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茨と菫

#アリスラビリンス #猟書家の侵攻 #猟書家 #エンデリカ #プリンセス

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 花咲き誇る常春の国。暖かな日差しの下、ふんわりとした菫色のドレスを纏った姫君が城の窓に腰かけてあちこちに広がる花園を、笑い合う人々を眺めている。
「今日も、皆が幸せそう……良かった」
 ゆったりと微笑む少女こそがこの国を纏めるプリンセス。彼女に守られ穏やかな日々が続くはず、だった。

 菫の姫君が城の尖塔の上から眼下の景色に目を向ける。美しかった花園は枯れ、人の姿は無い。黒い薔薇があちこちに絡み付き、色とりどりに輝いていた常春の国の姿は見る影も無く。
 意を決し、尖塔から飛び立つプリンセス。美しいドレスからトレーンを引く様に淡い紫色の花弁を振りまけば、花弁に触れた黒い薔薇がはらはらとその身を散らす。
 しかし。
 すぐに新たな黒い薔薇が散った花を隠すように茨を伸ばす。茨に覆われた場所からはオウガの木が生え始め、やがて巨大な森となってプリンセスの国を覆い尽そうとする。
 オウガの木々の間を黒薔薇を消すために飛び回りながら、プリンセスは見た。彼方で、機械の翼を羽搏かせ、此方を嬉しそうに見る黒の姫の姿を。プリンセスが読み取れるようにか口元がゆっくりと動く。
「コノ国ヲ壊シタラ、次ハアナタ」
 その瞳に宿る狂気に、呪いのような言葉に、プリンセスは恐怖に囚われながら救いを求め天を仰ぐ。
「このままでは国が滅びてしまう……誰か、助けて」

「集まってくれてありがと。アリスラビリンスで猟書家の侵略が予知されたの」
 御乃森・雪音(La diva della rosa blu・f17695)が猟兵達を前に口を開く。
「菫の姫の国が、エンデリカに襲われてるみたい。彼女の国には既にオウガの森が出来てしまったわ。あまり気の強い子じゃないから、彼女の国が滅んで絶望してしまわないように急いで向かって貰えるかしら」
 黒薔薇は不思議の国の住人達を次々と眠らせ、一方でオウガを強化してしまう。普通に戦えば厳しい戦いとなるが、プリンセスがドレスアップ・プリンセスで飛翔している間舞い落ちる花弁は黒薔薇を散らす効果を持つ。
「プリンセスを守りながら戦わなければならないから、大変だと思うけれど」
 心折れかけているプリンセスを励ましつつ、オウガの森の迷路を抜けエンデリカを倒す。難しいかもしれないが皆なら出来る、と微笑みながら雪音は転移の光を生み出す。
「美しい花を穢す黒い薔薇を見逃したり出来ないわ、よろしくね」


真空。
 見て頂き有難う御座います、真空。(まそら)です。

 アリラビ猟書家シナリオです。
 第1章:オウガの森(集団戦)
 第2章:対エンデリカ(ボス戦)
 となっております。

 全章共通のプレイングボーナスは【空飛ぶプリンセスを守り続ける】です。
 プリンセスが飛び続ける限り黒薔薇が弱体化し、戦いやすくなります。

 公開された時点から受付開始となります。

 同行者がいる場合は【相手の名前(呼称も)とID】のご記入お願い致します。
 あまり大人数だと難しいです、すみません……。

 皆様の参加、心よりお待ちしております。
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第1章 集団戦 『迷わせの森』

POW   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
SPD   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    絡まった枝の迷路
戦場全体に、【互いの枝を絡ませて作った壁】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

