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鉱山を喰らう地竜は神に至るか

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #異端神官ウィルオーグ #パラディン

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 幹部猟書家『異端神官ウィルオーグ』は、アックス&ウィザーズで有名な鉱山に滞在していた。この鉱山では良質な鉄鉱石が採掘され、鉱夫達が今日も活気盛んに働いていた。
「神官様、おはようございます。本日の地竜神様の捧げ物です」
 ドワーフの鉱夫達は、ウィルオーグが滞在する館へ大量の鉄鉱石の原石を運んできた。
 それらを吟味するウィルオーグ。
「ほう、今日は一段と良質な鉄鉱石が採掘されたようだな?」
 満足げに頷いた。
「うむ、ご苦労であった。我らの神は大変喜びになるはずだ」
「ありがとうございます! これからも粉骨砕身の思いで山を掘り進めて参ります!」
 感涙に咽ぶ鉱夫達は、鉱山の頂上に居座る巨大な地竜に平伏した。
「偉大なる山の地竜神オレイカルコス様……どうか我らの鉱山をお守り下さい……」
 神と呼ばれた地竜が低く咆哮すれば、街中の住民達が一斉に祈りを捧げ始めた。
 この光景にウィルオーグが密かにほくそ笑む。
「この鉱山の街の洗脳は完璧だ。このまま偽神に仕立て上げた合金竜オレイカルコスに、ここの良質な鉄鉱石を喰わせ続ければ、いずれ来るであろう天上界攻略で大きな戦力になるだろう」

 ――人の想いや信仰の力は強い。だからこそ利用価値がある。

「そうは思わぬかね? “偽神”オレイカルコスよ?」
 シワを深く刻んだ老獪な男の顔が、愉悦に歪んだ。

「アックス&ウィザーズで、猟書家の新たな動きが予知されたよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)が、集まってくれた猟兵達へ今回の任務の内容の伝達を始めた。
「アックス&ウィザーズに存在する鉱山の街に、巨大な地竜が巣食っててねっ? 街の鉱夫達や住民達は、この地竜を神様と崇めてるんだけど……勿論、この地竜はオブリビオンで、このまま鉱山の採掘物を捧げ物として食べさせてたら、どんどん強化されて手に負えなくなっちゃうっ! この事件の黒幕の幹部猟書家『異端神官ウィルオーグ』と一緒に、この“偽神”として崇められている地竜を撃破して、鉱山の街の住民達を正気に戻してほしいんだよっ!」

 しかし、相手はたらふく鉄鉱石を食べて強化された恐るべき地竜だ。
 猟兵たちだけでは少々不安要素が付きまとうのでは?
 その疑問にレモンは笑顔で即答した。
「大丈夫っ! 今回、心強い協力者が同行してくれるよっ! 『知識の神エギュレ』を今でも信仰する、『エギュレ神のパラディン』のオスカーおじ様だよっ! 顎髭を蓄えた45歳のイケ渋おじ様のパラディン……良き……っ!」
 レモンのイケオジセンサーに感知したオスカーなるパラディンは、数日前に天啓が降りてきたというのだ。内容は『鉱山に巣食う地竜を、埒外の英雄達と共に討伐せよ』『かつての大神官でありエギュレ信仰を興した始祖たるウィルオーグを滅ぼせ』……この2つだという。
「自分が信仰する教えの開祖がオブリビオン化していたって知って、オスカーおじ様はショックを受けている反面、義務感に突き動かされて鉱山の街までやってきてるよっ! 今は宿屋に居るから、転送後はすぐに合流できるっぽいっ!」
 ちなみに、オスカーはユーベルコードの『無敵城塞』を使いこなす。
 上手く連携を取れば、戦闘を優位に進められるだろう。
「それじゃ、今回も猟書家の悪事を打ち破って、街のみんなを助けてあげてねっ!」
 レモンの頭上のグリモアが輝けば、アックス&ウィザーズへの転送が始まる……!


七転 十五起
 猟書家達のアックス&ウィザーズ侵略を押し返しましょう。
 目指すは骸の月の二倍押し返しです。
 なぎてんはねおきです。

●プレイングボーナス(全章共通)
 パラディンと共闘する。
(ユーベルコード『無敵城塞』を使用すると、地竜はそちらを優先して攻撃し始めます。パラディンはユーベルコードのおかげで無傷のままです)

●その他
 パラディンに、幹部に通用する特殊な効果はありません。猟兵に比べて特別強いという訳でもありませんが、それでも『無敵城塞』は、かなり有用でしょう。
(ただし、猟書家はパラディンが『無敵城塞』を発動させても、最初から猟兵達を狙ってきます。連携を考える場合、プレイング内に具体的な指示を明記する必要があります)

 コンビまたはチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ず【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
(大人数での場合は、チームの総勢が何名様かをプレイング内に添えていただければ、全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能です)

 それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『合金竜オレイカルコス』

POW   :    合金武装の尾
単純で重い【合金によって武器化された尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    例え、屍になろうとも金属は死なず
自身が戦闘で瀕死になると【完全合金製のドラゴン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
WIZ   :    合金錬成武具の吐息
【合金で錬成した大量の武器によるブレス】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はガングラン・ガーフィールドです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

箒星・仄々
オスカーさんをお助けして
猟書家の悪巧みを粉砕しましょう

イケ渋おじさんへ声掛け

過去の化身は本物ではありません

歪んだ今のお姿を還すことが
元々の開祖様自身もきっと望まれる事で
だからこその天啓と思うのです

どうか私達も共に戦わせてください
まずは地竜さんからですね

無敵城塞のオスカーさんが囮をされている間に
周囲の鉄鉱石やブレスの武器を
魔力へ変換

炎の魔力の高熱と
水の冷却との波状攻撃で
合金の体に金属疲労を起こし
割れたり崩れたりさせます

もし竜さんの体の無機物も操作できるのなら
それも操り
更に内部へダメージを

合金竜さん
あなたもウィルオーグさんの犠牲者なのかもしれませんね
お可哀そうに
今、海へお返しします

終幕
鎮魂の調べ


上野・修介
※アドリブ、連携歓迎

まず名を名乗り、礼節をもって聖騎士に助力を願う。
「上野・修介と申します」
「人々の安寧のため、どうかお力をお貸しください」

呼吸を整え、無駄な力を抜き、敵を『観』る。

狙うは『後の先』
UCは攻撃重視

騎士を背後に隠すように立ち、目を狙ってアサルトペンを投擲し挑発。
前に踏み込み、間合いを詰める。と見せかけて、相手の視線、体幹の動き等から攻撃軌道を予測し、地面を打撃し真後ろに跳躍。

「盾を借ります」
敵の初撃を回避する、とともに騎士に『無敵城塞』使用してもらい、その盾を蹴って反発を利用し低空ロケットダッシュ。

狙うは脚の付け根の比較的柔かい部分。
突っ込む勢いをプラスし、渾身の蹴りを叩き込む。


カシム・ディーン
「知識の神様かー。メルシーも叡知を司ってたよ♪」
とっくに頭ぶっ壊れてるだろうがアホ神め
「やーん辛辣ぅ♪」
事前
【情報収集・戦闘知識】
オスカーと事前情報共有

戦闘となる場所の構造と見取り図

合金竜の性質について相談し
更に街に被害を出さないようにするための立ち位置の相談も綿密に

機神搭乗
【視力・医術】
観察し肉体構造的に攻撃の動作や動きの癖の把握に努め

【空中戦】で飛び回りつつ攻撃のタイミングを把握すればオスカーに無敵城砦指示

一気にいくぞ!
UC発動
【属性攻撃・スナイパー】
ピンポイントに超冷却光線を乱射
同じ位置に超高熱熱線を集中連射

【二回攻撃・盗み攻撃・切断】

後はハルペーによる連続斬撃から鉱石切り出し強奪!!



 猟兵達は、アックス&ウィザーズの鉱山の街に転送されてきた。
 彼らがまず真っ先に向かったのは、この街の宿屋だ。
「すみません。実は、オスカーというパラディンさんを探しているのですが、この宿に泊まっていらっしゃいますか?」
 宿のカウンターよりも背が低い箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は足りない身長を上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)に抱えてもらいながら受付の女性に尋ねた。
 中年に差し掛かるであろう恰幅の良い女性は、眉を八の字に下げながら答えた。
「えぇと、あまり宿泊客の事を他人様にベラベラ言うのは、宿屋の信用に関わるのですが……」
「不躾な訪問、本当に申し訳ありません。ですが、事は急を要するんです。どうか、宿泊者名簿をお借りできませんか?」
 頭を下げる上野に、受付の女性は困惑してしまう。
「困ります、こういうのってトラブルの原因になるんで……旦那様に叱られてしまいます……」
 他世界に個人情報保護の観念があるかはさておき、情報を開示したことで発生する客同士の揉め事を避けたがるのは当然である。アックス&ウィザーズは盗みや暗殺を生業とする者がいる世界だ、宿屋の情報が標的の居場所を特定する手がかりになりえてしまう。まして猟兵達はこの鉱山の街では余所者、余計に警戒されてしまっていた。
 だが、これに痺れを切らしたカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)が、カウンターに寄り掛かりながら不敵に微笑んだ。
「フッ……お嬢さん……僕等は怪しいものじゃありません。猟兵っていう、しがない冒険者集団ですよ。今日はオスカーさんと『仕事』するために、此の宿で合流するっていう手筈なんですが……」
 あれ、彼から聞いてなかったかな、と言わんばかりに憂いを湛えた笑みを女性に向けるカシム。
 その後ろで、銀髪巨乳のアホ娘が意外そうな顔をしていた。
「あれー? ご主人サマって熟女もイケるクチな……」
「そぉいッ!」
 カシムはアホ娘の後頭部を掴むと、そのまま勢いよくカウンターにその額を叩き付けた!
 ゴッという鈍い音がロビーに響くが、カシムはなんかキラキラしたまま受付の女性に色目を使う。
「お嬢さん……あなたの職務遵守の姿勢は素晴らしい。だから取引しましょう。僕等に宿泊名簿を見せてくれたら、お嬢さんには……この珍しい金貨を差し上げましょう」
 すっとカウンターに差し出すは、なんとデビルキングワールドの金貨『D』であった。
 ちなみに出処はアホ娘の口の中からだった……。
「凄いでしょう? 手品なんですよ? まだまだ出てきますよ?」
 異界の金貨一山を前に、女性は若干引きながらも目を見張った。
 鉱山の街ゆえか、鉱物を見る鑑定眼はあるようだ。
「え、ええ。確かにこれは珍しい金貨ね。希少品として高く売れそうだわ……」
「ご主人……サマ……それ、メルシーの、へそくり……」
「お前の身体の中に取り込んでおいた『D』はどうせ使い道ないだろうが……安心しろ、全部使わないから」
 小声で銀髪少女に囁いたカシムは、女性と無事に取引を成立させ、宿泊者名簿からオスカーの居場所を割り出したのだった。
「……あの、あれ、何なのですか?」
 状況を把握できない上野に、何度かカシムと共闘している箒星が答えた。
「あちらは自称天才魔術盗賊のカシムさんで、その後ろの銀髪少女さんはメルクリウスさんことメルシーさんですよ~。その正体はキャバリアだそうです」
「は……?」
 上野はますます混乱してしまった。
 箒星はマイペースに、オスカーの泊まる部屋へ歩き出す。
「さあ、オスカーさんをお助けして、猟書家の悪巧みを粉砕しましょう!」

