●闇を如何に祓う?
「もし、兵(つわもの)たち」
集まった猟兵を前に、黒子のような服装を纏った藍色の巨人、風見・弥十郎(大太郎は傍観する・f26714)は抑揚なく、覇気のない声で問いかけた。
「おんしらは、なにゆえ奴等と戦う。おんしらの中には、この海の世界で生を受けた者に非ざる者もいるのだろう。関わらずしてよいものを、なにゆえ戦う」
財宝か、栄誉か、それとも信念を貫くためなのか……何事にも関わらず、傍観することを是とする弥十郎にとっては、まるで理解し難い感情だったのだろう。
猟兵たちは各々の答えを、淡々とした藍色の巨人に告げていった。
「よろしい。なれば今より、弥十郎の視た敵と戦うがいい」
くるりと開かれた巻物に描かれていたのは、紋章を身に着けた高貴な男。
男の背には禍々しい棘に覆われた巨大な狼、賊を思わせる屈強な戦士、そしておぞましい姿をした2匹のドラゴンの姿があり、更にその周囲は真っ黒な霧が覆われていた。
「名を『一の王笏』カルロス・グリード。王笏の分体。ダークセイヴァーなる世界に存在する、「紋章」の力を操る」
今現在彼は三つの紋章を所有しており、その効果は様々。
巻物に描かれているように『棘に覆われた大狼』に変身する力、『氷と影のドラゴン』を召喚する力、最後に敵の力を奪う力を与えるもの……どの紋章を使ってくるかは猟兵が用いるユーベルコードによって変わるようだが、弥十郎は何れの紋章も「奇襲に適している」と考察したようだ。
「彼のいる島には厄介な点がある。それは、辺りが真っ黒な霧に覆われているコト」
故に、視界がほぼない中で戦う事を強いられる。
然もカルロスは霧の影響を全く受けつけず、暗闇から悠々と奇襲を行うことが可能となっており、少しでも気を抜けば無防備な状態で倒される危険性も考えられる。
「此方が視界を遮られている中、相手は自由に行動が可能。この状況で何の対策もせずして戦いに赴けば、どうなる。其処の者、答えよ」
指さされた猟兵は、戸惑いもなく答えを帰す『飛んで火にいる夏の虫』。
「そのとおり。霧を力づくで払うなり、敵の発する音を頼りにするなり、『暗闇で戦う術』を編み出せぬ限り、奴と対等に戦う事はできない」
仮の案を出しつつも、まるで他人事のように巨人は淡々と言葉を続けていく。
「更にカルロスは、此方の存在を認知すると、暗闇から『必ず』先制攻撃を仕掛ける。先も言ったが、暗闇ヘの対応がなければ此方が気づく前にやられる。故に、彼に勝利するにはーーーー」
『暗闇への対応』と『奇襲への反撃』を両立さなければならない。
どちらかが一つでも欠けてしまえば、いくら足掻いても勝利は不可能……厳しい戦いになることは間違いない。
けれども、勝てない相手でない事も確かだ。
きちりと戦の支度を整え、万全を期して挑めば恐るるに足らないだろう。
「弥十郎からは以上。最後に一つ問うが、戻る気のある者はおらぬか。奴は強い、 逃げるなら今の内」
それは彼なりの優しさか、それとも警告か。此の度に及んで撤退を勧めてくる弥十郎。
しかし、手を挙げる猟兵はひとりとていない。此処でカルロスを逃せば、このグリードオーシャンに危機が訪れるどころか、己の想いも果たせないのだ。
「愚問であったか。よろしい、なれば思う存分やってみるといい」
猟兵たちの覚悟を受け取った弥十郎は、光の路を開いた。
深く暗い、深淵の闇へ繋がる路を。
「兵(つわもの)に幸多かれ」
甘辛カレー
こんにちは、いまだに暗い所がダメな甘辛カレーです。
何が来るかわからないので。
そんな訳で今回は、久々のやや難となります。
●島
周囲は「視界を遮る黒い霧」に覆われ、猟兵側に視界はほぼありません(※カルロスは普通に行動可能です)。
移動・戦闘時は、この霧による視界不良への対応も求められるでしょう。
●敵
敵は必ず、先制攻撃を仕掛けます。それらに対抗する手段を用いて反撃に繋げることができれば、大幅なプレイングボーナスが期待できるでしょう。
また、敵が用いるユーベルコードは『猟兵側が設定したユーベルコードと同じ種類』のものとなります。
(例:弥十郎がプレイングで『七星七縛符(WIZ)』を設定→カルロス・グリードは『凍影竜の紋章(WIZ)』を使用)
この点も重大な攻略ポイントになるかも……!?
