復讐のCrimson Black
●マシンに近き復讐者
テレビウムを襲わせるのに、何を使うのが最も効率がいいのか。プレステル・ピスティはシステム・フラワーズへの侵入を目論む策略家だ。あらゆる角度から作戦の是非を考える。
テレビウムに対し、悪意ある者――そのような者がいるのだろうか、とキマイラフューチャーを探して回り、ついに見つけ出した逸材。
「あなたの『悪意』……使わせていただきましょう」
手術台に横たわるその姿――それは。
「僕をいじめた奴ら……ゆる――ゆる、ざないぃぃ!!」
アヴェンジャー、立つ。両手に握られた二本の武器は、反逆の証だった。
●キマイラフューチャー・5thラウンド
「テレビウムさんが大ピンチです!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)がグリモアベースへ駆け込んでくる。猟書家の襲来はいつも突然に。ちょっとドタバタな入り方だったが、そこは目を瞑ってもらいたい。
「テレビウムさんと言えばそう! キマイラフューチャーです! 『プレステル・ピスティ』がマシン怪人を作りだして、テレビウムさんを襲わせようとしているんです!」
システム・フラワーズの掌握。そのためにはテレビウム達の顔に浮かぶ鍵が重要だ。故にテレビウムを襲う……のだが、今回の事件はこれまたややこしく。
「で、彼女が作り出したマシン怪人というのが、実はテレビウムなんです!」
怪人化したテレビウムがマシン怪人に改造されてテレビウムを襲う。救出対象も撃破対象もテレビウムとは。
見た目が大きく異なるので間違えることはないだろうが、戦場は混沌としていそうだ。
「マシン怪人の正式名称は『赤黒のアヴェンジャー』というようです! 元は復讐心に燃える怪人で、力強い攻撃が特徴なので、テレビウムさん達に危険が及ばないよう注意して戦ってください!」
猟兵達が飛び込むのは、怪人がテレビウムを丁度攫おうかというタイミングになりそうだ。そこで颯爽と駆けつけテレビウムを救出すれば、彼らの応援を得られる可能性もある。
「怪人を撃破したらいよいよプレステル・ピスティと対決となりますね! 幹部だけあってやっぱり強いので、心してかかりましょう! 猟書家の動きについてはまた少しずつキャッチしていくことになると思いますので、宜しくお願いします!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
キマイラフューチャーの宿敵をぼちぼち作っている感じでしょうか。
今回はその第一幕になります。
●フラグメント詳細
第1章:集団戦『赤黒のアヴェンジャー』
怪電波を出してテレビウム達の顔に鍵を出して、うわぁ! ってところに猟兵の皆さんの登場です。
テレビウム達にアピールすると応援してもらえる気がします。
アヴェンジャーをかつていじめた者達がテレビウム達の中に居るかは不明ですが、マシン怪人となってしまったことで我を失っていることでしょう。
心置きなくぶっとばしてやってください。
第2章:ボス戦『プレステル・ピスティ』
行くぜ異空間! トラックに轢かれるまでもなく不思議な空間に飛ばされます。
なんだかんだで気に入っている猟書家の一人ですね。
●MSのキャパシティ
合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『赤黒のアヴェンジャー』
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POW : お前達は絶対に許さない!
【赤黒の復讐者モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 全部壊してやる!
単純で重い【バールのようなもの二刀流】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
WIZ : この痛みを思い知れ!
攻撃が命中した対象に【自身がかつて負ったものと同じ傷】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【痛みを知ったことによる自責の念】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:常盤シルベ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
叢雲・凪
SPD
「どうも… ジンライ・フォックスです」(アヴェンジャーの前で奥ゆかしいオジギ!)
「なるほど… 【似た者同士】か…」(配色・ファッション的な意味で)
「キミをいじめるつもりはない。ただ… 今の君を止める方法は【コレ】しかない!」(決断的カラテを構えつつ)
(本質的に【被害者】なオブリビオンか…。許してくれ… キミを救うのはこれしかないんだ)
(ダッシュ+残像+リミッター解除を用いた超高速の移動で一気に間合いを詰める!)
「地形破壊か! しかし!」
(ワイヤー内蔵手甲を用いて立体機動! そのまま夜天九尾を発動し連続カラテキック!)
「イヤッー‐‐‐‐!!!」
(盛大にカラテシャウト!)
