羅針盤戦争〜アツアツとモヤモヤのデスマッチ!
●暑い
「もう少しだ……」
カルロス・グリード――二の王笏は己が本拠地たる迷宮の奥でほくそ笑んでいた。
「あと約1週間、耐えきれば準備は整う……」
そのほくそ笑みに呼応するかのように辺りから蒸気が吹き上がる。
「この迷宮の奥まで猟兵共が来ることはできまい……つまり我の勝ちだ。
罠もしかけたしな……蒸気を辺り一面にばらまいて視界を塞ぐという……ははは……」
が、その顔には汗が流れていた。
「……暑いな」
そう、蒸気で視界不良にし、穴に落としたりする罠は完璧だ。
だが、蒸気を使いすぎて迷宮が暑くなりすぎたのは想定外だった――!
割と着こんでいるカルロスにこれはめっちゃ効いているのである! あ、おでこに熱だした時に貼る冷える奴貼ってる……。
●暑いんだってば
「王笏の依頼よ。今回は少し特殊」
そう前置きしてマリア・ルート(千年の王国から堕ちのびた姫・f15057)が語り始める。
「場所はこの島。二の王笏が本拠地にしている島ね。そう、二の王笏がターゲットよ」
だが、二の王笏までたどり着くにはなぜか迷宮を突破しなければならない。――で、その迷宮だが。
「結構罠があるのよね。まず、蒸気がすごくて視界が悪い。穴でもあろうものなら視界の悪さで落ちちゃう危険性は高いわね」
そしてもう一つ、一番重要なのが、そう。
「この迷宮、『暑い』のよ」
厳密には蒸気の使い過ぎの副産物なのだが、とにかく暑い。
「どれくらい暑いかというと、常時サウナにいる感じね」
そんな中で迷宮攻略という『運動』をすれば、どうなるかは――言うまでもないだろう。
「なんか対策しないと熱中症は免れないわね……ただ、それはカルロス自体も例外ではないわ。これをうまく使えばイニシアチブを取れそうね。それでもカルロスもカルロスで苦しみながらも先制攻撃してくるだけのタフさはあるから一概には侮れないわよ。実際組織も『高難度依頼』と認定したし」
一つマリアはため息をした。
「カルロスを倒せば蒸気も止まるかもだしさっさと帰ってきてほしいわね……みんなの安全と体調の為にも」
ある意味相当な覚悟がいりそうだ。マリアはグリモアを展開させながら言う。
「準備できた奴から送るわ。並大抵のものじゃ太刀打ちできないでしょうけどカルロスも計算外の事態に弱ってる。今がチャンスよ!」
そう言いながらグリモアの向こう側を見ると――蒸気まみれだった。
「……あっつっ」
コートを脱ぎながらマリアはそう締めた。いや暑かったんかい。ここまで伝わるんかい。
結衣謙太郎
最初書こうとしたのは極寒ネタだった。
結衣(戦争モード)です。
半分ネタ、半分シリアス気味。
以下詳細。
●メイン目標
迷宮を攻略し『『二の王笏』カルロス・グリード』を討滅。
●章構成
このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「羅針盤戦争」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。もう全部本拠地見つけたけど。
●ロケーション
前半は蒸気で視界が悪く、なおかつサウナ並みに暑い迷宮に挑んでもらいます。
足元とか視界悪くて危険です。あと暑さ対策は必須。でないと相当きつい状態でカルロスとの対峙になります。
後半はカルロス戦です。カルロスもまた暑さで弱ってます。ある程度対策はしてるけど。
先制攻撃あり。遮蔽物や穴は一切ないですが蒸気による視界の悪さと暑さは継続中です。
なお、前半の迷宮と先制攻撃に対処すれば特別プレイングボーナスが入ります。
●先制攻撃について
先制攻撃を持つ敵と戦う時、猟兵たちのコードはなんやかんやで必ず後手になります。
罠とかを張るなど先手が有利になるようなコードを使うときは要注意!