其れでは深き闇の中に潜む敵に、「光」を見せつけましょう。
兵に、幸あれ!
●他
プレイングは即日受付、断章はありません。
頂いたプレイングは全採用を目指しますが、基本はスピード重視となります(※人数次第では大幅に減速します。申し訳ありません)。
不採用になってしまった場合はご容赦ください。
第1章 ボス戦
『七大海嘯『一の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 餓える狼の紋章
【紋章の力】を使用する事で、【身体のあちこちに牙を思わせる鋭い角棘】を生やした、自身の身長の3倍の【黒狼】に変身する。
SPD : 略奪者の紋章
【筋力を奪う爪】【速さを奪う爪】【意志の力を奪う爪】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ : 凍影竜の紋章
戦闘用の、自身と同じ強さの【触れる者を凍てつかせる氷の身体のドラゴン】と【影に潜み精神を喰らう黒影のドラゴン】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
イラスト:hoi
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
神崎・ナオ
凄い! 本当に真っ暗でなんにも見えない!? なんかこういうの魔王っぽくない!? 憧れるなぁ
って、そうじゃない、まずは相手の攻撃を捌かないとだね
(従者の蝙蝠が助言をしながらこっそりオーラ防御をしてくれます)
なるほど、塞がれるのは視界のみってことは、相手が大きくなればその分空気を切る音や足音、風圧とかの感触があるはずだよね
それを頼りに防御姿勢をとって、相手の攻撃にカウンター気味に杖を振って攻撃するよ!
(本人の攻撃は空振りだが、本人に気付かれない様に周囲に潜む魔王軍が代わりに様々な報復攻撃を放ちます)
あれ!? 外れー……当たった?
エドゥアルト・ルーデル
うむ!何も見えない明日も見えない
まあ視覚だけに頼るのは雑魚のやる事でござるが
見えないなら相手から来るのを待てばいいでござるよ
視覚に頼らず聴覚で【黒狼】の接近ぐらいは分かるでござるな!攻撃が届く瞬間に流体金属君と拙者の肉体を融合、全身メタルボディになって防御力を高めて耐えますぞ!
このまま何回か攻撃を受けておく!硬い金属と思わせるのが大事でござるね!
頃合いを見て人型を保ちつつ流体に変化、爪やらでの攻撃が直撃した瞬間を狙って狼に流体を纏わりつく!
本当は男に抱きつくなんて真っ平だがぶっ殺したいから仕方ないね
捕ったらもう逃げられないゾ!流体を同じように角棘に変えて狼の全身をズタズタにしてやるでござる
●不動如山
辺り全体が黒、黒、黒。空も景色も、何もかもが闇に覆われて何も見えない。この闇の中に『一の王笏』カルロス・グリードが潜み、入り込んだ者を一人残らず仕留めんとする。
そんな『闇の島』の内部に、二人の猟兵が忍び込んだ。
「凄い!本当に真っ暗でなんにも見えない!?」
一人は、幾人も存在する『魔王』の一人、神崎・ナオ(魔王と勇者のハーフな悪魔・f32386)。一面の闇に驚きつつも、強く、賢く、そして悍ましい魔王が纏うような『それ』を前に、ナオは憧憬の念を抱いた。
されど、此処は戦場。すぐに「そうじゃない」と己を律する。
「うむ。何も見えない、明日も見えない……まさに『お先真っ暗』でござるな」
もう一人、戦場を覆うそれをスコープ越しにのぞき込むエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)も、この暗闇の恐ろしさを肌身で感じ取った。このような状況下では、得意の射撃はアテにならない。
されど、如何なる状況下においても常に冷静さを失わず、その場にあった最良の戦略を講じ、勝利を掴み取るのが真の戦士だ。
目に見えるモノだけアテにしたり、敵を把握せず単純に戦うようでは、「勇気と無謀」の違いすら答えられない『弱卒』の行いに久しい。
胡散臭い雰囲気を醸し出すエドゥアルトでも、この考えは譲らなかった。
