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出会え出会え、からの成敗っ! はお約束

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 ここはサムライエンパイア、今日も今日とて平和な一日。
 日が暮れ人々が一日の疲れを癒し、飲食の末に自宅でくつろぐ、そんな他愛もない日々が続……。
「グアーッ!」
 いてなかった。
 真夜中、突如響いた叫び声。
 しかしながら多くの人々は眠っており、その叫びに気付き何だ何だと家から出るまで時間がかかったのは仕方の無いこと。
 ようやく出れた人々が灯りを持って声のした場所目指していけば、そこには一人、背中から血を流して倒れていた。
「あっ、こいつは与太郎じゃないか」
「なんだって、どうしてこんなことに……」
「最近、夜中に襲われることが多いから気をつけろっていわれてたのに、なんでまた」
 口々に言葉を述べ、このままにはしておけないと役人への報告が。
 役人も夜回りを強化すると約束するが、一向に減らない被害者の数に皆が皆、不安と焦燥を顔にだす。
「しかし、どうして危ないというのに出歩いたんだ」
 ふと誰かが疑問を述べれば、集まった面々も首をかしげる。
 最初の犠牲者がでてから二件目、三件目の犠牲者と続くに従い、夜の一人歩きは危険極まりないと噂が広まっていたのにこの惨状。
「一人目は最近、年貢が辛いって親が言ってたとぼやいていたなぁ」
「二人目は商人だったか。そういや、最近仕事の付き合いで悩みがあるって」
「三人目はたしか……娘が侍さんにどうこう」
 口々に被害者がどうだったと言い合うが、それをピシャリとさえぎる役人の言葉。
「ごほん、今日はこのぐらいで、余計な話は慎むように。見回りも強化するが、くれぐれも妙な噂を広めぬようにな。何かあれば、逆にお主らが疑われるのだぞ?」
 睨みを効かせて言葉を紡げば、人々は蜘蛛の子散らすように詰め所を後に。
 また厄介なことがおきた、とため息をつく役人の気苦労、しかしそんな現場を省みぬのが何時の世もいる者だ。

 同刻、役場より離れた屋敷では。
「ウワッハッハッハ、邪魔者はあと何人かのぉ? わしの悪口など許せぬ」
「お代官様、もう10名は残っておりません。これも皆、お代官様の人徳故」
「なに、人徳とな? ぐふふ、当然のことよのぅ、悪人は勝手に殺されてしまうのじゃ」
 めっちゃ豪華な食事が出ていた。あと三方には山吹色のお菓子がこれまた綺麗に載せられている。
 勿論、あのやり取りのためである。
「して、食事にしては珍しいものがあるようだがこれは?」
「いえ、お代官様の大好きな、山吹色のお菓子を少々ご用意いたしまして。
 食事の後にでも、お納め頂ければと思いまして」
「ふふふ、お主も悪よのう、商売敵が何時の間にやら成敗されて景気が良い事じゃ」
「いえいえ、お代官様ほどでは~」
 ベタなやり取りを繰り広げ、悪代官とお付の商人が歓談する。
 そんな屋敷の外には何故か狸が闊歩、ついでに具足も完備されこれはまるで狸の兵団。
 人間はアテにならぬと代官が引き入れた動物兵団、といったところだろうか。
 ただ、こう、何か違和感が。
 タヌキに混じって、白黒模様の動物が笹くってるようなんですが気にしたら負けだろう、きっと。


「サムライエンパイア世界で、悪代官が出ました。ええ、そりゃもうステレオタイプの悪代官が。
 具体的には年貢を上げて、商人には自分に貢ぐようにいって、従った商人の商売敵は暗殺して。
 勿論その後、お主も悪よのう、いえいえお代官様ほどでは、までやっちゃって。
 逆らう者は排除して、役人にも手当てを増やして黙殺して、噂が広まりにくくするように手を回して、やりたい放題な悪代官が、です」
 クアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)の説明を聞いての一言、うわぁ、まんま悪代官やん、めっちゃまんまやん。
 そんな感想が猟兵たちの間から普通に出ていた。
 まあそのまんまだから仕方ないね。
「当然のように権力に溺れています、権力を傘に色々とやっている、という事です。
 具体的には昼間、街中に放った部下に自身にとって目障りな言動をしている者を見つけさせ夜中に殺害。
 若しくは自分にへりくだり、互いに儲けを貪る商人の商売敵を狙い、こちらも夜間に殺害という短絡的な方法ですね。
 悪代官は幾つもの拠点を転々としており、また警護を引き連れているために先手を打って拠点を叩くのは失敗した場合、長期に渡って潜伏される危険がある為に不可能。
 しかし、放たれた刺客が戻って、標的の末路を語る事を何よりの楽しみとしている、という点が我々の付け入る隙となります。
 まあ、ありていに言えば怪しい人物を無理に捕まえたり、悪代官の悪評を言った人物やお付商人の商売敵を尾行、犯行を行う刺客を捕らえるか、または犠牲者が出た後に尾行して拠点に入るか。
 自分たちが悪評をばら撒いて、囮になる手段も使えますね。
 方法は問いませんがとにかく刺客をどうにかして拠点まで向かい、討ち入りをするというのが流れとなります」
 前半、刺客である辻斬りをどうにか捕らえるか拠点までつけるかという部分で厄介な点はあるが、それさえ果たせば後は討ち入り。
 悪行狼藉、やりたい放題の悪代官を追い詰め成敗、までの流れとなるという。
「情報としては以上となり……と、一つ言い忘れていました。この悪代官、権力に溺れる為により強大な権力には当たり前のように気圧されます。
 皆様は江戸幕府のお墨付き、天下自在符をお持ちです。徳川の紋所、これをここぞという場面で見せ付ければそれはもう、相手は一時的にせよひれ伏すと思われます。
 もっとも、命の危機となれば偽者とか幕府の名を騙るとか言い出すと思いますが、それまでに包囲なりなんなりできる時間は稼げるかと」
 ああ、やはりアレが効くのか、と誰かが言えば勿論、と頷き返すクアド。
 そこまで伝え彼女は説明を完了、一同を送り出しに掛かるのであった。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 今回はサムライエンパイアで悪代官が出現、狼藉の限りを尽くしています。
 これは許せぬと成敗に参りましょう、といったお話です。

 最初にどうやって辻斬りから拠点まで向かうか、という点で選択肢が多々ありますが、それさえ終われば後は悪代官の拠点にて暴れ周り。
 お前は何者、といったフリがあると思いますので、天下自在符を突きつけてやりましょう、そして成敗してやりましょう、という流れとなります。

 最初の追跡部分こそシリアス風味になりそうですが、拠点に討ち入ってからはアクション&ギャグ方面に傾くと思われます。
 何せ拠点に滞在しているのが人間の兵士ではなく、動物の兵士(タヌキと言いつつ異種混合)ですのでこの時点で問題がありますし。
 悪代官は悪代官で、ステレオタイプなのでお察しください、というやつです。
 追跡部分の判定も厳しくはないので、気軽に参加して成敗ッ、と決めて頂ければと思います。

 それでは、ここまで長文をご覧頂きありがとうございました。

 縁があればご参加、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『真夜中の辻斬り』

POW   :    とりあえず怪しそうな人物を引っ捕らえる

SPD   :    何か情報を知っている人がいないか聞き込みする

WIZ   :    罠や囮などを使って辻斬りを誘い出す

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

喰龍・鉋
ボクの大事な尊【f12369】と共闘
「わかりやすく悪!って感じだね、ゼンコー?ともあれボクもこんなの許せないし、たたっ斬ってくれるよ!」
尊と一緒に悪代官の悪口を言うよ!
「ここの悪代官はえーっと…なんにでもマヨネーズ掛けちゃうマヨラーだよ!饅頭にマヨネーズ掛けてるの見たこと有るよ!サイテーだよ!!」
何かおかしなことを言ってるからとりあえず注目は集められると思うよ
夜は尊が囮になっているから高い所から尊を常に監視して、
尊に辻斬りが襲いかかろうとした所にすかさず飛びかかるよ!
「残念だったね!ボクたち二人に目をつけられたのが運の尽きだ!尊、後は頼んだよ!」
*アドリブ歓迎


白皇・尊
僕の可愛い鉋(f01859)と共闘

「たまには善行で徳を積むとしましょう。
付き合ってくれますね、鉋?」

☆誘き寄せ作戦
まずは昼に2人でお代官様の悪評を大声で話しながら練り歩きます。
「何でもここのお代官様はド畜生のブタ野郎だそうですよ?
しかも飼っている配下もクソ雑魚ナメクジ何ですって!」
『誘惑』で魅惑を振りまき、注目を集めながらより効果的に喧伝します。

夜は僕が『見えない防御結界(オーラ防御)』を纏い囮になって1人歩き、辻斬りに襲わせ、そこを鉋が華麗に助け拘束し尋問します。
「貴方ごとき、鉋に勝てる訳ないでしょう?」
捕まえたら『誘惑』して情報を吐かせます。
「さぁ、全部は吐き出しなさい?」

※アドリブ歓迎


ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
元同業者をどうやって見つけよう…かな?