また、先制攻撃で来るコードは猟兵が使うコードと『同じ能力(POW・SPD・WIZ)』のコードによる攻撃が必ず飛んできます。
先制攻撃の対策で重要なことは、先制攻撃を『どうやって防いで、反撃に繋げるか』の作戦や行動です。対抗策を用意せず、ただ単に自分の攻撃だけを行おうとしても先制攻撃で大打撃を受けてしまい、敵にあまりダメージを与える事はできないと思われます。対抗策を用意した場合も、それが不十分であれば、苦戦や失敗となる危険性が高いので注意してください。
重要な点はもう一つあります。
先制攻撃は『ユーベルコード1回につき1回』繰り出されます。よって、2つ以上のユーベルコード使用、あるいは1つのユーベルコードの複数回使用は推奨されません。それだけ先制攻撃が飛んでくるので。
以上、先制攻撃についての注意点でした。ギミックの1つとしてご承知おきくだされば幸いです。
●備考
プレイングはオープニング公開後から受け付け開始します。
ただし全採用できない可能性がいつもより大きい点、ご了承ください。
また、このシナリオは高難度依頼、かつ決戦依頼です。
判定が1段階辛くなります。ご注意ください。
以上です。
それでは、この暑さの中立ち向かう皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 ボス戦
『『二の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 黄金なる王者
【背部に装着された魔導砲】が命中した対象に対し、高威力高命中の【連鎖するダンジョントラップ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ゴールデンレオ
いま戦っている対象に有効な【武装を生やした、機械仕掛けの黄金獅子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : スチームエンチャント
自身の装備武器に【罠と連動して威力を増す蒸気魔導装置】を搭載し、破壊力を増加する。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ラモート・レーパー
「この時期にか……熱い……」
お姉さんの姿でいどむ
UC対策
暑さで着ているローブを緩めて下着と汗ばんだ? 肌のチラリズムでちょっとしたお色気を仕掛ける。それと並行し自分が生物ではないことを利用し体温を可能な限り下げた状態で???で生成した鎖鎌を振り回し敵の武器と絡ませる。あとは鎖鎌を通じて敵の武器を冷やすことで結露により手を滑らせて奪う。
UCが発動出来るようになったら戦場の気温を一気に下げることによって、霧を通り越し敵を凍らせる。
こうして凍った敵を奪った武器でぶっ叩く
●寒いんだってば
「この時期にか……暑い……」
世間は冬、そんな中蒸気だらけの迷宮を吐息を吐きながら進むラモート・レーパー(生きた概念・f03606)がいた。
「暑いから早くカルロス倒して出よう……」
とはいえ迷宮への対策を忘れていたラモート、さっさとカルロスのもとに向かうのに必死だった。
『はははは、これは滑稽だ! 猟兵が見事に罠に引っかかったようだな!』
「うるさい……そっちも引っかかってるじゃん……」
かなーりヘトヘトのラモートがようやくカルロス(でこに冷える奴貼ってる)に会えばカルロスが大笑い。
『これは楽だな、遠慮なくいかせてもらおう』
カルロスが完全に慢心しながら蒸気魔導装置をジャコンと構える、と――
「ねえ……もう、僕、どうにかなっちゃいそう……一緒に……」
いつのまに肉薄したのかラモートがカルロスに接近し、暑そうにローブを緩めればそこから下着と肌(?)が――いや待て待て、この報告書をあーるじうごにする気か!?
『な、汝何を考えている!? 我は妻帯者だぞ!?』
スイートメロディアという妻がいるんですよねーこいつ。とはいえ、実はただお色気を仕掛けただけじゃない。
「ふーん……じゃあ、死んじゃって」
言うや否や鎖鎌が蒸気魔導装置に絡みつく!
『これくらい――!? ばかな……』
カルロスは驚いた。なぜなら、その蒸気魔導装置が結露していくのだから――!
――なにぶんラモートは『生きた概念』。それが羅刹という型を取っているに過ぎない。極小まで体温を下げるのは容易、そしてそのまま黒い鎖鎌を構えればそれが自然と冷気を纏うは自然。最初からこれを使えばよかったとは思うが、手の内を明かさない意味では序盤我慢してここで放つのも作戦の内だったか。
『くっ、湿っていて手がすべ――あっ』
ガシャン、と音を立てて蒸気魔導装置を落としてしまった! この時を待っていた!
