羅針盤戦争~『鮫牙』ザンギャバス大帝深海決戦~
●グリードオーシャン・鮫牙島
七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス大帝。その巨体は今、自身の本拠地にいる鮫牙島へいた。飢餓状態から目覚めて以降、食事を繰り返しながら暴威を振るっていたが、ついに猟兵がこの島に到達するのに至って、自身の本拠地をキリングフィールドにすると定めたのだった。
「ふしゅぅるるるるるる……」
そしてその鮫牙島だが、なんと深海にいた。この島はまるで意志があるが如く、水中へと潜航し始め、今やその周りには巨大な鮫達が跋扈している。
だがザンギャバス大帝は全く問題にしていない。その鮫達が肉を喰らおうとするのを素手で掴んで、逆に丸かじりにしていく。
「気にいらねぇ。グリモアの匂いがする」
己の飢餓を満たす為に巨大鮫を食べ続ける。すでに周囲に近づく猟兵の匂いを嗅ぎつけているザンギャバス大帝。そこには自身が嫌悪するグリモアの匂いを感じ取り、殺意を漲らせる。
「グリモアを使うやつ、ゼンブコロしてヤル……!」
思考はいらない。ただ腹を満たし、暴れるだけ暴れる。海の暴れん坊、なれども誰も倒すことのできない大帝を止める者など、この深海に存在しないのだから。
●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「本当に無敵の存在って厄介だよねー。絶対倒せないんだもん」
キャバリアをも超える身長を誇る肥満体の巨人の姿をため息交じりで見つめながら、グリモア猟兵見習いエィミー・ロストリンク(再臨せし絆の乙女・f26184)は映し出した画面を閉じる。
七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス大帝。身の丈7m程。巨人の範疇としてもかなり巨躯にして、七大海嘯でも最悪の凶暴さで知られる異形の巨人。その特徴は死ぬことの無い、文字通り「無敵」の肉体である。
しかし弱点もあるが、討伐には問題もある。
「飢餓状態になったら活動不能に追い込めるんだけど……、今回の鮫牙島は深海に潜航するんだー」
『鮫牙』の本拠地である鮫牙島は猟兵が近づくと、海中に急速潜航することだ。そしてその海中は凄まじい数の巨大鮫が存在している。それに食われることはないが、空腹になったザンギャバスは泳ぎ回っている鮫を捕食する。
その状態では如何に猟兵が奮戦したとしても、ザンギャバス大帝を飢餓状態に持ち込むことはできない。何とか鮫を遠ざけて、ザンギャバスが捕食できない状態に持ち込まなければならない。また、捕食を邪魔されないように率先して攻撃を仕掛けてくる、ザンギャバス大帝の攻撃にも対応は必要となる。
「ザンギャバスの攻撃を凌いで、餌である巨大鮫を食わせないようにする。大変だけど、相手は作戦や策略とかが苦手なんだー」
ザンギャバス大帝は暴食を満たすことを最優先に行動する白痴。故に作戦とか策略とかには簡単に引っかかってくれるだろう。故にそれらを使って、ザンギャバスを消耗させ、飢餓状態に持っていければ勝機はある。
長時間暴れると飢餓状態になり、獅子のような姿になって撤退するので、そこは安心してもいい。七大海嘯を討滅する為にも、ザンギャバスを眠りにつかせる為に重要な作戦を依頼する。
「あ、深海に行くんだったら、わたしの魔法をかけておくよー! セイレーン種族の特製だよ!」
そう言ってセイレーンの加護を授けながら、エィミーは転移術式を展開する。暴食と暴力、なぜかグリモアを憎悪する『鮫牙』ザンギャバス大帝。謎は多いが、この無敵の存在を黙らせる為に、深海潜航する鮫牙島へ殴り込むのだった。
ライラ.hack
どうやったらこの無敵肉団子を倒せるのか、想像ができない。
どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。
このたびは七大海嘯の一人『鮫牙』ザンギャバス大帝との本拠地・邪剣島での決戦となります。
難易度は普通より高めなのでご注意ください。
猟兵達が近づくと、『鮫牙島」は海中に急速潜航します。もちろん、その深海にて待ち受けるは『鮫牙』ザンギャバス大帝。この肉塊の如き七大海嘯は「無敵」ですが、唯一、「長時間暴れると飢餓状態になる」という弱点があります。が、鮫牙島の周囲には「凄まじい数の巨大鮫」が泳ぎ回っており、空腹になったザンギャバスはそれをぼりぼりとむさぼり喰います。鮫を遠ざけ、なんとか飢餓状態にしなくてはなりません。相手は白痴なので、作戦や策略も極めて有効です。なお戦闘に勝利すると、やはり獅子のような姿になって撤退しますが、規定数撃破すると、出てこなくなるようです。
今回は特別に深海対策としてエィミーがセイレーンの魔法によって、通常と変わらない動きができるようになっています。勿論、他の対策でも大丈夫です。
またこの決戦勝利後は、『鮫牙』が支配する島を解放することができます。
以下、特殊ルールとなります。
プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードと「巨大鮫を喰おうとするザンギャバス」に対処する。
以上となります。どうあがいても無敵な存在ですが、飢餓に追い込んで活動を停止させましょう。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス』
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POW : ザンギャバスハンド
レベル×1tまでの対象の【腕や頭】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : ザンギャバスファング
自身の身体部位ひとつを【竜、山羊、蛇、蛇のいずれか】の頭部に変形し、噛みつき攻撃で対象の生命力を奪い、自身を治療する。
WIZ : ザンギャバスポイズン
攻撃が命中した対象に【肉体の部位「蛇」からの猛毒】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【肉体を侵食する猛毒】による追加攻撃を与え続ける。
イラスト:白
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ゲニウス・サガレン
セイレーンの加護のおかげで潜水服がいらないのはありがたいね
アイテム「フライング・シュリンプ」・「沈滞の投網」
予め空水両用の有翅エビに、投網を広げさせて上方待機
サメや大帝が接近して来たら、アイテム「スティングレイ短針銃」で狙撃
短針銃は圧搾ガスで打ち出すから水中でも使用可能なんだ
仕込んである毒は生命を脅かすものではないが、痛い
痛覚は鍛えられないから牽制にはなる
大帝には一撃でも食らうわけにはいかない
接近して来た場合、有翅エビと連携し、投網を大帝に投下
暴れているうちにUC「水魔アプサラー召喚」
我が友アプサラーよ、巨大海流を作り、この辺りのサメを一時的でいい、押し流してしまえ!