わたしは普通にお役人を信用してないので、まずは考え過ぎてお腹が空いたので美味しいと評判の茶屋で情報収集
お団子いただきます。(もぐもぐ)
他愛のない話から町の雰囲気に触れ、亡くなった人の共通点や同じ様な共通点がある人がいないかと話を聞こう

また茶屋で、世間話が好きで優しい火消しの親分さんがいないかを聞きお団子を手土産に会いに行ってみよう
こちらでも同じ事を聞き情報の間違いがないかを確認

日が沈む前にお風呂または話題に上がった人を陰ながら護衛
もし不審者が来たら熱湯を浴びせるか手加減で反撃
その後、迷彩と目立たないを使用しながら逃げた不審者を追跡


御盥・映月
ふむ…こういう調査は苦手なんじゃよなあ。
悪い奴をズバッと切る、それだけでよいのじゃが、まあ猟兵となったからには避けられんじゃろうしな。
折角の初依頼じゃ、調査から参加していくかの。
…ま、戦闘はあるじゃろうし、準備だけはしておくとするぞ。
二本の刀のうち、魂喰らいの方に今のうちから札で封をしておく。

とにかく歩き回って、怪しいのを探すか。
他の猟兵がつり出しとりゃ、それを抑えるんでよいんじゃがな。
血の匂いするやつでも歩いて探してみるかのー。
まあ、ここまでてんぷれ?な悪代官なら辻斬りもそれらしい者だったりするんじゃないかの。
見つけ次第捕まえさせてもらうのじゃ。


エドゥアルト・ルーデル
AKUDAIKAN!時代劇でしか見れねぇと思ってたがモノホンがいるとは…!流石サムライエンパイアですぞ!

作戦は囮を出して辻斬りの姿を確認、御代官の所まで尾行して居場所を突き止めますぞ
囮役の影の…【知らない人】を召喚!毎回ランダムな知らない人が出るから謎でござる…怖いよぉ!
視覚を共有したら夜道で知らない人に目立つ行動をしてもらい、辻斬りをおびき寄せますぞ
どうせUC由来だ、斬られても元の人物は無事でござろう…多分

辻斬りの姿が分かったら【迷彩】や【地形の利用】で姿を隠しつつ、屋敷まで尾行でござる
再召喚出来るなら知らない人を呼び出して追跡ですぞ
UCの方が発見されづらいからネ!


目面・真
どうやらこの世界には『悪代官』という職業があるようだ。
天下様に成り代わって領地を治める代官なら知っているんだが。

【SPD】
まあイイ。とにかく当の悪代官の評判を聞いて回ろう。
商人達が知っていそうだな。宇宙服は脱ぎ捨てて羽織袴姿のこの世界の姿であれば、問題ナイだろう。たぶん。一応太刀は佩いておこうか。

商人殿、件の代官について聞きたいコトがある。特に贔屓の同業者などはいないか?

教えてもらったら、その商人の許で探りを入れてみよう。悪代官の密偵らしき人物に尋ねてみたいね。贔屓の商人と悪代官の関係を。
もしかしたら囮になってしまうかもな。

辻斬り対策として剣刃一閃を用意して行くが、間違っても殺さぬように。



 悪代官が幅を利かせる苦しい世界、世直しの為に集った猟兵たち。
 各々が思い思いに行動を開始するが、その、なんだ。
 囮役が多すぎた、具体的にいうと悪代官の密偵が発見、報告の往復で忙しくなるぐらいに。
「何でもここのお代官様はド畜生のブタ野郎だそうですよ? しかも飼っている配下もクソ雑魚ナメクジ何ですって!」
 早速、代官とか配下をディスっている人がいた。
 白昼堂々、白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)が代官の悪口どころか配下の面々も一緒にディスる。
 ああもう、そんな大声を出して。町行く人々も眉を顰めて眺めてますよ?
「うんうん。つまりは悪代官! たしかえーっと……あいつはなんにでもマヨネーズ掛けちゃうマヨラーだよ!
 饅頭にマヨネーズ掛けてるの見たこと有るよ! サイテーだよ!!」
 一緒になって喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)も悪口言ってる。
 だがちょっとまってほしい。ここは武士が支配者階級でようはつまりだ、江戸時代ってことだ。
 マヨネーズなんてもんはない、いったい何をかけてるんだ、そも饅頭にかけてどんなものになるんだとツッコミたい。が!
 下手にツッコミ入れたら自分も一緒になって悪代官の悪口に加担したと思われそう、と思いとどまる町人たち、二人のやり取りを訝しげに眺めるだけだがその中に一人、鋭い目つきでにらむ男の姿が合った。
「あからさまにあの男が怪しいのう。つけるとするのじゃ」
 怪しい男の様子を認めた御盥・映月(羅刹のブレイズキャリバー・f10657)
 歩き回って怪しいやつを探そうと思っていたがそんな必要は無かったぜ!
 あとは相手に気取られる事のないよう尾行し相手を押さえれば目的は達成と映月は男の追跡を開始していた。

 同時刻、囮捜査とは別にしっかりと聞き込みから状況を探る猟兵も。
「商人殿、件の代官について聞きたいコトがある。特に贔屓の同業者などはいないか?」
 少々商いが翳っている、あまり贔屓にされてなさそうな商家を見つけ聞き込みを始める目面・真(たてよみマジメちゃん・f02854)の姿。
 普段の宇宙服からうってかわって、此方の世界に合わせて羽織袴に太刀佩き、視察にきた武士といった出で立ちで。
 これはいい、世界に合わせた威圧感。
 悪代官の悪事を探りにきたお役人さま、そういった雰囲気で商人は縋る様に言葉を紡いでいた。
「はい、裏の通りの店がそれはそれは、ここ最近、代官さまの覚えよろしく……」
「なるほど、なら其方も調べてみるとしよう。お主も悪事に手は染めず、商売に励むのだ」
 情報入手、あとは其方を探るといって真は商人に別れを告げて聞いた場所へと移動を開始。
 顎に手をやり考えつつ、天下様に成り変わって領地を治める代官とは違い、悪代官などというふざけた職業がある世界。
 先の商人の苦しげな表情を思い、これはしっかり成敗しなければと思いを新たに歩んでいた。

 さらにもう一人、調査で動く少女が。
 ハルピュイア・フォスター(天獄の凶鳥・f01741)が捜査をしていたが……あれ、なんか茶屋に行ってませんか?
 そうか、人が集まる茶屋で情報収集か、これは有効な手段ですね。
「考えすぎたのでお腹が空きました。お団子いただきます」
 情報収集より先にめっちゃ食ってた。主にお団子を。
 役人は怪しいし信用できない、その目の付け所はいい。
 それに人の集まる場所で犠牲者の共通項を洗い出すのもすごくいい。
 ただ、甘味が好きだという彼女。他の客とは明らかに違う、早いペースで団子の空き皿が積みあがっていく。
 あれ、これってただ普通に団子を食べにきただけじゃなないのかって気がするがその食べっぷりも一つの策か、他の客が彼女の様子に注目している。
 これはすごい、深謀遠慮、好きなお菓子を目一杯楽しみつつ、注目集めて会話の中心にまでなるとは恐ろしい。
 大食いからの世間話、亡くなった人々の共通項を洗い出した彼女が掴んだ情報は、被害者は代官のやりかたに不満を言ってたり商売で融通しなかったりした商人や、娘をかどわかされて文句をいった者などなど。
 あからさまに被害を受けて、それに対し陰日向を問わず反抗したり不平不満を漏らした者であることが判明。
 とりあえず情報を他の猟兵に伝えつつ、彼女は世間話ついでにきいた正義感の強い火消しの親分との接触にも成功。
「あぁ、アンタが聞いたとおり、皆あの代官のやり口に不満をいったり、いろいろとひでぇ目に合わされた奴らだよ」
 とばっちり証言まで得ちゃっていた。
「……なるほど、噂どおりでしたか。いえ、色々とお忙しい所ありがとうございます」
 しっかりとお礼を言って確認。
 尚、このときも手土産にした団子を一緒に、火消しの旦那と食べていた。
 どんだけ食べるんですか。

 そんなこんなで日が暮れて、調査にでていた猟兵たちも囮としてのメンバーもそろそろくるなと覚悟を決める。
「さて、そろそろ善行で得を積む実践の時ですね、鉋」
「ゼンコー? まあ、わかりやすく悪、って感じで許せないし、叩っ斬るのに遠慮はないよね」
 尊と鉋が言葉を交わし、尊を囮に鉋は家屋の屋根上り、高所より監視を続ける。
 何か怪しい動きがあれば即座に飛び掛る腹積もりである。
「悪口三昧の二人を見ていた奴を追ったが、なるほど、あ奴が辻斬りであったか。戻ってくるとはけっこうな奴じゃの」
 そんな二人を見守りつつ、無関係な一般人を装って歩んでいた映月。
 目つきの鋭い男をつけていた彼女は夕刻、浪人風の男と合流したのを確認しつつ尾行を継続。
 悪口を言っていた二人を殺害する為に二名体制にしたのを認め、すぐに此方も手を出せる位置を維持していたら早速動いてきた。
「一人だ、一気にいけっ!」
 叫びながら浪人風の男が踏み込むがそれより早く飛び降りる鉋。
「残念だったね!ボクたち二人に目をつけられたのが運の尽きだ! 尊、後は頼んだよ!」
 屋根から繰り出すとび蹴りぶち込み、よろけた所で合図を送れば尊がそのまま腕をひねり上げ、動きを止める。
「ひ、ひぃっ、逃げろっ」
 目つきの鋭い男が待ち伏せされたことに気付き逃げ出すが、そんなものを許さぬと飛び出す映月。
「貴様のことは昼間からずっと見ておったのじゃ。怪しい動きをするからこうなるのじゃぞ」
 二振りのうち、一本を抜刀。
 抜き身の刀に月光が反射、白刃が怯える男の顔写しいつでも首を斬れるぞと脅しをかければもともと、闇討ちで相手を殺し浪人風の男に汚れ仕事をさせていた、見張り担当。
 あっさりと心が折れて、命乞いを始めていた。
「ふん、情けないの。じゃったら、早う代官の場所まで案内せぬか。無論、脅されていると言えば即座に斬るぞ?」
 脅しをかける映月、ぶんぶんと首を上下に赤べこのように振る男。
 恐怖によって説得決めれば、浪人風の男は尊に魅了され悪代官の居場所を吐いていた。

