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血縁根絶~Blood genocide

#スペースシップワールド #猟書家の侵攻 #猟書家 #トゥーモル・ハンブラ #サイキッカー

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#スペースシップワールド
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#サイキッカー


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●超感覚者
 広い宇宙世界には人々が住む宇宙船がいくつも存在する。その中から脈絡なく選び出されるということは、例えば宝くじに当たるようなものであり、それは天文学的数字なのかもしれない。
 宇宙船ワンス・モア。スペースノイドもウォーマシンも、ブラックタールだって住んでいる種の坩堝。至って平和だった宇宙船に、不意に眠りの時が訪れた。船員は皆、意識がぷつっと途切れたように眠りこけ、バタバタとその場に倒れてしまう。
「この船には……いるのでしょうか」
 床に突っ伏した人々の間を歩く一人の女。彼女はこの宇宙船の船員ではない。外からの侵略者、トゥーモル・ハンブラ。
 何かを探すように部屋を一つ一つ見て回っていくと――いた。
 一人のクリスタリアンの少年が、突然倒れた友人達の傍らにしゃがみ込んでいる。
「……! お前が……やったのか?」
 立ち上がり、トゥーモル・ハンブラを見つめる視線は只ならぬ怒気を放っている。
「そうですよ。わたしの遠い遠い子孫……超感覚者(ブラッド・センサー)」

●スペースシップワールド・3rdラウンド
「サイキッカーさんを助けにいきましょう!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はグリモアベースの片隅に陣取り、集まる数少ない猟兵達に向けて支援を募る。
 彼の世界の戦いは終盤も終盤。故にその邪魔はせぬように、と小さなグリモア猟兵は小さく小さく呼び掛ける。
「宇宙船ワンス・モア号が『トゥーモル・ハンブラ』という猟書家の襲撃を受けました! それは精神侵略……簡単に言ってしまうと催眠術で眠らせるとか、そういう感じだと思います!」
 細かいメカニズムを語ると語弊が生じるかもしれないが、つまり船員はトゥーモル・ハンブラの力でほぼ全て眠ってしまっている、ということだ。
「しかし、トゥーモル・ハンブラの血を引く子孫にはその力が通じないので、トゥーモル・ハンブラは力の通じない子孫を皆殺しにすることで、その力を確実なものにしようとしているようです! そして、ワンス・モアには運良く、と言うか運悪く、と言うか、とにかく彼女の子孫である一人のクリスタリアンの少年がいることがわかりました!」
 少年の名はアルバ。友人知人の中では頭脳明晰で知られ、普段は遠巻きに仲間達を見守りながらも、問題が発生すれば率先して解決に走り回る、という頼れる存在らしい。
 その性格から、今回の異変においても彼は行動する。超感覚を頼りに船内を巡り、トゥーモル・ハンブラと鉢合わせ――殺される。
「ですから皆さんには宇宙船に行ってもらって、アルバさんを助けてあげてほしいんです! トゥーモル・ハンブラの精神侵略の力も、アルバさんの近くに居れば効かないようですので彼と一緒にトゥーモル・ハンブラを追い詰めて、撃破してください!」
 眠った人々はトゥーモル・ハンブラを倒せば何事もなかったかのように目を覚ますので、猟兵達はトゥーモル・ハンブラの討伐にだけ集中すればいい。
「こちらの事件もちょっぴり大変ではありますので、ほどほどに頑張りましょー、おー」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 戦争で頑張り切れなかった分は猟書家で頑張る……!

