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王の遺産~ガトリング・ジャッジメント

#グリードオーシャン #戦後 #メガリス

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●遺されたもの
 渦潮より東に十一、南に四十。
 グリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラ、『王笏』カルロス・グリードが本拠地としていた『終の王笏島』の座標だ。
 羅針盤戦争の終結後、王の宝物庫は猟兵達によって洗いざらい調べられて空となった。そこに納めされていた数々のメガリスは運び出され、今は散逸している。

 では、もうこの島にメガリスは残っていないのか? 答えは否だ。
 カルロスは狡猾だった。全てのメガリスを一纏めにすることを良しとせず、島の至る所に隠したのだ。万が一にも自身が敗北した場合を考えていたのだろう。
 そして、それとは別の理由で宝物庫に無いメガリスも存在する。
 その内の一つ、名を『代弁者のロザリオ』という。

●代弁者のロザリオ
『身に着けた者、神の代弁者となりて神罰を下さん』
 そんな謳い文句を持つこのメガリスの効果は、指差した相手を天からの光が貫くこと。猟兵達にとっては『ジャッジメント・クルセイド』と言えば通りがいいだろうか。
 さてこの能力、指差した、とあるように発動には手が必要だ。そこで誰かが考えた。
 『手が沢山あれば多重発動できるのでは?』――と。

 結論として、実験は成功だった。けれど人選には致命的な失敗があった。
 被験体だった合成生物『アイオーン』が、命令を受け付けなくなってしまったのだ。
 下された処分は、封印。失敗作だが戦闘力は惜しい、時が来るまで森の奥深くで眠っていろと、そう言われてから幾星霜。
 王の崩御にも気付かず、怪物は今日も眠っている。

●ただ一つは誰の手に
「というわけで、回収してきてちょうだい」
 回収対象であるメガリスの説明を終えたグリモア猟兵、イデア・ファンタジア(空想の描き手・f04404)は、接岸した鉄甲船の上で一息ついた。
 終の王笏島。通常の島の何倍も広いこの島には、まだまだ未探索の領域が残っている。これから猟兵達が向かう先もその一つだ。
 島の一部を指し示し、イデアは口を開く。
「ほら、ここからも見えるよね。あのジャングルの中に祠が建ってるの。怪物はその中で眠ってるわ」
 目標の大まかな位置は分かっている。だがその途中には三つの障害があるそうだ。

 一つ目はジャングルに仕掛けられたトラップだ。仕掛けロープに落とし穴、麻痺毒の胞子を出すキノコなど、ありとあらゆる罠が待ち構えている。
 行動不能にさせるだけで致死性は無いのが救いか。外からの侵入を拒むというより、中からの脱出を防ぐための物らしい。

 二つ目は祠を囲むコンキスタドール達だ。怪物の封印を維持する役目を負っていて、当然ながらすんなりと通してくれるはずが無い。

 そして三つ目は言わずもがな、怪物である。従来の能力に加えて『代弁者のロザリオ』も使用してくる。
 近づけば拳の嵐と、ついでのように神罰の光が。離れれば拳は無く、けれども代わりに十連の光がこちらを穿つ。疑いようも無く強敵だ。

「ま、あなた達なら何とかなるよね! ……そうだ、回収したメガリスだけど、もしも欲しい人がいるなら持ち帰っていいらしいよ」
 はてさて、このメガリスがどこに落ち着くのか。それは誰にも分からない。


渡来あん
 初めまして、あるいはお久しぶりです、渡来あんです。
 こちらはグリードオーシャンの戦後シナリオとなります。

●第1章
 ジャングルに仕掛けられた罠を掻い潜り祠を目指しましょう。
 OPに挙げた物の他に、こんな罠があると予想して進むのもいいでしょう。
 なお、上空からでは祠を見つけられないため徒歩となります。

●第2章
 集団戦です。
 封印を守護する巫女達を撃破しましょう。

●第3章
 ボス戦です。
 本来のユーベルコードを使用した上で、さらに空いている手の数だけ『ジャッジメント・クルセイド』を使用してきます。

●メガリス
 持ち帰りたい方は、第3章でその旨をプレイングに記入してください。
 希望者が複数人いた場合、前章までの参加者に優遇措置は行いますが、最終的にはダイスで決定しますのでご了承ください。
 (いなかったらグリモアベース預かりとします)

 それでは、ご参加をお待ちしています。
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第1章 冒険 『ジャングルの罠』

POW   :    トラップごと、ジャングルを薙ぎ払って進む。

SPD   :    トラップを解除して進む。

WIZ   :    トラップの位置を特定し、避けて進む。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

マホルニア・ストブルフ
アドリブ連携OKです

戦争が終わっても尾を引くのは常だな。
――ええと、まずはジャングルを突破だったな。イデアは罠もあるだろうと言っていたか。
【レヴィアスク】、どんなものがあると思う?――なあに、知らないの、って?
私が経験したのとはまた違うわよ、でもお義父さんはブービートラップの例を教えてくれたわねえ。

◇知覚端子で周囲を【情報収集】しながら進むもうか。ほらレヴィ、危ない植物にも気を付けるんだぞ。あらあら、ちょっと落ちたくない穴もあるのね。道を塞ぐトラップは解除してしまおうか。
複雑なトラップは【UC:ヴァナヘイム・フォールクヴァング】で自分自身たちを覆ってからにしよう。それがいいわね、レヴィアスク。