 同時刻、とある旅館にて。
「ふー、いいお湯だね」
 ハルピュイアさんが無茶苦茶くつろいでた、それも風呂場で。
 おかしいな、悪代官を見つけ出して成敗するはずなんだが、どうして風呂場に。
 これではまるで、隠居したおじいちゃんが諸国を見て回って、世直しする時のお供なくのいちのポジションじゃないかな、これって……
 そんな疑念がある中、ハルピュイアの目つきが変わる。
 風呂場の外に不穏な感覚、普通ならば覗きと思うが昼間の派手な活動、悪代官の配下が探りを入れていた彼女を危険視して刺客を送り込んでいたのだ!
 咄嗟に手桶に湯を汲んで風呂場の窓から湯を飛ばす。
 あっぢい、なんて間抜けな叫びと共に走る気配を感じれば、彼女は即座に衣服を纏いその人影を追うのであった。

「ふーむ、つけられているようだな」
 同刻、別の場所を進んでいた真も背後より迫る気配を感じつつ、気付かぬふりして歩を進めれば、そんな彼を見張るように浪人風の男がゆらり、ゆらりと後を追う。
 数は何名かわからぬが一人ではない、となると自分ひとりでは取り逃がし、報告されて悪代官に逃げる時間を与えかねないと逡巡。
 何か妙手はないものかと考える真を援護する、救世主が現れたのはその直後だ。
 物陰から飛び出した、だれだかわからない、とにかくよくわからない人影。
 飛び出す直前、誰? ねぇ…! 誰なの? 怖いよぉっ! なんて叫びが聞こえた気がするが、その声の主はエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)である。
 AKUDAIKAN! 時代劇でしか見れないと思っていた存在のモノホンが普通に闊歩するサムライエンパイア!
 なんて興奮していた彼ではあったが、実行する手段は堅実かつ囮役になった仲間の援護ともなる召喚技。
 最早黒い影でしかない、どこのだれか知らない人が奇妙な踊りを踊りつつ動き回れば、物陰に潜んでいたであろう人影が3つ、知らない人を警戒して身を屈めるのが確認できた。
「辻斬りは三名、先の門に一人と後ろに二名でござるよ」
 エドゥアルトが影に紛れ真に接近、辻斬りの配置に関して情報述べれば心得たとばかりに頷く真。
 先の一人は知らない人が追跡するので、後ろの二人を倒せば問題ないとエドゥアルトが述べれば、ならば行動は早いほうが良いと真が反転。
「隠れても無駄だ、大人しくしろ!」
 一閃抜刀、浪人の挿した刀を狙えば反撃する事もままならず。
 浪人は武器を抜くことすらできず得物を取り落とし戦闘力を失っていた。
「くっ、に、逃げろっ! このことを報告……ぐぁあっ!」
「そう簡単に逃がさないでござるよ。あと逃げれるとは思わないことでござる」
 もう一人の男を銃底で殴打、エドゥアルトが気絶させれば、逃げ出した浪人を知らない誰かが追跡する。
 如何なる手段で逃げようとも、もう逃げ切ることは叶わない。
 必至で逃げれば、館へ逃げればそれはすべて猟兵の思惑通り。
 労せず拠点へ案内する、ただそれだけの行為に過ぎないのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「さて、獲物は掛かるかな、瑠璃♪」
瑠璃「トラップ沢山仕掛けたしね。引っ掛かると良いな」

【ダブル】使用。

自分達が囮になって潜伏。この時代に合わせて、着物姿で移動屋台の二枚看板娘といった感じで活動。
屋台で移動しながら、【誘惑】でお客を引き寄せ、町の各所で悪代官の悪口を有る事無い事、お客に広めながら歩き回るよ。
後は町の外れに借りた拠点(トラップハウスに改造済)や罠を張り巡らせた路地裏に刺客を誘き寄せて捕らえればOKだね。

※罠:ワイヤー連動の麻痺毒矢、デスソース入り水風船、落とし穴、熱湯風呂、地雷等

緋瑪「あの代官、実はあのマゲはカツラでハゲらしいよ♪」
瑠璃「実はロリコンだとか…」

※アドリブ歓迎


御堂・茜
【POW】
おおおおッ、遂にできるのですね
時代劇を愛する者ならば誰もが憧れてやまぬアレが!!

正義の使者御堂、これ以上犠牲者を増やすわけには参りませんので
岡っ引の紛争にて夜回りを実地致します
仲間の方からの情報も参考にしつつ
不義の輩は【第六感】と【野生の勘】
サイバーアイを用いた【情報収集】で見分けます

悪代官がかように悪代官なのですから
辻斬りもわかりやすく辻斬りでしょう!
ピンと来たらすれ違いざまに刀で一発
手加減した【衝撃波】で気絶させ捕らえます
ご安心なさいませ、峰打ちにございますよ…(きり
万一逃げられても馬(宇宙バイク)で追跡します

何故このような悪事に手を?
事情を聞き悪代官を成敗するとお約束致します!


蛇神・咲優
【SPD】



第六感で悪そうな商人を探し
見つけたら目立たないように忍び足で近づき聞き耳

(あの人…スゴい、いかにも!な、わるいショウニンさんってかんじだな……あとをつけてみよう)

その他に噂好きそうなおばさんやおじさんに近づき
情報収集などもする、噂話したい欲を擽る様に強請ってみる

『さいきん、ここら辺でおきてる…えっとー、夜におきるコワいコトでね、何か知らない?知ってたらお話きかせて?ねえねえ、ココだけのお話でいいからおしえてほしいのっ!』

『ネングとか?オシゴトつきあい?とか…ドコかのおねえちゃんがおサムライさんにだっけ―――ダレにも言わないから、おねがいっおねがいっ!』

※アドリブ・台詞改変・連携歓迎



 先の5人の活躍と同じく、別の3名が悪代官の刺客を探していた。
 自分の足と耳を使っての探索と、囮となって相手を呼び寄せる、その二種の組み合わせ、である。
「おおおおッ、遂にできるのですね。時代劇を愛する者ならば誰もが憧れてやまぬアレが!!」
 滅茶苦茶興奮、岡っ引きに扮して十手なんて用意してもらっちゃって、御堂・茜(ジャスティスモンスター・f05315)がハイテンションで歩みを進める。
 不義の輩は成敗だ、とばかりに気合を入れて、仲間と連携して情報収集、そして刺客をしょっぴく気満々である。
「おおー、すごいすごい。似合ってる」
 そんな茜を見ながら蛇神・咲優(迷子奇譚・f05029)がぱちぱちと手を叩き、噂好きの人や実際に怪しい連中を見つけ、情報得ればすぐに伝えると、拳をぐっと握り締め意思表示。
 きっと上手く人を集めてくれるはず、そう思い視線を移せばそこには四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)がオルタナティブ・ダブルで分身。
 瓜二つの見た目だが性格の違う別人格、緋瑪と一緒に着物姿で屋台を引けば、珍しい双子の看板娘、なんてシチュエーションで客を集めつつ、そりゃあもう酷いぐらいの悪口を言っていた。主に悪代官の。
「いらっしゃい、ねえねえ知ってる? 今の代官、実はあのマゲはカツラでハゲらしいよ♪」
 ちょ、そんな事をいうもんじゃないよ、って町人がたしなめるように言うがノリノリの緋瑪は止まらない。
「えー、それを知ったから消されてる人がいるとかいう噂もあるのに? もしかしておじさん、知らなかったの?」
「それに実はロリコン……ごほん、小さい女の子も大好きとか」
 諌める町人に更に捲くし立てるように続ける緋瑪に続き、瑠璃も別の疑惑があるとか吹き込んで。
 屋台の周りには色々話を聞こうとする噂好きの人々や止めようとするに野次馬と色々な人が集まって大混雑。
「そういや、夜な夜な犬が妙に鳴いてるのもあの代官が何かやってるとか」
「野良犬にえさをやって街中に放ってるとか、まったく困ったもんだよ」
 実際は悪代官がやってない、町の困った人がやってるトラブルなんかも悪代官の仕業にされる惨状。
 自分一人で言ってれば狙われるかも知れないが、こんなに人が集まっていれば大丈夫、なんて集団心理も加わって悪口のオンパレード。
 情報収集の為に屋台を引いていたが何故か別方向で盛況になってしまって、接客ついでに悪口聞いてと瑠璃と緋瑪が大忙しだが、これはこれで情報を集めたり怪しげな刺客を探すには逆人好都合であった。

 そんな折、第六感を持っていた茜、咲優の脳裏に電流走る。
 ふっと見えた光景、それはどこかの屋敷にて、これまたステレオタイプな悪代官が刺客っぽい人物から報告を受けて返答する光景であった。
「なんと、わしの悪評を広める娘がおるとな?」
「はい、お代官様、如何いたしましょう?」
 顔をしかめつつ報告聞くが、数や容姿を聞き取るとその表情がほころびた。
「ふはは、面白い。わしの悪評広めるとどうなるか、人徳の高さを思い知らせてやろうではないか。
 丁度良い、夜伽の相手、妾を増やすのも悪ろうない、ぐふふふふ」
「はっ、では捕らえて此方に、という事ですね」
「うむうむ、任せたぞ。さて、どのような声で鳴いてくれようかのう、ぐっふっふ」
 ああ、お戯れを。おやめください、お代官様! とか言わせつつ、着物の帯を引っ張りたいのだろう。
 それっぽい、帯を引っ張るような動作をしつつ言葉を返せば刺客は頷き、屋敷を出て行く。