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『艦内追跡戦』
 トゥーモル・ハンブラを追いかけます。彼女はサイキッカーであるアルバ少年さえ殺せればいいので、猟兵達との無益な交戦は避けようとします。
 船内には彼女の力が充満していますが、アルバ少年から離れることさえなければ自由に動くことが可能です。また、トゥーモル・ハンブラの位置はアルバ少年が何となく察知できるので、結局のところ行動は共にするのが吉ですね。

 トゥーモル・ハンブラは逃げる際、防火シャッターみたいなものをガンガン作動させていくと思います。また隙あらば回転リングでアルバ少年を攻撃してくるかもしれませんので、守ることも大事かもしれません。

『クリスタリアンの少年・アルバ(13)』
 口調:僕、お前、だ、だな、だろう、なのか?
 身長は150cmちょいくらい。それなりに鍛えた成人男性なら軽く担げるくらいの体重です。

 第2章:ボス戦『トゥーモル・ハンブラ』
 どこか適当な広めの部屋に追い詰めたらさすがのトゥーモル・ハンブラも戦うしかなくなるようです。倒しましょう。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『艦内追跡戦』

POW   :    子孫サイキッカーを身を挺して守る

SPD   :    乗物なども利用し、子孫サイキッカーと共に素早く幹部を追う

WIZ   :    警備機能などにアクセスし、幹部の逃げ道を塞ぐ

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

黒木・摩那
間に合いましたね。猟兵です。
アルバくんにはこの船を猟書家から解放するためにも手伝ってほしいです。

ハンブラ相手に電子戦や超能力で対抗するには少々面倒そうなので、
ここは魔法で対抗しましょう。

近くにある色々な物々をUC【虎蜂旋風】で変換して、スズメバチにします。
このスズメバチで猟書家を追い立てて、アルバくんから引き離します。
多少やられても、数ならば圧倒的ですから。

ハンブラからの攻撃は魔法剣『緋月燭欄』で【受け流し】て、防御します。


サオササ・テセル
意識が芽生えた日が生年月日なら向こうが年上だけど私の立場は猟兵
幹部の注意を引き付けるように追い詰め身長がほんの少し低いお兄さんの支援が役目かな

メセボ:猟兵です、猟書家を駆逐しに来ました」
スキルはPOWだけどSPDで幹部を追う
アルバさんには【念動力】で浮遊するビットを護衛随伴させ
【学習力】【世界知識】【地形の利用】【情報収集】【足場習熟】【空中浮遊】【ロープワーク】で
猟書家の力に抗する力が及ぶ最遠の範囲で地形や状況の詳細を調べる

彼から離れられないなら【偵察】能力のある念動力子機を哨戒に回しアルバさんの護衛に加わりつつ他周囲の利用可能な地形や要素の情報収集
最悪彼を背中の武装搭載中心兵装に乗せて飛ぶ


アラギ・アンドレウ
自分の子孫殺すとか悪趣味だな……
しかし、うむ!
殺されそうな者を救えるのならば行くしかないな!
アルバよ、オレ達に任せておけ!
お前自身もお前の友人も必ず救うと約束しよう!

基本的にはアルバと行動
『地を観る鎖』でダウンジングのようにこの地の魔力の流れ……というかこの船の流れを見てみよう
この船はアルバ達にとって家のようなものだろう?
それなら風水のようなものだってあるんじゃないだろうか
そして電力だったり音や気配だったり
そういうものを掴んで敵の気配を探ってみるぞ
危険を感じたらすぐにアルバを庇おう