古明地・利博
アドリブ歓迎


うん、何にも見えないや!ここどこ~!?(in迷路)
……って、そんな事を言ってる場合じゃないね。とりあえず視界を確保しないと、彼女がどこにいるかもわからないし。

まあ、そんなわけで迷路の壁を登って視界を確保しよう。結構凸凹してるはずだから手を掛けれそうな場所を第六感で探しながら迷路の壁の上に登るよ。

登り切って保護対象を確認したら不浄の炎槍を発動。プリンセスへの攻撃をジャベリンで阻害したり大元に攻撃するよ。彼女に当てないように細心の注意を払いながらね。

これがまさにbonfire lit(薪に着火)だね。……いやこれ若干火事じゃない?壁の上を早歩きして出口まで急ごうっと。



鬱蒼と茂る森。枝が重なり合い視界を埋め尽くし、足を踏み入れれば薄暗く折れ曲がった通路が視界を遮る。
「うん、何にも見えないや!ここどこ~!?」
 そんな場所へと踏み込んだ古明地・利博(曰く付きの蒐集家・f06682)は早速方角を見失っていた。
「……って、そんな事を言ってる場合じゃないね。とりあえず視界を確保しないと、彼女がどこにいるかもわからないし」
 すぐに我に返ると、手近な木へと手をかけ、固い枝を伝って迷路の上へと顔を出そうとする。幸い、絡み合った枝が足場となって進むのはそこまで難しくは無さそうだ。
 視界を遮る枝を避け、樹上へと顔を出すとふわりと薄紫の花弁が目の前へと舞い落ちる。見上げれば正に今プリンセスが飛び回り、花弁を落として森を抑え込んでいるその場所で。
「見つけた、と。あの子が抑えててくれてたんだね」
 森の他の場所からは枝がプリンセスへと向かったり、蔓草の様な何かが彼女を引きずり落そうとしたりと森自体が敵となっている様子が窺える。
「y'-gotha f'- ng-n'vivet -orhstm-llll -orCthugha-ugg uaaah」
 利博は目を僅かに伏せると、すっと手を横へと伸ばす。手の上に赤黒い炎の小槍が幾本も浮かび上がると利博の視線の動きに合わせ、プリンセスを狙う木々へと撃ち込まれていく。プリンセスが抑え込んだ木々と、利博の不浄の炎槍とで大分森からの攻撃は落ち着いたのだけれど。
「これがまさにbonfire litだね……いやこれ若干火事じゃない?」
 乾いた木々はよく燃え、気が付けば若干延焼しているような……気のせいだろうか。
「あの、助けて下さって有難うございます……燃えてしまった方が良い木なのでこのままで大丈夫です。こちらへと進んで下さい」
 利博に気が付いたプリンセスがふわりと降りてくる。森の出口はこちら、と道案内するように飛び立つその後を追い利博は森の上を進んで行った。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・スケフィントン
嗚呼、沢山の色彩があった国が、今ではまるで、モノクロの世界。
早く戻してあげたい…黒の薔薇…洗い流せば、戻る?

まだ諦めないで、お姫様。
大丈夫…ほんの少しの力だけど、今、助けるから…
硝子睡蓮の髪飾りが《天候操作》で雨を降らせる。

独りぼっちの虚しさも、茨で傷つく人々も…
皆のことを、小さいけれど、私のユーベルコードで癒すから…
【水面と呼吸】を発動し、降り注ぐ雨に触れて水を操り周囲の治療を行う。
白磁睡蓮の《第六感》によって黒薔薇を認識。
黒薔薇さんには、【水面と呼吸】の痛みをあげるの。

