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羅針盤戦争〜蕩ける虚無

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #六の王笏島

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●蕩ける虚無
 その男は――グリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラであった。
「遂に猟兵共は、我らが座標を指し示す羅針盤を手に入れた」
 多世界侵略船団コンキスタドールが、逆に他者の侵略を許すとは、と――虚無たるその身を揺らめかせる。
 その手にもつは銀と金の大鋏。紳士然としたその格好は――アリスラビリンスの力を含んだもの。
 ふたつのメガリス『分身を作るヤヌスの鏡』と『死者の力を奪う玉鋼の塗箱』はそれぞれ「『自分を切り裂くと自分が増える『銀の鋏』」と「切り裂いた敵の能力をコピーする『金の鋏』」へと姿を変えていた。
 だが、大いなる神が「静観せよ」と宣う意図も分かる、と紡ぎ虚無を零す。
「猟兵共の扱う秘儀、あれはまさしく、わが麗しの姫君が恐れし『グリモア』に相違あるまい」
 現状を維持していれば、いずれ彼奴らの拠点に通ずる蒼海羅針域を開拓する事もできたであろう――男はそう考える。
 けれども。
「だがそれは、喉元に刃を突きつけられた今、行うべきではない」
 男は、七大海嘯『王笏』カルロス・グリードは表情のみえぬ真っ暗な顔で零す。
 それは形容でも何でもなく、真っ暗なのだ。
 そしてここは――六の王笏島。
 虚無と化した漆黒の体にて、カルロス・グリードは全てを飲み込まんとしていた。

●予知
 わしが皆を送るのは『六の王笏』のおる場所、と終夜・嵐吾(灰青・f05366)は紡いだ。
 其処に居るのはグリードオーシャンのオブリビオン・フォーミュラの分身体。
 それは、アリスラビリンスの力を具現化した存在だという。
 ふたつのメガリス『分身を作るヤヌスの鏡』と『死者の力を奪う玉鋼の塗箱』はそれぞれ「『自分を切り裂くと自分が増える『銀の鋏』」と「切り裂いた敵の能力をコピーする『金の鋏』」へと姿を変えてカルロス・グリードは保持しているのだ。
「カルロス・グリードの分身体は、必ず先制攻撃してくる」
 その攻撃から逃れる事は不可能、絶対その身に受けると、嵐吾は言う。
 しかし、そこで倒れるか――それとも踏みとどまるかは、皆次第であろうとも続けた。
「相手は一人。こちらは多数おる。一撃を重ねていけば、倒すことは必ずできるじゃろう」
 皆にはいかに攻撃をくらっても耐え、そして一撃をかけるか。
 それを考えて向かってほしいと、よろしく頼むと紡いで嵐吾は手の内のグリモアを輝かせた。


志羽
 御目通しありがとうございます、志羽です。
 詳細な受付期間については【マスターページ】【シナリオ上部のタグ】で案内しますのでお手数ですが確認お願いいたします。
 プレイングが送れる限りは送って頂いて大丈夫ですが、すべて採用となるかどうかはわかりません。
 少人数描写になると思います。

●シナリオについて
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「羅針盤戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

●プレイングボーナスについて
 プレイングボーナスは『敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する』です。

 敵は必ず先制攻撃してくるので、いかに防御して反撃するかの作戦が重要になります。
 初撃をかわすことはできません。事前にユーベルコードを使用して、などの準備はできません。

●他
 難易度相当の判定をいたします。
 戦闘もですが、最終的には心情、心の強さでもって立っているようなものになると思います。

 技能はどう使うか。こういう風に動く、などと具体的にお願いします。数値によっての判定も行いますので、数値が高いほどプラス判定となります。
 が、技能いっぱいだと目が滑ってしまうことが多々なので、核となる技能と、それを支えるいくつか、という感じだと当方が活かしやすいです。
 ただ見切る、盾受けする、といった感じでは攻撃をくらって倒れるものとお思いください。なるほど、と思わせるような技能の使い方は高得点です。
 が、技能が並んでる感じですと、描写はさらっとめになります。戦いの内にも己を含めていただけると幸いです。

●お願い
 グループ参加などの場合は、ご一緒する方がわかるように【グループ名】や【ID】を記入していただけると助かります。また、失効日が同じになるように調整していただけると非常に助かります。
 プレイング受付についてはマスターページの【簡易連絡】にて案内いたします。
 受付期間外に送って頂いたプレイングについてはお返しします。ご協力よろしくお願いします。受付期間中であれば再送については問題ありません。