●カラテキック、偉大な武技
「うわあぁっ!」
「いやー! 助けてー!」
悲鳴! それは純真無垢なテレビウムの少年少女の危機を知らせる警笛! 故に現れるのだ、ヒーローは!
「お前達、覚悟しろ……って、なんだお前は!?」
威圧的登場。その風貌は奇怪にして奇妙であり数奇な運命の下にアヴェンジャー達の前に。
「どうも……ジンライ・フォックスです」
叢雲・凪(断罪の黒き雷【ジンライ・フォックス】・f27072)が決めた奥ゆかしいオジギはまさに日の本の国の伝統的芸当。礼節とは何に於いても欠くことはできぬ。
ざわつくアヴェンジャー陣営に凪は改めて面を上げる。赤とは、黒とは、何を象徴するか――そして凪に繋がる色彩の妙。
「なるほど……似た者同士か……」
心情をぽつり。凪はおよそ上下に、対しアヴェンジャーは明確に左右。しかし凪と彼らは明快に敵同士であり、争いの種は芽吹く。
「お前も僕達をいじめに来たのか!?」
「キミ達をいじめるつもりはない。ただ……今のキミ達を止める方法は『コレ』しかない!」
構えた。決断的カラテは貫くべき義の精神を宿す。
(本質的に『被害者』オブリビオンか……許してくれ……。キミ達を救うのはこれしかないんだ)
過去は斯く在るべし。費やされた時が流れ込む世界の外側、骸の海。アヴェンジャー達に救いがあるなら、それは時なる海へ還る他無い。
凪が握る拳は重い。込められた念――それは信念であり、そこに疑念は在らず。
だがアヴェンジャー達へ向けられる物が拳しかないことが、無念。
「結局……変わらないじゃないか! やっちゃえ!!」
手にした二刀流の武器が空へ伸びる。正面衝突は避けられぬ未来。アヴェンジャー達が群がるように迫り、凪もまた俊足を飛ばす。
「うりゃあぁぁっ!!」
描かれるXが凪を貫く。が、残像。本体は動体視力と反射の限界を突破し真横に飛び退いていたが、叩きつけられた武器が地面を爆砕。破片が円になって散る。
「地形破壊か! しかし!」
手甲から走ったワイヤーがオブジェに絡みつき凪は引かれて宙を駆けた。破片を凌ぎ切ると、すかさず黒雷外装【鳴雷】を解く。出ずるは夜ならずとも夜天九尾。黒雷の尻尾を振り回してバランスを取るとワイヤーの円運動によるエネルギーを発散。
「イヤッーーーーー!!!」
悲鳴! 否、それはカラテ術を披露する前の魂、カラテシャウト! 寄って固まったアヴェンジャー達へ空中薙ぎ払い連続カラテキックを見舞う。胴部にぐしゃと打ち込まれた蹴りでアヴェンジャー達は立ち所に飛散。
「ぎゃあぁっ!?」
カラテキックが全くの死角から放り込まれたアヴェンジャー達も多く、ひっくり返る天地に奇天烈な声を上げる者もあり。
一列綺麗に撃退して凪はピタリと着地で締めた。解放されたテレビウム達も大いに沸き立つ。これぞワザマエ!
大成功
🔵🔵🔵
カツミ・イセ
僕の神様は言ったよ。『復讐は否定しない』って。
…それしかないこともあるよね。
でもね、止めるよ。だって、復讐相手が本当にここにいるかどうかわからないんだろう?
水流燕刃刀ごとコピーした【似姿】。そのうち、十はテレビウムを守るのについてもらう。
残りは僕と一緒に、アヴェンジャーへ向かおう。
無差別攻撃といえど、個別になるよね。
なら、展開した複数の水流燕刃刀を全て潰すなんて不可能だよね!