「わーい、もらったー☆」
ラモートが子供のように素早く落ちた蒸気魔導装置を奪い取る!
『返せ! それは我の――』
「ああ、もういらないから死んじゃってね☆」
『え』
戦場が冷えていく。天変地異、この場を不毛の地と変えるラモートのコード。それはまるで氷河期を起こすかのように気温を強烈に下げていく。
「涼しくなりたいならそのように。もうそれはがした方が良いんじゃ――」
――そう呟きながら振り向くラモートの前にあったのはカルロスだった氷像だった。急激な気温低下に体が凍ってしまったのだ……
「――もう聞こえないか。ばいばい」
奪った蒸気魔導装置が牙をむく。破壊力を増したそれが凍ったカルロスを砕いていった。
『――いや危なかったぞ今のは! 危うく我が一撃で砕かれるところだった!』
「あれ、まだ生きてるんだ」
ギリッギリのところで致命傷を回避したカルロス。こうなったのはもはや悪運が強いとでも言おうか……しかし尻餅をついて二重の意味で震えながら後ずさっており恐怖を与えたのは間違いなかった。そう――奇遇にも彼女を構成する『死』への恐怖を。
成功
🔵🔵🔴
栗花落・澪
【高速詠唱、多重詠唱】で氷魔法と風魔法を編み込んだ【オーラ防御】で
自分の周りに冷風を纏いながら進みますね
一部の風魔法は★靴に回し飛べるところは【空中浮遊】
無理なところは【聞き耳】で蒸気機関の稼働音を聞き分け
【学習力】で罠がありそうな場所を推測
跳び越えながら進みます
冷風が続くうちに冷静に、けれど速やかに
敵の攻撃は罠攻略時点で纏ってたオーラ防御で身を護りつつ
出来れば跳躍回避を
受けても【激痛耐性】で耐え
初手回避さえ出来れば敢えてカルロスさんの顔面目掛けて
★杖ぶん投げて攻撃兼目眩しに
この狭い場所を戦場に選んだのは間違いだったね
迷宮を埋め尽くす【破魔】の【指定UC】で攻撃
炎だから暑さ的にも追撃になるかと
●低温からの急な温めはご注意を
「うわ、想像以上に暑いね」
蒸気で満たされた迷宮に次に入ってきたのは栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
「こんなところにいたら萎れちゃうよ……よしっ」
一つ魔法を唱えると澪は冷風を纏う。氷と風の魔法でできたそれは澪の周囲の蒸気を吹き飛ばし、視界の悪さと暑さから澪を守る。
「おっ、あっぶないなー、あそこに落とし穴あるじゃん」
視界が開けたおかげで落とし穴のある場所を飛んで渡ったりもお手の物! まあ飛び方は翼じゃなくて靴に風魔法を回してだけどね! 二つの方法で飛べるとは強い。
(あの辺とか罠ありそうだよね……)
飛んでいる間も駆動音と開けた視界から罠のありそうな場所を推測した澪。慎重に、かつ大胆に進んでいく。冷風が切れたら終わりだから――!
(――! かすかに見えた、カルロス! よし、また冷風はもう少しだけ続いている……行くぞ!)
「カルロス! ……カルロス?」
『ふむ? ほう、あれをほぼ無傷で潜り抜けるか』
カルロスさん尻餅ついておびえた汗をかいている顔で澪と向き合ってしまう。
そんなのを見れば優しい澪はほっとけない。
「大丈夫? すごい汗かいてそうに見えるけど……戦えるの?」
そっちかい!
『舐めてくれるな。我を誰と心得る』
とりあえず立ち上がってぱっぱっと膝を払うカルロス。だが明らかに膝が笑っている。
「な、なんだかわからないけど、チャンス?」
ほんとに敵には容赦ないのね澪……
『蒸気魔導装置よ、撃ちぬけ!』
「おおっと、当たらないよ」
視界の悪い中、冷風を纏って自分の周りの蒸気を吹き飛ばしている澪。
中距離からいきなり現れる蒸気魔導を跳躍しつつ回避!
「えいっ!」
お返しとばかりに澪がStaff of Maria――マリアの杖をかすかに見えた顔面に投げる。コン、と軽い音がする。
『ふん、何を投げたかと思えば』
なめているカルロス。だが――マリアの杖が光を放つ!