その先はみんなに任せよう
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
文字通りの無敵とは何とも面倒な相手。まあ、倒し切る必要がないのであればどうにかと言った所ですか……
ザンギャバスからの先制攻撃は蛇の一撃を受けなければOK。蛇に対して鎖を放ち、口を縛り付けてやる
周辺を泳ぐサメに対しては『殺気』を放ち『恐怖を与える』事で近寄らせず
更にUCを発動し、影で出来たサメを召喚し、逃げるサメを誘導して追いやりつつ、残りでザンギャバスの周辺を泳がせて撹乱
魔力と影で造られた存在なので、ザンギャバスに喰われてもエネルギーにはならない
自身は基本的に距離を取ってピックを『投擲』。『串刺し』にしたそれで『継続ダメージ』を与える事で少しでも体力を消耗させていく
ナイ・デス
海水飲んで、飢えを凌げる……なんてことはないようで、そこは救いですね
この鮫さん達は……話して、聞いてくれるといいのですが
【動物と話す】鮫さん達に、離れているように声かけ
聞いてくれない鮫さんは【範囲攻撃生命力吸収】光を放ち、死なない程度に吸収【念動力】で安全なとこまで【吹き飛ばし】
食べるより、私を優先、しますよね?
鮫とは離れたとこでUC発動しようと【存在感】放って、先制攻撃で掴みかかってくるの誘い
【第六感で見切り】掴まれるの手足となるよう【かばい】受け
【覚悟、激痛耐性】掴まれたとこ、すぐに【切断】逃れ
『リベレイション』
【継戦能力】再生繰り返しながら、鮫牙さんが食べにいかないよう戦い、飢餓まで粘る
黒影・兵庫
(「深海の活動に加護をもらえるのは助かるわね」と頭の中の教導虫が話しかける)
はい!せんせー!
(「相手は無敵だけど、どう戦う?」)
敵の攻撃は『衝撃波』を使った移動と
『念動力』で作った海流にのって攻撃を回避します!
補給対策は『動物と話す』スキルで鮫たちに避難を促しつつ
『催眠術』で鮫の位置を敵に誤認させて補給の邪魔をします!
隙を見て『オーラ防御』で作ったオーラの檻で敵を『捕縛』し
成功したらUC【蜂皇怨敵滅殺撃】を発動します!
せんせーの抜け殻が召喚されるので重い一撃を叩きこんでください!
(「よぉーし!まかせなさい!」)
恐るべき無敵の存在。そんな者などいないと人々は言うであろうが、七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス大帝に関しては大言壮語ではない。
文字通りの無敵の存在であり、ありとあらゆる攻撃が通じない。そんな冗談じみた肉体を持つ男ではあるが、弱点がないことはない。
それは長時間暴れると飢餓状態になるということ。その状態になればザンギャバス大帝も引いていくが、現在の鮫牙島は深海に位置しており、そこにいる巨大鮫はザンギャバスの暴虐を支える餌でもあるというわけだ。
「セイレーンの加護のおかげで潜水服がいらないのはありがたいね」
そんな無敵の男相手にゲニウス・サガレン(探検家を気取る駆け出し学者・f30902)は笑う。エィミーのセイレーンの加護で対策が一つ減ったと気楽に考える探検家気取りの博物学者は巨大鮫がいる中でも動じることはない。
まだ誰も見たことがない景色を見る為にこんなところで立ち止まるわけにはいかない。ゲニウスは己の野望の為にも、無敵のザンギャバス大帝であろうとも一歩も引く気はない。
「文字通りの無敵とは何とも面倒な相手。まあ、倒し切る必要がないのであればどうにかと言った所ですか……」
そして冷静にザンギャバス大帝を観察するのはクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)。己の吸血衝動のまま、無敵の男の血を吸ったらどうなるかは気になるところであるが、それを抑え込む。
それをやればザンギャバス大帝の暴食と何の変りもない。それに二人を発見したザンギャバス大帝の動きは早かった。
「猟兵、グリモア、使うやつよこせ!」
強烈なる殺意と共に肉体に生える蛇と共にザンギャバス大帝が襲い掛かってくる。その蛇の牙に宿るのは肉体を侵食する強烈なる猛毒である。
攻撃を食らえば問題はあるが、ゲニウスはすでに準備を整えている。空水両用の有翅エビ「フライング・シュリンプ」に古代遺跡で見つかった金属繊維で編み上げた投網「沈滞の投網」を投げさせて上方待機させている。
「来たな。これでも食らえ!」
そう言って迫ってくるザンギャバス大帝に深海のエイの毒棘を使った短針銃「スティングレイ短針銃」を撃つ。短針銃は圧搾ガスで打ち出す故に水中でも使用可能な上に、威力もそのまま保つことができる。
そしてザンギャバス大帝に撃ち込まれる毒棘の針は生命を脅かすものではないが、痛覚は鋭く感じる。そして痛覚は鍛えられないから牽制にはなる。
「いでえええええええええ!」
ゲニウスは痛みに狂うザンギャバス大帝の蛇に対して冷静に回避を行う。一撃でも貰うわけにもいかない猛毒の一撃、捌くに限る。
それはクロスも同様である。蛇の一撃を喰らわなければ何とかなるとばかりに、その蛇が噛み付こうとしてくるのに対して【冥装】罪茨の鎖を放ち口を縛り付けて拘束する。