 ――戦争が終わっても尾を引くのは常だな。
 そんな感慨を抱きながらマホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)はジャングルを歩いていた。
 鬱蒼と生い茂る草木で空は遮られ、足元も分かりづらい。確か罠があるという話だったが、さて。
「レヴィアスク、どんな物があると思う?」
 名を呼ばれて前を行く小竜が振り向いた。円らな瞳に咎めるような意思を見て、密林で戦ったことは無いと言葉を続けるマホルニア。
「なあに、知らないの、って? 私が経験したのとはまた違うわよ。あ、でも――」
 語る口調もマイペースに、一人と一匹は奥へと進んでいく。

「ほらレヴィ、危ない植物にも気を付けるんだぞ。――あらあら、ちょっと落ちたくない穴もあるのね」
 構造色の青髪が煌めき、拡張された知覚が周囲の地形を伝えてくる。危険な蔓植物――触れると一気に巻き付いてくる――への注意を促し、落とし穴を迂回する。
 そして、せっかくだから解除しておこうと拾った棒でつつき崩した後。
「ええと、どこまで話したかしら。そうそう、お義父さんが教えてくれたブービートラップにはこんな物もあってね?」
 歩きながら、昔に聞いたゲリラの手口を思い出す。確か、尖らせた竹を地面に突き刺すのだ。迂闊に踏み抜けば靴ごと貫通してしまう、機動力を削ぐ悪辣な罠。

 そう、こんな風に。

 踏み出した足は貫かれず、逆に踏み潰したけれど。
「おやおや、言ってるそばからこれだ。レヴィアスク、こっちにおいで」
 抱き上げた小竜を撫でつつため息。分かっていたがトラップが多い。
 こうなれば青の光で身を守ろう。小竜を愛でて罠を無視できる、一石二鳥じゃないか。そうだ、そうしよう。
「それがいいわね、レヴィアスク」
 返ってきた返事に満足して、マホルニアは再び歩き始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。



 Q. 密林にあっても違和感の無い乗り物を答えよ。
 A. 水上バイク。

 ジャングルの奥地に流れる川をとある影がさかのぼる。バババババ、と音を立てて水飛沫を上げていく。
 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の愛機、宇宙カブ『JD-1725』だ!
 水上適応のためにいつもより大分丸っこくなったが、それでも変わらぬ赤さがトレードマーク。車輪が変化したツインスクリューでパワフルに駆ける働き者だ。
 ぐねぐねと蛇行する小川を自慢のテクニックで攻略していく多喜。
 さあて、件の祠まではあとどれほどか。

 とその時、彼女のテレパスが敵意をキャッチした。
 前方に注意してみれば、水面に浮かぶ緑色が。――ワニだ! しかもたくさん!
 ひとまず念話でファーストコンタクト。
『あー、もしもし? ちょっとどいてくれないかい?』
『オレ、オマエ、マルカジリ』
 なるほど、どうやら腹を空かせているらしい。だがあいにくと持ち合わせは――燻製肉が無くは無いが、彼らを満足させるには到底足りないだろう。

 結論。交渉決裂、強行突破!

「ちょっとビリッと来るけどごめんね!」
 サイキックエナジーを解き放ち、多喜とカブ(水上バイク)を球状のバリアが包む。境界面に迸る電撃がバチバチと爆ぜる。
 ああ、水上を瞬く間に駆け抜けるその姿は――。
『嵐裂く稲妻(ストレガ・オーバードライブ)』
 なお、負担の軽い手加減バージョンである。環境にも優しい、その証拠にひっくり返ったワニ達は生きている。
 余波で小魚達も浮かんでいた、後でワニ達が美味しくいただくだろう。あんまり優しくなかった。

「うーん、ここからは歩いてくしかないかね。まあすぐに着くかな」
 その後、適当な所でカブを停めた多喜は生い茂る草木を掻き分けていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フォルク・リア
「こんな所に隠すとは意外と用心深い。
しかし、そのメガリス取りに来てると言うと墓荒らし
みたいで嫌だね。」
でもそんな事も言っていられないか。

罠を警戒し
常に冥空へと至る影で強化した
ファントムレギオンの死霊を先行させ探索。
地面に掘り返した跡がないか、
木々に荒らした跡がないか調べ。
また、適宜視界を広くとり人工物、
特に金属や罠のトリガーとなるロープを探す。

特に怪しい所ではファントムレギオンから死霊を複数呼び出し
罠があると思われる所を探らせ。
場合により死霊を実体化させ罠を発動して解除。

罠を発動させても焦らず
落とし穴はスカイロッドで風を起こし
その反動で跳躍し回避。
矢や毒胞子は【オーラ防御】【毒耐性】で耐える。



『冥府への門たる忌わしき影よ。その枷を外し闇の力を我に届けよ』
 日の光の弱い密林の中に、場違いなほど深い影が浮かび上がる。そこから伝わってくる魔力を感じながらフォルク・リア(黄泉への導・f05375)はため息をついた。
「こんな所に隠すとは意外と用心深い。しかし、そのメガリスを取りに来てると言うと墓荒らしみたいで嫌だね」
 思い出すのは、ついこの間にこの島で対峙した王の姿。不遜を絵に描いたような暴君だったが、別の側面も持っていたということか。