『くっ、眩しい!』
「そこだね!」
そう、蒸気を切り裂く光になっているその光を目印に澪が駆ける。
「――と見せかけて!」
中距離で急停止すれば火の鳥たちが澪のもとに集結する!
「この狭い場所を戦場に選んだのは間違いだったね」
それはこの空間どころか迷宮すらも覆いつくしかねない無数の火の鳥たち。それらが一斉にカルロスに襲い掛かる!
『っ、ぐおおお!? 暑い、熱いぞ! やけどするではないか!』
「そのままやけどしちゃえ!」
『おおおおお!? 我さっきカチコチにされたばかりぞ!? それでこんなの喰らえば――うおおおお!?!?』
――もともと炎だから暑さ的にも追撃になればいいかと思っていたが、都合よくさっきまで凍ってたんだよねーこいつ。どういうことかというと。
『あ……なんかふらついてきたぞ……』
のぼせちゃったよカルロスーー!?
「え、ええと、よくわかんないけど、うまくいった……のかな」
澪は苦笑する事しかできなかった。
大成功
🔵🔵🔵
クロス・シュバルツ
アドリブ、連携可
この高熱の中でずっと放置しておけば、カルロスもそのうち熱で倒れたり……しませんか。しませんよね
仕方ないので倒しに行きましょう
熱は『オーラ防御』で抑え込み、『気合い』と『環境耐性』で耐え、鎖を伸ばして先行『偵察』をすることで視界が塞がれても安全に移動する
気休め的に蒸気に紛れて『目立たない』ように接近しつつ、カルロスの先制攻撃は『殺気』と魔導砲の発射音を探知する事で見切って回避
カルロスに対してはまずUCによる炎で攻撃。この暑さの中で更に熱くするという嫌がらせ込みでダメージを与えつつ接近
魔力を込めた黒剣の『鎧無視攻撃』『鎧砕き』『部位破壊』で装備の魔導砲ごと切り捨てる
●魔導砲か冷感グッズか
「この高熱の中でずっと放置しておけば、カルロスもそのうち熱で倒れたり……しませんか。しませんよね……仕方ないので倒しに行きましょう」
ため息をつきながら迷宮に挑むクロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)だが、カルロスがさっき寒暖差でのぼせたことはまだ知らない……
「ん、落とし穴のようですね」
鎖が目の前の地面に落ちたのを確認するクロス。軽く振って大きさを確かめると回避するように動く。
「しかしこの迷宮もまた面倒ですね……っと」
気合と環境耐性でどうにか暑さを抑えつつクロスは先行偵察させた鎖を引き戻す。
「……もう少しでカルロスがいそうですね、かなり開けた空間が感じ取れます」
ここまでの罠をすべて感じ取った鎖を腕輪の中にしまうと、カルロスのいるであろう先へ進む。
(カルロス……気を窺えれば……とはいえ確実に先制はするでしょうが)
気休めと思いつつ蒸気に紛れながら接近する――そんな中。
『そこか』
「っ!」
瞬時に感じた殺気、そして魔導砲の発射音。それを見切ってクロスはローリングして回避。
(そこか……!)
感じた殺気と音はカルロスの居場所を特定する目印となる。立ち上がると蒸気に紛れながら徐々に接近し、そして、地面に手を叩きつける。
「万物を灼き払え、冥府より現れし黒炎!」
地を穿ち、カルロスの足元から冥府の炎が噴き出す。その火柱もまた目印になる。火柱に導かれるようにクロスはカルロスに肉薄。もっとも火柱自体、この暑さの中で更に熱くするという嫌がらせ込みではあるが……ん? なんかカルロス冷感グッズっぽいのめっちゃ貼ってるぞ?