理性あったら、避けたりするんだろうけれど。ごめんね、展開した水流燕刃刀を振るうと、結構剣速が速いんだ。
うん、下手したら自分から武器につっこむね、これ。
…ごめんね。でも、改造されてしまった以上、こうしかないんだ。
●復讐でしか贖えぬか
「僕の神様は言ったよ。『復讐は否定しない』って。……それしかないこともあるよね」
例えば、愛する者の命が奪われた時。罪は法が裁くと言うが、真に等価な罰を与えんとする者も居よう。その激憤は何人とて理解すること能わず、復讐という選択を否定、非難することはできない。
「でもね――」
カツミ・イセ(神の子機たる人形・f31368)の目の前にいる者達は復讐心を利用され、今やただテレビウム達を襲い、攫うだけのマシン怪人と成り果てた。
「止めるよ。だって、復讐相手が本当にここにいるかどうかわからないんだろう?」
「うぅゎあああっ!!」
アヴェンジャー達は頭を両手で押さえながら振り乱す。復讐すべきは――誰だ?
「ぁぁあ……だ、れ……でもいいっ!! とにか、く、僕の怒りは……ああぁっ!!」
最早獣だ。理性が行動を抑えられていない。
『僕の神様から賜りし水の権能、その一つ。僕と似た者たちをここに』
止める。そのためにまずはテレビウム達の安全確保を。水で作られたカツミそっくりな球体関節人形を召喚すると、うち十体をテレビウム達への守りに使う。人形達はテレビウムを囲むように立ち並んで壁を作り、アヴェンジャー達の視線を遮った。
これで万が一にも、理性を失ったアヴェンジャー達の狙いがテレビウム達に向くことはない。カツミは残った人形達を引き連れアヴェンジャー達の群れへ飛び込んでいく。
「お前達は絶対に許さない!」
アヴェンジャー達が見ているのは幻想だ。誰でもない「お前達」。そのために理性を捨てた。はちゃめちゃに振り回される得物はカツミや人形達を狙ってくるが、清流の如き足運びで安全に避けていく。
「無差別だけど……個別攻撃なら、『これ』を全て潰すなんて不可能だよね!」
カツミが手にした水流燕刃刀は振りに合わせて蛇腹を開き、アヴェンジャーの群れを突き抜けていく。素早く動く刃に目を引かれたアヴェンジャー達は我先にと突撃していくが、カツミが刀を振る動きは遠く離れるほど大きく速く増幅され、アヴェンジャー達の間を一陣の風となり駆け抜けた。
「あぎゃああぁぁ!!」
ただ叩き潰すことしか頭になかったアヴェンジャー達は向かってくる刃に対処しきれず次々に斬られていく。自身の速度はそのまま自身を傷つける刃へと変わり、超耐久力が破られ倒れていった。
一振りが一個小隊を潰す。それを何度も何度も振って。
「……ごめんね。でも、改造されてしまった以上、こうしかないんだ」
せめて復讐心が新たなる悲劇を生まないように。カツミは刀を振り続けていた。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
何か色々と混沌の坩堝っぽいけど、とにかく敵を倒せば良いのかしら?
「今からしばらく動かないでね」
とテレビウムたちには最初にお願いしておいてから行動開始。
ユーベルコード【クォンタム・ハンド】。
量子結合の手を使って手近の物を高速で動かすわ。もちろん私自身は動かない。
敵が理性を失って速く動くものを攻撃するなら、疲れきるまで囮に付き合ってもらいましょうか。
相手の動きが鈍るか、隙が見えたところで動かしていたものを敵にたたきつける攻撃モードに変更よ。
後は手持ちの弓で攻撃。
近づいてくる敵からスナイパー+誘導弾で射貫いてあげましょう。
●テレビウム・カオス
テレビウムが暴れ、テレビウムが逃げ惑う。色彩が目まぐるしく変わり、じっと見続けていると目がチカチカしてきそうだった。
「何か色々と混沌の坩堝っぽいけど、とにかく敵を倒せば良いのかしら?」
アヴェンジャー達を叩き伏せでもしなければ場は静まらない。ヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)は他の猟兵達がアヴェンジャーを倒したことで新たに解放されたテレビウム達を導き、片隅の一団に加える。
「今からしばらく動かないでね」
「わかったー!」
テレビウム達は素直だった。怖いだろうに、ヴィオレッタの言葉に元気よく手を上げて返事する。ヴィオレッタは彼らの元気に当てられたように微笑むと、振り向きアヴェンジャー達と相対した。