「でもそんなことも言っていられないか。……行け」
 ファントムレギオン――支配下の死霊達に斥候を命じるフォルク。散った死霊達は主の知識を元に人の痕跡を探し出す。
 自然には自然のあるべき姿がある。人の手が入った場所は大なり小なりそれが乱れる。それを知っていれば、仕掛けられた罠を見つけ出すのは難しくない。
 次々と見つかる痕跡を避けて進む。そしてフォルク自身は何をしているかというと、足元の注視だ。
「……よくあるトラップだね、他愛無い」
 木の間に張られた細いロープ。簡単に跨げそうな高さだが、フォルクの目はそれが囮だと見抜いた。跨ぐ前にもう一本、こちらは髪の毛ほどの極細ワイヤーがある。
「二段構えか。普通は跨いだ先にあるはずだけど、そういえば脱出防止用だったね」
 普通なら迂回する所だが、ロスを疎んだフォルクは杖を取り出し、風で自らを浮かせてやり過ごす。

 ボフリ。そろそろ目的地という所での音。
 胞子だ。自生している麻痺キノコ――ああ、たしかにこれなら痕跡は見つかるまい。
「まあ、こんな物は効かないけれどね」
 研究のために死毒にさえ耐性をつけたフォルクには今更な物だ。サンプルにする価値も無いと捨て置き、そのまま歩を進めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

森乃宮・小鹿
メガリス!あの戦争で見たお宝っすね!
お宝があるというのなら!
盗みにいきましょいきましょう!

とはいえ流石に予告状お出しできる状態ではないっすねぇ
仕方ないから今回は怪盗ではなくシンプルに泥棒さんしますか

最初の罠は【偵察】して……あー、はい
あるっすねぇ、そこかしこ
見つけるのだけはイケるけど、罠解除は専門というほどではないんすよねぇ
しゃーない、無機物だけでも一時的に無力化しますか

長ったらしい呪文を唱えて
リチェス・ディスタブ・マモーナス
無機物ならば全て黄金の蝶へ
ボクの通り道にあるものは
生物系以外なら全部綺麗な蝶々になるっすよ
……毒キノコとか毒蛇とかいたらだめっすね
全力ダッシュで逃げつつ祠へ向かうっすよ!



「メガリス! あの戦争で見たお宝っすね! お宝があるというのなら! 盗みにいきましょいきましょう!」
 メガリス、それは適合者に力を与える呪いの秘宝。それが隠されているというのなら、暴いて盗むが彼女の務め。
 新聞部初代部長とは仮の姿。怪盗団『Sein N8』が一員、バンビこと森乃宮・小鹿(Bambi・f31388)、ここに参上。
「……とはいえ、流石に予告状お出しできる状態ではないっすねぇ」
 ああ、それだけが心残り。せっかく仕事服に着替えて髪型もばっちり決めてきたのに、予告状を出さない怪盗なんて果たして怪盗と言えるだろうか?
「しゃーない、今回はシンプルに泥棒さんしますか。……あー、はい。罠あるっすねぇ、そこかしこ」

 聞く者のいない森の奥で、一人、小鹿の声が響く。
「――。――」
 詠唱するは固有魔術。右の手袋が内から光り、誰かが信じる『価値』を試す。
 空舞う黄金、地に座す小石、惑えば失う帰り道。
「――リチェス・ディスタブ・マモーナス! 眩め、迷える胡蝶の如く!」
 指を鳴らした瞬間、周囲一帯から黄金蝶の群れが飛びたった!

 では種明かしといこう。
 今使った魔術は本来、相手を惑わせる類のものだ。ただし副次効果として、周囲の無機物を黄金の蝶に変化させる。
 無機物――つまり、この場合はトラップ。仕掛けロープだろうとトラバサミだろうと、落とし穴を隠す網だろうと問答無用だ。
「罠解除は専門じゃないっすからねぇ。これで全部綺麗綺麗っすよ」

 と、その時、木の上からボトリと何かが落ちてきた。そいつは鎌首をもたげ、口を開いて威嚇してくる。
『シャーッ』
 蛇だ。生物だ。ノット無機物だ。
「……あ、はは。――逃げるが勝ちっす!」
 全力ダッシュ! 怪盗(休業中)たる者逃げ足も華麗に、木々の向こうへと姿を消すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『メガリスの封印を守護する巫女』

POW   :    島風を纏いし風の巫女
対象の攻撃を軽減する【島の加護を受けた巫女】に変身しつつ、【軽減した攻撃を上乗せした扇の起こす風】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
SPD   :    メガリス封印結界
【メガリスの封印を死守する霊力の高い巫女】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[メガリスの封印を死守する霊力の高い巫女]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
WIZ   :    鎮魂の舞
【仲間と力を合わせた魂鎮めの舞】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●封印結界
 生い茂る草木を掻き分けた先にポツンと祠が建っていた。
 人一人中に入るのがやっとという大きさのその前で、幾人もの巫女達が集まって舞を踊っている。
 そして、一人がこちらに気付いて驚きの声をあげた。
「……えっ、猟兵!?」
 やがて二人、三人、気付く者が増えるにつれてざわめきが大きくなっていき……苦虫を嚙み潰したような顔で告げられる。
「くっ、今はお前達の相手をしている場合ではない! 帰れ!」
 そうはいかない。コンキスタドールを放置しても百害あって一利無しだ。
 巫女を倒し、怪物も倒す。そしてメガリスは回収させてもらう!
マホルニア・ストブルフ
帰れと言われてもな……こちらはその祠に用があるんだ。ダンスの邪魔はしないから、こちらにも構わないでいてくれないかね?――だめそうね。なら一緒に踊ってくれるかしら。
ユーべルコードを使って加速しつつ、【アサルトライフル】で扇を狙おうか。風使いかな、これでも弾が流されるわね。【レヴィアスク】に持ち替えて【知覚端子】を風で流されていいよう広く展開、【情報収集】しながら距離を測り【怪力】と【グラップル】で無力化していきましょうか。手も足も出るおばさんでごめんなさいね。
一人に聞いてみようかねぇレヴィアスク、こんなところで何をしていたの?