「相手が大きくなればその分空気を切る音や足音、風圧とかの感触があるはずだよね?」
「左様。姿が見えないなら、相手から来るのを待てばいいでござるよ」
二人は比較的足場の良いポイントで、その場で迎撃の態勢を取った。
動かざること山の如し。互いに敵が発する音を頼りにし、敵の接近を待つ。
「(近くには、まだいないみたいだね)」
杖を片手に身構えるナオは、敵の発する空気や音等を頼りに敵を探す。いつ何がきてもいいようにオーラを纏い、杖を両手に持って身構えるが、今のところ何かが来るような音はない。
従者の蝙蝠も協力して事に当っていたが、彼もまたそれらしい存在を感知するには至らなかった。
「(動物が走るような音……左からでござるな)」
一方でエドゥアルトは、何かが来るような音に気付くことができた。彼は咄嗟に意志ある流体金属『オウガメタル・Spitfire』に呼びかけ、タイミングに合わせて其の身体を鋼鉄化する準備を行う。
それは敢えて攻撃を受け、硬い金属と思わせ足止めする作戦であったが。
「(むむ?音の聞こえ方がおかしいでござる)」
音はエドゥアルトのいる場所へ向かわず、あらぬ方向へ向かっている。再び耳を澄ませてみると、音は左からタッタッと聞こえてくるのがわかるが、やはり此方には向かっていない。
となれば考えられることは唯一つ。狼に化けたカルロスは、死角からナオを襲おうとしているのだ。
「神崎氏!4時の方向敵でござる」
「よ、4時?どういうこと!?」
突如発された聞きなれない言葉に戸惑うナオ。エドゥアルトの言った4時というのは、「時刻」の4時だろうか。そう考えたナオは、咄嗟に丸時計を頭の中に描く。
丸時計の4は、最も右にある3の斜め下。その方向に敵と言われれば、答えはおのずと導き出せた。
「(そっか、右斜め下から襲ってくるってことだ!)」
言葉の意味を理解したナオは身体の向きを変え、杖を構えて護りの態勢に入った。
「グオォオォォオオォォオッ!!!」
「あ、あっぶな~い!?」
間一髪。杖と牙が同時に被さった。振り返ったその時は既に、大狼に化けたカルロスが大口を開き、其の身を噛み砕かんとしていたまさにその時。
受け止めた衝撃でバランスを崩し転んでしまったものの、致命的なダメージを免れることができた。
「グルルゥゥゥ!?」
「いたたた……そんなに強く攻撃したって、あれ?」
腰を上げ、体勢を整えようとしたその時。眼前に大狼がもがくようなシルエットが映る。周囲に潜んだナオの魔王軍が、主に攻撃を加えた報復にと一斉に攻撃を仕掛けているのだ。
「い、一体何が起こっているの?」
主たるナオにすらその存在を気づかれぬよう、淡々と攻撃を行っていく彼等は、己を圧倒的に上回る巨体をもつそいつを何ら恐れもせず、各々の攻撃を加えていってはその動きを塞き止めていく。
「なんだかよくわからぬが、好機でござるな!」
その様をエドゥアルトは見逃しはしなかった。すぐさま『Spitfire』と融合し、気づかれる前に其の身体を、大狼の身を覆う幾多の棘に纏わりつかせていく。
気づけば身体全体を棘の間に潜ませており、此処までくれば彼とて逃れる事は不可能だろう。
「うム、実ニよク馴染む……本当は男ニ抱きつくなンて真っ平だガ、ブっ殺したイから仕方ナいね!」
何しろこれは戦闘。すんなりと割り切ったエドゥアルトの身体が流体から鉄の角棘に変化していった。
「ズタズタニしてやルでごザる!」
そこへ、守りが薄いと思わしき『棘の間』を的確に狙った鋭利な一撃を次々と放っていく。案の定そこが脆くなっていたようで、その巨体に大きな傷口を作り、凄まじい激痛を与えた。
「―――――」
それと同時に、物言わず戦うナオの魔王軍たちの勢いも一気に増した。兵士たちはエドゥアルトによって開かれた棘の間の傷口を的確に狙い、その傷口を力強くえぐり、力づくで斬り開いていく。
見えざる一撃に藻掻く大狼の咆哮が、暗闇の中で響き渡るのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒影・兵庫
紋章か...嫌な記憶です
(「地底都市のことね。同じ悲劇を生まないためにも紋章と共に滅ぼさないとね」と頭の中の教導虫が話しかける)
はい!せんせー!