「不可視にして不可触の手よ――来たれ」
見えない量子結合の手を周囲に放つ。幸い、アヴェンジャー達が地形を一部破壊したことでそこらに瓦礫が散らばっている。ヴィオレッタは動かぬまま、瓦礫を掴んだ手を高速でアヴェンジャーの群れの中へ飛ばした。
アヴェンジャー達には瓦礫のみが高速で飛んで来たように見えただろう。理性を失った彼らには敵味方の区別がつかず、とにかく速く動く物であれば何にでも攻撃を仕掛けていく。
アヴェンジャー達はヴィオレッタが操る瓦礫を追いかけた。得物が届く距離に入れば迷わず振り回したが、巧みに操られた手がひゅるひゅると攻撃を避けていく。
アヴェンジャー達にその原理は理解できない。列を成して追いかけ回すアヴェンジャー達の足元ではスニーカーの紐が解れ、底が煙を上げてすり減っていた。
そうして追いかけっこが続く中、先に尽きたのはアヴェンジャー達の体力だった。得物を振るう腕に力が無くなり、足元が覚束なくなってくる。
「そろそろ頃合いね」
指揮者のような格好で手を操作し続けていたヴィオレッタがここぞとばかりに反撃に出た。瓦礫を凶器に思い切り振り上げると、ぶんと黒い左頬を殴りつけた。
「ぐんみゅっ!?」
歪んだ顔のアヴェンジャーが吹き飛ばされ、周りのアヴェンジャー達を巻き込んで建物の壁に激突する。それから瓦礫は往復ビンタの要領で赤、黒、赤、黒と列になったアヴェンジャー達をごりごり殴り倒していく。その攻撃動作すら素早く動く敵と認識しアヴェンジャー達が向かっていくため、ヴィオレッタは安全圏から悠々と弓矢を構えることができた。
巻き込まれただけのアヴェンジャーにはまだ息がある。意識を取り戻せば向かってくるかもしれない彼らを、ヴィオレッタは狙い撃つ。
ひゅっ、と放たれた矢は量子結合の手の後方を抜けて、アヴェンジャーの顔の傷にすこん、と突き立てられた。吊り上がった目はぐるぐるの渦巻きに変わり、ぐでっと頭を傾けて動かなくなる。
矢は速い。が、アヴェンジャー達が目で追った頃には瓦礫の殴打が飛んできて薙ぎ倒されていく。直線の狙いがつけにくい相手にも、矢を誘導すれば何てことなく撃ち抜ける。
気付けば倒されたアヴェンジャー達が山のように。彼らの性質をよく理解し、利用したヴィオレッタの戦いぶりは実に鮮やかだった。
大成功
🔵🔵🔵
白匣・覚醒(サポート)
怪奇人間の猟奇探偵×四天王、31歳の男です。
普段の口調は「シロベヤ(私、君、呼び捨て、言い捨て)」、演技時は「KP(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。
存在が密室です。白い部屋です。
KP時の口調でお願い致します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●白黒赤は混ざらない
「その半身は私と相反する狂気――許さじ、大いに結構です。あなた方がまだ知らぬ密室の狂気、見せてあげましょう」
暴れ回るアヴェンジャー達を前にした白匣・覚醒(密室探偵・f22856)は眼鏡のつるに触れて視界を正す。レンズを通した空間は淀んだ狂気に満ちていた。
理性を失うなど美しくない。獰猛な本能は真白にあるべき。彼らは未だ夢の中――目覚めなければ。
『君達は目覚めた。ここは真っ白な部屋だろう』
こことは何処か。部屋は覚醒の中にありて、また覚醒を構築する存在。腕か? 足か? どちらでもいいし、どれでもいい。四肢を自在に変えた覚醒は目覚めを促すべく猛獣を殴りつけた。蹴り上げた。
白は心地よく赤と黒を弾き飛ばした。逆に殴りつけてこようとするなら、蔓延るユウデヱシイが喰らいつく。そして離さない。黒は白に負けた。オセロだ。
「うあああぁぁぁ!!」
腕をぐるぐる回して、ああ滑稽だ。隙間は疾うに消えていた。あともう数体。仲良くないのが残念だ。角張った箱の角が鋭利にずむっと彼の体へと突き刺さった。腕はぴたりと固まって得物を取り落とす。
付着した色は地面でぞりと拭い落として、また来る一体を袈裟に薙ぎ払う。白い突風が首を折った。テレビは砂嵐になることもなく、ただ赤い画面を映す。
「もうこれが最後、ですか」
名残があるなら、また今度。きっと骸の海は今日もせっせとテレビを作っているに違いない。
次の発送は何時ですか? と頭で投げかけながら、覚醒は跳んで最後の彼を白く踏んだ。頭が凹んで、やっぱり画面は赤かった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『プレステル・ピスティ』