 オスカーの部屋に、猟兵を代表して3人+αが挨拶に向かった。
「君達が、猟兵と呼ばれる冒険者か。天啓はやはり誠だったのか」
 箒星、上野、カシムとメルシーを見たオスカーが逡巡する。
 しばしの沈黙を破ったのは、上野の挨拶だった。
「上野・修介と申します。貴方の授かった天啓の通り、この鉱山に君臨する地竜神は偽神で、その黒幕は猟書家『異端神官ウィルオーグ』……貴方の信奉する『知識の神エギュレ』教の開祖です」
 オスカーは上野の確信を籠めた口ぶりに、思わず天を仰いでしまった。
「覚悟はしていた。だが、第三者から突き付けられると……本当に残念だ……」
「……すみません。気を悪くしてしまいました」
「いや、君が謝ることはない。これはエギュレ神様のお導き。人々を洗脳し、偽神を崇拝させるという“誤った知識”は正さねばならない。それが叡智を司るエギュレ神のパラディンであるオスカー・グリケドルの為すべきことだ」
 上野は顔を上げると、決意に満ちたオスカーの表情を見遣った。
(揺るがない心……なんて強いんだろうか)
 日々肉体を鍛え上げる事を欠かさない上野は、オスカーの心の強さに感銘を受けた。
「知識の神様かー。メルシーも大昔、異世界で叡知を司ってたよ♪ なんなら一国の祖でもあるけどね♪」
「な~にが知識の神様だ? お前、子孫に反逆されて、とっくの昔に頭潰されて理性がぶっ壊れてるだろうが、このアホ邪神め」
「やーん、ご主人サマってば辛辣ぅ♪ ぷっさん、私の頭を早く返してー!」
「ややこしくなるんで、ちょっと黙ってて貰えますか?」
「「アッハイ」」
 箒星の大きなエメラルドグリーンの両眼がカシムとメルシーをじっと見詰めると、その迫力に思わず2人は黙り込んだ。
 オスカーに向き直った箒星は、猟兵という立場から今回の事件の見立てを語り始めた。
「過去の化身は本物ではありません。かつての在りし日の開祖様とは、中身が歪んでしまっています。その歪んだ今のお姿を還すことが、きっと元々の開祖様自身も望まれる事でしょう。だからこその天啓と思うのです」
 箒星はゆっくりと大きく首を縦に振ると、手袋を外してピンク色の肉球が付いた手を聖騎士へ差し出した。
「オスカーさん、どうか私達も共に戦わせてください。まずは偽物の神として崇拝されている地竜さんからですね」
「俺からもお願いします。人々の安寧のため、どうかお力をお貸しください」
 上野も同じく手を差し出して頭を下げる。
 カシムとメルシーは椅子に座ったままだが、同様に頭を下げている。
 彼らの申し出に、オスカーはすぐさま手を取った。
「ああ、よろしく頼む。今から私は、君達の盾となろう」
 オスカーは白銀に輝く盾を掲げ、猟兵達との共闘を誓ってみせた。

 鉱山の登山道を駆け上がった先で、巨大な地竜が採掘された鉄鉱石の原石を貪っていた。
 全身から突き出す鋭い角は、ひとつひとつが業物の刀剣の如く鈍く輝いていた。
「あれが噂の地竜ですか。確かに動きはトロそうですね」
「作戦会議通りにやろうね♪ それじゃ、変身解除~!」
 メルシーの身体がキラキラ輝き出すと、人型がドロドロの白銀色したスライムに変わり、更に徐々に体積が膨張してゆくではないか。そして再び人型を取ると、そこには白銀の装甲を纏い、黄金の輪を背負った界導神機『メルクリウス』が鉱山に出現!
 素早くコクピットに乗り込んだカシムは、メルクリウスを空へ飛翔させて突っ込ませた。
「これも街の人を守るため! メルシー、しくじるなよ?」
『ご主人サマこそ、操縦をミスらないでね?』
 空中からRX-B高機動ウィング『タラリア』の推進力によって地竜の背後へ回り込んだメルクリウスは、竜の尻尾を掴んでジャイアントスイング!
『山奥へ飛んでけー♪』
 ブォンッと遠心力を乗せて機神が手を放すと、地竜はフリスビーのようにくるくると回転しながら山の奥へすっ飛んでいった。
「これで街の人達に、地竜さんとの戦闘を目撃されて、邪魔されることがなくなりましたね~」
 カシムとメルクリウスの早業に拍手で称賛する箒星。
 此処までは作戦通りだ。
 対して、上野はメルクリウスを見上げて驚いていた。
「女の子が、本当にキャバリアに変身した……! 本当に猟兵って何でもありですよね……」
 同意を求める上野に、箒星も大きな猫目をパチクリ瞬いてみせる。
「でも、あれは特殊なケースだと思いますよ? 参考にしたら駄目です。それよりも、早く地竜さんを追いましょう」
「そ、そうですね……! でも随分と遠くまで投げたな……」
 山中奥深くでのたうち回る地竜との距離は数kmはありそうだ。
 猟兵達とオスカーの徒歩3人では急行するにも時間がかかる。
『ご心配なく♪ メルシーが連れて行ってあげるー♪』
 メルクリウスは掌の中に優しく2人を包み込むと、スラスター出力全開で、一気に空を駆け上っていった。

 食事を邪魔された上に、勢いよくぶん投げられた地竜は激怒している。
 故に、メルクリウスが地竜の前に着陸しようと近付いた時を見計らい、合金で錬成した大量の武器によるブレスを口から放った。
「それは既に予測済みです!」
 メルクリウスの掌の中で、既に懐中時計を竪琴へ変形させていた箒星が動く。
 同時にオスカーも機神の掌から飛び降りると、盾を掲げてユーベルコード『無敵城塞』を発動させた。
「この盾に誓って、私がお護りしよう」
 盾に宿ったオーラ障壁が、大量の武器のブレスを空中で受け止める。
「ありがとうございます、オスカーさん。それでは、参りましょうか~!」
 竪琴の弦を勇壮に爪弾き始める箒星。
「この楽曲に名前をつけるなら……『エギュレ神のパラディンに捧げる行進曲』でしょうか」
 リズミカルな音色と高速アルペジオが、猟兵達の心に闘志を焚きつける。
 その音色に合わせ、周囲の無機物を炎・水・風の三属性の魔力に変換させてゆく箒星。
「さあ、楽しい演奏会にしましょう♪」
 ユーベルコード『トリニティ・シンフォニー』!
 箒星のユーベルコードは、地竜が操る鉱石を徐々に魔力へと変換してしまうのだ。
 盾に弾かれた武器の数々が炎となって地竜の身体を焼いたかと思えば、氷結寸前の冷水の砲弾をぶつけてゆく。そして逆巻く強風が炎を煽り、冷水弾を加速させるのだ。
「金属を食べて、金属の角や牙、爪を生やすのでしたら、この音色は堪えるのではありませんか?」
 箒星の竪琴の音色は、地竜の身体に生えた鉱石の一部も魔力に変換して蝕んでいった。
「熱して冷やして……そうか! メルシー、一気に行くぞ! 仄々君に加勢しますよ!」
『メルシーも分かっちゃった♪ 熱して冷やしまくっちゃうよ!』
 ユーベルコード発動!
『神速戦闘機構『速足で駆ける者(ブーツオブヘルメース)』! マッハ30の亜光速連撃を喰らえー!』
 メルクリウスの身体が一瞬で地竜に肉薄すると、至近距離からRBS万能魔術砲撃兵装『カドゥケウス』の銃口を押し付けた。
「ピンポイントに超冷却光線と超高熱熱線を交互に乱射! 温度差で金属疲労を促せば……!」
 カシムの読み通り、箒星の攻撃と相まって、全身に纏う鉱石に亀裂が入りだす地竜。
 そこへBX鎌剣『ハルペー』を高速で振るえば、砕けた高純度の鉄鉱石の鱗がズタズタに斬り裂かれてゆく!
「メルシー! お前の身体に鉄鉱石の破片を取り込め! 高く売れるぞ!」
『まっかせてー、ご主人サマ♪』
 飛び散った破片は、メルクリウスの装甲に吸い込まれて回収されていった。
 だが、深手を負った地竜は自分の体の中の鉄鉱石を使って、完全合金製のドラゴンを生成してみせた。
 意思を持つ完全合金製のドラゴンが、メルクリウスに襲いかかる!
「うおおっ!?」
 カシムは操縦桿を引いてメルクリウスを後退させるも、完全合金製のドラゴンの突進を受けて空中へ放り出されてしまう。
『ご主人サマ! 大丈夫っ?』
 メルクリウスはスラスター推力で空中姿勢を保って事なきを得ると、中にいるカシムへ声を掛けた。
「うげぇ……久々に酔いました……お前の中での回転は慣れてないんですよ……」
『皆、ごめーん! ご主人サマが回復するまで、持ち堪えてて~!』
 メルクリウスはカシムを休ませるため、やむなく前線から退いた。
「お前の相手は私だ!」
 オスカーが盾を構えるたび、不思議と地竜はそちらへ気を取られて突っ込んでいく。
 それは生み出された完全合金製のドラゴンも同様だった。
 左右から挟撃されるオスカーは、無傷を保っているものの身動きが取れない。
「オスカーさん、大丈夫ですか?」
 聖騎士の前に敢えて飛び出し、竜2体の鼻先に割って入る上野。
 手にしているのは対UDCアサルトペンだ。
「いくら鉱石の身体とは言え、眼球は生身のはずだ」
 地竜本体の左目にアサルトペンを投げ付けると、見事に瞳孔の真ん中に刺さった。
 生体部分を狙われて激痛が走った左目をかばうように、地竜は暴れて首を激しく横に振る。
 完全合金製のドラゴンを地竜は取り込むと、それらを自身の尻尾へ付与した。
 地竜の尻尾が巨大なメイスのような突起物へと形が変わると、勢いよく尾を振ってオスカーと上野を薙ぎ払いに掛かった。
「オスカーさん! お願いします!」
「狙い通りだ! 私が受け止める!」
 上野はオスカーと前後立ち位置を入れ替わると、地面を思いっ切り殴りつけた反動で後方へ跳躍した。
 オスカーは『無敵城塞』で攻撃を受け止めたが、軽く10mは打ち放たれてしまう。
 盾が地面に残されたまま、オスカーの身体がはるか後方へ飛ばされてゆく。
「私は無傷だ! それより、今が好機だ!」
 オスカーの言葉に、上野は全神経を集中させる。
(狙いは後の先。敵は尾を振って攻撃する以上、俺達に『背を向ける』ことになる)
 回避されたか命中したかは、振り返るまで地竜は判別付かない。
 呼吸を整え、無駄な力を抜き、敵を『観』る。
(鈍重が故に、ここ一番で加速するときは“脚に力が籠もる”。踏ん張らないといけないからな。おかげで回避のタイミングが丸見えだ)
 だからこそ、オスカーとの連携がこうも上手くいったのだ。
 あとは、振り返られる前に渾身の一撃を叩き込むだけだ。
「盾、借ります」
 地面に突き刺さった盾を足場にロケットスタート!
 上野の身体が地を這うように銃弾の如く地竜へ肉薄する。
(――力は溜めず――息は止めず――意地は貫く)
 平時から無意識下で行っている『基礎』を意識的に行い、身体機能と動作精度を補助する。
 放たれるは、軸足を機転に上半身をひねり、遠心力で衝撃を増した死神の鎌めいた強烈なミドルキック!
 鈍い重低音と共に地竜の前の左足首が粉砕された!
「拳は手を以て放つに非ず……」
 オスカーの盾、箒星とカシム達の温度差による金属疲労、そして上野の鬼神の如き蹴撃が、硬い地竜の足首を見事に砕いてみせたのだった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