「これで噛み付けないでしょう?」
クロスは薄く笑うが、それでもザンギャバス大帝はその巨体を生かしてクロスに殴りかかろうとする。それを阻止するのがゲニウス、待機させておいた有翅エビと連携し、投網を大帝に投下する。
その強靭な金属繊維の投網でザンギャバス大帝を拘束している内に、クロスが強烈な殺気を放って、巨大鮫をザンギャバス大帝に近づかせないようにする。
「さぁ目覚めよ、わが友アプサラー! 君の力を、今、ここに!」
そして暴れているザンギャバス大帝を尻目に、ゲニウスが能力「水魔アプサラー召喚(スイマアプサラーショウカン)」を発動。飼育用の壺から、流水の術を操る水魔「アプサラー」が出現する。
幼少時に拾ったその友が放つ巨大海流は、クロスが殺気で追い払った巨大鮫を一時的に押し流すことで逃げるのを助長させる。それに加えてクロスが能力「冥き眷属の召喚(コーリング・シャドウ)」を発動させる。
「影より来たれ、来たりて征け。黒きサメたちよ」
クロスの周囲に大量の影で出来たサメが召喚される。自身の殺気とゲニウスのアプサラーの激流で押し流される巨大鮫とは違う一群を、その影のサメで誘導して追いやりつつ、残りをザンギャバス大帝の周辺に泳がせてることで攪乱する。
投網から逃れようと影のサメに手を逃して食おうするが、魔力と影で造られた存在なので、ザンギャバスに喰われてもエネルギーにはならない。
「ふしゅぅるるるるるる! 喰わせろおおおおおおお!」
クロスが牽制するようにピックで遠距離攻撃していたが、それを煩わしいと思うと共に逃げる巨大鮫に手を伸ばさんと、ザンギャバス大帝がゲニウスの投網を引きちぎる。
クロスもゲニウスも深追いはしない。倒せない無敵の相手、さらに他の仲間もいるとなれば時間稼ぎとしては十分だったからだ。
「海水飲んで、飢えを凌げる……なんてことはないようで、そこは救いですね」
そんな暴れ狂うザンギャバス大帝を見て、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はほっと一息する。もしも海水で飢餓を凌げたらさすがに時間を稼ぐとかはできないと思っていたからだ。
自身も大概の不死の存在と自覚しているが、全く死なない無敵の身体のザンギャバス大帝では分が悪い。素直に餌である巨大鮫に対処することを心がける。
「この鮫さん達は……話して、聞いてくれるといいのですが」
そしてザンギャバス大帝が食いつこうとしている巨大鮫達に対して、語りかけるナイ。ヤドリカミという種族の思念を使って巨大鮫に対して離れているように声かけをする。
温厚な個体はそれで離れようとするが、反発して襲い掛かってこようとする強情な巨大鮫に対してナイは容赦がない。生命力を吸収する広範囲の聖者の光を放ち、死なない程度に吸収して弱らせ、ザンギャバスの離れている方向へと吹き飛ばす。
(「深海の活動に加護をもらえるのは助かるわね」)
「はい!せんせー!」
元気いっぱいに頭の中の教導虫「せんせー」に返事をする黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)。深海の活動には不安があったが、エィミーのセイレーンの加護によってそれは払しょくされた今では、何も怖いものはない。
ナイと同様に鮫の思念で語り掛けることによって、巨大鮫をザンギャバス大帝の方向に行かせないように誘導をしている。そこへザンギャバス大帝が飢餓を満たそうと猛烈な勢いで迫ってくるのだ。
(「相手は無敵だけど、どう戦う?」)
教導虫がそう語り掛けるのと同時に、兵庫がそれを行動で示してみせる。自身が発生させた衝撃波による推力移動と念動力によって作り上げた海流に乗って、ザンギャバス大帝が掴もうとする手を回避する。
兵庫がやるのはまさしく時間稼ぎ。だがそれはとても有効な手段であり、海流にある一定の波長をザンギャバス大帝に見せることで催眠術のようなものもかける。
「あれ、なんだぁ? 鮫が食えねぇぇ……?」
白痴なザンギャバス大帝にそれが厳格な鮫だと気づくことはできない。そしてその隙を作るように兵庫がオーラの檻でザンギャバス大帝を拘束する。
勿論長時間を束縛するなど、暴虐無比なザンギャバス大帝相手には無理な話だ。だがその間に能力「蜂皇怨敵滅殺撃(ホウオウオンテキメッサツゲキ)」を発動する。
「重い一撃を叩きこんでください!」
(「よぉーし!まかせなさい!」)
兵庫の愛情に応えるように教導虫の抜け殻が召喚されて、ザンギャバス大帝に炸裂する。強烈かつ重量のある打撃は、オーラの檻を破壊し、ザンギャバス大帝を鮫のいない深海へと吹き飛ばしていく。
そしてその先にはナイが巨大鮫のところにはいかせないと待ち構えている。無表情ではあるが、挑発するように指をくいっと動かす。
「食べるより、私を優先、しますよね?」
「猟兵いいいいいい! グリモアああああああ!」
その存在感に釣られるようにザンギャバス大帝な吹き飛ばされる勢いのままにナイを掴もうとする。それを手足をガードするように差し出して身体まで掴まれないようにする。
そしてその腕を引きちぎって逃げれないようにするザンギャバス大帝。これでナイの運命は尽きたかに見えたが、それは違った。
