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羅針盤戦争~蒸気魔導の二の王笏島

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #二の王笏島

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「ふむ――次なる迷宮は」
 二の王笏島。そこに立つカルロス・グリードが魔法装置・ダンジョンメーカーを使い、島を迷宮化させていく。
 地面には線路が張られ、あちこちから耳を劈く汽笛を鳴らし、鋼鉄の箱が猛スピードで駆けていった。一つではない。数多に存在するそれは無造作に敷かれたレールの上をくねりながら龍のように駆けていく。
「さあ、来たれよ猟兵。我がユーベルコードと、この蒸気魔導の怪物で轢き潰してくれよう」


「羅針盤戦争もいよいよ佳境といったところかしら! 皆さん、大きな怪我とかはしていない? まだいけそう?」
 グリードオーシャンで日々戦いを繰り広げる猟兵たちを迎えたのはポノ・エトランゼ(ウルのリコ・f00385)だ。
「次に皆さんに向かっていただきたいのは二の王笏島。第一形態のカルロス・グリードが、魔法装置・ダンジョンメーカーを使って島全体をアルダワ魔法学園のような蒸気迷宮に変化させているようなの」
「ということは――」
「罠を掻い潜りながら、カルロス・グリードとの戦いに挑むことになるわね」
 猟兵たちが向かう二の王笏島は、現在、島全体に線路が張り巡らされている。
「せ、線路……」
「多方面に隙間なく、といったところかしら。大小さまざまな蒸気魔導汽車が猛スピードで突っこんでくるから気を付けてね」
 蒸気魔導汽車はカルロス・グリードを避けるが猟兵に対しては積極的に突っ込んでくる。
「突き飛ばしたり轢き潰したり、備わるアームで誰かを掴めば動力炉に放り込んだりと――多彩な動きが龍みたいね?? カルロス・グリードの使うユーベルコードと連携してくるから」
「臨機応変過ぎる汽車」
「もうそれ生き物だね……」
 カルロスのユーベルコード、そして島のギミックにも対策を練らねば。
 真剣な表情で考えながら、猟兵たちは二の王笏島へと向かうのだった。


ねこあじ
 ねこあじです。
 これは二の王笏島でのカルロス・グリードとの決戦シナリオとなっています。やや難です。

  プレイングボーナスは、敵の先制攻撃ユーベルコードと「蒸気迷宮」に対処する】こととなっています。
 蒸気迷宮の仕掛けである蒸気魔導汽車はもう龍のようなものと思ってもらっても大丈夫です。線路は線路です。

 執筆は火曜日から行いますので、プレイング数が来ていれば22日月曜いっぱいで締め切ると思います。
 人数によっては採用できないこともありますが、先着順というわけではありません。
 それでは、よろしくお願い致します。
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第1章 ボス戦 『『二の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    黄金なる王者
【背部に装着された魔導砲】が命中した対象に対し、高威力高命中の【連鎖するダンジョントラップ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ゴールデンレオ
いま戦っている対象に有効な【武装を生やした、機械仕掛けの黄金獅子】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    スチームエンチャント
自身の装備武器に【罠と連動して威力を増す蒸気魔導装置】を搭載し、破壊力を増加する。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ハロ・シエラ
なるほど、それはもはや相手を汽車だと思わない方が良さそうですね。
線路もあてにせず、多数の汽車を【瞬間思考力】で認識してそれらの動きを【見切り】回避していくしかないでしょう。
場合によってはワイヤーを【ロープワーク】で汽車に絡ませ、移動なども出来るかも知れません。
召喚された獅子には【第六感】も駆使して回避と防御に専念して同時に対応します。
射撃武装でも生やしているかも知れませんしね。
敵にある程度近付けたら、敵が私と獅子の戦いを見ている瞬間を狙って光の【属性攻撃】で黄金獅子を輝かせ、敵に【目潰し】を仕掛けましょう。
一瞬でも隙を作れれば上出来です。
ユーベルコードで獅子も機関車も纏めて三回攻撃します。