 以上です。
 ご参加おまちしております。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『六の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    メガリス『銀の鋏』
自身の【体をメガリス『銀の鋏』で切り裂くこと】を代償に、【新たな自分】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【全てを飲み込む『虚無と化した漆黒の体』】で戦う。
SPD   :    メガリス『金の鋏』
【メガリス『金の鋏』の刃】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、メガリス『金の鋏』の刃から何度でも発動できる。
WIZ   :    虚無なる起源
自身が【地面や床に足を付けて】いる間、レベルm半径内の対象全てに【全てを飲み込む『虚無と化した漆黒の体』】によるダメージか【飲み込んだ物体を分解吸収し力と為すこと】による治癒を与え続ける。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

篝・倫太郎
先手取ってくる、か……
いつもの事だけど、ほんと厄介だわ
でも、それをやり過ごさねぇと一発ぶち込めねぇってンならやるまでだ

先制対応
オーラ防御は常時展開
切り裂く範囲や規模に注意しながら
見切りと残像で回避
新たな分身体には接近しすぎないよう注意して立ち回る
回避不能時はオーラ防御で防いで
華焔刀で武器受けからのジャストガード
倒れないという覚悟を持って直撃回避
負傷は激痛耐性で耐えて以降の攻撃に生命力吸収上乗せで対処

手をつなぐを代償に始神界帰使用
衝撃波と吹き飛ばしを乗せた華焔刀でなぎ払い
当人と新しい分身体、纏めて範囲攻撃
フェイント混ぜつつ刃先返して2回攻撃

……最後に立ってた側が勝ちだ
その礎くらいにはなってやるさ



「先手取ってくる、か……」
 広がる闇の色を目に篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は零す。
 いつもの事だけど、ほんと厄介だわと苦笑交じりに落として。
「でも、それをやり過ごさねぇと一発ぶち込めねぇってンならやるまでだ」
 倫太郎は敵へ、カルロス・グリードに向かって走る。
 カルロス・グリードは銀の鋏を躍らせた。その刃で己の身を斬り裂けば『虚無と化した漆黒の体』をもつカルロス・グリードの分身体が現れる。
 現れたそれは――倫太郎の姿を見つけて向かってくる。
 きた、と倫太郎はそれに接近しすぎないように注意していた。
 しかし、その体は溶けるように広がり、倫太郎へと掴みかかるように広がった。
 回避は、できるかできないか。
 できなさそうだとオーラで防ぐ倫太郎。華焔刀でその身を流すように受けて、直撃をさける。
 しかし、襲ってくるそれは完全にいなすことができなかった。
 触れた闇が倫太郎の身の上走る。
 痛みもある。けれどそれは絶えて、堪えて――自分がかける攻撃でその生命力を貰いうめればいいだけだ。
 己の持ちうるものを、ひとつ代償にして。
「今ここに戻れ、カミの力」
 倫太郎は華焔刀に神力を宿す。ぐっと柄を握り大きく振りかぶり、衝撃波と吹き飛ばしを乗せて薙ぎ払った。
 最初に捉えたのは分身体だ。
 そして、その衝撃波は本体たるカルロス・グリードへも届く。
 そのまま、華焔刀を振りぬくとみせかけて――くるりと回して倫太郎は再びその刃を躍らせた。
 カルロス・グリードのまっくらな体を切り裂くが、その身は揺らめいてすぐに繋がってしまう。
「……最後に立ってた側が勝ちだ」
 その礎くらいにはなってやるさと一撃見舞う倫太郎。そう思うのは、この後続く者達がいることを知っているから。
 カルロス・グリードは猟兵がいくらきても飲み込んでやると、その闇へと倫太郎を沈めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神宮時・蒼
…いろんな、カルロス、グリードと、戦って、きました、が、お顔が、無いのは、初めて、です…

【WIZ】

気休めかもしれませんが、「結界術」を纏って少しでもクッションに
足を、地面や床に付けてなければならない、という条件があるのなら
「全力魔法」と「範囲攻撃」で、威力を拡大した「属性攻撃」で大地を割ってしまえばどうでしょうか
安定した足場が無ければ誰しも体勢を崩すでしょう
それで足りぬのなら、彩花万象ノ陣で地割れを引き起こしましょう
地割れに呑まれてしまえば、虚無となるのは難しいかと