「リベレイション」
能力「『ブレンホルズ・ジヴィライゼーション』(エクステンドオーブ)」。黒剣、ダイウルゴスの彫像を融合した鎧を纏うことにより、脅威の再生能力と戦闘能力を得るナイの切り札。
キャバリア級のサイズにまでなったナイのダイウルゴスがザンギャバス大帝にがっぷり四つになって戦いを始める。手足を犠牲にしながらも、そのたびに再生を繰り返して、まさしくきりのない戦いを繰り返していく。
「は、ハラへったぁー……!」
だがいくら手足を引きちぎっても倒せないナイに対して、ザンギャバス大帝の方が音を上げる。己が感じる飢餓が身体を蝕み始めたので、それを優先的に満たそうとする欲を優先した結果であったからだ。
あれだけ激戦を繰り広げても傷一つ追わないザンギャバス大帝の無敵っぷりにナイと兵庫はため息をつく他ない。だがゲニウスやクロスとも連携した結果、大いに時間が稼げた。
これはザンギャバス大帝を飢餓状態に持っていくには十分な時間であり、積み重ねていけば撤退に追い込めるだろう。その手応えを確かに感じるのだった。
大成功
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烏丸・都留
SPDアドリブ共闘OK
隠密状態CICユニットの何れかから即時配置転換で自身は位置を変えながら遠隔管理。
時騙しの懐中時計により即応。
深海対応の8脚の思考戦闘車両スレイプニルを大王烏賊や大蛸に擬態、周辺全ての巨大鮫を追い散らし、その上でアンチ・アストラルマインで巨大鮫に擬態し、態と捕縛や喰らわせ自爆(精神攻撃、鎧無視攻撃、神罰、除霊、浄化、破魔)し、敵を混乱/戦意喪失/飢餓を誘発させる。
SPD/POW/WIZ:数十万機の縮小召喚した隠密/偵察部隊で、自身や味方への攻撃を態と受けたり陽動する事で防御回避支援。
被害を受けた装備と見方(隠密部隊保護)は後方メンテナンスユニットに即時配置転換して回復支援。
リーヴァルディ・カーライル
…普段と変わらない動きが出来るのはありがたい
これならば、何の憂いも無く奴を消耗させられるわ
…ここで倒せないのは歯痒いけどね
"写し身の呪詛"に闇属性攻撃のカウンターを仕込み、
分身を破壊した敵の生命力を吸収する呪い込めて武器改造を施し、
無数の残像を囮に敵UCを受け流し闇に紛れて切り込みUC発動
…私は正々堂々を良しとする騎士でも戦士でもないもの
獲物の追い込み方ならば、心得ているわ
…さあ、どれが本当の私かお前に見切れるかしら?
虚属性攻撃の魔力を溜めた大鎌で空間ごと敵をなぎ払い、
切断面から広がる虚無のオーラで防御を無視して動きを封じ、
その隙に離脱して鮫に牽制の銃弾を乱れ撃ち戦場から離すわ
ヴィクトル・サリヴァン
…あれ本当に巨人?深海人じゃなくて?
呼吸とか大丈夫なのかなー、まともに考えても仕方ないけど。
深海適応と素潜り、水泳と高速泳法活かし水中戦。水の魔法での水流制御も補助に。
敵位置には終始注意、十分距離を取りつつ撹乱する。
泳ぎ回りながら頭のメロン体から音波を発射。
シャチが群れで来るぞー。そこのでぶより恐ろしいぞーとか動物会話で恐怖を煽り追っ払いつつザンギャバス挑発。
UCの準備できたら空シャチ達を召喚、空メインだけど海もシャチだしだいじょーぶ。
巨大鮫踊り食いレッツゴーとかお願いしてサメ達を追い払う。
その間俺は水魔法で鮫牙を妨害、空シャチ達に近づかせぬよう水流操作と渦の魔法で攻撃。
※アドリブ絡み等お任せ
シーザー・ゴールドマン
ザンギャバス大帝。大帝という割には配下もなく単騎で頑張っているね。
まあ、今回も予知によれば滅ぼすことができないようだ。
ならば早々にお引き取り願おうか。
敵powuc先制&周囲の巨大鮫対策
大帝の動きを見切って、躱すあるいは剣を振るって衝撃波を放つことで攻撃を逸らす。(第六感×見切り×瞬間思考力×衝撃波)
鮫は電気に敏感、巨大でも変わらないだろうという事で大帝を起点に巨大鮫を追い払う程度の電撃を放ちながら戦います。(属性攻撃:雷×範囲攻撃)
自身への影響はオドでカット。(オーラ防御×電撃耐性)
『ウルクの黎明』を発動。
増大した戦闘力で時間切れまで切り刻み続けましょう。
ザンギャバス大帝はさきほどの猟兵達の猛攻を受けても、傷一つ追っていない。あれだけの攻撃であれば肉は削げ落ち、血を流してもおかしくない攻撃を食らったにも関わらずにだ。
無敵と呼ばれる肉体は大言壮語ではない。それを証明したザンギャバス大帝は、その威容とは裏腹に飢餓に苦しめられようとしていた。
「ふしゅるるるるるる……鮫肉よこせえええええ!」
その無敵の肉体と暴虐なる力を支えるのにはエネルギーが必要なのか。それを証明するように、巨大鮫に喰いつこうとするザンギャバス大帝。
そんな七大海嘯の一角『鮫牙』の暴威を見つめるのはシャチのキマイラであるヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。そして戦艦のヤドリカミである烏丸・都留(ヤドリガミの傭兵メディック・f12904)だ。
「…あれ本当に巨人? 深海人じゃなくて? 呼吸とか大丈夫なのかなー、まともに考えても仕方ないけど」