道を塞ぐものがあればUCで祈りを捧げ、白き闇の翼で破壊してやる!
怪我人がいる場合は黒き光の翼による治療も行うぞ



●宇宙船ワンス・モア
 少年、アルバはせわしなく部屋へと駆け込んでくる足音に目を向けた。
「間に合いましたね……」
 黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)は部屋に入るなりトゥーモル・ハンブラを探したが、ここにその姿はない。
 摩那の言葉の通り、猟兵達は間に合った。
 椅子とテーブルが均等な距離を置いて並ぶ部屋は、例えれば食堂車のような場所で、おそらくそれは正しいのだろう。椅子から転げ落ちたらしい人々が床で眠りについている。
「お前……達は」
『猟兵です、猟書家を駆逐しに来ました』
 アルバの問いに、サオササ・テセル(虚欠片の機精・f15384)が予め書き込んでいたメッセージボードを掲げて見せた。
「はい、そういうわけで、猟兵です。今、この船には『トゥーモル・ハンブラ』という猟書家――敵がいるの」
「そして、トゥーモル・ハンブラが狙っているのが、アルバよ、お前と言うわけだ。話せば長く……はならんか。お前はトゥーモル・ハンブラの遠い子孫。確かな情報筋の話であり、今この船でお前だけが眠りにつかずにいるのがその証だ」
 摩那に続き、アラギ・アンドレウ(星を見上げる者・f32285)が状況を簡潔に説明する。それでもやや突拍子な部分はあるが、事実なので受け入れてもらうしかない。
 だがアルバは事態を素直に飲み込んで、
「猟兵……味方、ってことでいいんだよな? 僕は何をすればいいんだ?」
 自ら猟兵達に助力を申し出ていた。
「アルバくんにはこの船を猟書家から解放するためにも……ハンブラの位置を感じ取り、私達に教えてほしいの」
「狙われていることについては心配無用である。アルバよ、オレ達に任せておけ! お前自身もお前の友人も必ず救うと約束しよう!」
『いざとなったら私が背負う』
 アラギの横でサオササがささっとメッセージボードを書き換え、アルバの力になると約束する。
 三人の言葉を聞き、アルバは小さく頷いた。