もしや、メガリスの使い過ぎで、己が姿すらも見失ってしまったのでしょうか
そうだとしたら、なんて哀しい末路、なのでしょうね



「……いろんな、カルロス、グリードと、戦って、きました、が、お顔が、無いのは、初めて、です……」
 神宮時・蒼(迷盲の花雨・f03681)はカルロス・グリードの姿を見詰めていた。
 このカルロス・グリードはアリスラビリンスの力を得た姿だという。
 気休めかもしれませんが、と蒼は結界術を纏って彼と対した。
 カルロス・グリードは蒼の姿を見つけるとその身をのばして、襲い掛かる。虚無と化した漆黒の体が蒼を飲み込もうと伸ばされていた。
 地面を這って、捕えんと。迷うことなく真っすぐと向かってくる。
 しかし蒼は、それがカルロス・グリード自身が足を地面などにつけていなければならないことを知っている。
 それなら――その足元がおぼつかなくなれば。
 全力で、魔法を――そして威力を拡大した力でもって蒼は大地を穿つ。
 地面が揺れて、割れて。
 カルロス・グリードはそれに巻き込まれぬように動く。
 そうすると、その体は攻撃を一時やめ逃げる。
 しかし――その対処は攻撃へも変わる。
「……踊れ、幾多の色彩、抱く、花脣。……其れは、奇跡。……幻想よ、現に至れ」
 割れた地面はさらに伸びカルロス・グリードを呑もうとする。
 呑まれてしまえば虚無となるのは難しいだろうから。
 その、簡単に揺らぐ体を見詰めつつ蒼は思う。
「もしや、メガリスの使い過ぎで、己が姿すらも見失ってしまったのでしょうか」
 そうだとしたら――
「なんて哀しい末路、なのでしょうね」
 蒼はぽつりと、呟いた。
 揺らぐその身が割れた大地に呑まれて――しかしそれは簡単には絶えぬのだと、這いあがってくる。
 人の形をとり、そして再び蒼を捉えんと、呑み込まんと伸ばされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

栗花落・澪
敵の先制は【オーラ防御】しつつ
出来れば【空中戦】回避か
【高速詠唱】で氷魔法の【属性攻撃】によって即席で氷の盾を作り
敵の鋏を弾きたいな

ただ、万一傷を受けても【激痛耐性】で耐え

コピーされても構わないけどね
その技、貴方がちゃんと活かしきれるのなら

僕の十八番は破魔
破魔は文字通り、魔を祓う為の技
僕のユーベルコードは元々
敵味方関係無く、あんたみたいな奴にしか効かないよ
だから正直使い所選ぶんだけどね

僕に破魔は効かない
目眩しにはなるかもしれないけど
【聞き耳】で音を聞き取れば位置把握は出来るし
なにより範囲攻撃だからカルロスさん自身も食らうんじゃない?

本物を見せてあげる
【破魔】を乗せた【指定UC】で【浄化】攻撃



 その姿を目に、栗花落・澪(泡沫の花・f03165)は守りを固めて、小さく羽ばたいた。
 猟兵か、と小さくその虚無の、漆黒の体が波打った。
 その手にある金の鋏を取り廻し、カルロス・グリードは澪へと向かう。
 伸ばされたその虚無の体の先で金色が閃いた。
 澪の下へと一気の伸びるその先。澪はオーラで守りを固めつつ、軽く後ろに飛んでそれを避けようとする。
 けれどそれだけでは――間に合わないと本能は語る。
 咄嗟に紡いでいたのは氷魔法だ。
(「即席だけど……!」)
 何もないよりは、己の身を守れる確率は高くなる。
 氷の盾を作り、その鋏の切っ先を受ける澪。けれど盾は砕け散って、その身を僅かに切り裂いていく。
「!」
 けれど、身体の中心をからそれてカルロス・グリードの狙いからは外していた。
 一手、防いだ。けれどあの金の鋏は、と澪は見詰める。
 あれはユーベルコードをコピーするものだ。
「コピーされても構わないけどね」
 その技、貴方がちゃんと活かしきれるのなら――そう、澪は思う。
 それは己の十八番は破魔の力。
 破魔は文字通り、魔を祓う為の技なのだ。
「僕のユーベルコードは元々、敵味方関係無く、あんたみたいな奴にしか効かないよ」
 その、虚無の体――あふれる闇のいろ。
 その光を、浄化の力をその闇は受け止めることができるのか。放つことができるのか。
「だから正直使い所選ぶんだけどね」
 でも今は、まさに出番というところ。
 澪自信に破魔は効かない。魔ではないのだから。
 カルロス・グリードが、お前の技だと――紡ぐ。
 金の鋏から、そしてその虚無たる闇の体から放出される光は、澪の身に何ももたらさない。
 少しだけ、眩しいと瞳眇める程度だ。
 対して、カルロス・グリードのその身は形を成すことに揺らめきを起していた。
「本物を見せてあげる」
 それは本当の浄化の光ではない。澪は紡ぐ。
 全ての者に光あれ、と。
 その身から魔を浄化する光を放てば、カルロス・グリードの体は端から消えていく。
 破魔の力を乗せて。澪の周囲から、光が満ち溢れ闇を払っていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クロト・ラトキエ
貴方、暗器の心得はお持ちで?
それともその鋏、分解とか出来ましたり?