フォルク・リア
「例え此処を守るものがどれだけいたとしても
引き下がるわけにはいかない。」
敵に先手を取られる前に【高速詠唱】で
冥雷顕迅唱を発動。
魔力を拡散して【範囲攻撃】を行い。
雷や雷弾による感電にる【マヒ攻撃】敵の舞を妨害し
敵を倒す事よりもまずは
敵全体に舞の攻撃を行わせない事を重視して
【残像】を発生させながらの【ダッシュ】で移動し
的を絞らせない。と同時に
【2回攻撃】などにより攻撃を継続的にかつ
雷を広範囲にばらまき
敵を攻撃するだけでなく
同時に地形や大気を雷で満たして雷を纏い。
術だけでなく敵集団に接近して
雷撃を伴った打撃攻撃により集団を崩していく。
「悪いがこのまま、雷光の中に消えて貰う。」
と掌から雷撃を放つ。



「帰れと言われてもな……こちらはその祠に用があるんだ」
「例え此処を守る者がどれだけいたとしても、引き下がるわけにはいかない」
 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)、そしてフォルク・リア(黄泉への導・f05375)は共に答える。そうだ、帰れと言われて帰るのならば最初からここには来ていない。
 そっちこそ、と続けるマホルニア。
「ダンスの邪魔はしないから、こちらにも構わないでいてくれないかね?」
 それを聞いた巫女は、話にならない、そう鼻を鳴らして扇を構えようとして。
「――その荒ぶる閃光、我が意のままに獣の如く牙を剥け」
 それよりも早く、フォルクの拡散する雷に動きを止められるのだった。

 太陽を遮る木々の葉を貫き戦場に落ちた雷。
 主筋から枝分かれしたいくつもの側撃雷は、より通りやすい道を求めて巫女達へと降り注ぐ。
『きゃあっ!?』
 上がる悲鳴、先んじて大半を行動不能にされてたちまち混乱する巫女達。
 そして、雷と混乱に満ちた戦場の中を今度は純白のローブが迸る。
 纏った雷の発光が帯を成すほどの高速移動。決して一所に留まることなく駆け抜けて、無事な者、立ち直りそうな者から優先的にその拳で沈めていくフォルク。
「さっき見せてもらった舞は厄介そうだったからね、やらせはしないよ」
 そして、再びの轟雷。

「くっ……無事な者は集まれ! 力を合わせて押し返すぞ!」
 一方的にかき回されているにも関わらず敵の士気は高いままだ。死守――死んでも守ると言うだけのことはある。
 倒れた仲間を盾に、倒れそうな仲間を見捨て、それだけの犠牲を払ってようやく数人の巫女達が合流する。どこからともなく風が吹き、彼女達を周囲を覆っていく。
 だがもう遅い、既に舞台は整った。
「悪いがこのまま、雷光の中に消えてもらう」
 二度の落雷で戦場に満たされた電荷、その全てがフォルクの下に集う。見せつけるよう開かれた十指には、奇妙な言い方になるが、槌が握られていた。
 天空の槌。時にミョルニルとも呼ばれ、打ちつけられる音で天下を畏怖せしめた物。
 雷霆。偉大なる大自然、その一杖が道を拓く。
『真羅天掌』
 目と耳が正常に戻った時、彼の前に敵の姿は無かった。

「ば、馬鹿な……猟兵とはこれほどまで――っ!?」
 戦場の一角を完全に制圧された。その事に目を剥いていたリーダー格の巫女だったが、己を狙う凶弾に寸での所で気付く。
 ビシリ、防いだ扇がひび割れる。銃弾の主――マホルニアが眉をしかめた。
「弾き飛ばしたかったけど……流されるわね。ならこうしましょう、レヴィアスク」
 その声に応えて青い小竜が姿を変える。弓成りの両刃剣がマホルニアの手に握られて、くるくる、ひゅんひゅん、風を切る。
「さあ、一緒に踊ってくれるかしら」

 振り下ろした刃が紙一重で躱される。横薙ぎの一閃があと少しだけ届かない。
 けれどそれもここまで。知覚端子の散布がようやく完成した。
 大気の流れが手に取るように分かる。敵の動きを補助していた風が、その向きを変えようとしている。
 カウンターだ。こちらの斬撃を避け、その勢いのままに放たれる返し技。
 たった今振り抜いたばかりの剣を斬り返す余裕は無い。だからマホルニアは――レヴィアスクを手放した。
 パチリ。出来たことと言えばただ左手を鳴らしただけ。けれどそれで全てが変わる。
 世界が遅くなる。肉体が速く動く。増強されたリソースによる高速演算がさらなる一手を可能とする。
 一歩踏み込み右手を伸ばし、敵の首筋を掴み上げた!
「がっ――!?」
「手も足も出るおばさんでごめんなさいね。さて、こんな所で何をしていたの?」
 ぎりぎりと締め上げられた巫女は、封印が、と苦し気に呻くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アリス・ラーヴァ(サポート)
凡そステレオタイプなパニックホラーやSFホラーの蟲型クリーチャーに優しい少女の心を持たせた生物です
無邪気で心優しく、皆と幸せに共存できたら良いと思っています