陰白・幽
お~蒸気魔道機関車かっこいい~……あれが罠なのか……うーん、かっこいいけど壊さなくちゃいけないのか~……なら、思いっきり壊していくか~
蒸気機関車には鋼糸を使って車輪と車輪を絡ませて走ることができなくして機能を停止させるよ~
基本的には敵の攻撃をよけながら攻撃のチャンスを探っていくよ~
敵のUCの攻撃は背中の砲身をしっかり見て避けながら、動かなくしておいた機関車を盾にするようにして躱して、反撃でドラゴニアン・チェインを使って機関車に鎖をつなげて、カルロスさんに向かって機関車をGOさせるよ~、かっこいい罠だからね、有効活用しなくては~


ノイン・フィーバー
協力推奨

心情:汽車は浪漫ではありますガ、戦いに使うには少々不向きな面もありましテ。

開幕UC発動。地面に幾重にも走ったレールに対して攻撃、破壊を試みる
上手く行けば壊れるレールが汽車達にダメージを与えたりできるかも?

行動:基本的に皆様を援護射撃してリカバー
ノインはボスへの道を作る事をメインに考える
ボスにもチャンスがあればUC

時折UCでレールを破壊し汽車達の行動を制限する

アームに捕まれそうな味方が居た場合、身を挺して、助け自分が捕まる

動力炉という弱点に案内してくれるのでそこは抵抗せず、放り込まれる瞬間にUCを発動。動力炉をぶち抜く

メガリスの。皆の為に戦った勇者サンの拳は、このくらいでハ負けませんヨ。


ガーネット・グレイローズ
カルロスめ、今度はダンジョンメーカー…
蒸気迷宮を作り出す力を得たのか。
だが私達猟兵も、アルダワの地下迷宮を攻略してきたんだ!

島中を走る機関車か、厄介だな。
これを停止させることはおそらく不可能、ならば…
ドローン「メカたまこEX」を飛ばし、空中から線路の様子を
《撮影》させよう。現在位置と機関車の進路を手元の端末で
確認しつつ、カルロスのもとへ向かうぞ。
《世界知識》《メカニック》でポイント切り替え装置を
見つけられたなら、操作して線路の方向を変えてやり過ごせるかもな。

機関車に気を使いつつ、召喚された黄金ライオンに攻撃を絞る。
【念動武闘法】でクロスグレイブを複製し、
《レーザー射撃》で全方位から一斉攻撃だ。



 厚みある蒸気を噴出させながら、蒸気魔導機関車が島内を走る。
 数両から編成されたもの、機関車単体、牽引無き汽車のみと様々なそれらが走れば、島に敷かれたレールは常に音を立てて揺れている。
「お~蒸気魔道機関車かっこいい~」
 いかにも重装といった黒鋼の車体を見て目を輝かせるのは陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)だ。ゆるゆるっとした動きで、走っていく機関車を目で追う。
「汽車のみのは動力どうなってるだろう~……」
「魔導とのコトですカラ、意外とカルロス自身なのかもしれませんネ~」
 レトロなヒーローマスクの画面に汽車の様子を映しながらノイン・フィーバー(テレビ顔のメカ野郎・f03434)が言えば、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は得心がいったように頷いた。
「なるほど、それはもはや相手を汽車だと思わない方が良さそうですね。より、カルロスの意のままに動くのだろうと思いました」
 交差するように機関車が行き交う。
 轟音の中にカシャンと微かな金属音を捉えたガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)は、切り替えの音が聞こえるな、と呟く。
「これを停止させることは、普通では、おそらく不可能。ならば……」
 にわとり型ドローン、メカたまこEXを空へと放つ。普通のにわとりならば飛べない空も、メカたまこEXなら高く飛ぶことができる。
 機械的な翼を広げ、地上を撮影していくメカたまこEX。それはガーネットの端末とリンクしていて直ぐに撮影画面を確認することができた。
 連写したら分かることがある。
「――機関車単体、汽車の動きは速いな……ノインと幽は気を付けて行くんだぞ」
「りょ~か~い」
「それでは後デ」
 幽とノインが駆けていき、ガーネットはハロを見遣る。
「では、私たちも行くとしよう」
 学生帽を目深に被り直したハロが、目を鋭くさせて頷いた。