ほら…誰かが茨で傷ついても大丈夫。
この雨が、止まない限りいつまでも、
私が癒し続けるから、安心して…綺麗に空に咲いていて。



「嗚呼、沢山の色彩があった国が、今ではまるで、モノクロの世界。早く戻してあげたい……黒の薔薇……洗い流せば、戻る?」
 黒に覆われた世界に軽やかに声が踊る。歌う様に、演じる様に紡がれる細い鈴の音の主はマリア・スケフィントン(睡蓮の花嫁・f30990)。
 ほっそりとした手を伸ばし、空を行くプリンセスへと今助けるからと一度ひらりと手を振って、そのまま自身のゆるやかに流れる紫の髪に留められた、硝子の髪飾りへと白い指先を触れさせる。
「まだ諦めないで、お姫様」
 きらきらと光る繊細な細工の睡蓮の髪飾りに指を触れたまま一度目を伏せると祈りを込め、再び視線は空を仰ぐ。淡く光る真珠の瞳を隠すように俄かに薄暗い雲が空を覆い、僅かな間の後に音も無く糸のような雨がしとしとと堅牢な迷路を作るオウガの森を濡らし始める。
「独りぼっちの虚しさも、茨で傷つく人々も……皆のことを、小さいけれど、私のユーベルコードで癒すから……」
 雨に濡れた身体をそのままにマリアは自身の力……水面と呼吸を発動させる。張り付いたドレスもそのままに両の手を広げると、全身で雨を受け止めて空に浮かぶ雲まで遡る様に力を広げる。祈りを溶かした雨水が傷付いた地を癒し、隠れ眠り伏す人々を癒し、そして。
 上空でくるりとプリンセスが回る。はらはらと落ちる薄紫の花弁が、マリアの祈りの雨を含んで張り付きオウガの森の動きを止める。
 ちりちりと白磁睡蓮が危険を知らせる黒い薔薇花も地を征服せんとする茨も動きを止めたオウガの森も、水で覆い呼吸を奪い痛みを与えて少しずつ散らしていく。
 マリアはゆっくりと、しかし迷う事なく迷路を進む。降り続ける雨が少しずつ迷路の壁を崩し、開いた隙間から菫の姫が見えれば微笑みを向けて。
「ほら……誰かが茨で傷ついても大丈夫。この雨が、止まない限りいつまでも、私が癒し続けるから、安心して……綺麗に空に咲いていて」

大成功 🔵​🔵​🔵​

木元・祭莉(サポート)
「おおー、いっぱいいるねー♪」

グラップラー×サウンドソルジャー、13歳の人狼少年です。
前衛肉弾派で、積極的に行動します。
まだまだ未熟なアホの子です。

いつも深く考えず、楽しそうにテンション高く対応します。
どどーん、ばばーん、ひゅいーんなど、擬態語を多用します。

ユーベルコードは、補助的に使うことが多いです。
状況に応じて、グラップルでの接近戦、衝撃波でのなぎ払い、浮遊とジャンプ・ダッシュを組み合わせた空中戦のどれかで戦います。

多少の怪我は耐性で耐え、肉を切らせて骨を断つ、がモットー。
いつも笑顔で、後先考えず。でもちょっとビビリ。

あとはおまかせで。よろしくおねがいします!


アハト・アリスズナンバー(サポート)
「私の手が必要ならば、お貸しします」

無表情、無感情に見える、死んでも次の自分が即座に故郷から転送される量産型フラスコチャイルドです。

一人称は「私」、口調は誰に対しても「です、ます、でしょうか」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。

基本的には手が必要なら貸す、といったスタイルでユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず突撃します。
ただ、アリスが関連してる場合は積極的に手を貸します。