マホルニア・ストブルフ
アドリブ連携OKです

信仰心はわからんが、その対象の討伐はドワーフたちに申し訳ないな。
オスカー氏の協力は有難い。氏には地竜の攻撃を引き受けてもらい、その間攻撃に移ろうか。
――おやおやレヴィアスク、怖がらないで。竜同士仲良くなさいな。人のことは言えないけど、第一印象は大切よ。ほら、向こうは積極的じゃない。

アサルトライフルは地竜の気を引くなど猟兵のサポートになればいい。鉄鉱石は食われる前に弾いてやるさ。
知覚端子で周囲を【情報収集】し、回避と攻撃につなげるわ。
UCも発動ね。殺意、咆哮、攻撃……抵抗は受けたら返すべきね。
地竜が向かってくれば――レヴィアスクあなたの出番よ。【鎧砕き】で挨拶してやろう。


鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
WIZ

なるほど、確かに渋い感じのおじ様だね(汗
頼りがいのありそうな方だ
俺に両親がいたならこんな父さんとかがいたのかな?

オスカーさんと連携を取ろう
オスカーさんのUCは身動きが取れなくなっちゃうけどその防御力は並外れた物があるみたいだ
敵の注意がオスカーさんに向いている間に黄昏の翼を発動し空中へ移動
敵のブレスを回避しつつ攻撃に転じる
敵のブレスを喰らいそうな場合は【オーラ防御】でダメージ軽減
敵の全身を射程に収め光陣の呪札の【乱れ撃ち】【範囲攻撃】【貫通攻撃】で敵全身を光の束で【串刺し】
脆くなった部分があればその部分に対し退魔刀を手に突撃し、【破魔】を付与した刀身で切り裂く


ティエル・ティエリエル
WIZで判定

みんなを騙して貢物をさせるなんて悪いおじさんだ!
悪い地竜と一緒にやっつけてやるぞ☆

パラディンのおじさんと協力してまずは地竜をやっつけるよ!
レイピアを構えてちくちく攻撃しにいくけど……むむむっ、固い!
のろのろとした動きだから反撃も怖くないけど……わわわっ、何か吐いてきた!?
これは危険だと急いでパラディンのおじさんの後ろに隠れさせてもらうね♪

『無敵城塞』の後ろに隠れてやり過ごしたら反撃だ!
周りに吐き出された合金で錬成した大量の武器を【妖精姫のタライ罠】で金タライに替えちゃうよ♪
目に見える範囲のを全部一つに纏めたからすっごく重たいぞ!これでどかーんだ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎



 地竜の鉱石で覆われた体表に大きな亀裂が走る。
 先の猟兵達の猛攻を受け、深刻なダメージを被っているのだ。
 なんとか地竜は元いた場所へ戻り、捧げ物の鉄鉱石を食べて体力回復を図りたいところ。
 だが、それを青く反射する髪の女が遮った。
「信仰心はわからんが、その対象の討伐はドワーフたちに申し訳ないな。まあ、その申し訳なさも洗脳を解いたら無くなるのか?」
 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)……強化人間だ。
 01データめいた小竜『レヴィアスク』は、地竜の巨躯を見て、思わずマホルニアの知覚端子絡まる髪の後ろに隠れてしまった。
「――おやおやレヴィアスク、怖がらないで。竜同士仲良くなさいな。人のことは言えないけど、第一印象は大切よ。ほら、向こうは積極的じゃない」
 吼える地竜。対して小竜はあまりの恐怖に弓成りの両刃剣に変化してしまった。
「まったく、困った子……」
 マホルニアは両刃剣を足元の岩石に突き刺すと、自身はしゃがんで鍔のところにアサルトライフルの銃身を置いて銃架台の代わりにした。
「オスカー氏の協力は有難い。氏には地竜の攻撃を引き受けてもらいたい、私はその間攻撃に移ろうか」
「了解した」
 前線へ戻ってきたオスカーが盾を構えた。
 絶対に猟兵達を守るという強い決意が、顎髭を蓄えた勇壮な表情から窺えた。
「……なるほど。確かに渋い感じのおじ様だね。頼りがいがありそうだ」
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は若干苦笑いしながらも、光陣の呪札を準備する。
(俺に両親がいたなら……こんな父さんとかがいたのかな?)
 孤児だった鳳凰院にとって、実の父親は未知の存在であり、どんな人物かは想像も付かない。
(オスカーさんには悪いけど、あれだけ攻撃を受けても無傷だし、今回も囮になってもらおう。ごめんなさい!)
 そう心の中で詫びながら、鳳凰院はユーベルコード『黄昏の翼』を発動させた。
「翼よ、今こそ顕現せよ!」
 その背中に翼を象った黒白のオーラが出現すると、鳳凰院の身体を大空へ誘った。
 だが空には既に先客が飛び回っていた。
「わわっ! それユーベルコード? なんかカッコいいね☆」
 フェアリーのティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)だ。
「カッコいいって言ってくれてありがとう。君も勇ましくて可愛らしいよ」
「ふふーんっ! ボクの良さが分かっちゃうかー! キミ、見る目あるね♪」
 ティエルは鳳凰院にウィンクひとつすると、手にした風鳴りのレイピアをヒュンヒュンと鳴らして振り回す。
「この事件の黒幕のおじさんは、みんなを騙して貢物をさせる悪いおじさんだ! よーし、悪い地竜と一緒にボク達でやっつけてやるぞ☆」
 気合十分に、まずはティエルが空中から錐揉みスピン急降下!
「うりゃうりゃー! 突き刺しちゃうぞー!」
 流星のような速度で地竜の背中にレイピアを突き立てるティエル!
 だが、甲高い金属音を立てた地竜の体表が、レイピアの切っ先を拒んだ。
「むむむっ、固い!」
 刺突攻撃がほとんど通じていない!
 それでも諦めずに、何度もチクチクとレイピアを突き刺してみるが、全く歯が立たない!
「のろのろとした動きだから反撃も怖くないけど……わわわっ、何か吐いてきた!?」
「危ない! 地竜め、私を見ろ!」
 地竜は口から空中へ大量の武器を吐き出してきたが、オスカーの『無敵城塞』に反応して、すぐに攻撃の矛先をティエルから変更した。
 間一髪、武器の雨あられから逃れたティエルは、一旦上空に退避して考える。
「攻撃はパラディンのおじさんに受け止めてもらうね♪ その間に、ボクはどうやってあのカチカチドラゴンをやっつけようかな?」
 ティエルが悩んでいる間、マホルニアはアサルトライフルを乱射していた。
「ほら、こっちを狙うんじゃないよ! その可愛いお目々を潰されたいの?」
 地竜の目を重点的に狙うことで、吐き出す口元を横に逸らす考えだ。
 ついでに、地竜の餌になりそうな鉱石や岩も銃撃で出来るだけ遠くへ弾き飛ばしておく。
 実際、オスカーの盾からブレスの射線がそれ、何もないとこに大量の武器の山が築き上げられてしまったし、地竜が補給できそうな鉱物は戦場から遠ざけられていた。
 これはたまらないと、今度は鳳凰院目掛けて武器のブレスを吐き出してきた。
「なんの、これしきのことで……!」
 最低限の被弾で抑えつつ、威力をオーラ障壁が軽減。
 完全に回避しなかったのは、鳳凰院の被弾によって自身のユーベルコードが強化されるからだ。
「空からの貫通光弾による絨毯爆撃……どんなに硬い鉱石でも関係ないよ!」
 呪札を解き放つと、それは光の束を放出して地竜の全身を刺し貫いてゆく。
「更に、ユーベルコードの効果で生命力を吸収する!」
 被弾した際の傷が、徐々に癒えてゆく……!
 これにマホルニアが目を丸くして驚いた。
「へえ? 私と同じタイプのユーベルコード? 奇遇ね?」
 髪に絡まった知覚端子が、攻撃シークエンスの最適化を図る。
「贖いを以て抗え」
 その言葉がトリガーとなり、マホルニアの全身が赤黒い光で覆われる。
 彼女に向けられた地竜の『抵抗』……殺意、咆哮、そして攻撃を感じ取った。
「抵抗は受けたら返すべきね――レヴィアスクあなたの出番よ」
 アサルトライフルを放り投げ、銃架代わりに地面に立てていた両刃剣を引き抜いた。
 まっすぐマホルニアへ突っ込んでくる地竜。
 だが、マホルニアは真横に飛んで地竜の死角へ素早く回り込んだ。
「さあ、レヴィアスク? あの硬い表皮を粉砕して、挨拶してやろう」
 最上段から振り下ろされる一撃が、ゴツゴツと出っ張った鉄鉱石の角ごと地竜の皮膚を割いてみせた。
 苦悶の声を上げる地竜!
 そこへ、上空を覆う黒い影が忽然と現れた。
「目に見える範囲のを全部一つに纏めたから、すっごく重たいぞ! これでどかーんだ☆」
 ティエルは、天を覆い尽くす程の巨大な金ダライをユーベルコードで生成してみせたのだ。
「これぞ! ボクのユーベルコード『妖精姫のタライ罠』だよ☆ みんなずっこけちゃえー♪」
 レイピアを指揮棒のように、エイッと下へ振りかざすティエル。
 すると、巨大金ダライが自由落下を開始!
 動きの鈍い地竜は逃げることすら出来ずに、そのまま推定100トンの超重量の下敷きになってしまった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

