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難攻不落の地下基地攻略作戦

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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●地下基地ブロープス
 山と海に囲まれた海岸沿いに軍港があり、国境を守る国の要所としてその名を知られていた。
 山は険しくまともな道は本国に通じる一本しかない。軍勢で攻めるには海しかないが、砲撃しても地上には防衛施設や簡易の建物しかない。その本拠地は地下にあった。基地関係者しか知らぬ地下へのルートが幾つもあり、キャバリアのゲリラ戦によって侵略者を撃退してきたのだ。
 難攻不落の地下基地の名はブロープス。今まで一度も侵入を許したことのない鉄壁の要塞である。

「将軍! もうこんな事はおやめください!」
「こんな事とは何の事かね?」
 無骨な地下基地の中でも特別に豪華に設えられた応接室。その立派な椅子に座る初老の将軍に、若き将校が机を叩いて詰め寄る。だが顔色一つ変えずに将軍は机から葉巻を取り出して先端をカットした。
「兵器の横流しのことです!」
 声を荒げる将校の言葉に、一瞬だけ将軍は動きを止めたが、マッチを擦り葉巻に火をつけてゆっくりと煙を吸う。
「ふぅ……どうしてそう思ったのかね?」
「ごほっ、私の部隊のキャバリアの予備パーツの在庫が足りてないのに気付いたのがきっかけでした。調べてみれば弾薬も無くなっている。他の部隊に流れているのかと思えば、他の部隊も足りていない。この基地から無くなっているのです!」
 濃い煙が吐き出され、咳込みながら将校が説明する。
「ふむ、勘違いではないのかね? どうやって外に運ぶというのだ?」
「陸路も海路も普通なら無理でしょう。ここは要塞。物が入ってくるばかりで出ていく時は目立ちますから。しかし、一つだけ見つからない方法があります」
「ほう? 言ってみたまえ」
「水中です。我が国が誇る水陸両用キャバリア『ウォッグ』を使えば可能です!」
 将校が断言すると、長い沈黙が煙と共に部屋を満たす。
「……認めよう。だがどこでも小遣い稼ぎなどやっていることではないかね?」
「その程度でしたら私もこうして直訴はしませんでした。将軍、貴方は他国に兵器を流している! それも敵国にだ!」
「ふぅ~……そこまで調べ上げていたのか……」
 真っ直ぐ視線を向ける将校の目を見返し、観念したように将軍が嘆息した。
「どうしてですか、ゴックス将軍。貴方は長年この基地を守り続けてきた英雄ではありませんか!」
「ふふふふふ……英雄か。華々しく他国へ攻める首都の奴等が私を何と呼んでいるか、知っておるかね?」
「それは………」
「ふ、モグラだよ。地中に隠れてこそこそと敵をやり過ごすとな。そんなことなら誰でもできると、この基地に送られる予算も年々減っている」
 ギロリと狂気を宿す目で将軍が虚空を睨みつける。
「ならばやってみればいい。『ウォッグ』を一部隊組み立てられるだけのパーツを送ってやるつもりだ。数が揃えばこの要塞を迂回して川を使い、首都へと電撃戦を行う事も可能だろう。奴等も泥にまみれるような防衛戦をしてみればいいのだ!」
「あ……貴方は……狂ってる……!」
「安心したまえヴォルト少佐、貴君も狂うのだ」
 ふぅっと煙を吹きかける。すると意識が朦朧として将校が崩れ落ちる。葉巻の煙に麻酔成分が入っていたのだ。
(説得できなかったか……すまん皆、後は頼んだぞ……)
 将校は薄れる意識の中で、失敗すれば決起する予定の仲間達に希望を託した。
「さあ、誰も彼もがモグラのように隠れ潜み、無様に戦うがいい!」
 部屋には煙を吹き飛ばすような、狂った笑い声が高らかに響いていた。

●グリモアベース
「諸君、クロムキャバリアにある小国、ブロウ国のゴックス将軍がオブリビオンマシンに狂わされ、兵器を敵国に流して戦争を激化させようとしているようだ」
 バルモア・グレンブレア(人間の戦場傭兵・f02136)が新たな事件の説明を始めた。
「それに気付いた一部の部隊が革命軍を名乗り武装蜂起によって将軍を倒そうとしている。諸君にはその部隊に協力して、混乱に乗じて基地内に在るオブリビオンマシンを破壊してもらいたい」
 一般人の守る基地へ普通に攻め込むのは困難だ。だが反乱に乗じて入り込めば、猟兵が与える被害を最小限に抑えることも可能だろう。

「基地は地下の鍾乳洞を改造して根を張るように広がり、地上から入る為の通路は隠されている。武装蜂起した革命軍は港から行動を起こし、キャバリアで海中にある警備の薄い通路を利用して侵入するつもりのようだ」
 水中で行動できる水陸両用キャバリアを主力とする基地ならではの出入り口が隠されている。
「諸君には地上で騒ぎを起こし、その侵入が成功するように陽動してもらいたい」
 革命軍の侵入が上手く行けば内部で騒動になる。

「陽動を終えればその海中ルートを通って侵入してもらう。足に使えるように水陸両用キャバリアを用意してあるので利用してくれ」
 一人に一機のキャバリアが用意されている。それを使えば水中を移動する事が可能だ。
「内部では革命軍と防衛軍のキャバリア戦が始まっている。革命軍は奇襲によって一時優勢に立っているが、精鋭部隊が現れると一気に崩れてしまう。そこで諸君には精鋭部隊を迎撃してもらいたい」
 精鋭部隊は普通の兵士だが、オブリビオンマシンと遜色ない戦闘力を誇る。
「革命軍が優勢に事を進めれば、ターゲットであるオブリビオンマシンが姿を現わす。他とはカラーが違い赤く塗装されているのですぐに判別がつくだろう。それを撃破すれば任務は達成だ。後の事は国の人々に任せ諸君は帰還せよ」
 オブリビオンマシンの影響がなくなったのなら、現地の情勢はその国の人々に任せるのが一番だろう。

「オブリビオンマシンの洗脳を受けているのはゴックス将軍とそのパイロットの二名だけだ。しかし上の命令に従うのが軍人というもの。最小限の労力で最大限の被害を出す方法といえるだろう」
 上層部が洗脳されれば、起きる被害は甚大なものとなる。一兵士であったバルモアも過去を振り返り苦い顔で世界を繋ぐゲートを開いた。
「敵の思惑通りに被害を出すのは業腹だ。可能な限り兵士を殺さず、被害を最小限にしてオブリビオンマシンを撃破せよ!」
 被害を少なくする事こそが、オブリビオンマシンの破滅的な企みを阻止する一番の対抗策だった。


天木一
 こんにちは天木一です。
 戦争お疲れ様でした。今回から平常シナリオに戻ります。
 クロムキャバリアにある小国で、基地の司令官を洗脳するオブリビオンマシンを撃破する任務となります!

 第一章は革命軍が侵入するのを援護する為、地上で陽動して基地の気を引くこととなります。地上は砲撃や偵察用キャバリアが防衛し、山岳方面には地雷が仕掛けられています。

 第二章は海中から地下基地へと侵入し、革命軍と共同戦線を張り防衛軍の精鋭キャバリア部隊と戦う事となります。ゲリラ戦を得意としています。鍾乳洞内で光源も最低限で薄暗く、海水が大きく溜まっている場所があったりする環境です。

 第三章ではオブリビオンマシンとの戦いとなります。エースパイロットのデニス少佐が搭乗しています。水陸両用機体に乗り続ける歴戦の兵士です。機体を破壊すれば、パイロットと将軍の洗脳が解けます。そうなれば指揮系統が混乱して、革命の成功率が高まるでしょう。

 貸し出されるキャバリアを使って戦う事も可能です。乗ったままユーベルコードを使用できます。

 複数人で参加する方は最初にグループ名などをご記入ください。
 プレイングの締め切り日などは決まり次第マスターページかタグにて。
 それでは難攻不落の地下基地に侵入し、オブリビオンマシンを撃破してください!
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第1章 冒険 『敵警戒線を突破せよ』

POW   :    対空砲火は覚悟の上、空中機動力と推進力を生かして強引に上空から突破する。

SPD   :    敵のレーダー施設や偵察型キャバリアを攻撃し、敵を混乱させてから突破する。

WIZ   :    隠密行動により、地雷原を巧妙に迂回して敵警戒線内へ浸透する。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●革命軍
「直談判に向かったヴォルト少佐から連絡がこない。説得は失敗とみていいだろう」
 港に集まったキャバリア部隊のパイロット達が、さりげなく周囲に注意しながら声を潜めて相談していた。
「ちゃんとした証拠があれば少佐が直接問いたださなくてもよかったのに!」
「仕方がない。この基地の殆どの兵士は将軍の信奉者だ。証拠を消すのも容易いことだ。真実を知る為には少佐が証拠があるとブラフをかける必要があった」
 部隊の隊長であるヴォルト少佐の安否を心配して兵士達は顔を暗くする。
「少佐の命令通り、革命を決行する。我々は今から革命軍だ!」
「了解!」
「目標は将軍の捕縛か抹殺だ。この基地は長年将軍一人の手腕で運営されてきた。将軍がいなくなれば命令系統は途絶える」
「勝てば首都にも将軍の叛意が伝わるはずだ。そうなれば情勢はこちらに傾く」
 作戦を確認し合い、兵士達は覚悟を決めて水陸両用キャバリア『ウォッグ』に乗り込む。
「スピードが命だ。戦力はこちらが圧倒的に負けている。遅れるものは置いていく。誰か一人でも将軍の元に辿り着ければいい。行くぞ!」
「「了解!!」」
 隠されていたキャバリア部隊が一斉に動き出し、海中へと飛び込んでいった――。

 それと同時に猟兵達も地上で動き出し、海へと注意が向かないように派手な陽動作戦が開始される。
シル・ウィンディア
【ウィンディア】
POWで判定

人助けの為にも頑張ろうか、テラ!

テラとともに空中から強襲!
高度に注意しながら【空中戦】と【推力移動】で接近
最大戦速っ!

敵の弾幕は【第六感】を信じて
弾幕や敵機の動きを【見切り】【瞬間思考力】で回避・防御

回避は【空中戦】で【残像】を生み出して攪乱
被弾時は【オーラ防御】で致命箇所を重点的にカバー

攻撃は
ホーミングビーム砲の【一斉発射】で【誘導弾】を放つよ
広域に行くように連射するね
避けた相手を【見切り】ビームランチャーで撃ち抜くっ!

接近したらビームセイバーで腕部や武装を【切断】していき
【高速詠唱】で隙減らした《指定UC》で攻撃だね

攻撃時はコクピットを狙わずに無力化させていく


テラ・ウィンディア
【ウィンディア】
取り合えず暴れればいいんだな
判り易くてOKだ
【戦闘知識】
基地の構造と部隊の練度
特に相手にとって破壊されると困るポイントの把握
シルと情報共有

【属性攻撃】
炎を派手に纏って存在感と危険度を相手に見せ

【空中戦】で高度に気を付けながら基地をシルと共に襲撃
ブラックホールキャノン召喚
人のいないキャバリア格納庫に【重量攻撃】による重力波砲

敵の攻撃は【見切り・第六感】を駆使して回避し【残像】を残しながら飛び回

【二回攻撃・早業・串刺し】
剣による連続斬撃からエンジン部分を槍で串刺しにして無力化

更に囲まれればUC発動
敵の精神のみを攻撃して意識を飛ばして無力化を狙う

中々難しいなシルっ
こういうのもさっ



●陽動作戦
 基地の地上部分は大きな建物が少ない。それでも最低限の防衛施設は用意され、偵察用のキャバリアも常時哨戒を行っていた。
「人助けの為にも頑張ろうか、テラ!」
「取り合えず暴れればいいんだな。判り易くてOKだ。一緒に大暴れしてやろう、シル」
 山林の中から基地を見ていたシル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)が振り返って声を掛けると、双子の妹であるテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)が頷いてひと暴れしてやろうと不敵に微笑んだ。そして二人は愛機に乗り込む。シルは【精霊機『ブルー・リーゼ』】に、テラは【三界神機『ヘカテイア』】を起動させる。
「まだこっちに気付いてないね。空中から強襲するよ!」
「空はおれたちの得意とする戦場だ。ヘカテイアの機動力をみせてやる」
 シルとテラは同時に機体を飛び上がらせ、基地に向かって飛翔した。

「飛来する物体在り! ……あれは……キャバリア! 飛行型キャバリアの襲撃です!」
「飛行型だと? どこの国のものかわかるか!」
「型番不明! 見たこともない機体です!」
「敵襲だ! 警報を鳴らせ! キャバリアは全機発進!」
 その姿を発見した見張りの兵士達が慌てて動き出し、大きなサイレンが鳴り響き兵士達が戦闘配置に着くと、各地の設置された砲台が動き出す。
「最大戦速っ!」
「練度は高いようだなっ」
 それに気づいたシルとテラは合わせたように速度を上げて基地の上空に入り、放たれるビームを回避した。そしてテラは機体に炎を纏わせて自ら目立って敵の注意を引いた。

「急いでキャバリアを出せ!」
「格納庫開けろ! 準備が出来た奴から出ろ!!」
 大きな格納庫の扉が開き、中の量産型キャバリアにパイロットが乗り込み発進準備を整え次々と外に飛び出していた。
「シル、あそこだ」
「格納庫だね、入り口を潰すよっ!」
 テラが示す場所へシルが【BS-Sホーミングビーム砲『リュミエール・イリゼ』】を発射して格納庫の入り口部分を粉砕し、テラは【BSブラックホールキャノン『プルートーの炎』】を地面に撃ち込んでキャバリアが動き回れないように整備された通路を粉砕する。どちらの攻撃も人を狙わず被害が出ないように配慮されていた。
「格納庫の入り口が! うあっ!」
「気をつけろ足場が悪いぞ! 遮蔽物に隠れて迎撃するぞ!」
 格納庫内に残っていたキャバリアが出れなくなり、発進済みのキャバリアも機動力が奪われた。ならばと防衛戦に慣れた兵士達は、機体を隠せる瓦礫や建物を使って身を隠しながら空飛ぶキャバリアへと銃撃を始める。

「その程度の弾幕じゃ当たらないよっ」
 シルは敵の攻撃を予測して機体を右に左にと飛ばして回避運動を取る。その動きによって残像が空中に残され、敵は惑わされて残像を攻撃していた。
「それに隠れてたって無駄だよ!」
 ブルー・リーゼからホーミングビームが一斉発射され、誘導される光線が瓦礫を砕き、弧を描いて建物を迂回し隠れる敵にも命中する。
「回避しろ!」
 隠れるのを諦め、兵士達はキャバリアを動かして直撃を避ける。
「火力の高い攻撃だとパイロットを殺してしまうな」
 ヘカテイアの武器を持ち換え、【紅龍槍『廣利王』】を手にテラは急降下させる。
「炎の奴が突っ込んで来るぞ!」
「近づかせるな! 迎撃ー!」
 兵士達は阻止しようと弾幕を張る。その光線がヘカテイアを撃ち抜いた。
「やった!」
「いや、消えたぞ!」
 撃ち抜かれた姿が幻のように消えていく。撃破したと思ったのはヘカテイアの残像。上に注意が向いている間にテラは回り込み横から接近していた。
「殺しはしないから安心しろっ」
 すり抜けながら槍を連続で下半身のエンジン部分に突き刺し、パイロットを傷つけずに機体を無力化していく。

「こいつ! 速い!」
 その背中に向けてキャバリアがビームライフルを構え右に左にと照準を合わせる。しかしその腕がずるりと切断されて落ちた。
「狙いをつける暇なんてあげないよっ!」
 シルがBXビームセイバー『エトワール』で腕を斬り落とし、さらに足を切断してコックピットは無傷なまま無力化した。
「中々難しいなシルっ」
 倒すだけなら簡単なのにと思いながら、テラは敵の放つビームを槍を回転させて弾き、腕を斬り飛ばす。だがその背後に敵キャバリアが迫る。
「こういうのもさっ」
 ユーベルコード『エレメンタルシェイド・スラッシュ・エクステンド』を発動し、回転するように振り向きヘカテイアの手に生まれた闇の剣で敵を両断する。しかしその刃は機体には傷一つ付けず、パイロットの精神だけを斬って気を失わさせた。
「でも、わたしとテラなら不可能じゃないよっ!」
 シルもユーベルコード『エレメンタル・スラッシュ・エクステンド』によってブルー・リーゼの手に生み出した光の剣を振るい、機体を損傷させずに気絶させる。その視界に砲台がこちらを向いているのを捉えた。
「誰もこんな望まない戦いで死なせたりしないっ」
 すぐにシルは【BSビームランチャー『ブラースク』】を発射し、直撃させずに砲台の近くを爆発させてその衝撃波で砲身を損傷させた。
「そうだな、おれとシルなら何だってできるっ」
 テラは槍を突き入れて敵の腕を吹き飛ばし、剣を振るうシルと背中合わせで大立ち回りを演じ、海の革命軍に意識が向かぬように敵の注意を十分に引き付けた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎

アイオライト・セプテンバー
愛機は軽量高機動型キャバリア、【ブルーテイル】
戦線に参加させて頂くわ

正しい志を持った人間ほど、オブリビオンマシンに狂わされれば慕っていた者たちに大きな悲しみを呼ぶ
この悲劇が長編になる前に、ピリオドを打たなければね
でも……それを行うのは革命軍の皆
私は手助けをさせてもらうわ

電撃戦の陽動役ね、そういうのは得意よ
この機体の【推力移動】による機動性と、私の【見切り】で砲火を縫いながら、派手に引っ掻き回してあげる
ユーベルコード【フラッシュ・トリガー】で可能な限りレーダーと偵察機を攻撃
突入の援護をするわ

速さなら、ちょっと自信があるの
私を捉えられるものならやってみなさい


村崎・ゆかり
クロムキャバリアに平和の文字はないのかしらね。いつも戦争ばかり。

あたしたちは陽動やればいいのね?
じゃあ、『GPD-331迦利』起動。(2回目以降はただ『迦利』の表記で可)
「式神使い」で制御しながら、「レーザー射撃」「制圧射撃」「弾幕」で、派手に敵キャバリアの注意を引き付けて。

ぞろぞろ集まってきたところで、「全力魔法」「範囲攻撃」雷の「属性攻撃」の九天応元雷声普化天尊玉秘宝経で一気にシステムダウンさせる。落雷に耐えきれる電子回路なんて無いでしょ。
こうして次々にキャバリアを無力化していくわ。

派手な雷鳴と紫電。これだけ暴れれば、陽動として十分よね。
それじゃあ、あたしも革命軍に合流させてもらおう。



●レーダー装置
「正しい志を持った人間ほど、オブリビオンマシンに狂わされれば慕っていた者たちに大きな悲しみを呼ぶ」
 小高い丘の上で愛機の軽量高機動型キャバリア【ブルーテイル・エクス】に搭乗したアイオライト・セプテンバー(〝ブルーテイル〟・f29954)が基地を見渡す。そこには任務に忠実に基地を守ろうとする兵士達の姿があった。
「この悲劇が長編になる前に、ピリオドを打たなければね」
 今なら最小限の被害で悲劇を終わらせることができると操縦桿を握る力を強める。
「でも……それを行うのは革命軍の皆。私は手助けをさせてもらうわ」
 この物語の主人公は兵士達自身であり、自分達はその手助けをするだけの脇役だと陽動役を引き受ける。

「クロムキャバリアに平和の文字はないのかしらね。いつも戦争ばかり」
 同じく村崎・ゆかり(《紫蘭(パープリッシュ・オーキッド)》・f01658)も武装された基地を見て、この世界はどこも国同士で争ってばかりだと溜息をついた。
「まあ、平和だったらあたしたちの出番はないのだろうけど」
 人同士ならともかく、オブリビオンが関わっているなら自分達猟兵の出番だと気を取り直す。
「あたしたちは陽動やればいいのね?」
 それならばと、逆三角形型の機甲式式神【機甲式『GPD-331迦利(カーリー)』】を起動する。
「これで敵の注意を引き付けるわ」
 ゆかりが自律行動が可能な迦利を遠隔制御して基地へと飛ばした。
「飛翔物発見! 三角形の……兵器と思われます!」
「迎撃! 弾幕を張って落とせ!」
 それを見つけた兵士達が砲撃を開始してビームが乱舞する。それを迦利を操作して躱させながらレーザーを放って反撃した。


「電撃戦の陽動役ね、そういうのは得意よ」
 続いてアイオライトはブルーテイルのブースターを吹かして空へと飛び出し、上空から基地を見下ろす。すると海側の灯台に海や周囲を索敵する大型レーダーと、それに連動する小型のレーダーを背中に装備した偵察型キャバリアが侵入者を探そうと動き出しているのが見えた。
「まずは基地の目を潰さないとね」
 レーダーを放置すれば万が一にも革命軍の動きが察知される可能性がある。そう考えてアイオライトはレーダーに強襲を仕掛けた。
「こっちからも敵だ! レーダーが狙われているぞ!」
「撃てぇ! 近づかせるな!!」
 兵士達は砲門を向けて一斉にビームを発射して撃ち落とそうとする。しかしブルーテイルの上下左右に動き回る機動力に翻弄され、当てることができない。援軍が加わりキャバリアも手にした実弾銃を空に向けて撃ちまくった。
「速さなら、ちょっと自信があるの。私を捉えられるものならやってみなさい」
 余裕を持ってアイオライトは砲火を縫うように進み、機体を縦横無尽に飛ばして敵の防衛陣を引っ掻き回す。
「あ、当たらん! なんという機動力だ!」
「いったいどこの国の新型だ! あんな空中機動見た事ないぞ!」
 砲台の射手が全く狙いを付けられずに驚愕していた。
「詮索は後だ! なんとしても基地を守れ! 最悪地下に潜れる準備をしておけよ!」
「了解!」
 防戦に慣れた兵士達は、撤退も視野に入れて砲撃を続けた。