その他の部分はマスターさんにお任せします



「おおー、まだまだいっぱいいるねー♪」
 大分数を減らしたとはいえ、森と言える程に増殖していたオウガの木々。だが木元・祭莉(まつりんではない別の何か・f16554)の銀の目をきらきらと輝かせ笑みを浮かべ口調は明るく、一切の迷いを感じさせる事は無い。
「急ぎましょう、プリンセスが黒い薔薇を抑えているうちに片付けなければ」
 こちらは感情の色を覗かせない銀の瞳が冷静に状況を分析する。現状は抑え込めているが、何かの切っ掛けで敵が大きく動けば維持できる保証はない。アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)は祭莉を促すと、自身も武器へと手をかける。
「んじゃ、どーんと行ってどかーんって全部壊しちゃおうか」
 大きく一度伸びをして、祭莉は腕をぐるぐるとまわしながら僅かに覗く空を見上げる。プリンセスが祭莉に気付けば、大きく手を振って。
「こっちはどうにかするよー、だからもう一寸頑張ってねー」
 アハトも空を舞う姫へと微かに頷く。彼女にとっては縁のある世界の危機、目の前の敵を見逃すことは出来ない。
「では、行きましょう」
 森へを足を踏み込む二人。枝が絡まり合い、視界も陽光も遮る薄暗く細い道を駆け抜け、行き止まりにぶつかれば。
「ここが薄そう。てぇーいっ!」
 祭莉が走る勢いのままに跳躍し衝撃波を乗せた蹴りを叩き込んで壁の一部を破壊。
「下がってください。――メアリのパターンを再生。復讐を始めましょう」
 アハトが金の髪を靡かせダンスの様に軽やかに手元へと呼びだした「召喚断頭台」の刃を勝手に転用した大斧を振るって進む道を切り開く。
 全力で力を振るう二人を止めようと茨や黒い薔薇が、木々の隙間から枝を伸ばすも上空から隙間を縫って舞い落ちる薄紫の花弁が攻撃を阻み、足を止めさせない。
「お姫様が助けてくれてるね」
「有り難いですね、体力を温存出来そうです」
 言葉を交わしながら迷路を進む。暫く行けば、木々の隙間から僅かに光が射すようにも思える場所が増えてくる。出口が近いのだろう。
 硬質化した幹を灰燼拳の力を乗せた小さな拳があっさりと砕き、白く細い腕で振るわれる大斧が驚く程の力で枝を刈り取る。森自体がオウガならば、自分達で出来る限り壊してしまうべきだろうと判断した二人の攻撃は凄まじい勢いで振るわれ、瞬く間に侵略された土地を元の姿へと戻し、二人に合わせて飛び続けるプリンセスの花弁が回復させていく。二人が通った後は一部ではあるが、かつての美しい姿を取り戻しかけていた。
「大分敵の力を削ぐ事が出来ましたね、折角ですしもう一寸削っておきましょう」
「今いい感じだもんね、了解っ♪」
 アハトが周囲を確認し告げる提案に、楽しげに尻尾を揺らす祭莉が応じる。
 破壊された木々の向こうに迷路の出口が見える。しかし二人は進むよりも先に出来る限り森を削る事を選びその武器を、拳を振るい続けた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミカエラ・マリット
おひめさま……ってキレイでカワイイですよね
ミカエラもちょっとあこがれます

まずはこの変な木をどーにかしなきゃなんですよね
迷路作られる前に、オウガの木をたたきおります
やられる前にやれって、ミカエラ教わりました
ハンマーふりまわして、えーいってぶんなぐりますね

迷路になったら、進む方向のカベをどーんってやっぱりなぐります
簡単にこわれないって言うけど、何度もミカエラのパワーでなぐればそのうちこわれてくれますよね?
プリンセスさんに向かおうとしてる悪い枝がいたら、メッておこります
でもって、アンカーぶんなげて阻止します

オウガやっつけた後がちょっと更地になるかも…
え、えっと、直すの手伝うんでゆるしてくださいねー!



「おひめさま……ってキレイでカワイイですよね」
 ミカエラ・マリット(撲殺少女・f23163)は僅かに憧れを乗せた紅玉の瞳で空を見上げる。頭上を華麗に飛ぶプリンセスが落とした薄紫の花びらがふわりと目の前を通り、思わず伸ばした手のひらにそっと舞い降りた。
 自分の力で守れる、ならば守ろう。よし、と決意を込め頷いて目の前の木々を見遣る。
「まずはこの変な木をどーにかしなきゃなんですよね」
 ぎゅっとハンマーの柄を握るとたたっと駆け寄り、大きく振り回したハンマーを近くに生えていた木に叩きつける。まだ育ちきっていない木はミカエラの一撃であっさりと折れ、砂と化した。
「やられる前にやれって、ミカエラ教わりました」
 物騒な発言ではあるが、此処には反応するものは居ない。そして、現状においてそれは正解とも言えるだろう。
 木々を破壊しつつ迷路になった部分へと踏み込む。道を選ぶことなく壁を破壊して正面突破。枝が絡み合った森は先程よりもかなり頑丈になってはいるし、黒薔薇が今も強化を続けてはいるのだけれど。
「えいっ」
 軽々と振るわれる巨大ハンマーでのグラウンドクラッシャーで地面ごとえぐる様に破壊されてしまえば、多少の抵抗も意味は無い。破壊された周りから黒薔薇が茨を伸ばし、森を再生しようとしてはいるが、上空のプリンセスが落とす花びらが露になった黒薔薇を散らしその動きを止めていく。
「あ、あれはだめですね、メッです」
 一旦破壊の手を止めたミカエラが見つけたのは、プリンセスを狙うオウガの木。おこりました、と言いながらどこからか取り出した身長よりも大きな錨を鎖を持って振り回し、伸ばされた枝へと投擲する。錨は少女が投げたとは思えないスピードで枝を叩き折り、ついでにその周囲の木々も折り取るとどすん、と音を立てて地面へと落下。鎖を引いて手元へと引き戻すと、それを引きずったまま再びハンマーを振るい始める。
「あ、出口です」
 森だった場所を抜けたミカエラ。離れた上空にはこの国とプリンセスを狙う黒の姫の姿が見える。決戦……の前に一度振り返ると広がるのは砕けた木々が変じた砂にまみれた荒れ地で。
「え、えっと、直すの手伝うんでゆるしてくださいねー!」
 焦ったようにプリンセスへと声をかけると、改めて敵の姿へと目を向ける。
 黒の姫……エンデリカは全てを眺め、楽しげに笑っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『エンデリカ』