フィーア・アリスズナンバー
わtaしを、よぶ声が、する。heroを呼ぶ声が、する。
ひとの、信じるこkoろを利用する悪い奴が、いる。
アームドhero……livingdeadgirl参上、deす。

でmo、私はよわいので守ってくだsaいオスカー、さん。
おれいかるこすの、一撃をオスカーさんに引き付けて、わtaしは【限界突破】で電流を、チャージします。
そして、後ろの戦車さんから吐く【誘導弾】で生体部分をマーキングして、ユーベルコード起動、deす!
目標、マーキング位置。一本だけの片腕mo、持っていきなsaい!
デッドマンだから、多少壊れteも、平気です。
それに、私は、heroですから。こんなところで、負けません!


テラ・ウィンディア
キャバリア搭乗
竜が相手か!負ける訳にはいかないよなヘカテ!
「勿論ですよテラ。偽りの神に後れを取るわけにはいきません」
【属性攻撃】
機体と武器に炎属性付与

【戦闘知識】で敵の動きと周囲の状況把握に努め
特にオスカーの戦い方も把握

【見切り・第六感・残像・空中戦】
高速で飛び回り残像を残して敵に己の位置を悟らせずに

【レーザー射撃・砲撃・遊撃】
ガンドライドを展開してビーム攻撃を打ち込み
【二回攻撃・早業】
剣で切り裂きつつ攻撃を仕掛けながら脆い部分
弱い部分を把握
【串刺し】
槍をその部分に突き刺す!

オスカーが無敵城砦を発動した瞬間

メテオブラストぉ!
槍突き刺した部分を狙いそのまま石突に踵落とし!
【重量攻撃】で破壊力増強



 テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は、相棒である三界神機『ヘカテイア』に乗り込んだまま、地竜と相対していた。
「今回の任務は竜が相手か! 負ける訳にはいかないよな、ヘカテ!」
「勿論ですよテラ。偽りの神に後れを取るわけにはいきません……!」
 星刃剣『グランディア』がキャバリアサイズに巨大化すると、剣身が紅蓮の炎に包まれた。
 その炎は機神の全身に燃え移り、白銀の装甲を煌々とした赤で染め上げてゆく。
「オスカー! ヘイト管理はまかせたぞ!」
「問題ない。地竜の一撃、耐え凌いでみせよう」
 オスカーが今日幾度目かの盾を構えるポーズをすると、全身をオーラの障壁が包み込む。
 同時にヘカテイアがスラスター推力で空へ駆け上がり、高速移動で視認すら困難なほどのスピードを誇った。
 機体に随伴飛行するRS-F『ガンドライド』からは、絶えず3連射の砲撃が地中の背に浴びせ続けられている。
「回避されることを考えずに済むのは楽だが……なんて硬いんだ!」
『手数が足りません!』
 テラは燃え盛る星刃剣で近接攻撃も加えながらのヒット&アウェイ戦術も加えてゆく。
 それでも、地竜の装甲は硬すぎた。
「どっかに柔らかい隙間があるはずだ! 先の猟兵達が金属疲労で亀裂を入れてくれただろう!?」
『駄目です、テラ! 剣でも、槍でも、これ以上深く刺さりません……!』
 テラはヘカテイアの言葉に、はっと息を呑んだ。
「なんてことだ……! ヘカテ、お前のパワーがそもそも足りないんだ! だから地竜の筋肉に刃が刺さらないんだ!」
『そ、そんなぁ~!』
 まさかのパワー負けが原因だった。
 一方、オスカーは振り回される尻尾の鈍重な一撃を、盾で防ぐのに精一杯だ。
 このままでは致命的なダメージを地竜に与えられない。
 一か八か、ユーベルコードを叩き込むかの判断を迫られるテラ。
 だが、そんなところへ新たな猟兵が転送されてきた。
「こkoが、今kaiの、Genバ、ですね」
 開ききった薄翡翠色の瞳孔、やけに年季の入ったマーチングバンドの制服、外見年齢不相応な金髪のツインテール、ところどころ抑揚と発音が狂った喋り方。そして、背後に従える壊れかけた禍々しい姿の木馬型戦車!
「わtaしを、よぶ声が、する。heroを呼ぶ声が、する。ひとの、信じるこkoろを利用する悪い奴が、いる」
 時折、身体をガクガクと痙攣させながら、古ぼけた女はミニスカートの裾を摘んで恭しく一礼してみせた。
「ハジmeましte。アームドhero……living-dead-girl……“4番目”のアliceズなンberこト、フィーア参上、deす!」
 フィーア・アリスズナンバー(4番目の甦り・f32407)、その身はかつて一度死んで、オブリビオンとして蘇り、90番目の妹に“再殺(リキルド)”された。
 だがしかし、何の因果か、シンだ肉体に本人の魂が『正気を保って』再び入り込んだのだ。
 ゆえにデッドマン。
 強力な感情や執念といった『魂の衝動』で動き回る、正真正銘の生ける屍だ。
「アliceズなンberねっトworくに、接ゾク障gaiが発seiちゅウ。マザーに、フィーアの、生ゾン確ninを、送信ふka……」
 彼女たち、アリスズナンバーと故障されるフラスコチャイルド達は『不死の軍隊』だ。
 魂の記憶さえ本拠地に居る『マザー・アリス』が無事に生存しているなら、何度死んでも素体に個体データをコピーされて蘇ることが可能だ。
 ただし、例外として何らかの理由でアリスズナンバーの課せられた『使命』の遂行が不可能だとマザーに判断された時点で、ネットワークから凍結・追放されてしまう。
 フィーアは一度、オブリビオン化して処分対象となり、新しい肉体は用意されなかったのだ。
 なので、欠損した部分はマネキン人形のパーツを身体にくっつけて補っているのだ。
 それでも、左腕は随分前からなくなったままだが。
 だが、それを壊れた肉体のまま復活したフィーアが知る由もない。
 やむなく、フィーアはオスカーの背中に張り付いた。
「あno、私はよwaイので、守ってくだsaいオスカー、さん」
「ん? あ、ああ……! 女性を守るのは、騎士として当然の務めだ!」
 乱暴に振るわれる尻尾の攻撃を、何度も弾き返すオスカーの盾。
 その盾に守られながら、フィーアは心臓に埋め込まれたヴォルテックエンジン……己の『魂の衝動』を莫大な電流に変換する動力装置をフル稼働させ、限界を超えた先まで肉体に生体電流を蓄電してゆく。
「木baさん、お願イ、します」
 木馬型戦車の口から砲身がニョキニョキ伸びたかと思えば、ペイント弾のような誘導弾を立て続けに地中へ発射!
(あとで木馬さんに名前を付けてあげないと……確か、前に名前を付けた気もしましたが……駄目です、記憶が混濁してますね……)
 心のなかでは流暢に喋れるフィーアであった。
「そreハ、銀ノ粉ga、混じッて、ます」
 フィーアの右手に持った、赤いスコップがバチバチと帯電して火花を散らす。
「銀は、こノ世界de、最モ電気wo通しやsuイ金属、です」
 加えて、地竜の体表は鉄鉱石の原石だ。
 鉄は電気を通す。それを銀粉が含有した誘導ペイント弾で覆う。
 そこへ限界突破した超高圧生体電流が流れるとどうなるか?
「目標、マーキング位置。一本だけの片腕mo、持っていきなsaい!」
 隻腕で握ったスコップを、銀のペイント弾が付着した部分に突き刺した。
 途端、フィーアの右腕が爆散!
 デッドマンズ・スパーク!
 宙を舞うスコップ!
 驚いたのはオスカーだ。
「なんて無茶を!」
 防御を解いてフィーアに駆け寄ろうとするのを、彼女本人が止めた。
「デッドマンだから、多少壊れteも、平気です。それに、私は、heroですから。こんなところで、負けません!」
 見開いた瞳孔に、光が宿った。
 地竜が吼える!
 感電した地竜は、全身の筋肉が縮こまってしまっている。
 電気ショックによる生理反応だ!
「今だ! ヘカテ! ユーベルコードを使う!」
『分かりました!』
 紅龍槍『廣利王』に炎の精霊を宿して地竜の体表に穂先を突き立てたあと、ヘカテイアは空高く急上昇!
「星よ……世界よ……流星の力を我が身に宿せ……! 今こそ我が身、一筋の流星とならん……!」
 上昇し終えると、今度は右足を頭上より高く振り上げたまま、全身の炎を滾らせながら落下してゆく!
「メテオ・ブラストぉー!!!」
 燃え盛りながら地表へ降り注ぐさまは、まるで隕石のようだ!
 そのまま槍の石突を高高度からの超重力踵落としで地竜の内臓へ押し込んだ!
 槍の炎の魔力が地竜の体内で爆発すると、地竜の下半身の一部が粉々に吹き飛んでいってしまった――!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リオ・ウィンディア
まぁ、オスカーおじ様が全力で守ってくださるの?
なんて素敵な紳士でしょう!
お礼と言ってはなんだけれど、早速私の舞台お披露目してあげるわ