 トゥーモル・ハンブラとの第一の接触はそう時を置かず実現した。
「いました――猟兵!?」
「アルバくんには近づかせませんよ!」
 子孫の存在を探し回っていたトゥーモル・ハンブラが部屋へ悠々と入り込んできたが、三人の姿を認めると表情を強張らせて身構えた。
『天に集いし精霊よ。物に宿りて我に従え。姿さずけよ』
 摩那は即座に反応して周囲に合った椅子やテーブルをスズメバチの群れに変換し、トゥーモル・ハンブラへと差し向けた。鋭い毒針がキラと星のように光る。
「――っ! この場は……」
 トゥーモル・ハンブラはスズメバチから逃れるように通路へ引き返し、三人の前から姿を消した。
「……とりあえず、ハンブラをアルバくんから引き離すことはできたけど」
『追いましょう』
「オレ達の目的はあの者を倒すことであるからな!」
 三人はアルバの前に出て、トゥーモル・ハンブラが逃げた通路に入っていく。今はその姿無く――入り組んだ船の中を逃げ回っているのだろう。
 サオササは偵察能力を持った念動力子機を哨戒に送り出しつつアルバの護衛に回る。猟兵と言えどトゥーモル・ハンブラの力から逃れる術は、アルバと行動を共にする他はない。
 曲がり角や分かれ道など、前方が確認できない場所ではサオササに入ってくる偵察情報を頼りに安全を確認しながらトゥーモル・ハンブラを追い続ける。
「して、アルバよ。風水的な要素を齎す物はあるか?」
「風水?」
「うむ、東西南北と色や物の配置により万物の吉凶を占う術である。船全体に何かの『流れ』があれば、それが可能になると思うのだが」
「……ああ、あの迷信を『風水』って呼ぶんだ。この船は発電機から供給されている電力を一方向に揃えて全体へ流すことで磁界を作り、それを元に方位を定めている。僕達が今進んでいるのは『西天』」
「西天? なんだそれは」
「方位さ。かつて――人々が惑星に住んでいた時は地磁気によって方位が定められていた。そこでは地上に対して水平方向に東西南北を定めていたけど、この船では東西南北は居住空間に対し垂直方向の平面にある。だから水平方向にもう二つ、方位を名付ける必要があった。それが『天』と『地』――昔の書物を読んでいると違和感があったけど、もう慣れた」
「つまり、私達が普段『上』と『下』と呼んでいる方向を、この船では『北』と『南』と呼ぶわけね。ふむふむ、興味深いお話」
『逆に、上や下という概念が無い、ということ?』
「いや、『上』や『下』も表現として存在する……あとは文脈次第」
「なるほどな……ま、流れが存在するなら、オレの観測も利きそうだ。地を観る鎖よ――」
 アラギは魔術装備たる鎖をじゃらっと手の内より垂らし、船を支配する流れを読んでいく。辿り、清流の中の淀み――トゥーモル・ハンブラを探り出す。
「……上に逃げたか」
「うん、僕も……北西に、何かを感じる」
「なら上に行かないと……っわっとっとぅ」
 先頭にいた摩那が分かれ道を右に曲がったところで急ブレーキ。前方がシャッターで塞がれ、それ以上先に進めない。
『トゥーモルの仕業ですね』
「ならば、オレが破壊する。二人はアルバに怪我がないよう、離れて守っていてくれ」
 アラギは摩那とサオササに指示した後、一人シャッターの前に立つ。そして目を閉じ、じっと祈りを捧げ始めた。
 すると背中に現れるのは白き片翼。万物を真白に染め上げる白き闇の翼は闇の権能で前方のシャッターをギチギチと歪め、捩じり、千切って丸い穴を開けた。
 祈りが終わると共に、片翼はアラギと同化するように消えていく。
「先を急ぐぞ」
 四人は破壊されてできたシャッターの穴を抜けてさらに進んでいく。トゥーモル・ハンブラとは依然距離があるようだったが、徐々に近づいている。三人には船の構造に明るいアルバがいるのだから、当然と言えば当然だった。
 やがて、上層へと上るための梯子が見えてきた。サオササは念動力子機を階上へと飛ばして安全を確認すると、自らも梯子を数段飛ばしで駆け上がり、後を上ってくるアルバに手を差し伸べた。
「……ありがとう」
 梯子から伸ばされたアルバの手を取り、引き上げる。摩那とアラギも上りきったところで、またもやひょっこりとトゥーモル・ハンブラが通路の先に顔を出した。
「いたよ!」
「くっ……仕方ありません!」
 まだ少し陣形が乱れていると見たトゥーモル・ハンブラは背中の回転リングを投擲してきた。回転しながら水平に飛んできたリングは一直線にアルバを目指すが、摩那が咄嗟に飛び出て魔法剣、緋月燭欄で受け止めた。ガリガリと刃面でスピンするリングを真横に受け流すと、リングは壁に半分突き刺さりながら船を破壊し戻っていった。
 奇襲も効かないとなれば、トゥーモル・ハンブラの選択は逃げの一手。猟兵達はそれを追わねばならない。
『一気に追い込みます。背中へ』
「わかった」
 サオササはアルバを背中の兵装へと乗せる。この状態ならば猟兵としてのトップスピードが出せる。
 サオササは低空飛行し、摩那とアラギの二人は全速力で駆けた。トゥーモル・ハンブラが逃げた通路へ飛び込むと、今度はリングを背負ったトゥーモル・ハンブラの姿が見える。
「観念するのである!」
「ちっ……」
 トゥーモル・ハンブラはまた角を曲がっていく。そこへ四人が追いつくと、遥か先にまたも下ろされたシャッターが見えた。
「また破壊するか――」
「いや、その必要はない! あの部屋だ!」
 サオササの背にいるアルバが叫んでいた。目の前のシャッターはトゥーモル・ハンブラが先に下ろしていたもの。今は逆走したことにより彼女自身も阻まれ、近くの部屋に逃げ込んでいた。
「ようやく追い詰めたか……乗り込むぞ!」
 扉が開くのを律儀に待ってなどいられない。アラギは駆けながら祈り、翼の力で扉を蹴破るように破壊する。
「見つかりましたか……こうなれば……!」
 猟兵も、そしてトゥーモル・ハンブラも。覚悟を決め刃を交える時が来た。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『トゥーモル・ハンブラ』

POW   :    フュージョン・メンタリズム
【敵の顔に触れてエネルギーを流しこむこと 】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【精神と自らの精神を融合させて精神的弱点】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
SPD   :    ロジカライズド・リング
【敵を自動追尾する背中の回転リング 】が命中した対象を切断する。
WIZ   :    アブストラクト・ネックピンチ
【敵の首の付根を掴んで 】から【強力な握力による圧迫攻撃】を放ち、【敵の中枢神経に強い衝撃を与えること】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:星野はるく