POW   :    咲キ誇リナサイ
自身の【体を茨に侵蝕させること】を代償に、【機械の翅から召喚する黒薔薇蝶々の群れ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【黒薔薇に体の自由を奪われる呪いの鱗粉】で戦う。
SPD   :    コレガ「自由」ノ形
【機械に侵蝕された姿】に変身し、武器「【機械仕掛けの翅】」の威力増強と、【羽ばたき】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
WIZ   :    ドウゾオ静カニ
自身の装備武器を無数の【戦意と生命力を奪う黒薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠メリー・アールイーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「フフフ……アハハハハ!ナンテ楽シイ、素晴ラシイノ」
 機械の翼を羽搏かせ、エンデリカは笑う。瞳に狂気を宿し、楽しそうに、嬉しそうに。
「元気デ可愛ラシクテ最高!皆、ワタシノモノニシナクチャ」
 笑うエンデリカを見て、顔を引きつらせるプリンセス。
「怖い……何で笑うの……やだ」
 怯えるプリンセスを見て、更に高らかに笑い声をあげるエンデリカ。
 「欲シイワ!プリンセスノ力モ、アナタモ……大事ニシテアゲル、鎖デ繋イデ、少シズツ分解スルノ」
 だから、とエンデリカは猟兵達を見遣る。
「邪魔シナイデ、アナタ達モ欲シイケド、コレ以上邪魔スルナラ壊シチャウカラ!」
木元・祭莉
菫のお姫様、無事だね。よかったー!
だいじょぶ、ココから先は、おいらたちに任せといて♪

【真の姿:芯になる少年の姿は保ったまま、白い炎のオーラが吹き上がり、狼の姿を形作る】

うーん。姉ちゃん楽しそうなのはいいんだケド。
ずっと笑ってるの、コワイよね。おいらもそう思う!

やめて、って言っても、やめないよね?
ん、わかった。じゃあ、腕ずくで、やめさせるね!(にぱ)

疾走発動、飛行速度なら負けない!
鱗粉は、纏った白炎で焼き切って。
黒薔薇蝶々自体は、構えた如意な棒からの衝撃波で次々に落としていくよ。

エンデリカ、茨が絡まって痛そう。
お姫様から引き離すように動き回りながら、声を掛けるね。
もういいから。骸の海に還りなよ?