「機動力に翻弄されているみたいね。ぞろぞろと集まってきて好都合だわ」
 キャバリアが集まる様子を見たゆかりは集中して魔力を高め、ユーベルコード『九天応元雷声普化天尊玉秘宝経』を行使した。
「何だ? 空が急に暗く……」
「光が――!」
 晴れていた空が突然曇って広範囲に稲光が迸り、幾つもの雷が轟き空より降り注いで地上のキャバリア部隊を貫いた。
「これでシステムダウンしたはずよ。落雷に耐えきれる電子回路なんて無いでしょ」
 見ればその予想通り、キャバリアの動きが止まっていく。
「動け! クソッ、電源が落ちてやがる!」
「駄目だ! 手動でハッチを開けて脱出するしかない!」
 強烈な電流の負荷が内部の電子機器をショートさせていた。少し火傷をした程度の兵士達は這う這うの体で機体から脱出した。
「中のパイロットも無事ね。ならこの方法で無力化していくわ」
 上手く内部の人間には大きな怪我をさせずに済むよう調整できたと、ゆかりは続けてまだ動いているキャバリアへと落雷を浴びせた。


「この雷も敵の攻撃なのか!」
「こんなタイミングで都合よく落雷が起きるものか! プラズマ系の兵器かもしれん! とにかく固まるな! 散開して的を絞らせないように行動しろ!」
 兵士達は雷を攻撃と判断し、バラバラにキャバリアで移動を開始した。
「残念だけど、それだと各個撃破してくださいと言っているようなものよ」
 そこへ疾風のように飛翔したアイオライトのブルーテイルが、ユーベルコード『フラッシュ・トリガー』を発動し、すれ違う一瞬でライフル【ERT-D105/RS-A〝ウッドペッカー〟】の弾丸を次々と撃ち、偵察機のレーダー装置を正確に撃ち抜いていく。そして最後に基地の灯台にある大きなレーダーの上を通過し、弾丸を叩き込んだ。
「これで海側を監視する目は潰せたはずよ」
 そのまま機体を上昇させて、目的を達成したアイオライトは機体を海と反対側へと飛ばす。そうして大きく迂回するルートで海に向かう事で敵の目を引き付けて強襲を終えた。

「早くメカニックを連れてこい! 逃げられるぞ!」
 レーダーもキャバリアも動かなくなった現場は大混乱で、復旧作業に取り掛かるが相当な時間が掛かりそうだった。
「派手な雷鳴と紫電。これだけ暴れれば、陽動として十分よね。それじゃあ、あたしも革命軍に合流させてもらおう」
 同じく暴れ回っていた仲間が退いたのを見て、ゆかりもここらが潮時と、目晦ましのように最後に派手な雷を落とし、迦利を迂回させて戻してこっそりと海へ向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
守っているという自覚があるなら、
なぜそれにプライドを持てなかったのか……。

でもまぁ『偉い人』っていうのは、だいたい安全なところにいて、
前線の苦労を忘れるものだけどね。

喉元にナイフを突きつけられてから、
助けて、って言うのがお約束なんだよね

とはいえ、一般の人にはそれは関係のないこと。
迷惑するのは国民っていうのが、悲しい話だね。

被害を最小限にってオーダーだし、陽動は大事になるかな。
わたしは山岳地帯で派手に地雷を爆発させよう。

【スネイル・レーザー】で対地射撃をして、地雷を爆破していくよ。
とりあえず地上部隊が通れるくらいの道は作りたいな。

アミシア、爆破の規模と地滑りの可能性の計算、よろしくね。


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
※アドリブ絡み連携歓迎
※愛機『ナインス・ライン』に搭乗

地下基地のモグラねえ…
実家が地下工業都市かつ企業支配のディストピアだから
地下暮らしが窮屈なのは同情できるけどさあ

…よし、イヤな回想は止めっ
イライラ発散しよっと♪

搬送用の簡易ヘリドローン『インパクト・ボルト』から
無造作に投下される形で空挺降下作戦を開始♪

両主腕の銃器乱射で重量級射撃機に思わせつつ
砲撃機・偵察機、共に死角の格闘戦を挑むよ

オペ5番【サムライ・ドール】開始
一気に展開した副腕のヒートソード双煽りで叩っ斬るっ
ま、コクピットは露骨に外すけど

「何故殺さない!?」だって?
こちとら本業が(闇)医者だからね
ムダに傷つけたらサビ残になっちゃうのさ♡


支倉・燐華
アドリブ、絡み歓迎

まずは地上での陽動ですか
自前のギムレウスRCを使用しましょう。尚、RCは燐華カスタムの略称になります
まぁ陽動の後は海中からの潜入とのことですので、これまた自前のウォッグRCに乗り換えることになるでしょう
つまり、ギムレウスの弾薬は此処で使い切って構わないということです

まずは背部大型キャノン砲で長距離砲撃でレーダー施設や砲台を砲撃します
長距離砲撃とミサイルで可能な限り地上施設に被害を与えてますが、聞いていた通り、地上に重要施設はなさそうですね
手持ちのマシンガンや棒付きロケット、背部サブアーム保持のバズーカは地雷撤去や、長距離砲撃の対処に出てきた対キャバリア戦に使用します



●山岳の戦い
「地下基地のモグラねえ……」
 高台となっている林の中からリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)が主要な施設が地下に造られている基地の地上部分を見渡した。
「実家が地下工業都市かつ企業支配のディストピアだから、地下暮らしが窮屈なのは同情できるけどさあ」
 家の事を思い出すと、顔が険しくなってくるのを自覚する。
「……よし、イヤな回想は止めっ。イライラ発散しよっと♪」
 頭を振ってイヤな思い出を追い払い、今は目の前の任務に集中しようとヘリドローン【EP-B-916TR-LEX インパクト・ボルト】のローターを回転させ始めいつでも飛べる準備に入る。

「まずは地上での陽動ですか」
 その隣では支倉・燐華(戦闘侍女・f31277)が油断なく基地の状況を確認した。
「自前のギムレウスRCを使用しましょう」
 傍らに置かれた燐華専用にカスタムされた砲戦量産機ギムレウスを見上げる。
「まぁ陽動の後は海中からの潜入とのことですので、これまた自前のウォッグRCに乗り換えることになるでしょう」
 この機体では水中には潜れない。陽動が終われば乗り換えることになる。
「つまり、ギムレウスの弾薬は此処で使い切って構わないということです」
 最大火力の短期決戦こそこの機体の真価を発揮できる場面だと燐華は戦士の顔で微笑んだ。

「守っているという自覚があるなら、なぜそれにプライドを持てなかったのか……」
 燐華と同じ顔をした双子の姉である支倉・錫華(Gambenero・f29951)は、自国に弓をこうとする将軍に不満を持つ。
「でもまぁ『偉い人』っていうのは、だいたい安全なところにいて、前線の苦労を忘れるものだけどね」
 錫華は昇進して立場が変わると、体制側に取り込まれていった人々を思い出す。
「喉元にナイフを突きつけられてから、助けて、って言うのがお約束なんだよね」
 偉くなると鍛えられていた戦士も心も体も鈍ったナマクラになるのを良く知っていた。
「とはいえ、一般の人にはそれは関係のないこと。迷惑するのは国民っていうのが、悲しい話だね」
 そんな被害を少しでも減らそうと、錫華は陽動を開始する。

「わたしは山岳地帯で派手に地雷を爆発させてくるよ」
 そう告げて錫華が自前の装備を載せた量産キャバリアに搭乗し、山の方へと向かう。
「アタシもそっちを手伝おうかな♪」
 リーゼロッテは重量級キャバリア【MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン】に乗り込み、ヘリドローンに持ち上げられて空から移動を開始した。
「では私は長距離砲撃でレーダー施設や砲台を砲撃します」
 2人とは別行動で、燐華はギムレウスRCに乗り込みその位置から背部大型キャノン砲の砲身を基地の方向へと向け、仕掛けるタイミングを計る。


「この辺りでいいかな、それじゃあ派手に爆発させるよ」
 地雷を踏まぬように慎重にキャバリアを進める錫華は立ち止まり、制圧用レーザーマシンガン【スネイル・レーザー】を発射し山の斜面に穴を開けていく。するとドーンッと派手な爆発が起こり、地雷が土を吹き飛ばした。
「アミシア、爆破の規模と地滑りの可能性の計算、よろしくね」
 錫華が声をかけると、パートナーユニット【アミシア・プロフェット】が用意してあったように素早くデータを表示した。
「流石、とりあえず地上部隊が通れるくらいの道は作りたいな」
 敵をこちらに呼び込む道を作ろうと、次々と仕掛けられた地雷を爆破させて地盤を崩し地滑りを起こす。すると木々が倒れ麓にある基地の方向へと土が流れ道のようなものが出来上がっていく。
「この調子で崩していくよ」
 錫華は道を繋げるように、下方下方へと射撃を行い山道を整地していった。
「山の地雷が爆発しているぞ!」
「キャバリアが侵入したようだ! 急ぎ迎撃に向かえ!」
 防衛部隊のキャバリアが動き出し、地雷を避けるルートで山を登り始める。

「派手に始めてるね、こっちも負けないくらい派手に空挺降下作戦を開始するよ♪」
 リーゼロッテの乗るナインス・ラインがヘリドローンから無造作に投下され、両主腕のライフルとビームマシンガンを乱射して着地地点の地雷を爆発させ、足元を安全にしてから山中へと着地する。それは登って来る敵キャバリアの頭を押さえる位置だった。
「敵キャバリアが投下されたぞ!」
「こんな足場の悪い斜面に降下するなど正気か!」
 驚きながらも練度の高い防衛軍のキャバリアはすぐに攻撃を開始した。マシンガンの弾丸が木々を穴だらけにしてリーゼロッテの元まで届く。
「へえ、この反応。一般兵なのになかなかやるじゃない♪」
 それをリーゼロッテはその場を動かずに両手の銃で応戦し、両肩の小型多弾頭ミサイルも発射して射撃戦を仕掛ける。
「こいつ重射撃型か!」
「相手のペースに合わせるな! 一気に接近して制圧するぞ!」
 キャバリア達が速度を上げて囲むように接近してくる。
「重量級射撃機だと思った? 残念だけど格闘戦も得意なのさ♪ オペ5番【サムライ・ドール】開始」
 リーゼロッテはユーベルコード『Op.V:SAMURAI DOLL』を発動しながら前進し、ナインス・ラインの左右の副腕を展開して、二振りの大型ヒートソードを振るって敵キャバリアを叩き切る。
「うわあああああっ!!」
 パイロットの悲鳴が上がってキャバリアが倒れる。しかし斬られたのは手足でコックピットは無傷だった。そのまま続けて斬撃を放つが、その攻撃もコックピットには掠りもしない。ただキャバリアだけを無力化していく。
「貴様! 何故殺さない!?」
「『何故殺さない!?』だって?」
 銃を向けて尋ねるキャバリアに、リーゼロッテは双剣を構えて答える。
「こちとら本業が(闇)医者だからね。ムダに傷つけたらサビ残になっちゃうのさ♡」
 そんな冗談めいた言葉と共に剣閃が十字に走り、一瞬にしてキャバリアの銃が切断され、足も根元から断たれて仰向けに倒れた。


「多数のキャバリア部隊が山へ向かったようです。ではこちらも始めましょう」
 仲間が動いたのに合わせ、燐華もまた動き出す。
「レーダー施設と砲台を狙います」
 ギムレウスRCから大型キャノン砲が撃ち出され、機体がガクンと反動で揺れる。少し遅れて砲弾がレーダー施設付近に直撃し爆発を起こした。続けてミサイルを発射して砲台を破壊していく。
「敵襲! 10時の方向からです!」
「キャバリア部隊を迎撃に送れ! 無事な砲台はすぐに反撃して攻撃を止めろ! 狙いは適当でいい! とにかく撃て!!」
 砲撃を受けた兵士達はすぐに砲塔を向けて林に向かって砲撃を開始した。砲弾が着弾して次々と爆発を起こす。
「聞いていた通り、地上に重要施設はなさそうですね」
 そんな中でも燐華は落ち着いてキャバリアを無闇に動かさずに敵の動きを確認する。防衛用の施設があるだけで、兵舎すらまともにないように見えた。
「攻撃を受けないように地下に造るというのは理に適っているようです」
 こうして奇襲を受けても致命的な被害を受けないのだ。不自由ではあるが効果は確かなものがある。
「ではやはり海中から潜入する必要がありそうです。全弾使い切りましょう」
 心置きなく使い切れると、さらに追撃に砲弾やミサイルを派手に発射して基地を爆撃していく。

「見つけたぞ!」
「よくもやってくれたな! 生きて帰れると思うなよ!」
 そうして攻撃を行うと敵キャバリア部隊に捕捉された。一斉に射撃を開始し、林の木々が撃ち倒されていく。
「思ったよりも早く気づかれましたね。では迎撃に移りましょう」
 燐華は手持ちのマシンガンやロケット弾を発射し敵のキャバリアに当て、林の木々を利用して射線を遮る。
「撃て撃て! こちらの方が数では上だ!」
 激しい銃撃戦が起きる中、ユーベルコード『戦闘侍女の嗜み・その一』を使用して敵の脆弱部を探り出す。
「どうやら上半身よりも脚部の方が脆いようですね」
 それを見つけると、すぐに背部サブアーム保持のバズーカを次々発射して足元を爆発させた。衝撃でバランスを崩し倒れるところへ銃弾を四肢に撃ち込みキャバリアを動けなくしていった。
「さて、そろそろ全弾撃ち尽くしたようです。合流して海に向かうとしましょうか」
 攻撃してきた敵キャバリア部隊を無力化すると、燐華はその場を離れ海に向かうルートを取った。


「クソッ! 基地には近づかせんぞ!」
 山に潜むように兵士達はキャバリアを展開させて、包囲殲滅せんと錫華とリーゼロッテを狙う。
「隠れてるつもりだろうけど、見えてるよ」
 錫華はユーベルコード『アウェイキング・センシズ』を発動し、感覚を研ぎ澄まし、第八感の域まで高めて全ての敵の位置を把握した。
「任務に忠実なだけのあなたたちには申し訳ないけど、ここで行動不能になってもらうよ」
 レーザーマシンガンを連射して動いた敵の手足を撃ち抜いていく。
「隠れているのに見えているのか!」
 銃を突き出し反撃に撃ち出される弾をスラスターを吹かして回避し、顔のモニターを撃ち抜いて視界を塞ぎ、腕を片刃の実体剣【歌仙】で斬り落とした。
「どれだけ隠れてたって、駆動音まで消せないんだよ」
 隠れようともキャバリアのエンジン音まで隠す事はできない。その音を探れば見つけることは容易かった。

「迎撃に来た部隊はこれで終わりみたいだねっ」
「それならわたしたちの陽動は終わりでいいかな、海の方に向かおう」
 敵キャバリアの四肢を切り落として動けなくしたリーゼロッテが合流し、錫華と共に地下基地に侵入するため山を下りて海の方へと向かい、道中で待っていた燐華を加え次の戦場に進む。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

今回の任務はオブリビオンマシンの撃破。その為にまずは地下基地へ革命軍を無事に侵入させる必要があります。それを支援する為、我々は陽動を行い敵の吸引を行います。

まずはUCの炎の精を召喚、それらを敵キャバリアの周囲に展開させ、炎の精を複数集めてキャバリアを攻撃、または赤外線等のセンサーを幻惑、敵基地から可能な限り引き離す等攪乱します。あくまで陽動ですから、無理に敵を倒す必要もありません。それにレーダー施設等に侵入するSIRDメンバーの手助けにもなる筈。ですので、出来るだけ不規則に炎の精を操ります。

さて、革命軍は上手く侵入できたでしょうか・・・

アドリブ・他者との絡み歓迎


亞東・霧亥
【SIRDと共闘】

山岳地帯の地雷原を陽動に利用する。

・情報収集、索敵
宙界の瞳を起動。
上空から地雷原を調査、地雷を探知し、安全なルートを検出する。

【UC】
一連の調査で得た情報を他のメンバー及び部隊と共有し、山岳地帯での戦闘を有利に運べる様に注力する。

・スナイパー、目立たない、レーザー射撃、貫通攻撃
収束するレーザーは樹木や岩石を貫通し、本来なら射線の通らない地雷も狙撃できる。
共有した情報と特性を利用して地雷を意図的に爆破し、支援と撹乱に努める。


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で参加

戦功よりも重要な国民を守る責務を忘れなければ、
身内にも敵にも惑わされなかったはずですよ…

現着次第、UC:ナハトニブルを発動(迷彩・忍び足)で
味方の攻撃の爆煙に紛れつつ姿を消し侵入開始

敵機のセンサーや歩哨兵に警戒しつつ
味方の陽動で出来た隙を突いてキャバリア等の
兵器用の燃料補給車・設備に接近。
指定UCで遠隔式テルミット爆薬を設置。
離れて爆破し陽動のダメ押し実施

敵が上手く仲間に誘導されたら
レーダー施設と地下施設の維持に重要そうな
空調、発電機の吸気の為の集合換気設備等に侵入、
指定UCで大型サーモバリック爆薬を設置し爆破。
(破壊工作)で徹底攪乱し革命軍を支援します

アドリブ・絡み歓迎



●潜入工作
「今回の任務はオブリビオンマシンの撃破。その為にまずは地下基地へ革命軍を無事に侵入させる必要があります」
 基地に近い山の林の中でネリッサ・ハーディ(クローク・アンド・ダガー・f03206)が【SIRD】のメンバーに作戦説明を行う。
「それを支援する為、我々は陽動を行い敵の吸引を行います」
「了解だ」
「了解です」
 自然体の亞東・霧亥(峻刻・f05789)が頷き、その隣で直立不動の姿勢をとる灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)も返事をした。
「では陽動作戦を開始します」
 ネリッサの宣言に霧亥とファルシュピーゲルが動き出す。

「まずは地雷原を利用して敵を呼び込もう」
 霧亥がドローン【宙界の瞳】を7機空に飛ばし、上空から山岳地帯の地雷原を調査して地雷を探知し、安全なルートを調べ出す。
「地雷原のデータを送るぜ、これで安全に動けるはずだ」
 ユーベルコード『Argus』によってドローンからの視界を仲間と共有し、山岳地帯を地雷の恐れなく動けるようにした。
「ここに地雷の仕掛けられていない安全なルートがあるようです」
「基地の兵士が通る為のルートでしょう。敵はここを通る可能性が高いです」
 その情報からネリッサとファルシュピーゲルが敵の登って来るルートを特定していった。
「じゃあ呼ぶぜ」
 相談が終わったところで霧亥が収束させたレーザーを放ち、木々や岩などの障害物を貫通して、上空から位置を確認した地雷を狙い撃った。爆発が起こり土煙が巻き上がる。すぐに基地の方からも確認された。
「地雷が爆発した模様!」
「西の山から新手だ! すぐにキャバリア部隊を迎撃に向かわせろ!」
 基地に近づく前に地雷原で足止めするようにと、キャバリア部隊が送り出される。

「想定通りのルートで登ってきています。迎撃を開始しましょう」
 ネリッサはユーベルコード『荒れ狂う火炎の王の使い』を発動し、林が照らされる程の無数の炎の精を召喚する。炎の精は山に入ってくる敵キャバリアの周囲に展開し、一斉に攻撃を開始した。
「炎が飛んでる!」
「これは新型兵器か? 遠隔操作する火炎放射器の類か!」
 突然炎を全方位から浴びてキャバリア達は困惑し、銃を乱射する。しかし炎の精は散り散りになっても消えずにくっつき、新たに炎をあちこちに飛ばした。その炎が視線を誘導し、こっそりと動く人影から注意を逸らす。

(戦功よりも重要な国民を守る責務を忘れなければ、身内にも敵にも惑わされなかったはずですよ……)
 仲間が山で派手に戦っている隙に、纏う外套【Nachtkrähe】の光学迷彩によって透明化したファルシュピーゲルは心惑わされた将軍の事を考えながら山を下りて基地へと潜入した。

「潜入に成功したみたいだな。だが入ってからの方が困難だろう。少しでも攪乱させるか」
 霧亥は位置が敵に特定されないように撃つ度に移動して位置を変え、レーザーによる狙撃を繰り返してあちこちに設置されてある地雷を爆破していった。
「侵入者はどこにいる! キャバリアではないのか?!」
「これだけ見つからないところをみると、歩兵の工作員かもしれません!」
 キャバリアを駆る兵士達は、舞う炎の精を射撃で牽制しながら地雷の爆発した地点を探す。しかし人影一つなく探し出す事ができなかった。
「人なら赤外線センサーを使えば……」
「駄目です! この炎のせいで全く使い物になりません」
 偵察用キャバリアに積まれているセンサーを使用しても、熱源があまりにも多く人の姿など探すことができない状況だった。
「炎の精でセンサーを無効化できているようです」
 木陰に姿を隠したネリッサは上手くいったと、炎の精のコントロールに集中する。
「あくまで陽動ですから、無理に敵を倒す必要もありません」
 このまま敵の目をこちらに引き付けておくことができればいいのだと、炎を踊らせるように動かし一人でも多くの兵士がこちらへ注視する状況を作り出した。