 新たに撮影した情報を元に駆けるガーネットとハロ。
 ガタンガタンと常に振動している線路は、あまりアテにはならない。後方から迫ってきた車体を避ければ、それまで遮られた視界の真横から突如単体機関車が突っ込んでくるのだ。
 激風が二人の髪を荒々しくかき混ぜていく。
「カルロスめ……蒸気迷宮を作り出す力は厄介だな」
 だが、とガーネットは言葉を続ける。
「私たち猟兵も、アルダワの地下迷宮を攻略してきたんだ! ハロ、あれに飛び乗るといい。ポイント切り替えを二か所、私の『手』が届く範囲ではあるが誘導しよう」
「――分かりました。ガーネットさん、ご武運を」
 一つの蒸気機関車が二人に迫り、サーペント・ベアラーを繰り出してそのワイヤーを車体上部へと引っ掛けたハロはあっという間に車上の人となる。飛ばないよう目深に被った帽子の鍔が風をいなす。
 自身の駆けとは違い、移動力は段違いだ。
 弧を描く機関車を目に、真っ直ぐに走ったガーネットがポイントを切り替え、一回目の誘導。
 二回目の誘導は――離れたポイントへと突っこんでいったメカたまこEXが体当たりで進路を固定する。
「――来るか。ゆくが良い、我が獅子よ、帝国に栄光あれ!」
 カルロスが王笏を振るえば、光り輝く黄金獅子が飛び出した。どこか機関車を思わせる外装を備えた獅子がその口から魔導砲を放つ。
 回避に専念するハロが機関車から飛び降りた瞬間、魔導砲が真っ直ぐに蒸気魔導機関車を貫き、爆発が起こる。
 着地し、旋回するようにハロへと向き直った獅子が飛びかかってきた。
 身を屈め、やはり回避に注力するハロがその跳躍を避け、指先に光を宿した。
 小さな魔法陣が獅子へと放たれ、目を潰すが如き閃光が獅子の身の内から走る――。

 一方。
「それじゃあ、さくさく破壊していきまショウ」
 当然のようにそう言ったノインに、幽はこくりと頷いた。
「かっこいいけど壊さなくちゃいけないのか~……なら、思いっきり壊していくか~」
 こっちも当然のように壊す宣言である。
「先に行く~」
 走ってきた蒸気機関車とその車両を避け、過ぎる横手から竜繰鋼糸を放った幽の動きは軽いものであったが、やることは重量級だ。
 鋼糸と、その怪力をもって留めんとする幽に釣られる蒸気魔導機関車――豪速の車体が歪み、あっけなく脱線ののち横倒しとなった。
 大地を抉り、横滑りしていく機関車に頭のない汽車がやってきての衝突事故。
「お~……」
 轟音に次ぐ轟音は聞く者の耳を潰すが如く。紛うことなく立派な衝突事故が起これば、怒るのは運行監視者だ。つまり、カルロス・グリード。
「何たる非道! 整然たるものをかき乱すとは」
 この島迷宮においてカルロスの声が端々まで轟く。
「え~……それ言う……?」
 おまいうなことを言われ、心外だなぁというようなぼんやり表情になる幽。
 仕置とばかりにカルロスのオルガンパイプから魔導砲が放たれた。倒れる車体を盾に、幽とノインが駆けていく。
 同時にバシュバシュと下方に蒸気を排出する機関車単体が向かってきた。
「カッコイイですネ~、浪漫ですネ~、ですが……!」
 行く手の線路上に現れたノインが腕を振り上げれば、瞬時に光り輝くエネルギーが顕現し、黄金の籠手を纏う。
「借り物の、更に残滓に過ぎませんガ、――ええ、馬鹿に出来ませんヨ!」
 レールへと拳を打てば、星神の残滓が大地を割り走り周囲を破壊していく。
 駆けてきた汽車が破壊された線路と共に宙に浮き、更に大地を揺らして落ちた。
 もはや再起不能と思われた蒸気魔導車たちに、幽のドラゴンオーラが触れていく。
 ドラゴニアン・チェインが彼らを繋ぎ、数多の鎖の元締めとなった幽がその力を振るえば、機関車たちはそれぞれが引っ張られ、押されと動いていく。
 発車の加速起点となるのは再び振るわれたノインのユーベルコードだ。浮いた車体をオーラの鎖が繰り、機関車がGOする。