 そんな光景が見えた、ってか感じた咲優と茜。
 両者互いに顔を見合わせ、ぶるっと身震いしつつ言葉を交わす。
「いかにも! な、悪そうな、コト言ってるの、感じたの」
「そちらも、ですか。ええ、わたくしも同じく、屋敷でああだこうだとやってる悪人の顔がありありと浮かんでまいりましたよ!」
 不義の輩の悪巧み、その片鱗を感じ取った2人は人だかりを凝視、怪しげな商人にめぼしを付けつつ、ひとしきり話をしたがまだ語り足りなさそうな夫婦を見つけて咲優が近づけば、茜は目つきの悪いごろつきを認め其方を注視していた。
「ねぇねぇ、さいきん、ここら辺でおきてる……えーっと、夜に起きるコワイコト、何かまだ知らない? 知ってたらお話きかせて?」
 人だかりでは言いにくい、だったらここだけの話、コッソリと誰にも聞かれないように教えてほしいと上目遣いで小首をかしげてお願いする咲優。
 こんな小さいのに、危ないことを聞くもんじゃないと夫が諌めるも瑠璃、緋瑪の知り合いで噂を集めていると聞けば仕方ない、といった感じで妻が物陰へと誘い話をする。
「ネングとか? オシゴトつきあい? とか……ドコかのおねえちゃんがおサムライさんにだっけ」
 先に聞いていた情報伝え、ほかに無いか尋ねれば、あそこの商人が怪しい、最近商売敵が殺されて一気に羽振りがよくなったと幾つかの店を教えてもらい情報収集。
 見た目を聞けば、先ほど人だかりを眺めていた怪しい商人と見た目が合致、そこを探ればいいと知り、頭を下げてお礼を言う咲優。
「アリガト、おじさん、おばさん。あそこの2人、以外には。ダレにも言わない、からねっ」
 咎を受けるようなことにはならない、秘密にすると頭を下げてとっとこ走る少女が一人。
 怪しいと認めた商人追いかけ、更なる秘密を掴むべく奔走していた。

 同刻、目つきの悪い男を尾行していた茜。
 明らかに不釣合いな複数の商家への出入りという怪しげな行動を認めつつ、分かりやすい用心棒か何かかと目星をつけて思案すれば、遠くから走ってくる咲優の姿。
 合流して話を聞けば、ここの商人が最近妙に羽振りが良いし商売敵も殺されている旨伝えれば、情報が合致。
 怪しい男が出入りしていた商家が悪代官に取り入っていた商人であり、そして出入りしている怪しい浪人たちこそ実行犯だと状況証拠を固めて2人は瑠璃、緋瑪と合流し夜を待つのだった。

 情報を入手、恐らく刺客がやってくるであろうと踏んだ夜。
 あらかじめ借り受けた空き家付近に各種トラップ仕掛けつつ、ここに泊まっていると日中伝えていた瑠璃が罠の具合を確認すれば、闇に紛れて走ってくる小さな影が。
「やっぱり、商人の、おうちから、でてきたよ!」
 興奮気味に話すのは怪しい商人の家を監視、何らかの動きが無いか見張っていた咲優。
 予想通り、浪人風の男が出てきたのを確認して先回り、仲間に情報を伝えにきたのだ。
 それを聞いて緋瑪と瑠璃が頷けば、物陰潜む茜も大太刀掴み、いつでもいけると示せば暫くして増える数多の足音。
 刺客が送り込まれたことを確認した一堂、息を潜めて待てば空き家に踏み込もうとした男がワイヤーに脚取られ転倒、それと同時に水風船が周囲に落下し注意をそらせば、一気に詰め寄り動く浪人へ熱湯ぶっかける瑠璃と緋瑪。
「やーい、ひっかかったー。来ると思ってたよ」
「そして全員、一網打尽だー♪」
 2人がかりの熱湯攻撃、慌てて刀を抜こうとするがそれより早く光る一閃。
 茜が抜刀、浪人たちにひるむ事無く衝撃波を続けざまに放っていけば其々が持つ得物を弾き飛ばし、また衣服を引き裂き卒倒させていく。
「ご安心なさいませ、峰打ちにございますよ……」
 キリッと決めて言葉を紡ぐ。
 だがしかしこれは大惨事でしょう、だって普通に倒されてるし峰打ちにしてはダメージが大きすぎる。

 されど、一網打尽に刺客を取り押さえたことは僥倖、しかもトラップに引っかかって誰一人逃げることができていない。
 これ幸いと、全員縛り上げて悪代官の居場所を聞けば最早抵抗できぬとぺらぺら喋りだす刺客一向。
 話を聞いて歩を進めれば、先に見える館には他の猟兵達の姿も見え、役者はここに揃っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『狸兵団』

POW   :    狂乱野鉄砲
【仲間がやられた恐怖心】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【弓矢や火縄銃の集中砲火】で攻撃する。
SPD   :    狸兵団突撃
予め【突撃陣形を組む】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    パンダ混じりの狸囃子
戦闘力のない【子狸応援団(何故かパンダがいる…)】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【戦場に響く賑やかな太鼓の音】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 武具を持ち、力で刺客を制し案内させた猟兵が屋敷の前に立つ。
 別の場所では策を持ち、逃げる相手を追ってきた猟兵の姿も見えた。
 更には誘惑して居場所を吐かせたり、刺客を一掃して居場所を聞いてやってきた者もいた。
 悪代官に刺客がやられた事を知られること無く集った一行、今より討ち入りと屋敷の扉を開いてみれば、中にいたのは人間の兵士ではなく狸の兵団。
 うーん、何かこう、悪代官の軍勢、とは違うんじゃなかろうか。
 そんな疑問が鎌首もたげ、微妙な空気が支配する中、猟兵認め兵団が侵入者を撃退しようと掛け声上げて武器を掲げる。
「たぬ、たぬ、たぬー!」
「ぽん、ぽこ、ぽーん!」
「パン、パン、パンダー!」
 ものの見事にバラバラだった。あとパンダ、武器を持たずに笹を掲げてた。
 なんだかなぁ、と思いつつ、突如感じた相手の思惑。
「これは悪代官が、動物を倒すことで受ける罪悪感、それを利用して苦しめ時間を稼ぐ巧妙な罠だ」
 という謎理論。
 そんな深く考えた作戦なのか、ちょうどいいオブリビオンの兵団がいなかっただけなのか、細かい事はさておいて討ち入りだ。
 見た目に騙されてはいけない、奴らはオブリビオンなのだから。
御盥・映月
こてこての悪代官が雇うにはギャップが大きいのが出てきよったのう。
狸おやじってか。腹黒いっちゅう意味じゃお似合いじゃな。
ま、前哨戦じゃ。まだ刀一本で行かせてもらうぞ。

この魂砕きも、お主らに喰らわせてやるにはもったいないくらいじゃがのう。
真正面から、叩き潰してやるのじゃ。ほれ、かかってこい。
【怪力】で手にした大太刀を振り回し、【なぎ払い】
敵の攻撃は【見切り】【残像】で躱し、【武器受け】で防御するのじゃ。

悪代官が戦えるってのも想像つかんが…どんなもんか楽しみじゃのう。
さっさと片付けるとしようぞ。
※アドリブ、絡み歓迎


白皇・尊
僕の大切な鉋(f01859)と共闘

「狸ですか…僕の前に顔を出すとはいい度胸してますね?
覚えておきなさい、白狐の一族は狸が大嫌いなんですよ」

☆共闘戦術
「鉋、遠慮はいらないので存分にやってしまいなさい。
僕らの力で狸を皆殺しです♡」
鉋に『守護法陣(オーラ防御)』を付与して守りを固め、更に【百鬼夜行】を呼び出し随伴させた『鉋を中心とした軍団』を構築します。
「鉋を守る十重二十重の陣、狸如きに抜けはしません」
鉋に合わせて全軍一斉突撃、僕は絶えず守護法陣を張り巡らせ脆い百鬼夜行の妖怪達と大切な鉋を守る事に注力しましょう。
「私怨?いえいえ、これは宿怨ですよ…クスクス」

※アドリブ歓迎


喰龍・鉋
尊【f12369】と共闘
「可愛いからって一体何だっていうんだい?敵は敵、死んでしまえばただの肉ってね♪」
持ち前のタフなメンタルで突撃するよ、どれだけ相手がかわいかろうが
呪われても笑ってられるメンタルの前じゃ全く関係ないと思うよ
☆共闘戦術 守護をくれるなら安心して前へ出ていくよ
「私怨は良くないよ尊!皆仲間なんだからまとめて天国へ送ってあげなきゃかわいそうだろ♪」
*アドリブ歓迎


四季乃・瑠璃
「狸とパンダが一緒にいても全然おかしくないよね、瑠璃♪」
「そうだね、どっちも鍋にできるもんね、緋瑪」(何処からか大鍋を持ち出す)
※可愛いとかの前に獲物としか見ていない二人

突撃陣形も応援団もとにかく【範囲攻撃】【鎧砕き】【鎧無視】接触式ボムで敵集団を容赦なく爆破。
攻撃は【見切り】【残像】で回避し、マヒ毒で痺れさせて夕飯を確保。事件解決後に他の猟兵のみんなにも振舞ったり。
慈悲?あると思ってる?もうお鍋(in味噌)は煮えてるよ?

ちなみに逃げ道は感知式ボムをばら撒いて地雷代わりにして封鎖してるから、逃げるのは無理だね♪

「熊の手って珍味なんだよね~」
「あ、恨むならあの悪代官恨んでね」

※アドリブ、絡み歓迎


ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
お団子(もぐもぐ)のあとの狸鍋……パンダは可愛い。

狸には厳しくパンダには優しく暗殺しよう…可愛いから…。
Lost memoryで相手のユーベルコードを封じる(狸達の弱点の理由が多過ぎるのでおまかせ)
回避は残像とダッシュで避けよう
騒がしかったり、おいたが過ぎる相手には殺気と恐怖を与えるをぶつける…よ

さてと…わたしは悪巧みの証拠でも見つけて来ようかな…?


御堂・茜
ぐううう、愛らしい動物を盾にするとはなんと卑怯な!
しかも!
狸は我らが家康公の異名と知っての狼藉ですか!?
成敗!成敗です!!

危うく絶対正義を使いかけましたが
こういう時『あの御方』は自ら前に出ぬもの…!
(例の時代劇を思い出している)
ぐっと堪えUC【風林火山】にてお相手します
家臣の皆様、懲らしめてやりなさいッ!