答えは期待してませんが。
他者のUCが利用される、又は書き換わる可能性を考慮。
彼の視線。鋏の切先、持つ手の角度。
近接なら踏込み、遠距離なら放つ兆し…
視た全てを見切りに注ぎ、
且つ“刃の前に立たぬ様”立ち位置を留意。
…あの刃部分が、写し、放つ起点なれば。

彼の模写した、或いは他のUC知識を基に、
移動し、鋼糸で空中も駆け、回避に注力。
攻撃は隙を見てのカウンター。あくまで剣技を以て。
…無論、只動き回っている筈も無し。
地を這わせ、高所に掛け張り巡らせる鋼糸は伏線。
狙いは…鋏以外。斬り断て
――拾式

ですから聞いたでしょう?
遠回しに、真似出来るかと



 その場所に降り立って、クロト・ラトキエ(TTX・f00472)はカルロス・グリードがその手に持つ、金と銀の鋏を目にした。
 そしてふわりと、笑み向ける。
「貴方、暗器の心得はお持ちで? それともその鋏、分解とか出来ましたり?」
 クロトは問いかけるが、カルロス・グリードの答えは期待していない。
 カルロス・グリードはその虚無の顔をクロトへと向けるだけで、その問いに答えを返すことはなかった。
 クロトも、カルロス・グリードの動きを追っている。その鋏の先はどちらへ向くか、それを持つ手の角度はどれほどか――得られる情報を得て、クロトは動く。
 近づいてくるのか、それとも遠距離のままか――そしてあの鋏、その刃の前に立たぬように往く。
(「……あの刃部分が、写し、放つ起点なれば」)
 思考を重ねながら動くクロト。カルロス・グリードも、立っているだけではなく動いているのだから情報はすぐに書き換えられていく心地だ。
 クロトに近づくべく距離詰めてくるカルロス・グリード。深く一歩を――虚無の身が滑るように進んで。
 金色の鋏が振るわれる。その刃からユーベルコードが放たれることなく、ただ武器として振るわれる。
 その先を鋼糸で絡め手閉じ、攻撃ずらしてクロトは避ける。回避に注力しその時を迎えるために。
 鋼糸は地を這い、高所には張り巡らされている。
 鋏を奪われるかと、カルロス・グリードはそれを渡さぬように動く。しかしそれは伏線で――クロトの狙いは、その手にある鋏以外だ。
「――拾式」
 遍く張り巡らされた鋼糸をもって、それは放たれる。
 精緻に制御された多方向からの斬撃がカルロス・グリードの虚無の体の上を幾重にも欠けていく。
 その一端を鋏でも咄嗟に受け止めたがそれよりも、身を斬る方が多く、早い。
「ですから聞いたでしょう?」
 遠回しに、真似出来るかと――カルロス・グリードへとクロトは投げかけた。
 それに返される言葉は、ない。ただその身が揺らめくのをクロトは見詰めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イスラ・ピノス
確かにオウガ・オリジンを思い出す姿
あの時はお料理で戦えたんだけど、こっちはそうはいかないね
気合入れて行くよ

漆黒の体は範囲が広すぎて耐えるしかなさそう
ソーダオーラの防御をめいっぱい広げ弾けさせて直接触れるのを出来るだけ抑えるように立ち回るよ
足元が発動の軸なら跳んでみるのも試すね
虚無にオーラ全開で抵抗するよ

先制を一先ず凌いだら急いでこっちのターン!
シェイプ・オブ・ウォーター!で水槍と渦を叩きつけて深海へ。
渦や攻撃で足が着くのをとにかく邪魔するね。
持てる武器に水槍ありったけ撃ち込んで余裕を与えないように!攻め切るね!
この深海もこの世界の姿の一つ。
僕の世界を守るために、あなたの好きにはさせないよ!