UC発動
マルシュアスで【楽器演奏】で音のパワーの上乗せを
UCで無機物である金属ブレスを無力化、闇の嵐に再変換
暴風を呼び起こしオレイカルコスの体を【早業】で錆と風化させる
これは竜にとっていい【呪詛】でしょう
有機物の攻撃が混じった場合は【心配り】無用なオスカーおじ様を信頼して盾に立ってもらい
私は影で【目立たない】ように隠れてしまいましょう
年上に対する【礼儀作法】はもちろん弁えているわ
おじ様ファイト♪

竜の動きが鈍ったところでダガーでトドメとダメおしの一撃の【2回攻撃】



 もはや意地だけで体を動かす地竜。
 その目の前に、漆黒の喪服でめかしこんだリオ・ウィンディア(Cementerio Cantante・f24250)がたおやかに微笑む。
「ごきげんよう。あなたの葬送曲を奏でに参りましたの。気に入ってくださるかしら?」
 手回しオルガン式魔楽器・マルシュアスを首から下げ、ハンドルに手をかけるリオ。
 だが、地竜はこれ以上の攻撃をさせまいと、先制して口から武器の嵐を吐き出してみせた!
「危ないっ!」
 殺到する武器群のブレスに割って入るオスカーが盾を構えて踏み留まる。
 その背に守られたリオは、目を輝かせて感謝を述べた。
「まぁ、オスカーおじ様が全力で守ってくださるの? なんて素敵な紳士でしょう! お礼と言ってはなんだけれど、早速私の舞台お披露目してあげるわ!」
 首から下げたマルシュアスのレバーを回して音を奏で始めるリオ。
「Bienvenidos……!」
 音色は呪詛を孕み、リオが認識した無機物……地竜のブレスから吐き出された武器の山が別のモノへ変換されてゆく。
「なんだ? 目の前が、真っ暗になったぞ!」
 オスカーの視界に突然、夜の帳が降りた。
 逆巻く闇の嵐は、吹き荒れる武器類のブレスをことごとく飲み込んで闇に変換していってしまう。
「驚かないで、オスカーおじ様? これは私の演奏、私の舞台。あの地竜はたんまり鉱石を喰らって、身体の大半が無機物で構築されているわ。この呪われた闇の嵐は、さぞかし地竜には堪えるでしょうね?」
 オスカーの盾の影に隠れながら、リオは荘厳な葬送曲を奏でてゆく。
「おじ様ファイト♪ あと少しで終わりますわ。ほら、ご覧遊ばせ?」
 リオが闇の向こうへ視線を投げかける。
 荒れ狂う闇が地竜を覆い隠すと、突き出た角や爪、牙や鱗が闇に吸い込まれ、地竜は徐々に丸裸同然になってゆく。
 エネルギー源である鉱物が体内から抜き取られた地竜は、急激に生命力を抜き取られたのと同然である。
 もはや動くことすらままならず、ユーベルコードが発動できなくなっていた。
「……今ですわ!」
 手回しオルガンの底に忍ばせていたダガーの柄を掴んで、リオは地竜へ駆け出してゆく。
「非力な私でも、鉱物の鎧を纏わない地竜の急所を刺突するくらいは出来ますわよ?」
 地竜の鼻先に飛び乗り、一気に頭の上へ。
「このダガーで眉間を突き刺すわ。弱点とはそういうものですもの」
 そのまま勢いよくダガーの刃を地竜の眉間に全体重を乗せて突き刺した!
 悲鳴を上げる地竜!
 しかし、リオは自分のダガーを地竜の眉間に突き刺したまま、ユーベルコード『エタパ・デ・オスクリダ』を続行!
「私のダガーの刃が闇に変わる時が、あなたの告別の時間ですわ」
 ――安らかに。
 呪詛の音色がダガーを局地的な闇の嵐に変えると、地竜の脳味噌を問答無用でシェイクして絶命させたのだった……!
 リオは敵の体内に金属を埋め込んでから、ユーベルコードを発動させて内部破壊ができることを実証してみせた。
「第一幕、これにて終演ですの。さあ、第二幕の主役を待ちましょうか……♪」
 今のリオの表情は、9歳の女児とは思えぬほどに妖艶であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『異端神官ウィルオーグ』

POW   :    第一実験・信仰に反する行動の規制
【論文】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
SPD   :    第二実験・神罰の具現化
【自身や偽神に敵意】を向けた対象に、【天から降る雷】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    第三実験・反教存在の社会的排除
【名前を奪う呪詛】を籠めた【蝶の形をした黒い精霊】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【縁の品や周囲からの記憶など、存在痕跡】のみを攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠クシナ・イリオムです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 鉱山を登る老人、ぜぇぜぇと肩で息を切りながら猟兵達の前に現れた。
「偽神に異変が起きたと思って、駆け付けて、みれば……ハァ、ハァ……」
 土塊へ変わって崩壊してゆく地竜の身体を見詰めながら、猟書家『異端神官ウィルオーグ』はぎりりと奥歯を噛み締めた。
「神をも怖れぬ不遜な猟兵達よ……! お前達にこの私が、信心の何たるかを説いてくれよう!」
 何処からともなく舞い上がる本のページ。
 猟書家の掌に揺らめく呪詛の高まり。
 そこから生み出される黒蝶の群れ。
「お前達も信心の素晴らしさを理解すれば、己の行いに気付くだろう」
「おやめ下さい、開祖様!」
 パラディンのオスカーが会話に割って入ってきた。
「こんなこと、『知識の神エギュレ』様はお喜びになりません!」
「黙れ、聖騎士が。人の想いや信仰の力は強い。だからこそ利用価値がある。違うかね?」
 ウィルオーグの言葉にオスカーは黙りこくる。
 猟兵達は如何にオスカーを励まし、猟書家へどう戦うのであろうか……?
リオ・ウィンディア
あら私、死神しか信んじないわ
なんたって私の名付け親だもの(真意は謎

共闘アドリブok
UC発動
【楽器演奏・歌唱】
みんなで倒そう悪いやつ
さぁ、ズババッ行っちゃうよ
ピカッと光る雷さん
小さな子供を泣かせるのー♪
わーこわーい!(きゃっきゃっ

珍しく年相応
なんと【演技】ではない!
山登り開けのおじさんに子供向けという【呪詛・精神攻撃】しかもラテン系
【第六感】子供なんか無縁そう
何より悪おじはノリが悪そうだわ
【読心術】ほら紳士なオスカーおじ様はノリノリよ
こんな演奏で【目立たない】訳が無い!
避雷針になってあげる作戦ね
雷はオスカーおじ様の【結界術】とも言える城壁を頼りにするわ

(さあ音楽を楽しんで♪
この隙にバモバモー!)


箒星・仄々
オスカーさん
想いは利用し
利用されるものではない

それはオスカーさんがその御姿で体現されていると思います

天啓故は勿論
ご自身も開祖様の解放を願う想いのはず
歪んだ開祖様をその軛から解き放って差し上げましょう

無敵城塞を引き続きよろしくお願いします

オスカーさんの背後に隠れて
弦を爪弾き魔力を練り上げて
高炉の炎
大地を潤す水
山間を吹く風
を織り込み
更に破魔の魔力も付与して矢として放ちます

蝶を燃やし
押し流し
吹き飛ばし
そのまま開祖様を矢衾に

万が一存在痕跡にダメージを受けても
先ほど織り込んだこの地を巡る炎水風との縁が
その呪詛を祓うでしょう

終幕
鎮魂の調べ

オスカーさん
お疲れ様でした
知識神様も開祖様も
きっとお喜びでしょう♪



「あら私、死神しか信んじないわ。なんたって、死神こそが私の名付け親だもの」
 リオ・ウィンディア(Cementerio Cantante・f24250)は口元を弧に歪めて笑う。
 その言葉の真意は本人しか分からない。
 だが、純粋な箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、翡翠色の広みを大きく開いて驚いた。
「それは凄いですね~。猟兵さんの中には神様もいますので、リオさんもその類なのでしょうか?」
「さぁ? ご想像にお任せするわ」
 リオは愛用の手回しオルガンを奏で始めると、まるで童謡のようなラテン系楽曲を歌い始めた。

 ♪みんなで倒そう悪いやつ
 ♪さぁさぁ、ズババッと行っちゃおう!
 ♪ピカッと光る雷さん
 ♪小さな子供を泣かせるのー
 ♪ゴロゴロどっかん、わーこわーい!
 ♪悪いやつの頭に落ちて
 ♪ビリビリ黒焦げかわいそ~!