 エンデリカは笑う。プリンセスの抵抗が、猟兵の攻撃が楽しくて面白くて可愛くて。笑いながら黒薔薇の蝶々を召喚し、自身の周りに飛ばせる。その身体が茨に締め付けられる痛みすらも彼女にとっては浮かべた笑みを消すものではない。
 木元・祭莉(まつりんではない別の何か・f16554)はプリンセスを励ますように、空を見上げると大きく手を振る。
「菫のお姫様、無事だね。よかったー!」
 顔を強張らせながらも、小さく手を振り返すプリンセスへと晴れやかな笑顔を向けて、よし、と手を握る。
「だいじょぶ、ココから先は、おいらたちに任せといて♪」
 浮かべた笑顔はそのままに。小さな体躯から白い炎のような光が噴き上がり、見る間に狼へと形を変える。風輪の疾走を発動した祭莉は、白狼の内側から銀の瞳でエンデリカを捉えると真っ直ぐにその目を見て。
「うーん。姉ちゃん楽しそうなのはいいんだケド。ずっと笑ってるの、コワイよね。おいらもそう思う!」
 何を言われても、エンデリカの笑みは消えない。彼女にとっては猟兵が何をしようと行動を変えるつもりも無く、全てが興味の対象であり、面白くて仕方ないのだから。
「アラ、怖イナンテ……コンナニ可愛イと思ッテルノニ」
「やめて、って言っても、やめないよね?」
「何故止メナケレバナラナイノカシラ?」
 本気でわからない、という風にエンデリカは首を傾げる。祭莉も説得は不可能と判断したのか、会話を打ち切るとユーベルコードを使用することで得た飛翔の力でその身を宙に浮かせる。
「ん、わかった。じゃあ、腕ずくで、やめさせるね!」
 満面の笑みで告げる宣言と同時、白光の狼が駆ける。エンデリカが放つ黒薔薇の蝶々が撒き散らす黒い鱗粉を焼き、黒薔薇蝶々本体を、狼の内で祭莉が伸ばして構えた如意みたいな棒から放つ衝撃波で払い落す。エンデリカへと近寄ると伸ばされた茨を千切り押し返し、プリンセスを背後に庇う形で徐々に距離を開いていく。
「エンデリカ、茨が絡まって痛そう……ねえ、もういいから。骸の海に還りなよ?」
 切られた茨がばらばらと地面へと落ちていく。祭莉が如意みたいな棒から気合を入れて放つ衝撃波が、エンデリカを大きく吹き飛ばした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アハト・アリスズナンバー
……プリンセス、ここはひとまず飛び続けてくださいな。私が全てひきつけます。あの手の気ぃ狂っとる奴はまともに相手するだけ、向こうのペースに飲まれます。

相手が茨に浸蝕されてる間は動けないという事。
向こうが動く前にリミッター解除したダッシュで一気に接近。蝶々の群れによる鱗粉は、破魔の力を使った酒を全身に浴びて防御。プリンセスも浴びといてください。
更に炎属性攻撃によるヴォーパルソードの一撃で茨ごと燃やします。

壊せるものなら壊してみるといいでしょう。
何せこっちから壊れるのは得意なものですから。
最大まで接近したらUC起動。自爆して次の自分へバトンタッチ。
派手に爆発したからさぞかし燃えることでしょうね。



「……プリンセス、ここはひとまず飛び続けてくださいな。私が全てひきつけます」
 アハト・アリスズナンバー(8番目のアリス・f28285)は上空のプリンセスに何か瓶のようなものを投げ渡し、距離を開けるよう伝えると斬竜剣ヴォーパルソードを抜く。
「あの手の気ぃ狂っとる奴はまともに相手するだけ、向こうのペースに飲まれます」
 相手にするな、と。きっぱり言い切ると先程までよりも更に茨に浸食され、高度を下げたエンデリカを見遣る。
「ソンナ言イ方ハヒドイワ、可愛イオ嬢サン……ワタシハタダ、プリンセスモコノ世界モ全部欲シイダケナノ

 微笑みながら甘やかに笑うエンデリカ。その目は狂気に浸り、アハトやプリンセスを見ているようにも見ていないようにも思える。
「はた迷惑ですね」
 抜き身の剣を下げたまま、頭から破魔の酒を被り一気に走り寄る。プリンセスも似たような仕草を見せている、持っているのは先程アハトが投げ渡した同じ酒。破魔の力が黒薔薇の蝶々が振りまく鱗粉を寄せ付けない。走りながら刃に軽く指先を触れさせる。付与したのは炎の属性、一気に赤く燃え上がる剣を振り抜き、下がる茨を焼き切り落とす。
「壊せるものなら壊してみるといいでしょう」
「アラ、抵抗ヲ止メテシマウノハ楽シクナイワ」
「抵抗しない、と言った覚えはないですよ……何せこっちから壊れるのは得意なもので」
 ほとんどエンデリカの真下に潜り込み、アハトが使ったのはオウカ・コード。一瞬身体から力を抜いたかと思うと、次の瞬間エンデリカを巻き込み派手に自爆する。
「キャアアァァッ!?」
 煙が引き、エンデリカの姿が現れる。しかし茨は引きちぎれ、機械の翼も半ば壊れて飛んでいるのもやっとの様子……だけれど。
「アハ……アハハハハ!アノ子、自爆ダナンテ!ワタシハマダ生キテルノニ」
「そうですね、こちらも死ぬほど痛かったです……死んだけど」
 地上を流れる煙が消え、そこに立つのはアハト。正確には自爆によって召喚された次のアハトの姿があった。
「派手に燃えましたね……さあ、続けましょうか」
 新たなアハトが涼やかな銀の瞳でエンデリカを見つめ、剣を構えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・怜悧(サポート)
詠唱:改変・省略可
人格:アノン
NG:エロ・恋愛
「楽しめそうだ」「美味そうだな」「ヒャハハハハ」
行動優先順は1.NPC含む他者の救助、2.攻撃。ホントは敵を喰う方を優先してェんだけど、ロキが煩せェからな。
UDCを纏って獣人風の格好で戦うぜ。速度と勘を生かして攻撃を避けつつ、接近して爪で切り裂くか噛みついて喰うのが得意だ。UC使った遠距離攻撃もするが、銃はちょっと苦手だ。牽制に使ったりはするけどな。
技術的なヤツとか、善悪論とかは苦手だし、興味もねェ。楽しく殺して喰えれば満足だ。喜怒哀楽は激しい方だが人として生きた経験は短けェからな。価値観とか常識は知らねェよ。まァヤバイときはロキが止めるだろ。