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POW : 強制忠義ビーム
【キング・ブレインへの忠誠心】を籠めた【パペットからのビーム】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【敵対心】のみを攻撃する。
SPD : パペットビーム乱射
自身の【左胸のキング・ブレイン・バッジ】が輝く間、【パペットからのビーム】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 「キングの覇道を阻む奴ぶっ殺す!!」
【パペット】を向けた対象に、【破壊光線もしくは罵詈雑言】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:過酸化マンボウ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠テュティエティス・イルニスティア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●待ち構えしプレステル
マシン怪人にも出来、不出来というものがある。
此度のものは……失敗した以上は落第なので点数に意味はない。
「猟兵は……やはり私が倒さねばならぬようですね」
世界は異空の彼方へ飛んだ。宇宙のような、星空のような。闇深くはない混沌だ。
鞭がしなる。血塗れの骨に彼の者はワンと吠えたか。
兎も角も、プレステル・ピスティの異空活劇、はじまり、はじまり。
カツミ・イセ
あなたが猟書家、プレステルさんだね。
…僕、キング・ブレインさんのこと知らないんだよね。彼のいいところってどこだろう?
引き続き、水流燕刃刀ごと【似姿】使用して。
さあ、僕たち。倒すべきは彼女だ。いこう!
…ビームくらっても、無駄なんだよね。似姿たちは僕の命令に従ってるだけだし、僕は僕で、『僕の神様からの加護』で洗脳されないし。
そう、僕のメインフレーム。神様からの言葉。神託。『世界を脅かすものを倒しなさい。ただし、自分の意志でね』。
キング・ブレインへの忠義が強制で『自分の意志』じゃない以上、無効化されるよ。
てことで、水流燕刃刀展開。あなたを切り裂くよ…!
●神を超えんとする愚者
「あなたが猟書家、プレステルさんだね」
「えぇ、そうですが、それが何か?」
「……僕、キング・ブレインさんのこと知らないんだよね。彼のいいところってどこだろう?」
カツミの問いかけに、プレステル・ピスティは怪訝に思うでもなく、表情を変えずに答える。
「彼は聡明であり、また義に厚い男……私はそう感じます」
「ふぅん、そうなんだ……ちょっと会ってみたくなったよ。でも、今の僕にはやることがあるから」
眼前へ真っ直ぐ立てた水流燕刃刀の刃面からぽこっと生まれた水球は、左右へ広がって新たなカツミとなる。さらにそのカツミが持つ水流燕刃刀がさらにカツミを生んで――勢揃いしたカツミと人形達は一様にプレステル・ピスティを見つめる。
「さあ、僕たち。倒すべきは彼女だ。いこう!」
カツミの号令で人形達は各々体を沈み込ませて溜めを作り、一斉に飛び出した。正面と左右から包み込むように迫っていく。
「物量で仕掛けてこようと無駄ですよ。あなた達も……キング・ブレインへ忠誠を誓いなさい!」
プレステル・ピスティの右手のパペットが白く淡い輝きを帯び始めた。注がれているのはキング・ブレインへの忠誠心。それを限界まで高めたプレステル・ピスティはビームを放ち、右から左へと一気に薙ぎ払った。
そのビームは体ではなく心――敵対心のみを焼き切って対象を脱力させる。一払いでカツミと全ての人形の胴体をビームは貫いていたが、足を止める者は一人もいない。
「敵対心が……ない!?」
「無駄なんだよね、それ。似姿たちは僕の命令に従ってるだけ。自分達が『なんであなたを狙っているか』なんてこれっぽっちも考えずに動いてるんだから。そして、僕は僕で神様からの言葉――神託があるから」
追い詰められるプレステル・ピスティは再度左右を見渡した。どこかに人形達の「解れ」があれば飛び込むことも考えたが、残念ながら統率が取れた人形達は脱出を許してくれない。