方針は、人々と世界を守る事を第一とし次に本能としての食べる事と様々な世界で増える事

純真で他者の指示に素直に従いますが、敵対存在は有機物無機物問わず全て捕食対象の雑食系女子

硬い甲殻に守られ大抵の物を切り裂く爪と牙を持っている為生命体として極めて強靭ですが逆を言えばその程度
物理的な手段しか採れません

全ての行動は、数に物を言わせたごり押し戦法
知能は年齢相応の人間並みです
群体という特性上自分達の損害には無頓着、やられ役や引き立て役にどうぞ


コーデリア・リンネル(サポート)
 アリス適合者の国民的スタア×アームドヒーローの女の子です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪いと「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

内気な性格のため、三点リーダーや読点多めの口調になります。
ですが人と話すのが嫌いでは無いため、
様々な登場人物とのアドリブ会話も歓迎です。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


森乃宮・小鹿
ホントの事言うと全員に見つからないままそろーっと忍び込みたかったんすが
見つかったならしゃーないっすね

安心してくださいな
ボクは危害を加えるつもりないっすから

まじないを唱えて契約の強制執行
真面目な巫女の皆様に力をくれてやりましょう
デビルズ・ディール!その頭へと悪魔の角を!
その角があるだけでもれなく皆様の戦闘能力がアーップ!
いやー、よかったっすね、強くなれましたよ!
これで向かうところ敵なしっすけど……

跪け

頭を操作して地面に打ち付けますよ
その頭はもうただの飾り
どんなに望んでも思う通りには動けないでしょうよ
さあ、しっかり地面におでこ擦り付けて

あとは他の猟兵さんに任せましょっか
ボクって非力な美少女ですんで



 猟兵達の乱入にも関わらず、即座にその対応に向かったのは半数に過ぎない。
 では残りの半数が何をしているかと言うと、相変わらず舞だ。祠の前で何人も、何かを鎮めるかのように厳かな儀式を続けている。
 しかしそれも強制的に終わりを迎えた。ドンと、舞っていた巫女が何も無いはずの所で何かにぶつかる。
 よくよく見て見ればいつの間にか、透明なガラスの壁がそこかしこに出来ているではないか。
「す、すみません……お邪魔します」
 その正体は、コーデリア・リンネル(月光の騎士・f22496)の作り出したラビリンス。狭い通路の中ではろくに踊ることも出来はしない。
「どういうつもりだお前! 早くこれを解除しろ!」
 怒鳴る巫女達、けれどコーデリアは一歩も引かない。
「メ、メガリスは大事な物なので……悪いことには使わせません……」
 弱気に、しかしはっきりと。彼女は世界を守る意志を貫く。

 迷宮を蟲の群れが進軍する。ギチギチと顎を鳴らしながらテレパスで意思疎通。
 彼女達の名はアリス・ラーヴァ(狂科学者の愛娘『貪食群体』・f24787)。親に愛され育てられた、ごく普通の女の子である。――普通とは一体何だろうか。
「ギチギチ!(アリスは妹達と一緒にがんばるよー)」
 とにかく中身は善良な少女。悪いオブリビオンを倒すべく、妹達と手分けしてあっちをウロウロ、こっちをウロウロ。
 物量作戦、この手に限る。そう言わんばかりに迷路を踏破していくアリス達。
 敵に辿り着いた個体が返り討ちにされてもなんのその。数の暴力が迷宮を制覇する。
「ギイィィィ! ギチギチギチ!(ガブっとしちゃえ~)」
「きゃあああああ!?」
 前肢が引き裂き牙が噛み千切り、敵という名の獲物を捕食していく。

 ところで。
 千差万別な姿を持つ猟兵だが、それで何か不都合を受けるといったことは通常無い。
 一般人は猟兵の姿を見ても違和感を覚えないよう不思議な力が働いているし、オブリビオンは相手がどんな姿であれ『猟兵』という敵だと一目で分かるからだ。
 なので『たくさんの蟲による蹂躙』というこの光景、一番ダメージを受けるのは実は同じ猟兵だったりする。
「この人は仲間、この人は仲間……怖がっちゃだめ……」
「ギチギチッ?(どうしたのーだいじょうぶー?)」
 中身は良い子なのだ、本当に。

 閑話休題。

 偶然にもすぐに合流できた巫女達のグループがいた。彼女達が力を合わせて起こした風は、狭い通路ということもあり凄まじい暴風として敵対者を押し流している。
「ギチィー……(あーれー)」
 手も足も出ずにコロコロ転がっていくアリス達。猟兵の攻勢を退けて、けれども巫女達の顔は晴れない。
 早く封印を、そう呟きながら祠の方をチラチラ。一刻も早く迷宮を脱しなければならない理由があるらしい。