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はピオネルスカヤ・リャザノフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●運命はやがて収束する
 できれば事を荒らげず、必要な者のみ手に掛けてこの船を去りたかった。無用の者を殺して回るほどトゥーモル・ハンブラも暇ではない。
 だがこの船には猟兵も乗り込み、しかもあろうことか子孫たる少年と先に接触しているではないか。
 隙を見て少年だけ殺すことも考えたが、猟兵達の守りは固く、崩せなかった。
 そして猟兵達から逃れるために自らが下ろしたシャッターに追い詰められるという始末。
 運がない。悪い星の巡り合わせだが、嘆いてばかりでもいられない。
 戦うしかない。覚悟し、トゥーモル・ハンブラは猟兵達と対峙する。
パウル・ブラフマン
どもー!エイリアンツアーズでっす☆
愛機Glanzを唸らせ
派手に【騎乗突撃】をカマしちゃうぞ!

基本は展開したKrakeで
アタッカーさん達の【援護射撃】を。
機動力マシマシご希望の方は後部座席へどうぞ!

なにあのリング、面白~い☆
行くよ、Glanz―UC発動!

【地形利用】を念頭に
【ジャンプ】や壁面走行等【運転】テクを駆使して
リングを避けながら【弾幕】を張り、死角に回り込もうか。

Krakeの出力を最大に―隙を突いて全砲門【一斉発射】ァ!!

安心して、じきに他の船員さん達も目を覚ますハズ。
アルバくんに血の繋がりを気にするなとは言わない。
キミはキミらしく戦ったじゃん、超カッケェよ!


※絡み&アドリブ&同乗歓迎!


サオササ・テセル
戦闘段階…目標猟書家」
自分と似たような細い体つきから考えられない肉体派
皆で追い詰めたこの機に仕留める:他者との協力リプレイ希望
SPD勝負
追尾するリングには【地形の利用】【ロープワーク】【空中浮遊】【見切り】で回避を試みるけどアルバさんからは離れられない
【弾幕】での迎撃も検討
そして潜伏などもできてもアルバさんの近くにはいないとだめそうだから【スナイパー】が機能するのはとどめかどうか…
ここは【落ち着き】役目をこなす
【制圧射撃】【範囲攻撃】【誘導弾】【先制攻撃】を軸に
敵の動きを把握する【学習力】に【念動力】で飛ぶ子機の【遊撃】【集団戦術】【援護射撃】で同行者の戦いを支援
敵に動く暇を与えず押し切りたい



●二名様、特等席へ御招待☆
 ぴたりと密着したスーツで浮き彫りとなったトゥーモル・ハンブラの体は華奢だった。サオササと同程度には小柄だったが、瞬間的ならば人の頸椎を破壊するほどの握力を発揮する。精神侵略という遠隔能力を持ちながら近接戦闘も存分にこなす強敵だ。
 しかし、ここには仲間が揃っている。今が好機――やるしかない。サオササは覚悟を決めた。
「戦うんだろう? 僕のことは気にするな」
 サオササの背中の兵装に乗るアルバが静かに声を掛けた。見れば、片手で兵装にしがみつきながら、もう片方で熱線銃を取っている。守られてばかりでいるつもりはないらしい。
「先程は防がれましたが……今度は逃がしません!」
 トゥーモル・ハンブラの背で自動追尾性能を持つ白刃輪が高速回転を始めた。細かい刃の形が融和して真円に近づいたところで、トゥーモル・ハンブラは念動力を使い投擲。触れれば鋼鉄ですら一瞬で断つドーナツ状の円盤が一直線にサオササ目掛け飛行した。
 受けてしまえばそのまま真っ二つだ。サオササは円盤と正対した状態を保ちながら左に出る。兵装にアルバを背負っている分、背後に攻撃を受けぬよう警戒しなければならなかった。
 サオササが軌道上から外れると円盤は進路を自動修正、弧を描いて追尾してきた。サオササは円盤を視界に収めたまま、横跳びや後方飛行を繰り返す。部屋内部の積荷の位置や壁の凹凸などを瞬時に把握し、円盤の進路修正が利かないギリギリのタイミングを見切って紙一重で回避する。その度にぎゅんと唸る風切り音が耳朶を打った。
「おい、狙えるか!?」
 アルバは何度か熱線銃を構えていたが、激しく揺さぶられる兵装の上では発射まで至っていなかった。サオササもまた銃口、砲口をトゥーモル・ハンブラへと向けていたが、あと少しの所で円盤の邪魔が入る。
 もう一歩先を行く機動力が欲しかった――そんな時に。