 戦場に似つかわしい陽気な旋律と歌声が鉱山の中腹に響き渡る。
 リオはユーベルコード『escucho música(エスクーチョ・ムシカ)』を発動させ、音楽を楽しまない者の動きを5分の1まで低下させた。
 妖艶さはなりを潜め、今は年相応の女児として、キャッキャとはしゃぐリオ。
 そこに猟書家『異端神官ウィルオーグ』への敵意はなく、むしろ憐憫を籠めて歌い上げる。
(山登り明けのおじいちゃんに、音楽を楽しむ余裕はないはずよね?)
 リオの予想通り、ウィルオーグは緩慢な動きのまま、リオを睨み付けるだけだ。
(なんだ、この娘っ子は? この私を意に介さず、遊んでおるのか?)
 思うように動かない身体、そして戦場で歌い明かすリオの態度は、ウィルオーグのユーベルコードのトリガーになりえない。むしろ狙うことが出来ない!
 代わりに敵意を向けたのは、パラディンのオスカーだった。
「ウィルオーグ……! その悪行、断じて許さない!」
 音楽で気持ちを高揚させたオスカーは、ユーベルコードで無敵モードになるべく盾を構える。
 その頭上に、一条の雷光が降り注いだ!
「神ぃ罰のぉ具現化ぁのぉ……」
「おやおや? 喋る速度も普段の5分の1にまで遅くなってますね~?」
 箒星が呆れながら、落雷を凌いだオスカーへ言葉を掛けた。
「オスカーさん、想いは利用し、利用されるものではありません。それはオスカーさんがその御姿で体現されていると思います」
 箒星は懐中時計を蒸気機構の力で竪琴へ変形させると、リオの演奏と歌声に即興で合わせ始めた。
 これで箒星も普段通りに行動が可能だ。
「天啓故は勿論、ご自身も開祖様の解放を願う想いのはず。歪んだ開祖様をその軛から解き放って差し上げましょう」
「ああ、そのとおりだとも。この活気溢れる音楽で気分も高揚している。今なら、開祖だろうが抗える!」
「オスカーおじ様、心でラテンを感じてらしゃったのね! 踊ってないから、おじ様まで遅くなっちゃったかと思ったわ……♪」
 盾を構えるオスカーの周りを、踊りながらリオは上機嫌に演奏を続ける。
「案の定、登山で披露している猟書家の悪おじはノリが悪いし、このまま私達は音楽を楽しみましょう? バモバモー♪」
 戦闘なんて二の次に、リオは喪服姿でくるくる踊る。
 これにつられて箒星もルンタッタとステップを踏みながら竪琴をポロンポロンと掻き鳴らす。
「オスカーさん、無敵城塞を引き続きよろしくお願いします。第二波が来ますよ!」
 箒星の言葉通り、速度が極端に遅くなったとはいえ、敵のユーベルコードを封殺できたわけではない。
 ウィルオーグは掌から、名前を奪う呪詛が籠められた蝶の形をした黒い精霊を箒星へ向けて解き放った。
 だが、動きの鈍さが幸いし、猟書家と箒星の間にオスカーが割り込むだけの猶予は十分にあった。
「無敵城塞、発動!」
 再び盾を前に構えるオスカーは、真正面から呪詛の黒蝶を受け止める。
 直撃すれば、己の記憶や存在定義を喪失させられてしまう恐ろしいユーベルコード。しかし、無敵城塞ならば直撃しても効力は発揮されない!
「黒猫君、あとは頼む!」
「お任せ下さい~!」
 箒星はラテンの音楽に合わせ、爪弾く速度を1段階ギアアップ!
「さあ、ちょっと派手にいきますよ~?」
 拘束アツべジオから紡ぎ出された音色は、炎・水・風の三色の魔力に変化していった。
 高炉の炎が、大地を潤す水が、山間を吹く風が、破魔の力を付与された魔法の矢の束となって、黒い蝶の群れを撃ち抜いてゆく!
「この魔力は、この土地に住む精霊さん達からの賜り物です。つまり開祖様は今、この自然そのものを敵に回しているのです!」
 超自然的魔力の矢の雨が容赦なく猟書家へ殺到していけば、恐るべき呪詛ごと打ち砕いて爆発を引き起こしてみせた。
急激に熱せられた水分が蒸発して水蒸気爆発を起こし、突風の風圧も合わさって信じられないほどの破壊力が猟書家を襲う!
「ぁっがぁぁぁー……!?」
 吹っ飛ばされたことでリオから離れると、急に速度が戻って、とんでもない勢いで岩肌に全身をぶつけたウィルオーグ。
「まずは痛打を与えられましたね。知識神様もきっとお喜びでしょう♪」
「知識と音楽は楽しんでこそ、よね♪」
 トリッキーな戦術が功を奏し、猟兵達の優勢のまま、戦いは続いてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

カシム・ディーン
…僕もお前に言いたい事があるんですよ

…神って碌なもんじゃねーぞ?

このポンコツ見てみてくださいよ…(絶望的説得力

「そんな…そんなに見つめられたらメルシー照れちゃう♥」


【情報収集・視力・戦闘知識】
過去の戦闘での彼の戦い方の癖も分析

「あ、メルシーも信仰について言おうかな☆信仰ってのは利用する為じゃなくて救うためだよ?心の苦しみをほんの少しでも和らげられればそれでいいんだ。君も本当はそう願ってたんじゃない?」

UC発動
【二回攻撃・念動力・属性攻撃・迷彩・スナイパー・切断】
光学迷彩で姿を消し超高速で飛び回り
神官の周囲を飛び回りながら念動光弾で動きを止め
ハルペーによる連続斬撃で襲い掛かる
オスカーと連携!!


テラ・ウィンディア
真の姿発動


「信仰ですか…私も魔女達に信仰された身ですが…信仰とは人が利用するものではありません。人の心の苦しみを晴らす一助であればそれでいいのです」
ヘカテはいい事言うな!
「あと…私まであの馬鹿神機と一緒にしないで下さい!流石に傷付きます!!!」


【戦闘知識】
過去の神官との戦闘との差異は把握
オスカーおじちゃんにも情報共有

あんたが信仰で人を救ってたのは判る
ならそれを思い出せ!
UC発動
【見切り・第六感・残像・空中戦】
超高速で飛び回りながら全力回避

【レーザー射撃・遊撃】
ガンドライドでビームを撃って動きを止め
【二回攻撃・重量攻撃・串刺し「】
其処から剣による斬撃から槍で串刺し
そしてブラックホールキャノンだ!



 立ち上がる猟書家『異端神官ウィルオーグ』は、歯を食いしばって猟兵達を睨む。
「不覚を取ったが……次はこうは行かぬと思え」
 ウィルオーグは天罰を具現化せんと、天へ書籍の紙片を放り投げる。
 すると、たちまち空は暗雲立ち込め、雷光が猟兵達の頭上で瞬いた。
「先程と違って、お前達からは敵意を感じる。その頭上に神の怒りを落としてやろう!」
「あー、それなんですけどね? それ、一発放つ前に僕の言い分聞いてくれませんか?」
 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は、自身が操縦するサイキックキャバリアこと界導神機『メルクリウス』の白銀のボディを見せ付けた。その背後に輝く黄金の輪が、いかにも神々しさを醸し出していた。
「……いやね? 僕がお前に言いたいことは、神様って碌なもんじゃねーぞって事ですよ? だって、このポンコツ見てみてくださいよ……。黙ってりゃかっこいい機神なのに、性格も性癖もエグくて最悪のクズなんですよ……」
「――何だと?」
 猟書家は理解不能と言わんばかりの顔付きで、メルクリウスを頭の先から爪先まで眺める。
 これにメルクリウスが勝手に身悶えしてみせた。
『そんな……そんなに見つめられたらメルシー照れちゃう♥』
「ほら、こういうとこなんですよ」
「……下品だな」
 神罰落雷!
 自分の信奉する神様以外の神がどうだろうが実際どうでもいいので、残念だがこの結果は当然である!
 だがパラディンのオスカーが盾を掲げて猟書家への悪意を放ったため、自然と落雷がオスカーへ矛向いた。
「ぐっ……! 無敵城塞をなめるなァ……っ!」
「オスカー、グッジョブ! フォローありがとうですよ!」
『ご主人サマ! 今のうちに!』
 オスカーが雷を引き受けたことで、メルクリウスの機体が透明になる時間を稼いでくれた。
 カシムの持つ魔道具の効果により、光学迷彩をメルクリウスが発現させたのだ。
「ぬぅ? しまった、姿を消されたか!」
 ウィルオーグが舌打ちした。
 姿が見えなければ、悪意を感じても対象へ雷を落とすことが出来ないようだ。
(やっぱり、敵は眼で僕達を認知していましたね!)
 以前、カシムは別の場所でウィルオーグと一線交えた経験がある。
 その時の経験が活きたのだ。
 経験が活きたのは、カシムだけではない。
 偶然にも共闘している同じ神機を駆るテラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)もまた、ウィルオーグとの戦闘経験から最善手を模索していた。
『信仰ですか……。私も魔女達に信仰された身ですが……断じて、信仰とは人が利用するものではありません。人の心の苦しみを晴らす一助であれば、信仰は既に役目を果たしているのです』
「ヘカテはいい事言うな! 猟書家とメルシーとは大違いだ!」
 幼いテラには、宗教の何たるかはまだ深く理解は出来ないようだが、猟書家の考えは真っ向から否定した。
『当然です! あと……私まであの馬鹿神機と一緒にしないで下さい! 流石に傷付きますー!!!」
「すまない、ヘカテ! でも、今度はおれ達の頭にカミナリが落ちそうだぞ! 気をつけろ!」
 テラは機神を空に浮かばせ、落雷の標的になりにくくするために高速移動を開始した。
 放たれれば、光より早く物体が動けるはずもなく、今は猟書家の目に止まらないように撹乱するしかない。
『オスカーさん、もう一度受け止めてくれませんか!?』
 ヘカテイアの嘆願に、オスカーは苦笑いを浮かべる。
「巨大な鎧人形で受け止めたほうが、よっぽどもダメージ無いはずじゃないかな……? まぁ、小さな女の子の願いは聞くのがオトナの役目だ!」
 先程よりも一層強い怒りと敵意をウィルオーグへ向けるオスカー。
 再び神罰がオスカーの大盾を直撃!
 ユーベルコードで無敵化し、電撃を地面に受け流すオスカー!
『テラ、今がチャンスです!』
 ヘカテイアの言葉通り、猟書家が攻撃をした直後に大きな隙が発生するのをヘカテイアはデータベースとして知っていた。
 テラはこれに応えるべく、まずは浮遊砲台でビームを地上へ向けて発射した。
 えぐれる大地に、思わず猟書家が片腕で防御してしまう。
 敵の視界が塞がれた。
 テラはユーベルコードの冥界の炎『ギガスブレイカー』(キョジンヲウチヤブルモノ)を発動するべく、神機を超音速で鉱山の上を飛行させる。
「リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……! ブラックホールキャノン……起動準備……!」
 ヘカテイアの胸部に闇の球体が出現する。
 それは時事に大きくなってゆき、次第に周囲の光さえも吸い込み始める。
 テラは巨大化させた紅龍槍『廣利王』と星刃剣『グランディア』を放って、敵の逃げ場を封じる。
「とっておきだ! たっぷり味わえー!」
 そこへ、超重力エネルギーが猟書家を直撃!
 メキメキと周囲の物質を圧縮するも、猟書家は呪力で耐える!
 そこへ、透明化を解いたメルクリウスが、ウィルオーグの背後に立つ!
「メルクリウス! お前の力を見せてみろ!」
『オッケー! 『速足で駆ける者(ブーツオブヘルメース)』だよー!』
 巨大な鎌剣から繰り出されるマッハ30の超高速連続斬りが猟書家の背中を刻んでゆくと、小型重力弾と激突して爆発してしまった。
「あ、メルシーも信仰について言おうかな☆ 信仰ってのは利用する為じゃなくて、虐げられている人々を救うためだよ? 心の苦しみをほんの少しでも和らげられれば、私はそれでいいんだ。君も本当はそう願ってたんじゃない?」
「黙れ……!」
 機神2体の猛攻を浴びても、なお五体満足で立ち上がる猟書家。
 すさまじいタフさと執念深さは、猟兵達を唸らせるに足りた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