(「さてどうする?」)
『迷彩』効果を付与した『オーラ防御』で『目立たない』ようにバリアを展開して無防備を装い敵の攻撃を誘います!
敵の攻撃がバリアに触れた瞬間『衝撃波』で迎撃すると共に『念動力』で{皇糸虫}を操作して敵を『捕縛』!
成功したらUC【蜂皇怨敵滅殺撃】を発動し、せんせーの抜け殻を召喚するので
スゴイの一発お見舞いしてください!
(「よぉし!まっかせなさい!」)
●過去を穿つ
王笏・カルロスの持つ紋章は、本来であればダークセイヴァーに存在する、闇に覆われた世界を支配する『支配者』たちの切り札。
元から有する強大な力をより一層強める、おそるべき蟲型のオブリビオンだ。
「紋章か……嫌な記憶です」
紋章を持つ者に挑まんと、闇の島に赴いた黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)に、かつて赴いた『地底都市』の記憶がよみがえる。
罪なき人々を目の前で次々と殺された、あの忌々しき戦いを。
『地底都市のことね』
「あっ、せんせー。聞いていたんですか」
頭の中に声が響き渡る。それは彼の頭の中に潜む、教導虫「スクイリア」。頭そのものに潜む存在であるが故に、彼の心境は言葉を聞かずとも理解できた。
スクイリアとて、あの血塗られた戦いを忘れたわけではなかった。だが、今は嘆いている時間などない。如何に悲しもうとも、喪われた命は帰ってこない。
『同じ悲劇を生まないためにも、紋章と共に滅ぼさないとね』
「はい!せんせー!」
故に、今を生きる兵庫たちがやるべきことは、二度と同じような人々を出させないことだ。決意と共に、兵庫は深き闇へ足を踏み出す。
『さてどうする?この暗さじゃ、敵を見つけ出すのは十中八九無理よ』
四方八方が見えない以上、闇雲に動くとあっというまに奇襲を受けてしまう。霧を払いながら進む作戦もあるが、霧は島全体を覆っている以上、効果は限定的だろう。
「はい。ですから無防備を装い、敵の攻撃を誘います!」
オーラを其の身に纏わせた兵庫は、『黒い霧』の中に溶け込み迎撃する手に出た。
無防備を装いつつ、静かに獲物を待つ蜘蛛の如く身構える。
「さて、何処から来るんでしょうか……」
『そろそろじゃない?』
耳を澄ませてみると、獣が駆けるような音が聞こえた。音はみるみる大きくなり、此方に向かってくるようだ。誰もいない島の中で獣の音が鳴るとすれば、考えられることは唯一つ。
「グルルアアアアァァアアァアァァァアッッ!!!」
棘を纏った禍々しい大狼に化けたカルロスが、闇に紛れた兵庫に牙を向いて襲い掛かる。身を護るオーラごと呑み込まんと襲い掛かるそれは、止まる事も知らずに飛び掛かった。
「来たかッ!!」
カルロスがバリアに当たったことをすぐに感知した兵庫は、衝撃波を放って広報へ下がりつつ、念動力を用いて10mに及ぶ糸『皇糸虫』を開放していく。
長く、頑強な糸がカルロスの巨体に襲い掛かった。無数の棘に覆われた身体に糸を切られぬよう、棘と棘の間に糸を正確に侵入させ、その巨大な身体を一歩たりとて動かせぬよう縛り上げてみせる。
「それじゃあせんせー、スゴイの一発お見舞いしてください!」
『よぉし!まっかせなさい!』
相手を完全に捕縛したら、此方の番だ。ユーベルコード【蜂皇怨敵滅殺撃】を開放してスクイリアの抜け殻を召喚、全力を込めて大狼の図体に叩きつける!