 ――ゥゥヴルルルロロロオオオ!!!

「イェア! どもー! エイリアンツアーズでっす☆」
 部屋の外から爆音を轟かせ飛び込んできたのはパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)。彼の愛機Glanzはヴォンと戦闘機張りの排気を見せて、挨拶代わりにトゥーモル・ハンブラへと突撃をかます。
「くっ――きゃあっ!!」
 突然の襲撃者に虚を突かれた。トゥーモル・ハンブラは咄嗟に飛び上がるもウィリーするバイクを越えられず、右足にがつんとぶつけられ天井まで跳ね上げられていた。衝突の反動で大車輪していた体が止まり、どさりと床に落ちてくる。
「機動力マシマシご希望の方は後部座席へどうぞ! あ、エイリアンツアーズはノーブレーキが売りなんで乗り込む際はご注意を!」
「跳べ! 早く!」
 アルバに急かされサオササが垂直に跳ぶと、落ちるところへ突き抜けてきたバイクが丁度後部座席を用意した。すとんと落ちたサオササの体が一気に高速バイクツアーに攫われる。
「アルバくんだっけ? 女の子の扱いがウマいねぇ!」
「……褒められてる気がしないんだが」
「ははっ、思ったより元気そうで何より! 来るまでに眠った船員さんを見かけたけどさ。安心して、直に目を覚ますハズ――いや、覚まさせてやろう、オレ達の手でさ!」
 アルバを気遣いながらパウルはハンドルを切っていく。サオササというツアー客を乗せ、四角い部屋をまるで一続きの道路のように駆け巡った。壁を走ればでっぱりとてジャンプのための足掛かりとし、円盤から逃げる、逃げる、逃げる!
「なにあのリング、面白~い☆ どこまでも追いかけてくる~☆」
「それはそうです……当たるまで、止めませんから!」
 トゥーモル・ハンブラは不意の衝突事故から復帰し、円盤の自動追尾を念動力でサポートしていた。円盤がパウル達を追い続けるのは彼女の意思に基づくもの。それを断ち切るほどの大打撃を与えなければ決して止まることはない。
「さぁーて、一発いきたいところだけど……一応はアルバくんのご先祖様ってことになるんだよねーアレ。ご先祖様が猟書家ってモンになって襲ってくるのは複雑だろうけどさ……キミは血の繋がりになんて負けず、キミらしく戦ってるじゃん! 超カッケェよ!」
「それは……褒め言葉として、受け取って、おく」
 真正面から褒められることに慣れていないのか、アルバの返事は少々歯切れが悪かった。
『ところで、撃ち込むなら私が支援を』
「こっちで支援するそうだ。一発入れるなら思い切りやってくれ」
「なるほどオッケー☆ これより当機は変形します――行くよ、Glanz」
 運転手からのアナウンスで前後のタイヤが水平に傾き、戦闘機の馬力を積んだバイクはまさに戦闘機のようなジェット構造へと変化した。その上に立ち上がったサオササは狙いをつけた砲門で一斉射の先制攻撃。高速移動の慣性で流れる弾道をうまく誘導してトゥーモル・ハンブラの周囲を纏めて爆撃した。
「まずい――っ!」
 押し寄せる津波のようだった。サオササが放つ弾幕から逃れようとトゥーモル・ハンブラは真横に跳んで逃げるが、そこは遊撃の子機が待ち構え、援護射撃で進路を塞ぐ。
 トゥーモル・ハンブラはそれでも右へ左へと逃げ続けたが、包囲網は着実に狭められていた。そして行きついた先に待っていたのは、パウルの体から伸びる触手に装着された固定砲台。
 ぐるりぐるりと周回して完全に裏を突いた。トゥーモル・ハンブラはもう逃れられない。
「全砲門――一斉発射ァ!!」
 運転手から狙撃手へ。エンジン音すら上書きする轟音と共に射出された砲弾は、トゥーモル・ハンブラの細い四肢へ一寸の狂い無く命中した。
「いやあぁぁがっ!!」
 砲弾の勢いはトゥーモル・ハンブラの体を壁に磔にするほど吹き飛ばした。全身を打ち一瞬飛びかけた意識では円盤を維持できない。時が止まったかのようにぴたりと回転をやめたリングはそのまま落下し、カラカラと跳ねながら滑っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アラギ・アンドレウ
星の流れはオレ達の方に傾いている!
観念しろ猟書家
子孫は大事にするものだぞ!