「皆さんお困りのようっすね!」
 そこへ声を投げたのが森乃宮・小鹿(Bambi・f31388)だった。ガラス越しに巫女達へとにこやかに話しかける。
「安心してくださいな、ボクは危害を加えるつもり無いっすから」
 当然ながらブーイングの嵐。本能的に敵だと分かっているのだ、是非もあるまい。
「いえいえ、戦うなんてとてもとても。ボクって非力な美少女ですんで」
 じゃあ何をしに来た、そう言われた小鹿は満面の笑みを浮かべて告げる。
「真面目な巫女の皆様に力をくれてやりましょう。――デビルズ・ディール! その頭へと悪魔の角を!」
 それは悪魔のお呪い。取引? 契約? いいや違う。同意は不要、返品無用、魔界流の押し売りだ。
 巫女達の頭部に角が生える。黒曜石のように輝く立派な角だ。これであなたも今日から悪魔、悪魔パワーでワルを為せ。
「その角があるだけでもれなく皆様の戦闘能力がアーップ! いやー、よかったっすね、強くなれましたよ!」
「……本当か?」
 恐る恐る巫女の一人が壁を殴ってみれば――なんとヒビが入ったではないか。続ければ簡単に壁を壊せるだろう。
「やった、これなら祠へ行ける! そこのお前、恩に着るぞ!」
「感謝は態度で示してほしいっすね。何が言いたいかっていうと――」

「跪け」

 次の瞬間、巫女達は頭を地面に打ち付けていた。もっとも彼女達の意思では無いが。
「ぐっ――!? 何だこれは……騙したな!?」
「人聞きの悪い。……いや悪いのは良いことっすよね……とにかく、力を得られるのは本当っすよ」
 ただしお礼はしっかり頂くっすけどね、悪魔なので。そう続ける姿はまさに悪魔!
「さあ、しっかり地面におでこ擦り付けて。ぐりぐりー」
 タダより高い物は無い。良い子も悪い子も気を付けよう。
「それじゃ、後は任せたっすよ」

 大勢居た巫女達も残りわずか。そしてその残り数人は無力化されたも同然だ。
「わ、分かりました。今迷宮化を解きますから……少し離れて、いてください」
 見逃すという選択肢は無い。ならばせめて痛み無く、そう思ったコーデリアはビームキャノンを取り出した。
「あなた達が、せめて安らかに眠れます様に……」
 役目を終えたラビリンスが消えていく。ビームキャノン――フォトンサイクロンのリミッターを外し、マルチプルモードに変更する。
 銃身の内側でエネルギーが高まってゆくのを感じ、狙いを付けるコーデリア。引き金に指をかけて深呼吸。
「ゆっくりでいいっすよー」
「ギチギチ!(がんばってー)」
「は、はい。……いきます!」
 名付けるならばそれは『無音の慈悲』。声も無く、音も無く、幾筋かの光が敵の心臓を貫いた。
 メガリス封印結界、ここに解かれる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『アイオーン』

POW   :    分裂修復
全身を【白金のナノマシン】で覆い、自身が敵から受けた【負傷】に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得る。
SPD   :    純粋なる破壊者
【拳】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    名もなき怪物
【自我を封印する】事で【伝説の海の怪物】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フルカ・アルカです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●断罪機関銃
 『それ』が音だと気付いたのは、『それ』の方を向いてからだった。

 祠が吹き飛んでいた。

 バガァン、と。そんな音だったなと思い出させる、粉々に砕かれた祠の破片が舞う。
 呆気に取られた猟兵達の隙を突き、捕まっていた巫女が逃げ出す。
 その巫女を土煙の中から現れたいくつもの手が指差して。
 天から光が一、二三四五六七八九十。
 最後の巫女が倒れ、その場に立つコンキスタドールはただ一体。
 合成生物。失敗作。――怪物。
 アイオーンが、そこに、いた。

 どうしてこんなジャングルの奥に封印されたのか、猟兵達は朧気ながらも理解する。
 指差す為には視線が通っていなければならない。茂った木々は遮蔽物ということだ。
 そして巫女達がしきりに祠を気にしていた理由も――封印は限界だったのだ。
 王は隠れ、巫女は絶え、怪物を止める者はもはや居ない。

 いいや、まだ猟兵達が残っている。猟兵達こそが最後の希望だ。
 怪物の首元でロザリオが煌めいている。メガリスは秘宝だ、所有者から無理矢理引き離すことは出来ないだろう。
 怪物を倒し、メガリスを回収し、帰って祝杯を挙げようではないか!
森乃宮・小鹿
うっわ、ホントに手ぇいっぱいある
思い付いた人もよく実行しようとしたっすよねぇ
とにかく攻撃の隙を見極めないといけないんすが……

いや意外と理に敵ってるっすねこの手の多さ!逃げ切れる自信皆無っすよ!
でも、ええ、多少の怪我を我慢したおかげで弱点は見えたっすよ!

長いまじないを何とか唱えて
一度でいい、やつの身体に右手で触れる
凍えろ、凍えろ!黄金に凍えて、汝美しき静寂となれ!
ウェルス・サイレス・マモーナス!止れ、寂たる樹氷の如く!
黄金化の呪いで身動き取れなくしてやるっす
動きが速ければそれだけ呪いも進行が速まるっすよ

さあ、さあさあさあ!
アンタのお宝!メガリス!
怪盗バンビちゃんが真っ向から頂戴してやるっすよ!