 まっくらな、虚無の体に金と銀の鋏をもって。
 カルロス・グリードの姿を目に、イスラ・ピノス(セイレーンの冒険商人・f26522)は――ある少女の事を想い出す。
 アリスラビリンスのオウガ・オリジンたる、あのまっくらな顔の少女のことを。
「あの時はお料理で戦えたんだけど、こっちはそうはいかないね」
 気合入れて行くよ、とイスラは走る。
 カルロス・グリードはイスラの方へ体を向け――その、虚無の体、闇色の身をのばしイスラへと襲い掛かる。 
 範囲が広いとイスラはその身が広がる範囲を目で追って、耐えるしかなさそうと動く。
 けれど、その虚無の体から守る術もイスラは持っていた。
 ソーダオーラをめいっぱい広げ、弾けさせて。その闇が伸びてきても直接触れるのを出来るだけ抑えるようにする。
 足元から伸びてきて、イスラを捕まえようとするそれ。
 ふれた一瞬のうちに弾けさせ、跳んで距離をとる。
 虚無に抵抗していくうち――カルロス・グリードの動きが一瞬止まる。
 その瞬間を見逃さず、イスラはソーダ水を躍らせた。
「こっちのターン! ごあんなーい!」
 ソーダ水が槍を象る。それと共に渦潮がカルロス・グリードの虚無の体を巻き込むように払いのけ、その足が地に着く時間を奪い深海として、場を奪う。
 カルロス・グリードの足が地から離れた所へ――イスラは水槍をいくつも生み出し撃ち放った。
 ありったけ、できるだけの攻撃を打ち込んで余裕を与えないように。
「この深海もこの世界の姿の一つ。僕の世界を守るために、あなたの好きにはさせないよ!」
 水槍が連なって、虚無の体を穿って、打ち抜いて。
 その身が削れるように弾けるけれど、すぐにまた元通り。戻るならまた打つだけと、イスラの攻撃は重ねられる。
 カルロス・グリードの身は貫かれることに何度も揺らめいて、虚無の終わりがすぐに訪れることはなかったが――それでも、一端が失われているのは確かなことだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ナイ・デス
オウガオリジンさん、猟書家にカルロスさんにと、大勢に力、奪われていますね……いえ、奪ったのでは、ないのかも、ですが

なんにせよ、倒します。これ以上、侵略はさせません

全てを飲み込む体……ですが、鋏で切り裂けています
それに、服を着ている……飲み込まないようにしている、ですよね
それなら……

【カウンター】で、本体まで一気に踏み込んでの一撃、狙います
【第六感】で【見切り】
【かばう】腕……半身以上飲み込まれるのも【覚悟】で……犠牲に、くぐり抜けて
【激痛耐性】怯まず【推力移動ダッシュ】一気に本体へ踏み込みながら

『リベレイション』

【継戦能力】再生、戦闘力増強
【怪力、鎧無視重量攻撃】服の上から、殴り飛ばします!