「カルロス! 覚悟してください!」
『っ! この炎は汝のか――!』
「あとその冷感グッズください!」
『これは我のだぞ!?』
のぼせから立ち直るためカルロスは冷感グッズをめっちゃ大量につけたのである。まあ、最初からでこに冷えるやつつけてたほどだし、ねえ? そしてクロスもまた気合と耐性だけでここまで来たのだ、そりゃ冷感グッズ欲しくなるのは自明。ましてや目の前にあればねえ……
「はあっ!?」
『っ!?』
どうにか体をねじって黒剣の直撃を避けたカルロス、だが。
『我の魔導砲が!?』
背の魔導砲の一部が黒剣に叩き斬られ、ガシャンという音と共に地に落ちた。
「魔導砲を落とせれば上々です、次はその冷感グッズを……いやそれとも魔導砲をもう少し……」
『どっちも取られては困るのだが!?』
ぶつぶつと考えるクロスについ突っ込んでしまうカルロスだった。
成功
🔵🔵🔴
カシム・ディーン
このカルロスは阿呆の子なんですか?
対迷宮
経口補水液用意
必要時水分補給
【属性攻撃】
風属性を全身に付与
空気の断層で蒸気やら熱気やらシャットアウトです
対pow
おいこら
ふざけんなおかっぱ野郎
〇ザークみたいな頭しやがって
【情報収集・視力・戦闘知識・武器受け・スナイパー・念動力】
強化された視力で動きを把握してこれまでの戦闘記録からどう魔導砲を打ち込むかも把握
可能な限り回避に努めるが避け切れない時は念動光弾で迎撃
避け切れない時は念動障壁と武器で受け止め致命だけは避ける
ええいふざけんなー!(脱いで全裸
UC発動
全身を溶岩化!
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
お前も苦しめ!
手刀で切り裂き焼
冷感グッズ強奪!
慈悲皆無
●「このカルロスは阿呆の子なんですか?」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)がまず感じたのはそんなことだった。
ご安心ください、阿呆とシリアスを同時に所持しております!
「そういうことじゃなくて! ああもう! 行きますよ!」
おっとカシムさん迷宮に跳びこんでいきましたー。
……さて、迷宮探索は事前準備が寛容とはよくいうもの。
カシムは風属性で空気の断層を作り蒸気や熱気をシャットアウトするが、それだけではなかなかに難しい。時には罠が絡んでたり、横から来たりするなどどうしても蒸気や熱を感じざるを得ない場所はある。
そこでカシムが用意したのはなんと! 経口補水液である! 水分不足にこれ1本、なそれを大量に持参していた!
「汗は水分を失わせますからね、必要なときに水分補給は必要です」
流れる汗も美しいインテリ盗賊っぽさがここにきて現れた。
「これで余裕をもっておかっぱ野郎のもとに行けますね」
おかっぱ野郎……まあ、間違ってはないと思うのだが……
『ええい、離れろ!』
カシムがカルロスのいる部屋に来るや否やそんな声が聞こえた。その声のした方向にとりあえず挑発のように声をかけてみる。
「おいこら、ふざけんなおかっぱ野郎。●ザークみたいな頭しやがって」
『●ザークだと……』
乗っちゃったよこの王笏。
『おっといけない、我としたことがヒートアップするところだった……とりあえずそこにいるのだな、猟兵よ』
と見せかけて冷静だったカルロスは魔導砲をカシムに放つがステップでこれを回避、そのまま視力で頑張って部屋全体の地面を見る。
(あそこと……あそこ。魔導砲が着弾した形跡がありますね。戦闘の跡ですかね……なら)
――魔導砲の撃ち込み方にも性格というものは出る。それをなんとなく把握したカシムはそれを参考に可能な限り回避して隙を伺う、が。
(……っ、チャンスがなかなかない!)
何分蒸気で視界の悪い中動き回るので自分が部屋のどこにいるかもおぼつかない。視力にも限界はある。距離感がつかめないことだってある。何度か壁にぶつかったりもした。――ふと動きが止まる。後ろには壁、そして聞こえた魔導砲の音。マズい!
「くっ――!」
どうにか障壁と武器で防いで致命傷は免れたが、このままではジリ貧、どうする――!?
「ええいふざけんなー!」
なんとカシムは脱いで全裸に、と思えば体が溶岩になっていく!
「万物の根源よ……帝竜眼よ……炎の竜種を束ねし竜の力を今こそ我が身に示せ……!」
ガイオウガの力で溶岩と化したカシムが魔導砲に真っ向勝負! もちろん魔導砲が溶岩なんかに効くわけがなく、むしろ放たれた下を溶岩がすり抜けていく! その先に待つのはもちろんカルロス――!