「グルウウゥゥウゥ!?」
「うっひょー!せんせー!かっけー!」
まるでスクイリア本人をが敵を穿つような光景を前に、宿主である兵庫もつい興奮を隠せない。
抜け殻から放たれた重い攻撃は、カルロスを力強く吹き飛ばしたのみならず、彼が立っていたその地面をも粉砕したのだ。
その一撃はまさに、かつての苦き『過去』を穿つ一撃となっただろう。
大成功
🔵🔵🔵
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブも絡みもOKデス!
フフフ。ピサロ対策のサングラスデスガ、こちらのカルロスにも通用する代物なのであります。
何故なら、暗視機能も付けておりますからな!(渾身のドヤ顔)
黒い霧で苦戦した過去の教訓は覚えておくとして、強敵との戦いを楽しみマース!
さて、まずは辺りを焼き払いマス。暗いところに明るい光があると目が眩みマスカラネ!
光量調整機能もあるのでワタシには不利になりマセーン!
暗闇の中から炎に照らされて出てくる黒狼カルロスは、格好のカウンターの的デスネ!
初撃は抜刀ファルシオンで受け流して、その腹にUC《ヴァリアブル・ウェポン》!
至近距離から、各種内蔵兵器による攻撃力重視をお見舞いデース!
●あえて身を晒す
視界の悪い闇の中を、サングラスをかけて歩くのはバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
この暗闇の中でも、彼女は余裕の表情でにやけている。
「フフフ。ピサロ対策のサングラスデスガ、こちらのカルロスにも通用する代物なのであります」
このサングラスは陽光や閃光から眼を保護するためのものであったが、改造によって光量調整機能を搭載され、暗視ゴーグルのように用いることができるようになっていた。
島を覆っていたのは霧であるが故に「全て」の光景を見通すのは難しかったが、それでもこのような状況ではかなり有難い存在であるのは間違いないだろう。
「さて、先ずは……辺りを焼き払いマショウカ」
足場の良い場所を見つけたバルタンは、自身の周囲を炎で囲っていく。居場所は完全にわかってしまうが、暗闇の中で光を見せつければ一時的に相手の目をくらませられることが期待できる。
更にバルタンは光をサングラスによって遮ることができるため、自滅する心配もない。
「黒い霧で苦戦した過去の教訓は覚えておくとして、強敵との戦いを楽しみマース!」
後はただ、炎の中から敵が現われるのを待つのみ。
腰に携えた無骨な刀の柄を掴み、「どこからでも来い」と言わんばかりにバルタンは身構えた。
「グルルル……」
其の頃。二度の戦いで傷痍を受けていた大狼は、いまだ仕留められぬ獲物を求め彷徨う。
このまま王笏たる自身が敗れることなど、あってはならぬ……その表情には、確かな焦りが見えた。
一歩、また一歩足を進めていくと、眼前の先に光が見えた。一面の闇の中で微かに輝いている場所があるなど、極めて不自然。その方向に敵がいるのだと感知するには、全く時間を要しなかった。
お望み通り、喰らってやろうと接近するカルロス。だがそれこそが、バルタンの策のうちだった。
「かかりましたネ、カルロス!」
咄嗟に身構えたバルタンは、炎を突き破って現れたカルロスの牙に刀を合わせ、受け止める。
暗闇から炎に照らされて現れたが故に、対処は容易かったのだが。
「ガァァアアアァァアッ!!!」
「クッ!これはちょっと重いデスネ……」
だが、やはりそこは『王笏』。巨大な牙によるカルロスの一撃は極めて重く、全く態勢を崩さずに受け止めるのは厳しい。力同士のぶつかり合いに敗れたバルタンの身体は軽く仰け反り、無防備な状態に陥る。
だがそれでも、バルタンの余裕の表情は変わらない。
「おっと、本命はここからデース!」
バルタンの本命の攻撃は刀を用いたものではなく、肉体に組み込まれた内蔵兵器だ。
ヴァリアブル・ウェポン。次々と現れた幾多の内蔵兵器が、再びその骨肉を喰らわんとしたカルロスに襲い掛かる。
破壊力を増大された兵器がカルロスの全身を捉え、其の禍々しい棘の身体をバッサバッサと切り裂き、その力を奪っていく。
身体の一部を奪われ、壮絶な咆哮をあげる大狼。
あえて身を晒し、反撃に徹したバルタンのカウンターアタックは、『王笏』カルロスに致命的なダメージを与えたに違いない。
大成功
🔵🔵🔵
メル・メドレイサ
POW
絡み、アドリブ歓迎
よくお似合いの格好ですよイケメンさん
黒い霧対策には装備の『桃色の旗』【属性攻撃】で風と光を纏って振り回し、霧を散らしながら辺りを照らします
同時にそれでカルロスさんの襲撃を確認、爪と牙と角が武器でしょうから、ウサギ時計や剣を体の前に構え急所を【武器受け】【ジャストガード】で守ります
死なない部分の負傷は我慢します、むしろそこに敵がいるのですから
反撃には【指定UC】を使い、風と光と炎で攻撃力をアップ
機関銃を密着させ【零距離射撃】で魔法の弾丸を叩き込みます
敵が離脱したら再度旗を振るい霧を散らしますが、今度はUCも乗ってます、火炎竜巻が辺りをなぎ払って照らしますよ!