深海人でもなく全く制約のない動きをする、巨人をもキャバリアをも上回る巨体を誇るザンギャバス大帝。それを規格外ともいうべき存在だが、それを今は憂慮するべき時ではない。
ヴィクトルは自身のシャチとしての深海適正を生かした素潜り、水泳と高速泳法活かしてザンギャバス大帝を攪乱する。水の魔法での水流制御も行うことによって、まるで戦闘機のような機動力を生み出す。
ザンギャバスも竜、山羊、蛇、蛇の頭部を身体中に生やして迎撃するが、不用意に近づかずに距離を取るヴィクトルを捉えることはできない。さらに隠密状態CICユニットでザンギャバス大帝からさらに距離を保っている都留も動き出す。
「サポートは任せなさい。援護は得意よ」
そう言って時騙しの懐中時計によるザンギャバス大帝の攻撃に即応態勢をしつつ、深海対応の8脚の思考戦闘車両スレイプニルを大王烏賊や大蛸に擬態させて展開。そのまま周辺全ての巨大鮫に追い散らしていく。
そしてそれを助長するようにヴィクトルが泳ぎながら頭のメロン体から音波を発射する。
(あの化け物イカやタコが群れで来るぞー。そこのでぶより恐ろしいぞー)
そんな音波会話を垂れ流し続け、恐怖を煽って巨大鮫を退散させていく。それでいながら挑発するように動くヴィクトルにザンギャバス大帝が怒り狂って向かっていく。
無敵であるザンギャバス大帝に罠だとか誘引だとかいうことを考えることはない。引っかかったことを確信したヴィクトルは能力「空泳ぎたちの狂宴(スカイ・オルカ)」を発動する。
「空メインだけど海もシャチだしだいじょーぶ」
そう言って巨大な空シャチ達を召喚したヴィクトルは、それを都留の大王烏賊や大蛸がいない場所へと放つ。その領域での巨大鮫を追い払うべく、踊り食いレッツゴーとばかりに殺意マシマシで襲い掛かっていく。
餌である巨大鮫が逃げていくのを確認して、ヴィクトルは水魔法による迎撃と水流操作と渦の魔法でシャチ達へ向かわせないようにする。だがその方向ではなくヴィクトルへ一直線なザンギャバス大帝。
「グリモア! グリモアコロスうううう!」
どうやらヴィクトルのグリモアに反応したようだった。思いもよらぬ行動。だがそれを阻止したのは都留の放った巨大鮫に擬態したアンチ・アストラルマインだった。
捕縛しようと喰いつこうとするアンチ・アストラルマインだが、逆にザンギャバス大帝に捕食される。だが喰らった竜や山羊の頭が、都留が起動したその自爆機能で弾け飛んでいく。
「原初の天空神よ、時の記憶より最善の道筋へ、我らを導き給え」
能力「天空神の加護(ブレス・オブ・アイテール)」による加護を後方により放つ都留。無意識で最適解を選択させることで回避率を上げるその能力は、味方にも作用する。
数十万機の縮小召喚した隠密/偵察部隊をヴィクトルの周囲に放つことで、防御と回避の支援を行いつつ、自身はいつでも配置転換できる位置を陣取る。まさしく時間稼ぎには最適な人材ともいえるのが都留だった。
だがザンギャバス大帝が白痴でもそう長い時間ヴィクトルと都留が束縛できるはずもない。飢餓による本能を優先し、二人を振り切って巨大鮫を喰らおうとする。
「ザンギャバス大帝。大帝という割には配下もなく単騎で頑張っているね」
そんな孤独な大帝を見下ろすように見つめるのが真紅の公爵たるシーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)。その姿はもはや大帝というよりも、暴走肉団子という感じもしないまでもないが。
されども絶対倒せない無敵の相手。今回も倒すことのできない相手であるのは間違いないと思い、予知を信じるシーザーはふうっと深いため息をつく。
「ならば早々にお引き取り願おうか」
ザンギャバス大帝を打ち払うならば、その飢餓をさらに増幅させる必要がある。オーラセイバーを振るいながら、ザンギャバス大帝につかまれないように動きに細心の注意を払うシーザー。
幸い動きが俊敏ということもなく、技術もあるわけでもないので単調だ。故に見切りさえ機能していれば当たることは早々になさそうだ。
「鮫達にもお帰り願おうかね」
鮫は電気に敏感、巨大でも変わらないだろうというシーザーは考え、ザンギャバス大帝を起点に巨大鮫を追い払う程度の電撃の魔力を付与し、纏わせる。
このオドの魔力により、ザンギャバス大帝に巨大鮫が近づかないように細工をしながら、シーザーは手を伸ばしても巨大鮫に逃げられるザンギャバス大帝を見て笑みを深める。
「さて、私も楽しませて貰おうか」
能力「ウルクの黎明(デウス・ポテスタース)」を発動し、真紅のオーラを身に纏うシーザー。ザンギャバス大帝から放たれる雷をオーラの力でカットし、強大な魔力により強化された身体能力が赴くまま、オーラセイバーの斬撃を繰り出す。
俊敏なる動きで肉体を切り刻むシーザー。だがダメージは与えれないとわかっても攻撃をやめることはない。その攻撃を防御している間は時間を稼ぐことができるのだから。
「…普段と変わらない動きが出来るのはありがたい。これならば、何の憂いも無く奴を消耗させられるわ」