 ――閃光が駆けたのはこの瞬間であった。
 幽の牽引する機関車たちが一点、カルロス・グリードへと走り、ハロのライトニング・ストライクが展開される。
「この雷で、斬り開く!」
 無数の雷霆を放つ魔術陣が広範に。獅子も機関車も、そしてカルロスへと至る三手の攻撃。
 雷霆が黒鋼を撃ち、滑るように加速した一撃がカルロスに。
 雷気を纏った獅子が跳躍し、新たな魔導砲を撃とうとするのに対し、射撃数で制するのはノインのアームドフォート・typeGだった。アームを繰り、滑らかに銃口を向けながら獅子を追いやる。
『ガウウゥゥゥ!』
 口から迸る熱を発しながら獅子が唸ったその時、ガーネットが駆け寄ってきた。黄金獅子も真っ向から向かう。
 外装を備えた獅子が絡繰のアームを繰り出して、線上の二人を掴もうと腕を伸ばすのだが――、
「ガーネットさん、危ナイ!」
 彼女を庇ったノインがアームの餌食となる。そのまま獅子のお口へポイされようとしていた。
「わ、ワタシには構わず……! 攻撃を!」
「分かった」
「!?」
 念動武闘法を展開したガーネットは、現れた100砲のクロスグレイブすべてを獅子とカルロスへと向けた。
 ガーネットの全方位からなるレーザーの一斉射撃は、島を変形させるほどだ。
 動力炉という弱点へ放り込まれた瞬間ノインは砲口たちを背中に感じながら、ポイされる口へと拳を叩きつけた。
「メガリスの。皆の為に戦った勇者サンの拳は、このくらいでハ負けませんヨ!」
 星神の残滓が獅子纏う機関車の動力炉を叩き、粉砕する。
 魔力の篭った火力が内から破裂し、外から撃たれた鋭いレーザー砲と合わされば、引き起こされるのは大爆破だ。

「あれは……大丈夫なのか?」
 巻き込まれる前にと距離を取ったハロが、隣の幽に尋ねる。
 大爆発に目を輝かせていた幽は「んん~……」としばし思案。
「だいじょ~ぶ~……たぶん?」
 ノインが戦衣の残滓を纏っているからこその無茶だろう。

 カルロス・グリードの対猟兵戦、一戦目。
 大事故、雷霆に見舞われ、爆発炎上と、後処理が激しく面倒そうなものとなった。
「こういうのが、国の財政破綻を招くのだ……」
 様々な難事をこなしてきたであろうカルロスが途方に暮れたように呟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

柊・はとり
ゾンビの俺も人身事故は避けたい
流石に死ぬんじゃないかと思うしな…

第六感で足元の線路の揺れを感じ取り
大まかな汽車との距離を予測
瞬間思考力を働かせどちらへ逃げたら良いか瞬時に判断
学習力で線路の形と汽車の進む方向を記憶しておく

獅子が何生やしてるのか判らないが
眼鏡割り機とかにしてくんねぇかな…
致命的ではあるが殺傷力は落ちる
遠距離から氷属性攻撃で凍結させ麻痺させて時間稼ぎ
その隙にやってきた汽車に飛び乗りUCを発動