●其の牙を剥ぐ
霧がひしめく島の中、メル・メドレイサ(蕩けるウサメイド・f25476)は光を纏った手甲船の旗を力強く振るい、周囲の霧を払いつつ暗闇を往く。
風と光の力を合わせた力メルの周囲を包み込み、球を描くように周囲を照らす。
『全て』とまではいかなかったが周囲は明るくなり、奇襲された際に敵の姿を視認できそうだ。
「これだけ照らせれば、迎撃はしやすそうですね」
勝負所はやはり、この光を突き破られた時。メルは旗を振り続け、カルロスを待ち構える。
光で照らしている以上、此方の姿は恐らく敵に見えている。となれば敵は恐らく、自身が構えていない方向から仕掛けてくるだろう。
敵が来る瞬間に備えて、メルは剣や時計を構えつつ待つ。
「グオオオオオオオッ!!」
予想していた通り、身構えていない方向から大狼が現れた。相手の武器は鋭利な牙と爪、そして身体に纏われた角棘。近づかれれば、身体全体を攻撃されてしまう危険性もあった。
されどメルは恐れる事もなく、急所を護るように武具を周囲に展開していく。
「――――!」
防ぎきれなかった部分から鮮血が噴き出すも、メルはその柔和な表情を変えずに耐え抜いた。
元より負傷は承知の上。目の前に敵がいる限り、一瞬でも怯むことは許されない。
メルはすっと携えた機関銃を構えると、一瞬で足踏みを整え術式の詠唱を始めた。
「偉大なる帝竜の力と、彼の者すら扱い能わざる力を我に……!」
風・光・炎。三種の力が共鳴し、その魔力が一気に高められていく。
高められた魔力を機関銃に流し込み、カルロスのその巨大な狼の身体に突き付けたその時、引き金が引かれた。
「グルアアアアァアァァァアアアアァアアアァッ!!」
霊距離から放たれる、高威力の機関銃による連射。力によって高められた弾丸の威力は鋭く、ほんの一発でその鋭利な棘を圧し折り、貫いた。
これ以上受けるのは危険と察したカルロスが、後ろに下がろうとする。
「御気の毒ですが、逃げられはしませんよ」
されど、メルの攻撃はまだ終わっていない。再び旗を手に取ると、更に別の魔力を織り交ぜつつ、旗を振るって火炎の竜巻を巻き起こす。
炎に包まれた大狼の棘が、牙が、そして身体が塵となって崩れ落ちていく。
狼の存在が消えて無くなったその時、カルロスの本体が姿を現した。
「貴様、よくもッ……!!」
「よくお似合いの格好ですよ?イケメンさん」
本来の姿を見せたカルロスの美貌を褒めたメルが、止めを刺さんと旗を構える。
その美しい姿のままで骸の海へ送り返してみせんと、幾多の属性を織り交ぜた一撃を放とうとしたその時、カルロスの姿が光の中から消え去った。
彼が去った跡には、巨大な蟲が砕け散った痕がある。これは、餓える狼の紋章が壊れた証だ。
「逃げられてしまいましたね……ですけど」
力を一つ奪われた以上、カルロスの終わりは恐らく近いだろう。
戦いを制したメルは、そう確信していた。
大成功
🔵🔵🔵
ナイ・デス
逃せば、他世界への侵略が行われるから
過去と戦う為に、世界に選ばれた猟兵だから
なにより……私は、勇者のパートナーだから、です
【激痛耐性】視覚が再生待ちで使えない状況も、慣れてる
【第六感】で周囲把握して
【浄化、生命力吸収】する「聖なる光」を【レーザー射撃】のように両手から、剣のような長さで放ち続け【なぎ払い切断】
霧を吸収、払いながら【推力移動ダッシュ】
霧と同じように、敵も斬ろうと
ドラゴンも……帝竜と比べれば、です!