『っ!?』
「おかっぱ野郎、お前も苦しめ!」
溶岩から一瞬人型になったカシムがカルロスの肩に手刀を浴びせれば再び溶岩となったそれが肩を焼き尽くす!
「ついでにこれももらっていく!」
『なっ、それは我の!』
カシムはそのまま容赦なく冷感グッズを奪いにかかる! 何分カシムは盗賊だ、このままカルロスから冷感グッズを奪い取るなどお手の物……あれ、今カシムって溶岩だよね。ということは……
『あああああああああああ!?!?!? 我の冷感グッズがーーー!?!?』
驚くカルロスの前で焼け落ち、あるいは溶けていく冷感グッズ。慈悲なんてなかった。
「暑さとかいう単位じゃない永遠の焦熱地獄を味合わせてやろうか……!」
溶岩カシムはそのままカルロスの体を容赦なく焼き尽くしていく――が、未だ致命傷とまではいかなかった。ある意味死ぬよりきついんだけど。
大成功
🔵🔵🔵
シズホ・トヒソズマ
迷宮にしたってもっとあるでしょ!
複数の人形を◆早業で◆操縦
リザの吹雪で霧を晴らし視界確保
氷結晶を周囲に作り温度も下げます
後はライアの水分操作で湿気も調整して丁度良くします
先制対処もまずは周囲に同じ処理
吹雪や水に応じた機械獅子が出てくるかもですが
この2体にはまだ見せてない機能もあるのです!
ライアの迷宮への大地振動波で獅子の姿勢を崩し
リザの目からレーザーを発射
氷結晶で反射させ死角から獅子をレーザーで蒸気機関の要である排気パイプを破壊します
その隙にUC発動しウルカヌスの力を使用
無機物だらけの周囲を
私と人形以外を焼き尽くす原初の炎に変換し王笏と獅子を◆焼却
獅子は低温からの高温で熱膨張破壊させます
●天国から地獄へ
「迷宮にしたってもっとあるでしょ!」
人形を素早く動かしながら呆れたように迷宮の中で叫ぶシズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)。
リザという人形が吹雪を起こして蒸気を晴らしたうえで氷結晶を作成し迷宮全体の気温を下げる。これだけでも十分なのだが、何せ蒸気ということで忘れがちなのが湿度の問題だ。その点彼女は対処済み。ライアという人形の持つ水分操作の力で湿度を調整すれば、何ということでしょう。あれほどあった蒸気は完全に消え、熱さや湿度は外と全く同じという非常に過ごしやすい環境に!
こうなっちゃえばもう迷宮踏破なんてお手の物である。なんということだ……人形遣いおそるべし……
余裕でカルロスのいる部屋にたどり着いたシズホ。
「ここね、カルロスがいるのは! リザ、ライア、行って!」
リザとライアによりカルロスのいる部屋もまた快適かつ視界の開けた状況に。部屋なので蒸気は1点集中しただけに過ぎなかったが、湯気が自然に消えるように部屋を冷ましたことでその蒸気も消えていく。そして見えたのは――もうズタボロのカルロスだった。冷感グッズもつけてない。
「なにあれ、この迷宮の中を冷感グッズもつけないで過ごしてたの?」
呆れるシズホだが、違います。今さっき慈悲のない盗賊に強奪されただけです。
『ふ、誰だかわからないが、この快適な温度の状態なら全開で行けるというもの。行け、黄金の獅子よ!』
カルロスが余裕を持ったかのように黄金の獅子を放つ。それらにリザとライアが氷と水で応戦するが突撃する獅子には効く様子もない。
「吹雪や水に応じた機械獅子ね、さては――でも、この2体にはまだ見せてない機能もあるのです! ライア、やって!」
人形遣いとしてライアを素早く扱えば、ライアが迷宮全体に地震を起こす!
『なっ、地震か!? くっ、立っているのが……!』
カルロスも体勢を崩す中、獅子もまた体勢を崩しゴロゴロと回る。
「リザ! この氷結晶はただの置物じゃないのを見せてやって!」
リザの目からレーザーが放たれれば辺りにある氷結晶がそれを反射、死角から獅子たちの排気パイプを破壊!