しかしこの猟書家、見た目によらず物理で来るようだな……
すごく怖いが弱点の明確だ
彼女はどうしてもオレに接近せざるを得ない!
背中とか首らへんは守れるだけ翼で守っておこう

発動するのはウィッチクラフトだ
ははは、オレから見てもこの猟書家は敵ながら美しい!
だからこそこの技の対象になるという訳だ

あとは相手の接近のタイミングを見計らい、羽根や星空のピアスのホログラムで目眩ましだ
相手が怯んだ瞬間に!
特製の毒リンゴを口へと突っ込んでやる!
それが無理でも毒入りの果汁くらいは浴びせてやりたいな!
童話の継母の如く、家族を大事にしない者への報いだ!



●鏡よ鏡、叶えておくれ
 ここが宇宙なれば、趨勢を見るのは星の動き。
 今、星々は猟兵達の元に集いつつある。
「星の流れはオレ達の方に傾いている! 観念しろ猟書家、子孫は大事にするものだぞ!」
「うぐ……まだ、ですっ!」
 笑う膝を立ち直らせて、トゥーモル・ハンブラはアラギ目掛けて前傾で突っ込んでくる。両手を広げ蓄えた力で、狙うはアラギの首だ。
 細身細腕の怪力少女など漫画の登場人物のようだった。見かけに騙されてはいけない、と頭の中で警鐘を鳴らしながら、アラギは背中の翼を器用に持ち上げて首の後ろ側、項の辺りまでを固めておいた。
 力へ如何に対処するか。単純な物理勝負では分が悪いだろうが、アラギは力に頼るからこその弱点とも言うべき糸口を見出していた。
 相手の首を掴むためには――トゥーモル・ハンブラはアラギに肉薄せねばならない。当然それはアラギも仕掛けられる間合いだ。あとは手を尽くして攻撃を掻い潜り、渾身の一撃を叩き込めばよい。
 そのために必要なもの――それはトゥーモル・ハンブラの美貌だった。
「ははは! 戦場でこのようなことを口走るのも滑稽だが、お前は美しい!」
「いきなり、何を――」
「だからこそ、お前は殺される! 美しい者の宿命とはなんと残酷だ!」
 アラギが大仰に振舞っていると、宙にホワイトホールの如き渦が現れ魔法の鏡を形成した。そこに映し出されていたのは真っ赤なリンゴだ。アラギは鏡の世界からリンゴを取り出し、視線の高さに持ち上げると、くるくる回して見定める。
 絵の具を重ね塗りしたかのように真っ赤に、毒々しく染まったリンゴ。一口齧れば、きっと天にも昇る味がする。
 タイミングは一瞬しかない。殺すか、殺されるか。薄氷の上を征くアラギは瞬きを忘れてトゥーモル・ハンブラを凝視していた。
 彼女の腰辺りに据えられた腕が高く喉元に伸びてくる。集中力極まるアラギはそれがスローモーションに見えていた。
 早過ぎてもアラギの手が届かない。遅過ぎればトゥーモル・ハンブラの手が届いてしまう。
 一瞬は、そしてやってくる。
 星空のピアスが光った。ホロスコープを投影する機能を応用した目眩ましだ。背中の羽根も輝いて、一瞬で二人を眩き光の世界に誘った。
「ぅくっ――」
 いざ仕留めん、と目を見開いていたトゥーモル・ハンブラには強烈に効いた。光の圧を受けて思わず目を閉じ足を止める。そこは唯一、全てが調和した時の中。
 アラギの腕が伸びた。手の中にあるのは毒リンゴだ。それを一気にトゥーモル・ハンブラの口元まで持っていく。
 小さい口だ。ほとんど毒リンゴで殴りつけるような形で捻じ込まれていた。歯に当たってぶしゅぶしゅと潰れた果肉から果汁が迸り、舌の上を流れて喉の奥へ。
「はぐ……がはぁっ! うぐ……ごほっ! あがあぁぁ……な、何を……っ!?」
 体内に落ちた毒は即座に胃壁を焼いて浸透する。血混じりの胃酸をだらだらと零しながら、トゥーモル・ハンブラは崩れ落ちたリンゴ片の上でのた打ち回った。
「苦しいか……ならばそれは、童話の継母の如く、家族を大事にしない者への報いだ!」
「ぐぅぅぅぅ……家族、なんてぇ……ごほっ、ごふぁっ!!」
 激しく咳込みながらアラギを見上げる瞳は、端整な顔を崩すには丁度いい、怒りに満ちた三白眼へと変わり果てていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