フォルク・リア
メガリス持ち帰り希望。

「現れたか。確かに
封印されたというのも頷ける凶暴性だ。
しかし凶暴なだけならただの獣。
如何に力が有ろうと負ける訳にはいかない。」

拘束する闇の黒鎖を発動し周囲に鎖を展開、防御を兼ねた
【カウンター】での捕縛を試みるが。
敵が海の怪物に変身したらジャングルの
【地形の利用】をし姿を隠し。
鎖にも影の【迷彩】を施し敵の来そうな所に伏せる。
敵が追ってきたら鎖を隠した所に誘導しつつ
敵の注意を鎖より自分に向ける為に
呪装銃「カオスエンペラー」で攻撃。
反撃を受けても隠した鎖を仕向け腕の動きを封じる。
「腕を封じればメガリスも使えないだろう。
このまま倒させて貰う。」
鎖で縛りカオスエンペラーで攻撃。



 ダダダダダ。無音のはずなのにそんな幻聴を錯覚するほど激しく光が降り注ぐ。
 幹を穴だらけにされた木がバキバキと音を立てて崩れ落ちる刹那、フォルク・リア(黄泉への導・f05375)はその陰から素早く飛び出した。
「確かに封印されたというのも頷ける凶暴性だ。しかし――」
 新たな木の陰へ隠れながら呪詛を唱えるフォルク。すると影がひとりでに蠢き形を変えだした。彼の体を足元から覆うように登ってゆき、最終的に指先へと収束する。
 闇の黒鎖。肉体ではなく魂を拘束する呪術。
「凶暴なだけならただの獣。如何に力が有ろうと負ける訳にはいかない」
 ジャラリ、形無き鎖の音と共にフォルクは狩りを開始する。

「いや結構きついっすねこの手の多さ! 逃げ切れる自信皆無っすよ!」
 森乃宮・小鹿(Bambi・f31388)は走り続ける。止まれば死ぬと確信したがゆえに。
「弱点は見えたっす、見えたっすけど……どうやって近づけと!」
 後ろから怪物が追ってくる。その速度は途中からぐんと増して、指先の狙いも正確になってきた。だが何より恐ろしいのはその拳だ。
 試しに近づいた時には肝が冷えた。振りかぶられた無数の拳の圧は凄まじく、当たっていたら木端微塵だと直感した。祠の二の舞はごめんだ。
 ああ、けれど近づかないと秘策は繰り出せない。少しで良いから奴の動きが止まれば、そうすれば攻略出来るのに――!

「こっちだ、怪物!」
 その時、戦場に声が響いた。声の方へ振り向こうとした怪物の顔へバシバシと何かが当たる。
 呪装銃『カオスエンペラー』。フォルクの呪い道具による死霊の弾丸だ。
 ギロリとフォルクを睨みつけて怪物がターゲットを移す。怪物が足を動かすと共にフォルクもまた踵を返した。
 逃げる。追う。先程と役者を変えて繰り返される逃走劇。
 違うのは逃げ役からも攻撃が繰り出されること。付かず離れず、怪物が再び狙いを変えることの無いよう引き付ける。
 そして。
 邪魔な木を粉砕した怪物がその向こうへと足を踏み入れた瞬間、無数の黒鎖がその体に纏わり付き締め上げた!
(……よし、成功だ)
 自らを囮に罠へと誘い込む。作戦の成功にフォルクは内心胸を撫で下ろす。
 ジャングルで見てきたトラップの数々。あれが怪物対策ならば怪物には罠が有効だと、その考えが見事にはまったのだ。
「腕を封じた。このまま倒させて貰う」
 合成生物の歪な魂ゆえか、拘束は長く持ちそうにない。それでもフォルクは真正面から銃を向ける。
 怪物に、その背後へと注意を向けさせないために。

「――凍えろ、凍えろ! 黄金に凍えて、汝美しき静寂となれ!」
 フォルクの声を聞いた直後から小鹿は呪文を唱え始めていた。
 理解したからだ。特に事前の取り決めがあった訳では無い、それでも確かに彼の狙いは一瞬で伝わった。
(アンタが作ってくれる隙、絶対無駄にはしないっすよ!)
 敵の気を引かないよう小声で、けれどはっきりと。詠唱を続けるにつれて花と剣の紋章が人知れず輝く。
 そして、その時が来た。
 鎖に縛られて動けない怪物に、後ろから駆け寄り右手でその背を優しく撫ぜる。
「ウェルス・サイレス・マモーナス! 止れ、寂たる樹氷の如く!」
 奇襲に気付いた怪物が強引に振り向き五本の右腕が振りかぶられる。けれどもう遅い、黄金の呪詛は完成した。
 ――五つの腕が黄金と化し、怪物の動きが一気に鈍る!
 速く動くほど早く固まる黄金の呪詛。増大したスピードはもはや無意味となった。
 何よりも、何よりもだ。
 固まった拳が罪人を指し示すことはもう無い――!
「さあ、さあさあさあ! アンタのお宝! メガリス! 怪盗バンビちゃんが真っ向から頂戴してやるっすよ!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マホルニア・ストブルフ
◇メガリス持ち帰りは「意外と便利ね」、他希望者持ち帰りは「神様(ロザリオ)とは相性悪いのよねぇ、どうぞ」

事前に聞いてはいたけれど、見た目も能力も凄まじいわね。先ずはなんと言ってもあれに補足されないようにしないとな。

◇光学粒子・知覚端子連携で周囲の景色に【迷彩】で隠れつつ、枢式用弾倉を装填して拡張義体を使って【ダッシュ】で射程圏内に近づくよ。相手が近づくのは端子たちの【情報収集】で把握して対処しつつ、UCを使用。
重力で腕なり体なり、一方向に引きずり込んで向けて貰えば、あとはいい的だな。


火土金水・明
「このまま、静かに眠っていてほしかったのですが、目覚めてしまったのであれば仕方がありませんね。」(メガリスに関しては、欲しい旅団の方にお譲りします。)
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は、【先制攻撃】で【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【コキュートス・ブリザード】を【範囲攻撃】にして、『アイオーン』が何処に移動しても巻き込めるようにして【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでもダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