目標ルートを獅子とカルロスにセット
味方は避けること
いけるなコキュートス
線路を無視した暴走運転で奴らを轢きに行く
可能なら小さい列車も巻き込み破壊

小細工が仇になったな
あんたも鉄道ミステリにしてやるよ


菫宮・理緒
【恋華荘】

今回の相手は汽車なのか。
ほぼ竜ってことだけど、蒸気機関の列車であることに違いはないよね。

ならこちらは【虚実置換】で線路を消して、
移動範囲を限定していこうかな。

汽車の動きが鈍ったら、今度は水を作って、
機関車のボイラーにぶつけて火力を落とそう。

いくら『竜』だといっても、列車である以上、
移動には線路。行動には燃焼火力が必要だよね!
そこを弱点としてついていっちゃうよー♪

相手の先制攻撃は、
【M.P.M.S】を電磁妨害モードで使用して防ぎたいな。
目には見えない電磁波の膜を張り巡らせて、
黄金獅子の動きを阻みたいと思うよ。

ここまできたら、絶対に逃がさないんだからね。
おとなしく縛につけー!


箒星・仄々
アルダワの技術を悪用されているのが悔しいです
海へお還りいただきます

炎と水で光の屈折率操作し光学迷彩
更に風で音を操作し足音や息遣いが漏れぬ様にし
黄金獅子さんをやり過ごします
隠れんぼです

見つかったら
疾風で加速し残像を残しながら回避

それも対策されているかも?
望むところです
獅子さんの突撃に合わせて刺突を放ち
攻性防御といきましょう

さて先制を凌いだら線路や汽車さんをぺろ
摩擦抵抗を奪えば
脱線したり
部品にバラバラになるでしょう

黄金獅子さんも同じ運命です
滑ったり武装と共に分解です

自身をぺろして高速滑走で接敵
カルロスさんをすれ違いざまにぺろ
装備武装を落としたり
転倒し永遠に滑り続けて頂きます

終幕
鎮魂の調べを奏でます


シリン・カービン
動物園と書かれた巨大な檻を積んだ列車は、
巨大な腕を生やしていました。
「あの腕で獲物を檻に放り込むようですね…」
線路の軌道を読み、腕の届く範囲を確かめながら
回避する私の前に立ち塞がる黄金の獅子。
その背には翼の様に数枚の盾が。
「なるほど、狙撃対策というわけですか」
獅子は勿論、カルロスを狙おうとしても盾を広げて庇われてしまう。
かと言って、盾の隙間を狙って集中すると列車の腕が襲ってくる。
この状況をひっくり返すには…

カルロスを狙い、射線を塞ぐために移動する獅子を
動物園の進路に誘導。
襲ってきた列車の腕をフェイントで躱し、獅子を掴ませます。
その機を逃さず宙へ駆け上がり、カルロスを狙撃。
「あなたは私の獲物」




 黒鋼の塊がぶつかりあい、耳を劈く金属音がしばらく続いたのちに大爆発――したのを、新たに到着した猟兵たちが目撃した。
 ピカッと光ってドンッ! 島を揺るがした衝撃に、そして発生した風に煽られながら柊・はとり(死に損ないのニケ・f25213)は指先で軽く眼鏡をかけ直した。
「ゾンビの俺も人身事故は避けたい――流石に死ぬんじゃないかと思うしな……てか、死ぬだろアレ」
 ここからは見えないが、絶対に、脱線事故が起きた音だった。と、はとり。真顔だった。
「派手にやっていますね」
 シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は音の衝撃にやや眉を顰めながらも、いつもの調子で淡々と言う。
「――今度は音が消えたね。けれど迷宮は消えてない」
 戦端を開いた猟兵たちは撤退したのだろうと予測する菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)。
 その隣で、再びガタンガタンと震えはじめたレールに手を当て、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)が頭を振った。
「……アルダワの技術を悪用されているのが悔しいです。カルロスさんには海へお還りいただきましょう」
 そう呟いた仄々の声は悔しげだ。
 そのためには、このレールの入り乱れる島を駆け、カルロス・グリードを見つけねばならない。