シズホはそれを確認すると一つからくり人形を取り出し集中。
「人形が吸いし過去の影、我が身に宿り力となれ。応報を持って因果を制す! 我が呼び出すは――『鋼神ウルカヌス』!」
シズホは一つのからくり人形からウルカヌスの幻影を出現させ、自分にまとわせる!
『何のつもりだ……?』
幻影を呼んだことにカルロスが不思議がるが、直後異変に気づいた。あたりに落ちた石などの無機物が、『原初の炎』に変わっていくではないか!
――鋼神ウルカヌスのコードの一つ、『原初の神炎』。自身からレベルm半径内の無機物を使用者以外の全てを焼き尽くす原初の炎に変換し、操作するもの。この力はまさにそれだ。
そう、今やこの部屋はシズホや人形たち以外を焼き尽くす原初の炎に包まれている! 床も、壁も、路傍の石も、全て!
『くそっ、こうなれば早く術者を倒すしか! 獅子よ!』
だがその獅子には異変が生じていた。もちろん無機物なので燃えているのだが、それとは別に――まるで中で何かがたまっているかのようにミシミシと音を立てている。
『獅子よ――?』
怪しいと思いカルロスが近づくと、獅子はなんと大爆発した! 大量の蒸気が噴き出し、カルロスに破片が当たっては赤い線をなぞらせる!
『爆発だと!?』
「ま、当然ね」
シズホが得意そうに話しだす。
「排気パイプが壊れれば行く場所のなくなった蒸気がたまり、誤作動を引き起こす。加えてさっきまで冷えていた中でこのような高温になれば――熱膨張破壊は免れないでしょうね」
『汝――そこまで含めての作戦だったというのか――!』
「ええ、お望み通りの暑い迷宮よ、カルロス?」
余裕そうなシズホにカルロスは苦い顔をするしかなかった。
『というか――』
そう。コードの効果、原初の炎となるのは無機物。――無機物?
『我の服が燃えているではないか! 魔導砲も! おおおおおお!?!?』
全身無機物まみれのカルロスもまた、『原初の炎』に焼かれていた。シズホの作戦、カルロスへの攻撃方法はこれである! このままカルロスを焼却しようというのだ!
『熱い、熱いぞ!』
「ちょっと、どこ行くの!?」
『こんな場所にいられるか! 我は別の部屋に行く!』
カルロスは逃げ出した! まあ、そりゃ全身火だるまになればなんとか逃げたりして消火したい気持ちはわかるが、そのセリフは死亡フラグだぞカルロス?
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
……火口とか恒星の近くとか、炎系の攻撃受けてる時よりは、暑くない、ですよ
【覚悟】暑さは感じる、ですけど
炎に焼かれながら、戦うよりは……と
さて、カルロスさん探し、ですが
先制攻撃にきますから
まずは近付いて、もらいましょう
UC発動しようとして、先制誘い
【第六感】で蒸気の先も見通して……
攻撃で跡形もなく、吹き飛ばされても
【激痛耐性、継戦能力】本体無事であるから、生きていて
『いつか壊れるその日まで』再生し
【推力移動ダッシュ】光を噴いて落とし穴飛び越え迫ります
【生命力吸収レーザー射撃】光を剣ぐらいの長さで放ち続け【切断】しに
罠も反撃も、受けてもすぐに再生
それは……
奥さんも怒ったら、こうですか?
追いかける!
●ヤドリガミの恐ろしさ
「暑いって、聞いて、きた、です、けど……」
ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)は迷宮の中で首をかしげる。
「……火口とか恒星の近くとか、炎系の攻撃受けてる時よりは、暑くない、ですよ」
その感想普通に出せるあたり怖いのよナイ……感覚が常人じゃない。もっとも猟兵は皆生命の埒外なのだが……
「いや、暑さは感じる、ですけど、炎に焼かれながら、戦うよりは……と」
焼かれながら、ときた。彼は今、カルロスが今まさに焼かれながら逃げているなど知る由もない……
「さて、それじゃ――」
と、そこに。
『おおおおおお!?!?!?』
「えっ」
蒸気の先をじっと見通していたナイは突如迷宮に響く声の方を向く。見てみれば――カルロスがこっちに向かってくるではないか! しかも――
「なんか、燃えてる、です?」
さっき炎上させた猟兵がいるからね、逃げ出したのよカルロス!