「おい! 山の方が火事になってるんじゃないか?」
「山……本当だ! 炎が広がってるぞ! 連絡を取ろう!」
 山の炎を見た歩哨達はそちらに意識が向いて、周囲の注意を疎かにしたまま移動を開始した。
「陽動に引っ掛かったようです」
 警備が手薄になった間にファルシュピーゲルはキャバリアが出て行った格納庫に近づく。人が出払ったそこには地上兵器の燃料補給車が止まっていた。
「燃料の補給にいちいち地下に潜るのは手間です。こういった設備があると予想していました」
 タンクローリーに忍び寄り、ユーベルコード『Ouroboros Arsenal』によって遠隔式テルミット爆薬を作り出して設置した。そして建物を出て十分に距離を取ると起爆する。大爆発が起きて格納庫が吹き飛び、燃料が燃え上がり炎が高々と昇った。
「これで陽動のダメ押しとなったでしょう」
 敵の注意が格納庫の爆発と燃える山に向けられている間に、山側にあるレーダー施設へと通気口を通って忍び込み、大型サーモバリック爆薬を仕掛けにかかった。
「レーダーの情報は地下施設にも届いているはずです。これが破壊されれば地上を確認する為の目が失われます」
 確実に機能を失うように精密機械類の集まった場所に設置すると、素早く施設から脱出する。
 その暫く後にドーンッと地を揺らす爆発が起こり、レーダー施設から煙が上がった。
「レーダー施設で爆発だ! 火を消せ! 人を集めろ!」
「工作員が入り込んでいる! 探し出せ!」
 あちこちで兵士の怒号が飛び合い、大混乱が巻き起こる。


「レーダー施設の爆破に成功したな。敵は混乱しているようだ」
 合流した霧亥はドローンからの視点で、基地で大きな爆破が起こっているのを確認した。
「広域を見渡す目が失われれば精巧な用兵は困難になります。地上の部隊は手当たり次第に動くしかなくなるでしょう」
 ネリッサの予想通りに敵部隊の動きが非効率的になり、行ったり来たりをするようになっていた。
「ならもう一押しして地下に向かうとするか」
 霧亥がここが攻め時だと、また単独行動で地雷を爆破して混乱を助長しようと移動を始める。
「私の方も炎の精で最後に派手に攪乱してから向かいます」
 ネリッサもいままでよりも派手に、炎の精を集めて巨大な炎の塊を作って敵兵の目を引き付けた。
「なんだ! あの炎の塊は!」
「このままだと基地が焦土になるんじゃ……」
「させるか! 撃って撃って破壊しろ!」
 それを見た兵士達は必死に銃撃を行うが、火を消す事はできない。さらに周辺の地雷がレーザーの狙撃によって爆発を起こし、混乱に拍車が掛かって潰走を始めた。
「もう駄目だ! 炎に呑み込まれちまう!」
「おい、待て!」
「これ以上は無理です! ここは一旦引いて援軍を呼びましょう!」
「くっ……ええいっ! 装備を変えに戻る! 一時退却だ!」
 戦意を失った部隊は仲間を呼びに山を下りていった。それと入れ違うようにファルシュピーゲルが戻って来る。
「さて、革命軍は上手く侵入できたでしょうか……」
 あとは放っておいても兵達が騒ぎを大きくしてくれるだろうと、ネリッサは地下へと先んじて侵入した革命軍の事を思い、仲間と共に援軍に向かう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

朱皇・ラヴィニア
思想を歪められ……いや、負の感情を強化されたのかな?
全く怖いね、オブリビオンマシンは
……冗談だよ。じゃあ行こうか
自分のマシンに軽口を叩く

ブラディエルを纏ったシュラウゼルを操縦
ヘイロゥの推力移動で陽動を仕掛ける
目いっぱい暴れようか
肉体改造で耐久性をチューンしたゼルを前線に飛び込ませ
323の乱れ撃ちで敵を引き寄せる

引き寄せるだけ引き寄せたら今度は押されてるフリだ
ユーベルコードを発動して連続空間跳躍
わざとらしく逃げながら少しずつ対空砲を潰していこう
陽動である事を気取られない様に
147を盾代わりにして突っ込んだり、引いたり

最後は山岳地に逃げて地雷に巻き込まれた振りだ
派手にやられた……様に見えるかな?


霧島・絶奈
◆心情
陽動ですか…
精々派手に立ち回るとしましょう

◆行動
とは言え敵も陽動の可能性位は予測済みでしょう
その上で徹底的に叩く事で人手を割けない様にしてしまいましょう

【Evolution】に搭乗

【罠使い】として持ち込んだ「サーモバリック爆薬」を【衝撃波】で地雷原へと投射
誘爆によって地雷原に安全地帯を作ると共に敵に来襲を察知させます

【オーラ防御】で護りを固め【空中浮遊】を活用し陽動
先程作った安全地帯に適宜着地し殲禍炎剣の標的とならない様に注意を払います

後は…そうですね
「バンカーバスター」を投下して此方に対地中攻撃手段があると判断させましょう
陽動の可能性を考慮しても、これで私を無視出来なくなったでしょう?


カシム・ディーン
陽動作戦ですか
本当は僕も隠密が好きなんですけどねぇ
「大丈夫だよご主人サマ!メルシー正面突破もイけちゃうぞ☆」(鶏立体映像
そうですね…最悪お前を自爆させれば派手な陽動になるでしょう
「いやーん!鬼畜♪」

【属性攻撃】
水属性を機体に付与
何か此奴水との相性意外と良いみたいなんで
【スナイパー】
氷の弾丸を構成して乱射
キャバリアの足とか凍結させたり砲台を凍らせる

【情報収集・視力・戦闘知識】
周辺状況の中で金目になりそうなパーツや機器や素材の捕捉
【盗み攻撃・盗み】により容赦なく強奪!!
敵キャバリア?
わたぬき発動!
中の搭乗員だけ抜き取って無力化!
敵の攻撃は【念動力】による防護フィールドで防いで後はもう強奪祭りです!



●統御不能
「思想を歪められ……いや、負の感情を強化されたのかな?」
 キャバリアに搭乗する朱皇・ラヴィニア(骸の虚・f29974)はオブリビオンマシンの恐るべき精神汚染の効果を推測し、一般人ならば抗う事も難しいだろうと考えた。
「全く怖いね、オブリビオンマシンは」
 そう口にすると赤い外骨格型キャバリア【ブラディエル】を纏ったジャイアントキャバリア【シュラウゼル】が反応する。
「……冗談だよ。じゃあ行こうか」
 軽口を叩いたラヴィニアは軽く笑い、相棒のマシンと共に戦場に飛び出す。反重力推進器を起動して光輪を発しながら宙に浮かぶ。そして基地領内へと侵入した。
「敵キャバリアだ! 浮かんでるぞ!」
「迎撃しろ! 弾幕を張って撃ち落とせ!」
 兵士達は急ぎ砲台を動かし、一斉に貫くようにビームを放った。
「撃ってきたね。目いっぱい暴れようかゼル」
 ラヴィニアに返事をするようにシュラウゼルが軌道を変えて攻撃を躱し、電磁速射砲【RS-323Fラピッドラプター】をぶっ放す。それが間近にあった砲身を撃ち砕いた。
「機動力が高いか、砲では間に合わんな。キャバリア部隊も呼べ!」
 シュラウゼルに向けて展開したキャバリア達も迎撃に加わり、砲撃ではカバーできない弾幕の穴を塞ぐ。
「今回は倒すのが目的じゃないからね。このまま注意を引き付けるよ」
 ラヴィニアは多少の被弾も耐久性をチューンを施したブラディエルで耐え、動き回って適当に撃ちまくり、とにかく派手に暴れ回って耳目を集める。
「何をしている! 応援を呼べ!」
 苦戦している前線を見て、兵士達は周辺のキャバリアを集め始めた。


「陽動作戦ですか、本当は僕も隠密が好きなんですけどねぇ」
 派手に暴れ始めた猟兵の仲間を見て、【界導神機『メルクリウス』】に搭乗したカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はやれやれと小さく首を振った。
「大丈夫だよご主人サマ! メルシー正面突破もイけちゃうぞ☆」
 立体映像で機体の意思である銀髪の少女が鶏の姿で現れ、頭の上でイケイケで戦意を煽る。
「そうですね……最悪お前を自爆させれば派手な陽動になるでしょう」
「いやーん! 鬼畜♪」
 身体をくねくねする鶏に冷たい視線を向けたカシムは、頭が痛いと目を閉じて眉間を揉んだ。
「ともかく、引き受けた以上はしっかり仕事をしないと」
 カシムは機体を動かし、相性のいい水属性を付与する。
「何で水との相性が良いんだろうな」
「それはー……水も滴るいい女だからー♪」
 拾ったキャバリアの性能に疑問を呈するカシムに、鶏は立体映像でドバーッと水を被る演出までしてみせた。
「はぁ……攻撃開始!」
 深い溜息に言いたい文句を全て込め、今は軽口を叩いてる場合ではないと杖型兵装【RBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』】から魔力を変換して生成した弾丸を発射した。それが敵キャバリアの足に当たり、地面ごと凍結させて動きを止める。
「なんだこれは!? 足が凍っている?」
「敵国の新兵器か? こんなもの見たこともないぞ!」
 慌てて撃ってきた方向へと顔のカメラを向け、メルクリウスの姿を映し出す。

「あそこにも敵の仲間がいたか!」
「接近するまで援護を頼む!」
 一部のキャバリア部隊がそちらに向かい、砲台からビームが発射されてメルクリウスを狙う。
「獲物が自分から向かって来るなんて、稼ぎ時です!」
 カシムは砲撃を躱しながら敵に向かってこちらも近づき、巻き込まないように砲撃が止まったところで魔術盗賊らしく強奪を始めた。
「来たぞ、撃て!」
 敵キャバリアが銃撃を開始すると、カシムは足と背のウィングを広げて機体を空に飛ばし、敵の頭上を飛び越えて背後に着地する。
「飛んだ!?」
「後ろだ!」
 キャバリアが振り向こうとするが、それよりもメルクリウスの方が速く反転していた。
「遅い!」
 ユーベルコード『わたぬき』を発動し、メルクリウスの手は敵機体をすり抜けて内部のコックピットに座るパイロットだけを奪い獲っていた。
「は……?」
「なぜ、俺は外にいるんだ?」
 メルクリウスの左右の手に持たれた兵士達は、訳が分からずに混乱した様子で周囲を見つめる。そこには先ほどまで乗っていたはずのキャバリアが立っていた。
「これでもう動けません。強奪祭りです!」
「流石ご主人サマ! 極悪人です☆」
 兵士を怪我しないように地面に置いたカシムは、鶏の言葉も聞こえないくらい集中し、機体を全解体する勢いで高く売れそうなパーツを剥ぎ取り始めた。


「なんだあいつは? 機体をバラバラにしてやがるぞ!」
「見せしめのつもりか!? ふざけやがって!」
 こんな敵基地のど真ん中で盗みを働いてるとは思いもよらず、キャバリアが銃弾を撃ち込む。しかし念動力による防護フィールドによって弾が弾かれた。
「バリアか? 動いてないなら、砲撃を当てろ!」
 それならばと砲台が向けられるが、違う方向から弾が飛んできて砲身が消し飛んだ。
「かなりのキャバリアが集まってきたね、そろそろ引き時かな」
 砲台を狙い撃ったラヴィニアは回避を敢えて抑え、ワザと大剣に生成した【RX-147ロストオウス】で弾を受け、押されるフリをしながらユーベルコード『空間跳躍機動戦術』を発動して、連続空間跳躍によって少しずつ後退していく。
「下がっていくぞ! 逃げるつもりか?」
「逃がすな! あれだけのキャバリアを鹵獲できれば我が国の戦力が上がるぞ!」
 兵士達はそれを追い、引き寄せられるようにどんどん隊を乱していく。

「おっと、盗むのに夢中になって逃げ遅れたらマヌケです。こっちも逃げるとしよう」
「盗むだけ盗んだらもう用なしでぽい捨てしちゃうご主人サマ最高です♪」
 盗みを切り上げ、カシムは奪ったパーツを担いでその場をすたこらさっさと逃げ出す。
「こいつも逃げるつもりか!」
「大荷物持って逃げられると思うなよ!」
 その背に銃弾が撃ち込まれるが、右に左にと器用に躱し直撃は防護フィールドで防いで仲間と共に山へと入っていく。

「最後の仕上げだ」
 そうして敵キャバリアを引き連れて山岳部まで退くと、ラヴィニアは木々が密集した方向に入り視界から消える。そこで地面に弾丸を撃ち込んで地雷を起爆させた。
「派手にやられた……様に見えるかな?」
 ラヴィニアはそのまま山の中へと姿を消してしまう。
「地雷が爆発したぞ!」
「奴が踏んだのか? とにかく機体を探せ! 地雷は踏まないように気をつけろよ!」
 兵士達は損傷したと思われるシュラウゼルを探しに山狩りを始めた。


「陽動ですか……私も精々派手に立ち回るとしましょう」
 山で待ち構えていた霧島・絶奈(暗き獣・f20096)が、設置していたサーモバリック爆薬を起爆させる。爆炎が起こり敵部隊の動きを止めた。
「爆発したぞ!」
「なんだ? あそこには地雷は仕掛けてなかったはずだ!」
 慌てて兵士達が情報を整理して爆発箇所を調べる。
「これは我々の仕掛けたものではない。敵が罠を仕掛けたんだ!」
「くっ、追うどころか追い詰められたというのか!?」
 勢いに乗って追撃しようと山に入ったキャバリア部隊が、一転して罠を恐れ慎重に動き出す。
「逃げた奴等は陽動だったのか、こうなれば一旦基地に戻るぞ!」
 闘争心を抑え冷静になった兵士達は引き返そうとする。
「そうはさせません。貴方方には私の相手をしてもらいます」
 そこへ絶奈が搭乗した量産型キャバリア【Evolution】が姿を見せる。
「敵だ!」
「先ほどの奴とは違う! この罠を仕掛けた奴か!」
 すぐに兵士達はキャバリアの持つ銃器を向け、一斉に銃撃を開始する。

「乗ってきましたね」
 流石に敵を目視すれば戻るわけにはいかないだろうという読み通り、兵士達は攻撃に集中し始める。
「さて、では時間一杯まで私の用意した戦場をお楽しみください」
 絶奈は微笑み、機体をふわりと浮かせて自分は地雷を避け、次々と用意した罠を起動していった。
「3時の方向で爆発!」
「9時の方向でも炎が昇ってます!」
「6時にも! 完全に包囲されているようです!」
 あちこちで爆発が起こり、混乱している間に絶奈は機体を木々の中に隠す。
「被害は!」
「損傷軽微!」
「こちらもです!」
 キャバリアにダメージが少ない事を知ると、それぞれの心に落ち着きが戻る。
「目晦ましの類だ! 本命は別にあるはずだ、気を付けて進むぞ!」
「「了解!」」
 兵士達は慎重に動き、罠を破壊しながら隠れた絶奈を探す。
「諦められたら困りますからね、こっちです」
 絶奈は時折姿を現わしては敵を誘導し、山の奥深くへと導いていった。

「これ以上進むのは危険です」
「これは……陽動に引っ掛かったか」
 罠ばかりでまともな交戦がなく、疲労していくなかで冷静な判断が戻る。
「さて、簡単に帰られても困ります」
 空に浮かんだ絶奈はバンカーバスターを地面に投下して撃ち込んだ。すると爆発と共に土を巻き上げ地中に穴を穿つ。
「なんだ!」
「地面に穴が開いてます!」
「こんなものを基地に撃たれる訳にはいかん! 徹底的に追うぞ!」
 それを見た兵士は兵器の危険性を理解し、絶奈を探して山中を彷徨うこととなる。
「これを見れば無視出来なくなったでしょう? ですが私が相手をするのは此処までです」
 絶奈はそこで陽動を終え、敵を放置して他の猟兵と共に海の方向へ進路を変える。


 地上基地はあちらこちらで火の手が上がって大混乱に陥り、地下に救援を呼ぶ事態となっている。猟兵達は陽動に成功し、先行する革命軍を追って海中にある地下基地入り口に向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ウォッグ』

POW   :    クローアタック
【クローアーム】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    水陸両用射撃兵装
【背部水陸両用ミサイルと腕部ニードルガン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    水陸両用機
敵より【水中深くにいる】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●電撃戦
 ぬうっと暗い鍾乳洞にある湖の水面から丸っこい水陸両用キャバリア『ウォッグ』が顔を出し、モノアイを左右に動かして周囲を確認する。
「周囲に機影なし」
 そして誰も居ない事を確認すると湖から上がって、次々と革命軍のキャバリアが洞窟に侵入した。
「どうなってる? やけにあっさり入れたな」
「副隊長! どうやら地上で騒ぎが起きているようです!」
「騒ぎ? どこかの国が攻めてきたのか?」
「いえ、詳細は不明ですが、少数による破壊工作が行われているのではないかという話しが飛び交っています」
 無線を傍受した部下の話に副隊長であるリード大尉が僅かな間思案する。
「これは天啓だ。この混乱に乗じて少佐の意思を全うしろという天の意思だ! 必ず成功させるぞ!」
「はい!」
 この状況を利用しようと、革命軍は迷いなく動き出す。
「上が混乱していようと下の守りは固い。ここからは戦闘になる。各自準備はいいな!」
「問題ありません!」
「いつでも行けます!」
 気合十分で革命軍は洞窟内を一直線に動き出す。その方向に地下基地の最も重要な施設である作戦本部があった。そして重要なだけあってその守りも厳重だ。すぐに防衛側の哨戒しているウォッグ達が姿を見せる。
「貴様等! 止まれ! どこの所属だ!」
「邪魔だ!」
 制止の声を無視して副隊長が突っ込むと、クローで顔を貫き粉砕した。それに続いて部下達も襲い掛かり、一機に複数で当たることで抵抗させずに沈黙させた。
「このまま最大戦速で行くぞ!」
「了解!」
 奇襲によって次々と防衛キャバリアを倒していく。しかし本部が近づくにつれてキャバリアの数も増していき侵攻速度が落ち始める。

「反乱か、ここの難攻不落さが知られて最近は暇になっていたところだ。野郎ども! 久しぶりにボーナスがもらえるチャンスだぞ!」
「「おおーーー!!」」
「俺が到着するまでに一機でも多く落としておけよ、残ったのは俺が全部平らげるぞ!」
 何より怖ろしいのは同じキャバリア乗りの中でもエースクラスが集まった精鋭部隊が動き出していることだった。赤いウォッグに搭乗しようとするデニス少佐が部下に発破をかけて先に出撃させる。
 その鋭い爪が革命軍を一撃で仕留めんと、回り込み側面へと迫っていた。


 革命軍の侵入に遅れて猟兵達も自前のキャバリアや借り受けた水陸両用キャバリア『ウォッグ』で海から地下洞窟へと侵入を果たす。そして革命軍が致命的な一撃を受けるのを阻止するべく、急ぎ洞窟を駆け出した。
村崎・ゆかり
さて、モグラの巣に行きましょうか。アヤメ、後ろの警戒よろしくね。
SSWで標準的な、来ていることを忘れるくらいの宇宙服を潜水服代わりにして。『迦利』を符に戻し、今度は偶神兵装『鎧装豪腕』を連れて行く。

「水中戦」で洞窟内の水場を抜け、戦闘音のする方へ向かっていく。
どっちも同じ基地に配備された同じ機体だから、識別が難しい!
「集団戦術」で寄せ手と守り手を判別。守り手が基地の方だから、それ目掛けて「高速詠唱」の不動金縛り法。かかれば身動きとれなくなるわよ。
基地側の機体に向けて、次々と術式を放っていく。

革命軍の方々はご苦労様。搭乗員を殺さないようにキャバリアの無力化をお願い。
なるべく血は見たくないの。


アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎

鍾乳洞か……狭い、暗い、動きづらい
おまけに相手は水陸両用機。しかも手練れがいるみたい。まさに虎穴に飛び込んできた感じ
こりゃ、さっきほど楽はできないわね
革命軍の進行も鈍ってるか……ここは戦力を合わせて一気に突破する!

ユーベルコード【ライトニング・マニューバ】……
この不利な環境で戦うには、キャバリアのセンサーだけじゃ足りない。私自身の集中と技量を研ぎ澄まし、地形と敵弾を経験則とカンにも頼って回避
武装はキャバリアの拳に装備されたBXS-A〝ハウリングホーク〟を使用、近い敵はビームバリアつきナックルによる打撃で
水中の敵には/RS-S〝サンドパイパ-〟追尾ミサイルを叩き込んでやるわ!