後方へ逃れるか、と考えた時には跳んでいた。そうするより他は無かったが、人形達は当然ながら追ってくる。後方とて無限の長さを持つわけではなく、左右どちらかへ展開すれば人形達は待ってましたと言わんばかりに刀を振るってくるのだろう。
「神託というのはこうさ。『世界を脅かすものを倒しなさい。ただし、自分の意志でね』。キング・ブレインへの忠義が強制なら当然神託と衝突するけど……あなたは、僕の神様を超えられるの?」
「超えて……みせましょう!」
神という者がどういう存在なのか、プレステル・ピスティにはわからない。だがそんな曖昧なものよりもずっと信を置けるキング・ブレインの為なら、己の身を擦り減らすことすら厭わない、と。
胸に当てたパペットが光り輝く。その力、忠誠心を思い切り正面のカツミにぶつけにいった。
パペットよりも一回り、いや二回り大きい特大のビームがカツミの体に直撃した。そのまま体が消し飛んでもおかしくない程の光量だが、カツミは顔色一つ変えずに刀を振り上げる。
「残念、超えられなかったね。てことで、あなたを切り裂くよ……!」
振りで生じた遠心力により刀の蛇腹が本性を現した。カツミと同じ動きで人形達も蛇腹を展開し、蜘蛛の巣状の水刃の檻が嬲るようにプレステル・ピスティを切り裂いていく。
「あっ……ぐぅっ、あぁっ!」
左右に揺さぶられながら刃を受けた。それほど強固な軍服ではない。一つ裂かれる度に布地が散って薄い色の肌が露になる。
「神に、忠誠心が負ける……なんて……」
悔しさを滲ませるプレステル・ピスティだったが、台詞の愚かさに気付いていないのは言った本人だけだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
「9発のビームがくるみたいね。なら」
ユーベルコード【ダミードール】で私の偽物の彫像を私の前に配置。
1体1m×1m×2mで2立方メートルとしても合計92立方メートル上限なら46体は立つわね。
9本のビームぐらいなら防げそう。
そして[目立たない][迷彩]でダミーの群れに混じったり、ビームを防ぐ盾にしたりしながら隙を見て弓矢で攻撃。
[スナイパー]+[誘導弾]で弾道を曲げた矢で敵を撃ちぬいてあげるわ。
●おいでよヴィオレッタの森
猟兵一人倒せぬとは――キング・ブレインに会わせる顔が無い。忠義の印にと身に付けている左胸のバッジもくすんでしまっているではないか。
バッジは戒めの意味もある。行動は常にキング・ブレインに見られているぞ、と。キング・ブレインの顔に泥を塗るような戦いは避けねばならなかった。
プレステル・ピスティはパペットの肉球でバッジを擦る。そうして確かめるのだ、自身の決意を。
「次はこうはいきません……肉体そのものを、撃ち抜きます!」
パペットに集中するエネルギーは黄金色だ。敵対心など生温い。肉を焦がし、精神まで焼き尽くしてしまえ、と憎悪を膨らませていくと、呼応するかのようにバッジが輝きを放ち始めた。
「あれがビームを増幅させるバッジね……なら、これでどう?」
ヴィオレッタが右手を足元にかざすと、藍色のネオンのような光が現れた。はじめ正方形を象った光は四つの頂点から垂直に光が伸び、高さのある直方体へと成長した。そしてパッと光が散ると、現れたのは本物そっくりに作られたヴィオレッタの彫像だ。
ヴィオレッタは定めた座標に次々と彫像を作り出す。木を隠すなら森の中であり、ヴィオレッタを隠すならヴィオレッタの中。飽きの来ないポージングの数々を見せつけて限界まで彫像を作り、プレステル・ピスティの目を惑わせる。
「……!? く……本物はっ……!」
どれもが今にも動き出しそうな程に精巧に作られており、その中で彫像の振りでもして混ざられていれば見分けがつかない。途中まではヴィオレッタの姿を目で追っていたが、ある時ふっと、出現する彫像に一瞬気を取られた隙に見失っていた。
戦場は写真撮影会のような異様な雰囲気の空間に変質してしまった。彫像を全て撃ち抜いていくのは、いくらバッジが輝こうと一筋縄ではいかない。
それでもプレステル・ピスティは撃つしかなかった。パペットから放たれた細長いビームは拡散して端から順にヴィオレッタの胸元を貫いていくが。
はずれ、はずれ、はずれ、はずれ――。開いた空洞の向こう側には星瞬く混沌が見えるだけで、心臓など在りはしない。