作戦コード、疾きこと風の如く!
攻撃回数を重視し多数の敵と切り結びましょう
御堂は後ろで堂々構え
家臣を【鼓舞】しておりますが
味方への矢や弾は刀からの【衝撃波】で一刀両断
出来ます、【気合い】があれば!

敵をあらかた成敗したらこれです
皆様、もういいでしょうッ!
決まった…!

※家臣のキャラ等はMS様にお任せ


目面・真
なんというコトだ。ケモノが武器を持って立ちふさがるというのか。
これは攻撃しづらいな。
とは思ったが、アレもオブリビオン。オブリビオンに滅びをもたらさなければイェーガーの名が廃るぞ。
オレ達が外見に騙されると思ったら大間違いだぞ。徹底的に排除してみせよう。

そちらがその手を使うのなら、サムライごっこはここまでだ。
丁度この上空にはオレの鎧装を待機させてある。投下した甲冑とアームドフォートを装着して攻撃に移るぞ。
遠距離からアームドフォートの砲撃で一体ずつ倒していき、近接してくるようなら大太刀で対処。
あらかたケモノが片付いたら絶対零度の爆轟で殲滅に移る。


ルドルフ・エルランゲン
※絡み、アドリブ、大歓迎!!

上様の御威光が届かぬところがあろうとは…
灯台下暗しというやつですかね、成敗せねばなりますまい。

悪徳代官、並びに結託した商人共、罪状は既に明らかである。
悪行狼藉の数々、最早捨て置けぬ!
者ども、討ち入りだ!、お出会い候え、お出会い候え!

ってタヌキにパンダ!?…まぁ悪代官に組するならば全うな連中ではないし、蹴散らしてしまいましょう。

●行動:エレクトロレギオン
小型戦闘兵器を召喚、敵集団内に浸透させ、陣形構築、統制射撃を阻害すべく攪乱(範囲攻撃)し、また応援団の演奏も邪魔する。(フェイント、援護射撃)



「ぐううう、愛らしい動物を盾にするとはなんと卑怯な!」
 狸とパンダを前にしてぐぬぬ、と歯噛みする茜。
「なんというコトだ。ケモノが武器を持って立ちふさがるというのか。これは攻撃しづらいな」
 共に立つ真も同じく、武器を手にしてはいるが攻めるに攻めれぬ、そんな雰囲気。
 二人の空気を感じてか、ドヤ顔っぽくふんぞり返る狸とパンダ。
 こーんな可愛いボクたちを攻撃するの? できるの? できないよね!
 みたいな事を言ってそうに、そして毛をぶわっと立てて、もふもふ感まで割り増ししてアピールに余念がなかった。
 こいつはいけない、倒すことが出来ないではないか!
 なんという卑怯な策略、まさに悪代官の仕業であr。
「狸ですか……僕の前に顔を出すとはいい度胸してますね? 覚えておきなさい、白狐の一族は狸が大嫌いなんですよ」
 えっ、すごいヘイトなんですけど、根絶やしにしてやるってぐらいに怒気を孕んで呟く尊。
「可愛いからって一体何だっていうんだい? 敵は敵、死んでしまえばただの肉ってね♪」
 そんな尊の隣では武器を手で弄びつつ、とっても良い笑顔で攻撃する気満々な鉋。
 これはやばい、こいつらには通用しない、別の標的を探そうと狸が視線を泳がせば、そこにいたのは映月。
 これだ、ここで可愛いアピールを、なんておもって小首をかしげた狸であったが、返ってきたのは片刃の大剣抜刀しながら掛かってこいと手首を返してのアピールが。
 いかん、あんなもので殴られたら一発でやられてしまう、別の、別の敵はいないのか、慌てて見回せば瓜二つの見た目をしていた瑠璃と緋瑪。
 少女なら、少女たちなら大丈夫と駆け寄って可愛さアピールしようとしたが返ってきたのは非情なやり取り。
「狸とパンダが一緒にいても全然おかしくないよね、瑠璃♪」
「そうだね、どっちも鍋にできるもんね、緋瑪」
 何故か出て来た大鍋、これって食われるのかよと慌てて反転、やばい、こっちのほうが危ないと逃げた狸がぶつかったのは団子を食べつつ見下ろすハルピュイア。
「お団子のあとの狸鍋……」
 アカン、この人も食う気じゃないか。
「タッ、タヌーッ!」
 恐怖を感じまたしても反転、もうやだ、見た目補正で倒されないって聞いたのに詐欺じゃないかと思いつつ仲間の下へと逃げ帰れば、それと同時に送れて登場、なぜか閉まってた門が破られ入ってくる人影が。
「者ども、討ち入りだ! お出会い候え、お出会い候え!」
 仲間の猟兵より少し遅れてるも、高らかに声上げ突入したのはルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)
 悪徳代官、結託商人、罪状は明らかだとどこかで調べて来たんだろう、色々と証拠を掴んで突入。
 人々の行きかう街中でありながらも上様の威光が届かぬ闇、まさに灯台元暗し。
 成敗してやると気負ってやってきたルドルフだったが、出て来た敵が動物だったので面食らってちょっと狼狽。
「たぬたぬっ! ぽんぽこっ」
 やった、こいつには動物パワーが通じるぜ、なんて思ったのか可哀想な動物アピール。しかし返ってきたのは絶望へ突き落とす拒絶の言葉。
「タヌキにパンダ!? ……まぁ悪代官に組するならば全うな連中ではないし、蹴散らしてしまいましょう」
 あっ、悪代官の配下だからやられるんですか、そんなー、みたいな顔になった狸兵団。
 ついでに言うと、最初に困惑してた茜と真も。
「狸は我らが家康公の異名と知っての狼藉ですか!? 成敗! 成敗です!!」
「アレもオブリビオン。オブリビオンに滅びをもたらさなければイェーガーの名が廃る。
 オレ達が外見に騙されると思ったら大間違いだぞ。徹底的に排除してみせよう」
 あっ、魅了ってか攻めにくい雰囲気から開放されてる、これはいけない。
 顔を見合わせ、やるしかないと覚悟を決めたが兵団だったが誰か足りない?
「パンダーッ」
 そんな狸兵団に聞こえた叫び、それはパンダがハルピュイアと戯れてる姿だった、それはもう、無茶苦茶に。
 ころーん、って転がって甘えたポーズをしたり、近づいてじゃれるようにしたりと可愛さ使って全力でやられないよう工夫するパンダ。
 あのやろう、裏切ったな! みたいな表情の狸たちだったが、すぐにその思いはブチ砕かれた。
「パンダには優しく暗殺しよう……可愛いから……」
 えっ、暗殺? そんな物騒な単語が聞こえ、パンダが小首をかしげて座り込んで潤んだ瞳で見上げる悩殺の構え。
 だがしかし、残念ながらオブリビオンに対して容赦はしないのが猟兵。
 そっと近づくハルピュイア、パンダの首もちコキャッといい音響かせれば、力なく倒れ付すパンダの姿。
 まさに必殺、仕○人。高揚感高まるBGMと共にやってしまうようなその雰囲気。優しく一瞬で葬るというそのスタイル。
「た、たぬっー!」
 仲間が一撃必殺で昇天、これはだめだ、もう戦って切り抜けるしかない。
 悲痛な叫びと共に狸兵団(パンダもいるよ)は武器構え、多分勝ち目のない戦いへ突撃するのであった。

●兵団の惨状
 結末はあまりにも酷いとしか言いようがなかった。
「者ども、行け行けー!」
 相手が数ならこちらも数と、大量に召喚したエレクトロレギオンを全面に押したてルドルフが指揮を執る。
 個々の戦闘力は低く、一撃で消滅するが数には数、敵陣に突っ込ませそこから分散、相手を分断するよう線状に展開すれば、兵団は互いの相互支援が出来ぬ環境へ追いやられる。
「鉋、遠慮はいらないので存分にやってしまいなさい。僕らの力で狸を皆殺しです♡」
「私怨は良くないよ尊! 皆仲間なんだからまとめて天国へ送ってあげなきゃかわいそうだろ♪」
 分断された兵団目掛け駆ける尊と鉋。
 一歩先んじて飛び出した鉋へオーラを纏わせ守りを固めれば、狙いは狸だけだとばかりに尊が数多の妖怪を呼び出していく。
「僕の式神、堪能しちゃってください」
 呼び声と共に飛び出すは武具を纏った妖怪状の式神たち。
 武器を持った狸を相手にすれば、それはまるで妖怪同士の化かしあい、といったところだろうか。
 そんな物量同士の戦い飛び越し、奥まった場所で火縄銃を構えた狸を狙い飛び込む鉋。
 パァン、と発砲音響き、捉えたと見た狸であったが銃弾はオーラの壁にて勢い減じ、そして鉋の持った黒剣にて弾き飛ばされあらぬ方向へ。
 目を見開いた狸の前に着地、そのまま弾丸込める間も無く蹴り上げていた。
「さてさて、このまま銃を持ってる相手をどんどんやるよーっ♪」
 ノリノリで暴れる鉋と尊、そんなコンビネーションに加わるように、こちらは瓜二つ、分身した多重人格者の瑠璃と緋瑪。
「ちょっと瑠璃、このままじゃ狸鍋の材料が全部やられちゃうよ♪」
「急いで確保しなきゃね、緋瑪」
 心配する点がまったく違った、食材がだめになるとあんまりな一言。
 やばい、食われる、助けて、と言いたそうに兵団が槍構え、必至の抵抗見せるもその程度で止まる二人ではない。
「あははー、どんどん爆破しちゃおうねー♪」
 緋瑪が爆弾投擲、あえて直撃させず兵団の背後で爆発させれば、慌てふためき逃げ出す狸。
 しかしながら、逃走を許すほど優しい二人ではない。
 逃げた先で次々と爆破、これはだめだと方向転換して逃げる狸の視線のさきには、火にかけられていい具合に煮立っている鍋の姿が!
「慈悲? あると思ってる? もうお鍋は煮えてるよ?」
 そう、これは逃げる方向を誘導するため仕掛けられた瑠璃の罠。
 爆破を嫌って移動をすれば、味噌でいい香りの漂う鍋の方向へ誘導される恐ろしき策略であった!
「おお、皆様すばらしきお手前。宜しければ後程、私もご相伴に預かりたいところ」
 4人の華麗なる連携、あと料理の準備も整っている事に感嘆しつつルドルフが呟けば、勿論OKだとばかりに頷く瑠璃と緋瑪。
 そんな3人のやり取り見つつ、私怨全開で式神操る尊が狸を蹴散らす。
「私怨? いえいえ、これは宿怨ですよ……クスクス」
 まーた私怨で、みたいに鉋が肩を竦めるが、それに対して違うと語る尊の姿が。
 相手が狸とあれば許せぬ点もあるのだろう、私怨と指摘されて違うといいたいこともあるだろう、しかしはたからみたら残虐非道でしかない行為にしか見えないことも無かった。