 戦いを重ねてきたカルロス・グリードは、己の力が削られ衰えていることも感じていた。
 だが、まだ猟兵に後れを取ることはないと――思っているのだろう。
 そしてナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)の姿を認めてもいた。
「オウガオリジンさん、猟書家にカルロスさんにと、大勢に力、奪われていますね……いえ、奪ったのでは、ないのかも、ですが」
 揺らめく虚無の体。それは表情などなく、見て取れるものは――ない。
「なんにせよ、倒します。これ以上、侵略はさせません」
 敵であるのだから、倒さねばならないとナイは知っているのだから。
 カルロス・グリードは己の身を銀の鋏で切り裂いて虚無の体を零す。
 それはカルロス・グリードと同じ体を持ちナイへと向かってきた。
「全てを飲み込む体……ですが、鋏で切り裂けています」
 それに、とナイは考察する。
(「服を着ている……飲み込まないようにしている、ですよね
それなら……」)
 そう考えていると分身がナイへと手を伸ばす。掴み、呑み込むように溶けるその身がナイの力を奪うのだ。
 半身以上飲み込まれる。しかしそれを犠牲にしても潜り抜ける覚悟をもって突き抜けるように動いて、一気に本体へとナイは踏みこんだ。
 ちぎれるような痛みを感じつつも、ナイは。
「リベレイション」
 全身を黒剣、ダイウルゴスの彫像と融合させ鎧で覆う。それと共に己の身を再生し、失われた分を上乗せしてナイはその服の上からカルロス・グリードを殴り飛ばす気の一撃を向けた。
 カルロス・グリードの虚無の体が揺らめいて、ダメージは入っているのだろう。
 しかしその場で新たに生み出された分身がナイを飲み込んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メアリー・ベスレム
ごきげんよう。誰かによく似た貌無しの王様
あら、貌が無いのに「似ている」だなんて!
それってとってもおかしな話ね

先制攻撃されるとしても
コピーはこちらが攻撃しないとできないかしら
【野生の勘】で致命傷は避けながら
【激痛耐性】で初撃を耐えて反撃を

【アリスの断頭斧】を取り出して
【ジャンプ】刃の重さも上乗せし
【重量攻撃】叩き込む

そうしてコピーされたとしても
そのままじゃ重くて鋭いだけの刃
アリス達の怨念を最大限に開放し
威力を増加してまた斬り付ける

まぁ、大変
あなたがあまりに誰かに似ているものだから
この子達も抑えが効かないみたい
そんな怨念までコピーしてしまったとしたら
あなたに使いこなせるのかしら?
その隙狙って攻撃を



「ごきげんよう。誰かによく似た貌無しの王様」
 メアリー・ベスレム(WONDERLAND L/REAPER・f24749)は笑って、カルロス・グリードの前に立つ。
 そしてぱちり、瞬いてみせた。
「あら、貌が無いのに『似ている』だなんて!」
 それってとってもおかしな話ね――とメアリーは笑う。
 まっくろな、虚無の体のカルロス・グリード。
 それはアリスラビリンスのオウガ・オリジンと似て。全く同じものか、それとも別のものなのか。
 どちらでも、遊んでみればわかるかしらとメアリーは跳ねる。
 カルロス・グリードはその身を捉えるべく銀の鋏を躍らせる。
 その鋏は、ユーベルコードを受けなければコピーはしない
(「コピーはこちらが攻撃しないとできないかしら」)
 それでも攻撃をされるのを馬鹿正直に受ける気はない。野生の勘で鋏の切っ先がどこから来るのか。
 メアリーは感じて躱して、致命傷を裂けていく。
 その刃はメアリーの身を斬り裂いて、あかあかと――血の色を零す。
 痛みはある。その痛みをこらえながらメアリーはその手に掴むのだ。
 高い位置に躍り出るように跳ねあがって。
「さぁ、みんな起きて? 復讐の時間よ!」
 メアリーの手に乗るのは、大斧の柄。それは『召喚断頭台』の刃を勝手に転用した大斧だ。
 カルロス・グリードを見下ろす。空で回って、刃の重さを上乗せして――のせきって、ただただ叩き込む。
 コピーされても、いい。
 だってそのままではただ、重くて鋭いだけの刃になるだろうから。
 それなら――メアリーは、アリス達の怨念を最大限に開放し、威力を増してまた斬りつけるだけだ。
「まぁ、大変。あなたがあまりに誰かに似ているものだから」
 この子達も抑えが効かないみたい――斬りつける威力は増して膨れ上がるばかり。
 抑えきるかしら――そう思うけれど、違うわ、とメアリーは思う。
 抑えきる必要はなくて、好きにさせてあげられるかしら、と。
 そして。
「怨念までコピーしてしまったとしたら、あなたに使いこなせるのかしら?」
 カルロス・グリードの鋏も、メアリーの手にあるそれを真似て変ずるが威力はそれほどでもなく。
 ほうらやっぱり、と笑って更なる怨念乗せて一撃を向ける。