【目潰し】全身から光を放つ。霧も影も晴らす光
【継戦能力】氷も溶かす、癒しの光
あなた達の力は強い、ですが
勝利するのは、私達、です……!
『光の加護』
自身に、猟兵に宿し【覚悟】を
霧を、払います
●光の剣
兵(つわもの)よ、なにゆえ戦う。この海の世界は、汝が生を受けた世界ではないのだろう。
『逃せば、他世界への侵略が行われるから。過去と戦う為に、世界に選ばれた猟兵だから』
関わらずしてよいものを。汝がそこまでして戦いに赴く理由はなんなのだ。
『……私は、勇者のパートナーだから、です』
戦を前に問いかけられた言葉を、ふと思い出していたヤドリガミのナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)。今だ己が何かはわからない、されど今は名をくれた者の供を守る事を是とする。
覚悟を胸に暗闇へ足を運んだナイは、己の身体に聖なる光を宿し進んでいく。
光の加護を、癒しの力を纏い、覆われた闇を払いつつ。
「猟兵ども、まさかここまでとはな……」
力を一つ失ったカルロスが、傷を負いつつも足を進めていく。此処までの被害を受けるのは予想外だった。されどまだ、勝利への切り札は残っている。
「あの光は……フン、よもやまだ其の手を使うとはな」
光の加護を纏ったナイの姿が、闇の中で目立つように映っていた。奴は今、己を探っている。
なれば此奴を使うとしよう。凍影竜の紋章……触れる者を凍てつかせる氷の竜と、影に潜み精神を喰らう影の竜を呼ぶもの。紋章が光輝くと、二匹の竜が密やかにナイのもとへ襲い掛かっていった。
「あれは……影竜!」
始めに光から姿を現したのは、黒い霧に紛れつつ移動していた影竜。
第六感で周囲を把握してはいたが、完全に回避はできず、その竜爪が身体が命中する。
影の力で精神が喰われる。心の中がうっすらとぼやけていく事を感じる。
目がおぼろげになるナイの姿を見たカルロスが勝利を確信した、その時――――
「影の竜が消えた!?莫迦な……」
ナイは、其れに耐え抜いた。再生の力で心を一時的に癒しつつ、手に宿した光を剣のように変化させ、
影竜の其の身を斬り払っていたのだ。
光の剣に斬り伏せられた影の竜が、光と一体化するように消えさっていく。
「ドラゴンも……帝竜と比べれば、です!」
これまでに、幾度も「竜」の名を冠するものたちと戦ってきたナイに、恐れの心はない。光を全身に宿し、横に潜む氷竜の一撃を躱し、その先に映った戦う力を持たぬカルロスのもとへ、剣を構えて一気に肉薄する。
「あなた達の力は強い、ですが……」
霧をも、影をも晴らす光を纏った長大なる剣が、カルロスの身体を斬り伏せる。邪念を祓うその一撃が竜を宿す紋章を無に還し、それによって生まれた氷竜の存在を消し去る一撃を放つ。
「勝利するのは、私達、です……!」
勇者のパートナーとして、一介の猟兵として。
世界を護らんとするナイの覚悟は、揺ぎ無いものだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトル・サリヴァン
奇襲ばかりで陰険だねー。王を名乗ってていいのかな?