●地下基地侵入
「さて、モグラの巣に行きましょうか。アヤメ、後ろの警戒よろしくね」
 SSWで標準的な透明で動きの邪魔にならない宇宙服を潜水服代わりにしたゆかりは、式神のアヤメに声をかけて【迦利】を符に戻し、代わりに浮遊する一対の籠手型式神【偶神兵装『鎧装豪腕』】を伴って、他の猟兵達と共に海中に潜った。
 海中を岸壁に沿って潜って行くと、側面に開いた大きな横穴を見つける。海中洞窟の中へと入り込み、暫く進むと行き止まりとなって少し上に明りが見えた。その光に従って上昇し海面から出ると、海から地下の鍾乳洞の中へと入り込んでいた。そこには資材置き場などが造られており、鍾乳洞を利用した地下基地の一角だった。

「鍾乳洞か……狭い、暗い、動きづらい」
 海中から出たブルーテイル・エクスに乗るアイオライトは、薄暗い最低限の明かりしか用意されていない鍾乳洞をライトで照らして見渡した。
「おまけに相手は水陸両用機。しかも手練れがいるみたい。まさに虎穴に飛び込んできた感じ」
 洞窟は入り組んでいて先がどこに通じているのかも見えない。難攻不落と言われるだけあり、先行して戦う革命軍がいなければ地下拠点を探すだけでも苦労するだろう。
「こりゃ、さっきほど楽はできないわね。革命軍の進行も鈍ってるか……ここは戦力を合わせて一気に突破する!」
 道に倒れたキャバリアを目印に、本拠地を目指して洞窟を進む。

「音がするわ、向こうよ!」
 洞窟内に反響する戦闘音の元をゆかりが指さした。ちょうどそちらで洞窟を照らす爆発が起こり、水陸両用機ウォッグ同士が戦闘を繰り広げる姿が映った。
「くっ、流石にここまで来れば抵抗が激しい!」
「貴様等! 裏切るつもりか!」
「先に国を裏切ったのは将軍の方だ!」
 ウォッグ同士がクローをぶつけ合って対峙し、攻め手が優位なようだが、守り手も必死に防衛線を維持せんと踏ん張っていた。

「どっちも同じ基地に配備された同じ機体だから、識別が難しい!」
 暗がりの中で争う同型キャバリアを見て、ゆかりはどちらが防衛軍でどちらが革命軍なのか判断がつかずに手を出せずにいた。
「攻め手が革命軍で、守り手が基地の方だから……」
 すぐに戦況を観察し、守勢である奥側のキャバリアを敵と判別した。
「動きを止めるわ! ノウマクサンマンダ バサラダンセン ダマカラシャダソワタヤ ウンタラタカンマン」
 守勢のキャバリアに向けてゆかりがユーベルコード『不動金縛り法』を発動し、不動明王の羂索を放って絡め取った。するとキャバリアが動きを停止した。
「何だ? キャバリアが動かない!」
「革命軍の方々はご苦労様。搭乗員を殺さないようにキャバリアの無力化をお願い。なるべく血は見たくないの」
 援護するゆかりがそう革命軍の方へ声をかけた。
「君は味方か? 上で騒ぎを起こしていた者の仲間か……ともかく助かった!」
 今は詳しく詮索している暇はないと、軍人らしく素早く判断して革命軍は防衛軍側のキャバリアのモノアイにクローを突き立てて転倒させ先を急ぐ。
「この勢いで本部に突っ込むぞ!」
「調子に乗るなよ!」
 防衛線を突破しようとした革命軍に、横手から新たなウォッグの部隊が迫る。その動きは防衛側の中でも格段に速い。精鋭部隊が革命軍の側面を突こうと突撃してきた。

「ユーベルコード『ライトニング・マニューバ』……」
 アイオライトがユーベルコードを発動する。敵の動きを予測して先んじて動き、ブルーテイルの拳に【ERT-E312/BXS-A〝ハウリングホーク〟】によってビームバリアを展開し、カウンターで顔面を殴りつけた。拳が喰い込みモノアイを粉砕して内部にまで届く。
「貴様! 外からの侵入者か!」
 見た事のない機体に仲間がやられ、精鋭部隊の兵士がすぐさま迎撃に動く。素早い動きで回り込み死角から背部水陸両用ミサイルと腕部ニードルガンを発射した。
「この不利な環境で戦うには、キャバリアのセンサーだけじゃ足りない」
 アイオライトは集中して心を研ぎ澄まし、経験則とカンを頼りに地面に片手を突いて身を低くして躱し、洞窟の壁が爆破され砕けた石が辺りに転がる。
「この距離の攻撃を避けただと!」
 驚きながらも訓練された敵兵はすぐに近接戦に切り替える。背後から接近してクローを突き立てようとした。
「バックアタックは基本よね、だからこそ読みやすい!」
 アイオライトは振り返りながらブルーテイルの右裏拳でそのクローを弾き、左の拳を顔に叩き込んで粉砕した。

「なんと! 精鋭部隊を押し返すほどの戦力なのか!」
 その様子に革命軍の兵士が驚き僅かな間その戦闘に見入っていた。
「ここは我々に任せて、革命軍の方は先を急いで!」
 ゆかりが近づく敵を羂索によって足止めする。
「わかった! ご助力感謝する!」
 我に返った革命軍は先を急ぎ本部へと向かった。
「行かせん! 反乱軍を止めるぞ!」
「行かせないわ」
 それに対してもゆかりは鎧装豪腕を迎撃に向かわせ、殴りつけて前進を止める。
「腕が飛んでいる? 新型キャバリアの武装か!」
「だが腕だけでこのウォッグを止められると思うな!」
 空飛ぶ腕をクローで防ぎ、兵士達は近くの大きな湖に入って潜り抜けようとする。

「逃がさないわ!」
 そこへアイオライトが追尾ミサイルユニット【ERT-D206/RS-S〝サンドパイパ-〟】を発射し、次々とミサイルを水中に撃ち込んで爆発を起こす。
「ぐぁっ! 耳が!」
 水中爆発の衝撃に堪り兼ねたウォッグ達が水面に顔を出した。
「ダイナマイト漁の要領ね」
 連携してゆかりが鎧装豪腕を飛ばし、その頭をもぐら叩きのように粉砕していった。
「このまま革命軍が本部に突入できればいいけど……」
 アイオライトが革命軍の向かった方向に視線を向けると、まだ遠く離れていない場所で爆発が起こった。まだまだ防衛軍が待ち構えているようだとアイオライトとゆかりは敵を無力化すると後を追った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

テラ・ウィンディア
【ウィンディア】

【属性攻撃】
闇属性を己に付与して隠れ
熱源探知モード
【戦闘知識】
敵陣の動きと隠れている場所の捕捉

またどのような攻撃を仕掛けてくるかを分析し推理

シルとも情報共有

こういう洞窟とかだと立体ではなく平面移動が重要だったな

流石に砲撃兵装は使えないか

敵の攻撃は
【見切り・第六感・残像・盾受け】で動き回りながら回避しつつ
UC発動
重力の鎖で捕まえて引き寄せて
【二回攻撃・串刺し・早業】
斬撃で切り裂き動力炉を槍で串刺しにして無力化
遠距離の敵にはガンドライド展開
【レーザー射撃・遊撃】
によるビーム攻撃で迎撃する

どの敵に対してもコックピットは狙わずに不殺徹底

こんな寒い所じゃ気も滅入るだろ
たっぷり温まろうか


シル・ウィンディア
【ウィンディア】
洞窟内ってことは飛べない…
平面移動を心掛けないとね

テラ気を付けてね

スラスターの【推力移動】で平面を高速移動
【残像】も生み出して機動するよ

回避は【第六感】で敵を感じて
敵機の動きや行動を【見切り】【瞬間思考力】で最適な動きで回避・防御
回避は【残像】で攪乱
防御は【オーラ防御】で致命箇所を防御

攻撃時はコクピットを狙わずに無力化狙い

左腕の腕部三連マシンキャノンの【弾幕】で【制圧射撃】
【先制攻撃】で出鼻をくじくっ!
威力は低いけど本命は
近接してのビームセイバーでの【切断】

遠方の敵はビームランチャーで撃ち抜くっ!
射撃しつつ
【高速詠唱】で《指定UC》を発動
これが、ブルー・リーゼの力だっ!



●迎撃戦
「洞窟内ってことは飛べない……平面移動を心掛けないとね」
 ブルー・リーゼに乗るシルは薄暗く狭い洞窟内を見渡し、得意の機動力が奪われてしまうと気を付けることにする。
「テラも気を付けてね」
 闇属性を乗機ヘカテイアに付与して迷彩のように姿を隠すテラにも声をかける。
「こういう洞窟とかだと立体ではなく平面移動が重要だったな」
 テラは頷いて気を付けると返事を返した。

「本部までもう少しだ! 全員ついてこい!」
「了解!」
 革命軍が猟兵の助力もあり、勢いに乗って防衛側を押し退けて本部へと近づく。しかしそれを阻止せんとする戦力が隠れていた。
「来たぞ」
「奇襲を仕掛ける。反乱軍どもを一蹴してやる!」
 防衛側ウォッグの精鋭部隊が岩陰に潜み、じっと革命軍が来るのを待ち構えていた。

「見つけた」
 熱源探知でテラは隠れている防衛側のキャバリアを先んじて発見し、シルと情報を共有した。
「動き出す前に先手を取るよっ!」
 シルがブルー・リーゼを加速させ、一気に接近して強襲する。
「襲撃だ!」
 咄嗟にそれに気づいたウォッグが迎撃に腕を向けて腕部ニードルガンを発射する。しかしその針は機体をすり抜けて壁に突き刺さる。
「なっ!?」
「外れだよっ!」
 残像を残して敵を攪乱し、シルは左腕の【RS三連装アームマシンキャノン『ミトラ・ユーズ』】を発射して出鼻を挫いた。

「副隊長! あそこで戦闘が!」
「待ち伏せがいたか! 先程の援軍が戦ってくれているのか……今のうちに先に進むぞ!」
 その戦闘に気付いた革命軍は、謎の援軍が防いでくれている間に先を急ぐ。
「クソッ! 邪魔をするな!」
 防衛軍はシルに向けて背部水陸両用ミサイルを発射する。誘導するミサイルがシルの動きを追尾するが、それを割り込んだテラが槍で切り払い空中で爆発させた。
「流石に砲撃兵装は使えないか」
 高火力兵器が使えれば敵を一掃できるが、余波で洞窟も崩れてしまうほどの威力がある。自重して槍を構え闇を纏う影のように飛翔して敵に接近する。
「ステルス機か! クローで串刺しにしてやる!」
 ウォッグが横に跳び退いて側面に周り込み、踏み出して鋭く右手を突き出しクローで暗闇に紛れるヘカテイアの脇腹を貫こうとする。
「見た目に反してなかなか素早い動きだな」
 テラは槍の柄でクローを受け止め、勢いを落とさず旋回して一太刀浴びせようとするが、他の敵がそれを邪魔するように波状攻撃を仕掛けた。
「地の利はこちらにある! 追い込め!」
 次々とウォッグがクローを振るって襲い掛かる。
「この場所で戦い慣れてるな」
 テラは槍を振るって攻撃を弾くが、反撃しようとすると死角から襲い来る連携に守勢に追いやられる。

「相手が連携するなら、こっちも連携で対抗だよっ」
 背後のウォッグが伸ばした腕をシルがビームセイバーを振り下ろして切断し、敵の連続攻撃を乱す。
「連携ならこっちの方が上だ」
 その隙にテラは槍を一閃し、同じように正面の敵の腕を斬り飛ばした。
「やるなっ! だが!!」
 片腕になったウォッグが腕を上げる。すると離れて待機していたウォッグが前屈みとなって地面に手をつき背中のミサイルを発射した。避けようとすれば周囲のウォッグがクローで襲い掛かる二段構えの作戦だった。
「ならこうだっ!」
 テラはビームランチャーを向け、洞窟を破壊しないよう威力を絞って発射する。暗い洞窟を眩く照らす閃光がミサイルを空中で爆散させた。
「これも防がれるか! 拙い流れだ、散開!」
 この状況は不利とみて、ウォッグは散っていったん姿を隠そうとする。
「逃がすか」
 そうはさせないとテラがユーベルコード『グラビティ・チェイン』を発動し、超重力の鎖を放ってウォッグの身体に巻き付け、思い切り引き寄せた。
「なんだこれはっ!」
「引き戻される!!」
 ウォッグ達はもがき脱出を図るが、それよりも速くヘカテイアが槍を振るって手足を切断してパイロットを殺さずに無力化した。
「まずい! 援護しなくては!」
「そうはさせないよっ」
 離れた場所にいるウォッグがまた四つん這いになってミサイル発射態勢を取り仲間を助けようとする。しかしその前に、シルがユーベルコード『エレメンタルドライブ・ライトミラージュ』を使い、光の精霊によってブルー・リーゼを輝かせ一瞬にしてウォッグの目の前に瞬間移動した。
「なっ!?」
「これが、ブルー・リーゼの力だっ!」
 相手が動く間も与えずに光の剣を一閃し、機体を支える両腕を断って顔から地面に突っ込んだところへ後頭部を貫き沈黙させた。

「何て戦闘力だ。まともに戦うのは拙い。隠れて不意を突くぞ!」
「隠れても無駄だ。これで終わらせる」
 テラが小型浮遊自走砲台群【RS-F『ガンドライド』】を展開して周囲に隠れていた敵の手足をビームで撃ち抜き、不殺を徹底して無駄な死者が出ないように戦闘力を奪う。
「ここにいた部隊は制圧したねっ」
 シルが周囲を旋回して辺りを調べるが、この場所に隠れていたキャバリアは他には居なかった。
「全員生きている……手加減されたのか、お前達の目的はなんだ!」
 コックピットから脱出した兵士が侵入者のキャバリアを見上げた。
「わたしたちの目的は人助けだよ!」
「こんな寒い所じゃ気も滅入るだろ、戦いが終わるまで温かいところで休んでるといい」
 シルとテラはそう言い残し、革命軍を追って颯爽と飛んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
こういう場所の方が僕もやりやすいですね
「何時ものあれだね♪」
【属性攻撃・迷彩】
光属性を機体に付与
光学迷彩で存在を隠しつつ迷彩で更に熱源等他のセンサーからも隠れ

【情報収集・視力・戦闘知識・念動力】
念動フィールドを薄く広げて敵の存在の捕捉
敵に位置と狙いを把握し気づかれずに接近しやすいルートを分析

接近すれば
わたぬき発動
容赦なく中のパイロットを強奪し殺さぬよう下ろせば
【盗み攻撃・盗み】
機体の重要パーツを容赦なく強奪

さて…次ですっ
再び姿を消して強奪作業開始
手に入れたパーツは後で存分に売り払いますよ!
「ご主人サマってば前の戦争で大儲けした癖にー♪」
金はあればあるほどいいものです!豊かな生活の為にもゴー!


朱皇・ラヴィニア
水中戦か……岸で待ち伏せする事も出来るけど
いや、ここは援護に徹しよう
光輪を展開したヘイロゥで推力移動しつつ
安全そうな場所を探して身を潜めるよ

こちらラヴィニア、友軍各機へ
これよりバリアを張らせて貰う
ちょっとの間ボクは動けなくなるけど――後はヨロシクね

行くよゼル、操縦はしばらくお預けだ
絶対障壁拡張展開――全力で行く!
バリアを自分含め味方各機に張り巡らせて
その間ボクは眠りにつこう
そうせざるを得ない……からね……

戦争、オブリビオンマシン、一体いつまで……いや
いつからこんな事になってしまったんだろう、この世界は

元よりそれを終わらせる為のボクだけど、
本当に終わるのだろうか……いいや
終わらせるんだ、絶対に


霧島・絶奈
◆心情
地の利は敵方に在りそうですね
とは言え、此方も無策ではありません

◆行動
引き続き【Evolution】に搭乗

『暗キ獣』を使用
【集団戦術】を駆使し、直掩の一部以外は味方部隊の援護に回らせます

【暗視】で闇を見通し、【聞き耳】を立て索敵

海水地帯は【環境耐性】を高めた【オーラ防御】で機体を保護し【水中機動】を駆使して戦闘

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を其処彼処に設置
大気中でも水中でも変わらず燃えるテルミットの炎です
其れなり以上の成果を挙げてくれるでしょう

接敵時は【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復



●遊撃部隊
「こういう場所の方が僕もやりやすいですね」
「何時ものあれだね♪」
 メルクリウスのモニターから外を確認したカシムが、暗く視界の悪い場所は魔術盗賊にとってはお誂え向きだと微笑み、頭の上の鶏も楽しそうにバサバサと翼を広げた。
「この視界の悪さなら、姿を隠して近づけば気付かれることはありません」
 機体に光属性を付与して光学迷彩で存在を隠し、洞窟の暗闇に紛れ込んだ。

「水中戦か……待ち伏せする事も出来るけど……いや、ここは援護に徹しよう」
 敵は洞窟内で繋がっている水路も利用して動いている。ゲリラ戦が得意な敵のペースに合わせる必要はないと、洞窟内の大きな湖を見下ろしていたラヴィニアはシュラウゼルの向きを変え、キャバリアの足跡がない通行ルートから外れた場所に身を潜める。
「こちらラヴィニア、友軍各機へ。これよりバリアを張らせて貰う。ちょっとの間ボクは動けなくなるけど――後はヨロシクね」
 そう通信を入れてラヴィニアはシュラウゼルの操縦桿から手を離す。
「行くよゼル、操縦はしばらくお預けだ。絶対障壁拡張展開――全力で行く!」
 ユーベルコード『絶対障壁拡張展開』を発動し、味方全てにバリアを張り巡らせた。
「その間ボクは眠りにつこう。そうせざるを得ない……からね……」
 ラヴィニアの目蓋が落ち、非戦闘行為によってユーベルコードを維持する為に眠りについた。

「地の利は敵方に在りそうですね」
 絶奈はEvolutionのカメラで周囲を見渡し、どこも同じような風景に見えると、侵入者を拒むような造りに不利を認める。
「とは言え、此方も無策ではありません」
 ユーベルコード『暗キ獣』を使い、蒼白き燐光の霧を纏いその身を異端の神々の似姿へと変貌させると、屍の獣や兵の軍勢を呼び出した。
「地の利の差を数で埋めるとしましょう」
 軍勢は小部隊に分かれて味方を援護に向かい、一部が絶奈の元に残って動き出す。


「モグラと呼ばれた俺達の戦い方を見せてやるぜ」
「この地下で隠れて戦場を自由に遊撃する俺達に敵うやつはいない」
 こそこそと闇に潜み、普通のルートを外れてウォッグ達が奇襲を仕掛けようと移動していた。
「闇夜に隠れるのが自分達の専売特許だと思うのは間違いです」
「こそこそ動くことにかけてはご主人サマの右に出る者はいないよね♪」
 そんなウォッグに気付かれずに、ぬうっと陰から隠れていたカシムが迷彩を解いて姿を現し背後を取った。
「なっ!?」
 驚きながらもウォッグは反射的に振り返ってクローを放とうとするが、それよりもメルクリウスの手が先に動く。
「強奪の時間です」
 カシムはユーベルコード『わたぬき』を発動し、その手は装甲をすり抜けてコックピットのパイロットだけを掴んで盗み出した。
「何が? ここは……外だと!?」
 何が起きたか分からずにパイロットは地面へと下ろされる。
「これで心置きなく盗めます」
 嬉々としてカシムが動かなくなったキャバリアから金になりそうなパーツを根こそぎ強奪していく。
「貴様何をしている!」
 そこへ敵の仲間が後ろから襲い掛かりクローを突き入れた。しかしその攻撃は届く前に何か硬いものにぶつかったように火花を散らして止まった。ラヴィニアの張ったバリアの効果だった。
「これはいい守りですね、強奪のフリータイムです!」
 背後からの攻撃を無視してカシムはご機嫌にパーツ解体を続ける。
「なんだこれは? バリアに守られているのか!」
 何度も何度もクローを突き入れ、ようやくバリアに穴が開いた。
「さて……次ですっ」
 だがそこでカシムが目ぼしいものを盗み終えて振り向いた。そして振り向きざまに手を伸ばし背後で腕を振り上げるウォッグのパイロットを事も無げに盗み出した。
「手に入れたパーツは後で存分に売り払いますよ!」
「ご主人サマってば前の戦争で大儲けした癖にー♪」
 驚愕するパイロットを逃がしたカシムは、新しいお宝からも金になるものを根こそぎ奪い獲る。
「金はあればあるほどいいものです! 豊かな生活の為にもゴー!」
 ここはお宝の山だと、同型から盗むパーツを覚えたカシムはどんどん手際を良くしてキャバリアのパーツを盗み続けた。

「戦争、オブリビオンマシン、一体いつまで……いや――いつからこんな事になってしまったんだろう、この世界は」
 揺り籃のように揺蕩う夢の中に浮かびながら、ラヴィニアは争いの絶えない世界を想う。
「元よりそれを終わらせる為のボクだけど、本当に終わるのだろうか……いいや」
 考えるほど泥沼の戦いが終わる未来は見えない。そんな弱気を首を振って追い払う。弱気は不安を、不安は失敗を呼び込む。夢の中ならなおさらだ。
「終わらせるんだ、絶対に」
 夢のように不安定な未来をただ待つのではなく、自らの手で掴むのだとその手を伸ばした。その腕が引き上げられ、ふわりと浮かぶ感覚が飛ぶ感覚へと移行し空へと飛翔する。求めるものを手に入れるには自らが手を伸ばし求めるしかないと、夢の中で進むべき道を掴み取っていた――。

「何だ、こんなところに見た事のないキャバリアがいるぞ」
「動いていないな……故障か? なら新型を鹵獲するチャンスだ!」
 猟兵を襲おうと水路から迂回していたウォッグ達が、湖を出て移動中に偶然ラヴィニアの乗るシュラウゼルに気付く。そして手を伸ばすが、バチッとバリアによって弾かれた。
「こいつ、動いているのか!」
「なら強引にやるだけだ!」
 ウォッグ達はニードルを放ちバリアを貫こうとするが、弾かれなかなか突破できない。
「ニードルではダメか、ミサイルを撃ち込むぞ!」
「このバリアなら機体はそれほど傷つかないだろう。バリアを破ったらすぐに捕えるぞ!」
 ウォッグ達は四つん這いになるようにして背中のミサイルを向けた。しかしそこで背後で爆発が起こり、機体が前のめりに倒れた。
「何が起きた!」
「背後で爆発! 原因不明!」
 慌ててウォッグ達が振り向くと、そこには屍の軍勢を率いる絶奈の姿があった。

「貴様の仕業か!」
 ウォッグが襲い掛かろうと足を踏み出すと、足元で爆発が起こる。
「此処を通って奇襲するつもりだったようですね。しかし貴方方の進軍は此処までです」
 絶奈は周辺にサーメートの設置を終え、敵が動けば爆炎を浴びせるように罠を仕掛けていた。
「トラップ地帯だと! 舐めやがって、ここは俺達の庭だぞ!」
「海中に潜れば炎のトラップなぞ効かん!」
 炎の移った機体が湖に飛び込む。しかし炎は消えずに水を熱し気泡を生み出す。
「なんだこれは! 炎が消えていないのか!?」
「大気中でも水中でも変わらず燃えるテルミットの炎です。水中に逃げたくらいでは逃れられません」
 驚いて海中から顔を出すウォッグに絶奈はEvolutionから衝撃波を飛ばし、頭部を破壊した。
「この程度の炎なら稼働不能になるまで時間はある。その間に敵を倒して撤退するぞ!」
 精鋭の兵士達はすぐに決断し、ウォッグを絶奈へと向かわせる。
「貴方方の相手は私だけではありません」
 絶奈が下がると、左右から挟撃するように屍の兵士達が襲い掛かる。
「歩兵がキャバリアと戦うつもりか!」
 ウォッグが踏みつけ、腕を振るって薙ぎ払う。しかし屍は身体が砕けようとも恐れずに前に進み、取り付いて這い上がっていく。
「な、なんだこいつらは!」
「死ぬのが恐ろしくないのか!?」
 その異様な戦い方に兵士達が逆に恐れを抱いた。
「既に死した者に恐れはありません。ただ任務に忠実に戦うだけです」
 屍兵に意識が向いたところへ、ふわりと浮いたEvolutionが手の平を向け頭を潰すように衝撃波を浴びせた。
「撃ち落とせ!」
 反撃にミサイルを発射するが、それはEvolutionに届く前にラヴィニアの展開したバリアによって阻まれた。
「攻撃に専念出来るのは助かります」
 礼を言いながら絶奈は守りは任せて攻撃を続け、ウォッグ部隊を戦闘不能にしていった。

「大漁大漁! こっちも大儲け……じゃなかった、無事に迎撃が終わったみたいですね」
「ご主人サマはウハウハで――むぐむぐ」
 そこへ大量の戦利品にほくほく顔のカシムが、頭の上の鶏を黙らせながら合流する。
「此方も周辺の敵は倒し終わりました」
 絶奈は偵察に出した屍の獣達が戻って来たのを見て返事をする。
「じゃあもっと獲物……じゃなくて敵を探しに奥に進みましょう」
「では朱皇さんを起こしましょう」
 カシムの言葉に絶奈は頷き、眠りながらバリアを維持するラヴィニアに通信を入れた。
「世界に、平和を……」
 祈るように夢を見ていたラヴィニアは、仲間の声に夢の世界から舞い戻り目蓋をゆっくりと開いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
【ガルヴォルン】

陽動が上手くいきすぎて勢いついちゃったかな?