そうしてプレステル・ピスティが時間を浪費している間に、迷彩を纏ったヴィオレッタは気配を悟られぬよう彫像の間を抜け、矢を引いた。矢尻は明後日の方向に向いているが、矢は道がどれほど曲がりくねっていようと誘導されて向かっていく。
だから今はただ、敵の気配を感じていればよい。
「一発、必中……撃ち抜いてあげるわ!」
矢筈を掴んだ指がびんと弾け、矢が解き放たれた。蛇行を重ねてヴィオレッタの森を抜けた矢は最後の直線を猛然と駆け抜ける。
プレステル・ピスティは星とは異なる――矢の煌めきを横目に見たが、反応が追いつかない。
「ぐふっ! あ、ぐぅ……ごふっ」
腹に斜めから侵入してきた矢が腰の裏を抜けていた。貫通した矢羽が内臓を引き裂いて、プレステル・ピスティは喉奥から込み上げた血塊をぶちまける。
「そ、こ……」
パペットを矢の現れた場所へ向けるが、そこにいたヴィオレッタの彫像はにんまりと。まるでこの結末を予測して、嘲笑しているようだった。
大成功
🔵🔵🔵
アルタ・ユーザック(サポート)
ダンピールの16歳女性です。
ユーベルコードを使える場面では、指定したユーベルコードを使用し、直接攻撃系か精神攻撃系で敵を攻撃します。
一人称は「わたし」(ひらがな)です。口調は「~だわ」や「~だな」の様なものではなく、「○○…。」の様に…で終わり語尾に何もつけない口数少な目のクールタイプの話し方です。
服装・体型・容姿・持ち物などは、ステータスシートの参照お願いします。
上記内容以外は全てNGなど無しでアドリブ・連携などもOKです。
よろしくお願いします。
●未来の確定事象
鉄臭い嫌な味だった。喉元で暴れる吐き気を強引に飲み下したが、腹の前後にも穴が開いている。血の流出は止められない。
少し血を失い過ぎたか、脱力感が襲ってくる。プレステル・ピスティはふらつきながらも、鉛のように重い右腕を持ち上げる。
まだキング・ブレイン・バッジの輝きは失われていない。バッジが輝く限り、自分は戦える――プレステル・ピスティはそう信じていた。
「しぶとい……」
厄介な生命力に苛立つこともなく、アルタ・ユーザック(クール系隠密魔刀士・f26092)は淡々と状況を表現していた。プレステル・ピスティのダメージは火を見るよりも明らか。倒れたとておかしくはなさそうだったが、何が彼女を突き動かすのか。
キング・ブレインへの忠誠心か、猟兵への反抗心か、はたまた別の何かか――。そのどれでもありそうだったが、アルタにとってはどれでもよかった。
今ある事象。プレステル・ピスティが立っているという一事象にのみ目を向けて、氷桜丸を抜き、駆ける。
プレステル・ピスティはまた拡散する連続ビームを放つつもりだ――と、アルタの目にはパペットが輝く前に見えていた。
未来視。それはグリモア猟兵の予知に通じるものがあるが、この場においてはもっと限定的なもの。アルタは視認する範囲において、微小時間の先を視る。
輝線が宙を走っていた。それはまさに今、放たれようとしているパペットからのビームに他ならない。身を屈めれば頭上をビームが突き抜けて、跳べば足下にビームが着弾した。
「当た、ら、ない……なん、で……」
「見えているのなら、どんな攻撃だって避けられるから……」
未来に従い行動すれば、万に一つだって当たることはない。アルタがプレステル・ピスティに肉薄し、一刀、袈裟に斬り捨てる。それもまた、定まった未来。
血溜まりを凍てつかせ、至近のビームも当たり前のように避けたアルタがプレステル・ピスティの眼前に躍り出る。パペットから体を逸らして、肩章目掛けて薙いでいた。
体を捩ったところで逃れられない。刃がプレステル・ピスティの左肩にめり込むと、骨も肉も鮮やかに切り裂き、傷口を凍らせていく。
「はっ……かはっ……」
体内に染み込んでくる冷気が肺を縮こまらせて、呼吸がままならない。痛みは突き抜けてしまったか、それとも感覚が麻痺してしまったか。
今にも傷口からぼきりと体が折れてしまいそうで、前に屈もうとすると体の中でパリパリと氷が砕けて破片が刺さる。
いっそ眠ってしまったほうが楽だったろうが――斬られた拍子に固まった血の池の上へと転がったバッジを見つけてしまい、プレステル・ピスティは奥歯が折れそうな程に歯を食いしばるしかなかった。
成功
🔵🔵🔴
叢雲・凪
SPD
「どうも はじめまして。プレステル・ピスティ=サン ジンライ・フォックスです」(礼儀作法を用いた奥ゆかしいアイサツ!)