大成功 🔵​🔵​🔵​

日輪・黒玉
何処かの大魔王ほどではありませんが、いくつもの異なる姿、能力で戦うとは面妖な
どんな敵だろうと黒玉の全力を以て狩って差し上げます

初撃はあの鋏で必ず受け止められる
しかもその一撃をコピーしてくる
ですが、真似するのはその技だけというのなら隙はあります

貴方の速度と臭いは初撃で覚えました
狙われるのは死角、狼の嗅覚でどの死角から攻撃が来るかを察知
タイミングも覚えた速度から予測できる
攻撃に合わせてこちらも威力の上がった蹴りにてカウンターを狙った蹴りで打ち込みます

無論私の体も無事ではすまないでしょうが……
誇り高き狼の技をタダで猿真似できるとは思わないことです



 その虚無の体、顔からは何も見て取れない。
 カルロス・グリードを前に日輪・黒玉(日輪の子・f03556)はその姿を観察するかのようでもあった。
「何処かの大魔王ほどではありませんが、いくつもの異なる姿、能力で戦うとは面妖な」
 しかし――敵は、敵だ。それは何があっても変わらない。
「どんな敵だろうと黒玉の全力を以て狩って差し上げます」
 黒玉はどう戦うかを考えている。
 最初の攻撃は、あの銀の鋏で必ず受け止められるだろう。そしてその一撃をコピーしてくるという。
(「ですが、真似するのはその技だけというのなら隙はあります」)
 しかしカルロス・グリードも黙って立っているわけではなく銀の鋏を使い攻撃をかけてくる。
 その攻撃を受けて、かわして黒玉は覚えていくのだ。
「貴方の速度と臭いは初撃で覚えました」
 死角から来る――狼の嗅覚がそれを告げる。タイミングも覚えた速度から予測できる。
 黒玉にむかう攻撃がある。それを――かわして。
 タイミングを合わせて逆に仕掛けていくのだ。
「私を捉えることも、私から逃げることも……貴方には叶わない」
 敵の資格に一瞬で回り込み、最高速度の蹴りを黒玉は叩き込む。
 銀の鋏がそれを僅かに受け止めて、同じようにカルロス・グリードが、すぐさま攻撃をかける。
 振り上げられる虚無の身、その足が黒玉を捉える。
(「無論私の体も無事ではすまないでしょうが……」)
 それは覚悟していたことだ。戦いで絶対はないのだから。
 しかし――ただ一方的にやられるつもりはない。
「誇り高き狼の技をタダで猿真似できるとは思わないことです」
 攻撃を受けても、まだ立っていられた。
 黒玉は、もう一撃と再びその懐へと飛び込むと見せかけ、死角へと回り込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィクトル・サリヴァン
死者の力を奪うのと分身を作る…そんなのを使うこのカルロスに『自分』はあるのかな。
虚無虚無しい王笏に負けるのは少しばかり頂けない。
飲み込み切れない位の全力をぶつけてやろう。

漆黒の体で攻撃には激痛に耐えつつ高速詠唱、使い慣れた水魔法でカルロスの足元をぬかるませ底の深い沼を生じさせる。
脱出の為に跳躍したら強烈な水圧かけた鉄砲水で空中のカルロス狙い更に高くに吹き飛ばす。
お手玉の要領で地に足つけさせないようにしつつ少しでもUC使用できるまでの時間を稼ぐ。
UC使用できるようになったら俺や負傷者に使用し生命の速度を加速、虚無のカルロスに電撃属性纏わせた銛を全力で投擲しぶち抜いてやろう。