援軍としては、
革命軍の被害が大きくなる前に到着しないとね。

最短距離知りたいし、鍾乳洞の地図があるなら借りておこう。
キャバリアは装甲5倍、射程半分でいくよ。

アミシア、地図とリリー先生からの予知情報をリンク。
【索敵】も使って敵の位置を掴んでいくよ。

回り込んでくる部隊がある……?

鍾乳洞で陽動もないだろうから、腕に自信のある部隊かな。
こちらを先に叩いたほうがよさそうだね。

こっちの部隊を叩くことをリリー先生と燐華に提案しよう。
こっちは3機だけど、数は連携でフォローかな。

リリー先生、燐華、
わたしが飛び込んで【天磐】で弾くから、トドメよろしくね。


支倉・燐華
【ガルヴォルン】

当初の予定通り、ギムレウスRCからウォッグRCに乗り換えて水中から潜入です
敵味方がウォッグだらけだと紛らわしいですが、そこは勘弁してください
まぁ燐華カスタムはジェネレーターや腕部パーツなどはスーパーウォッグのモノを流用していますが。あ、色は通常カラーなので腕だけ赤いということはないです

リリー先生の情報は助かります
別動隊ですか?そうですね、姉様の言うように叩けるのなら叩いておいた方がいいでしょう

スーパーウォッグから移植した腕部フォノンメーザー砲で飛び込んでいく姉様を援護します
ウォッグならば構造は元より把握しています、弱点もまた同じくです
ノーマルのウォッグは火力不足ですしね


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】【SPD】
※アドリブ絡み連携歓迎
※愛機『ナインス・ライン』に搭乗
※『リリー先生』等別称を好む

さて、こっからが本番っ
革命軍のおにーさん達、無茶しないでね♡

『ツェンタオア』のホバーで【悪路走破】はバッチリ
【水中戦】【水上歩行】用の水密・気密も現状良好

でも、この狭さと暗さか…(【暗視】起動)
しかもウォッグ系は水辺有利だし
手練なら隊列分断は狙ってくるだろうね

よし、オペ19番【レイヤード・アヴァロン】開始
さ、遠慮なくアタシ達を見てよ
観測情報が多いほど精度上がるからさ♪
予知情報は支倉姉妹にも提供するね

当然迎撃は賛成
奇襲を惹き付けるように回避しつつ
両手銃器の早撃ち【カウンター】で潰してくよっ



●迂回路の遭遇戦
「この勢いのまま本部になだれ込むぞ!」
「了解!」
 革命軍は防衛軍を薙ぎ倒し、前に前にと進んでいく。しかしその速度についていけない者も現れ始め、隊列が長く伸びていた。

「さて、こっからが本番っ。革命軍のおにーさん達、無茶しないでね♡」
 リーゼロッテはナインス・ラインを操り、倒れるウォッグの残骸を【ツェンタオア】のホバー移動で華麗に避けながら暗い洞窟を進む。
「でも、この狭さと暗さか……」
 暗視装置で洞窟を見通すが、道は入り組みすぐに岩壁によって視界は遮られるような状況だった。
「しかもウォッグ系は水辺有利だし、手練なら隊列分断は狙ってくるだろうね」
 この洞窟内では圧倒的に地の利で負けているとリーゼロッテは理解していた。
「よし、オペ19番【レイヤード・アヴァロン】開始」
 それならばとユーベルコード『Op.XIX:LAYERED AVALON』を発動し、あらゆる情報を元に事象演算してこれから起きる事を予測する。
「さ、遠慮なくアタシ達を見てよ、観測情報が多いほど精度上がるからさ♪」
 そうして弾き出された予知情報を共に行動する支倉姉妹にも提供した。

「リリー先生の情報は助かります」
 見た目は通常のウォッグだが、量産ウォッグにスーパーウォッグの腕パーツなどでカスタマイズした【ウォッグRC】に乗り換えた燐華は、その情報を確認しながら洞窟内を進んでいく。ウォッグが普段から移動して踏み固めているお蔭か、一見荒れた足場もウォッグなら最適化されているように歩いていくことができた。しかしそれでも革命軍の本体をまだ捉える事ができない。見えるのは戦闘不能になったウォッグばかり。
「陽動が上手くいきすぎて勢いついちゃったかな?」
 錫華は破竹の勢いで進む革命軍を追い駆けながら、少々やり過ぎたかと思案する。
「援軍としては、革命軍の被害が大きくなる前に到着しないとね」
 このまま追いつけないのは拙いと、量産型キャバリアのスピードを上げる。
「アミシア、地図とリリー先生からの予知情報をリンク」
 錫華の命を受けたAIアミシアが簡易の地図とリーゼロッテの情報を元に敵の居る可能性の高い位置を探っていく。それを元に進路を微調整して洞窟を進んでいると、進軍ルートからは外れた迂回路を進むウォッグ部隊を発見した。
「回り込んでくる部隊がある……?」
 見ればその機動力は高く、こちらと同じく後方から革命軍に追いつこうとしているようだった。
「鍾乳洞で陽動もないだろうから、腕に自信のある部隊かな。こちらを先に叩いたほうがよさそうだね」
 精鋭の強襲部隊だろうと当たりを付け、錫華は燐華とリーゼロッテにも報せて迎撃を提案する。
「別動隊ですか? そうですね、姉様の言うように叩けるのなら叩いておいた方がいいでしょう」
「当然賛成♪ どこにどれだけ隠れているのか分からないからね、見つけ次第片っ端から倒していこうっ」
 燐華が賛成し、リーゼロッテも二つ返事で了承した。三人は進路を変えて強襲部隊の背後を突く形を取る。

「背後より迫るキャバリアを発見!」
「何? どこの部隊だ!」
「詳細不明! 未確認のキャバリアです!」
「他国の新型が上で暴れてるという話しだったな、もう洞穴に侵入している奴もいたか! 反転して迎え撃つ!」
 ウォッグの部隊は背後に迫る猟兵に気付き、足を止めて反転し手をついて四つん這いになり背中のミサイルを発射した。

「前方からミサイルが接近、撃ち落とします」
「大きな的だね、全部叩き落すよっ」
 燐華が腕部フォノンメーザー砲でミサイルを撃ち落とし、リーゼロッテも左右に持ったビームマシンガンと大型対物ライフルを連続で撃ち、弾幕を張ってミサイルを空中で爆散させた。
「リリー先生、燐華、わたしが飛び込んで【天磐】で弾くから、トドメよろしくね」
 そう言って錫華がシールドを構えたキャバリアを突っ込ませる。
「突っ込んで来るぞ!」
「近接型か、撃ち殺してやれ!」
 顔を上げたウォッグが両腕を伸ばし、ニードルガンを発射する。鋼を貫く無数の針が襲い掛かった。
「姉様を援護します」
 燐華がまたフォノンメーザー砲を発射して飛来するニードルを吹き飛ばす。
「ミサイルみたいには落とせないか、それなら撃ち出す腕を潰していくよっ」
 リーゼロッテがニードルを発射する敵の両腕を狙い撃ち、貫いた腕を爆発させてニードルを止めていった。
「こっちは3機だけど、連携ではそっちを上回ってるよ」
 ユーベルコード『脈動臨界チューニング』によって装甲を5倍に、射程を半分にした錫華は、多少の被弾を気にせず弾幕を掻い潜って敵陣に飛び込んだ。
「近接戦で討ち取る!」
 場慣れした兵士は引かずに前に踏み込み、ウォッグが腕を振り抜きクローアームを突き入れる。
「わたしの天磐はその程度じゃ貫けないよ」
 それを錫華はシールドで受け止め、逆に押し返して敵を吹き飛ばす。

「囲め! 盾を持っていない方を叩けばいい!」
 ウォッグが錫華を囲み込み四方から一斉に襲い掛かる。
「残念だけど、その動きはこのリリー先生が既に予測済みさ♪」
 そこへリーゼロッテが銃弾を浴びせ、回り込んでいたウォッグが脚を撃ち抜かれて地面に転がる。
「リリー先生の予想通りですね」
 続けて燐華もフォノンメーザーを撃ち込み、敵の足を吹き飛ばした。飛行能力を持たないウォッグは脚が動かなくなれば機動力をほぼ失ってしまう。
「こいつも同じウォッグか? しかしあの腕の武器はカスタム機?!」
 同型機でありながら異なる攻撃をする燐華を警戒し、ウォッグは動き回りながらニードルを放つ。
「ウォッグならば構造は元より把握しています、弱点もまた同じくです。ノーマルのウォッグは火力不足ですしね」
 燐華はユーベルコード『戦闘侍女の嗜み・その一』を使い、装甲の薄い脚や腕の稼働部を狙って、手足を吹き飛ばし戦闘不能にしていった。
「こいつっ! ウォッグのことを良く知っている!」
 脚を失いながらも兵士はうつ伏せに倒れたウォッグを動かし、燐華に背中のミサイルを発射する。
「守りならわたしの出番だね」
 そこへ割り込んだ錫華がキャバリアのシールドでミサイルを受け止めた。爆発が起こるが身を低くして衝撃に耐えてやり過ごす。
「守りの固いこいつが起点となっている。ならお前を倒せば一気に崩れるはずだ!」
 そこへ横に回り込んだウォッグがクローを腹部に向けて放つ。しかしその凶刃は届かず実体剣によって止められていた。
「守るだけとは言ってないよ」
 錫華は剣を振り抜いて手を切断し、足を薙ぎ払った。

「我々をここまで追い詰めるとはっ! 水場の近くまで退くぞ!」
 この場では性能を発揮できないと、まだ動けるウォッグが潜れる場所まで下がろうとする。
「行かせません」
 それを遮るように燐華が機体を割り込ませ、フォノンメーザーを放って脚を止めさせた。
「水中戦ならば手こずったでしょうが、陸で正面から戦えば恐れる相手ではありません」
 燐華はその隙を逃さずに敵の脚を撃ち抜く。ウォッグはバランスを崩して地面を転がった。
「ここは我々のホームだぞ! それがこんな一方的に!」
「不意打ちの前に見つかったのが運の尽きだったね♪」
 逃げようとする敵にリーゼロッテがライフルを狙い撃ち、銃弾が敵の脚を吹き飛ばした。
「リリー先生はなんでもお見通しなのさ♪」
 リーゼロッテは小悪魔っぽく嗤い、無力化した敵を見下ろした。
「これで回り込んでた部隊は倒せたね。先を急ぐよ」
 命令されているだけの兵士を幾ら倒しても戦いは終わらないと、錫華は先に進んでいる革命軍を追う進路に戻り、燐華とリーゼロッテも後に続いて侵攻を再開した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロット・シフファート
【SIRD】

遅れてごめんなさい。
そうサイキックキャバリアに乗り込んで飛翔しながら【SIRD】に告げ、UCを起動させる。
【背部水陸両用ミサイルと腕部ニードルガン】に対して相性の良い属性を宿した精霊炉改造兵器を構築してサイキックキャバリアに搭載。
それは物質に由来する攻撃を浄化して無効化する対物質主義概念兵装の白き浄炎の火炎放射器。
その白き浄滅の焔を放射して精密に使役。
迫り来る【背部水陸両用ミサイルと腕部ニードルガン】の原子を浄滅して無効化し、そのまま『ウォッグ』を構築する原資を浄化して滅していくわ。


亞東・霧亥
【SIRDと共闘】
鍾乳洞に到達後は目立ち過ぎるキャバリアから降りて行動。

・武器改造、忍び足、足場習熟、目立たない、闇に紛れる、空中浮遊、不意打ち、誘導弾
鍾乳洞の暗さを利用して闇に紛れながら、足音を立てずに敵機に近付く。
フォースブレイドに魔力を通して浮かせ、敵機に僅かながら傷を付けていく。

【UC】
脳裡に浮かぶはサー・ジャバウォックの振るう巨大なヴォーパルソード。
手持ちのヴォーパルソードFを同様に巨大化させて、ギロチンの如く首を落とすまで幾度となく振り下ろす。

※アドリブ歓迎


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で参加・無線で緊密に連携

歴戦の腕利きなのは間違いなさそうですが…
難攻不落を自負してしまうのは油断ですよ。

遮蔽物を利用し移動しつつ、
指定UCで狼達と黒霧を各所で召喚展開
敵の部隊に複数方向から襲撃させ攪乱し
味方と革命軍への戦力集中による迎撃等を妨害する

同時に自身はUC:オーバーウォッチを使用し
【戦闘知識・情報収集】で敵の動きを把握し仲間の死角をカバー。
遮蔽物の合間を縫って素早く動き回りつつ
ハヤトさんの攻撃に阿吽の呼吸で連携し乱戦等で隙が生じた敵を
【スナイパー・見切り・鎧無視攻撃】で頭部センサー、脚関節部、
背部ミサイル装備狙いで狙撃していき極力殺害しない様に無力化します

※アドリブ歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に参加

現状は革命軍のキャバリアが防衛軍のキャバリアと遭遇、現在交戦中の模様ですね。我々は革命軍を支援し、進撃路を確保するのが目的です。

(借りたキャバリアで周囲の状況を把握し)さて、幾らキャバリアに乗ってるとはいえ、碌に操縦経験もない私が下手にしゃしゃり出ても、恐らくは邪魔になるだけです。餅は餅屋。ここはやはり、魔術で支援するのが適切ですね。
UCにて敵キャバリアを氷柱にてダメージを与えると同時に、溜まっている海水を凍結させ、敵の機動を阻害、もしくは身動き取れない様試みます。
幾ら強力なキャバリアとはいえ、イタクァの冷風に耐えられるでしょうか?

アドリブ及び他者との絡み歓迎



●進撃路確保
「遅れてごめんなさい」
 そう言ってシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)が、飛翔するサイキックキャバリア【エレクトロスピリットキャバリア・『アティルト』】に乗って洞窟内に入った【SIRD】のメンバーに合流する。
「大丈夫です。戦いの本番はこれからと言えるでしょう」
 借り受けた量産型キャバリアに乗ったネリッサが移動しながら手短に現状の説明を始めた。
「現状は革命軍のキャバリアが防衛軍のキャバリアと遭遇、現在交戦中の模様ですね。我々は革命軍を支援し、進撃路を確保するのが目的です」
 説明を終える頃には、辺りに損傷した防衛側のキャバリアが転がっているのが見えた。そして前方からは戦闘音も聞こえてくる。
「お喋りはここまでのようです。皆さん戦闘準備を」
 ネリッサの言葉にいつでも大丈夫だとそれぞれが武器を構える。
「では戦闘行動を開始します」
 一斉にSIRDのメンバーが動き出した。

「反乱した奴らは我々精鋭が集まった第01小隊がいるのに本部まで辿り着けるつもりでいるのか?」
「だが実際ここまで来ている。上で起きている混乱を合わせれば行けると判断したのだろう」
「ならそれがどれだけ無謀だったかを教えてやらんとなっ、難攻不落が伊達ではないことを教えてやる!」
「将軍の顔に泥を塗る真似をしやがって、絶対に許さん!」
 基地で長く戦い続ける精鋭部隊は苦楽を共にした将軍への忠誠心が高く、決して本部へは向かわせないと、洞窟内を繋ぐ湖を通って音を殺して忍び寄り、革命軍に襲い掛かろうとしていた。

(これだけ暗ければ生身の人間の接近には気付きにくいはずだ)
 キャバリアを降りた霧亥は足音を消して闇に紛れ、影のようにそっと敵に近づく。
「歴戦の腕利きなのは間違いなさそうですが……難攻不落を自負してしまうのは油断ですよ」
 同じようにファルシュピーゲルも機体から出て、隠れるところに困らない鍾乳洞の入り組んだ構造を利用して、身を隠しながら敵に接近する。
「よし、ここまで接近できればこちらのものだ。反乱した奴らを一蹴するぞ!」
 革命軍の側面にこっそりと近づいた精鋭部隊が一気に仕掛けようとする。
「それはこっちの台詞だぜ」
 その機先を制するように霧亥が陰から敵陣に飛び込み、駆け抜けながら魔力で浮かべたフォースブレイドを振るって敵機の足を斬りつけていった。
「何だ?」
「歩兵だと!?」
 ウォッグ部隊の視線が足元をすり抜けていった霧亥へと向けられる。
「奇襲しようと考えている者は、自らが奇襲されると脆いものです」
 続けてファルシュピーゲルがユーベルコード『Schwarzwald Wolfsschanze』を発動し、敵の敵意を呼び水に辺りを包み込む漆黒の森の様な霧が辺りを包み、中から狼のような影の群れを召喚した。
「これはメインカメラの故障か?」
 兵士はその突然の現象に機械の故障を疑う。
「こちらも視界がおかしくなっている! おそらく敵の妨害行為かと――うわぁっ!」
「どうした!」
「狼が襲ってきた! こいつウォッグの装甲を喰ってやがる!」
「なんだと! 幻覚ではなく兵器だというのか! くっ、ともかく撃ち殺せ!」
 兵士達は混乱しながらもニードルガンを発射して狼を追い払おうとする。
「狙い通り混乱しているようですね。これで革命軍を狙うどころではないはずです」
 その隙に乗じてファルシュピーゲルは射線が通る位置取りをし、仲間の視覚を借りながら身を潜め長距離用狙撃銃【MK.15A SOPMOD2 SASR"Failnaught"】を構えた。

「さて、幾らキャバリアに乗ってるとはいえ、碌に操縦経験もない私が下手にしゃしゃり出ても、恐らくは邪魔になるだけです」
 ネリッサは冷静に状況を把握して、自身がキャバリアで戦う必要はないと判断した。
「餅は餅屋。ここはやはり、魔術で支援するのが適切ですね」
 似合わぬ真似をするよりも自分が最も得意とする方法で支援しようと、ユーベルコード『大いなる白き沈黙の神の吹雪』を発動し、無数の刃の様な氷柱を生み出して次々と射出した。氷柱はウォッグにぶち当たり、機体を損傷させていく。
「次はなんだ!」
「氷柱が飛んでやがる! 何がどうなってる!」
 見たこともない攻撃に慌てながらも、ウォッグはニードルを放って迎撃する。しかし氷柱の数は多く防ぎ切れない。
「氷柱はダメージを与えるだけではありません。海中を通って機体が濡れているなら好都合です」
 氷柱の冷気は海水で濡れたウォッグの表面を凍結させていく。
「幾ら強力なキャバリアとはいえ、イタクァの冷風に耐えられるでしょうか?」
 ウォッグの表面はまるで冷凍された魚のように霜が付き、軋むように動きが鈍くなった。
「こ、凍っていく?!」
「エンジン出力を上げろ! 熱を発せればすぐに溶ける!」
「氷柱が飛んで来た方向は……あいつだ!」
 ウォッグのエンジンが唸りを上げ、身体を覆う氷に抗って動いて氷柱を飛ばすキャバリアを見つけ、手をつき四つん這いになるとネリッサに向けて背中のミサイルを発射する。