 厚みのある蒸気を噴出させながら、蒸気魔導機関車が島内を走る。いかにも重装といった音をがなりたてながら線路を行くのだが牽引するものは様々だ。
 数両から編成されたもの、機関車単体、牽引無き汽車のみと様々なそれらが走っていて、シリンが目撃したのは『動物園』と書かれた巨大な檻を積み、巨大な腕を生やした生き物のような列車。
「あの腕で獲物を檻に放り込むようですね……」
 生け捕りか、と狩る者である瞳が判断を下した。
 長く、後方からやってきた黒鋼の機関車をやり過ごせば、遮られた視界から突如単体機関車が突っ込んでくる。
 激風が猟兵たちを煽る。
 大きな機関車と、時に間断なく訪れる車体に、探る空気も視界も奪われてはとりは舌打ちをした。
「邪魔だな、このデカブツ」
 回避に猟兵たちが分断される、元々個々で進むつもりだったからそれは良い。だが状況判断が遮られるというのがよろしくない。
 けれども周期的に牽引無き、動力炉の無い汽車が何体かが弧を描き過ぎていくのに気付く。
「こいつら、何を動力にして動いているんだ?」
「燃焼火力がない……もしかしたら、魔導で動いているのかな。それなら出所は――」
 理緒の思考に続くのは仄々だ。
「カルロスさんでしょうか」
 ならば、汽車の動きを読み解いたその先に迷宮の王、カルロス・グリードはいるのだろう。
 その時、少し先行していたシリンへと黄金の獅子が突撃してくる。猟兵たちに気付いたカルロスがゴールデンレオを放ったのだ。
「あれは……」
 数多の機械の翼を生やし、機動力の上がった黄金の獅子――その翼には丸い、ガラス製の盾のようなもの。滑らかに何枚もの盾が移動する動きに、シリンは自身の精霊猟銃を手にした。
「なるほど、狙撃対策というわけですか」
「眼鏡レンズにも見えるな」
 シリンとはとりがそう言った瞬間、より眩く輝きはじめた黄金の獅子が光を集束させ、数条の光線を猟兵たちへと放った。
「あら」
「は?」
 そのまま呟き反応した二人、咄嗟に避ける猟兵たち。
 初回は注視していたため回避できたが、避けた先の後背に汽車がなぎ払うように迫ってくる。
(「まずいです!」)
 仄々がスライディングしながら、猫の毛づくろいで線路舐め滑る。摩擦した舌がめちゃめちゃ痛かったし、熱くなったし、けれどもスライディング先で線路から落ちるようにころんと転がれば、過行く汽車が脱線し全く違う方向へと横滑りしていった。
「……はあ、なんとか……うう、舌がひりひりします。擦り切れるかと思いました」
 自身の舌もぺろぺろとして摩擦抵抗を減らしていく。
 その間にも獅子は迫り、二撃目。
「今度はわたしが!」
 M.P.M.Sを電磁妨害モードに。数多に放たれた不可視のミサイルが空間にジャミングを起こし、屈折させた。刹那に起こる乱反射で光は空へと翔け、彼方で霧散した。
「あの獅子、多目的過ぎるだろ」
「有能な王には有能な部下もつく、ということだ」
 はとりの言葉に応じたのは第三者だ。どうだ、と言わんばかりに少々満足気に愉悦の入ったカルロス・グリードの声が島に渡った。
「四者も対象にした我が獅子は格好良いと思わぬか? 立ち向かった我の若い頃を思い出す……」
「翻訳にかけたら、ちょっとありがとうだって」
 端末に表示された『意訳』を理緒が伝えれば、忌々しげな表情になるはとり。シリンは表情を完全に消して駆ける。
 その間にも機関車たちは煩わしい音を放ち走っているので、視界と聴力をクリアにするために理緒は虚実置換を発動させた。
「レタッチ、アンド、ペースト」