『あそこだ、あそこに逃げこめば確か水風呂――こんなところに猟兵がいるだと!?』
慌てて蒸気魔導装置を構えるカルロス。
『ええい、邪魔だ、どくがいい!』
慌てというか、生存本能というか――必死の形相で撃ち込んだ蒸気魔導装置の前にナイは反応が遅れ跡形もなく吹き飛ばされてしまった! シーンエンド――になんないのがナイなんだよなぁ。
「痛い――けど、私は、死なない。私は、死ねない」
すぐにコードの力も借りて元の人型の形をとり復活するナイ。神にもわからぬどこかに存在する本体が無事な限り、彼は無限の命を誇る――! すぐに反転してカルロスの逃げた方に追跡を開始する。
ナイの来た方とはまた違う横道を走るカルロス(炎上)。
『くっ、猟兵たちに気づかれる前に早く――』
「カルロス、待つ、です!!」
振り向いたカルロスは仰天。先ほど倒したはずの猟兵が追いかけてくるではないか!
『なっ、先程の猟兵か!? 確かに倒したはずだ! なぜ! ゾンビか!? ゾンビなのか!?』
「私は死なない、ヤドリガミ、です!」
『っ、ええい! 落ちるが良い!』
カルロスが走りながらそばにある何かをガコン、と操作するとナイの目の前に落とし穴の罠が発動しナイが足を滑らせ落とし穴に落ちていく、が。
「こんなんじゃ、止まらない、です!」
すぐに光を噴いて落とし穴を飛び越えるとそのまま視線に見えたカルロス目掛け右手を差し伸べる――!?
『ご、はっ……!?』
信じられないことが起きた。なんとナイの右手から光が伸び、まるで剣のようにカルロスの背から腹を突き刺しているではないか! しかも――
『わ、我の力が、抜けて――!?』
「そのまま、力尽きる、です!」
ナイお得意の生命力吸収。それを受けたカルロスの元気がなくなっていく。
が――
『え、ええい、これしき! 反抗できず何が王笏を名乗れようか!』
気合で腹から光の剣を引き抜けばすぐに反転しながら蒸気魔導装置を構え、発射。
だが、それにやられたところからナイは即再生していく。負傷しつつもすぐ回復し、ナイは五体満足のままカルロスに肉薄していく。そう、それはまるで――
「奥さんも怒ったら、こうですか?」
――妻、メロディア・グリードのようで。
『ああ、妻の怒った時を思い出す! 確かに撃ちぬいてはいるのに、この倒せない感触』
「ごめん、なさい」
『――っ!』
最後まで言葉を出させず深々と腹に突き刺さるナイの手刀。奪われるカルロスの生命力。
満身創痍、炎上中。震える手でカルロスがふと見つけた近くの『DANGER LAVA』と書かれた装置のレバーを下ろす。
『こうなれば、最後の手段だ――』
カルロスとナイの下に、大きな穴が開く。その下に待つのは、溶岩――!
『我もろとも消えるが良い、猟兵よ!』
己の死期を悟ったカルロスは、最後にナイを道連れにすることを選んだ。ナイをホールドし、ともに溶岩の中へ真っ逆さま。やがて、ボチャンという音と、何かが焼けていく音が聞こえた。
――数刻後。
「っぷはっ」
ナイがあたかも何もなかったかのように溶岩の海から上半身を出した。
「……確かに、暑かった、です」
と、ナイがふと溶岩の海に潜ると、カルロスのもう固くなった右腕を掴み、握りこぶしにした後親指を立てさせ――そして手を放して沈ませる。
「溶岩に、落とすとき、こうすると、いいって、聞いた、です」
思わずBGMが鳴りそうなこのラストシーンは涙なしには見れませんでした。
ナイはそのまま何もなかったかのように光を噴いて脱出し、憐れカルロスは溶岩に沈み永遠の暑さを堪能することになるのだった……さようならカルロス、君のことは忘れない……3日くらいは。
大成功
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