アラン・スミシー(サポート)
基本突然現れて仕事を終えたら去っていく人物です。

基本的に【乱戦】か【銃撃戦】での援護がメインとなります。
他の猟兵の手の足りない所に現れては銃で攻撃し、気を引いたり足止めをしたり敵の頭数を減らしたりします。
また既存のPCでトドメを刺しにくい時は【最終局面】を使って下さい。逆転の隙を作ったり、心情的に殺せないタイプのPCがいた際にどうぞ。

説得や交渉等が必要ならなんか良い感じの言葉を言います。
例:君の正義は分かった。しかしその正義は君を救ったかい?

ユーベルコードのセリフを参照し、MSの言って欲しい都合の良い言葉をアレンジしてやってください。
大体無意味に格好いいこと言ってます、割と適当に。



「次カラ次、猟兵ッテ虫ミタイニ湧イテキテトッテモ面白イワ」
 翼を壊され、茨を千切られてふらつきながらも、まだ余裕気な雰囲気を漂わせるエンデリカ。
 水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)……彼の中の人格の一つ、アノンがエンデリカに視線を向けると口元を歪ませる。
「まだ壊れねぇのか、これなら楽しめそうだな」
 彼の背後で、アラン・スミシー(パッセンジャー・f23395)がトレンチコートの中から取り出した銃を構えた。普段は優し気な眼差しが僅かに鋭さを増す。
「やれやれ、私は平和主義者なんだがね……この地が穏やかになる為なら仕方ないのかな」
アノンが走り出すと同時、アランの銃が火を噴いた。リボルバーから放たれた弾丸は的確にエンデリカの機械の翼を射抜き破壊し、その高度を強制的に落としていく。
「ヒャハハハハハハッ!」
 黒い服に身を包んだ細い身体が跳ね上がり、地面に垂れ下がった茨をエンデリカ自身を、鋭く伸びたアノンの爪が引き裂く。赤く染まる髪を揺らして楽し気に踊る様に、強化された凄まじい力で裂かれた茨はぼとぼとと地面に落ち、直後に砂と化して崩れ去る。
「酷イワ、コンナニボロボロニスルナンテ」
 悲しげな表情を作り大きく手を広げるエンデリカ。その仕草はどこか演技がかっていて、未だ本気で困ってはいない様子を窺わせる。
 高度を下げたエンデリカの上を猟兵達に力を貰ったプリンセスが飛ぶ。ひらひらと舞い落ちる薄紫の花びらは周りを飛んでいた黒薔薇蝶々を落とし、荒れ地になった地面を回復させて草が芽吹かせ、小さな花を咲かせていく。この国がエンデリカの支配から抜け出そうとしているのが猟兵達にもわかるだろう。
「プリンセスの努力で平和への道が繫がった様だ」
「まあ、元に戻んなら十分だな」
 フェドーラに手をかけつつ穏やかにアランが笑い、その呟きを拾ったアノンが肩を竦める。
「面白イワ、アナタ達モ捕マエテ、全部千切ッテ身体ノ中マデ調ベテミナイト駄目ネ……アハハハハ!」
 ゆらゆらとエンデリカの身体が揺れる。茨が侵食し、首元までが緑に染まるが目の輝きは変わらない。狂気に輝く瞳が二人を、上空を飛ぶプリンセスを見つめ楽しげに細められる。
「冗談じゃねぇよ」
「それは困るな、まだ引退するには早すぎるんでね」
 即座に否定する二人。帽子から手を放し再びリボルバー銃を構えるアラン、赤い光を放つ紫の目を細めてエンデリカを見遣るアノン。
 戦いは終幕へ近付く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ミカエラ・マリット
こわすのは得意ですけど、こわされるのはイヤです
それにミカエラ達はロボットやオモチャじゃないです
りっぱな生き物ですよー!