「その攻撃は既に対策済みよ」
 ふわりと浮かぶアティルトを割り込ませたシャルロットがユーベルコード『神戮人器・銀悠を奏するは臨界の聖剣にして魔弾なり』によって精霊炉改造兵器を召喚する。アティルトが持ったそれは火炎放射器の形状をしていた。
「白き浄滅の焔を受けなさい」
 放たれる白い炎が届く前にミサイルの原子を浄滅して空中で消滅させた。見た目は火炎放射器だが、物質に由来する攻撃を浄化して無効化する対物質主義概念兵装がその実態だった。
「火炎放射器だと!」
 ウォッグは両腕を上げてニードルを連射する。しかしそれも白い焔に阻まれて消えてしまう。
「攻撃が通らん、これはダメだな。水中に潜ってやり過ごす!」
 戦い慣れた兵士はすぐに方針を転換し、このまま不利な状況で戦闘を続ける愚を避け、仕切り直そうとする。
「下がったわ、逃げるつもりよ」
 シャルロットが追いかけようとするが、それを阻止するべくウォッグがミサイルを天井に撃ち込んで砕いた岩の欠片を降らす。足を止めたシャルロットがその雨のように降り注ぐ岩片を浄滅している間に距離を取った。

「よし、今のうちだ!」
「行かせると思うか」
 凍結している機体を動かしウォッグが反転して逃げようとする。しかしそこには記憶から創造した贋作【青白き斬竜剣ヴォーパル・ソードF】を持つ霧亥が待ち構えていた。
「生身の人間がキャバリアを止められるものか!」
 無造作にウォッグがクローを振り下ろす。生身の兵士ならば怯えて逃げるか、容易く潰されるしかない。普通ならば――。
「キャバリアの首を刈る一刀……」
 対して霧亥は静かに攻撃を見上げながら、脳裡にサー・ジャバウォックの振るう巨大なヴォーパルソードを思い浮かべ、ユーベルコード『拡大介錯』を発動させた。
「その首、貰い受ける」
 手にしたヴォーパル・ソードFがイメージに従って巨大化し、踏み込んでクローを避けながら一閃する。振るった刃はウォッグの頭部、普通の機体なら首辺りの強固な装甲を裂いた。そして返す刀で霧亥はもう一太刀同じ場所に斬撃を浴びせ、傷口にまるでギロチンの如く刃を走らせウォッグの分厚い装甲を断ち切った。
「ば、馬鹿な! ウォッグの装甲を歩兵が断ち斬っただと!?」
「この化物め!!」
 その在り得ない光景に兵士達が驚愕しながらも、身体は訓練された動き通りに操縦してクローを振り下ろす。
「なるほど、想定外の出来事にも反応できる練度。腕利きなのは確かですね」
 じっと狙いをつけていたファルシュピーゲルが引き金を引く。放たれる弾丸はキャバリアの背中のミサイルに着弾し爆発を起こした。その衝撃でクローの軌道が逸れて地面に突き刺さる。
「介錯してやる」
 四つん這いの頭を差し出したような体勢のウォッグに、霧亥は大上段に構えたヴォーパルソードFを振り下ろし、その首を一刀両断に斬り落とした。

「動ける者は全て湖に飛び込め!」
 ウォッグは邪魔をする影の狼を振り払い、一目散に地底の湖にダイブする。しかしその直前に氷柱が湖に飛び込み、一瞬にして海水を凍らせた氷塊を浮かべた。
「水中戦を得意としている機体なら、そこへ逃げ込むと思っていました」
 ネリッサが残った氷柱を全て撃ち込み、表面の海水ごと機体を凍らせて半分ほど海面に飛び出た状態で固定した。
「一瞬で海水が凍っただと!?」
「クソッ! 身動きがとれん!」
 ウォッグが足掻いて動こうとするが、それよりも猟兵の攻撃の方が早かった。
「動かない的なら簡単に無力化できます」
 ファルシュピーゲルは銃弾を撃ち込んでモノアイを破壊する。さらに影の狼達が群がって装甲を噛み砕き、内部の配線を引き千切っていく。あっという間にパイロットを殺さないように機体に損傷を与えて無力化を済ませた。
「このっ!」
 上半身が出ているウォッグは腕からニードルを飛ばす。しかしそれは白い焔によって遮られ消滅した。
「無駄よ。ミサイルだろうとニードルだろうと、全て私が消してみせるわ」
 シャルロットがさらに白の焔を放射し、ウォッグの両腕を削り取るように消し飛ばした。さらにボディの装甲まで抉られパイロットが丸見えとなって冷たい外気に触れた。
「なんだこれは……夢を見ているのか?」
 理解を越えた事態に流石の精兵も呆然自失となって操縦桿を手放した。
「殺しはしないわ。事態が収まるまで大人しくしてるのね」
 そう言い残してシャルロットは次のウォッグへと焔を浴びせかけた。
「強い……これほどの兵が侵入しているとは……デニス少佐にお伝えしなくては!」
 運良く凍結から脱したウォッグが上司に猟兵の事を伝えようと、表面の凍りを割って海中深くに逃げ出す。冷気も底に行けば効果を失い自由に動けた。
「どこに逃げようと無駄だ。俺の刃はその首に届く――」
 湖の上に立つように浮かんだ霧亥が剣を振りかぶる。そして湖を斬るように伸びた刃を振り抜くと、暫くしてからぷかりと逃げたはずのウォッグが顔の上部を失って浮かんできた。
 最後のウォッグが倒れ、精兵達を無力化することに成功する。
「これで精鋭部隊の制圧は完了です。革命軍の後を追い、引き続き進撃路の確保を行いましょう」
 ネリッサの言葉に従いSIRDのメンバーは洞窟を奥へと進み始めた。


 革命軍を攻撃しようとしていたウォッグ精鋭部隊は、猟兵達の活躍によりその襲撃を阻まれた。その間に革命軍は順調に戦線を進め、将軍が居る本部の近くへと迫っていた――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『スーパーウォッグ』

POW   :    クローアタック
【クローアーム 】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    水陸両用射撃兵装
【腕部フォノンメーザー砲 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【背部水陸両用高性能ミサイル】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
WIZ   :    水流制御装置
敵より【長く水中にいる 】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルイン・トゥーガンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●オブリビオンマシン
「もう少しで本部だ!」
「将軍を捕えればこちらの勝ちだ!」
 革命軍が本部に近づくが、防衛側の抵抗も激しさを増していた。
「しかし01小隊が来ませんね」
「援軍のお蔭だろう。どこの誰だかは知らないが、この状況で来られたら詰んでいた」
 今でもギリギリの状態で押し通っている。そこに精鋭部隊が現れれば成す術もなかっただろう。
「だが油断はするな! 将軍を確保するまで休まず突き進め!」
「「了解!!」」
 あと一押しと、革命軍は抵抗する防衛軍に突撃し、決死の猛攻で最後の防衛線を突破しようとしていた。

「こりゃどうなってやがる?」
 本部近くへとやって来たのは唯一他とは違うカラーを施された赤いスーパーウォッグ。そのパイロットである第01小隊隊長のデニス少佐が驚きを顔に浮かべて周囲を見渡した。そこには防衛側のウォッグが無残にやられ倒れている姿があった。
「反乱軍なんぞ俺の部隊なら軽くあしらえるはずだ……外部の戦力か?」
 その損傷から、ウォッグでは成し得ない攻撃方法でやられている事に気付く。
「やってくれるじゃねぇか……だが面白い。これでずっと巣に籠っていた退屈とおさらばできそうだぜ!」
 デニス少佐は口の端をつり上げ、狂暴な笑みを浮かべるとスーパーウォッグを走らせる。その動きは他のウォッグとは比べ物にならないスピードで、並みのパイロットならばコントロールできずに転倒したり壁にぶつけてしまうだろう。しかしデニス少佐はまるで庭を散歩するように、洞窟内の険しい足場を駆け抜け、獲物を狙う獣のように革命軍へと迫る。
「こいつも闘争を求めてる。もっと強い奴をぶっ殺したいってな!」
 パイロットの闘争心に応えウォッグが吼えるようにエンジンを唸らせた。
「この洞穴で俺たちに敵う奴なんざいねぇ! 全員ぶっ殺してやる!」
 オブリビオンマシンによって闘争本能を増幅されたデニス少佐は、頭は冷たく心は燃え上がるように熱くさせ、恐るべき戦闘力を以って赤い死神として戦場に現れた。


 エース機でありオブリビオンマシンでもあるスーパーウォッグが革命軍と出会えば甚大な被害が出てしまい、革命は失敗するだろう。
 それを阻止するべく、そして本命であるオブリビオンマシン撃破の為に、敵の庭である洞窟内で、不利であろうとも迎撃せんと猟兵達は動き出した。
アイオライト・セプテンバー
※アドリブ歓迎

……赤い機体!? こいつはっ……今までの奴と格が違うッ!!
オブリビオンマシンってだけじゃない……この手練れは、純粋にこの環境での戦闘に慣れているようね

……まともにやっちゃ相手にならないってことか!

ユーベルコード【バースト・モード】――!!
ブルーテイルのリミッターをオールアウト
耐G制御による生命維持を遮断、可能な限り反応速度を優先
アバラの数本はくれてやる!!

武装はビームシールドを纏わせた拳と、そのエネルギーで強化したプラズマブレード……いや、貫通力を重視し、ビームを〝ランス〟の形へ整形
【見切り】と【貫通攻撃】を活かし、敵の軌道の一瞬のスキを突いて岩陰の死角から、岩ごと敵機を貫くわ!


村崎・ゆかり
やっとオブリビオンマシンが押っ取り刀でお出ましね。
今まで同様、討滅してあげるわ。

無防備に見える様子で、敵機の前に姿を見せましょう。
腕部砲口が向けられたら、方術『空遁の法』で即座に敵機の背後に転移。
立て続けの「衝撃波」まとう薙刀の連撃で、「なぎ払い」「串刺し」に。
狙うはやっぱり装甲の薄い関節部よね。
ただ、敵の反応速度がおかしいレベルだから、キャバリアが向きを変えたら、即座に再転移しての仕切り直しの攻撃を仕掛けるわ。

一発もらえばそれでお終い。
そんな戦いなら何度もしてきたのよ。今更キャバリアを恐れる理由はない。

背負ったミサイルに火を付けたらどうなるかな?
可能なら不動明王火界咒でミサイルポッドを狙う。



●赤いウォッグ
 洞窟内にキャバリアの足音が響く。それは明らかにキャバリアとは思えない速度で近づいてくる。その音のする方向にアイオライトはブルーテイル・エクスの顔を向けた。すると少し距離のある岩陰から赤いウォッグが姿を見せ相手もこちらを認識する。
「見つけたぜ、反乱軍じゃなく他国の新型と先に当たるとは、俺は運がいい!」
 嬉々としてデニス少佐は獰猛に笑みを浮かべ、スーパーウォッグは一瞬にしてまた入り組む洞窟の障害物に姿を消した。
「……赤い機体!? こいつはっ……今までの奴と格が違うッ!!」
 その俊敏な動きからアイオライトは警戒レベルを高める。すると側面の岩陰から飛び出してきたスーパーウォッグがクローアームを脇腹に突き入れようとうする。
「もうこんな近くにッ!」
 アイオライトは反射的に機体を動かし、上体を反らして躱す。しかしクローが掠めて装甲に爪痕を残した。
「避けたか、ここまで乗り込んできただけのことはある!」
 攻撃が避けられたことを喜びながら、デニス少佐は勢いのまますぐにまた洞窟の陰へと身を隠した。アイオライトが後を追おうにも時すでに遅く、その姿は消え去っている。
「オブリビオンマシンってだけじゃない……この手練れは、純粋にこの環境での戦闘に慣れているようね」
 身を隠すにしてもその動き一つに迷いがない。最初からどこに移動するべきか分かっている者の行動だった。

「やっとオブリビオンマシンが押っ取り刀でお出ましね。今まで同様、討滅してあげるわ」
 そんな強敵にわざと狙われるように、ゆかりが無防備に開けた場所に歩み出た。
「……生身の人間。囮か? ………嫌な臭いがしやがる。敵の待ち伏せにあった時の感覚だ……近づかずに仕掛けるか」
 デニス少佐はどうにも嫌な予感を感じ、離れた位置から腕部フォノンメーザー砲を発射する。ビームが狙いを外さずにゆかりを撃ち抜く。しかし当たる直前にその姿は消え去り、ユーベルコード『方術・空遁の法』によって空間を切り取りスーパーウォッグの背後に転移していた。
「死んだか――!」
 仕留めたと思った瞬間、ぞくりと背筋が凍るような感覚にデニス少佐が咄嗟に操縦桿を前に倒しスーパーウォッグを前に倒れ込ませた。それと同時に背中に衝撃が走る。
「転移に気付いていなかったのに躱すなんて、やるわね」
 背後からゆかりが薙刀【紫揚羽】を振るって放った斬撃の衝撃波を、スーパーウォッグの腕や脚の関節部を狙って浴びせていた。しかし敵がすぐに前に進んだ為に距離が開いて傷が浅い。
「なるほどな、生身で戦う超人というヤツか、これなら部下が不意をつかれるのも仕方ねぇ、だがゲリラ戦のスペシャリストである俺には通じん!」
 横に転がって攻撃を躱しながら、スーパーウォッグはビームを撃ち返した。
「敵の反応速度がおかしいレベルね。まともに撃ち合ってたら危ないわ」
 ゆかりは再転移して攻撃を躱し、仕切り直してまた死角から攻撃しようとするが、消えたと同時にスーパーウォッグは跳ね起きて駆け出し、その場を全力で離れていた。
「……逃げた?」
 その逃げ足の速さにゆかりは呆れたような声を漏らし、転移してその後を追い駆けた。
「いない……逃げ足も速いわね」
 だがスーパーウォッグは視界に入らぬよう陰へ陰へと動き回り、敵の姿を見失ってしまった。


「ハッ、ここは俺の庭だ。俺のペースでやらせてもらう!」
 デニス少佐は相手のペースに引きずり込まれる前に、岩陰に隠れて仕切り直した。
「超人は厄介だが、やはり火力はキャバリアが勝る。先の落とすべきはあっちだ」
 そして逃げると見せかけ、狙いをキャバリアに乗るアイオライトへと変更する。
「撃ち抜く」
 スーパーウォッグが岩陰から岩陰に移る一瞬、ビームを放ってブルーテイルの背中を撃ち抜く。
「うわっ」
 不意の衝撃にアイオライトはコックピットで前へと倒れかけ、体を固定するベルトが強く食い込んだ。
「後ろか!」
 攻撃を受けた背後へ振り向くが、どこにも敵の姿はなく。今度は側面から現れてビームが飛んでくる。それをブルーテイルがビームシールドを纏わせた拳で弾く。しかし追いかけても敵影を捉えることはできない。
「……まともにやっちゃ相手にならないってことか!」
 このままではやられると、アイオライトは動き回る敵の俊敏さに付き合うのを諦める。
「ユーベルコード【バースト・モード】――!!」
 立ち止まるとユーベルコード『バースト・モード』を発動し、ブルーテイルのリミッターをオールアウトした。機体中にエネルギーが限界を超えて巡り、今にも暴れ出しそうなほど振動が走る。
「プラズマブレード……いや、貫通力を重視し、ビームを〝ランス〟へ」
 拳を覆っていたビームが長く伸びてランスの形となった。そして振り向きながら放たれるビームを切り払った。
「そこか!」
 反応速度の上がったブルーテイルが敵の動きを捉え、限界を超えた動きでブースターを噴射して加速する。
「アバラの数本はくれてやる!!」
 パイロットの安全を考慮しない急加速に強烈なGが掛かり体にダメージを負う。しかしそれを無視して敵が身を隠そうと飛び込んだ岩に向かって突っ込んだ。
「岩に隠れるなら、岩ごと敵機を貫くわ!」
 放つ一撃は岩を貫通し、ビームランスの切っ先が岩壁の裏側にいたスーパーウォッグの脇腹辺りを穿った。

「岩を貫通したというのか!」
 驚きながらもデニス少佐は機体をバックステップさせそれ以上の深手を負わぬように距離を取り、岩から新たな追撃が無いか意識を集中する。
「動きを止めたわね」
 その背後にゆかりが転移で現れ、薙刀を一閃して衝撃波を放つ。
「背負ったミサイルに火を付けたらどうなるかな?」
 背中の左右にある右ミサイルポッドに命中し、傷口に向けて白紙のトランプを飛ばす。それが燃え上がり内部のミサイルに誘爆した。
「追いつかれたか!」
 すぐにデニス少佐は右ミサイルポットを切り離し、爆発の衝撃を受けて前に跳び前転して受け身を取ると、地についた右手で体を支え左腕を後方に向けてビームを放った。
「超人とはいえ当たりさえすれば一撃のはずだ!」
 爆炎の中を突き抜ける不意をついた一撃。しかしそれは空を切って壁に直撃した。
「一発もらえばそれでお終い。そんな戦いなら何度もしてきたのよ。今更キャバリアを恐れる理由はない」
 高火力のキャバリアの一撃を恐れずに、ゆかりは側面から薙刀を突き入れる。腕関節を狙った一撃は、咄嗟に上げた腕の装甲に阻まれた。
「超人というヤツは肉体だけでなく精神まで規格外か!」
 デニス少佐はクローを振るってゆかりを打ち落とそうとするが、ゆかりは敵機に張り付くようにして攻撃を続ける。
「躱すのが上手いな、なら躱す場所を潰せばいい。歩兵を殺すのに過剰な火力は必要ない!」
 デニス少佐が両腕からビームを四方八方に撃ち、岩壁を粉砕して大小さまざまな岩片を散弾のように飛び散らせた。強固なキャバリアの装甲にダメージを与えるものではないが、生身ならば当たれば大怪我を負う。

「対人用の攻撃かッ! 得意なのはキャバリア戦だけじゃないってわけね」
 そこへアイオライトがブルーテイルを飛び込ませ、機体を盾にして岩片を受け止めた。
「助かったわ、でも逃がしてしまったわね」
 礼を言ったゆかりが敵のいた場所に視線を向けると、そこには既に敵の姿はなく。不利と見るや飛び交う岩の破片を目晦ましに一目散に逃げ出したのだ。
「ゲリラ戦が得意というだけのことはあるわ」
「隠れるのが得意みたいだから、不意を突かれないように慎重に進むしかないね」
 体への負荷によって口の端から流れる血を拭ったアイオライトは、ゆかりと共に慎重に敵を探しながら洞窟を進み出した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シル・ウィンディア
【ウィンディア】
敵エース…
相手の庭での戦いかぁ
…テラ、気を付けてね

スラスターの【推力移動】で平面を高速移動
【残像】も生み出して機動

敵の攻撃行動は
【第六感】で殺気を感じて
敵機の動きを【見切り】【瞬間思考力】で
最適な回避・防御を選択
回避は【残像】で攪乱
防御は【オーラ防御】で致命書を防御

攻撃はコクピットを避けて…

出力を絞って連射モードにしたビームランチャーで攻撃
ただこれは敵の動きを遮るため
接近されたら
ランチャーを捨てて
左手のビームセイバーで敵クローの【切断】を狙い
右手で風刃剣を抜いて【推力移動】で機体をターンさせてから
【二回攻撃】で連撃するね

【高速詠唱】で隙を減らし
《指定UC》!すべてを切り裂くっ


テラ・ウィンディア
【ウィンディア】
すげーな
こんな狭い処であんなに動けてる
つまり…平面移動のスペシャリストか
ああ…唯おれは力を尽くすだけだ
【戦闘知識】
敵の動きと癖
何より周囲の地形から敵…理想的かつ安全なルートの把握
其処に斬撃を刻んでおく
【見切り・第六感・残像・盾受け】
敵の攻撃は冷徹に見据え平面移動で可能な限り回避…避け切れないのは盾で受け止めながら
【二回攻撃・早業】
斬撃で反撃
今迄の戦いでシルや他の猟兵が刻んだ斬撃も頭に叩き込みながら

あんたは凄いよ
こんな場所でこんなに自由に動ける
そして…常に最適解を選んでる
だから…
だからあんたに一矢報える

敵が斬撃濃度の高い空間に入った瞬間
消えざる過去の痛み発動

(斬斬斬斬斬斬斬斬!!