「サムライごっこはここまでだ」
 同刻、時代劇関係ないじゃん、みたいな状況に反応して行動を始めていたのは真。
 世界観ってか時代背景に全然合致してない甲冑とアームドフォートが上空高くより降下、それを纏って戦闘体勢に移行していた。
「砲撃を開始する、まとめて蹴散らすぞ」
 状況を見て言葉を紡げば、そのままアームドフォートの砲身から砲撃開始。
 砲弾の直撃受けた狸が、パンダが吹き飛ばされて断末魔、っぽい叫びでタヌーッ、とかパンダーッ、って叫びが響いていた。
「……騒がしいわね、おいたが過ぎるわよ?」
 そんな中で、少しはなれて屋敷の中へと入り込んでいたハルピュイア。
 砲撃とかから逃げてきた兵団と鉢合わせ、こいつはやるしかないと武器を構えた狸であったがハルピュイアのひと睨み。
 食われる恐怖、コキャッと首をやられる恐怖、開幕前から感じたあまりにも酷い猟兵たちの言い分とかプレッシャーを全力で浴びて、陣形組んだり集中砲火しようとしてもまったく統制が取れぬまま。
「悪巧みの、証拠探しに忙しいのよ……」
 慌てふためく狸とパンダ、容赦なくハルピュイアに蹴りだされ、哀れ弾幕、砲撃飛び交う屋敷の外へと放り出されていた。

「この魂砕きも、お主らに喰らわせてやるにはもったいないくらいじゃがのう」
 放り出された兵団の前に、一人の少女が進み出る。
 大剣抜刀、大きく振り上げ凄まじい重圧を放つ映月であった。
「た、たぬたぬっ!?」
 思わず鳴いて命乞い、しかしながらそれを許すほど映月は甘くは無い。
 唯一の優しさといえば、前哨戦だから刀一本で相手どってくれる、という点か。
「こてこての悪代官が雇うにはギャップの大きい奴らじゃが。狸おやじってか。腹黒いっちゅう意味じゃお似合いじゃな」
 狸だから許される、なんてことは無かった。
 むしろ、狸親父って属性に加えて狸だからよけいに力強くやられることが確定してしまった、南無い。
「では行くぞ、真正面から叩き潰してやるのじゃ」
 力任せに大剣振れば、槍を構えて守りを固めた狸が防御ごと吹き飛ばされる。
 必至で突き出す反撃の突きも、体を右へ左へ逸らす事にて最小限の動きで回避、そのまま反撃した狸に近づき力任せに振り上げて跳ね上げる。
「ほれほれ、どうしたのじゃ? 我を倒せねば生き延びることなど出来んぞ?」
 絶望に染め上げられつつ、必至の抵抗する兵団。
 そんな兵団が放った一斉放火もなんのその、数多の銃弾を剣で受け止め、金属音を響かせた後飛来した弓矢に対して、武器を振るって一閃。
 強烈な風を持って矢を打ち落とせば、その圧倒的な実力差を見せ付けていた。

「人は城、人は石垣、人は堀! 正義の戦をお見せいたしましょう!!」
 ボロボロにされていく狸とパンダ、更なる絶望が彼らを襲う。
 あまりにも卑劣な悪代官の行為に怒りを覚えたが、こういうときに大将、もとい隠居して諸国漫遊してる人は前に出ないと家臣を呼び出す行為に走る。
 現れた家臣団、それはなにやら食欲重視のうっかり屋っぽい人物……とかではなく。
 主君に仕えるしっかり者のイケメンから始まって、無愛想だが仕事はこなす職人気質。
 楽天家だけど実力確かなお調子者と多種多様。
「家臣の皆様、懲らしめてやりなさいッ!」
 なんて掛け声かけた日にゃ、家臣団も容赦はしないと一斉突撃。
 素手だけど相手の腕をひねり上げ武器を取り落とさせる者。
 十手を持って刀と打ち合い、そのまま突いて気絶させるもの。
 ヒョイヒョイッと飛び跳ねながら、相手の攻撃かわして前進、狸同士が正面衝突して転倒するように仕向けたり、敵の顔うち、視界を奪い同士討ちへと持ち込んだりとやりたい放題。
 猟兵たちの攻勢で、既にボロボロ、ほぼ壊滅状態になった兵団を前にしてすっと茜が進み出てあのお言葉を口に出す。
「皆様、もういいでしょうッ!」
 決まった…!
 これは今から相手をひれ伏せさせる、あのアイテムがでてくる前フリ。
 だが悲しいかな、よく考えたら相手は狸とパンダの兵団、ひれ伏す前に逃げ出すに決まっている。
 家臣団が相手に対して静まれとか言う前に、ボロボロになった兵団は、あるものは容赦なく始末され、あるものは料理にされる大惨事。
「狸を雇う狸親父。悪代官が戦えるってのも想像つかんが……どんなもんか楽しみじゃのう」
 なんて映月が呟きながら、完全制圧した庭から屋敷の中へ。
「鍋はまだ煮えぬ、先に悪代官を始末してからでも良いじゃろう」
 と鍋を前にした猟兵たちを促しながら、一同は屋敷の奥へと進んでいくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『悪代官』

POW   :    ええい、出会え出会えー!
レベル×1体の、【額】に1と刻印された戦闘用【部下の侍オブリビオン】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
SPD   :    斬り捨ててくれる!
【乱心状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ   :    どちらが本物かわかるまい!
【悪代官そっくりの影武者】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠犬憑・転助です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「むっ、なんじゃ、この騒ぎは! あの狸ども、なにをしておる」
 騒乱なんか気にせずに、料理に舌鼓をうちながら今宵の戯れに思いを馳せていた悪代官。
 しかし、あまりに騒がしい屋敷の様子、ようやく異変に気付いたがそれも後の祭りであろう。
 襖を蹴破り突入してくる猟兵たち、とある猟兵の手には悪徳商人の為に融通聞かせた証文とか握られてるし、賄賂に貰った小判とかももたれてる。
「きっ、きさまら、何やつ! ワシが代官としっての狼藉か!」
 あくまで自分は偉いさん、下々の者とは別格とか示そうとするがどうしようもなく包囲されつつあるこの状況。
 家臣の狸兵団(パンダもいるよ!)が蹴散らされた今、守りを固める者も僅かであろう。
 さあ、悪代官へ仕置きの、成敗の時間である。
御盥・映月
さて、悪の親玉は最後には倒される物じゃ。
典型的な悪代官なら、成敗されるまでこなしてもらわんとのう。
ま、少しは…楽しませて貰えると嬉しいんじゃがな?

さぁて、出番じゃよ魂喰らい。ああも丸々と太っておるんじゃ、思い切り喰らってやれ。
UCを発動、魂喰らいに施していた封を取り払い、身体能力の向上を行う。
下がった命中率は【見切り】と【第六感】で補おう。
召喚された侍達は【なぎ払い】、攻撃は【武器受け】で対処。
【怪力】で二刀をぶん回し、正面から【鎧砕き】たたっ斬る。多少の傷は【生命力吸収】で治せばよい。
こうなると中々止まれなくてのう。やりすぎたらすまんな。

さてお約束は大事じゃな。成敗!
※絡みアドリブ歓迎


四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身継続中

緋瑪「あ、わたし達に夜伽相手やらせるとか言ってたエロ代官」
瑠璃「とりあえず、あの代官去勢(爆破)しちゃって良いかな?」

部下の侍を接触式ボムやばら撒いておいた感知式ボムで爆殺しながら暴れん◎将軍のテーマを流す(爆音でテーマが聞き取りづらい)。
更に本物も影武者も関係無く、とりあえず接触式ボムで爆破。二人で着物着て双子看板娘モードで突入し、代官を軽く【誘惑】掛けて反応を見つつ、おイタしようとする悪代官に物騒な去勢しようとしたり…。

戦闘後は狸&熊(パンダ)鍋がぐつぐつ煮えてるよ♪

緋瑪「(爆破しても)よいではないかよいではないか~♪」
瑠璃「コレがしたかったんでしょ?」

※アドリブ歓迎


白皇・尊
僕の大切な鉋(f01859)と共闘

「いやぁ、これはまた清々しいほどの悪代官…これは言わねばなりませんか…。
さぁ鉋、やっておしまいなさい♡」

☆共闘戦術
まずは僕の可愛い鉋に、符を投じて強固な防御結界《守護法陣》(オーラ防御)を張ります。
「鉋には傷1つつけさせはしませんよ」
そして鉋の突撃に合わせて【フォックスファイア】を放ち、悪代官の逃げ道を塞ぐように炎で追い詰めてゆき、鉋が攻撃し易いようにフォロー。
「今です、鉋!」
たとえ分身しようが部下が増えようが、纏めて一網打尽に倒してしまえば関係ありません。
「これにて一件落着♪…これ、一回言ってみたかったんですよね」