八重森・晃(サポート)
『滅び<スクイ>がほしいのかい?』
 ダンピールのウィザード×聖者、14歳の女です。
 普段の口調は「母親似(私、君、呼び捨て、だ、だね、だろう、だよね?)」、怒った時は「父親似(私、お前、言い捨て)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!




●永久に眠れ
「この船の人達はスクわれないね。眠っているのに、皆苦しそうだ」
 八重森・晃(逝きし楽園の娘・f10929)は戦場へ駆けつけるまでに何人もの眠った船員達を見た。その寝顔は――見る者が見れば感じるものがあるようで。
「……君も、苦しそうだね」
「う、る……ごふっ、さい……っ」
 毒が回るトゥーモル・ハンブラは生まれたての小鹿のようにぷるぷると震えながら立ち上がってくる。胸元から腹部にかけて露出した肌は紫色に変色していた。
 一歩進む度に膝ががくっと折れ曲がった。口周りは自分で吐き出した胃酸で赤く爛れ、それでも敵を排除しようと、細腕を晃へ伸ばしてくる。
 トゥーモル・ハンブラはもはやゾンビだった。瞳も何時しか虚ろになり、両腕を前方へ伸ばしながらも手首はだらんと垂れ下がる。捕まったらそのままゾンビの仲間入りをさせられそうで、晃はすすすと後退っていた。
「君に必要なのは……『滅び』(スクイ)だね。死すら優しき最後の眠りに過ぎず――」
 死して死にきれぬ者への鎮魂。夢見る神の呼び声はトゥーモル・ハンブラを安らぎの眠りへと導くが。
 しかしその眠りは永久であるべき、と晃は二丁拳銃を抜いた。
「――いらっしゃい」
 浄化の光を、ここに。弾丸は流星雨となってトゥーモル・ハンブラを貫いた。
 血肉の一切を最果ての外に還す。晃が放った弾丸はそれを実現して余りある数で、トゥーモル・ハンブラの体は影も形もなくなっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月02日
宿敵 『トゥーモル・ハンブラ』 を撃破!


挿絵イラスト