「先ほどの彼ら(アヴェンジャー)を作り出したのはお前か?」
「そうか… 【ならここで死ね】」(言うと同時にダッシュ+残像+リミッター解除を用いた超高速の踏み込み!憎しみに燃える目つきで仮面の眼部が発光!)
(光線攻撃か… 久々にカラテ以外のワザを使うか…)
「奥義:雷音!」
(雷音を発動 無数の電撃を帯びた桜の花弁を舞わせプレステルを攪乱!属性攻撃+マヒ攻撃を用いた妨害攻撃!)
「ボクはここだ!」
(そして背後から決断的奇襲! 延髄に向けて横薙ぎの断頭カラテキック!)
●黒雷桜花御照覧あれ
其れは如何な場所――異空に於いても重んじられるべき所作であり、故に相手が血反吐を撒いて震えていようと、礼節は欠かないのが凪の信条であった。
「どうも、はじめまして。プレステル・ピスティ=サン。ジンライ・フォックスです」
「ぐ……ふぅっ……」
だが相手はやはり礼節とは別次元で戦っている模様。息も絶え絶えに睨みを利かせてくる。
「先ほどの彼らを作り出したのはお前か?」
凪は重ねて尋ねた。確かな答えが返ってくるまで、しばし待つ。
「……そ、う……です、よ……」
返答の一つもせねば癪だと感じたか、プレステル・ピスティは短く文字を繋ぎながら答えた。凪はそれを聞くと俯き気味に顔を落として、
「そうか……ならここで死ね」
俊足をかっ飛ばしての強烈な踏み込み。残像の中に浮かぶ眼光は憎しみに燃え滾り、混沌の中に存在感を見せつける。
敵が向かってくるのだ。案山子ではいられない。プレステル・ピスティは左手でパペットを下から支えながら、その口を凪に向けた。
「キン、グの、覇道、を……阻む奴……っ!」
ぶっ殺す――その意志は瞳に込める。青白い光がパペットの口元へと集まっていた。
プレステル・ピスティが光線使いであることは他の猟兵達の戦いを見て知っている。故に対抗手段として、凪は久方振りにカラテ以外の技の封を解く。
「奥義、雷音……インドラヤ・ソワカ!」
凪を中心に黒雷を帯びた桜の花弁が舞った。移ろいゆく残像が花弁の中に溶け込んで、凪という存在を希薄にする。
数は撃てない。一発で仕留めなければ――焦燥は手元を狂わせる。霞む視界の中、プレステル・ピスティはパペットの口を避けそうな程に開き、破壊光線を発射した。
混沌を青き霹靂が切り裂いた。花弁の中を突き破っていくが、その陰にいた凪は花弁がぼろりと崩れていくと同時に消えてしまう。
本物の凪を探そうとするプレステル・ピスティへ、破壊光線のエネルギーに当てられて弾けた黒雷が花弁を渡って突き刺さった。びくんと跳ねる体。筋肉は硬直し、脳の命令を一切聞かなくなってしまった。
「ボクはここだ!」
プレステル・ピスティは耳を劈く声を聞く。後方、手を伸ばせば届くほどの至近に凪は居た。跳び上がった体を捻りながら、長い髪の流れる後頭部へ横薙ぎのカラテキックを見舞う。
カラテパフォーマンスは時にバットを折る。同じく、凪のカラテキックは黒雷で麻痺したプレステル・ピスティをバットに見立て、根元をゴリンと折っていった。
反動でプレステル・ピスティの顔が真上を向いて、口から血の噴水を吐き出した。硬直した姿勢のまま、折れたプレステル・ピスティは突っ伏して動かなくなる。
凪の着地と同時に景色はキマイラフューチャーの街に戻る。プレステル・ピスティは異空に取り残されたかのように消滅してしまっていた。
大成功
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