このおねえさんこそロポットなんでしょうか
まずはあの機械のハネからやっつけちゃおう
アンカーを思い切りぶんなげて、遠くからジャマします
黒いチョウチョもバラも、ばらまく前にふうじこめちゃいます
先手必勝ってミカエラ教わりました

背中のハネこわれたら、バランスくずれそうですよね
一気に近づいて、どーんとハンマーでなぐります
こわいおねえさんのセリフ、そっくりそのまま返しますよ
プリンセスさんのジャマするんだったら、こわしてあげます!
ミカエラ、こわすことだけは誰にも負けませんから!



 笑いながら飛び続けるエンデリカ。落ちかけながらもプリンセスへと向かい飛ぼうとする姿を見て、ミカエラ・マリット(撲殺少女・f23163)はアンカーを構える。
「こわすのは得意ですけど、こわされるのはイヤです。このおねえさんこそロポットなんでしょうか……まずはあの機械のハネからやっつけちゃおう」
 プリンセスへ届かせてはいけない。ミカエラはアンカーの鎖を持って振り回すとハンマー投げの様に投擲する。高く投げられた怒りはエンデリカへと真っ直ぐに飛び、避ける間もなく翅の付け根を破壊して地面へと叩き落した。
「キャアアアアアッ!!!」
地に伏し、顔を歪めるエンデリカ。笑みを消したその顔は信じられないとでも言いたげにミカエラを見る。
「先手必勝なのです。ミカエラ達はロボットやオモチャじゃないです、りっぱな生き物ですよー!こわすとかダメです」
 む、と頬を膨らませエンデリカを睨むミカエラ。幼女のお怒りポーズなのであまり怖くはないが、背後に置かれたハンマーの鈍い光が妙な圧をかけているようでエンデリカの表情に僅かに怯えが混ざる。
「おねえさんのセリフ、そっくりそのまま返しますよ、プリンセスさんのジャマするんだったら、こわしてあげます!」
 ハンマーを肩に担ぎ走り出すミカエラ。まだ起き上がる事が出来ないエンデリカへと一気に距離を詰め、ハンマーを振り上げる。体重を乗せて振り下ろされたハンマーは翅を、茨を、エンデリカを破壊する。
 茨が剥がれ落ちる。機械の翅が折れ、崩れていく。破壊された場所はプリンセスが撒く花びらに触れると途端に砂と化し、戻る事は無い。
「アアア、壊レル……ワタシガ壊レル」
「ミカエラ、こわすことだけは誰にも負けませんから!」
 再度振り上げられるハンマー。叩きつけられたそれは、エンデリカを完全破壊した。
「有難う……有難う、怖かったけど貴方達のおかげで飛び続けられた」
 エンデリカが砂となってその場から消え、プリンセスが降り立つとミカエラへと走り寄る。膝をつき、ミカエラの手をそっと握ると涙を浮かべて感謝を述べるプリンセス。そうしている間にも、辺りの面からは木が芽吹き草が生え、花が咲き、遠くには人の姿も見える。
「みんなががんばったからです。今度は、遊びに来ていいですか?」
 大きく頷くプリンセス。
 この国の危機は消え去った。そうかからない内にまた美しい花の国へと戻るのだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月15日
宿敵 『エンデリカ』 を撃破!


挿絵イラスト