●エース
「敵エース……相手の庭での戦いかぁ」
 ブルー・リーゼのモニターで薄暗く見通しの悪い洞窟を観察するシルは、不利な状況での戦いになると覚悟を決めて臨む。
「……テラ、気を付けてね」
 そして心配そうにテラに声を掛けた。それと同時に距離の空いた場所で、赤いキャバリア、スーパーウォッグの姿がちらりと見えた。だが互いが遠くから視認し合うと、一瞬にして細い脇道に姿を消した。その動きはまるで人間のようになめらかだった。
「すげーな、こんな狭い処であんなに動けてる」
 隣でヘカテイアに乗ったテラが感心するように声を上げる。
「つまり……平面移動のスペシャリストか」
 そこまで思考したところで、ようやく我に返ったようにシルの声が頭に入ってきた。
「ああ……唯おれは力を尽くすだけだ」
 返事をしながら操縦桿を強く握り、その目は闘志に燃えていた。

「先のキャバリアとはまた違うのが二機……どれだけの戦力が洞穴に投入されている? まあいい、全て倒してしまえばいいだけだ!」
 デニス少佐は死角から猟兵に近づき、側面から飛び出しクローアームで襲い掛かる。
「テラ! 右からっ!」
 シルの警告の声が響くと、考える前にテラは操縦桿を動かして前に踏み出した。狙いを外して頭部を狙ったクローは右肩を掠め装甲を抉る。
「今のを避けたか!」
 勢いのままスーパーウォッグは駆け抜け、反撃にテラのヘカテイアが振るった【星刃剣『グランディア』】を躱した。刃は岩壁に斬撃の跡を刻む。
「速い……」
 振り返った時には既にその姿はなく、テラは慎重に左腕にビームシールドを展開して身構えた。

「わたしは動いて敵を攪乱するよ!」
 シルはブルー・リーゼのスラスターを噴射させ、低空飛行によって洞窟内を高速移動する。残像を生み出すことで敵の目を惑わし狙いを絞らせない作戦だった。
「残像か、面白い機能だが、場所が悪かったな……!」
 スーパーウォッグが岩陰から腕を出してビームを放つ。その攻撃は洞窟の高い位置を通り抜けていった。
「シル、狙われてる!」
 離れた位置のテラには、ビームの光によって洞窟内が照らされ、残像には出来ない影がブルー・リーゼ本体の足元から長く伸びているのがはっきりと見えた。
「見つかった!?」
「遅い!」
 慌ててシルが回避行動を取るが、それよりも先にスーパーウォッグが飛び掛かりクローを放った。しかし刃は機体に当たる前に展開したオーラバリアによって阻まれる。
「バリアなんぞ!」
 しかし僅かな抵抗の後に押し切られ、クローはブルー・リーゼの左スラスターを削った。

「出力が落ちる!」
 損傷によって左スラスターの出力が低下し、シルはブルー・リーゼを着陸させる。
「このまま仕留めてやる!」
 そこへスーパーウォッグが追撃を仕掛けるが、割り込んだヘカテイアがビームシールドで受け止めた。
「ありがとうテラ!」
 連携してシルは左手に持ったビームセイバーで、テラが右手に持つ剣で斬りつける。
「邪魔が入ったか」
 しかしスーパーウォッグはヘカテイアをシールドの上から蹴って後方へと跳躍していた。
「避けられた! それならっ」
 シルがブルー・リーゼの右手に持ったビームランチャーを出力を絞って連射する。それを右に左にと避けながらスーパーウォッグはまた岩陰に姿を消した。
「あんたは凄いよ。こんな場所でこんなに自由に動ける」
 その狭い洞窟内の戦闘とは思えない華麗な動きにテラは感嘆の声を上げた。
「そして……常に最適解を選んでる。だから……だからあんたに一矢報える」
 テラは敵が現れるのをじっと待つ。すると背後でガラガラと音が聞こえる。振り返ればそれは岩が崩れ転がる音。
「もらった!」
 投げた岩を陽動に、側面からスーパーウォッグが迫る。
「殺気を感じたよっ」
 その奇襲を察知したシルがランチャーを手放した右手で【RX風刃剣『ゼフィール』】を抜いてクローを弾く。そしてユーベルコード『ヘキサドライブ・エレメンタル・スラッシュ』を発動し、火水土風光闇の6属性を左手のビームセイバーに宿し魔力剣となって斬撃を放った。
「すべてを切り裂くっ」
 ブルー・リーゼの一閃が一振りでありながら六つの斬撃が重なったように襲い掛かり、スーパーウォッグの強固な胴体装甲を容易く斬り裂く。
「このスーパーウォッグの装甲を斬るだと!」
 しかしデニス少佐は機体を後ろに倒れさせ、傷を浅くして大破を免れていた。
「剣の間合いに入れば危ないか、なら距離を取って削っていく」
 スーパーウォッグが跳ね起きて後退する。それを追ってシルとテラが幾度も斬撃を放つが、剣の間合いには入らぬように警戒してスーパーウォッグは一定の距離を保って牽制にビームを放つ。
「この距離なら剣は避けられる。じわじわとビームで殺してやるぞ!」
「そこはおれの剣の間合いだ――」
 剣の届かぬ間合いでテラがユーベルコード『悔恨「消えざる過去の痛み」』を発動し、虚空から空間に刻まれた斬撃を出現させる。戦闘で放たれた斬撃の残滓が空中で幾重にも弧を描いた。この一瞬の為に、当たらなくても斬撃を放ち続けていたのだ!

 ――斬斬斬斬斬斬斬斬!!

 斬撃濃度の高い空間にスーパーウォッグが取り込まれ、全身に斬撃を浴びる。
「なんだ!」
 デニス少佐は致命傷を避けるようにクローでコックピットに当たる斬撃を防ぎ、あちこちの装甲を抉られながら地面を転がって逃れた。
「歴戦のあんたでも、経験したことのない攻撃は避けられない」
 そこへテラが剣を振り下ろすと、スーパーウォッグが左腕で受け止めた。傷ついていた装甲に刃が食い込み、腕が斬り落とされる。
「こんな奥の手を持っているとはな、この場は俺の負けか」
 デニス少佐は落下する左腕にビームを撃ち込み爆発を起こすと、視界が戻る頃にはその場から消え去っていた。

「この場から殺気が遠のいていくよ」
 シルが敵の気配が遠くなっていくのを感じる。
「この場は引いたようだな。引き際も鮮やかだ」
 片腕を失うとすぐさま負けを認め一時撤退した敵エース機に、テラは称賛の気持ちを抱いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

朱皇・ラヴィニア
成程、厄介な敵だね……
水中戦は確かに不利だ
ならばそこから追い出してやろう
切り札はまだ切ってないんだ、やってみる!

推力移動で水上をわざと飛び回り敵が飛び出すタイミングを見計らう
体勢を崩さない様にゼルのバランスを肉体改造でチューニング
狙いは水面に出てきた所、コードを発動して一気に仕掛けよう

147と323を結合し430で固定

上昇してきた所で結合武装を最大出力で投射
430を引き上げ用ワイヤー代わりにして
括り付けた147を最大出力の323で射出し
敵を貫通し釣り上げて地上へ放り投げる!

その後クローの射程に入らない様空中から
突き刺さった147から電磁投射砲の大出力で電撃を浴びせ
敵パイロットの無力化を試みるね


霧島・絶奈
◆心情
躰が闘争を求めるのであれば、存分に愉しみましょう
この『逢瀬』を

◆行動
引き続き【Evolution】で戦闘
【暗視】で闇を見通し【聞き耳】を立て索敵
海水地帯は【環境耐性】を高めた【オーラ防御】で機体を保護し【水中機動】を活用

【罠使い】の技を活かし「魔法で敵を識別するサーメート」を複数設置
勝手知ったる筈の地形が牙を剥く
既知が未知に変わるという【恐怖を与える】事で疑心暗鬼に陥らせます

『涅槃寂静』にて「死」属性の「ブライニクル」を行使し【範囲攻撃】
海中に潜む限り、其処は死地です

加えて【範囲攻撃】する【マヒ攻撃】の【衝撃波】で【二回攻撃】

負傷は【各種耐性】と【オーラ防御】で軽減し【生命力吸収】で回復


カシム・ディーン
あー…ありゃヤバそうな相手ですね
「大丈夫だよご主人サマ!メルシーがついてるよ☆」
うん、絶望的ですね
「ひどっ!白旗上げちゃう?」
それで許してくれるなら手ですがその前に抗うとしましょう

【視力・情報収集・戦闘知識】
強化された目で敵の動きから癖と戦闘の癖を分析
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を機体に付与
光学迷彩と共に水属性を付与することで水との親和性を強化

とは言えこれは誤魔化されてくれないかもですね
【スナイパー】
光弾を連射して牽制
当然こっちに迫ってきますよね
UC起動
防御力強化
【念動力】
念動フィールドをバリアに重ね防御強化
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
ハルペーによる連続斬撃から同時に武装強奪開始!!



●水中に潜む大魚
「躰が闘争を求めるのであれば、存分に愉しみましょう。この『逢瀬』を」
 絶奈が戦いを求め荒ぶるオブリビオンマシンを探し、Evolutionの暗視モードで周囲を観察する。
「この辺りは水場が多いですね」
 足元を見ればあちこちに深い海水の溜まった穴がある。
「キャバリアが通れそうな大きさのものが幾つもあります。海中で全て繋がっているとしたら相手は好きに移動できる海中通路を持っていることになりますね」
 絶奈がそう思った瞬間、ぬうっと穴から赤いキャバリアが姿を現わす。機体は左腕の先を失い傷ついているが、まだ戦闘能力は保たれていた。そして既にこちらの位置を捉えていたのか、一足で飛び掛かりクローアームを振り抜いた。
「既に敵の領域に入り込んでいましたか」
 絶奈はオーラバリアで身を守り、それを切り裂くクローは勢いを弱め機体の腕を掠め装甲を浅く削る程度のダメージに抑えた。
「浅い、バリアか!」
 デニス少佐は勢いを殺さずに駆け抜け、他の海水の繋がる穴へと飛び込んだ。そしてすぐに回り込んだ穴から飛び出し、ビームを放つとまた海中に潜り込む。

「あー……ありゃヤバそうな相手ですね」
 その俊敏な動きにカシムは追いつけるだろうかとイメージするが、この場所では水に潜られてまともにスピードでは張り合えそうになかった。
「大丈夫だよご主人サマ! メルシーがついてるよ☆」
「うん、絶望的ですね」
 頭の上の鶏の励ましに、カシムは諦めた顔で即答する。
「ひどっ! 白旗上げちゃう?」
「それで許してくれるなら手ですがその前に抗うとしましょう」
 やれるだけのことはやってみようと、カシムはメルクリウスに光水属性を付与して光学迷彩を施し、水に対する親和性を強化する。
「これで誤魔化されてくれるといいんですが」
 そんな甘い相手でもないだろうと思いながら、敵を狙い撃とうと射線の通る位置に移動する。そして絶奈を狙うところへ杖を向けて光弾を発射すると、反応して躱された。

「撃ってきた……だが姿が見えん。光学迷彩か?」
 洞窟内を知り尽くすデニス少佐は見えぬ相手にそう判断を下して、穴から海中へと飛び込みモグラのように地中から光弾の放たれた方向へと接近する。
「成程、厄介な敵だね……」
 その様子を見ていたラヴィニアは、穴から穴へと自在に移動する敵に脅威を覚える。
「水中戦は確かに不利だ。ならばそこから追い出してやろう」
 水中での戦いが不利ならば地上に引き摺り出せばいいと動き出す。
「切り札はまだ切ってないんだ、やってみる!」
 ラヴィニアはシュラウゼルを推力移動させ、水上をわざと飛び回り敵の気を引く。
「なんだ、違う機体か。この動きは誘いか? なら乗ってやる!」
 面白いとデニス少佐は罠ごと切り裂く勢いで水面を飛び出し、クローで下から襲い掛かる。
「釣れた!」
 ラヴィニアはユーベルコード『武装強制最適化』を発動し、【RX-147ロストオウス】と【RS-323Fラピッドラプター】を結合させて伸縮自在なナノスキン製帯状拘束具【RXS-430テンダーベノム】で固定する。
「これで動きを止める!」
 ナノマシンの集合体で出来た帯を繋げた剣の147が速射砲の323から投射され、スーパーウォッグの損傷している左腕の装甲の薄い関節部を貫いた。そして剣を釣り針、帯を釣り糸に見立て、竿である速射砲を引っ張って釣り上げた。
「これはっ釣りだと?! 俺をそこらの魚と一緒にするなよ!」
 帯をクローで引き千切ろうとするが、傷付いても帯はナノマシンが欠損部に集まることによって修復される。
「なぜ千切れん!!」
「水辺から引き離す!」
 思い切り引き揚げたラヴィニアはスーパーウォッグを放り投げ、穴が近くに無い場所へと転がした。

「此処ならば水中へは逃げられませんね」
 絶奈がEvolutionを浮かべて頭上から衝撃波を放ち、スーパーウォッグを地面に叩きつける。
「ちぃっ!」
 デニス少佐は倒れた機体で地面を転がることで追撃を躱す。しかしそこで仕掛けて置いた罠が爆発し炎に煽られる。
「罠か!」
 転がるのを止めると、炎から逃れる方向へと身を低くして駆け出した。
「へー……キャバリアに乗ってるのにあの動き、器用なものですね」
 そんな人間のような動きを行う技量に感心しながら、カシムは光弾を連射した。
「さっきの見えないヤツか!」
 分厚いスーパーウォッグの装甲に被弾してボコボコとへこみができる。
「逃がしません。このまま追い込みましょう」
 転がって潜れる場所へとさりげなく戻ろうとする敵へ、絶奈は行く手を塞ぐように衝撃波を浴びせた。
「気付かれたか、ならっ――?」
 反撃に飛びつこうとしたスーパーウォッグの左腕が引っ張られる。そこにはまだ剣が突き刺さったままで、ラヴィニアが動きを阻害するように引き寄せていた。
「パイロットの無力化を試みる!」
 シュラウゼルが刺さった剣へと帯を伝い電磁投射砲の電撃を大出力で流し込み、内部へと電流を流そうとする。
「やらせるかよ!」
 デニス少佐はスーパーウォッグの右腕を左関節に当て、ビームを放って腕を吹き飛ばした。剣の刺さっていた部分を強引に切り離し、素早く駆け出した。
「こちらに向かってきますね。ですが通しません」
 迫る敵にカシムは光弾を集中して足を止めする。
「もう逃げ場はありませんよ」
 背後には絶奈、頭上にはラヴィニアが陣取って包囲する。
「いいや、まだここがある!」
 スーパーウォッグが地面に右腕を突き入れ、薄い岩盤を割って穴を開けた。そこから海水が溢れ出る。

「これが奥の手だ!」
 その穴に飛び込みスーパーウォッグは姿を晦ませる。
「この部分は地面が薄いですね。海中に逃げられたようです」
 その穴を覗き込み、カシムが思ったよりも足場が脆い事に気付いた。
「ということは……」
「どこから現れてもおかしくないってことですね☆」
 カシムの思考に鶏も同調し、咄嗟にその場を飛び退いた。メルクリウスが立っていた足場が崩れ、そこから水飛沫と共にクローが突き出る。
「勘がいい! しかしいつまで避けきれるかな!」
 メルクリウスから光弾が撃ち込まれる前に、スーパーウォッグの腕が水中に引っ込んだ。そうして出て来る場所に光弾を撃ち込もうとするが、すぐに腕を引いてしまい当たらない。

「これでは本物の土竜ですね」
 絶奈はそのモグラ叩きの様子を眺めながら次の一手を打つ。
「自ら陸に上がって貰う事にしましょう」
 ユーベルコード『涅槃寂静』を発動し、森羅万象へと影響を及ぼして海水を凍らせブライニクルへと変えた。
「海中に潜む限り、其処は死地です」
 幾つもの氷柱を深く伸ばし周囲を覆うように障害物を作り出した。
「なんだ? 海中が凍っている? バカな、この辺りは冬でも海が凍らない地域だぞ!」
 突然の異変にデニス少佐は敵の兵器である可能性を考える。
「こんなとんでもない兵器があるのか……だが、倒せばその技術が俺たちのものになるかもしれん!」
 デニス少佐は水中から飛び出し、まずは一番近くにいたカシムへと襲い掛かる。

「飛んでいる二人より先にこちらを狙って来ると思っていましたよ」
「モグラを捕まえる罠だよ♪」
 カシムはユーベルコード『帝竜眼「ヴァルギリオス」』を起動し、毒・水・闇の『触れた者を毒にするバリア』、炎・雷・光の『攻撃を反射し燃やすバリア』、氷・土の『触れた者を凍結するバリア』の3つのバリアを張り、さらに念動フィールドを重ねた。
「バリアごと貫く!」
 クローがバリアに突き刺さりエネルギーが火花のように散る。
「世界を蹂躙せしめた竜の王の力を貫けますか?」
 バリアはキャバリアの腕を腐食するように侵食し、さらに燃え上がらせ、凍結させる。
「デタラメ過ぎだろうが!」
 危険を感じたデニス少佐は腕を引き、使い物にならなくなる前にバックステップしてバリアから離れる。
「逃がしません、武装強奪開始!!」
「モグラの身ぐるみをはいじゃえー☆」
 頭の上で煩い鶏の声が聞こえないほど集中したカシムは、【BX鎌剣『ハルペー』】を振るい装甲を剥ぎ、左角を追ってその手に収める。
「奪うつもりが、奪い獲られてるだと!? これならば水中の方がマシだ!」
 デニス少佐は牽制に腕からビームを放ち、まるで解体ショーのようにスーパーウォッグを分解しようとするカシムから逃げ出し海中に潜ろうとする。
「もう一度釣り上げてみる!」
 ラヴィニアがまた釣り針のように剣を放ちその足を狙う。
「同じ手に掛かるか!」
 身を捻ってスーパーウォッグが躱し反撃にビームを放つ。ラヴィニアはそれを回避してシュラウゼルは電磁投射砲を構えパイロットを殺さぬように電撃を放出する。
「オブリビオンマシンがどれだけ強くても、パイロットさえ止められれば動けなくなる!」
 電撃は装甲を伝い内部のパイロットにまで届く。
「ぐっ、この程度で!」
 デニス少佐は唇を噛んで意思を保ち、操縦桿を押して穴から海中に飛び込んだ。
「海中に逃げましたか、しかし、何処にも貴方の安全な場所はありません」
 絶奈が海中にも仕掛けていたサーメートが爆発し、大量の泡が穴から浮き上がってきた。さらに続けて海中で爆発が起こり、やがて静かになって泡が消えていく。しかしスーパーウォッグは浮かんでこずに姿を消した。

「どうやらミサイルでブライニクルから逃れたようですね」
 絶奈は水中での爆発に思い至り、敵が死地から逃れた事を悟る。
「逃げられましたか、ですがかなりダメージを与えられましたね」
 カシムはもう少し強奪したかったと名残惜しそうに穴を覗く。
「不利となると迷わず逃げるなんて、本当に厄介だね……」
 ラヴィニアは大魚を逃した気分で、他の場所で待ち構える猟兵達に後を任せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で連携

先ずは(情報収集・見切り)で攻撃回避しつつ
敵・味方の動きと周辺地形を把握
仲間の攻撃で隙が生じたら静かに後退
UC:ウロボロスアーセナルで遮蔽物になりそうな窪み・岩陰に
敵機の脚部狙いで自己鍛造弾型の対側面地雷を作成し設置隠蔽した
キル地点を複数配置する(戦闘知識・罠使い)

配置後は頃合いを見て指定UCを使用
味方に連携して狼達に四方から襲撃させ、
其処へわざと目立つように狙撃し【仲間と狼】を囮にした狙撃を演出。
敵の高機動性への自負と自分の庭といえる地の利を使って、
遮蔽物を伝って狙撃者潰しに来るよう誘導。

キル地点に入った瞬間に起爆し
確実なダメージと機動力の低下を狙います


※アドリブ歓迎


ネリッサ・ハーディ
【SIRD】のメンバーと共に行動

標的が現れましたね。今回の目的はあるスーパーウォッグを破壊すること。
その為には、如何なる手段も問いません。但しパイロットのデニス少佐は無傷で押さえるのが前提となります。

流石にエース機だけあって、性能が高いですね。こちらの乗っているウォッグの性能と私の操縦能力では挑むだけ無駄というものです。ですから、基本的に回避に専念。機会があれば攻撃しますが、それで牽制できれば御の字ですね。
あとはチャンスを慎重に伺い、隙を見てUCを発動。スーパーウォッグの手足を触手で絡めとって動きを止め、可能ならば手足に破壊を試みます。

幾らエース機とはいえ、黄衣の王から逃れるなど愚の骨頂です。


シャルロット・シフファート
【SIRD】
水中ね?
なら、あえてこのユーベルコードで立ち向かいましょうか。
空間そのものを変容させたこの炎は「空間そのものによって存在している水」を寧ろ空間ごと焼き尽くして行くわ。

そのまま水中空間を炎に変換させた空間を触媒として万象が炎属性で構築された異世界を展開。
そのままフェニックス等の炎属性の眷獣を召喚し、スーパーウォッグにけしかけるわ。

私も炎の異世界を自身の体に付与させて自己強化。
炎のドレスを身に纏って炎属性魔術を行使。
炎属性最上位の魔術砲をスーパーウォッグに向けて放つわ



●逃走
「泡……どうやら敵は水中を移動しているようです」
 洞窟のあちこちにある地面の大きな穴には海水が満ちている。その穴は海に繋がり、洞窟内の他の穴にも繋がっていた。ウォッグに乗るネリッサはそこから湧き上がる不自然な泡が敵の動きによって発するものだと察した。すると海面が大きく揺れて溢れ周囲を濡らし始める。
「警戒を、どうやらこの近くにいるようです」
 ファルシュピーゲルが周辺の穴の海面も同じように揺れているのに気付き【SIRD】の仲間に声をかける。
「水中ね? なら、あえてこのユーベルコードで立ち向かいましょうか」
 アティルトに乗るシャルロットが辺りを見回し、ユーベルコード『万象を灼す未踏級の理たる聖火世界』を発動して水中空間を異界の炎に変換させた。
「この炎は『空間そのものによって存在している水』を寧ろ空間ごと焼き尽くして行くわ」
 無数の炎が空間を水辺に近づき、水を触媒として万象が炎属性で構築された異世界を展開する。どんどんと水が干上がってくると、背後に激しい戦いを潜り抜け左腕を失いボディも損傷しているスーパーウォッグがぬうっと這い出てくる。
「海水を消すとはな、とんでもない兵器を持ってやがる」
 海水が炎になっていく異常事態に、デニス少佐は素早く水中戦から地上戦に切り替え、背後からシャルロットに襲い掛かった。