※アドリブ絡み等お任せ



 虚無の体をもって猟兵を待ち構えるカルロス・グリード。
 ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)はその姿を目に思う。
「死者の力を奪うのと分身を作る…そんなのを使うこのカルロスに『自分』はあるのかな」
 他の世界を真似た力をもった分身たち。
 目の前にいるカルロス・グリードはアリスラビリンスの力をもったものだ。
 虚無虚無しい王笏に負けるのは少しばかり頂けないとヴィクトルは、正面から対する。
「飲み込み切れない位の全力をぶつけてやろう」
 その様子にカルロス・グリードは虚無の体をのばして――攻撃を仕掛ける。
 足元から伸びたそれがヴィクトルへと襲い掛かる。
 飲み込む、その勢い。カルロス・グリードからの攻撃をヴィクトルは痛みに耐えつつ使い慣れた水魔法を紡いでいた。
 それが向けられた先は――カルロス・グリードの足元だ。
 ぬかるませ、そこの深い沼とする。
 己の足元が揺らいだカルロス・グリードはそれより抜けようとする。
 その動きはヴィクトルが予想したとおりだ。抜けるために跳躍すれば、足が地から離れヴィクトルを呑もうとしていた虚無の体が引いていく。
 そしてその瞬間、ヴィクトルは強烈な水圧かけた鉄砲水を放ちカルロス・グリードをさらに高い場所へと吹き飛ばした。
 お手玉の要領と同じだ。吹き飛ばして、地に足つけないように――
「ちょっと痺れるよ」
 狙い定める。
 ヴィクトルは生命活動の速度を操作する電撃を纏う。それは己には治療のために。
 そしてその雷撃をヴィクトルは三又銛に纏わせた。
 ヴィクトルはそれを全力で投擲し、カルロス・グリードへと投げ放った。
 真っすぐにすすむそれはカルロス・グリードの身を打ち抜く。
 その身に穴が開くがすぐに虚無の体が繕っていく。
 カルロス・グリードはダメージを受けながら地に降り立ち、再びその虚無の体をもって飲み込もうと襲い掛かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
…実は前々から不思議に思っていたの

戦争に参加する猟兵の賞金額をドンドン釣り上げる割に、
焦った様子も見せないお前達の事が…

…だけど成る程。ようやく疑問が解けたわ
その鏡のメガリスで金貨を増やしていたのね?

王だの何だの名乗りながら裏で必死に金策をするなんて…お可愛いこと

…等々、挑発して敵の微かな殺気や闘争心を見切り、
"精霊石の耳飾り"を用いて虚の精霊に祈りを捧げ、
虚属性のオーラで防御して敵UCを受け流しUC発動

…我が身を護れ虚の理。無への回帰に抗いて…

…そして、我が手に宿りて刃となれ…!

両掌に虚属性攻撃の魔力を溜めて両手を繋ぎ"虚属性の闇"剣を形成
敵の懐に切り込み虚無剣をなぎ払い敵の肉体を切断する



 幾人もの猟兵が挑んだカルロス・グリードはまだそこにいる。
 しかし、きっともう、終わりも近いのだろう。
 その虚無の体が揺らぎ始めているようだった。
「……実は前々から不思議に思っていたの」
 そんなカルロス・グリードの前に立ったのはリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)だ。
 リーヴァルディはぽつりと、なげる。
「戦争に参加する猟兵の賞金額をドンドン釣り上げる割に、焦った様子も見せないお前達の事が……」
 それが不思議だったのだ。その賞金はどこから払うつもりでもあるのかも。
 しかし、その謎も合点がいったというようにリーヴァルディは視線を向ける。
「……だけど成る程。ようやく疑問が解けたわ」
 その鏡のメガリスで金貨を増やしていたのね? と視線向けるのは――今は鋏と姿を変えているメガリスだ。
「王だの何だの名乗りながら裏で必死に金策をするなんて……お可愛いこと」
 そんな相手に、負ける気もなく。
 投げかけたのは挑発だ。それで心揺らぐのなら動きを見きりやすくなるだろう。
 リーヴァルディは精霊籍の耳飾りに僅かに触れて、虚の精霊に祈りを捧げる。
 カルロス・グリードが足元から伸ばす虚無の体――それを同じく虚のオーラで守り受け流すために。
 カルロス・グリードの攻撃は、纏ったオーラの上を流れていく。
「……限定解放。テンカウント。吸血鬼のオドと精霊のマナ。それを今、一つに……!」
 そしてリーヴァルディは己の技をもってカルロス・グリードへと向かう。
「……我が身を護れ虚の理。無への回帰に抗いて……そして、我が手に宿りて刃となれ……!」
 リーヴァルディは両掌に魔力を溜める。そしてその手を繋ぎ、虚の属性持つ闇剣を形成しカルロス・グリードの懐へと踏み込んだ。
 カルロス・グリードも己の虚無の体で身を守ろうとするが鋭い刃がそれを払い、やがて本体へも到達する。
 なぎ払われる、その一閃がカルロス・グリードの身を切断して。
 そして、カルロス・グリードの体は崩れていく。
 虚無の身は溶けるように消え去って、その後には何も残らなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月01日


挿絵イラスト