 端末の画面に触れ、線路のない部分を、線路のある部分へとペーストさせれば、現実の線路が忽然と消える。そうして次々に線路を消していき、機関車たちを誘導し遠ざけるようにしていった。
「邪魔な機関車たちは、さよならしていこうね」
 綺麗になっていく戦場で佇むカルロス・グリードの姿を、ここでようやく猟兵たちは視認した。
 運行監視者のカルロスは「運行妨害だぞ」と理緒へ言う。
「まあ、良い。獅子よ!」
 カルロスが黄金の獅子をけしかける。
「仄々、行きますよ」
「はいっ!」
 シリンの声に応じ、仄々はマジックナイトの魔力を炎と水のものに。光の屈折率操作し、自身の姿を陽炎のように揺らめかせた。
 オブリビオン・ストームを喰らい操る「偽神細胞」の能力を駆使し、氷風を吹かせるはとり――否、吹かせるといったものではない。鎌鼬の如き風がその一筋一筋が氷刃となり獅子を刻もうとする。
 集束していたかと思われた氷風はフェイントを掛けるように、一瞬解けた。それを認識した獅子は駆動する翼の盾を掲げ、真っ向からの耐久勝負に出た。
 ざりざりとした斬撃の音が戦場に響き渡る。
 刹那に獅子の視界は遮られ、その横を仄々が走り抜けようとした。
『ガウウッ!!』
 威嚇し、跳躍する黄金の獅子。
 隠れんぼをしていた仄々は鬼ごっこを開始した。
 疾風で加速し残像を残しながら、黄金の獅子を挑発するように逃げる。
 そして鋭角に方向転換した仄々がぺろりと獅子を毛づくろえば獅子の翼が一枚もげた。
 続けて旋回しカッツェンナーゲルで獅子を刺突すれば、怒り猛狂った獅子が苛烈に仄々を追い回し始める。
 その先には巨大な腕と檻を備えた列車を誘導し、迫り駆けてくるシリン。
 十分に獅子を惹きつけた仄々が、そして腕を誘導したシリンが横跳びすれば、獅子は巨大な腕に捕獲され檻へと収納された。
『ギャオオン!!』
 あっという間に動力化されゆく黄金の獅子。
 その機を逃さずシルフィード・ダンスで宙へと駆け上がりったシリンの眼下に、俯瞰される戦場図。
 線路は途絶え、機関車は遠くに放たれ――機関車単体が猛スピードでカルロスへと突っこんでいく。はとりだ。
「いけるなコキュートス」
 意思持つ氷の大剣を機関車に突き刺せば、目標ルートを獅子とカルロスにセットする偽神兵器コキュートス。
「我が栄光のもと、来るが良い。獅子よ」
 カルロスが新たな獅子を生み出した。燃え盛る焔と蒸気のタテガミを備えたゴールデンレオを、虚実置換で水へと変換させる理緒。
「ここまできたら、絶対に逃がさないんだからね。おとなしく縛につけー!」
「小細工が仇になったな。あんたも鉄道ミステリにしてやるよ¥
 コキュートスの柄を軸に、はとりが遠心のかかる身体を僅かに傾ければ意を汲んだコキュートスが車体を傾け、新たなる殺人『桜雪列車』が水獅子とカルロスを轢きなぎ払う。
「!」
 身体を大きく開くように、仰ぎ倒れていくカルロスを捉えたのはシリンのスコープであった。
「あなたは私の獲物」
 呟き、引鉄を弾けば精霊の力を宿した弾丸がカルロスを撃ち貫いた。


「喉元に刃が到達したか」
 長い旅だった。我が身ももう永くはなかろうと予測は立つ。
「捜し当てた墓は何処だったか――」
 永劫と進みを止めた、好きな時計を胸にカルロス・グリードが想い描いたのは。

 カッツェンリートの弦を弾き、鎮魂の調べを奏でる仄々。
 二の王笏島。
 今まさに、羅針盤戦争は終焉を迎えようとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月26日


挿絵イラスト