※アドリブ歓迎


喰龍・鉋
尊(f12369)と共闘
「んん?なんかわかんないけど、や、やっちゃうぞー!」
バッタバッタと味方が切られてるっていうのにのんきに料理食べてるなんて
許せないね
ボクも大五郎も本気で行くよ、ユーベルコードを発動しながら
尊がフォックスファイアを出してくれるなら、それに伴って、部下の侍オブリビオンを容赦なくぶった斬っていくよ!
尊に手出しなんて出来ない速さでね!
尊が攻撃されるような事があるならボクもそれをかばうように動くよ
「えぇと控えおろー控えおろー!だっけ?」
*アドリブ歓迎


目面・真
ん? そういえば、悪代官はオブリビオンだったのか?
狸と違って、どう見ても人間にしか見えないんだが。使役している時点で狸と同類というコトかね。

あ、もうひとつ思い出した。徳川の紋所。ここで使ってしまおうか。
控え控えい、控えおろう。この紋所が目に入らぬか!
というオレは宇宙服と言う名の甲冑のままなんだが。気にしてはいられない。
怯んだ今のうちに悪代官を包囲して退路を断とう。

天下様より預かりし数々の権能を良い事に、私腹を肥やすとは何事か。天下様に成り代わり、代官、貴様を断罪する。覚悟致せ!
こういうのは勢いが肝心だ。相手に考える間を与えず言い放たねば。

大太刀で斬りつけるぞ。剣刃一閃で一気に片付けよう。


ハルピュイア・フォスター
アドリブや絡みはOK
狸とパンダの親玉は……さすがに腹黒いです…。

わたしは迷彩と目立たないで隠れてながら援護、また物陰からの遠距離攻撃者に注意しておく
基本は屋敷から逃亡しようとする者>配下の相手をしてみんなが動き易い様に敵の数を減らす事を対処

今はパンダの様に優しくは出来ない…です。
Last memoryと鎧無視攻撃の併用で攻撃
反撃された時は武器受け、もしくは残像とダッシュで回避

(最後に誰かがカッコよいセリフを言ったら…ひかえなきゃ…だよね?)


御堂・茜
いよいよでございますね…!
名馬サンセットジャスティスに跨り
暴れん坊プリンセス御堂、襖を破りいざ出陣です!

家臣が言いそびれたので
誰も騒いでいなくとも自分で言います!
静まれぇ! 静まれぇ!
この紋所が目に入らぬかぁー!
渾身の【気合い】と共に天下自在符を見せつけ包囲です

悪代官がなんやかんや言ってくるでしょうが望む所!
今度こそUC【絶対正義】!
我が大太刀で悪を成敗致します
理性は失うでしょうが【第六感/野生の勘】で
味方の猟兵と敵の侍、本物偽物を見分け
【怪力】と【衝撃波】で派手に成敗します
敵の刀は【武器受け】で受け力で弾き返します

殺陣が終わりましたらば絶対正義は解除
UC【完・全・懲・悪】にて制裁を
成敗ッ!!


触叢・アン
仲間らが戦ってるのを確認し、忍び足6・暗殺2・騎乗6・操縦8を駆使し、敵の脇腹目がけ鎧無視攻撃8っ、で宇宙原付ど~~~ん!
「ほれ、ど~~~ん」
その弾みで…騎乗6、操縦8、逃げ足5、ジャンプ、地形の利用、等と機体に付いたワイヤーを活用しそのまま高い場所に移動

「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!(タンクトップ破り捨て)」
ミリオンライドアタック(+鎧無視攻撃8)、それは宇宙エネルギーをその身に吸収し体内生成した幻影分身を放出…つまり露出が多いほど分身が増えその威力が増すのだ!
「とぉ! ふぅらっしゅ!Ah~~~♪」
敵目がけ降り注ぐ無数の原付サーフィン乗りセクシーネーチャン、それが1点に集束し蹴り貫く!



●相手を控えさせる人がいっぱい
 悪代官を前にして一歩も引かない猟兵たち。
 もちろん、悪代官も先ほどまでの饗宴じゃまされ、尚且つ自身がオブリビオンなので自信満々、腹黒大爆発で金箔捺した扇子をかざし、威嚇を続ける。
 その均衡を破るものが、ここに二人。
「静まれぇ! 静まれぇ! この紋所が目に入らぬかぁー!」
「控え控えい、控えおろう。この紋所が目に入らぬか!」
 家臣団が言いそびれたので自分で言うと声張り上げた茜さん、そんな彼女が天下自在符を出したので自分も思い出したとばかりに真も天下自在符取り出せば、悪代官に向けて二人で翳す。
 だがこう、うーん。
 茜はこう、江戸時代の衣装でばっちりなんですけど、真さーん、甲冑フル装備ですごい違和感ですよー。
 え? 気にしてられないって?
 なるほど、わかりました、ここは捏造タイム。彼の防具は西洋甲冑のように見えるがそれはちがう。
 かつて渡来人と呼ばれた者達は甲冑のような装備をもっていたのだろう。
 そして渡来人の体格とサムライエンパイアの人々では少し差があったので、その甲冑をサムライエンパイア風に加工しなおした具足、それを元にきっと、先祖がえりのような感じで真は加工しなおして装備しているんだ。
 現実世界、日本でも南蛮人が装備してた西洋甲冑を加工して日本風にした、南蛮胴具足、ってのがあったしそれなんだろう、きっと。
「そ、それは! 幕府お墨付き、天下自在符っ! 怪しげな胴具もも幕府の勅命受けたが故に許される。は、ははーっ!」
 めっちゃきいてた、天下自在符がすごく聞いてた。
 地面に平伏した悪代官、頭を下げて申し開き前のポージングである。
「あ、わたし達に夜伽相手やらせるとか言ってたエロ代官」
「とりあえず、あの代官去勢(爆破)しちゃって良いかな?」
 緋瑪と瑠璃、いろいろ探ってる際に仲間が感じた危ないシーンの登場人物にされた事にご立腹。
 去勢とかかなりハードな単語を言いつつ、めっちゃ見下ろしている。
「いえいえ、幕府ご免状をお持ちの方を夜伽の相手など、考えた事もございませぬ」
 そんなことはやっていません、と白々しい弁明のターン。
 ほんとかよコイツ、みたいな目で見下しつつ、逃げられぬようにじりじり距離を詰めていく。
 そんな中、ちょっと視線を移してみれば屋敷の奥へと動く影。
 白々しい弁明しつつ言い逃れしようとは、狸とパンダの親玉、流石に腹黒い、なんて思いつつハルピュイアが物陰利用し奥へ奥へと。
 万一、逃げ出そうとしても逃げ切れぬよう突然裏からやってくる、ご隠居が活躍するお話でお色気シーン&奇襲担当のくノ一みたいなポジションを確保。
 さらには尊や鉋のコンビ、加えて映月までもが悪代官を逃がさぬようににじり寄り、ひれ伏してる間に完全包囲ができていた。
 絶対絶命、悪代官! どうする、悪代官!
「言い訳無用、証拠はあがっているのですよ!」
 茜、容赦ない追求の手。
「天下様より預かりし数々の権能を良い事に、私腹を肥やすとは何事か。
 天下様に成り代わり、代官、貴様を断罪する。覚悟致せ!」
 流れに便乗、勢いこそ大事と真もそれに続いて観念するよう口調を強める。
 これは勝負あったか、荷見えたがやはりそこはオブリビオン……じゃなくて普通の悪代官でもやるだろう。
 ゆっくりと面を上げて立ち上がりつつ、腰の刀に手を伸ばす。
「悪事の証拠、とな? 然様な商人などおりはせぬ、今宵消えるのだから。
 この様な場所へ、まさか天下のご免状をお持ちになった面々がこられる筈など無い。
 ならば貴様らは何者か? そう、幕府のお墨付きを持ったと騙る不埒者、それに間違いなかろう!
 ものども、出会え、出会えー! こやつ等、幕府転覆を狙う不届き者よ、成敗いたせい!」
 開き直って猟兵が偽物、悪人だと言い出した悪代官。
 追求された証拠なんて猟兵を倒してから全て握りつぶしてやると言い放つ、まさに悪逆非道。
「典型的な流れ、悪代官じゃのう。ならば成敗される所までこなしてもらわんとのう」
 開き直った相手を見て、まさに典型的だと映月がニヤリと笑い今まで抜いてこなかったもう一本の刀、魂喰らいの札を引きちぎって封印開放、そして抜刀。
 映月の動きを見てか悪代官が一歩後退、そして主君を守るべく数多のサムライオブリビオンが出現する!
 が、何故か奥の方で一人、既に倒れて床と熱いキスをかわしていた。
「今はパンダの様に、優しくは出来ない……です」
 ポツリと呟くハルピュイア、フック付きワイヤーで二人目の首をくくってそのまま持ち上げ。
 キリリリリ、と弦が張り詰めた音が鳴り、ピンと弾けばサムライが動きを止め、力を緩めて地に落とす。
 ワイヤーを使った暗殺業、まさにお見事。
 え? 三味線糸のかわりに竪琴もってるから竪琴の弦で?
「竪琴の、弦だと……人を吊るすと、切れるから」
 至極当然のことであった。頑丈なワイヤーじゃないと人を吊るして殺害なんてできないからね。
 そんなこんなで悪代官と猟兵とは配下も入り混じっての大乱戦に突入していた。

