化の力を彼は求める。それが猟兵たちの狙い通りであったとも知らずに。

「パワーもスピードも、装甲も驚異的。しかし使い慣れない物にはリスクもある」
 メガリスを手に入れる前に仕留められればそれが一番よかった。だが手にしてしまった以上、その進化は止められない。
 だから、こうするしかなかった。いくつもの進化を重ねさせるしかなかった。
 激戦の最中、フォルクは精神を集中させて、杖に魔力を籠める。
「如何なる斬撃も通さぬ堅牢な装甲。だが、こちらの魔法は距離を無視し、空間すら断つ」
 即ち、分厚い装甲の奧。強大なロボットの中心。マシン・キャプテンの本体。
 狙いは、その体で回る無限エヴォリューションだ。
「もっと冷静であったならば、こうはいかなかっただろう。これで終わりだ」
 ディメンションカリバーの刃が、マシン・キャプテンと無限エヴォリューションの繋がりを断ち切った。

「ぬうっ!?」
 進化は起こらず、マシン・キャプテンはその身に起きた異変の正体に気付く。
 胸のジョリー・ロジャーから転がり落ちる歯車。何らかの方法によってメガリスを切り離したのだ。
「愚かな。すぐに取り戻せば何の問題も」
「あるのよね、これが」
 しかし、拾い上げようとした手は空を切る。メガリス、無限エヴォリューションは公明の手の中にあった。
 いつの間に入り込んでいたというのだ。
「馬鹿な、何故貴様がここに……!」
「分かりやすかったわよ。大きくなりすぎて制御が疎か。ロボットを動かすのに夢中で足元に気付かないんだから」
 これもまた彼女が導き出した殺戮経路。
 彼女は暴れ回る強大なロボットの体内を進み、メガリス回収の為にキャプテンの下までたどり着いたのだ。
「逃がさぬ! メガリスを返せ!」
「残念、もうその動きは見切ってるの」
 巨体を無理矢理納めたコクピットの中でビームカトラスを振るうが、速度も精度もお粗末。
 公明には届かない。
 身を翻した彼女は手を振り、こう言い捨てた。
「さよなら、お宝はいただいていくわね」
 無限進化のエネルギーはメガリスによって制御されていた。
 膨れ上がったパワーは、本来のマシン・キャプテンに扱いきれるものではない。
 つまり、メガリスを失った彼に待ち受ける結末は。
「馬鹿な……この我が……無限の力を手に入れたこの我、が……」
 自壊。

 崩れ落ちた機械の瓦礫が辺りに散らばる中で、猟兵たちは虹色の歯車、無限エヴォリューションの前に集っていた。
「で、おたからは持って帰らなきゃいけないんだっけ」
 ライカはメガリスを興味なさげに眺める。
「ああ、グリモア猟兵は望むならば持ち帰って構わないと言っていた」
「まぁ、誰かが運べばいいならやりたい人が好きにすればいいんじゃないかな?」
 ガーネットの言葉にライカが言った。
「できるならば私が回収したい」
「あ、私も欲しいな! 命がけで乗り込んで奪ってきたんだし」
「当然俺も手に入れたい」
 それぞれが無限エヴォリューションの回収に積極的だ。
 そんな中でライカだけが不要、と答えた。
「ならば君が選んでくれ。誰が欠けても勝利はなかっただろう。だから権利は等しい」
「多数決、ということか」
「ま、それなら納得はできるかな」
「ええー、面倒だなぁ」
 つまり、こうなるのは必然だ。
 余計な責任を背負わされてしまった。さて、誰に持って帰ってもらおうか。
 うーん、と少し考え、指を指す。
「じゃあ、あんた」
 果たして、メガリスを手にしたのはフォルクであった。
「そうか、俺か。感謝しよう」
 無限エヴォリューションの力。コンキスタドールの末路は自滅だったが、この歯車にはまだまだ活用法がありそうだ。興味は尽きない。
「むー、残念だけど仕方ない!」
「そうか……ちなみに、参考までに聞いてもいいだろうか。彼にした決め手は何だったんだ?」
 公明とガーネットも残念そうな表情だが、異論はない。
 そんな疑問に、ライカはこう答えたのだった。
「適当。悪いんだけど、わたしはどっちでもいいんだよ。何事もね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月18日


挿絵イラスト