 黄金と白金がせめぎ合う。つかの間の均衡は少しのきっかけで容易に崩れるだろう。
 ぎこちない動きでなおも戦意を示す怪物に対し、マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)は呆れたように息を吐いた。
「見た目も能力もだけど、何より暴れぶりが凄まじいわね。流石は怪物って所か」
 ぼやきつつも光学粒子を身に纏う。半壊した状態でもまさか無防備には近づけない。
「まずは何と言ってもあれに補足されないようにしないとな」
 集まった粒子は一瞬だけ主の髪と同じ青に煌めいた後、緑をベースとした迷彩色と化して周囲から彼女を隠していった。

「あのまま、静かに眠っていてほしかったのですが」
 黒のウィザードハットを深く被り直し、火土金水・明(夜闇のウィザード・f01561)は首を振る。長いポニーテールが合わせて揺れた。
 足のみに狙いを変えて束縛し続ける黒鎖によって怪物はその場に釘付けにされている。今こそ災厄を鎮める時だと言えるだろう。
「目覚めてしまったのであれば仕方がありませんね。今度こそ永眠して貰いましょう」
 その手に構えるのは七色の杖。正統派の魔術師として明は怪物に引導を渡す。

「我、求めるは、冷たき力」
 幾度となく口にしてきた詠唱を紡ぎ上げる。
 何百本もの氷の矢を放つそれは、けれどもただの基本部分。今この状況に応じて性質を変化させるべく明はさらに口ずさむ。
「万象貫き――っと!」
 瞬間、五つの光が彼女を貫いた! ――かと思えば瞬きの後には明の姿が消え去っているではないか。
「残念、それは残像です。さて、続けましょうか」

 取り出した弾倉をレヴィアスク――相棒の小竜が変化した二丁拳銃へと装填するマホルニア。
 敵の動きは鈍いままだ。だが『代弁者のロザリオ』による遠距離攻撃はむしろ離れている時の方が危険だ、油断は出来ない。
 彼我の距離はやや遠い。敵を射程に収めるためには走って一気に近づくしかない。拡張義体が行う最適化の完了を待ちながら、マホルニアはじっと機を伺う。
 ――三、二、一、今!
 避け続ける明に気を取られている怪物へと駆け出す。黄金化を逃れた左腕達が罪人に気付いた頃には時既に遅く、二つの銃口が偽りの代弁者達へと向けられる。
『位相系枢式:叫ぶ大釜(ニヴルヘイム・フヴェルゲルミル)』
 放たれた弾丸が怪物の至近で炸裂した。球形の小さな暗黒空間が形成される。
 次の瞬間、五つの指先全てがマホルニアから黒い球へと狙いを変えたではないか!
 そして天から降りそそぐ五つの光――しかし暗黒へと突入した光は対象を貫くこと無く飲み込まれてしまった。
 怪物はというと、強烈な力で引っ張られたかのように全く左腕を動かせないでいる。
「光さえ飲み込む事象の地平線よ。後は良い的だな……ね、【shela】」

 第一から第五の腕、黄金化により指定不能。
 第六から第十の腕、超重力により指定不能。
 回避運動、黒鎖の束縛により実行不能。
 ここまで状況が揃うことは後にも先にもこれ一度きりだろう。まさか自分が託される側になるとは――意外だけれども気分は良い。仲間達の想いは確かに伝わった。
「なら、応えない訳にはいきませんね」
 追加詠唱――範囲化を破棄、目標を収束。
 哀れな合成生物に永久の眠りを。
「魔法名『コキュートス・ブリザード』……発射!」
 矢が、無数の矢が一丸となって怪物に迫る。怪物は頭部と胴体を右腕でかばい、黄金が砕け散ってゆく。
 そして、右腕が完全に無くなったのと同時に矢が尽きた、そう思われたその時。
「残念でした……本命はこちらです!」
 遅延発動された第二波が、先程よりも多くの矢が、怪物を貫き凍らせ砕き尽くした!

●神の代弁者
 渦潮より東に十一、南に四十。
 終の王笏島に接岸した鉄甲船の中で、回収したメガリスの行く末が決められようとしていた。
 持ち帰りの意欲を表明したのは小鹿、フォルク、マホルニアの三名。それを今回の件に関わった多喜、アリス、コーデリア、明の四名とグリモア猟兵が観客兼証人として見守っている。
 ルールは以下の通りだ。

 100面ダイスを振り、最も小さい目を出した者の勝ち。
 【00】を最小とする。
 活躍に応じて振り直しボーナス。

「と言っても三人とも条件は同じっすけどね」
「俺としては一度で済ませても構わないが」
「こういうのは一喜一憂していくのも醍醐味だろう」

 はたして、秘宝は誰の手に渡るのか。
 神の代弁者<100面ダイス>が運命を告げる。

 一回目(怪物戦)
 【35】小鹿
 【92】フォルク
 【15】マホルニア

 二回目(巫女戦)
 【68】小鹿
 【47】フォルク
 【29】マホルニア

 三回目(探索行)
 【42】小鹿
 【75】フォルク
 【04】マホルニア

「あーっ、悔しいっす! やっぱり予告状は必須っすね!」
「一度研究してみたかったが残念だ……おめでとう」
「大分偏ったねえ。これも何かの縁だ、ありがたく頂くよ」

 こうして、王の遺産を巡る戦いは一先ずの決着となるのだった。

●最終結果
 メガリス:代弁者のロザリオ
 所有者 :マホルニア・ストブルフ

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月17日


挿絵イラスト