●乱戦を制するは
「いやぁ、これはまた清々しいほどの悪代官……これは言わねばなりませんか……。
 さぁ鉋、やっておしまいなさい♡」
 乱戦突入と同時、相方である鉋へ符を投げ守護を与える尊。
「んん? なんかわかんないけど、や、やっちゃうぞー!」
 悪代官と仲間とのやり取りを見ていた鉋、急な戦闘開始と同時に投げかけられた尊からのネタふりに戸惑いつつも気合を入れて走り出せば、配下のサムライが彼女の進路に合わせて炎上、倒れ伏していく。
「鉋には傷1つつけさせはしませんよ」
 凄まじい剣幕でサムライを睨み付け、自身の周囲へ生み出した数多の狐火を次々とサムライ目掛け放つ尊。
 一つは直線的に、また別の一つは大きく迂回しまわり込むように、またあるものは左右にぶれながらと自在に操り、サムライは避ける事もかなわず炎上していく。
「尊にも、攻撃なんてさせないんだからね! えぇと、控えおろー、控えおろー! ………だっけ?」
 仲間が悪代官を怯ませ平伏させた、控えろって言葉を上げつつ巨大化した黒剣、大五郎を振り上げながら突進する鉋。
 燃え上がってよろめくサムライ斬り飛ばし、勢いのままに悪代官へと突っ込んでいく。
 力任せの突撃、慌てふためき配下を全面に押し出し後退する悪代官。
「ふふふ、逃がしませんよ。鉋、まずは配下から始末しましょう。炎で追い込むので一網打尽です」
「うん、オッケーだよ! さーさー、誰からやられたい?」
 逃げて配下を使い捨てても二人のコンビネーションが迫り、時間稼ぎにしかならない悪代官。
 これはまずいと影武者召集、これで本物と入れ替わってにげようと画策するがそうは問屋がおろさない。

 ……テテー、テテーボンッテー、テーボムッテー、テテー。テーテテー、ボゴォテテー、テーテテ、テテーボグゥ……

 暴れまわる、貧乏な旗本と思わせて実はすごい偉いさんが事件を解決する。
 そんな物語でラスト、相手を殲滅する処刑用BGMっぽいものが聞こえた気がしたが、度々発生する爆発音のおかげでよく聞こえない。
 というか、しっかり聞こえてしまったらいろいろと大問題なので、皆様のイメージで思い浮かべて下さい。
「暴れん坊プリンセス御堂、ここに見参! ちょっと、BGMが微妙に途切れてますが気にしませんよぉ!」
 大太刀を力任せに振り回し、飛び掛るサムライ斬り伏せ一歩前進。
 上段へと構えを戻し、一歩二歩と進めば敵のサムライも動きに合わせて後退し、茜を前に距離計る。
「まあ、本当に聞こえちゃったら問題だもんね、瑠璃♪」
「そうだね、緋瑪。とりあえず偽物も本物もまとめて吹き飛ばしちゃえ」
 そんな茜を援護する緋瑪と瑠璃。
 そっと投げた爆弾が畳ごとサムライを吹き飛ばし、恐れ戦く悪代官を追い詰め更なる爆弾が助けに入るサムライ達の進路を塞ぐ。
「よいではないかよいではないか~♪」
 やりたい放題、相手の帯を引いちゃってちょっとえっちな事をする悪代官が言うような台詞を言いつつ緋瑪が追えば、一緒になってノリノリで追撃に加わる瑠璃。
「これがしたかったんでしょ?」
 なんて相手の気持ちを言われる前に先読みして追い掛け回す、まさに外道。
 やりすぎて恐怖を与えたので、多分誘惑されないだろうし色仕掛け看板娘モードで攻め手もあんなことやこんなこと展開にはならなさそうなのだけが心残りか、無念。
「これはペンですか!? いいえ悪です!!!!!!」
 そんな爆破祭りの中でバーサーカーになってる茜、凄まじい勢いで悪代官……に見える影武者に飛び掛って大太刀一閃。
 直後に響いた金属音、なんと影武者、抜刀して刀で一撃受け止めた。
 主君を守って美味しい汁をまだ吸うつもり、主君に負けず劣らず影武者も中々の食わせ物であった。
「逃げるだけじゃが、あちらの影武者は中々やりおるのう。じゃが、こちらも早々止まれぬのでな!」
 踏鞴を踏んで映月が一閃。
 板敷き廊下が酷く軋めば、同時にとんだサムライの腕。
 一撃の下に骨ごと断ち切った映月は返す刃でサムライ斬り上げ、腰から肩へ伸びる斜めの傷跡、それだけ残してサムライは崩折れる。
「やりすぎてしまったが、すまんのう」
 嘲笑しつつ飛び掛ったサムライ斬り伏せ、そのまま影武者へと肉薄する。
 最早此れまでと覚悟を決めた影武者が理性をかなぐり捨ててまで、動く者全てを斬ると乱心すれば二者の衝突は激しい物へ。
 一合、互いの刀がぶつかり弾き合うも両者引かず。
 二合、上段から振り下ろした映月の圧力に負け影武者が後退、切っ先下向く刀が畳を傷つけ。
 三合、無理に振り上げ影武者の一撃、力任せに振り下ろす映月の刀が刀身捉え畳へ押し付ければその膂力にて影武者は刀を落とし決着が。
「ぐぬう、まだよ、まだまだ!」
 大小二本差し、ならば二本目の小太刀を抜いた影武者であったがそれより早く飛び込む者が。
「一気に片付けさせてもらう」
 サムライ斬り伏せた真が突撃、切れ味鋭い大太刀振りぬき小太刀を打てば、武器ごと影武者の体が一刀両断、無念の表情浮かべつつ影武者の上半身が宙を舞い姿が薄れる。
 この時代、この場所で出現した、悪代官の影武者が消滅した瞬間でもあった。
「な、なんという、ええい、お主ら、ワシが逃げる時間を稼ぐのだ! 無事生き延びれば褒美は弾むぞ!」
 頼みの影武者が死亡、これ以上踏みとどまれぬと逃げの一手に走った悪代官。
 追いすがる真の一撃、それを自身の刀でいなせば奥へ奥へと走り去る。
 しかし伏兵は此処にいた。
「な、何故じゃ、なぜこうも数が少ない……」
 屋敷奥、逃げ道目指して走る中、サムライの少なさに驚愕する悪代官。
 それはハルピュイアが裏で暗躍、切り伏せ締め上げ暗殺していた結果だが、伏兵は彼女だけではなかった。
「ほれ、ど~~~ん」
 屋根を、そしてそのまま天井をぶち破り宇宙原付、つまりはバイクで飛び込んできた触叢・アン(銀河疾風・f01011)
 うっそぉ、こんな人いたなんて知らなかったよ、みたいな顔の悪代官。そりゃそうだろ。
 こっそり暗殺していたハルピュイアならまだ伏兵がいたと察する事はできてただろうが、乱戦で仲間と敵の立ち回りを観察し、最高のタイミングで飛び込み横っ腹に奇襲を仕掛けるつもりだったアンのような存在にまで、頭が回るはずが無い。
 慌てふためく悪代官、容赦なくアンが落下しながらバイクで引き飛ばせばそのまま仕込んだワイヤーで縛り上げ。
 落下の衝撃を受け、サスペンションが大きく縮み反動で跳ね上がる、その現象を生かして悪代官を高所へ吊り上げ更なる追加の一撃を。
「ほんならまぁ、ここで決めちゃらぁ!」
 何故かタンクトップを破り捨て。
 扇情的な体を晒すのは、吸収効率を高めるため。全身で宇宙のエネルギーを吸収していく。
 あの、ここ、江戸時代っぽい日本なんですけど、あ、夜だから宇宙エネルギーですか、そうですか。
「とぉ! ふぅらっしゅ! Ah~~~♪」
 エネルギーを吸収していたアンが叫べば、バイクにサーフィンスタイル、座席に脚のせ、中腰で波に乗るかのような姿勢な数多の幻影を生み出し宙を舞う悪代官へ一点集中。
 体幹貫くその一撃、凄まじい衝撃にて再度、悪代官が反動にて舞いながら地に落ちるがなんと、まだ倒れていない。
「ぐふぅ……ま、まだよ、まだ死ぬわけには……」
 肥え太った贅肉が衝撃を殺したのか、致命傷に近しいがまだ完全には倒れぬ悪代官、生き汚く生にしがみつくが最早此れまで。
「あなたの夢をいただきます」
 すっと隣へ舞い降りたのはハルピュイア。
 近づくな、とばかりに悪代官が刀を振るうもその切っ先は虚しく空斬り、彼女の残像を追うばかり。
「一思いに……楽には、できない」
 背後に立ったハルピュイア、脂肪の壁すら通り抜け内臓へ到達した刺突を受けて悪代官は膝つけば、サムライを蹴散らした仲間が集結。
「ま、まて、ワシを殺すのか!? ワシを殺せば、この町の治世に問題が……」
「命乞いは見苦しいぞ、悪代官。あの世で殺した連中が待っている」
 武器を落とし助命嘆願、それを一言で切り捨てる真。
「影武者も手こずらせてくれたが……さてお約束は大事じゃな」
「はい、もちろんですとも!」
 自身の得物を担ぎつつ映月が呟けば、暴走状態を解除した茜も続きそのまま〆の方向へ。
「悪は滅びる!!!正義は勝つ!!!!!皆様ご唱和くださいませッ、【完・全・懲・悪】ッッッ!!!!!!!!!!」
 これで終わりと茜が武器を掲げれば、同じく映月も、更には尊に鉋も加わって4方向からの一斉攻撃。
 グアーッ、という断末魔、其れが響けば其々が武器を締まって、言いたい面子がまずは一言。
「「成敗ッ!」」
 映月と茜がハモッて成敗宣言。
 そんな二人を前にしてハルピュイアが一歩下がった位置に控えて膝突く。
 まるでご隠○様を守って仕事を終えたくノ一みたいに、仕事をこなしたポジションは最後まで死守。
「これにて一件落着♪ ……これ、一回言ってみたかったんですよね」
 そうして〆るは尊の一言。

 全てを終えた悪代官の屋敷には静寂が戻り、先の騒乱が嘘のよう。
 人々を苦しめた脅威はここに除かれ、奴らがいた痕跡は今まさに庭で開催されている、味噌味狸(パンダもあるよ)鍋が最後の証。
 しかし、それもすぐに猟兵の胃袋へと消えるだろう。
 人々を苦しめた悪代官、狸の軍勢は過去へと再び溶けていったのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月16日


挿絵イラスト