そんなシーザーが切り刻んで海を血で染めているのを、ヴァンパイアを狩る死神の少女リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は冷静に見つめる。
エィミーのセイレーンの加護が馴染み、深海においても全く陸上と変わらない動きができるのを確認した後に戦闘態勢に移行する。ザンギャバス大帝、七大海嘯の一人ではあるのでできることならばここで倒しておきたかった相手である。
「…ここで倒せないのは歯痒いけどね」
そんな残念な呟きと共に、シーザーの斬撃が終わったと同時に斬り込むリーヴァルディ。他の世界にはあまり興味がなかった彼女ではあるが、流儀を曲げて参戦した戦場で手加減などする気はない。
ザンギャバス大帝もいい加減一方的に攻撃するのに煩わしさを感じていたのか、苛立ちとばかりにリーヴァルディの身体を掴む。そして思いっきり身体を引きちぎり、その頭を潰す。
「……残念、それは写し身」
壊されたはずのリーヴァルディが別方向から声を上げる。そして手元のリーヴァルディの「写し身の呪詛」が炸裂し、闇の魔力の破壊と共に生命力を吸収していく。
戦闘力の無い残像を創造して操る呪術「写し身の呪詛」。破壊した対象に敵の生命力を吸収する呪いと闇の魔力を籠めたカウンターを仕込むことによって、ザンギャバス大帝を攪乱するつもりだ。
「…私は正々堂々を良しとする騎士でも戦士でもないもの。獲物の追い込み方ならば、心得ているわ」
それと同時に、多数のリーヴァルディが出現する。同じく炸裂すれば同じようなカウンターを発動する写し身である。
だが疑心暗鬼になって攻撃をためらうのはダメージを負う者の思考である。無敵であるザンギャバス大帝はそんなことは構わずに、手あたり次第にリーヴァルディの写し身を攻撃していく。
「…さあ、どれが本当の私かお前に見切れるかしら?」
そんなことはできはしないともリーヴァルディは思っていた。なぜならば写し身は陽動、本命は死角から攻撃する。白痴であるザンギャバス大帝はこんな戦法にも簡単に引っかかってくれる。
そして能力「吸血鬼狩りの業・虚空の型(カーライル)」を発動させて、虚属性攻撃の魔力を溜めた大鎌で空間ごとザンギャバス大帝を薙ぎ払う。切断面から広がる虚無のオーラがザンギャバス大帝の全身に侵食する。
「ああ? 身体がうごかない?」
全てを呑み込む虚無空間を作り出すことで敵を放逐して無に還す必滅の奥義ではあるが、ザンギャバス大帝には動き一時的に止めることしかならないようだ。呆れた身体とため息しか出ないリーヴァルディではあるが、飢餓へ導く時間が稼げたと思うしかないだろう。
リーヴァルディはその隙に離脱して巨大鮫に牽制の銃弾を乱れ撃ちして、ザンギャバス大帝のところから逃がすように誘導する。こうして、さらに巨大鮫はザンギャバス大帝から離れていくのだった。
ザンギャバス大帝は虚空の空間に捕らわれながらも、死ぬことはない。だが己の飢餓を満たす巨大鮫達は次々と手から離れていく。
己の肉体とパワーは無敵ではあるが、この耐えることのできない飢餓だけは苦しみとなって襲い掛かってくる。その身体の活動限界はもう間近に迫っていた。
大成功
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ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
暴食の化身、お前は飢え続けるのがお似合いだよ☆
事前に「肉体改造」を自身に施し、自身の表面をヌルヌル成分と吐き気成分で覆うよ!
これでヌルヌルして掴めないよね!
対策したら次はUC【飢餓つくと肉肉しい惨劇】で肉塊になるよ!
肉体改造はそのままに、巨大鮫にわざと肉塊の一部を齧らせて鮫の内部で増殖して爆散★肉片に吐き気成分を纏わせよう!
吐き気成分ごと肉片や肉塊をザンギャバスにも食べさせて、内側のものを全部逆流させれば飢えるよね!
UCの飢え続ける匂いを海水に混ぜてもザンギャバスを飢え続けさせられる!
胃の中で『鮫牙』の力を「捕食」して蒐集出来ないかな?
勝利の暁には鮫肉で宴会だよ☆
バルタン・ノーヴェ
POW
無敵の大帝ザンギャバスもそろそろ休眠期デショー。
油断して飢えを満たされぬよう、徹底的に叩かねばなりマセンネ!
あ、加護感謝デース!
伸ばしてくるハンドを、冷静にパリィパリィ!
指先や手首を狙ってファルシオンで受け流し、
お返しにそのお腹へガトリングガンを叩き込んでいきマース!
程よい振動でダイエットになり、マス?
そろそろ空腹になってきた頃で、プランスタート!
「カモン! バルタンズ!」「バルルー!」
先回りして、ザンギャバスが近づく前に鮫たちを追い払ってくだサーイ!
ワタシは彼にまとわりついて、撃って斬って足止めしマース!
……ふーむ。ヘイ、ザンギャバス! 生ばかりではなく、たまには自炊したらどうデスカ?
オリヴィア・ローゼンタール
グリモアにいかなる因縁があるのかは知りませんが……これ以上の暴虐は赦さない!
速度重視のために競泳水着に着替えて出撃
【水中機動】【高速泳法】で握撃を躱し、翻弄しながら聖槍で切り裂く
この威力、一撃でも喰らえばそのまま押し切られる……!