マホルニア・ストブルフ
POWで判定
あら、あなたが猟書家?あら、そうねぇ……神様にあげるような信仰心は持っていないのよね、困ったことに。
――ちょっと、なに……?何だ、聖典のコピーか何かか?生憎勧誘だのなんだのは全部断ってるのよ。

◇ルールは癪だから守りたくないわね。笑いながら破るわ。【激痛耐性】でダメージは耐えつつ、【枢式用弾倉】の弾を装填して撃ち、UCを使用。
暫く頭痛が酷くなるけど演算装置で演算を補填しながら、その体を引き伸ばしてやろう。
【真の姿】足元から指のような青白い木の枝がちらほら。

オスカー氏のような者が信仰を説くならまだ解るんだが、信仰心を解きながらそれを蔑ろにする矛盾を抱える、お前にとっての信仰心とは何だ?


ティエル・ティエリエル
SPDで判定

かいそがなんだー!悪いことするヤツは懲らしめてやるぞー☆
オスカーさんもあんな神様への想いを利用するヤツなんて懲らしめないとダメだよ♪

レイピアを構えて突撃しようとするけれど、わわわっ、雷が降ってきた!?
あっちこっち飛び回って「見切り」で回避するよ!でも、これじゃあ近づけないや!!
むむむー、少しでも雷が逸れたら一気に飛び込んで真っ二つにしてやるのに!

そんな風に困っているところで、オスカーさんが敵意を向けて雷を引き付けてくれたら
宣言通り一気に飛び込んで【ハイパーお姫様斬り】で斬りかかっちゃうね♪

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



 マホルニア・ストブルフ(構造色の青・f29723)は猟書家『異端神官ウィルオーグ』を前にして、不敵に口元を弧にして歪ませた。
「あら、あなたが猟書家? 見たところ、ただの要介護老人にしか見えないな?」
「ほざけ……! お前も神罰を落としてやろう!」
 怒り心頭のウィルオーグ。
 だがマホルニアは肩を竦めて苦笑いを浮かべていた。
「あら、神罰? そうねぇ……神様にあげるような信仰心は持っていないのよね、困ったことに。それに生憎、勧誘だのなんだのは全部断ってるのよ」
「知ったことか! 信仰を穢す者は許さん!」
 これにティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が反抗の言葉をぶつける。
「かいそがなんだー! 悪いことするヤツは懲らしめてやるぞー☆」
 マホルニアの顔の横でキラキラと漂いながら、愛用のレイピアを持って身構えたティエル。
 彼女は戸惑うオスカーに笑顔で励ました。
「オスカーさんも、あんな神様への想いを利用するヤツなんて懲らしめないとダメだよ♪」
「……ああ、そうだな。今のあれは、知識神様の信仰に背いた敵。この盾のように、我が信仰は堅いと知れ、猟書家とやら!」
 吹っ切れたオスカーが、巨大な盾を構えたまま敵意をウィルーグに向けた。
 ウィルオーグは奥歯を噛み締めながら低く唸る。
「ぐぬぅ……全員まとめて、神罰に灼かれてしまえ!」
 猟書家が天に指を差すと、上空の空が暗転し、雷光がほとばしる。
 合図ひとつで、いつでも猟兵達の頭上に落雷が可能な状態だ。
 だが、マホルニアはオスカーの盾の前に立ち、盛大に笑い飛ばした。
「ははははははは――! オスカー氏のような者が信仰を説くならまだ解るんだが、信仰心を解きながらそれを蔑ろにする矛盾を抱える、お前にとっての信仰心とは何だ? そんな薄っぺらい信念から繰り出される神罰とやらが、果たして私に通じるのか?」
「愚かな! 黒焦げにしてくれる!」
 ウィルオーグがマホルニアへ指差すと、刹那、青く輝く髪に高圧電流が降り注いだ!
 驚愕するオスカー!
「そんな! 人間が雷撃を浴びて……平然としている!?」
 驚愕ッ!
 マホルニアは生きていた!
「あら、この程度? 市販の低周波マッサージ機のほうがまだ痛かったわよ?」
「何故……生きている!? 生身の人間なら、ユーベルコードを使わぬ限り即死だぞ!」
 狼狽する猟書家へ、マホルニアは冷静にアサルトライフルの照準を合わせる。
「やはり他の世界の知識は乏しいようだな。残念だが、私は“生身の人間”ではない。強化人間だ」
 通常の人間よりも遥かに頑丈に作られた肉体は、猟兵となった事で雷撃程度では機能停止に陥ることなどなかった。
「なので、私はオスカーの援護は不要だ。そのまま蜂の巣になれ」
 アサルトライフルの三点バーストが火を噴く!
 途端、ウィルオーグの身体から血飛沫が舞い散る!
「ぐぅッ!? ええい、ならば死ぬまで浴びせるまでだ!」
 猟書家は無作為に雷を落としまくってゆく!
「わわわわっ!? これじゃあ近づけないや!! オスカーさん、助けてー!」
 ティエルはフェアリーの小柄さゆえか、雷撃をどうにかかわしてゆくことができていたが、このままではジリ貧。
 慌ててオスカーに助けを求めて盾に隠れた。
 オスカーも聖騎士として頼られたらやる気が増すというもの。
 ユーベルコードで無敵化すると、ティエルへ降り注ぐ雷を全て弾き返してしまった。
「ありがとう、オスカーさん☆ って、なんだかマホルニアの姿は変わってるー!?」
 ティエルは雷を浴び続けていたマホルニアの真の姿に眼を丸くしていた。
 足元から指のような青白い木の枝がちらほら伸びてゆき、纏う粒子の濃度が濃くなり、雷撃を浴びるたびに反射して輝きを増してゆく。
「過電流による演算装置の一時的な強化を確認。下手打ったわね、ジイさん? 今の私はすこぶる調子がいい!」
 アサルトライフルに枢式用弾倉を装填し、照準を合わせる。
「そういえば、先程の私の質問に、お前は答えていなかったな? もう一度聞く。信仰心を解きながらそれを蔑ろにする矛盾を抱える、お前にとっての信仰心とは何だ?」
「己の目的を果たすための手段だ!」
「駄目ね。そんなありきたりな答えは求めてないの。では、さようなら」
 容赦なく放たれた弾丸に籠められたのは素粒子。
 高速演算によって電化が付与され、空間が歪ませるほどの局地的超重力を発生させる。
「そのまま身体を引き伸ばしてやろう。ストレッチと呼ぶには少々乱暴かもしれないだろうが」
「ぐわぁァーッ!?」
 空間の歪みに巻き込まれ、まるで飴細工のように身体が引き伸ばされてゆくウィルオーグ!
 そこへ飛び込んでくるオーラの刃!
「いっくぞー! ハイパーお姫様斬りだー☆」
 ティエルの必殺技が放たれた!
 フェアリーに取っては長い1mほどのオーラの刃だが、今回は他の猟兵達の奮戦が彼女に力に変換され、オーラの刃が強化されていた。
「今なら、空間ごと真っ二つにできちゃうかも? うりゃーっ! 一刀両断だー☆」
 細長く伸びた猟書家の身体に、空間の歪みすら無視した大斬撃が見事に浴びせられたのであった――!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

上野・修介
※アドリブ、連携歓迎
「さてと、どうした物か」

己が得物は近接格闘
故に「近づくな」と宣告されるのが最も手っ取り早くて効果的だ。

「遣られる前に叩き伏せる」

相手の視線、体幹の動き等から攻撃軌道を予測し、歩法と重心操作によるフェイント、地面への打撃による急旋回・急制動で回避。
こちらの動き対応できないならそのまま突っ込む勢いを加算して殴り貫く。