まあともかく倒さなきゃね。頑張ろう。
黒い霧は高速詠唱で音と風属性の魔法を使用、水中での反響定位の要領で周囲に普通の人には可聴域外の音波を放ち情報収集。
極力拓けた所に移動し奇襲を待つ。
周囲を音波で探りつつ勘も頼りに。
更に高速詠唱で周囲の地面に全力の魔力を通しておく。
奇襲を察知したら通した魔力で周囲の地面を一気に沼へと変え、足場を最悪にしカルロスの出鼻を挫く。
その状態でオーラを結界術で俺の体周囲に纏い爪の直撃を避けつつ、反撃はUCで空シャチ召喚し二体まで合体させ強化。
見えずとも音で索敵できる空シャチ達、決して逃がしはしないよ。
※アドリブ絡み等お任せ
●汝、『王』を名乗る資格はあるか
「しかし、奇襲ばかりで陰険だねー」
黒い霧の中に溶け込みつつ、どこか呆れたかのように呟くシャチのキマイラ。
名は、ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)。彼はカルロスが『王笏』を名乗るに値する人物であるか、底知れぬ疑念を抱いていた。
確かに「紋章」は強大な力を秘めている。だがそれは、異界から借りた仮初の力に過ぎぬもの。
『己自身の力』で戦っていないのだ。
「まあ、ともかく倒さなきゃね。頑張ろう。」
とは言え、カルロスの紋章の力は一つだけでも強大なものであり、油断はできない。
足場がよく、比較的拓けた場所に陣取ったヴィクトルは、音と風の属性を織り交ぜられた、可聴域外の音波を周囲に放っていく。
その音波を頼りにカルロスの存在を探る。これは、シャチ等が用いる反響定位……エコーロケーションだ。己の発した音が物に当たり、跳ね返る『反響』を利用し、周囲の状況や相手の位置を調べる方法。
「(後は、これも必要かな)」
更に自身の立つ地面の周囲に魔力を流し込むことで、迎撃の準備は完全に整った。
これで準備は万全。ヴィクトルは音の威力を更に強め、索敵を続けていく。
「おのれ猟兵共……何処にいる……!!」
傷ついたカルロスは、一人戦場を彷徨っていた。紋章を二つ壊され、残るは略奪者の紋章のみ。
傷口を抑えつけ、暗闇の中から敵を探る。その目線の先には巨大な影……ヴィクトルの姿がある。
「――――其処かッ」
気配を殺して密かに近づき、三種の爪を振り上げる。それすらも『見破られている事』を知らずに。
「なっ……沼か!?」
「ああ、来たんだね。最初から分かっていたけどさ」
反響を頼りに敵を探っていたヴィクトルは、最初からカルロスの存在を認知していた。
相手の接近を感じ取りつつ、タイミングに合わせて魔力のプールを沼にして出鼻をくじく作戦は見事に成功。手ごたえを感じたヴィクトルは反響を感じない場所へ逃れ空飛ぶシャチを召喚し、それらを合体させて一気に強化した。
「莫迦めが……見えぬままで何ができる!」
しかし、沼に嵌ってそのまま動けなくなるような彼ではない。一瞬にして脱すると再び闇に溶け込み、シャチを避けつつ駆け抜けながら襲い掛からんとする。
「逃げられはしないよ。このシャチたちは、見えなくても『音』で索敵できるからね」
しかし、音を頼りに移動できるのは空のシャチとて同じこと。少しでも音を発してしまえば、居場所を見破る事は容易いのだ。闇を駆ける足音を頼りに、二体のシャチがすらりと近寄って大口を開き、一匹が頭から、二匹が足から仕掛けつつ、其の身体に牙を突き立てる。
シャチ達はカルロスの断末魔の叫びを発する事すら赦すこともなく、其の身体を食い千切り、喰らいつくし、最後には何も残らなかった。
「結局君は、『異界の力』に頼っていただけに過ぎなかったみたいだね……そんな為体で王を名乗ってよかったのかな?」
無邪気に、そして残酷な声で想いを口にしたヴィクトルが、背を向け立ち去る。
異なる戦場でも己の力を全く用いず、異界の力や財宝に頼った戦法を取り続け、まるで虚飾で彩った烏の如く異界の力を振りかざした『カルロス・グリード』なる男に、『王』を名乗る資格は、本当にあったのだろうか。
その答えは、彼と剣を交えた猟兵のみぞ知る。
大成功
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