補食に向かおうとしたら、【属性攻撃】【全力魔法】の【灼烈轟雷槍】を全周囲に放ち、ザンギャバスと鮫を痺れさせる
【天候操作】の魔力で渦潮を起こし、鮫を海面へ追いやり、ザンギャバスを鮫のいなくなった海底へ押し込める(吹き飛ばし)
ダメ押しに【灼烈轟雷槍】を叩き込み消耗を強いる
ここで撃滅できないのは癪ですが……!
シノギ・リンダリンダリンダ
もうすぐ戦争は終わりですが……結局、お前を殺す事はできなかったですね
あぁ、忌々しい鮫牙
バカに無敵能力を持たせるのは反則ですよ
深海程度なら耐性があるのでいいのですが、エィミー様の加護に感謝
面倒くさいのでもうできるだけ勝手に自滅してほしいのですが…
お前程度の猛毒、むしろ我が呪詛毒の足しにしてやります
蛇に噛まれ浸食する猛毒を受けても、内なる特濃呪詛毒による毒耐性で気にしない
むしろその毒を浸食し、我が呪詛毒をパワーアップさせる
そして【一大海嘯】を解放
最大人数の鮫牙を召喚
巨大鮫を先に食べてもらうためであり、残滓と言えど同じく無敵
勝手にお前達で戦っててください
私はそれを眺めています
私の鮫牙に蹂躙される姿を
七大海嘯『鮫牙』ザンギャバス大帝の飢餓感は限界まで近づこうとしていた。その有り余るパワーを振るうことによってエネルギーは消費され、よりお腹が減る。
無敵の肉体もその身体を傷つけることはないが、故に敵の攻撃や策には全く無頓着になりがちだ。何せ危険がないからだ。危険がない無敵だからこそ、突っ込むことしか能がない。
「グリモアああああああ! 鮫肉うううううううう!」
敵を壊して殺すこと。そして飢餓を満たすこと。それに頭が満たされるザンギャバス大帝。それを獲物とばかりに見据えるは二人の猟兵。
腹ペコ系ラスボスとして負けるわけにはいかないラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)。そして天下無敵の鉄メイド、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だ。
「暴食の化身、お前は飢え続けるのがお似合いだよ☆」
そんな風に身体を改造していくラヴィラヴァだが、それを無視するかのように猛然と突っ込んでくるザンギャバス大帝。もはやその飢餓によって本能で動く暴走大帝と化している。
その掴み取ろうとする手を華麗にパリィしていくのが、バルタンだ。ファルシオンで指先や手首を狙って受け流していく姿は、まさしくできるメイドだ。
「無敵の大帝ザンギャバスもそろそろ休眠期デショー。油断して飢えを満たされぬよう、徹底的に叩かねばなりマセンネ!」
その動きは深海にも関わらず冴えまくる。セイレーンの加護を与えてくれたエィミーにバルタンは感謝しつつ、空いたザンギャバス大帝の腹にガトリングガンの弾を容赦なく吐き出す。
弾幕によって普通ならば穴が開きまくり、その肉を削ぎ落すことによってダイエットにもなる。まさしく振動ダイエットの極みだとバルタンは思っていた。
「程よい振動でダイエットになり、マス?」
だがそんなガトリング弾幕にも全く怯むことのない肉体。ザンギャバスの脅威の無敵の身体によって勢いが弱まるどころか、凄まじい速さでバルタンの頭を掴もうとする。
腕一本は犠牲することを覚悟したが、肉体改造が間に合ったラヴィラヴァが盾となる。その肉体は表面をヌルヌル成分と吐き気成分で覆われており、掴もうとする手が滑る。
「なんだぁ、コレ、すべる!」
「これでヌルヌルして掴めないよね!」
ドヤ顔をしてラヴィラヴァが盾となっている間に、バルタンがザンギャバス大帝の間合いから離脱する。そして隙を見たりと、能力「秘密のバルタンズ(シークレット・サービス)」を発動する。
呼び出すは数十体にも及ぶミニ・バルタンズ。その可愛い姿にも関わらず、貰えるものは貰って仕事をするプロフェッショナルである。
「ゴー! バルタンズ!」
「バルルー!」
バルタンはお駄賃を支払って、バルタンズに号令を下す。狙うのは先回りして巨大鮫をザンギャバスが近づく前に追い払うことだ。
同じくセイレーンの加護を受けているミニ・バルタン達に深海の影響はない。むしろ小さい故の機動力と数で巨大鮫を着実に追い払っていく。
「ラヴィラヴァ殿、コッチは任せてくだサーイ!」
「OK! それじゃたっぷりたらふく満足するまでオイラを召し上がれ♪」
そしてラヴィラヴァは能力「飢餓つくと肉肉しい惨劇(ラ・ファミーヌ・デ・ラ・ヴィアンド)」を発動させ、鮫の肉に擬態した肉塊を生み出す。バルタンによって巨大鮫が遠ざけられたザンギャバス大帝は、怪しいピンク色の肉塊であっても齧り付く。
飲み干して胃に到達した瞬間、ラヴィラヴァの肉塊は増幅を開始する。そしてその吐き気成分もまた増幅される形となり、ザンギャバス大帝の嘔吐を誘う
「ぐげええええええええええええ!」
内側のものを全部逆流されることでザンギャバス大帝の飢餓感はさらに促進する。そしてラヴィラヴァの肉塊は実は強烈に飢え続ける匂いを放っているが故に、食べた分だけ飢餓が増すという悪循環。
ラヴィラヴァはその逆流したザンギャバス大帝の胃液が混ざった肉塊を回収する。多少なりとも『鮫牙』の力を取り込めないとばかりに試してみたかったからである。
「勝利の暁には鮫肉で宴会だよ☆」
「……ふーむ。ヘイ、ザンギャバス! 生ばかりではなく、たまには自炊したらどうデスカ?」