宣告を受けたらその場で停止。
苛立たし気を装って地面を殴って飛礫で攻撃する、とともに土砂を巻き上げ本命への目隠しに。

その『苦し紛れ』に隠して、本命のロープを付けたアサルトペンを投擲。

「すみません。もう一回盾を借ります」
相手に絡めてぶん回し、騎士の盾に叩き付ける。


鳳凰院・ひりょ
アドリブ歓迎
SPD

オスカーさん、貴方は貴方の信じる道を行くべきです
それだって間違いなく彼のいう信心だと思うから
人の心を利用するなんて、そんな事しちゃいけないと思う!
【コミュ力】【心配り】でオスカーさんを激励する
「貴方が進んできた道は決して間違っていない、と」

オスカーさんにUCを発動してもらい、その周囲に雷を吸引する【結界術】を施す
これで無敵に避雷針が出来上がるはず、すみませんオスカーさん、その鉄壁の防御の力お借りしますね

ライオンライドでライオン召喚し【騎乗突撃】
念の為自身とライオンに【電撃耐性】の【オーラ防御】を張り巡らせる
【破魔】【除霊】付与し【全力魔法】力を注ぎ込んだ退魔刀で一閃する


フィーア・アリスズナンバー
こんなni、オスカーsaんが止めteるのに、続けruつもりなのですね。
だっtaらheroとして、止meて見せmaしょう。
人を豊かniする教えga、人を襲うnaど、神が望まnu事です!

論文を展開しte攻撃してkuるのなら、その論文は焼却しteしまいましょう。
木馬saん。焼却誘導弾を乱れ撃ちして論文ni発射です。真の教えha、紙に残さずtoも正しku伝わり続けます。soの論文は、間違った信仰を広めyoうとする貴方の謀略の証拠deす!
そして、誘導弾の中ni、貴方の弱点を狙う弾を打っておきmaした。
限界突破。リビングデッドキャノン、show downです!



 満身創痍の猟書家『異端神官ウィルオーグ』は、最後の力を振り絞って立ち上がる。
「おのれ……まずお前達には信仰に反する行動の規制をせねばなるまい」
 ウィルオーグは己の書いた論文の紙片を宙に舞わせると、それを命令とともに上野・修介(吾が拳に名は要らず・f13887)とフィーア・アリスズナンバー(4番目の甦り・f32407)へ放った。
「汝等、神の信徒を虐げるべからず!」
 上野とフィーアは直感で『攻撃を禁止される命令』だと悟る。
「……さてと、どうした物か。俺の近接格闘スタイルからして“動くな”と命令されると思ったが。なるほど、攻撃するなと命じれば、そもそも無力化されるな」
 飛んできた紙片をボクシングのスウェー回避の要領で体を反らして回避する上野。
「だが、素直にその論文にあたってやるほどお人好しではない。遣られる前に叩き伏せる」
 小刻みにステップを繰り出し、飛び交う紙片を掻い潜る上野。
 一方、フィーアは背中に張り付いた論文のおかげで、攻撃を禁止されてしまった。
「しまった! く……なんだこの論文は! 身体から離れない!」
 オスカーはフィーアにへばりつく論文を剥がそうとするが、びくともしない。
「なんてことだ、私が不甲斐ないばかりに!」
 苛立つオスカーへ、フィーアがたどたどしく声を掛けた。
「ご心配naく、私ha問題あriまセン。それyoりも、あの人wo援護しteあげテ下saい」
 フィーアは必死に論文の紙片をかわしながら反撃を窺う上野を指差す。
 だがオスカーは躊躇ってしまう。
「私は攻撃ができません。それに紙片は広範囲に飛ばせます。私の盾ではとても防ぎきれません……」
「大丈夫です、オスカーさん! 貴方は貴方の信じる道を行くべきです」
 鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)が弱気になったオスカーの背を後押しする。
「貴方の盾に何度も助けてもらいました。それは貴方が進んで選んだ道で、それだって間違いなく彼のいう信心だと思うから」
 皆の笑顔を守りたい、という気持ちは鳳凰院も抱いている。
 どこかオスカーと自分の有り方が重なる鳳凰院。
「貴方が進んできた道は決して間違っていない! それに、人の心を利用するなんて、そんな事しちゃいけないと思う!」
「……ああ、そうだ。そうだった。弱気になってる暇なんてないな!」
 オスカーは気持ちを立て直した!
 鳳凰院はユーベルコードでライオンを召喚すると、その背に跨ってみせた。
「オスカーさん、乗って下さい! 俺が前線まで送り届けます!」
「ありがとう!」
 オスカーもライオンの背に跨った次の瞬間、黄金の獅子が天高く咆哮!
 そのまま全速力で猟書家目掛けて突進してゆく!
 あまりの勢いに、紙片が巻き上げられて一本の道が出来上がっていった。
「馬鹿め! 論文が駄目でも、神罰がある!」
 天から降り注ぐ雷が鳳凰院の頭上を狙う。
「オスカーさん! 盾を!」
「心得た!」
 無敵状態になったオスカーの盾が雷を弾き返す。
「ぐぅッ! パラディンよ、私の邪魔立てをするな!」
「貴方こそ、私の信心を踏みにじるな! もう私は立ち止まらない!」
「オスカーさんの言う通りだ! ここで決着を付ける!」
 鳳凰院は黄昏色の指輪に魔力を注ぎ込んで、弾かれた雷を吸収してみせた。
「電撃の結界だ! 近付くだけで紙片を焼き切るし、オスカーさんの盾と合わせれば避雷針にもなる!」
「助かる。実は紙片を喰らって攻撃できなくなっていたんだ」
 上野は自ら電撃に近付き、身体に張り付いた論文の頁を焼き払った。
 これで縛りは解かれた。
 と、ここで、これを見ていたフィーアが思い付く。
「論文を展開しte攻撃してkuるのなら、その論文は焼却しteしまいましょう。木馬saん。焼却誘導弾を乱れ撃ちして論文ni発射です」
 自身の相棒の木馬型戦車を音声で操るフィーア。
 すると、自律稼働する木馬が、まずはフィーアの背中に張り付いた論文をミニ火炎放射で焼き払った。
 多少の火傷なら、デッドマンの魂の衝動が弱いフィーアでも自己再生可能だ。
「私no攻撃ga禁止saれても、木馬saんの自律攻撃ha、禁止ha出来naいようでsuね」
 猟書家はフィーアの攻撃手段を見誤った。
 故に、木馬型戦車自体の攻撃を封じなかったのが痛恨のミス!
「こんなni、オスカーsaんが止めteるのに、続けruつもりなのですね。だっtaらheroとして、止meて見せmaしょう。人を豊かniする教えga、人を襲うnaど、神が望まnu事です!」
 木馬の口へ、自分の義腕に仕込んだ砲身を装着させるフィーア。
「真の教えha、紙に残さずtoも正しku伝わり続けます。soの論文は、間違った信仰を広めyoうとする貴方の謀略の証拠deす!」
 砲身から焼夷弾が立て続けに発射されると、舞い踊る論文の紙片が一瞬で灰燼に帰す。
「わ、私の論文が!?」
 慌てふためく猟書家の腹に、凄まじい衝撃が突き抜けてゆく。
「拳は手を以て放つに非ず――!」
 ユーベルコードで地面を殴った上野。
 砕かれた地面の石礫がウィルオーグの腹に激突したのだ。
「攻撃を封じられたときは、流石に苛立ちを隠すのに精一杯だった。だが、今は感謝している。この瞬間、それを全部ぶちまけられるからな」
 砂埃に紛れた上野が、猟書家の側面へ周り込んでからのアサルトペン投擲!
 ウィルオーグのこめかみに深々と突き刺さるアサルトペン!
 上野がそのまま突っ込んできた!
「オスカーさん、盾をもう一度お借りしたいんですが!」
「構わないさ! 使ってくれ!」
 上野へ盾を投げるオスカー。
 盾をキャッチした上野は、そのまま猪突猛進のシールドバッシュ!
 アサルトペンが、完全に猟書家の頭蓋骨の中へめり込んだ。
「あガ――ッ!」
 白目を剥いたまま吹っ飛ばされるウィルオーグ。
 そこへさらに、フィーアの焼夷弾が命中して全身が燃え上がる。
「まずい! 火は、火は駄目だ、論文が……燃えてしまう!」
 慌てふためくウィルオーグに、フィーアが宣告した。
「誘導弾の中ni、貴方の弱点を狙う弾を打っておきmaした。そしte、これga私のUbel Codeでsu!」
 木馬の口に嵌め込まれた砲口に、漆黒の稲光のようなエネルギーが一極集中してゆく。
「限界突破、BETは、私no魂の衝動no、最大量……リビングデッドキャノン、show downです!」
 極黒の光線が木馬の口から吐き出されると、猟書家の左半身を飲み込んでいった。
「ギャァァァアアアーッ!!」
 キレイに左半分が掻き消されたウィルオーグ。
 だが、まだ生きている!
「しぶといね! でも、これで! 終わりだー!」
 獅子の背に乗って突進してくる鳳凰院。
 その腰に差した退魔刀『迅雷』を鞘走り、結界で使用した雷の魔力を刀身に帯びさせて霹靂一閃の斬撃を放つ!
「歪んだ信仰の亡霊め、消え去れ!」
「ぐ、ぐぉぉぉオオオーっ!?」
 上下真っ二つに断ち切られたウィルオーグは、今度こそ猟兵達の前から消滅したのだった。

 かくして、猟書家は打ち倒され、鉱山の街の人々の洗脳が解けた。
「私は、この地で知識神様の正しい教えをしばらく説くつもりだ。もう二度と、邪な教えに染まらぬように尽力しよう」
 オスカーは街の住人の心のケアをするとともに、自身の教えを人々に広めると誓った。
 猟兵達はそんな彼を見届けて帰路に着く。
 どんな時も、正しき心の支えがあれば、人々は強く生きられるのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月13日


挿絵イラスト