「背後から奇襲です」
 ネリッサがすぐに警告の声を通信に入れる。それに反応してシャルロットが振り向くと、スーパーウォッグのクローはアティルトの左腕を掠めて爪痕を刻んだ。
「キャバリアなのにその隠密性、性能だけじゃなくパイロットの腕も今までの相手より格上ね。なら近づかせないわ」
 シャルロットは炎をフェニックスや火蜥蜴といった炎属性の眷獣に変え、敵にけしかけた。
「炎の怪物? これも新兵器か! クソッとんでもないものばかりを持ち込んでやがる!」
 悪態を吐きながらデニス少佐は飛び退き、炎に巻かれるのを躱した。

「標的が現れましたね。今回の目的はあるスーパーウォッグを破壊すること。その為には、如何なる手段も問いません。但しパイロットのデニス少佐は無傷で押さえるのが前提となります」
 やり過ぎないようにネリッサが声をかけながら、量産ウォッグを操ってニードルを牽制に飛ばした。しかし炎を避けるのに集中しているにも関わらず、デニス少佐は回避行動を取って両方を躱してみせた。
「流石にエース機だけあって、性能が高いですね。こちらの乗っているウォッグの性能と私の操縦能力では挑むだけ無駄というものです」
 その動きから自分の技能では歯が立たないと判断し、深追いせず牽制で仲間の援護に留める。
「ウォッグを先にやるか? いや、盾にする!」
 スーパーウォッグがネリッサを狙って接近を試みる。
「こちらに矛先を変えましたね」
 それに気づいたネリッサはニードルを牽制に撃ちながら回避に専念する。
「ウォッグのことは知り尽くしている! そんな素人撃ちがウォッグ乗りの俺に当たるかよ!」
 デニス少佐は華麗に踏み込みながら回避し、一気に距離を縮めた。
「近づかせないと言ったわ」
 それを阻止するようにシャルロットが操るフェニックスが割り込み、その軌跡に炎の壁を作り出した。

「敵の意識はキャバリアの方へ向けられています。今のうちにこちらも行動を開始しましょう」
 ファルシュピーゲルが見つからないように静かに後退し、岩陰に隠れユーベルコード『Ouroboros Arsenal』を発動する。精巧な自己鍛造弾型の対側面地雷を作成し、設置して隠蔽工作を行う。そんな罠を仕掛けたキルゾーンを用意していった。
「罠の設置を完了しました。こちらに誘導を願います」
 準備を終えたファルシュピーゲルはそう仲間へと連絡を入れる。

「後方へ移動します」
「わかったわ、引き付けるわね」
 ネリッサが先んじて後退し、シャルロットも炎を放ちながら後ろに下がる。
「逃げるつもりか? この洞穴は俺の庭だ。逃げられると思うな!」
 そんな二人をデニス少佐は好機と追撃し、腕からビームを放ちながら距離を詰める。そして懐に飛び込もうとしたところでゾクリと殺気を感じ取った。
「この感じっ!」
 咄嗟にデニス少佐が飛び退く行動に移る。それと同時にファルシュピーゲルが罠を起爆させた。側面から発射されたライナーが弾丸に変形してスーパーウォッグの脚に命中する。大半は分厚い装甲に阻まれるが、その内の幾つかが装甲の薄い部分に着弾して穴を穿った。
「こんなもので!」
 デニス少佐は機体を跳躍させて壁にクローを突き刺して張り付き、壁を蹴って移動して残りの罠を回避した。
「罠を察知して避けましたか、しかし多少は被弾したようです追い込みましょう」
 ファルシュピーゲルは漆黒の霧を展開し、そこから現れる影の狼の群れを放った。猟犬のように狼が敵を追い駆け、逃がさぬように包囲する。
「囲まれたか、この影のようなものも敵の新兵器なんだろうな!」
 片腕では壁の移動では速度が出せないと、デニス少佐は降下しながら影の狼に向かってビームを放って吹き飛ばし、安全を確保して着地する。

「逃げ場はないわよ」
 そこへシャルロットが炎をアティルトに纏わせて強化し、自身も炎のドレスを纏って炎属性魔術を行使する。
「どんな装甲もこの炎の前には無力よ、オブリビオンマシンを燃やし尽くしてやるわ」
 全てを燃やし尽くすような巨大な炎の塊がアティルトの前に生み出され、炎属性最上位の魔術砲をスーパーウォッグに向けて放った。
「これはヤバイ!」
 直撃すれば死ぬと、デニス少佐は地面にクローを叩き込み薄い岩盤を割って潜り込む。その直後に炎が叩き込まれて辺りを紅蓮に染めた。
「地中に逃げた?」
 シャルロットはどこに消えたと探そうとしたところで、先の事を思い出してその場を飛び退いて振り向く。すると背後にスーパーウォッグが現われクローを突き立てようとしていた。
「危ないところだったぜ」
 その赤い装甲はあちこちが黒く焦げている。地上も地中も炎に包まれているのだ。しかし強固なオブリビオンマシンは多大なダメージを受けてもまだ戦闘力を失ってはいない。

「だが今度はこっちの番だなぁ!」
 これだけ不利な状況であっても闘争心を失わずにデニス少佐が踏み込もうとする。
「動きを止めます」
 敵の燃え上がる気迫を前にしてもネリッサは冷静に行動し、ユーベルコード『邪悪なる黄衣の王』によって黄衣を纏った不定形の魔王を召喚し、無数の禍々しき触手を放った。
「なんだ、これは生物兵器か!?」
 スーパーウォッグを拘束しようとする触手をクローで払うが、足元を這うように近づいた触手が脚に絡み付く。
「幾らエース機とはいえ、黄衣の王から逃れるなど愚の骨頂です」
 ネリッサの呼んだ触手は執拗に追い、獲物を逃さない。
「しまった!」
 機動力を封じられたところへ、ファルシュピーゲルが放つ長距離用狙撃銃の一撃が届く。
「そんな豆鉄砲でウォッグの装甲が貫けるか!」
「小さな弾丸でも、狙い澄ませばキャバリアを破壊できます」
 弾丸は右脚の装甲の薄い、先ほどのトラップの弾が命中した場所へ吸い込まれるように入った。内部で爆発が起こり、右脚の動きが鈍くなる。
「バカな! 歩兵の銃弾で俺のウォッグが損傷しただと!」
 その事実に驚きながらも、デニス少佐は機体を操縦して地面に身を投げ出す。すると先ほどまで立っていた場所にフェニックスが飛び込んで炎を撒き散らしていた。
「エースというだけあってしぶといわね。一気に決めるのは難しいかしら」
 シャルロットが思った以上の敵の粘りに驚き、ならばと眷獣による連続攻撃で消耗させようとする。
「拙いな……機体の出力が落ちてやがる。右脚もこれ以上無理は利かんな」
 心は闘争心で熱くなりながらも頭は冷静に、デニス少佐は現状を理解して逃げの一手に移る。

「負けた負けた、出直してくるとしよう」
 あっさりと負けを認めたデニス少佐は、ミサイルを天井に、ビームを足元に撃ち込んで装甲ごと触手を切り離し、ついでに煙幕として利用して洞窟の岩陰へと逃げ込み姿を晦ました。
「不利を悟って引きましたか。オブリビオンマシンに操られていても冷静さは残っているようです」
 落石が収まるとネリッサは逃げた先の暗闇へと視線を向ける。
「でもあのダメージじゃ簡単には逃げきれないわ」
「そうですね。追って他の猟兵と協力し、包囲して逃走経路を潰しましょう」
 シャルロットの意見にファルシュピーゲルも賛成し、敵を逃がさぬように追う事を提案する。
「我々の目的はスーパーウォッグの破壊です。まだ達成できていない以上、追う以外の選択はありません」
 ネリッサの言葉に二人は頷き返し、慎重に追跡を開始した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

支倉・錫華
【ガルヴォルン】

相手のホームでエースと対決、か。

なんとか引きずり出すことには成功したけど、
デニス少佐だっけ?
なんだか熱くなってるし、まだまだ厳しい状況ではあるね。

「機数の差は、ハンデってことでいいかな?」

リリー先生のドローンが掻き回してくれているうちに、
燐華と連携して一撃を狙って行こう。

チューニングは今のまま。
水の中に逃げられるのがいちばん面倒だから、
ドローンと連携して、水路に行かせないことを第一にしよう。

水路から引き離したら、あとはしっかり囮にならないとね。

スーパーウォッグの攻撃は、
【アウェイキング・センシズ】を使って、ぎりぎりで回避。
何発かは受け止めて「墜とせる」と思わせて、隙をつくるね。


支倉・燐華
【ガルヴォルン】

デニス少佐でしたか
機体性能も、そしておそらくパイロットの実力も私が劣っているでしょう
ですが、それで勝敗が決まるわけではありません
私は一人ではありませんから

リリー先生の陽動と支援と受けて、姉様と連携して挑みます
ウォッグRCの腕部フォノンメーザー砲で姉様を援護します
スーパーウォッグの特性や構造は元より承知の上です。ならば、あとはデニス少佐の行動パターンを読めさえすればっ
水路から引き離す、確かに有効ですね、姉様
頭上の岩盤を撃って、崩落を起こすことで水路への道を断つのと同時に、頭上に注意を向けさせることで姉様への援護とします
そして、姉様が作った隙を見逃さずに一撃を決めてみせます


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【ガルヴォルン】【WIZ】
※アドリブ絡み連携歓迎
※引き続き愛機に搭乗

カラダは闘争を求めている…って奴?
ま、アタシも他人の事は言えないけどさー
でもフカすのは結構だけど、簡単にはイカないよ♪

なんたってこちとら『7体』いるんだしさ
それに最初からアタシ達のターゲットは紅いウォッグ
見事罠にハマった様だねっ

…実はこの内4体、あらかじめ背部コンテナから
鍾乳石柱の影へ放った17号【コルポサント】が纏う
ナインス・ライン型『偽装用光学迷彩』だけどね

でもリニアライフルとスタンガンで十分武装してるし
幻影4体に本物が混ざって弾幕展開すれば包囲網完成
暗い洞窟内、このカラクリは見つけ難いよ♪

さ、お二人さんもこの隙に攻めてっ



●エース撃破
「相手のホームでエースと対決、か。」
 錫華は【ガルヴォルン】の仲間と共に視界の悪い洞窟を進み、敵機の姿を探す。
「なんとか引きずり出すことには成功したけど、デニス少佐だっけ? なんだか熱くなってるし、まだまだ厳しい状況ではあるね」
 作戦は上手く進んでいるが、この最後の一手を失敗しては台無しとなる。気を引き締めて考えていると、洞窟の奥から赤いキャバリアが姿を見せた。
 見ればスーパーウォッグは左腕を失い右脚を引き摺っている。ボディの装甲もあちこちが傷つき黒ずんでいる。激しい戦いを潜り抜けてきたことが一目で分かった。
「機数の差は、ハンデってことでいいかな?」
 敵一機を相手にこちらは三機で待ち構え錫華が尋ねる。
「ここにも侵入者が居たか……三機、やれるな?」
 デニス少佐の言葉に応えるように、赤いウォッグがエンジンを高々と唸らせる。
「よし、何機だろうと関係ない! 戦場で敵と出会ったなら打ち破るだけだ! こいつらを撃破してドックに戻るぞ!」
 まだ戦えると闘志を燃やしてスピーカーから咆え、猟兵を蹴散らして進もうとスーパーウォッグが前進を始めた。

「相当な修羅場を潜ってきたようです。しかしまだ戦意は衰えていません」
 燐華が行く手を塞ぐようにウォッグRCを通路に立たせる。
「デニス少佐でしたか、機体性能も、そしておそらくパイロットの実力も私が劣っているでしょう」
 改良されたウォッグの中身は量産機とは別物だ。そしてオブリビオンマシンとして性能が格段に向上している。傷ついていても、決して油断できる相手ではない。
「ですが、それで勝敗が決まるわけではありません。私は一人ではありませんから」
 頼もしい仲間達へちらりと視線を向け、ウォッグRCの腕部フォノンメーザー砲を発射する。
「あの腕、スーパーウォッグのものか、普通ならウォッグの外装に騙されるところだろうが、俺には通じんぞ!」
 そのビームを避けながらスーパーウォッグは接近する。しかしこちらに向けられる他の銃口に気付いて飛び退いた。すると銃弾が地面を穿つ。
「今のはお前か、両者射撃タイプか? どちらから潰すか……」
 モノアイがリーゼロッテの乗るナインス・ラインを捉えた。そして狙いをリーゼロッテへと変える。

「カラダは闘争を求めている……って奴?」
 リーゼロッテは小型多弾頭ミサイルを放って敵の脚を止める。
「ま、アタシも他人の事は言えないけどさー。でもフカすのは結構だけど、簡単にはイカないよ♪」
「こんなもので俺が止められるとでも思ったか!」
 爆発を掻い潜りスーパーウォッグが接近していた。しかしナインス・ラインの同型機が4機、四方の岩陰から姿を見せて銃撃を放った。
「なに?」
「なんたってこちとら『7体』いるんだしさ」
 射撃を避ける為にスーパーウォッグはバックステップする。
「7機だと!?」
 驚くデニス少佐は見逃していた4機を見て、すぐに包囲を突破しようと駆け出した。
「ナインス・ライン型『偽装用光学迷彩』だけど、騙せたみたいだね♪」
 四方に現れた4機のナインス・ラインはリーゼロッテがユーベルコード『DA-17:CORPOSANT』によって呼び出した武装ホバードローンにナインス・ライン型『偽装用光学迷彩』を施したものだった。
「暗い洞窟内、このカラクリは見つけ難いよ♪」
 敵が身を潜める為に利用している暗さを、リーゼロッテは逆手にとって活用していた。

「さ、お二人さんもこの隙に攻めてっ」
 幻影4機が放つリニアライフルと合わせてリーゼロッテがライフルを撃って敵を牽制して包囲から逃がさない
「リリー先生のドローンが掻き回してくれているね、今がチャンスだよ」
「姉様、私が援護します」
 錫華が量産型キャバリアで駆け出すと、燐華も距離を詰めながらウォッグのフォノンメーザー砲を向けた。
「ちぃっ追って来たか!」
 デニス少佐は突然スーパーウォッグを振り返らせ、右手のクローをカウンターで突き出す。
「普通なら避けきれないね、普通ならね――」
 錫華はユーベルコード『アウェイキング・センシズ』によって感覚を研ぎ澄まし、第八感の域まで高め敵の動きを完全に感じ取っていた。
「逃げないように引き付けないとね」
 量産型キャバリアがぎりぎりで回避し、錫華は足を止めて一歩下がる。
「他の機体に比べて動きが鈍いな、量産型か!」
 一機ここで仕留めてしまおうと、デニス少佐は連続でクローを振るう。それが錫華の機体を掠めて装甲が削れる。しかしファンクションシールドで受け止めたり回避したりとどれも致命傷には至らない。それは『墜とせる』と思わせる演技だった。
「スーパーウォッグの特性や構造は元より承知の上です。ならば、あとはデニス少佐の行動パターンを読めさえすればっ」
 燐華は敵が離れるとビームを撃って、姉の邪魔にならないように援護しながら敵の動きをじっと見て目に焼き付けていた。

「おかしい……この手応えのなさはなんだ……誘いか!」
 錫華の思惑を察したデニス少佐は、交戦を中断して奥の水路のある場所へ逃げ込もうとする。
「離脱するつもりです!」
 スーパーウォッグの動きが変わった事に一早く気付いた燐華が声をかける。それに反応して錫華も守りから攻勢に移り、ライフルで足を狙い撃つ。元より傷ついていた右脚に当たり機体が一瞬よろけた。
「水の中に逃げられるのがいちばん面倒だから、水路に行かせないことを第一にしよう」 
「水路から引き離す、確かに有効ですね、姉様」
 錫華の言葉に頷いた燐華は天井を見上げフォノンメーザー砲を発射した。上に飛んだビームは天井にぶつかり、爆発を起こして岩盤を崩す。崩落を起こして大小の岩が落下し、デニス少佐が逃げ込もうとしていた道を封鎖した。
「こんなもの!」
 瓦礫を吹き飛ばそうと腕を向けると、それを邪魔するように銃弾が撃ち込まれた。スーパーウォッグは回避する為にビームを撃ち込むのを諦め移動する。
「すぐに他のウォッグと同じように無力化してあげるっ♪」
 リーゼロッテがドローンと共に銃撃を浴びせ、敵の妨害をしていた。
「部下を倒したからといって調子に乗るな!」
「アタシ達のターゲットは最初から紅いウォッグなんだよ。つまり見事罠にハマった様だねっ」
 少しでも敵の冷静さを奪って仲間を有利にしようと、リーゼロッテは挑発するように楽しげな声で嗤った。

「罠があるなら引き裂いて突破するのがウォッグ乗りの流儀だ!」
 挑発に乗らずに前を向いたデニス少佐は近づく錫華と向かい合う。スーパーウォッグはクローを構え、量産機は片刃の実体剣を構えた。
「そう簡単に引き裂けると思わないでよね」
 両者が踏み込み、クローと剣がぶつかり合って火花が散る。反動を逃すように両者が離れると、また接近してぶつかり合う。しかし今度はスーパーウォッグが押されたように下がった。
「このまま押し切れば……」
 そう思ったところで錫華は冷静になる。先ほどの立場を変えた焼き直し、敵がこちらの隙を誘っているのに気付いた。
「気付いたか!」
 その一瞬の動きの遅滞を見てデニス少佐が踏み出す。スーパーウォッグが錫華の剣を上には弾き上げ胴に隙を生み出した。
「姉様!」
 そこへ燐華が飛び込み、スーパーウォッグのクローと自分のクローを合わせる。しかし量産型ウォッグの出力では勢いに負け、押し込まれて右腕が損傷した。
「お前からやられにきたか!」
 スーパーウォッグはタックルして燐華の姿勢を崩し、クローで腹を狙う。
「ありがとう燐華、この一瞬の隙があれば十分よ」
 錫華が上に掲げるようにした剣を振り下ろし、敵の右腕を叩き切った。
「右腕も使いものにならなくなったか!」
 両腕を失ったスーパーウォッグは逃げようとする。
「姉様が作った隙、この一撃で決めてみせます」
 燐華は無防備となった敵に向け、ユーベルコード『戦闘侍女の嗜み・その一』を使ってビームを放つ。敵の動きを読んだ攻撃は切断された右腕の傷口に直撃し、爆発を起こして肩まで吹き飛ばした。
「うぉおおっ!?」
 その衝撃でスーパーウォッグがバランスを崩して転倒する。
「まだだ! 足は動く!」
 両腕が無くても何とか起き上がろうとするスーパーウォッグの脚に、リーゼロッテがドローンと共に銃弾を撃ち込んで両脚を吹き飛ばした。
「これでも動けるかな♪」
 リーゼロッテは敵が全く動けぬように両脚を粉砕した。
「……ここまでか」
「終わりね」
 全く操縦が出来なくなったデニス少佐は操縦桿から手を離し、錫華が剣をモノアイに突き立てると、スーパーウォッグが完全に機能を停止した。
「負けだ負け、降参だ」
 さっぱりとした顔でデニス少佐が両手を上げてコックピットから降り立った。


●将軍の演説
「総員戦闘を中止せよ! 繰り返す、総員戦闘を中止せよ!」
 地下基地に初老の男性の声が鳴り響く。スピーカーから大音量で放送が流されていた。
「私は地下基地総司令ゴックス大将である。総員戦闘を止め、革命軍を本部へ通したまえ」
 知的でどっしりと落ち着いた将軍の命令が、熱くなっていた兵士達に冷静さを取り戻させて戦いを停止させる。
「この度の戦闘が起きた全ての責任は私にある。味方同士で戦った諸君は任務に忠実だっただけだ。共にこの地下で戦い続けた仲間に武器を向けたのは私の責任であり、諸君に責任はない。諸君は国の為に、家族の為に、仲間の為に戦う同志である。武器を向ける相手は同志ではない。我々は仲間であり家族だ。家族に武器を向けることは許されない。総員戦闘を停止し武器を捨てよ」
 その言葉はどこまでも理性的で、オブリビオンマシンの影響から抜け出したことを示していた。


「どうやら革命軍が上手くやったみたいね♪」
 リーゼロッテは放送を聞いて作戦が上手くいったようだと微笑んだ。
「オブリビオンマシンを撃破したことで将軍も正気に戻ったようです」
「正気に戻ったら『偉い人』でもまともな部類だったみたいね」
 燐華は両者の停戦を訴えかける将軍の声を聴いてこれで被害を減らせると安堵し、錫華は案外まともそうな人間だったと拍子抜けしていた。
「じゃあ後始末は任せて、わたしたちは帰ろうか」
 自分達の役目は終わったと錫華が踵を返すと、燐華とリーゼロッテも続いて地下基地を後にする。

 オブリビオンマシンを倒し、国の混乱を最小限で食い止めることができたと猟兵達は帰還した。
 名も明かさず去った猟兵達は、兵士達の間で難攻不落の地下基地を破った謎の超人部隊として語り継がれることとなる――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月20日


挿絵イラスト