暢気に鮫肉を夢想するラヴィラヴァに、その肉を食って惨状を晒すザンギャバス大帝のバルタンが苦言を呈す。あんな怪しい肉を食べるのが悪いと言わんばかりである。
だがザンギャバス大帝にとってはもはや二人は目に入らない。少しでも巨大鮫を食べなければ飢餓感はピークに達する。深海をかき分けて進むザンギャバス大帝。
「グリモアにいかなる因縁があるのかは知りませんが……これ以上の暴虐は赦さない!」
そんなザンギャバス大帝の側面を突くように突撃していたのがオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)。普段は柔和な笑みを浮かべるシスターであるが、今は水中での機動力を重視して競泳水着に着替えて苛烈な表情で敵に挑む。
黄金の穂先と白銀の柄からなる聖槍を構えての渾身の一撃であったが、ザンギャバス大帝の巨体の態勢を少し崩す程度であった。まさしく無敵の肉体で、そのままオリヴィアを握りつぶさんとする。
「一撃でも喰らえばそのまま押し切られる……!」
その巨体からのダメージを考慮し、自身の水中機動とセイレーンの加護を駆使してザンギャバスの手を回避するオリヴィア。翻弄しながら時間を稼ぐつもりであったが、ザンギャバス大帝はオリヴィアを纏わりつく虫程度にしか思っていないほど飢えている。
振り払うように巨大鮫の所に向かおうとするのを見ると、能力「灼烈轟雷槍(ブリューナク)」を発動させる。破邪の聖槍から凄絶な白き稲妻が迸る。
「轟け閃光、彼の者どもを灼き穿て――!」
白き雷が聖槍から蜘蛛の巣のように波状に広がり、ザンギャバス大帝と巨大鮫を痺れさせる。さらに水流に干渉する魔力を発動して渦を巻き起こし、気絶させた巨大鮫を水上へと押しやるオリヴィア。
さらにザンギャバス大帝にはさらに水底に押し込むによって餌がない状態へと追い込んでいく。さらに消耗ができればとオリヴィアが思っていたタイミングで、最高の助っ人が現れる。
「もうすぐ戦争は終わりですが……結局、お前を殺す事はできなかったですね」
シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)。己こそが至高の海賊だと証明する為に、七大海嘯に挑んで撃滅してきた「強欲」のシノギである。
だが彼女をもってしても『鮫牙』を滅ぼすことが能わない。己こそがこの海で、海賊として頂点に立つ存在だと証明できないことが残念無念な気持ちが支配する。
「あぁ、忌々しい鮫牙、バカに無敵能力を持たせるのは反則ですよ」
その瞳で睨みつけるは、迫り来るザンギャバス大帝。シノギの先に巨大鮫の大群がいるとなればなおさらであろう。
エィミーのセイレーンの加護に加え、自身にも深海の耐性があるシノギ。だが避けるのも面倒だという表情で立ち塞がり、肉体を侵食する猛毒を宿す蛇に噛まれるシノギ。
「あ?」
「面倒くさいのでもうできるだけ勝手に自滅してほしいのですが…お前程度の猛毒、むしろ我が呪詛毒の足しにしてやります」
そう言って体内にザンギャバス大帝の猛毒を取り込み、自身の呪詛毒とブレンドしていくシノギ。恐るべき毒耐性であると同時に、新たなる毒を生み出す蟲毒。
呪詛による毒は彼女を死に至らしめるものではない。むしろシノギを新たなるステージへと旅立たせてくれるプレゼントである。
「ふふふ。手伝ってくれるのですよね、お前たち?」
「ふしゅ!?」
そしてそのまま能力「一大海嘯(グリードプール)」を発動させる。シノギの周りに現れるは操られてる感満載の大きな呪詛のアンテナを生やした100体にも及ぶ『鮫牙』ザンギャバス大帝の残滓であった。
その目的は『鮫牙』の飢餓状態を利用した、巨大鮫の捕食である。我先と巨大鮫に殺到する『鮫牙』の残滓。ザンギャバス大帝も押しのけようとするも、無敵性もある程度引き継いでいるので中々倒すこともできない。
「勝手にお前達で戦っててください」
そうやってシノギの『鮫牙』の残滓とザンギャバス大帝の醜い巨大鮫争奪戦を眺めているシノギ。その瞳は冷淡であったが、もはや勝負はあっという目であった。
なぜならばザンギャバス大帝に狙いを定めて、聖槍を構えているオリヴィアを見たからである。そこから投げ込まれるは白き稲妻を宿した聖槍。
「ここで撃滅できないのは癪ですが……!」
そう言って渾身の投擲をザンギャバス大帝に撃ち込む。そして放出される「灼烈轟雷槍(ブリューナク)」の白き稲妻。再び身体に麻痺が走る間に、シノギの『鮫牙』の残滓達が巨大鮫を喰らっていく。
もはや飢餓感は活動停止を判断するほど進み、ザンギャバス大帝は獅子のような姿になる。そしてそのままこの海域を離脱していくのであった。
ラヴィラヴァは喜び、バルタンとハイタッチをする。聖槍を回収して海を泳ぐオリヴィアをシノギが迎い入れる。それぞれがそれぞれの仕事を果たした末に掴んだ勝利であった。
巨大鮫達もザンギャバス大帝に食われることなく、その海域を遊泳することに戻る。だがこれだけの巨大鮫、普通ならば危険地帯ではと、鮫牙島の危険性に関しては考えないようにする猟兵であった。
『鮫牙』ザンギャバス大帝は無敵であろう。だがその活動はこれから大きく停滞に入ることになるだろう。それは猟兵達が追い込んだ飢餓によるものなのは、誰にでもわかることであった。
大成功
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